JP2017121403A - 医用画像診断装置用マット - Google Patents
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Abstract
【課題】被検者及び医療従事者の負担を軽減すると共に、検査精度を高めることができる医用画像診断装置用マットを提供する。【解決手段】医用画像診断装置用マット1は、被検者を載置する載置面10aを有するマット本体10と、該マット本体10のほぼ中央位置に形成された貫通部11とを備える。貫通部11は、被検者が仰臥位で載置面10aに横たわった状態で、被検者の肩部から腰部までに相当する位置に配置されている。医用画像診断装置用マット1は、ポリエチレン樹脂を基材とする独立発泡の素材により形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、医用画像診断装置に用いられ、被検者を載置するための医用画像診断装置用マットに関する。
近年、X線CT(Computer Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置を用いた診断や検査が広く行われている。一例を挙げると、例えば下記特許文献1に記載のX線CT装置を利用して大腸検査が実施されている。この特許文献1に係るX線CT装置は、被検者を横臥させる寝台と、被検者にX線を照射するX線源と、透過X線を検出するX線検出器と、X線源を回転させる回転部と、被検者の断層画像を演算する演算部と、断層画像を表示する表示部とを備えている。
上述のX線CT装置を利用して大腸検査を実施する際に、まず被検者が寝台のマットに横たわり、左側臥位の状態で被検者の肛門より大腸に炭酸ガスを注入し大腸を膨らませる。次に、被検者に仰臥位になってもらい、仰臥位でのX線断層画像を撮影する。続いて、右側臥位になってもらうことにより、炭酸ガスを下行結腸からS状結腸までに集中させる。その後、被検者に腹臥位になってもらい、腹臥位でのX線断層画像を撮影する。このため、被検者には側臥位、仰臥位、腹臥位といった体位変換が求められている。
被検者が健常者であれば、上述の体位変換は特に難しくない。しかし、被検者が高齢者であったり肩痛持ちの場合、側臥位の際に肩部が寝台のマットに直接当たり、体重で肩痛を引き起こし側臥位になれない問題がある。また、被検者が腰の曲がった高齢者である場合、仰臥位になるのは困難である。更に、体の疾患で自分で体を起こせない被検者の場合、腹臥位の際に自らの力で体位を維持することができない問題も生じている。
このような問題を対処するために、医療現場では他の体位での撮影に切り替えたり、介助スタッフを配置し被検者の体位変換を手伝ったり、クッションや枕やタオル等を使って被検者の体位維持を行ったりしている。しかし、この場合には、炭酸ガスが時間経過により体内に吸収されたり漏れたりするなどの原因で、大腸に充分にまわらずに拡張不十分などの問題が生じる。その結果、検査精度の低下を招くだけでなく、被検者及び医療従事者の負担が増えてしまう。
本発明は、被検者及び医療従事者の負担を軽減すると共に、検査精度を高めることができる医用画像診断装置用マットを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の医用画像診断装置用マットは、被検者を載置する載置面を有する医用画像診断装置用マットであって、被検者が仰臥位で前記載置面に横たわった状態において、前記医用画像診断装置用マットにおける被検者の肩部から腰部までに相当する位置には、凹部又は貫通部が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る医用画像診断装置用マットでは、被検者の肩部から腰部までに相当する位置に凹部又は貫通部が設けられているので、仰臥位で被検者の肩部から腰部までの部位は該凹部又は貫通部に収められる。これによって、被検者の負担を軽減することができる。従って、被検者が高齢者であったり肩痛持ちの場合、肩部を凹部又は貫通部に入れることで被検者の肩部が直接マットに当たることを回避できるので、肩痛を引き起こす心配はない。また、体位変換の際に肩部を凹部又は貫通部にくぐらせることで、肩痛持ちの被検者でも体位変換を容易に行える。
また、被検者が腰痛持ちの場合又は腰の曲がった高齢者である場合、腰部が凹部又は貫通部に収められることで、苦痛なく仰臥位を容易に維持することができる。更に、体の疾患で自分で体を起こせない被検者の場合、医用画像診断装置用マットを下に敷くだけで、腹臥位を維持することができる。その結果、被検者のみならず医療従事者の負担も軽減することができ、検査精度の向上を図ることができる。
本発明に係る医用画像診断装置用マットにおいて、前記凹部又は貫通部は、平面視で略矩形状に形成され、前記凹部又は貫通部の長手方向の両端部のうちの片方には、切り込み部が設けられていることが好適である。このようにすれば、炭酸ガス注入用のチューブを該切り込み部に入れることにより、被検者によるチューブへの押し潰しを防止することができる。
また、本発明に係る医用画像診断装置用マットにおいて、前記医用画像診断装置用マットはポリエチレン樹脂を基材とする材料によって形成されていることが好適である。ポリエチレン樹脂を基材とする材料の場合、被検者の体に優しくフィットしながら体を支えるので、被検者に不快感を与えることはない。また、汚れや血液等が付着した場合に簡単に洗い流すことができるので、清潔さを容易に保つことができる。更に、ポリエチレン樹脂を基材とする材料がX線に対する透過性を有するので、撮影への影響を抑制する効果を奏する。
本発明によれば、被検者及び医療従事者の負担を軽減すると共に、検査精度を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る医用画像診断装置用マットの実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る医用画像診断装置用マットを示す斜視図であり、図2(a)は医用画像診断装置用マットを示す平面図であり、図2(b)はX−X線に沿う断面図である。本実施形態の医用画像診断装置用マット1は、平板状のマット本体10と、該マット本体10のほぼ中央位置に配置されると共に、マット本体10を貫通する貫通部11とを備えている。
図1は第1実施形態に係る医用画像診断装置用マットを示す斜視図であり、図2(a)は医用画像診断装置用マットを示す平面図であり、図2(b)はX−X線に沿う断面図である。本実施形態の医用画像診断装置用マット1は、平板状のマット本体10と、該マット本体10のほぼ中央位置に配置されると共に、マット本体10を貫通する貫通部11とを備えている。
マット本体10は、被検者を載置する載置面10aを有している。このマット本体10は、ポリエチレン樹脂を基材とする独立発泡の素材によって形成されている。ポリエチレン樹脂を基材とする独立発泡の素材は、柔軟性、撥水性及びX線に対する透過性を有している。そして、柔軟性を有する素材の場合、マット本体10が被検者の体にフィットしながら体を支えるので、被検者に不快感を与えずにリラックスさせる効果を奏する。また、撥水性を有する素材の場合、仮に汚れや血液等が付着してもマット本体10を簡単に洗い流し、且つ拭き取りやすいので、マット本体10の清潔さを容易に保つことができる。更に、X線に対する透過性を有する素材の場合、撮影への影響を抑制することができる。
貫通部11は、平面視で略矩形状を呈している。この貫通部11は、例えばマット本体10に切り抜き加工を施すことにより形成されている。貫通部11は、被検者が仰臥位で載置面10aに横たわった状態で、被検者の肩部から腰部までに相当する大きさになっている。具体的には、貫通部11は被検者の肩部から腰部までの長さ、被検者の肩の幅を有するように形成されている。なお、貫通部11の長さ及び幅の寸法は、例えば一般成人の体格を基準にして決められている。また、マット本体10は、男性用と女性用をそれぞれ用意されても良い。この場合、男性用マット本体10と女性用マット本体10は、それぞれ一般成人男性の体格、一般成人女性の体格を基準して作製されている。
貫通部11の四隅は、直角状に形成されておらず、被検者の体に優しくフィットできるように、それぞれ面取り部12を有するように加工されている。また、図1及び図2に示すように、マット本体10の長手方向において、貫通部11はマット本体10の中心位置から左側に偏るように形成されている。このため、マット本体10の長手方向において、マット本体10の左端から貫通部11までの距離は、右端から貫通部11までの距離よりも短い。従って、マット本体10の左端から貫通部11までの部分を被検者の頭部及び頸部を載置する場所、右端から貫通部11までの部分を被検者の臀部、大腿部を載置する場所として使うことができる。
図3は上述した医用画像診断装置用マット1を備えるX線CT装置を示す斜視図である。図3に示すように、X線CT装置2は、主に、円形の開口部3aを有するガントリ3と、被検者を載置して開口部3aの内部まで移動可能な寝台4と、X線CT装置2の各操作を行う操作コンソール(図示せず)とを備えている。
ガントリ3の内部には、X線を照射するX線源、X線の照射範囲を制限するコリメータ、被検者の透過X線を検出するX線検出器、及び回転部等が収容されている。寝台4は、支持台4aと、支持台4aの上に取り付けられた天板4bとを有している。天板4bは、支持台4aに内蔵された駆動装置によって上下方向及び前後方向に移動可能にされている。そして、天板4bの上には上述の医用画像診断装置用マット1が載せられている。
図4は、医用画像診断装置用マット1に載置された被検者の左側臥位を示す斜視図である。左側臥位の場合、被検者の肩部から腰部までの部分は貫通部11に入るので、被検者の体を固定して被検者の体位を維持することができる。また、このとき、被検者の肩部及び腰部以外の部分(例えば頭部、頸部、臀部、大腿部等)はマット本体10の載置面10aと接するので、被検者の体重がマット本体10にかかり、体はマット本体10に支えられている。そして、被検者の肩部が貫通部11に収められるので、肩部がマット本体10に直接当たることがなく、肩部への負担を軽減することができる。このため、高齢者で側臥位が困難であったり肩痛持ちの被検者であっても、苦痛なく側臥位になることが可能である。なお、右側臥位は上述の左側臥位と同じ状況であるため、重複説明を省略する。
図4に示す左側臥位から図5に示す仰臥位に変換する際に、被検者は肩部を貫通部11にくぐらせることで、体位変換を容易に行える。仰臥位では、被検者の肩部から腰部までの部分は貫通部11に収められるので、腰痛持ちの被検者又は腰の曲がった被検者であっても、苦痛なく仰臥位になれる。
図6は、医用画像診断装置用マット1に載置された被検者の腹臥位を示す斜視図である。腹臥位の場合、被検者の肩部から腹部までの部分は貫通部11に入るので、肩部がマット本体10に直接当たることがなく、肩部への負担を軽減することができる。また、被検者の腹部も貫通部11に収められるため、体重による腹部への圧迫を回避することができる。その結果、被検者の負担を軽減すると共に、大腸全体に炭酸ガスが行きわたるので、検査精度の向上を図ることができる。
また、この場合、体の疾患で自分で体を起こせない被検者に対して、医用画像診断装置用マット1は、通常腹臥位時に被検者の胸部と大腿部に敷くクッションに比べて、被検者に接する面積が大きく、現場スタッフ(医療従事者)はそれを敷くだけで被検者の腹臥位を維持することができる。これによって、被検者の負担を大きく軽減することができると共に、体位変換の度にクッション等の入れ直す必要がないので、医療従事者の負担も軽減できる。しかも、これによって、検査時間を大幅に短縮する効果をもたらす。
以上の構成を有する医用画像診断装置用マット1によれば、健常者の被検者はもちろんであるが、高齢者で体位変換が困難であったり肩痛持ちの被検者、腰痛持ちや腰の曲がった被検者、自分で体を起こせない被検者等であっても、医用診断画像を撮影時の負担を大きく軽減することできる。その結果、被検者は苦痛を感じずにリラックスした状態で診断を受けることができるので、検査精度を更に高めることができる。また、医療従事者の負担も軽減される。更に、検査時間を短縮する効果も期待できる。
本実施形態の医用画像診断装置用マット1は、上述の使用方法のほか、様々な活用例が考えられる。例えば図7に示す活用例では、被検者に臀部を貫通部11に入れるように半座位又は座位になってもらい、背中にクッション16等の部材でリラックスした体勢を整える。この状態で肛門に挿入されたチューブで炭酸ガスを大腸に注入すると、炭酸ガスの注入をよりスムーズに行うことができ、且つ肛門筋がゆるい被検者に対して注入した炭酸ガスの漏れを防止することができる。
また、図8に示す活用例では、貫通部11の内部であって腹臥位で被検者の両腸骨に当たる位置より下方には、タオル15が設置されている。そして、被検者が腹臥位になったときに、タオル15は被検者の両腸骨の下方から被検者の体を支えるので、被検者が自然とお尻が引き締まる体勢を作ることができる。この状態で肛門に挿入されたチューブで炭酸ガスを大腸に注入すると、注入した炭酸ガスの漏れを防止する効果を高めることができる。
<第2実施形態>
図9(a)は第2実施形態に係る医用画像診断装置用マットを示す平面図であり、図9(b)はY−Y線に沿う断面図である。本実施形態の医用画像診断装置用マット5と第1実施形態との相違点は、チューブを挿入するための切り込み部13を更に備えることである。図9(a)に示すように、貫通部11の長手方向における両端部のうちの片方(図9では、右端)には、切り込み部13が設けられている。この切り込み部13は、貫通部11と連通し、下から上に向かって斜めにカットされている。なお、ここでのチューブは、大腸に炭酸ガスを注入するために用いられるものである。
図9(a)は第2実施形態に係る医用画像診断装置用マットを示す平面図であり、図9(b)はY−Y線に沿う断面図である。本実施形態の医用画像診断装置用マット5と第1実施形態との相違点は、チューブを挿入するための切り込み部13を更に備えることである。図9(a)に示すように、貫通部11の長手方向における両端部のうちの片方(図9では、右端)には、切り込み部13が設けられている。この切り込み部13は、貫通部11と連通し、下から上に向かって斜めにカットされている。なお、ここでのチューブは、大腸に炭酸ガスを注入するために用いられるものである。
このような構成を有する医用画像診断装置用マット5は、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られるほか、更に以下の作用効果を得られる。すなわち、チューブを挿入するための切り込み部13を更に備えるので、炭酸ガス注入用のチューブを該切り込み部13に入れることにより、被検者によるチューブへの押し潰しを防止することができるので、図7の活用例において大腸への炭酸ガスの注入をよりスムーズに行える。
<第3実施形態>
図10(a)は第3実施形態に係る医用画像診断装置用マットを示す平面図であり、図10(b)はZ−Z線に沿う断面図である。本実施形態の医用画像診断装置用マット6と第1実施形態との相違点は、貫通部11に代えて凹部14を備えることである。具体的には、凹部14は、平面視で略矩形状をなしており、載置面10aから所定の深さを持って形成されている。この凹部14は、被検者が仰臥位で載置面10aに横たわった状態で、被検者の肩部から腰部に相当する大きさに形成されている。また、凹部14の四隅は、直角状に形成されておらず、それぞれ面取り部12を有するように加工されている。このような構成を有する医用画像診断装置用マット6は、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られる。
図10(a)は第3実施形態に係る医用画像診断装置用マットを示す平面図であり、図10(b)はZ−Z線に沿う断面図である。本実施形態の医用画像診断装置用マット6と第1実施形態との相違点は、貫通部11に代えて凹部14を備えることである。具体的には、凹部14は、平面視で略矩形状をなしており、載置面10aから所定の深さを持って形成されている。この凹部14は、被検者が仰臥位で載置面10aに横たわった状態で、被検者の肩部から腰部に相当する大きさに形成されている。また、凹部14の四隅は、直角状に形成されておらず、それぞれ面取り部12を有するように加工されている。このような構成を有する医用画像診断装置用マット6は、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、上述の実施形態では、貫通部11及び凹部14はそれぞれ略矩形状に形成されているが、長手方向の中間部が膨らむ太鼓状に形成されても良く、又はその他の形状に形成されても良い。
1,5,6 医用画像診断装置用マット
2 X線CT装置
3 ガントリ
4 寝台
10 マット本体
10a 載置面
11 貫通部
13 切り込み部
14 凹部
2 X線CT装置
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4 寝台
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14 凹部
Claims (3)
- 被検者を載置する載置面を有する医用画像診断装置用マットであって、
被検者が仰臥位で前記載置面に横たわった状態において、前記医用画像診断装置用マットにおける被検者の肩部から腰部までに相当する位置には、凹部又は貫通部が設けられていることを特徴とする医用画像診断装置用マット。 - 前記凹部又は貫通部は、平面視で略矩形状に形成され、
前記凹部又は貫通部の長手方向の両端部のうちの片方には、切り込み部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置用マット。 - 前記医用画像診断装置用マットは、ポリエチレン樹脂を基材とする材料によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像診断装置用マット。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019150671A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 株式会社日立製作所 | X線検査用補助具セット及びx線検査用補助具 |
CN111281413A (zh) * | 2018-12-06 | 2020-06-16 | 株式会社岛津制作所 | 核医学诊断装置用被检者支承装置 |
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2016
- 2016-01-08 JP JP2016002362A patent/JP2017121403A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019150671A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 株式会社日立製作所 | X線検査用補助具セット及びx線検査用補助具 |
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