以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図88を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、正面方向に付勢されており、その付勢に抗して背面方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー54bの操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(張出し状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(引込み状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(引込み状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1入賞口64の左上には第2可変入賞装置82aが配設され、その近傍に第2特定入賞口82が設けられている。通常は第2可変入賞装置82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2特定入賞口82へと入賞できないようになっている。一方、特定の大当たり(例えば、15R確変大当たり)の際に第2可変入賞装置が開放する(拡大状態となる)ことで、球が第2特定入賞口82に入賞しやすい特別遊技状態とすることができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図10を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の分解正面斜視図であり、図6は、遊技盤13及び動作ユニット200の正面斜視図である。また、図7は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図8から図10は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図6及び図7では、液晶昇降ユニット400が下降位置に配置された状態が、図9では、液晶昇降ユニット400の第2通路形成部材422と左揺動ユニット500の第1通路形成部材520とが連結された状態が、図10では、液晶昇降ユニット600が上昇位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図6から図10では、上部昇降ユニット300が上昇位置に配置された状態が図示される。
図5から図10に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース210を備え、その背面ケース210の内部空間に、上部昇降ユニット300、液晶昇降ユニット400、左揺動ユニット500、回転ユニット600及び発光装飾部材700がそれぞれ収容される。
背面ケース210は、正面視略矩形の底壁部211と、その底壁部211の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部212とを備え、これら各壁部211,212により一面側が開放された箱状に形成される。背面ケース210の底壁部211には、その中央に正面性略円形の凹部が凹設され、その凹部に回転ユニット600が収納される。液晶昇降ユニット400は、回転ユニット600の正面側に配設され、上部昇降ユニット300、左揺動ユニット500及び装飾発光部材700は、液晶昇降ユニット400の上側縁部、左側縁部および下側縁部にそれぞれ配設される。
上部昇降ユニット300は、複数(本実施形態では4個)が幅方向(図8左右方向)に並設される昇降体330を備え、それら昇降体330がそれぞれ独立して高さ方向(図8上下方向)に昇降可能に形成される(図12及び図13参照)。液晶昇降ユニット400が下降位置に配置された状態では、昇降体330が上昇位置に配置されると、第3図柄表示装置81のほぼ全面が視認可能とされる一方(図8参照)、昇降体330が下降位置に配置されると(図12参照)、かかる昇降体330により第3図柄表示装置81の一部が視認不能とされる。
液晶昇降ユニット400は、軸を上下方向に沿わせた縦姿勢で配設されると共に幅方向に所定間隔を隔てて配設される一対の案内棒451と、その案内棒451に幅方向両端がスライド変位可能に支持される駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430と、駆動側スライド部材420を昇降駆動する駆動モータ441とを備え、その駆動モータ441により駆動側スライド部材420が昇降駆動されることで、従動側スライド部材430が従動して昇降される。
即ち、駆動側スライド部材420が上昇される際には、かかる駆動側スライド部材420が従動側スライド部材430を重力の作用に抗しつつ上方へ押し上げる一方、駆動側スライド部材420が下降される際には、その駆動側スライド部材420の下降に伴い、従動側スライド部材430が自重により下降される。
なお、駆動側スライド部材420には、第2通路形成部材422が配設され、従動側スライド部材430には、第3図柄表示装置81が配設される。駆動側スライド部材420が、上昇位置および下降位置の間の連結位置に配置されると、第2通路形成部材422が左揺動ユニット500の第1通路形成部材520と連結可能とされる(図9参照)。また、駆動側スライド部材420が、上昇位置に配置されると、第3図柄表示装置81の上方領域が上部昇降ユニット300の背面側に配置される(図10参照)。
左揺動ユニット500は、基端側を中心として先端側を上下させる方向へ揺動される第1通路形成部材520を備える。第1通路形成部材520は、先端側を持ち上げる方向へ揺動されると、連結位置に配置され(図9参照)、先端側が液晶昇降ユニット400の第2通路形成部材422に連結される一方、先端側を振り下げる方向へ揺動されると、解除位置に配置され(図10参照)、液晶昇降ユニット400の第2通路形成部材422との連結が解除される。
遊技領域を流下する球は、左揺動ユニット500内へ流入可能とされ、左揺動ユニット500は、第1通路形成部材520が連結位置に配置された状態では(図9参照)、流入された球を、第1通路形成部材520を介して、液晶昇降ユニット400の第2通路形成部材422へ送球する一方、第1通路形成部材520が解除位置に配置された状態では(図10参照)、流入された球を、第1通路形成部材520とは別に設けられた後述する通路を介して、遊技領域へ送球する。
回転ユニット600は、ルーレットを模して構成される演出装置である。即ち、回転可能に形成されるホイール(回転盤)に相当する部材(回転部材640)と、そのホイールを周方向に区画して形成され赤または黒の色が付されると共にそれぞれ異なる数字が表示されるポケットに相当する部分(表示板646及び区画板647)とを備え、ホイールの内周側の装置(投球装置650)から投球された球Bが、複数のポケットに相当する部分のうちのいずれかに落下するように形成される。
液晶昇降ユニット400が下降位置に配置された状態では(図8参照)、回転ユニット600のほぼ全体が液晶昇降ユニット400によって遊技者から視認不能に遮蔽される一方、液晶昇降ユニット400が連結位置に配置された状態では(図9参照)、ホイールに相当する部材の一部(下方部分)が露出されると共に、液晶昇降ユニット400が上昇位置に配置された状態では(図10参照)、ホイールに相当する部材の一部(下方部分)に加え、ホイールに相当する部材の内周側に保持されている球B及びその球Bが投球されてからポケットに相当する部分に落下するまでの経路が露出され、これらが遊技者から視認可能とされる。
発光装飾部材700は、光透過性の材料から形成されるケース体と、そのケース体の内部に配設される複数のLEDとを備え、LEDから発光する光の態様(例えば、発光するLEDの数や発光時間)を変更することで、発光による演出を行う。
また、遊技盤13のセンターフレーム86には、中央に開口される開口部の右側内縁に、光を照射する基板部材とその基板部材850から照射される光を内部に入射して発光する導光部材810,820とを備えた発光ユニット800が配設される。
図11は、上部昇降ユニット300の正面斜視図であり、図12及び図13は、上部昇降ユニット300の正面図である。なお、図11及び図12では、幅方向(図12左右方向)に並設される全ての昇降体330が上昇位置に配置された状態が図示され、図13では、全ての昇降体330が下降位置に配置された状態が図示される。
図11から図13に示すように、上部昇降ユニット300は、横長矩形板形状のベース部材310の幅方向に昇降体330が複数(本実施形態では4個)配設され、各昇降体330が上昇位置(図12参照)と下降位置(図13参照)との間を昇降移動可能に構成される。次いで、図14及び図15を参照して、各昇降体330の駆動機構の構成について説明する。
図14は、上部昇降ユニット300の正面分解斜視図であり、図15は、上部昇降ユニット300の背面分解斜視図である。
図14及び図15に図示されるように、上部昇降ユニット300は、横長矩形板形状のベース部材310と、そのベース部材310との間に伝達装置350を収容する空間を設けながらベース部材310の背面側に締結固定される背面カバー320と、ベース部材310及び背面カバー320の間にラック332が収容されると共に円形の演出部331がベース部材310の正面側に配置される昇降体330と、背面カバー320に締結固定され昇降体の昇降動作に必要な駆動力を発生させる駆動装置340と、その駆動装置340が発生する駆動力を昇降体330に伝達させる伝達装置350と、を主に備える。
ベース部材310は、下端に円の中心が配置される半円形状で正面側側面から背面側へ向けて凹設される半円凹設部311と、背面側側面から昇降体330のラック332の左右方向に若干隙間を空けた位置へ向かってリブ状に凸設される案内リブ部312と、を備える。
半円凹設部311は、昇降体330の演出部331の外径よりも若干大きな半径で構成され、その半円凹設部311の円の中心と、演出部331の中心とが鉛直線状で一致する位置に配置される。これにより、演出部331が上昇移動する際に、ベース部材310の正面側において半円凹設部311と干渉する位置の手前まで移動することが可能となり、ベース部材310の上下幅は確保しつつ、演出部331の上昇移動幅も大きく確保することができる。
案内リブ部312は、鉛直方向に延びるリブ状の部分であって、組立状態(図11参照)において、昇降体330のラック332の左右側面と当接可能な位置まで凸設される。これにより、昇降体330が昇降移動中に左右方向に移動する(並行移動や傾斜動作する)ことを抑制することができる。
また、半円凹設部311を正面側から背面側へ凹設される凹部として構成することで、前後方向に貫通する空間とする場合に比較して、背面側を視認不能とできる面積を広げることができる。従って、機構部分(ギアやモータ等の、遊技者に視認させることを目的としない部分)を配設する面積を大きく確保できる。
背面カバー320は、正面側および下方が開放されたケース状に構成される本体部321と、その本体部321から正面側に凸設される円柱形状の軸支部322と、その軸支部322から正面視左右方向に位置ずれした位置において延設方向を鉛直方向と一致させた状態で穿設される長孔である案内孔323と、上側の軸支部322が凸設される周囲の底部から軸支部322の径方向に沿設されるリブ状に形成される係止部324と、を備える。
軸支部322は、伝達装置350の一対のギア部材351,352をそれぞれ軸支する部分であり、案内孔323は、昇降体330の昇降動作を案内する孔である。
係止部324は、上側の軸支部322の軸に対して、鉛直方向上側と鉛直方向下側とに配設され、それぞれ昇降体330が上昇位置または下降位置に配置された状態において、第1ギア351の係止円弧部351cの端部が回転方向で当接可能とされる部分である。
昇降体330は、円形板形状に構成される演出部331と、その演出部331の背面に固定され演出部331の背面側側面から隙間を空けた位置において鉛直方向に延設されるラック332と、を備える。
演出部331は、円形の外枠の内側に円形の液晶パネルが配設され、液晶パネルに模様や図形を表示することにより演出を行う部分である。
ラック332は、背面側に凸設されると共に背面カバー320の案内孔323に挿通される位置まで凸設されるスライド軸332aを備える。
スライド軸332aは、複数が凸設される態様ではなく、一つが凸設される態様とされる。そのため、案内孔323の配設個数を1つにでき(低減でき)るので、鉛直方向における案内孔323の配設スペースを抑制しながら、ラック332の移動距離を大きく確保することができる。一方で、本実施形態では、ラック332が左右方向で案内リブ部312と当接可能とされるので、ラック332の案内孔323との連結位置が一箇所であっても、ラック332が左右方向に傾くことを防止することができる。これにより、昇降体330が上下移動する際に演出部331が左右方向に振れることを防止できると共に、第2ギア352とラック332との間隔が変動して歯合関係が悪化することを防止することができる。
駆動装置340は、背面カバー320に締結固定される駆動源である駆動モータ341と、その駆動モータ341の駆動軸の回転により回転され伝達装置350に駆動力を伝達する駆動ギア342と、を備える。
伝達装置350は、軸支部322に軸支されると共に駆動ギア342に歯合される第1ギア351と、その第1ギア351及びラック332に歯合されると共に軸支部322に軸支される第2ギア352と、を備える。
このように、複数(本実施形態では4個)の昇降体330は、それぞれ独立の駆動モータ341を備えるので、全ての昇降体330が連動して昇降動作する動作に加え、各昇降体330を個別に昇降動作させることができる。なお、各昇降体330の技術的思想は共通するので、以下では、図11の左端に配設される昇降体330について説明し、その他の昇降体330についての説明を省略する。
次いで、図16を参照して、第1ギア351及び第2ギア352について説明する。図16(a)は、第1ギア351の正面図であり、図16(b)は、第1ギア351の背面図であり、図16(c)は、第2ギア352の正面図であり、図16(d)は、第2ギア352の背面図である。
図16(a)及び図16(b)に示すように、第1ギア351は、軸支部322(図14参照)が挿通される貫通孔を備え外周面にギア歯が形成される本体部351aと、その本体部351aの外周面においてギア歯の形成が省略される部分にギア歯の歯丈の約半分の張出長さ(歯合する歯同士の接点を連結したピッチ円C1まで張り出す張出長さ)で径方向に張出形成される当接部351bと、本体部351aの背面側側面から軸と平行な方向に沿って軸を中心とした円弧形状で凸設される係止円弧部351cと、を備える。
当接部351bは、径方向の先端面が本体部351aの中心軸を中心として半径rの円弧形状とされ、およそ本体部351aに形成されるギア歯の2から3つ分の歯厚(円弧の中心の成す角度がおよそ45度から60度の範囲の歯厚)で構成される。即ち、ギア歯一つ分の歯厚よりも本体部351a周方向の形成長さが長くされるので、本体部351aのギア歯に比較して、周方向の強度を確保することができる。
係止円弧部351cは、周方向の先端が背面カバー320の係止部324(図14参照)と周方向で当接可能とされる部分であって、第1ギア351の回転角度を規制する役割がある。
図16(c)及び図16(d)に示すように、第2ギア352は、正面側と背面側とで歯形の異なる2層のギアから構成され、ドーナツ板形状に構成される中間板353と、その中間板353の正面側に形成され歯形が一部異形とされる異形ギア部354と、中間板353の背面側に平歯車形状に形成されラック332(図15参照)と歯合される伝達ギア部355と、を備える。
中間板353は、異形ギア部354及び伝達ギア部355のギア歯の先端よりも径方向外側まで張り出して形成される。そのため、歯合される相手部材(第1ギア351又はラック332(図15参照))と歯面と平行な方向で重なることで当接可能とされ(図17参照)、その相手部材が昇降体330の昇降動作時に歯面と平行な方向へ移動することを抑制することができる。
異形ギア部354は、組立状態(図11参照)において第1ギア351と歯合される部分であって、軸支部322(図14参照)が挿通される貫通孔を備え外周面にギア歯が形成される本体部354aと、その本体部354aの外周面においてギア歯の形成が省略される部分に張出形成される受け部354bと、その受け部354bの一端(図16(c)右側の端部)に隣設される隣設ギア歯354cと、を備える。
受け部354bは、本体部354aの外周面に沿って隣設ギア歯354cから正面視反時計回り側(昇降体330を上昇移動させる際に第1ギア351が隣設ギア歯354cに噛み込む側)にギア歯2個分ほどの配設角度(約30度から50度)で形成される部分であって、伝達装置350が軸支部322に軸支された状態において当接部351bの先端面が形成する半径rの円弧形状に沿って湾曲形成される湾曲壁部354b1と、その湾曲壁部354b1と隣設ギア歯354cの周方向の歯面との間に隣設ギア歯354cの歯丈の約半分の歯丈(歯合する歯同士の接点を連結したピッチ円C2まで張り出される歯丈)で形成される連結壁部354b2と、を備える。従って、隣設ギア歯354cの連結壁部354b2側の側面は、隣設ギア歯354cの連結壁部354b2の反対側の側面の径方向の張出長さの約半分の張出長さで、連結壁部354b2と一体形成される状態で連結壁部354b2から径方向に張り出して構成される。
図16(c)に示すように、伝達装置350が軸支部322に軸支された状態において、第2ギア352が当接部351bの先端面が形成する半径rの円弧形状に沿って湾曲壁部354b1が配置される姿勢とされる場合に、隣設ギア歯354cは半径rの円弧の外側(第2ギア352側)に配置される態様とされる(隣設ギア歯354cが半径rの円と干渉しない位置での形成に留められる)。
次いで、図17から図20を参照して、昇降体330の昇降動作について説明する。なお、上昇動作と下降動作との動作経路は共通であるので、ここでは上昇動作について説明し、下降動作の説明を省略する。
図17から図20は、昇降体330の上昇動作が時系列で図示される昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図17では、昇降体330が下降位置に配置された状態が図示され、図18では、図17に図示される状態から第2ギア352が正面視時計回りに回転され昇降体330が所定距離上昇動作し第1ギア351の当接部351bの周方向の端部が第2ギア352の隣設ギア歯354cに噛み合い始めた状態が図示され、図19では、図18に図示される状態から第1ギア351が正面視反時計回り及び第2ギア352が正面視時計回りに回転され当接部351bの周方向の端面と隣設ギア歯354cとの当接が外れた直後の状態が図示され、図20では、図19に図示される状態から第1ギア351のみが正面視時計回りに所定量回転された状態が図示される。
図17から図20に図示されるように、昇降体330は、ラック332に駆動モータ341(図14参照)の駆動力が駆動ギア342及び伝達装置350を介して伝達されることにより昇降動作される。詳述すると、駆動ギア342の駆動力は、その駆動ギア342と歯合される第1ギア351から、その第1ギア351に歯合される第2ギア352の異形ギア部354に伝達され、第2ギア352の回転が、その第2ギア352の伝達ギア部355(図16(d)参照)と歯合されるラックに伝達されることにより、昇降体330が昇降動作する。
図17に図示される下降位置では、ラック332のスライド軸332a(図15参照)が背面カバー320の案内孔323(図15参照)の下端に配置される。そのため、ラック332がそれ以上下方に移動することを機械的に防止できる。
また、図17に図示される状態において、第1ギア351の係止円弧部351cの周方向の端部と背面カバー320の下側の係止部324とが当接することで、第1ギア351の正面視時計回り方向(ラック332を下降動作させる方向)への回転が機械的に防止される。
これにより、駆動モータ341の制御不良などにより駆動ギア342が過回転して第1ギア351を図17に図示される状態から更に正面視時計間回りに回転させようとする負荷が生じたとしても、第1ギア351の回転が機械的に防止されることにより、その負荷が第2ギア352に伝達されることを防止でき、ラック332が下降動作する事態を回避できるので、スライド軸332a(図15参照)が案内孔323(図15参照)の下側面に押し当てられスライド軸332a又は案内孔323が破損することを防止することができる。
図18に図示されるように、昇降体330が上昇動作する過程において、周方向の歯厚が他のギア歯よりも大きくされる当接部351bの周方向端面が隣設ギア歯354cと噛み合うので、第2ギア352から第1ギア351へ逆方向に伝達される負荷(昇降体330の重さによる負荷)を他のギア歯に比較して強度の大きい当接部351bで受けることができ、第1ギア351の耐久性を向上させることができる。
第1ギア351の当接部351bがピッチ円C1まで張り出されると共に、第2ギア352の連結壁部354b2がピッチ円C2まで張り出されるので、図18の状態において、当接部351bが連結壁部354b2と擦れる位置まで近接される。そのため、隣設ギア歯354cの歯元に近い部分で当接部351bと隣設ギア歯354cとを当接させることができ、隣設ギア歯354cの耐久性を向上させることができる。
また、隣設ギア歯354cは、連結壁部354b2に周方向の一方の側面を連結されるので、他のギア歯に比較して、周方向から受ける負荷に対する強度が向上される。換言すれば、連結壁部354b2側の側面の径方向の張出長さが短くされるため、隣設ギア歯354cの歯丈方向と垂直な方向への変形に対する抵抗が増加すると共に、連結壁部354b2が隣設ギア歯354cと一体で形成されることで隣設ギア歯354cに負荷される力を受ける部分としての隣設ギア歯354c及び連結壁部354b2の合計の歯厚が大きくされるため、隣設ギア歯354cの周方向への変形に対する抵抗が増加する。これにより、隣設ギア歯354cが第1ギア351の当接部351bを受け止める際に破損することを抑制することができる。
図19に示すように、昇降体330が上昇位置に配置された直後の状態において、当接部351bの円弧状の先端部と隣設ギア歯354cとが当接する。この状態において、第1ギア351の周方向で第1ギア351と第2ギア352とが当接していないので、第1ギア351の回転方向の駆動力の第2ギア352への伝達が解除される。
そのため、第2ギア352に歯合される昇降体330の重さを支える力が第1ギア351から伝達されなくなり、昇降体330が落下する方向に移動しかけるので、第2ギア352がラック332を下降動作させる方向(図19反時計回り)に回転しかける。
一方で、図19に示すように、隣設ギア歯354cが回転する方向の範囲(隣設ギア歯354cの先端が形成する円の内側)に当接部351bが配置されるので、第2ギア352を回転させる際には、隣設ギア歯354cにより当接部351bを隣設ギア歯354cの移動軌跡の外側に押しやる必要がある。
当接部351bの外周形状が本体部351aの中心軸を中心とした円弧形状とされるので、当接部351bの外周面に与えられる荷重は、第1ギア351の軸側へ向かう軸方向成分Faと、第1ギア351の当接部351bの接線方向に沿う周方向成分Fbとに分解される。
軸方向成分Faは、第1ギア351を回転可能な方向では無く、また、第1ギア351の剛性が確保される状態では(径方向に伸縮しない構造では)、軸方向成分Faにより当接部351bを隣設ギア歯354cの移動軌跡の外側に押しやることは困難である。
周方向成分Fbは、第1ギア351の回転方向を向くが、隣設ギア歯354cと当接部351bとが点で接触するため、隣設ギア歯354cと当接部351bとの間で滑りが生じ、第1ギア351が回転されにくいため、周方向成分Fbにより当接部351bを隣設ギア歯354cの移動軌跡の外側に押しやることは困難である。
従って、隣設ギア歯354cにより当接部351bを隣設ギア歯354cの移動軌跡の外側に押しやることが防止されることから、第2ギア352が回転することが防止され、第2ギア352及び昇降体330の状態が保持される。
当接部351bと受け部354bの湾曲壁部354b1とが、共に第1ギア351を中心とした半径rの円弧形状から形成され、図19に図示されるように、第1ギア351の周方向に沿って面当たりで当接されるので、第1ギア351の回転を湾曲壁部354b1全体の面積を利用して強固に受け止めることができる。これにより、昇降体330が上昇位置に到達した後に駆動モータ341(図14参照)の停止が遅れたとしても、第1ギア351が過回転することを防止することができ、駆動モータ341の停止の遅れが昇降体330の動作態様に影響することを防止することができる。
図20に示すように、第1ギア351は、係止円弧部351cが上側の係止部324に当接する状態まで回転し、停止する。図18から図20までの間、第1ギア351の当接部351bの周方向端面が隣設ギア歯354cの側面を押進することにより第2ギア352が回転されるので、隣設ギア歯354cが第2ギア352に対して位置合わせされ、図20に図示される状態において隣設ギア歯354cが当接部351bの歯先面に当接する状態を確実に形成することができる。
図19に示す状態から図20に示す状態までにおいて、昇降体330は上昇位置に配置されるので、第2ギア352がラック332を上昇移動させる方向(図20時計回り)に回転することが規制される。そのため、第1ギア351が第2ギア352に対して図19反時計回りに回転しても、第2ギア352が連れ回りすることが無い。従って、当接部351bの歯先面が隣設ギア歯354cに対面する状態を確実に形成することができる。
図20に図示されるように、昇降体330が上昇位置に配置された状態において、第2ギア352が当接部351bの先端面が形成する半径rの円弧形状に沿って湾曲壁部354b1が配置される姿勢とされ隣設ギア歯354cが半径rの円弧の外側(第2ギア352側)に配置されるので、図19に図示される状態から、第1ギア351のみを同一回転方向(図19反時計回り方向)に回転させることができる。
このとき、当接部351bの歯厚が他のギア歯に比較して厚く(およそギア歯2個分から3個分の厚さ)されるので、第1ギア351の停止位置の精度を緩やかにすることができる。即ち、例えば、図19に示す状態から図20に示す状態の中間の位相に第1ギア351が停止したとしても、隣設ギア歯354cと当接部351bとの当接位置での関係は同様に確保され、第2ギア352の回転を規制することができる。
また、第1ギア351の停止位置の精度を緩やかにしたまま、第2ギア352の両方向への回転を規制することができる。即ち、第2ギア352が図20時計回りに回転しかけたとしても、受け部354bの湾曲壁部354b1が当接部351bの歯先面と当接することで、荷重の方向を詳細に上述した隣設ギア歯354cと当接部351bとの当接時と同様に第2ギア352の回転が規制される。従って、昇降体330が上昇位置に配置された状態においてラック332が上下両方向に移動する事が規制されるので、昇降体330にがたつきが発生することを抑制することができる。上下両方向の規制(特に、上昇方向の規制)は、従来のクランク機構で行うことは困難であり、本実施形態のように第1ギア351と第2ギア352のギア形状により、初めて達成されるものである。
このように、第1ギア351及び第2ギア352の形状の関係により、昇降体330が上昇位置に配置された状態において第2ギア352が回転することを防止することができるので、昇降体330を上昇位置に維持するために駆動モータ341(図14参照)の駆動力を自重以上の大きさで付与し続けることを不要とでき、消費エネルギーを抑制することができる。
また、クランク機構の死点を利用して昇降体330を上昇位置に維持することも可能ではあるが、その場合、昇降体330の移動距離に対応してクランク機構が大型化するという問題点があった。本実施形態では、クランク機構を不要とし、第1ギア351及び第2ギア352の形状の関係により第2ギア352の回転を規制できるので、伝達部分の小型化を図ることができる。
第2ギア352の回転の規制を解除する方法について説明する。図19及び図20に示す状態において、第1ギア351の当接部351bを逆方向へ回転させる場合の回転方向(図20時計回り方向)に当接部351bと干渉する別部材が配設されないので、第1ギア351の昇降体330を下降動作させる方向(図20時計回り方向)への回転動作が許容される。
第1ギア351を図20に図示される状態から図19に図示される状態まで回転させ、更に同一方向に回転させると第2ギア352の回転方向への規制が解除され(当接部351bの先端面が隣設ギア歯354cから離間して)、昇降体330が下降動作可能となる。即ち、第1ギア351の回転動作により、第2ギア352の回転規制の解除を行うことができ、第2ギア352の回転規制の解除のために第1ギア351に別動作を行わせることが不要であるので、第1ギア351の構造を簡素化することができる。
次いで、図21から図33を参照して、液晶昇降ユニット400について説明する。図21は、液晶昇降ユニット400の正面斜視図である。図21に示すように、液晶昇降ユニット400は、円形の液晶部分を有する演出部422aを有し昇降動作する駆動側スライド部材420と、その駆動側スライド部材420に従動して上昇動作する部材であって第3図柄表示装置81を備える従動側スライド部材430と、を備え、それら駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430が共通の案内棒451に連通され、同一方向に動作する態様で構成される。
図22は、液晶昇降ユニット400の正面分解斜視図である。図22に図示されるように、液晶昇降ユニット400は、一対の長尺板状部材から構成されるベース部材410と、上下方向に昇降動作可能に構成される駆動側スライド部材420と、その駆動側スライド部材420の上方に配置され上下方向に動作可能に構成される従動側スライド部材430と、駆動側スライド部材420が昇降動作する駆動力を発生させる駆動装置440と、その駆動装置440から発生した駆動力を駆動側スライド部材420に伝達すると共に駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430の動作を案内する一対の案内棒451を有する伝達装置450と、一対のベース部材410の下端部同士を連結すると共に駆動側スライド部材420と連結される下側前板部材460と、液晶昇降ユニット400の左右および上部の正面側に配設されるカバー部材470と、を主に備えて構成される。
ベース部材410は、縦長の長尺板状部材として構成される本体部材411と、その本体部材411の上下両端部に互いに鉛直方向で一致する位置に配置され正面に開放するコ字形状の凹部として構成される案内棒支持部412と、その案内棒支持部412から引かれる鉛直線よりも内側(他方のベース部材410に近接する側)に配置され本体部材411の正面側に延設される係止部413と、案内棒支持部412から引かれる鉛直線を挟んで係止部413の反対側において本体部材411の正面側に円柱形状に凸設される第1軸支部414と、その第1軸支部414に軸支されると共に駆動側スライド部材420の下降動作を規制する下降規制部材415と、第1軸支部414の下方に配置され本体部材411の正面側に円柱形状に凸設される第2軸支部416と、その第2軸支部416に軸支されると共に従動側スライド部材430の上昇動作を規制する上昇規制部材417と、を主に備える。
案内棒支持部412は、伝達装置450の案内棒451の両端を支持する部分であって、案内棒451を収容可能な開口幅で形成される。本実施形態では、カバー部材470がベース部材410に締結固定されることにより、案内棒支持部412の正面側の開口が塞がれ、案内棒451が案内棒支持部412に固定される。
係止部413は、従動側スライド部材430の落下防止部435の下側側面に上下方向で当接する部分であって、その当接状態から、それ以上、従動側スライド部材430が下降動作することを規制する。
下降規制部材415及び上昇規制部材417は、駆動側スライド部材420の昇降動作に伴って回転動作し、従動側スライド部材430の移動を規制する役割をもつ部材であるが、詳細は後述する。
駆動側スライド部材420は、左右両端部を伝達装置450のラック452に締結固定され、ラック452のスライド動作により昇降動作される部材である。
従動側スライド部材430は、独立の駆動装置を持たず、左右両端を案内棒451にスライド動作可能に支持されると共に、駆動側スライド部材420の昇降動作に従動して昇降動作する。従動側スライド部材430は、第3図柄表示装置81を有し左右方向に長尺に構成される本体部材431と、その本体部材431の左右方向両端に配置される機能部432と、その機能部432に鉛直方向に穿設される孔であって案内棒451が挿通される案内孔433と、機能部432の下端部において左右外側方向に上昇傾斜して延設される鉤状部434と、機能部432の上端部の案内孔433の内側(他方の案内孔433に近接する側)において背面側に延設される落下防止部435と、を主に備える。
鉤状部434は、上昇規制部材417に引っ掛けられる部分である。従動側スライド部材430が下降位置に配置される状態において、上昇規制部材417が鉤状部434の上側面である係合面434aに回り込んで引っ掛けられることで(図29参照)、従動側スライド部材430が上昇方向に動作することを防止することができる(例えば、落下の反動で跳ねることを防止することができる)。また、鉤状部434が上昇傾斜し、その傾斜と平行に上昇規制部材417の係合爪部417eが構成されるので、鉤状部434と上昇規制部材417との係合により、左右方向のぐらつきも抑制することができる。
なお、鉤状部434の先端部(図29に図示される状態において係合爪部417eの先端部よりも外側(図29右側の部分))の形状は、係合爪部417eの移動軌跡よりも下方に収まる形状とされる。そのため、係合爪部417eと鉤状部434とが係合し、互いに負荷を掛け合う状態においても、上昇規制部材417の回転動作を行うことができる。
駆動装置440は、ベース部材410の本体部材411に締結固定される駆動モータ441と、その駆動モータの駆動力で回転される駆動ギア442と、を備える。
伝達装置450は、ベース部材410の案内棒支持部412に固定される一対の案内棒451と、その案内棒451にスライド動作可能に支持され駆動側スライド部材420が締結固定されると共に駆動ギア442に内側(一対の駆動ギア442の内側)から歯合されるラック452とそのラック452の歯元付近から正面側に延設される縦長板状の当接壁453と、を主に備える。
当接壁453は、上昇規制部材417を解除側に回転させる役割と、上昇規制部材417の付勢力を受けてラック452を駆動ギア442から離反する方向に寄せる役割とを備えるが、詳細は後述する。
下側前板部材460は、左右端部はベース部材410の本体部材411の正面側に締結固定され中央部は左右端部に比較して背面側に所定量オフセットされる態様で折曲される形状の本体部材461と、その本体部材461の左半部において左右方向に沿って(外側に近接するほど上昇傾斜する態様で)穿設される案内孔462と、本体部材461の上方に延設される筒状部材であって上端部が正面側に開口される筒状通路部463と、を主に備える。
案内孔462は、配線収納部材423のスライド軸423bがスライド可能に案内される長孔である。
筒状通路部463は、球が通過可能な筒状の部材であって、駆動側スライド部材420が連結位置に配置される状態(図31参照)において、駆動側スライド部材420の第2通路形成部材422を通過して流下する球が通過する部材である。
図23から図25を参照して、駆動側スライド部材420の詳細構成について説明する。図23は、駆動側スライド部材420の分解正面斜視図であり、図24は、駆動側スライド部材420の分解背面斜視図であり、図25は、駆動側スライド部材420の背面図である。
図23から図25に図示されるように、駆動側スライド部材420は、左右方向に長尺な板状部材として構成される本体部材421と、円形の液晶から構成される演出部422aを有する円盤部分が本体部材421の中心部に正面側から締結固定されると共にその円盤部分から正面視左方に球が通過可能な溝が延設される第2通路形成部材422と、その第2流路形成部材422の正面視左下端部に一方の端部が軸支され他方の端部が下側前板部材460の案内孔462に支持される配線収納部材423と、第2流路形成部材422に軸支されると共に軸の周方向に沿って貫通する通路部を有し第2流路形成部材422の溝部422bへ球を導入する部分としてはたらく接続部材424と、を主に備える。
本体部材421は、案内棒451(図22参照)が挿通される筒状部の一部を構成する案内部421aと、中央部から正面視左方に延設される部分に正面側に開放する態様で左方に下降傾斜して配設される溝部421bと、その溝部421bの左下端部において球の直径以上の大きさで前後方向に貫通形成される排出開口部421cと、を主に備える。
案内部421aは、背面側に開放され鉛直方向に延設される断面円弧形状の溝部分であって、その開放部分を伝達装置450のラック452(図22参照)で閉鎖することにより、案内棒451(図22参照)が挿通される筒状部が構成される。
溝部421bは、第2通路形成部材422と共同で球の通路を形成する部材であって、溝部421bに沿って流下した球は、排出開口部421cを通って本体部材421の背面側へ排出される。
第2通路形成部材422は、円形の液晶から構成される演出部422aと、その円形の液晶の背面側に配設される円盤部分から背面側へ円柱形状で凸設される軸支部422bと、その軸支部422bの下方に配設され球の通過を検出するセンサ部材422cと、そのセンサ部材422cを通過した球が流下可能な幅で背面側へ開放される溝であり溝部421bと前後方向で形状が一致する溝部422dと、案内棒451(図22参照)が挿通される筒状部を構成する案内部422eと、軸支部422bとセンサ部材422cとの間で接続部材424を収容可能な形状で凹設される収容凹部422fと、を主に備える。
軸支部422bは、接続部材424が軸支される部分である。連結位置に液晶昇降ユニット400が配置される状態において、左揺動ユニット500を流下した球が接続部材424を介してセンサ部材422cを通過したあと、溝部422d,421bの形成する通路を球が通過する。
配線収納部材423は、下側前側部材460等から延長され演出部422a等に接続される配線を収容する部材であって、第2通路形成部材422の正面視左下端部に軸支される長尺断面コ字状の棒状部分である本体部423aと、その本体部423aの下端部から背面側に凸設される円柱形状のスライド軸423bと、を主に備える。
本体部423aは、断面コ字状に形成される内側部分に配線を収納する部材であって、長手方向に第2通路形成部材422から離反する方向に凸となる態様で湾曲した形状で構成される。これにより、第2通路形成部材422との軸支位置付近において、湾曲形状に沿って配線を弛ませることができ、配線が折れ曲げられて断線することを抑制することができる。
スライド軸423bは、下側前板部材460の案内孔462に挿通される棒状部分である。
次いで、図26を参照して、接続部材424の構成について説明する。図26(a)は、接続部材424の正面斜視図であり、図26(b)は、図26(a)の矢印XXVIb方向視における接続部材424の正面図であり、図26(c)は、図26(a)の矢印XXVIc方向視における接続部材424の背面図である。
図26(a)から図26(c)に示すように、接続部材424は、筒状に形成され軸支部422bに軸支される筒状部424aと、その筒状部424aの径方向に延設される板状の上側壁部424bと、その上側壁部424bの正面視下方に球の直径以上の長さを空けて上側壁部424bと対向配置される湾曲した板状の下側壁部424cと、それら上側壁部424b及び下側壁部424cの背面側端部を連結すると共に上側壁部424b及び下側壁部424cの間に覆設される連結カバー424dと、筒状部424aに巻き付けられ接続部材424に下向き(図25(b)反時計回り)の付勢力を与えるねじりバネ424eと、を主に備える。
上側壁部424bは、筒状部424aの径方向の端部から筒状部424aの軸へ近接する程幅が大きくなる態様で形成され側面が図25(b)において直線に沿って形成される板状部である。
下側壁部424cは、筒状部424aの軸を中心とした円弧に沿って湾曲形成される板状部であり、上側壁部424bとの間に球が通過可能な長さの空間を空けて配設される。
連結カバー424dは、接続部材424を通過する球が背面側にこぼれることを抑制する板部材である。なお、連結カバー424dの反対側(正面側)に構成される接続部材424の開放部は、第2通路形成部材422の収容凹部422fの底部が正面側から当接されることで塞がれる。これにより、球が接続部材424の開放部からこぼれることを抑制することができる。
図27及び図28を参照して、第2通路形成部材422に対する接続部材424の動作について説明する。図27及び図28は、第2通路形成部材422及び接続部材424の背面図である。なお、図27では、接続部材424の上側壁部424b及び下側壁部424cにより構成される開放部が左右方向を向く下傾斜状態が図示され、図28では、図27の状態に比較して接続部材424の上側壁部424b及び下側壁部424cにより構成される開放部が斜め上方向を向く上傾斜状態が図示され、図27が後述する離間状態(図41参照)に対応し、図28が後述する連通状態(図42参照)に対応する。
図27及び図28に示すように、接続部材424は、第2通路形成部材422の収容凹部422fに収容された状態で軸支部422bを中心に回転動作可能とされ、第2通路形成部材422の収容凹部422fの底部に上側壁部424b及び下側壁部424cの正面側端面が当接される。
収容凹部422fは、図27に図示される状態で接続部材424の下側壁部424cと対向配置される部分に、下側壁部424cの外径に沿って軸支部422bを中心とした円弧形状に形成される湾曲壁部422f1と、その湾曲壁部422f1と対向配置される面が湾曲壁部422f1から遠ざかる方向に凹み上傾斜状態(図42参照)において接続部材424の上側壁部424bと滑らかに連結される湾曲面を有する対向壁部422f2と、を備える。
湾曲壁部422f1は、接続部材424の下傾斜状態において下側壁部424cと径方向で面当たりされるので、接続部材424の軸径方向の位置ずれを抑制することができる。
従って、軸支部422bと接続部材424の筒状部424aとの嵌合を緩め(隙間の大きい状態、例えば、寸法が0.5mmから1mmの間の隙間を有する状態)としたとしても、接続部材424が下傾斜状態とされる場合には下側壁部424cと湾曲壁部422f1との当接により、接続部材424の姿勢を高精度に維持することができる。
一方で、軸支部422bと接続部材424の筒状部424aとの嵌合を緩めとする場合、軸支部分に生じる動作抵抗が低減されるので、他の部材からの負荷が生じない限り、接続部材424を重力の作用およびねじりバネ424eの付勢力で確実に下傾斜状態に維持することができる。従って、他の部材からの負荷が生じていないのに、接続部材424が上傾斜状態に維持される事態を抑制する事ができる。
対向壁部422f2は、接続部材424からセンサ部材422cへ球を案内する部分である。本実施形態では、湾曲壁部422f1と対向配置する面が湾曲することにより、球を滑らかにセンサ部材422cへ案内することができる。
上傾斜状態は、左揺動ユニット500の第1通路形成部材520と接続部材424とが連通される連通状態において形成される。この状態では、下側壁部424cがセンサ部材422cの開口から離間されるので、接続部材424の下側壁部424cを転動して通過した球は湾曲壁部422f1を転動し、センサ部材422cの開口を通過して溝部422dを流下する。
一方、下傾斜状態は、左揺動ユニット500の第1通路形成部材520と接続部材424とが離間される離間状態において形成される。この状態では、下側壁部424cが、センサ部材422cの開口の内側まで張り出し、下側壁部422cの下側端部と、その下側端部と対向配置される収容凹部422fの壁面(センサ部材422cから鉛直上方に延びる壁面)との間の寸法が球の直径以下とされることで、球が接続部材424を通過する(球が下端部から排出される)ことが防止される。
そのため、後述するように、離間状態において球が接続部材424に到達したとしても、その球の流れを接続部材424で停滞させることができる。
次いで、図29から図33を参照して、駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430の昇降動作について説明する。まず、図29及び図30を参照して駆動側スライド部材420、従動側スライド部材430及びベース部材410の位置関係を説明する。
図29は、液晶昇降ユニット400の正面図であり、図30は、図29の矢印XXX方向視における液晶昇降ユニット400の側面図である。なお、図29及び図30では、駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430が下降位置に配置された状態が図示されると共に、カバー部材470の内で左右一対のカバー部材の図示が省略され伝達部材450が視認可能とされる。また、図29では、正面視右側の下降規制部材415及び上昇規制部材417が部分的に拡大視されると共に、当接壁453と上昇規制部材417の解除凸部417cとが当接する直前のラック452の外形が想像線で図示される。
図29及び図30に示すように、従動側スライド部材430は、下降位置において、落下防止部435がベース部材410の係止部413に下側から当接されると共に、鉤状部434が上昇規制部材417に上側から当接される。このように、従動側スライド部材430は上下両方向から移動を規制される態様とされるので、下降位置において従動側スライド部材430が上下方向にがたつくことを抑制することができる。
また、案内孔433に挿通される案内棒451を挟んで上昇規制部材417及び係止部413が配設され、それらが従動側スライド部材430の機能部432と当接可能とされるので、機能部432が案内棒451の軸直角方向(図29左右方向)にがたつくことを抑制できる。従って、下降位置に配置された瞬間や、パチンコ機10(図1参照)が遊技者から叩かれた場合等、従動側スライド部材430に外乱が生じたとしても、従動側スライド部材430ががたつくことを抑制でき、第3図柄表示装置81の演出効果を向上させることができる。
更に、上昇規制部材417と、係止部413の上下方向の位置がずれて配設されるので、機能部432が斜め方向(例えば係止部413と上昇規制部材417とを結ぶ方向)にがたつくことを抑制することができる。そのため、下降位置に配置された瞬間や、パチンコ機10(図1参照)が遊技者から叩かれた場合等、従動側スライド部材430に外乱が生じたとしても、従動側スライド部材430ががたつくことを抑制でき、第3図柄表示装置81の演出効果を向上させることができる。
なお、上昇規制部材417と比較して、係止部413が上方に位置ずれしているので、係止部413が駆動側スライド部材420から遠い位置に配置され、係止部413が駆動側スライド部材420の昇降動作を阻害しにくくできる。従って、駆動側スライド部材420の設計自由度を向上させることができる。
図30に示すように、下降規制部材415の方が上昇規制部材417の前方に配置され、伝達装置450の当接壁453の形成高さ(ラック452の歯元付近からの張出長さ)が下降規制部材415に到達する手前までの高さとされるので、下降規制部材415の回転方向において下降規制部材415と当接壁453とは当接しない。また、鉤状部434が上昇規制部材417と前後方向で同等の位置に配置されることから、鉤状部434と下降規制部材415とは上下方向で当接しない。
一方、ラック452は、当接壁453の上端部から正面側へ凸設される凸設板453aを備え、その凸設板453aが下降規制部材415と回転方向で当接可能とされる。
図31は、液晶昇降ユニット400の正面図である。なお、図31では、駆動側スライド部材420が下降位置から上昇移動され、連結位置に配置された状態が図示されると共に、カバー部材470の内で左右一対のカバー部材の図示が省略される。また、図31では、正面視右側の下降規制部材415及び上昇規制部材417が部分的に拡大視される。
駆動側スライド部材420が連結位置に配置される状態において、左揺動ユニット500(図42参照)を介して接続部材424に球を導入可能とされる。
図29及び図31に示すように、上昇規制部材417は、当接壁453の上端部が上昇規制部材417に当接される前の状態において鉤状部434に上側から被さる部材であって、図29に示す係合状態と、図31に示す解除状態との間を回転動作可能とされる。なお、解除状態とは、図31の状態に限定されず、鉤状部434の鉛直上方から上昇規制部材417が退避される姿勢まで上昇規制部材417が回転された状態を意味する。
上昇規制部材417は、第2軸支部416に軸支される円筒部417aと、その円筒部417aの接線方向に直線上に延設される延設板417bと、その延設板417bの一方の端部(下側の端部)から垂直に凸設される解除凸部417cと、延設板417bの他方の端部から垂直に凸設される係合凸部417dと、その係合凸部417dの凸設端部において係合状態で鉤状部434の延設方向と平行に延びると共に鉤状部434の先端部よりも上内方(図29拡大図左上方)に配設される係合爪部417eと、係合凸部417dの凸設端部の上側側面において下降傾斜される離間傾斜部417fと、円筒部417aに巻き付け形成され一方の端部がベース部材410の本体部材411に係止されることにより上昇規制部材417を内巻き方向(図29拡大図反時計回り方向)に付勢するねじりバネ417gと、を主に備える。
延設板417bは、円筒部417aの軸よりも上方に延設される。これにより、解除凸部417cが押し上げられた際に、延設板417bの他方の端部を従動側スライド部材430から離反する方向に移動させることができ、解除動作を行うことができる。
係合爪部417eは、係合状態において、従動側スライド部材430が上方に移動しかけても、鉤状部434と噛み合うことにより(鉤状部434と機能部432との間に係合爪部417eが入り込むことにより)、従動側スライド部材430の移動を強固に抑制する。
上昇規制部材417の解除動作について説明する。まず、図29に示す状態では、当接壁453の上端が解除凸部417cに当接される一方、上昇規制部材417は係合状態に維持される。この状態から、ラック452が図31の状態まで上昇動作されると、当接壁453の端部が解除凸部413cを押し上げることにより上昇規制部材417が外巻き方向(図31拡大図時計回り方向)に回転され、係合凸部417dが鉤状部434の上方から退避される(解除状態)。
即ち、上昇規制部材417の解除動作を、ラック452の上昇動作のみにより行うことができる。そのため、例えば、上昇規制部材417の解除動作を行うソレノイド部材を別で配設する場合に比較して、上昇規制部材417の解除動作を行う駆動装置を駆動モータ441(図22参照)で兼用することができ、駆動装置の配設個数を低減する事ができる(製品コストを低減することができる)。また、不用意に上昇規制部材417が動作されることを抑制することができる。
換言すれば、本実施形態によれば、ラック452の配置に応じて上昇規制部材417が動作されるので、上昇規制部材417を別の駆動源(ソレノイド等)で動作させる場合に比較して、ラック452と上昇規制部材417との動作タイミングが合わずに動作不良を起こすことを抑制することができ、従動側スライド部材430が上昇動作する場合には上昇規制部材417を確実に解除状態へ移行させることができる。例えば、上昇規制部材417が係合状態のままラック452が上昇動作され、鉤状部434及び上昇規制部材417の係合凸部417dに過度な負荷がかけられることを抑制することができる。
更に、ラック452が上昇動作され、ラック452の上端と従動側スライド部材430の下端とが当接される直前に上昇規制部材417が解除状態に移行されるので、ラック452が上昇動作を継続するだけで、従動側スライド部材430及び駆動側スライド部材420が離間している状態では係合状態(図29参照)を構成し従動側スライド部材430のがたつきを防止する一方で、従動側スライド部材430及び駆動側スライド部材420が当接している状態では解除状態(図31参照)を構成し従動側スライド部材430を上昇動作させる際に必要な駆動力を抑制することができる。
ここで、本実施形態のように、駆動側スライド部材420の上昇動作の途中で駆動側スライド部材420が従動側スライド部材430を押し上げる構成の場合、従動側スライド部材430と係合部との解除は、従動側スライド部材430を押し上げる動作により行うことも可能であるが、この場合、従動側スライド部材430の押し上げ力により解除できる程度の係合状態とする必要があり、強固な係合が困難となる。また、この場合、従動側スライド部材430と係合部との解除時に生じる反動により従動側スライド部材430が振動して姿勢が不安定となるという問題があった。
一方、本実施形態では、上昇規制部材417を回転動作させ、従動側スライド部材430の鉤状部434の上方から上昇規制部材417を退避させることにより係合の解除を行うので、係合状態において従動側スライド部材430に負荷可能な力と上昇規制部材417を回転動作させる力とを異ならせることができる。従って、解除に必要な力は抑制しながら、係合状態において従動側スライド部材430の上昇動作を抑制する力を増加させることができる。
また、上昇規制部材417の解除動作を行う際に駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430が当接しないので、従動側スライド部材430に反動が生じにくくなり、解除時の従動側スライド部材430の姿勢を安定させることができる。
なお、図31に示す連結状態において、駆動側スライド部材420の排出開口部421cと、下側前板部材460の筒状通路部463とが連通される。これにより、第2通路形成部材422を流下した球を筒状通路部463に排出することが可能となる。
図32及び図33は、液晶昇降ユニット400の正面図である。なお、図32では、図31に図示される状態から駆動側スライド部材420が上昇動作し、伝達装置450の凸設板453aが下降規制部材415に当接しかけた状態が図示され、図33では、図32に図示される状態から駆動側スライド部材420が上昇動作し、凸設板453aが下降規制部材415の上側に乗り上げた上昇位置に配置された状態が図示される。また、図33では、下降規制部材415付近が部分的に拡大視される。
図32に図示される状態において、上昇規制部材417の解除凸部417cが伝達装置450の当接壁453に当接される。本実施形態では、一対の伝達装置450が左右対称に配設され、解除凸部417cが当接壁453に当接する向きも左右対称とされる。そのため、解除凸部417cが駆動側スライド部材420を案内するガイドとして働き、駆動側スライド部材420が昇降動作中に左右方向にがたつくことを抑制することができる。
上昇規制部材417は、ねじりバネ417gにより液晶昇降ユニット400の左右内向き方向に付勢されるので、解除凸部417cから当接壁453に対して液晶昇降ユニット400の左右内向き方向の負荷がかけられる。これにより、駆動側スライド部材420が左右方向に沿って一定の方向に付勢されるので、駆動側スライド部材420の昇降動作中の姿勢を安定させることができる。
更に、左右方向に駆動側スライド部材420が位置ずれした場合に解除凸部417cから当接壁453にかけられる弾性的な力は、駆動側スライド部材420を中心位置に復帰させる態様で、左右一対の上昇規制部材417において左右非対称となる。
即ち、当接壁453が解除凸部417cに近接する方向に移動する側では上昇規制部材417が解除側に更に回転されることにより、ねじりバネ417gの変形量が増加し付勢力が増大され当接壁453を押し戻す力が増大する一方、当接壁453が解除凸部417cから離反する方向に移動する側では上昇規制部材417が解除側とは逆方向に回転されることにより、ねじりバネ417gの変形量が減少し付勢力が低減され当接壁453を押しやる力が低減される。これにより、駆動側スライド部材420が昇降動作される際に左右方向にがたつくことを抑制することができる。
ラック452に対して駆動ギア442及び上昇規制部材417が同じ側に配設されるので、ねじりバネ417gの付勢力がラック452を駆動ギア442から離反させる方向に働くので、駆動側スライド部材420が左右方向にがたついてラック452と駆動ギア442とが近接し、駆動抵抗が上昇することを抑制することができる(ラック452及び駆動ギア442の歯面の間隔を安定化することができる)。
即ち、駆動側スライド部材420が左右方向にがたついてラック452が駆動ギア442に近接する向きに移動する場合、上昇規制部材417が外巻き(係合凸部417dが液晶昇降ユニット400の左右外側方向に移動する回転方向)に回転されることで、ねじりバネ417gの変形量が増大し、付勢力が増大することで駆動側スライド部材420を押し戻す付勢力が増大される一方、ラック452が駆動ギア442から離反する向きに移動する場合、案内棒451がラック452を支持する事により、案内棒451とラック452との間の支持構造に設けられる隙間以上にラック452が駆動ギア442から離反することが規制される。これにより、ラック452及び駆動ギア422の歯面の間隔が狭くなり、歯合抵抗が過大となることを抑制できると共に、ラック452及び駆動ギア422の歯面の間隔が広くなり、歯ずれが生じることを抑制することができる。
図33に示すように、駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430が上昇位置に配置された状態において、伝達装置450の凸設板453aの下側面が下降規制部材415の解除凸部415cの上側面と当接する(係止状態)。
凸設板453aは、下側面に左右外側へ向かうほど上昇傾斜する態様の傾斜側面453a1を備える。
下降傾斜部材415は、第1軸支部414に軸支される円筒部415aと、その円筒部415aの接線方向に直線上に延設される延設板415bと、その延設板415bの一方の端部(上側の端部)から垂直に凸設され先端が半円状に形成される解除凸部415cと、円筒部415aに巻き付け形成され一方の端部がベース部材410の本体部材411に係止されることにより下降規制部材415を内巻き方向(図33の拡大視において反時計回り方向)に付勢するねじりバネ415dと、を主に備える。
図33に図示されるように、伝達装置450のラック452が下降規制部材415により係止される。そのため、ラック452を上昇位置に保持したまま、駆動モータ441(図22参照)の駆動力の供給を停止することができ、駆動モータ441の消費電力を低減することができる。
また、図33に図示される係止状態への下降規制部材415の回転動作は、ラック452が上昇動作され凸設板453aが下降規制部材415の解除凸部415cを乗り越えることにより行われる。そのため、ラック452を上昇動作させるための駆動力および下降規制部材415の係止状態を形成するための駆動力を共に駆動モータ441(図2参照)により発生させることができる。即ち、駆動モータ441を兼用することができ、その分だけ製品コストを低減することができる。
図30に戻って下降規制部材415、上昇規制部材417及び当接壁453の前後方向に位置関係について説明する。図30に示すように、下降規制部材415は上昇規制部材417に比較して正面側(図30左側)に配置され、当接壁453が上昇規制部材417に図30紙面垂直方向で当接可能な位置に配置されると共に、下降規制部材415の背面側側面が当接壁453の正面側側面と面当たり可能な態様とされる。
図33に戻って説明する。下降規制部材415と当接壁453とが、前後方向で当接される。即ち、図33に示す状態において、当接壁453と上昇規制部材417とが左右方向(図33左右方向)で当接され、当接壁453と下降規制部材415とが前後方向(図33紙面垂直方向)で当接される。これにより、上昇規制部材417によって駆動側スライド部材420の左右方向のがたつきを抑制できると共に、下降規制部材415によって、前後方向(ラック452及び駆動ギア442の歯面に平行な方向)のがたつきを抑制することができる。
従って、ラック452及び駆動ギア442が歯面と平行な方向に相対移動することにより歯合面の面積が低下することを抑制できると共に、ラック452が上昇位置に配置された状態において前倒れすることを防止することができる。
図33に示す状態から、ラック452を下降させる方向に駆動ギア442を回転させることにより、ラック452が下降しかけると、凸設板453aが解除凸部415cに対し負荷を与えることで、下降規制部材415が外側(図33拡大視において時計回り方向)へ回転される。これにより、下降規制部材415による係止が解除され、駆動側スライド部材420を下降動作できるようになる。即ち、下降規制部材415による係止の解除を駆動モータ441の駆動力により行うことができる(駆動源を兼用できる)ので、製品コストを削減することができる。
また、駆動側スライド部材420の下降動作により下降規制部材415の係止の解除を行うので、別の駆動源により下降規制部材415の回転動作をさせるときのように、動作タイミングがずれて下降規制部材415の規制が解除される前に駆動側スライド部材420を下降させてしまい、駆動源や下降規制部材415に過負荷が生じることを防止することができる。
なお、本実施形態のように、上昇位置では駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材430の両方が上昇位置に維持される構造では、各部材の上昇位置での係止を従動側スライド部材430の係止により行うことも可能であるが、その場合、従動側スライド部材430と駆動側スライド部材420との連結および分離を行う構造が複雑化し、コストが嵩む。
一方、本実施形態では、駆動側スライド部材420を係止することで従動側スライド部材430の上昇位置での維持を行うので、従動側スライド部材430及び駆動側スライド部材420を上昇位置で維持するために必要な構成を減らすことができる(駆動装置450と駆動側スライド部材420だけにすることができる)。また、従動側スライド部材430の駆動側スライド部材420との連動は専ら重力の作用によるものとすることで、従動側スライド部材430と駆動側スライド部材420との間の構造を簡素化することができる。
ラック452を図33に示す状態から下降させると、従動側スライド部材430はラック452に乗って下降するが、例えば、案内棒451が汚れる等して、案内棒451と案内孔433(図22参照)との間の抵抗が大きい場合、従動側スライド部材430の下降速度がラック452の下降速度に比較して小さくなる恐れがある。この場合でも、従動側スライド部材430が上昇規制部材417と当接する際に、鉤状部434が上昇規制部材417の離間傾斜部417fに作用して、上昇規制部材417を回転させる事ができるので、従動側スライド部材430の自重により、上昇規制部材417と鉤状部434とを係合させることができる。
次いで、図34から図42を参照して、左揺動ユニット500について説明する。図34は、遊技盤13及び左揺動ユニット500の正面斜視図である。図34に示すように、左揺動ユニット500は、遊技盤13の第2可変入賞装置82a及び第2特定入賞口82の背面側に配設され、第2特定入賞口82に入賞した球を通過させる流路を内側に備える。本実施形態では、第2可変入賞装置82aと第2特定入賞口82との間に球が通過したことを検出するセンサ部材82bが配設される。なお、センサ部材82bは、各種スイッチ208(図4参照)の一部である。
図35は、左揺動ユニット500の正面斜視図である。図35に示すように、左揺動ユニット500は、第1通路形成部材520を正面視右下方に垂らす態様で構成され、この第1通路形成部材520を揺動させることにより演出を行うユニットである。
図36は、左揺動ユニット500の分解正面斜視図であり、図37は、左揺動ユニット500の分解背面斜視図である。図36及び図37に図示されるように、左揺動ユニット500は、骨格を形成するベース部材510と、そのベース部材510に軸支され揺動動作される第1通路形成部材520と、ベース部材510に締結固定され第1通路形成部材520の駆動力を発生させる駆動装置530と、その駆動装置530の駆動力を第1通路形成部材520に伝達する伝達装置540と、正面側に覆設されベース部材510に締結固定されると共に遊技盤13の第2特定入賞口82に連結される導入円筒部552を有するカバー部材550と、を主に備える。
ベース部材510は、正面視L字の板状体から構成される本体部材511と、その本体部材の正面視右端部に前後方向に円形状で穿設される軸支孔512と、その軸支孔512の鉛直上方に配設され面を前後方向へ向ける平面板状に構成される第1壁部513と、その第1壁部513の左下端部から正面視左方に球一つ分以上の間隔を空けて配設され面を左右方向に向ける湾曲板状に構成される第2壁部514と、第2壁部514の背面側に配設され第2壁部514に到達した球が流下される流下通路515と、軸支孔512の正面視左下方に配設され正面側に円柱状に凸設される軸支部516と、その軸支部516の軸周りに配設される係止壁部517と、軸支部516の上方に配置され伝達装置の位相を検出する検出センサ518と、を主に備える。
軸支孔512は、第1通路形成部材520の軸支部521cが挿通される孔であり、第1通路形成部材520は軸支孔512を中心に揺動動作される。
第1壁部513は、左右方向両端部から正面側へ延設される一対の案内壁部513aを備える。
係止壁部517は、軸支部516の上方においてその軸支部516を中心とした円弧形状で構成される円弧壁部517aと、正面視右下方へ延設される傾斜壁部517bと、を備える。
円弧壁部517aは、検出センサ518の端面であり軸支部516の周方向端面まで延設される。
第1通路形成部材520は、軸支孔512に軸支される部材である長尺棒状の振分ベース部材521と、その振分ベース部材521の正面側に配設され振分ベース部材521に締結固定されると共に振分ベース部材521との間に球が流下可能な通路を形成する通路カバー部材522と、を主に備える。
振分ベース部材521は、球の流下通路の一辺を構成する長尺板形状の垂下板部521aと、その垂下板部521aの上端部から垂下板部521aの延設方向に沿って球一つ分の隙間V1だけ離間した位置に配設される中間板部521bと、垂下板部521aの上端部付近において背面側に円柱状に凸設されると共に軸支孔512に挿通される軸支部521cと、その軸支部521cの径方向に延設される板状部にその延設方向に沿って穿設される長孔521dと、中間板部521bの垂下板部521a側の端部から背面側に凸設されると共に軸支部521cの径方向外側に向かうほど幅が短縮される態様で構成される振分凸部521eと、その振分凸部521eの背面視左側面に沿って隙間V1の正面側に延設され垂下板部521aの上端部に中心を有する円弧形状に沿って湾曲する湾曲壁部521fと、を主に備える。
垂下板部521aは、中間部から下側が中間部から上側に比較して下方へ折れ曲げられる形状から構成され、その下端部に正面側の板厚部分が削られて薄板化される球送り部521a1を備える。
隙間V1は、振分凸部521eの正面視右側に到達した球を正面方向に通過させる空間である。
通路カバー部材522は、振分ベース部材521の正面側に覆設される板状の板状部522aと、その板状部522aの短手方向両端部から背面側に向けて板状に延設される上下壁部522bと、を主に備える。
板状部522aは、光透過生の樹脂材料から形成され、その下端部の振分ベース部材521の球送り部521a1の正面側に配置される部分において背面側に屈曲される球受け部522a1を備える。
上下壁部522bは、隙間V1を通過した球を転動させる部分であり、垂下板部521a同様に中間部を境に傾斜角度が変化するので、球の流下速度を中間部で変化させることができる。
上下壁部522bの内、下側の壁部には、先端部分の内側に段差が設けられる。その段差は、転動する球を上下壁部522bの対向方向(一方の壁部から他方の壁部へ向かう方向)に変位させ、球を減速させる役割を備える。
また、第1通路形成部材520の下端部まで到達した球は、球送り部521a1及び球受け部522a1により背面側に速度を向けられる。これにより、排出前の球の速度を減速させることができ、球の排出を安定させることができる。
駆動装置530は、駆動モータ531と、その駆動モータ531の回転軸に軸支回転される駆動ギア532と、を備え、駆動ギア532が伝達装置540の本体ギア部541に歯合される。
伝達装置540は、軸支部516に軸支され駆動ギア532に歯合される本体ギア部541と、その本体ギア部541の偏心した位置から正面側に円柱状に凸設され第1通路形成部材520の長孔521dに挿通される偏心凸部542と、本体ギア部541から径方向に延設され係止壁部517と当接可能に構成されると共に検出センサ518の隙間を通過可能とされる延設部543と、を主に備える。
カバー部材550は、ベース部材510に覆設される板状の本体部材551と、その本体部材551の正面視右側端部において第2特定入賞口82に連結されると共に背面側端部が第1壁部513に当接される円筒形状の導入円筒部552と、本体部材551の背面側側面において導入円筒部552の左右方向端部から下方へ延設される一対の案内壁部553と、を主に備える。
案内壁部553は、ベース部材510の案内壁部513aと前後方向で重なる部分である。導入円筒部552を通過した球は、案内壁部513a,553の間を通って下方へ流下される。
図38から図40を参照して、第1通路形成部材520の揺動動作について説明する。図38から図40は、揺動動作ユニット500の正面図である。なお、図38から図40では、カバー部材550の図示が省略されると共に第1通路形成部材520が垂下板部521aの前後方向中間位置で断面視された外形が図示されると共に通路カバー部材の外形形状が想像線で図示される。
また、図38では、第1通路形成部材520が解除位置に配置された状態が、図39(a)では、第1通路形成部材520が図38に図示される状態から所定量揺動され振分凸部521eが一対の案内壁部513aの中間位置に配置された状態が、図39(b)では、第1通路形成部材520が図39(a)に図示される状態から所定量揺動され接続部材424に当接する直前の状態が、図40では、第1通路形成部材520が図39(b)に図示される状態から所定量揺動され連結位置に配置された状態がそれぞれ図示される。
図38から図40に示すように、第1通路形成部材520の揺動動作は、伝達装置540が回転され、偏心凸部542の移動に伴い長孔521dの位置が移動されることで生じる。
図38に示すように、解除位置では、軸支部516及び偏心凸部542を結ぶ方向X1と、長孔521dの延設方向(軸支部521cの径方向)と一致する方向X2とが垂直に交差する。そのため、第1通路形成部材520が回転動作しかけることにより偏心凸部542に与えられる負荷は軸支部516へ向けられるので、伝達装置540を回転させる負荷が生じることを抑制することができる。これにより、駆動ギア532に駆動力をかけ続けなくとも、伝達装置540の姿勢を維持する事ができ、駆動モータ531(図36参照)の消費電力を低減することができる。
また、解除位置において、伝達装置540の延設部543が、検出センサ518の隙間に配置されると共に円弧壁部517aの端部に当接される。即ち、延設部543は、伝達装置540の位相の検出に利用される部分としての役割と、回り止め部材としての役割とを共に有する。
図38に示すように、解除位置において、振分凸部521eがベース部材510の正面視右側の案内壁部513aと対向配置される。そのため、第1壁部513に到達し案内壁部513a,553の間を通過した球は、振分凸部521eにより正面視左側の経路に振り分けられ、流下通路515を通って遊技領域外に排出される。
図39(a)に示すように、解除位置と連結位置との間の中間位置において、振分凸部521eがベース部材510の一対の案内壁部513aの中間位置に配置される。そのため、第1壁部513に到達し案内壁部513a,553の間を通過した球は、振分凸部521eにより流下を停止される(振分凸部521eの先端部に乗ったまま、留まる)。
図39(b)に示すように、第1通路形成部材520が接続部材424に当接する直前の状態において、振分凸部521eがベース部材510の一対の案内壁部513aの間に配置される、そのため、第1壁部513に到達し案内壁部513a,553の間を通過した球は、振分凸部521eにより流下を停止される(振分凸部521eの先端部に乗ったまま、留まる)。これにより、図39(b)の状態において球が第1通路形成部材520を通過し、接続部材424に送球され、対向壁部422f2に球が到達することが防止される。
ここで、対向壁部422f2は、上傾斜状態(図42参照)において接続部材424の上側壁部424bと滑らかに連結されるので、下傾斜状態(図41参照)では、上端部が接続部材424の上側壁部424bの下端部から正面視左方に張り出す態様とされる。そのため、下傾斜状態で接続部材424に球が送球され、対向壁部422f2の上端部に球が衝突すると、対向壁部422f2が破損する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、図39(b)に示す状態において、第1通路形成部材520への球の導入が防止されるので、対向壁部422f2に球が衝突することを防止でき、対向壁部422f2が破損することを防止することができる。
図40に示すように、連結位置では、軸支部516及び偏心凸部542を結ぶ方向X1と、長孔521dの延設方向(軸支部521cの径方向)と一致する方向X2とが垂直に交差する。そのため、第1通路形成部材520が回転動作しかけることにより偏心凸部542に与えられる負荷は軸支部516へ向けられるので、伝達装置540を回転させる負荷が生じることを抑制することができる。これにより、駆動ギア532に駆動力をかけ続けなくとも、伝達装置540の姿勢を維持する事ができ、駆動モータ531(図36参照)の消費電力を低減することができる。
また、連結位置において、伝達装置540の延設部543が、傾斜壁部517bに面当たりされる。これにより、延設部543を傾斜壁部517bに突き当てることで伝達装置540を停止させる位相を安定させながら、延設部543に局部的に荷重が負荷される場合に比較して延設部543の耐久性を向上させることができる。
図40に示すように、連結状態において、振分凸部521eがベース部材510の正面視左側の案内壁部513aと対向配置される。そのため、第1壁部513に到達し案内壁部513a,553の間を通過した球は、振分凸部521eにより正面視右側の経路に振り分けられ、隙間V1を通って正面側に移動してから通路カバー部材522の上下壁部522b(図37参照)の下側の壁部に沿って転動する。
連結状態での球の流れについて説明する。まず、遊技領域から第2可変入賞装置82aを通って第2特定入賞口82に入賞した球は導入円筒部552(図36参照)を通って背面側へ向けて前後移動し、第1壁部513に当接されると案内壁部513a,553の形成する通路を流下し、第1通路形成部材520の隙間V1を通って正面側へ向けて前後移動し、通路カバー部材522の上下壁部522bの下側の壁部の上を転動する。
即ち、球が第1通路形成部材520の内部を流下する前に、球が前後方向に送られる。そのため、第2特定入賞口82に球が数珠つなぎで供給されても、球の跳ね等を抑制して、第1通路形成部材520にスムーズに球を流入させることができる。また、前後方向に送られた球を湾曲壁部521f(図37参照)に沿って流下させることにより、球の速度の向きを変えることができ、第1通路形成部材520に球をスムーズに流入させることができる。
第1通路形成部材520は、振分ベース部材521及び通路カバー部材522が、中間部を境に延設方向が変化する。即ち、振分ベース部材521及び通路カバー部材522が、中間部から基端側(軸支部521c側)までは直線Y1に沿って延設され、中間部から先端側(基端側の逆側)までは直線Y1よりも下方へ傾斜される直線Y2に沿って延設される。
そのため、第1通路形成部材520の内部を転動する球の速度が、基端側から中間部へ到達するまでの間の方が、中間部から先端部へ向かうまでの間に比較して遅くなる。そのため、第1通路形成部材520へ球が導入した直後に遊技者に球を視認させやすくすることができる。
また、直線Y1に沿った真っ直ぐな形状で第1通路形成部材520が構成される場合に比較して、連結位置(図42参照)において、第1通路形成部材520から球が送球される方向と、センサ部材422cに球が導入される方向(鉛直方向)との角度を小さくすることができる。これにより、第1通路形成部材520から第2通路形成部材422への球の送球を安定させることができる。
図38から図40に図示されるように、伝達装置540の回転により第1通路形成部材520が揺動され、振分凸部521eの配置によって球が流下される経路が切り替えられる。
ここで、振分凸部521eの回転方向において振分凸部521eと対向配置される壁部材が配置される場合に、その壁部材に対して振分凸部521eが球の直径以下にまで近づける構成を採用すると、球が振分凸部521eの回転方向に滞留した場合に振分凸部521eと壁部材との間に球が噛み込まれ、動作不良を起こす恐れがある。
これに対し、本実施形態では、図40に図示される連結位置において、振分凸部521eと第2壁部514との間には、球の直径以上の間隔が空けられ、振分凸部521eを挟んで第2壁部514の反対側には壁部材は配置されず開放される。従って、振分凸部521eの回転方向で球を噛み込むという事態を生じることが無く、動作不良を防止することができる。
図41及び図42を参照して、液晶昇降ユニット400と左揺動ユニット500との流路の接続について説明する。図41及び図42は、液晶昇降ユニット400及び左揺動ユニット500の部分正面図である。なお、図41及び図42では、第2通路形成部材422が断面視され接続部材424が視認可能とされると共に、第1通路形成部材520が垂下板部521aの前後方向中間位置における外形形状で図示され振分凸部521eが視認可能とされる。
また、図41及び図42では、液晶昇降ユニット400が連結位置(図31参照)に配置された状態が図示され、図41では、左揺動ユニット500が解除位置(図38参照)に配置された状態が図示され、図42では、左揺動ユニット500が連結位置(図40参照)に配置された状態が図示される。
図41に示す状態から図42に示す状態に第1通路形成部材520が揺動動作されると、その先端部が接続部材424の上側壁部424bの下側側面に当接し、接続部材424を揺動させる。即ち、接続部材424が第1通路形成部材520の移動方向に連れ立って移動されるので、例えば、駆動側スライド部材420の停止位置が理想的な位置から若干ずれた場合であっても、第1通路形成部材520の先端と接続部材424との間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、球が第1通路形成部材520の先端と接続部材424との間に落下することを抑制し、第1通路形成部材520から第2通路形成部材422への球の送球を安定させることができる。
接続部材424が揺動されることにより、第1通路形成部材520から流下された球が転動する下側壁部424cが第1通路形成部材520の先端へ近接する方向へ移動されるので、第1通路形成部材520と接続部材424との転動面間の隙間を狭めることができ、球が第1通路形成部材520と接続部材424との転動面間の隙間から落下することを抑制することができるので、球の送球を安定させることができる。
また、図42に示す状態において、下側壁部424cが溝部422d(図27参照)に連通されるセンサ部材422cへ向けて下降傾斜される。これにより、球をその下降傾斜に沿って転動させることができ、第2通路形成部材422への球の送球を安定させることができる。
なお、第1通路形成部材520の揺動動作は、センサ部材82b(図34参照)やセンサ部材422cの球の通過を検出して、行われる。例えば、図42に示す連結位置に第1通路形成部材520が配置された状態において、センサ部材82bとセンサ部材422cとの球の検出個数が合致する(第1通路形成部材520に球が残留していない)タイミングで第1通路形成部材520を解除位置(図41参照)へ向けて揺動開始させることで、第1通路形成部材520の先端から遊技領域外に球が排出されることを防止することができる。
図41及び図42に図示されるように、振分凸部521eの移動による球の振り分けと、第1通路形成部材520を揺動させることにより第1通路形成部材520と接続部材424とを当接させて球の流下経路を形成する動作とに必要な駆動力が兼用される(第1通路形成部材520を動作させる駆動モータ531(図36参照)の駆動力でまかなわれる)また、両者の状態が同期されるので、例えば、第1通路形成部材520が解除位置に配置される状態において球が第1通路形成部材520に導入される事態を回避することができる。その結果、第1通路形成部材520の先端から球が遊技領域外に排出されることを確実に防止することができる。
また、振分凸部521eは振分ベース部材521の上端部に配設され、垂下板部521a(図36参照)の正面側を流下する球の通路を区画する(上端を形成する)壁部を兼ねる。これにより、他の部品で振分を行う場合に比較して部品コストの削減を図ることができると共に、第1通路形成部材520側に振り分けられた球を確実に垂下板部521aと通路カバー部材522との間の通路に導入させることができる。
次いで、図43から図77を参照して、回転ユニット600について説明する。図43は、回転ユニット600の正面図であり、図44は、回転ユニット600の正面斜視図である。図45は、ガイド部材680が取り外された状態における回転ユニット600の正面図であり、図46は、ガイド部材680が取り外された状態における回転ユニット600の正面斜視図である。また、図47は、回転ユニット600の分解正面斜視図であり、図48は、回転ユニット600の分解背面斜視図である。
図43から図48に示すように、回転ユニット600は、一面側が開放された容器状に形成されるケース部材610と、そのケース部材610の一面側に覆設される案内部材620と、それらケース部材610及び案内部材620の対向間に配設される駆動機構630と、その駆動機構630の駆動力により回転駆動される回転部材640と、その回転部材640の内周側に配設される投球装置650と、回転部材640の外周側に配設されるガイド部材680と、を主に備える。
ケース部材610は、正面視略円形の底壁部611と、その底壁部611から正面へ向けて立設される略円筒状の外壁部612とを備え、これら各壁部611,612により一面側が開放された容器状に形成される。案内部材620は、正面視円環の円板状に形成され、ケース部材610の外壁部612の立設先端に配設(固着)される。これにより、ケース部材610の底壁部611と案内部材620との間に内部空間が形成され、その内部空間に駆動機構630が配設される。
案内部材620は、回転部材640を変位可能に保持するための部材であり、その正面に連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622が凹設される。これら連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622は、案内部材620の周方向に沿って延設される断面コ字状の凹溝であり、回転部材640の後述する連結リンク部材644及び起伏リンク部材648の挿通部644a,648aがそれぞれ挿通される。
なお、連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622の溝幅は、連結リンク部材644及び起伏リンク部材648の挿通部644a,648aの直径と同等または若干大きな寸法に設定される。よって、連結リンク部材644及び起伏リンク部材648の挿通部644a,648aは、連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622の延設方向に沿って摺動(案内)可能とされる。
回転部材640が回転駆動される際に、連結リンク作用溝621は、連結リンク部材644に作用して、分割部材DVどうしの間隔を増減させる一方(図73参照)、起伏リンク作用溝622は、起伏リンク部材648に作用して、表示板646及び区画板647を起伏させる(図59及び図60参照)。ここで、図49及び図50を参照して、案内部材620の連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622について説明する。
図49は、回転部材640、投球装置650の一部およびガイド部材680が取り外された状態における回転ユニット600の正面図であり、図50は、案内部材620の正面模式図である。なお、図50では、連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622の形状が二点鎖線を用いて模式的に図示される。かかる二点鎖線は、各作用溝621,622の溝幅の中央を通る線として図示される。
図49及び図50に示すように、連結リンク作用溝621は、軸心Oを中心として半径R1で円弧状に湾曲する大径部621aと、軸心Oを中心として半径R2で円弧状に湾曲する小径部621bと、それら大径部621a及び小径部621bの間を接続する一対の接続部621cとからなる。なお、大径部621aの半径R1は、小径部621bの半径R2よりも大きな寸法に設定される(R2<R1)。
起伏リンク作用溝622は、軸心Oを中心として半径R3で円弧状に湾曲する大径部622aと、軸心Oを中心として半径R4で円弧状に湾曲する小径部622bと、それら大径部622a及び小径部622bの間を接続する一対の接続部622cとからなる。なお、大径部622aの半径R3は、小径部622bの半径R4よりも大きな寸法に設定される(R4<R3)。
本実施形態では、連結リンク作用溝621の大径部621a及び小径部621bと、起伏リンク作用溝622の大径部622a及び小径部622bとが、軸心Oを中心として同心に配置される。この場合、軸心Oは、回転部材640が回転される際の回転中心に一致される。よって、回転部材640が回転される際に、連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622の大径部621a,622a及び小径部622a,622bから連結リンク部材644及び起伏リンク部材648へそれぞれ作用する力を抑制して、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
また、連結リンク作用溝621の一対の接続部621cは、180度位相を異ならせた位置に配置される。同様に、起伏リンク作用溝622の一対の接続部622cは、180度位相を異ならせた位置に配置される。よって、回転部材640が回転駆動される際に、連結リンク作用溝621の一方の接続部621cから連結リンク部材644へ作用される力と他方の接続部621cから連結リンク部材644へ作用される力とを相殺させることができる。同様に、起伏リンク作用溝622の一方の接続部622cから起伏リンク部材648へ作用される力と他方の接続部622cから起伏リンク部材648へ作用される力とを相殺させることができる。これにより、回転部材640に作用される力を全体として均一化できるので、その回転部材640の回転を安定化させることができると共に、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
なお、本実施形態では、連結リンク作用溝621の接続部621cと起伏リンク作用溝622の接続部622cとが異なる位相となるように形成される。即ち、連結リンク作用溝621の接続部621cに連結リンク部材644の挿通部644aが挿通されている状態では、起伏リンク部材648の挿通部648aは、起伏リンク作用溝622の大径部622a又は小径部622bのいずれか一方に挿通されると共に、起伏リンク作用溝622の接続部622cに起伏リンク部材648の挿通部648aが挿通されている状態では、連結リンク部材644の挿通部644aは、連結リンク作用溝621の大径部621a又は小径部621bのいずれか一方に挿通される。
接続部621c,622cは分割部材DVの間隔を変更する又は表示板646及び区画板647を変位させるための部位であるため、かかる接続部621c,622cから比較的大きな反力を受けるところ、挿通部644a,648aが接続部621c,622cに同時に挿通されないようにすることで、必要な駆動力を分散させることができる。その結果、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
図43から図48に戻って、駆動機構630について説明する。駆動機構630は、回転部材640を回転駆動するための機構であり、駆動モータ631と、その駆動モータ631の駆動軸に固着されるピニオンギヤ632と、そのピニオンギヤ632に先頭のギヤ(第1伝達ギヤ633a)が歯合される伝達ギヤ列と、その伝達ギヤ列の末尾のギヤ(第2伝達ギヤ633b)に歯合されるギヤ634aを有する中央伝達体634と、その中央伝達部材634のギヤ634aに先頭のギヤ(第1分配ギヤ635a,636a)が歯合される一側分配ギヤ列および他側分配ギヤ列と、それら一側分配ギヤ列および他側ギヤ列の末尾のギヤ(第3分配ギヤ635c,636c)に歯合されるギヤ637a,638aを有する一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638と、を主に備える。なお、第1分配ギヤ635a,636aと第3分配ギヤ635c,636cの間には第2分配ギヤ635b,636bがそれぞれ介在される。
一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638は、駆動モータ631から発生された回転駆動力を伝達する伝達経路の末尾(駆動機構630における出力端)となる部材であり、駆動モータ631の回転駆動力により自身が回転されると共に、その回転により回転部材640を回転させる。ここで、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638について、図51を参照して説明する。
図51(a)は、一側回転駆動部材637及び他側回転部材638の正面図であり、図51(b)は、図51(a)のLIb−LIb線における一側回転部材637及び他側回転部材638の断面図である。
なお、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638は、互いに同一の形状に形成される部材であるので、一側回転駆動部材637のみについて説明し、他側回転駆動部材638については、図51の図中に符号のみを付し、その説明を省略する。
図47に示すように、一側回転駆動部材637は、円板状に形成され、その外縁部の周方向等間隔となる複数箇所(本実施形態では3カ所)に係合部637bが凹欠形成される。
係合部637bは、回転部材640の分割部材DVにおける被係合部641(図56参照)と係合する部位であり、その開放側から凹欠奥側へ向かうに従って幅(対向面どうしの間隔)が狭くされる正面視(軸方向視)略V字状に形成される。後述するように、一側回転駆動部材637を回転させることで、その回転を、係合部637b及び被係合部641の係合を介して、回転部材640へ伝達して、回転部材640を回転させることができる。
一側回転駆動部材637には、係合部637bの対向する内面どうしを部分的に連結する連結壁637cが形成される。連結壁637cは、一側回転駆動部材637の軸心を中心として正面視(軸方向視)円弧状に湾曲する形状に形成されると共に、係合部637bの開放側(一側回転駆動部材637の外縁側)の内面どうしのみを連結し、係合部637bの凹欠奥側の内面どうしは非連結とする。
ここで、一側回転駆動部材637による回転部材640の駆動時には、係合部637bと被係合部641との係合と解除とが断続的に繰り返される(図74参照)。そのため、係合部637bに被係合部641が係合し始める際に、衝撃荷重が入力され、一側回転駆動部材637が破損する恐れがある。一方で、一側回転駆動部材637の重量が嵩むと、駆動機構630の駆動モータ631に大きな出力が必要とされる。
この場合、本実施形態によれば、連結壁637cが係合部637bの開放側のみに形成されるので、係合部637bと被係合部641とが係合し始める際の衝撃荷重に対する補強と軽量化とを効果的に両立させることができる。その結果、一側駆動部材637の耐久性の向上を図りつつ、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
図43から図48に戻って説明する。駆動機構630の各構成部品は、中央伝達部材634を除き、ケース部材610に配設される(図53参照)。一方、中央伝達部材634は、案内部材620の背面側に回転可能に保持される。ここで、案内部材620への中央伝達部材634の保持構造について、図52を参照して説明する。
図52は、中央伝達部材634の回転軸を含む平面で切断した回転ユニット600の断面図である。図52に示すように、中央伝達体634は、正面視円形であって中央部分が窪んだハット状に形成され、中央の窪んだ部分の外周面にギヤ634aが刻設されると共に、最外縁部から張出部634bが径方向外方へ向けてフランジ状に張り出して形成される。
案内部材620の背面側には、周方向等間隔となる3カ所(即ち、120度間隔となる位置)に一対の保持カラー623,624(図47及び図48参照)が重ね合わされた状態でそれぞれ配設され、かかる一対の保持カラー623,624の対向間に中央伝達部材634の張出部634bが摺動可能に挿通される。これにより、一対の保持カラー623,624を介して、中央伝達部材634を案内部材620に回転可能に保持できる。
即ち、案内部材620に対する中央伝達部材634の径方向(図52上下方向)への変位は、中央伝達部材634の外周面に一対の保持カラー623,624の外周面を当接させることで規制でき、案内部材620に対する中央伝達部材634の軸方向(図52左右方向)への変位は、一対の保持カラー623,624の対向面に中央伝達部材634の張出部634bを当接させることで規制できる。
この場合、一対の保持カラー623,624は、正面視(中央伝達部材634の回転軸方向視)形状が円形に形成される。よって、一対の保持カラー623,624の外周面と中央伝達部材634の外周面とを互いの円弧形状が外接する(即ち、点接触する)関係とすることができるので、それらの接触面積を小さくして、中央伝達部材634が回転する際の摩擦抵抗を低減できる。その結果、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
更に、このように、中央伝達部材634の外縁側(張出部634b)を保持する構造とすることで、かかる中央伝達部材634の中央の窪んだ部分をケース部材610の底壁部611に軸支させる必要がなく、その軸支のための部品を配設するスペースが不要となるので、その分、後述する投球装置650の配設スペースを確保できる。
次いで、駆動機構630の動作について、図53を参照して、説明する。図53は、ケース部材610及び駆動機構630の正面図であり、中央伝達部材634が断面視された状態が図示される。
図53に示すように、駆動機構630は、回転部材640の回転中心である軸心Oと同心となる位置に中央伝達部材634が配設され、その中央伝達部材634のギヤ634aに第2伝達ギヤ633bと第3分配ギヤ635c,636cとが歯合された状態で配設される。なお、第3分配ギヤ635c,636cは、180度位相を異ならせた位置(即ち、軸心Oを挟んで対向する位置)に配設される。
よって、駆動モータ631が回転駆動されると、その回転が、ピニオンギヤ632及び第1伝達ギヤ633aを介して、第2伝達ギヤ633bに伝達され、その第2伝達ギヤ633bの回転に伴って、中央伝達部材634が回転される。
中央伝達部材634が回転されると、その中央伝達部材634の回転に伴って、一対の第1分配ギヤ635a,636aがそれぞれ回転され、その回転が、第2分配ギヤ635b,636b及び第3分配ギヤ635c,636cを介して、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638のギヤ637a,638a(図48参照)に伝達され、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638が回転される。
このように、第1分配ギヤ635a及び第2分配ギヤ636aに中央伝達ギヤ634が歯合されるので、駆動モータ631の回転駆動力で中央伝達ギヤ634を回転させることで、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638を同期された状態で回転させることができる。その結果、回転部材640の駆動を安定化させることができる。
この場合、中央伝達ギヤ634は、回転部材640の軸心Oと同心に配設されるので、かかる中央伝達ギヤ634と一側及び他側回転駆動部材637,638とを、軸心O方向視において、回転部材640の外縁部よりも内方(軸心O方向側)に配設できる。即ち、中央伝達ギヤ634と一側及び他側回転駆動部材637,638が回転部材640の外形よりも外方に突出されないため、その分、小型化を図ることができる。
なお、ケース部材610に案内部材620が配設された状態では、その案内部材620の外縁部分よりも径方向外方に一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638の係合部637b,638bが露出され(図49参照)、かかる係合部637b,638bに回転部材640の分割部材DVにおける被係合部641が係合可能とされる。よって、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638を回転させることで、その回転を、係合部637b,638b及び被係合部641の係合を介して、回転部材640に伝達して、回転部材640を回転させることができる。
この場合、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638は、180度位相を異ならせた位置(即ち、軸心Oを挟んで対向する位置)に配設される。よって、後述するように、回転部材640へ駆動力を付与する位置(係合する位置)を最大限に離間させて、その回転部材640の回転を安定化できる。
また、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638は、それらの係合部637b及び係合部638bの位相が互いに異なる姿勢(回転位置)で配設される。即ち、係合部637b又は係合部638bの一方が被係合部641と非係合とされている状態では、係合部637b又は係合部638bの他方が被係合部641と係合される(一方と他方とが同時に非係合とされることが回避される)ように配設される。よって、後述するように、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638から回転部材640への駆動力の伝達が断続的となることを抑制でき、回転部材640の回転を安定化できる。
図43から図48に戻って説明する。回転部材640は、上述したように、回転機構630の駆動力を受けて回転される正面視円環形状の部材であり、中央伝達部材634及び案内部材620と同心となる姿勢で、案内部材620の正面側に配設される。なお、本実施形態では、回転部材640は、正面視反時計回り(左回り)に回転される。ここで、回転部材640について、図54から図60を参照して説明する。
図54(a)は、回転部材640の正面図であり、図54(b)は、図54(a)の矢印LIVb方向視における回転部材640の側面図である。また、図55は、図54(b)の矢印LV方向視における回転部材640の背面図である。
図54及び図55に示すように、回転部材640は、複数(本実施形態では30個)の分割部材DVを備えると共に、それら複数の分割部材DVが周方向に沿って互いに無端状に連結されることで、正面視円環状に形成される。
この場合、複数の分割部材DVは、隣接する分割部材DVとの間の間隔を変更可能に形成される。即ち、回転部材640には、分割部材DVどうしが第1の間隔で周方向に連結される第1区間S1と、分割部材DVどうしが第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で周方向に連結される第2区間S2とが形成される。なお、第1区間S1及び第2区間S2の間には、それら第1区間S1における第1の間隔から第2区間S2における第2の間隔(又はその逆)へ分割部材DVどうしの間隔が遷移する区間が形成される。
図56(a)は、分割部材DVの正面斜視図であり、図56(b)は、分割部材DVの背面斜視図である。また、図57は、分割部材DVの分解正面斜視図であり、図58は、分割部材DVの分解背面斜視図である。なお、図56から図58では、分割部材DVどうしの連結構造の理解のために、隣接する分割部材DVの連結リンク部材644が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
ここで、本実施形態では、複数の分割部材DVのうちの一部(本実施形態では15個)の分割部材DVには、被検出部641cが形成される一方、残りの分割部材DVでは、被検出部641cの形成が省略される。これら被検出部641cが形成される分割部材DVと、被検出部641cの形成が省略される分割部材DVとは、被検出部641cの有無を除き、他の構成は同一である。よって、以下においては、被検出部641cが形成される分割部材DVについて説明し、被検出部641cの形成が省略される分割部材DVについての説明は省略する。
図56から図58に示すように、分割部材DVは、被係合部641と、その被係合部641が背面側に配設される背面側本体642と、その背面側本体642の正面側に配設される正面側本体643と、それら背面側本体642及び正面側本体643の間に基端側が回転可能に軸支される連結リンク部材644と、正面側本体643の正面側に配設される板保持部材645と、その板保持部材645に変位可能に保持される表示板646及び区画板647と、正面側本体643及び板保持部材645との間にスライド変位可能に配設される起伏リンク部材648と、を主に備えて構成される。
被係合部641は、上述したように、駆動機構630の各回転駆動部材637,638の係合部637b,638bに係合される部位であり、正面視略二等辺三角形状に形成され、背面側本体642の長手方向一側(図56(b)下側)の背面から突設される姿勢で配設される。
被係合部641の背面側本体642への取り付け面側には、背面側本体642の背面との間に所定間隔を隔てて対向する対向部641aが形成され、その対向部641aと背面側本体642との対向面間に、案内部材620の外縁部が摺動可能に挟み込まれる。これにより、案内部材620の正面からの分割部材DV(背面側本体642の長手方向一側)の浮き上がりを抑制できる。
また、被係合部641の背面側本体642への取り付け面側には、円柱状に形成される一対の摺動ローラ641bが回転可能に軸支される。摺動ローラ641bは、その回転軸を背面側本体642の背面(即ち、分割部材DVの移動平面)に対して直交させると共にその外周面を案内部材620の外縁部の外周面に当接可能な姿勢で配設される。これにより、案内部材620の周方向に沿って分割部材DVが変位される際の摺動抵抗を低減できる。
一方、被係合部641の背面側本体642への取り付け面と反対側には、板状の被検出部641cが張り出し形成される。被検出部641cは、ガイド部材680に配設された検出センサ684により検出される板状の部位であり、背面側本体642の背面(即ち、分割部材DVの移動平面)に水平な姿勢とされる。
背面側本体642は、その背面が案内部材620の正面に載置され、回転部材640の回転時に案内部材620の正面を摺動する部位であり、正面視長方形の板状に形成される。案内部材620に回転部材640が配設された状態では、背面側本体642は、その長手方向を案内部材620の径方向に沿わせた姿勢で配設される。即ち、各背面側本体部642が軸心Oを中心とする放射直線状に配設される(図54参照)。
背面側本体642は、長手方向に沿って直線状に延設される溝状の開口である連結リンク用開口642a及び起伏リンク用開口642bと、長手方向一側(図57下側)の正面に形成され正面側本体643(軸支部643b)との間で連結リンク部材644の基端側を軸支する軸支部642cと、長手方向他側(図58上側)の背面から突設される屈曲部642dと、を備える。
連結リンク用開口642aは、隣接する分割部材DVの連結リンク部材644における挿通部644aが摺動可能に挿通される開口であり、この連結リンク用開口642aへの挿通部644aの挿通により、分割部材DVを、連結リンク部材644を介して、隣接する分割部材DVと連結させることができる。また、連結リンク部材644は、連結リンク用開口642aに挿通された挿通部644aの先端を案内部材620の連結リンク作用溝621に挿通させる。
なお、連結リンク用開口642aの開口幅は、連結リンク部材644の挿通部644aの直径と同等または若干大きな寸法に設定される。よって、連結リンク644の挿通部644aは、連結リンク用開口642aの延設方向に沿って摺動(案内)可能とされる。
分割部材DVが案内部材620の周方向へ変位される際に、連結リンク部材644の挿通部644aが案内部材620の連結リンク作用溝621から作用を受けると、挿通部644aが連結リンク用開口642aに沿って摺動することで、連結リンク作用溝621からの作用に伴って連結リンク部材644の姿勢が変化することを許容することができる。その結果、背面側本体642に対する連結リンク部材644の姿勢を生じさせ、分割部材DVどうしの間隔を増減させることができる。
起伏リンク用開口642bは、起伏リンク部材648の挿通部648aが摺動可能に挿通される開口であり、起伏リンク部材648は、起伏リンク用開口642bに挿通された挿通部648aの先端を案内部材620の起伏リンク作用溝622に挿通させる。
なお、起伏リンク用開口642bの開口幅は、起伏リンク部材648の挿通部648aの直径と同等または若干大きな寸法に設定される。よって、起伏リンク648の挿通部648aは、起伏リンク用開口642bの延設方向に沿って摺動(案内)可能とされる。
分割部材DVが案内部材620の周方向へ変位される際に、起伏リンク部材648の挿通部648aが案内部材620の起伏リンク作用溝622から作用を受けると、挿通部648aが起伏リンク用開口642bに沿って摺動されることで、表示板646及び区画板647を起伏させることができる。
軸支部642cは、上述したように、背面側本体642の長手方向一側(図57下側)に形成されるので、連結リンク部材644の基端側を、被係合部641と正面視において重なる位置で軸支することができる。よって、被係合部641が各回転駆動部材637,638の係合部637b,638bによって駆動され、分割部材DVが案内部材620の周方向に沿って変位される際には、その変位を隣接する分割部材DVへ連結リンク部材644を介して伝達しやすくできる。
屈曲部642dは、背面側本体642の長手方向他側(図58上側)の背面から突設されると共にその突設先端が背面側本体642の背面との間に所定間隔を隔てて対向されるように屈曲される部位であり、その突設先端の屈曲される部分と背面側本体642との対向面間に、案内部材620の内縁部が摺動可能に挟み込まれる。これにより、案内部材620の正面からの分割部材DV(背面側本体642の長手方向他側)の浮き上がりを抑制できる。
また、屈曲部642dは、その基部を案内部材620の内縁部の内周面に当接可能な姿勢で配設され、かかる屈曲部642dの基部と上述した摺動ローラ641bとの対向間隔が、案内部材620の径方向の幅と同等または若干大きな寸法に設定される。これにより、案内部材620の径方向への分割部材DVの変位を規制できるので、かかる本体部材DV(背面側本体642)を、その長手方向を案内部材620の径方向に沿わせた姿勢のままで、案内部材620の周方向へ変位させることができる。
正面側本体643は、背面側本体642と略同一の大きさの正面視長方形の板状に形成される部材であり、長手方向に沿って直線状に延設される溝状の開口である起伏リンクスライド溝643aと、長手方向一側(図58下側)の背面に形成され背面側本体642(軸支部642c)との間で連結リンク部材644の基端側を軸支する軸支部643bと、正面から突設され区画板647を回転可能に支持する支持板643cと、を備える。
起伏リンクスライド溝643aは、起伏リンク部材648がスライド可能に配設される直線上の溝であり、起伏リンク用開口642bと平行に延設される。即ち、起伏リンク部材648は、起伏リンクスライド溝643aに沿ってスライドされることで、その挿通部648aを起伏リンク用開口642bに沿って摺動させる。
背面側本体642及び正面側本体643は、正面視において、長手方向他側の幅寸法が長手方向一側の幅寸法がよりも小さくされる。即ち、回転部材640の外周側に位置する部分の幅寸法よりも内周側に位置する部分の幅寸法の方が小さい正面視楔状に形成される。よって、第2区間S2における第2の間隔をより小さくして、分割部材DVどうしを近接させることができ、回転部材640の配設に要するスペースを抑制できる。なお、本実施形態では、第2区間S2において、背面側本体642及び正面側本体643が隣接する背面側本体642及び正面側本体643と周方向に当接される(図54及び図73参照)。
連結リンク部材644は、長尺状の部材であり、基端側が背面側本体642及び正面側本体643の軸支部642c,643bによって回転可能に軸支されると共に、先端側に円柱状の挿通部644aが形成される。挿通部644aは、連結リンク部材644の回転軸と平行な姿勢で突出され、上述したように、隣接する分割部材DVにおける背面側本体642の連結リンク用開口642aを介して案内部材620の連結リンク用作用溝621に挿通される。
挿通部644aは、その直径が、連結リンク用開口642a及び連結リンク用作用溝621の溝幅と略同一または若干小さい寸法に設定される。よって、回転部材640の回転中において、連結リンク644の挿通部644aに対する分割部材DVの位置ずれを最小限に抑制でき、分割部材DVどうしの間隔を一定に維持しやすくできる。これにより、被検出部641cの位置ばらつきを抑制することができるので、検出センサ684(図71参照)による検出精度の向上を図ることができる。
なお、連結リンク部材644の背面側本体642及び正面側本体643に回転可能に軸支される基端側(即ち、各本体642,643の軸支部642c,643b)は、連結リンク用開口642aよりも被係合部641に近接する位置に配設される。本実施形態では、連結リンク部材644の基端側は、正面視(回転部材640の軸心O方向視)において、被係合部641に重なる位置に配設される。
これにより、分割部材DVの被係合部641に一側および他側回転駆動部材637,638の係合部637b,638bが係合され、一側および他側回転駆動部材637,638の回転によって、分割部材DVが案内部材620の周方向に沿って移動される際に、その分割部材DVの変位を連結リンク部材644を介して隣接する分割部材DVへ伝達しやすくできる。その結果、回転部材640の変位(回転)の安定化を図ることができる。
起伏リンク部材648は、正面側本体643の起伏リンクスライド溝643aにスライド変位可能に保持される部材であり、背面側に円柱状の挿通部648aが形成されると共に、正面側に作用溝648bが形成される。挿通部648aは、連結リンク部材644の挿通部644aと平行な姿勢で突出され、上述したように、背面側本体642の起伏リンク用開口642bを介して案内部材620の起伏リンク用作用溝622に挿通される。
作用溝648bは、起伏リンク部材648がスライド変位されることで表示板646の被作用部646dに作用して、表示板646及び区画板647を起伏させるための部位であり、起伏リンク部材648のスライド方向に沿って直線状に延設される溝状に形成されると共に、その溝状部分の対向面間に表示板646の被作用部646dが摺動可能に挿通される。
表示板646は、正面視矩形の板状に形成される板部646aと、その板部646aの一辺側に形成される軸部646b及び連結軸646cと、起伏リンク部材648の作用溝648bの対向面間に挿通される板状の被作用部646dとを備える。被作用部646dは、正面視略S字状に屈曲して形成されるため、起伏リンク部材648がスライド変位されると、そのスライド変位の方向と直交する方向に被作用部646dを変位させ、軸部646bを回転中心として表示板646を回転させることができる。
区画板647は、正面視台形状に形成される板状の板部647aと、その板部647aの一辺側に形成される一対の軸部647bと、それら一対の軸部647bと同じ一辺側に形成されると共に表示板646の連結軸646cを回転可能に軸支する軸支部647cとを備える。
ここで、上述したように、回転ユニット600は、複数のポケットが周方向に連設されたホイールを回転させると共に投球した球をいずれかのポケットに落下させるルーレットを模して構成される演出装置であり、1の分割部材DVの表示板646及び区画板647と隣接する分割部材DVの区画板647とで囲まれる空間がポケットとされると共に、表示板646(板部646a)には、赤または黒の色が付されると共にそれぞれに異なる数字(1〜29)が表示される。
なお、本実施形態では、1の表示板646には、緑の色が付されると共に、所定のマーク(星形状)が表示される。また、回転部材640は、第1区間S1に位置する表示板646のみが遊技者から視認される。即ち、第2区間S2に位置する表示板646は、その正面側に配設された他の部材により遮蔽され、遊技者から視認不能とされる。
板保持部材645は、表示板646の軸部646bを回転可能に軸支する軸支部645aと、区画板647の軸部647bを回転可能に軸支する軸支部645bとを備え、これら各軸支部645a,645bによる軸支により、正面側本体643の上面側(正面側)において、表示板646及び区画板647をそれぞれ回転可能に支持する。
この場合、表示板646と区画板647とは、連結軸646c及び軸支部647cにより連結されるため、起伏リンク部材648のスライド変位に伴って表示板646が軸部646bを回転中心として回転されると、その回転が連結軸646c及び軸支部647cを介して、区画板647へ伝達され、かかる区画板647が軸部647bを回転中心として回転される。この表示板646及び区画板647の回転について、図59及び図60を参照して説明する。
図59(a)及び図59(b)は、第1区間S1に配置された状態における分割部材DVの上面斜視図および下面斜視図であり、図60(a)及び図60(b)は、第2区間S2に配置された状態における分割部材DVの上面斜視図および下面斜視図である。なお、図59及び図60は、理解を容易とするために、一部の構成を透視した状態が図示されると共に、連結リンク部材644や被検出部641c、屈曲部642dの図示が省略される。
図59に示すように、分割部材DVが第1区間S1に配置された状態では、起伏リンク部材648の挿通部648aが案内部材620の起伏リンク作用溝622における小径部622b(図50参照)に挿通される。そのため、起伏リンク部材648が背面側本体642及び正面側本体643の長手方向他側(即ち、案内部材620及び回転部材640の内周側、軸心O側)にスライド変位された状態とされ、これにより、表示板646の板部646aが水平姿勢に配置とされる一方、区画板647の板部647aが起立姿勢に配置される。
なお、水平姿勢とは、表示板646の板部646aが、背面側本体642の背面(即ち、分割部材DVの移動平面)に平行となる姿勢であり、起立姿勢とは、区画板647の板部647aが、背面側本体642の背面(即ち、分割部材DVの移動平面)に直交平行となる姿勢である。
図60に示すように、分割部材DVが第2区間S2に配置された状態では、起伏リンク部材648の挿通部648aが案内部材620の起伏リンク作用溝622における大径部622a(図50参照)に挿通される。そのため、起伏リンク部材648が背面側本体642及び正面側本体643の長手方向一側(即ち、案内部材620及び回転部材640の外周側、軸心Oと反対側)にスライド変位された状態とされ、これにより、表示板646の板部646aが、水平姿勢から区画板647の板部647a側へ持ち上げられて、傾斜姿勢に配置とされると共に、区画板647の板部647aが、起立姿勢から表示板646の板部646a側へ傾倒されて、傾斜姿勢に配置される。
このように、本実施形態では、表示板646と区画板647とを、連結軸646c及び軸支部647cにより連結するので、起伏リンク部材648のスライド変位に伴い、表示板646を回転させることで、連結軸646c及び軸支部647cを介して、区画板647も回転させることができる。
これにより、表示板646を回転させるための機構と、区画板647を回転させるための機構とのそれぞれに対して、起伏リンク作用溝および起伏リンク部材を別々に設ける必要がなく、両機構において起伏リンク作用溝および起伏リンク部材を共通化することができる。その結果、部品点数を削減できると共に、構造を簡素化でき、製品コストの削減を図ることができる。
ここで、本実施形態では、表示板646の板部646aは、区画板647の板部647aよりも重量が重くされる。そのため、図60に示す状態(即ち、表示板646の板部646aが上方へ持ち上げられると共に、区画板647の板部647aが下方へ傾倒された状態)から、図59に示す状態(即ち、表示板646の板部646aが水平姿勢とされると共に、区画板647の板部647aが起立姿勢とされた状態)とする場合には、表示板646(板部646a)の自重による回転作用を利用して、図59に示す状態を確実かつ速やかに形成することができる。
即ち、表示板646の板部646aは、上方へ持ち上げられているので、下方へ傾倒される方向へ自重で回転されることで、水平姿勢を形成できると共に、その表示板646の回転(自重)が連結軸646c及び軸支部647cを介して区画板647へ伝達されることで、区画板647を持ち上げて起立姿勢を形成できる。よって、汚れや埃などの付着により回転が阻害されている場合であっても、図59に示す状態を確実かつ速やかに形成することができる。
特に、本実施形態では、表示板646は、板部646aの軸部646bからの張り出し長さが、区画板647における板部647aの軸部647bからの張り出し長さよりも大きな寸法に設定される。そのため、表示板646の板部646aにおける重心を軸部646bから離間させると共に、区画板647の板部647aにおける重心を軸部647bに近接させることができ、その結果、図59に示す状態の形成を、表示板646の自重を利用して、より確実かつ速やかに行うことができる。
図43から図48に戻って説明する。投球装置650は、球Bを回転部材640へ投球するための装置であり、駆動機構630の中央伝達部材634における中央の窪みに収納され、回転部材640の内周側に配設される。ここで、投球装置650について、図61から図69を参照して説明する。
図61及び図62は、投球装置650の分解正面斜視図である。なお、図62では、保持片出没機構670がケース体651に取り付けられた状態が図示されると共に、通路部材655の図示が省略される。
図61及び図62に示すように、投球装置650は、正面側が開放された容器状に形成されるケース体651と、そのケース体651の内部に配設されるアーム回転機構660及び保持片出没機構670と、ケース体651の正面側に配設される通路部材655と、透光性材料から球形に形成される球Bと、を主に備える。
ケース体651は、正面視略円形の底壁部651aと、その底壁部651aから正面へ向けて立設される略円筒状の外壁部651bと、その外壁部651bの外周面から径方向外方へフランジ状に張り出して形成される張出壁部651cとを備え、張出壁部651cが案内部材620の背面側に締結固定されることで、外壁部651bの立設先端(開口部分)を回転部材640(表示板646の板部646a)の正面に略一致させた位置に配設される。
底壁部651aの正面には、球保持部652が配設される。球保持部652には、球Bの外径に対応した大きさの球面状の窪みが正面に形成され、その窪みが球Bの保持位置(初期位置)とされる。即ち、球保持部652に球Bが配置されると、その球Bは、外壁部651bの内周面とアーム回転機構660のアーム部材664との間に保持される(図44参照)。
この場合、投球装置650は、保持片出没機構670の保持片677が最下方に位置する姿勢で配設されており、アーム回転機構660のアーム部材664が回転されると、球Bが外壁部651bの内周面(内周通路651c1)を転動して、保持片出没機構670の突出位置にある保持片677上に保持される(図68参照)。ここで、アーム回転機構660について、図63から図65を参照して説明する。
図63は、アーム回転機構660の分解正面斜視図である。また、図64は、アーム回転機構660のアーム部材664が保持位置に配置された状態における投球装置660の正面図であり、図65は、アーム回転機構660のアーム部材664が離間位置に配置された状態における投球装置660の正面図である。なお、図64及び図65では、理解を容易とするために、アーム回転機構660の正面ケース662が取り外された状態が図示される。
図63から図65に示すように、アーム回転機構660は、ケース体651の底壁部651aに配設される背面ケース661と、その背面ケース661の正面に配設される正面ケース662と、それら背面ケース661及び正面ケース662の対向面間に回転可能に保持されるクランク部材663及びアーム部材664と、それらクランク部材663及びアーム部材664を駆動するための駆動モータ665及びピニオンギヤ666とを備える。
背面ケース661には、軸661a,661bが突設され、軸661aにクランク部材663が、軸661bにアーム部材664が、それぞれ回転可能に軸支される。クランク部材663には、ピニオンギヤ676が歯合されるギヤ663aが外周面に刻設されると共に、回転中心(軸661a)から偏心した位置にピン部663bが突設される。また、アーム部材664には、クランク部材663のピン部663bが摺動可能に挿通される摺動溝664aが直線状に延設されると共に、その摺動溝664aに対して回転中心(軸661b)を挟んで反対側となる位置には、円環形状を半分に分割した正面視形状の湾曲部664bが形成される。
よって、駆動モータ665を正方向または逆方向に回転駆動し、その駆動モータ655の駆動軸に固着されたピニオンギヤ666の回転を介してクランク部材663を回転させ、そのクランク部材663のピン部663bをアーム部材664の摺動溝664aへ作用させることで、アーム部材664を軸661bを回転中心として一方向または他方向へ回転させることができる。
即ち、アーム部材664は、湾曲部664bの湾曲形状を球保持部652の外周部分に沿わせて球Bを球保持部652に保持する保持位置(図64参照)と、湾曲部664bを球保持部652から離間させて球Bを球保持部652から内周通路651c1へ落下させる離間位置(図65参照)との間で回転(揺動)可能とされる。
本実施形態では、湾曲部664bの内周面の一部(軸661bから離間される側(下方側)の中心角略90度の範囲)が片持ち板664cにより形成される。片持ち板664cは、湾曲部664bの内周面に沿って湾曲する板状体であり、その基端側に設けられた軸664c1が湾曲部664bに回転可能に軸支されると共に、先端側の背面側(外周面側)に配設されたリミットスイッチ667の板ばね667aの弾性力により上方(径方向内方側)へ持ち上げられた姿勢に維持される。
よって、アーム部材664が保持位置に配置された状態において、球保持部652に球Bが保持される場合には、その球Bの重量により片持ち板664cが軸664c1を回転中心として押し下げられ、リミットスイッチ667をオンさせる一方、球保持部652に球Bが保持されていない場合には、片持ち板664cが上述したように持ち上げられた姿勢とされ、リミットスイッチ667をオフさせる。その結果、球保持部652における球Bの有無を検出できる。
この場合、アーム部材664の湾曲部664bおよび球保持部652の窪みは、アーム部材664が保持位置に配置された状態において、球Bが変位可能な大きさに形成される。即ち、湾曲部664bの内径および球保持部652の窪みの内径が、球の直径よりも大きくされる。よって、パチンコ機10が遊技者により叩かれたり揺らされたりして外力(振動)が入力された場合には、その振動の入力に伴って、球Bを変位させることができる。即ち、球Bが変位(振動)されることで、その振動に伴って、片持ち板664cを変位させることができ、リミットスイッチ667をオン・オフさせることができる。その結果、リミットスイッチ667の状態を監視することで、アーム回転機構660を利用して、パチンコ機10への外力の入力を検出することができる。
図61及び図62へ戻って説明する。上述したように、アーム回転機構660のアーム部材664が離間位置へ回転されると、球Bは、外壁部651bの内周面(内周通路651c1)を転動され、保持片出没機構670の突出位置にある保持片677上に保持される(図68参照)。保持片出没機構670は、保持片677が突出位置と没入位置との間で出没可能に形成されており、かかる保持片677が没入位置に没入されることで、球Bが回転部材640の複数の分割部材DVのうちのいずれかの分割部材DV(表示板646)上に投球される。ここで、保持片出没機構670について、図66から図69を参照して説明する。
図66は、保持片677が突出位置に配置された状態における保持片出没機構670の分解正面斜視図であり、図67は、保持片677が没入位置に配置された状態における保持片出没機構670の分解正面斜視図である。
図68(a)は、保持片677が突出位置に配置された状態における保持片出没機構670の正面斜視図であり、図68(b)は、図68(a)のLXVIIIb−LXVIIIb線における保持片出没機構670の部分拡大断面図である。また、図69(a)は、保持片677が没入位置に配置された状態における保持片出没機構670の正面斜視図であり、図69(b)は、図69(a)のLXIXb−LXIXb線における保持片出没機構670の部分拡大断面図である。
図66から図69に示すように、保持片出没機構670は、ケース体651の外壁部651bの内周面に沿う円弧状に湾曲して形成されケース体651の底壁部651aに配設される背面ケース671と、その背面ケース671の正面に配設される正面ケース672と、それら背面ケース671及び正面ケース672の対向面間にスライド変位可能に保持されるスライド部材673と、そのスライド部材673を駆動するための駆動モータ675及びピニオンギヤ676と、スライド部材673のスライド変位に伴って出没される保持片677と、を備える。
背面ケース671は、所定間隔を隔てて対向配置一対一組のローラ部材674を二組備え、それら各組のローラ部材674の対向間にスライド部材673をスライド変位可能に保持する。また、背面ケース671は、その周方向一端側(下方部分)から正面側へ向けて張り出し形成される上面視矩形板状の摺動ベース671aを備え、その摺動ベース671aの上面と正面ベース672の下面(外周面)との間で保持片677のスライド変位(正面側への突出および背面側への没入)を案内する。
スライド部材673には、その周方向一端側(下方部分)からピン部673aが突出されると共に、周方向他端側(情報部分)には、ピニオンギヤ676が歯合されるラックギヤ673bが内周面に沿って刻設される。また、保持片677には、スライド部材673のピン部673aが摺動可能に挿通される摺動溝677aが略Z字状に屈曲して延設される。即ち、摺動溝677aは、その一端側(図66右側)が他端側(図66左側)よりも正面側にオフセットされる。
よって、駆動モータ675を正方向または逆方向に回転駆動し、その駆動モータ675の駆動軸に固着されたピニオンギヤ676を回転させることで、ラックギヤ673bを介してスライド部材673をスライド変位させ、そのスライド部材673のピン部673aを保持片677の摺動溝677aへ作用させることで、保持片677を正面側へ突出または背面側へ没入させることができる。即ち、保持片677は、正面側へ突出される突出位置(図68参照)と、背面側へ没入される没入位置(図69参照)との間でスライド変位可能とされる。
ここで、保持片677の上面には、背面側(図68(b)及び図69(b)右側)に位置すると共にケース体651の外壁部651bの内周面(即ち、内周通路651c1)と同心状に湾曲し内周通路651c1と周方向に滑らかに連なる湾曲面677bと、その湾曲面677bの縁部に連なると共に正面側(図68(b)及び図69(b)左側)へ向かうに従って上昇傾斜される上昇傾斜面677cと、その上昇傾斜面677cの縁部に連なると共に正面側へ向かうに従って下降傾斜される下降傾斜面677dとが形成される。
よって、保持片677が突出位置に配置された状態では(図68(a)及び図68(b)参照)、球保持部652から落下され内周通路651c1を転動して保持片677の湾曲面677b上に達した球Bが正面側(図68(b)左側)へ転動することを上昇傾斜面677cの上昇傾斜によって規制して、保持片677(湾曲面677b)上に保持することができる。
一方、この突出位置から保持片677が背面側へ没入され没入位置に配置されると(図69(a)及び図69(b)参照)、正面ケース672の正面によって背面側(図69(b)右側)への移動が規制されている球Bが、保持片677の没入方向(背面側)への変位に伴って、上昇傾斜面677cを乗り越えて、下降傾斜面677d上に位置される。これにより、かかる下降傾斜面677dの下降傾斜に沿って球Bを転動させ、かかる球Bを正面側(回転部材640の分割部材DV)へ投球することができる。
なお、湾曲面677bは、その周方向両側が内周通路651c1に滑らかに連なるので、球保持部652から落下され、一方の内周通路651c1を転動してきた球Bを、保持片677の湾曲面677b上を通過させて、他方の内周通路651c1まで転動させることができる。即ち、湾曲面677bを介して、球Bを周方向一方側の内周通路651c1及び周方向他方側の内周通路651c1の間で往復させることができる。また、保持片677の湾曲面677bは、内周通路651c1よりも下方に位置するので、球Bの勢いが無くなりその転動が収束された際には、その球Bを湾曲面677b上に位置させることができる。
図61へ戻って説明する。上述したように、ケース体651の正面側には、通路部材655が配設される。通路部材655は、保持片出没機構670の保持片677の正面側に位置しその保持片677の没入動作(没入位置への没入)により投球された球Bを回転部材640の分割部材DV(表示板646)上へ送球する際の通路となる送球通路655aと、回転部材640の分割部材DVから送球された球Bを球保持部652へ返送する際の通路となる返送通路655bとを備える。
送球通路655aは、保持片出没機構670の保持片677における下降傾斜面677dと略同一の幅寸法を有し正面側へ延設される断面略コ字状の溝部655a1と、その溝部655a1から正面側縁部に連なると共に回転部材640の分割部材DVにおける表示板646と略面一に連なる正面部655a2と、その正面部655a2の幅方向両側から立設されると共に回転部材640の分割部材DVにおける区画板647の対向間隔と略同一の間隔で対向する一対の対向部655a3とを備える。
よって、保持片出没機構670の保持片677が没入位置へ没入されると、その保持片677の下降傾斜面677dを転動される球Bを、溝部655a1で受け取り、その溝部655a1の延設方向に沿って転動させることで、がたつきを抑制しつつ球Bを投球することができる。
また、正面部655a2が分割部材DVの表示板646と面一に連なると共に、一対の対向部655a3の対向間隔が分割部材DVの区画板647の対向間隔と略同一の間隔とされるので、投球された球Bを分割部材DVの表示板646上にスムーズに配置できる。なお、回転部材640は、球Bの投球時には、後述する検出センサ684による検出結果に基づいて、分割部材DVの区画板647が対向部655a3と一致する位相(回転位置)で停止される。
返送通路655bは、回転部材640の分割部材DVから送球された球Bを上流側で受け止めると下流側へ転動させる転動面としての転動部655b1と、その転動部655b1の下流側に立設されると共に球Bの転動方向を背面側へ向かせるために湾曲して形成される立設部655b2とを備える。
転動部655b1は、投球装置650の正面視において、上流側が回転部材640の内周側縁部に配置されると共に、下流側が球保持部652bの正面側に配置される。また、転動部6551b1は、上流側から下流側へ向けて下降傾斜されると共に、下流側が球保持部652へ向けて下降傾斜して形成される。
回転部材640の分割部材DV上に載置され回転部材640の回転に伴って周方向に搬送された球Bが、区画板647と後述するガイド部材680の返送ガイド681bとの作用により径方向内方へ押し出され、返送通路655bの上流側へ送球されると、その球Bは、転動部655b1を下流側へ転動され、立設部655b2に案内されつつ、球保持部652へ落下される。
図43から図48に戻って説明する。上述したように、回転部材640の外周側にはガイド部材680が配設される。ガイド部材680は、回転部材640の下方部分に沿って配設される部材であり、回転部材640の分割部材DV上の球Bを、その回転部材640の回転に伴う搬送時にガイドする(即ち、球Bを下方から支持する)と共に、回転部材640の位相(回転位置)を検出するための検出センサ684を保持する。ここで、ガイド部材680について、図70及び図71を参照して説明する。
図70は、ガイド部材680の正面斜視図であり、図71は、ガイド部材680の背面斜視図である。図70に示すように、ガイド部材680は、ケース部材610に配設される基部681と、その基部681の正面側に配設される板状の透過板682と、その透過板682の背面側に配設される片持ち板683と、基部681に配設される複数(本実施形態では6個)の検出センサ684とを主に備える。
基部681は、円環形状を中心角略120度で分断した形状(即ち、正面視円弧状に湾曲する形状)に形成される部材であり、その内周面側にガイド面681aが形成される。ガイド面681aは、回転部材640の外周面側に配置され、分割部材DV上(即ち、表示板646及び区画板647で囲まれる空間)に配置された球Bに対面される。即ち、回転部材640の分割部材DV上に配置され、回転部材640の回転に伴って搬送される球Bを下方から支持する。
また、基部681の内周面側には、ガイド面681aの下流側(図70右側)に連なる返送ガイド681bが形成される。返送ガイド681bは、回転部材640の回転に伴い搬送される球Bを通路部材655の返送通路655bへ送球させるための部位であり、ガイド面681aよりも幅寸法が小さく形成されると共に、径方向内方へ向けて突出された形状に形成されることで、回転部材640の分割部材DV(表示板646)に対面して配設される(図43及び図44参照)。
よって、回転部材640の分割部材DV上に載置され球Bが、回転部材640の回転に伴って周方向に搬送されると、その分割部材DVの区画板647(板部647a)によって返送ガイド681bの内周面に球Bが押し付けられる。よって、回転部材640が更に回転されると、球Bが、区画板647と返送ガイド681bとの作用により径方向内方へ押し出され、返送通路655bの上流側へ搬送される。
ここで、返送ガイド681bの形成を省略した場合であっても、返送通路655bへ向けて区画板647(板部647a)が下降傾斜される位置まで回転部材640が回転されれば、その区画板647の下降傾斜に沿って球Bを返送通路655bへ落下させることができる。しかしながら、この場合には、球Bが自重で転動を開始するまでにその球Bが上方へ搬送されてしまうため、球Bが落下される際の落下位置が高くなると共に、区画板647の下降傾斜に沿って球Bが転動された後に落下されるため、球Bの落下の際の勢いが大きい。そのため、返送通路655bの破損を招く恐れがある。
これに対し、本実施形態では、上述の通り、返送ガイド681bが設けられることで、球Bが返送通路655bへ落下される際の落下位置を低くできると共に、球Bが返送ガイド681bで摺動されつつ返送通路655bへ送球されるので、その送球速度を弱めることができる。その結果、返送通路655bの破損を抑制できる。
透過板682は、回転部材640の分割部材DV(表示板646)に所定間隔(球Bを保持可能な間隔)を隔てて対面される部位であり、幅方向中央の上縁側部分の一部が通路部材655の送球通路655a(正面部655a2)に対面する位置まで上方へ延設される。これにより、投球装置650からの回転部材640の分割部材DVへ投球された球Bが外部へ飛び出すことを抑制できる。
また、透過板682は、球Bが投球される分割部材DV(即ち、送球通路655aの正面部655a2と同位相となる分割部材DV)だけでなく、その分割部材DVの下流側(球Bの搬送方向下流側)に隣接される分割部材DVにも部分的に対面可能な大きさ(幅寸法)で形成されるので、送球通路655aから投球された球Bの暴れを、透過板682との間で収束させやすくでき、かかる球Bを返送ガイド681bまで安定して搬送させることができる。
一方、透過板682は、球Bが投球される分割部材DVおよびその分割部材DVの下流側に隣接する分割部材DVに対面可能な大きさ(幅寸法)とされ、それら投球される分割部材DV及び隣接する分割部材DVよりも下流側に位置する分割部材DVに対しては対面されない。即ち、透過板682における球Bの搬送方向下流側(図70右側)の縁部と返送ガイド681bとの間では、球Bを露出させることができ、かかる球Bの搬送を遊技者に視認させやすくできる。
なお、透過板682は、全体が光透過性材料から形成されるので、その背面側に位置する部材や球Bを遊技者に透視させることができる。よって、投球された球Bが、送球通路655aを通過して、分割部材DVの表示板647及び透過板682の対向間に落下されると共に、ガイド面681aに支持されつつ回転部材640の回転により搬送される一連の態様を、遊技者に視認させることができる。
片持ち板683は、ガイド面681aと共に基部681の内周面を形成する部材であり、ガイド面681a(即ち、基部681の内周面)に沿って湾曲する板状体として形成される。片持ち板683は、その周方向一端側が軸685により基部681に回転可能に軸支されると共に、基部681に配設された図示しないリミットスイッチの板ばねの弾性力により周方向他端側を上方(径方向内方側)へ持ち上げた姿勢に維持される。
片持ち板683の周方向他端側が上方へ持ち上げられた姿勢では、リミットスイッチはオフされており、投球装置650から回転部材640の分割部材DVへ球Bが投球されると、その球Bの重量により片持ち板683が軸685を回転中心として押し下げられ、リミットスイッチをオンさせる。これにより、投球装置650から投球された球Bが適正な位置(回転部材640の分割部材DV)に配置されたことを検出できる。
一方、回転部材640の回転に伴って球Bが搬送され、片持ち板683に作用する球Bの重量が所定の値以下とされると、片持ち板683が上述したように持ち上げられた姿勢に復帰され、リミットスイッチをオフさせる。
検出センサ684は、回転部材640の位相(回転位置)を検出するためのセンサ装置であり、発光部および受光部が対向配置された非接触式センサとして形成され、その検出領域(発光部および受光部の対向空間)を、第1区間S1(図54参照)における分割部材DVの被検出部641cの移動軌跡上に位置させつつ、周方向等間隔に配設される。なお、検出センサ684どうしの間隔は、第1区間S1における分割部材DV(被検出部641c)どうしの間隔(第1の間隔)と同一に設定される。
よって、周方向に隣接する複数(本実施形態では6個)の分割部材DVをそれぞれ検出センサ684に対応する位置に配置できると共に、回転部材640を所定量(即ち、第1の間隔に対応する回転量)だけ回転させるごとに、各検出センサ684に検出される分割部材DVを周方向にずらしていくことができる。
この場合、上述したように、複数の分割部材DVのうちの一部(本実施形態では15個)の分割部材DVには、被検出部641cが形成される一方、残りの分割部材DVでは、被検出部641cの形成が省略される。よって、被検出部641cが形成される分割部材DVが配置された検出センサ684は、発光部から照射された光の受光部による受光が被検出部641cに遮られ、検出信号がオフされる一方、被検出部641cが形成されていない分割部材DVが配置された検出センサ684は、発光部から照射された光の受光部による受光が可能となり、検出信号がオンされる(図76参照)。その結果、後述するように、各検出センサ684の検出結果の組み合わせに基づいて、回転部材640の位相(回転位置)を検出することができる。
なお、本実施形態では、分割部材DVの被検出部641cの有無に基づく2通り(オン・オフ)の検出結果が6個の検出センサ684でそれぞれ行われるので、64(=2の6乗)通りの組み合わせを形成することができる。この場合、分割部材DVの配設数は30個であるので、後述するように、これら複数の分割部材DVのうちのいずれの分割部材DVが基準位置に位置するかを、検出センサ684の検出結果に基づいて常に判別することができる。
次いで、図72から図77を参照して、回転ユニット600の動作について説明する。まず、回転部材640が回転される際の分割部材DVどうしの間隔が変更される動作について、図72及び図73を参照して説明する。
図72は、案内部材620及び回転部材640の正面図である。また、図73(a)は、第1区間S1における案内部材620及び回転部材640の部分拡大正面図であり、図73(b)は、第2区間S2における案内部材620及び回転部材640の部分拡大正面図である。
なお、図面を簡素化して、理解を容易とするために、図72及び図73では、分割部材DVの構成要素のうちの背面側本体642、連結リンク部材644及び起伏リンク部材648のみが図示されると共に、図73では、連結リンク作用溝621及び起伏リンク作用溝622にハッチングが付された状態が図示される。
図25及び図26に示すように、回転部材640は、軸心Oを回転中心として(即ち、案内部材620の周方向に沿って)回転可能に形成される部材であり、複数の分割部材DVを周方向に連結した無端状に形成される。即ち、各分割部材DVは、連結リンク部材644の基端側が背面側本体642に回転可能に軸支される一方、連結リンク部材644の先端側の挿通部644aが隣接する分割部材DVの背面側本体642における連結リンク用開口642aを介して連結リンク作用溝621に挿通される。
上述したように、分割部材DVの背面側本体642は、長手方向一側の摺動ローラ641b及び長手方向他側の屈曲部642が案内部材620の外周面および内周面に当接されるため、案内部材620の周方向に移動される際には、案内部材620に対する姿勢が、背面側本体642の長手方向の延長線上に軸心Oが位置する姿勢(即ち、軸心Oを中心として放射直線状となる姿勢)に維持される。即ち、その姿勢を維持した状態での移動のみが許容される。
この場合、連結リンク作用溝621の大径部621aは、小径部621bよりも連結リンク部材644の基端側(回転可能に軸支される側)に近い位置に形成されるため、かかる連結リンク作用溝621の大径部621aに連結リンク部材644の挿通部644aが挿通された状態では(図73(a)参照)、連結リンク部材644を背面側本体642の長手方向に対して傾倒した姿勢として、背面側本体642どうしを離間させることができる。即ち、第1区間S1における分割部材DV(背面側本体642)どうしの間隔を大きな間隔(第1の間隔)とできる。
一方、連結リンク作用溝621の小径部621bは、大径部621aよりも連結リンク部材644の基端側(回転可能に軸支される側)から遠い位置に形成されるため、かかる連結リンク作用溝621の小径部621bに連結リンク部材644の挿通部644aが挿通された状態では(図73(b)参照)、連結リンク部材644を背面側本体642の長手方向に沿わせた姿勢として、背面側本体642どうしを近接させることができる。即ち、第2区間S2における分割部材DV(背面側本体642)どうしの間隔を小さな間隔(第2の間隔)とできる。
ここで、回転部材640、上述したように、ルーレットを模して形成される演出装置であり、表示板646(板部646a)に数字やマークなどの識別情報が表示される。即ち、表示板646に表示させる識別情報を遊技者に視認させることで、演出が行われる。よって、遊技者の視認性を考慮すると、表示板646(識別情報の表示)は大型であることが好ましく、また、演出効果のバリエーションを確保するためには、表示板646の枚数(識別情報の種類)は多いことが好ましい。
この場合、遊技者の視認性を考慮すると、識別情報の表示(即ち、表示板646の板部646a)は一定以上の大きさが確保されていることが必要となるところ、その大きさを維持しつつ、識別情報の表示数(表示板646の枚数)を多くすると、回転部材640が大径化して、所定の配設スペースに収まらなくなる一方、所定のスペースに収まるように、回転部材640を小径化すると、識別情報の表示数(表示板646の枚数)が減少して、演出効果のバリエーションを確保できなくなる。
これに対し、本実施形態によれば、分割部材DVが第1の間隔で周方向に連結される第1区間S1と、その第1区間S1における第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で分割部材DVが周方向に連結される第2区間S2とを回転部材640に形成可能としつつ、上述したように、第1区間S1に位置する表示板646(板部646a)を遊技者に視認させる(第2区間S2に位置する表示板646は他の部材により遮蔽する)。
よって、複数の分割部材DVを全て第1の間隔で連結させる場合と比較して、回転部材640の周方向の長さを短くでき、その回転部材640の配設に必要なスペースを抑制することができると共に、識別情報の表示(即ち、表示板646)は一定以上の大きさを確保しつつ、その識別情報の表示数(表示板646の枚数)を多くすることができる。その結果、遊技者の視認性と演出効果のバリエーションとを確保できなくなる。
ここで、分割部材DVは、第1区間S1では、上述したように、表示板646の板部646aが水平姿勢(分割部材DVの移動平面に平行な姿勢)に配置されるので、かかる表示板646に表示される識別情報を遊技者から視認しやすくすることができる。
一方、分割部材DVは、第2区間S2では、上述したように、表示板646の板部646aが第1区間S1における水平姿勢よりも先端側を持ち上げた姿勢とされるので、隣接する分割部材DVとの干渉を抑制でき、その分、分割部材DVどうしを近づけることができる。即ち、第2区間S2における分割部材DVどうしの間隔(第2の間隔)を狭くすることができる。その結果、回転部材640の周方向の長さを短くして、その配設に必要なスペースを抑制できる。
特に、本実施形態によれば、表示板646は、正面側本体643の上面に変位(回転)可能に配設され、第2区間S2では、板部646aを、隣接する分割部材DV(板保持部材645)の上面よりも上方(即ち、干渉しない位置)へ持ち上げることができる(図54参照)。よって、分割部材DVを互いに背面側本体642及び正面側本体643どうしが当接する位置まで近づけることができる。即ち、第2区間S2における第2の間隔をより狭くすることができる。その結果、回転部材640の周方向の長さを短くして、回転部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
次いで、駆動機構630による回転部材640の駆動動作について、図74及び図75を参照して説明する。図74(a)から図74(d)は、一側回転駆動部材637が30度回転される毎の状態遷移図であり、正面視した一側回転駆動部材637が図示される。
なお、図74(b)、図74(c)及び図74(d)は、それぞれ図74(a)から30度、60度および90度回転された状態に対応する。また、図74(a)から図74(d)では、分割部材DVの被係合部641が断面視された状態で図示されると共に、その被係合部641の移動軌跡が二点鎖線を用いて図示される。
ここで、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638は、上述したように、互いに同一の形状に形成される。これらによる回転部材640の駆動動作において、同一の駆動動作は、一側回転駆動部材637による駆動動作のみを説明し、他側回転駆動部材638による駆動動作の説明は省略する。
図74(a)から図74(d)に示すように、一側回転駆動部材637は、その係合部637bの移動軌跡が、分割部材DVの被係合部641の移動軌跡と部分的に重なる位置に配設され、その重なる部分において、係合部637bを被係合部641に係合させた状態で、回転可能とされる。なお、係合部637bの移動軌跡の円形は、被係合部641の移動軌跡の円形よりも小径の内接円となる。
駆動モータ631(図53参照)の駆動力により一側回転駆動部材637が回転されると、その回転が、係合部637b及び被係合部641の係合を介して、分割部材DVへ伝達され、かかる分割部材DVが案内部材620の周方向に沿って移動され、その移動が、各連結リンク部材644を介して隣接する分割部材DVにそれぞれ伝達されていくことで、回転部材640が周方向に回転される。
この場合、上述したように、分割部材DVの被係合部641は、背面側本体642の長手方向一側に形成される(図57及び図58参照)。即ち、円環状に形成される回転部材640の外周側に被係合部641が配設される。よって、一側回転駆動部材637の単位回転量に対する回転部材640の回転量を小さくできる(回転部材640を単位回転量だけ回転させるのに必要となる一側回転駆動部材637の回転量を大きくできる)。従って、その分、見かけの減速比を小さくできる。言い換えると、回転部材640の軸心Oから遠い位置に駆動力を付与するので、その回転部材640に作用される回転トルクを大きくできる。その結果、回転部材640の回転駆動(特に、停止状態からの回転駆動)を安定化できると共に、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
ここで、駆動機構630は、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638を備え、それらが回転部材640の周方向に沿って異なる位置に配設されるので(図53参照)、駆動機構630から回転部材640へ付与される駆動力をその回転部材640の周方向の異なる位置に分散させることができ、複数の分割部材DVの一部に駆動力の付与が偏ることを抑制できる。即ち、回転部材640が、上述したように、複数の分割部材DVを周方向に無端状に連結して形成される場合であっても、かかる回転部材640の変位(回転)を安定化できる。
特に、本実施形態によれば、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638が回転部材640の周方向において位相を180度異ならせた位置に配設されるので(図53参照)、回転部材640(複数の分割部材DV)のうちの最も離間された2カ所へ各回転駆動部材637,638からの駆動力を付与することができ、その結果、回転部材640の変位(回転)を安定化できる。
この場合、分割部材DVの状態には、その分割部材DVに軸支される連結リンク部材644の挿通部644aが、案内部材620の連結リンク作用溝621における大径部621aに挿通された第1の状態、小径部621bに挿通された第2の状態、及び、接続部621cに挿通された第3の状態の3種類が存在するところ、本実施形態では、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638が、第3の状態にある分割部材DVに駆動力を付与可能(即ち、第3の状態にある分割部材DVの被係合部641に係合部637b,638bを係合可能)な位置に配設される。
これにより、隣接する分割部材DVとの間隔を第1の間隔から第2の間隔(又はその逆)へ遷移させる状態にある分割部材DVに駆動力を付与できる。かかる分割部材DVは、接続部621cから比較的大きな反力を受けるため、複数の分割部材DVが無端状に連結された回転部材640全体の回転(各分割部材DVの周方向への移動)を阻害する部分となりやすいところ、接続部621cから比較的大きな反力を受ける分割部材DVを一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638により直接駆動することで、複数の分割部材DVが無端状に連結された回転部材640全体を安定して変位(回転)させることができる。
なお、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638から分割部材DVへ駆動力が伝達される期間は、かかる分割部材DVが上述した第3の状態にある期間と完全に一致している必要はなく、前者の駆動力が伝達される期間と後者の第3の状態にある期間とが少なくとも一部で重複されていれば足りる。
本実施形態では、上述したように、連結リンク作用溝621の接続部621cと起伏リンク作用溝622の接続部622cとが異なる位相となる位置に形成される。即ち、分割部材DVが上述した第3の状態にある場合、その分割部材DVに配設される起伏リンク部材648の挿通部648aは、起伏リンク作用溝622の大径部622a又は小径部622bに挿通される。
よって、分割部材DVが案内部材620の周方向へ移動される際には、その分割部材DVに軸支される連結リンク部材644の挿通部644aが連結リンク作用溝621の接続部621cを通過した後、起伏リンク部材648の挿通部648aが起伏リンク作用溝622の接続部622cを通過する(又は、その逆となる)。
これにより、連結リンク作用溝621の接続部621cと起伏リンク作用溝622の接続部622cとの両者から同時期に反力を受けることがなく、その反力を受ける時期を異ならせることができる。その結果、必要な駆動力を分散させることができ、その分、駆動機構630の駆動モータ631に必要とされる出力を小さくできる。
ここで、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638は、その位相(係合部637b,638bの回転位置)を互いに異ならせて配設されるので、回転部材640の変位(回転)を安定化できる。ここで、かかる一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638の位相関係について、図75を参照して説明する。
図75は、分割部材DVに対する一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638の係合または解除の状態と位相との関係を示す状態関係図である。なお、図75では、上段の状態関係図が一側回転駆動部材637に、下段の状態関係図が他側回転駆動部材638に、それぞれ対応する。また、図75において、横軸が位相を、縦軸が係合または解除の状態を、それぞれ示す。
図75の上段に示すように、一側回転駆動部材637の3カ所に形成される係合部637bのうちの第1の係合部637bが分割部材DVの被係合部641との係合を開始した時点の位相を0°(基準位置)と規定すると、一側回転駆動部材637は、その位相が略100°に達するまで(即ち、基準位置から100°回転するまで)の間、第1の係合部637bが分割部材DVの被係合部641に係合され、分割部材DVへ駆動力が伝達される一方、位相が略100°から120°までの間は、係合が解除された状態とされ、分割部材DVへの駆動力の伝達が解除される。
その後は、一側回転駆動部材637の3カ所に形成される係合部637bのうちの第2の係合部637b及び第3の係合部637bが、第1の係合部637bの場合と同一の係合および解除の状態(即ち、回転角度略100°の間の係合および回転角度略20°の間の解除)をそれぞれ繰り返す。
図75の下段に示すように、他側回転駆動部材638についても、その3カ所に形成される係合部638bのそれぞれが、上述した一側回転駆動部材637の場合と同一の係合および解除の状態(即ち、回転角度略100°の間の係合および回転角度略20°の間の解除)を繰り返す。
この場合、本実施形態では、上述したように、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638が互いの位相(互いの係合部637b,638bの回転位置)を異ならせて配設される。即ち、他側回転駆動部材638は、その3カ所に形成される係合部638bのうちの第1の係合部638bが分割部材DVの被係合部641と係合を開始する位相が、一側回転駆動部材637の第1の係合部637bが係合を開始する位相(基準位置)から略40°遅れた位相に設定される。
これにより、一側回転駆動部材637又は他側回転駆動部材638の一方において、分割部材DVとの係合が解除されている(即ち、駆動力の伝達が解除されている)間は、一側回転駆動部材637又は他側回転駆動部材638の他方が、分割部材DVと係合するように、互いの係合部637b,638bの位相(回転位置)が設定される。これにより、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638の両者において、同時に、分割部材DVとの係合が解除された状態が形成されることを回避できる。その結果、駆動機構630から回転部材640への駆動力の伝達が断続的となることを抑制して、回転部材640の変位を安定化できる。
即ち、上述したように、複数の分割部材DVが無端状に連結されることで回転部材640が形成される構成では、駆動機構630から回転部材640への駆動力の伝達が断続的となると、その駆動力の伝達および解除に起因して、分割部材DVどうしの間隔が増減されやすくなる。そのため、回転部材640全体としての姿勢が不安定となり、その変位(回転)が不安定となる。
これに対し、本実施形態によれば、一側回転駆動部材637又は他側回転駆動部材638のいずれか一方が解除状態にあっても他方が係合した状態とされ、回転部材640へ駆動力が常に伝達されている状態を形成できるので、分割部材DVどうしの間隔を一定に保ちやすくできる。その結果、複数の分割部材DVが無端状に連結されて形成される回転部材640に対し、その姿勢を安定化でき、その変位(回転)を安定化できる。
次いで、回転部材640の回転位置の検出動作について、図76及び図77を参照して説明する。図76は、回転部材640の単位回転量毎の状態遷移図であり、検出センサ684及び分割部材DVの配置が一直線上に展開された状態が図示される。
なお、図76では、説明の便宜上、検出センサ684には「A〜F」の符号が、分割部材DVには「1〜10、30」の符号が、それぞれ図示されると共に、検出センサ684の検出状態が「オン、オフ」の符号により図示される。また、図76では、理解の容易のために、被検出部641cにハッチングが付される。
ここで、図76の説明においては、図中に付された符号「A〜F」「1〜10、30」を用いて、各検出センサ684を、検出センサA、検出センサB、・・・、検出センサFと称すると共に、各分割部材DVを、第1の分割部材DV、第2の分割部材DV、・・・、第30の分割部材DVと称し、それぞれを区別する。
図76(a)に示すように、回転部材640が回転され、第1の分割部材DVが検出センサAによって検出可能な位相(回転位置)に達すると、第2の分割部材DVから第6の分割部材DVが検出センサB〜Fによりそれぞれ検出可能な位相に配置される。
よって、検出センサA,C〜Fでは、発光部から照射された光の受光部による受光が、第1の分割部材DV及び第3〜第6の分割部材DVの被検出部641cにより遮られることで、検出状態がオフとされる一方、検出センサBでは、発光部から照射された光の受光部による受光が可能となり、検出状態がオンとされる。
図76(b)に示すように、図76(a)に示す状態から回転部材640が単位回転量だけ回転されると、分割部材DVが周方向(図76(a)及び図76(b)の左方向)へ移動されることで、各検出センサA〜Fの検出対象となる分割部材DVが変更される(1個ずれる)。よって、検出センサB〜Eでは、第3〜第7の分割部材DV(被検出部641c)の遮光により、検出状態がオフとされる一方、検出センサA,Fでは、検出状態がオンとされる。
図76(c)に示すように、図76(b)に示す状態から回転部材640が単位回転量だけ回転されると、各検出センサA〜Fの検出対象となる分割部材DVが変更され(1個ずれる)、検出センサA〜D,Fでは、第3〜第6の分割部材DV及び第8の分割部材DV(被検出部641c)の遮光により、検出状態がオフとされる一方、検出センサEでは、検出状態がオンとされる。
その後も、回転部材640が単位回転量だけ回転される毎に、各検出センサA〜Fの検出対象となる分割部材DVが変更され(1個ずれる)、これを分割部材DVの数(本実施形態では30個)だけ繰り返す(即ち、回転部材640が1回転される)と、図76(a)に示す状態へ復帰される。
この場合、回転部材640には、上述したように、被検出部641cが形成されるものと被検出部641cの形成が省略されるものとの2種類が存在する。これら2種類の分割部材DVが周方向に連結されることで、被検出部641cが周方向に不等間隔となる所定の配列される。所定の配列とは、周方向に連結された30個の分割部材DVのうちからいずれの隣接する6個の分割部材DVを取り出しても、被検出部641cの有無の組み合わせ(即ち、検出センサA〜Fの検出状態)がいずれも異なる組み合わせとなる配列を意味する。
よって、かかる組み合わせのテーブル(検出センサA〜Fの検出状態とその検出時の検出対象となる分割部材DVとを対応付けた表)を予め作成し、ROMに記憶させておくことで、検出センサA〜Fが検出を行う度に、テーブルを参照することで、回転部材640の位相(回転位置)を把握することができる。即ち、複数(本実施形態では30個)の分割部材DVのうちのいずれの分割部材DVが基準位置に位置するかを判別することができる。
ここで、回転部材640に周方向に連続するスリットを設けると共に、そのスリットを検出センサ684で検出し、パルス状の信号のパルス数を累積加算することで、その累積加算したパルス数に基づいて、基準位置からの回転部材640の回転量(位相)を検出することもできる。しかしながら、この場合には、検出センサ684の受光部の受光不良などによる検出不良が発生すると、回転部材640の回転量とパルス数の累積加算数とにずれが生じ、回転部材640の位相を正確に検出することができなくなる。即ち、一度でも検出不良が発生すると、その後の検出結果に影響を与えると共に、検出不良が発生する度に、検出結果への影響が累積される。
これに対し、本実施形態によれば、回転部材640の周方向に沿って不等間隔(所定の配列)で配設される複数の被検出部641cと、それら複数の被検出部641cの移動軌跡上に配設される複数の検出センサ684(検出センサA〜F)とを備えるので、検出センサA〜Fの検出結果の組み合わせに基づいて、回転部材640の位相(回転位置)を検出することができる。即ち、検出センサA〜Fが検出している現在の検出結果のみに基づいて、回転部材640の位相を検出することができ、かかる回転部材640の位相の検出に、検出センサA〜Fの過去の検出結果を必要としないので、過去に検出不良が発生したとしても、その検出不良の影響を受けることがなく、よって、回転部材640の位相を正確に検出することができる。
検出センサA〜Fの間隔は、上述したように、第1区間S1(図54参照)における分割部材DV(被検出部641c)どうしの間隔(第1の間隔)と同一に設定される。
よって、分割部材DVどうしの間隔に相当する回転角度だけ回転部材640が回転される毎に、検出センサA〜Fの検出結果の組み合わせを異ならせることができる。即ち、第1区間S1における分割部材DVどうしの間隔に相当する回転角度を最少単位として、回転部材640の位相(回転位置)を検出することができる。その結果、周方向に連結される複数の分割部材DVのうちのいずれの分割部材DV(即ち、ルーレットを模した回転部材640のいずれのポケット)に対しても球Bを投球装置650から投球することができる。
また、このように、検出センサA〜Fの配設間隔が、第1区間S1における分割部材DVの間隔を基準として設定される(即ち、検出センサA〜Fが第1区間S1における分割部材DVの被検出部641cを検出可能な位置に配置される)ことで、第2区間S2における分割部材DVの間隔を基準とする場合と比較して、検出センサA〜Fの配設に必要なスペースを確保しやすくでき、設計の自由度を高めることができる。
言い換えると、第2区間S2における分割部材DVの被検出部641cを検出可能な位置に検出センサA〜Fを配設する場合には、これら検出センサA〜Fを配設するためのスペースを確保する必要があることから、分割部材DVどうしの間隔(第2の間隔)を狭くすることに制限が発生する。これに対し、検出センサA〜Fが第1区間S1側に配設されることで、第2区間S2における分割部材DVの間隔(第2の間隔)の設定に制限が発生せず、かかる第2の間隔をより狭い間隔とすることができる。その結果、回転部材640の配設に必要なスペースを抑制できる。
なお、上述したように、本実施形態では、分割部材DVの被検出部641cの有無に基づく2通り(オン・オフ)の検出結果が6個の検出センサ684でそれぞれ行われるので、64(=2の6乗)通りの組み合わせを形成することができる。
この場合、分割部材DVの配設数は30個であるので、5個の検出センサ684があれば足りる(即ち、32(=2の5乗)の組み合わせが形成できる)。しかしながら、この場合には、5個の検出センサ684の全ての検出結果がオフとなる(被検出部641cにより遮光されない)状態が発生するため、その状態に対応する所定の位相(回転位置)において、検出センサ684の検出結果を取得するタイミングが得られない。
これに対し、本実施形態のように6個の検出センサ684を用いることで、6個の検出センサ684の全て検出センサ684においてその検出結果がオフ(被検出部641cによる遮光がなされていない状態)となることを回避できる。即ち、6個の検出センサ684のうちの少なくとも1個の検出センサ684においては、その検出結果をオンとなる(被検出部641による遮光がなされている)状態とできるので、全ての位相(回転位置)において、検出センサ684の検出結果を取得するタイミングを得ることができる。
図77は、回転部材640の第1区間S1における部分を拡大した部分拡大側面図である。図77に示すように、第1区間S1では、分割部材DVの表示板646は、その板部646aが水平姿勢に配置とされると共に、その板部646aの軸部646b(図57及び図58参照)と反対側の側面(図77左側)が、隣接する分割部材DVの板保持部材645の側面に対面される。
なお、本実施形態では、表示板646は、その板部646aの軸部646bと反対側の側面が円弧状に湾曲して形成される(図77中の拡大部分を参照)。よって、表示板646は、その板部646aが軸部646bを中心として回転され水平姿勢に配置される際に、板部646aの軸部646bと反対側が、隣接する分割部材DVの板保持部材645の側面に干渉することを抑制でき、その結果、板部646aの軸部646bと反対側(円弧状の側面)と板保持部材645の側面との間隔をより狭くすることができる。
これにより、第1区間S1では、分割部材DVと隣接する分割部材DVとがそれらの間の間隔(第1の間隔)を狭くする方向へ相対変位しようとすると、表示板646の板部646aの側面が板保持部材645の側面に当接されることで、かかる相対変位を規制することができる。よって、これら分割部材DVの被検出部641cがそれらの間隔を狭くする方向へ位置ずれすることを抑制でき、その結果、検出センサ684による検出精度の向上を図ることができる。
一方、第1区間S1では、連結リンク部材644の挿通部644aが、隣接する分割部材DVの背面側本体642における連結リンク用開口642aの終端(延設方向一側の端部、図73(a)下側)に位置されているので(図73(a)参照)、分割部材DVと隣接する分割部材DVとがそれらの間隔(第1の間隔)を広くする方向へ相対変位しようとすると、連結リンク部材644の挿通部644aが連結リンク用開口642aの終端に当接されることで、かかる相変位を規制することができる。よって、これら分割部材DVの被検出部641cがそれらの間隔を広くする方向へ位置ずれすることを抑制でき、その結果、検出センサ684による検出精度の向上を図ることができる。
次いで、図78から図83を参照して、第2実施形態について説明する。上述した各実施形態では、第1通路形成部材520の先端が常時開放される場合を説明したが、第2実施形態における左揺動ユニット2500は、第1通路形成部材2520の先端に配設され、通路を開閉する先端壁部材2560を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図78は、第2実施形態における左揺動ユニット2500の分解正面斜視図である。なお、図78では、第1通路形成部材2520が解除位置に配置された状態が図示される。
図78に図示されるように、左揺動ユニット2500は、第1壁部513の正面視右側後方へ球を排出するベース部材2510と、振分ベース部材2521の延設方向と長孔2521dの延設方向とが略一直線に構成される第1通路形成部材2520と、第1通路形成部材2520の先端を開閉する先端壁部材2560と、を主に備えて構成される。
ベース部材2510は、案内壁部513aの右側方から後方へ延びる側方流下通路2515を備える。なお、導入円筒部552の外形が第1実施形態における導入円筒部552の外形と異なるが、その技術的思想は同一なので、本実施形態では説明を省略する。
側方流下通路2515は、第1通路形成部材2520が解除位置に配置される状態において、第1壁部513に到達した球を排出する通路である。
第1通路形成部材2520は、振分ベース部材2521と通路カバー部材2522とを備える。振分ベース部材2521は、球の流下通路の一辺を構成する長尺板形状の垂下板部2521aと、その垂下板部2521aの延設方向に沿って延設される長孔2521dと、隙間V1の正面視右方において振分凸部521eと対向配置される第2振分凸部2521gと、その第2振分凸部2521gの正面視右方において垂下板部の正面側へ向けて背面側側面から凹設される排出凹部2521hと、を備える。
垂下板部2521aは、その下端部において、下側壁面の通路カバー部材2522と面する側(図78左側)の部分が削られ凹設される凹設部2521a2と、下端部において、通路カバー部材2522とは反対側に通路カバー部材と対向する方向に円形に穿設される軸支孔2521a3と、を備える。
凹設部2521a2は、通路カバー部材2522の凹設部2522b1と共同で第1通路形成部材2520の下側面に開口部を構成する凹設部である。凹設部2521aにより構成される開口部を先端壁部材2560が回転動作により通過する。
軸支孔2521a3は、先端壁部材2560の本体部2561aが棒上のピン部材で軸支される孔であり、通路カバー部材2522の軸支孔2522a2と対応する位置(同軸の位置)に配置される。
第2振分凸部2521gは、振分凸部521eと略同形状で構成される部分であって、第1壁部513へ到達した球を左右に振り分ける部分である。排出凹部2521hが、第1壁部513との間に球の直径以上の空間を設けで配設されており、第1壁部513へ到達して第2振分凸部2521gの正面視右側へ振り分けられた球は排出凹部2521hから側方流下通路2515へ導入後、遊技領域外に排出される。
通路カバー部材2522は、振分ベース部材2521の正面側に覆設される板状の板状部2522aと、その板状部2522aの短手方向両端部から背面側に向けて板状に延設される上下壁部2522bと、を主に備える。
板状部2522aは、第1実施形態で上記した球受け部522a1と、下側先端部に振分ベース部材2521の軸支孔2521a3と同軸で円形に穿設される軸支孔2522a2と、を備える。軸支孔2521a3,2522a2は、先端壁部材2560を回転可能に軸支する孔である。
上下壁部2522bは、凹設部2521a2と対向する位置において凹設され、凹設部2521a2と共同で球が通過可能な開口を構成する凹設部2522b1を備える。
先端壁部材2560は、第1通路形成部材2520の先端部において、振分ベース部材2521及び通路カバー部材2522の間に配設されると共に軸支孔2521a3,2522a2と同軸で棒状のピン部材に回転可能に軸支される正面視略Z字形状の本体部材2561と、その本体部材2561を正面視時計回りに付勢するねじりバネ2562と、を主に備える。
ねじりバネ2562は、一方の腕が通路カバー部材2522の先端に固着され、他方の腕が、先端壁部材2560から背面側に凸設される係止ピン2561eに当接する態様で構成される。
図79を参照して、先端壁部材2560の本体部材2561について説明する。図79(a)及び図79(d)は、先端壁部材2560の本体部材2561の正面図であり、図79(b)は、先端壁部材2560の本体部材2561の上面図であり、図79(c)は、図79(b)のLXXIXc−LXXIXc線における先端壁部材2560の本体部材2561の断面図である。なお、図79(a)及び図79(d)では、第1通路形成部材2520の先端部分の形状が想像線で図示され、図79(a)では、第1通路形成部材2520が解除位置(図80参照)に配置された状態が図示され、図79(d)では、第1通路形成部材2520が連結位置(図81参照)に配置された状態が図示される。
図79に示すように、先端壁部材2560の本体部材2561は、軸支孔2521a3,2522a2(図78参照)と同軸で軸支される筒状の本体部2561aと、その本体部2561aから径方向に直線状に形成される板状の板部2561bと、その板部2561bの厚み方向に球の直径以上の径で穿設される流下孔2561cと、板部2561bの本体部2561aとは反対側の端部から本体部2561aを中心とした円弧に沿って延設される湾曲壁部2561dと、その湾曲壁部2561dの先端部において本体部2561aの軸方向と平行に凸設される係止ピン2561eと、本体部2561aを境に湾曲壁部2561dの反対側に配設される部分であって第1通路形成部材2520の先端部の開口よりも小さな形状で構成される押し込み部2561fと、を主に備える。
板部2561bは、本体部2561aの径方向の長さ(延設方向の長さ)が第1通路形成部材2520の先端の開口の短手方向(図80縦方向)の寸法よりも長く形成される。これにより、ねじりバネ2562(図78参照)の付勢方向の先端壁部材2560の回転停止位置を、板部2561bと上下壁部2522bの上側壁部とが当接する位置とすることができる(図79(d)参照)。
湾曲壁部2561dは、解除状態(図79(d)参照)では、第1通路形成部材2520を流下してきた球と対向配置される当接壁2561d1に球を衝突させることで、その流下を停止させる一方、連結状態では、第1通路形成部材2520の下方に移動することで球の通過を許容すると共に、流下孔2561cを通過した球を当接壁2561d1の裏側に配設される転動壁2561d2の上に転動させることで、その後の流下をスムーズにさせるという役割を備える。
次いで、図80から図82を参照して、左揺動ユニット2500の動作について説明する。図80から図82は、左揺動ユニット2500の正面図である。なお、図80から図82では、カバー部材550の図示が省略されると共に、図80では、第1通路形成部材2520が解除位置に配置された状態が図示され、図81では、図80から第1通路形成部材2520が正面視時計回りに所定量回転された状態が図示され、図82では、第1通路形成部材2520が連結位置に配置された状態が図示される。また、図80から図82では、第1通路形成部材2520が、垂下板部2521aの前後方向中間位置における外形線で図示されると共に、第2振分凸部2521gが図示される。
図80に示すように、第1通路形成部材2520が解除位置とされる場合、遊技領域から流下され、第1壁部513に到達した球は、第2振分凸部2521gの正面視右方に振り分けられ、排出凹部2521hと第1壁部513との間に滞留し、第1通路形成部材2520が正面視時計回りに回転され排出凹部2521hが側方流下通路2515の正面側に配置されることにより、球が側方流下通路2515を流下可能となり、球が遊技領域外に排出される。これにより、第1通路形成部材2520が解除位置に配置された状態において、球が通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の間に供給されることを防止することができる。
また、図80に示す状態において、排出凹部2521hに導入された球は、第1通路形成部材2520が回転するまでは排出凹部2521hに滞留するので、次に来る球が排出凹部2521hに入ることを防止でき、次に来る球を第2振分凸部2521gの先端の回転軌跡の外側(図80上側)に留めることができる。
第2振分凸部2521gの先端の回転軌跡の外側(図80上側)に留められた球は、第1通路形成部材2520が正面視時計回りに回転し、第2振分凸部2521gが案内壁部513aの右側の壁部に沿う位置に配置されることにより、第2振分凸部2521gの左側に導入され、通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の間に供給される。これにより、図80に示す状態において第1壁部513に複数の球が到達しても、排出凹部2521hに導入される球を一つに留めることができる。
図80に示すように、第1通路形成部材2520が解除位置に配置される状態では、基端部(図80左側端部)から先端部(図80右側端部)に向かうにつれて第1通路形成部材2520が上昇傾斜する態様で構成される。そのため、通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の間に供給された球が残留した状態で第1通路形成部材2520が回転され、図80に示す状態に至ったとしても、球は重力の作用で基端部へ向けて流れるので、球が先端部から落下することを防止することができる。
図81に示すように、第1通路形成部材2520が解除位置および連結位置の間の状態とされる場合、遊技領域から流下され、第1壁部513に到達した球は、第2振分凸部2521gの先端に乗り、流下を停止される。これにより、第1通路形成部材2520が解除位置および連結位置の間の状態に配置された場合において、球が通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の間に供給されることを防止することができる。
また、図81に示す状態では、第1通路形成部材2520の先端部へ向かうにつれて下降傾斜される。そのため、先端部の開口が常時開放されていると、球が通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の間に残留した状態で図81に図示される状態にされると、球が第1通路形成部材2520の先端部から落下する恐れが有り、その球が他のユニット(回転ユニット600等(図5参照))に噛み込まれ、動作不良を起こす恐れがある。
これに対し、本実施形態では、図81に示す状態において、第1通路形成部材2520の先端部の開口に先端壁部材2560が配置され、湾曲壁部2561dが開口の蓋として機能するので、球が第1通路形成部材2520の先端から落下することを確実に防止することができる。
図82に示すように、第1通路形成部材2520が連結位置に配置される場合、遊技領域から流下され、第1壁部513に到達した球は、第2振分凸部2521gの正面視左方に振り分けられ、隙間V1(図78参照)を通り正面側へ移動され、通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の間に供給され、第1通路形成部材2520の延設方向に沿って流下する。
連結位置では、先端壁部材2560の押し込み部2561fと駆動側スライド部材420の収容凹部422fの壁面とが当接し(押し込み部2561fの変位軌跡上に収容凹部422fの壁面が配設される)、先端壁部材2560の湾曲壁部2561dが第1通路形成部材2520の外側に張り出される方向(図82反時計回り)に回転される。即ち、先端壁部材2560の回転は、第1通路形成部材2520の位置の変化により生じるので、先端壁部材2560の駆動力を第1通路形成部材2520の駆動力と兼用できる。これにより、製品コストの削減を図ることができる。
このとき、連結位置において、板部2561bが上下壁部2522bに対して面位置となる姿勢まで先端壁部材2560が回転されることにより、第1通路形成部材2520の先端部まで到達した球をスムーズに(上下壁部2522bと板部2561bとの間に段差が生じる場合のように跳ねること無く)流下孔2561cに送球することができる。
流下孔2561cを通過した球は湾曲壁部2561dの転動壁2561d2を転動することにより、駆動側スライド部材420のセンサ部材422cへ案内される。即ち、湾曲壁部2561dは、第1通路形成部材2520の先端部まで到達した球を停止させる役割と、流下孔2561cを通過して第1通路形成部材2520から送球された球を案内する役割と、に兼用される。
なお、連結位置(図82参照)において、板部2561bが通路カバー部材2522の上下壁部2522b(図78参照)の下側の壁部と面位置とされるので、連結位置に到達する手前では、板部2561bが上下壁部2522bの下側の壁部よりも内側(図82上側)に入り込んだ状態とされる。即ち、連結位置に到達して初めて球が流下孔2561cを通過可能となる(連結位置に到達するまでは球が湾曲壁部2561dに停止される状態が確保される)。
これにより、球が第1通路形成部材2520の内側に残留した状態において、第1通路形成部材2520が連結位置から解除位置へ向けて回転動作しかけても、球が第1通路形成部材2520の先端から落下することを確実に防止することができる。これは、球が複数個連なって送球される場合にも維持される。
図83を参照して、第1通路形成部材2520に球が複数個連なって送球された場合について説明する。図83(a)から図83(c)は、左揺動ユニット2500及び液晶昇降ユニット400の部分正面図である。なお、図83(a)から図83(c)では、第1通路形成部材2520及び第2通路形成部材422の球の通路が部分的に断面視され、図83(a)では、第1通路形成部材2520が連結位置に配置された状態が図示され、図83(b)では、図83(a)に示す状態から第1通路形成部材2520が図83(b)反時計回りに所定量回転された状態が図示され、図83(c)では、図83(b)に示す状態から第1通路形成部材2520が図83(b)反時計回りに所定量回転され先端壁部材2560が回転仕切った状態が図示される。
また、図83(a)から図83(c)では、第1通路形成部材2520の先端に連なって流下する球が例示として図示される。
図83(a)に示すように、押し込み部2561fは、連結状態において収容凹部422fと当接され、その当接される位置を起点として図83(a)下側に凹設部2561f1を備える。その凹設部2561f1は、軸支部516(図37参照)を中心とする円弧C21よりも軸支部516側に凹設される。そのため、図83(a)から第1通路形成部材2520が回転することに伴い先端壁部材2560がねじりバネ2562の付勢力により回転し始める。図83(a)において、湾曲壁部2561dを挟んで右側に配置される球を送り球P21とし、左側に配置される球を残留球P22とする。
図83(b)に示すように、第1通路形成部材2520が回転しかけると、先端壁部材2560が回転することにより、湾曲壁部2561dが上下壁部2522bの内側に入り込む。これにより残留球P22は当接壁2561d1に当接され、残留球P22の流下が停止する。
一方で、送り球P21は、湾曲壁部2561dの右側に配置されるので、当接壁2561d1により流下を停止されることはなく、流下孔2561cを通過して第1通路形成部材2520の外側へ送球可能とされる。
この場合に、湾曲壁部2561dの上端部に送り球P21が持ち上げられる場合があるが(図83(b)参照)湾曲壁部2561dの移動方向に上下壁部2522bの上側の壁部が対向配置されるので、送り球P21がその壁部で押し込まれることで、送り球P21が流下孔2561cを通過することを確実にすることができる。これにより、流下孔2561cの開口の直径を球の直径と同等程度に抑制することができ、流下孔2561cを流下する球の流下経路を安定させることができる。
図83(c)に示すように、図83(b)に示す状態から、第1通路形成部材2520が図83(c)反時計回りに回転され、湾曲壁部2561dが駆動側スライド部材420の湾曲壁部422f1の上方に移動された場合に送り球P21が湾曲壁部2561d側に残留していたとしても、転動壁2561d2が送り球P21の転動させる部分として機能し、その転動壁2561d2の下側端部と湾曲壁部422f1の上側端部との間の距離が球の直径以下である内に送り球P21を流下させる(送り球P21が流下仕切るまでの期間、第1通路形成部材2520を図83(c)の位置で停止させる又は図83(c)付近で速度を緩める)ことで、球が第1通路形成部材2520から第2通路形成部材422に流下することを確実とすることができる。
次いで、図84から図88を参照して、第3実施形態について説明する。上述した各実施形態では、従動側スライド部材430の左右方向中心位置に第3図柄表示装置81が配設される場合を説明したが、第3実施形態における液晶昇降ユニット3400は、第3図柄表示装置81が従動側スライド部材3430の左右方向左寄りに配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図84から図88は、駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材3430の昇降動作を時系列に沿って図示する第3実施形態における液晶昇降ユニット3400の正面図である。なお、図84から図88では、カバー部材470の部材の内で左右の部材の図示が省略されると共に、下降規制部材415及び上昇規制部材417の付近が部分的に拡大視される。
また、図84では、伝達装置450のラック452が従動側スライド部材3430に当接した直後が図示され、図85では、図84に図示される状態からラック452が上昇動作され駆動側スライド部材420及び従動側スライド部材3430が上昇位置に配置された状態が図示され、図86では、図85の状態から駆動側スライド部材420のみが下降動作され下降位置に配置された状態が図示され、図87では、図86に示す状態から従動側スライド部材3430が落下され鉤状部434の下側側面である離間作用面434bと上昇規制部材417の離間傾斜部417fとが当接されると共に上昇規制部材417が所定量回転された状態が図示され、図88では、図87に図示される状態から従動側スライド部材3430が更に落下され従動側スライド部材3430が下降位置に配置された状態が図示される。
図84から図88に図示されるように、液晶昇降ユニット3400は、ベース部材410と、駆動側スライド部材420と、従動側スライド部材3430と、駆動装置440と、伝達装置450と、下側前板部剤460と、カバー部材470と、そのカバー部材470の正面側に配設され、従動側スライド部材3430の落下を防止する態様で動作するソレノイド3480と、を主に備える。
ベース部材410は、下降規制部材415及び上昇規制部材417が、正面視左側の部分にのみ配設され、正面視右側の部分の配設は省略される。
従動側スライド部材3430は、第3図柄表示装置81を左右中心位置から正面視左方に偏心した位置に有し左右方向に長尺に構成される本体部材3431と、その本体部材3431の左右方向両端に配置される機能部432と、その機能部432に鉛直方向に穿設される孔であって案内棒451が挿通される案内孔433と、機能部432の下端部において左右外側方向に上昇傾斜して延設される鉤状部434と、機能部432の上端部の案内孔433の内側(他方の案内孔433に近接する側)において背面側に延設される落下防止部435と、を主に備える。
本体部材3431は、その上端部において正面視左方に凸設される係止凸部3431aを備える。係止凸部3431aは、カバー部材470の正面側に配設されるソレノイド3480に係止され落下を防止される部分である。係止凸部3431aは、その上面が凸設方向先端へ向かうにつれて下降傾斜される。
ソレノイド3480は、正面視右方に出没可能な棒部材3481を備え、その棒部材3481の下面が、張り出し方向先端へ向かうにつれて上昇傾斜される。なお、ソレノイド3480は、通電時に没入状態とされ、非通電時に張出状態とされ、その張出状態において、棒部材3481の先端が係止凸部3431aの先端よりも左右中央側へ張り出す態様で構成される。
図84に示すように、第3図柄表示装置81が正面視左側に寄って配置される。これにより、第3図柄表示装置81の大きさは確保しながら、第3図柄表示装置81の左右に分かれていた領域を一箇所(図84において第3図柄表示装置81の右方)に集め、大きな領域として構成することで、その空いた領域に配設可能な可動部材の大きさの自由度を向上させることができる。
第3図柄表示装置81が正面視左側に寄って配置されるので、従動側スライド部材420からラック452に与えられる負荷が左右非対称となる(左側の方が大きくなる)。左右のラック452は駆動側スライド部材420により連結されているので、ラック452への負荷の非対称さが、駆動側スライド部材420及びラック452の姿勢を正面視反時計回りに傾斜させようとする。
また、図84に示すように、第2通路形成部材422の正面視左側下端部に配線収納部材423が配設される。このとき、配線収納部材423の重心位置G31が、駆動側スライド部材420の中心位置から左寄りに配置されるので、配線収納部材423及びその配線収納部材423に収容される配線の重みにより、駆動側スライド部材420が負荷を受け、正面視反時計回りに傾斜する恐れがある。
このように、駆動側スライド部材420及びラック452が正面視反時計回りに傾斜し易くされるので、駆動側スライド部材420及びラック452の昇降動作中のがたつきを、駆動側スライド部材420及びラック452が水平姿勢(図87参照)を保つ状態と、駆動側スライド部材420及びラック452が正面視反時計回りに傾斜した状態との間でのがたつきに限定することができる(駆動側スライド部材420及びラック452が水平姿勢から正面視時計回りに傾斜することを抑制することができる。
よって、正面視左側に配設された下降規制部材415及び上昇規制部材417が駆動側スライド部材420及びラック452の傾斜を有効に抑制しながら、駆動側スライド部材420及びラック452の昇降動作を案内する。一方で、正面視右側に駆動側スライド部材420及びラック452が傾斜されないことから、正面視右側の機能部432の外側に下降規制部材415及び上昇規制部材417の配設することが不要となり、製品コスト(材料費用や組立工数)を削減することができる。
図85に示すように、駆動側スライド部材420が上昇位置に配置されると、図84に示す状態に比較して配線収納部材423が立ち上がり、その重心位置G31が図84に示す状態に比較して正面視左方に移動される。
そのため、駆動側スライド部材420及びラック452を正面視反時計回りに傾斜させる方向の負荷が大きくなり、ラック452及び駆動ギア442の間の歯合関係が悪化する恐れがある。
これに対し、駆動側スライド部材420が上昇位置に配置された状態において、凸設板453aが下降規制部材415に当接され支えられる。これにより、駆動側スライド部材420及びラック452の姿勢が正面視反時計回りに傾斜することを抑制することができる。
図85に示すように、従動側スライド部材3430が上昇位置に配置されると、係止凸部3431がソレノイド3480の棒部材3481を乗り越え、係止凸部3431が棒部材3481に載置される。
このとき、係止凸部3431の上面の傾斜に沿って棒部材3481が左右方向に押されることで、係止凸部3431が棒部材3481を乗り越えられる。これにより、ソレノイド3480に電気を通さないままで、係止凸部3431をソレノイド3480の棒部材3481に載置することができる。
図86に示すように、従動側スライド部材3430が上昇位置に配置された状態で駆動側スライド部材420が下降しても、ソレノイド3480の棒部材3481が従動側スライド部材3430の係止凸部3431aを支えることにより、従動側スライド部材3430が駆動側スライド部材420に連動して下降動作することが防止され、従動側スライド部材3430が上昇位置に維持される。
このとき、従動側スライド部材3430は、第3図柄表示装置81が中心位置から正面視左側に寄った位置に配置され、重心位置が左側に寄っているので、ソレノイド3480が左側にしか無い状態においても、従動側スライド部材3430が落下することを抑制することができる。
即ち、従動側スライド部材3430の重心位置が左右方向中央にある場合、振動等により、従動側スライド部材3430は正面視時計回りにも反時計回りにもぐらつく恐れがある。ソレノイド3480が左側にしか無い状態において、従動側スライド部材3430が正面視時計回りに傾斜すると、係止凸部3431aが棒部材3481からずれ落ちる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、従動側スライド部材3430の重心位置が正面視左側に寄っているため、振動等により従動側スライド部材3430が水平姿勢(図87参照)から正面視時計回りに傾斜することが抑制される。
よって、係止凸部3431aがソレノイド3480の棒部材3481に近接する方向に傾斜し易く、係止凸部3431a及び棒部材3481の当接が維持されるので、係止凸部3431aが棒部材3481からずれ落ちることが抑制される。
従って、従動側スライド部材3430の左右方向両側にソレノイド3480を配設すること無く、従動側スライド部材3430を上昇位置に安定して維持することができるので、ソレノイド3480の配設個数を低減しながら、従動側スライド部材3430の動作を良好とすることができる。
図87に示すように、ソレノイド3480が通電され、棒部材3481が没入状態とされると、従動側スライド部材3430が落下する。従動側スライド部材3430が落下する過程において、鉤状部434と下降規制部材415との位置が前後方向でずれていることから、鉤状部434が下降規制部材415に引っ掛かり動作不良を起こすことを抑制することができる。
図87に示すように、鉤状部434が上昇規制部材417の離間傾斜部417fと当接した状態で落下することにより、上昇規制部材417を外巻き(図87反時計回り)に回転させる(解除状態)。
図88に示すように、従動側スライド部材3430が下降位置に配置されると、上昇規制部材417が内巻き(図88時計回り)に回転され、上昇規制部材417の係合爪部417eと、鉤状部434とが上下方向で対向配置される(係合状態)。
図87及び図88に示すように、上昇規制部材417が従動側スライド部材3430の鉤状部434に対して回転されることで解除状態から係合状態へ状態が変化するので、姿勢の変化無しで係合させる場合(部材の弾性で解除状態と係合状態とを変化させる場合等)に比較して、解除状態と係合状態とを変化させるために必要な荷重や姿勢変化量を大きくすることができる。これにより、従動側スライド部材3430の鉤状部434と上昇規制部材417とが係合する係合状態を維持し易くすることができる。
また、図87及び図88に示すように、従動側スライド部材3430の落下により上昇規制部材417が回転動作される。即ち、上昇規制部材417の係合状態を形成するために駆動装置を別途設ける必要が無い。よって、部品点数を削減して、製品コストを低減することができる。
次いで、図89を参照して、第4実施形態について説明する。上述した各実施形態では、下傾斜位置において接続部材424の上側壁部424bの下端部から対向壁部422f2が張り出される場合を説明したが、第4実施形態における駆動側スライド部材4420は、湾曲壁部422f1に対向配置される対向壁部4422f2が、上下方向に延設される平面上の壁部として構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図89(a)は、第4実施形態における駆動側スライド部材4420の部分正面図であり、図89(b)は、図89(a)の矢印LXXXIXb方向視における駆動側スライド部材4420の側面図であり、図89(c)は、駆動側スライド部材4420の部分正面図である。なお、図89(a)及び図89(c)では、接続部材4424の前後方向(図89(a)紙面垂直方向)中心位置において、駆動側スライド部材4420が断面視される。また、図89(a)及び図89(b)では、接続部材4424の下傾斜状態が図示され、図89(c)では、接続部材4424の上傾斜状態が図示される。
接続部材4424は、上側壁部424bの下端部から正面視右方へ延設される延設爪部4424fを備える。
延設爪部4424fは、上傾斜状態において湾曲壁部422f1と対向配置され、湾曲壁部422f1から遠ざかる方向へ凹んで湾曲されると共に、図89(b)に示すように、前後方向(図89(b)左右方向)中間部分に一対の凹設部を備える。
第2通路形成部材4422は、湾曲壁部422f1に対向配置される対向壁部4422f2を備える。対向壁部4422f2は、センサ部材422cの開口に沿って鉛直方向に延設される板部分であり、延設爪部4424fと干渉しない態様で凹設部が配置されると共に図89(a)の状態において延設爪部4424fと重なる位置まで延設される。
本実施形態によれば、図89(a)に示す下傾斜状態において、球の経路に球が衝突することで破損する部分(突起部分等)が配設されていないので、第1通路形成部材520から接続部材4424に球が送球された場合に球と衝突することにより部材が破損することを抑制することができる。
図89(b)に示す上傾斜状態において、延設爪部4424fと対向壁部4422f2とが球を案内するので、球がセンサ部材422c付近で詰まることを抑制することができる。
次いで、図90から図96を参照して、第5実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、遊技盤13に配設される発光ユニット800の詳しい説明についてその説明を省略したが、第5実施形態では、発光ユニット800についての詳細な説明をする。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
発光ユニット800は、上述したように、センターフレーム86の中央に開口される開口部の内縁部の正面視右側に配設されており、ガラスユニット16を介して遊技者に視認可能とされる(図2参照)。
初めに、図90から図92を参照して、発光ユニット800の構成について説明する。図90(a)は、第5実施形態における発光ユニット800の正面図であり、図90(b)は、発光ユニット800の背面図である。図91は、発光ユニット800の分解斜視正面図であり、図92は、発光ユニット800の分解斜視背面図である。
図90から図92に示すように、発光ユニット800は、区画部材840と、その区画部材840に配設される第1導光部材810及び第2導光部材820と、第2導光部材820の背面側に覆設される覆設部材830と、第1導光部材810及び第2導光部材820の反対側の区画部材840に配設されると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820側に光を照射するLED852を備える基板部材850と、区画部材840の下部に配設され区画部材840との対向間に基板部材850を挟持する装飾部材860とを主に備えて形成される。
区画部材840は、光を透過しにくい配色(本実施形態では黒色の)の可撓性材料から形成されており、上面視横長矩形状に形成されると共に、下面側(図90(a)下側)の一面が開放する箱状体に形成される。区画部材840は、上面側の一面を形成するベース部材847に、その板厚方向(図90(a)上下方向)に貫通して形成される第1開口841及び第2開口842と、その第1開口841及び第2開口842に沿って下面側(箱状に形成された内側の底面)に凹設される複数の凹部843と、第1開口841及び第2開口843に沿って立設される複数の立設部844とを備える。なお、区画部材840の詳細な説明は後述する。
第1導光部材810は、光を透過可能な透明の可撓性材料から形成されており、正面視扇状の板状体に形成される。第1導光部材810は、区画部材840側(図90(a)下側)の端部にベース部分847の上面と平行に形成される端面811と、背面側(第2導光部材820側(図90(a)紙面奥側))に凹凸を連ねて形成される乱反射部813と、端面811側の背面に突出する突出部814とを主に備えて形成される。
端面811は、区画部材840(ベース部材847)の下面に配設される基板部材850のLED852から照射される光を第1導光部材810の内部に入射させる端面であり、LED852の照射方向と直交する。
また、端面811には、光の入射方向に略円弧状の入射面812が凹設される。入射面812の湾曲形状により、端面811から入射される光の進行方向を端面811の延設方向(図90(a)左右方向)に拡散しやすくできる。なお、入射面812の詳しい説明は後述する。
乱反射部813は、背面の一部に凹凸を連ねて形成される。これにより、端面811から入射されたLED852の光を乱反射部813により乱反射させることができる。従って、乱反射部813により反射された光を、遊技者側に照射することができる。
なお、本実施形態における乱反射部813は、数字の「7」を模した形状に形成されており、その数字「7」を左右方向に一部が重なる様態で3つ並設する形状に形成される。よって、第1導光部材810にLED852の光を入射させることで、第1導光部材810に「777」の発光をさせることができる。
突出部814は、第1導光部材810の端面811側(図90(a)下側)に、端面811と所定の距離を隔てた位置に形成される。突出部814は、第1導光部材810と区画部材840とを締結固定するための締結板であり、突出部814の下面と区画部材840の上面とを当接させた状態で、突出部814に上下方向に貫通して形成される貫通孔814aを介してネジを区画部材840に円形状に凹設形成される締結孔845に締結することで、第1導光部材810と区画部材840とを締結固定できる。
第2導光部材820は、光を透過可能な透明の可撓性材料から形成されており、第1導光部材810の背面側(図90(a)紙面奥側)に配設される。即ち、第2導光部材820は、第1導光部材810と板厚方向に重なる状態で配設され、第1導光部材810を介して第2導光部材820を遊技者に視認させることができる。
第2導光部材820は、区画部材840側(図90(a)下側)の端部にベース部分847の上面)の端部にベース部分847の上面と平行な直線に形成される端面821と、背面(図90(a)紙面奥側)に凹凸を連ねて形成される乱反射部823と、端面821側の背面から背面に突出する突出部824とを主に備えて形成される。
端面821は、区画部材840(ベース部材847)の下面に配設される基板部材850のLED852から照射される光を第2導光部材820の内部に入射させる面であり、LED852の照射方向と直交する。
また、端面821には、第1導光部材810と同様に、光の入射方向に略円弧状に凹設される入射面823が形成される。入射面823の湾曲形状により、端面821から入射される光の進行方向を端面821の延設方向(図90(a)左右方向)に拡散しやすくできる。なお、入射面823の詳しい説明は後述する。
なお、第2導光部材820は、その外形が第1導光部材810の外形よりもやや大きく形成されると共に、第1導光部材810の端面811と第2導光部材820の端面821とが同一の高さ位置(図90(a)の上下方向位置)に設定される。これにより、第2導光部材820の延設方向の両端面および上面を第1導光部材810を介さずに遊技者に視認させることができる(図2参照)。
乱反射部823は、背面の一部に凹凸を連ねて形成される。これにより、端面821から入射されたLED852の光を乱反射部822により乱反射させることができる。従って、乱反射部822により反射された光を、遊技者側に照射することができる。
なお、本実施形態における乱反射部822は、第1実施形態と同様に数字の「7」を模した形状に形成されており、その数字「7」を左右方向に3つ並設する形状に形成される。よって、遊技者に、第1導光部材810の数字「777」と第2導光部材820の数字「777」とを前後に重ねた状態に視認させることができる。
突出部824は、第2導光部材820の端面821側に、端面821と所定の距離を隔てた位置に形成される。突出部824は、第2導光部材820と区画部材840とを締結固定するための締結板であり、突出部824に上下方向に貫通して形成される貫通孔824aを介してネジを区画部材840に円形状に貫通形成される締結孔846に締結することで、第2導光部材820と区画部材840とを締結固定できる。
覆設部材830は、光を透過可能な可撓性材料から形成されると共に、正面視において第2導光部材820よりも所定量大きい外形形状に形成される。また、覆設部材830は、第2導光部材820よりも光の透過率が小さい黒色の透明材料から形成される。
覆設部材830は、正面視における外縁部に正面側に立設される壁部831と、背面の下端から背面側に突出する突出部832とを主に備えて形成される。
壁部831は、その内側面が第2導光部材820の正面視における外形形状と略同一に形成されると共に、その立設寸法が第2導光部材820の板厚寸法と略同一に設定される。これにより、覆設部材830が第2導光部材820の背面に当接した状態にされると壁部831の内側に第2導光部材820が配設される。
ここで、上述したように第2導光部材820は、第1導光部材810よりもその外形が大きく形成される。そのため、第1導光部材810と第2導光部材820とを後述するLED852により、同等の光量で発光させるためには、第2導光部材820に第1導光部材810よりも多くの光を入射させる必要があった。
これに対し、本実施形態では、第2導光部材820の背面側に覆設部材830が配設されるので、第2導光部材820に入射した光を覆設部材830側に抜け出にくくできる。よって、第2導光部材820に入射した光を遊技者側に出射させやすくできる。
従って、後述するLED852の光を同等の光量で第1導光部材810及び第2導光部材820に入射させた際に、第1導光部材810及び第2導光部材820から遊技者側に発光される光量を同等にできる。その結果、大きさの異なる第1導光部材810と第2導光部材820とのLED852の光量を同一にすると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820から遊技者側(正面側(図90(a)手前方向))への発光を少なくできる。
突出部832は、覆設部材830の背面の下縁部から突出して形成される。突出部832は、覆設部材830を区画部材840と締結するための締結板であり、第2導光部材820が覆設部材830の正面と当接する状態で、突出部832の下面が、第2導光部材820の突出部824の上面と当接する。
また、突出部832には、上下方向に貫通する貫通孔832aが形成される。これにより、第2導光部材820を区画部材840に締結する際に、ネジを貫通孔832aを介して締結することで、覆設部材830と第2導光部材820とを同時に区画部材840に締結固定できる。
即ち、覆設部材830の貫通孔832aと、第2導光部材820の貫通孔824aと、区画部材840の締結孔846とは、軸が同一直線上に形成されており、ネジを貫通孔832a及び貫通孔824aを挿通して締結孔846に螺合することで、覆設部材830及び第2導光部材820を区画部材840に締結固定することができる。
基板部材850は、上面視横長矩形の板状体から形成され、光を照射できるLED852を複数個区画部材840(ベース部材847)側(図90(a)上側)に備えて形成される。また、基板部材850は、上面視における外形が区画部材840の下側の開口部分の内形形状よりも小さく形成されており、区画部材840の内側(ベース部材847の下側)部分に配設される。
LED852は、第1開口部842及び第2開口部843と対向する位置に配置されており、LED852から照射した光を第1開口部842及び第2開口部843を介して第1導光部材810及び第2導光部材820に照射することができる。なお、LED852の配置位置についての詳しい説明は後述する。
装飾部材860は、正面側に立設する装飾板861を備える側面視略L字に形成され、区画部材840の下面に連結される。装飾板861は、区画部材840の前方に位置する大きさに設定される。これにより、区画部材840及び装飾部材860の対向間に基板部材850を配設できると共に、装飾板861により区画部材840を遊技者側から視認しにくくできる。
次いで、図93を参照して、区画部材840について詳細な説明をする。図93(a)は、区画部材840の正面図であり、図93(b)は、図93(a)の矢印XCIIIb方向視における区画部材840の上面図であり、図93(c)は、図93(a)の矢印XCIIIc方向視における区画部材840の下面図である。
図93に示すように、区画部材840は、その上面視略矩形に形成されており、その短手方向一側(図93(b)下側)の端面と短手方向他側(図93(b)上側)の端面とが、パチンコ機10の正面に対して平行に形成される。
上述したように、ベース部材847は、区画部材840の上面側(図93(a)上面側)の一面を形成する。よって、ベース部材847は、上面視矩形状に形成される。なお、ベース部材847には、第1開口841,第2開口842,凹部843,立設部844及び締結孔845,846が形成される。
また、区画部材840は、上述した第1導光部材810及び第2導光部材820の端面811,821までの空間をベース部材847と区画する凹部847を下面側(図93(c)紙面手前側)に備える。
第1開口841は、区画部材840(ベース部材847)に区画部材840の長手方向(図93(b)左右方向)に延設して貫通形成されると共に、長手方向一端側(図93(b)左側)から長手方向他端側(図93(b)右側)に向かって短手方向一側(図93(b)下側)に傾斜して形成される。
第1開口841は、開口内側の短手方向の対向間寸法L1(図93(b)参照)が、第1導光部材810の板厚寸法よりも大きく設定される。また、第2開口842は、開口内側の短手方向の対向間寸法L2(図93(b)参照)が、第2導光部材820の板厚寸法よりも大きく設定される。
立設部844は、第1開口841の短手方向(対向間寸法L1の方向)の両端の縁部および第2開口842の短手方向の両端(対向間寸法L2の方向)の両端の縁部に沿って重力方向上方(図93(a)上方)に区画部材840(ベース部材847)から立設される。立設部844は、第1開口841を介した対向間と第2開口842を介した対向間との間に第1導光部材810及び820を挟持する壁部である。
上述したように、対向間寸法L1と対向間寸法L2とのそれぞれは、第1導光部材810及び第2導光部材820のそれぞれの板厚寸法よりも大きく設定されるので、第1開口841には、第1導光部材810の端面811が、第2開口842には、第2導光部材820の端面821が、挿入して配設される。
凹部843は、底面視略矩形状に凹設されると共に、その一部が第1開口841又は第2開口842と重なる位置に形成される。凹部843は、第1開口841又は第2開口842の短手方向の中間位置(対向間寸法L1,L2の中間位置)における直線上に、凹部843の短手方向(図93(c)左右方向)中間位置および長手方向(図93(c)上下方向)中間位置が設定される。これにより、凹部843は、第1開口841又は第2開口842の長手方向(図93(c)上下方向)両側で同一の形状に分割して配置される。
また、凹部843は、第1開口841又は第2開口842に一端が連結される短手方向(図93(c)左右方向)に一対形成される第2側壁843bと、その一対の第2側壁843bの他端同士が連結される第1側壁843aとを備える。
第1側壁843aは、区画部材840の長手方向(図93(c)左右方向)とその延設方向が平行に形成される。第2側壁843bは、区画部材840の短手方向(図93(c)上下方向)とその延設方向が平行に形成される。
上述したように、第1開口841及び第2開口842は、区画部材840の短手方向(図93(c)上下方向)の端面に対して傾斜して形成されるので、凹部843の第1側壁843aは、第1開口841及び第2開口842の延設方向に対して傾斜して形成される。これにより、上述した基板部材850のLED852から照射された光を第1開口841及び第2開口842の延設方向に拡散しやすくできる。なお、光の進む態様についての詳しい説明は後述する。
次いで、図94を参照して、第1導光部材810及び第2導光部材820と第1開口841及び第2開口842との関係について説明する。図94(a)は、発光ユニット800の下面図であり、図94(b)は、図94(a)の範囲XCIVbの部分拡大図である。
なお、図94(a)及び図94(b)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。また、図94(b)では、第1開口841及び第2開口842の延設方向に仮想線KS1の符号を、区画部材840の短手方向(図94(b)上下方向)に仮想線KS2の符号を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向に仮想線KS3の符号を、区画部材840の長手方向(図94(b)左右方向)に仮想線KS4の符号を、それぞれ付して図示する。
図94に示すように、第1開口841の内縁には、第1導光部材810の端面811が配置され、第2開口842の内縁には、第2導光部材820の端面821が配置される。また、LED852は、端面811の入射面812及び端面821の入射面822と対向する位置に配置される。LED852の光源の中心は、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向(仮想線KS3方向)中間位置と対向する位置に設定されると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の凹部812,822の仮想線KS1方向の中間位置と対向する位置に設定される。
入射面812,822は、端面811,821との連結(境界)部分が、仮想線KS2(区画部材840の短手方向)と平行に設定される。また、その左右方向両端の境界は、左右方向(仮想線KS4方向)に対向する2つの第2側壁843bの内側に設定されると共に、LED852の光軸方向の対向間の左右方向外側に設定される。
凹部843は、第1側壁843a及び第2側壁843bの延設方向が、仮想線KS4及び仮想線KS2と平行に形成される。即ち、各導光部材810,820の正面(図94(a)上側の面)に対して非平行且つ非直交とされる。
ここで、光透過性材料から板状に形成される光透過部材(第1導光部材810及び第2導光部材820)と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備えた遊技機が知られている。光透過部材には、複数のドット(乱反射部813,823)が凹設されており、側端面(端面811,821)から入射された光をドットで反射させることで、正面から出射させることができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、光透過部材へ入射される光が光照射手段(LED852)の光軸に沿う領域に偏りやすいという問題点があり、光透過部材の照度を均一とすることが困難であった。即ち、光照射手段から光透過部材の側端面に入射される光が光照射手段の光軸に沿う方向に集中するため、光透過部材の正面に沿って広がる方向(光透過部材の板厚方向と光照射手段の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向(仮想線KS1の方向))へ光が進行し難くかった。
これに対し、本実施形態によれば、LED852から第1導光部材810及び第2導光部材820の端面811,821までの空間を区画する区画部材840を備え、区画部材840は、空間を区画する内壁(凹部843の第1側壁843a、第2側壁843b)が、第1導光部材810及び第2導光部材820の正面に対して非平行かつ非直交とされるので、LED852から照射され区画部材840の内壁(凹部843の第1側壁843a、第2側壁843b)で反射した光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の正面に沿って広がる方向(第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向とLED852の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向(仮想線KS1方向))へ進行させやすくできる。
よって、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光がLED852の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
即ち、第1導光部材810及び第2導光部材820を、第1側壁843a及び第2側壁843bと傾斜する方向(仮想線KS1方向)に配置することで、第1導光部材810及び第2導光部材820に入射する光を第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
詳しく説明すると、LED852から照射される光のうち第1導光部材810及び第2導光部材820の入射面812,822に直接照射される光は、後述するように入射面812の湾曲形状により入射時に仮想線KS3方向に拡散される。また、LED852から照射された光のうち第1側壁843aに出射される光は、第1側壁843aに反射されて入射面812,822側に照射される(進行する)。よって、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)には拡散し難い。
LED852から照射された光のうち第2側壁843bに出射される光は、図94(b)の矢印H1に示すように第2側壁843bにより反射されて第1側壁843a側に照射される(進行する)。第2側壁843bから第1側壁843aに照射された光は、第1側壁843aにより反射されることで、第1導光部材810又は第2導光部材820側に反射される。
ここで、従来の第2側壁843bは、第1導光部材810(第2導光部材820)の前面の延設方向(仮想線KS1方向)が、区画部材840の長手方向(仮想線KS2方向)と平行である。そのため、第2側壁843b及び第1側壁843aを反射した光は、第1導光部材810(第2導光部材820)の入射面812の仮想線KS1方向に対しての入射角度を小さくすることができなかった。従って、第1導光部材810(第2導光部材820)の延設方向(仮想線KS1方向)に光を拡散し難かった。
これに対し、本実施形態では、第2側壁843b及び第1側壁843aを反射した光は、第1導光部材810(第2導光部材820)の正面(図94(b)上面)の延設方向(仮想線KS1方向)が区画部材840に対して傾斜されることで、端面811,821への光の入射時の矢印H1の進行方向と仮想線KS1との交差角度が小さくされる。
よって、端面811,821へ入射される光をより第1導光部材810及び第2導光部材820の前面の延設方向(仮想線KS1方向)に、拡散しやすくできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
区画部材840は、ベース部材847の凹部843の内壁(第1側壁843a、第2側壁843b)がLED852から第1導光部材810及び第2導光部材820の端面811,821までの空間を区画するので、区画部材840(凹部843の内壁)で光を反射させて、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向とLED852の光軸とに直交する方向へ光を進行させることで、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光の偏りを抑制する構造を簡素化できる。よって、製品コストを削減できる。
即ち、区画部材840のベース部材847に凹部843を凹設するのみで第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光の偏りを抑制する構造を形成することができるので、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光の偏りを抑制する部品(例えば鏡等)を他に配設する必要がないので、その部品の分、製品コストを削減できる。
また、上述したように、発光ユニット800の底面視(LED852の光軸方向視)において、ベース部材847及び凹部843がそれぞれ底面視矩形に形成されると共に凹部843が各辺(第1側壁843a、第2側壁843b)をベース部材847の各辺に対し平行とする姿勢で形成され、第1導光部材810及び第2導光部材820が凹部843に対して傾斜する姿勢で配設されるので、凹部843の内壁を第1導光部材810及び第2導光部材820の正面に対して非平行かつ非直交とすることを可能としつつ、区画部材840(ベース部材847)の成形性を確保することができる。
即ち、ベース部材847を樹脂材料から成形する場合には、凹部843が各辺をベース部材847の各辺に対し平行とする姿勢で配設されることで、ベース部材847の肉厚を均等として、その分、ヒケや反り、充填不良などを抑制できる。その結果、成形性を確保できる。
さらに、入射面812,822と端面811,821との連結(境界)部分は、仮想線KS2(区画部材840の短手方向)と平行に設定される。また、入射面812,822と端面811,821との連結(境界)部分は、左右方向(仮想線KS4方向)に対向する2つの第2側壁843bの内側に設定されると共に、LED852の光軸方向の対向間の外側に位置される。
よって、凹部843の内側を反射した光を入射面812,822に均一に入射させることができる。即ち、入射面812,822と端面811,821との連結(境界)部分が、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向(仮想線KS3方向)に延設される場合、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向の一方(又は他方)の領域における入射面812,822が、仮想線KS1方向の両端のうちの一方で、凹部843に対しての入射領域が小さくされる。そのため、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にすることができない。
これに対し、本実施形態では、入射面812,822と端面811,821との連結(境界)部分は、仮想線KS2(発光ユニット800の前後方向)と平行に設定されるので、入射面812,822の凹部に対しての入射領域を均一にすることができる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にすることができる。
次いで、図95を参照して、第1導光部材810及び第2導光部材820と第1開口841及び第2開口842との関係について説明する。図95(a)は、図94(a)のXCVa−XCVaにおける発光ユニット800の断面図であり、図95(b)は、図95(a)の範囲XCVbにおける発光ユニット800の部分拡大図である。
なお、図95(a)及び図95(b)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。
図95に示すように、凹部843の第1開口841又は第2開口842を間に挟んで一対形成される。第1側壁843aは、下方(図95(b)下方)から上方(図95(b)上方)に向かって区画部材840の短手方向(図95(a)左右方向)における対向間が小さく形成される。言い変えると、第1側壁843aは、上方に向かって第1導光部材810又は第2導光部材820の板厚方向(図95(b)左右方向)に傾斜して形成される。また、第1側壁843aの下方(図95(b)下方)の対向間には、LED852が配設される。
これにより、LED852が配設される側の対向間における距離を確保することができるので、LED852の光の照射による熱により、第1側壁843aが蓄熱することを抑制できる。その結果、第1側壁843aが蓄熱して基板部材850が破損することを抑制できる。
また、第1側壁843aは傾斜して形成されるので、図95(b)の矢印H2に示すように、LED852から第1側壁843a側に照射された光を、第1側壁843aに反射させた場合に、第1導光部材810の端面811側に反射させやすくすることができる。
これにより、LED852の外形に対して、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚寸法が小さくされる場合であっても、第1導光部材810及び第2導光部材820の端面811,821に光を集めることができる。
即ち、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚寸法が小さくされる際に、LED852の外形を小さくする必要がない。従って、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚寸法が小さくされる際に、光の入射量を確保できる。
次いで、図96を参照して、第1導光部材810及び第2導光部材820と第1開口841及び第2開口842との関係について説明する。図96(a)は、図94(a)のXCVIa−XCVIa線における発光ユニット800の断面図であり、図96(b)は、図96(a)の範囲XCVIbにおける発光ユニット800の断面図である。
なお、図96(a)及び図96(b)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。
図96に示すように、凹部843の第2側壁843bは、下方(図96(b)下方)から上方(図96(a)上方)に向かって区画部材840の長手方向(図96(b)左右方向)の対向間が小さく形成される。また、第2側壁843bの下方(図96(b)下方)の対向間には、LED852が配設される。
これにより、LED852が配設される側の対向間における距離を確保することができるので、LED852の光の照射による熱により第2側壁843bが蓄熱することを抑制できる。その結果、第2側壁843bが蓄熱して基板部材850が破損することを抑制できる。
また、第2側壁844aは、傾斜して形成されるので、LED852から第2側壁843b側に照射された光を、第2側壁844bに反射させた際に、第1導光部材810の入射面812側に反射させやすくできる。
上述したように、LED852は、第1導光部材810及び第2導光部材820の入射面812,822と対向する位置に配置される。これにより、図96(b)の矢印H3及び矢印H4に示すように、LED852から入射面812,822に入射される光を屈折させることで、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(図96(b)左右方向)に光を拡散させることができる。
また、入射面812は、半円状に湾曲して形成されるので、左右方向中央部から外側に向かって、入射面812への光の入射角が大きくされる。これにより、LED852から入射面812へ直接入射される光のうち、入射面812の第1導光部材810の延設方向(図96(a)左右方向)両端部分に入射される光を第1導光部材810の延設方向に向かう方向に拡散しやすくできる。
よって、端面811,821へ入射される光をより第1導光部材810及び第2導光部材820の前面の延設方向(仮想線KS1方向)に、拡散しやすくできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
次いで、図97(a)を参照して、第6実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、第1側壁843aが仮想線KS4と平行な直線状に形成される場合を説明したが、第6実施形態では、第1側壁6843aが湾曲して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図97(a)は、第6実施形態における発光ユニット800の底面図である。なお、図97(a)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。また、図97(a)では、第1開口841及び第2開口842の延設方向に仮想線KS1の符号を、区画部材840の短手方向(図97(a)上下方向)に仮想線KS2の符号を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向に仮想線KS3の符号を、区画部材840の長手方向(図97(a)左右方向)に仮想線KS4の符号を、それぞれ付して図示する。
図97(a)に示すように、第6実施形態における区画部材840の凹部6843は、第2側壁6843bが、仮想線KS2と平行に形成されると共に、第1側壁6843aが、第1導光部材810又は第2導光部材820から離間する方向に凸となる湾曲状に形成される。
第1側壁6843aは、第2側壁6843bと連結される両端部分を連結する仮想線KS5が仮想線KS4と交差する角度が、仮想線KS1が仮想線KS4と交差する角度θ1(第1導光部材810及び第2導光部材820が遊技盤13(区画部材840)に対して前後方向に傾斜する角度)よりも大きく設定される。
言い変えると、第2側壁6843bは、左右の両側で前後方向(仮想線KS2の延設方向)の長さが異なって形成されており、第1開口841及び第2開口842の前方側(図97(a)上側)は前方側に位置する端部側が、第1開口841及び第2開口842の後方側(図97(a)下側)は後方側に位置する端部側が、対向する第2側壁6843bよりも長く形成される。
また、第1側壁6843aは、同一の半径からなる湾曲状に形成される。これにより、第1側壁6843aの軸を凹部6843の第2側壁6843bの対向間を2等分した中央位置と異なる位置に配置することができる。即ち、第1側壁6843aの軸を第1導光部材810の延設方向(仮想線KS1の方向)に異なる位置にすることができる。
これにより、区画部材840の短手方向(仮想線KS2方向)の一側(図97(a)上側)に形成される第1側壁6843aに照射される光を、その第1側壁6843aの軸側(図96(a)右側)に反射させることができる。一方、区画部材840の短手方向(仮想線KS2方向)の他側に形成される第2側壁6843に照射される光が、その第1側壁6843の軸方向(図96(b)左側)に反射させることができる。
よって、第6実施形態では、LED852から照射された光のうち第1側壁6843aに照射される光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)両外側に集めることができる。これにより、LED852から照射され、第1導光部材810及び第2導光部材820に入射される光を仮想線KS1方向に拡散しやすくできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
また、第6実施形態では、図97(a)に示すように、第1導光部材810及び第2導光部材820の入射面812,822は、端面811,821との連結(境界)部分が、仮想線KS2(発光ユニット800の前後方向)と平行に設定される。更に、その連結(境界)部分は、左右方向(仮想線KS4方向)に対向する2つの第2側壁843bの内側に設定されると共に、LED852の光軸方向の対向間の左右方向外側に位置される。これにより、LED852から照射されて凹部843の内側を反射した光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
詳しく説明すると、上述したように、LED852から照射された光のうち第1側壁6843aに照射される光は、図97(a)の矢印H5に示すように、第1側壁6843aにより反射されて第1開口841又は第2開口842側に反射される。
この場合、反射された光を、第1側壁6843aの湾曲形状により集光させつつ第2側壁6843b側に進ませることができる(図97(a)の矢印H4参照)ので、反射された光を入射面812,822に入射させやすくできる。
上述したように、入射面812,822は、湾曲の凹設面に形成され(図96(b)参照)、入射面812,822に入射した光を拡散することができるので、LED852から照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
第6実施形態では、ベース部材847(区画部材840)は、LED852の光軸方向視において、凹部843の内壁(第1側壁6843a)が凹の湾曲面として形成されるので、LED852から照射された光を凹の湾曲面で反射させることで、一方向へ集光させることができる。
即ち、集光の方向を、第1導光部材810及び第2導光部材820の正面に沿って広がる方向(第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向(仮想線KS3方向)とLED852の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向(仮想線KS1方向))に偏倚させることで、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光がLED852の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
次いで、図97(b)を参照して、第7実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、第2側壁843bが仮想線KS2と平行な直線状に形成される場合を説明したが、第7実施形態では、第2側壁7843bが仮想線KS2に対して傾斜して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図97(b)は、第7実施形態における発光ユニット800の下面図である。なお、図97(b)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が鎖線で図示される。また、図97(b)では、第1開口841及び第2開口842の延設方向に仮想線KS1の符号を、区画部材840の短手方向(図97(b)上下方向)に仮想線KS2の符号を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向に仮想線KS3の符号を、区画部材840の長手方向(図97(b)左右方向)に仮想線KS4の符号を、それぞれ付して図示する。
図97(b)に示すように、第7実施形態における区画部材840の凹部7843は、第2側壁7843bが、仮想線KS3と平行に形成される。また、第2側壁7843bは、LED852の発光中心から延設される仮想線KS2と交差する位置に形成される。
即ち、第7実施形態における凹部7843の第1側壁843aは、LED852の発光中心の区画部材840の長手方向(仮想線KS4方向)のどちらか一方に形成される(LED852の発光中心から延設される仮想線KS2により区画される領域のどちらか一方に形成される)。
これにより、LED852から照射される光のうち凹部7843の内部に照射される光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
詳しく説明すると、LED852から照射された光のうち第2側壁7843bに照射される光は、図97(b)の矢印H6に示すように、第1側壁843a及び第2側壁7843bにより反射され、第1開口841又は、第2開口842側に進む態様にされると共に、一対の入射面812,822と端面811,821との連結(境界)部分の一方に偏った状態とさせることができる。
その結果、LED852から照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
また、第7実施形態では、凹部7843の第1側壁843aは、LED852の発光中心の区画部材840の長手方向(仮想線KS4方向)のどちらか一方に形成されることで、LED852から照射される光のうち凹部7843に照射される光を、第2側壁843aに照射しやすくできる。
従って、LED852から照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。よって、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光がLED852の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
次いで、図98(a)を参照して、第8実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、第1側壁843aが仮想線KS4と平行に形成される場合を説明したが、第8実施形態では、第1側壁8843aが仮想線KS1に対して傾斜して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図98(a)は、第8実施形態における発光ユニット800の下面図である。なお、図98(a)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。また、図98(a)では、第1開口841及び第2開口842の延設方向に仮想線KS1の符号を、区画部材840の短手方向(図94(b)上下方向)に仮想線KS2の符号を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向に仮想線KS3の符号を、区画部材840の長手方向(図98(b)左右方向)に仮想線KS4の符号を、それぞれ付して図示する。
図98(a)に示すように、第8実施形態における区画部材840の凹部8843は、第1側壁8843aが、仮想線KS1と平行に形成される。即ち、第2側壁843bの対向する面がそれぞれ、前後方向(仮想線KS2方向)に同一の長さで形成される。
また、第1導光部材810及び第2導光部材820は、入射面812,822及び端面811,821の連結(境界)部分が、仮想線KS3と平行に形成される。その連結部分の一端が、第2側壁843bの凹設先端位置と略同一の位置に設定される。
これにより、LED852から照射される光のうち凹部8843の内部に照射される光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
詳しく説明すると、LED852から照射された光のうち第2側壁843bに照射される光は、図98(a)の矢印H7に示すように、第2側壁843bに反射されて第1側壁8843a側に照射される(進行する)。
第1側壁8843aは、上述したように、仮想線KS1と平行に形成されるので、一方(図98(a)右上)の第2側壁843bから反射されて第1側壁8843aに照射される光は、第1側壁8843aに対して入射角が(第5実施形態よりも)大きくされる。これにより、一方の第2側壁843bから反射される光は、第1側壁8843aに反射されて、第1導光部材810及び第2導光部材820の凹部の一端(図98(a)左側端部)側に照射される。
また、他方(図98(a)左上)の第2側壁843bから反射されて第1側壁8843aに照射される光は、第1側壁8843aに対して(第5実施形態よりも)入射角が小さくされる。これにより、他方の第2側壁843bから反射される光は、第1側壁8843aに反射されると、一方の第2側壁843b側に照射される。
他方の第2側壁843b及び第1側壁8843aに反射されて一方の第2側壁843b側に照射される光は、一方の第2側壁843bに反射されて、第1導光部材810及び第2導光部材820の凹部の一端(図98(a)左側端部)側に照射される。
従って、LED852から照射される光のうち、第2側壁843bに照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。よって、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光がLED852の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
また、第1導光部材810及び第2導光部材820の入射面812,822を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向(仮想線KS3方向)に延設することができるので、第1導光部材810及び第2導光部材820を型成形した際に、型の引き抜きを簡易にできる。
次いで、図98(b)を参照して、第9実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、第2側壁843bが、直線状に形成される場合を説明したが、第9実施形態では第2側壁9843bが湾曲して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図98(b)は、第9実施形態における発光ユニット800の下面図である。なお、図98(b)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。また、図98(b)では、第1開口841及び第2開口842の延設方向に仮想線KS1の符号を、区画部材840の短手方向(図94(b)上下方向)に仮想線KS2の符号を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向に仮想線KS3の符号を、区画部材840の長手方向(図98(b)左右方向)に仮想線KS4の符号を、それぞれ付して図示する。
図98(b)に示すように、第9実施形態における区画部材840の凹部9843は、第2側壁9843bが、凹部9843の内側に向かって凸となる湾曲状に形成される。
また、第2側壁9843bは、第1開口841及び第2開口842との連結側から第1側壁843aと連結側に向かって凹部9843の左右方向(仮想線KS4方向)中央側に位置する態様に形成される。即ち、第2側壁9843bの湾曲軸は、第1側壁843aよりも前後方向(仮想線KS2方向)に第1開口841及び第2開口842から離間する位置に設定される。
これにより、LED852から照射される光のうち凹部9843の内部に照射される光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS2方向)に拡散しやすくできる。
詳しく説明すると、LED852から照射された光のうち第2側壁9843bに照射される光は、図98(b)の矢印H8に示すように、第2側壁9843bに反射されると、その湾曲形状により、第1開口841及び第2開口842側に反射されると共に、左右方向(仮想線KS1方向)へ進む成分が大きくされる。
従って、LED852から照射された光のうち第2側壁9843bに照射される光を仮想線KS4方向に拡散しやすくできる。その結果、LED852から照射される光のうち、第2側壁843bに照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。よって、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光がLED852の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
よって、第9実施形態では、ベース部材847(区画部材840)は、LED852の光軸方向視において、凹部843の内壁(第2側壁8843b)が凸の湾曲面として形成されるので、LED852から照射された光を凸の湾曲面で反射させることで、第1導光部材810の延設両方向(仮想線KS1方向)へ集光させることができる。
即ち、集光の方向を、第1導光部材810及び第2導光部材820の正面に沿って広がる方向(第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向(仮想線KS3方向)とLED852の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向(仮想線KS1方向))に偏倚させることで、第1導光部材810及び第2導光部材820へ入射される光がLED852の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を均一にしやすくできる。
次いで、図99を参照して、第10実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、同一形状の凹部843が複数個形成される場合を説明したが、第10実施形態では、凹部843及びその凹部843と形状の異なる第2凹部10843が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図99(a)は、第10実施形態における発光ユニット800の断面図であり、図99(b)は、発光ユニット800の下面図である。なお、図99(a)及び図10(b)では、装飾部材860及び基板部材850が取り外された状態が図示されると共に、LED852が破線で図示される。
また、図99(b)では、第1開口841及び第2開口842の延設方向に仮想線KS1の符号を、区画部材840の短手方向(図99(b)上下方向)に仮想線KS2の符号を、第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向に仮想線KS3の符号を、区画部材840の長手方向(図99(b)左右方向)に仮想線KS4の符号を、それぞれ付して図示する。
さらに、図99(a)では、各LED852の出射方向に沿う仮想線が図示されており、各仮想線に区画されたそれぞれの領域に左右方向左側(図98(a)左側)から第1領域SR1から第5領域SR5の符号を付して図示される。
図99に示すように、第10実施形態における発光ユニット800は、区画部材840の左右方向(図99(b)左右方向)中央側に凹部843が形成され、区画部材840の左右方向(図99(b)左右方向)両端に第2凹部10843がそれぞれ形成される。
第2凹部10843は、第1側壁10843aが第1導光部材810及び第2導光部材820の板厚方向(仮想線KS3方向)に凸となる湾曲状に形成される。一対形成される第2側壁843bは、区画部材840に対してその長手方向(図99(b)左右方向)の外側部分が内側部分よりも区画部材840の短手方向(図99(b)上下方向)に長く形成される。
よって、上記第6実施形態において説明したように、第1側壁10843aを湾曲状に形成することで、LED852から照射された光を第1導光部材810又は第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)の一方側に集光させることができる。ここで、第10実施形態では、第1側壁10843aが、その第2凹部10843と対向して配設されるLED852の照射中心を通過する仮想線KS4方向の線を対称に、区画部材840の短手方向に一対形成される。これにより、LED852から照射された光を左右方向の一方側のみに集光させることができる。
なお、第10実施形態では、区画部材840の長手方向一側(図99(b)左側)に形成される第2凹部10843は、LED852の光を第1領域SR1側に集光する。一方、区画部材840の長手方向他側(図99(b)右側)に形成される第1凹部10843は、LESD852の光を第5領域SR5側に集光する。
ここで、上述したように、第1導光部材810及び第2導光部材820は、正面視扇状に形成され、端面811,821に対して、遊技者側に光を発光する照射面が大きくされる。そのため、端面811,821の延設方向に沿ってLED852を等間隔で配設すると、第1導光部材810及び第2導光部材820の左右方向(図99(a)左右方向)端部と中央部とで、光に明暗ができる恐れがあった。
即ち、第1導光部材810及び第2導光部材820の左右方向において、左端の第1領域SR1及び右端の第5領域SR5の照射領域が、第2領域SR2から第4領域SR4よりも大きくされる。従って、第1領域SR1及び第5領域SR5の発光が、第2領域SR2から第4領域SR4よりも弱くされる。そのため、照度の確保が困難なる。
また、第1領域SR1及び第5領域SR5では、左右の両端部に配設されるLED852から照射される光のみが入射されるのに対して、第2領域SR2から第4領域SR4では、左右方向に隣合う2つのLED852から照射される2つLED852の光が入射される。
即ち、凹部843どうしの間の領域では、それら隣接する凹部843のそれぞれから光が進行される(即ち、2のLED852からの光が到達される)ため、光が重なり、照度が確保されやすい。一方、列設方向一側または他側の端部に位置する第2凹部10843よりも外の領域では、その第2凹部10843からの光のみが進行される(即ち、1のLED852からの光のみが到達される)ため、照度の確保が困難となる。
これに対し、第10実施形態では、列設方向一側の端部に位置する第2凹部10843と列設方向他側の端部に位置する第2凹部10843とが、互いの第1側面10843aの湾曲面を区画部材840の長手方向(図99(b)左右方向)外側に向けた姿勢で配設されるので、集光させた光を、各凹部843よりも外の領域へ向けて進行させることができ、照度を確保できる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を全体に均一にしやすくできる。
言い変えると、第10実施形態では、区画部材840の長手方向(図99(b)左右方向)外側端部に第2凹部10843が形成されることで、LED852から照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)外側に集光させることができる。従って、第1領域SR1及び第5領域SR5の端部を発光させやすくすることができる。よって、第1領域SR1から第5領域SR5(第1導光部材810及び第2導光部材820)の発光を均一にしやすくできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を全体に均一にしやすくできる。
次いで、図100から図106を参照して、第11実施形態について説明する。上記第1実施形態では、昇降体330についての詳しい説明を省略したが、第11実施形態では、昇降体330について詳しい説明をする。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図100から図102を参照して、昇降体330の全体構成について説明する。図100(a)は、第11実施形態における昇降体330の正面図であり、図100(b)は、昇降体330の背面図である。図101は、昇降体330の分解斜視正面図であり、図102は、昇降体330の分解斜視背面図である。
なお、第11実施形態では、ベース部材310の長手方向(図12左右方向)に4つ並設されるうちの一側(図12左側)から2つ目の昇降体330を参照して説明する。
図100から図102に示すように、昇降体330は円盤板形状に構成される演出部331と、その演出部331の背面に固定され演出部331の背面から隙間を空けた位置に鉛直方向に延設されるラック332とを備える。
演出部331は、リング状に形成される外枠360と、その外枠360の内側に配設されるレンズ部370と、そのレンズ部370の背面側に配設され、複数の第1LED391を配設された基板部材390と、その基板部材390とレンズ部370との間に介設され、複数の第1LED391の光を区画する区画部材380とを主に備えて形成される。なお、以下の説明では、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390の3つを合わせて介設部材335と称して説明する。
外枠360は、正面視円環状に形成され、その外縁部から背面側(介設部材335側)に立設される外縁部361と、内縁部分から所定の距離を径方向に隔てた位置に背面側に膨出する膨出部362と、その膨出部362の内縁側に突出する突起363とを備える。
また、外枠360は、透明な光透過性材料から樹脂成形されると共に、正面側の一部に部分的に塗装が施される。これにより、背面側に配設される第2LED392の光を非塗装部分から遊技者側に出射させることができる。
外枠360は、内縁部の内径が後述するレンズ部370の外径よりも小さく設定されると共に、外縁部の外径が後述するレンズ部370及び区画部材380の外径よりも大きく設定される。
外縁部361は、正面側(図100(a)紙面手前側)から背面側(図100(b)紙面奥側)への立設寸法が、後述するレンズ部370と区画部材380とを組み合わせた状態の前後方向の板厚寸法と略同一に設定される(図103参照)。また、外縁部361の下方側には、部分的に突出する保持部361aが形成される。保持部361aは、後述するベース部分334と対向する位置に突出形成される。
レンズ部370は、円盤形状に形成され、組み立て状態では、外枠360と同軸となる位置に配置される。レンズ部370は、その外縁に背面側に立設する立設部371と、外縁から突出する係合部372と、下面から突出する締結部373とを備える。また、レンズ部370は、半透明の透過性材料から樹脂成形される。
立設部371は、レンズ部370の外縁部分から背面側(図100(a)紙面奥側)所定の厚みを備えて立設される。立設部371の内縁部の内径は、後述する区画部材380の外形と略同一に設定される。これにより、組み立て状態では、区画部材380を立設部371の内側に挿入した状態で配置される(図103参照)。
レンズ部370は、その外径が外枠360の膨出部361の内径と略同一に形成される。これにより、レンズ部370を膨出部361の内側(内縁側)に配設できると共に、外枠360の内縁部分(膨出部361よりも内側部分)によりレンズ部370が外枠360よりも前方に位置することを規制できる。また、レンズ部370は、膨出部361の内側に配置されることで、外枠360に対して上下左右方向に位置ずれすることが抑制される。
係合部372は、レンズ部370の外縁から突出する一対の突起372aである。一対の突起372aは、外枠360の突起363の外形よりも大きい隙間を隔てて形成される。また、係合部372は、外枠360の突起363と対向する位置に形成される。これにより、組み立て状態では、係合部372の一対の突起372aの対向間に外枠360の突起363が挿入されて係合した状態で配設される。
これにより、外枠360の膨出部362の内側にレンズ部370を配設した組立状態において、外枠360の突起363を一対の突起372aの内側に配置することができる。従って、レンズ部370が、外枠360に対して周方向に回転することを抑制できる。なお、係合部372と、突起363のとの係合について詳しい説明は後述する。
締結部373は、そのレンズ部370の下端から突出して形成されており、レンズ部370の軸からの突出寸法が、外枠360の外縁部361の内径よりも小さく設定される。これにより、組み立て状態では、締結部373をその外枠360の外縁部361の内側に配置した状態とされる。
区画部材380は、レンズ部370と同軸の円盤状に形成されると共に、背面側の外縁部分から径方向に突出する規制板381と、その規制板381の外縁から鉤状に突出する鉤状部382と、前後方向に貫通した複数の開口383と、背面側に突出する円柱状の突出部384とを備えて形成される。
区画部材380は、その外径がレンズ部370の立設部371の内径と略同一に設定される。これにより、区画部材380を立設部371の内側に挿入して配設できる。従って、区画部材380が、レンズ部材370に対して上下左右方向に位置ずれすることを抑制できる。
規制板381は、区画部材380の前面と所定の隙間を隔てて形成されており、その隙間が、レンズ部材370の立設部371の立設寸法よりも小さく形成される。これにより、区画部材380をレンズ部材370の立設部371の内側に配設した際に、規制板381の前面をレンズ部材370の立設部371の端面に当接させることができる(図103参照)。
従って、レンズ部材370の背面と区画部材380の正面とが当接することを抑制できる。その結果、レンズ部材370が、区画部材380の前面と当接して押し出されることにより、変形することを抑制できる。
鉤状部382は、規制板381の外縁部にL字状に突出して形成され、L字の屈曲側が正面側に突出される。また、鉤状部382は、外枠360にレンズ部370及び区画部材380が配置された状態において、外枠360の突起363と対向する位置に形成される。
これにより、区画部材380をレンズ部材370の立設部371の内側に配設した状態では、鉤状部382の先端をレンズ部370の係合部372の一対の突起372aの対向間に挿入できる。従って、区画部材380が、外枠360(レンズ部370)に対して周方向に回転することを抑制できる。
突出部384は、区画部材380の背面側に2つ突出して形成される。また、突出部384は、区画部材380の外縁および鉤状部382の径方向内側に位置される。
基板部材390は、外枠360と同軸上の円盤形状に形成されると共に、正面側に複数個並設される第1LED391と、基板部材390の外縁部分に沿って複数個配設される第2LED392と、前後方向に貫通形成される貫通孔393と、第1LED391及び第2LED392に電力を供給するための配線が連結されるソケット394とを主に備えて形成される。
基板部材390は、その外径が区画部材380の規制板381の外径よりも大きく形成されると共に、外枠360の外縁部分の外形よりも小さく形成される。また、基板部材390は、正面側が、区画部材380の背面側に当接して配設される(図103参照)。
第1LED391は、正面側に光を照射可能に配設され、基板部材390の正面視において上下左右方向に複数個並設される。また、区画部材380には、第1LED391と対向する位置に開口383が形成される。これにより、基板部材390が、区画部材380の背面側に配設された状態では、各第1LED391の正面側の端部を開口383の内側に挿入することができる。その結果、第1LED391の発光をそれぞれ区画することができる。
よって、第1LED391から光を照射すると、その光を開口382を通過させてレンズ部370に光を照射することができる。この場合、上述したように区画部材380により光を区画することができるので、第1LED391の照射を制御してレンズ部370の照射態様を変更する演出ができる。
第2LED392は、基板部材390の外縁部分に沿って配設されると共に、正面視においてレンズ部370及び区画部材380の外径よりも外側に配置される。これにより、第2LED392を発光させて、外枠360に光を入射させることができる。外枠360に光が入射されると、上述したように非塗装部分から遊技者側に光を出射することができる。
貫通孔393は、基板部材390の正面側に配設される区画部材380の突出部384と対向する位置に形成されると共に、突出部384の外径よりも大きい開口に形成される。
ソケット394は、基板部材390の下端(昇降体330のスライド方向下側(図100(b)下側))部分に形成される。ソケット394は、配線を連結するための連結部分であり、上述したベース部材310と背面カバー320との間を介して挿通される配線が連結される。即ち、ソケット394は、配線が上方(昇降体330のスライド方向上側(図100(b)上側)から連結された状態とされる。
また、後述するベース部分334には、ソケット394と対向する位置に前後方向に貫通形成される開口334fが形成されており、ソケット394に連結される配線をベース部分334の背面側から連結可能にされる。
ラック332は、上下方向(昇降体330のスライド方向(図100(b)上下方向))に延設されるラック部分333と、そのラック部分333の下側(昇降体330のスライド方向下側(図100(b)下側)に連結した半円状のベース部分334とを主に備えて形成される。
ラック部分333は、上述したように、昇降体を上下に駆動させる伝達装置350(図14参照)が連結(歯合)される部分であり、その詳しい説明は省略する。
ベース部分334は、半円の円形状に形成され、組み立て状態では、外枠と同軸となる位置に配置される。また、ベース部分334は、外枠360の外径と略同一の直径に設定される。ベース部分334は、上端側(昇降体330のスライド方向上側(図100(b)上端側))が切り欠き形成されており、その切り欠き量が上端部分から半径よりも大きい寸法分下方に切り欠き形成される。即ち、ベース部分334は、半円よりも小さい形状に形成される。ベース部分334は、保持部361と締結される。
ベース部分334は、前後方向に貫通形成される貫通孔334cと、前方側に突出形成される突起334aと、下端部分に円柱状に形成される締結部334bとを主に備えて形成される。
貫通孔334cは、ベース部分334の外縁部の周方向端部および周方向中間位置の3箇所に形成される。貫通孔334cは、ベース部分334と外枠360とを締結するためのネジを挿通する孔であり、貫通孔334と対向する位置の保持部361aに凹設される孔に貫通孔334cを挿通したネジが螺合される。
突起334aは、ベース部分334に対して貫通孔334cの径方向内側に突出形成される。突起334aの正面側(基板部材390側)への突出長さは、基板部材390の背面とベース部分334の正面との対向間の距離寸法に設定される。これにより、外枠360にベース部分334が締結されると突起334aの先端が基板部材390の背面に当接した状態とされる。
締結部334bは、ベース部分334の下端側(図100(a)下側)から正面側(図100(a)紙面手前側)に円柱状に突出して形成されると共に、その内側部分にベース部分334の板厚方向(正面側から背面側)に貫通する挿通孔334b1を備える。また、締結部334bは、上述したレンズ部370の締結部373と対向する位置に形成される。これにより、レンズ部370の下端部分とベース部分334の下端部分とを締結できる。なお、レンズ部370とベース部分334との締結についての詳しい説明は後述する。
次いで、図103及び図104を参照して、昇降体330とベース部材310との位置関係について説明する。図103は、図100(a)のCIII−CIII線における昇降体330の断面図である。図104(a)は、図12のCIVa−CIVa線における上部昇降ユニット300の断面図であり、図104(b)は、図13のCIVb−CIVb線における上部昇降ユニット300の断面図である。
なお、図104(a)では、昇降体330が上昇位置に配置された状態が図示され、図104(b)では、昇降体330が下降位置に配置された状態が図示される。
まず、図103を参照して、昇降体330の組み付け態様について説明する。図103に示す(上述した)ように、昇降体330は、正面側(図103左側)に円環形状の外枠360が配置され、その外枠360の膨出部362の内側にレンズ部370が背面側から挿入される。
レンズ部370には、立設部371の内側に区画部材380が背面側から挿入される。また、区画部材380の背面には、貫通孔393に区画部材380の突出部384が挿入された状態で基板部材390が配設される。
基板部材390の背面側には、その下側を覆う態様でラック332のベース部分334が配設される。ラック332のベース部分334は、外枠360の保持部361aと締結されており、ラック332のベース部分334の正面側と外枠360の背面側との対向間にレンズ部370、区画部材380及び基板部材390が挟持される。
従って、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390が外枠360及びベース部分334から脱落することを防止できる。また、ベース部分334の上端部分が切りかかれ、演出部331の背面側上端部分が開放された状態とされるので、演出部331の背面側のスペースを確保することができる。
また、上述したように、ベース部分334の突起334aは、基板部材390の背面に当接する突出長さに設定されており、ベース部分334の上端部に位置される(即ち、締結部334bよりも上方に位置される)。よって、基板部材390の下端側を背面側に引き付ける状態とすることができで、基板部材390の上端部分に突起334aとの当接位置を中心に前方に傾倒する方向の力を作用させることができる。
ここで、図104に示すように、昇降体330が上昇位置に配置される際には、昇降体330の上端部分の略半分がベース部材310(半円凹設部311)の正面側(図104(a)左側)に配置される。
上述したように、昇降体330は、ベース部分334の上端部分が切り欠かれ、演出部331の背面側上端部分が開放された状態とされるので、演出部331(基板部材390)とベース部材310(半円凹設部311)との対向間を近づけることができる。従って、上部昇降ユニット300の正面側から背面側(図104(a)左右方向)の幅寸法が大きくなることを抑制できる。
一方、図104(b)に示すように、昇降体330が下降位置に配置される際には、演出部331の少なくとも一部がベース部材310(半円凹設部311)の一部と正面側(図104(b)左側)に重なる状態とされる。言い変えると、昇降体330の上下方向(図104(a)上下方向)の変位距離は、半円凹設部311の上下方向の長さ寸法よりも小さく設定される。
これにより、昇降体330が下降位置に変位した際の慣性力や、上述した駆動装置340の始動による慣性力で、演出部331が前後に揺れ動いた(特に後方に動いた)際に、演出部331の背面をベース部材310(半円凹設部311)に当接させることができる。その結果、演出部331が前後に揺れ動くことを抑制して、演出部331の演出を遊技者に視認させやすくできる。
また、演出部331が、下降位置(図104(b)参照)から上昇位置(図104(a)参照に変位する際に、演出部331の上端面が、ベース部材310(半円凹設部311)よりも背面側に変位して演出部331の上端部とベース部材310とが衝突して動かなくなることを抑制できる。
さらに、上述したように、基板部材390には、背面側からソケット394への配線が連結される。よって、昇降体330が下降位置に変位した際に、その配線が遊技者から視認可能とされる恐れがあるところ、演出部331の少なくとも一部がベース部材310(半円凹設部311)の一部と正面側に重なる状態とされるので、配線をベース部材310により遊技者から視認しにくくすることができる。
ここで、ベース部材(ベース部材310)と、そのベース部材に変位可能に配設される変位ユニット(昇降体330)とを備え、変位ユニットが、第1部材(外枠360)と、その第1部材よりも小さな外形に形成され第1部材の一部に重ね合わされる第2部材(ベース部分334)と、それら第1部材および第2部材の間に介設されると共に第2部材よりも大きな外形に形成される介設部材(介設部材335(レンズ部370、区画部材380、基板部材390))とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、変位ユニットは、第1部材に第2部材が重ね合わされていない部分が開放されるので、その開放された部分を利用して(開放された部分をベース部材に対面させることで)、変位ユニットをベース部材に近接させることができる。よって、その分、ベース部材および変位ユニットの配置に必要なスペースを抑制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1部材よりも第2部材が小さな外形に形成されるため、その分、第1部材および第2部材の間に介設部材を挟み込める面積が小さくなり、介設部材ががたつきやすいという問題点があった。第2部材が重ね合わされていない部分(開放された部分)において、第1部材に介設部材を締結ねじにより締結固定した場合には、がたつき難くできるが、開放された部分に締結ねじの頭が突出される。そのため、開放された部分を利用できなくなり(即ち、開放された部分をベース部材に対面させると、締結ねじの頭がベース部材に干渉する)、変位ユニットをベース部材に近接させることが阻害される。その結果、ベース部材および変位ユニットの配置に必要なスペースが嵩む。
これに対し、本実施形態では、介設部材335が外枠360及びベース部分334の間に介設されると、介設部材335のうちの外枠360にベース部分334が重ね合わされていない側が外枠360側に付勢されるように形成されているので、介設部材335を外枠360に押し付けることができる。その結果、介設部材335のがたつきを抑制できる。
また、ベース部分334が重ね合わされていない部分(開放された部分)において、外枠360に介設部材335を締結ねじにより締結固定する必要がなく、締結ねじの頭と外枠360との干渉が発生しないので、昇降体330を外枠360に近接させることができる。よって、その分、外枠360及び昇降体330の配置に必要なスペースを抑制できる。
さらに、昇降体330は、ベース部分334と介設部材335とを連結する連結手段(挿通孔334b1、締結孔373a)を備え、ベース部分334は、介設部材335に当接可能に形成される突起334aを備え、連結手段によってベース部分334と介設部材335とが連結される位置よりも外枠360にベース部分334が重ね合わされていない側に突起334aが位置するので、連結手段によるベース部分334および介設部材335の連結に伴って、突起334aを介設部材335に当接させて、介設部材335を外枠360に押し付けることができる。即ち、介設部材335のがたつきを抑制する構造を達成しつつ、組み立て作業を簡素化できる。
また、介設部材335(レンズ部370)に螺刻される締結孔373aと、ベース部分334に穿設される挿通孔334b1と、その挿通孔334b1に挿通され締結孔373aに螺合される締結ねじとから連結手段が形成されるので、介設部材335を外枠360に強固に押し付けることを可能として、介設部材335のがたつきをより確実に抑制できる。
即ち、締結ねじを締結すると、その締結力により介設部材335をベース部分334へ引き付けることができる。よって、ベース部分334の突起334aを支点として、その支点(突起334a)を挟んで引き付け力が作用される側と反対側をベース部材310に押し付けることができる。その結果、介設部材335を外枠360に強固に押し付けて、介設部材335のがたつきを抑制できる。
詳しく説明すると、締結部373には、正面視円環状に貫通形成される締結孔373aが形成される。一方、締結部334bには、その締結孔373aと正面側から背面側に向かう方向に対向する位置に貫通する挿通孔334b1が貫通形成される。挿通孔334b1は、締結孔373aに締結されるネジの外径よりも大きい内径に形成される。
よって、外枠360とベース部分334との間に、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390を配置した状態で、挿通孔334b1にネジを挿通させると共に、ネジを締結孔373aに螺合させることができる。
これにより、レンズ部370の下端(図103下側)部分を後ろに引き付ける状態にできるので、レンズ部370の背面側に区画部材380を挟んだ状態で配置される基板部材390の下端部分を背面側に引き込んだ(引き込んだ)状態にできる。その結果、レンズ部370(区画部材380、基板部材390)を外枠360に強固に押し付けて、レンズ部370(区画部材380、基板部材390)のがたつきを抑制できる。
また、介設部材335は、ベース部材310側の面にLED391が搭載される基板部材390と、その基板部材390のベース部材310側の面に配設されるレンズ部370とを備え、連結手段がベース部分334と介設部材335のレンズ部370とを連結すると共に、介設部材335の基板部材390が突起334aに当接されるので、外枠360への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材335のがたつきを抑制できる。
即ち、基板部材390は部分的な変形の集中に弱いところ、連結部分に負荷が集中しやすい連結手段によるベース部分334との連結をレンズ部370が担うと共に、ベース部分334へ引き付けられた区画部材380の全体で基板部材390をベース部分334へ押し付けることができるので、基板部材390への部分的な負荷の集中を抑制できる。その結果、外枠360への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材335のがたつきを抑制できる。
さらに、上述したように、基板部材390には、その下端部分(図103下側部分)にソケット394が形成され、そのソケット394に配線が上方から連結される。よって、配線の張力によりソケット394部分を背面側に引き付けた状態にできる。従って、基板部材390の上端部分に突起334aとの当接位置を中心に前方に傾倒する方向の力を作用させることができる。その結果、外枠360への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材335のがたつきを抑制できる。
次いで、図105及び図106を参照して、演出部331の各部材の係合について説明する。図105(a)は、図100(a)のCVa−CVa線における昇降体330の断面図であり、図105(b)は、図105(a)のCVb−CVb線における昇降体330の断面図である。図106(a)及び図106(b)は、昇降体330の部分拡大断面図である。
なお、図106(a)及び図106(b)は、図105(a)の昇降体330を部分的に拡大した断面図と対応する。また、図106(a)及び図106(b)は、昇降体330の内側の各部材ががたついた状態がそれぞれ図示される。
図105に示すように、外枠360とレンズ部370とは、外枠360の突起363がレンズ部370の係合部372の一対の突起372aの対向間に挿入される。また、レンズ部370と区画部材380とは、レンズ部370の係合部372の一対の突起372aの対向間に区画部材380の鉤状部382の先端が挿入される。
突起363は、外枠360の膨出部362の内側に位置し外枠360の背面側に突出形成される。また、突起363は、背面側(図105(a)右側)に向かって上方(図105(a)上方)に傾斜して形成されると共に、膨出部362の内側から水平方向(図105(b)左右方向)に延設される。
係合部372の突起372aは、立設部371の外周面から水平方向(図105(b)左右方向)に突出して形成され、対向間の上下方向(図105(a)上下方向)の距離寸法が、突起363の上下方向(図105(a)上下方向)の厚み寸法よりも大きく設定される。また、突起372aは、背面側(図105(a)右側)に向かって上方(図105(a)上方)に傾斜して形成されると共に、対向側の側面が水平方向(図105(b)左右方向)に延設して形成される。
外枠360の背面側へのレンズ部370の配置は、外枠360に対して、レンズ部370を背面側の上方から、係合部372の一対の突起372aの対向間に突起363を挿入して行われる。
鉤状部382は、規制板381の外周面から水平方向(図105(b)左右方向)に突出されると共に、正面側(図105(a)左側)に屈曲するL字状に形成される。鉤状部382の屈曲側は、背面側(図105(a)右側)に向かって上方(図105(a)上方)に傾斜して形成される。また、鉤状部382の先端部の上下方向(図105(a)上下方向)の厚み寸法は、係合部372の一対の突起372aの対向間の上下方向の距離寸法よりも小さく設定される。
レンズ部370の背面側への区画部材380の配置は、レンズ部370に対して、区画部材380を背面側の上方から、係合部372の一対の突起372aの対向間に突起382の先端側を挿入して行われる。
レンズ部370の係合部372の一対の突起372aの対向間には、前方側に外枠360の突起363が挿入され、後方側に区画部材380の鉤状部382の先端が挿入される。
正面側(図105(a)左側)から背面側(図105(a)右側)に重畳される外枠360,レンズ部370及び区画部材380の係合をレンズ部370の係合部372により共有することができる。よって、レンズ部370及び外枠360の係合部分とレンズ部370及び区画部材380との係合部分をそれぞれレンズ部370に形成する必要がないので、レンズ部370の形成を簡易にできる。
この場合、図106(a)に示すように、係合部372の一対の突起372a及び鉤状部382の先端が背面側に向かって上方に傾斜して形成されるので、外枠360及びレンズ部370に対して、区画部材380及び基板部材390の上端部が背面側にがたついた場合に、鉤状部382の先端を係合部372の内側に当接させることができる。その結果、外枠360及びレンズ部370に対して、区画部材380及び基板部材390が背面側に所定量以上がたつくことを抑制できる。
図106(b)に示すように、外枠360に対して、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390の上端部が背面側にがたつく際には、係合部372の一対の突起372a及び外枠360の突起363が背面側に向かって上方に径方向に傾斜して形成されるので、突起363の端部を係合部372の内側に当接しやすくできる。その結果、外枠360に対して、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390の上端部が背面側に所定量以上位置がたつくことを抑制できる。
即ち、突起363と係合部372とが係合された状態では、外枠360にベース部分334が重ね合わされる方向視(正面視)において、突起363と係合部372とが少なくとも一部で重なるので、これら突起363と係合部372との重なりを利用して、外枠360にベース部分334が重ね合わされていない領域における介設部材335が、外枠360から離間する方向へ浮き上がることを抑制できる。その結果、介設部材335のがたつきを抑制できる。
また、一対の突起372a及び鉤状部382の先端は、水平方向に延設されるので、区画部材380及び基板部材390の上端部分が背面側にがたついた場合の、係合部372と鉤状部382の先端との当接面積を大きくすることができる。その結果、外枠360及びレンズ部370に対して、区画部材380及び基板部材390が背面側に所定量以上位置がたつくことを抑制しやすくできる。
また、係合状態においてレンズ部370は、区画部材370及び外枠360の保持をするので、基板部材390への部分的な負荷の集中を抑制できる。その結果、外枠360への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材335のがたつきを抑制できる。
即ち、第11実施形態における介設部材335は、一面側にLED391が搭載される基板部材390と、その基板部材390の一面側に配設される区画部材380とを備え、介設部材335を保持する保持手段が介設部材335の区画部材380を保持すると共に、介設部材335の基板部材390が突起334aに当接されるので、外枠360への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材335のがたつきを抑制できる。
さらに、外枠360に形成される突起363と介設部材335に形成される係合部372とを備え、突起363と係合部372との係合により外枠360に対する介設部材335の相対回転を規制することができるので、相対回転を規制できる分、介設部材335のがたつきを抑制できる。
次いで、図107及び図108を参照して、第12実施形態における昇降体330について説明する。上記第11実施形態では、レンズ部370の下側とベース部分334の下側とを締結する場合を説明したが、第12実施形態では、レンズ部370の下側と外枠360の下側との対向間に弾性部材DB1が配設される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図107は、第12実施形態における昇降体330の分解斜視正面図である。図108は、昇降体330の断面図である。なお、図108は、図103の昇降体330の断面図と対応する。
図107に示すように、第12実施形態における昇降体330には、外枠360及びレンズ部370の間に弾性部材DB1が配置される。また、レンズ部370には、立設部371の外縁部下端から下方に突出する突設部12374が形成される。
弾性部材DB1は、弾性変形可能な材料から形成されると共に、正面視矩形の直方体に形成される。弾性部材DB1は、正面側から背面側(図108左右方向)における幅寸法が、突設部12374及び外枠360の膨出部362の対向間よりも大きく設定される。
図108に示すように、弾性部材DB1は、外枠360の膨出部362及びレンズ部370の突設部12374の間に介設される。上述したように、弾性部材DB1は、その正面側から背面側(図108左右方向)における幅寸法が、突設部12374及び外枠360の膨出部362の対向間よりも所定量大きく設定されるので、突設部12374及び膨出部362の対向間に弾性変形された状態で保持される。
これにより、レンズ部370の下端部分(図108下端部分)を背面側(図108右側)に引き込んだ(付勢した)状態にできるので、レンズ部370の背面側に区画部材380を挟んだ状態で配置される基板部材390の下端部分を背面側に引き込んだ(付勢した)状態にできる。
上述したように、ベース部分334の突起334aは、基板部材390の背面に当接する突出長さに設定されており、ベース部分334の上端部に位置される(即ち、突設部12374よりも上方に配置される)。
よって、基板部材390の下端側を背面側に引き込んだ(付勢した)状態とすることで、基板部材390の上端部分に突起334aとの当接位置を中心に前方に傾倒する方向の力を作用させることができる。
これにより、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390の上端側が、外枠360の背面側にがたつくことを抑制できる。その結果、遊技者に外枠370及びレンズ部370の演出を視認させやすくできる。
よって、第12実施形態における昇降体330は、ベース部材310と介設部材335との間に圧縮変形された状態で介設される弾性部材DB1により連結部材(第11実施形態参照)が形成されるので、介設部材335をベース部材310に強固に押し付けることを可能として、介設部材335のがたつきをより確実に抑制できる。
即ち、弾性部材DB1の弾性回復力により介設部材335をベース部分334へ引き付けることができる。よって、ベース部分334の突起334aを支点として、その支点(突起334a)を挟んで引き付け力が作用される側と反対側をベース部材310に押し付けることができる。その結果、介設部材335をベース部材310に強固に押し付けて、介設部材335のがたつきを抑制できる。
また、演出部331の上端部分の背面側(図108右側)にネジを締結する必要がないので、上部昇降ユニット300が正面から背面の方向(図108左右方向)に大きくなることを抑制できる。
なお、第12実施形態では、弾性部材DB1を介設部材335の下方に配置して弾性部材DB1の圧縮変形を利用する場合について説明したが、弾性部材DB1を引っ張り力が作用する状態で、介設部材335の上部に配置しても同様の効果を得ることができる。
次いで、図109及び図110を参照して、第13実施形態における昇降体330について説明する。上記第11実施形態では、レンズ部370の下側とベース部分334の下側とを締結する場合を説明したが、第13実施形態では、レンズ部370の下側と外枠360の下側とが係合される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図109及び図110を参照して、第13実施形態における昇降体330について詳しく説明する。図109は、第13実施形態における昇降体330の分解斜視正面図である。図110は、昇降体330の断面図である。なお、図110は、図103の昇降体330の断面図と対応する。
図109に示すように、第13実施形態における昇降体330のレンズ部370には、立設部371の外縁下端から下方に突出する突設部13374が形成される。また、ベース部分334には、背面側(図110右側)から正面側(図110左側)に鉤状に突出する係合部13334dが形成される。係合部13334dは、ベース部分334の下側から正面側に突出して形成されると共に、先端部分が上方に屈曲する断面L字状に形成される。
図110に示すように、係合部13334dの屈曲部分は、断面視略三角形状に形成されており、その前後(図110左右)の上面が正面側(図110左側)と背面側(図110右側)に向かって下降傾斜して形成される。
係合部13334dと突設部13374とは、昇降体330が組み付けられた状態では、係合部13334dの屈曲部分の背面側の傾斜面13334d1が突出部13374の先端部分と当接した状態とされる。
また、係合部13334dは、基端側の上面の上下方向位置が突設部13374の突出先端位置における上下方向位置と略同一に設定されると共に、屈曲部分までの突出距離が、突設部13374とベース部分334との対向間よりも所定量小さく設定される。
これにより、係合部13334dの基端側を弾性変形させつつ、屈曲側の傾斜面13334d1を突設部13374に係合(当接)させることができる。よって、係合部13334dを弾性変形させて保持するので、その弾性回復力により作用する力を突設部13374を通じてレンズ部370に作用させることができる。
詳しく説明すると、係合部が13334eが弾性変形することで、屈曲部分が下方に変位された状態とされる。よって、傾斜面13334d1と突設部13374とが当接する状態とされるので、傾斜面13334d1が上方に弾性回復しようとする力により、突設部13374の先端部分を背面側に引き込む方向に力を作用させることができる。
これにより、レンズ部370の下端部分を後ろに引き込んだ(引き込む)状態にできるので、レンズ部370の背面側に区画部材380を挟んだ状態で配置される基板部材390の下端部分を背面側に引き込んだ(引き込む)状態にできる。
上述したように、ベース部分334の突起334aは、基板部材390の背面に当接する突出長さに設定されており、ベース部分334の上端部に位置される(即ち、係合部13334eよりも上方に配置される)。
よって、基板部材390の下端側を背面側に引き込んだ(引き込む)状態とすることで、基板部材390の上端部分に突起334aとの当接位置を中心に前方に傾倒する方向の力を作用させることができる。
これにより、レンズ部370、区画部材380及び基板部材390の上端側が、外枠360の背面側にがたつくことを抑制できる。その結果、遊技者に外枠370及びレンズ部370の演出を視認させやすくできる。
よって、第13実施形態における昇降体330は、介設部材335を係止可能に形成されベース部分334に配設される係合部13334dから連結手段が形成され、係合部13334dは、介設部材335を突起334aへ付勢する状態で介設部材335を係止するので、介設部材335をベース部材310に強固に押し付けることを可能として、介設部材335のがたつきをより確実に抑制できる。
即ち、係合部13334dに係止されると介設部材335が突起334aへ付勢されるので、ベース部分334の突起334aを支点として、その支点(突起334a)を挟んで引き付け力が作用される側と反対側をベース部材310に押し付けることができる。その結果、介設部材335をベース部材310に強固に押し付けて、介設部材335のがたつきを抑制できる。
また、昇降体330の組み立て時には、係合部13334dを介設部材335に係止させることで、介設部材335とベース部分334との連結を行うことができ、締結ねじの挿通孔334b1への挿通や螺合などの締結作業を行う必要がないので、その分、工数を抑制でき、組み立て作業の作業性を向上できる。
さらに、演出部331の上端部分の背面側にネジを締結する必要がないので、上部昇降ユニット300が前後方向に大きくなることを抑制できる。
また、第13実施形態では、係合部13334dは、屈曲部分が、断面略三角形状に形成される。これにより、係合部13334dの傾斜面13334d1を突設部13374に係合(当接)させる際に、係合させやすくできる。
詳しく説明すると、外枠360(基板部材390)の背面側に、ベース部分334を配設する際に、係合部13334dの屈曲先端側の傾斜面13334d1に突設部13374の端部を当接させることで、係合部13334dの基端側を弾性変形させつつ、係合部13334dの屈曲部分を突設部13374の正面側に位置させることができる。
よって、係合部13334dと突設部13374との係合を、外枠360(基板部材390)の背面側に、ベース部分334を配設する動作と一緒に行うことができるので、その係合を簡易に行うことができる。
次いで、図111を参照して、第14実施形態の昇降体330について説明する。上記第11実施形態では、外枠360とレンズ部370とは、突起363及び係合部372のみで係合される場合を説明したが、第14実施形態では、外枠360の下端部分(図111下側部分)とレンズ部370の下端部分(図111下側部分)とが係合される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図111は、第14実施形態における昇降体330の断面図である。なお、図111は、図103の昇降体330の断面図と対応する。
図109に示すように、第14実施形態における昇降体330の外枠360には、膨出部362の下方側(図111下側)から背面側(図111右側)に突出する係合部14362aが形成される。係合部14362aは、背面側に突出して形成され、その先端部に上方(図111上方)に屈曲して立設する立設部14362a1を備える断面L字状に形成される。
また、レンズ部370の下端部外縁には、径方向外側(下方側)に突出する凸部14375が形成される。凸部14375は、正面側(図111左側)から背面側(図11右側)における幅寸法が膨出部362と立設部14362a1との対向間の距離寸法よりも小さく設定される。
よって、外枠360の背面側にレンズ部370を配設する際に、膨出部362と立設部14362a1との対向間にレンズ部370の凸部14375を挿入できる。これにより、レンズ部370の下端側が背面側にがたつく場合には、凸部14375の背面側を立設部14362a1と当接させることができる。その結果、外枠360に対して、レンズ部370の下端側(図111下側部分)が背面側(図111右側)に位置ずれすることを抑制できる。
ここで、上述した第11実施形態では、レンズ部370の下端側を係合する手段がないので、レンズ部370の下端側が背面側に引き込まれて、外枠360に対してレンズ部370の下端側が背面側にがたつく恐れがあった。
これに対し、第14実施形態では、外枠360とレンズ部370とが下端側(図111下側部分)で係合(保持)されるので、外枠360に対してレンズ部370の下端側が背面側にがたつくことを抑制できる。
昇降体330は、外枠360に形成されると共に介設部材335を保持する保持手段(係合部14362a1及び凸部14375)を備え、保持手段は、突起334aに当接される位置よりもベース部分334に連結される側の位置で介設部材335を保持するので、連結手段の作用により介設部材335がベース部分334へ引き付けられた際に、外枠360にベース部分334が重ね合わされていない側と反対側において、外枠360と介設部材335との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、昇降体330の外観の向上を図ることができる。
次いで、図112から図116を参照して、第15実施形態における上部昇降ユニット15300について説明する。上記第1実施形態では、ベース部材310の長手方向(図13左右方向)に4つ並設される昇降体330への駆動力の伝達が、ベース部材310の長手方向(図13左右方向)中央内側から伝達される場合を説明したが、第15実施形態では、ベース部材310の長手方向(図112左右方向)に4つ並設される昇降体330への駆動力の伝達がベース部材310の長手方向(図112左右方向)外側から伝達される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図112及び図113を参照して、第15実施形態における上部昇降ユニット15300について説明する。図112は、第15実施形態における上部昇降ユニット15300の背面図である。図113(a)及び図113(b)は、図112の範囲CXIIIにおける上部昇降ユニット15300の背面図である。
なお、図112及び図113では、背面カバー320及び駆動モータ341が取り外された状態が図示される。また、図112及び図113(a)では、ベース部材310の長手方向(図112左右方向)に4つ並設される昇降体330が全て下降位置に位置された状態が図示される。さらに、図113(b)では、昇降体330が下降位置から所定量上方に変位された状態が図示される。
図112に示すように、第15実施形態における昇降体330は、各ラック332の歯面が、ベース部材310の長手方向(図112左右方向)中央部を中心に左右外側に形成され、第2ギア15352が歯合される。
この場合、図113に示すように、昇降体330を、下降位置(図113(a)に示す位置)から第2ギア15352を回転駆動させて、所定量上方(図113(b)に示す位置)に変位されると、駆動初期の慣性力により昇降体330に配置される演出部331がベース部材310の長手方向(図112左右方向)に傾きつつ上方に変位される。
詳しく説明すると、昇降体330は、ラック332(ラック)と第2ギア15352(ピニオン)により変位可能に構成される。そのため、第2ギア15352が回転され、ラック332が駆動されると、ラック332の変位方向側に第2ギア15352から離間する方向の力が作用する。従って、ラック332の変位方向と反対側に配置される演出部331がベース部材310の長手方向(図112左右方向)に傾きつつ上方に変位される。
ここで、第15実施形態では、上部昇降ユニット15300に配設される昇降体330(演出部331)の中央2つが、正面側から背面側の方向(図113(a)紙面奥側から紙面手前側の方向)に同一の位置に配置されると共に、ベース部材310の長手方向(図113(a)左右方向)に並設されるので、駆動初期の慣性力により演出部331がベース部材310の長手方向(図113(b)左右方向)に傾いて一方の演出部331が、他方の演出部331に衝突する恐れがある。
これに対し、第15実施形態では、各ラック332の歯面が、ベース部材310の長手方向(図113(a)左右方向)外側の位置に形成され、第2ギア15352の伝達ギア352が歯合される。
よって、図113(b)に示すように、ベース部材310の長手方向他側(図113(b)右側)にラック332の歯面が形成される昇降体330は、第2ギア15352が回転されると、ベース部材310の短手方向一端(図113(b)上端)部分のラック332をベース部材310の長手方向一側(図113(b)左側)に押し出す。これにより、ベース部材310の短手方向他端(図113(b)下端)のラック332をベース部材310の長手方向他側(図113(b)右側)に傾ける。よって、演出部331をベース部材310の長手方向他側(図113(b)右側)に変位させることができる。
一方、ベース部材310の長手方向一側(図113(b)左側)にラック332の歯面が形成される昇降体330は、第2ギア15342が回転されると、ベース部材310の短手方向一側(図113(b)上端)部分のラック332をベース部材310の長手方向他側(図113(b)右側)に押し出す。これにより、ベース部分の短手方向他側(図113(b)下端)のラック332をベース部材310の長手方向一側(図113(b)左側)に傾ける。よって、演出部331をベース部材310の長手方向一側(図113(b)左側)に変位させることができる。
よって、昇降体330が下端位置(図113(a)に示す位置)に位置する状態から、第2ギア352が回転されラック332が駆動される(昇降体330が上方に変位される)と、左右に並設される昇降体330の演出部331を互いに離間する方向X1(図113(b)参照)へ変位させることができる。
その結果、上部昇降ユニット15300に配設される昇降体330の中央2つの演出部331が、下降位置から変位された際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図114を参照して、第2ギア15352について説明する。図114(a)は、第2ギア15352の正面図であり、図114(b)は、第2ギア15352の側面図である。
図114に示すように、第2ギア15352は、正面側(図114(b)左側)と背面側(図114(b)右側)とで歯形の異なる2層のギアから構成され、ドーナツ板形状に構成される中間板15353と、その中間板15353の正面側に形成され歯形が一部異形とされる異形ギア部354と、中間板15353の背面側に平歯車形状に形成されるラック332(図15参照)と歯合される伝達ギア部355と、を備える。
中間板15353は、異形ギア部354及び伝達ギア部355のギア歯の先端よりも径方向外側まで張り出して形成される。そのため、第2ギア15352は、異形ギア部354及び伝達ギア部355と歯合される相手部材(第1ギア351又はラック332(図15参照))と歯面に平行な方向で中間板15353に重なることで中間板15353に当接可能とされる(図17参照)。よって、その相手部材(第1ギア351又はラック332(図15参照))が昇降体330の昇降動作時に歯面と平行な方向へ移動することを抑制することができる。
また、中間板15353は、その外縁部の一部から径方向外側に膨出する膨出部15353aが形成される。膨出部15353aは、正面視半円弧状に膨出して形成されると共に、中間板15353の中央側と同じ板厚で形成される。なお、膨出部15353aの第2ギア15352の回転中心からの距離寸法R1についての詳しい説明は後述する。
膨出部15353aは、中間板15353の一部から径方向外側に膨出して形成されるので、昇降体330が組み立てられた状態で、ラック332の側面に当接可能とされる。従って、膨出部15353aと被当接部332bとの間の距離が最少となる(膨出先端)部分は、後述する演出部331(ラック332)が慣性力の影響を受けやすい位置に設定される。そのため、ラック332のがたつきが発生しやすい。従って、膨出部15353aがラック332の側面に当接可能に形成されることが特に有効となる。
次いで、図115及び図116を参照して、昇降体330が上昇位置から下方に変位される場合の説明をする。図115(a)及び図116(a)は、昇降体330及び伝達装置350の正面図であり、図115(b)は、図115(a)の範囲CXVbにおける昇降体330及び伝達装置350の正面図であり、図116(b)は、図116(a)の範囲CXVIbにおける昇降体330及び伝達装置350の正面図である。
なお、図115(a)及び図115(b)では、昇降体330が上昇位置に配置された状態が、図116(a)及び図116(b)では、昇降体330が上昇位置(図115(a)に示す位置)から所定量下方に変位された状態が図示される。また、図115(b)及び図116(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
ラック332には、正面(図115(a)紙面手前)から膨出する膨出部15353aが形成される。膨出部15353aは、正面視において、ラック332の外形よりも所定量小さい外形に形成される。また、膨出部15353aは、昇降体330に組み付けられた状体において、第2ギア15352の中間板15353よりも正面側(図115(a))紙面手前側)に突出する位置に設定される。
第2ギア15352は、伝達ギア部355(図114(b)参照)が中間板15353の背面側(図115(b)紙面奥側)でラック332と歯合される。第2ギア15352は、異形ギア部354が中間板15353の正面側(図115(b)紙面手前側)で第1ギア351と歯合される。
また、第2ギア15352は、周方向に半周分回転可能に設定される。第2ギア15352を半周分回転させることで、昇降体330を上昇位置(図115(a)に示す位置)及び下降位置(図115(b)に示す位置)に変位可能とされる。
図115に示すように、昇降体330が上昇位置に配置された状態(図115(a)に示す状態)では、第2ギア15352の膨出部15353aの張出先端部分が、第2ギア15352の回転軸よりも重力方向(a想線KJ1方向)上側に位置される。また、第2ギア15352の膨出部15353aの張出先端部分は、水平方向(図115(b)左右方向)において、ラック332の被当接部332b及び第2ギヤ15352の間に位置される。
第2ギア15352は、昇降体330を下降変位させる際に、正面視において反時計回り(左周り)に回転される。よって、膨出部15353aの先端部分は、駆動初期において、重力方向(仮想線KJ1方向)下方向に変位されると共に、水平方向(図115(b)左右方向)にラック332の被当接部332b側に近づく方向に変位される。
また、第2ギア15352の膨出部15353a及びラック332の被当接部332bは、昇降体330のスライド方向(図115(a)上下方向)及び正面から背面に向かう方向(図115(a)紙面手前側から紙面奥側へ向かう方向)と直交する方向(水平方向(図115(b)左右方向))の対向間に所定の隙間R3を備える。
即ち、昇降体330が上昇位置に配置された状態では、膨出部15353aの第2ギア15352の回転中心から被当接部332b側の端部までの距離が、ラック332の被当接部332bの一側側面(図115(a)右側側面)から第2ギア15352の回転中心までの距離R2よりも小さく設定される。よって、昇降体330を上昇位置から下方(図115(a)下方)に変位させる場合には、隙間R3が形成されることで、ラック332の始動をスムーズにすることができる。
ここで、上部昇降ユニット15300(図112参照)は、各ラック332の歯面が、ベース部材310の長手方向(図112左右方向)外側の位置に形成され、第2ギア15352の伝達ギア352が歯合される。よって、昇降体330を上昇位置に配置した状態(図115(a)に示す状態)から、昇降体330を下降変位させる場合には、駆動の慣性力により昇降体330が、ラック332の長手方向(図115(a)上下方向)を重力方向と平行にした状態から傾倒される。この傾倒により、ベース部材310(図112参照)の長手方向(図112左右方向)に並設される複数の昇降体330が隣の昇降体330に衝突する恐れがある。
これに対し、第15実施形態では、第2ギア15352に膨出部15353aが形成されるので、昇降体330を上昇位置に配置した状態から昇降体330を下方に変位させた際の慣性力による演出部331の左右方向への変位(ラック332の傾き)を抑制できる。
詳しく説明すると、図116に示すように、昇降体330が上昇位置に位置された状態(図115(a)に示す状態)から、第2ギア15352が回転され昇降体330が下方へ変位されると、第2ギア15352によりラック332の変位方向側(図116(a)下側)の端部が第2ギア15352から離間する方向に押し出される。
これにより、ラック332の変位方向側(図116(a)下側)に配設される演出部331が方向X2(図116(a)参照)に変位する。上述したように、ラック332は、スライド軸332aが背面カバー320の案内孔323に挿入される(図15参照)。そのため、演出部331が方向X2に変位した際に、スライド軸332aの側面が案内孔323の内壁と当接する。これにより、ラック332の上端側が、スライド軸332aと案内孔323との当接部分を中心に方向X2と反対方向の方向X3(図116(a)参照)の方向に回転変位される。
演出部331が方向X2の方向に変位して、ラック332が重力方向(仮想線KJ1)に対して仮想線KJ2の方向に傾いた場合には、ラック332の被当接部332bの一側(図116(右側))の側面を膨出部15353aの外縁部に当接させることができる。よって、演出部331が方向X2の方向に変位することを規制することができる。その結果、昇降体330を上昇位置に配置した状態から下方に変位させた際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制することができる。
従って、第15実施形態における上部昇降ユニット15300は、昇降体330が、上昇位置に配置された状態から下方(図116(a)下方)に変位された場合に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
膨出部15353aは、中間板15353の外周面から部分的に膨出して形成されるので、昇降体330が上昇位置から所定量以上下降に変位された場合には、中間板15353とラック332の被当接部332bの側面との隙間を大きくできるので、ラック332の変位をスムーズにできる。
即ち、ラック332の変位の規制を、その始動時の慣性力により変位し易い領域のみに限定することができるので、左右方向への慣性力が作用しない区間では、その規制を解除して、ラック332の変位をスムーズにできる。
第2ギア15352は、周方向に半周分回転可能に設定され、膨出部15353aは、中間板15353の外周面から部分的に膨出して形成されるので、ラック332の直線変位の位置(第2ギヤ15352の回転量)に応じて、膨出部15353aの外周面と被当接部332bの一側(図115(b)右側)との間の距離が異なる状態とできる。よって、例えば、演出部331の変位(ピニオンの回転)を開始する位置や演出部331の変位速度(ピニオンの回転速度)を変化させる位置(即ち、演出部331(ラック332)が慣性力の影響を受けやすい位置)では、膨出部15353aを被当接部332bに当接させて、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制できる一方、例えば、演出部331の変位(ピニオンの回転)が定常状態となる位置では、案内部材(スライド軸332a及び案内孔323)による直線変位の方向と直交する方向へのラック332の変位の許容量を確保して、寸法公差や組立公差を許容しやすくすることで、駆動手段の負荷を抑制すると共に、ラック332の直線変位を安定化できる。即ち、演出部331どうしの衝突の防止と、案内部材(スライド軸332a及び案内孔323)に対するラック332のがたつきの確保とを両立できる。
演出部331の水平方向(図116(a)左右方向)への変位の規制を演出部331を変位させる第2ギヤ15352の一部(中間板15353)に形成することができるので、演出部331の左右方向への変位を規制する部品を新たに配置する必要がないので、製造コストを抑えることができる。
ここで、駆動力を発生する駆動手段(駆動装置340)と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材(演出部331)とを有する変位ユニット(昇降体330)を一対備え、一対の変位ユニットが変位部材の変位軌跡を隣り合わせて配設された遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、両変位部材を並設させつつ同方向へ変位させる演出や、一方の変位部材のみを変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から駆動力を受けて変位を開始する際に、慣性力の影響により変位部材が隣接する変位部材に近接する方向へ変位して、変位部材どうしが衝突する恐れがあるという問題点があった。変位部材の衝突を回避するために、変位ユニットどうしの間隔を大きくした場合には、配設スペースが嵩むだけでなく、例えば、両変位部材を並設させつつ同方向へ変位させる際の一体感を形成することができない。
これに対し、第15実施形態によれば、駆動手段(駆動装置340)の駆動力により変位される際の慣性力により演出部331が隣接する演出部331に近接することを抑制する抑制手段(第2ギヤ15352の膨出部15353a)を備えるので、演出部331どうしの衝突を抑制することができる。その結果、昇降体330どうしの間隔を小さくできるので、配設スペースを抑制できると共に、例えば、両演出部331を並設させつつ同方向へ変位させる際の一体感を形成することができる。
また、駆動装置340の駆動力により回転される第2ギア15352と、その第2ギア15352が歯合されると共に演出部331が配設されるラック332とを備えることで、演出部331を直線変位させることができる。即ち、演出部331の変位軌跡を平行に隣り合わせることができる。よって、隣り合う演出部331の変位に一体感を形成しやすくできる。
この場合、各部品の寸法公差や組み付け公差を考慮して、案内部材(スライド軸332a及び案内孔323)は、ラック332の直線変位を、前記直線変位の方向と直交する方向への変位を許容した状態で案内する必要がある。
しかしながら、直性変位の方向と直交する方向への変位が許容されていると、第2ギア15352が回転され、ラック332の直線変位が開始される際に、慣性力の影響によりラック332に回転力が発生する結果、直線変位の方向と直交する方向へ演出部331が変位される。そのため、演出部331が隣接する演出部331に近接して衝突する恐れがある。
これに対し、第15実施形態によれば、上述した抑制手段(第2ギヤ15352の膨出部15353a)が、直線変位の方向と直交する方向へのラック332の変位を規制することで、演出部331が隣接する演出部331に近接することを抑制するので、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制することができる。
即ち、抑制手段が、第2ギヤ15352から径方向外方に張り出して形成される膨出部15353aと、その膨出部15353aが当接可能にラック332に形成される被当接部332bとを備え、膨出部15353aが被当接部332bに当接されることで、直線変位の方向と直交する方向へのラック332の変位を規制するので、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制することができる。
また、上述したように、一対の昇降体330が第2ギヤ352の伝達ギア部20355及びラック332の歯合面を互いに反対側へ向ける姿勢で配設されるので、慣性力の影響によって演出部331が直線変位の方向(図116(a)上下方向)と直交する方向(図116(a)左右方向)へ変位される方向を、一対の昇降体330において互いに逆方向とできる。
即ち、ラック332が一方向(図116(a)下方向)へ直線変位される場合には演出部331どうしが近接される一方、ラック332が他方向(図116(b)上方向)へ直線変位される場合には演出部331どうしが離間される。よって、抑制手段は、ラック332が一方向(図116(a)下方向)へ直線変位される場合のみに対応できれば良く、ラック332が一方向(図116(a)下方向)へ直線変位される場合と他方向(図116(b)上方向)へ直線変位される場合との両方に対応することを不要とできるので、その分、抑制手段の構造を簡素化できる。
次いで、図117を参照して、第16実施形態における第2ギヤ16352について説明する。上記第15実施形態では、ラック332の被当接部332bに第2ギア15352の膨出部15353aが当接されて、演出部331の水平方向(図116(a)左右方向)の変位(ラック332の傾倒)を抑制する場合を説明したが、第16実施形態では、ラック332の案内溝16332bに突起16353bが挿入されて、演出部331の水平方向(図117(a)左右方向)の変位(ラック332の傾倒)を抑制する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図117(a)及び図117(b)は、第16実施形態における昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図117(a)は、図115(b)の、図117(b)は、図116(b)の昇降体330及び伝達装置350の正面図に対応する。また、図117(a)及び図117(b)では、ラック332に形成される案内溝16332b及び突起16353bが破線で図示される。また、図117(a)及び図117(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
図117(a)に示すように、第16実施形態における第2ギア16352は、正面側(図117(a)紙面手前側)と背面側(図117(a)紙面奥側)とで歯形の異なる2層のギアから構成され、ドーナツ板形状に構成される中間板16353と、その中間板16353の正面側に形成され歯形が一部異形とされる異形ギア部354と、中間板16353の背面側に平歯車形状に形成されラック332(図15参照)と歯合される伝達ギア部355と、を備える。
中間板16353は、異形ギア部354及び伝達ギア部355のギア歯の先端よりも径方向外側まで張り出して形成される。そのため、第2ギヤ16353の異形ギア部354及び伝達ギア部355と歯合される相手部材(第1ギア351又はラック332(図15参照))は、歯面に平行な方向で中間板15353に重なることで中間板15353に当接可能とされる(図17参照)。よって、その相手部材(第1ギア351又はラック332(図15参照))が昇降体330の昇降動作時に歯面と平行な方向へ移動することを抑制することができる。
また、中間板16353は、その外縁部の一部から径方向外側に膨出する膨出部16353aが形成される。膨出部16353aは、正面視半円弧状に膨出して形成されると共に、中間板16353の中央側と同じ厚みで形成される。
膨出部16353aには、ラック332と対向する側面(図117(a)紙面奥側)から突出する円柱形状の突起16353bが形成される。即ち、突起16353bは、ラック332側に突出形成される。また、突起16353bは、その突出寸法が、後述するラック332の案内溝16332bの凹設(深さ)寸法よりも小さく設定される。
ラック332には、第2ギア16352の膨出部16353aの側面(図117(a)紙面奥側)と対向する側面(図117(a)紙面手前側)に凹設される案内溝16332bが形成される。
案内溝16332bは、ラック332の厚み寸法の半分以下の深さ寸法で形成されると共に、正面視円弧状に凹設される。また、案内溝16332bは、その内側の壁部の対向寸法が突起16353bの外径よりも大きく設定される。
また、案内溝16332bは、第2ギア16352の突起16353bの変位軌跡上に凹設形成される。これにより、第2ギア16352が回転して突起16353bが、ラック332と前後方向に重なる位置に変位されると、突起16353bを案内溝16332bの内部に挿入することができる。
従って、昇降体330が、上昇位置に配置された状態では、案内溝16332bの内側に突起16353bを挿入した状態で配設される。
よって、昇降体330が上昇位置に配置された状態において、例えばパチンコ機10が水平方向(図1左右方向)に変位して、演出部331が水平方向(図117(b)左右方向)に変位した場合に、突起16353bの外周面を案内溝16332bの内壁と当接させることができる。従って、演出部331が水平方向(図117(b)水平方向)に変位する(ラック332が傾倒する)ことを抑制できる。その結果、演出部331が水平方向(図117(b)水平方向)に変位して一方の演出部331が、他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図117(b)に示すように、昇降体330が上昇位置から下方に変位された際には、演出部331が水平方向(図117(b)水平方向)に変位することに起因する、ラック332の上端部の左右の変位を、突起16353bの外周面が案内溝16332bの内壁と当接することで抑制できる。その結果、昇降体330を変位した際の慣性力により、一方の演出部331が、他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
なお、第16実施形態では、膨出部16353aの外周面とラック332の被当接部332bの一面(図117(b)右側)側との間の所定の隙間R3が、案内溝16332bの内壁と突起16353bとの隙間寸法よりも大きい値に設定されることが好ましい。即ち、第16実施形態における膨出部16353aは、第15実施形態における膨出部15353aよりも小さく設定される。
次いで、図118を参照して第17実施形態について説明する。上記第15実施形態では、ラック332の被当接部332bに第2ギア15352の膨出部15353aが当接されて、演出部331の水平方向(図116(b)左右方向)の変位(ラック332の傾倒)を抑制する場合を説明したが、第17実施形態では、ラック332と背面カバー320とを当接させて演出部331の左右方向の変位(ラック332の傾倒)を抑制する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図118(a)及び図118(b)は、第17実施形態における昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図118(a)は、図115(b)の、図118(b)は、図116(b)の昇降体330及び伝達装置350の正面図に対応する。また、図118(a)及び図118(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
図118に示すように、第17実施形態におけるラック332には、第2ギア352の伝達ギア部355に歯合するラック歯面と反対側(図118(a)左側)の側面から膨出する当接部17332cが形成される。
また、箱形状に形成される背面カバー320には、昇降体330が上昇位置に配置される状態において、当接部17332cと対向する位置からラック332側(図118(a)右側)に突出する規制部17325が形成される。
当接部17332cと規制部17325とは、昇降体330が上昇位置に配置される状態では、対向する方向(図118(a)左右方向)に所定の隙間R4(図118(a)参照)が形成される。また、当接部17332cは、規制部17325よりもラック332の延設方向(図118上下方向)に長く形成される。昇降体330が上昇位置に配置される状態では、当接部17332cの下端(図118(a)下端)部分が規制部17325と当接する状態とされる。
一方、図118(b)に示すように、昇降体330が上昇位置から下降に変位されると、昇降体330は背面カバー320に対して下方(図118(b)下方)に変位されるので、当接部17332cが下方(図118(b)下方)に変位される。
上述したように、当接部17332cは、規制部17325よりも上下方向に延設される共に、昇降体330が上昇位置に配置される状態において、その下端側と規制部17325とが対向する状態とされるので、上昇位置から下方に昇降体330を始動し始めにおいて、当接部17332cと規制部17325とが水平方向(図118(b)左右方向に)対向する状態とすることができる。
この場合、昇降体330が上昇位置から下方に変位される際の慣性力により、演出部331が水平方向(図118(b)左右方向)に変位(ラック332が傾倒)され、ラック332の当接部17332cが隙間R4の値以上変位されると、当接部17332cを規制部17325に当接させることができる。
これにより、演出部331が始動時に所定の値以上左右に変位することを抑制できる。その結果、昇降体330を変位した際の慣性力により、一方の演出部331が、他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図119を参照して、第18実施形態について説明する。上記第15実施形態では、ラック332の被当接部332bに第2ギア15352の膨出部15353aが当接されて、演出部331の水平方向(図116(a)左右方向)の変位(ラック332の傾倒)を抑制する場合を説明したが、第18実施形態では、ラック332と背面カバー320に配設される磁石の反発力により演出部331の水平方向(図119(a)左右方向)への変位(ラック332の傾倒)を抑制する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図119(a)及び図119(b)は、第18実施形態における昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図119(a)は、図115(b)の、図119(b)は、図116(b)の昇降体330及び伝達装置350の正面図に対応する。また、図119(a)及び図119(b)では、埋設される第1磁石18332d及び第2磁石18326の外径が破線で図示される。また、図119(a)及び図119(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
図119に示すように、第18実施形態におけるラック332には、第2ギア352の伝達ギア部355に歯合するラック歯面と反対側(図119(a)左側)の端部の内部に第1磁石18332dが埋設される。
また、箱形状に形成されるケース部材210(図14参照)には、昇降体330が上昇位置に配置される状態において、ラック332の第1磁石18332dが埋設された側面側(図119(a)左側)と対向する位置に埋設される第2磁石18326を備える。
第1磁石18332d及び第2磁石18326は、磁性を備える磁性体であり、両者が離間(反発)する状態で配置される。
第1磁石18332d及び第2磁石18326は、昇降体330が上昇位置に配置された状態において、その一部が水平方向(図119(a)左右方向)に重なる状態とされると共に、ラック332に埋設される第1磁石18332dが、第2磁石18326よりも上方に配置された状態とされる。
一方、図119(b)に示すように、昇降体330が上昇位置(図119(a)に示す位置)から下降に変位されると、昇降体330は背面カバー320に対して下側に変位されるので、第1磁石18332dが下方に変位される。
上述したように、第1磁石18332dは、昇降体330が上昇位置に配置された状態において第2磁石18326よりも上方に配置されるので、昇降体330が、上昇位置から下方に始動し始めた際に、第1磁石18332dと第2磁石18326とを水平方向(図119(a)左右方向)に重なる状態にすることができる。
この場合、第1磁石18332dと第2磁石18326とが反発することにより、昇降体330が上昇位置から下方に変位される際の慣性力で演出部331が水平方向左側(図119(b)左側)に変位することを抑制できる。即ち、第1磁石18332dと第2磁石18326の反発力を昇降体330が下方に変位する際に演出部331が変位する方向と反対方向に作用させることができる。
これにより、演出部331が始動時に水平方向(図119(b)左右方向)に変位することを抑制できる。その結果、昇降体330を変位した際の慣性力により、一方の演出部331が、他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図120を参照して、第19実施形態について説明する。上記第15実施形態では、ラック332の歯面が直線状に形成される場合を説明したが、第19実施形態では、ラック332の歯面が一部傾斜して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図120(a)及び図120(b)は、第19実施形態における昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図120(a)及び図120(b)では、第2ギヤ352の中間板353及び異形ギア部354が取り外された状態が図示される。また、図120(a)及び図120(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
図120に示すように、第19実施形態におけるラック332の第2ギア352の伝達ギア部355に歯合する歯面は、ラック332の延設方向と平行に形成される第1歯面19332eとラック332の延設方向と傾斜(非平行)して形成される第2歯面19332fとを備えて形成される。
第1歯面19332eは、ラック332の上端部分の第1領域L1の区間に形成されており、第1歯面19332eに伝達ギア部355が歯合される状態では、ラック332をラック332の延設方向(上下方向)に変位させることができる。
第2歯面19332fは、ラック332の下端部分の第2領域L2の区間に形成されており、第1歯面19332eから離間するにつれて、第2ギア352側に近接する方向に傾斜する態様に形成される。第2歯面19332fに伝達ギア部355が歯合される際には、ラック332を第2歯面19332fの延設方向に変位させる。即ち、ラック332の上端(図120(a)上端)部分を水平方向左側(図120(a)左側)に、ラック332の下端(図120(a)下端)部分を水平方向右側(図120(a)右側)にそれぞれ偏倚させることができる。
図120に示すように、昇降体330が上昇位置に配置される状態では、第2ギア352が第2歯面19332fと歯合した状態とされる。よって、第2歯面19332fが、第2ギヤ353側に傾斜する分、ラック332の上端部分を水平方向左側(図120(a)左側)に押し出して、ラック332の延設方向を仮想線KJ1と非平行に傾斜させた状態とすることができる。
この場合、昇降体330を上昇位置から下方に変位させると、昇降体330を下方に変位させつつ、ラック332の上端端部を水平方向右側(図120(b)右側)に変位させることができる。
また、第2領域L2の区間長さは、昇降体330を駆動させた際の駆動初期の慣性力により演出部331が水平方向(図120(b)左右方向)に変位する区間(ラック332が第2ギア352から水平方向左側(図120(b)左右方向)に押し出されるラック332の延設方向(図120(b)上下方向)の区画)よりも長く設定される。
上述したように、ラック332の背面側には、円柱状に突出するスライド軸332aが突出形成される(図15参照)。スライド軸332aは、背面カバー320に形成される案内孔323に挿入される。これにより、ラック332の延設方向(仮想線KJ2)を、仮想線KJ1に対して傾倒させることができる。
昇降体330を上昇位置に配置した状態では、第2領域L2が第2ギア352の伝達ギア部355に水平方向左側(図120(a)左側)押し出されることで、ラック332が、スライド軸332aを中心に回転されて、ラック332の上端部(図120(a)上端部)が第2ギア352から離間する方向(図120(a)左方向)に変位される。
ここで、上述したように昇降体330が上昇位置から下方に変位される際には、その慣性力により演出部331が水平方向右側(図120(b)右側)に変位する。そのため、隣接される昇降体330の一方の演出部331が他方の演出部331に衝突する恐れがある。
これに対し、第19実施形態では、第2歯面19332fが傾斜して形成されると共に、その第2区間L2が慣性力により演出部331が水平方向右側(図120(b)右側)に変位する区間(ラック332が第2ギア352から水平方向左側(図120(b)左右方向)に押し出されるラック332の延設方向(図120(b)上下方向)の区画)よりも長く設定されるので、昇降体330を駆動させた際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
言い変えると、昇降体330は、駆動された際の慣性力により変位する方向(図120(a)右方向)と反対方向(図120(a)左方向)に偏倚された状態とされるので、昇降体330が下降する方向(図120(a)下方向)に駆動された場合に、演出部331が水平方向に変位する範囲を狭めることができる。その結果、昇降体330を変位させた場合に、一方の演出部331が隣接する他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
第19実施形態では、ラック332の歯面が傾斜歯面(第2歯面19332f)を備え、傾斜歯面(第2歯面19332f)に第2ギヤ352を歯合させることで、案内部材による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラック332と離間する方向へラック332を偏倚させることができる。
即ち、ラック332を隣接するラック332から事前に離間させておけるので、慣性力の影響により、ラック332が隣接するラック332へ近接する場合であっても、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制できる。
また、傾斜歯面(第2歯面19332f)に第2ギヤ352が歯合された状態から第2ギア352が回転されることで、平行歯面(第1歯面19332e)に第2ギヤ352が歯合された場合と比較して、ラック332の直線変位が開始される際に、慣性力の影響により発生するラック332の慣性力を抑制できる。即ち、ラック332が、第2ギア352の駆動により、押し出される方向を、ラック332の駆動方向(図120(a)上下方向)と平行な方向にすることができる。よって、ラック332が第2ギア352の駆動により駆動された場合には、第2ギア352の駆動による慣性力が水平方向(図120(a)水平方向)に作用することを抑制できるので、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図121を参照して、第20実施形態について説明する。上記第15実施形態では、第2ギヤ352の伝達ギア部355が円形に形成される場合を説明したが、第20実施形態では、第2ギヤ352の伝達ギア部355が楕円形状に形成される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図121(a)及び図121(b)は、第20実施形態における昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図121(a)及び図121(b)では、第2ギヤ352の中間板353及び異形ギア部354が取り外された状態が図示される。また、図121(a)及び図121(b)では、昇降体330が模式的に図示されると共に、案内孔323及びスライド軸332aの外形が破線で図示される。さらに、図121(a)及び図121(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
図121に示すように、第20実施形態における第2ギヤ352の伝達ギア部20355は、正面視において楕円形状に形成される。言い変えると、伝達ギア部20355は、回転軸から外縁までの距離が長い第1回転領域20355aと、回転軸から外縁までの距離が短い第2回転領域20355bとを備えて形成される。
第1回転領域20355aは、伝達ギア部20355(第2ギア352)の回転軸からその外縁部までの距離が、ラック332の延設方向を垂直方向と平行に配置した状態のラック332の端面から伝達ギア部20355(第2ギア352)の回転軸までの距離よりも長く設定される。
第2回転領域20355bは、伝達ギア部20355(第2ギア352)の回転軸からその外縁部までの距離が、ラック332の延設方向を垂直方向と平行に配置した状態のラック332の端面から伝達ギア部20355(第2ギア352)の回転軸までの距離と略同一とされる。
上述したように、ラック332の背面側には、円柱状に突出するスライド軸332aが突出形成される(図15参照)。スライド軸332aは、背面カバー320に形成される案内孔323に挿入される。これにより、ラック332の延設方向(仮想線KJ2)を、仮想線KJ1に対して傾倒させることができる。
よって、第1回転領域20355aの外縁部がラック332の歯面と歯合されると、ラック332が、第1回転領域20355aの外縁部により押し出されてスライド軸332aを中心に回転され、ラック332が傾倒された状態とされる(図121(a)に示す昇降体330では、ラック332の上端部が左側に変位される)。一方、第1回転領域20355aの外縁部がラック332の歯面と歯合されると、ラック332の延設方向を重力方向と平行な状態にできる。
また、第1回転領域20355aは、昇降体330が上昇位置に配置された状態の際にラック332の歯面と歯合される。さらに、第1回転領域20355aとラック332の歯面とが歯合する範囲は、昇降体330を駆動させた際の駆動初期の慣性力により演出部331が水平方向(図121(b)左右方向)に変位する区間(ラック332が第2ギア352から水平方向左側(図121(b)左右方向)に押し出されるラック332の延設方向(図121(b)上下方向)の区画)よりも長く設定される。
ここで、上述したように昇降体330が上昇位置から下方に変位される際には、その慣性力により演出部331が水平方向右側(図121(b)右側)に変位する。そのため、並設される昇降体330の一方の演出部331が他方の演出部331に衝突する恐れがある。
これに対し、第20実施形態では、伝達ギア部20355が、第2回転領域20355bを備えて形成されると共に、その第2回転領域20355bとラック332が歯合する範囲が、昇降体330を駆動させた際の駆動初期の慣性力により演出部331が水平方向右側(図121(b)右側)に変位する区間よりも長く設定されるので、昇降体330を駆動させた際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
言い変えると、昇降体330は、駆動された際の慣性力により変位する方向と反対方向に変位された状態とされるので、昇降体330が駆動された際に、水平方向(図122(左右方向))へ変位する範囲を狭めることができる。その結果、昇降体330を変位させた際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
よって、第20実施形態では、上述した抑制手段は、案内部材(スライド軸332a及び案内孔323)による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラック332と離間する方向へラック332を偏倚させることで、演出部331が隣接する演出部331に近接することを抑制するので、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制することができる。
詳しく説明すると、第20実施形態では、第2ギヤ352の伝達ギア部20355の歯面が大径歯面(第1回転領域20355a)を備え、大径歯面(第1回転領域20355a)をラック332に歯合させることで、案内部材による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラック332と離間する方向へラック332を偏倚させることができる。
即ち、ラック332を隣接するラック332から事前に離間させておけるので、慣性力の影響により、ラック332が隣接するラック332へ近接する場合であっても、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図122を参照して、第21実施形態について説明する。上記第15実施形態では、案内孔323が重力方向に延設して形成される場合を説明したが、第21実施形態では、案内孔21323が、湾曲して形成される第1案内部21323aを備えて形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図122(a)及び図122(b)は、第21実施形態における昇降体330及び伝達装置350の正面図である。なお、図122(a)及び図122(b)では、第2ギヤ352の中間板353及び異形ギア部354が取り外された状態が図示される。また、図122(a)及び図122(b)では、昇降体330が模式的に図示されると共に、案内孔21323及びスライド軸332aの外形が破線で図示される。さらに、図122(a)及び図122(b)には、重力方向に平行な仮想線KJ1とラック332の延設方向と平行な仮想線KJ2とが2点鎖線で図示される。
図122に示すように、第21実施形態における背面カバー320に形成される案内孔21323は、上端部に湾曲形成される第1案内部21323aと、その第1案内部21323aに連なると共に、第1案内部21323aの下に直線状に形成される第2案内部21323bとを備えて形成される。
第1案内部21323aは、案内孔21323の上端部分に形成され、上方に向かうに従って第2ギア352(伝達ギア部355)側に湾曲する形状に形成される。第2案内部21323bは、案内孔21323の下端部分に形成され、重力方向に平行の直線状に形成される。
上述したように、ラック332の背面側には、円柱状に突出するスライド軸332aが突出形成される(図15参照)。スライド軸332aは、背面カバー320に形成される案内孔323に挿入される。これにより、ラック332の延設方向(仮想線KJ2)を、仮想線KJ1に対して傾倒させることができる。
よって、ラック332のスライド軸332aが第1案内部21323aの内側に摺動(案内)されると、スライド軸332aが第2ギア352(伝達ギア部355)側に案内されるので、ラック332が全体的に第2ギア352側に押し出される。これにより、ラック332がスライド軸を中心に回転される。従って、ラック332が傾倒された状態とされる(図122(a)に示す昇降体330では、ラック332の上端部が水平方向左側(図122(a)左側)に変位される)。
一方で、スライド軸332aが第2案内部21323bの内側に案内されると、ラック332の延設方向を重力方向と平行な状態にできる。
また、スライド軸332aは、昇降体330が上昇位置に配置された状態の際に、第1案内部21323aの内側に配置される。さらに、第1案内部21323aの内側をスライド軸332aが摺動する範囲は、昇降体330を駆動させた際の駆動初期の慣性力により演出部331が左右方向に変位する区間(ラック332が第2ギア352から水平方向左側(図122(b)左右方向)に押し出されるラック332の延設方向(図122(b)上下方向)の区画)よりも長く設定される。
ここで、上述したように昇降体330が上昇位置から下方に変位される際には、その慣性力により演出部331が左右方向に変位する(図121に示す昇降体330では、演出部331が左方向に変位する)。そのため、並設される昇降体330の一方の演出部331が他方の演出部331に衝突する恐れがある。
これに対し、第21実施形態では、案内孔21323が、第1案内部21323aを備えて形成されると共に、その第1案内部21323aをスライド軸332aが摺動する範囲が、昇降体330を駆動させた際の駆動初期の慣性力により演出部331が左右方向に変位する区間よりも長く設定されるので、昇降体330を駆動させた際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
言い変えると、昇降体330は、駆動された際の慣性力により変位する方向と反対方向に変位された状態とされるので、昇降体330が駆動された際に、左右の方向へ変位する範囲を狭めることができる。その結果、昇降体330を変位させた際に、一方の演出部331が他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
よって、第21実施形態では、上述した抑制手段は、案内部材(スライド軸332a及び案内孔21323)による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラック332と離間する方向へラック332を偏倚させることで、演出部331が隣接する演出部331に近接することを抑制するので、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制することができる。
詳しく説明すると、第21実施形態では、案内孔21323が傾斜溝(第1案内部21323a)を備え、傾斜溝(第1案内部21323a)にスライド軸332aを位置させることで、案内部材(スライド軸332a及び案内孔21323)による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラック332と離間する方向へラック332を偏倚させることができる。
即ち、ラック332を隣接するラック332から事前に離間させておけるので、慣性力の影響により、ラック332が隣接するラック332へ近接する場合であっても、演出部331が隣接する演出部331に衝突することを抑制できる。
次いで、図123(a)を参照して、第22実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、同一形状の凹部843が複数個形成される場合を説明したが、第22実施形態では、凹部843及びその凹部843と形状の異なる凹部22843が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図123(a)は、第22実施形態における発光ユニット800の断面図である。なお、図123(a)では、装飾部材860が取り外された状態が図示されると共に、基板部材850が破線で図示される。また、図123(a)は、図96(a)の発光ユニット800の断面と対応する。
さらに、図123(a)では、各LED852の照射方向に仮想線が延設されており、各仮想線に区画されたそれぞれの領域が左右方向左側(図123(a)左側)から第1領域SR1から第5領域SR5の符号を付与して図示される。
図123(a)に示すように、第22実施形態における発光ユニット800は、区画部材840の左右方向(図123(a)左右方向)中央側に、凹部843が形成され、区画部材840の左右方向両端に第3凹部22843が形成される。
第3凹部22843は、凹部843よりも上下方向に延設して形成される。即ち、第3凹部22843は、その内壁(第1側壁22843a及び第2側壁22843b)が、凹部843の内壁(第1側壁843a及び第2側壁843)よりも上下方向に延設して形成される。
また、第3凹部22843の凹設底面(図123(a)における上端面)は、凹部843の凹設底面と同一高さに設定される。よって、区画部材840から第1導光部材810又は第2導光部材820に出射される光の出射位置(高さ)は、第3凹部22843と凹部843とで同一高さ位置に設定される。
これにより、第3凹部22843と凹部843とでその凹設距離が異なる場合においても、第1導光部材810及び第2導光部材820の端面811,821の形状を複雑化する必要がないので、第1導光部材810及び第2導光部材820の形成を簡易にできる。
また、第22実施形態における発光ユニット800に配設される基板部材20850は、第1基板22850aと第2基板22850bとから形成される。
第1基板22850aは、第1基板22850aの長手方向(図123(a)左右方向)寸法が、ベース部材847の長手方向(図123(a)左右方向)両端に2つ形成される第3凹部22843の対向間寸法よりも小さく形成され、区画部材840の中央に左右方向に並設される凹部843と対向する位置に配設される。
また、第1基板22850aには、対向する2つの凹部843のそれぞれの中央部と対向する位置にLED852が配設されており、その第1基板22850aに配設されるLED852から照射される光により第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向中央部に光を入射させることができる。
第2基板22850bは、区画部材22840の左右方向(図123(a)左右方向)両端に形成される第3凹部22843と対向する位置にそれぞれ配設される。第2基板22850bは、左右方向における寸法が第3凹部22843の第2側壁22843bの対向間寸法よりも大きく形成される。これにより、第3凹部22843の開口側(図123(a)下側)の外縁部に沿って第2基板22850bを配設できる。
また、第2基板22850bには、対向する第3凹部22843の中央部と対向する位置にLED852が形成されており、その第2基板22850bに配設されるLED852から照射される光により第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向両端部を発光させることができる。
ここで、第10実施形態において説明したように、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向中央部(第2領域SR2から第4領域SR4)は、2のLED852の光が照射されるため、照射される光の照度の確保が容易である。
一方、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)は、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右両端部に配設した1のLED852の光のみで発光されるため、照射される光の照度の確保が困難となる。
これに対し、第22実施形態では、列設方向の両端部に位置する第3凹部22843が、中央部に位置する凹部843よりもその内壁が凹設方向(図123(a)上下方向)に長く形成される。よって、その分、第3凹部22843の内壁の面積を大きくできる。
よって、第2基板22850bに配設されるLED852から照射される光を、第3凹部22843の内壁(第1側壁22843a及び第2側壁22843b)により反射させやすくできる。その結果、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)の光の照度を確保しやすくできる。
詳しく説明すると、第3凹部22843の内壁(第1側壁22843a及び第2側壁22843b)は、凹設方向に長く形成されることにより、LED852から照射される光を反射させる領域を増やすことができる。従って、第3凹部22843の内壁(第1側壁22843a及び第2側壁22843b)にLED852の光を照射して、第1領域SR1,SR5側(第1導光部材810又は第2導光部材820の左右両端部)に光を集光させやすくできる。
よって、第1導光部材810又は第2導光部材820の第1領域SR1及び第2領域SR2の光の照度を確保しやすくできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を全体に均一にしやすくできる。
次いで、図123(b)を参照して、第23実施形態における発光ユニット800について説明する。上記第5実施形態では、同一形状の凹部843が形成される場合を説明したが、第23実施形態では、凹部843及びその凹部843と形状の異なる凹部22843が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図123(b)は、第23実施形態における発光ユニット800の断面図である。なお、図123(b)では、装飾部材860が取り外された状態が図示されると共に、基板部材850が破線で図示される。また、図123(b)は、図96(a)の発光ユニット800の断面と対応する。
さらに、図123(b)では、各LED852の照射方向に仮想線が延設されており、各仮想線に区画されたそれぞれの領域が左右方向左側(図123(b)左側)から第1領域SR1から第5領域SR5の符号を付与して図示される。
図123(b)に示すように、第23実施形態における発光ユニット800は、区画部材840の左右方向(図123(b)左右方向)中央側に、凹部843が形成され、区画部材20840の左右方向両端部に第4凹部23843が形成される。
第4凹部23843は、前後方向(図123(b)紙面奥行方向)に対向して形成される第1側壁23843aと左右方向(図123(b)左右方向)に対向して形成される第2側壁23843bとから形成される。
第2側壁23843bは、凹設開口側(図123(b)下側)から凹設底面側(図123(b)上側)に向かって、区画部材23843の左右方向中央部から左右方向外側に離間する方向に傾斜して形成される。
また、第4凹部23843は、凹設底面(図123(b)上面)が凹部843の凹設底面と同一高さに設定されると共に、その凹設深さ(図123(b)上下方向)が、凹部843の凹設深さ寸法と略同一に設定される。
また、第23実施形態における発光ユニット800に配設される基板部材23850は、第1基板23850aと第2基板23850bとから形成される。
第1基板23850aは、その左右方向(図123(b)左右方向)長さが、左右方向両端に2つ形成される第4凹部23840の対向間寸法よりも小さく形成され、区画部材23840の中央に左右方向に並んで並設される凹部843と対向する位置に配設される。
また、第1基板23850aには、対向する2つの凹部843のそれぞれの中央部と対向する位置にLED852が配設されており、その第1基板23850aに配設されるLED852から照射される光により第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向中央部を発光させることができる。
第2基板23850bは、区画部材23840の左右方向(図123(a)左右方向)両端に形成される第4凹部23843と対向する位置にそれぞれ配設される。第2基板23850bは、左右方向における寸法が、第4凹部23843の第2側壁23843bの対向間寸法よりも大きく形成される。これにより、第4凹部23843の開口側(図123(b)下側)の外縁部に沿って第2基板23850bを配設できる。
また、第2基板23850bは、区画部材22840の長手方向(図123(b)左右方向)外側端部が下方に向かって傾斜して配設されており、その傾斜角度が対向する第4凹部23843の第2側壁23843bの凹設方向と直交する角度に設定される。
また、第2基板23850bにはLED852が配設され、そのLED852が第4凹部23843の対向する第2側壁23843bの中央位置からその第2側壁23843bの延設方向に延びる直線上に位置される。
即ち、第2基板23850bに配設されるLED852から照射される光の照射方向が、第4凹部23843の延設方向と平行とされる。これにより、第2基板23850bに配設されるLED852の光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(図123(b)左右方向)両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)に照射できる。
ここで、第10実施形態において説明したように、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向中央部(第2領域SR2から第4領域SR4)は、2のLED852の光が照射されるため、照射される光の照度の確保が容易である。
一方、第1導光部材810又は第2導光部材820の延設方向(図123(b)左右方向)両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)は、第1導光部材810又は第2導光部材820の延設方向(図123(b)左右方向)両端部に配設した1のLED852の光のみで発光されるため、照射される光の照度の確保が困難となる。
これに対し、第23実施形態では、列設方向の両端部に位置する第4凹部23843の第2側壁22843bが列説方向の外側に傾斜して形成される。よって、第2基板23850bに配設されるLED852から照射される光を、第4凹部23843の内壁(第1側壁23843a及び第2側壁23843b)により反射させて、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)に光を照射しやすくできる。
また、第2基板23850bは、第1導光部材810又は第2導光部材820の端面811,821に対して傾斜して配設されるので、その第2基板23850bに配設されるLED852の光を、第1導光部材810及び第2導光部材820の左右方向両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)に照射しやすくできる。
即ち、第23実施形態では、列説方向の両端部に位置する第4凹部23843の第2側壁22843bを第1導光部材810又は第2導光部材820の外側に向けて傾斜すると共に、第2基板23850bに配設されるLED852の光の照射方向を第1導光部材810又は第2導光部材820の外側に向けるので、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向(図123(b)左右方向)両端部(第1領域SR1及び第5領域SR5)に光を照射しやすくできる。
よって、第1導光部材810又は第2導光部材820の第1領域SR1及び第2領域SR2の光の照度を確保しやすくできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を全体に均一にしやすくできる。
次いで、図124を参照して、第24実施形態における演出部331について説明する。上記第11実施形態では、基板部材390と外枠360との上端部が連結(締結や係合)されない場合を説明したが、第24実施形態では、基板部材390と外枠360との上端部が係合される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図124(a)は、第24実施形態における演出部331の断面図であり、図124(b)は、図124(a)のCXXIVb−CXXIVb線における演出部331の断面図である。なお、図124(a)は、図108の断面図と対応する。
図124に示すように、第12実施形態における演出部331の外枠360には、突設部24361bが形成される。突設部24361bは、外縁部361の上端部の内縁から突設して形成されており、基板部材390の正面側(図124(a)左側)に位置される。
また、基板部材390には、その上端部にダミーチップ24395が配置される。ダミーチップ24395は、立方体に形成される本体部24395aと、その本体部24395aの左右方向(図124(b)左右方向)両側面から突出するL字状の脚部24395bとを備えて形成される。
ダミーチップ24395は、基板部材390に配設される第1LED391又は第2LED392の発光を制御する制御チップ(図示しない)とは異なり、基板部材390に配設される第1LED391や第2LED392と導通しない態様に形成される。即ち、ダミーチップ24395に電力が供給されないように構成されている。
本体部24395aは、第1LED391及び第2LED392を除く基板部材390の正面側の側面と距離寸法Z1(図124(b)参照)の寸法を隔てて配設される。
脚部24395bは、金属材料から形成される。脚部24395bは、一端が本体部24395aの側面から突出されると共に、中央部で基板部材390側に屈曲されて他端が基板部材390に連結される。上述した距離寸法Z1は、一端側の屈曲部分までの寸法により、調整可能とされる。また、脚部24395bは、その一端側が、基板部材390の正面とはんだにより固着(連結)される。
上述した、突設部24361bの前後方向(図124(b)上下方向)における厚みは、距離寸法Z1よりも小さい厚み寸法の寸法Z2(図124(b)参照)に設定される(Z1>Z2)。
また、突設部24361bの前後方向における突出位置は、組み立て状態の基板部材390のダミーチップ24395の内側に設定される。また、突設部24361bの左右方向における幅寸法は、本体部24395aの左右両側に形成される突設部24361bの一側部分(基板390に連結される側)の対向間寸法よりも小さく設定される。
さらに、突設部24361bの径方向内側への突設先端位置は、組み立て状態の演出部331においてダミーチップ24395よりも外枠360の径方向内側に設定される。
よって、突設部24361bをダミーチップ24395の本体部24395aと脚部24395bとに囲われた領域に配置することができる。即ち、ダミーチップ24395と突設部24361bとを係合させた状態にできる。
従って、基板部材390の上端側を外枠360と係合した状態にできるので、介設部材335(基板部材390)ががたついた際の、がたつきを抑制することができる。
即ち、ベース部分334の開放側に介設部材335(基板部材390)と外枠360とを係合させる係合部(ダミーチップ24395及び突設部24361b)を形成することで、介設部材335(基板部材390)ががたついた際に、係合部によりそのがたつきを抑制するこができる。
また、第24実施形態では、基板部材390側の係合部(ダミーチップ24395)が、第1LED391又は第2LED392等の制御をしないチップで形成されるので、その係合により、基板部材390の制御が誤動作したり、破損したりすることを抑制できる。
また、ダミーチップ24395と基板部材390とは、はんだにより固着(連結)されるので、基板部材390に、第1LED891または第2LED892をはんだにより固着する際に、ダミーチップ24395を配設できる。
即ち、第1LED891及び第2LED892をはんだ付けする工程の際にダミーチップ24395を基板部材390に固着できる。よって、介設部材335の上端部に係合部分を形成する際の係合部の形成を簡易にできる。その結果、製造コストが高くなることを抑制できる。
さらに、係合部(ダミーチップ24395及び突設部24361b)を、介設部材335(基板部材390)の前面および外枠360の背面に形成することができるので、係合部分が介設部材335(基板部材390)の背面側に突出することを抑制できる。
従って、ベース部分334が重ね合されていない部分(開放された部分)において、演出部331が背面側に大きくなることを抑制できる。よって、その分、ベース部材310及び昇降体330の配置に必要なスペースを抑制できる。
次いで、図125及び図126を参照して、第25実施形態における昇降体330について説明する。上記第11実施形態では、レンズ部370の締結部373とベース部分334の締結部334bとが下端部のみで締結される場合を説明したが、第25実施形態では、レンズ部370とベース部分334とが下端以外の部分でも締結される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図125は、第25実施形態における昇降体330の分解斜視背面図であり、図126(a)は、昇降体330の背面図であり、図126(b)は、昇降体330の断面図である。なお、図126(b)は、図108の断面図と対応する。
図125及び図126に示すように、第25実施形態における昇降体330のレンズ部370には、立設部371の外縁部から径方向外側に突出する第2締結部25373が形成される。
第2締結部25373は、レンズ部370の左右方向(図126(a)左右方向)両側に形成され、その上下方向(図126(b)上下方向)の高さ位置がベース部分334と前後方向に重なる高さに設定される。即ち、レンズ部370の下側とされる。
また、第2締結部25373は、背面視略矩形状の板状体から形成されると共に、前後方向に円形状に貫通する第2締結孔25373aを備える。
ベース部分334には、第2締結孔25373aの軸と対向する位置にレンズ部370側に向かって(図126(b)左方向に)円柱状に突出する第2突設部25334bが形成される。第2突設部25334bの軸には円形状に貫通する第2挿通孔25334b1が形成される。
よって、ベース部分334の背面側からねじの先端を、第2挿通孔25334b1を挿通させて、第2締結孔25373aに螺合させることができる。よって、レンズ部370の第2締結部25373とベース部分334の第2締結部334bとを締結することができる。
また、ベース部分334には、正面視における水平方向(図)126(a)左右方向)から正面側(図126(b)左側)に突出する第2突起25334aが突出形成される(図126(b)参照)。第2突起25334aは、その突出先端が基板部材390の背面側に当接する長さに設定される。また、第2突起25334aは、その突出先端面が半球形状に形成される。なお、第25実施形態では、上記第11実施形態において説明した突起334aの形成が省略される。
第2突起25334aは、昇降体330の組み立て状態において基板部材390の上下方向(図126(b)上下方向)の略中央位置よりも下方位置に設定されると共に、水平方向(図126(a)左右方向)における位置がベース部分334の水平方向(図126(a)左右方向)の略中央位置に設定される。
第2突設部25334bは、第2突起25334aよりも重力方向上方(図126(b)上方)に位置して配置される。さらに、第2突設部25334b及び締結部334bは、基板部材390側(図126(b)左側)への突出距離が、第2突起25334aの基板部材390側への突出距離よりも所定量短く形成される。
第25実施形態では、基板部390の背面側が第2突起25334aの一点で支持されると共に、レンズ部370がベース部分334と3点で締結された状態とされる。また、正面視(又は背面視)において、第2突起25334aの基板部材390との当接位置が、レンズ部370とベース部分334を締結する3点に囲われる領域の内側とされる。
よって、第2突設部25334b及び締結部334bは、第2突起25334aよりも突出距離が短くされるので、第2突設部25334bの第2挿通孔25334b1及び締結部334bの挿通孔334bを挿通するネジの締め付け量を調整することで、レンズ部370が外枠360に対して傾倒する状態を変更することができる。
例えば、第2突設部25334bの第2挿通孔25334b1を挿通するネジを緩く締結して、締結部334bの挿通孔334bを挿通するネジを強く締結することで、介設部材335(レンズ部370、区画部材380及び基板部材390)の下端部分を引き付けることができる。よって、第2突起25334aを軸に介設部材334の上端側を外枠360側に押し付けることができる。その結果、介設部材335のがたつきを抑制できる。
また、第25実施形態では、介設部材335の上端部の外枠360側への押し付け力をネジの締め付け量で調整することができるので、パチンコ機10が店舗に設置された後において、介設部材335が外枠360に対してがたつきが発生した場合に、ネジの締結力を調整するのみで、がたつきを抑えることができる。従って、介設部材335ががたついた際に部品交換を必要としないので、コストがかかることを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記各実施形態では、左揺動ユニット500の第1通路形成部材520の上端部(振分凸部521eの径方向外側部分)が開放される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1通路形成部材520の上端部の開放部分に蓋をするカバー部材が、振分凸部521eの左右の領域において、球が供給される側は開放し、球が供給される側の反対側は蓋をする態様で動作しても良い。この場合、振分凸部521eの左右の領域に球以外の異物が混入することを防止することができる。
上記各実施形態では、接続部材424が第1通路形成部材520と当接し回転される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続部材424の配設を省略してもいい。この場合、第1通路形成部材520と第2通路形成部材422との連結に必要な部材の部品点数を減らすことで、製品コストを低減することができる。また、接続部材424の代わりに、内部通路を有するゴム状弾性体を配設しても良い。この場合、第1通路形成部材520がゴム状弾性体に当接することによるゴム状弾性体の形状の変形により第1通路形成部材520と第2通路形成部材422との間の位置ずれを吸収することができる。
上記各実施形態では、駆動側スライド部材420が一層のラック452で駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動側スライド部材420を駆動するラックが前後2層で構成され、前側のラックで駆動側スライド部材420を上下動作させる場合と、後側のラックで駆動側スライド部材420を上下動作させる場合とを構成可能としても良い。この場合、2層のラックのいずれかのみが従動側スライド部材430と上下で当接する態様とすることで、駆動側スライド部材420と従動側スライド部材430とが連動して上下動作する場合と、駆動側スライド部材420が従動側スライド部材430を通過して、単独で上下動作する場合とを切り替えることができる。
上記各実施形態では、当接部351bと受け部354bとが他のギア歯の歯元が形成する円よりも外側に張り出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部351b又は受け部354bの一方が他のギア歯の歯元が形成する円よりも中心側へ凹み、他方がその分長く張り出される態様で構成されても良い。
上記各実施形態では、当接部351bと当接する部分が、ギア歯形状の隣設ギア歯354cとされたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギア歯形状とは異なる形状の部分が形成され、その部分と当接部351bとが当接する態様で構成されても良い。
上記各実施形態では、当接部351bと面当たりする部分が、歯形状が形成されない受け部354bとされたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、歯形状で構成される部分のギア歯が部分的に削られることで、当接部351bと面当たりする面を形成しても良い。
上記各実施形態では、当接部351b及び受け部354bの重なっている部分の全体が面当たりする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部351b又は受け部354bの中間位置に回転軸へ向けて凹設される凹設部を備えることで、面当たりする面積が低減されても良い。
上記第1実施形態では、左右の上昇規制部材417が駆動側スライド部材420と同じタイミングで当接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右の一方の上昇規制部材417を駆動側スライド部材420と当接させても良い。この場合、駆動側スライド部材420に左右非対称の負荷を与えることができ、駆動側スライド部材420の重心が左右どちらか(左右の一方)に寄っている場合でも駆動側スライド部材420が傾くことを抑制することができる。
上記第2実施形態では、第1通路形成部材2520の先端に先端壁部材2560が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1通路形成部材2520の先端から基端側へ向けて風を送る送風装置を配設する態様や、第1通路形成部材2520の先端に磁力発生装置を設け磁力で球を吸着する態様や、第1通路形成部材2520の先端を回転方向に振動させる態様でも良い。この場合、球が第1通路形成部材2520の先端から落下することを抑制することができる。
上記第2実施形態では、解除状態において、第1通路形成部材2520が先端側へ向かうほど上昇傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1通路形成部材2520の基端部と先端部との間に沈み込む中間部分を備えても良い(U字形状に構成されても良い)。この場合、解除状態において第1通路形成部材2520の内部に球が残留している場合、中間部分(基端部よりも先端部側の位置)に球を留めることができるので、連通状態に変化した際に、第1通路形成部材2520の先端から球が送球されるまでの期間を短縮することができる。
上記第3実施形態では、下降規制部材415及び上昇規制部材417が片側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下降規制部材415及び上昇規制部材417をベース部材410の左右にそれぞれ一対で配設し、下降規制部材415及び上昇規制部材417を付勢するねじりバネ415d,417gの弾性係数を、左側に配設されるねじりバネ415d,417gと右側に配設されるねじりバネ415d,417gとで差を持たせても良い。このとき、正面視左側(従動側スライド部材3430の重心が寄っている側)に配設されるねじりバネ415d,417gに比較して、正面視右側に配設されるねじりバネ415d,417gの弾性係数を小さくすることが好ましい。この場合、右側に配設される下降規制部材415及び上昇規制部材417により従動側スライド部材3430を正面視反時計回り(重心の偏りにより従動側スライド部材3430が傾く方向)に姿勢変化させる負荷は抑制しながら、従動側スライド部材3430の急激な上下動作により従動側スライド部材3430が正面視時計回りに姿勢変化した場合に、その姿勢変化を抑制することができる。
上記第3実施形態では、駆動側スライド部材420が下降位置に配置されてから従動側スライド部材430が落下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動側スライド部材420が中間位置に配置される状態で従動側スライド部材430を落下させても良い。この状態において、駆動側スライド部材420を従動側スライド部材430の動作方向と逆方向に動作させる態様で制御(上昇動作と下降動作とを繰り返し切り替える制御)をしても良い。この場合、駆動側スライド部材420で従動側スライド部材430を跳ね返らせる(繰り返し跳ね返らせる等)演出を行うことができる。
上記各実施形態では、連結リンク部材644の挿通部644aが連結リンク作用溝621の接続部621cに挿通された状態にある分割部材DVを、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638により駆動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連結リンク部材644の挿通部644aが連結リンク作用溝621の大径部621aに挿通された状態にある分割部材DVを、一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638により駆動しても良い。この場合には、駆動力を付与する分割部材DV及び隣接する分割部材DVとの間の間隔が広くされるので、隣接する分割部材DVと一側回転駆動部材637及び他側回転駆動部材638との干渉を抑制でき、その分、これら一側回転駆動部材および他側回転駆動部材の直径を大きくすることができる。その結果、一側回転駆動部材および他側回転駆動部材から分割部材DV(回転部材640)へ付与される駆動トルクを大きくできる。
上記各実施形態では、一側回転駆動部材637の係合部637bが分割部材DVの被係合部641に係合されている期間と、他側回転駆動部材638の係合部638bが分割部材DVの被駆動部641に係合されている期間とが重複する場合を説明したが(図75参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、一側回転駆動部材637の係合部637b又は他側回転駆動部材638の係合部638bの一方が分割部材DVの被係合部641に係合されている期間は他方が非係合とされると共に、一側回転駆動部材637の係合部637b又は他側回転駆動部材638の係合部638bの他方が分割部材DVの被係合部641に係合されている期間は一方が非係合とされるようにしても良い。
この場合には、一側回転駆動部材637の係合部637bと他側回転駆動部材638の係合部638bとが同時にそれぞれ分割部材DVの被係合部641に係合されることを回避できる。即ち、一側回転駆動部材637の係合部637b又は他側回転駆動部材638の係合部638bを被係合部641に交互に係合させることができる。これにより、回転部材640の変位を安定化できる。
即ち、一側回転駆動部材637と他側回転駆動部材638との間には、寸法公差や組立公差、駆動モータ631の駆動公差などに起因して、位相ずれが発生するところ、複数の分割部材DVが無端状に連結されて形成される回転部材640では、一側回転駆動部材637の係合部637bと他側回転駆動部材638の係合部638bとが同時にそれぞれ分割部材DVの被係合部641に係合された状態で位相ずれが発生すると、回転部材640の周方向における一方の区間が圧縮状態になると共に他方の区間が引っ張り状態となるため、かかる回転部材640の変位が不安定となる。
これに対し、上述のように一側回転駆動部材637の係合部637bと他側回転駆動部材638の係合部638bとが交互に分割部材DVの被係合部641に係合される構成とすることで、位相ずれが発生したとしても、その影響を回転部材640が受けることを回避できる。その結果、複数の分割部材DVが無端状に連結されて形成される回転部材640であっても、その変位を安定化できる。
上記各実施形態では、回転ユニット600において、分割部材DVを無端状に連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、分割部材DVを有端状に連結する(一端から他端までの間で分割部材DVを連結し、一端および他端を非連結とする)ことは当然可能である。この場合、例えば、上記各実施形態における無端状の軌道に沿って、有端状に連結された分割部材DVを変位(移動)させても良く、或いは、有端状の軌道に沿って、有端状に連結された分割部材DVを往復変位(往復移動)させても良い。
上記第6実施形態では、仮想線KS5が、仮想線KS4と非平行に形成されるの場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、仮想線KS5が、仮想線KS4と平行に形成されても良い。この場合、LED852から照射された光を一方側に集光できると共に、凹部6843の前後方向の幅を小さくすることができる。その結果、LED852から照射された光を第1導光部材810及び第2導光部材820に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
上記第9実施形態では、第2側壁9843bが凹部9843の内側に向かって凸となる湾曲状に形成される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2側壁9843bが凹部9843の外側に向かって凸となる湾曲状に形成されてもよい。
この場合、LED852から第2側壁9852に照射された光を、第2側壁9852の湾曲面により反射させると共に、集光しやすくできる。その結果、第2側壁9852に照射されるLED852の光を入射面812,821と端面811,821との連結(境界)部分に集めやすくできる。
その結果、LED852から照射される光のうち、第2側壁9843bに照射される光を第1導光部材810及び第2導光部材820の内部に入射させると共に、第1導光部材810及び第2導光部材820の延設方向(仮想線KS1方向)に拡散しやすくできる。
上記第10実施形態では、区画部材840の左右方向外側端部にのみ第2凹部10843を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ての凹部843を第2凹部10843にしてもよい。この場合、第2凹部10843の第2側壁843bは、区画部材840の左右方向外側に位置する第2側壁843bを内側に位置する第2側壁よりも前後方向に長く形成することが好ましい。
これによれば、第1導光部材810及び第2導光部材820に入射したLED852の光を第1導光部材810及び第2導光部材820の左右方向中央位置を境にして両外側に向かわせ易くできる。その結果、第1導光部材810及び第2導光部材820を均一に発光させやすくできる。
上記第15実施形態では、ラック332の被当接部332bと膨出部15353aとの対向間に所定の隙間R3が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、隙間R3の寸法をなくして、昇降体330が上昇位置に配置されている際には、被当接部332bの側面と膨出部15353aの側面とが当接する状態としても良い(R1=R2)。
この場合、昇降体330が上昇位置に配置された状態において演出部331の左右方向の変位を抑制できるので、例えばパチンコ機10に左右方向の変位が作用した際に、演出部331が変位して一方の演出部331が、他方の演出部331に衝突することを抑制できる。
上記第23実施形態では、第4凹部23843の第2側壁23843b及び第2基板23850bが傾斜して配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第4凹部23843の第2側壁23843bに対して、第5実施形態における基板部材850を配設してもよい。また、基板部材23850に対して、第5実施形態における凹部843を形成してもよい。
この場合、第4凹部23843および基板部材23850のどちらか一方の傾斜により、第1導光部材810又は第2導光部材820の左右方向両端部(第1領域SR1及び第2領域SR2)に光を集光させやすくできる。よって、第1導光部材810及び第2導光部材820の照度を全体に均一にしやすくできる。
上記第24実施形態では、突設部24361bをダミーチップ24395の本体部24395aと脚部24395bとに囲われた領域に配置する場合を説明したが、突設部24361bの外面がダミーチップ24395の本体部24395a又は脚部24395bと当接していても良い。
上記第24実施形態では、ダミーチップ24395を配線が接続されない(非導電)状態で基板部材390に固着される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではなく、ダミーチップ24395に配線を接続して、例えば第1LED391の発光の制御等をさせても良い。この場合、ダミーチップ24395と突設部24361bとが係合した状態とされるので、例えば、無理に基板部材390を昇降体330から取り外して不正をはたらく遊技者がいた場合に、基板部材390からダミーチップ24395が外れることで、第1LED391が発光できなくなり、不正行為を店舗責任者に気づかせやすくできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<係止円弧部351cで第2ギア352の回転を規制する構造を一例とする発明の概念について>
駆動手段と、その駆動手段の駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材により伝達された駆動力により上昇位置および下降位置の間で変位される変位部材とを備えた遊技機において、前記伝達部材は、第1歯車と、その第1歯車に歯合されると共に前記第1歯車よりも前記駆動力の伝達経路における前記変位部材側に配設される第2歯車とを備え、前記第1歯車は、その歯形の一部に形成される当接部を備え、前記変位部材が上昇位置に配設された状態では、前記第1歯車の当接部に前記第2歯車の所定の歯が当接されることで、前記変位部材が下降する方向への前記第2歯車の回転が規制されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材により伝達された駆動力により上昇位置および下降位置の間で変位される変位部材とを備えた遊技機が知られている。例えば、伝達部材をラックアンドピニオン機構で形成し、駆動手段により駆動されるピニオンの回転をラックの直線運動に変換し、そのラックの直線運動より変位部材を下降位置および上昇位置の間で昇降させるものがある(特許文献1:例えば、特開2012−80941号公報)。この場合、変位部材が上昇位置に配置された状態で、駆動手段の駆動力が解除されると、変位部材が自重で下降される。そのため、駆動手段の駆動力を付与し続ける必要があり、変位部材を上昇位置に保持する際の消費エネルギーが嵩むという問題点があった。一方、駆動手段の一部にクランク機構を介設し、かかるクランク機構の死点を利用することで、駆動手段の駆動力が解除されても、変位部材が自重で上昇位置から下降されないようにする構造も知られているが(特開2014−140602号公報)、この場合には、クランク機構を介設する分、伝達部材全体が大型化するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、第1歯車は、その歯形の一部に形成される当接部を備え、変位部材が上昇位置に配設された状態では、第1歯車の当接部に第2歯車の所定の歯が当接されることで、変位部材が下降する方向への第2歯車の回転が規制されるので、駆動手段の駆動力を解除しても、変位部材が自重で下降されることを抑制できる。よって、変位部材を上昇位置に保持する際の消費エネルギーを抑制できる。また、変位部材を上昇位置に保持するための構造を、第1歯車および第2歯車により形成することができ、クランク機構を別途介設する必要がないので、伝達部材の小型化を図ることができる。
遊技機A1において、前記第2歯車は、その歯形の一部に形成される受け部を備え、前記変位部材が上昇位置に配設された状態では、前記第1歯車の当接部に前記第2歯車の受け部が当接されることで、前記変位部材が上昇する方向への前記第2歯車の回転が規制されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1歯車の当接部に第2歯車の受け部が当接されると、変位部材が上昇する方向への第2歯車の回転が規制される、即ち、変位部材が上昇位置に配設された状態では、第2歯車の回転が正逆の両方向で規制されるので、上昇位置に保持された変位部材にがたつきが発生することを抑制できる。
遊技機A1又はA2において、前記変位部材が上昇位置に配設された状態では、前記変位部材を下降させる方向への前記第1歯車の回転が許容されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、変位部材が上昇位置に配設された状態では、変位部材を下降させる方向への第1歯車の回転が許容されるので、第1歯車の当接部と第2歯車の所定の歯との当接を解除するための動作を別途行う必要がなく、駆動手段の駆動力で第1歯車を回転させることで、上昇位置に保持された変位部材を下降させることができる。即ち、変位部材を下降させる方向への第2歯車の回転は規制される一方、変位部材を下降させる方向への第1歯車の回転は許容される。よって、変位部材が上昇位置から自重で下降しようとすると、第1歯車の当接部に第2歯車の所定の歯が当接されることで、第2歯車の回転を規制して、変位部材を上昇位置に保持できる。一方、第1歯車が回転される場合には、その回転に伴い、第2歯車が回転され、変位部材を下降させることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1歯車の当接部は、前記変位部材を上昇させる方向への回転時に前記第2歯車の所定の歯と歯合可能に形成されると共に、前記第1歯車の歯よりも歯たけが低くされその歯先面に前記第2歯車の所定の歯が当接可能とされることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、第1歯車の当接部は、変位部材を上昇させる方向への回転時に第2歯車の所定の歯と歯合可能に形成されると共に、第1歯車の歯よりも歯たけが低くされその歯先面に第2歯車の所定の歯が当接可能とされるので、変位部材を上昇させる方向へ第1歯車が回転され、変位部材が上昇位置に配設される際には、当接部および所定の歯の歯合を介して、変位部材を上昇させる方向へ第2歯車を回転させることができ、その結果、第2歯車の所定の歯が第1歯車の当接部に当接可能な状態(第1歯車の当接部(歯先面)が第2歯車の所定の歯に対面する状態)を確実に形成できる。
遊技機A4において、前記第1歯車の当接部は、前記第1歯車の歯よりも歯厚が大きくされることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第1歯車の当接部は、第1歯車の歯よりも歯厚が大きくされるので、第2歯車の所定の歯が当接可能な領域を確保することができる。よって、変位部材が上昇位置に配設された状態における第1歯車の停止位置の精度を緩やかとする(許容量を大きくする)ことができる。その結果、第2歯車の所定の歯が第1歯車の当接部に当接可能な状態を確実に形成できる。
また、第1歯車の当接部は、第2歯車の所定の歯を受け止めて、その第2歯車の回転を規制する(即ち、変位部材の重量を支える)部位であるところ、その歯厚が大きくされるので、強度を確保できる。
遊技機A4又はA5において、前記第1歯車の当接部は、前記歯先面が前記第1歯車の回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、第1歯車の当接部は、その歯先面が第1歯車の回転中心を中心とする円弧状に湾曲して形成されるので、第2歯車の所定の歯が第1歯車の当接部(歯先面)に当接可能な状態となるまで第1歯車を回転可能としつつ、かかる第1歯車の強度の向上を図ることができる。
また、変位部材を下降させる方向へ第2歯車が回転されその第2歯車の所定の歯が第1歯車の当接部(歯先面)に当接された際には、第2歯車の所定の歯から第1歯車の当接部へ作用する力の方向を第1歯車の回転軸へ向かう方向として、第1歯車が回転されることを抑制しやすくできる。その結果、変位部材が下降する方向への第2歯車の回転を規制しやすくでき、駆動手段の駆動力を解除しても、変位部材が自重で下降されることを確実に抑制できる。
遊技機A6において、前記第2歯車は、その歯形の一部に形成される受け部を備え、前記変位部材が上昇位置に配設された状態では、前記第2歯車の受け部に前記第1歯車の当接部が当接されることで、前記変位部材が上昇する方向への前記第1歯車の回転が規制されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第2歯車が、その歯形の一部に形成される受け部を備え、変位部材が上昇位置に配設された状態では、第1歯車の当接部が第2歯車の受け部に当接されることで、変位部材が上昇する方向への第1歯車の回転が規制されるので、第2歯車の受け部を、変位部材を上昇位置に配置させた後の第1歯車の回転を停止させるストッパとして機能させることができる。
遊技機A7において、前記第2歯車の受け部は、前記第1歯車の当接部に対面する側が前記第2歯車の回転軸へ向けて凹となると共に前記第1歯車の当接部の円弧形状と略同等の径の円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第2歯車の受け部は、第1歯車の当接部に対面する側が第2歯車の回転軸へ向けて凹となると共に第1歯車の当接部の円弧形状と略同等の径の円弧状に湾曲して形成されるので、第1歯車の当接部が第2歯車の受け部に当接される際に、両者を面当たりで当接させ、第1歯車の当接部を第2歯車の受け部で強固に受け止めることができる。その結果、変位部材を上昇位置に配置させた後の第1歯車の回転を停止させるストッパとして機能を第2歯車の受け部に確実に発揮させることができる。
また、第2歯車の受け部は、その第2歯車の回転軸へ向けて凹となる円弧状に湾曲されるので、歯厚方向両側における歯丈を高くすることができ、かかる受け部の強度を高めることができる。これにより、第1歯車の当接部を受け止める際の第2歯車の受け部の破損を抑制できる。
遊技機A4からA8のいずれかにおいて、前記変位部材が上昇位置に配設された状態では、前記第1歯車の当接部と前記第2歯車の所定の歯との歯合が解除され、かつ、前記変位部材が上昇方向への可動範囲の終端に位置されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A4からA8のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が上昇位置に配設された状態では、第1歯車の当接部と第2歯車の所定の歯との歯合が解除され、かつ、変位部材が上昇方向への可動範囲の終端に位置されるので、変位部材を上昇させる方向への第1歯車の回転により変位部材が上昇位置に配設された後に、第2歯車を停止させつつ、第1歯車のみを、変位部材が上昇する方向へ回転させることができる。これにより、第2歯車の所定の歯が第1歯車の当接部に当接可能な状態(第1歯車の当接部(歯先面)が第2歯車の所定の歯に対面する状態)を確実に形成できる。
<第1通路形成部材520と第2通路形成部材422とを連結する構造を一例とする発明の概念について>
球が通過可能に形成される第1通路部材および第2通路部材を備え、少なくとも前記第1通路部材が変位されることで、前記第1通路部材および第2通路部材の一端どうしが連通され前記第1通路部材から第2通路部材への球の送球が可能とされる連通状態と、前記第1通路部材の一端が前記第2通路部材の一端から離間され第1通路部材および第2通路部材が非連通とされる離間状態とが形成可能とされる遊技機において、前記第1通路部材または第2通路部材の一方の一端に変位可能に配設されると共に、前記第1通路部材または第2通路部材の他方に当接して変位された状態では前記第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの間を連通させる接続部材を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、球が通過可能に形成される第1通路部材および第2通路部材を備え、少なくとも第1通路部材が変位されることで、第1通路部材および第2通路部材の一端どうしが連通され第1通路部材から第2通路部材への球の送球が可能とされる連通状態と、第1通路部材の一端が第2通路部材の一端から離間され第1通路部材および第2通路部材が非連通とされる離間状態とが形成可能とされる遊技機が知られている(特開2014−171636号公報)。この場合、各部品の寸法公差や組み付け公差に起因して、第1通路部材が変位される際の停止位置や第2通路部材の配設位置にばらつきが生じることが避けられない。そのため、連通状態では、第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの位置に位置ずれが生じるため、第1通路部材から第2通路部材への安定した球の送球が困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、第1通路部材または第2通路部材の一方の一端に配設されると共に、第1通路部材または第2通路部材の他方に当接して変位された状態では第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの間を連通させる接続部材を備えるので、第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの位置が位置ずれしている場合でも、それらの一端どうしの間に介在する接続部分の変位により、位置ずれを吸収することができる。これにより、第1通路部材から第2通路部材への球の送球を安定化させることができる。また、第1通路部材の変位に伴い、その第1通路部材が接続部材に当接して接続部材を変位させるので、第1通路部材を変位させる駆動力を兼用することができ、接続部材を変位させる駆動力を別途設けることを不要とできる。
遊技機B1において、前記接続部材は、前記第1通路部材または第2通路部材の一方の一端の開口を挟んで対向配置される一側壁部および他側壁部を備えると共に、前記一側壁部が、前記第1通路部材の変位軌跡上に位置し、前記第1通路部材が変位され、前記第1通路部材または第2通路部材の他方の一端が前記接続部材の一側壁部に当接されると、前記接続部材が変位されて、前記接続部材の他側壁部が前記第1通路部材または第2通路部材の他方の一端に近接されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1通路部材が変位され、第1通路部材または第2通路部材の他方の一端が接続部材の一側壁部に当接されると、接続部材が変位されて、その接続部材の他側壁部が第1通路部材または第2通路部材の他方の一端に近接されるので、連通状態において、接続部材の一側壁部および他側壁部を、第1通路部材および第2通路部材の一端へより近接させることができ、これら第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの位置ずれを吸収しやすくできる。その結果、第1通路部材から第2通路部材への球の送球を安定化させることができる。
遊技機B1又はB2において、前記第1通路部材がその一端を回転先端側として回転されることで前記連通状態が形成され、前記接続部材は、前記第1通路部材の回転軸と平行な回転軸を備え、前記第1通路部材が回転され、前記第1通路部材または第2通路部材の他方の一端が前記接続部材の一側壁部に当接されると、前記接続部材が回転されて、前記接続部材の他側壁部が前記第1通路部材または第2通路部材の他方の一端に近接されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、第1通路部材がその一端を回転先端側として回転されることで連通状態が形成されると共に、接続部材は、第1通路部材の回転軸と平行な回転軸を備えるので、第1通路部材の変位(回転)に伴う接続部材の変位(回転)をスムーズに行わせることができる。また、両者の回転動作を利用することで、第1通路部材または第2通路部材の他方の一端へ接続部材の他側壁部をより近接させることができる。
遊技機B2又はB3において、前記接続部材は、前記連通状態において、前記一側壁部および他側壁部の対向面のうちの一方の対向面が、前記第1通路部材から第2通路部材へ球が送球される際の転動面とされ、前記連通状態では、前記一方の対向面が前記第1通路部材から第2通路部材へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの連通部分における球の送球を安定化させることができる。即ち、第1通路部材および第2通路部材の一端どうしの連通部分は位置ずれが大きくなる部分であるため、球の送球が不安定となるところ、かかる連通部分における球の転動面を形成する一方の対向面は、第1通路部材から第2通路部材へ向けて下降傾斜されるので、球を転動させて、その送球を安定化させることができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記連通状態では前記第1通路部材内の球が前記第1通路部材の一端から送球されることを許容すると共に前記解除状態では前記第1通路部材内の球が前記第1通路部材の一端から送球されることを規制する送球規制手段を備えることを特徴とする遊技機B5。
ここで、解除状態では、第1通路部材の一端が第2通路部材の一端から離間され第1通路部材および第2通路部材が非連通とされるので、かかる状態において、何らかの理由により、第1通路部材に球が供給されると、第1通路部材を通過した球が遊技領域外へ落下する恐れがある。また、連通状態において、第1通路部材に供給された球であっても、その球が何らかの理由により第1通路部材に留まり、その状態のまま解除状態に移行した場合には、第1通路部材に留まっていた球が、遊技領域へ落下する恐れがある。遊技領域外へ球が落下すると、歯車やクランク機構などの可動部材の動きを妨げる恐れや、球が挟み込まれることで、可動部材の破損を招く恐れがある。
これに対し、遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、連通状態では第1通路部材内の球が第1通路部材の一端から送球されることを許容すると共に解除状態では第1通路部材内の球が第1通路部材の一端から送球されることを規制する送球規制手段を備えるので、例えば、解除状態において第1通路部材に球が供給された場合や、第1通路部材に球が留まったまま連通状態から解除状態へ移行した場合でも、第1通路部材の一端から球が遊技領域外へ落下することを抑制できる。
遊技機B5において、前記第1通路部材の一端に配設され、前記連通状態では球の通過を許容すると共に前記解除状態では球の通過を規制するカバー体を備え、前記カバー体が前記送球規制手段を形成することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1通路部材の一端には、連通状態では球の通過を許容すると共に解除状態では球の通過を規制する送球規制手段としてのカバー体が配設されるので、例えば、解除状態において第1通路部材に球が供給された場合や、第1通路部材に球が留まったまま連通状態から解除状態へ移行した場合でも、第1通路部材の一端から球が遊技領域外へ落下することを抑制できる。
遊技機B5において、前記カバー体に付勢力を付与して前記カバー体を前記球の通過を規制する位置に維持する付勢部材と、前記第1通路部材の変位に伴い前記カバー体に作用して少なくとも前記連通状態が形成される際に前記球の通過を許容する方向へ前記カバー体を変位させる作用部材と、を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、カバー体に付勢力を付与してそのカバー体を球の通過を規制する位置に維持する付勢部材を備えるので、解除状態においてカバー体が不用意に変位することを抑制でき、その結果、第1通路部材の一端から球が遊技領域外へ落下することをより確実に抑制できる。一方、連通状態が形成されると、カバー体が球の通過を許容する方向へ変位されるので、第1通路部材から第2通路部材への球の送球を行うことができる。
この場合、カバー体の球の通過を許容する方向への変位は、作用部材の作用により第1通路部材の変位に伴い行われるので、第1通路部材を変位させる駆動手段を、カバー体を変位させるための駆動手段として兼用させることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。
なお、作用部材としては、第1通路部材の変位に伴うカバー体の変位軌跡上に位置し、その変位軌跡に沿って変位されるカバー体に当接することで、付勢部材の付勢力に抗してカバー体を球の通過を許容する方向へ変位させるもの(例えば、第2通路部材、接続部材、遊技盤に固定される部材など)や、第1通路部材を変位させる駆動手段の駆動力をカバー体へ伝達して、第1通路部材の変位と共にカバー体も変位させるもの(例えば、駆動手段と駆動力を回転運動または直線運動に変換してカバー体へ伝達する歯車やラック・ピニオンなど)が例示される。
遊技機B5において、前記送球規制手段は、前記解除状態において前記第1通路部材をその第1通路部材の一端が最上方となる姿勢に配設するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、送球規制手段は、解除状態において第1通路部材をその第1通路部材の一端が最上方となる姿勢に配設するので、例えば、解除状態において第1通路部材に球が供給された場合や、第1通路部材に球が留まったまま連通状態から解除状態へ移行した場合でも、第1通路部材の一端から球が遊技領域外へ落下することを抑制できる。
なお、解除状態において第1通路部材の一端が最上方となる姿勢に配設された第1通路部材は、その第1通路部材の全体が上昇傾斜している必要はなく、第1通路部材の一部に水平または下降傾斜となる領域が存在しても良い。
遊技機B5において、前記送球規制手段は、前記解除状態において前記第1通路部材をその第1通路部材の他端から一端へ向けて上昇傾斜する姿勢に配設するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、送球規制手段は、解除状態において前記第1通路部材をその第1通路部材の他端から一端へ向けて上昇傾斜する姿勢に配設するので、例えば、解除状態において第1通路部材に球が供給された場合や、第1通路部材に球が留まったまま連通状態から解除状態へ移行した場合でも、第1通路部材の一端から球が遊技領域外へ落下することを抑制しやすくできる。
また、連通状態を形成する場合には、第1通路部材の全体を他端から一端へ向けて下降傾斜した状態を形成できるので、第1通路部材から第2通路部材へ球を送球しやすくでき、途中に球が留まることを抑制できる。よって、解除状態に移行した場合には、第1通路部材に留まっていた球が遊技領域へ落下することを抑制できる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、球が通過可能に形成される上流通路および下流通路を有するケース体と、前記上流通路から流下される球を前記第1通路へ振り分ける一側位置および前記上流通路から流下される球を前記下流通路へ振り分ける他側位置の間で変位する振分部材とを備え、前記ケース体は、前記振分部材の変位方向の両側が開放して形成されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、ケース体は、振分部材の変位方向の両側が開放して形成されるので、一側位置または他側位置へ向けて変位される振分部材とケース体との間へ球が流下した場合でも、その流下した球が振分部材とケース体との間に挟み込まれることを抑制できる。
遊技機B10において、前記振分部材は、前記第1通路部材に形成され、前記第1通路部材の変位により前記連通状態が形成されると前記振分部材が前記一側位置に配設され、前記第1通路部材の変位により前記解除状態が形成されると前記振分部材が前記他側位置に配設されることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、振分部材が第1通路部材に形成され、第1通路部材の変位に伴って変位部材を一側位置および他側位置に配設することができるので、第1通路部材を変位させる駆動手段を、振分部材を変位させるための駆動手段として兼用させることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。
ここで、振分部材が第1通路部材とは独立して変位される構造では、例えば、制御不良の発生により、振分部材と第1通路部材との変位状態にずれが生じると、解除状態にある第1通路部材に対して球が振り分けられ(即ち、振分部材が一側位置に配設され)、第1通路部材の一端から遊技領域外へ球が落下する恐れがある。これに対し、遊技機B10では、振分部材が第1通路部材に形成されるので、振分部材と第1通路部材との変位状態を常に同期させることができる。よって、制御不良が発生したとしても、解除状態にある第1通路部材に対して球が振り分けられることを回避でき(即ち、解除状態が形成されている場合には振分部材は常に他側位置に配設される)、その結果、第1通路部材の一端から遊技領域外へ球が落下することを確実に抑制できる。
遊技機B11において、前記第1通路部材は、球が通過する通路を区画する壁部を備え、前記第1通路部材の壁部が前記振分部材とされることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、第1通路部材は、球が通過する通路を区画する壁部を備え、第1通路部材の壁部が振分部材とされるので、部品を共通化して、部品コストの削減を図ることができる。また、球が通過する通路を区画する壁部を振分部材とすることで、振り分けられた球を確実に通路へ流下させることができる。
<従動側スライド部材430の跳ね返りを規制する構造を一例とする発明の概念について>
上下方向に延設される案内部材と、その案内部材に案内され上昇位置および下降位置の間を前記案内部材に沿って変位可能とされる変位部材と、その変位部材を前記下降位置に支持する支持部材と、前記案内部材に沿って昇降可能に形成される昇降部材とを備え、前記昇降部材の上昇に伴いその昇降部材に押し上げられることで前記変位部材が前記下降位置から上昇位置まで上昇されると共に、前記昇降部材の下降に伴い前記変位部材が自重により前記上昇位置から下降位置まで下降される遊技機において、前記変位部材が前記下降位置まで下降されると前記変位部材の上昇方向への変位を規制する上昇規制部材を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、上下方向に延設される案内部材と、その案内部材に案内され上昇位置および下降位置の間を案内部材に沿って変位可能とされる変位部材と、その変位部材を下降位置に支持する支持部材と、案内部材に沿って昇降可能に形成される昇降部材とを備え、昇降部材の上昇に伴いその昇降部材に押し上げられることで変位部材が下降位置から上昇位置まで上昇されると共に、昇降部材の下降に伴い変位部材が自重により上昇位置から下降位置まで下降される遊技機が知られている(特開2014−233494号公報)。この場合、案内部材に沿って自重で下降された変位部材は、支持部材上に載置されその支持部材に支持されることで、下降位置に維持される。しかしながら、変位部材は、支持部材に載置された状態であり、案内部材に沿って上昇方向へ変位可能であるため、外乱に起因してがたつきが生じやすく、下降位置における変位部材の姿勢が不安定であるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、変位部材が下降位置まで下降されると変位部材の上昇方向への変位を規制する上昇規制部材を備えるので、下降位置において変位部材が案内部材に沿って上昇方向へ変位することを規制でき、外乱に起因するがたつきを抑制できる。その結果、下降位置における変位部材の姿勢を安定化できる。
遊技機C1において、前記上昇規制部材を前記変位部材へ近接する方向へ付勢する付勢手段を備え、前記変位部材は、その変位部材が自重で下降される際に前記上昇規制部材に当接してその上昇規制部材を前記変位部材から離間する方向へ変位させる離間作用部と、前記下降位置において前記上昇規制部材が前記変位部材へ近接する方向へ変位することを許容し且つ前記上昇規制部材に係合する係合部とを備えることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、変位部材は、変位部材が自重で下降される際に上昇規制部材を変位部材から離間する方向へ変位させる離間作用部と、下降位置において上昇規制部材と係合する係合部とを備えるので、変位部材を下降位置まで自重で下降させる動作のみで上昇規制部材による規制状態を形成することができ、上昇規制部材による規制状態を形成するための駆動源を別途設ける必要がない。よって、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、上昇規制部材と係合部との係合は、上昇規制部材が変位部材へ近接する方向へ変位することを許容した上で行われるので、その分、上昇規制部材と係合部との係合を解除するために必要な力および上昇規制部材の変位を大きくできる。その結果、外乱が入力された場合でも、上昇規制部材と係合部との係合を維持しやすくできる。
遊技機C2において、前記上昇規制部材と前記変位部材の係合部との係合の解除は、前記昇降部材が上昇されることで行われることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合の解除は、昇降部材が上昇されることで行われるので、変位部材に外乱が入力されてがたつこうとした場合であっても、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合が不用意に解除されることを抑制できる。
また、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合の解除が、昇降部材が上昇されることで行われるので、かかる係合を解除するための駆動源を別途設ける必要がなく、昇降部材を昇降させるための駆動源を、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合を解除するための駆動源として兼用させることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。
更に、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合の解除を行うための駆動源を別途設ける場合には、例えば、制御不良の発生により、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合が解除されていない状態で、昇降部材が上昇して変位部材を押し上げる恐れがあるところ、遊技機C3によれば、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合の解除を、昇降部材の上昇に伴いその昇降部材で変位部材を押し上げる動作に合せて行うことができるので、昇降部材により変位部材を押し上げる際には、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合が確実に解除された状態を形成できる。
遊技機C3において、前記昇降部材は、その昇降部材が上昇される際に前記上昇規制部材に当接して前記上昇規制部材を変位させることで前記上昇規制部材と前記変位部材の係合部との係合を解除させる解除作用部を備えることを特徴とする遊技機C4。
ここで、上昇規制部材と変位部材の係合部との係合の解除は、昇降部材の昇降に伴い変位部材を押し上げる際の押し上げ力により行うこともできるが、この場合には、その押し上げ力により解除できる程度の係合状態とする必要があり、強固な係合が困難となる。また、この場合には、係合が解除される際にその反動で振動が発生して、変位部材の姿勢が不安定となる。
これに対し、遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、昇降部材は、その昇降部材が上昇される際に上昇規制部材に当接して上昇規制部材を変位させることで上昇規制部材と変位部材の係合部との係合を解除させる解除作用部を備えるので、上昇規制部材と変位部材の係合部とが強固に係合されている場合でも、その解除を確実に行うことができる。言い換えれば、強固な係合状態を形成しておけるので、外乱に起因する変位部材のがたつきを抑制して、下降位置における変位部材の姿勢を安定化できる。また、係合が解除される際の反動による振動を抑制して、変位部材の姿勢を安定化できる。
遊技機C3又はC4において、前記上昇規制部材は、前記変位部材の係合部との係合が解除された状態では、前記下降位置および上昇位置の間で前記変位部材を昇降させる前記昇降部材に当接されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の効果に加え、上昇規制部材は、変位部材の係合部との係合が解除された状態では、下降位置および上昇位置の間で変位部材を昇降させる昇降部材に当接されるので、案内ガイドとして機能して、昇降部材が昇降される際のがたつきを抑制することができる。その結果、その昇降部材に伴って昇降する変位部材の姿勢を安定化できる。
遊技機C5において、前記昇降部材に当接される上昇規制部材は、前記昇降部材へ近接する方向へ前記付勢手段により付勢されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、昇降部材に当接される上昇規制部材は、昇降部材へ近接する方向へ付勢手段により付勢されるので、昇降部材を一定方向へ付勢して、その姿勢を安定化させることができる。また、昇降部材ががたつくことを、付勢手段の弾性的な緩衝作用により抑制することができる。
遊技機C6において、駆動手段と、その駆動手段により回転駆動されるピニオンと、そのピニオンが歯合されるラックとを備えると共に、前記ラックが前記昇降部材に配設され、前記昇降部材は、前記上昇規制部材を介して、前記ラックが前記ピニオンから離間される方向へ前記付勢手段により付勢されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、駆動手段により回転駆動されたピニオンの回転運動がラックの直線運動に変換され、その直線運動により昇降部材が案内部材に沿って昇降される。この場合、昇降部材は、上昇規制部材を介して、ラックがピニオンから離間される方向へ付勢されるので、ラックおよびピニオンの歯面の間隔を安定化させることができる。即ち、ラックおよびピニオンの歯面の間隔が狭まる方向へ昇降部材ががたつく場合には、その間隔を広げる方向へ付勢手段の付勢力が作用する一方、ラックおよびピニオンの歯面の間隔が広がる方向へ昇降部材ががたつく場合には、その間隔が一定以上に広がることを案内部材による案内構造により規制できる。よって、ラックおよびピニオンの歯面の間隔が狭くなり、歯合抵抗が過大となることを抑制できる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記昇降部材が前記変位部材を前記上昇位置まで押し上げると前記昇降部材の下降方向への変位を規制する下降規制部材を備えることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかにおいて、昇降部材が変位部材を上昇位置まで押し上げると昇降部材の下降方向への変位を規制する下降規制部材を備えるので、上昇位置に配設された変位部材および昇降部材を下降規制部材により支持することができる。その結果、変位部材を上昇位置に保持するための駆動力を不要とできるので、昇降部材を駆動する駆動手段の消費エネルギーを抑制できる。
また、下降規制部材による規制が、昇降部材が上昇されることで行われるので、かかる下降規制部材による規制を形成するための駆動源を別途設ける必要がなく、昇降部材を昇降させるための駆動源を、下降規制部材による規制を形成するための駆動源として兼用させることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機C8において、前記下降規制部材による規制の解除は、前記昇降部材が下降されることで行われることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、下降規制部材による規制の解除は、昇降部材が下降されることで行われるので、かかる規制を解除するための駆動源を別途設ける必要がなく、昇降部材を昇降させるための駆動源を、下降規制部材の規制を解除するための駆動源として兼用させることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。
また、下降規制部材による規制の解除を行うための駆動源を別途設ける場合には、例えば、制御不良の発生により、下降規制部材による規制が解除されていない状態で、昇降部材が下降して駆動源に過負荷が作用する或いは下降規制部材などが破損するおそれがあるところ、遊技機C9によれば、下降規制部材による規制の解除を、昇降部材の下降動作に合せて行うことができるので、昇降部材を下降させる際には、下降規制部材による規制が確実に解除された状態を形成できる。
なお、下降規制部材が、昇降部材ではなく、変位部材の下降方向への変位を規制する構造の場合には、かかる下降規制部材による規制の解除を、昇降部材の下降に伴って行う構造が複雑化するところ、遊技機C8及びC9によれば、下降規制部材が、昇降部材の下降方向への変位を規制する構造であるため、かかる下降規制部材による規制の解除を昇降部材の下降に伴って行う構造を簡素化できる。
遊技機C8又はC9において、前記下降規制部材により前記昇降部材の下降方向への変位が規制される状態では、前記上昇規制部材が前記昇降部材に当接され、前記下降規制部材が前記昇降部材に当接される方向と前記上昇規制部材が前記昇降部材に当接される方向とが異なる方向とされることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9において、下降規制部材が昇降部材に当接される方向と上昇規制部材が昇降部材に当接される方向とが異なる方向とされるので、これら下降規制部材および上昇規制部材により昇降部材の異なる方向へのがたつきをそれぞれ抑制させることができる。その結果、昇降部材の姿勢を効果的に安定させることができる。
遊技機C10において、駆動手段と、その駆動手段により回転駆動されるピニオンと、そのピニオンが歯合されるラックとを備えると共に、前記ラックが前記昇降部材に配設され、前記下降規制部材は、前記ラックの歯面に平行な方向から前記昇降部材に当接されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、駆動手段により回転駆動されたピニオンの回転運動がラックの直線運動に変換され、その直線運動により昇降部材が案内部材に沿って昇降される。この場合、ラック(昇降部材)はピニオンに対して歯面に平行な方向への変位が可能とされるところ、下降規制部材は、ラックの歯面に平行な方向から昇降部材に当接されるので、ラック(昇降部材)がピニオンに対してラックの歯面に平行な方向へ変位されることを規制できる。
遊技機C1からC11のいずれかにおいて、前記変位部材が下降位置に配置された状態では、前記上昇規制部材および支持部材が前記案内部材を挟んだ一側および他側から前記変位部材に当接可能にそれぞれ配設されることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C1からC11のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が下降位置に配置された状態では、上昇規制部材および支持部材が案内部材を挟んだ一側および他側から変位部材に当接可能にそれぞれ配設されるので、案内部材に対する変位部材の一側または他側へのいずれの方向へのがたつきも上昇規制部材または支持部材が当接することでそれぞれ規制できる。よって、下降位置に配設された変位部材が外乱に起因してがたつくことを効果的に抑制できる。
遊技機C1からC12のいずれかにおいて、前記変位部材が下降位置に配置された状態では、前記支持部材および上昇規制部材が案内部材の延設方向に沿って位置を違えつつ前記変位部材に当接可能に配設されると共に、前記支持部材が前記上昇規制部材よりも上方に配設されることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C1からC11のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が下降位置に配置された状態では、支持部材および上昇規制部材が案内部材の延設方向に沿って位置を違えつつ変位部材に当接可能に配設されるので、変位部材の斜め方向へのがたつきを上昇規制部材および支持部材との当接により規制できる。よって、下降位置に配設された変位部材が外乱に起因してがたつくことを効果的に抑制できる。
また、支持部材が上昇規制部材よりも上方に配設されるので、支持部材が昇降部材の昇降を阻害せず、昇降部材が昇降するためのスペースを確保することができる。よって、設計の自由度を確保できる。
<回転部材640の被検出部641を検出センサ684により検出する構造を一例とする発明の概念について>
移動可能に形成される移動部材と、その移動部材の移動位置を検出する検出手段とを備えた遊技機において、前記検出手段は、前記移動部材にその移動の方向に沿って不等間隔で配設される複数の被検出部と、その被検出部の移動軌跡上に配設される複数の検出センサとを備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、回転可能に形成される移動部材と、その移動部材の回転位置を検出する検出手段とを備えた遊技機が知られている(特開2005−46467号公報)。この遊技機によれば、検出手段が、移動部材の外周に等間隔に形成される複数のスリットと、そのスリットを挟んで対向配置される発光部および受光部とを備え、受光部が受光するパルス状の信号のパルス数を累積加算し、その累積加算したパルス数に基づいて、基準位置からの移動部材の回転量(即ち、回転位置)を検出する。しかしながら、この場合には、受光部の受光不良などによる検出不良が発生すると、移動部材の回転位置と累積加算数とにずれが生じ、移動部材の回転位置を正確に検出することができなくなるという問題点があった。即ち、検出不良が発生すると、その後の検出結果に影響を与えると共に、検出不良が発生する度に、検出結果への影響が累積される。
これに対し、遊技機D1によれば、検出手段は、移動部材にその移動の方向に沿って不等間隔で配設される複数の被検出部と、その被検出部の移動軌跡上に配設される複数の検出センサとを備えるので、複数の検出センサの検出結果の組み合わせに基づいて、移動部材の移動位置を検出することができる。即ち、複数の検出センサが検出している現在の検出結果のみに基づいて、移動部材の移動位置を検出することができ、かかる移動部材の移動位置の検出に検出センサの過去の検出結果を必要としないので、移動部材の移動位置を正確に検出することができる。
遊技機D1において、前記移動部材は、複数の分割部材を備えると共に、それら複数の分割部材が移動方向に沿って連結されることで形成され、前記被検出部は、前記複数の分割部材のうちの一部の分割部材に配設されると共に残りの分割部材には配設されず、前記複数の検出センサは、前記分割部材の配設間隔を基準とする間隔で配設されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、移動部材は、複数の分割部材を備えると共に、それら複数の分割部材が移動方向に沿って連結されることで形成され、被検出部は、複数の分割部材のうちの一部の分割部材に配設されると共に残りの分割部材には配設されず、複数の検出センサは、分割部材の配設間隔を基準として配設されるので、分割部材の配設間隔に相当する分だけ移動部材が変位される毎に、複数の検出センサの検出結果の組み合わせを異ならせることができる。即ち、分割部材の配設間隔に相当する移動量を最少単位として、移動部材の移動位置を検出することができる。
なお、分割部材の配設間隔を基準とする間隔で複数の検出センサが配設されるとは、複数の検出センサがそれぞれ複数の分割部材のうちのいずれかに対応する位置に配設されることを意味する。即ち、複数の検出センサのそれぞれが対応する分割部材の被検出部の有無を検出可能となる位置に配設されることを意味する。
遊技機D2において、前記移動部材には、前記複数の分割部材が第1の間隔で連結される第1区間と、前記複数の分割部材が前記第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で連結される第2区間とが形成され、前記複数の検出センサは、前記第1区間における分割部材の配設間隔を基準とする間隔で、前記第1区間における被検出部の移動軌跡上に配設されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、移動部材には、複数の分割部材が第1の間隔で連結される第1区間と、複数の分割部材が第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で連結される第2区間とが形成されるので、全体を第1の間隔で連結させる場合と比較して、移動部材の長さを短くできる。その結果、移動部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
この場合、複数の検出センサは、第1区間における分割部材の配設間隔(第1の間隔)を基準とする間隔で、第1区間における被検出部の移動軌跡上に配設されるので、検出センサの配設に必要なスペースを確保しやすくできる。言い換えると、第2区間における分割部材の配設間隔(第2の間隔)を設定する際には、検出センサの配設のためのスペースを考慮する必要がなく、よって、第2の間隔をより狭い間隔に設定できる。その結果、この点からも移動部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
遊技機D3において、前記分割部材は、前記被検出部材が配設される本体部材と、その本体部材および隣接する分割部材の本体部のそれぞれに両端が変位可能に連結されるリンク部材とを備え、前記リンク部材が前記本体部材および隣接する分割部材の本体部に対して変位されることで、前記分割部材および隣接する分割部材の間隔が増減され、前記第1区間では、前記リンク部材が変位終端に達し、前記分割部材が隣接する分割部材との間隔を広くする方向へ変位することが規制されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、分割部材は、被検出部材が配設される本体部材と、その本体部材および隣接する分割部材の本体部のそれぞれに両端が変位可能に連結されるリンク部材とを備え、リンク部材が本体部材および隣接する分割部材の本体部に対して変位されることで、分割部材および隣接する分割部材の間隔が増減されるので、第1区間および第2区間を形成するための構造を簡素化できる。
この場合、第1区間では、リンク部材が変位終端に達し、分割部材が隣接する分割部材との間隔を広くする方向へ変位することが規制されるので、かかる間隔を広くする方向への被検出部の位置ばらつきを抑制することができる。その結果、検出センサによる検出精度の向上を図ることができる。
遊技機D4において、前記分割部材が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記ベース部材は、前記分割部材が変位される際に前記本体部材を案内する本体案内部と前記リンク部材を案内するリンク案内部とを備え、前記リンク案内部は、前記本体部材が前記ベース部材の本体案内部に案内されて変位される際に、前記リンク部材に作用して、前記本体部材および前記隣接する分割部材の本体部材に対する前記リンク部材の姿勢を変化させることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、ベース部材は、分割部材が変位される際に本体部材を案内する本体案内部とリンク部材を案内するリンク案内部とを備え、リンク案内部は、本体部材がベース部材の本体案内部に案内されて変位される際に、リンク部材に作用して、本体部材および隣接する分割部材の本体部材に対するリンク部材の姿勢を変化させるので、かかるリンク部材の姿勢の変化に伴って、分割部材どうしの間隔を増減させることができる。即ち、移動部材を移動させつつ、分割部材どうしの間隔を増減させ、第1区間および第2区間を形成することができる。
遊技機D5において、前記リンク部材は、前記ベース部材のリンク案内部に案内される被案内部を備え、前記ベース部材のリンク案内部は、前記リンク部材の被案内部が摺動可能に挿通される溝状に形成されると共に、その溝幅が前記リンク部材の外形に対応する寸法に設定されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、リンク部材は、ベース部材のリンク案内部に案内される被案内部を備えると共に、ベース部材のリンク案内部は、リンク部材の被案内部が摺動可能に挿通される溝状に形成されると共に、その溝幅がリンク部材の外形に対応する寸法に設定されるので、第1区間においてリンク部材を変位終端に維持しやすくできる。これにより、分割部材が隣接する分割部材との間隔を広くする方向へ変位することを確実に規制して、かかる間隔を広くする方向への被検出部の位置ばらつきを抑制することができるので、検出センサによる検出精度の向上を図ることができる。
遊技機D4からD6のいずれかにおいて、前記分割部材は、前記本体部材に変位可能に配設される変位部材を備え、前記第1区間では、前記隣接する分割部材の本体部材に当接される位置に前記変位部材が変位され、前記分割部材が隣接する分割部材との間隔を狭くする方向へ変位することが規制されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D4からD6のいずれかの奏する効果に加え、分割部材は、本体部材に変位可能に配設される変位部材を備え、第1区間では、隣接する分割部材の本体部材に当接される位置に変位部材が変位され、分割部材が隣接する分割部材との間隔を狭くする方向へ変位することが規制されるので、かかる間隔を狭くする方向への被検出部の位置ばらつきを抑制することができる。その結果、検出センサによる検出精度の向上を図ることができる。
<移動部材640における分割部材DVどうしの間隔を調整する構造を一例とする発明の概念について>
移動可能に形成される移動部材を備えた遊技機において、前記移動部材は、複数の分割部材を備える共に、それら複数の分割部材が移動方向に沿って連結されることで形成され、その移動部材には、前記複数の分割部材が第1の間隔で連結される第1区間と、前記複数の分割部材が前記第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で連結される第2区間とが形成されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、回転可能に形成される移動部材を備えた遊技機が知られている(特開2010−115426号公報)。この場合、例えば、移動部材の正面に複数の識別情報を周方向に沿って表示し、所定位置に配設された識別情報を遊技者に視認させることで、演出を行うことができる。しかしながら、遊技者の視認性を考慮して、識別情報は一定以上の大きさを確保する必要があるため、識別情報の表示数を多くすると、移動部材が大径化して、配設に必要なスペースが嵩む一方、移動部材を小径化すると、識別情報の表示数が減少する。
これに対し、遊技機E1によれば、移動部材には、複数の分割部材が第1の間隔で連結される第1区間と、複数の分割部材が第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で連結される第2区間とが形成されるので、全体を第1の間隔で連結させる場合と比較して、移動部材の長さを短くできる。その結果、移動部材の配設に必要なスペースを抑制できる。即ち、分割部材の数は確保しつつ、それら複数の分割部材の配設に必要なスペースは抑制できる。よって、例えば、各分割部材に識別情報を表示する場合には、識別情報の表示数を確保しつつ、移動部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
遊技機E1において、前記分割部材は、本体部材と、その本体部材および隣接する分割部材の本体部のそれぞれに両端が変位可能に連結されるリンク部材とを備え、前記リンク部材が前記本体部材および隣接する分割部材の本体部に対して変位されることで、前記分割部材および隣接する分割部材の間隔が増減されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、分割部材は、本体部材と、その本体部材および隣接する分割部材の本体部のそれぞれに両端が変位可能に連結されるリンク部材とを備え、リンク部材が本体部材および隣接する分割部材の本体部に対して変位されることで、分割部材および隣接する分割部材の間隔が増減されるので、第1区間および第2区間を形成するための構造を簡素化できる。
遊技機E2において、前記分割部材が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記ベース部材は、前記分割部材が変位される際に前記本体部材を案内する本体案内部と前記リンク部材を案内するリンク案内部とを備え、前記リンク案内部は、前記本体部材が前記ベース部材の本体案内部に案内されて変位される際に、前記リンク部材に作用して、前記本体部材および前記隣接する分割部材の本体部材に対する前記リンク部材の姿勢を変化させることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、ベース部材は、分割部材が変位される際に本体部材を案内する本体案内部とリンク部材を案内するリンク案内部とを備え、リンク案内部は、本体部材がベース部材の本体案内部に案内されて変位される際に、リンク部材に作用して、本体部材および隣接する分割部材の本体部材に対するリンク部材の姿勢を変化させるので、かかるリンク部材の姿勢の変化に伴って、分割部材どうしの間隔を増減させることができる。即ち、移動部材を移動させつつ、分割部材どうしの間隔を増減させ、第1区間および第2区間を形成することができる。
遊技機E2又はE3において、前記分割部材は、前記本体部材に変位可能に配設される変位部材を備え、前記変位部材は、前記第1区間では、隣接する分割部材の側へ傾倒した姿勢とされると共に、前記第2区間では、第1区間における姿勢よりも起立された姿勢とされることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、変位部材は、第1区間では、隣接する分割部材の側へ傾倒した姿勢とされるので、変位部材を遊技者から視認しやすくすることができる。よって、例えば、変位部材に識別情報を表示する場合には、その識別情報の遊技者への視認性を高めることができる。また、第1区間では、分割部材どうしの間隔が広くされるので、変位部材が傾倒するためのスペースを確保でき、その分、変位部材を大型化できる。よって、この点からも、変位部材の視認性、即ち、識別情報の視認性の向上を図ることができる。
一方、変位部材は、第2区間では、第1区間における姿勢よりも起立された姿勢とされるので、変位部材を隣接する分割部材の本体部材から離間させることができ、その分、本体部材どうしを近づけて、それらの間隔を狭くすることができる。即ち、第2区間における第2の間隔を狭くすることができる。その結果、移動部材の長さを短くして、移動部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
遊技機E4において、前記変位部材は、前記本体部材の上面に変位可能に配設され、前記第2区間では、前記隣接する分割部材の本体部材の上面よりも上方に配設されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位部材は、本体部材の上面に変位可能に配設され、第2区間では、隣接する分割部材の本体部材の上面よりも上方に配設されるので、変位部材との干渉を抑制できる。よって、例えば、本体部材どうしを当接するまで近づけることができ、それらの間隔をより狭くすることができる。即ち、第2区間における第2の間隔をより狭くすることができる。その結果、移動部材の長さを短くして、移動部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
遊技機E3において、前記ベース部材の本体案内部は、その軌道が円形に形成されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、ベース部材の本体案内部の軌道が円形に形成されるので、ベース部材の本体案内部に案内されて本体部材が変位するための構造を簡素化できる。
遊技機E3において、前記第1区間における前記分割部材の軌道が円弧形状に形成されると共に、その円弧形状の半径が、前記複数の分割部材を全て前記第1の間隔で周方向に連結して円形に配設する場合の半径と同等とされることを特徴とする遊技機E7。
ここで、複数の分割部材が第1の間隔で周方向に連結される第1区間と、複数の分割部材が第1の間隔よりも狭い間隔とされる第2の間隔で周方向に連結される第2区間とが移動部材に形成される場合(以下「前者の場合」と称す)は、全体を第1の間隔で連結させる場合(以下「後者」と称す)と比較して、移動部材の周方向の長さを短くできるので、分割部材の数は確保しつつ、それら複数の分割部材の配設に必要なスペースは抑制できる。しかしながら、複数の分割部材の軌道を円形に形成する場合、前者の場合の半径は、後者の場合の半径よりも小さくされる。そのため、前者の場合における第1区間の分割部材を視認する遊技者に対して、その第1区間における分割部材の数と半径とに基づいて、移動部材を形成する分割部材の全数として実際の数よりも少ない数を想起させる。
これに対し、遊技機E7によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、第1区間における分割部材の軌道が円弧形状に形成されると共に、その円弧形状の半径が、複数の分割部材を全て第1の間隔で周方向に連結して円形に配設する場合の半径と同等とされるので、複数の分割部材の数を確保すると共にそれら複数の分割部材の配設に必要なスペースを抑制しつつ、移動部材を形成する分割部材の全数として実際の数に相当する数を遊技者に想起させることができる。
<駆動機構630を一例とする発明の概念について>
案内部が延設されるベース部材と、そのベース部材の案内部に沿って変位される複数の分割部材がそれぞれ連結されることで形成される移動部材と、その移動部材に駆動力を付与する駆動手段とを備え、前記ベース部材の案内部は、前記分割部材に作用することで、前記分割部材どうしの間隔を第1の間隔に設定する第1案内部と、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔に前記分割部材どうしの間隔を設定する第2案内部とを備え、前記駆動手段は、前記分割部材に係合可能な係合部を有する回転駆動部材を備え、その回転駆動部材が前記係合部を前記分割部材に係合させつつ回転されることで、前記複数の分割部材が前記ベース部材の案内部に沿って変位されることを特徴とする遊技機F1。
ここで、回転可能に形成される移動部材を備えた遊技機が知られている(特開2010−115426号公報)。この場合、例えば、移動部材の正面に複数の識別情報を周方向に沿って表示し、所定位置に配設された識別情報を遊技者に視認させることで、演出を行うことができる。しかしながら、遊技者の視認性を考慮して、識別情報は一定以上の大きさを確保する必要があるため、識別情報の表示数を多くすると、移動部材が大径化して、配設に必要なスペースが嵩む一方、移動部材を小径化すると、識別情報の表示数が減少する。
そこで、本願出願人は、複数の分割部材を連結することで移動部材を形成し、その移動部材に、複数の分割部材が第1の間隔で連結される区間と、第1の間隔よりも狭い間隔の第2の間隔で複数の分割部材が連結される区間とを形成することで、全体を第1の間隔で連結させる場合と比較して、分割部材の数は確保しつつ、それら複数の分割部材の配設に必要なスペースは抑制できる、即ち、各分割部材に識別情報を表示する場合には、識別情報の表示数を確保しつつ、移動部材の配設に必要なスペースを抑制できることに想到した。
しかしながら、複数の分割部材が連結された移動部材に、複数の分割部材が第1の間隔で連結される区間と、第1の間隔よりも狭い間隔の第2の間隔で複数の分割部材が連結される区間とを形成しつつ、かかる移動部材をベース部材に対して変位させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1では、ベース部材の案内部は、分割部材に作用することで、分割部材どうしの間隔を第1の間隔に設定する第1案内部と、第1の間隔よりも狭い第2の間隔に分割部材どうしの間隔を設定する第2案内部とを備え、駆動手段は、分割部材に係合可能な係合部を有する回転駆動部材を備え、その回転駆動部材が係合部を分割部材に係合させつつ回転されることで、複数の分割部材がベース部材の案内部に沿って変位されるので、分割部材どうしの間隔が広い区間および狭い区間(第1の間隔の区間および第2の間隔の区間)を移動部材に形成しつつ、かかる移動部材をベース部材に対して変位させることができる。
遊技機F1において、前記回転駆動部材には、前記係合部が複数形成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、回転駆動部材には、係合部が複数形成されるので、回転駆動部材から移動部材への駆動力の伝達効率の向上を図ることができる。
遊技機F1又はF2において、前記複数の分割体部材が周方向に無端状に連結されることで前記移動部材が形成され、前記駆動手段は、2の前記回転駆動部材を備え、それら2の回転駆動部材が前記移動部材の周方向に沿って異なる位置に配設されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、2の回転駆動部材が移動部材の周方向に沿って異なる位置に配設されるので、回転駆動部材から移動部材へ付与される駆動力をその移動部材の周方向の異なる位置に分散させることができる。これにより、複数の分割部材の一部に駆動力の付与が偏ることを抑制して、移動部材の変位を安定化できる。
遊技機F3において、前記ベース部材の案内部に沿って変位される前記複数の分割部材の軌道が円形とされると共に、前記2の回転駆動部材が、前記円形の軌道において位相を180度異ならせた位置に配設されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、ベース部材の案内部に沿って変位される複数の分割部材の軌道が円形とされると共に、2の回転駆動部材が、円形の軌道において位相を180度異ならせた位置に配設されるので、移動部材(複数の分割部材)のうちの最も離間された2カ所へ回転駆動部材からの駆動力を付与することができ、その結果、移動部材の変位を安定化できる。
遊技機F3又はF4において、前記2の回転駆動部材は、一方の回転駆動部材の前記係合部が前記分割部材に非係合とされている間は、他方の回転駆動部材の前記係合部が前記分割部材に係合されるように、前記係合部の位相を互いに異ならせて配設されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3又はF4の奏する効果に加え、2の回転駆動部材は、一方の回転駆動部材の係合部が分割部材に非係合とされている間は、他方の回転駆動部材の係合部が分割部材に係合されるように、係合部の位相を互いに異ならせて配設されるので、一方の回転駆動部材の係合部と他方の回転駆動部材の係合部とが同時にそれぞれ分割部材に非係合されることを回避でき、回転駆動部材から移動部材への駆動力の伝達が断続的となることを抑制できる。これにより、移動部材の変位を安定化できる。
即ち、本発明のように複数の分割部材が無端状に連結される構成では、回転駆動部材から移動部材への駆動力の伝達が断続的となると、駆動力の伝達および解除に伴って、分割部材どうしの間隔が増減されるため、移動部材全体としての姿勢が不安定となる。
これに対し、遊技機F5によれば、一方の回転駆動部材の係合部と他方の回転駆動部材の係合部とのいずれか一方が常に分割部材に係合され、移動部材に常に駆動力が伝達された状態を形成できるので、分割部材どうしの間の間隔を一定に保ちやすくできる。その結果、複数の分割部材が無端状に連結されて形成される移動部材であっても、その姿勢を安定化できる。即ち、その変位を安定化できる。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記複数の分割部材は、前記回転駆動手段の係合部が係合される被係合部を備え、その被係合部が前記複数の分割部材の軌道における外周側に配設されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかの奏する効果に加え、複数の分割部材は、回転駆動手段の係合部が係合される被係合部を備え、その被係合部が複数の分割部材の軌道における外周側に配設されるので、回転駆動部材の回転量に対する移動部材(複数の分割部材)の回転量を小さくできる。即ち、減速比を小さくできるので、その分、回転駆動部材から移動部材へ付与される駆動トルクを大きくできる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記回転駆動部材は、前記案内部のうちの第1案内部に沿って案内される前記分割部材に前記係合部を係合可能な位置に配設されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F3からF6のいずれかの奏する効果に加え、回転駆動部材は、案内部のうちの第1案内部に沿って案内される分割部材、即ち、分割部材どうしの間隔が広くされた状態で案内される分割部材に係合部を係合可能な位置に配設されるので、隣接する分割部材と回転駆動部材との干渉を抑制でき、その分、回転駆動部材の直径を大きくすることができる。その結果、回転駆動部材から移動部材へ付与される駆動トルクを大きくできる。
遊技機F3からF7のいずれかにおいて、前記ベース部材の案内部は、その案内部に沿って変位される分割部材に作用することで、前記分割部材どうしの間隔を前記第1の間隔または第2の間隔から前記第2の間隔または第1の間隔へ遷移させる第3案内部を備え、前記回転駆動部材は、前記案内部のうちの第3案内部に沿って案内される前記分割部材に前記係合部を係合可能な位置に配設されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかに記載の遊技機において、回転駆動部材は、案内部のうちの第3案内部に沿って案内される分割部材、即ち、隣接する分割部材との間隔が第1の間隔または第2の間隔から第2の間隔または第1の間隔へ遷移されている分割部材に係合部を係合可能な位置に配設されるので、案内部(第3案内部)から比較的大きな反力を受ける分割部材を回転駆動部材により直接駆動することができる。その結果、複数の分割部材が連結されることで形成される移動部材が途中で屈曲することを抑制して、その移動部材の変位の安定化を図ることができる。
遊技機F1からF8のいずれかにおいて、前記分割部材は、前記案内部に沿って変位される本体部材と、その本体部材に一端が回転可能に連結されると共に隣接する分割部材の本体部材に他端がスライド可能に連結されるリンク部材とを備え、前記リンク部材の一端および他端が前記本体部材および隣接する分割部材の本体部材に対してそれぞれ回転およびスライドされることで、前記分割部材および隣接する分割部材の間隔が増減され、前記回転駆動部材の係合部は、前記分割部材の本体部材であって、前記隣接する分割部材のリンク部材の他端がスライド可能に連結される部位よりも前記リンク部材の一端が回転可能に連結される部位に近い位置に係合されることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F1からF8のいずれかの奏する効果に加え、分割部材が、案内部に沿って変位される本体部材と、その本体部材に一端が回転可能に連結されると共に隣接する分割部材の本体部材に他端がスライド可能に連結されるリンク部材とを備え、リンク部材の一端および他端が本体部材および隣接する分割部材の本体部材に対してそれぞれ回転およびスライドされることで、分割部材および隣接する分割部材の間隔が増減され、回転駆動部材の係合部は、分割部材の本体部材であって、隣接する分割部材のリンク部材の他端がスライド可能に連結される部位よりもリンク部材の一端が回転可能に連結される部位に近い位置に係合されるので、分割部材の本体部材が回転駆動部材によって駆動され、案内部に沿って変位される際に、その本体部材の変位を隣接する分割部材の本体部材へリンク部材を介して伝達しやすくすることができる。その結果、移動部材の変位の安定化を図ることができる。
遊技機F4又はF5において、前記複数の分割部材の軌道である円形と同心に配設されると共に前記2の回転駆動部材にそれぞれ歯合される駆動歯車を備えることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、2の回転駆動部材にそれぞれ歯合される駆動歯車を備えるので、駆動歯車を回転させることで、2の回転駆動部材を同期された状態で回転させることができる。その結果、移動部材の回転を安定化させることができる。この場合、駆動歯車は、複数の分割部材の軌道である円形と同心に配設されるので、駆動歯車および2の回転駆動部材を、ベース部材の正面視において、移動部材(複数の分割部材)の移動軌跡の外周よりも内方に配設できる。即ち、駆動歯車および2の回転駆動部材が移動部材の外形よりも外方に突出されないので、その分、小型化を図ることができる。
<発光ユニット800を一例とする発明の概念について>
光透過性材料から板状に形成される光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備えた遊技機において、前記光照射手段から前記光透過部材の側端面までの空間を区画する区画部材を備え、前記区画部材は、前記空間を区画する内壁の少なくとも一部が、前記光透過部材の正面に対して非平行かつ非直交とされることを特徴とする遊技機G1。
ここで、光透過性材料から板状に形成される光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2006−218093号公報)。光透過部材には、複数のドットが凹設されており、側端面から入射された光をドットで反射させることで、正面から出射させることができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、光透過部材へ入射される光が光照射手段の光軸に沿う領域に偏りやすいという問題点があり、光透過部材の照度を均一とすることが困難であった。即ち、光照射手段から光透過部材の側端面に入射される光が光照射手段の光軸に沿う方向に集中するため、光透過部材の正面に沿って広がる方向(光透過部材の板厚方向と光照射手段の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向)へ光が進行し難くかった。
これに対し、遊技機G1によれば、前記光照射手段から前記光透過部材の側端面までの空間を区画する区画部材を備え、区画部材は、空間を区画する内壁の少なくとも一部が、光透過部材の正面に対して非平行かつ非直交とされるので、光照射手段から照射され区画部材の内壁で反射した光を、光透過部材の正面に沿って広がる方向(光透過部材の板厚方向と光照射手段の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向)へ進行させやすくできる。よって、光透過部材へ入射される光が光照射手段の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、光透過部材の照度を均一にしやすくできる。
遊技機G1において、前記区画部材は、前記光照射手段と前記光透過部材の側端面との間に介設されると共に前記光照射手段に対応する位置に開口部が開口されるベース部材を備え、そのベース部材の開口部の内壁が前記光照射手段から前記光透過部材の側端面までの空間を区画することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、区画部材は、光照射手段と光透過部材の側端面との間に介設されると共に光照射手段に対応する位置に開口部が開口されるベース部材を備え、そのベース部材の開口部の内壁が光照射手段から光透過部材の側端面までの空間を区画するので、区画部材(開口部の内壁)で光を反射させて、光透過部材の板厚方向と光照射手段の光軸とに直交する方向へ光を進行させることで、光透過部材へ入射される光の偏りを抑制する構造を簡素化できる。よって、製品コストを削減できる。
遊技機G2において、前記光照射手段の光軸方向視において、前記ベース部材および前記開口部がそれぞれ正面視矩形に形成されると共に前記開口部が各辺を前記ベース部材の各辺に対し平行とする姿勢で配設され、前記光透過部材が前記開口部に対して傾斜する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、光照射手段の光軸方向視において、ベース部材および開口部がそれぞれ正面視矩形に形成されると共に開口部が各辺をベース部材の各辺に対し平行とする姿勢で配設され、光透過部材が開口部に対して傾斜する姿勢で配設されるので、開口部の内壁を光透過部材の正面に対して非平行かつ非直交とすることを可能としつつ、区画部材(ベース部材)の成形性を確保することができる。即ち、ベース部材を樹脂材料から成形する場合には、開口部が各辺をベース部材の各辺に対し平行とする姿勢で配設されることで、ベース部材の肉厚を均等として、その分、ヒケや反り、充填不良などを抑制できる。その結果、成形性を確保できる。
遊技機G2において、前記ベース部材は、前記光照射手段の光軸方向視において、前記開口部の内壁の少なくとも一部が凸の湾曲面として形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、ベース部材は、光照射手段の光軸方向視において、開口部の内壁の少なくとも一部が凸の湾曲面として形成されるので、光照射手段から照射され光を凸の湾曲面で反射させて分散させやすくできる。よって、その分、光透過部材の正面に沿って広がる方向(光透過部材の板厚方向と光照射手段の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向)へ光を進行させやすくでき、光透過部材へ入射される光が光照射手段の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、光透過部材の照度を均一にしやすくできる。
遊技機G2において、前記ベース部材は、前記光照射手段の光軸方向視において、前記開口部の内壁の少なくとも一部が凹の湾曲面として形成されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、ベース部材は、光照射手段の光軸方向視において、開口部の内壁の少なくとも一部が凹の湾曲面として形成されるので、光照射手段から照射され光を凹の湾曲面で反射させることで、一方向へ集光させることができる。即ち、集光の方向を、光透過部材の正面に沿って広がる方向(光透過部材の板厚方向と光照射手段の光軸方向との両者にそれぞれ直交する方向)に偏倚させることで、光透過部材へ入射される光が光照射手段の光軸に沿う領域に偏ることを抑制できる。その結果、光透過部材の照度を均一にしやすくできる。
遊技機G5において、前記光照射手段を少なくとも3以上備えると共に、それら光照射手段が所定間隔を隔てつつ列設され、前記ベース部材には、前記複数の光照射手段にそれぞれ対応する位置に前記開口部が開口され、列設方向一側の端部に位置する前記開口部と列設方向他側の端部に位置する前記開口部とが、前記凹の中心を互いに反対側に向けた姿勢で配設されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、光照射手段を少なくとも3以上備えると共に、それら光照射手段が所定間隔を隔てつつ列設され、ベース部材には、複数の光照射手段にそれぞれ対応する位置に開口部が開口され、列設方向一側の端部に位置する開口部と列設方向他側の端部に位置する開口部とが、凹の中心を互いに反対側に向けた姿勢で配設されるので、光透過部材の照度を全体に均一にしやすくできる。
即ち、開口部どうしの間の領域では、それら隣接する開口部のそれぞれから光が進行される(即ち、2の光照射手段からの光が到達される)ため、光が重なり、照度が確保されやすい。一方、列設方向一側または他側の端部に位置する開口部よりも外の領域では、その開口部からの光のみが進行される(即ち、1の光照射手段からの光のみが到達される)ため、照度の確保が困難となる。
これに対し、遊技機G6では、列設方向一側の端部に位置する開口部と列設方向他側の端部に位置する開口部とが、凹の中心を互いに反対側に向けた姿勢で配設されるので、集光させた光を、各開口部よりも外の領域へ向けて進行させることができ、照度を確保できる。その結果、光透過部材の照度を全体に均一にしやすくできる。
<上部昇降ユニット300を一例とする発明の概念について>
駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材とを有する変位ユニットを一対備え、前記一対の変位ユニットが前記変位部材の変位軌跡を隣り合わせて配設された遊技機において、前記駆動手段の駆動力により変位される際の慣性力により前記変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機H1。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材とを有する変位ユニットを一対備え、一対の変位ユニットが変位部材の変位軌跡を隣り合わせて配設された遊技機が知られている(例えば、特開2010−11899号公報)。かかる遊技機によれば、両変位部材を並設させつつ同方向へ変位させる演出や、一方の変位部材のみを変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から駆動力を受けて変位を開始する際に、慣性力の影響により変位部材が隣接する変位部材に近接する方向へ変位して、変位部材どうしが衝突する恐れがあるという問題点があった。変位部材の衝突を回避するために、変位ユニットどうしの間隔を大きくした場合には、配設スペースが嵩むだけでなく、例えば、両変位部材を並設させつつ同方向へ変位させる際の一体感を形成することができない。
これに対し、遊技機H1によれば、駆動手段の駆動力により変位される際の慣性力により変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制する抑制手段を備えるので、変位部材どうしの衝突を抑制することができる。その結果、変位ユニットどうしの間隔を小さくできるので、配設スペースを抑制できると共に、例えば、両変位部材を並設させつつ同方向へ変位させる際の一体感を形成することができる。
遊技機H1において、前記変位ユニットは、前記駆動手段の駆動力により回転されるピニオンと、そのピニオンが歯合されると共に前記変位部材が配設されるラックと、そのラックの直線変位を、前記直線変位の方向と直交する方向への変位を許容した状態で案内する案内部材を備え、前記抑制手段は、前記直線変位の方向と直交する方向への前記ラックの変位を規制することで、前記変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制することを特徴とする遊技機H2。
ここで、駆動手段の駆動力により回転されるピニオンと、そのピニオンが歯合されると共に変位部材が配設されるラックとを備えることで、変位部材を直線変位させることができる。即ち、変位部材の変位軌跡を平行に隣り合わせることができる。よって、隣り合う変位部材の変位に一体感を形成しやすくできる。この場合、各部品の寸法公差や組み付け公差を考慮して、案内部材は、ラックの直線変位を、前記直線変位の方向と直交する方向への変位を許容した状態で案内する必要がある。しかしながら、直性変位の方向と直交する方向への変位が許容されていると、ピニオンが回転され、ラックの直線変位が開始される際に、慣性力の影響によりラックに回転力が発生する結果、直線変位の方向と直交する方向へ変位部材が変位される。そのため、変位部材が隣接する変位部材に近接して衝突する恐れがある。
これに対し、遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、抑制手段が、直線変位の方向と直交する方向へのラックの変位を規制することで、変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制するので、変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制することができる。
遊技機H2において、前記抑制手段は、前記ピニオンから径方向外方に張り出して形成される当接部と、その当接部が当接可能に前記ラックに形成される被当接部とを備え、前記当接部が前記被当接部に当接されることで、前記直線変位の方向と直交する方向への前記ラックの変位を規制することを特徴とする遊技機H3。
ここで、駆動手段の駆動力により回転されるピニオンと、そのピニオンが歯合されると共に変位部材が配設されるラックとを備えることで、変位部材を直線変位させることができる。即ち、変位部材の変位軌跡を平行に隣り合わせることができる。よって、隣り合う変位部材の変位に一体感を形成しやすくできる。この場合、ピニオンが回転され、ラックの直線変位が開始される際には、慣性力の影響により、ラックに回転力が作用される結果、直線変位の方向と直交する方向へ変位部材が変位される。そのため、変位部材が隣接する変位部材に近接する方向へ変位され衝突する恐れがある。
これに対し、遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、抑制手段が、ピニオンから径方向外方に張り出して形成される当接部と、その当接部が当接可能にラックに形成される被当接部とを備え、当接部が被当接部に当接されることで、直線変位の方向と直交する方向へのラックの変位を規制するので、変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制することができる。
遊技機H3において、前記ラックの前記直線変位の位置に応じて、前記当接部と前記被当接部との間の距離が異なることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、ラックの直線変位の位置に応じて、当接部と被当接部との間の距離が異なるので、例えば、変位部材の変位(ピニオンの回転)を開始する位置や変位部材の変位速度(ピニオンの回転速度)を変化させる位置(即ち、変位部材(ラック)が慣性力の影響を受けやすい位置)では、当接部を被当接部に当接させて、変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制できる一方、例えば、変位部材の変位(ピニオンの回転)が定常状態となる位置では、案内部材による直線変位の方向と直交する方向へのラックの変位の許容量を確保して、寸法公差や組立公差を許容しやすくすることで、駆動手段の負荷を抑制すると共に、ラックの直線変位を安定化できる。即ち、変位部材どうしの衝突の防止と、案内部材に対するラックのがたつきの確保とを両立できる。
遊技機H3又はH4において、前記当接部は、少なくとも前記被当接部との間の距離が最少となる部分が、前記ピニオンの歯先よりも径方向外方に張り出して形成され、前記ラックの側面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H3又はH4の奏する効果に加え、当接部は、少なくとも被当接部との間の距離が最少となる部分が、ピニオンの歯先よりも径方向外方に張り出され、ラックの側面に当接可能に形成されるので、ラックがピニオンの回転軸方向にがたつくことを抑制できる。特に、当接部と被当接部との間の距離が最少となる部分は、変位部材(ラック)が慣性力の影響を受けやすい位置に設定され、ラックのがたつきが発生しやすいため、当接部がラックの側面に当接可能に形成されることが特に有効となる。
遊技機H1において、前記変位ユニットは、前記駆動手段の駆動力により回転されるピニオンと、そのピニオンが歯合されると共に前記変位部材が配設されるラックと、そのラックの直線変位を、前記直線変位の方向と直交する方向への変位を許容した状態で案内する案内部材を備え、前記抑制手段は、前記案内部材による前記直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へ前記ラックを偏倚させることで、前記変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制することを特徴とする遊技機H6。
ここで、駆動手段の駆動力により回転されるピニオンと、そのピニオンが歯合されると共に変位部材が配設されるラックとを備えることで、変位部材を直線変位させることができる。即ち、変位部材の変位軌跡を平行に隣り合わせることができる。よって、隣り合う変位部材の変位に一体感を形成しやすくできる。この場合、各部品の寸法公差や組み付け公差を考慮して、案内部材は、ラックの直線変位を、前記直線変位の方向と直交する方向への変位を許容した状態で案内する必要がある。しかしながら、直性変位の方向と直交する方向への変位が許容されていると、ピニオンが回転され、ラックの直線変位が開始される際に、慣性力の影響によりラックに回転力が発生する結果、直線変位の方向と直交する方向へ変位部材が変位される。そのため、変位部材が隣接する変位部材に近接して衝突する恐れがある。
これに対し、遊技機H6によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、抑制手段は、案内部材による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へラックを偏倚させることで、変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制するので、変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制することができる。
遊技機H6において、前記ラックの歯面が、前記直線変位の方向に対して平行に形成される平行歯面と、前記直線変位の方向に対して傾斜して形成される傾斜歯面とを備え、前記抑制手段は、前記傾斜歯面に前記ピニオンを歯合させることで、前記案内部材による前記直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へ前記ラックを偏倚させ、前記変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H6において、前記ピニオンの歯面が、一定の歯径で形成される一定歯面と、その一定歯面よりも歯径が大きくされる大径歯面とを備え、前記抑制手段は、前記大径歯面を前記ラックに歯合させることで、前記案内部材による前記直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へ前記ラックを偏倚させ、前記変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H7又は遊技機H8によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、ラックの歯面が傾斜歯面を備える、又は、ピニオンの歯面が大径歯面を備え、傾斜歯面にピニオンを歯合させる、又は、大径歯面をラックに歯合させることで、案内部材による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へラックを偏倚させることができる、即ち、ラックを隣接するラックから事前に離間させておけるので、慣性力の影響により、ラックが隣接するラックへ近接する場合であっても、変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制できる。
また、傾斜歯面にピニオンが歯合された状態、又は、大径歯面がラックに歯合された状態からピニオンが回転されることで、平行歯面にピニオンが歯合された、又は、ラックに一定歯面が歯合された状態からピニオンが回転される場合と比較して、ラックの直線変位が開始される際に、慣性力の影響により発生するラックの回転力を抑制できる。よって、この点からも変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制できる。
遊技機H6において、前記案内部材またはラックの一方から突設される突部と、その突部が摺動可能に挿通され前記案内部材またはラックの他方に形成される案内溝とを備え、前記案内溝は、前記直線変位の方向に沿って延設される直線溝と、前記直線変位の方向に対して傾斜して形成される傾斜溝とを備え、前記抑制手段は、前記傾斜溝に前記突部を位置させることで、前記案内部材による前記直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へ前記ラックを偏倚させ、前記変位部材が隣接する変位部材に近接することを抑制するものであることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、案内溝が傾斜溝を備え、傾斜溝に突部を位置させることで、案内部材による直線変位の方向と直交する方向であって隣接するラックと離間する方向へラックを偏倚させることができる、即ち、ラックを隣接するラックから事前に離間させておけるので、慣性力の影響により、ラックが隣接するラックへ近接する場合であっても、変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制できる。
また、傾斜溝に突部が位置する状態からピニオンが回転されることで、直線溝に突部が位置する状態からピニオンが回転される場合と比較して、ラックの直線変位が開始される際に、慣性力の影響により発生するラックの回転力を抑制できる。よって、この点からも変位部材が隣接する変位部材に衝突することを抑制できる。
遊技機H2からH9のいずれかにおいて、前記一対の変位ユニットが前記ピニオン及びラックの歯合面を互いに反対側へ向ける姿勢で配設されることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H2からH9のいずれかの奏する効果に加え、一対の変位ユニットがピニオン及びラックの歯合面を互いに向い合せる姿勢または反対側へ向ける姿勢で配設されるので、慣性力の影響によって変位部材が直線変位の方向と直交する方向へ変位される方向を、一対の変位ユニットにおいて互いに逆方向とできる。即ち、ラックが一方向へ直線変位される場合には変位部材どうしが近接される一方、ラックが他方向へ直線変位される場合には変位部材どうしが離間される。よって、抑制手段は、ラックが一方向へ直線変位される場合のみに対応できれば良く、ラックが一方向へ直線変位される場合と他方向へ直線変位される場合との両方に対応することを不要とできるので、その分、抑制手段の構造を簡素化できる。
<昇降体330を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位ユニットとを備え、前記変位ユニットが、第1部材と、その第1部材よりも小さな外形に形成され前記第1部材の一部に重ね合わされる第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に介設されると共に前記第2部材よりも大きな外形に形成される介設部材とを備えた遊技機において、前記介設部材が前記第1部材および第2部材の間に介設されると、前記介設部材のうちの前記第1部材に前記第2部材が重ね合わされていない側が前記第1部材側に付勢されるように形成されていることを特徴とする遊技機I1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位ユニットとを備え、変位ユニットが、第1部材と、その第1部材よりも小さな外形に形成され第1部材の一部に重ね合わされる第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に介設されると共に第2部材よりも大きな外形に形成される介設部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−11899号公報)。かかる遊技機によれば、変位ユニットは、第1部材に第2部材が重ね合わされていない部分が開放されるので、その開放された部分を利用して(開放された部分をベース部材に対面させることで)、変位ユニットをベース部材に近接させることができる。よって、その分、ベース部材および変位ユニットの配置に必要なスペースを抑制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1部材よりも第2部材が小さな外形に形成されるため、その分、第1部材および第2部材の間に介設部材を挟み込める面積が小さくなり、介設部材ががたつきやすいという問題点があった。第2部材が重ね合わされていない部分(開放された部分)において、第1部材に介設部材を締結ねじにより締結固定した場合には、がたつき難くできるが、開放された部分に締結ねじの頭が突出される。そのため、開放された部分を利用できなくなり(即ち、開放された部分をベース部材に対面させると、締結ねじの頭がベース部材に干渉する)、変位ユニットをベース部材に近接させることが阻害される。その結果、ベース部材および変位ユニットの配置に必要なスペースが嵩む。
これに対し、遊技機I1によれば、介設部材が第1部材および第2部材の間に介設されると、介設部材のうちの第1部材に第2部材が重ね合わされていない側が第1部材側に付勢されるように形成されているので、介設部材を第1部材に押し付けることができる。その結果、介設部材のがたつきを抑制できる。
また、第2部材が重ね合わされていない部分(開放された部分)において、第1部材に介設部材を締結ねじにより締結固定する必要がなく、締結ねじの頭とベース部材との干渉が発生しないので、変位ユニットをベース部材に近接させることができる。よって、その分、ベース部材および変位ユニットの配置に必要なスペースを抑制できる。
遊技機I1において、前記変位ユニットは、前記第2部材と前記介設部材とを連結する連結手段を備え、前記第2部材は、前記介設部材に当接可能に形成される当接部を備え、前記連結手段によって前記第2部材と前記介設部材とが連結される位置よりも前記第1部材に前記第2部材が重ね合わされていない側に前記当接部が位置することを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、第2部材と介設部材とを連結する連結手段を備え、第2部材は、介設部材に当接可能に形成される当接部を備え、連結手段によって第2部材と介設部材とが連結される位置よりも第1部材に第2部材が重ね合わされていない側に当接部が位置するので、連結手段による第2部材および介設部材の連結に伴って、当接部を介設部材に当接させて、介設部材を第1部材に押し付けることができる。即ち、介設部材のがたつきを抑制する構造を達成しつつ、組み立て作業を簡素化できる。
遊技機I2において、前記介設部材に螺刻されるめねじと、前記第2部材に穿設される挿通孔と、その挿通孔に挿通され前記めねじに螺合される締結ねじとから前記連結手段が形成されることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、介設部材に螺刻されるめねじと、第2部材に穿設される挿通孔と、その挿通孔に挿通されめねじに螺合される締結ねじとから連結手段が形成されるので、介設部材を第1部材に強固に押し付けることを可能として、介設部材のがたつきをより確実に抑制できる。即ち、締結ねじを締結すると、その締結力により介設部材を第2部材へ引き付けることができる。よって、第2部材の当接部を支点として、その支点(当接部)を挟んで引き付け力が作用される側と反対側を第1部材に押し付けることができる。その結果、介設部材を第1部材に強固に押し付けて、介設部材のがたつきを抑制できる。
遊技機I2において、前記介設部材を係止可能に形成され前記第2部材に配設される係止部から前記連結手段が形成され、前記係止部は、前記介設部材を前記当接部へ付勢する状態で前記介設部材を係止することを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、介設部材を係止可能に形成され第2部材に配設される係止部から連結手段が形成され、係止部は、介設部材を当接部へ付勢する状態で介設部材を係止するので、介設部材を第1部材に強固に押し付けることを可能として、介設部材のがたつきをより確実に抑制できる。即ち、係止部に係止されると介設部材が当接部へ付勢されるので、第2部材の当接部を支点として、その支点(当接部)を挟んで引き付け力が作用される側と反対側を第1部材に押し付けることができる。その結果、介設部材を第1部材に強固に押し付けて、介設部材のがたつきを抑制できる。
また、変位ユニットの組み立て時には、係止部を介設部材に係止させることで、介設部材と第2部材との連結を行うことができ、締結ねじの挿通孔への挿通や螺合などの締結作業を行う必要がないので、その分、工数を抑制でき、組み立て作業の作業性を向上できる。
遊技機I2において、前記第1部材と前記介設部材との間に圧縮変形された状態で介設される圧縮弾性手段により前記連結部材が形成されることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I2において、前記介設部材と前記第2部材との間に引張変形された状態で介設される引張弾性手段により前記連結部材が形成されることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I5又はI6によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、第1部材と介設部材との間に圧縮変形された状態で介設される圧縮弾性手段、又は、介設部材と第2部材との間に引張変形された状態で介設される引張弾性手段により連結部材が形成されるので、介設部材を第1部材に強固に押し付けることを可能として、介設部材のがたつきをより確実に抑制できる。即ち、圧縮弾性手段または引張弾性力の弾性回復力により介設部材を第2部材へ引き付けることができる。よって、第2部材の当接部を支点として、その支点(当接部)を挟んで引き付け力が作用される側と反対側を第1部材に押し付けることができる。その結果、介設部材を第1部材に強固に押し付けて、介設部材のがたつきを抑制できる。
遊技機I2からI6のいずれかにおいて、前記介設部材は、前記第1部材側の面に発光手段が搭載される基板と、その基板の前記第1部材側の面に配設される一側部材とを備え、前記連結手段が前記第2部材と前記介設部材の一側部材とを連結すると共に、前記介設部材の基板が前記当接部材に当接されることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I2からI6のいずれかの奏する効果に加え、介設部材は、第1部材側の面に発光手段が搭載される基板と、その基板の第1部材側の面に配設される一側部材とを備え、連結手段が第2部材と介設部材の一側部材とを連結すると共に、介設部材の基板が当接部材に当接されるので、第1部材への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材のがたつきを抑制できる。即ち、基板は部分的な変形の集中に弱いところ、連結部分に負荷が集中しやすい連結手段による第2部材との連結を一側部材が担うと共に、第2部材へ引き付けられた一側部材の全体で基板を第2部材へ押し付けることができるので、基板への部分的な負荷の集中を抑制できる。その結果、第1部材への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材のがたつきを抑制できる。
遊技機I3からI7のいずれかにおいて、前記変位ユニットは、前記第1部材に形成されると共に前記介設部材を保持する保持手段を備え、前記保持手段は、前記当接部に当接される位置よりも前記第2部材に連結される側の位置で前記介設部材を保持することを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I3からI7のいずれかにおいて、変位ユニットは、第1部材に形成されると共に介設部材を保持する保持手段を備え、保持手段は、当接部に当接される位置よりも第2部材に連結される側の位置で介設部材を保持するので、連結手段の作用により介設部材が第2部材へ引き付けられた際に、第1部材に第2部材が重ね合わされていない側と反対側において、第1部材と介設部材との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、変位ユニットの外観の向上を図ることができる。
遊技機I8において、前記介設部材は、一面側に発光手段が搭載される基板と、その基板の一面側に配設される一面側部材とを備え、前記保持手段が前記介設部材の一面側部材を保持すると共に、前記介設部材の基板が前記当接部材に当接されることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、介設部材は、一面側に発光手段が搭載される基板と、その基板の一面側に配設される一面側部材とを備え、保持手段が介設部材の一面側部材を保持すると共に、介設部材の基板が当接部材に当接されるので、第1部材への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材のがたつきを抑制できる。即ち、基板は部分的な変形の集中に弱いところ、保持される部分に負荷が集中しやすい保持手段による保持を一側部材が担うので、基板への部分的な負荷の集中を抑制できる。その結果、第1部材への押し付けをより強固に行うことができ、介設部材のがたつきを抑制できる。
遊技機I2からI9のいずれかにおいて、前記変位ユニットは、前記第1部材に形成される係合部と前記介設部材に形成される被係合部とを備え前記係合部と前記被係合部との係合により前記第1部材に対する前記介設部材の相対回転を規制する係合手段を備え、前記第1部材に前記第2部材が重ね合わされていない領域に前記係合手段が配設されると共に、前記係合部と前記被係合部とが係合された状態では、前記第1部材に前記第2部材が重ね合わされる方向視において、前記係合部と前記被係合部とが少なくとも一部で重なることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I2からI9のいずれかにおいて、第1部材に形成される係合部と介設部材に形成される被係合部とを備え係合部と被係合部との係合により第1部材に対する介設部材の相対回転を規制する係合手段を備えるので、相対回転を規制できる分、介設部材のがたつきを抑制できる。
この場合、第1部材に第2部材が重ね合わされていない領域に係合手段が配設されると共に、係合部と被係合部とが係合された状態では、第1部材に第2部材が重ね合わされる方向視において、係合部と被係合部とが少なくとも一部で重なるので、これら係合部と被係合部との重なりを利用して、第1部材に第2部材が重ね合わされていない領域における介設部材が、第1部材から離間する方向へ浮き上がることを抑制できる。その結果、介設部材のがたつきを抑制できる。
遊技機A1からA9,B1からB11,C1からC13、D1からD7、E1からE7、F1からF10、G1からG6、H1からH10及びI1からI10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB11,C1からC13、D1からD7、E1からE7、F1からF10、G1からG6、H1からH10及びI1からI10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB11,C1からC13、D1からD7、E1からE7、F1からF10、G1からG6、H1からH10及びI1からI10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。