JP2017114267A - 浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法 - Google Patents

浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法 Download PDF

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【課題】浮体設備において、海象条件が厳しく、これまでの多点係留による浮体設備の保持が困難な海域においても、多点係留による浮体設備の保持が可能になり、浮体設備の火災発生時に乗組員の安全を十分に確保することができ、居住機能及び自航機能のメンテナンスが容易となる、浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法を提供する。【解決手段】居住区Raと生産・貯蔵プラント区Rbに分かれている浮体設備1、1Aにおいて、居住区41のある居住区用構造体40を係留することなく、可燃性の物質を扱う生産設備化、又は、可燃性の貨物を貯蔵する貯蔵設備を備えて、係留されている生産・貯蔵プラント区用構造体30に脱着可能に接続して設けている構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、FPSOやFLNG等と呼ばれる浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法に関し、より詳細には、海象条件が厳しく、これまでの多点係留による浮体設備の係留が困難な海域においても、多点係留による浮体設備の係留が可能になり、かつ、居住機能や自航機能等のメンテナンスが容易で、しかも、浮体設備の火災発生時に乗組員の安全を十分に確保することができる、浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法に関するものである。
FPSO(Floating Production, Storage, Offloading)と呼ばれ、主として、洋上の設置場所で浮上した状態で、海底油田等から原油等の海洋資源を得て、生産、貯蔵、出荷する施設として利用される浮体生産貯蔵設備が発明されてから40年ほど経過してきている。その間に、原油の生産を対象に200基近くが建造され、原油需要の1/4が賄われるようになってきている。
このFPSOの基本的な構造や建造方法は、開発初期の10〜15年間の数十基が建造される間にほぼ完成し、その後の直近の25年の間は殆ど変化していない。すなわち、長方形断面と高い乾舷とほぼ水平なデッキ面を持つ原油タンカーに若干の改造工事を行って、原油貯蔵機能と居住区機能を有するベース船体となる浮体構造体をまず完成させる。次に、トップサイドと呼ばれる原油処理設備を幾つかのモジュールに分けて建造し、クレーン船を用いて、このトップサイドモジュールを浮体構造体の甲板(デッキ)上に搭載する工事や、浮体構造体を係留するための係留設備を搭載する工事を行う。なお、これらの工事は東南アジア、東アジアの造船所で行われることが多い。その後、タンカーの推進器を用いるか、または、タグボートで、FPSOを曳航しての設置場所に運搬し、そこに予め敷設されている係留索に接続する、というスタイルがほぼ一貫して貫かれてきている。
このFPSOの設置場所における生産活動は多年にわたるため、このFPSOを係留する係留設備は100年に一度遭遇する規模の海象条件に耐えるように設計および建造がなされている。この係留設備は、過去25年の間ほぼ変わっておらず、FPSOを四方に多点係留する多点係留方式が用いられている。つまり、海象条件の厳しさに応じて、段階的に、浮体構造体(船体)の複数個所から出る何本かの係留索で浮体構造体全体を直接係留保持するスプレッドムアリング方式、多点係留されたチェーンテーブルを中心に風見鶏のように旋回(ウェザーベーン)するタレットムアリング方式、FPSO自体がタレット式多点係留ブイから離脱して回避することができるディスコネクタブルタレット方式などが使用される。
一方、この25年の間に、FPSOはトップサイドを中心に大型化、高度化、及び、高額化してきた。例えば、25年前のFPSOの平均的な構成は、全長260m程度の原油タンカーをベースの浮体構造体とし、トップサイドモジュールの個数が2個程度で合計重量は千トン以下であり、FPSOの全体のコストが100億円以下であった。これに対し、近年建造されているFPSOでは、浮体構造体に関しては全長が330mとさほど変わらないサイズの原油タンカーをベースとしていながらも、トップサイド部分は著しく大型化し、トップサイドモジュールの個数は20個近くにもなり、合計重量は数万トンとなり、全体のコストは数千億円に及ぶようになってきている。
更には、原油だけではなく天然ガスの生産にもFPSO方式が応用されようとしており(この場合は「FPSO」ではなく、「FLNG」と呼ばれる)、この場合には、トップサイドの合計重量や全体のコストは倍増する見込みである。このため、トップサイドの搭載工事においては多大なコストや期間を要し、原油生産の開始前の建造中にかかる建造資金の調達は金利を含めて大きな負担となる。
また、一方で、トップサイドの合計重量の増加により、このFPSOやFLNGの全体の重心が押し上げられてしまうため、浮体構造体として必要な最低限の復原力を確保するのが困難になってきている。その上、洋上の設置場所において油田の坑井設備と接続されるライザー管の数も25年の間に数本程度から数十本程度、多い場合は50本以上に激増しており、タレット、特にディスコネクタブルタレットに収めるのは殆ど不可能な状況に陥っているという問題を生じてきている。
つまり、ライザー管が数十本にも及ぶプロジェクトの場合、タレットに収める場合には好ましくは最大でも直径10m程度のタレットベアリングの内側を、特殊なボギー車による旋回支持を使用した場合でも最大直径数十mの軌道の内側を通す必要があるためタレットに収めることができず、船体の略全長にわたって船体側面に設置した張出部(ライザーポーチと呼ばれる)でFPSOに接続する必要がある。その場合、係留方式としてはスプレッドムアリング方式しか選択できず、言い換えればタレット方式が必要となる海域でのプロジェクトではライザー本数を限定せざるを得ない状況にある。
また、浮体構造体の限られた範囲で、多くの可燃性製品を取り扱うため、考えられる火災規模が大きくなる一方で、当初20名程度だった乗員数は今や100人を超えるような乗員数となり、一旦火災が発生すると、多数の乗員に危険が及ぶ可能性も生じてきている。
さらに、FPSOの浮体構造体となるベースタンカーには大きな変化がないのに比べて、トップサイドの重要性やコスト比率、全体コストが増大するにつれ、貯蔵設備等の浮体構造体側の部分におけるメンテナンスのために、生産活動に中断等が生じた場合に事業全体に及ぼす影響が著しく大きく、この生産活動を中断するような状況は、生産活動による事業が高額化した結果、もはや許容しがたい状況となってきており、これらの事態が発生することは深刻な問題になるという問題がある。
上記のように、現在では、FPSO等の浮体設備に関しての状況は、浮体構造体へのトップサイドモジュールの搭載作業を簡単にして搭載工事期間を短縮する技術や、トップサイドモジュールの搭載作業と、貯蔵設備を持つベース浮体である浮体構造体の建造・改造工事を並行して行う技術や、更には多くのライザー管をFPSOの浮体構造体に直接接続したまま100年に一度の海象条件に耐えられる技術等のそれぞれの技術において革新が求められている状況にある。また、貯蔵設備を中心とする浮体構造体が備えている機能に対してメンテナンスフリー化が求められている。そして、それらを解決する技術では、全体重心を下げて復原力を増加できるようにすることや、火災時などにおける乗員の安全性を向上することも求められている。
一方、海上輸送方法の一つに、プッシャーと呼ばれる自航可能な船舶と、バージと呼ばれる自航できない船舶とを連結して、バージとプッシャーが一体化した状態で、このバージの後ろ側に接続されたプッシャーの推進力と航行のための装備を使用して航行する、プッシャーバージやプッシャー・バージ一体型船体やプッシャーバージ型の集塵作業船が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3を参照)。
特開2001−301688号公報 特開2004−142665号公報 特開2005−199732号公報
一方、本発明者は、浮体設備における、居住区や発電装置や推進プラントなどの配置を工夫して、この部分を生産・貯蔵プラント用構造体に対して着脱可能に構成して、また、台風などの荒天時等では、この居住区用構造体を係留されている生産・貯蔵プラント用構造体から切り離すことにより、居住区用構造体の分だけ、係留されている部分の全体としての浮体設備が軽くなるため係留負担を減らせるので、これまで、タレットが必須であった海域でも、スプレッドムアリングの採用が可能になって、ライザー本数を増やすことができるようになり、また、高価なタレットシステムを使用する必要がなくなり、さらに、火災発生の緊急避難時では、乗組員を収容可能な居住区を切り離すことができて、乗組員の安全性のみならず居住性も確保できるようになるとの知見を得た。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、浮体設備において、海象条件が厳しく、これまでの多点係留による浮体設備の保持が困難な海域においても、多点係留による浮体設備の保持が可能になり、浮体設備の火災発生時に乗組員の安全を十分に確保することができ、居住機能及び自航機能のメンテナンスが容易となる、浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の浮体設備は、居住区と生産・貯蔵プラント区に分かれている浮体設備において、居住区のある居住区用構造体を係留することなく、係留されている生産・貯蔵プラント区用構造体に脱着可能に接続して設けているように構成される。
なお、この浮体設備としては、その生産の対象物は原油に限らず、海底鉱物資源や再生可能エネルギー、生物資源を生産するもの等も含まれる。また、必ずしも浮体式(F)かつ生産(P)、貯蔵(S)、出荷(O)のすべての機能を持つものには限らず、例えば、洋上の設置場所への到着した後において、この浮体設備が着底されるもの、ジャケットに搭載されるもの、また、この浮体設備において、貯蔵設備(S)を持たないもの、生産機能(P)を持たないもの等も含まれる。
この構成によれば、台風などの荒天時においては、その事前に居住区のある居住区用構造体を生産・貯蔵プラント区用構造体から離脱させることにより、係留索で保持するものが生産・貯蔵プラント区用構造体のみとなり、荒天時における浮体設備の係留索の負担を減少することができるので、居住区用構造体が無くなって浮体設備の長さが大幅に短くなって横波に強い構成になっている効果と合わせて、荒天時における多点係留による浮体設備の保持を可能にすることができる。これにより、多点係留による係留可能な海域を広げることができる。なお、有義波高が3mであっても離脱できる構成にすることが望ましい。
また、火災発生時などの非常において、居住区ごと離脱できるので安全性を向上できる。また、発電用エンジン等のメンテナンスのために離脱してメンテナンスしたり、居住区用構造体自体を交換したりすることもできる。
さらに、高度な建造技術が必要な部分を居住区用構造体側に集約して、生産・貯蔵プラント用構造体側を単純な箱型船体とすることで、建造地を分けることができ、建造会社(下請け会社)の選択を広げることができる。また、汎用性がある居住区用構造体と、プロジェクト毎に大幅に装備が異なるトップサイド部を有する生産・貯蔵プラント用構造体とが脱着する構造であることで、耐用年数を別々に設定することができ、傭船レートの設定を最適化できる。
上記の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体が、可燃性の物質を扱う生産設備、又は、可燃性の貨物を貯蔵する貯蔵設備を備えている構成であると、火災時などの緊急避難時に、乗組員を迅速に可燃性物質のある生産・貯蔵プラント区用構造体から居住区用構造体に避難させてから、居住区用構造体を生産・貯蔵プラント区用構造体から離脱させることで、乗組員を迅速かつ安全に避難させることができるので、特に大きな効果を発揮できる。
上記の浮体設備において、前記脱着可能の前記居住区用構造体が、前記居住区に加えて、発電用プラント又は推進用プラントの一方又は両方を有している構成であると、発電用エンジン等のメンテナンスのために、居住区用構造体を離脱させて、比較的穏やかな海域や建造所まで、自航又は曳航などにより移動させてメンテナンスすることができ、メンテナンス工事の効率を向上できる。なお、発電用エンジン又は発電・推進共用ディーゼルエンジンとしては、原油焚き、随伴ガス焚き、重油焚きの3元燃料仕様が望ましい。
また、居住区用構造体が推進用プラントを有しておらず、自航できない場合には、曳船用のタグボートなどにより、離脱後の居住区用構造体を移動させることになるが、この場合に、居住区用構造体において生産・貯蔵プラント区用構造体と接続する側と反対側に曳航用のタグボートなどを接続できるようなドッキング部を設けて、曳航用のタグボートなどとの接続作業と生産・貯蔵プラント区用構造体からの離脱作業を迅速に行うことができるようにしておくことが好ましい。
上記の浮体設備において、前記居住区用構造体を重量で5000トン以上、かつ、50000トン以下とする。この重量を5000トン以上とする構成により、小型のプッシャーバージで一時的に浮体設備を押して航行するような構成と区別する。なお、上限は特に限定する必要はないが、仮に限定するとすれば、実用的なことを考慮して、50000トン以下とする。
上記の浮体設備において、生産・貯蔵プラント区用構造体に前記居住区用構造体を接続する第1ドッキング部側と反対側に第2ドッキング部を設けている構成にすると、浮体設備の前後方向の一端側の第1ドッキング部に脱着可能な居住区用構造体を接続することができ、さらに、生産・貯蔵プラント区用構造体の他端側に予備の第2ドッキング部を設けておくことにより、大型メンテナンスや操業開始時などに、船を追加して接続することができるようになる。
上記の浮体設備において、前記第2ドッキング部に、追加用のトップサイド設備付構造体、又は、メンテナンス時の追加居住区を備えた構造体若しくは船舶、又は、タレット係留が可能なタレット設備を有する構造体若しくは船舶を接続している構成にすると、第2ドッキング部に追加用のトップサイド設備付構造体を接続することにより、追加用のトップサイド設備を容易に追設でき、また、メンテナンス時の追加居住区を備えた構造体若しくは船舶を接続することにより、居住区を容易に増加することができ、さらに、タレット係留が可能なタレット設備を有する構造体若しくは船舶を接続することにより、タレット係留が必要になった場合に容易にタレット係留ができるようになる。
上記の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体を多点係留方式で係留するともに10本以上500本以下のライザー管を接続する構成としていると共に、荒天時には、前記生産・貯蔵プラント区用構造体から、前記居住区用構造体を離脱させて、前記生産・貯蔵プラント区用構造体の係留荷重を軽減する構成としていると、ライザー管が多数ある場合には、多点係留においては、荒天時で浮体設備に加わる強風や波浪による外力に対抗するため係留索に大きな力が作用するので、係留が困難になるが、この構成とすることで、居住区用構造体を離脱させて係留している浮体設備が受ける外力を減少することができるため、多点係留方式の係留でも持ち堪えることができるようになるので、多点係留方式の係留をライザー管の多い浮体設備にも適用できるようになる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の浮体設備の係留方法は、上記の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体のみを係留した後に、前記生産・貯蔵プラント区用構造体に前記居住区用構造体を接続することを特徴とする方法である。この浮体設備の係留方法によれば、居住区用構造体は係留していないので、生産・貯蔵プラント区用構造体の係留を済ませた後に、居住区用構造体を追加して設けることができ、工程の自由度を増すことができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の浮体設備の係留方法は、上記の推進プラントを有している浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体に前記居住区用構造体を接続して、自航して設置場所に行ってから、前記生産・貯蔵プラント区用構造体を係留することを特徴とする方法である。この浮体設備の係留方法によれば、居住区用構造体の推進プラントを利用して浮体設備を自航できるので、曳航用のタグボートなどを不要にすることができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の浮体設備のメンテナンス方法は、上記の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体から、前記居住区用構造体を離脱させて、前記居住区用構造体に備えられた機器類、装置類、プラント類、及び、前記居住区用構造体自体のいずれか又はいくつかの組み合わせ又は全部を、メンテナンス若しくは交換することを特徴とする方法である。この浮体設備のメンテナンス方法によれば、居住区用構造体に備えられた機器類、装置類、プラント類、及び、居住区用構造体自体を、生産・貯蔵プラント区用構造体から離れた静穏な海域又は陸上でメンテナンスすることができるので、効率よくメンテナンスすることができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の浮体設備における避難方法は、上記の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体から乗組員を避難させるときに、乗組員を前記生産・貯蔵プラント区用構造体から前記居住区用構造体に避難させてから、前記居住区用構造体を前記生産・貯蔵プラント区用構造体から離脱させることで、乗組員を避難させることを特徴とする方法である。この浮体設備における避難方法によれば、居住区のある居住区用構造体ごと避難できるので、乗組員の居住性を悪化させることなく、安全に避難できる。
以上に説明したように、本発明の浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法によれば、海象条件が厳しく、これまで多点係留による浮体設備の保持が困難で、多数のライザー管を使用する必要があるために、係留方法が確立せず、そのために開発ができなかった海域においても、係留が困難な気象時には、脱着可能な居住区用構造体を離脱させて、浮体設備の係留索の係留荷重を著しく軽減させることにより、多点係留による浮体設備の保持が可能になる。その結果、多数のライザー管を使用する油田開発を可能にすることができる。
従って、この浮体設備によれば、これまで、数々のディスコネクタブル方式の係留が提案されてきたが、多数のライザー管とそれらにつながるトップサイドを、荒天時においても現地に残留させておくことができる初めての技術となる。
また、従来技術では、トップサイドや貯蔵部等の火災の危険の高い区画と居住区画が同一の浮体構造物(船体)上で隣接していたため、浮体設備で火災が発生した場合には、陸上から遠く離れた洋上であっても、乗組員は極めて小さなライフボートでの離脱を迫られることとなっていたが、この発明によれば、トップサイドや貯蔵部で火災が発生した場合に、居住区のある大型の居住区用構造体ごと離脱することが可能になるので、100人を超える乗組員であっても十分に安全を確保しながら迅速に避難させることができる。
さらには、トップサイド等の対象油田に対応した設計が必要となる部分と、発電機能や居住区機能等の対象油田に関係しない汎用性の高い部分を切り分け、後者を着脱型の居住区用構造体に集約して装備することが可能になり、汎用性の高い部分の再利用を容易にし、合わせて対象油田の生産予定期間に縛られない設計寿命や償却年数の設定を可能にし、また必要に応じて造船所等に呼び戻しての整備や改造等を可能にすることができる。
本発明に係る第1の実施の形態の浮体設備の構成を模式的に示す浮体設備の斜視図である。 図1の浮体設備の構成を模式的に示す浮体設備の側面図である。 図1の浮体設備の構成を模式的に示す浮体設備の平面図である。 図1の浮体設備において居住区用構造体を離脱したときの様子を模式的に示す浮体設備の斜視図である。 図1の浮体設備において居住区用構造体を離脱したときの様子を模式的に示す浮体設備の側面図である。 図1の浮体設備において居住区用構造体を離脱したときの様子を模式的に示す浮体設備の平面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の浮体設備の構成を模式的に示す浮体設備の側面図である。 図7の浮体設備の構成を模式的に示す浮体設備の平面図である。 図7の浮体設備において居住区用構造体を離脱したときの様子を模式的に示す浮体設備の側面図である。 図7の浮体設備において居住区用構造体を離脱したときの様子を模式的に示す浮体設備の平面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の浮体設備、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法について説明する。この実施の形態の説明では、浮体設備としてFPSOを例にして説明しているが、本発明は、必ずしも、このFPSOに限定する必要はなく、その他の浮体設備にも適用できる。
例えば、この浮体設備としては、その生産の対象物は原油に限らず、海底鉱物資源や再生可能エネルギー、生物資源を生産するもの等も含まれる。また、必ずしも浮体式(F)かつ生産(P)、貯蔵(S)、出荷(O)のすべての機能を持つものには限らず、例えば、洋上の設置場所への到着した後において、この浮体設備が着底されるもの、ジャケットに搭載されるもの、また、この浮体設備において、貯蔵設備(S)を持たないもの、生産機能(P)を持たないもの等も含まれる。
図1〜図6に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の浮体設備1は、居住区Raと生産・貯蔵プラント区Rbに分かれている浮体設備1であり、この浮体設備1において、居住区41のある居住区用構造体40を係留することなく、この居住区用構造体40を、係留索16で係留されている生産・貯蔵プラント区用構造体30に脱着可能に接続して設けているように構成される。つまり、生産・貯蔵プラント区用構造体30の後部に第1ドッキング部17を設けて、居住区用構造体40がドッキングと離脱ができるように構成する。
なお、この浮体設備1の大きさを例示すると、例えば、軽荷重量が50,000トン(重量トン)程度、船体長が160m程度、タンク部長さが150m程度、船体幅が60m程度で、乾舷が10m程度、喫水が34m程度、船体高が44m程度である。
また、この浮体設備1は、浮体構造体10とトップサイド20とからなり、このトップサイド20は、その一部または全部をモジュール化して、このモジュール化したトップサイドモジュール21を浮体構造体10の甲板(デッキ)15に搭載して浮体設備1が建造される。
そして、この浮体設備1の浮体構造体10は、浮体としての構成としての船体構造である船底部11、船側外板部12、前部構造部(船首部)13、後部構造部(船尾部)14を有している。これらの構造は、従来技術と同じである。また、トップサイド20は、プロセスとも呼ばれる生産設備であり、油処理設備、ガス処理設備、水処理設備、発電設備、コントロールシステム等の主要な機器で構成されている。
この浮体設備1は、係留索16で洋上の設置地点に係留されているが、この係留索16は、トップサイド20を構成するトップサイドモジュール21を搭載している生産・貯蔵プラント区用構造体30だけに設けられ、居住区用構造体40には設けない構成としている。これにより、脱着可能に接続して設けている居住区用構造体40が、生産・貯蔵プラント区用構造体30から分離して離脱する際に、係留索16による拘束を解除する手間と時間を不要にする。
また、この居住区用構造体40は、プッシャーバージで一時的に浮体設備を押して航行するような構成とは異なり、プッシャーバージとは異なるものである。この居住区用構造体40の重量や居住区41の人員の定数を特に限定する必要はないが、単に、プッシャーバージとの差異を明確にしておくために、あえて言えば、この浮体設備1では、居住区用構造体40を重量で5000トン以上とする。また、居住区41に居住する人員の定数は20人以上とする。なお、この居住区用構造体40の重量の上限や居住区41の人員の定数の上限も特に限定する必要はないが、仮に限定するとすれば、実用的なことを考慮して、50000トン以下及び300人以下とする。
さらに、この浮体設備1において、脱着可能の居住区用構造体40が、居住区41に加えて、図示しないが、発電用プラント、推進用プラント、舵取装置などの航海用装置を、この居住区41を搭載している浮体構造体(船体)42の内部に備えると共に、浮体構造体42の外部には自航用のプロペラ(推進器)43と舵44を備えている。また、居住区41には航海用の船橋41aを備えている。つまり、この実施の形態では、居住区用構造体40は、居住区41の居住環境を維持できる機能と自航できる機能を備えて構成されている。
これにより、発電用エンジン等のメンテナンスのために、居住区用構造体40を離脱させて、比較的穏やかな海域や建造所まで、自航により移動させてしてメンテナンスすることができるようになる。なお、発電用エンジン又は発電・推進共用ディーゼルエンジンとしては、原油焚き、随伴ガス焚き、重油焚きの3元燃料仕様が望ましい。
また、この浮体設備1において、生産・貯蔵プラント区用構造体30が、可燃性の物質を扱う生産設備、又は、可燃性の貨物を貯蔵する貯蔵設備を備えているように構成されている場合には、火災時などの緊急避難時に迅速に乗組員を可燃性物質のある生産・貯蔵プラント区用構造体30から居住区用構造体40に避難させてから、居住区用構造体40を生産・貯蔵プラント区用構造体30から分離して離脱させることで、乗組員を迅速かつ安全に避難させることができ、大きな効果を発揮できる。
この構成によれば、台風などの荒天時においては、その事前に居住区のある居住区用構造体40を生産・貯蔵プラント区用構造体30から離脱させることにより、係留索で保持するものが生産・貯蔵プラント区用構造体30のみとなり、荒天時における浮体設備1の係留索16の負担を減少することができる。そのため、居住区用構造体30が無くなって浮体設備1の長さが大幅に短くなっていて横波に強い構成になっている効果と合わせて、荒天時における多点係留による浮体設備の保持を可能にすることができる。これにより、多点係留による係留可能な海域を広げることができる。なお、有義波高が3mであっても離脱できる構成にしておくことが望ましい。
また、火災発生時などの非常において、居住区ごと離脱できるので安全性を向上できる。また、発電用エンジン等のメンテナンスのために離脱してメンテナンスしたり、居住区用構造体40自体を交換したりすることもできる。
さらに、高度な建造技術が必要な部分を居住区用構造体40側に集約して、生産・貯蔵プラント用構造体30側を単純な箱型船体とすることで、建造地を分けることができ、建造会社(下請け会社)の選択を広げることができる。また、汎用性がある居住区用構造体40とプロジェクト毎に大幅に装備が異なるトップサイド部を有する生産・貯蔵プラント用構造体30とが脱着する構造であることで、耐用年数を別々に設定することができ、傭船レートの設定を最適化できる。
さらに、図2及び図3、図5及び図6に示すように、浮体設備1において、生産・貯蔵プラント区用構造体30に居住区用構造体40を接続する第1ドッキング部17側と反対側に第2ドッキング部18を設けている構成とすると、浮体設備1の前後方向の一端側の第1ドッキング部17に脱着可能な居住区用構造体40を接続することができ、さらに、生産・貯蔵プラント区用構造体30の他端側に予備の第2ドッキング部18を設けておくことにより、大型メンテナンスや操業開始時などに、船を追加して接続することができるようになる。
この浮体設備1において、第2ドッキング部18に、追加用のトップサイド設備付構造体50、又は、図示しないが、メンテナンス時の追加居住区を備えた構造体若しくは船舶、又は、タレット係留が可能なタレット設備を有する構造体若しくは船舶を接続していると、第2ドッキング部18に追加用のトップサイド設備付構造体50を接続することにより、追加用のトップサイド設備を容易に追設でき、また、図示しないが、メンテナンス時の追加居住区を備えた構造体若しくは船舶を接続することにより、居住区を容易に増加することができ、さらに、タレット係留が可能なタレット設備を有する構造体若しくは船舶を接続することにより、タレット係留が必要になった場合に容易にタレット係留ができるようになる。
さらに、浮体設備1において、生産・貯蔵プラント区用構造体30を多点係留方式で係留するとともに10本以上500本以下のライザー管(図示しない)を接続して構成する。そして、荒天時には、生産・貯蔵プラント区用構造体30から、居住区用構造体40を離脱させて、生産・貯蔵プラント区用構造体30の係留荷重を軽減する構成とする。
このようにライザー管が多数ある場合には、多点係留においては、荒天時で浮体設備1に加わる強風や波浪による外力に対抗するため係留索16に大きな力が作用するので、係留が困難になるが、この構成とすることで、居住区用構造体40を離脱させて係留している浮体設備1が受ける外力を減少することができるため、多点係留方式の係留でも持ち堪えることができるようになるので、多点係留方式の係留をライザー管の多い浮体設備1にも適用できるようになる。
なお、ライザー管の数は浮体設備1のプロジェクトに応じて変化するので、特に特定する必要はないが、10本以上の多数のライザー管を接続している場合の、本発明の浮体設備1の効果が大きくなる。上限は特に限定する必要はないが、強いて限定するとすれば、実用を考慮して500本以下である。
この浮体設備1のより詳細な構造に関しては、例えば、前方から順に、第2ドッキング部(予備ドッキング部)18と貯蔵タンクアクセス部分を備えた甲板15の部分、随伴ガス処理設備と再注入用コンプレッサーを備えたトップサイドモジュール21を搭載した部分、原油分離設備と薬剤注入設備とを備えたトップサイドモジュール21を搭載した部分、貯蔵タンクアクセス部と汎用取り回しスペースを備えた甲板15の部分、原油随伴海水処理設備と再注入設備とを備えたトップサイドモジュール21を搭載した部分、配電盤室を備えたトップサイドモジュール21を搭載した部分、第1ドッキング部17と貯蔵タンクアクセス部分を備えた甲板15の部分、及び、脱着式の居住区・発電プラント、推進プラントを備えて、居住区用構造体40とから構成される構造が例示される。
次に、図7〜図10を参照しながら、第2の実施の形態の浮体設備1Aについて説明する。この第2の実施の形態の浮体設備1Aでは、第1の実施の形態の浮体設備1と同様に、この浮体設備1Aは、居住区Raと生産・貯蔵プラント区Rbに分かれている浮体設備1Aであり、この浮体設備1Aにおいて、居住区41のある居住区用構造体40Aを、係留索16で係留されている生産・貯蔵プラント区用構造体30に脱着可能に接続して設けている点では、第1の実施の形態の浮体設備1と同じである。
この第2の実施の形態の浮体設備1Aは、居住区用構造体40Aの浮体構造体42に居住区41を搭載しているが、居住区用構造体40Aが自航可能な推進プラントやプロペラ屋や舵や船橋を備えていない点で異なる。つまり、この居住区用構造体40Aは、自航できないので、タグボート(曳船)60の力を借りて、生産・貯蔵プラント区用構造体30から離脱したり、ドッキングしたりする。
また、このように、居住区用構造体40Aが推進用プラントを有しておらず、自航できない場合には、曳船用のタグボート60などにより、離脱後の居住区用構造体40Aを移動させることになるが、この場合に、居住区用構造体40Aにおいて生産・貯蔵プラント区用構造体30と接続する側と反対側に曳航用のタグボート60などを接続できるようなドッキング部(図示しない)を設けて、曳航用のタグボート60などとの接続作業と生産・貯蔵プラント区用構造体30からの離脱作業を迅速に行うことができるようにしておくことが好ましい。
また、この曳航用のタグボート60などとドッキングして一体化可能な構成にすると、離脱後の居住区用構造体40Aのみでは縦傾斜や縦揺れに対して不安定な構造であっても、曳航用のタグボート60などと一体化することにより、縦傾斜や縦揺れにおける安定性を確保し易くなるので、居住区用構造体40Aの設計の自由度を増すことができる。
そして、本発明の実施の形態の浮体設備の係留方法は、上記の浮体設備1、1Aにおいて、生産・貯蔵プラント区用構造体30のみを係留した後に、生産・貯蔵プラント区用構造体30に居住区用構造体40、40Aを接続することを特徴とする方法である。この浮体設備の係留方法によれば、居住区用構造体40、40Aは係留していないので、火災時などの緊急避難が必要な時に迅速に居住区用構造体40、40Aを生産・貯蔵プラント区用構造体30から離脱させて、居住区用構造体40、40Aを安全な場所まで自航又は曳航することができる。
また、本発明の実施の形態の浮体設備の係留方法は、上記の推進プラントを備えた浮体設備1において、生産・貯蔵プラント区用構造体30に居住区用構造体40、40Aを接続して、自航して設置場所に行ってから、生産・貯蔵プラント区用構造体30を係留することを特徴とする方法である。この浮体設備の係留方法によれば、居住区用構造体40、40Aの推進プラントを利用して浮体設備1を自航できるので、曳航用のタグボート60などを不要にすることができる。
また、本発明の実施の形態の浮体設備のメンテナンス方法は、上記の浮体設備1、1Aにおいて、生産・貯蔵プラント区用構造体30から、居住区用構造体40、40Aを離脱させて、居住区用構造体40、40Aに備えられた機器類、装置類、プラント類、及び、居住区用構造体40、40A自体のいずれか又はいくつかの組み合わせ又は全部を、メンテナンス若しくは交換することを特徴とする方法である。この浮体設備のメンテナンス方法によれば、居住区用構造体40、40Aに備えられた機器類、装置類、プラント類、及び、居住区用構造体40、40A自体を、生産・貯蔵プラント区用構造体30から離れた海域又は陸上でメンテナンスすることができるので、効率よくメンテナンスすることができる。
また、本発明の実施の形態の浮体設備における避難方法は、上記の浮体設備1、1Aにおいて、生産・貯蔵プラント区用構造体30から乗組員を避難させるときに、乗組員を生産・貯蔵プラント区用構造体30から居住区用構造体40、40Aに避難させてから、居住区用構造体40、40Aを生産・貯蔵プラント区用構造体30から離脱させることで、乗組員を避難させることを特徴とする方法である。この浮体設備における避難方法によれば、居住区41のある居住区用構造体40、40Aごと避難できるので、乗組員の居住性を悪化させることなく、安全に避難できる。
そして、上記のような本発明の実施の形態の浮体設備1、1A、浮体設備の係留方法、浮体設備のメンテナンス方法、及び、浮体設備における避難方法によれば、海象条件が厳しく、これまで多点係留による浮体設備の保持が困難で、多数のライザー管を使用する必要があるために、係留方法が確立せず、そのために開発ができなかった海域においても、係留が困難な気象時には、着脱可能な居住区用構造体40、40Aを離脱させて、浮体設備1、1Aの係留索16の係留荷重を著しく軽減させることにより、多点係留による浮体設備1、1Aの保持が可能になる。その結果、多数のライザー管を使用する油田開発を可能にすることができる。
従って、この浮体設備1、1Aによれば、これまで、数々のディスコネクタブル方式の係留が提案されてきたが、多数のライザー管とそれらにつながるトップサイドを、荒天時においても現地に残留させておくことができる初めての技術となる。
また、従来技術では、トップサイドや貯蔵部等の火災の危険の高い区画と居住区画が同一の浮体構造物(船体)上で隣接していたため、浮体設備1、1Aで火災が発生した場合には、陸上から遠く離れた洋上であっても、乗組員は極めて小さなライフボートでの離脱を迫られることとなっていたが、上記によれば、トップサイド20や貯蔵部で火災が発生した場合に居住区41のある大型の居住区用構造体40、40Aごと離脱することが可能になるので、100人を超える乗組員であっても十分に安全を確保しながら迅速に避難させることができる。
さらには、トップサイド等の対象油田に対応した設計が必要となる部分と、発電機能や居住区機能等の対象油田に関係しない汎用性の高い部分を切り分け、後者を着脱型の居住区用構造体40、40Aに集約して装備することが可能になり、汎用性の高い部分の再利用を容易にし、合わせて対象油田の生産予定期間に縛られない設計寿命や償却年数の設定を可能にし、また必要に応じて造船所等に呼び戻しての整備や改造等を可能にすることができる。
1、1A 浮体設備
10 浮体構造体
11 船底
12 船側外板
13 前部構造(船首部)
14 後部構造(船尾部)
15 甲板
16 係留索
17 第1ドッキング部
18 第2ドッキング部
20 トップサイド
21 トップサイドモジュール
30 生産・貯蔵プラント区用構造体
40、40A 居住区用構造体
41 居住区
42 浮体構造物
50 追加用のトップサイド設備付構造体
60 タグボート

Claims (11)

  1. 居住区と生産・貯蔵プラント区に分かれている浮体設備において、居住区のある居住区用構造体を係留することなく、係留されている生産・貯蔵プラント区用構造体に脱着可能に接続して設けていることを特徴とする浮体設備。
  2. 前記生産・貯蔵プラント区用構造体が、可燃性の物質を扱う生産設備、又は、可燃性の貨物を貯蔵する貯蔵設備を備えていることを特徴とする請求項1に記載の浮体設備。
  3. 前記脱着可能の前記居住区用構造体が、前記居住区に加えて、発電用プラント又は推進用プラントの一方又は両方を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の浮体設備。
  4. 前記居住区用構造体を重量で5000トン以上、かつ、50000トン以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の浮体設備。
  5. 生産・貯蔵プラント区用構造体の前記居住区用構造体を接続する第1ドッキング部側と反対側に第2ドッキング部を設けていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の浮体設備。
  6. 前記第2ドッキング部に、追加用のトップサイド設備付構造体、又は、メンテナンス時の追加居住区を備えた構造体若しくは船舶、又は、タレット係留が可能なタレット設備を有する構造体若しくは船舶を接続していることを特徴とする請求項5に記載の浮体設備。
  7. 前記生産・貯蔵プラント区用構造体を多点係留方式で係留するともに10本以上500本以下のライザー管を接続する構成としていると共に、荒天時には、前記生産・貯蔵プラント区用構造体から、前記居住区用構造体を離脱させて、前記生産・貯蔵プラント区用構造体の係留荷重を軽減する構成としていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に浮体設備。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体のみを係留した後に、前記生産・貯蔵プラント区用構造体に前記居住区用構造体を接続することを特徴とする浮体設備の係留方法。
  9. 請求項3項に記載の推進用プラントを有している浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体に前記居住区用構造体を接続して、自航して設置場所に行ってから、前記生産・貯蔵プラント区用構造体を係留することを特徴とする浮体設備の係留方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体から、前記居住区用構造体を離脱させて、前記居住区用構造体に備えられた機器類、装置類、プラント類、及び、前記居住区用構造体自体のいずれか又はいくつかの組み合わせ又は全部を、メンテナンス若しくは交換することを特徴とする浮体設備のメンテナンス方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の浮体設備において、前記生産・貯蔵プラント区用構造体から乗組員を避難させるときに、乗組員を前記生産・貯蔵プラント区用構造体から前記居住区用構造体に避難させてから、前記居住区用構造体を前記生産・貯蔵プラント区用構造体から離脱させることで、乗組員を避難させることを特徴とする浮体設備における避難方法。
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