JP2017113587A - 小児の眼の屈折特性を測定する方法及びシステム - Google Patents

小児の眼の屈折特性を測定する方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】眼の屈折特性を測定する波面測定装置を備えた眼の屈折特性を測定するシステムを提供する。【解決手段】システム30は、小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードを有するよう構成され、当該システム30は、システム30を前記小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つに切り替えるよう構成された入力装置を有し、システム30を小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つに切り替える際に、デフォルト瞳孔間距離、デフォルト角膜頂点間距離、波面測定装置32のデフォルト位置33、波面測定装置32の測定光線58のデフォルト位置及び/又は方向、システム30の額及び顎受けアセンブリ40のデフォルト位置47、及び固視標からなる群内の少なくとも1つを変更するようさらに構成されることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、眼の屈折特性を測定する波面測定装置を備えた眼の屈折特性を測定するシス
テムに関する。さらに、本発明は、眼の屈折特性を測定する方法であって、眼の屈折特性
を測定する波面測定装置を含むシステムを用意するステップを含む方法に関する。特に、
本システム及び本方法は、小児の眼の屈折特性を測定することに関するものである。
小児の眼の屈折特性を測定する方法及びシステムは、例えば特許文献1から既知である
視覚障害者の眼は概して、球面、円柱、及び軸方位に関して大まかに表すことができる
屈折異常を有する。これは、視覚障害を、トロイダル面を有するレンズを通して近似的に
矯正できるという仮定に基づく。人間の眼の屈折異常を、異なる屈折力の複数の視力表を
見せた場合の被検者の主観的反応に頼ることにより判定することが習慣的であったが(自
覚的屈折)、眼の屈折異常を測定することが数年前より可能となっている(他覚的屈折)
。眼の屈折力を瞳孔全体にわたって、したがって特に瞳孔の周辺領域でも測定することが
可能である。測定可能な誤差として、例えば、球面収差、コマ収差、トレフォイル収差、
高次球面収差等が挙げられる。他覚的屈折法は、伝播光束の波面の測定に基づく。波面屈
折測定器の機能原理は、特許文献2に記載されており、当該文献は、複数の異なる変形形
態の概要も含む。
人間の眼の屈折異常又は結像誤差を、いわゆるゼルニケ多項式により表すことが、数年
前より習慣となっている。球面、円柱、及び軸に関する中心付近の眼の異常は、2次のゼ
ルニケ多項式で表すことができる。したがって、これらの異常は、多くの場合は2次異常
と称する。中心から離れた異常は、より高次のゼルニケ多項式で表すことができる。した
がって、これらの異常は、概して高次異常と称する。波面屈折測定器から得られた情報は
、改良型の視覚補助具又は改良型の視力矯正法の開発に用いることができる。例えば眼鏡
レンズ又はコンタクトレンズ等の視覚補助具を用いると、高次異常の矯正がいずれにせよ
可能であるか、又は特定の条件下でのみ可能である。眼鏡レンズは、眼からの視線がレン
ズの異なる領域を通過しなければならないという独特の特性を有する。したがって、眼鏡
レンズでの高次異常の完全な矯正が可能なのは、概して視線の1つの特定の方向に関して
のみである。しかしながら、自動波面測定技法は、それにもかかわらず眼鏡レンズ及び視
覚補助具全般の改良をもたらし得る。
自覚的屈折は、従来は高コントラスト視力表を用いて明所条件下で実施される。これに
より、屈折値はこれらの条件に、すなわち良好な照明及び高いコントラストレベルについ
て最適化されたものとなる。多くの人々にとって、この屈折法は暗視又は薄明視には最適
でない。他方では、波面測定は、暗所又は散瞳条件で実施することができる。これにより
、はるかに大きな瞳孔に関する情報が得られることで、薄明視又は暗視条件にも最適な(
特に、2次屈折に関する)他覚的屈折結果を得る可能性が広がる。眼鏡レンズ、特に累進
多焦点レンズは、固有収差を有し得る。これらの固有収差は、改良型の眼鏡レンズの演算
及び製造を行う手段として、眼に関して行った波面測定と組み合わせることができる。
波面測定からの通常の2次及び改良された高次の屈折結果の決定は、多数の変形例の形
で従来技術から既知である。波面の平均主曲率から2次屈折を導出するという概念が、特
許文献3に開示されている。眼の視覚異常に対する眼鏡処方を決定するさらに別の装置及
び方法が、特許文献4から既知である。人の眼の収差の補正を決定する別のシステムが、
例えば特許文献5に記載されている。このシステムは、補正を眼に適用した場合に眼の像
平面における像質メトリックが他覚的に最適化されるようにデータ信号の補正を決定する
ことを可能にする演算装置を含む。最初に、演算装置は、複数の係数セット(例えば、球
面、円柱、軸、又は対応するゼルニケ係数)に及ぶ探索空間(すなわち、係数がとり得る
値)を規定する。次に、以前に選択された像質メトリック(例えば、ストレール比、点像
ウォッシュアウト関数の分散、エアリーディスク内に入れられた点像ウォッシュアウト関
数のエネルギー等)が、探索空間内の係数セット毎に計算される(すなわち、デフォーカ
ス及び乱視、並びに関連の軸方位に対応するジオプター値)。その後、像質メトリックの
最適値が像質メトリックの値の全部から選択され、最後に、像質メトリックの最適値が第
3ステップで計算された複数の係数セットのうち1つに適合して、矯正が決定される。
しかしながら、他覚的屈折技法の使用が好ましい一方で、小児の場合に他覚的屈折技法
を適用することには、最初に提示した特許文献1で述べられているような問題が常に伴っ
てきた。小児は広範囲の遠近調節力を有し、これは、従来の検査でさまざまな屈折の読み
取り値が得られ得ることを意味する。さらに、小児は、あまりにも長い期間にわたって同
じ場所に留まることがどうしてもできない。最後に、大きくて威圧的な光学装置、例えば
最も従来的な自動屈折計は、小児を興奮させ怯えさせる傾向にある。これは、オペレータ
が小児に密接している必要がある場合に特に当てはまる。単純に言えば、興奮し怯えた小
児は、誤った遠近調節を行うことで、このような屈折の測定を誤らせる。遠近調節の誤り
は、正確且つ再現可能な測定値を提供する際に最大の問題である。物体を間近で見るため
に、眼の水晶体は形状を変えて、近くの物体が網膜に明確に焦点を結ぶよう「より厚く」
ならなければならない。箱形又は任意のタイプの機器をのぞき込むことは、箱内で見てい
る物体が無限遠にある場合でも、遠近調節を誘発し得る。これは、主に心理的な現象であ
る。聡明で協力的な年長児でさえも、経験不足から額受け及び顎受けに容易に位置を合わ
せること、適切に凝視すること、及び必要な測定時間中に静止していることができないこ
とがある。6歳未満の幼児及び年少児にとっては、こうしたことがさらにより困難である
こうしたことの全てが、小児の眼の屈折特性の測定を困難にする。したがって、小児の
眼の屈折異常は、多くの場合は検出されないままであるか又は検出が比較的遅くなる。さ
らに、小児が自覚的屈折技法により信頼性の高い屈折を良好に測定することに適切に協力
する、ということは影響を受けやすいので、自覚的屈折技法により屈折特性を測定するこ
とは、通常、小児に当てはまらない。
他覚的屈折技法に関しては、検影法を用いて小児の眼の屈折特性を他覚的方法で測定す
る。しかしながら、検影法は、広範な技能の適切な実施を必要とする。さらに、検影法は
非常に時間がかかる。
国際公開第1993/024048号 米国特許第6382795号明細書 米国特許第7029119号明細書 米国出願公開第2009/0015787号明細書 米国出願公開第2002/140902号明細書 米国特許第5790235号明細書
したがって、小児の眼の屈折特性を測定する迅速且つ信頼性の高い技法が必要とされて
いる。
本発明において、「小児」は、10歳未満の、特に3歳〜10歳の人として定義される
。特に、本発明は未就学児に適用されるが、それはこの年齢で上述の問題が顕著だからで
ある。
本発明では、眼の屈折特性を測定する波面測定装置を備えた、眼の屈折特性を測定する
システムであって、当該システムは、小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モード
を有するよう構成され、当該システムは、当該システムを小児に割り当てられた少なくと
も1つの測定モードのうち1つに切り替えるよう構成された入力装置を有し、当該システ
ムは、システムを小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つに切り替
える際に、デフォルト瞳孔間距離、デフォルト角膜頂点間距離、波面測定装置のデフォル
ト位置、波面測定装置の測定光線のデフォルト位置及び/又は方向、当該システムの額及
び顎受けアセンブリのデフォルト位置、及び固視標からなる群内の少なくとも1つを変更
するようさらに構成されたことを特徴とするシステムが提供される。
さらに、眼の屈折特性を決定する方法であって、
眼の屈折特性を測定する波面測定装置を含むシステムを用意するステップを含み、
システムを小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つに切り替える
ステップと、
デフォルト瞳孔間距離、デフォルト角膜頂点間距離、波面測定装置のデフォルト位置、
波面測定装置の測定光線のデフォルト位置及び/又は方向、システムの額及び顎受けアセ
ンブリのデフォルト位置、及び固視標からなる群内の少なくとも1つを変更するステップ
と、
眼の屈折特性をシステムにより測定するステップと
を含むことを特徴とする方法が提供される。
したがって、特に眼の屈折特性を測定するシステム上で実行されると、上記方法又はそ
の改良形態の1つを実行するプログラムコード手段を備えた、特に非一時的なコンピュー
タープログラム製品が提供される。
これに関して、デフォルト瞳孔間距離及び/又はデフォルト角膜頂点間距離は、それぞ
れパラメータとしてシステムの特に非一時的な記憶装置に記憶され得る。したがって、デ
フォルト角膜頂点間距離は、測定された屈折特性からその人の処方又は屈折を決定するた
めの計算パラメータであり得る。したがって、デフォルト瞳孔間距離は、波面測定装置及
び/又は額及び顎受けアセンブリの位置の変更を決定するための計算パラメータであり得
る。
用語「屈折」は、人の眼の屈折特性によって決まるその人の屈折異常を矯正するのに必
要な光学補正を意味するものとする。用語「処方」は、最良の屈折を提供すべく決定され
た、眼鏡レンズの例えば球面、軸、及び円柱における特性を意味するものとする。したが
って、本発明によるシステムは、屈折及び/又は処方を決定するための計算エンジン又は
データ処理ユニットをさらに備え得る。
本発明のさらに別の態様によれば、小児用の眼鏡レンズ設計を決定する方法であって、
小児の眼の屈折特性を本発明の第1態様による方法又はその改良形態の1つにより測定す
るステップと、測定された屈折特性に基づいて屈折異常を矯正するための屈折を決定する
ステップと、当該屈折に基づいて眼鏡レンズ設計を決定するステップとを含む方法が提供
される。さらに、眼鏡レンズを製造する方法において、眼鏡レンズ設計を上述のように取
得することができ、眼鏡レンズを製造するさらに別のステップを続いて実行することがで
きる。
ここで、用語「眼鏡レンズ設計」は、眼鏡レンズの前面及び/又は後面の表面形状の設
計を意味する。
さらにまた、10歳未満、特に3歳から10歳の人である小児の眼の屈折特性を決定す
る方法であって、眼から出る波面のみに基づいて小児の眼の屈折特性を測定するステップ
を含む方法が提供される。特に、さらに、自覚的屈折は考慮されない。
さらに、10歳未満、特に3歳〜10歳の小児の眼において、屈折異常眼の屈折を測定
するための波面測定装置の使用方法が提供される。
特に、眼の屈折特性は、眼の屈折特性を測定する波面測定装置により測定される。さら
に、特に、波面測定装置は、シャック・ハルトマン原理、チェルニング法、又はレイトレ
ーシング法による収差計である。しかしながら、任意の他のタイプの波面センサを用いる
こともできる。
これにより、小児の眼の屈折特性を他覚的測定技法のみに基づいて高い信頼性で測定す
ることができるという利点が得られる。しかしながら、測定は迅速に行われ得る。通常、
眼から出る波面に基づいて屈折特性を測定するには、約30秒かかり得る。本発明者らは
、従来技術にあった先入観に反して、波面測定装置に基づく他覚的屈折技法を幼児に対し
て高い信頼性で実践できることを見出した。したがって、眼から出る波面に基づく屈折特
性の測定は、検影法を全自動波面測定装置に完全に置き換えることを可能にする。これに
より、眼の屈折特性を測定することが著しく容易になり、小児の眼の屈折異常の治療の基
礎としてより信頼性の高い結果が得られる。
これにより、一般に知られている波面測定装置を適用することができる。しかしながら
、入力装置により、測定装置を少なくとも1つの小児専用モードに設定することができる
。それにより、より詳細に後述するように、特定のハードウェア及び/又はソフトウェア
機能を、小児の眼の屈折特性を測定するための具体的なニーズに合うように変更すること
ができる。
さらに、屈折特性の測定全体は、小児の眼から出る波面、特にシャック・ハルトマンセ
ンサ等の波面測定装置に基づいて他覚的方法のみで行われる。これにより、屈折特性の最
速且つ最も信頼性の高い測定が行われる。特に、これにより、検査を行う有資格者、例え
ば光学技術者の側でいかなる高度技能も必要ない完全に自動化された方法で測定を行うこ
とが可能となる。
入力装置は、任意の種類の入力装置、例えば、ボタン又はキーボードその他であり得る
。さらに、入力装置は、ユーザにアイコンを見せるタッチスクリーンであり得る。アイコ
ンの選択により、続いてシステムを小児に割り当てられた測定モードに設定することがで
きる。概して、入力装置により、システムを特に小児に割り当てられた測定モードに切り
替えることが可能である。さらに、測定対象者の年齢をシステムに、例えばキーボード又
はタッチスクリーンを介して入力することができる、ということをもたらし得る。年齢に
応じて、例えば年齢が10歳未満、特に3歳〜10歳である場合、システムは、小児に割
り当てられた測定モードに切り替えられる。当然ながら、小児に割り当てられたモードが
2つ以上あってもよい。例えば、3歳〜6歳の小児に割り当てられた第1モード及び7歳
〜10歳の小児に割り当てられた第2モードという2つのモードがあり得る。
10歳未満、特に3歳〜10歳の小児の眼の屈折異常眼屈折を測定する波面測定装置の
使用は、これまで考えられていなかった。小児向けには、検影法のみが眼の屈折特性を測
定する技術水準の方法として確立されていた。小児の場合に、検影法に代わるものがない
というのが、光学技術者間でゆるぎない固定観念である。本発明者らは、これが実際には
当てはまらず、波面測定装置を小児に用いることができることを見出した。
したがって、最初に提示した問題は完全に解決される。
本システムの改良形態において、本システムは、額及び顎受けアセンブリを有し、小児
に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つへのシステムの切り替え時に、
額及び顎受けアセンブリ及び/又は波面測定装置を小児に割り当てられた調整状態へ移動
させるよう構成され、この調整状態は、9.7cm〜10.7cmの平均眼顎間距離に基
づく。特に、平均眼顎間距離は、10.2cmに設定され、眼顎間距離は特に、波面測定
装置の測定光線、特に測定光線の中心と額及び顎受けアセンブリの顎受け部、特に顎受け
部の顎受け面との間の垂直距離である。
本方法の改良形態において、上記変更するステップは、システムの額及び顎受けアセン
ブリ及び/又はシステムの波面測定装置を小児に割り当てられた調整状態へ移動させるこ
とを含み、この調整状態は、9.7cm〜10.7cmの平均眼顎間距離に基づき、眼顎
間距離は特に、波面測定装置の測定光線、特に測定光線の中心と額及び顎受けアセンブリ
の顎受け部との間の垂直距離である。
本システムは、頭及び顎受けアセンブリを有し得ると共に、小児に割り当てられた測定
モードへのシステムの切り替え時に、頭及び顎受けアセンブリを小児に割り当てられた調
整状態へ移動させるようさらに構成され得る。
これにより、頭及び顎受けアセンブリを小児の解剖学的構造に平均的に合う位置へ駆動
することが可能である。これにより、調整状態が平均的に小児の解剖学的構造にすでに合
っているはずなので、屈折特性の測定をより迅速に開始することができる。特に、顎受け
部は、波面測定装置の高さに対して例えば約20mm又は約40mmの固定量だけ持ち上
げられ得る。当然ながら、頭及び顎受けアセンブリの位置及び向きの手動微調整を行うこ
とができる。
代替的又は付加的に、従来の頭及び顎受けアセンブリの各部品上に置くことができる顎
及び頭受け用のアダプタを設けることができる。例えば、これらのアダプタ部品には、顎
及び額用の凹部が小児の解剖学的構造に合うように形成され得る。特に、小児の解剖学的
構造は、成人のものよりも小さい。したがって、額用の受け部及び顎用の受け部が相互に
対して可動でない場合、アダプタ部品は、小児の顔を成人用の寸法の額及び顎受けアセン
ブリに嵌める役割を果たし得る。例えば、約10mm〜約40mm、特に10mm〜20
mmの厚さを有し得るアダプタ部品が、顎受け部上に配置され得る。特に、この厚さは1
0mm、20mm、30mm、又は40mmであり得る。さらに、約1mm〜約15mm
、特に約5mm〜約10mmの厚さを有し得るアダプタ部品が、額受け部に配置され得る
。特に、この厚さは1mm、5mm、10mm、又は15mmであり得る。これらのアダ
プタ部品の設計は、例えばアダプタ部品上の色及び/又は絵により特に小児用に適したも
のとされ得る。
本システムの改良形態において、本システムは、小児に割り当てられた測定モードへの
システムの切り替え時にデフォルト瞳孔間距離を変更するよう構成され、デフォルト瞳孔
間距離は、45mm〜55mmの範囲の値に設定される。特に、デフォルト瞳孔間距離は
、48mm又は54mmに設定される。さらに、特に、デフォルト瞳孔間距離は、3歳〜
6歳の小児では48mmに、7歳〜10歳の小児では54mmに設定される。
本システムの改良形態において、本システムは、デフォルト角膜頂点間距離を10.5
mm〜11.5mmの範囲の値に変更するよう構成される。特に、角膜頂点間距離は11
mmに設定され得る。本システムは、小児に割り当てられた測定モードへのシステムの切
り替え時にデフォルト角膜頂点間距離を変更するよう構成することができ、デフォルト角
膜頂距離は、10.5mm〜11.5mmの範囲の値に設定される。
したがって、本方法の改良形態において、上記変更するステップは、デフォルト瞳孔間
距離を45mm〜55mmの範囲の値に設定することを含み、且つ/又は上記変更するス
テップは、デフォルト角膜頂点間距離を10.5mm〜11.5mmの範囲の値に設定す
ることを含む。さらに、特に、デフォルト瞳孔間距離は、3歳〜6歳の小児用には48m
mに、7歳〜10歳の小児用には54mmに設定される。特に、角膜頂点間距離は11m
mに設定され得る。
本システムは、小児に割り当てられた測定モードへのシステムの切り替え時にデフォル
ト瞳孔間距離を小児に割り当てられた瞳孔間距離に調整するよう構成され得る。
これにより、小児に割り当てられた測定モードでの初期瞳孔間距離を平均的な小児の眼
に合わせておくことができる。これにより、画像認識による瞳孔の開口の自動捕捉が容易
になり加速される。例えば、装用位置のパラメータに関して上述したように、事前設定さ
れた瞳孔間距離をより小さな初期条件に切り替えることができる。
成人向けには、標準設計を通常は平均的な解剖学的寸法に適合させる。通常、瞳孔間距
離は、成人用には60mm、64mm、又は68mmに事前決定されている。成人用に事
前決定された平均眼顎間距離は、通常は11.4cmである。成人用に事前決定された角
膜頂点間距離は、通常は12mmである。しかしながら、これでは、小児の瞳孔が初期デ
フォルト位置にある波面センサの範囲内にないことになり、且つ/又は角膜頂点間距離の
場合には小児の処方が適切に提案されなくなる。小児の瞳孔が波面センサの範囲内にあり
、自動的な捕捉及び調整手順を初期化できるようにシステムを手動で調整することは、面
倒であり得る。したがって、デフォルト瞳孔間距離を切り替えることにより、小児の瞳孔
がすでに範囲内にあって自動調整手順を行うことができる。出生時の平均瞳孔間距離は約
42mmであり、それから男児は1.6mm、女児は1.9mm伸びる。3歳では、性別
に関係なく平均瞳孔間距離は47mmである。
本システムは、小児の年齢に応じてデフォルト瞳孔間距離を調整するよう構成すること
ができ、年齢はシステムに入力される。年齢は、システムに手動で入力され得る。さらに
、年齢は、システムに記憶されているか又はネットワーク経由でシステムに伝送された小
児に関連するデータから読み出されてもよい。特に、年齢に応じたデフォルト瞳孔間距離
は、システムに記憶された表から読み出され得る。さらに、特に、デフォルト瞳孔間距離
は、男児では式PD=42mm+(年齢×1.9mm)、女児ではPD=42mm+(年
齢×1.6mm)に応じて計算することができ、ここにPDはミリメートル単位のデフォ
ルト瞳孔間距離であり、「年齢」は小児の満年齢である。当然ながら、対応する方法ステ
ップも実行することができる。
本システムは、小児に割り当てられた測定モードへのシステムの切り替え時に、デフォ
ルト角膜頂点間距離を小児に割り当てられた角膜頂点間距離に調整するようさらに構成さ
れ得る。
平均角膜頂点間距離は、成人用には12mmに設定される。これは、測定された波面か
らの処方、例えば球面、円柱、及び軸の計算時に用いられる。当然ながら、処方すべき眼
鏡の屈折特性は、想定される角膜頂点間距離に応じて変わる。したがって、小児の場合、
異なるデフォルト角膜頂点間距離が設定される。特に、小児に割り当てられたモードでの
デフォルト角膜頂点間距離は、成人用のデフォルト角膜頂点間距離よりも小さい。特に、
デフォルト角膜頂点間距離は、11mmに設定することができる。
本システムの改良形態において、本システムは、小児に割り当てられた少なくとも1つ
の測定モードのうち1つにおいて、固視標を、人物データに基づいた固視標のタイプの選
択、固視標を表示するシステムの表示装置上での固視標の移動、及び固視標を表示するシ
ステムの表示装置の眼から離れる移動からなる群内の少なくとも1つにより変更するよう
構成される。
したがって、本方法の改良形態において、本システムは、固視標を表示する表示装置を
備え、上記変更するステップは、人物データに基づいた固視標のタイプの選択、固視標を
表示するシステムの表示装置上での固視標の移動、及び固視標を表示するシステムの表示
装置の眼から離れる移動からなる群内の少なくとも1つを含む。
したがって、本システム又は本方法は、固視標を経時的に変えるよう構成され得る。こ
れにより、小児の注意及び動機付けを維持することができる。しかしながら、刺激的な視
標に対する固視は、小児の眼の望ましくない遠近調節を誘発し得るので、個々の固視標は
過度に刺激的でないべきである。したがって、固視標は、特定の時間間隔、例えば1秒毎
〜12秒毎の範囲の時間間隔、特に2秒毎〜10秒毎の範囲の時間間隔、例えば3秒毎〜
7秒毎の範囲の時間間隔で変わり得る。例えば、この時間間隔は、2秒毎、5秒毎、又は
10秒毎であり得る。
表示装置を有する本システムは、表示装置を眼から遠ざけることにより固視標を曇らせ
るよう構成され得る。このような固視標の曇らせを用いて、遠近調節の誘発をさらに抑制
することができ、このような曇らせは当業者には概して既知である。例えば、正レンズで
人の眼を「曇らせ」て、遠近調節で固視標のぼけがより強くなるようにすることができる
。これにより、眼が遠近調節機構を緩めることが促される。海上の帆船、田畑のトラクタ
ー、又は空に浮かぶ気球等の固視標を人に見せることができる。この固視標を続いて曇ら
せて遠近調節を緩めることができる。さらに、本システムは、小児の人物データに基づい
て固視標のタイプを選択するよう構成され得る。これにより、例えば小児の性別及び/又
は年齢に関する、例えばシステムに記憶された小児の人物データを読み出すことができる
。これに基づき、特定の固視標の組を選択して、これらを経時的に変化させて小児に提供
することができる。特に、男児専用の固視標の組及び女児専用の固視標の組があり得る。
固視標の自動設定の代替形態として、システムがユーザ入力で固視標の組を手動で選択で
きるようにすることも可能であり得る。
本システムの改良形態において、本システムは、固視標を表示する表示装置を備え、こ
の表示装置は、固視標を含む映像を見せるよう構成され、この映像は、1秒間に少なくと
も20個の画像の頻度を有する一連の画像である。
したがって、本方法の改良形態において、本方法は、固視標を含む映像を見せることを
さらに含み、この映像は、1秒間に少なくとも20個の画像の頻度で見せられる一連の画
像である。
固視標を含む映像を見せることができ、この映像は、1秒間に少なくとも20個の画像
の頻度で見せられる一連の画像である。好ましくは、一連の画像は、1秒間に少なくとも
24個見せられる。さらにより好ましくは、映像は、1秒間に少なくとも30個の頻度で
見せられる一連の画像である。
したがって、固視標を人に、特に小児に、その中でも特に3歳〜10歳の小児に見せる
映像を見せることができる。これに関して、映像は、任意の連続した単画像ではなく、1
秒間に少なくとも20個の画像の頻度で見せられる一連の画像を意味する。これは、一連
の画像を人が映画として知覚することを確実にするためである。これにより、映像が移動
固視標を含むことが可能になる。移動固視標は、波面測定中に人、特に小児の注意を引き
付けるのに有利であることが分かっている。さらに、これにより、より詳細に後述するよ
うに、映像は、固視標が眼による遠近調節を回避するよう移動するように提供することが
できる。したがって、特に小児の場合、注意を引き付けることができ、かつ望まれない遠
近調節を回避することができ、小児の場合でも波面測定技法による純粋な他覚的屈折で信
頼性の高い結果が可能となる。
本システムの改良形態において、本システムは、遠近調節検出装置、特に瞳孔サイズ測
定装置と、警報装置とをさらに備え、本システムは、遠近調節検出装置、例えば瞳孔サイ
ズ測定装置で遠近調節が検出された場合に警報装置で警報を提供するよう構成される。
したがって、本方法の改良形態において、本方法は、眼の遠近調節を特に瞳孔サイズ測
定装置で監視するステップと、遠近調節が検出された場合に特に警報装置で警報を提供す
るステップとをさらに含む。
これにより、遠近調節が検出された場合、測定を再度行わなければならないか否かの情
報を提供する警報を与えることができる。瞳孔サイズ測定装置の例は、例えば、米国特許
第5790235号明細書(特許文献6)に記載されている。警報装置の例は、システム
のディスプレイ上への表示、ノイズ、及び/又はシステム上の任意の種類の視覚表示、例
えばランプであり得る。特に、警報装置は、瞳孔径が規定の閾値未満に減少した場合に用
いられ得る。さらに、画像処理装置を、データ処理ユニット上にハードウェア実装又はソ
フトウェア実装で画像取得装置、例えばカメラと共に設けることもでき、この画像処理装
置は、眼の画像を取得して瞳孔サイズ、特に瞳孔径を画像処理により測定する。例えば、
このような画像処理は、瞳孔の外径のエッジ検出であり得る。瞳孔の外径には、暗から明
への急激な変化が存在する。したがって、このようなエッジは、画像処理で容易に検出可
能であり、当業者には概して既知である。特に、これらの装置は、測定プロセスの初めに
波面測定装置を小児の瞳孔の特定の位置に調整するために用いられるものと同じであり得
る。
瞳孔径が特定の閾値未満に減少した場合に、瞳孔の遠近調節が検出され得る。このよう
な閾値は、検出した最大径の50%として、又は初期検出径の70%として設定され得る
。さらに、本システムは、瞳孔測定装置により連続的に、又は所定の時間間隔で、例えば
0.1s〜1sの範囲の、特に0.1s、0.2s、0.5s、又は1sの時間間隔で、
瞳孔のサイズ、特に直径を追跡するよう構成することができ、sは秒の単位である。これ
により、瞳孔のサイズ及びいわゆる瞳孔の「ポンピング」を追跡することが可能であり、
すなわち、交互に増減する瞳孔径を検出することができる。瞳孔のこのようなポンピング
は、望まれない遠近調節を強く示すものでもある。
本システムの改良形態において、本システムは、第1知覚距離から第2知覚距離へ移動
する固視標を見せるよう構成され、第1知覚距離は第2知覚距離よりも小さく、第1知覚
距離は1ジオプター〜4ジオプターの範囲にあり、第2知覚距離は0.5ジオプター〜0
ジオプターの範囲にある。
したがって、本方法の改良形態において、上記変更するステップは、第1知覚距離から
第2知覚距離へ移動する固視標を見せることをさらに含み、第1知覚距離は第2知覚距離
よりも小さく、第1知覚距離は1ジオプター〜4ジオプターの範囲にあり、第2知覚距離
は0.5ジオプター〜0ジオプターの範囲にある。
ここでは、「ジオプター」は1/mの単位を意味し、mはメートルである。ジオプター
は、「dpt」とも省略される。したがって、「0ジオプターの距離」では、人間の眼は
鮮明な画像を取得するために余計な遠近調節を必要とすることなく、眼が無限遠に合焦す
ることになることが意味される。例えば、「3ジオプターの距離」では、眼は、鮮明な画
像を取得するためにあと3ジオプターだけ遠近調節する必要がある。したがって、固視標
を例えば「3ジオプターの距離から0ジオプターの距離へ」移動させた場合、このような
固視標の変更は、眼をリラックスさせ、遠近調節を回避するのに役立つ。
したがって、表示装置を有する本システムは、映像を固視標として見せるよう構成され
得る。特に、映像は、例えば3ジオプターから始まって0ジオプターで終わる知覚距離で
見せられる固視標を含み得る。静止画又は一連の画像の代わりに、このような映像は、遠
近調節を回避するのにさらに寄与し得ると共に小児の注意力を高め得る。したがって、小
児の視線方向がより視標に集中することにより、屈折特性の測定が改善され得る。
映像は、固視標を種々の知覚距離で見せるものを含み得る。これに関する用語「知覚距
離」は、人に、特に小児に対して映像を表示するディスプレイの実距離が変わらないこと
を意味する。しかしながら、映像中の固視標は、背景の前方で又は映像中で見せられる他
の物体に対してそのサイズを変えるので、人、特に小児にとっては、固視標が以前よりも
遠くにあるように見える。
人に見せられる映像において固視標が人から遠ざかるように見えることで、眼及びその
瞳孔が弛緩状態になることが判明している。したがって、遠近調節を回避することができ
、瞳孔が開いたままとなり得る。さらに、移動固視標は、人の、特に小児、特に3歳〜1
0歳の小児の注意を引いて維持するのに役立つ。
映像は、固視標が第1知覚距離から第2知覚距離へ移動しながら見せられるものを含む
ことができ、第1知覚距離は第2知覚距離よりも小さい。換言すれば、人の、特に小児の
知覚では固視標が人から遠ざかる。すでに説明したように、このような固視標は、人の眼
を弛緩させるのに役立つと共に遠近調節を回避するのに役立ち得る。
本システム又は本方法のさらに別の改良形態において、映像は、固視標が第3知覚距離
から第1知覚距離へ移動しながら見せられるものを含むことができ、第3知覚距離は第1
知覚距離よりも大きい。
換言すれば、固視標は、人の知覚では映像の表示中に人に近付く。第3知覚距離は、第
2知覚距離と等しくてもよく、又は第2知覚距離とは異なっていてもよい。特に、固視標
が第3知覚距離から第1知覚距離へ移動した後に第1知覚距離から第2知覚距離へ移動す
るようにする。したがって、固視標はまず人に近付いてから人から遠ざかり、特に無限遠
へ消え去るようにすることもできる。これにより、固視標が人から、特に小児から遠ざか
る間の遠近調節をさらに回避することができる。したがって、眼から出る波面が、固視標
が第1知覚距離から第2知覚距離へ移動する時間間隔中に測定されるようにすることがで
きる。
本システム及び本方法のさらに別の改良形態において、映像がディスプレイに表示され
、映像が表示されている際にディスプレイと眼との間の実距離が変更され、特にディスプ
レイは、映像が表示されている際に眼から遠ざかるようにすることができる。
したがって、特にディスプレイを人から遠ざけることにより行われ得るような、固視標
の曇らせも提供され得る。これにより遠近調節の回避を助けることができる。特に、ディ
スプレイと眼との間の実距離は、映像を見せている間に、特に固視標が第1知覚距離から
第2知覚距離へ移動しながら見せられている間に変更され得る。
さらに別の改良形態において、本方法は、映像が表示されている際にオーディオコンテ
ンツを再生するステップを含み得る。
したがって、対応して提供されるシステムは、人、特に小児に音を聞かせるスピーカシ
ステムを備え得る。オーディオコンテンツは、人、特に小児をくつろいだ気分にするメロ
ディ又は音楽であり得る。このような影響が眼の遠近調節の回避に役立ち得ることが分か
っている。さらに、オーディオコンテンツがディスプレイに表示された映像に対応する音
であるようにすることができる。したがって、オーディオコンテンツは、映像中で見せら
れる物体、漫画キャラクター、及び人物の音声情報及び他の音を含み得る。
概して、本システムは、小児に割り当てられた測定モードの開始時に、測定について小
児に説明する漫画キャラクターを表示装置を介して小児に見せるようさらに構成され得る
。さらに、この種の指導映像において、大事なこと、及び測定に協力して良い結果を得る
ためのやり方を小児に説明することができる。
概して、小児に割り当てられた測定モードへのシステムの切り替えは、あらゆる種類の
入力装置により行うことができる。入力装置は、システムに設けられた特定のボタンであ
り得る。さらに、入力装置は、システムのディスプレイ上の特定のボタンをクリックでき
るようにするキーボード又はトラックボール又はマウス装置であり得る。当然ながら、単
一の音声命令による小児に割り当てられた測定モードへのシステムの切り替えを可能にす
る音声命令も実現することができる。したがって、入力装置をマイクロフォン装置として
音声検出を行うこともできる。
当然ながら、上述した特徴及び以下で説明される特徴は、説明に挙げた特定の組み合わ
せだけでなく、独立して、又は本発明の範囲を逸脱することなく開示された特徴の他のあ
らゆる組み合わせで用いることもできる。
次に、図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
両眼の各眼の概略図である。 眼の屈折特性を測定するシステムの実施形態を示す図である。 眼の屈折特性を測定するシステムのさらに別の実施形態を示す図である。 眼の屈折特性を測定するシステムのさらに別の実施形態を示す図である。 眼の屈折特性を測定するシステムの別の実施形態を示す図である。 映像の第1画像を示す図である。 映像の第2画像を示す図である。 製造システムへのシステムの実装の実施形態を示す図である。 眼の屈折特性を測定する方法のさらに別の実施形態を示す図である。 小児の眼の屈折特性を測定する方法の実施形態を示す図である。 小児の眼の屈折特性を測定する方法のさらに別の実施形態を示す図である。 小児用に設計された眼鏡レンズを測定する方法の実施形態を示す図である。
図1に、眼10の単なる概略図を示す。眼10は、測定対象の小児の眼であり屈折異常
の場合に矯正されるものとみなされ得る。眼鏡のレンズ20も示されている。レンズ12
を用いて、眼10の異常を矯正する。これにより、光線14が屈折異常を伴わずにレンズ
20及び眼10を通って進むことが可能である。光線14が通過し得る虹彩16が、概略
的に示されている。光線14は、続いて水晶体18を通って網膜20の特定部分22に焦
点を結ぶ。したがって、眼10の屈折特性の測定時に、全開の瞳孔16のみで、水晶体1
8の全ての部分、したがって全屈折異常を認識できる。続いて、虹彩16の開いた瞳孔を
通過する光線束全体から成る波面24を測定することができる。
図1において、さらに、より詳細に後述するように本システム及び本方法に従って変更
され得るパラメータのいくつかを視覚化するために、第2眼10’が示されている。図1
に角膜頂点間距離52を示す。これは、レンズ12の後面と眼10の角膜との間の差であ
る。さらに、瞳孔間距離を参照番号54で示し、これは、2つの眼10と10’の瞳孔の
中心間の距離である。
図2に、一実施形態によるシステム30を示す。この概略図は、波面測定装置32を有
するシステム30を示す。システム30には開口31が設けられ、これを通して波面測定
装置32が人の眼10の屈折を測定できる。波面測定装置の位置を参照番号33で示す。
システム30内の波面測定装置32の位置は調整可能であり得る。したがって、波面測定
装置32は移動させることができる。座標系X、Y、Zを参照番号28で示す。図2に示
す画像では、波面測定装置32は、特にX軸に沿って可動であり得る。さらに、波面測定
装置32は、少なくともX軸(垂直軸)の周りに回動させることができるが、随意的にY
軸(水平軸)及び/又はZ軸の周りにも回動させて、人の特定の眼に向けて位置合わせす
ることができる。
波面測定装置30は、頭及び顎受けアセンブリ40を取り付けるための頭及び顎受け接
続部35を有する。頭及び顎受けアセンブリ40は、人の額を位置決めする頭受け部43
と、さらに人の顎を顎受け面49上に位置決めする顎受け部45とを有する。頭受け部4
3と顎受け部45は、接続装置41を介して接続することができ、作動ユニット42を介
して相互に対して可動であり得る。これにより、X方向に沿った顎受け部47の高さが調
整可能であり得る。さらに、頭及び顎受けアセンブリ40全体の高さを、例えばさらに別
の作動ユニット(図示せず)を介してX軸に沿って調整可能であり得る。これにより、顎
受け部45の位置47をX方向に沿って、よって頭受け部43に対してかつ波面測定装置
32の高さに対して、したがって波面測定装置32の位置33に対して調整することが可
能であり得る。顎受け部45の顎受け面49上のデフォルト顎位置56が既知なので、平
均眼顎間距離57に基づいてデフォルト眼位置55をとることが可能である。眼顎間距離
は、波面測定装置32の測定光線58、特に測定光線58の中心と、額及び顎受けアセン
ブリ40の顎受け部45、特に顎受け部45の顎受け面49との間の垂直(X)距離であ
る。これは、デフォルト瞳孔間距離54をさらに考慮に入れたものであり得る。これによ
り、これらのデフォルト眼位置に基づいて、実際の眼位置にすでに厳密に一致するように
波面測定装置32の測定光線58を最初に調整することが可能である。これにより、面倒
な手動調整手順が回避される。
さらに、波面測定装置32においてデフォルトで設定された角膜頂点間距離52の記憶
パラメータが、波面測定結果に基づいて提案された処方が小児の平均需要に最も合うよう
調整され得る。特に、波面測定装置32は、少なくとも1つの、好ましくは2つ以上の小
児に割り当てられた測定モードを有することができ、このモードで、上記で設定されたパ
ラメータの少なくとも1つが小児に割り当てられた値に向けて最初に変更される。特に、
これは以下の表に従って行われ得る。
図3は、小児の眼の屈折特性を測定するシステム30の実施形態を示す。システム30
は、波面測定装置32、例えばシャック・ハルトマンセンサを備える。さらに、このシス
テムは、入力装置34を備える。任意の種類の入力装置、例えばボタン又はキーボードそ
の他であり得る入力装置34を介して、システム30を小児に特に割り当てられた測定モ
ードに切り替えることが可能である。さらに、システム30は、システム30の切り替え
先の測定モードを表示するディスプレイを備え得る。当然ながら、これは、ランプ又は他
の視覚インジケータにより示すこともできる。これにより、小児の眼10を、小児の瞳孔
全体にわたって波面を測定する他覚的屈折技法で測定することが可能である。これは、小
児用に一般に知られている屈折技法よりも迅速であるだけでなく、瞳孔径全体にわたる波
面収差も提供する。
図4は、システム30’のさらに別の実施形態を示す。この実施形態でも、波面測定装
置、例えばシャック・ハルトマンセンサ32がある。さらに、入力装置34が設けられる
。さらにまた、システム30は、固視標38を小児の眼10に投影することができる表示
装置36、例えば任意の発光装置を有する。また、表示装置36は、特定の固視標38を
小児に見せる任意の種類のディスプレイにより具現され得る。システム30’は、適切に
設計された作動装置42を介してシステム30に接続された頭及び顎受けアセンブリ40
をさらに備える。これにより、頭及び顎受けアセンブリ40を制御し適切な位置に移動さ
せて、小児の額及び顎がそこに載るようにすることができる。特に、システム30’が入
力装置34を介して小児に割り当てられた測定モードに切り替えられる場合、小児用の初
期位置を、頭及び顎受けアセンブリ40用に対して自動的に設定することができる。
システム30’は、システム30’を制御する中央処理ユニット44をさらに備え得る
。メモリユニット46が、中央処理ユニット44に接続され得る。中央処理ユニット44
は、システム全体、例えば、表示装置36、波面測定装置32、及び入力装置34を制御
し得る。さらに、同じく中央処理ユニット44により制御される瞳孔サイズ測定装置48
があり得る。さらに、中央処理ユニット44は、波面測定装置32、瞳孔サイズ測定装置
48、及び入力装置34を介して必要な全データを収集することができる。中央処理ユニ
ット44は、測定結果又は高次の屈折に基づいて処方を決定できるよう適切に構成され得
る。さらに、中央処理ユニット44は、対応のレンズ設計を決定できるようにも構成され
得る。しかしながら、中央処理ユニット44は、データネットワーク(図示せず)を介し
て他のデータ処理ユニットに有線又は無線で接続することもできる。より詳細に後述する
ように、さらに他のデータ処理ユニットは、異なる場所に位置付けることもできる。
中央処理ユニット44は、特定の一連の固視標38を小児に提供するよう表示装置36
を制御し得る。固視標38の組の種類は、同じくメモリ装置46に存在し得る人物データ
又は入力装置34を介して入力される人物データに基づいて、メモリ装置46から読み出
すことができる。当然ながら、固視標38の組は、入力装置34を介して選択することも
できる。当然ながら、表示装置36を介して固視標として小児に見せられる映像もあり得
る。さらに、測定プロセスの開始時に、測定全体について及び好結果をもたらすための振
舞い方について説明するある種の動画が小児に提供される場合がある。概して、小児を興
奮させすぎると望ましくない遠近調節を引き起こし得るので、固視標38は、小児を興奮
させすぎることなく小児の注意を引くよう選択される。
さらに、システム30’は、警報装置50、例えば光又は音響装置を備え得る。当然な
がら、システム30’がディスプレイを備える場合、警報装置50もディスプレイ上の対
応の表示(図示せず)として形成され得る。したがって、眼10の瞳孔径が特定の閾値未
満に下がった場合、瞳孔サイズ測定装置48を介して取得されて随意的に例えば中央処理
ユニットへ転送された瞳孔径は、警報装置50に警報を提供させ得る。これにより、対応
の測定を自動的に廃棄することができ、追加的な測定プロセスを開始することができる。
図5は、システム30’’のさらに別の実施形態を示す。図4と同じ要素は同じ参照符
号で示し、再度説明しない。図5に示す実施形態において、表示装置36はディスプレイ
又は画面として設けられ、例えば、LCD(liquid crystal dosplay:液晶ディスプレイ
)技術又はLED(light emitting diode:発光ダイオード)ディスプレイ技術に基づく
ディスプレイであり得る。換言すれば、図5に示す表示装置36は、映像を眼10に見せ
るよう中央処理ユニット44により制御することができるアナログ表示装置又はデジタル
表示装置、例えば発光素子アレイである。この映像は、固視標38を眼に見せる。したが
って、固視標38は、ディスプレイ上での移動、そのサイズの変更等を行い得る。ディス
プレイ36と眼10との間の実距離82は、矢印80で示すようにディスプレイ36を眼
10から遠ざけるか眼10に向けて移動させることにより変更され得る。したがって、固
視標38は映像中でそのサイズを変えない場合があるが、それにもかかわらず、実距離8
2を変更することにより、人、特に小児にとって眼に近づくか眼から遠ざかるように見え
得る。これにより、例えば、眼10に対して徐々に小さく見せられることにより映像中で
遠ざかる固視標38は、ディスプレイ36を眼10から実際に遠ざけることにより支援さ
れ得る。
システム30’’は、オーディオコンテンツを人、特に小児に聞かせる音響装置88を
さらに備え得る。ここで、コンテンツは、人をくつろいだ気分にするメロディを含み、よ
って瞳孔16の遠近調節を回避し得る。さらに、音響装置88は、眼10に見せられる映
像に対応するオーディオコンテンツ、例えば映像中に示されるキャラクターの声又は物体
の音を再生し得る。これは、映像に対する注意を維持するのに役立ち得る。おそらく、音
響装置は、眼10のディスプレイ36に対する視線方向にほぼ相当する方向に位置決めさ
れてその方向から人に対して音波を発するものとする。これにより、人、特に小児が異な
る方向から来る音により苛立つこと、及び音が聞こえてくる方向へ眼10を移動させるこ
とが回避される可能性が最も高い。しかしながら、眼10から生じる波面24の測定時に
これは望ましくない。
図6a及び図6bは、ディスプレイ36上の映像に表示され得るコンテンツの例を示す
。図6aは、固視標36が人、特に小児の知覚にとって非常に「近く」見える画像84を
示す。固視標38は、丘の背景の前方で空中を飛ぶ気球、及び地平線で曲がって無限に続
く道路であるように示されている。例えば、人、特に小児は、気球上の縞を固視するよう
指示され得る。
図6bは、図6aに示す画像に続いて現れ得るさらに別の画像86を示す。画像86は
、「遠方の」固視標38を示す。固視標のサイズをその位置で変えることにより、人、特
に小児の知覚では固視標がより遠くに見える。したがって、これは、小児の眼をリラック
スさせ遠近調節を回避しつつ、小児の視線が無限の彼方に消える気球を追う際に小児の注
意をそらさないのに役立つ。したがって、特に3歳〜10歳の小児でも、約20秒〜30
秒の期間にわたって遠近調節を伴わずに固視標38に対する注意を維持することができる
。これは、波面測定技法での高品質の他覚的屈折を可能にする。さらに、すでに説明した
ように、固視標38が図6aに示す位置から図6bに示す位置へ移動する間に、画像84
、86に示されるディスプレイ36の実距離82を増加させることができることで、眼1
0とディスプレイ56との間の実距離82が増加する。これは、眼の遠近調節の回避をさ
らに助け得る。
図7に、製造システム60の実施形態を示す。小児の眼10の屈折特性を測定するシス
テム30は、第1現場62に位置付けられ得る。処理ユニット64が、第2現場66に位
置付けられ得る。出力装置16は、第3現場30に位置付けられ得るか、又は同じく第1
現場62に位置付けられ得る。さらに、視覚補助具を製造する製造ユニット70は、第3
現場68又は第1現場62のいずれにもあり得る。
第1現場62、第2現場66、及び第3現場68は、相互に遠隔にある。第1現場62
は、データネットワーク72を介して第2現場66と接続される。第2現場66と第3現
場68は、データネットワーク74を介して接続される。これにより、収差計30を介し
て提供された屈折データを処理ユニット64へ送ることができる。さらに、自覚的屈折、
特に自覚的乱視矯正も、例えば第1現場62又は任意の他の現場から処理ユニット64へ
送ることができる。さらに、例えば、決定された眼鏡処方を続いて第1現場へ、例えば眼
鏡店へ返送し、眼科医により確認させて、例えば装用候補者に提供させることができる。
さらに、決定された眼鏡処方を、各視覚補助具を製造する遠隔の製造ユニットへ転送する
こともできる。製造ユニットは、第1現場62に位置付けられてもよい。この場合、収差
計のデータは、接続72を介して第2現場66の処理ユニット64へ伝送され、続いて計
算された眼鏡処方が、第1現場62及びその製造ユニット70へ転送されて戻される。代
替的に、第2現場66から、決定された眼鏡処方を、視覚補助具を製造する製造ユニット
70を有する可能性のある第3現場68へ転送することができる。最後に、矢印76で示
すように、この第3現場68から、製造された視覚補助具が続いて第1現場62へ出荷さ
れる。
図8は、眼10の屈折特性を測定する方法200の実施形態を示す。方法の開始後、ス
テップ2010を実行し、眼10の屈折特性を測定する波面測定装置32を含むシステム
を用意する。ステップ220において、このシステムを小児に割り当てられた少なくとも
1つの測定モードのうち1つに切り替える。これは、ステップ230において、デフォル
ト瞳孔間距離、デフォルト角膜頂点間距離、波面測定装置のデフォルト位置、波面測定装
置の測定光線のデフォルト方向、システムの額及び顎受けアセンブリのデフォルト位置、
及び固視標からなる群内の少なくとも1つを変更することを意味する。これにより、シス
テムの、特に波面測定装置のソフトウェア及びハードウェア特性は、システムが小児の眼
の波面測定に特に割り当てられるよう構成されている。これにより、波面測定結果、よっ
て小児用の処方が、他覚的屈折技法のみにより取得され得る。
したがって、ステップ240において、眼の屈折特性をシステム30で測定する。
続いて、方法を終了できる。
参照番号で示される本方法のさらに別の実施形態。開始後、眼10に対する固視標を含
む映像を提供することができ、この映像は、1秒間に少なくとも20個の画像の頻度で見
せられる一連の画像である。映像を見せている間、固視標が、眼に見えている映像中の第
3知覚距離から第1知覚距離へ移動するようにすることができる。人の知覚では、第1知
覚距離の方が眼に近いものとする。続いて、固視標38は、第1知覚距離から、人の知覚
では第1知覚距離よりも眼から遠い第2知覚距離へ移動し得る。したがって、固視標が人
から遠ざかるこのステップにおいて、眼10がリラックスして遠近調節が回避され得る可
能性が高い。したがって、固視標が人から遠ざかる際に波面測定が行われ得る。これは、
固視標の実距離及び/又は知覚距離が、特に無限遠に向かって増加することを意味する。
したがって、ディスプレイを、眼に対する実距離を増加させることによって、眼から遠ざ
けるようにすることができる。
図9は、小児の眼の屈折特性を測定する方法を示し、これを参照番号100で全体的に
示す。
メッセージの開始後、眼から出る波面に基づいて小児の眼の屈折特性を決定するステッ
プ110を実行する。特に、シャック・ハルトマン原理に基づく波面収差計を用いる。当
然ながら、チェルニング原理、レイトレーシング原理、又は任意の他のタイプの波面収差
計も用いることができる。
これにより、上記で述べたように、小児の眼を測定する際の自覚的屈折法及び検影法の
欠点が克服できる。波面測定センサの使用が、小児に対する自動化された他覚的屈折に用
いる場合に実際に信頼性の高い結果をもたらすことができることが分かった。
小児の眼の屈折特性が眼から出る波面のみに基づいて測定され、方法100をステップ
110の実行後に終了することが好ましい場合がある。
図10は、方法100のさらに別の実施形態を示す。
上記で述べたように、小児の眼の屈折特性を測定するためにステップ110のみを実行
する場合がある。しかしながら、小児の眼の屈折特性を自覚的屈折プロセスに基づいて測
定する、さらに別のステップ120を実行する場合もある。この自覚的屈折プロセスでは
、他覚的屈折プロセスにより得られた結果を自覚的屈折の初期条件として用いることがで
きる。例えば、他覚的屈折プロセスステップ110が実行されており、対応する波面結果
に基づいて、小児用の処方が球面、円柱、及び軸の形で見出されている場合がある。処方
のこれらのパラメータが、続いて自覚的屈折法の出発条件として用いられ得る。これは、
自覚的屈折が大幅に速く行われ得ると共に、ステップ110における他覚的屈折により得
られた結果から逸脱して僅かな補正又は改良を見出すだけでよいという利点をもたらす。
図11は、小児用に設計された眼鏡レンズを決定する方法の実施形態を示す。本方法を
、参照番号150で全体的に示す。
方法の開始後、まず、最初に述べた方法100を実行して小児の眼の屈折特性を測定す
る。
その後、測定された屈折特性に基づいて屈折異常を矯正するための屈折を決定する。例
えば、これは、球面、円柱、及び軸、又はM、J、J45の形態の一般に既知の処方で
あり得る。しかしながら、このステップ130において、個々に適合させたレンズ面の形
態の高次屈折を見出すことも可能である。
ステップ130で見出した屈折に基づいて、さらに別のステップ140において、続い
て屈折に基づいた眼鏡レンズ設計が決定され得る。しかしながら、このレンズ設計は、例
えば瞳孔間距離、角膜頂点間距離、前傾角、及びフェイスフレーム角等の装用位置パラメ
ータを含む、小児のさらに他の個人パラメータに基づいて決定され得る。ステップ130
において見出した屈折は、小児の個々のニーズに合い、尚且つステップ130において見
出した屈折に最大限に従うレンズ設計を見出すようわずかに適合又は最適化され得る。こ
のようなレンズ設計法は、当業者には広く知られており、例えば本明細書の導入部分で引
用した文献ですでに説明されている。
上記説明が2次収差までの補正の実施態様に言及しているとしても、概して、本発明は
2次収差に限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、高次収差を用いた屈折
を可能にするよう方法を拡張することができる。続いてこのような高次収差をアイケア専
門家が用いて、処方された高次収差補正に従って瞳孔平面における入射波面の位相を変え
ることによる高次補正を含む眼科的矯正を指定することができる。
さらに、上述した実施形態は、眼鏡の視覚補助具に関するものであるが、概して、本技
法を、「視覚補助具」であると考えられるコンタクトレンズの処方の決定にも適用するこ
とができる。

Claims (15)

  1. 眼(10)の屈折特性を測定する波面測定装置(32)を備えた、前記眼(10)の屈
    折特性を測定するシステム(30)であって、該システム(30)は、小児に割り当てら
    れた少なくとも1つの測定モードを有するよう構成され、該システム(30)は、該シス
    テム(30)を前記小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つに切り
    替えるよう構成された入力装置(34)を有し、該システム(30)は、該システム(3
    0)を前記小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つに切り替える際
    に、デフォルト瞳孔間距離(54)、デフォルト角膜頂点間距離(52)、前記波面測定
    装置(32)のデフォルト位置(33)、前記波面測定装置(32)の測定光線(58)
    のデフォルト位置及び/又は方向、該システム(30)の額及び顎受けアセンブリ(40
    )のデフォルト位置(47)、及び固視標(38)からなる群内の少なくとも1つを変更
    するようさらに構成されることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、該システムは、前記額及び顎受けアセンブリ(4
    0)を有し、該システム(30)は、前記小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モ
    ードのうち1つへの該システム(30)の切り替え時に、前記額及び顎受けアセンブリ(
    40)及び/又は前記波面測定装置(32)を小児に割り当てられた調整状態へ移動させ
    るよう構成され、前記調整状態は、9.7cm〜10.7cmの平均眼顎間距離(57)
    、すなわち、前記波面測定装置(32)の測定光線(58)と前記額及び顎受けアセンブ
    リ(40)の顎受け部(45)との間の垂直距離に基づくことを特徴とするシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のシステムにおいて、該システム(30)は、前記小児に割り当
    てられた測定モードへの該システム(30)の切り替え時に前記デフォルト瞳孔間距離を
    変更するよう構成され、前記デフォルト瞳孔間距離は、45mm〜55mmの範囲の値に
    設定されることを特徴とするシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステムにおいて、該システム(30)は、前記
    小児に割り当てられた測定モードへの該システム(30)の切り替え時に前記デフォルト
    角膜頂点間距離を変更するよう構成され、前記デフォルト角膜頂点間距離は、10.5m
    m〜11.5mmの範囲の値に設定されることを特徴とするシステム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステムにおいて、該システム(30)は、前記
    小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つにおいて、前記固視標(3
    8)を、人物データに基づいた前記固視標(38)のタイプの選択、前記固視標(38)
    を表示する前記システム(30)の表示装置(36)上での前記固視標(38)の移動、
    及び前記固視標(38)を表示する前記システム(30)の表示装置(36)の前記眼(
    10)から離れる移動からなる群内の少なくとも1つにより変更するよう構成されること
    を特徴とするシステム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステムにおいて、該システム(30)は、前記
    固視標(38)を表示する表示装置(36)を備え、該表示装置(36)は、前記固視標
    (38)を含む映像を見せるよう構成され、該映像は、1秒間に少なくとも20個の画像
    の頻度で見せられる一連の画像であることを特徴とするシステム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステムにおいて、該システム(30)は、遠近
    調節検出装置(48)及び警報装置(50)をさらに備え、該システム(30)は、前記
    遠近調節検出装置(48)で遠近調節が検出された場合に前記警報装置(50)で警報を
    提供するよう構成されることを特徴とするシステム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステムにおいて、該システムは、第1知覚距離
    から第2知覚距離へ移動する前記固視標(38)を見せるよう構成され、前記第1知覚距
    離は前記第2知覚距離よりも小さく、前記第1知覚距離は1ジオプター〜4ジオプターの
    範囲にあり、前記第2知覚距離は0.5ジオプター〜0ジオプターの範囲にあることを特
    徴とするシステム。
  9. 眼(10)の屈折特性を測定する方法(200)であって、
    前記眼(10)の屈折特性を測定する波面測定装置(32)を含むシステム(30)を
    用意するステップ(210)
    を含む方法において、
    前記システム(30)を小児に割り当てられた少なくとも1つの測定モードのうち1つ
    に切り替えるステップ(220)と、
    デフォルト瞳孔間距離(54)、デフォルト角膜頂点間距離(52)、前記波面測定装
    置(32)のデフォルト位置、前記波面測定装置(32)の測定光線(58)のデフォル
    ト位置及び/又は方向、前記システム(30)の額及び顎受けアセンブリのデフォルト位
    置、及び固視標(38)からなる群内の少なくとも1つを変更するステップ(230)と

    前記眼(10)の屈折特性を前記システム(30)により測定するステップ(240)

    を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、該方法(200)は、前記固視標(38)を含む映像
    を見せるステップをさらに含み、前記映像は、1秒間に少なくとも20個の画像の頻度で
    見せられる一連の画像であることを特徴とする方法。
  11. 請求項9又は10に記載の方法において、前記変更するステップは、第1知覚距離から
    第2知覚距離へ移動する前記固視標(38)を見せることをさらに含み、前記第1知覚距
    離は前記第2知覚距離よりも小さく、前記第1知覚距離は1ジオプター〜4ジオプターの
    範囲にあり、前記第2知覚距離は0.5ジオプター〜0ジオプターの範囲にあることを特
    徴とする方法。
  12. 眼(10)の屈折特性を測定するシステム(30)上で実行されると、請求項9〜11
    のいずれか1項に記載の方法(200)を実行するプログラムコード手段を備えた、特に
    非一時的なコンピュータープログラム製品。
  13. 10歳未満、特に3歳〜10歳の人である小児の眼(10)の屈折特性を測定する方法
    (100)であって、
    前記眼(10)から出る波面(24)のみに基づいて前記小児の前記眼(10)の屈折
    特性を測定するステップ(110)
    を含むことを特徴とする方法。
  14. 小児用に設計された眼鏡レンズを決定する方法(150)であって、
    請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法(100、200)を用いて眼(10)の
    屈折特性を測定するステップと、
    前記測定された屈折特性に基づいて屈折異常を矯正するための屈折を決定するステップ
    (130)と、
    前記屈折に基づいて眼鏡レンズ設計を決定するステップ(140)と
    を含む方法。
  15. 10歳未満、特に3歳〜10歳の小児の眼(10)において、屈折異常眼(10)の屈
    折を測定するための波面測定装置(32)の使用方法。
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