以下、本発明の実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機Pについて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1および図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤14(図4参照)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部4が形成されたガラス扉3と、このガラス扉3の開口部4に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。
ガラス扉3は、左右方向の一端側(例えば、パチンコ機Pに正対して左側)においてヒンジ機構部9を介して本体枠2に連結されており、このヒンジ機構部9を支点として左右方向の他端側(例えば、パチンコ機Pに正対して右側)を本体枠2から開放させる方向に回動可能とされている。また、この他端側には、ガラス扉3を本体枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能となっている。また、ガラス扉3には、ガラス扉3が本体枠2から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ303(図6参照)も設けられている。
さらに、ガラス扉3の上部には上部スピーカ11が左右に1個ずつ取り付けられているとともに、ガラス扉3の右下部には下部スピーカ12が1個取り付けられており、遊技に関する様々な楽曲や効果音を出力することが可能となっている。なお、以下では、上部スピーカ11および下部スピーカ12をまとめて、スピーカ11,12と呼称する。
また、ガラス扉3の周囲にはLED等の発光体による発光が可能な装飾ランプ13A,13B,13C等が設けられており、これら装飾ランプ13A,13B,13Cでは、遊技の進行に合わせて種々の発光態様を行うことが可能となっている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、本体枠2の下部には、遊技球を遊技領域15に向けて発射するための発射装置(図示しない)が取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置に1個ずつ供給される。
また、受皿5が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿8に導かれることになる。この下皿8の底面には、当該下皿8から遊技球を排出するための玉抜き孔8bが形成されている。この玉抜き孔8bは、通常、開閉板(図示しない)によって閉じられているが、玉抜レバー8aを左右にスライドさせることにより、この玉抜レバー8aと一体となって開閉板がスライドし、玉抜き孔8bから下皿8の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、ハンドル7内にあるタッチセンサ7aが、ハンドル7に遊技者が触れたことを検知し、払出・発射制御基板300にタッチ信号を送信する。払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド7cの通電を許可する。そして、ハンドル7の回転角度を変化させると、ハンドル7に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム7bのつまみが回転する。この発射ボリューム7bの検出角度に応じた電圧が、発射装置に設けられた発射用ソレノイド7cに印加される。そして、発射用ソレノイド7cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド7cが印加電圧に応じて作動するとともに、ハンドル7の回動角度に応じた発射強度で発射装置が遊技球を遊技領域15へと発射することができるようになっている。また、ハンドル7が初期位置に戻ると、発射ボリューム7bの検出角度が0度となり発射用ソレノイド7cに電圧が印加されなくなり、遊技球の発射が行われなくなる。
前面ボード6の中央部付近には、遊技者が押下操作および回転操作する演出操作装置60が設けられている。この演出操作装置60は、中央部分が押下式スイッチ(タッチボタン検出スイッチ61aにより押下操作を検出する)であるタッチボタン61と、周縁部が回転型セレクタ(回転操作検出スイッチ62aにより回動操作を検出する)であるセレクタスイッチ62と、で構成され、発展型の演出(例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する内容の演出)において用いられたり、大当たり遊技中における演出や楽曲を選択する際に用いられたりする。また、スピーカ11,12の音量調整のためにも用いられる。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御基板100、副制御基板200、払出・発射制御基板300等が設けられている。続いて、図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
図4に示すように、遊技盤14は、その盤面に遊技領域15を有しており、遊技領域15は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域15は、遊技球を滑走させるガイドレール16aと遊技球規制レール16bとによって略円形状となるように区画形成されており、発射装置によって打ち出された遊技球はこの遊技領域15内を流下する。また、遊技領域15内には、演出表示装置40,41,42と、一般入賞口20と、ゲート22と、ステージ50と、第1始動入賞口(始動口)24および第2始動入賞口(始動口)26と、大入賞口28と、アウト口29等が設けられている。また、遊技領域15内には、多数の遊技釘17(図示のように遊技釘17は遊技盤14上に多数設けられている)と、風車21も設けられている。また、遊技盤14右下方の位置には、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特別図柄保留表示器33と、第2特別図柄保留表示器34と、普通図柄保留表示器35とが設けられている。
第2始動入賞口26は、第1始動入賞口24の右側に離れて位置する経路26A内に設けられている。この経路26Aには、出口26Cと、スライド板26b(可動片26b)が設けられており、経路26A内に入球した遊技球は、出口26Cから遊技領域15に排出されるか、第2始動入賞口26へ入賞するか、何れかのルートを辿ることとなる。
スライド板26bは、通常では、遊技盤14の前面方向に突出した状態(閉状態)に維持されている。これにより、経路26A内に入球した遊技球が第2始動入賞口26へ入賞することが不可能となっている。この場合、遊技球は経路Cを辿り、出口26Cから遊技領域15に排出されることとなる。一方で、後述する普通図柄の抽選に当選となると、始動入賞口開閉ソレノイド26c(図6参照)に通電がなされて、スライド板26bが遊技盤14の前面から後方にスライドした状態(開状態)に維持される。これにより、経路26A内に入球した遊技球が第2始動入賞口26へ入賞することが可能となる。この場合、遊技球は経路Dを辿り、第2始動入賞口26へ入賞することとなる。
すなわち、第2始動入賞口26は、経路26A内に設けられているとともに、始動入賞口開閉ソレノイド26cが通電されておらず、スライド板26bが閉状態に維持される第1の態様と、始動入賞口開閉ソレノイド26cが通電され、スライド板26bが開状態となる第2の態様とに可動状態が制御される。
発射装置の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ブッコミ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球がルートLに示すように、遊技領域15の左側の領域18(演出表示装置40の左側)を流下することとなり、第1始動入賞口24に入賞する可能性があることとなる。なお、この場合には、第2始動入賞口26へは入賞することが不可能となっている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「左打ち遊技」ともいう。また、このことから、左打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域18を左打ち領域18ともいう。
また、発射装置の発射強度が中〜強のときには、遊技球がルートRに示すように、遊技領域15の右側の領域19(演出表示装置40の右側)を流下することとなり、第2始動入賞口26に入賞する可能性があることとなる。なお、この場合には、第2始動入賞口26への入賞に比べて低いものの、第1始動入賞口24にも入賞する可能性があるものとしている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「右打ち遊技」ともいう。また、このことから、右打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域19を右打ち領域19ともいう。
第1特別図柄表示装置30は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄(第1特図)に係る電子抽選(大当たりの抽選)の結果を表示するためのものである。また、第2特別図柄表示装置31は、第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄(第2特図)に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。
より具体的には、特別図柄表示装置30,31は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置30,31として7セグメント表示器が用いられている。この特別図柄表示装置30,31は、演出表示装置40を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤14の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
また、本実施形態では、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことに基づく抽選と、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことに基づく抽選とが同時に行われることはなく、その実行順序はそれぞれの始動入賞口ごとに遊技球の入賞順である。すなわち、先に入賞した始動入賞口に係る遊技が終了してから次の入賞に基づく遊技が行われるようになっている。そのため、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果を同時に表示することはない。また、特別図柄表示装置30,31は、第1特図についての変動および停止に係る表示を行う第1特図表示装置30と、第2特図についての変動および停止に係る表示を行う第2特図表示装置31とから構成されている。
なお、上記した通り、本実施形態では、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果が同時に表示されることはないため、2つの始動入賞口24,26に遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置で表示するものとしてもよい。
そして、特図の変動中や後述する大当たり遊技中等、第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとでこの入賞が入賞記憶(保留)として記憶される。より詳細には、第1始動入賞口24に遊技球が入賞した入賞記憶は第1保留として記憶され、第2始動入賞口26に遊技球が入賞した入賞記憶は第2保留として記憶される。
これら両保留は、それぞれ記憶可能な保留の個数を4個に設定し、その個数(記憶されている保留の個数)は、それぞれ第1特別図柄保留表示器33と第2特別図柄保留表示器34とに表示される。なお、第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34は、それぞれ、2つのLEDから構成されており、例えば、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器33のうち1つのLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDがともに点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の1つのLEDが点灯し、もう1つのLEDは点滅する。さらに、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDが点滅する。なお、第2特別図柄保留表示器34においても、上記と同様に第2保留の個数が表示される。
演出表示装置40,41,42は、遊技盤14の略中央部に設けられ、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。
ゲート22は、遊技球が通過可能な構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのゲート検出スイッチ22aが内蔵されている。また、このゲート22を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄(普図)に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置32が、特別図柄表示装置30,31に隣接して設けられている。この普通図柄表示装置32は、本実施形態では、一つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときにLEDランプが点灯し、ハズレのときにはLEDランプが消灯するようになっている。なお、このLEDランプを点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示または消灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
そして、普通図柄に係る電子抽選の結果、当たり(普図当たり)となった場合には、第2始動入賞口26への入賞が可能となる。すなわち、始動入賞口開閉ソレノイド26cに通電がなされ、スライド板26bが開状態となる第2の態様に可動状態が制御される。つまり、第2始動入賞口26は、ゲート22での抽選結果に応じて作動する。なお、第2始動入賞口26、スライド板26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26cからなる構成は、普通図柄に係る抽選に基づいて作動(開状態/閉状態)することから、「普通電動役物」とも呼ばれる。
そして、普通図柄の上限記憶個数も4個に設定されており、その記憶個数が、上記第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34と同様の態様によって、普通図柄保留表示器35において表示される。
なお、特別図柄表示装置30,31、普通図柄表示装置32、特別図柄保留表示器33,34および普通図柄保留表示器35の表示制御は、主制御基板100によって行われている(図6参照)。
演出表示装置40,41,42の上方には、演出役物装置55が設けられている。この演出役物装置55は、演出表示装置40,41,42の上方から下方に向けて、この演出表示装置40,41,42(特に中央演出表示装置40)の前面を覆うように可動することが可能な可動役物装置である(構造や機構等は図示しない)。この演出役物装置55は、特定の条件(例えば、大当たりに当選する、スーパーリーチに発展する等)が成立した場合などに作動する。そして、演出役物装置55が作動すると、演出表示装置40,41,42の前面の一部が覆われたような形態となる(図示しない)。
また、演出表示装置40,41,42の下方には、ステージ50が設けられている。このステージ50は、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ50の中央には溝56が形成されており、この溝56の真下の位置には第1始動入賞口24が配されている。そのため、溝56から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口24へと導かれる。
アタッカー装置27は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定の回数だけ開放される装置である。つまり、アタッカー装置27は、両始動入賞口24,26での抽選結果に応じて作動する。なお、アタッカー装置27は、特別図柄に係る抽選に基づいて作動(開放/閉鎖)する装置であることから、「特別電動役物」とも呼ばれる。
そして、このアタッカー装置27は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材27aを備えており、大入賞口開閉ソレノイド27c(図6参照)を駆動することにより蓋部材27aが水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材27aが開いた状態では遊技領域15の下部に設けられた大入賞口28が露呈されるから、遊技者は、その大入賞口28に遊技球を入賞させることができる。
つまり、アタッカー装置27は、常態では蓋部材27aが大入賞口28を閉じているため、大入賞口28に遊技球が入賞することはないが、大当たり遊技に移行すると、蓋部材27aが所定のラウンド数だけ開放されて大入賞口28が露呈されることとなる。このため、大当たり遊技においては、遊技球を大入賞口28内に入賞させることが可能となる。そして、大入賞口28に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。すなわち、遊技者は、大入賞口28に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口28は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置27の蓋部材27aは、この大入賞口28の形状とほぼ同じ形状を成している。なお、大当たり遊技の詳細については後述する。
また、一般入賞口20に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26および大入賞口28の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口29から回収される。なお、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、大入賞口28の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検出する、一般入賞口検出スイッチ20a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28a(図6参照)が設けられている。
さらに、本実施形態における演出表示装置40,41,42について、図5を用いて詳細に説明する。
本実施形態における演出表示装置は、中央演出表示装置40と、第1演出表示装置41と、第2演出表示装置42と、から構成される。特に、中央演出表示装置40は、第1演出表示装置41および第2演出表示装置42と比べて、演出表示部(液晶表示画面)が大きいサイズの演出表示装置となっており、メイン液晶表示装置40またはメイン液晶40とも呼ばれる。一方、第1演出表示装置41および第2演出表示装置42は、共に同じサイズであって、中央演出表示装置40よりも小さいサイズの演出表示部(液晶表示画面)を有する演出表示装置となっており、例えば、第1演出表示装置41は、サブ液晶表示装置41またはサブ液晶41とも呼ばれ、第2演出表示装置42は、サブ液晶表示装置42またはサブ液晶42とも呼ばれる。
この演出表示装置40,41,42には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、第1特別図柄表示装置30に変動表示される第1特図、または第2特別図柄表示装置31に変動表示される第2特図と同期をとって演出図柄48(48a,48b,48c)が変動表示/停止表示されるようになっている。
また、中央演出表示装置40には、保留の個数を示す表示(保留表示)を行うための保留表示領域43,44が設けられている。具体的には、中央演出表示装置40の左下側に第1保留表示領域43が設けられ、中央演出表示装置40の右下側に第2保留表示領域44が設けられている。さらに、第1保留表示領域43には、表示領域43a〜43dまで4つの表示領域が設けられており、それぞれ第1保留が1つの場合には表示領域43aに保留表示がなされ、第1保留が2つの場合には表示領域43aおよび表示領域43bに保留表示がなされ、第1保留が3つの場合には表示領域43a〜43cの3つに保留表示がなされ、第1保留が4つの場合には表示領域43a〜43dの4つに保留表示がなされるようになっている。そして、保留球(第1保留)が処理されるときには、表示領域43d→表示領域43c→表示領域43b→表示領域43a、というようにシフトし、表示領域43aに表示されていた保留表示は処理表示領域45上に移動する。この処理表示領域45は台座を模した形状の画像として表示されている。そして、処理表示領域45上に移動した保留表示は、処理保留表示として表示される。また、保留表示は、通常は灰色で表示されるが、例えば、所定条件が成立した場合には、青色や黄色、赤色等に変化したり、アイコン等に変化したりするものとなっている。例えば、保留表示がシフトするときに保留表示の表示態様(色、形状など)が変化したり、保留表示が処理表示領域45上に移動したときに、処理保留表示45aとして表示態様が変化したり、することもある。
なお、「保留球が処理される」とは、当該保留球についての抽選結果を導出するために当該保留球に係る特図の変動表示が開始されることをいう。
同様に、第2保留表示領域44にも、表示領域44a〜44dまで4つの表示領域が設けられており、保留の個数に応じて表示領域44aから44dに向かって順に保留表示がなされるようになっている。そして、保留球(第2保留)が処理されるときには、表示領域44d→表示領域44c→表示領域44b→表示領域44a、というようにシフトし、表示領域44aに表示されていた保留表示は処理表示領域45上に移動する。そして、処理表示領域45上に移動した保留表示は、処理保留表示45aとして表示される。
また、第1演出表示装置41は、演出表示を行う機能を有している(液晶表示器で構成される表示画面41aを有している)とともに、左駆動装置51により駆動されるものである。この第1演出表示装置41は、画像制御基板400からの信号によって演出表示を行い、左駆動装置51によって駆動される。また、第1演出表示装置41の中央左方側には、半円状の装飾部41Dが設けられている。
同様に、第2演出表示装置42は、演出表示を行う機能を有している(液晶表示器で構成される表示画面42aを有している)とともに、右駆動装置52により駆動されるものである。この第2演出表示装置42は、画像制御基板400からの信号によって演出表示を行い、右駆動装置52によって駆動される。また、第2演出表示装置42の中央右方側には、半円状の装飾部42Dが設けられている。
第1演出表示装置41は、図5に示すように、中央演出表示装置40の左側端部40L(直線40Lで示す)と、中央演出表示装置40の重心40Gを通り、且つ、直線40Lと直交する直線40Tとの交点40X上に、第1演出表示装置41の重心41Gが位置するとともに、第1演出表示装置41の左辺部41A(および右辺部41B)が、直線40Lと平行となる位置が、初期位置となるように設定されている。なお、第1演出表示装置41は、長方形状を成しており、左辺部41A(および右辺部41B)が長辺となっている。このように、第1演出表示装置41が初期位置にあるときには、正面視したときに、この第1演出表示装置41が、「起立した状態」となる。すなわち、「起立した状態」とは、左辺部41A(および右辺部41B)が直線40Lと平行である状態を意味する。なお、図5では、数字の「7」を模った演出図柄48(48a、48b、48c)が表示されている様子を示している。
そして、第1演出表示装置41は、左駆動装置51に連結されており、この左駆動装置51により初期位置から、以下のような範囲で移動させることが可能となっている(何れも図示しない)。すなわち、第1演出表示装置41が、上述した起立した状態を保持したまま、上方向または下方向に移動させることが可能である。言い換えれば、重心41Gが直線40L上に沿って、上昇または下降するよう移動させることが可能である。
また、第1演出表示装置41の右辺部41Bが直線40L上に重なる位置まで横方向(左方向)に移動させることが可能であるとともに、右辺部41Bが直線40L上に沿って、上下に移動させることが可能である。さらに、第1演出表示装置41の左辺部41Aが直線40Lに重なる位置まで横方向(右方向)に移動させることが可能であるとともに、左辺部41Aが直線40L上に沿って、上下に移動させることが可能である。
また、第1演出表示装置41は、重心41Gを中心として360度回動(回転と同意、以下、「回転」で統一する)させることが可能となっている(時計回り、反時計回りの双方ともに回転が可能である)。したがって、第1演出表示装置41は、直線40Lと直交する直線40Tとの交点40Xの位置を起点として、上述したように、上下左右方向へ移動させることも、さらには、回転させることも可能となっている。
第2演出表示装置42は、第1演出表示装置41と同様に、図5に示すように、中央演出表示装置40の右側端部40R(直線40Rで示す)と、中央演出表示装置40の重心40Gを通り、且つ、直線40Rと直交する直線40Tとの交点40Y上に、第2演出表示装置42の重心42Gが位置するとともに、第2演出表示装置42の左辺部42A(および右辺部42B)が、直線40Rと平行となる位置が、初期位置となるように設定されている。なお、第2演出表示装置42は、長方形状を成しており、左辺部42A(および右辺部42B)が長辺となっている。このように、第2演出表示装置42が初期位置にあるときには、正面視したときに、この第2演出表示装置42が、「起立した状態」となる。すなわち、「起立した状態」とは、左辺部42A(および右辺部42B)が直線40Rと平行である状態を意味する。
そして、第2演出表示装置42は、左駆動装置51に連結されており、この左駆動装置51により初期位置から、以下のような範囲で移動させることが可能となっている(何れも図示しない)。すなわち、第2演出表示装置42が、上述した起立した状態を保持したまま、上方向または下方向に移動させることが可能である。言い換えれば、重心42Gが直線42R上に沿って、上昇または下降するよう移動させることが可能である。
また、第2演出表示装置42の左辺部42Aが直線40R上に重なる位置まで横方向(右方向)に移動させることが可能であるとともに、左辺部42Aが直線40R上に沿って、上下に移動させることが可能である。さらに、第2演出表示装置42の右辺部42Bが直線40Rに重なる位置まで横方向(左方向)に移動させることが可能であるとともに、右辺部42Bが直線40R上に沿って、上下に移動させることが可能である。
また、第2演出表示装置42は、重心42Gを中心として360度回転させることが可能となっている(時計回り、反時計回りの双方ともに回転が可能である)。したがって、第2演出表示装置42は、直線40Rと直交する直線40Tとの交点40Yの位置を起点として、上述したように、上下左右方向に移動させることも、さらには、回転させることも可能となっている。
その他、図示はしないが、予告演出を行う場合や、リーチ演出においてノーマルリーチ形態からスーパーリーチ形態に発展する場合等においても、第1演出表示装置41および/または第2演出表示装置42を移動や回転させる動作制御も行われるものとなっている。
以上のように、第1演出表示装置41や第2演出表示装置42を、移動および/または回転させる動作制御を行うことにより、演出面における効果をより一層高めることができる。例えば、確変モードでは、高確率遊技状態であることを報知する動作制御となるため、遊技者は確変モードでの遊技を、期待感を持って進めることが可能となる。また、潜確モード(またはこれに類似させた演出モードとして潜伏モードを設ける場合には、この潜伏モード)では、内部的な遊技状態が高確率遊技状態であるかもしれないということを遊技者に期待させることが可能となる。また、例えば、予告演出では、遊技者にリーチの発生や大当たりの当選を期待させることが可能となる。また、スーパーリーチ形態への発展時では、このスーパーリーチ形態となることにより大当たりとなるかもしれないという、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
次に、図6を用いて、パチンコ機Pを構成する各制御基板等について説明する。
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチや各種タイマカウンタからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板100の入力側には、一般入賞口検出スイッチ20a、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板100に入力するようにしている。
また、主制御基板100の出力側には、第2始動入賞口26のスライド板26bを開閉動作させる始動入賞口開閉ソレノイド26cと、アタッカー装置27の蓋部材27aを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド27cと、が接続される。
さらに、主制御基板100の出力側には、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35が接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板100は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を払出・発射制御基板300に出力する。
主制御基板100のメインROM100bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、特別図柄の当否結果を判定する際に参照される大当たり決定乱数判定テーブル(図7(a)、図7(b)参照)、特別図柄の種別を決定する際に参照される当たり図柄乱数判定テーブル(図8(a)、図8(b)参照)、アタッカー装置27の開閉パターンを決定する作動テーブル(図9(a)〜(d)参照)、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するための遊技状態設定テーブル(図10参照)、変動演出パターンを決定する際に参照される各種テーブル(図11〜図15参照)、普通図柄の当否結果を判定する際に参照される当たり決定乱数判定テーブル(図16参照)、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定テーブル(図17参照)、第2始動入賞口26のスライド板26b(可動片26b)の作動を制御するための開閉制御パターンテーブル(図18参照)等がメインROM100bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は図12乃至図23において、後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板100のメインRAM100cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM100cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、判定記憶領域(第0記憶部)、普図判定記憶領域、普図停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、図柄種別データ処理領域、グループ種別データ処理領域、変動パターン番号データ処理領域、タイマカウンタ、変動時間タイマカウンタ、普図変動時間タイマカウンタ、普図停止表示時間カウンタ等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図実行フェーズデータ記憶領域、普図実行フェーズデータ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
電源基板600には、この電源基板600に電力を給電するための電源プラグ601が設けられているとともに、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、パチンコ機Pに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU100aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU100aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンド、または、タッチボタン検出スイッチ61a、回転操作検出スイッチ62a、タイマカウンタ200dからの入力信号に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板400またはランプ制御基板500に送信する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。また、タイマカウンタ200dは、各種演出等に係る時間を計測する機能を有している。
副制御基板200のサブROM200bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板100から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄48の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM200bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
副制御基板200のサブRAM200cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM200cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、第0記憶領域、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域、演出時間タイマカウンタ等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出・発射制御基板300は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出・発射制御基板300は、払出・発射CPU300a、払出・発射ROM300b、払出・発射RAM300cを備えており、主制御基板100に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出・発射CPU300aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ302、扉開放スイッチ303、タイマカウンタからの入力信号に基づいて、払出・発射ROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板100に送信する。また、払出・発射制御基板300の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置(図示しない)の払出モータ301が接続されている。払出・発射CPU300aは、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出・発射ROM300bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出モータ301を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出・発射RAM300cは、払出・発射CPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出・発射制御基板300には、遊技情報出力端子板308が接続されている。この遊技情報出力端子板308は、払出・発射制御基板300を介して主制御基板100において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ700に出力するための基板である。遊技情報出力端子板308は、遊技場内LAN(図示しない)を介してホールコンピュータ700に接続される。
また、払出・発射制御基板300には、下皿8の満タン状態を検出する下皿満タン検出スイッチ304が接続されている。この下皿満タン検出スイッチ304は、賞球として払い出される遊技球を下皿8に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出・発射制御基板300に入力されるようになっている。
そして、下皿8に所定数量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿8に向かう通路内に遊技球が滞留し、下皿満タン検出スイッチ304から払出・発射制御基板300に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出・発射制御基板300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿8が満タン状態であると判断し、下皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、下皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、下皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからのタッチ信号および発射ボリューム7bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド7cを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド7cの回転速度は、払出・発射制御基板300に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射用ソレノイド7cが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
画像制御基板400は、上記演出表示装置40,41,42の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板400は、上記副制御基板200に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置40,41,42およびスピーカ11,12を接続している。
上記画像ROMには、演出表示装置40,41,42に表示される演出図柄48や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置40,41,42における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置40,41,42に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置40,41,42の表示画面上において重畳表示される。
また、上記音声ROMには、スピーカ11,12から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、スピーカ11,12における音声出力制御をする。
ランプ制御基板500は、遊技盤14に設けられた盤面ランプ(図示しない)およびガラス扉3に設けられた装飾ランプ13A,13B,13C、演出操作装置60の内部に設けられるとともに、この演出操作装置60を発光させるLED60bを含めた各種発光装置を制御する。また、演出役物装置55を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源(図示しない)を通電制御する。また、第1演出表示装置41を駆動させるための左駆動装置51を制御する。また、第2演出表示装置42を駆動させるための右駆動装置52を制御する。このランプ制御基板500は、副制御基板200に接続されており、副制御基板200から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
次に、図7〜図18を参照して、メインROM100bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図7(a)、図7(b)は、特別図柄の停止結果を大当たりまたは小当たりとするか否かを判定する際に参照する大当たり決定乱数判定テーブルを示す図である。この大当たり決定乱数判定テーブルは、図7(a)に示す、低確率時において大当たり決定乱数を判定する低確率判定テーブルと、図7(b)に示す、高確率時において大当たり決定乱数を判定する高確率判定テーブルとから構成されている。
具体的に、大当たり決定乱数は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの大当たり決定乱数が取得される。
この大当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
ここで、図7(b)に示す高確率判定テーブルは、図7(a)に示す低確率判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、高確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/40、低確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/400(所謂、MAXスペック)に設定されている。つまり、高確率判定テーブルの方が、低確率判定テーブルに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
また、小当たりとなる確率は、図7(a)に示す低確率判定テーブルと、図7(b)に示す高確率判定テーブルとにおいて、変わらないものとなっている。より詳しく言うと、低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル共に、小当たりの当選確率がおよそ1/400に設定されている。
なお、小当たりは、大当たりと同様にアタッカー装置27が開放する当たりであるものの、賞球がほぼ見込めない、かつ、当該小当たりの当選前後において遊技状態が変化しない当たりのことである。
なお、本実施形態では、第1特図および第2特図ともに同じ大当たり決定乱数判定テーブル(低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル)を参照するものとしている。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、低確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態、または低確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「低確率遊技状態」という。また、高確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態、または高確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「高確率遊技状態」という。また、後述する、非時短用判定テーブル(図16(a))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「非時短遊技状態」といい、時短用判定テーブル(図16(b))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「時短遊技状態」という。
図8は、特別図柄の種別を決定する際に参照する当たり図柄乱数判定テーブルを示す図である。この当たり図柄乱数判定テーブルでは、当たり図柄乱数に基づいて、特別図柄の種別が判定される。
具体的には、上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、図8(a)の大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにより当たり図柄乱数が判定され、小当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、図8(b)の小当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにより当たり図柄乱数が判定される。なお、図7(a)または図7(b)において、大当たりとも小当たりともならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、当たり図柄乱数判定テーブルによる判定は行われない。
当たり図柄乱数は、上述した大当たり決定乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの当たり図柄乱数が取得される。
この当たり図柄乱数は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。このソフトウェア乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、上述した大当たり決定乱数が大当たりまたは小当たりに当選しているか否か(特別図柄の当否)を決定するものであるのに対して、当たり図柄乱数は、特別図柄の種別を決定するためのものである。すなわち、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)または小当たりの内容(種別、アタッカー開放パターン)が当たり図柄乱数により決定される。
図8(a)〜(d)に示すように、大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄1〜特別図柄8までの8つの種別が予め決められている。上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄1〜特別図柄8の何れか1つの特別図柄の種別が決定されることになる。
本実施形態では、図8からも分かるように、第1特図および第2特図の双方にて当選し得る特別図柄は設けられておらず、第1特図でのみ当選し得る特別図柄(特別図柄1〜4および特別図柄A)と、第2特図でのみ当選し得る特別図柄(特別図柄5〜8および特別図柄B)と、が設けられている。なお、第1特図および第2特図の双方で当選しうる特別図柄を設けるものであってもよい。
より詳細に説明すると、図8(a)に示す第1特図の場合の大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜9までのものに対して特別図柄1(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「12R特定1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が10〜59までのものに対して特別図柄2(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「12R特定2図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が60〜74までのものに対して特別図柄3(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「4R特定1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が75〜99までのものに対して特別図柄4(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「4R通常1図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。
また、図8(c)に示す第2特図の場合の大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜59までのものに対して特別図柄5(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「16R特定1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が60〜69までのものに対して特別図柄6(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「4R特定2図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が70〜74までのものに対して特別図柄7(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「2R特定1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が75〜99までのものに対して特別図柄8(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「2R通常1図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種別に対応づけられた図柄の組み合わせにおいて、「16R」は大当たり遊技におけるラウンド数が16ラウンドであることを、「12R」はラウンド数が12ラウンドであることを、「4R」はラウンド数が4ラウンドであることを、「2R」はラウンド数が2ラウンドであることを意味している。
また、「実質4R」とは、当該大当たり遊技におけるラウンド数とは別に、実際に賞球を獲得可能なラウンド数を表している。例えば、特別図柄2では、当該大当たり遊技における12ラウンドのうち、賞球を獲得可能なラウンド数が4ラウンドとなっている。
また、「実質0R」とは、当該大当たり遊技における所定数のラウンドのうち、賞球を獲得可能なラウンドが0ラウンド、つまり賞球を獲得可能なラウンドが無いことを意味する。例えば、特別図柄3、特別図柄7、特別図柄8では、当該大当たり遊技におけるラウンドのうち、賞球を獲得可能なラウンド数が0ラウンドとなっている。
そして、「特定」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が高確率遊技状態に設定される、所謂、確変当たりを意味し、「通常」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が低確率遊技状態に設定される、所謂、通常当たりを、それぞれ意味している。
また、図8(b)および図8(d)に示す、小当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄A(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「小当たりA図柄」が対応づけられている)と、特別図柄B(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「小当たりB図柄」が対応づけられている)と、の2つの種別が予め決められている。上述した図7(a)または図7(b)において、小当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄A(第1特図の場合)または特別図柄B(第2特図の場合)の何れか1つの特別図柄の種別が決定されることになる。
なお、上述した図7(a)または図7(b)において、大当たりとも小当たりともならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、ハズレ用の特別図柄0が当該図柄として決定される。この特別図柄0には、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせとして、「ハズレ図柄」が対応づけられている。
このように、本実施形態では、第1特図および第2特図において、決定されうる特別図柄の種別が異なっており、大当たり遊技のラウンド数(実質ラウンド数)が、第2特図の方が第1特図よりも有利となるように大当たり用当たり図柄乱数決定テーブル(図8参照)が構成されている。なお、第1特図と第2特図とで有利/不利が生じないテーブル構成としてもよい。
図9(a)〜(i)は、アタッカー装置27の開閉パターンが対応づけられた、アタッカー装置27の作動テーブルを示す図である。アタッカー装置27の作動テーブルは、特別図柄の種別ごとに別々のテーブルが設けられている。
「ラウンド遊技回数(R)」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数は16回(R=16、16ラウンド)、12回(R=12、12ラウンド)、4回(R=4、4ラウンド)、2回(R=2、2ラウンド)の4種類がある。
また、ラウンド遊技の回数が12ラウンドとなっている大当たり遊技(特別図柄2に係る大当たり遊技、特別図柄5に係る大当たり遊技)であっても、特別図柄の種別が「特別図柄2(12R特定2図柄)」の場合には、所定回数目のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が非常に短く設定されているため、実際に賞球を獲得できるラウンド数(実質ラウンド数)は4ラウンドである。
また、特別図柄の種別が「特別図柄3(4R特定1図柄)」、「特別図柄7(2R特定1図柄)」、「特別図柄8(2R通常1図柄)」の場合には、すべてのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が非常に短く設定されているため、実質ラウンド数は0ラウンドである(つまり、実際に賞球を獲得することは困難である)。なお、小当たり遊技については、ラウンド遊技は行われない。
「開放回数(K)」とは、大当たり遊技中においては、当該大当たり遊技中の1回のラウンド遊技においてアタッカー装置27が開放状態となる回数のことをいい、また、小当たり遊技中においては、当該小当たり遊技中においてアタッカー装置27が開放状態となる回数のことをいう。本実施形態では、特別図柄6を除く特別図柄1〜5および特別図柄7,8については、大当たり遊技中の1回のラウンド遊技においてアタッカー装置27が開放する回数はすべて1回となっている。すなわち、当該大当たり遊技が、16ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は16回となり、12ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は12回となり、4ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は4回となり、2ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は2回となる。
これに対して、特別図柄6については、大当たり遊技中(特別図柄6に係る大当たり遊技中)の1回のラウンド遊技においてアタッカー装置27が開放する回数が全て4回となっている。すなわち、当該大当たり遊技は4ラウンドであるが、アタッカー装置27の開放回数は、4ラウンド×4回(1ラウンドごとの開放回数)=16回となる。
そして、小当たり遊技中においてアタッカー装置27が開放する回数は2回または4回となっている。
「開放時間」とは、アタッカー装置27が開放状態に維持される時間のことをいう。本実施形態では、開放時間が「29.0秒」に設定されるラウンド遊技と、開放時間が「5.0秒」に設定されるラウンド遊技と、開放時間が「0.1秒」に設定されるラウンド遊技とがある。例えば、開放時間が「29.0秒」に設定されたラウンド遊技では、アタッカー装置27が開放状態となってから大入賞口28に遊技球を複数個以上、入賞させることが十分に可能であるが、開放時間が「0.1秒」に設定されたラウンド遊技では、アタッカー装置27が開放状態となっても、0.1秒で直ちに閉じてしまうため、大入賞口28に遊技球を入賞させることは困難である。そして、1回の開放時間が「5.0秒」に設定されたラウンド遊技では、アタッカー装置27が開放状態となってから大入賞口28に遊技球を1〜数個程度は入賞させることが可能である。すなわち、特別図柄6に係る大当たり遊技中には、1ラウンドごとのアタッカー装置27の開放時間の合計が20.0秒(5.0秒×4回)となるため、特別図柄4に係る大当たり遊技と同程度以下の遊技球を大入賞口28に入賞させることが可能であるといえる。
なお、大当たり遊技における1回のラウンド遊技または小当たり遊技において、所定個数(例えば、10個)の入賞があった場合には、上記したそれぞれの開放時間が経過していなくても、アタッカー装置27は閉鎖状態となる。
「閉鎖時間(インターバル時間)」とは、大当たり遊技の場合には、各ラウンド遊技間にアタッカー装置27が閉鎖する時間のことをいう。また、小当たり遊技の場合には、各開放間にアタッカー装置27が閉鎖する時間のことをいう。
このように、本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特図または第2特図)の種別が決定されると、その種別に基づいて、図9(a)〜(i)に示す第1作動テーブル〜第9作動テーブルの何れか1つが決まるようになっている。
図9(a)に示す第1作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄1(12R特定1図柄)」の場合に決定され、この第1作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜12回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(b)に示す第2作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄2(12R特定2図柄)」の場合に決定され、この第2作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜4回目のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定されるとともに、5回目〜12回目のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「0.1秒」に設定される大当たり遊技となる。
図9(c)に示す第3作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄3(4R特定1図柄)」の場合に決定され、この第3作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜4回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「0.1秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(d)に示す第4作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄4(4R通常1図柄)」の場合に決定され、この第4作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜4回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(e)に示す第5作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄5(16R特定1図柄)」の場合に決定され、この第5作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜16回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(f)に示す第6作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄6(4R特定2図柄)」の場合に決定され、この第6作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜4回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放回数(K)が4回で、かつ、1回の開放時間が「5.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(g)に示す第7作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄7(2R特定1図柄)」、「特別図柄8(2R通常1図柄)」の場合に決定され、この第7作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜2回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「0.1秒」に設定された大当たり遊技となる。
図9(h)に示す第8作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄A(小当たりA図柄)」の場合に決定され、この第8作動テーブルにより制御された小当たり遊技は、当該小当たり遊技におけるアタッカー装置27の開放回数が4回で、かつ、1回の開放時間が「0.1秒」に設定された小当たり遊技となる。
図9(i)に示す第9作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄B(小当たりB図柄)」の場合に決定され、この第9作動テーブルにより制御された小当たり遊技は、当該小当たり遊技におけるアタッカー装置27の開放回数が2回で、かつ、1回の開放時間が「0.1秒」に設定された小当たり遊技となる。
また、小当たり遊技のうち、特別図柄Aに係る小当たり遊技に対応づけられているアタッカー装置27の開放パターンは、特別図柄3に係る大当たり遊技に対応付けられているアタッカー装置27の開放パターンと、見た目上は全く同じパターンとしている。このため、小当たり遊技(特別図柄Aに係る小当たり遊技)、または、特別図柄3に係る大当たり遊技が行われた場合において、これらの当たりの種別をアタッカー装置27の開放態様から識別することは困難なものとなっている。
同様に、特別図柄Bに係る小当たり遊技に対応づけられているアタッカー装置27の開放パターンは、特別図柄7および特別図柄8に係る大当たり遊技に対応付けられているアタッカー装置27の開放パターンと、見た目上は全く同じパターンとしている。このため、小当たり遊技(特別図柄Bに係る小当たり遊技)、特別図柄7または特別図柄8に係る大当たり遊技が行われた場合において、これらの当たりの種別をアタッカー装置27の開放態様から識別することは困難なものとなっている。
なお、小当たり遊技には、上記小当たりA遊技および小当たりB遊技に加えて、少なからず賞球の獲得が可能なものを設けてもよい。あるいは、小当たり遊技を、この少なからず賞球の獲得が可能な小当たり遊技のみから構成させるものとしてもよい。例えば、アタッカー装置27の開閉態様として、0.1秒の開放を17回行わせる開放態様や、0.05秒の開放を34回行わせる開放態様、1.7秒の開放を1回行わせる開放態様などとすることにより、少なからず、大入賞口28への入賞の可能性を持たせることができる。すなわち、普通に遊技球の発射操作を行っていれば、1〜3個程度の遊技球が入賞する可能性があるような開放態様とすることにより、若干の賞球(例えば、10〜50個程度の賞球)が期待できる小当たり遊技とすることができる。
図10は、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルである。
本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の4つの状態が予め用意されている。「低確モード」は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態(「低確・非時短」)から成り、「時短モード」は、低確率遊技状態かつ時短遊技状態(「低確・時短」)から成り、「潜確モード」は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態(「高確・非時短」)から成り、「確変モード」は、高確率遊技状態かつ時短遊技状態(「高確・時短」)から成るものである。
本実施形態では、大当たり遊技の終了後から、当該大当たり遊技が行われる契機となった特別図柄(第1特図または第2特図)の種別に応じて、高確/低確の何れか、時短/非時短の何れかが決まるものとなっている。さらに、高確の場合には高確率遊技状態が継続する回数(高確率遊技回数(X))が決まり、時短の場合には時短遊技状態が継続する回数(時短遊技回数(J))が決まるものとなっている。このとき決まった高確率遊技回数(X)は、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶され、時短遊技回数(J)は、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶される。
具体的に、特別図柄の種別と、当該特別図柄に係る大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態との対応関係は以下の通りである。
「特別図柄1(12R特定1図柄)」、「特別図柄2(12R特定2図柄)」、「特別図柄5(16R特定1図柄)」、「特別図柄6(4R特定2図柄)」、「特別図柄7(2R特定1図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
「特別図柄3(4R特定1図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、であれば、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が0回に設定される。一方、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れかであれば、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
「特別図柄4(4R通常1図柄)」、「特別図柄8(2R通常1図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技終了後には、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定される。
ここで、本実施形態では、低確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/400であり、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/40となっているから、高確率遊技状態において10000回も遊技を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。加えて、時短遊技回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「時短遊技状態」が継続することと等しいと言えるものである。すなわち、高確率遊技回数が10000回、時短遊技回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
なお、図10(※)には、大当たり遊技終了後の遊技状態との比較のため、小当たり遊技の終了後の遊技状態について記載している。すなわち、小当たり遊技の遊技前および遊技終了後において遊技状態は何ら変わらない。また、新たに高確率遊技回数(X)が設定されたり、時短遊技回数(J)が設定されたりすることもない。
また、上述した大当たり決定乱数、当たり図柄乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機として(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機として(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するための各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数が取得される。
これらの各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。
リーチグループ決定乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜10006までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、リーチモード決定乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜250までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、変動パターン乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜249までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
上述した各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための各種判定テーブルについて、図11〜図15を参照しつつ説明する。
図11に示す、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、リーチグループ決定乱数を判定するためのテーブルであって、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するにあたって参照される判定テーブルである。このリーチグループ決定乱数判定テーブルと、リーチグループ決定乱数とにより、変動演出パターンの決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブルが属するグループの種別が決定される。
一方、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブルが決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、および、保留数(U)記憶領域(第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域)に記憶されている保留の個数(保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図11に示すように、遊技状態が非時短遊技状態である場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについてのみ説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明は省略する。
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、および、保留数に応じて、図11に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルとに基づいて、グループの種別が決定される。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口24への遊技球の入賞により取得された大当たり決定乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該大当たりの抽選時の第1特図の保留数が0または1であった場合には、図11(a)に示す第1判定テーブルが選択され、当該大当たりの抽選時の第1特図の保留数が2または3であった場合には、図11(b)に示す第2判定テーブルが選択される。
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口26への遊技球の入賞により取得された大当たり決定乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該大当たりの抽選時の第2特図の保留数がいかなる個数であっても(すなわち、保留数が0〜3の何れであっても)、図11(c)に示す第3判定テーブルが選択される。
そして、図11(a)に示すように、第1判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜3999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000〜8999であった場合に「Bグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「Cグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「Dグループ」が決定される。
また、図11(b)に示すように、第2判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜5999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000〜8999であった場合に「Bグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「Cグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「Dグループ」が決定される。
このように、保留数が2または3である場合には、保留数が0または1である場合に比べて、Aグループが選択される割合が増え、Bグループが選択される割合が減少する。これは、保留数が増加することにより、保留に係る変動時間を変更(短縮)することを可能とするためである。所謂、保留短縮機能を働かせるため、AグループまたはBグループの一部と判定され得るリーチグループ決定乱数(0〜5999)が取得された場合には、保留数によって、変動時間が変わることとなる。
さらに、図11(c)に示すように、第3判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜10006であった場合に「Bグループ」が決定される。
また、詳細は後述するが、本実施形態では、第1保留が記憶されると、当該第1保留に基づく変動開始前に、当該第1保留について大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理が実行される。そして、変動開始時においてグループ種別を決定するとともに、上述の事前判定処理においても、リーチグループ決定乱数判定テーブルに基づき、グループ種別を決定するようになっている。
ここで、グループ種別の決定を行うにあたっては、この決定を行う時点の保留数に応じたリーチグループ決定乱数判定テーブル、すなわち、第1判定テーブルまたは第2判定テーブルの何れかが参照されるようになっているが、この第1判定テーブルおよび第2判定テーブルは何れも、リーチグループ決定乱数が0〜8999の場合にAグループまたはBグループの何れかが決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006の場合に、CグループまたはDグループの何れかが決定されるようになっている。
したがって、変動開始時における保留数と、事前判定処理を実行する際における保留数とが異なっていたとしても、事前判定処理においてAグループまたはBグループの何れかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においても、AグループまたはBグループの何れかのグループ種別が決定され、事前判定処理においてCグループまたはDグループの何れかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においてもCグループまたはDグループの何れかのグループ種別が決定される。
リーチモード決定乱数判定テーブルは、変動演出パターン(変動態様や変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブルを決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブル(図12参照)と、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用リーチモード決定乱数判定テーブル(図13参照)と、を備えている。
また、ハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに、複数設けられている。ここでは、図11に示したリーチグループ決定乱数判定テーブルにおいて、「Aグループ」が決定された場合に参照されるAグループ用判定テーブル(図12(a))と、「Bグループ」が決定された場合に参照されるBグループ用判定テーブル(図12(b))と、「Cグループ」が決定された場合に参照されるCグループ用判定テーブル(図12(c))と、「Dグループ」が決定された場合に参照されるDグループ用判定テーブル(図12(d))と、について説明し、他のハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルの説明は省略する。
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26へ遊技球が入賞すると、0〜250の数値内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、および、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
具体的には、例えば、上述したグループの種別の抽選により「Aグループ」が決定された場合に、図12(a)に示すAグループ用判定テーブルが選択され、「Bグループ」が決定された場合に、図12(b)に示すBグループ用判定テーブルが選択され、「Cグループ」が決定された場合に、図12(c)に示すCグループ用判定テーブルが選択され、「Dグループ」が決定された場合に、図12(d)に示すDグループ用判定テーブルが選択される。
そして、図12(a)に示すように、Aグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第1変動テーブルが選択される。
上記「00H」で示す変動モード番号は、副制御基板200へ送信される制御コマンドを構成するEVENTデータであり、このEVENTデータは、1バイトのデータで構成されている。「※※H」という表記において、※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る。つまり、「※※H」には、「00H」〜「FFH」までの256個の組み合わせを作成することが可能である。
そして、このEVENTデータには、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータ「※※H」(※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る)がそれぞれ対応づけられることにより、「MODE+EVENT」の2バイトのコマンドデータが生成され、このコマンドデータが、副制御基板200に送信される制御コマンド(変動モードコマンド)となる。
また、変動モード番号には、「7FH」で示されるEVENTデータが含まれている。この「7FH」という変動モード番号は、後述する事前判定処理においてリーチグループ決定乱数判定テーブルに基づいてグループ種別が「Aグループ」または「Bグループ」の何れかに決定された場合にのみ選択される変動モード番号となっている。したがって、図12〜図14には、変動モード番号「7FH」が含まれていない。このため、変動開始時(変動演出パターン決定処理、図27参照)に「7FH」が選択されることはないようになっている。このように構成しているのは、グループ種別が「Aグループ」または「Bグループ」の何れかに決定される場合には、事前判定処理(詳細は図24にて後述する)が行われる時点と、変動演出パターン決定処理(詳細は図27にて後述する)が行われる時点と、において、保留数によって変動モード番号が変わる可能性があるためである。このように、グループ種別が「Aグループ」または「Bグループ」の場合には、事前判定処理の時点では、変動モード番号を確定させることができないため、変動モード番号が定まっていない(不定である)ことを示す「7FH」という変動モード番号を選択するものとしている。
上述した理由から、「7FH」という変動モード番号が選択されることとなるリーチグループ決定乱数のことを不定値ともいう。なお、以下では、不定値(「7FH」)とも表記する。これに対して、「7FH」以外の変動モード番号が選択されることとなるリーチグループ決定乱数のことを固定値ともいう。
ここで決定される変動モード番号には、上述した制御コマンドが副制御基板200に送信されたときに、演出表示装置40における演出図柄の変動開始からリーチ成立/あるいはリーチ成立せずにハズレ停止するまでの変動態様が対応づけられており、この変動モード番号が決まると、演出表示装置40において演出図柄の変動が開始してからリーチが成立するまでの変動態様、あるいは演出図柄48の変動が開始してからリーチが成立せずにハズレ図柄が停止するまでの変動態様が決まることになる。
また、ここでいう、演出図柄48の変動が開始してからの変動態様とは、例えば、演出図柄48の変動のし方だけでなく、ステップアップ演出や疑似連演出の実行の有無、背景変化等を含むものである。
また、図12(b)に示すように、Bグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第2変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜250であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第2変動テーブルが選択される。
そして、図12(c)に示すように、Cグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第3変動テーブルが選択される。
また、図12(d)に示すように、Dグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜89であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第3変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が90〜250であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第4変動テーブルが選択される。
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態ごと、および、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。ここでは、非時短遊技状態において第1始動入賞口24に入賞した場合に参照される第1特図用の大当たり用判定テーブル(図13(a))および小当たり用判定テーブル(図13(b))について説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
非時短遊技状態において第1始動入賞口24に遊技球が入賞した場合であって、大当たりに当選したときには、図13(a)に示す第1特図用の大当たり用判定テーブルが選択される。
そして、図13(a)に示す第1特図用の大当たり用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第30変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜199であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第31変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜250であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第32変動テーブルが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、および、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、および、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
また、非時短遊技状態において第1始動入賞口24に遊技球が入賞した場合であって、小当たりに当選したときには、図13(b)に示す第1特図用の小当たり用判定テーブルが選択される。そして、図13(b)に示す第1特図用の小当たり用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第33変動テーブルが選択される。
変動パターン乱数判定テーブルは、変動演出パターン(変動態様や変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図14(a)〜(d)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル、第2変動テーブル、第3変動テーブルおよび第4変動テーブル、図14(e)〜(g)に示すように、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル、第31変動テーブルおよび第32変動テーブルについて説明し、他の変動パターン乱数判定テーブルの説明は省略する。
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。この変動パターン乱数と、上述したようにリーチグループ決定乱数またはリーチモード決定乱数により決定された変動パターン乱数判定テーブルとに基づいて、変動パターン番号が決定される。
例えば、図14(a)に示すように、第1変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。
また、図14(b)に示すように、第2変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜99であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が100〜249であった場合に「02H」という変動パターン番号が決定される。
また、図14(c)に示すように、第3変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に、「03H」という変動パターン番号が決定される。
また、図14(d)に示すように、第4変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120〜249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
また、図14(e)に示すように、第30変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に、「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に、「32H」という変動パターン番号が決定される。
また、図14(f)に示すように、第31変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜29であった場合に、「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が30〜109であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が110〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
また、図14(g)に示すように、第32変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜59であった場合に、「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が60〜149であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が150〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動テーブルによっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図示しない)。
また、上記「00H」等で示す変動パターン番号についても、上述した変動モード番号と同様に、副制御基板200へ送信される制御コマンドを構成するEVENTデータであり、このEVENTデータは、1バイトのデータで構成されている。「※※H」という表記において、※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る。つまり、「※※H」には、「00H」〜「FFH」までの256個の組み合わせを作成することが可能である。
そして、このEVENTデータには、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータ「※※H」(※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る)がそれぞれ対応づけられることにより、「MODE+EVENT」の2バイトのコマンドデータが生成され、このコマンドデータが、副制御基板200に送信される制御コマンド(変動パターンコマンド)となる。
また、変動パターン番号には、「7FH」で示されるEVENTデータが含まれている。この「7FH」という変動パターン番号は、後述する事前判定処理においてリーチグループ決定乱数判定テーブルに基づいてグループ種別が「Aグループ」または「Bグループ」の何れかに決定された場合にのみ選択される変動パターン番号となっている。したがって、図12〜図14には、変動パターン番号「7FH」が含まれていない。このため、変動開始時(変動演出パターン決定処理、図27参照)に「7FH」が選択されることはないようになっている。このように構成しているのは、グループ種別が「Aグループ」または「Bグループ」の何れかに決定される場合には、事前判定処理(詳細は図24にて後述する)が行われる時点と、変動演出パターン決定処理(詳細は図27にて後述する)が行われる時点と、において、保留数によって変動パターン番号が変わる可能性があるためである。
このように、グループ種別が「Aグループ」または「Bグループ」の場合には、事前判定処理の時点では、変動パターン番号を確定させることができないため、変動パターン番号が定まっていない(不定である)ことを示す「7FH」という変動パターン番号を選択するものとしている。
上述した理由から、「7FH」という変動パターン番号が選択されることとなるリーチグループ決定乱数のことを不定値ともいう。なお、以下では、不定値(「7FH」)とも表記する。これに対して、「7FH」以外の変動パターン番号が選択されることとなるリーチグループ決定乱数のことを固定値ともいう。
ここで決定される変動パターン番号には、上述した制御コマンドが副制御基板200に送信されたときに、演出表示装置40,41,42における演出図柄のリーチ成立後からの変動態様が対応づけられており、この変動パターン番号が決まると、演出表示装置40,41,42において、リーチ成立以降の変動態様が決まることとなる。
また、ここでいう、リーチ成立以降の変動態様とは、例えば、ノーマルリーチや、スーパーリーチに発展する、あるいはリーチが一旦ハズレでから再始動する逆転リーチ等を経由して大当たりとなる組み合わせまたはハズレとなる組み合わせにて演出図柄が停止するまでの変動態様のことをいう。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態および保留数等に応じて、変動モード番号および変動パターン番号が決定される。
そして、変動モード番号および変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するためのものである。本実施形態では、変動モード番号および変動パターン番号により、変動演出パターンの態様が定められ、また、変動モード番号および変動パターン番号の組み合わせに対応して、所定の変動時間が定められるようになっている。
本実施形態では、AグループおよびBグループに係る変動演出パターンは、リーチが行われない変動演出パターンから構成されている。これに対して、CグループおよびDグループに係る変動演出パターンは、リーチが必ず行われる変動演出パターンから構成されている。
なお、AグループおよびBグループに係る変動演出パターンに、例えば、ノーマルリーチとなる変動演出パターンや、ノーマルリーチと同程度の所要時間の演出(例えば、リーチになりそうでならない演出など)が行われる変動演出パターンを含めてもよい。このように、AグループやBグループには、大当たりになりそうもない(大当たりに当選している可能性が低いことを示唆する)変動演出パターンであれば、リーチになり得る変動演出パターンが含まれていてもよい。
なお、本実施形態では、変動モード番号および変動パターン番号の双方に不定値であることを示す「7FH」というEVENTデータを設けるものとしているが、これに限られない。少なくとも、変動モード番号または変動パターン番号の何れか1つにおいて不定値であることを示すEVENTデータ等の情報が含まれていればよい。
図15は、変動時間決定テーブルを示している。上記のように、変動モード番号が決定されると、図15(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応づけられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
さらに、変動時間1決定テーブルには、事前判定処理においてのみ決定され得る変動モード番号「7FH」が含まれている。そして、変動モード番号「7FH」には変動時間1として「2秒」が対応付けられている。上述したように、不定値(「7FH」)の場合には、事前判定処理(詳細は図24にて後述する)が行われる時点と、変動演出パターン決定処理(詳細は図27にて後述する)が行われる時点と、において、保留数によって変動モード番号が変わる可能性があり、事前判定処理の時点では、変動時間1を確定させることができない。しかしながら、本実施形態では、不定値(「7FH」)の場合であっても、暫定的に、変動時間1として最も短い「2秒」が決定されるようにしている。
ここで「暫定的に決定する」とは、変動時間1を「仮決め」することと同意である。すなわち、この仮決めした時点(事前判定処理が行われる時点)と、変動演出パターン決定処理(図27)が行われる時点とでは、変動時間1が異なる場合もあるが、不定値(「7FH」)であっても何らかの1つの変動パターンが決定したことと擬制する(みなす)ために、このように変動時間1を仮決めするようにしている。これにより、不定値(「7FH」)の場合であっても、後述する先読み演出設定処理(図40参照)を実行することが可能となる。
また、暫定的に決定する変動時間1を「2秒」としているのは、変動時間1のうち、最も短い変動時間1が決定される変動モード番号である「00H」に対応させるためである。このように、変動時間1を変動モード番号が「00H」の場合と同じにすることにより、変動モード番号が「00H」と不定値(「7FH」)とを同様の演出パターンとして取り扱うことが可能となる。したがって、少なくとも変動時間に係る情報が確定していることを条件として先読み演出の実行の可否を決定することができる構成においては、変動モード番号が「00H」と不定値(「7FH」)とを同じ演出パターンとして扱うことができる。言い換えれば、固定値「00H」と不定値(「7FH」)とを区別せずに一律で取り扱うことが可能となるため、固定値「00H」の場合の演出態様と、不定値(「7FH」)の場合の演出態様とが異なってしまうといった不具合を生じさせる虞がない。
なお、上述した理由から、不定値(「7FH」)の場合に暫定的に決定する変動時間1は、「2秒」だけに限定されるものではない。
上記のように、変動パターン番号が決定されると、図15(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応づけられており、決定された変動時間1、変動時間2の合計時間が、大当たりの抽選の結果が報知されるまでの時間、すなわち、変動演出に要する時間(「変動時間」という)となる。
さらに、変動時間2決定テーブルには、事前判定処理においてのみ決定され得る変動パターン番号「7FH」が含まれている。そして、変動パターン番号「7FH」には変動時間1として「0秒」が対応付けられている。上述したように、不定値(「7FH」)の場合には、事前判定処理が行われる時点と、変動演出パターン決定処理が行われる時点と、において、保留数によって変動モード番号が変わる可能性があり、事前判定処理の時点では、変動時間2を確定させることができない。しかしながら、本実施形態では、暫定的に、変動時間2として最も短い「0秒」が決定されるようにしている。
この変動時間2についても、上述した変動時間1と同様に、仮決めした時点(事前判定処理が行われる時点)と、変動演出パターン決定処理が行われる時点とでは、変動時間2が異なる場合もあるが、不定値(「7FH」)であっても何らかの1つの変動パターンが決定したことと擬制する(みなす)ために、このように変動時間2を仮決めするようにしている。これにより、不定値(「7FH」)の場合であっても、後述する先読み演出設定処理(図40参照)を実行することが可能となる。
また、変動時間2についても、暫定的に決定する変動時間2を「0秒」としているのは、変動時間2のうち、最も短い変動時間2が決定される変動パターン番号である「00H」に対応させるためである。このように、変動時間2を変動パターン番号が「00H」の場合と同じにすることにより、変動パターン番号が「00H」と不定値(「7FH」)とを同様の演出パターンとして取り扱うことが可能となる。したがって、少なくとも変動時間に係る情報が確定していることを条件として先読み演出の実行の可否を決定することができる構成においては、変動パターン番号が「00H」と不定値(「7FH」)とを同じ演出パターンとして扱うことができる。言い換えれば、固定値「00H」と不定値(「7FH」)とを区別せずに一律で取り扱うことが可能となるため、固定値「00H」の場合の演出態様と、不定値(「7FH」)の場合の演出態様とが異なってしまうといった不具合を生じさせる虞がない。
なお、上述した理由から、不定値(「7FH」)の場合に暫定的に決定する変動時間2は、「0秒」だけに限定されるものではない。
以上のようにして、変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板200に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。副制御基板200においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半(リーチ成立前まで)の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半(リーチ成立後から演出図柄の変動停止まで)の態様が決定されることになる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
そして、本実施形態では、変動モード番号および変動パターン番号が不定値(「7FH」)の場合であっても、上述した通り、暫定的に変動時間(変動時間1+変動時間2)を決定する(仮決めする)ことが可能であるため、不定値に基づく変動コマンドが副制御基板200に送信された場合であっても、先読み演出を実行するか否かを決定する処理(先読み演出実行抽選、図40参照)の対象とすることができる。すなわち、本実施形態では、少なくとも、変動コマンドに変動時間に係る情報が含まれていれば、先読み演出実行抽選の対象として取り扱うことができるようになっている。
なお、本実施形態では、変動モードコマンドと変動パターンコマンドとにより、変動演出パターンの態様が決定されるものとしたがこれに限られない。例えば、変動パターンコマンドに基づいて変動演出パターンの前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出パターンの後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出パターンの態様は、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンドまたは変動パターンコマンドの何れかのみに基づいて決定してもよい。
図16は、当たり決定乱数判定テーブルを示している。遊技球がゲート22を通過すると、第2始動入賞口26のスライド板26bを通電制御するか否かが対応づけられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
具体的に、当たり決定乱数は、ゲート22に遊技球が通過したことを契機に(ゲート検出スイッチ22aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、1つの当たり決定乱数が取得される。
この当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図16(a)に示す非時短用判定テーブルが参照される。この非時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜1300であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0、1301〜65535)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/50.41となる。この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動入賞口26のスライド板26bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、スライド板が閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図16(b)に示す時短用判定テーブルが参照される。この時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/1.01となる。このため、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われると、ほとんどの場合、当たり図柄に当選することとなる。すなわち、時短遊技状態では、第2始動入賞口26のスライド板26bが開状態に制御される割合が、非時短遊技状態に比べて大幅に増加することとなる。
図17は、普通図柄変動時間決定テーブルを示している。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間決定テーブルは、普図抽選によって当たり図柄またはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間決定テーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が29秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が3秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示装置32が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示装置32が点灯した場合には図18に示す開閉制御パターンテーブルを参照して、第2始動入賞口26のスライド板26bが開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、開放回数(スライド板26bが開状態に制御される回数)、開放時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cの通電時間、すなわち、スライド板26bが開状態に制御される時間)、閉鎖時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cが複数回通電制御される場合における、各開放間の通電休止時間)が、第2始動入賞口26の制御データとして遊技状態ごとに予め決められている。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26のスライド板26bが1回、0.2秒間だけ開状態に制御される。
一方、遊技状態が時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26のスライド板26bが1.2秒間だけ開状態に制御された後、0.8秒間のインターバル(閉鎖時間)をおいてから、再度、第2始動入賞口26のスライド板26bが1.2秒間だけ開状態に制御される。
以上のことから、時短遊技状態では、上述したように、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われるため、殆どの場合、普図当たりに当選し、その当選により第2始動入賞口26が1.2秒×2回開放状態となるため、遊技者は、第2始動入賞口26に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、時短遊技状態においては、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、賞球数等について、本実施形態では、第1始動入賞口24に1球の入賞(1回の入賞)があった場合の賞球数、及び第2始動入賞口に1球の入賞(1回の入賞)があった場合の賞球数は、それぞれ1個以上の遊技球を賞球として遊技者に払い出す所定の規定数として設定している。
また、第1始動入賞口24に係る賞球と、第2始動入賞口26に係る賞球とでは、1回の入賞に対して払い出す賞球数を互いに異ならせてもよいし、上記賞球数を同数としてもよい。
さらに、特別図柄の当選確率(大当たりの抽選における大当たりの当選確率)や総獲得遊技球数(総獲得賞球数)の期待値(初当たりから時短遊技状状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、1回の入賞に対して払い出す最低賞球数を設定するようにしてもよい。
また、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、アタッカー装置27の開放回数、アタッカー装置27の開放時間、大入賞口28へ入球可能とする最大入賞個数、大入賞口28の1回の入賞に対して払い出す賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当たりによる獲得遊技球数が最大となる大当たりの種別に係る最大獲得遊技球数の1/4未満となる最低獲得遊技球数の大当たりの種別を設定してもよい。
次に、本実施形態のパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図19を用いて、主制御基板100におけるCPU初期化処理(ステップS1)を説明する。
電源基板600により電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のCPU初期化処理を行う。
(ステップS2)
まず、メインCPU100aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS4)
次に、メインCPU100aは、電源断予告信号を検出しているか否かを判定する。なお、主制御基板100には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS5に処理を移す。
(ステップS5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS3で設定したウェイト処理時間が経過したか否かを判定する。
このとき、ウェイト処理時間が経過していないと判定された場合には、ステップS4に処理を移し、ウェイト処理時間が経過したと判定された場合には、ステップS6に処理を移す。
(ステップS6)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS7)
次に、メインCPU100aは、RAMクリアフラグがON(=1)しているか否かを判定する。なお、遊技盤14の背面には、図示しないRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板100にRAMクリア信号が出力される。RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入されると、RAMクリア信号が入力され、RAMクリアフラグがONされる。
このとき、RAMクリアフラグがONしていないと判定された場合には、ステップS11に処理を移し、RAMクリアフラグがONしていると判定された場合には、ステップS8に処理を移す。
(ステップS8)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cのうち、電源投入時(メインRAM100cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS9)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cがクリアされたことを、副制御基板200に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(このサブコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする)を行う。
(ステップS10)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cがクリアされたことを、払出・発射制御基板300に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(この払出コマンドを払出用伝送データ格納領域にセットに格納する)を行う。
(ステップS11)
次に、メインCPU100aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS12)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS11で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるか否かを判定する。
このとき、両者が不一致であると判定された場合には、上記ステップS8に処理を移し、両者が不一致ではない(つまり、両者が一致する)と判定された場合には、ステップS13に処理を移す。
(ステップS13)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cのうち、電源復帰時(メインRAM100cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS14)
次に、メインCPU100aは、電源断から復帰したことを、副制御基板200に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(この電源復帰指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする)を行う。
(ステップS15)
次に、メインCPU100aは、電源断から復帰したことを、払出・発射制御基板300に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(この電源復帰指定コマンドを払出用伝送データ格納領域にセットする)を行う。
(ステップS16)
次に、メインCPU100aは、例えば、特別図柄の種別を示すコマンド(電源投入時特図図柄種別指定コマンド)、第1保留数を示すコマンド(第1保留数指定コマンド)、第2保留数を示すコマンド(第2保留数指定コマンド)、記憶されている第1保留および第2保留の入賞順序を示すコマンド(特別図柄入賞順序コマンド)等、電源投入時の初期状態の演出に必要なコマンドを副制御基板200に送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする)を実行する。
(ステップS17)
次に、メインCPU100aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS18)
次に、メインCPU100aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS19)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものであり、乱数範囲は「0〜99」となっている。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、当たり図柄乱数値がその乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。
(ステップS20)
次に、メインCPU100aは、払出・発射制御基板300から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、この受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS21)
次に、メインCPU100aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板200に送信するための処理を行う。
(ステップS22)
次に、メインCPU100aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS23)
次に、メインCPU100aは、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、「変動演出乱数」という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、および、変動パターン乱数を更新する。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS18以降の処理を繰り返し行う。
(主制御基板の電源断時退避処理)
図20を用いて、主制御基板100における電源断時の割込処理(電源断時退避処理)を説明する。
メインCPU100aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理の割込み許可期間中(上記ステップS22からステップS18の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS31)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU100aは、メインCPU100aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
(ステップS32)
次に、メインCPU100aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS33)
次に、メインCPU100aは、電源断予告信号を検出しているか否かを判定する。
このとき、電源断予告信号を検出していると判定された場合には、ステップS36に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定された場合には、ステップS34に処理を移す。
(ステップS34)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS31で退避した情報をメインCPU100aのレジスタを復帰させる。
(ステップS35)
次に、メインCPU100aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS36)
次に、メインCPU100aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS37)
次に、メインCPU100aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS38)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS39)
次に、メインCPU100aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS40)
次に、メインCPU100aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS41)
次に、メインCPU100aは、電源断予告信号を検出しているか否かを判定する。
このとき、電源断予告信号を検出していると判定された場合には、ステップS39に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定された場合には、ステップS42に処理を移す。
(ステップS42)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS39でセットしたループカウンタの値を「1」減算する。
(ステップS43)
次に、メインCPU100aは、ループカウンタのカウンタ値が「0」でないか否かを判定する。
このとき、カウンタ値が「0」ではないと判定された場合には、ステップS40に処理を移し、カウンタ値が「0」であると判定された場合には、ステップS1に処理を移す(上記したCPU初期化処理に移行する)。
なお、実際に電源断が発生した場合には、上記ステップS39から上記ステップS43をループしている間にパチンコ機Pの稼働が停止する。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図21を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100には、所定の周期(4ミリ秒、4ms)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(上記ステップS1)に割り込んで、以下のタイマ割込処理が実行される。
(ステップS50)
まず、メインCPU100aは、メインCPU100aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
(ステップS51)
次に、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。この各種タイマカウンタは、特に断る場合を除いて、当該主制御基板100のタイマ割込処理の度に減算され、「0」になると減算を停止する。
(ステップS52)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS19と同様に、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を行う。
(ステップS53)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
(ステップS100)
次に、メインCPU100aは、スイッチ管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20a、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28aの各スイッチに入力があったか否かを判定する処理を行う。このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物(アタッカー装置27)の制御を行うための特別遊技管理処理を行う。この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS1100)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物(第2始動入賞口26、可動片26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26c)の制御を行うための普通遊技管理処理を行う。この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS54)
次に、メインCPU100aは、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー管理処理を行う。具体的には、ガラス扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、下皿8の満タン状態に基づく下皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU100aは、対応するエラー指定コマンド(扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、上述のエラー指定コマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU100aは、対応するエラー解除コマンド(扉閉鎖指定コマンド、満タン状態解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS60)
次に、メインCPU100aは、払出制御管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、大入賞口28、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、一般入賞口20に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。
具体的には、大入賞口検出スイッチ28a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、および一般入賞口検出スイッチ20aからの検出信号がメインCPU100aに入力された場合に、メインCPU100aは、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタ(大入賞口賞球カウンタ、第1始動入賞口賞球カウンタ、第2始動入賞口賞球カウンタ、一般入賞口賞球カウンタ、何れも図示しない)を更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。その後、払出・発射制御基板300により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払出コマンドが送信され、メインCPU100aは、当該払出コマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。
(ステップS70)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
(ステップS80)
次に、メインCPU100aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記ステップS70で作成した外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35の各LEDを点灯させるために、上記ステップS70で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力するLED表示出力処理を行う。さらに、メインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
(ステップS90)
次に、メインCPU100aは、ステップS10で退避した情報をメインCPU100aのレジスタに復帰させる。
図22を用いて、主制御基板100のスイッチ管理処理を説明する。
(ステップS110)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力したか、すなわち、遊技球がゲート22を通過したか否かを判定する。さらに、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算し、当たり決定乱数として予め用意された乱数範囲(例えば、0〜65535)から1つの当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した当たり決定乱数値を記憶する。ただし、普通図柄保留数(G)記憶領域に「4」が記憶されている場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算したり、当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶したりすることは行わない。
(ステップS120)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口20に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動入賞口24に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。この第1始動入賞口検出スイッチ処理の詳細については後述する。
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動入賞口26に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。
(ステップS140)
次に、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
図23(a)を用いて、主制御基板100の第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を説明する。
(ステップS201)
まず、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号(第1始動入賞口検出スイッチ信号)を入力したか否かを判定する。
このとき、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力した場合にはステップS202に処理を移す。
(ステップS202)
次に、メインCPU100aは、賞球のために用いる第1始動入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
(ステップS203)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。
このとき、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満ではないと判定した場合には、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であると判定した場合には、ステップS204に処理を移す。
(ステップS204)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
(ステップS205)
次に、メインCPU100aは、大当たり決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり決定乱数値を記憶する。
ここで、第1特別図柄記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部とから構成されており、各記憶部には、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値がそれぞれ記憶されるようになっている。
(ステップS206)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した当たり図柄乱数値を記憶する。
(ステップS207)
次に、メインCPU100aは、リーチグループ決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチグループ決定乱数値を記憶する。
(ステップS208)
次に、メインCPU100aは、リーチモード決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチモード決定乱数値を記憶する。
(ステップS209)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン乱数値を記憶する。
以上より、上記ステップS205〜ステップS209において取得された各種乱数(つまり、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)は、すべて同じ第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部に記憶されることとなる。
(ステップS220)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS205〜ステップS209において取得された乱数値を、当該乱数値に基づく変動開始の前に、大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。この事前判定処理の詳細については後述する。
(ステップS210)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS220における事前判定処理にて生成された先読み指定コマンド(先読みA指定コマンド、先読みB指定コマンド、詳細は後述する)を演出用伝送データ格納領域にセットする。この先読み指定コマンドには、少なくとも、上述した変動モード番号に係る情報および変動パターン番号に係る情報が含まれている。また、先読み指定コマンドには、第1特別図柄保留表示器33に表示される第1保留の個数を更新するために、その保留個数を示す特別図柄保留表示データも含まれている。本ステップS210の処理を終了すると、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。
以上のように、第1始動入賞口24に遊技球が入球した際に、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがある場合には、各乱数値が記憶されていない記憶部の中でもっとも小さい番号の記憶部に各乱数値が記憶され、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合には、各乱数値が抽出(記憶)されずに第1始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。ただし、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合でも、第1始動入賞口24への遊技球の入球に対して賞球が払い出されることとなる。
図23(b)を用いて、主制御基板100の第2始動入賞口検出スイッチ入力処理を説明する。
(ステップS301)
まず、メインCPU100aは、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号(第2始動入賞口検出スイッチ信号)を入力したか否かを判定する。
このとき、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号を入力しなかった場合には、第2始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号を入力した場合にはステップS302に処理を移す。
(ステップS302)
次に、メインCPU100aは、賞球のために用いる第2始動入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
(ステップS303)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。
このとき、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満ではないと判定した場合には、第2始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であると判定した場合には、ステップS304に処理を移す。
(ステップS304)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
(ステップS305)
次に、メインCPU100aは、大当たり決定乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり決定乱数値を記憶する。
ここで、第2特別図柄記憶領域は、第5記憶部〜第8記憶部とから構成されており、上述した第1特別図柄記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部と同様に、各記憶部には、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値がそれぞれ記憶されるようになっている。
(ステップS306)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した当たり図柄乱数値を記憶する。
(ステップS307)
次に、メインCPU100aは、リーチグループ決定乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチグループ決定乱数値を記憶する。
(ステップS308)
次に、メインCPU100aは、リーチモード決定乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチモード決定乱数値を記憶する。
(ステップS309)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン乱数値を記憶する。
以上より、上記ステップS305〜ステップS309において取得された各種乱数(つまり、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)は、すべて同じ第2特別図柄記憶領域の所定の記憶部に記憶されることとなる。
(ステップS220)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS305〜ステップS309において取得された乱数値を、当該乱数値に基づく変動開始の前に、大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。この事前判定処理は、図23(a)に示す第1始動入賞口検出スイッチ入力処理における事前判定処理(図23(a)のステップS220)と同じ内容の処理であり、詳細については後述する。
(ステップS310)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS220における事前判定処理にて生成された先読み指定コマンド(先読みA指定コマンド、先読みB指定コマンド)を演出用伝送データ格納領域にセットする。この先読み指定コマンドには、少なくとも、上述した変動モード番号に係る情報および変動パターン番号に係る情報が含まれている。また、先読み指定コマンドには、第2特別図柄保留表示器34に表示される第2保留の個数を更新するために、その保留個数を示す特別図柄保留表示データも含まれている。本ステップS310の処理を終了すると、第2始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。
以上のように、第2始動入賞口26に遊技球が入球した際に、第2特別図柄記憶領域の記憶部に空きがある場合には、各乱数値が記憶されていない記憶部の中でもっとも小さい番号の記憶部に各乱数値が記憶され、第2特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合には、各乱数値が抽出(記憶)されずに第2始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。ただし、第2特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合でも、第2始動入賞口26への遊技球の入球に対して賞球が払い出されることとなる。
図24を用いて、主制御基板100の事前判定処理を説明する。
(ステップS221)
まず、メインCPU100aは、大当たり決定乱数判定テーブル(図7参照)から、現時点の遊技状態に対応するテーブルを選択し、この選択したテーブルと、上述のステップS205(またはステップS305)で取得された大当たり決定乱数値とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりまたはハズレ)に係るデータをメインRAM100c内に設けられた特図データ処理領域に記憶する。
(ステップS222)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上記ステップS221における判定の結果が大当たりであった場合には、大当たり用当たり図柄乱数判定テーブル(図8(a)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップS206(またはステップS306)で取得された当たり図柄乱数値とに基づいて、大当たり図柄の種別を判定する。
一方、上記ステップS221における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄は特別図柄0(ハズレ図柄)であると判定する。
そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM100c内に設けられた図柄種別データ処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
(ステップS223)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS222で判定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、大当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS226に処理を移し、大当たり図柄であると判定された場合には、ステップS224に処理を移す。
(ステップS224)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を確認する。
(ステップS225)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS224で確認した遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル(大当たり用判定テーブル、第1特別図柄に係る場合には図13参照)を選択する。本ステップS225の処理を終えると、ステップS232に処理を移す。
(ステップS226)
一方、上記ステップS223において、特別図柄がハズレ図柄であると判定された場合には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態、および現時点の保留数を確認する。
(ステップS227)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS226で確認した現時点の遊技状態および保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(は第1特別図柄に係る場合には図12参照)を選択する。
(ステップS228)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS207(またはステップS307)において取得されたリーチグループ決定乱数と、上記ステップS227で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、に基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM100c内に設けられたグループ種別データ処理領域に記憶する。
(ステップS229)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS228で判定されたグループの種別が、AグループまたはBグループであるか否かを判定する。すなわち、不定値となるリーチグループ決定乱数が取得されていたか否かが判定されることとなる。
このとき、AグループまたはBグループであると判定された場合には、ステップS235に処理を移し、AグループまたはBグループの何れでもないと判定された場合には、ステップS230に処理を移す。
なお、上述したように、事前判定処理において、AグループまたはBグループの何れかが決定された場合、変動開始時においても、AグループまたはBグループのグループ種別が決定されるが、事前判定処理の時点では変動時間を確定させることができないため、仮の変動時間を決定するものとしている(暫定的に変動時間を決定するものとしている)。一方、事前判定処理において、CグループまたはDグループの何れかが決定された場合、変動開始時においても、CグループまたはDグループのグループ種別が決定され、事前判定処理の時点で変動時間を確定させることができる。
したがって、変動開始時においてAグループまたはBグループの何れかが決定される場合、メインCPU100aは、本ステップS229において、必ずAグループまたはBグループであると判定する。また、変動開始時においてCグループまたはDグループの何れかが決定される場合、メインCPU100aは、本ステップS229において、必ずCグループまたはDグループであると判定する。
(ステップS230)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS228で判定されたグループの種別(つまり、CグループまたはDグループの何れか)に基づいて、ハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブル(第1特別図柄に係る場合には図12参照)を選択する。
(ステップS231)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS225で選択された大当たり用判定テーブル、または、上記ステップS230で選択されたハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルの何れかと、上記ステップS208(またはステップS308)で取得されたリーチモード決定乱数値と、に基づいて、変動モード番号および変動パターン決定乱数テーブルを決定し、このとき決定された変動モード番号をメインRAM100c内に設けられた変動モード番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS232)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS232で決定された変動パターン乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS233)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS209(またはステップS309)において取得した変動パターン乱数値と、上記ステップS232で選択された変動パターン乱数判定テーブルとに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号をメインRAM100c内に設けられた変動パターン番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS234)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS231で判定された変動モード番号、および、上記ステップS233で判定された変動パターン番号に対応する先読みB指定コマンド(事前判定コマンド)を生成し、事前判定処理を終了する。この先読みB指定コマンドには、大当たりの抽選の結果が大当たりまたはハズレの何れかであって、かつ、リーチが行われる変動演出パターンであることが情報として少なくとも含まれたコマンドである。
(ステップS235)
一方、上記ステップS229において、AグループまたはBグループの何れかであると判定された場合、つまり、不定値となるリーチグループ決定乱数が取得されたと判定された場合には、メインCPU100aは、不定値に基づく変動モード番号および変動パターン番号を決定する。これは、上述した通り、変動モード番号として「7FH」を、変動パターン番号として「7FH」を、それぞれ決定する。
(ステップS236)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS235において決定した変動モード番号および変動パターン番号に基づいて変動時間1および変動時間2を決定し、不定値に基づく変動時間(変動時間1および変動時間2)を決定する。具体的には、変動時間1決定テーブル(図15(a))と、変動時間2決定テーブル(図15(b)と、に基づいて、変動時間1および変動時間2をそれぞれ決定し、これらを加算して当該不定値に基づく変動時間を決定する。本実施形態では、変動時間1(「2秒」)+変動時間2(「0秒」)=「2秒」が、当該不定値に基づく変動時間として決定される。
(ステップS236)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS236で決定した変動時間についての情報と、大当たりの抽選の結果がハズレであることを示す情報と、が少なくとも含まれた先読みA指定コマンド(事前判定コマンド)を生成し、事前判定処理を終了する。すなわち、本ステップS236において生成される先読みA指定コマンドとは、「ハズレとなる演出態様であって、変動時間が2秒である変動演出パターン」であることが少なくとも含まれたコマンドである。このように、先読みA指定コマンドは、少なくとも、先読み演出実行抽選(図40参照)において最低限必要な情報が含まれたコマンドとして暫定的に生成される(仮のコマンドとして生成される)ものであることから「先読み用ダミーコマンド」ともいう。
以上の処理により、新たに記憶された第1保留(または第2保留)について、この第1保留(または第2保留)に係る特別図柄の変動開始時に決定される変動モード番号および変動パターン番号に係る情報が、当該第1保留(または第2保留)が記憶された時点で、この情報についてのコマンドが事前に副制御基板200に送信される。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理および第2始動入賞口検出スイッチ入力処理の双方において、同様に事前判定処理が行われるものとしたが、これに限られない。例えば、確変モードや時短モードなどの特定の遊技モードでは、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理においては事前判定処理を実行させない形態としてもよい。
図25を用いて、主制御基板100の特別遊技管理処理を説明する。
(ステップS401)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特別遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、特図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この実行フェーズデータは、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
(ステップS500)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「00」であれば、特別図柄変動開始処理を実行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「01」であれば、特別図柄変動停止処理を実行する。この特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。
(ステップS800)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「02」であれば、停止後処理を実行する。この停止後処理の詳細については後述する。
(ステップS900)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「03」であれば、特別遊技制御処理を実行する。この特別遊技制御処理の詳細については後述する。
(ステップS1000)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「04」であれば、特別遊技終了処理を実行する。この特別遊技終了処理の詳細については後述する。
図26を用いて、主制御基板100の特別図柄変動開始処理を説明する。
(ステップS501)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「00」ではないと判定された場合には、特別図柄変動開始処理を終了し、実行フェーズデータが「00」であると判定された場合には、ステップS502に処理を移す。
(ステップS502)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶された値(本ステップS502が実行される時点の第2保留数に該当する数値、以下、「第2保留数値」という)が「1」以上であるか否かを判定する。
このとき、第2保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、ステップS504に処理を移し、第2保留数値が「1」以上であると判定された場合には、ステップS503に処理を移す。
(ステップS503)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている第2保留数値から「1」を減算して記憶する。
(ステップS504)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶された値(本ステップS504が実行される時点の第1保留数に該当する数値、以下、「第1保留数値」という)が「1」以上であるか否かを判定する。
このとき、第1保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、ステップS513に処理を移し、第1保留数値が「1」以上であると判定された場合には、ステップS505に処理を移す。
(ステップS505)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている第1保留数値から「1」を減算して記憶する。
(ステップS506)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS503または上記ステップS505において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
具体的には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に対応する第1特別図柄記憶領域に記憶されたデータのシフト処理が行われる場合には、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは第1特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値が消去される。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に対応する第2特別図柄記憶領域に記憶されたデータのシフト処理が行われる場合には、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部〜第8記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第5記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第5記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは第2特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値が消去される。
なお、本実施形態では、上記ステップS502〜ステップS505において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動入賞口24,26に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
(ステップS507)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態に対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS506において判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり決定乱数値と、に基づいて大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。
(ステップS508)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上記ステップS507における判定の結果が大当たりまたは小当たりであった場合には、当該判定に用いられた大当たり決定乱数値が何れの始動入賞口への遊技球の入賞によるものか(すなわち、第1始動入賞口24か、または、第2始動入賞口26か)を確認したうえで、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブルを選択し、選択したテーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた当たり図柄乱数値と、に基づいて特別図柄の種別を決定する。
一方、上記ステップS507における判定の結果がハズレであった場合には、当該判定に用いられた大当たり決定乱数値が何れの始動入賞口への遊技球の入賞によるものであっても、ハズレ図柄を決定する。
このようにして決定した特別図柄に対応するデータを、メインCPU100aは、図柄種別データ処理領域に記憶する。この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
(ステップS509)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板200に送信されることとなる。
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS506において判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたリーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、および、変動パターン乱数値に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を行う。
(ステップS510)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31において特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、図柄種別データ処理領域に記憶された情報が、第1保留に係る場合には、第1特別図柄表示装置30において点滅表示が開始され、第2保留に係る場合には、第2特別図柄表示装置31において点滅表示が開始される(変動表示開始処理)。
(ステップS511)
次に、メインCPU100aは、デモ判定フラグに00Hをセットする。すなわち、デモ判定フラグをクリアする。
(ステップS512)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄開始処理を終了する。
(ステップS513)
上記ステップS504において、第1保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。
このとき、デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には、メインCPU100aは特別図柄変動開始処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていないと判定した場合には、ステップS514に処理を移す。
(ステップS514)
次に、メインCPU100aは、後述するステップS515でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
(ステップS515)
次に、メインCPU100aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、図27を用いて、主制御基板100の変動演出パターン決定処理を説明する。
(ステップS601)
まず、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS604に処理を移し、大当たり図柄または小当たり図柄の何れかであると判定された場合には、ステップS602に処理を移す。
(ステップS602)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄が、大当たり図柄または小当たり図柄の何れかであるか、および、現時点の遊技状態を確認する。
(ステップS603)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS602で確認した特別図柄および遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル(大当たり用判定テーブルまたは小当たり用判定テーブルの何れか)を選択する。
(ステップS604)
上記ステップS601において大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもないと判定された場合には、メインCPU100aは、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別を確認するとともに、現時点の遊技状態、および、現時点の保留数を確認する。
(ステップS605)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS604で確認した始動入賞口の種別、遊技状態および保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS606)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上記ステップS605で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、に基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別をグループ種別データ処理領域に記憶する。
(ステップS607)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS606で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル(ハズレ用判定テーブル)を選択する。
(ステップS608)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS603で選択された大当たり用判定テーブルもしくは小当たり用判定テーブル、または、上記ステップ607で選択されたハズレ用判定テーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶されたリーチモード決定乱数と、に基づいて、変動モード番号および変動パターン決定乱数テーブルを決定し、このとき決定された変動モード番号を変動モード番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS609)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS608で決定された変動パターン乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS610)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS609で選択した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶された変動パターン乱数と、に基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を変動パターン番号データ処理領域に記憶する。
(ステップS611)
次に、メインCPU100aは、変動時間決定テーブルと、上記ステップS608で決定された変動モード番号、および、上記ステップS610で決定された変動パターン番号と、に基づいて、変動時間を決定する。
(ステップS612)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS611において決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。
(ステップS613)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS608で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、上記ステップS610で決定された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。そして、メインCPU100aは、生成された変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
図28を用いて、主制御基板100の特別図柄変動停止処理を説明する。
(ステップS701)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「01」ではないと判定された場合には、特別図柄変動停止処理を終了し、実行フェーズデータが「01」であると判定された場合には、ステップS702に処理を移す。
(ステップS702)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS612で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該変動時間が経過していないと判定された場合には、特別図柄変動停止処理を終了し、当該変動時間が経過したと判定された場合には、ステップS703に処理を移す。
(ステップS703)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。
(ステップS704)
次に、メインCPU100aは、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS705)
次に、メインCPU100aは、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。
(ステップS706)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットして、特別図柄変動停止処理を終了する。
図29を用いて、主制御基板100の停止後処理を説明する。
(ステップS801)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「02」ではないと判定された場合には、停止後処理を終了し、実行フェーズデータが「02」であると判定された場合には、ステップS802に処理を移す。
(ステップS802)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS705で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。
このとき、停止表示時間が経過していないと判定された場合には、停止後処理を終了し、停止表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS803に処理を移す。
(ステップS803)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS804)
次に、メインCPU100aは、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONされているか否かを判定する。
このとき、時短遊技フラグがONされていると判定された場合には、メインRAM100cに設けられた時短遊技回数(J)記憶領域における時短遊技回数(J)の値を更新する。具体的には、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶されている時短遊技回数(J)から「1」を減算するとともに、減算された結果を新たな時短遊技回数(J)として記憶し、その記憶された時短遊技回数(J)が「0」であるか否かを判定し、時短遊技回数(J)=0であれば、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをOFFにする。また、時短遊技回数(J)=0ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、本ステップS804の処理を実行する。
また、時短遊技フラグがONされていないと判定された場合には、本ステップS804においては処理を行わずに、ステップS805に処理を移す。
(ステップS805)
次に、メインCPU100aは、高確回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確率遊技フラグがONされているか否かを判定する。
このとき、高確遊技フラグがONされていると判定された場合には、メインRAM100cに設けられた高確率遊技回数(X)記憶領域における高確率遊技回数(X)の値を更新する。具体的には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている(X)から「1」を減算するとともに、減算された結果を新たな高確率遊技回数(X)として記憶し、その記憶された高確率遊技回数(X)が「0」であるか否かを判定し、高確率遊技回数(X)=0であると判定された場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFにする。また、高確率遊技回数(X)=0でないと判定された場合には、メインCPU100aは、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、本ステップS805の処理を実行する。
また、高確率遊技フラグがONされていないと判定された場合には、本ステップS805においては処理を行わずに、ステップS806に処理を移す。
(ステップS806)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS814に処理を移し、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄の何れかであると判定された場合には、ステップS807に処理を移す。
(ステップS807)
次に、メインCPU100aは、大当たり当選時または小当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であるか、または、時短遊技状態であるかを副制御基板200に送信するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。
(ステップS808)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態をリセットする処理を実行する。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
(ステップS809)
次に、メインCPU100aは、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をタイマカウンタにセットする。
(ステップS810)
次に、メインCPU100aは、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS811)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄の種別に基づいて、メインRAM100cに作動テーブル(図9参照)をセットする。具体的には、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であれば、その大当たり図柄の種別ごとに決められている作動テーブル(第1作動テーブル〜第7作動テーブルの何れか、図9(a)〜(g)参照)をセットする。また、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であれば、第8作動テーブルまたは第9作動テーブル(図9(h)、図9(i)参照)をセットする。
(ステップS812)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。
(ステップS813)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、この遊技状態指定コマンドには、上記ステップS804で更新された時短回数の情報、上記ステップS805で更新された高確回数の情報も含まれている。これにより、遊技状態指定コマンドを受信した副制御基板200において、時短回数および高確回数を把握できるようになっている。そして、停止後処理が終了となる。
(ステップS814)
上記ステップS806において、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、上記ステップS813に処理を移す。
図30を用いて、主制御基板100の特別遊技制御処理を説明する。
(ステップS901)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「03」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、実行フェーズデータが「03」であると判定された場合には、ステップS902に処理を移す。
(ステップS902)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS809でタイマカウンタにセットされたオープニング時間を経過したか否かを判定する。
このとき、オープニング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、オープニング時間が経過したと判定された場合には、ステップS903に処理を移す。
(ステップS903)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理中であるか否かを判定する。このエンディング処理とは、当該特別遊技制御処理においてラウンド遊技回数(R)の残り回数が「0」になった後(大当たり遊技の場合)、または開放回数(K)が最大値に到達した後(小当たり遊技の場合)に行われる待機処理のことをいう。
このとき、エンディング処理中であると判定された場合には、ステップS916に処理を移し、エンディング処理中ではないと判定された場合には、ステップS904に処理を移す。
(ステップS904)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別に応じたアタッカー装置27の作動テーブルに基づいて、アタッカー装置27の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。この大入賞口開閉制御処理では、作動テーブルと、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値とを参照して、当該「R回目」のラウンド遊技(以下、「第Rラウンド遊技」という)に該当するアタッカー装置の作動(開放/閉鎖)の制御を実行する。
なお、ラウンド遊技回数(R)記憶領域にRの値が記憶されるのは、大当たり遊技中のみとなっており、大当たり遊技が終了するごとに、Rの値は消去されるようになっている。
したがって、本ステップS904の処理が最初に実行される場合であって、特別図柄の種別が大当たりに係るものであるときには、メインCPU100aは、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値として「1」を記憶させる。すなわち、大当たり遊技の開始時点では、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値として何れの値も記憶されていない状態であるため、1回目のラウンド遊技を実行するべく、Rの値として「1」を記憶させるようにしている。
(ステップS905)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904において制御される特別遊技は小当たりに係るものであるか否かを判定する。
このとき、小当たりであると判定された場合には、ステップS913に処理を移し、小当たりではないと判定された場合には、ステップS906に処理を移す。
(ステップS906)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。
このとき、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定された場合には、ステップS908に処理を移し、ラウンド遊技が開始された時点であると判定された場合には、ステップS907に処理を移す。
(ステップS907)
次に、メインCPU100aは、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板200に伝達できるようになっている。
(ステップS908)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。
このとき、ラウンド遊技が終了していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、ラウンド遊技が終了したと判定された場合には、ステップS909に処理を移す。
(ステップS909)
次に、メインCPU100aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されているラウンド遊技回数(R)を「1」加算する。
(ステップS910)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS909で加算したラウンド遊技回数(R)が「最大値」であるか否かを判定する。
このとき、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」であると判定された場合には、ステップS911に処理を移す。
なお、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」であると判定された場合には、本ステップS910において、メインCPU100aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されているRの値を消去する。
(ステップS911)
次に、メインCPU100aは、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をタイマカウンタにセットする。
(ステップS912)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理が終了となる。なお、エンディングコマンドは、特別図柄の種別ごとに設けられていてもよい。
(ステップS913)
次に、メインCPU100aは、開放時間が経過したか否かを判定する。ここでいう「開放時間」は、第8作動テーブルまたは第9作動テーブル(小当たり用の作動テーブル、図9(h)、図9(i)参照)に基づくものであるため、開放時間は「0.1秒」となっている。
このとき、開放時間を経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、開放時間を経過したと判定された場合には、ステップS914に処理を移す。
(ステップS914)
次に、メインCPU100aは、開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)が最大であるか否かを判定する。図9(h)または図9(i)に示すように、小当たりの場合、開放回数は2回または4回となっている。すなわち、開放回数(K)の最大値は「2」または「4」となる。
このとき、開放回数(K)が最大値であると判定された場合には、上記ステップS911に処理を移し、開放回数(K)が最大値ではないと判定された場合には、ステップS915に処理を移す。
(ステップS915)
次に、メインCPU100aは、開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)を「1」加算する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
(ステップS916)
上記ステップS903において、エンディング処理中であると判定された場合には、メインCPU100aは、上記ステップS911でタイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該エンディング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、当該エンディング時間が経過したと判定された場合には、ステップS917に処理を移す。
(ステップS917)
次に、メインCPU100aは、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS918)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
図31を用いて、主制御基板100の特別遊技終了処理を説明する。
(ステップS1001)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「04」ではないと判定された場合には、特別遊技終了処理を終了し、実行フェーズデータが「04」であると判定された場合には、ステップS1002に処理を移す。
(ステップ1002)
次に、メインCPU100aは、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄または小当たり図柄(上記ステップS508等において図柄種別データ処理領域に記憶されている)、および、大当たり当選時の遊技状態(遊技状態バッファに記憶されている)を確認するとともに、上記大当たり図柄または小当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル(図10参照)に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU100aは、高確率遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確率遊技回数(X)、時短遊技回数(J)を設定する。
なお、終了した特別遊技の実行契機が小当たり図柄であった場合には、当該小当たり図柄が特別図柄Aまたは特別図柄Bの何れであっても、高確率遊技フラグおよび時短遊技フラグの何れも変更しない(つまり、現状のままにする)。そして、高確率遊技回数(X)および時短遊技回数(J)の何れも新たにセットすることもしない。
(ステップS1003)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1002で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態設定コマンドには、上記ステップS1002で設定された高確率遊技フラグのON/OFFの情報、時短遊技フラグのON/OFFの情報、高確率遊技回数(X)の情報、時短遊技回数(J)の情報が含まれている。
(ステップS1004)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
図32を用いて、主制御基板100の普通遊技管理処理を説明する。
(ステップS1101)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普通遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、普図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この普図実行フェーズデータは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
(ステップS1200)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「10」であれば、普通図柄変動開始処理を実行する。この普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。
(ステップS1300)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「11」であれば、普通図柄変動停止処理を実行する。この普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。
(ステップS1400)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「12」であれば、普通図柄停止後処理を実行する。この普通図柄停止後処理の詳細については後述する。
(ステップS1500)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「13」であれば、可動片制御処理を実行する。この可動片制御処理の詳細については後述する。
図33を用いて、主制御基板100の普通図柄変動開始処理を説明する。
(ステップS1201)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「10」ではないと判定された場合には、普通図柄変動開始処理を終了し、普図実行フェーズデータが「10」であると判定された場合には、ステップS1202に処理を移す。
(ステップS1202)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。
このとき、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動開始処理を終了し、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS1203に処理を移す。
(ステップS1203)
次に、メインCPU100aは、特別図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
(ステップS1204)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、普通図柄保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、普図判定記憶領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
(ステップS1205)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル(非時短用判定テーブルまたは時短用判定テーブルの何れか)を選択し、当該選択したテーブルと、上記ステップS1204で普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。
具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短用判定テーブル(図16(a))を参照して、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短用判定テーブル(図16(b))を参照して、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。
(ステップS1206)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1205における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。
このとき、当たりではない(つまり、ハズレである)と判定された場合には、ステップS1208に処理を移し、当たりであると判定された場合には、ステップS1207に処理を移す。
(ステップS1207)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄データを普図停止図柄データ記憶領域に記憶する。
(ステップS1208)
上記ステップS1206における当選判定処理の結果が当たりではない(つまり、ハズレ)と判定された場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データを普図停止図柄データ記憶領域に記憶する。
(ステップS1209)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が非時短遊技状態または時短遊技状態の何れに設定されているかを確認する。
(ステップS1210)
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動時間決定テーブル(図17)を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「29秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットする。
(ステップS1211)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する(普図変動表示開始処理)。
(ステップS1212)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS1213)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットし、普通図柄変動開始処理を終了する。
図34を用いて、主制御基板100の普通図柄変動停止処理を説明する。
(ステップS1301)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「11」ではないと判定された場合には、普通図柄変動停止処理を終了し、普図実行フェーズデータが「11」であると判定された場合には、ステップS1302に処理を移す。
(ステップS1302)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1210で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該変動時間が経過していないと判定された場合には、普通図柄変動停止処理を終了し、当該変動時間が経過したと判定された場合には、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1303)
次に、メインCPU100aは、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。
(ステップS1304)
次に、メインCPU100aは、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。
(ステップS1305)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットして、普通図柄変動停止処理を終了する。
図35を用いて、主制御基板100の普通図柄停止後処理を説明する。
(ステップS1401)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「12」ではないと判定された場合には、普通図柄停止後処理を終了し、普図実行フェーズデータが「12」であると判定された場合には、ステップS1402に処理を移す。
(ステップS1402)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1304(図34参照)で普図停止表示時間カウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。
このとき、普図停止表示時間が経過していないと判定された場合には、普通図柄停止後処理を終了し、普図停止表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS1403に処理を移す。
(ステップS1403)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。
このとき、停止表示されている普通図柄が当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS1405に処理を移し、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定された場合には、ステップS1404に処理を移す。
(ステップS1404)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
(ステップS1405)
上記ステップS1403において、停止表示されている普通図柄が当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
図36を用いて、主制御基板100の可動片制御処理を説明する。
(ステップS1501)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。
このとき、普図実行フェーズデータが「13」ではないと判定された場合には、可動片制御処理を終了し、普図実行フェーズデータが「13」であると判定された場合には、ステップS1502に処理を移す。
(ステップS1502)
次に、メインCPU100aは、スライド板26bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド26cが通電されているか否かを判定する。
このとき、スライド板26bが作動制御中であると判定された場合には、ステップS1505に処理を移し、スライド板26bが作動制御中ではないと判定された場合には、ステップS1503に処理を移す。
(ステップS1503)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態の何れであったかを確認する。
(ステップS1504)
次に、メインCPU100aは、開放制御パターンテーブル(図18)を参照し、上記ステップS1503で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド26cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)および通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(ステップS1505)
上記ステップS1502において、可動片作動制御中であると判定された場合には、メインCPU100aは、上記ステップS1504でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。
このとき、通電時間(開放時間)を経過していないと判定された場合には、可動片制御処理を終了し、通電時間を経過したと判定された場合には、ステップS1506に処理を移す。
(ステップS1506)
次に、メインCPU100aは、スライド板26bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド26cの通電の停止を実行する。
(ステップS1507)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
次に、副制御基板200におけるサブCPU200aにより実行される処理について説明する。
(副制御基板200のメイン処理)
図37を用いて、副制御基板200のメイン処理を説明する。
電源基板600により電源が供給されると、サブCPU200aにはシステムリセットが発生し、サブCPU200aは、以下のメイン処理を行う。
(ステップS2000)
まず、サブCPU200aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。
また、メインCPU100aから送信されたRAMクリア指定コマンドや電源復帰指定コマンドを受信した場合にも、サブCPU200aは、本ステップS2000における初期化処理を行う。
なお、本ステップS2000における初期化処理により、サブRAM200cの各記憶領域に記憶されていた各種情報はクリア(消去)される。すなわち、副制御基板200への電源断(異常等の発生による電源断)の後や、所定のリセット処理(RAMクリア指定コマンドに基づく処理)の後には、本ステップS2000における初期化処理が行われるため、それまでサブRAM200cの各記憶領域に記憶されていた各種情報はクリア(消去)されることとなる。
(ステップS2100)
次に、サブCPU200aは、変動演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU200aは、サブRAM200cに記憶される乱数(変動演出用乱数値(変動演出A用乱数値、変動演出B用乱数値)、保留変化演出抽選用乱数値、変化方法抽選用乱数値、大枠A抽選用乱数値、大枠B抽選用乱数値、ブロックA用抽選用乱数値(ブロックA1用抽選用乱数値、ブロックA2用抽選用乱数値、ブロックA3用抽選用乱数値)、ブロックB用抽選用乱数値(ブロックB1用抽選用乱数値、ブロックB2用抽選用乱数値、ブロックB3用抽選用乱数値、ブロックB4用抽選用乱数値)、ブロックC用抽選用乱数値(ブロックC1用抽選用乱数値、ブロックC2用抽選用乱数値)、詳細演出態様抽選用乱数値、追加演出抽選用乱数値、特殊保留変更抽選用乱数値、演出図柄決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS2100の処理を繰り返し行う。
なお、変動演出用乱数(変動演出A用乱数、変動演出B用乱数)、保留変化演出抽選用乱数、変化方法抽選用乱数、大枠A抽選用乱数、大枠B抽選用乱数、ブロックA用抽選用乱数(ブロックA1用抽選用乱数、ブロックA2用抽選用乱数、ブロックA3用抽選用乱数)、ブロックB用抽選用乱数(ブロックB1用抽選用乱数、ブロックB2用抽選用乱数、ブロックB3用抽選用乱数、ブロックB4用抽選用乱数)、ブロックC用抽選用乱数(ブロックC1用抽選用乱数、ブロックC2用抽選用乱数)、詳細演出態様抽選用乱数、追加演出抽選用乱数、特殊保留変更抽選用乱数は副制御基板200内にて生成されるソフトウェア乱数である。このソフトウェア乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図38を用いて、副制御基板200のタイマ割込処理を説明する。なお、図示はしないが、副制御基板200に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、副制御基板のタイマ割込処理が実行される。
(ステップS2200)
まず、サブCPU200aは、サブCPU200aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
(ステップS2300)
次に、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
(ステップS3000)
次に、サブCPU200aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。このコマンド解析処理の詳細については後述する。
なお、副制御基板200は、主制御基板100から送信されたコマンドを受信すると、図示しない副制御基板200のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、当該ステップS3000において受信したコマンドの解析処理が行われる。
(ステップS4000)
次に、サブCPU200aは、タッチボタン検出スイッチ61aおよび回転操作検出スイッチ62aの信号のチェックを行い、演出操作装置60に関する演出入力制御処理を行う。
この演出入力制御処理では、例えば、タッチボタン61やセレクタスイッチ62を用いた演出(ボタン演出)が実行されている場合、サブCPU200aは、このボタン演出の進行状況に応じて、タッチボタン61やセレクタスイッチ62の操作の受け付け可否を判定する。また、サブCPU200aは、タッチボタン検出スイッチ61aや回転操作検出スイッチ62aからの信号が入力された場合には、演出操作装置60が操作されたこと示すコマンドを画像制御基板400やランプ制御基板500に送信する処理を行う。
(ステップS5000)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされている各種データを画像制御基板400やランプ制御基板500へ送信する。
(ステップS6000)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS2200で退避した情報をサブCPU200aのレジスタに復帰させる。
(副制御基板のコマンド解析処理)
図39を用いて、副制御基板200のコマンド解析処理を説明する。
(ステップS3001)
まず、サブCPU200aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したか否かを判定する。
このとき、サブCPU200aは、受信バッファにコマンドがないと判定された場合には、コマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあると判定された場合には、ステップS3002に処理を移す。
(ステップS3002)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、電源復帰指定コマンドまたはRAMクリア指定コマンドの何れかであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが、電源復帰指定コマンドまたはRAMクリア指定コマンドの何れでもないと判定された場合には、ステップS3003に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが、電源復帰指定コマンドまたはRAMクリア指定コマンドの何れかであると判定された場合には、ステップS3020に処理を移す。
(ステップS3020)
次に、サブCPU200aは、電源復帰処理(初期化処理ともいう)を実行する。この電源復帰処理は、電源断からの復帰や電源投入時における各種演出装置(演出表示装置40,41,42、駆動装置51,52、演出役物装置55など)を初期化する処理である。例えば、駆動装置51,52を駆動させて、演出表示装置41,42を初期位置に復帰させる処理が行われたり、演出表示装置40,41,42において、画像表示を可能とするための画面の初期化をする処理が行われたり、することとなる。また、演出表示装置41,42が初期位置にある場合には、これらを初期位置から特定位置に一旦移動させた後、初期位置に復帰させるなどの動作確認を行う処理が行われる(なお、初期位置にない場合であっても、特定位置に一旦移動させた後、初期位置に復帰される位置調整を行うものとしてもよい)。
(ステップS3003)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3004に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであると判定された場合には、ステップS3030に処理を移す。
(ステップS3030)
次に、サブCPU200aは、デモ演出の内容(演出態様)を決定するデモ演出決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
(ステップS3004)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、先読み指定コマンドであるか否かを判定する。ここでいう「先読み指定コマンド」とは、先読みA指定コマンド(先読み用ダミーコマンド)および先読みB指定コマンドの双方を含む総称である。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが先読み指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3006に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが先読み指定コマンドであると判定された場合には、ステップS3040に処理を移す。
(ステップS3040)
次に、サブCPU200aは、先読み指定コマンドを解析して、演出表示装置40における保留表示の保留表示態様を決定するとともに、決定した保留表示態様に対応する保留表示データを画像制御基板400とランプ制御基板500に送信する保留表示態様決定処理を行う。
この保留表示態様決定処理では、保留表示データを第1保留記憶領域にある第1記憶領域〜第4記憶領域または第2保留記憶領域にある第5記憶領域〜第8記憶領域のうち、第1記憶領域または第5記憶領域から順に空いている記憶領域を検索していき、空いている所定の記憶領域にある始動記憶領域に、決定した保留表示データをセットする。具体的には、第1始動入賞口24に対応する先読み指定コマンドである場合には、第1保留記憶領域にある第1記憶領域から順に空いている記憶領域を検索していき、空いている記憶領域にある始動記憶領域に決定した保留表示データをセットし、第2始動入賞口26に対応する先読み指定コマンドである場合には、第2保留記憶領域にある第5記憶領域から順に空いている記憶領域を検索していき、空いている記憶領域にある始動記憶領域に決定した保留表示データをセットする。これにより、演出表示装置40には、第1保留(U1)および第2保留(U2)の現在の個数が表示されることとなる。
なお、本実施形態では、先読み指定コマンドに入賞した始動入賞口に係る情報および入賞時の保留数に係る情報を含ませるものとしたが、これらの情報を上記始動入賞指定コマンドとして生成し、先読み指定コマンドとは別に送信するものとしてもよい。
(ステップS3200)
次に、サブCPU200aは、保留変化演出第1次処理を実行する。この保留変化演出第1次処理では、先読み指定コマンド(先読みA指定コマンド、先読みB指定コマンド)に基づいて、保留変化演出を実行するか否かが決定される。
本実施形態における保留変化演出は、保留球として記憶された保留(これを、「当該保留」という)についての変動演出が実行されるときに、当該保留に係る保留表示の態様(つまり、「保留0」に係る保留表示である処理保留表示47の表示態様)を変化させたり、当該保留に係る保留表示(処理保留表示47)に対して何らかのアクションを加えたり(保留表示の態様を変化させるためにキャラクタを出現させたり、エフェクトを発生させたりすることを意味する)する演出のことをいう。すなわち、ここでいう保留変化演出では、当該保留が保留(保留1〜4または保留5〜8の間)として記憶されている間には実行されず、当該保留が消化されるとき(つまり、保留0になったとき)に実行される。
なお、当該保留が保留0となったことを示す表示であれば、処理保留表示47に限られない。例えば、処理保留表示47とは別に、当該保留についての期待値(大当たりに当選している可能性の高さ)を示唆する演出画像等の表示対象を設けて、この表示対象についての態様を変化させたり、この表示対象に上記した何らかのアクションを加えたりするものであってもよい。
さらに、当該保留が保留として記憶されている間に、保留表示の態様を変化させる先読み演出を別途実行させるものとしてもよい。当該先読み指定コマンドに係る保留が処理されるまでに、複数個の保留を使って連続的にあるいは断続的に関連した一連の内容の演出から構成された演出、例えば、複数個の保留を使って一話から数話まで発展するようなストーリー仕立ての演出などを実行させるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、先読み指定コマンドに入賞した始動入賞口に係る情報および入賞時の保留数に係る情報を含ませるものとしたが、これらの情報を上記始動入賞指定コマンドとして生成し、先読み指定コマンドとは別に送信するものとしてもよい。
(ステップS3005)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄決定コマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが図柄決定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3006に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが図柄決定コマンドであると判定された場合には、ステップS3050に処理を移す。
(ステップS3050)
次に、サブCPU200aは、受信した図柄決定コマンドの内容に基づいて、演出表示装置40,41,42に停止表示させる演出図柄48を決定する演出図柄決定処理を行う。なお、本実施形態では、演出図柄48のうち、左演出図柄48aは、第1演出表示装置41(表示画面41a)に表示され、中演出図柄48bは、中央演出表示装置40(表示画面40a)に表示され、右演出図柄48cは、第2演出表示装置42(表示画面42a)に表示される場合もあれば、演出図柄48a,48b,48cが中央演出表示装置40に表示される場合もある(特定の遊技モードや特定の演出時にこれらの切り替えが可能となっている)。
具体的には、図柄決定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄48の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、演出図柄データを示す情報をサブRAM200cの送信バッファにセットする。
(ステップS3006)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3007に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであると判定された場合には、ステップS3200に処理を移す。
(ステップS3300)
次に、サブCPU200aは、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、演出表示装置40等において実行される変動演出の内容(演出態様)を決定する変動演出設定処理を実行する。
具体的には、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する処理を行う。その後、かかる演出パターンに基づいて、演出表示装置40,41,42、駆動装置51,52、演出役物装置55、スピーカ11,12、演出操作装置60(LED60b)等が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄48の変動態様が決定されることとなる。
(ステップS3060)
次に、サブCPU200aは、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域に記憶されている保留表示データと始動入賞指定コマンドに対応するデータとをシフトさせ、シフトした後の保留表示データの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信する保留表示態様更新処理を行う。
具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域の順番に、それぞれの記憶領域にある表示記憶領域、始動記憶領域のデータを1つ前の記憶領域にシフトさせる。
例えば、第2記憶領域のデータは第1記憶領域にシフトさせ、第3記憶領域のデータは第2記憶領域にシフトさせ、第4記憶領域のデータは第3記憶領域にシフトさせる。ここで、第4記憶領域のデータをシフトさせた後には、新たな第4記憶領域にはブランクデータがセットされ、第4記憶領域のデータがクリアされる。そして、第1保留記憶領域の第1記憶領域の始動記憶領域の保留表示データは、1つ前の記憶領域、すなわち、第0記憶領域の始動記憶領域にシフトさせる。
これにより、演出表示装置40には、シフトした後の第1保留(U1)および第2保留(U2)の個数が表示されることとなる。
(ステップS3400)
次に、サブCPU200aは、保留変化演出第2次処理を実行する。この保留変化演出第2次処理では、必要に応じて保留変化演出の内容の一部が差し替えられるとともに、保留変化演出を実行させるための保留変化演出実行コマンドが生成される。
(ステップS3007)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3008に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであると判定された場合には、ステップS3070に処理を移す。
(ステップS3070)
次に、サブCPU200aは、演出図柄48を停止表示させるために、上記ステップS3050で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM200cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
(ステップS3008)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3009に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであると判定された場合には、ステップS3080に処理を移す。
(ステップS3080)
次に、サブCPU200aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を遊技状態記憶領域に記憶する(遊技状態設定処理)。これにより、現在の遊技状態を副制御基板200側にて認識することが可能となる。
(ステップS3009)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドではないと判定された場合には、ステップS3010に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであると判定された場合には、ステップS3090に処理を移す。
(ステップS3090)
次に、サブCPU200aは、大当たり遊技または小当たり遊技の開始演出の内容(演出態様)を決定する特別遊技開始演出決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドおよび当該大当たりまたは小当たりに係る演出図柄(上記ステップS3050の演出図柄決定処理において決定した演出図柄)に基づいて特別遊技開始演出パターンを決定し、決定した特別遊技開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した特別遊技開始演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定した特別遊技開始演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
(ステップS3010)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、ラウンド遊技開始コマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド遊技開始コマンドではないと判定された場合には、ステップS3011に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド遊技開始コマンドであると判定された場合には、ステップS3100に処理を移す。
(ステップS3100)
次に、サブCPU200aは、大当たり遊技中における演出の内容(演出態様)を決定する大当たり演出決定処理を行う。
具体的には、ラウンド遊技開始コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。ここでいう、ラウンド遊技開始コマンドに基づく大当たり演出パターンには、例えば、ラウンド遊技ごとの演出態様や複数のラウンド遊技間を跨ぐ演出態様などが含まれる。
(ステップS3011)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを判定する。
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドではないと判定された場合には、コマンド解析処理を終了し、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであると判定された場合には、ステップS3110に処理を移す。
(ステップS3110)
次に、サブCPU200aは、大当たり遊技または小当たり遊技の終了演出の内容(演出態様)を決定する特別遊技終了演出決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて特別遊技終了演出パターンを決定し、決定した特別遊技終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した特別遊技終了演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定した特別遊技終了演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
次に、図40を用いて、保留変化演出第1次処理について説明する。
(ステップS3201)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS2100で更新された保留変化演出抽選用乱数値、変化方法抽選用乱数値、大枠A抽選用乱数値、大枠B抽選用乱数値、ブロックA用振分抽選用乱数値(ブロックA1用振分抽選用乱数値、ブロックA2用振分抽選用乱数値、ブロックA3用振分抽選用乱数値)、ブロックB用振分抽選用乱数値(ブロックB1用振分抽選用乱数値、ブロックB2用振分抽選用乱数値、ブロックB3用振分抽選用乱数値、ブロックB4用振分抽選用乱数値)、ブロックC用振分抽選用乱数値(ブロックC1用振分抽選用乱数値、ブロックC2用振分抽選用乱数値)、詳細演出態様抽選用乱数値、追加演出抽選用乱数値、特殊保留変化抽選用乱数値、の各乱数値を取得する。
(ステップS3202)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されている先読み指定コマンドの種別が先読みA指定コマンドであるか否かを判定する。言い換えれば、サブCPU200aにおいても不定値に基づく先読み指定コマンドであるか否かが判定されることとなる。
このとき、先読みA指定コマンドであると判定された場合には、ステップS3205に処理を移し、先読みA指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS3203に処理を移す。
(ステップS3203)
次に、サブCPU200aは、サブ変動展開抽選を実行する。このサブ変動展開抽選は先読みB指定コマンドに基づいて実行される抽選である。このサブ変動展開抽選においてサブCPU200aは、まず先読みB指定コマンドの内容を解析する。そして、この解析結果に基づいて、変動演出パターンを決定する。この変動演出パターンの決定方法については、後述する変動演出設定処理(図42)における前半変動演出決定処理および後半変動決定処理と同様である。これは、上述した通り、先読み指定コマンドの種別が先読みB指定コマンドである場合には、事前判定処理が行われる時点と、変動演出パターン決定処理が行われる時点と、において、保留数の状況等により変動演出の内容(特には変動時間)が変わってしまうことが無いことに基づいている。すなわち、副制御基板200側においても、変動演出設定処理の時点で行われる変動演出パターンの決定を、先読み演出設定処理の時点で先に決めてしまう(事前に決定してしまう)ものとしても、変動演出設定処理の時点で変動演出パターンを変える必要が無いからである。言い換えれば、先読みB指定コマンドの場合には、先読み演出設定処理の時点と、変動演出設定処理の時点と、において、保留球の状況等に関わらず変動時間が変わらないため、先読み演出設定処理の時点で決定した変動演出パターンを、変動演出設定処理においてそのまま採用することが可能となるのである。
(ステップS3204)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3203の抽選結果(変動演出パターンに係る情報)を当該先読みB指定コマンドに係る当該保留の記憶されている記憶領域にある始動記憶領域に記憶させる。このとき、サブCPU200aは、当該始動記憶領域に上記抽選結果が「本結果」であることを示す情報(以下、単に「本結果」という)も記憶させる。この「本結果」とは、先読み演出設定処理の時点で決定した変動演出パターンではあるが、変動演出設定処理の時点でも採用することができる変動演出パターンであることを示す情報のことを意味する。
このように上記抽選結果および本結果を始動記憶領域に記憶させることにより、保留表示態様更新処理において各記憶領域のデータがシフトするときに、この抽選結果および本結果も共にシフトされていくものとすることができる。
なお、上記抽選結果として記憶させる情報は、変動演出パターンを実行するためのデータ、変動演出パターンそのものであってもよい。また、この抽選結果に本結果であることを示す情報(識別子などを含む)を含ませるものとしてもよい。
(ステップS3205)
次に、サブCPU200aは、ダミー変動展開処理を実行する。このダミー変動展開処理は先読みA指定コマンドに基づいて実行される抽選である。このダミー変動展開処理においてサブCPU200aは、まず先読みA指定コマンドの内容を解析する。具体的には、当該先読指定コマンドが先読み用ダミーコマンドであることを確認し、この解析結果に基づいて、ダミー用変動演出パターンを決定する。このダミー用変動演出パターンは、変動演出に係る時間が「2秒」に設定されたハズレとなる変動演出パターンが対応付けられている。
また、詳細は後述するが、ダミー用変動演出パターンは、実際に行われる変動演出パターンではないため(変動演出設定処理において最終的に決定される変動演出パターンとは異なるため)、少なくとも1種類設けておけばよい。上述した通り、先読み指定コマンドの種別が先読みA指定コマンドである場合には、事前判定処理が行われる時点と、変動演出パターン決定処理が行われる時点と、において、保留数の状況等により変動演出の内容(特には変動時間)が変わってしまうことがある。このため、副制御基板200側において、先読み演出設定処理の時点で先に決めたダミー変動演出パターンは、変動演出設定処理の時点で決定される変動演出パターンと、変動時間が変わってしまう可能性があるため、ダミー変動演出パターンをそのまま変動演出設定処理において採用することはできない。よって、本実施形態では、ダミー用変動演出パターンは、後述する変動演出設定処理において破棄されるものとなっている。
このように、先読みA指定コマンドの場合には、副制御基板200側において先読み演出設定処理の時点で、変動演出設定処理の時点で行われる変動演出パターンの決定を事前に行うことができない(先読み演出設定処理において決定した変動演出パターンをそのまま変動演出設定処理における変動演出パターンとして採用することができない)が、本実施形態では、ダミー変動演出パターンを決めることにより、あたかも先読みB指定コマンドを受信した場合と同様の扱いをすることを可能としている。
(ステップS3206)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3205の決定結果(ダミー用変動演出パターンに係る情報)を当該先読みA指定コマンドに係る当該保留の記憶されている記憶領域にある始動記憶領域に記憶させる。このとき、サブCPU200aは、当該始動記憶領域に上記決定結果が「ダミー結果」であることを示す情報(以下、単に「ダミー結果」という)も記憶させる。この「ダミー結果」とは、先読み演出設定処理の時点で決定した変動演出パターンであって、変動演出設定処理の時点では採用することのできない変動演出パターンであることを示す情報のことを意味する。
このように上記決定結果およびダミー結果を始動記憶領域に記憶させることにより、保留表示態様更新処理において各記憶領域のデータがシフトするときに、この決定結果およびダミー結果も共にシフトされていくものとすることができる。
なお、上記決定結果として記憶させる情報は、ダミー用変動演出パターンであることを示す情報であってもよいし、ダミー用変動演出パターンそのものであってもよい。また、この決定結果にダミー結果であることを示す情報(識別子などを含む)を含ませるものとしてもよい。
(ステップS3250)
次に、サブCPU200aは、保留変化演出を実行するか否かを抽選により決定し、保留変化演出を実行する場合には、その内容の詳細を決定する処理(保留変化演出抽選処理)を実行する。
このように、本実施形態では、上記ステップS3203におけるサブ変動展開抽選および上記ステップS3205におけるダミー変動展開処理により、先読みB指定コマンドおよび先読みA指定コマンドのそれぞれに基づいて何らかの変動演出パターンを決定することができる。これにより、不定値に基づく先読みA指定コマンドであっても、保留変化演出抽選処理の対象として取り扱うことができる。
なお、上記ステップS3203〜ステップS3204における抽選結果および上記ステップS3205〜ステップS3206における決定結果に基づいて、複数個の保留を使って先読み演出を実行可能な構成を付加してもよい。
次に、図41を用いて、保留変化演出抽選処理について説明する。
(ステップS3251)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS3201で取得した保留変化演出抽選用乱数値と、図44に示す限界値抽選テーブルと、に基づいて、保留変化演出が実行されるか否か、さらに保留変化演出が実行される場合には、当該保留変化演出における限界値(LV××で示される、「××」には1〜30までの自然数が入る)を決定する。この限界値とは、保留変化演出の最終的な変化態様(保留変化演出において最終的に到達する態様)を決定するための数値のことをいう。
この限界値抽選テーブルには、大当たり用限界値抽選テーブル(図44(a))と、ハズレ用限界値抽選テーブル(図44(b))と、が設けられており、何れのテーブルにおいても、限界値が設定されない場合があるものとなっている。具体的には、大当たり用限界値抽選テーブルにおいては保留変化演出抽選用乱数値が0〜9の場合、また、ハズレ用限界値抽選テーブルにおいては保留変化演出抽選用乱数値が0〜49の場合には限界値が設定されない。したがって、これらに該当した場合には、後述するステップS3252において保留変化演出が実行されないと判定されるようになっている。このため、限界値抽選は、保留変化演出実行抽選ということもできる。
また、大当たり用限界値抽選テーブルでは、ハズレ用限界値抽選テーブルにおいては設定されることのない限界値(LV7,LV17,LV27)を設けている。このようにしているのは、例えば、これらの限界値(LV7,LV17,LV27)が設定された場合には、大当たりに当選していることが確定するという要素を持たせる目的からである。これにより、パチンコ機Pでの遊技に熟練してきた遊技者が、このパチンコ機Pにおける遊技の経験則等から、最終的に到達した限界値を見て大当たりの当選を確信することが可能になるといった密かな面白みを付与することができる。
なお、本実施形態では、設定され得る限界値として、LV5,LV7,LV10,LV15,LV17,LV20,LV25,LV27,LV30の9種類を設けているが、これに限られない。例えば、LV1〜LV30までの間で、限界値を等間隔(例えば、「1」ずつ)で設けておいてもよいし、ランダムに限界値を設けておいてもよい。少なくとも複数種類の限界値が設定され得るものであれば、適宜設けておくものでよい。また、大当たり用限界値抽選テーブルとハズレ用限界値抽選テーブルとにおいて、設定され得る限界値を全て同じにしてもよい(本実施形態のように一部異なるものを設けなくともよい)。
(ステップS3252)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3251の結果として、保留変化演出を実行することが決定したか否かを判定する。すなわち、上記ステップS3251の限界値抽選において、何らかの限界値が設定されたか否かが判定される。
このとき、保留変化演出を実行することが決定しなかった場合(限界値が設定されなかった場合)には、保留変化演出抽選処理を終了し、保留変化演出を実行することが決定した場合(限界値が設定された場合)には、ステップS3253に処理を移す。
(ステップS3253)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3201で取得した変化方法抽選用乱数値と、図45に示す変化方法抽選テーブルと、に基づいて、上記ステップS3251において設定された限界値を、保留変化演出における各パート(Aパート、Bパート、Cパート)にどのように割り振るかの方法(割り振り方法)を決定する。そして、この割り振り方法には、図45に示すように、「シナリオ」または「下り抽選」が設けられている。
本実施形態では、保留変化演出は、1つの変動演出の間に行われる演出であって、演出の進行順に、Cパート、Bパート、Aパートに分けられている。
Cパートは、変動演出の開始からリーチ状態が成立する前までの期間のことをいう。
また、Bパートは、リーチ状態の成立からスーパーリーチ(以下、「SPリーチ」という)に発展する前までの期間のことをいう。なお、このBパートには、リーチ状態に類する状態である、擬似連続演出が実行されている状態も含むものとしている。
そして、Aパートは、SPリーチ発展以降の期間のことをいう。
詳細は後述するが、上記Aパート、Bパート、Cパートの各パートは、それぞれ、さらに複数のブロックから構成されており、変化方法が「シナリオ」になった場合には、当該パートに割り振られた限界値を上限とする割り振り値を、さらに当該パートを構成するブロックにどのように割り当てていくかが予め定められた割り当てパターンに従って、当該パートに割り振られた割り振り値を振り分ける処理が行われる。
また、変化方法が「下り抽選」になった場合には、当該パートに割り振られた限界値を上限とする割り振り値を、当該パートを構成する最後のブロック(演出の進行順における最後のブロック)から遡って、振り分けていく抽選(これを「下り抽選」という)を行い、この下り抽選の結果に基づいて当該パートに割り振られた割り振り値を振り分ける処理が行われる。
なお、本実施形態では、変化方法抽選テーブルは、1種類しか設けていないが、上述した限界値抽選テーブル(図44参照)と同様に、大当たり用の変化方法抽選テーブル、ハズレ用の変化方法抽選テーブル等を設けるものとしてもよい。
(ステップS3254)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3201で取得した大枠A抽選用乱数値、大枠B抽選用乱数値、および、図46に示す大枠抽選テーブルに基づいて、上記ステップS3251で設定された限界値を、Aパート、Bパート、Cパートの各パートにそれぞれ割り振る抽選(大枠抽選)を実行する。そして、この大枠抽選では、Aパート、Bパート、Cパートの各パートに割り振る割り振り値が決定される。
大枠抽選テーブルは、上記ステップS3251にて設定され得る限界値の種類(本実施形態では9種類)だけ設けられているとともに、さらにそれぞれ、大当たり用の大枠抽選テーブル(「大当たり時大枠抽選テーブル」という)と、ハズレ用の大枠抽選テーブル(「ハズレ時大枠抽選テーブル」という)と、が設けられている。したがって、本実施形態では、大枠抽選テーブルは、合計で18種類設けられている。
図46では、限界値が5に設定された場合に参照される大枠抽選テーブルのうち、大当たり時大枠抽選テーブル(一部抜粋)を一例として挙げ、これについて説明する。
限界値が5に設定された場合の大当たり時大枠抽選テーブルには、図46(A1)に示す限界値5用大当たり時大枠A抽選テーブルと、図46(B1)に示す残り割り振り値5用大当たり時大枠B抽選テーブルと、図46(B2)に示す残り割り振り値4用大当たり時大枠B抽選テーブルと、図46(B3)に示す残り割り振り値3用大当たり時大枠B抽選テーブルと、図46(B4)に示す残り割り振り値2用大当たり時大枠B抽選テーブルと、図46(B5)に示す残り割り振り値1用大当たり時大枠B抽選テーブルと、が設けられている。
本実施形態では、Aパート、Bパート、Cパートのうち、Aパートから割り振り値を決定していくものとしているため、限界値が5に設定された場合の大当たり時大枠A抽選テーブル(限界値5用大当たり時大枠A抽選テーブル)は、図46(A1)に示す1種類のみとなっている。
そして、Aパートに割り振られた割り振り値(これを、「A割り振り値」という)を限界値から引いた残りの割り振り値(残り割り振り値)がBパート、次いでCパートに割り振られることとなる。このため、Bパートに対する大当たり時大枠B抽選テーブルは、この残り割り振り値に対応して上記5種類が設けられている。
さらに、Bパートに残り割り振り値が割り振られた後に、さらに残り割り振り値が未だある場合には、これがCパートに割り振られるようになっている。このため、Cパートに対する大枠抽選テーブル(大当たり時大枠C抽選テーブル)は設けられていない。
このように、本実施形態では、保留変化演出における演出順では最後のパートであるAパート(SPリーチ発展以降の期間)から先に(優先的に)限界値を上限とする割り振り値を決定していくものとしているため、例えば、Aパートに限界値全てが割り振られる場合もあるようになっている。これにより、保留変化演出の後半において限界値に急激に近づいていく演出態様(後述するメーターMTのレベルが急激に上昇するような演出態様)が作り出されやすくなっている。
以上の内容を踏まえて、大枠抽選の具体的な流れを説明すると、まず、サブCPU200aは、上記ステップS3251において設定された限界値に対応する大当たり時大枠A抽選テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS3201で取得した大枠A抽選用乱数値と、に基づいて、Aパートに割り振るA割り振り値(上記限界値を上限とする)を決定する。
次いで、サブCPU200aは、Aパートに割り振られたA割り振り値を限界値から減算した残りの割り振り値a(残り割り振り値a)に対応する大当たり時大枠B抽選テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS3201で取得した大枠B抽選用乱数値と、に基づいてBパートに割り振るB割り振り値(残り割り振り値aを上限とする)を決定する。
なお、Aパートに限界値全てが割り振られた場合には、残り割り振り値aが「0」となるため、Bパートに対するB割り振り値の決定は行われない(つまり、BパートおよびCパートには割り振り値が無いことが決定する)。
最後に、サブCPU200aは、残り割り振り値aから、Bパートに割り振られたB割り振り値を減算した結果をCパートに割り振るC割り振り値として決定する。
なお、AパートおよびBパートにおいて、限界値全てが割り振られた場合(残り割り振り値aが既に「0」になっている場合)には、Cパートに対するC割り振り値の決定は行われない(つまり、Cパートには割り振り値が無いことが決定する)。
(ステップS3255)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3201で取得したブロックA用振分抽選用乱数値(ブロックA1用振分抽選用乱数値、ブロックA2用振分抽選用乱数値、ブロックA3用振分抽選用乱数値)と、図47に示すAパート内振分抽選テーブルと、に基づいて、Aパートに割り振られたA割り振り値を、さらに、Aパートを構成するブロックA1、ブロックA2、ブロックA3、ブロックA4のそれぞれに振り分ける抽選(Aパート内振分抽選)を実行する。
図47では、Aパート内振分抽選テーブル(一部抜粋)の一例として、Aパートに割り振られたA割り振り値が5の場合に参照されるAパート内振分抽選テーブルについて説明する。なお、このAパート内振分抽選テーブルについても、上述した限界値抽選テーブル(図44参照)と同様に、大当たり用のAパート内振分抽選テーブル、ハズレ用のAパート内振分抽選テーブル等を設けるものとしてもよい。
Aパートに割り振られたA割り振り値が5の場合に参照されるAパート内振分抽選テーブルには、図47(A1)に示すA割り振り値5用A1振分抽選テーブルと、図47(B1)に示す残り振分値5用A2振分抽選テーブルと、図47(B2)に示す残り振分値4用A2振分抽選テーブルと、図47(B3)に示す残り振分値3用A2振分抽選テーブルと、図47(B4)に示す残り振分値2用A2振分抽選テーブルと、図47(B5)に示す残り振分値1用A2振分抽選テーブルと、図47(C1)に示す残り振分値5用A3振分抽選テーブルと、図47(C2)に示す残り振分値4用A3振分抽選テーブルと、図47(C3)に示す残り振分値3用A3振分抽選テーブルと、図47(C4)に示す残り振分値2用A3振分抽選テーブルと、図47(C5)に示す残り振分値1用A3振分抽選テーブルと、が設けられている。
また、本実施形態では、ブロックA1〜ブロックA4のうち、ブロックA1からA割り振り値の振り分けを決定していくものとしているため、Aパートに割り振られたA割り振り値が5の場合に参照されるブロックA1用の振分抽選テーブル(A割り振り値5用A1振分抽選テーブル)は、図47(A1)の1種類のみとなっている。
これに対し、ブロックA2およびブロックA3について振り分ける各振分値の決定は、ブロックA1に振り分けられるA1振分値(A割り振り値を上限とする振分値)が決定した後に行われるものであるため、ブロックA2用の振分抽選テーブル(A2振分抽選テーブル)は、この例(A割り振り値が5の場合)では、図47(B1)〜(B5)に示す5種類、同様に、ブロックA3用の振分抽選テーブル(A3振分抽選テーブル)も、この例(A割り振り値が5の場合)では、図47(C1)〜(C5)に示す5種類だけ設けられている。そして、ブロックA1〜ブロックA3にA割り振り値が振り分けられたときに、このA割り振り値の残りが未だある場合(A割り振り値が全て割り振られていない場合)には、これがブロックA4に振り分けられるようになっている。このため、ブロックA4に対する振分抽選テーブル(A4振分抽選テーブル)は設けられていない。このような構成は、上述した大枠抽選におけるテーブル(大枠A抽選テーブル、大枠B抽選テーブル)および割り振り方法と同様である。
そして、Aパート内振分抽選の具体的な流れを説明すると、まず、サブCPU200aは、上記ステップS3254においてAパートに割り振られたA割り振り値に対応するブロック1用の振分抽選テーブル(A1振分抽選テーブル)を選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックA1用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックA1に振り分けるA1振分値を決定する。
次いで、サブCPU200aは、A割り振り値から、ブロックA1に振り分けられたA1振分値を減算した残り振分値a1に対応するA2振分抽選テーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックA2用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックA2に振り分けるA2振分値を決定する。
なお、ブロックA1にA割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値a1が「0」であるため、ブロックA2〜ブロックA4に対するA2振分値〜A4振分値の決定は行われない(つまり、ブロックA2〜ブロックA4には振分値が無いことが決定する)。
さらにその次に、サブCPU200aは、残り振分値a1から、ブロックA2に振り分けられたA2振分値を減算した残り振分値a2に対応するA3振分抽選テーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックA3用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックA3に振り分けるA3振分値を決定する。
なお、ブロックA1およびブロックA2にA割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値a2が「0」であるため、ブロックA3〜ブロックA4に対するA3振分値〜A4振分値の決定は行われない(つまり、ブロックA3〜ブロックA4には振分値が無いことが決定する)。
最後に、サブCPU200aは、残り振分値a2から、ブロックA3に振り分けられたA3振分値を減算した残り振分値a3がある場合(残り振分値a3が「0」ではない場合)には、これをブロックA4に振り分けるA4振分値として決定する。
なお、ブロックA1〜ブロックA3にA割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値a3が「0」であるため、ブロックA4に対するA4振分値の決定は行われない(つまり、ブロックA4には振分値が無いことが決定する)。
(ステップS3256)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3201で取得したブロックB用振分抽選用乱数値(ブロックB1用振分抽選用乱数値、ブロックB2用振分抽選用乱数値、ブロックB3用振分抽選用乱数値、ブロックB4用振分抽選用乱数値)と、Bパート内振分抽選テーブル(図示しない)と、に基づいて、Bパートに割り振られたB割り振り値を、さらに、Bパートを構成するブロックB1、ブロックB2、ブロックB3、ブロックB4、ブロックB5のそれぞれに振り分ける抽選(Bパート内振分抽選)を実行する。
なお、本ステップS3256におけるBパート内振分抽選についても、上述したAパート内振分抽選(ステップS3255)と同様の処理が行われるため、詳細な図示等は省略し、簡単に説明する。
Bパート内振分抽選において参照される振分抽選テーブルには、Bパートに割り振られたB割り振り値ごとに参照されるブロックB1用の振分抽選テーブル(B1振分抽選テーブル)が設けられており、このB1振分抽選テーブルに対応して、ブロックB2用の振分抽選テーブル(B2振分抽選テーブル)〜ブロックB5用の振分抽選テーブル(B5振分抽選テーブル)までが設けられている。
また、Bパート内振分抽選の具体的な流れについても、上記Aパート内振分抽選と同様である。
まず、サブCPU200a、Bパートに割り振られたB割り振り値に対応するB1振分抽選テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックB1用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックB1に振り分けるB1振分値を決定する。
次いで、サブCPU200aは、B割り振り値から、ブロックB1に振り分けられたB1振分値を減算した残り振分値b1に対するB2振分抽選テーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックB2用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックB2に振り分けるB2振分値を決定する。
なお、ブロックB1にB割り振り値の全てが割り振られた場合には、残り振分値b1が「0」であるため、ブロックB2〜ブロックB5に対するB2振分値〜B5振分値の決定は行われない(つまり、ブロックB2〜ブロックB5には振分値が無いことが決定する)。
さらにその次に、サブCPU200aは、残り振分値b1から、ブロックB2に振り分けられたB2振分値を減算した残り振分値b2に対するB3振分抽選テーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックB3用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックB3に振り分けるB3振分値を決定する。
なお、ブロックB1およびブロックB2にB割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値b2が「0」であるため、ブロックB3〜ブロックB5に対するB3振分値〜B5振分値の決定は行われない(つまり、ブロックB3〜ブロックB5には振分値が無いことが決定する)。
次いで、サブCPU200aは、残り振分値b2から、ブロックB3に振り分けられたB3振分値を減算した残り振分値b3に対するB4振分抽選テーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックB4用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックB4に振り分けるB4振分値を決定する。
なお、ブロックB1〜ブロックB3にB割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値b3が「0」であるため、ブロックB4〜ブロックB5に対するB4振分値〜B5振分値の決定は行われない(つまり、ブロックB4〜ブロックB5には振分値が無いことが決定する)。
最後に、サブCPU200aは、残り振分値b3から、ブロックB4に振り分けられたB4振分値を減算した残り振分値b4がある場合には、これをブロックB5に振り分けるB5振分値として決定する。
なお、ブロックB1〜ブロックB4にB割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値b4が「0」であるため、ブロックB5に対するB5振分値の決定は行われない(つまり、ブロックB5には振分値が無いことが決定する)。
(ステップS3257)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3201で取得したブロックC用振分抽選用乱数値(ブロックC1用振分抽選用乱数値、ブロックC2用振分抽選用乱数値)と、Cパート内振分抽選テーブル(図示しない)と、に基づいて、Cパートに割り振られたC割り振り値を、さらに、Cパートを構成するブロックC1、ブロックC2、ブロックC3のそれぞれに振り分ける抽選(Cパート内振分抽選)を実行する。
なお、本ステップS3257におけるCパート内振分抽選についても、上述したAパート内振分抽選(ステップS3255)およびBパート内振分抽選(ステップS3256)と同様の処理が行われるため、詳細な図示等は省略し、簡単に説明する。
Cパート内振分抽選において参照される振分抽選テーブルには、Cパートに割り振られたC割り振り値ごとに参照されるブロックC1用の振分抽選テーブル(C1振分抽選テーブル)が設けられており、このC1振分抽選テーブルに対応して、ブロックC2用の振分抽選テーブル(C2振分抽選テーブル)が設けられている。
また、Cパート内振分抽選の具体的な流れについても、上記Aパート内振分抽選およびBパート内振分抽選と同様である。
まず、サブCPU200a、Cパートに割り振られたC割り振り値に対応するC1振分抽選テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックC1用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックC1に振り分けるC1振分値を決定する。
次いで、サブCPU200aは、C割り振り値から、ブロックC1に振り分けられたC1振分値を減算した残り振分値c1に対するC2振分抽選テーブルと、上記ステップS3201で取得したブロックC2用振分抽選用乱数値と、に基づいてブロックC2に振り分けるC2振分値を決定する。
なお、ブロックC1にC割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値c1が「0」であるため、ブロックC2〜ブロックC3に対するC2振分値〜C3振分値の決定は行われない(つまり、ブロックC2〜ブロックC3には振分値が無いことが決定する)。
最後に、サブCPU200aは、残り振分値c1から、ブロックC2に振り分けられたC2振分値を減算した残り振分値c2がある場合には、これをブロックC3に割り振るC3振分値として決定する。
なお、ブロックC1〜ブロックC2にC割り振り値全てが割り振られた場合には、残り振分値c2が「0」であるため、ブロックC3に対するC3振分値の決定は行われない(つまり、ブロックC3には振分値が無いことが決定する)。
(ステップS3258)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3255〜ステップS3257において、各パートのブロック毎に振り分けられた振分値に基づいて、この各ブロックに該当させる(当てはめる)演出態様を決定する抽選(詳細演出抽選)を実行する。
具体的には、上記ステップS3201において取得した詳細演出態様抽選用乱数値と、ブロック毎に発生可能な演出態様を決定するためのブロック別演出態様決定テーブル(図示しない)と、に基づいて、各ブロックに該当させる演出態様(ブロック毎の演出パターン)を決定する。
ここで、各ブロックに該当させる演出態様とは、各ブロックの所要時間に対応するブロック単位の演出パターンであって、この所要時間内に完結する形態の演出パターンのことをいう。以下では、このブロック単位の演出パターンのことを「ブロック演出パターン」という。例えば、あるブロックの所要時間が3秒であるとすると、この3秒を単位とするブロック演出パターンが複数種類用意されており、この中から1つのブロック演出パターンが、当該ブロックに該当させるブロック演出パターンとして決定されることになる。
また、本実施形態では、ブロックAと、ブロックBと、ブロックCと、の全てにおいて発生可能なブロック演出パターンと、これらのブロックの何れかでしか発生しないブロック演出パターンと、が設けられている。また、一部のブロック演出パターンには、特定の演出(特定SPリーチ演出)でしか発生しないものも含まれている。このため、本実施形態では、後述する保留変化演出第2次処理(図43)において、本ステップS3258において決定したブロック演出パターンを変更することが可能な構成としている。
(ステップS3259)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されている先読み指定コマンドが保留0以外であるか否かを判定する。すなわち、当該保留となった時点が保留0であるか否か(つまり、保留が1つも無い状態で当該保留が記憶されたか否か)が判定される。
このとき、保留0以外ではない(保留0である)と判定された場合には、ステップS3263に処理を移し、保留0以外である(保留0ではない、つまり、保留1〜4または保留5〜8の何れかである)と判定された場合には、ステップS3260に処理を移す。
(ステップS3260)
次に、サブCPU200aは、追加演出抽選を実行する。この追加演出抽選では、保留変化演出が実行される当該保留が保留0になるまでの間、つまり、当該保留が保留1〜4または保留5〜8である場合において行われる演出であって、保留変化演出が実行されるかもしれないことを煽る演出(以下、「あおり演出」という)を実行するか否かが決定される。
具体的には、サブCPU200aは、上記ステップS3201において取得した追加演出抽選用乱数値と、図48に示す追加演出抽選テーブルと、に基づいて、あおり演出を実行するか否かを決定する。
追加演出抽選テーブルには、大当たり用追加演出抽選テーブル(図48(a))と、ハズレ用追加演出抽選テーブル(図48(b))と、が設けられており、何れのテーブルにおいても、追加演出が実行されない場合が決定され得るものとなっている。具体的には、大当たり用追加演出抽選テーブルおよびハズレ用追加演出抽選テーブルにおいて追加演出抽選用乱数値が0〜39の場合には追加演出が実行されない。さらに、パターン4の追加演出パターンは、大当たり用追加演出抽選テーブルでのみ決定され得るものとなっている。このように構成している理由も、上記大当たり用限界値抽選テーブルにおいて説明した理由と同様に、パターン4の追加演出が実行された場合には、大当たりに当選していることが確定するという要素を持たせる目的からである。
(ステップS3261)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3251において設定された限界値が、LV30(つまり、限界値の上限値)であるか否かを判定する。
このとき、上限値であると判定された場合には、ステップS3263に処理を移し、上限値ではないと判定された場合には、ステップS3262に処理を移す。
(ステップS3262)
次に、サブCPU200aは、特殊保留変更抽選を実行する。この特殊保留変更抽選では、上記ステップS3251において設定された限界値が上限値未満である場合であっても、大当たりの当選に対する可能性が高いことを示唆する特殊保留表示に変更させるか否かが決定される。
具体的には、サブCPU200aは、上記ステップS3201において取得した特殊保留変更抽選用乱数値と、図49に示す特殊保留変更抽選テーブルと、に基づいて特殊保留表示に変更するか否かが決定される。
特殊保留変更抽選テーブルには、大当たり用特殊保留変更抽選テーブル(図49(a))と、ハズレ用特殊保留変更抽選テーブル(図49(b))と、が設けられている。そして、特殊保留表示に変更すると決定した場合には、予め決められたタイミング(Bパート終了時点、Aパートの途中)で特殊保留表示に変更させる変更演出パターンに差し替えられることとなる。
(ステップS3263)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3258にてそれぞれのブロックに該当させたブロック演出パターンから構成される保留変化演出パターンデータを生成する。また、上記ステップS3262において、特殊保留表示に変更することが決定している場合には、サブCPU200aは、予め決められたタイミング(Bパート終了時点、または、Aパートの途中)までは、上記ステップS3258にてそれぞれのブロックに該当させたブロック演出パターンをそのまま採用する一方、上記タイミング以降のブロック演出パターンを、特殊保留表示に変更する変更演出パターンに差し替えて、新たな保留変化演出パターンデータを生成する。
なお、保留変化演出パターンデータとは、保留変化演出を実行するための演出パターンに係るデータ(保留変化演出実行コマンドを生成するための情報と同意である)のことを意味する。
(ステップS3264)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3263において生成した保留変化演出パターンデータをサブRAM200c内に設けられた保留変化演出パターンデータ記憶領域に記憶させる。
本ステップS3264において、保留変化演出パターンデータが記憶されると、保留変化演出抽選処理が終了となる。
ここで、保留変化演出パターンデータを構成するブロック演出パターンが決定するまでの概要について、図53を参照して補足的に説明する。
保留変化演出抽選では、まず、限界値抽選により限界値が設定される(図53(A))。ここでは、限界値が「25」に設定されている。
次に、変化方法抽選が実行され、各パートに対する限界値の割り振り方法が決定される(図53(B))。ここでは、AパートおよびBパートが下り抽選、Cパートがシナリオに決定している。
次に、大枠抽選が実行され、限界値をどのように各パートに割り振るかが決定される(図53(C))。ここでは、Aパートの割り振り値が10、Bパートの割り振り値が9、Cパートの割り振り値が6に決定している。
次に、各パート内振分抽選(順番としては、Aパート内振分抽選⇒Bパート内振分抽選⇒Cパート内振分抽選の順に行われる)が実行され、各パート内における各ブロックに振り分けられる振分値が決定される(図53(D))。ここでは、ブロックA1の振分値が5、ブロックA4の振分値が3、ブロックA5の振分値が2、ブロックB2の振分値が3、ブロックB3の振分値が2、ブロックB5の振分値が4、ブロックC1の振分値が1、ブロックC2およびブロックC3を通した振分値が5に決定している。なお、Cパートは変化方法としてシナリオが決定している。シナリオの場合には、複数のブロック間を通した演出が実行され得るものとなっているため、図53(D)に示すように、ブロックC2およびブロックC3をまとめた複数ブロックに1つの振分値(ここでは、振分値が5)が決定する場合があるものとなっている。
次に、詳細演出態様抽選が実行され、各ブロックに対して、該当させるブロック演出パターンが決定される(図53(E))。具体的には、何れかの振分値が振り分けられたブロック(振分値が0であるブロック以外のブロック)に対して、そのブロックにおいて発生可能なブロック演出パターンの中から抽選にて1つのブロック演出パターンが決定される。
以上のようにして、保留変化演出抽選では、この保留変化演出を構成する各パートおよび、各パートを構成する各ブロックに対する振分値が決定され、この振分値が割り振られたブロックに該当させるブロック演出パターンが決定される。
さらに、特殊保留変更抽選において、特殊保留に変更することが決定した場合には、特殊保留に変更させるタイミングの前までは、図53(E)で決定したブロック演出パターンをそのまま採用し、上記タイミング以降のブロック演出パターンを、特殊保留に変更させる変更演出パターンに差し替えることにより、保留変化演出パターンが決定されることとなる。
次に、図42を用いて、変動演出設定処理について説明する。
(ステップS3301)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS2100で更新された変動演出用乱数値(変動演出A用乱数値、変動演出B用乱数値)を取得する。
(ステップS3302)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されている変動パターン指定コマンドを確認するとともに当該コマンドを解析する。ここで解析された結果に基づいて、ステップS3303以降の処理が行われる。
(ステップS3303)
次に、サブCPU200aは、当該保留に係る始動記憶領域に本結果が記憶されているか否かを判定する。
このとき、本結果が記憶されていると判定された場合には、ステップS3308に処理を移し、本結果が記憶されていないと判定された場合には、ステップS3304に処理を移す。
(ステップS3304)
次に、サブCPU200aは、当該保留に係る始動記憶領域にダミー結果が記憶されているか否かを判定する。
このとき、ダミー結果が記憶されていないと判定された場合には、ステップS3306に処理を移し、ダミー結果が記憶されていると判定された場合には、ステップS3305に処理を移す。
(ステップS3305)
次に、サブCPU200aは、決定結果(ダミー用変動演出パターン)を破棄する。本ステップS3305において決定結果が破棄されることにより、ダミー用変動演出パターンに基づく変動演出が実行されることはないものとなっている。
(ステップS3306)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3301において取得した変動演出A用乱数値と、上記ステップS3302における解析結果と、に基づいて、前半の変動演出の態様を決定する。
具体的には、変動パターン指定コマンドに含まれる変動モードコマンドの解析結果に基づいて、サブROM200bに格納されている複数の前半変動演出決定テーブル(図示しない)から1つのテーブルを選択する。このテーブルは、変動演出A用乱数値のとり得る乱数範囲内で対応付けられた複数の演出パターンから構成されている。この複数の演出パターンには、リーチ成立前までの演出態様が対応づけられている。したがって、当該テーブルと上記ステップS3301で取得した変動演出用乱数値とを照合させることにより1つの前半用の演出パターンを決定することができる。
(ステップS3307)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3301において取得した変動演出B用乱数値と、上記ステップS3302における解析結果に基づいて、後半の変動演出の態様を決定する。
具体的には、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの解析結果に基づいて、サブROM200bに格納されている複数の後半変動演出決定テーブル(図示しない)から1つのテーブルを選択する。このテーブルは、変動演出B用乱数値のとり得る乱数範囲内で対応付けられた複数の演出パターンから構成されている。この複数の演出パターンには、リーチ成立後から演出図柄停止までの演出態様が対応づけられている。したがって、当該テーブルと上記ステップS3301で取得した変動演出用乱数値とを照合させることにより1つの後半用の演出パターンを決定することができる。
(ステップS3308)
次に、サブCPU200aは、補足演出決定処理を実行する。この補足演出決定処理では、上記ステップS3204における抽選結果に基づく変動演出パターンにさらに新たな演出(例えば、ミニキャラ出現やステップアップなどの予告演出)を追加して実行させるか否かを、図示しない補足演出決定テーブルに基づいて決定する。
なお、本実施形態では、上記ステップS3204(保留変化演出第1次処理、図40参照)において、変動演出設定処理における上記ステップS3306および上記ステップS3307と同様の処理を行うものとしているため、本ステップS3308における補足演出決定処理では、上記ステップS3204における抽選結果に基づく変動演出パターンをそのまま採用することが可能である。このため、本ステップS3308では新たな追加の演出のみを決定するものとしているが、これに限られない。例えば、上記ステップS3204におけるサブ変動展開抽選では、変動演出パターンの大枠(例えば、変動演出の内容をスーパーリーチにするか否か、リーチアップさせる態様とするか否か、擬似連続演出の実行の可否や回数等)だけを決めておき、本ステップS3308において、変動演出の詳細な内容を決定する形態としてもよい。
(ステップS3309)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3306およびステップS3307において決定した前半用の演出パターンおよび後半用の演出パターンを、画像制御基板400およびランプ制御基板500に伝達すべく、前半用の演出パターンおよび後半用の演出パターンに基づいて演出実行コマンドを生成し、この演出実行コマンドをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
また、上記ステップS3303において本結果が記憶されていると判定された場合であって、上記ステップS3308において追加する演出が無いと決定しているときには、サブCPU200aは、上記ステップS3204における抽選結果に基づく変動演出パターンに基づいて演出実行コマンドを生成し、この演出実行コマンドをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
さらに、上記ステップS3308において追加する演出が有ると決定しているときには、サブCPU200aは、上記ステップS3204における抽選結果に基づく変動演出パターンと、上記ステップS3308において決定した追加する演出を実行するための追加演出パターンと、を含む演出実行コマンドを生成し、この演出実行コマンドをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
本ステップS3309において、上記演出実行コマンドがセットされると、変動演出設定処理が終了となる。
なお、上記演出実行コマンドが画像制御基板400およびランプ制御基板500に送信されると、この演出実行コマンドに基づいて演出表示装置40,41,42、駆動装置51,52、演出役物装置55、スピーカ11,12、演出操作装置60(LED60b)等が制御される。
次に、図43を用いて、保留変化演出第2次処理について説明する。
(ステップS3401)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS3309においてセットされた演出実行コマンドの内容を確認する。
(ステップS3402)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3401において確認した演出実行コマンドの内容が差し替え条件を満たすものであるか否かを判定する。本実施形態では、演出実行コマンドが「特定SPリーチ演出パターン」に基づくものである場合に、この「差し替え条件」を満たすものと判定するものとしている。
このとき、差し替え条件を満たさないと判定された場合には、ステップS3404に処理を移し、差し替え条件を満たすと判定された場合には、ステップS3403に処理を移す。
(ステップS3403)
次に、サブCPU200aは、保留変化演出パターンデータの内容の一部を差し替える処理(保留変化演出パターンデータ差し替え処理)を実行する。ここでは、特定SPリーチ演出パターンでは発生することのないブロック単位の演出パターンが含まれている場合に、これを、特定SPリーチ演出パターンにおいて発生するブロック単位の演出パターンに差し替えたうえで、保留変化演出パターンデータを再度生成する処理が実行される。
このように、本ステップS3403では、実際に実行される段階になってから、保留変化演出の内容の一部を変更することを可能としているため、事前に決定した保留変化演出の内容を、変動演出設定処理にて最終的に決定した変動演出パターンの内容に、より一層合わせた態様(変動演出と保留変化演出とがお互い、より一層マッチした態様)とすることができる。
言い換えれば、「差し替え条件」を設けることにより、変動演出設定処理にて最終的に決定した変動演出パターンと保留変化演出パターンとの整合性が合わない組み合わせとなるようなレアケースが発生してしまうような事態を回避することができる。すなわち、実行される変動演出の内容にそぐわない(または違和感を生じさせる可能性のある)保留変化演出が行われないようにすることができる。
なお、差し替え条件は、上述したように、演出実行コマンドが「特定SPリーチ演出パターン」に基づくものである場合に限られない。発生する割合の高い条件を設定したり、発生する割合の低い条件を設定したり、あるいは、複数の条件を設定したり、するなど、適宜決めるものであってもよい。
(ステップS3404)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3264において記憶された保留変化演出パターンデータ、または、上記ステップS3403において内容の一部が差し替えられた保留変化演出パターンデータの何れかに基づく保留変化演出パターンを、画像制御基板400およびランプ制御基板500に伝達すべく、保留変化演出実行コマンドを生成し、この保留変化演出実行コマンドをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
本ステップS3404において、上記保留変化演出実行コマンドがセットされると、保留変化演出第2次処理が終了となる。
なお、上記保留変化演出実行コマンドが画像制御基板400およびランプ制御基板500に送信されると、この演出実行コマンドに基づいて演出表示装置40,41,42、駆動装置51,52、演出役物装置55、スピーカ11,12、演出操作装置60(LED60b)等が制御される。
最後に、演出表示装置40(以下、「表示画面40a」という)において、保留変化演出が実行される場合の一例について、図50〜図52を参照して説明する。
図50(a)は、変動演出が開始された直後の様子を示している。このとき、演出図柄48(48a,48b,48c)は変動表示を開始しており、処理保留表示47は表示画面40aの右側方に移動して、メーターを模した形状の保留表示MT(以下、「メーターMT」という)に変化している。なお、メーターMTは、保留変化演出が実行されるときに、上述したように、表示画面40aの右側方に移動してメーターMTに変化するものとしているが、これに限られない。例えば、メーターMTを処理保留表示47として表示するものとしてもよいし、メーターMTを処理保留表示47とは別に表示するものとしてもよい。
メーターMTは、MIN(最小メモリ)からMAX(最大メモリ)までが振れ幅になっており、現時点の振れ度合いは針を模した演出画像HM(以下、「針HM」という))により示される。また、メーターMTの右上には、メーターMTのレベルを示す表示LM(以下、「レベル表示LM」という)と、が表示されている。このレベル表示LMは、限界値に対応する数値を上限値として、この上限値までの範囲内の数値を示すものとなっており、例えば、初期値としてはLV1が表示される。そして、LV1⇒LV2⇒LV3⇒、・・・、というように上昇するものとなっており、最終的には設定された限界値にまで到達するようになっている。
以下では、表示画面40aの様子と、拡大したメーターMTの様子とを平行して説明する。
図50(b)は、図50(a)の後、変動演出がさらに進行したある時点の様子を示している。このとき、表示画面40aの左上方に、「UP」という文字UN(Nには、1〜30までの自然数は入る)が表示されている(ここでは、文字U1〜U6までが表示されている)。さらに、この文字U1〜U6は、メーターMTに吸い込まれ始めている状態となっている。吸い込まれている様子が演出効果画像VC(以下、「エフェクトVC」という)により示されている。
このように、保留変化演出では、変動演出の様々なタイミングにて「UP」という文字Uが1個から複数個表示され、その表示された文字UがメーターMTに吸い込まれていく内容の演出が行われる。
そして、文字U1〜U6がメーターMTに吸い込まれることにより、図50(b)に示すようにメーターMTの針HMが振れ始めていくこととなる。
図50(c)は、図50(b)の後、文字U1がメーターMTに吸い込まれ、さらに文字U2〜U6も次々と吸い込まれ始めている様子を示している(吸い込まれる様子は、エフェクトVCにより示されている)。このとき、メーターMTの針HMは最大値MAXまで振れきっている様子も示されている。
図50(d)は、図50(c)の後、文字U2〜U6も全てメーターMTに吸い込まれた時点の様子を示している。このとき、メーターMTのレベル表示LMは、「LV1」から「LV2」に変化している。すなわち、「LV1」においてMAX(最大値)まで針HMが振れきったことにより、メーターMTのレベルが1段階上昇したことが示される。このことは、メーターMTに「レベルアップ!」というメッセージLUが表示されることからも分かるようになっている。
本実施形態では、メーターMTが文字Uを1個吸い込むことにより、メーターMTのレベルが1段階上昇するものとなっている。このため、図50(d)では、文字U2〜U6までが既にメーターMTに吸い込まれているため、メーターMTのレベルがこの後、LV2からLV6にまで上昇することとなる。
図51(a)は、図50(d)の後、メーターMTがLV6にまで上昇した時点の様子を示している。このとき、演出図柄48は未だ変動表示している。
図51(b)は、図51(a)の後、演出図柄48が「7−6−5」で一旦停止表示している様子を示している。このとき、演出図柄48はまだ完全に停止表示しておらず、図示した位置において上下に微動している様子が示される(例えば、擬似連続演出の1回目において演出図柄48が仮停止するような場合には、このような状態になる)。
そして、このとき、文字U7〜U10までが表示画面40aの左上方に表示されており、この文字U7〜U10も、上述した図50(b)と同様に、メーターMTに吸い込まれ始めていく様子が示されている(吸い込まれ始めている様子は、エフェクトVCにより示されている)。
図51(c)は、図51(b)の後、メーターMTがLV10に上昇した時点の様子を示している。このとき、新たに文字U11〜U15までが表示画面40aの上方に表示されており、この文字U11〜U15もメーターMTに吸い込まれ始めている様子が示されている(吸い込まれ始めている様子は、エフェクトVCにより示されている)。
図51(d)は、図51(c)の後、演出図柄48が「2−3−4」で仮停止している様子を示している(例えば、擬似連続演出の2回目において演出図柄48が仮停止するような場合には、このような状態になる)。このとき、メーターMTのレベルはLV15に上昇している。
図52(a)は、図51(d)の後、演出図柄48aおよび演出図柄48cが「7」で停止表示しリーチ状態が形成されている様子を示している。このとき、文字U16〜U20が表示画面40aの右上方に表示されている。この文字U16〜U20についても、上述した図50(b)と同様に、メーターMTに吸い込まれていくこととなる(吸い込まれ始めている様子は、エフェクトVCにより示されている)。
図52(b)は、図52(a)の後、SPリーチに発展したときの様子を示している。このとき、演出図柄48は、縮小されたミニ図柄49a〜49cに変更されて、表示画面40aの左上に設けられた領域に移動して変動表示が継続されている。このとき、メーターMTのレベルはLV25に上昇している。
また、表示画面40aの右上方には、新たに文字U26〜U30が表示されており、この文字U26〜U30も、上述した図50(b)と同様に、メーターMTに吸い込まれ始めている様子が示されている(吸い込まれ始めている様子は、エフェクトVCにより示されている)。
図52(c)は、図52(b)の後、SPリーチがさらに発展したときの様子を示している。このとき、メーターMTのレベルはLV30に上昇している。
上述した通り、メーターMTのレベルは限界値に対応しているため、LV30がメーターMTのレベルの最大値となる。すなわち、図52(c)では、メーターMTのレベルが最大値にまで到達したことが示されている。これは、限界値の上限値にまで到達したことが示されているのと同意である。なお、メーターMTのレベルが最大値に到達した様子を遊技者に知らしめるために、メーターMTの周囲が光っているように見せる演出効果画像FL(エフェクトFL)を表示している。
図52(d)は、メーターMTが別の異なる態様(特殊保留表示)に変化する場合の一例について示している。すなわち、図52(d)では、メーターMTが、ローマ数字の「3」を模したシンボル表示SMに変化している。このシンボル表示SMへの変化は、上述した特殊保留表示抽選の結果に基づいて変化するものとしているため、上記図52(c)を経由しない場合、すなわち、メーターMTのレベルが最大値未満にまでしか上昇しなかった場合に、最終的に変化するものとなっている。なお、上記図52(c)を経由して変化する場合も起こり得るようにしてもよい。
このように、シンボル表示SMには、メーターMTのレベルに関係なく突然変化するものとなっている。このため、メーターMTのレベルが低いままで変動演出が進行している状態であったとしても(特には、SPリーチが行われている時点で低いままであったとしても)、遊技者は、メーターMTのレベルが低くても、突然にシンボル表示SMに変わるのではないかという期待感を持ち続けることができる。
以上のように、本実施形態によれば、保留変化演出のように、保留球に関わる演出において、大当たりの当選の可能性が低い報知態様のまま、当該保留球に係る変動演出が実行されてしまうような事態を極力回避することができる。
すなわち、本実施形態では、当該保留に係る変動演出(以下、「当該変動演出」という)が開始されてから、この当該保留(つまり、保留0に係る保留表示)について保留変化演出が実行されるため、当該変動演出の実行中の様々なタイミングで保留変化演出を進行させることができる。これにより、いつどこで、どのような保留変化演出が発生するか分からないという期待感を常に遊技者に付与することができる。したがって、保留球に関わる演出を実行可能な構成において、遊技者の興趣を低下させるような事態を招きにくい遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、当該保留の入賞時(当該保留が記憶されたとき)に事前に保留変化演出の内容(大まかな内容)を決定することができるとともに、実際に、当該変動演出が開始される時点において、当該変動演出の内容を加味して、事前に決定しておいた保留変化演出の内容を変更することが可能となっている。これにより、当該変動演出の内容に沿った(マッチした)保留変化演出を実行することが可能となり、当該変動演出と保留変化演出との整合性や調和性を取ることができ、保留変化演出の演出効果を十分に発揮させることができる。
(その他の実施形態についての言及)
上記実施形態は、本発明のパチンコ機Pの一形態であり、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
なお、上記実施形態では、遊技状態を限定せずに保留変化演出を実行するものとしたが、これに限られない。例えば、保留変化演出を低確モードや潜確モードにおいてのみ実行する形態としてもよい。これは、低確モードや潜確モードでは、1回ごとの変動演出に係る変動時間が確変モードや時短モードに比べて長くなるため、保留変化演出を実行する様々なタイミングを十分に確保することが可能なためである。そして、本実施形態では、先読みA指定コマンド(先読み用ダミーコマンド)が生成され得るものとしているため、単なるハズレの場合であっても保留変化演出が実行される可能性を高めることができる。これにより、低確モードや潜確モードにおいても、適度に保留変化演出を実行させることが可能となり(保留変化演出が実行される頻度を高めることが可能となり)、例えば、ハマリ状態であったとしても、単調なハズレ演出が延々と続くような事態を回避して、保留変化演出を適度に実行させることが可能となる。
また、上記実施形態では、大枠抽選およびAパート内振分抽選、Bパート内振分抽選、Cパート内振分抽選において、何れも、演出の進行順を遡って(演出の進行順とは逆の順番にて)、それぞれの割り振り値を決定していく形態としたが、これに限られない。例えば、保留変化演出の前半において限界値に到達しやすい(メーターMTのレベルが上昇しやすい)態様とするために、演出の進行順に従って、それぞれの割り振り値を決定していく形態としてもよいし、これらの方法を組み合わせて、限界値または限界値の近くに到達するタイミングをランダムにするような形態としてもよい。
また、上記実施形態では、不定値の場合であっても先読みA指定コマンドを生成するものとしたが、これに限られない。例えば、不定値の場合には先読みA指定コマンドを生成しない(つまり、先読み演出を実行する対象としない)ものとしてもよいし、そもそも不定値、固定値という区別を設けなくてもよい。
また、上記実施形態では、事前判定処理(図24)において、不定値であると判定された場合には、不定値に基づく変動時間を決定するものとしたが、例えば、主制御基板200側の制御負担や処理負担を軽減させる、あるいは主制御基板100側の記憶容量(メインROM100b)の圧迫を抑制するために、上記ステップS235〜ステップS236の処理を省略する(行わない)形態とすることも可能である。これは、保留変化演出第1次処理(図40)においても、不定値であるか否か(不定値に基づく先読みA指定コマンドであるか否か)の判定(ステップS3202)が行われようになっているため、少なくとも、主制御基板100側における事前判定処理では、先読みA指定コマンドであることが判別可能な先読み指定コマンドを生成するだけでもよいからである。
また、上記実施形態では、特別図柄の種別として、大当たりの他、小当たりを設けるものとしたが、小当たりは設けなくともよい。
また、上記実施形態では、中央演出表示装置40、第1演出表示装置41、第2演出表示装置42といった複数の演出表示装置からなる構成を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、中央演出表示装置40のみで構成されるものでもよい。
なお、上記実施形態における主制御基板100は、本発明の判定情報取得手段、当該判定手段、保留記憶手段、事前判定手段の一例に該当する。
なお、上記実施形態における副制御基板200は、本発明の演出実行手段、示唆演出態様決定手段、変更手段、あおり演出実行手段、限界値決定手段、限界値割り振り手段、第1割り振り値振分手段、第2割り振り値振分手段の一例に該当する。
なお、上記実施形態における第1始動入賞口24および第2始動入賞口26は、本発明の始動領域の一例に該当する。