JP2017110742A - Power transmission device for vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両に備えられる動力伝達装置に係り、特に、動力伝達経路上に形成される嵌合部で発生する歯打ち音抑制に関するものである。 The present invention relates to a power transmission device provided in a vehicle, and particularly relates to suppression of rattling noise generated at a fitting portion formed on a power transmission path.
車両に備えられる動力伝達装置を構成する回転軸間に形成される嵌合部において、この嵌合部に形成されるガタの間の歯の衝突によって歯打ち音が発生することが知られており、この歯打ち音を抑制する対策が提案されている。例えば、特許文献1の動力伝達装置にあっては、第2電動機のロータ軸が、エンジンから駆動輪に至る動力伝達経路の一部を構成している。従って、エンジンの直達トルクが前記ロータ軸に伝達されるため、第2電動機のトルクがゼロ付近にあっても、エンジンの駆動中は、ロータ軸のスプライン歯が他方の回転軸のスプライン歯に押し付けられた状態となる。よって、ロータ軸のスプライン歯と他方の回転軸のスプライン歯との間のガタが詰められ、歯打ち音の発生が抑制される。
It is known that a rattling noise is generated in a fitting portion formed between rotating shafts constituting a power transmission device provided in a vehicle due to a collision of teeth between backlashes formed in the fitting portion. Measures for suppressing this rattling noise have been proposed. For example, in the power transmission device of
ところで、特許文献1の動力伝達装置にあっては、エンジンと第2電動機との間の動力伝達経路上において、第2電動機のロータ軸のガタが詰められるが、変速機に入力されるトルクがゼロ付近になると、第2電動機の下流側(駆動輪側)に配置される変速機の入力軸と第2電動機のロータ軸との間に形成されるガタは詰まらない。従って、変速機に入力されるトルクがゼロ付近になると、第2電動機のロータ軸と変速機の入力軸との間に形成される嵌合部のガタによって歯打ち音が発生する可能性があった。なお、特許文献1は、ハイブリッド形式の動力伝達装置であったが、回転軸間に嵌合部が形成される構造であれば特許文献1と同様の問題が発生する。
By the way, in the power transmission device of
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、動力伝達装置を構成する回転軸間に形成される嵌合部で発生する歯打ち音を抑制できる構造を提供することにある。 The present invention has been made against the background of the above circumstances, and the object of the present invention is a structure capable of suppressing rattling noise generated at a fitting portion formed between rotating shafts constituting a power transmission device. Is to provide.
第1発明の要旨とするところは、(a)共通の軸線まわりに配置された第1回転軸および第2回転軸が互いに嵌合されることで動力伝達可能に連結された嵌合部を、含んで構成される車両の動力伝達装置において、(b)前記軸線の方向において前記嵌合部近傍であって、前記第1回転軸と前記第2回転軸との間に弾性体が介挿されており、(c)前記第1回転軸および前記第2回転軸の何れか一方の回転軸の内部には、作動油が供給される油路が形成されており、(d)前記弾性体には、前記油路から供給される作動油の油圧を、他方の回転軸側に向かう方向に直接的または間接的に受ける受圧部が形成されていることを特徴とする。 The gist of the first invention is that: (a) a fitting portion that is connected so that power can be transmitted by fitting the first rotating shaft and the second rotating shaft arranged around a common axis line; (B) An elastic body is interposed between the first rotating shaft and the second rotating shaft in the vicinity of the fitting portion in the direction of the axis. (C) an oil passage for supplying hydraulic oil is formed inside one of the first rotating shaft and the second rotating shaft, and (d) the elastic body has Is characterized in that a pressure receiving portion that receives the hydraulic pressure of the hydraulic oil supplied from the oil passage directly or indirectly in the direction toward the other rotating shaft is formed.
第1発明の車両の動力伝達装置によれば、第1回転軸と第2回転軸との間に弾性体が介挿されているため、第1回転軸と第2回転軸との嵌合部に形成されるガタが詰まらない場合であっても、弾性体によって第1回転軸および第2回転軸の双方の回転軸がガタつくことなく保持される。従って、嵌合部で発生する歯打ち音を抑制できる。 According to the vehicle power transmission device of the first aspect of the present invention, since the elastic body is interposed between the first rotating shaft and the second rotating shaft, the fitting portion between the first rotating shaft and the second rotating shaft. Even if the backlash formed is not clogged, the rotation shafts of both the first rotation shaft and the second rotation shaft are held by the elastic body without rattling. Therefore, the rattling noise generated at the fitting portion can be suppressed.
また、弾性体には、一方の回転軸から供給される作動油の油圧を受ける受圧部が形成されているため、油路に供給される作動油の油圧によって受圧部が押圧され、弾性体が他方の回転軸に押し付けられる。このように、弾性体が他方の回転軸を押圧する押圧力が増加するため、この押圧力によって発生する、第1回転軸および第2回転軸を保持する保持トルクが増加する。すなわち、弾性体が組み付けられたときの圧縮による保持トルクに加えて、油路の油圧による保持トルクが発生するため、さらに高い保持トルクを得ることができる。 Further, since the elastic body is formed with a pressure receiving portion that receives the hydraulic pressure of the hydraulic oil supplied from one rotating shaft, the pressure receiving portion is pressed by the hydraulic pressure of the hydraulic oil supplied to the oil passage, and the elastic body Pressed against the other rotating shaft. Thus, since the pressing force with which the elastic body presses the other rotating shaft increases, the holding torque for holding the first rotating shaft and the second rotating shaft generated by this pressing force increases. That is, in addition to the holding torque due to the compression when the elastic body is assembled, the holding torque due to the oil pressure of the oil passage is generated, so that a higher holding torque can be obtained.
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the following embodiments, the drawings are appropriately simplified or modified, and the dimensional ratios, shapes, and the like of the respective parts are not necessarily drawn accurately.
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置10を説明する骨子図である。図1において、動力伝達装置10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸線C上に配設された入力回転部材としての入力軸14と、この入力軸14に直接或いは図示しない脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)などを介して間接的に連結された無段変速部としての差動部11(電気式差動部)と、その差動部11から図示しない駆動輪への動力伝達経路上において伝達部材18を介して直列に連結されている自動変速機20と、この自動変速機20に連結されている出力回転部材としての出力軸22とを、直列に備えている。この動力伝達装置10は、例えば車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパーを介して直接的に連結された走行用の動力源として例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジン8と駆動輪との間に設けられる。そして、エンジン8からの動力を動力伝達経路の一部を構成する図示しない差動歯車装置(終減速機)および車軸等を順次介して駆動輪へ伝達する。
FIG. 1 is a skeleton diagram illustrating a
このように、本実施例の動力伝達装置10においては、エンジン8と差動部11とは直結されている。この直結にはトルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介すことなく連結されているということであり、例えば上記脈動吸収ダンパーなどを介する連結はこの直結に含まれる。
Thus, in the
差動部11は、エンジン8と駆動輪との間の動力伝達経路に連結されており、入力軸14および伝達部材18(出力軸)の差動状態を制御する差動用電動機として機能する第1電動機MG1と、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に分配する機械的機構であってエンジン8の出力を第1電動機MG1および伝達部材18に分配する差動機構としての差動遊星歯車装置24と、出力軸として機能する伝達部材18と一体的に回転するように作動的に連結されている第2電動機MG2と、入力軸14を回転停止させるための固定ブレーキB0とを、備えている。本実施例の第1電動機MG1および第2電動機MG2は発電機能をも有する所謂モータジェネレータであるが、第1電動機MG1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機MG2は走行用の駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能するためモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
The
差動機構として機能する差動遊星歯車装置24は、所定のギヤ比を有するシングルピニオン型の差動遊星歯車装置24を主体として構成されている。この差動遊星歯車装置24は、差動サンギヤS0、差動遊星歯車P0、その差動遊星歯車P0を自転および公転可能に支持する差動キャリヤCA0、および差動遊星歯車P0を介して差動サンギヤS0と噛み合う差動リングギヤR0を、回転要素として備えている。
The differential
この差動遊星歯車装置24においては、差動キャリヤCA0は入力軸14すなわちエンジン8に連結されて第1回転要素RE1を構成し、差動サンギヤS0は第1電動機MG1に連結されて第2回転要素RE2を構成し、差動リングギヤR0は伝達部材18に連結されて第3回転要素RE3を構成している。このように構成された差動遊星歯車装置24は、その差動遊星歯車装置24の3要素である差動サンギヤS0、差動キャリヤCA0、差動リングギヤR0がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が作動可能すなわち差動作用が働く差動状態とされる。これより、エンジン8の出力が第1電動機MG1と伝達部材18に分配されると共に、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機MG1から発生させられた電気エネルギで蓄電されたり第2電動機MG2が回転駆動される。従って、差動部11は電気的な差動装置として機能させられる。例えば差動部11は所謂無段変速状態とされて、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転が連続的に変化させられる。すなわち、差動部11はその変速比(入力軸14の回転速度Nin/伝達部材18の回転速度N18)が最小値γ0minから最大値γ0maxまで連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する。
In the differential
自動変速機20は、エンジン8と駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成しており、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置28を備え、有段式の自動変速機として機能する遊星歯車式の多段変速機である。第1遊星歯車装置26は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、所定のギヤ比を有している。第2遊星歯車装置28は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、所定のギヤ比を有している。
The
自動変速機20では、第1サンギヤS1は、第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されている。また、第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に連結されると共に、第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結されている。また、第1リングギヤR1と第2キャリヤCA2とが一体的に連結されて出力軸22に連結されている。また、第2サンギヤS2が第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。さらに第1キャリヤCA1と第2リングギヤR2とが一方向クラッチF1を介して非回転部材であるケース12に連結されることで、エンジン8と同方向の回転が許容される一方、逆方向の回転が禁止されている。これより、第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2は、逆回転不能な回転部材として機能する。
In the
自動変速機20は、解放側係合装置の解放と係合側係合装置の係合とによりクラッチツウクラッチ変速が実行されて複数の変速段が選択的に成立させられることにより、略等比的に変化する変速比γ(=伝達部材18の回転速度N18/出力軸22の回転速度Nout)が各変速段毎に得られる。
The
図2は、動力伝達装置10の一部を示す断面図である。図2の動力伝達装置10にあっては、主に差動部11の出力軸として機能する伝達部材18、およびその伝達部材18に連結されている第2電動機MG2の断面図を示している。伝達部材18は、差動遊星歯車装置24の差動リングギヤR0に連結されている入力側回転軸30と、自動変速機22の入力軸としても機能する出力側回転軸32と、第2電動機MG2のロータ軸34とを含んで構成されている。これら入力側回転軸30、出力側回転軸32、およびロータ軸34は、何れも同じ軸線Cまわりに配置されている。なお、出力側回転軸32が本発明の第1回転軸および一方の回転軸に対応し、ロータ軸34が本発明の第2回転軸および他方の回転軸に対応している。
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a part of the
入力側回転軸30と出力側回転軸32とは、径方向外側から見て軸線C方向で離れた位置に配置されており、これら入力側回転軸30と出力側回転軸32との間を、第2電動機MG2のロータ軸34が連結している。
The input side
第2電動機MG2のロータ軸34は、円筒状に形成され、軸線C方向で互いに向かい合う入力側回転軸30および出力側回転軸32の外周端部(先端)を覆うようにして配置されている。ロータ軸34は、軸線C方向の外周一端が軸受35aを介してケース12に連結された電動機カバー37に回転可能に支持されているとともに、軸線C方向の外周他端が軸受35bを介してケース12に回転可能に支持されている。また、出力側回転軸32は、軸受36等を介してケース12に回転可能に支持されている。
The
入力側回転軸30には、軸線C方向で出力側回転軸32と向かい合う側の外周面に外周歯38が形成されている。出力側回転軸32には、軸線C方向で入力側回転軸30と向かい合う側の外周面に、入力側回転軸30の外周歯38と同じ形状の外周歯40が形成されている。円筒状に形成されている第2電動機MG2のロータ軸34の内周側には、前記外周歯38および外周歯40とスプライン嵌合する内周歯42が形成されている。そして、この入力側回転軸30の外周歯38とロータ軸34の内周歯42とがスプライン嵌合するとともに、出力側回転軸32の外周歯40とロータ軸34の内周歯42とがスプライン嵌合されている。入力側回転軸30の外周歯38とロータ軸34の内周歯42とが互いにスプライン嵌合されることで、入力側回転軸30とロータ軸34とを動力伝達可能(相対回転不能)に連結するスプライン嵌合部50が形成される。また、出力側回転軸32の外周歯40とロータ軸34の内周歯42とが互いにスプライン嵌合されることで、出力側回転軸32とロータ軸34とを動力伝達可能(相対回転不能)に連結するスプライン嵌合部52が形成される。なお、スプライン嵌合部52が、本発明の嵌合部に対応している。
The input-side
ロータ軸34の外周面には、第2電動機MG2を構成するロータ46が固定され、そのロータ46の外周側に、第2電動機MG2を構成するステータ48が配置されている。ロータ46は複数枚の鋼板が積層されることで構成されている。また、ステータ48も同様に、複数枚の鋼板が積層されることで構成され、ケース12に図示しないボルトによって回転不能に固定されている。また、ステータ48の軸線C方向の両側には、そのステータ48に巻き掛けられたコイルエンド60が配置されている。
A
上記のように構成される動力伝達装置10において、入力側回転軸30にエンジン8のトルクが伝達されると、入力側回転軸30とロータ軸34との間のスプライン嵌合部50を介してロータ軸34にトルクが伝達される。さらに、ロータ軸34と出力側回転軸32とのスプライン嵌合部52を介して出力側回転軸32にトルクが伝達される。従って、第2電動機MG2からトルクが出力されない状態であっても、入力側回転軸30とロータ軸34とのスプライン嵌合部50に形成されるガタが詰められ、スプライン嵌合部50で発生する歯打ち音が抑制される。
In the
ところで、自動変速機20に入力されるトルクが零であった場合、ロータ軸34と出力側回転軸32との間のスプライン嵌合部52で形成されるガタは詰まらないため、この間で歯打ち音が発生する可能性がある。これを解消するため、本実施例では、軸線C方向でスプライン嵌合部52近傍であって、ロータ軸34と出力側回転軸32とが径方向で重なる部位の間に、ゴム製弾性体54が介挿されている。なお、ゴム製弾性体54が、本発明の弾性体に対応している。
By the way, when the torque input to the
出力側回転軸32の外周面には、円環状の環状溝56が形成され、この環状溝56によって形成される環状空間に、円環状のゴム製弾性体54が収容されている。ゴム製弾性体54は、円環形状(リング形状)を有し、断面が略円形状に形成されている。また、出力側回転軸32とロータ軸34との間に組み付けられた状態では、出力側回転軸32およびロータ軸34によって押し付けられることにより圧縮変形させられる。
An annular
また、ゴム製弾性体54は、出力側回転軸32の外周表面との間で滑りが防止されるとともに、ロータ軸34の内周表面との間で滑りが防止されるように、ゴム製弾性体54と出力側回転軸32およびロータ軸34との間の摩擦係数μが調整されている。例えば、上記滑りが防止される摩擦係数μが確保できるように、ゴム製弾性体54の面の粗さ(表面粗さ)が設定されている。
Further, the rubber
出力側回転軸32内には、軸線Cに平行な軸線方向油路72、およびその軸線方向油路72と環状溝56(環状空間)とを連通する第1径方向油路74が形成されている。さらに、出力側回転軸32には、軸線方向油路72とケース12内に形成されている供給油路73とを連通する第2径方向油路75が形成されている。第1径方向油路74は、軸線方向油路72から径方向外側に向かって伸びる丸穴であり、例えば周方向において等角度間隔で4箇所形成されている。また、第1径方向油路74は環状溝56の溝底に開口されており、第1径方向油路74の環状溝56との接続部近傍は段付状に形成されている。そして、ゴム製弾性体54が組み付けられた状態では、ロータ軸34によってゴム製弾性体54が径方向内側に押し付けられることで、ゴム製弾性体54の一部が第1径方向油路74内に押し入れられる。これより、第1径方向油路74内に、ゴム製弾性体54の一部が埋設されることで、第1径方向油路74がゴム製弾性体54によって塞がれた状態となる。このゴム製弾性体54において第1径方向油路74に押し入れられている部位が、第1径方向油路74に供給される作動油の油圧を直接受ける受圧部68として機能する。なお、軸線方向油路72、第1径方向油路74、第2径方向油路75が、本発明の油路に対応している。
An
これより、図示しない油圧制御回路からケース12の供給油路73に供給された作動油が、第2径方向油路75および軸線方向油路72を通って第1径方向油路74に供給されると、その作動油の油圧によってゴム製弾性体54が径方向外側に押圧される。従って、ゴム製弾性体54が作動油の油圧によってロータ軸34に押し付けられる。
As a result, the hydraulic oil supplied from the hydraulic control circuit (not shown) to the
また、出力側回転軸32には、軸線C方向で外周歯40とゴム製弾性体54が収容される環状溝56との間に、第1外周インロー面76が形成されている。また、出力側回転軸32には、軸線C方向で第1外周インロー面76から環状溝56を隔てた位置に、第2外周インロー面78が形成されている。すなわち、出力側回転軸32の外周歯40を基準にして軸線C方向で第1外周インロー面76および環状溝56よりも遠ざかる位置に、第2外周インロー面78が形成されている。よって、軸線C方向で第1外周インロー面76と第2外周インロー面78との間に、ゴム製弾性体54が収容される環状溝56が形成されている。
Further, the output-
また、ロータ軸34の内周側には、組付後において第1外周インロー面76および第2外周インロー面78と嵌合する内周インロー面80が形成されている。内周インロー面80は、組付後において軸線C方向で第1外周インロー面76および第2外周インロー面78と嵌合可能な長さに設定されている。
Further, on the inner peripheral side of the
第1外周インロー面76と内周インロー面80とが嵌合すると、すきまばめであるものの、第1外周インロー面76と内周インロー面80との間でガタつくことなく嵌り合うように、第1外周インロー面76および内周インロー面80の寸法(寸法公差)が設定されている。また、第2外周インロー面78と内周インロー面80とが嵌合すると、すきまばめであるものの、第2外周インロー面78と内周インロー面80との間でガタつくことなく嵌り合うように、第2外周インロー面78および内周インロー面80の寸法(寸法公差)が設定されている。図2において、出力側回転軸32の第1外周インロー面76とロータ軸34の内周インロー面80とが嵌め合わされている部位を第1インロー部82と定義し、出力側回転軸32の第2外周インロー面78とロータ軸34の内周インロー面80とが嵌め合わされている部位を第2インロー部84と定義する。これより、軸線C方向においてスプライン嵌合部52とゴム製弾性体54との間に、第1インロー部82が形成され、軸線C方向においてゴム製弾性体54と隣り合う位置であって、第1インロー部82に対して反対側の位置に第2インロー部84が形成される。
When the first
また、第1インロー部82を構成する出力側回転軸32およびロータ軸34の寸法は、第2インロー部84を構成する出力側回転軸32およびロータ軸34の寸法と等しくされている。具体的には、出力側回転軸32の第1外周インロー面76が形成されている部位の直径(外径)と、出力側回転軸32の第2外周インロー面78が形成されている部位の直径(外径)は等しい。また、ロータ軸34において、第1インロー部82の内周インロー面80が形成されている部位の穴の径(内径)は、第2インロー部84の内周インロー面80が形成されている部位の穴の径(内径)と等しい。
The dimensions of the output
図3は、図2の第1インロー部82を切断線Aで切断した断面図である。図3において左側が第1インロー部82を軸線C方向から見た図であり、右側が第1インロー部82を径方向外側から見た図である。
3 is a cross-sectional view of the
図3に示すように、第1外周インロー面76を軸線C方向から見ると、第1外周インロー面76には、軸線C方向の両側を貫通する軸線Cに平行な溝86が等角度間隔で複数箇所(本実施例では4箇所)形成されている。第1外周インロー面76に前記溝86が形成されることで、第1インロー部82の第1外周インロー面76と内周インロー面80との間に、軸線Cに平行な間隙が形成されている。ここで、第1径方向油路74とは別個に、環状溝56によって形成される環状空間と連通する図示しない油路が形成されており、その油路から潤滑油が供給されるようになっている。この油路から供給された潤滑油によってゴム製弾性体54が冷却される。また、ゴム製弾性体54を冷却した潤滑油は、この溝86を通って排出される。すなわち、この溝86が潤滑油排出口として機能する。
As shown in FIG. 3, when the first outer
また、ゴム製弾性体54が、軸線C方向で第1インロー部82および第2インロー部に挟まれることで、組付後のゴム製弾性体54の潰れ代(変形代)が安定する。すなわち、第1インロー部82および第2インロー部84によって、出力側回転軸32およびロータ軸34の偏心が抑制されるため、ゴム製弾性体54が組み付けられた状態において、ゴム製弾性体54に加わる弾性エネルギのばらつきが抑制され、製品(装置)毎のゴム製弾性体54による保持トルクのばらつきが抑制される。ここで、保持トルクとは、ゴム弾性体54が圧縮変形させられることで生じる、出力側回転軸32とロータ軸34とがガタつくことなく保持される方向に作用するトルクである。
Further, the rubber
ゴム製弾性体54は、組付後において、出力側回転軸32とロータ軸34との間で圧縮変形させられることで、出力側回転軸32とゴム製弾性体54との接触面、およびロータ軸34とゴム製弾性体54との接触面との間で、互いの面を垂直に押圧する押圧力が発生する。この押圧力と、接触面の間の摩擦係数とに基づく摩擦抵抗が発生するため、ゴム製弾性体54によってロータ軸34と出力側回転軸32とを、周方向で互いにガタつくことなく保持する保持トルクが発生する。よって、スプライン嵌合部52において、外周歯40と内周歯42との間の回転方向のガタが詰まらない状態であっても、ゴム製弾性体54によって、ロータ軸34と出力側回転軸32とがガタつくことなく保持される。従って、スプライン嵌合部52で発生する歯打ち音が抑制される。
The rubber
さらに、ゴム製弾性体54が組み付けられた状態において、第1径方向油路74にゴム製弾性体54の一部が埋設されることで、第1径方向油路74がゴム製弾性体54によって塞がれる。そして、第1径方向油路74の作動油の油圧によってゴム製弾性体54が径方向外側に押圧されることにより、ゴム製弾性体54がロータ軸34を押圧する押圧力が増加し、ゴム製弾性体54による保持トルクが増加する。すなわち、ゴム製弾性体54が圧縮変形させられることで発生する保持トルクに加えて、第1径方向油路74の油圧による保持トルクが加わることで、保持トルクが増加する。
Further, in a state where the rubber
上述のように、本実施例によれば、出力側回転軸32とロータ軸34との間にゴム製弾性体54が介挿されているため、出力側回転軸32とロータ軸34とのスプライン嵌合部52に形成されるガタが詰まらない場合であっても、ゴム製弾性体54によって出力側回転軸32およびロータ軸の双方の回転軸がガタつくことなく保持されるので、スプライン嵌合部52で発生する歯打ち音を抑制できる。
As described above, according to this embodiment, since the rubber
また、本実施例によれば、ゴム製弾性体54には、出力側回転軸32から供給される作動油の油圧を受ける受圧部68が形成されているため、第1径方向油路74に供給される作動油の油圧によって受圧部68が押圧され、ゴム製弾性体54がロータ軸34に押し付けられる。このようにして、ゴム製弾性体54が圧縮変形させられることで発生する保持トルクに加えて、油圧によってゴム製弾性体54がロータ軸34に押し付けられることでさらに高い保持トルクを得ることができる。
In addition, according to the present embodiment, the rubber
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 Next, another embodiment of the present invention will be described. In the following description, parts common to those in the above-described embodiment are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
図4は、本発明の他の実施例である動力伝達装置100の断面図であり、前述した実施例の図2に対応している。前述の実施例の動力伝達装置10と本実施例の動力伝達装置100とを比較すると、ゴム製弾性体の構造およびそのゴム製弾性体に油圧を付与する機構が相違している。以下、前述の実施例と相違する機構について主に説明する。
FIG. 4 is a cross-sectional view of a
本実施例のゴム製弾性体104は、略球状に形成されており、周方向において等角度間隔で複数個配置されている。具体的には、出力側回転軸102の外周面には、等角度間隔で例えば4箇所の弾性体収容穴108が形成されており、この弾性体収容穴108内に、ゴム製弾性体104がそれぞれ収容されている。また、弾性体収容穴108は、後述する第1径方向油路110に接続されている。なお、ゴム製弾性体104が、本発明の弾性体に対応している。
The rubber
出力側回転軸102には、軸線Cに平行な軸線方向油路112、およびその軸線方向油路112と弾性体収容穴108とを連通する第1径方向油路110が形成されている。また、出力側回転軸102には、軸線方向油路112とケース12に形成された供給油路73とを連通する第2径方向油路114が形成されている。なお、出力側回転軸102が本発明の第1回転軸および一方の回転軸に対応し、第1径方向油路110、軸線方向油路112、第2径方向油路114が、本発明の油路に対応している。
The output-side
第1径方向油路110内には、ピストン116が設けられている。ピストン116は、有底円筒形状を有し、その外周面が第1径方向油路110の内周壁面に摺動可能に嵌め入れられている。また、ピストン116の外周面と第1径方向油路110の内周壁面との間には、図示しないOリングが嵌め付けられているものとする。従って、ピストン116によって、第1径方向油路110と弾性体収容穴108との間が油密に仕切られている。ピストン116の有底部の一面は、ゴム製弾性体104に当接させられている。また、ピストン116の有底部の他面は、第1径方向油路110の作動油の油圧を受けている。
A
上記のように構成されることで、ケース12の供給油路73に供給された作動油が、第2径方向油路114および軸線方向油路112を通って、第1径方向油路110に供給される。このとき、ピストン116の有底部が作動油の油圧によって径方向外側に押圧されることで、ピストン116がゴム製弾性体104を径方向外側に押圧し、ゴム弾性体104がピストン116によってロータ軸34に押し付けられる。このようにして、ゴム製弾性体104がロータ軸34を押圧する押圧力が増加することから、ゴム製弾性体104による保持トルクが増加する。すなわち、ゴム製弾性体104が圧縮変形させられることで発生する保持トルクに加えて、第1径方向油路110の油圧による保持トルクが加わることで、保持トルクが増加する。なお、ゴム製弾性体104のピストン116によって押圧される面118が、本発明の受圧部に対応している。
By being configured as described above, the hydraulic oil supplied to the
上述のように、本実施例によっても前述の実施例と同様の効果を得ることができる。具体的には、ゴム製弾性体104は、出力側回転軸102から供給される作動油の油圧をピストン116を介して間接的に受ける。これより、ゴム製弾性体104は、径方向外側に付勢されてロータ軸34に押し付けられることで、保持トルクが増加する。このようにして、ゴム製弾性体104が圧縮変形させられることで発生する保持トルクに加えて、油圧によってゴム製弾性体104がロータ軸34に押し付けられることでも保持トルクが発生するため、さらに高い保持トルクを得ることができる。
As described above, this embodiment can provide the same effects as those of the above-described embodiment. Specifically, the rubber
図5は、本発明のさらに他の実施例である第1インロー部120の断面図であって、前述した実施例の図3に対応している。なお、図5にあっては、第1インロー部120を構成する、出力側回転軸32の第1外周インロー面122のみ記載されている。図5において、左側が第1インロー部120(第1外周インロー面122)を軸線C方向から見た図であり、右側が第1インロー部120(第1外周インロー面122)を径方向外側から見た図である。
FIG. 5 is a cross-sectional view of the
図5に示すように、第1インロー部120を構成する第1外周インロー面122を軸線C方向から見ると、第1インロー面122には、軸線C方向の両側を貫通する溝124が等角度間隔で複数箇所(本実施例では4箇所)形成されている。図5右側に示すように、本実施例の溝124は、軸線Cに対して平行に形成されておらず、軸線Cに対して捩れて形成されている。すなわち、溝124を径方向外側から見たとき、周方向に向かって斜めに形成されている。
As shown in FIG. 5, when the first
上述した第1外周インロー面122が、前述した第1外周インロー面76に代わって適用された場合であっても、前述した実施例と同様の効果を得ることができる。また、第1外周インロー面122の溝124が、捩れるようにして形成されていることから、溝124を通る潤滑油は、その溝124から押し出されるようにしてスムーズに排出される。
Even when the above-described first outer
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 As mentioned above, although the Example of this invention was described in detail based on drawing, this invention is applied also in another aspect.
例えば、前述の実施例では、動力伝達装置10は、2つの電動機を備えたハイブリッド形式の動力伝達装置であったが、本発明は、必ずしも本実施例のハイブリッド形式の動力伝達装置に限定されない。例えば、電動機を1つ備えたハイブリッド形式の動力伝達装置や、電動機を備えない動力伝達装置に本発明が適用されても構わない。本発明は、一対の回転軸が互いに嵌合されることで動力伝達装置に連結された嵌合部を含んで構成される動力伝達装置であれば、適宜適用することができる。すなわち、本発明は、ロータ軸と出力側回転軸とのスプライン嵌合部にも限定されない。
For example, in the above-described embodiment, the
また、前述の実施例では、自動変速機20は前進4段の有段式の変速機であったが、変速段数や内部の連結構成についても特に限定されない。また、有段式の自動変速機20に代わって、例えばベルト式無段変速機をはじめとする無段変速機が適用されても構わない。
In the above-described embodiment, the
また、前述の実施例では、第1径方向油路74、110は、それぞれ周方向で4箇所形成されていたが、第1径方向油路74、110の数は必ずしも4箇所に限定されず適宜変更しても構わない。また、ゴム製弾性体104についても、第1径方向油路110の数に応じて適宜変更されても構わない。
In the above-described embodiment, the first
また、前述の実施例では、出力側回転軸32側に第1径方向油路74が形成されていたが、ロータ軸34側に油路が形成され、その油路の油圧によってゴム製弾性体54が出力側回転軸32に押し付けられる構造であっても構わない。
In the above-described embodiment, the first
また、前述の実施例では、ゴム製弾性体54は、円環状に形成されていたが、ゴム製弾性体54の第1径方向油路74に嵌め入れられる部位のみ、第1径方向油路74に嵌め入れやすいように形状を変更しても構わない。
Further, in the above-described embodiment, the rubber
また、前述の実施例では、第1径方向油路110にピストン116が嵌め入れられていたが、ピストン116をなくしてゴム製弾性体104を直接第1径方向油路110に嵌め入れたものであっても構わない。なお、この場合には、ゴム製弾性体104の形状を、第1径方向油路110の形状に合わせて適宜変更しても構わない。
In the above-described embodiment, the
また、前述の実施例では、ゴム製弾性体54、104は、ゴムから構成されていたが、例えば樹脂など他の材料で構成されていても構わない。
In the above-described embodiment, the rubber
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。 The above description is only an embodiment, and the present invention can be implemented in variously modified and improved forms based on the knowledge of those skilled in the art.
10、100:動力伝達装置
32、102:出力側回転軸(第1回転軸)
34:ロータ軸(第2回転軸)
52:スプライン嵌合部(嵌合部)
54、104:ゴム製弾性体(弾性体)
68:受圧部
72、112:軸線方向油路(油路)
74、110:第1径方向油路(油路)
75、114:第2径方向油路(油路)
10, 100:
34: Rotor shaft (second rotary shaft)
52: Spline fitting part (fitting part)
54, 104: Rubber elastic body (elastic body)
68:
74, 110: first radial oil passage (oil passage)
75, 114: second radial oil passage (oil passage)
Claims (1)
前記軸線の方向において前記嵌合部近傍であって、前記第1回転軸と前記第2回転軸との間に弾性体が介挿されており、
前記第1回転軸および前記第2回転軸の何れか一方の回転軸の内部には、作動油が供給される油路が形成されており、
前記弾性体には、前記油路から供給される作動油の油圧を、他方の回転軸側の方向に向かう方向に直接または間接的に受ける受圧部が形成されている
ことを特徴とする車両の動力伝達装置。 In a vehicle power transmission device configured to include a fitting portion that is coupled so that power can be transmitted by fitting a first rotating shaft and a second rotating shaft that are arranged around a common axis.
An elastic body is interposed between the first rotating shaft and the second rotating shaft in the vicinity of the fitting portion in the direction of the axis,
An oil passage through which hydraulic oil is supplied is formed inside one of the first rotary shaft and the second rotary shaft,
The elastic body is formed with a pressure receiving portion that directly or indirectly receives the hydraulic pressure of the hydraulic oil supplied from the oil passage in a direction toward the other rotating shaft side. Power transmission device.
Priority Applications (1)
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JP2015245669A JP2017110742A (en) | 2015-12-16 | 2015-12-16 | Power transmission device for vehicle |
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2015
- 2015-12-16 JP JP2015245669A patent/JP2017110742A/en active Pending
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