JP2017109968A - 超疎水性単粒子の美容的使用 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果で、ケラチン物質の表面にマット感を付与すること等の美容目的のために、超疎水性を利用する新しいアプローチを提供すること。【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種の超疎水性粒子と(b)少なくとも1種の生理学的に許容される媒体とを含む組成物、及びケラチン物質用の(a)少なくとも1種の超疎水性粒子の美容的使用に関する。本発明は、(a)超疎水性粒子によって提供される超疎水性に基づく美容効果を示すことができる。美容効果は、(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果に基づいて、皮膚等のケラチン物質の表面にマット感を付与することを含み得る。【選択図】なし
Description
本発明は、単一体として超疎水性を有する粒子を含む組成物に関する。本発明は、超疎水性単粒子の美容的使用にも関する。
超疎水性は、一般に、バルク基材上の水滴が、典型的には150°以上の接触角を呈するという巨視的特性によって定義される。言い換えると、バルク基材の表面上の水滴が、典型的には150°以上の接触角を呈する場合、表面は超疎水性であるとして定義される。
超疎水性は、美容目的のために有用である。しかし、超疎水性を有する粗いバルク基材を形成することは難しく、これを配合物中に導入することも難しいので、超疎水性の使用は、化粧品の分野において、限定されている。
「Superhydrophobic Surfaces」、Alain Carre及びKash L.Mittal、2009年、CRC Press
「Handbook of Surfactants」M.R.Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991年、116〜178頁
「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.社版、1984年)
Cryst.Res.Technol.2014,49,418
本発明の目的は、皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果で、ケラチン物質の表面にマット感を付与すること等の美容目的のために、超疎水性を利用する新しいアプローチを提供することである。
本発明による新しいアプローチは、超疎水性を有するバルク基材に集中するのではなく、各個別の粒子がサブミクロンスケールで超疎水性である粒子を導入する。これは、凝集体に依存しないので、化粧用配合物で独特の超疎水性を与える、より容易なアプローチを提供する。
上記の目的は、
(a)少なくとも1種の超疎水性粒子と、
(b)少なくとも1種の生理学的に許容される媒体と
を含む、組成物、好ましくは化粧用組成物によって達成することができる。
(a)少なくとも1種の超疎水性粒子と、
(b)少なくとも1種の生理学的に許容される媒体と
を含む、組成物、好ましくは化粧用組成物によって達成することができる。
(a)超疎水性粒子は、100μm以下、50μm以下、より好ましくは20μm以下の直径を有してもよい。
(a)超疎水性粒子の水との接触角は、150°超、好ましくは155°以上、より好ましくは160°以上であってもよい。
(a)超疎水性粒子は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、より好ましくは0.1〜3μmの最大高さの表面粗さを有してもよい。
(a)超疎水性粒子は、(b)生理学的に許容される媒体と接触しない表面を有してもよい。
(a)超疎水性粒子の表面は、少なくとも1つの凹部を有してもよく、凹部は、上述の(b)生理学的に許容される媒体と接触しない表面を形成する。
(a)超疎水性粒子は、少なくとも1つの疎水性被膜を有していてもよい。(a)超疎水性粒子は、少なくとも1種のコア粒子を含んでもよい。
本発明による組成物は、(a)超疎水性粒子として、ステアリン酸被膜を有する炭酸カルシウムの少なくとも1種のコア粒子を含むことが好ましくてもよい。
組成物中の(a)超疎水性粒子の量は、組成物の総質量に対して0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%であってもよい。
(b)生理学的に許容される媒体は、少なくとも1種の親水性有機溶媒、水、又はこれらの混合物を含んでもよい。
本発明による組成物は、水を、組成物の総質量に対して20〜85質量%、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%の量で含んでもよい。
本発明による組成物は、皮膚化粧用組成物、好ましくはスキンケア組成物又は皮膚メークアップ組成物、特に皮脂防止スキンケア又は皮膚メークアップ化粧用組成物であってもよい。
本発明はまた、皮膚等のケラチン物質用の美容方法であって、
上に説明した本発明による組成物を適用する工程を含む、美容方法にも関する。
上に説明した本発明による組成物を適用する工程を含む、美容方法にも関する。
本発明による美容方法は、好ましくは組成物中の(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果によって、ケラチン物質の表面にマット感を付与するために行われてもよい。
本発明の別の態様は、ケラチン物質用の(a)少なくとも1種の超疎水性粒子の美容的使用である。
本発明による美容的使用は、好ましくは(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果によって、ケラチン物質の表面にマット感を付与するように意図されてもよい。
鋭意検討の結果、発明者らは、新しいアプローチに基づいて、例えば皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果によって、ケラチン物質の表面にマット感を付与すること等の美容目的のために、超疎水性を利用できることを発見した。
新しいアプローチは、
(a)少なくとも1種の超疎水性粒子と、
(b)少なくとも1種の生理学的に許容される媒体と
を含む、組成物、好ましくは化粧用組成物を含む。
(a)少なくとも1種の超疎水性粒子と、
(b)少なくとも1種の生理学的に許容される媒体と
を含む、組成物、好ましくは化粧用組成物を含む。
新しいアプローチは、ケラチン物質の美容トリートメントのための(a)少なくとも1種の超疎水性粒子の美容的使用も含む。
本発明による組成物及び美容的使用は、(a)超疎水性粒子によって提供される超疎水性に基づく美容効果を示すことができる。美容効果は、(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果に基づいて、皮膚等のケラチン物質の表面にマット感を付与することを含み得る。
更に、本発明は、例えば、超疎水性粒子によって提供され得る光散乱又は反射防止、油の除去又は吸収、及び脱濡れ(dewetting)の特性に基づく美容効果を呈し得る。
以下では、本発明を詳細に説明する。
[超疎水性粒子]
本発明による組成物は、少なくとも1種の(a)超疎水性粒子を含む。単一の種類の超疎水性粒子、又は異なる種類の超疎水性粒子の組合せを使用することができる。
本発明による組成物は、少なくとも1種の(a)超疎水性粒子を含む。単一の種類の超疎水性粒子、又は異なる種類の超疎水性粒子の組合せを使用することができる。
本発明による(a)超疎水性粒子は、粒子が一次粒子の形態であるときに、超疎水性である。言い換えると、本発明による(a)超疎水性粒子は、粒子が単一体であり、凝集体の形態ではないときに、超疎水性である。本発明による(a)超疎水性粒子は、(b)生理学的に許容される媒体中に分散できる。
(a)超疎水性粒子の直径は限定されないが、1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上の直径を有してもよい。(a)超疎水性粒子の直径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更により好ましくは20μm以下、一層好ましくは10μm以下、更に一層好ましくは5μm以下であってもよい。そのため、(a)超疎水性粒子は、1nm〜100μm、好ましくは5nm〜50μm、より好ましくは10nm〜20μmの直径を有することができる。本発明の目的では、(a)超疎水性粒子の直径は、一次粒子の数平均直径である。
(a)超疎水性粒子の最長径/最短径の比は、1.0〜2.5、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.5の範囲であることが好ましくてもよい。
平均(一次)粒径は、例えば、レーザー回折粒径アナライザー等の粒径アナライザーを使用して、光学顕微鏡、SEM等によって得られる写真画像の測定によって測定できる。光学顕微鏡及びレーザー回折粒径アナライザー等の粒径アナライザーを使用することが好ましい。
用語「超疎水性」は、当技術分野でよく知られている。「超疎水性」の意味は、例えば、「Superhydrophobic Surfaces」、Alain Carre及びKash L.Mittal、2009年、CRC Pressに記載されており、この文献は、本明細書に参照により援用される。
(a)超疎水性粒子の水との接触角は、150°超、好ましくは155°以上、より好ましくは160°以上であってもよい。(a)超疎水性粒子の水との接触角は、単一の粒子を水に浮かべ、顕微鏡観察により、単一の粒子の接触角を求めることによって測定できる。接触角は、液体/蒸気界面が固体表面に触れる場所で、液体を通じて従来測定されている角度である。単粒子は、別の言葉では一次粒子であり、一次粒子の凝集から生じる二次粒子と区別される。
(a)超疎水性粒子は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、より好ましくは0.1〜3μmの最大高さの表面粗さを有してもよい。言い換えると、(a)超疎水性粒子は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、より好ましくは0.1〜3μmの最大高さを有するマイクロメートルサイズの複数の凸部を有してもよい。
マイクロメートルサイズの上記の凸部の表面が、1〜500nm、好ましくは1〜200nm、より好ましくは1〜100nmの最大高さを有するナノメートルサイズの複数の凸部を有することが好ましくてもよい。
凸部の形状は限定されない。例えば、凸部は、例えば柱体、錐体、フラクタル、繊維、又はブロックの形態の任意の突起であってもよい。
上記の凸部の最長径/最短径の比は、1.0〜100、好ましくは1.0〜50、より好ましくは1.0〜30の範囲であることが好ましくてもよい。
(a)超疎水性粒子は、(b)生理学的に許容される媒体と最小限に接触する表面を有してもよい。一実施形態では、(a)超疎水性粒子は、(b)生理学的に許容される媒体と接触しない表面を有してもよい。
(a)超疎水性粒子は、多孔質でもよい。(a)超疎水性粒子の多孔度は、BET法により、0.05m2/g〜1500m2/g、より好ましくは0.1m2/g〜1300m2/g、より好ましくは0.2m2/g〜1000m2/gの比表面積を特徴とするものでよい。
(a)超疎水性粒子の表面は、少なくとも1つの凹部を有してもよく、凹部は、(b)生理学的に許容される媒体と最小限に接触する表面を形成する。一実施形態では、(a)超疎水性粒子の表面は、少なくとも1つの凹部を有してもよく、凹部は、(b)生理学的に許容される媒体と接触しない表面を形成する。
(b)生理学的に許容される媒体と接触しない表面は、気体分子、例えば空気と接触してもよい。(a)超疎水性粒子の表面は、サブミクロンの凹部を有してもよく、この凹部で空気が捕捉されるので、凹部の表面は、(b)生理学的に許容される媒体と最小限に接触し、又は接触しない。
上記の凹部は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、より好ましくは0.1〜3μmの最大深さを有してもよい。言い換えると、(a)超疎水性粒子は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、より好ましくは0.1〜3μmの最大深さを有するサブマイクロメートルサイズの複数の凹部を有してもよい。
マイクロメートルサイズの上記の凹部の表面が、1〜500nm、好ましくは1〜200nm、より好ましくは1〜100nmの最大深さを有するナノメートルサイズの複数の凹部を有することが好ましくてもよい。
上記の凹部の形状は限定されない。例えば、凹部は、例えば柱体、錐体、フラクタル、繊維、又はブロックの形態の任意の窪みであってもよい。
上記の凹部の最長径/最短径の比は、1.0〜100、好ましくは1.0〜50、より好ましくは1.0〜30の範囲であることが好ましい。
(a)超疎水性粒子は、少なくとも1種の無機材料、少なくとも1種の有機材料、又はこれらの混合物を含んでもよい。
(a)超疎水性粒子は、好ましくは脂肪物質、シリコーン表面剤、フッ素化表面剤、フルオロシリコーン表面剤、金属石鹸、N-アシル化アミノ酸及びその塩、レシチン及びその誘導体、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、イソステアリルセバセート、リン脂質並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の疎水性化合物を好ましくは含む、少なくとも1つの疎水性被膜を有してもよい。
一実施形態では、(a)超疎水性粒子は、好ましくは少なくとも1種の脂肪物質を含む、少なくとも1つの疎水性被膜を有してもよい。
脂肪物質の種類は限定されない。単一の種類の脂肪物質、又は異なる種類の脂肪物質の組合せを使用することができる。
本明細書で使用するとき、用語「脂肪物質」は、室温及び大気圧(760mmHg)において水に不溶性(溶解度が5%未満、好ましくは1%未満、より一層好ましくは0.1%未満)である有機化合物を意味する。脂肪物質は、その構造中に、少なくとも1つの、連続する少なくとも2つのシロキサン基、又は少なくとも1つの、少なくとも6個の炭素原子を含有する炭化水素系鎖を含んでいてもよい。脂肪物質は、一般に親油性物質であり、室温及び大気圧で有機溶媒、例えばクロロホルム、エタノール、ベンゼン、液体ワセリン、又はデカメチルシクロペンタシロキサンに可溶性であってもよい。
一実施形態では、脂肪物質は油である。本明細書で使用するとき、「油」は、室温及び大気圧で固体形態でない任意の脂肪物質を意味する。美容的使用に好適な任意の油を、本発明において使用できる。好適な油には、揮発性及び不揮発性油の両方が含まれていてもよい。
脂肪物質は、炭化水素油、シリコーン油、フルオロ油、及びワックスから選択されてもよく、好ましくは、炭化水素油及びワックスから選択されてもよい。
炭化水素油は、動物、植物、鉱物、又は合成由来の炭化水素系油であってもよい。本明細書で使用するとき、「炭化水素系油」は、直鎖状又は分枝状、揮発性又は不揮発性の、炭素及び水素原子、並びに場合によってエステル、エーテル又はフルオロ基を主に含有する、任意の油を意味する。炭化水素油は、植物又は鉱物由来の炭化水素系油から選択されることが好ましい。
動物由来の炭化水素系油の例には、スクアレン、ペルヒドロスクアレン及びスクアランが含まれていてもよいが、これらに限定されない。
植物由来の炭化水素系油には、植物油又は野菜油として知られている油が含まれていてもよい。植物由来の炭化水素系油の例には、ホホバ油、アボカド油、オリーブ油、イヌバラ油、スウィートアーモンド油、コリアンダー油、落花生油、ココナッツ油、シア脂油、パーム油、亜麻仁油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、ヒマワリ油、杏仁油、ダイズ油、アララ油、ヘイゼルナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、アーモンド油、ブドウ種子油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ゴマ種子油、キャノーラ油、杏仁油、マンゴー油、クルミ油、ケシ種子油、オオムギ油、ライムギ油、及びそれらの混合物が含まれていてもよいが、これらに限定されない。それらの中で、ホホバ油、特にホホバ種子油、アボカド油、オリーブ油、特にオリーブ果実油、イヌバラ油、特にイヌバラ果実油及びそれらの混合物を好ましく使用してもよい。
鉱物又は合成由来の炭化水素系油は、揮発性でも不揮発性でもよく、このような油の例には、液体パラフィン、ワセリン、液体ワセリン(鉱物油)、水添イソパラフィン又は水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、ペルヒドロスクアレン、ポリデセン、イソヘキサデカン、イソドデカン及びそれらの混合物が含まれていてもよいが、これらに限定されるものではない。それらの中で、特に好ましくは、鉱物油が使用できる。
一実施形態では、脂肪物質はワックスである。本明細書で使用するとき、「ワックス」は、室温、大気圧下で実質的に固体であり、例えば30℃以上の融点を有する脂肪物質を意味する。このようなワックスの代表的な例には、動物、植物、又は鉱物由来のワックス、例えばカンデリラワックス、ビーズワックス、カルナウバワックス、オーリクリーワックス、サトウキビワックス、パラフィンワックス、ラノリンワックス、モンタンワックス、及びオゾケライト、水添油、例えば水添ホホバ油、合成由来のワックス、例えばポリエチレンワックス、並びにシリコーンワックス、例えばアルキル-及びアルコキシ-ポリ(ジ)メチルシロキサン又はポリ(ジ)メチルシロキサンエステルが含まれていてもよい。それらの中で、好ましくは、カンデリラワックスが使用できる。
脂肪物質はまた、脂肪酸、合成エステル及びエーテル、脂肪アルコール並びに脂肪アミドから選択されてもよい。
脂肪酸の例として、C12〜C22高級脂肪酸、例えばC12〜C22飽和脂肪酸、例えばステアリン酸;C12〜C22不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
合成エステル及びエーテルの例には、式R1COOR2及びR1-OR2(式中、R1は、8〜29個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪アルコールの残基を表し、R2は、3〜30個の炭素原子を含む分枝状又は非分枝状炭化水素鎖を表す)の油が含まれていてもよいが、これらに限定されるものではない。例えば、ピュアセリンオイル、2-エチルヘキシルパルミテート(又はオクチルパルミテート)、イソプロピルラノレート、イソプロピルラウレート、2-オクチルドデシルステアレート、2-オクチルドデシルエルケート若しくはイソステアリルイソステアレート;ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート若しくは脂肪アルコールのヘプタノエート、オクタノエート若しくはデカノエート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート及びジエチレングリコールジイソノナノエート;並びにペンタエリスリトールエステル、例えばペンタエリスリチルテトライソステアレート;又はアミノ酸の親油性誘導体、例えばイソプロピルラウロイルサルコシネートを使用できる。
他の例示的エステルには、例えば、2-エチルヘキシルカプレート/カプリレート(又はオクチルカプレート/カプリレート)、エチルラウレート、ブチルラウレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、メチルミリステート、エチルミリステート、ブチルミリステート、イソブチルミリステート、イソプロピルミリステート、2-オクチルドデシルミリステート、2-エチルヘキシルモノココエート(又はオクチルモノココエート)、メチルパルミテート、エチルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソブチルパルミテート、ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、イソブチルステアレート、2-エチルヘキシルステアレート(又はオクチルステアレート)、イソプロピルイソステアレート、イソセチルステアレート、イソステアリルイソステアレート、2-エチルヘキシルペラルゴネート(又はオクチルペラルゴネート)、2-エチルヘキシルヒドロキシステアレート(又はオクチルヒドロキシステアレート)、デシルオレエート、ジイソプロピルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート(又はジオクチルアジペート)、ジイソセチルアジペート、2-エチルヘキシルスクシネート(又はオクチルスクシネート)、ジイソプロピルセバセート、2-エチルヘキシルマレート(又はオクチルマレート)、ペンタエリスリチルカプレート/カプリレート、2-エチルヘキシルヘキサノエート(又はオクチルヘキサノエート)、オクチルドデシルオクタノエート、イソデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、セテアリルイソノナノエート、イソデシルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、ミリスチルプロピオネート、2-エチルヘキシル2-エチルヘキサノエート(又はオクチル2-エチルヘキサノエート)、2-エチルヘキシルオクタノエート(又はオクチルオクタノエート)、及びセチル2-エチルヘキサノエートが含まれていてもよい。
本発明において有用であり得る脂肪アルコールは、非アルコキシル化、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状で、6〜30個の炭素原子、より具体的には8〜30個の炭素原子を有していてもよい。本発明において好ましく使用される脂肪アルコールは、室温で液体形態であるか、又は固体ではない。脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール(oleic alcohol)及びリノレイルアルコール(linoleic alcohol)が含まれていてもよいが、これらに限定されるものではない。ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びミリシルアルコールもまた使用できる。
脂肪アミドの例には、イソプロピルラウロイルサルコシネートが含まれる。
脂肪物質はまた、揮発性又は不揮発性シリコーン油であってもよい。本発明において好ましく使用される揮発性又は不揮発性シリコーン油の例には、シクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン)、例えばシクロヘキサシロキサン、アルキル、アルコキシ又はフェニル基を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート及びポリメチルフェニルシロキサンが含まれていてもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明に好適であり得るフルオロ油には、ペルフルオロメチルシクロペンタン及びノナフルオロメトキシブタンが含まれていてもよい。
好ましくは、脂肪物質は、炭化水素油、ワックス、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、植物又は鉱物由来の炭化水素系油、ワックス、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、ホホバ油、特にホホバ種子油、アボカド油、オリーブ油、特にオリーブ果実油、イヌバラ油、特にイヌバラ果実油、カンデリラワックス及びそれらの混合物からなる群から選択される。
シリコーン表面剤は、オルガノポリシロキサン、シラン誘導体、シリコーン-アクリレートコポリマー、シリコーン樹脂、及びそれらの混合物から選択してよい。オルガノポリシロキサンという用語は、交互にケイ素原子及び酸素原子を含み、且つケイ素原子と結合した有機基を含む構造を有する化合物を表す。
フッ素化表面剤は、ペルフルオロアルキルホスフェート、ペルフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロポリエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルカン、ペルフルオロアルキルシラザン、ヘキサフルオロプロピレンポリオキシド、又はペルフルオロアルキルペルフルオロポリエーテル基を含むポリオルガノシロキサンから選択され得る。ペルフルオロアルキル基という用語は、すべての水素原子がフッ素原子に置き換えられているアルキル基を表す。
フルオロシリコーン表面剤は、ペルフルオロアルキルジメチコン、ペルフルオロアルキルシラン、及びペルフルオロアルキルトリアルコキシシランから選択され得る。
疎水性化合物は、金属石鹸、例えば、ジミリスチン酸アルミニウム、水添タロウグルタメートのアルミニウム塩から選択してもよい。金属石鹸として、具体的には、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、特に12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸の金属石鹸を挙げることができる。金属石鹸の金属は、具体的には、亜鉛又はマグネシウムであってよい。金属石鹸として、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、及びそれらの混合物を使用してよい。
疎水性化合物は、8〜22個の炭素原子を有するアシル基、例えば、2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、若しくはココイル基を含み得るN-アシル化アミノ酸又はその塩から選択することもできる。アミノ酸は、例えばリシン、グルタミン酸又はアラニンであってよい。これらの化合物の塩は、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛、ナトリウム、又はカリウム塩であってよい。このように、特に好ましい一実施形態によれば、N-アシル化アミノ酸誘導体は、具体的にはグルタミン酸誘導体及び/又はその塩のいずれか、より具体的には、グルタミン酸ステアロイル、例えばステアロイルグルタミン酸アルミニウムであってよい。
疎水性被膜中の疎水性化合物、好ましくは脂肪物質の量は、疎水性被膜の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは95質量%以上である。
コア粒子が少なくとも1つの疎水性被膜を有し、被膜が超疎水性表面を提供する場合、(a)超疎水性粒子は、それ自体は超疎水性ではない少なくとも1種のコア粒子を含んでもよい。一実施形態では、(a)超疎水性粒子は、超疎水性である少なくとも1種のコア粒子を含んでもよく、このコア粒子は少なくとも1つの疎水性被膜を有する。
コア粒子の種類は限定されない。そのため、単一の種類のコア粒子、又は異なる種類のコア粒子の組合せを使用することができる。
本発明の目的では、「コア粒子」は、親水性であっても、又は疎水性であってもよい。用語「疎水性」粒子は、粒子が凝集体を形成せずに、個別に油性相中に分散することを意味する。用語「親水性」粒子は、粒子が凝集体を形成せずに、個別に水性相中に分散することを意味する。
コア粒子自体は、(a)超疎水性粒子について上で記載した表面粗さを有し得ることが好ましい。
コア粒子の材料は限定されない。そのため、コア粒子は、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料を含んでよい。
無機材料は、金属塩、例えば、カルシウム塩、例えば炭酸カルシウム及びリン酸カルシウム、バリウム塩、例えば硫酸バリウム、マグネシウム塩、例えば硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、シリカ、ケイ酸塩、酸化亜鉛、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ハイドロタルサイト、鉱物クレイ、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。金属塩は、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、クエン酸塩、硝酸塩、水酸化物、又は亜硝酸塩であってもよい。
特に、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの混合物(錯体)、及び炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの混合物(錯体)が好ましい。
コア粒子の無機材料として、コア粒子が親水性である場合、炭酸カルシウム、炭酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの混合物(錯体)、及び炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの混合物(錯体)が好ましい。
有機材料は、(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクタム、ポリ(ブチレン)スクシネート、多糖類、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニル樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。
組成物中の(a)超疎水性粒子の量は、組成物の総質量に対して0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%であってもよい。
[生理学的に許容される媒体]
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の(b)生理学的に許容される媒体を含む。
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の(b)生理学的に許容される媒体を含む。
用語「生理学的に許容される媒体」は、本発明による化粧用組成物をケラチン物質に適用するのに特に適した媒体を示すことが意図される。
生理学的に許容される媒体は、一般に、本発明による化粧用組成物が適用される支持体の性質、及び本発明による化粧用組成物がパッケージされる形態に適合される。
(b)生理学的に許容される媒体は、少なくとも1種の親水性有機溶媒、水、又はこれらの混合物を含んでもよい。
親水性有機溶媒として、例えば、エタノール又はイソプロパノール等、2〜6個の炭素原子を含むモノアルコール;とりわけ、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコール等、2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子、優先的には2〜8個の炭素原子を含むポリオール;モノ、ジ又はトリプロピレングリコール(C1〜C4)アルキルエーテル、モノ、ジ又はトリエチレングリコール(C1〜C4)アルキルエーテル等、(とりわけ3〜16個の炭素原子を含む)グリコールエーテル、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
組成物は、好ましくは、少なくとも1種の親水性有機溶媒を、組成物の総質量に対して0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜30質量%の量で含む。
本発明における使用に好適な水は、フローラルウォーター、例えば、コーンフラワーウォーター、及び/又は、ミネラルウォーター、例えば、Vittel水、Lucas水若しくはLa Roche Posay水、及び/又は、湧き水であってもよい。
組成物は、好ましくは、水を、組成物の総質量に対して20〜85質量%、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%の量で含む。
特に、本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の親水性有機溶媒及び水を、組成物の総質量に対して、25〜99質量%、とりわけ40〜90質量%、より具体的には50〜80質量%の合計量で含んでもよい。
(b)生理学的に許容される媒体は、少なくとも1種の油を含んでもよい。本明細書では、用語「油」は、周囲温度(25℃)で液体である脂肪物質を意味すると理解される。
油は揮発性であっても不揮発性であってもよい。
油は、動物、植物、鉱物又は合成由来のものであってもよい。
用語「不揮発性油」は、ケラチン物質上に、室温(25℃)及び大気圧で残存する油を意味する。より具体的には、不揮発性油は、厳密に0.01mg/cm2/分未満の蒸発速度を有する。
この蒸発速度を測定するために、試験を受けることになる15gの油又は油混合物を、直径7cmの結晶皿に入れ、これを、25℃の温度で温度制御して相対湿度50%で湿度制御している約0.3m3の大きなチャンバ内に均衡をとって配置する。液体は、撹拌せずに自由に蒸発させ、一方で、前記油又は前記混合物を含む結晶皿の上に垂直に配置した送風機(Papst-Motoren社、参照名8550N、2700rpmで回転)で換気を行い、送風機の羽根は、結晶皿の底部から20cm離して結晶皿の方に向ける。結晶皿に残存する油の質量を、一定の間隔をおいて測定する。蒸発速度は、単位面積(cm2)及び単位時間(分)当たりの蒸発した油のmgで表す。
「揮発性油」という用語は、室温(25℃)及び大気圧で皮膚又は唇に接触して、1時間未満で蒸発できる任意の非水性媒体を意味する。揮発性油は、室温(25℃)で液体である化粧用揮発性油である。より具体的には、揮発性油は、両端を含む0.01から200mg/cm2/分の間の蒸発速度を有する。
(揮発性油)
揮発性油は、8〜16個の炭素原子を含有する炭化水素系油、とりわけC8〜C16分枝状アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカン及びイソヘキサデカン[例えば、商品名Isopar(登録商標)又はPermethyl(登録商標)で販売されている油]から選択してもよい。
揮発性油は、8〜16個の炭素原子を含有する炭化水素系油、とりわけC8〜C16分枝状アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカン及びイソヘキサデカン[例えば、商品名Isopar(登録商標)又はPermethyl(登録商標)で販売されている油]から選択してもよい。
使用できる揮発性油には、揮発性シリコーン、例えば揮発性直鎖状又は環状シリコーン油、とりわけ8センチストーク(cSt)(8×10-6m2/s)以下の粘度を有し、とりわけ2〜10個のケイ素原子、特に2〜7個のケイ素原子を含有するものが含まれ、これらのシリコーンは、任意選択で1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基又はアルコキシ基を含む。本発明で使用され得る揮発性シリコーン油として、とりわけ5cSt及び6cStの粘度のジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
一実施形態によれば、本発明による化粧用組成物は、組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%、又は、更には0.5〜10質量%、又は、更には1〜5質量%、とりわけ1質量%未満の揮発性油を含んでいてもよい。
(不揮発性油)
不揮発性油は、とりわけ不揮発性炭化水素系の、フルオロ油及び/又はシリコーン油から選択してもよい。
不揮発性油は、とりわけ不揮発性炭化水素系の、フルオロ油及び/又はシリコーン油から選択してもよい。
とりわけ挙げられる不揮発性炭化水素系油には、
- ペルヒドロスクアレン等の動物由来の炭化水素系油、
- 植物由来の炭化水素系油、例えば、フィトステアリルエステル、例えば、フィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレート及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(味の素株式会社、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステル、特に、脂肪酸がC4〜C36、とりわけC18〜C36の鎖長を有することができるものから形成されたトリグリセリドであり、これらの油は場合によって直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であり、とりわけ、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ケシ油、冬カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ククイ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、スウィートアーモンド油、桃核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリヂサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、ツバキ油、キャノーラ油、ニンジン油、サフラワー油、亜麻油、ナタネ油、綿実油、ココナッツ油、髄種子油、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、トウモロコシ油、メドフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイ油、ヘイゼルナッツ油、杏仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、ブラックカラント種油、キーウィ種子油、グレープシード油、ピスタチオ油、冬カボチャ油、カボチャ油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油及びスイカ種子油、並びにそれらの混合物、或いはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)の名称で販売されているものであってもよい、
- 無機又は合成由来の直鎖状又は分枝状炭化水素、例えば、流動パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、例えばParleam、並びにスクアラン、
- 10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例えば式R1COOR2の油であり、式中、R1は1〜40個の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を表し、R2は1〜40個の炭素原子を含有する、とりわけ分枝状である炭化水素系鎖を表し、但しR1鎖及びR2鎖における炭素原子数の和は10以上であるという条件である。エステルは、とりわけアルコールの脂肪酸エステル、例えば、セトステアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールエステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルパルミテート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、オクチルステアレート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、ジイソプロピルアジペート、ヘプタノエート、とりわけイソステアリルヘプタノエート、アルコール又はポリアルコールオクタノエート、デカノエート又はリシノレート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、セチルオクタノエート、トリデシルオクタノエート、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、アルキルベンゾエート、ポリエチレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエート及びそれらの混合物、C12〜C15アルコールベンゾエート、ヘキシルラウレート、ネオペンタン酸エステル、例えば、イソデシルネオペンタノエート、イソトリデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、イソノナン酸エステル、例えばイソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、オクチルイソノナノエート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート及びジイソステアリルマレートから選択してもよい、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えば、ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、
- ジオールダイマー及び二酸ダイマーのエステル、例えば、日本精化株式会社により販売され、米国特許出願公開第2004-175338号に記載されているLusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)、
- ポリオール及び二酸ダイマーのコポリマー、及び、それらのエステル、例えば、Hailuscent ISDA又はジリノール酸/ブタンジオールコポリマー、
- オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、及びこれらの混合物等のC12〜C22高級脂肪酸、
- 2つのアルキル鎖が場合によって同一である又は異なっている炭酸ジアルキル、例えば、Cognis社によりCetiol CC(登録商標)の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、
- 特に約400〜約10000g/mol、特に約650〜約10000g/mol、特に約750〜約7500g/molの範囲、より具体的には約1000〜約5000g/molの範囲のモル質量を有する高モル質量の油。本発明において使用できる高モル質量の油としては、とりわけ、
親油性ポリマー、
総炭素数が35〜70の範囲の直鎖状脂肪酸エステル、
ヒドロキシル化エステル、
芳香族エステル、
C24〜C28分枝状脂肪酸又は脂肪アルコールエステル、
シリコーン油、
植物由来の油、及び
それらの混合物から選択される油が挙げられる、
- 任意選択で部分的に炭化水素系及び/又はシリコーンフルオロ油、例えば、欧州特許出願公開第847752号の文献に記載のフルオロシリコーン油、フルオロポリエーテル及びフルオロシリコーン、
- シリコーン油、例えば、不揮発性直鎖状又は環状ポリジメチルシロキサン(PDMS);ペンダントであって又はシリコーン鎖の末端にあって、2〜24個の炭素原子を含有する、アルキル、アルコキシ又はフェニル基を含む、ポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、並びに
- これらの混合物
が含まれる。
- ペルヒドロスクアレン等の動物由来の炭化水素系油、
- 植物由来の炭化水素系油、例えば、フィトステアリルエステル、例えば、フィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレート及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(味の素株式会社、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステル、特に、脂肪酸がC4〜C36、とりわけC18〜C36の鎖長を有することができるものから形成されたトリグリセリドであり、これらの油は場合によって直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であり、とりわけ、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ケシ油、冬カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ククイ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、スウィートアーモンド油、桃核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリヂサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、ツバキ油、キャノーラ油、ニンジン油、サフラワー油、亜麻油、ナタネ油、綿実油、ココナッツ油、髄種子油、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、トウモロコシ油、メドフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイ油、ヘイゼルナッツ油、杏仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、ブラックカラント種油、キーウィ種子油、グレープシード油、ピスタチオ油、冬カボチャ油、カボチャ油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油及びスイカ種子油、並びにそれらの混合物、或いはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)の名称で販売されているものであってもよい、
- 無機又は合成由来の直鎖状又は分枝状炭化水素、例えば、流動パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、例えばParleam、並びにスクアラン、
- 10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例えば式R1COOR2の油であり、式中、R1は1〜40個の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を表し、R2は1〜40個の炭素原子を含有する、とりわけ分枝状である炭化水素系鎖を表し、但しR1鎖及びR2鎖における炭素原子数の和は10以上であるという条件である。エステルは、とりわけアルコールの脂肪酸エステル、例えば、セトステアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールエステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルパルミテート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、オクチルステアレート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、ジイソプロピルアジペート、ヘプタノエート、とりわけイソステアリルヘプタノエート、アルコール又はポリアルコールオクタノエート、デカノエート又はリシノレート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、セチルオクタノエート、トリデシルオクタノエート、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、アルキルベンゾエート、ポリエチレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエート及びそれらの混合物、C12〜C15アルコールベンゾエート、ヘキシルラウレート、ネオペンタン酸エステル、例えば、イソデシルネオペンタノエート、イソトリデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、イソノナン酸エステル、例えばイソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、オクチルイソノナノエート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート及びジイソステアリルマレートから選択してもよい、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えば、ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、
- ジオールダイマー及び二酸ダイマーのエステル、例えば、日本精化株式会社により販売され、米国特許出願公開第2004-175338号に記載されているLusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)、
- ポリオール及び二酸ダイマーのコポリマー、及び、それらのエステル、例えば、Hailuscent ISDA又はジリノール酸/ブタンジオールコポリマー、
- オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、及びこれらの混合物等のC12〜C22高級脂肪酸、
- 2つのアルキル鎖が場合によって同一である又は異なっている炭酸ジアルキル、例えば、Cognis社によりCetiol CC(登録商標)の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、
- 特に約400〜約10000g/mol、特に約650〜約10000g/mol、特に約750〜約7500g/molの範囲、より具体的には約1000〜約5000g/molの範囲のモル質量を有する高モル質量の油。本発明において使用できる高モル質量の油としては、とりわけ、
親油性ポリマー、
総炭素数が35〜70の範囲の直鎖状脂肪酸エステル、
ヒドロキシル化エステル、
芳香族エステル、
C24〜C28分枝状脂肪酸又は脂肪アルコールエステル、
シリコーン油、
植物由来の油、及び
それらの混合物から選択される油が挙げられる、
- 任意選択で部分的に炭化水素系及び/又はシリコーンフルオロ油、例えば、欧州特許出願公開第847752号の文献に記載のフルオロシリコーン油、フルオロポリエーテル及びフルオロシリコーン、
- シリコーン油、例えば、不揮発性直鎖状又は環状ポリジメチルシロキサン(PDMS);ペンダントであって又はシリコーン鎖の末端にあって、2〜24個の炭素原子を含有する、アルキル、アルコキシ又はフェニル基を含む、ポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、並びに
- これらの混合物
が含まれる。
特に、本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の不揮発性油を、組成物の総質量に対して、5〜70質量%、とりわけ10〜60質量%、より具体的には15〜50質量%、とりわけ20〜40質量%の合計量で含んでもよい。
特に、本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の揮発性油及び不揮発性油を、組成物の総質量に対して、5〜70質量%、とりわけ10〜60質量%、より具体的には15〜50質量%、とりわけ20〜40質量%の合計量で含んでもよい。
特に、本発明による化粧用組成物は、(b)生理学的に許容される媒体を、組成物の総質量に対して1〜99質量%、とりわけ5〜95質量%、より具体的には10〜90質量%の範囲の含有量で含んでいてもよい。
[化粧用組成物]
本発明による組成物は、化粧用組成物として使用されることが意図される。そのため、本発明による化粧用組成物は、ケラチン物質上への適用が意図されてもよい。ケラチン物質は、本明細書において、ケラチンを主要構成要素として含む材料を意味し、その例として、皮膚、頭皮、爪、唇、毛髪等を含む。そのため、本発明の化粧用組成物が、ケラチン物質用の美容方法のために使用されることが好ましい。
本発明による組成物は、化粧用組成物として使用されることが意図される。そのため、本発明による化粧用組成物は、ケラチン物質上への適用が意図されてもよい。ケラチン物質は、本明細書において、ケラチンを主要構成要素として含む材料を意味し、その例として、皮膚、頭皮、爪、唇、毛髪等を含む。そのため、本発明の化粧用組成物が、ケラチン物質用の美容方法のために使用されることが好ましい。
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を含んでいてもよい。
任意の界面活性剤を、本発明のために使用できる。界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用することができる。このため、単一の種類の界面活性剤、又は異なる種類の界面活性剤の組合せを使用することができる。
本発明の一実施形態によれば、界面活性剤の量は、本発明による化粧用組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%の範囲とすることができる。
(非イオン性界面活性剤)
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
非イオン性界面活性剤は、元来よく知られている化合物である[例えばこの点に関しては、「Handbook of Surfactants」M.R.Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991年、116〜178頁を参照されたい]。そのため、非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコール、アルファ-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルから選択されてよく、これらの化合物はエトキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化されており、例えば8〜30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有し、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数を2〜50の範囲とすること、及びグリセロール基の数を1〜30の範囲とすることが可能である。マルトース誘導体を挙げることもできる。非限定的であるが、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコールとの縮合物;例えば2〜30molのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1.5〜5個の、1.5〜4個等のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2〜30molのエチレンオキシドを含む、ソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物由来のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C6〜C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノエステル又はジエステル;N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体;(C10〜C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド等のアミンオキシド;シリコーン界面活性剤;並びにそれらの混合物もまた挙げることができる。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、モノオキシアルキレン化、ポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤から選択することができる。オキシアルキレン単位は、より具体的には、オキシエチレン若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることのできるモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化された非イオン性界面活性剤の例には、
モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸及びポリアルキレングリコールのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸及びソルビトールのモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化植物油、
とりわけ単独又は混合物としてのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物が含まれる。
モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸及びポリアルキレングリコールのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸及びソルビトールのモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化植物油、
とりわけ単独又は混合物としてのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物が含まれる。
界面活性剤は好ましくは、1から100の間、最も好ましくは2から50の間のモル数のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含む。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を含まない。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、ポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール(脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル)及びポリオキシエチレン化脂肪エステル(脂肪酸のポリエチレングリコールエステル)から選択される。
挙げられるポリオキシエチレン化脂肪アルコール(又はC8〜C30アルコール)の例には、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より具体的には10〜12個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではラウレス-10からラウレス-12);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-9からベヘネス-50);セテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテアレス-10からセテアレス-30)、セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテス-10からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではステアレス-10からステアレス-30)、イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではイソステアレス-10からイソステアレス-50)、及びそれらの混合物が含まれる。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールが好ましくは使用される。
特に、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールは、次式
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
(式中、Rは、直鎖状又は分枝状C8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)に相当する。
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
(式中、Rは、直鎖状又は分枝状C8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)に相当する。
本発明との関連で適する化合物の例として、4molのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール及び6molのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
アルコールは、mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールの混合物を表すことができ、このことは、市販の製品において、複数種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存し得ることを意味する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化されたアルコールの中で、1molのグリセロールを含有するC8/C10アルコール、1molのグリセロールを含有するC10/C12アルコール、及び1.5molのグリセロールを含有するC12アルコールを使用することが好ましい。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40脂肪エステルは、次式
R'O-[CH2-CH(CH2OR''')-O]m-R''又はR'O-[CH(CH2OR''')-CH2O]m-R''
(式中、R'、R''及びR'''のそれぞれは、独立して、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル-CO-若しくはアルケニル-CO-基を表し、但しR'、R''及びR'''のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)
に相当し得る。
R'O-[CH2-CH(CH2OR''')-O]m-R''又はR'O-[CH(CH2OR''')-CH2O]m-R''
(式中、R'、R''及びR'''のそれぞれは、独立して、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル-CO-若しくはアルケニル-CO-基を表し、但しR'、R''及びR'''のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)
に相当し得る。
挙げることのできるポリオキシエチレン化脂肪エステルの例には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステル、及びこれらの混合物のエチレンオキシド付加物、とりわけ9〜100個の炭素単位を含有するもの、例えばPEG-9〜PEG-50ラウレート(CTFA名:PEG-9ラウレートからPEG-50ラウレートとして);PEG-9〜PEG-50パルミテート(CTFA名:PEG-9パルミテートからPEG-50パルミテートとして);PEG-9〜PEG-50ステアレート(CTFA名:PEG-9ステアレートからPEG-50ステアレートとして);PEG-9〜PEG-50パルミトステアレート;PEG-9〜PEG-50ベヘネート(CTFA名:PEG-9ベヘネートからPEG-50ベヘネートとして);ポリエチレングリコール100EOモノステアレート(CTFA名:PEG-100ステアレート);及びこれらの混合物が含まれる。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、ポリオールと、例えば8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の鎖を有する脂肪酸とのエステル、及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体、例えば、C8〜C24の、好ましくはC12〜C22の脂肪酸のグリセリルエステル、及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24、好ましくはC12〜C22の脂肪酸のソルビトールエステル、及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24、好ましくはC12〜C22の脂肪酸の糖(スクロース、マルトース、グルコース、フルクトース及び/又はアルキルグリコース)エステル及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;糖と、C8〜C24、好ましくはC12〜C22の脂肪アルコールとのエーテル;並びにそれらの混合物から選択することができる。
脂肪酸のグリセリルエステルとして、グリセリルステアレート(グリセリルモノステアレート、ジステアレート及び/又はトリステアレート)(CTFA名:グリセリルステアレート)又はグリセリルリシノレエート及びこれらの混合物を引用することができ、それらのポリオキシアルキレン化誘導体として、脂肪酸とポリオキシアルキレン化グリセロールとの、モノエステル、ジエステル又はトリエステル(脂肪酸と、グリセロールのポリアルキレングリコールエーテルとの、モノエステル、ジエステル又はトリエステル)、好ましくはポリオキシエチレン化グリセリルステアレート(モノステアレート、ジステアレート及び/又はトリステアレート)、例えばPEG-20グリセリルステアレート(モノステアレート、ジステアレート及び/又はトリステアレート)を引用することができる。
これらの界面活性剤の混合物、例えばARLACEL 165の名称でUniqema社によって市販されているグリセリルステアレート及びPEG-100ステアレートを含有する製品、並びにTEGINの名称でGoldschmidt社によって市販されているグリセリルステアレート(グリセリルのモノステアレート及びジステアレート)及びステアリン酸カリウムを含有する製品(CTFA名:グリセリルステアレートSE)等もまた使用することができる。
C8〜C24脂肪酸のソルビトールエステル及びそのポリオキシアルキレン化誘導体は、ソルビタンパルミテート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレエート;並びに脂肪酸と、例えば20〜100個のEOを含有するアルコキシル化ソルビタンとのエステル、例えばICI社によりSpan 60という名称で販売されているソルビタンモノステアレート(CTFA名:ソルビタンステアレート)、ICI社によりSpan 40という名称で販売されているソルビタンモノパルミテート(CTFA名:ソルビタンパルミテート)、及びICI社によりTween 65という名称で販売されているソルビタントリステアレート20 EO(CTFA名:ポリソルベート65)、ポリエチレンソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、又はUniqema社によりTween 20若しくはTween 60という商品名で市販されている化合物から選択することができる。
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエステルとして、グルコースパルミテート、アルキルグルコースセスキステアレート、例えばメチルグルコースセスキステアレート、アルキルグルコースパルミテート、例えばメチルグルコース又はエチルグルコースパルミテート、メチルグルコシド脂肪エステル、メチルグルコシド及びオレイン酸のジエステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート)、メチルグルコシド及びオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸の混合物の混合エステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート/ヒドロキシステアレート)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースイソステアレート)、メチルグルコシド及びラウリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースラウレート)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキ-イソステアレート)、メチルグルコシド及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキステアレート)、特に、名称Glucate SSでAMERCHOL社によって市販されている製品、並びにこれらの混合物を引用することができる。
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエトキシル化エーテルとして、脂肪酸及びメチルグルコースのエトキシル化エーテル、特に、約20モルのエチレンオキシドを有する、メチルグルコース及びステアリン酸のジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースジステアレート)、例えば名称Glucam E-20ジステアレートでAMERCHOL社によって市販されている製品、約20モルのエチレンオキシドを有する、メチル-グルコース及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースセスキステアレート)、特に、名称Glucamate SSE-20でAMERCHOL社によって市販されている製品、及び名称Grillocose PSE-20でGoldschmidt社によって市販されている製品、並びにこれらの混合物を、例えば引用することができる。
スクロースエステルとして、ショ糖パルミトステアリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖モノラウリン酸エステルを、例えば引用することができる。
糖エーテルとして、アルキルポリグルコシドを使用することができ、例えば、MYDOL 10の名称で花王株式会社によって市販されている製品、PLANTAREN 2000の名称でHenkel社によって市販されている製品、及びORAMIX NS 10の名称でSeppic社によって市販されている製品等のデシルグルコシド、ORAMIX CG 110の名称でSeppic社によって、又はLUTENSOL GD 70の名称でBASF社によって市販されている製品等のカプリリル/カプリルグルコシド、PLANTAREN 1200 N及びPLANTACARE 1200の名称でHenkel社によって市販されている製品等のラウリルグルコシド、PLANTACARE 818/UPの名称でHenkel社によって市販されている製品等のココ-グルコシド、場合によってはセトステアリルアルコールと混合されているセトステアリルグルコシドで、例えばMONTANOV 68の名称でSeppic社によって、TEGO-CARE CG90の名称でGoldschmidt社によって、及びEMULGADE KE3302の名称でHenkel社によって市販されているもの、アラキジルグルコシド、例えばアラキジルとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態でMONTANOV 202の名称でSeppic社によって市販されているもの、ココイルエチルグルコシド、例えばセチルとステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態でMONTANOV 82の名称でSeppic社によって市販されているもの、並びにそれらの混合物を、特に引用することができる。
アルコキシル化植物油のグリセリドの混合物、例えばエトキシル化(200 EO)パーム及びコプラ(7 EO)グリセリドの混合物もまた、引用することができる。
本発明による非イオン性界面活性剤は、アルケニル又は分枝鎖のC12〜C22アシル鎖、例えばオレイル基又はイソステアリル基を好ましくは含有する。より好ましくは、本発明による非イオン性界面活性剤は、PEG-20グリセリルトリイソステアレートである。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、特に次式
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)cH
(式中、a、b及びcは、a+cが2〜100の範囲であり、bが14〜60の範囲であるような整数である)
のコポリマー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)cH
(式中、a、b及びcは、a+cが2〜100の範囲であり、bが14〜60の範囲であるような整数である)
のコポリマー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
本発明による実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、シリコーン界面活性剤から選択することができる。非限定的に挙げられるのは、米国特許第5364633号及び米国特許第5411744号に開示されているものである。
シリコーン界面活性剤は、好ましくは、次式(I)
[式中、
R1、R2及びR3は、互いに独立に、C1〜C6アルキル基又は-(CH2)x-(OCH2CH2)y-(OCH2CH2CH2)z-OR4基を表し、R1、R2又はR3の少なくとも1つの基はアルキル基ではなく、R4は、水素、アルキル基又はアシル基であり、
Aは0〜200の範囲の整数であり、
Bは0〜50の範囲の整数であり、但しA及びBが同時に0であることはなく、
xは、1〜6の範囲の整数であり、
yは、1〜30の範囲の整数であり、
zは0〜5の範囲の整数である]
の化合物であってもよい。
R1、R2及びR3は、互いに独立に、C1〜C6アルキル基又は-(CH2)x-(OCH2CH2)y-(OCH2CH2CH2)z-OR4基を表し、R1、R2又はR3の少なくとも1つの基はアルキル基ではなく、R4は、水素、アルキル基又はアシル基であり、
Aは0〜200の範囲の整数であり、
Bは0〜50の範囲の整数であり、但しA及びBが同時に0であることはなく、
xは、1〜6の範囲の整数であり、
yは、1〜30の範囲の整数であり、
zは0〜5の範囲の整数である]
の化合物であってもよい。
本発明の好ましい一実施形態によれば、式(I)の化合物中で、アルキル基はメチル基であり、xは、2〜6の範囲の整数であり、yは、4〜30の範囲の整数である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として挙げられるのは、次式(II)
(式中、Aは20〜105の範囲の整数であり、Bは2〜10の範囲の整数であり、yは10〜20の範囲の整数である)
の化合物である。
の化合物である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として同様に挙げられるのは、式(III)
H-(OCH2CH2)y-(CH2)3-[(CH3)2SiO]A'-(CH2)3-(OCH2CH2)y-OH (III)
(式中、A'及びyは、10〜20の範囲の整数である)
の化合物である。
H-(OCH2CH2)y-(CH2)3-[(CH3)2SiO]A'-(CH2)3-(OCH2CH2)y-OH (III)
(式中、A'及びyは、10〜20の範囲の整数である)
の化合物である。
使用することができるシリコーン界面活性剤は、Dow Corning社によりDC 5329、DC 7439-146、DC 2-5695及びQ4-3667の名称で販売されているものである。化合物DC5329、DC7439-146及びDC2-5695は、式(II)の化合物であり、それぞれ、Aは22、Bは2、yは12であり;Aは103、Bは10、yは12であり;Aは27、Bは3、yは12である。
化合物Q4-3667は、式(III)の化合物であり、式中Aが15であり、yが13である。
シリコーン界面活性剤として、PEG-10ジメチコン及び/又はPEG/PPG-18/19ジメチコンを使用することが好ましくてもよい。
非イオン性界面活性剤のHLBは、好ましくは8〜13、より好ましくは9〜12、更により好ましくは10〜11であってもよい。2種以上の非イオン性界面活性剤を使用する場合、HLB値は、すべての非イオン性界面活性剤のHLB値の質量平均によって求めてもよい。HLBは、分子における親水性部分と親油性部分との間の比である。このHLBという用語は、当業者によく知られており、「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.社版、1984年)に記載されている。非イオン性界面活性剤のHLBが8未満である場合、濯ぎ落とし後に油性の感触が残ることになる。非イオン性界面活性剤のHLBが13超である場合、組成物の残存性は更に悪くなる。
本発明による化粧用組成物は、この分野で通常使用される任意の添加剤も含んでもよく、添加剤は、例えば、溶媒、ガム、樹脂、親水性増粘剤、例えばカルボマー、疎水性増粘剤、例えばジメチコンクロスポリマー、分散剤、酸化防止剤、精油、保存剤、例えばフェノキシエタノール、香料、中和剤、pH調節剤、例えばトリエタノールアミン、防腐剤、UV遮蔽剤、美容活性剤、例えばビタミン、保湿剤、皮膚軟化剤又はコラーゲン保護剤、12〜26個の炭素原子を含有する分枝状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する脂肪アルコール、例えば2-オクチルドデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール、並びにこれらの混合物から選択される。
本発明による組成物中に存在する添加剤の性質及び量を、所望の美容特性が添加剤により影響を受けないよう調整することは、当業者にとって常法の範囲内である。
本発明による化粧用組成物は、皮膚化粧用組成物、好ましくはスキンケア組成物又は皮膚メークアップ組成物、特に皮脂防止スキンケア又は皮膚メークアップ化粧用組成物であってもよい。
[美容方法]
本発明はまた、皮膚等のケラチン物質用の美容方法であって、
上に説明した本発明による化粧用組成物をケラチン物質上に適用する工程を含む、美容方法にも関する。
本発明はまた、皮膚等のケラチン物質用の美容方法であって、
上に説明した本発明による化粧用組成物をケラチン物質上に適用する工程を含む、美容方法にも関する。
ケラチン物質は、本発明による組成物の適用前に、乾燥状態又は湿潤状態にあることができる。本発明の組成物の、ケラチン物質への適用に続いて、ケラチン物質を濯いでも濯がなくてもよい。濯ぐ前に、本発明の組成物は、例えば10秒〜30分、ケラチン物質と接触して放置させることができる。
本発明による美容方法は、好ましくは(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果によって、ケラチン物質の表面にマット感を付与するために行われてもよい。
[美容的使用]
本発明は、ケラチン物質用の(a)少なくとも1種の超疎水性粒子の美容的使用にも関する。
本発明は、ケラチン物質用の(a)少なくとも1種の超疎水性粒子の美容的使用にも関する。
本発明による美容的使用は、好ましくは(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果によって、ケラチン物質の表面にマット感を付与するように意図されてもよい。
当業者なら、使用する成分の性質、例えば、成分の媒体への溶解性、及び組成物について構想される用途を考慮に入れながら、自身の一般知識に基づき、適切な体裁並びにその調製方法を選択できることは理解されたい。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。以下の実施例は、本発明の技術分野の非限定的な例示として提示されるものである。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
表1に示す実施例1〜3及び比較例1〜3の以下の組成物を、表1に示す成分を混合することによって調製した。表1に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
表1に示す実施例1〜3及び比較例1〜3の以下の組成物を、表1に示す成分を混合することによって調製した。表1に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
[CaCO3粒子の疎水性]
Cryst.Res.Technol.2014,49,418によると、炭酸カルシウム自体の典型的な接触角は、40°未満である。
Cryst.Res.Technol.2014,49,418によると、炭酸カルシウム自体の典型的な接触角は、40°未満である。
実施例1〜3及び比較例1〜3で使用されるCaCO3粒子は、微小花弁状(マイクロペタル: micro-petal)の形態であった。
非被覆のCaCO3花弁状単粒子を水に浮かばせて、顕微鏡観察により、花弁状粒子の接触角を求めた。非被覆のCaCO3単粒子の接触角は、138.6°であった。非被覆のCaCO3単粒子は超疎水性ではないことが見出された。
ステアリン酸で被覆したCaCO3花弁状単粒子を水に浮かばせて、顕微鏡観察により、花弁状粒子の接触角を求めた。ステアリン酸で被覆したCaCO3単粒子の接触角は、165.7°であった。ステアリン酸で被覆したCaCO3単粒子は、超疎水性であることが見出された。
[評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物を次の通り評価した。
実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物を次の通り評価した。
(透過率)
実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物の透明度を、可視領域において、吸光度計を用いて透過率を測定することによって測定した[V-550(JASCO社)で、可視光線透過率(400から800nmの間)の平均として、2mm幅のセルで]。測定は、不希釈組成物において行った。ブランクは、蒸留水を用いて求めた。
実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物の透明度を、可視領域において、吸光度計を用いて透過率を測定することによって測定した[V-550(JASCO社)で、可視光線透過率(400から800nmの間)の平均として、2mm幅のセルで]。測定は、不希釈組成物において行った。ブランクは、蒸留水を用いて求めた。
(ヘイズ)
3.0gの実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物のそれぞれを、透明ポリエステルフィルム上に適用し、37℃で10分間放置した。
3.0gの実施例1〜3及び比較例1〜3による組成物のそれぞれを、透明ポリエステルフィルム上に適用し、37℃で10分間放置した。
フィルムの光透過率を、ヘイズメータ(BYKガードナーヘイズガードプラス、株式会社東洋精機製作所)で測定した。より高いヘイズ値は、より良好な結果、すなわちより良好なマット感付与効果を示す。
結果を表1に示す。
(Δヘイズ)
実施例1による組成物のヘイズ値と、比較例1による組成物のヘイズ値との間の差を求めた。同様に、実施例2及び比較例2のヘイズ値の差、並びに実施例3及び比較例3のヘイズ値の差も求めた。
実施例1による組成物のヘイズ値と、比較例1による組成物のヘイズ値との間の差を求めた。同様に、実施例2及び比較例2のヘイズ値の差、並びに実施例3及び比較例3のヘイズ値の差も求めた。
結果を表1に示す。
(実施例4及び比較例4〜5)
表2に示す実施例4及び比較例4〜5の以下の組成物を、表2に示す成分を混合することによって調製した。表2に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
表2に示す実施例4及び比較例4〜5の以下の組成物を、表2に示す成分を混合することによって調製した。表2に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
ステアリン酸被覆CaCO3粒子及びCaCO3粒子は、直径10μmを有していた。
[評価]
実施例4及び比較例4〜5による組成物を次の通り評価した。
実施例4及び比較例4〜5による組成物を次の通り評価した。
(人工皮脂が無い場合の光沢)
3.0gの実施例4及び比較例4〜5による組成物のそれぞれを、透明ポリエステルフィルム上に適用し、37℃で10分間放置した。
3.0gの実施例4及び比較例4〜5による組成物のそれぞれを、透明ポリエステルフィルム上に適用し、37℃で10分間放置した。
グロスメータ(CM-2600d、コニカミノルタ株式会社)によって、反射率を60°の光沢値として評価した。より低い60°の光沢値は、より良好な結果を示す。
結果を表2に示す。
(人工皮脂がある場合の光沢)
3.0gの実施例4及び比較例4〜5による組成物のそれぞれを、室温で人工皮脂と十分に混合して、得られる混合物中の人工皮脂の濃度が6.5質量%となるようにした。人工皮脂の配合は、以下に示す。このようにして得られた混合物を、透明ポリエステルフィルム上に適用し、37℃で10分間放置した。
3.0gの実施例4及び比較例4〜5による組成物のそれぞれを、室温で人工皮脂と十分に混合して、得られる混合物中の人工皮脂の濃度が6.5質量%となるようにした。人工皮脂の配合は、以下に示す。このようにして得られた混合物を、透明ポリエステルフィルム上に適用し、37℃で10分間放置した。
グロスメータ(CM-2600d、コニカミノルタ株式会社)によって、反射率を60°の光沢値として評価した。より低い60°の光沢値は、より良好な結果を示す。
結果を表2に示す。
(Δ(人工皮脂がある場合の光沢-人工皮脂が無い場合の光沢))
人工皮脂がある場合の60°の光沢値と、人工皮脂が無い場合の60°の光沢値との間の差を求めた。
人工皮脂がある場合の60°の光沢値と、人工皮脂が無い場合の60°の光沢値との間の差を求めた。
結果を表2に示す。
(結果)
超疎水性粒子を含む実施例1〜3による組成物は、それぞれ、超疎水性粒子を含まない比較例1〜3による組成物と比較して、注目すべきヘイズ効果を提供できる。そのため、実施例1〜3による組成物は、比較例1〜3による組成物よりも、良好なマット感付与効果を提供できる。
超疎水性粒子を含む実施例1〜3による組成物は、それぞれ、超疎水性粒子を含まない比較例1〜3による組成物と比較して、注目すべきヘイズ効果を提供できる。そのため、実施例1〜3による組成物は、比較例1〜3による組成物よりも、良好なマット感付与効果を提供できる。
超疎水性粒子を含む実施例4による組成物は、超疎水性粒子を含まない比較例4〜5による組成物と比較して、注目すべき皮脂防止効果を提供できる。そのため、実施例4による組成物は、比較例4〜5による組成物よりも、良好なテカリ防止効果を提供できる。
Claims (15)
- (a)少なくとも1種の超疎水性粒子と、
(b)少なくとも1種の生理学的に許容される媒体と
を含む、組成物。 - (a)超疎水性粒子が、100μm以下、50μm以下、より好ましくは20μm以下の直径を有する、請求項1に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子の水との接触角が、150°超、好ましくは155°以上、より好ましくは160°以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子が、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、より好ましくは0.1〜3μmの最大高さの表面粗さを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子が、(b)生理学的に許容される媒体と接触しない表面を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子の前記表面が、少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部が、(b)生理学的に許容される媒体と接触しない前記表面を形成する、請求項5に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子が、少なくとも1つの疎水性被膜を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子が、少なくとも1種のコア粒子を含む、請求項7に記載の組成物。
- (a)超疎水性粒子として、ステアリン酸被膜を有する炭酸カルシウムの少なくとも1種のコア粒子を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物中の(a)超疎水性粒子の量が、組成物の総質量に対して0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
- (b)生理学的に許容される媒体が、少なくとも1種の親水性有機溶媒、水、又はこれらの混合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
- 水を、組成物の総質量に対して20〜85質量%、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%の量で含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
- 皮膚化粧用組成物、好ましくはスキンケア組成物又は皮膚メークアップ組成物、特に皮脂防止スキンケア又は皮膚メークアップ化粧用組成物である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
- 皮膚等のケラチン物質用の美容方法であって、
請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物を前記ケラチン物質上に適用する工程を含む、美容方法。 - 好ましくは組成物中の(a)超疎水性粒子によって提供される皮脂防止、テカリ防止、及び/又はヘイズ効果によって、前記ケラチン物質の表面にマット感を付与するための、請求項14に記載の美容方法。
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CN116656158A (zh) * | 2023-04-04 | 2023-08-29 | 仲恺农业工程学院 | 一种超疏水疏油涂料溶液及其制备方法和应用 |
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2015
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CN116656158B (zh) * | 2023-04-04 | 2024-10-18 | 仲恺农业工程学院 | 一种超疏水疏油涂料溶液及其制备方法和应用 |
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