以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する(つまり、特図の可変表示を実行する)。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)を導出表示(単に導出ともいう。)する。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(特別図柄を形成する点灯パターンには、適宜LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターンとを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターンが点滅して見える)。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置5が設けられている。また、メイン画像表示装置5の上面側の四隅には、4つのサブ画像表示装置5a、5b、5c、5dが設けられている。サブ画像表示装置5a〜5dは同一形状の表示装置である。本実施形態では、メイン画像表示装置5の表示領域は、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域よりも広い。メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。また、サブ画像表示装置5a〜5dは、それぞれ移動(変位)可能であり、画面上では、適宜、画像が表示される。
一例として、メイン画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、メイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
メイン画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
メイン画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲーム(特図の可変表示でもある。)の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームの保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲーム(可変表示ゲーム)を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく特図ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲームの保留が行われる。この実施形態では、保留記憶表示を、保留されている特図ゲームと同じ個数の保留表示図柄(本実施形態では、丸印などであり、以下、保留記憶画像ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの特図ゲームに対応している。なお、後述するように、特図ゲームが保留されている(保留表示図柄が表示されている)ということは、始動入賞時に抽出された保留データが第1又は第2特図保留記憶部に格納されているということでもあり、このため、保留表示図柄は、始動入賞時に抽出され第1又は第2特図保留記憶部に格納されている保留データに対応して表示されるものでもある。保留されている特図ゲームや保留データのことは、保留記憶ともいう。第1特図ゲームの保留記憶は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の第1保留表示領域5Haに表示される保留表示図柄によって表される。第2特図ゲームの保留記憶は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の第2保留表示領域5Hbに表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
メイン画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、メイン画像表示装置5側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部がメイン画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
メイン画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できるが、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、信号分離基板220といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5d、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、図2に示すように、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が不測の停電などで一時停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電して電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(後述の、特図プロセスフラグ、大当りフラグ、時短フラグ、確変フラグなどの各種フラグの状態や、特図保留記憶数、変動特図指定バッファ値などの各種の値や、可変表示結果などの各種データや、遊技制御プロセスタイマなどの各種タイマのタイマ値などの、遊技制御に必要なデータなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップされて保存される。バックアップされたデータを適宜バックアップデータという。このバックアップデータによって、電断後の電力供給の再開時に、電断の発生時(電力停止時)の状態での復旧がなされる(例えば、電力供給の再開によって、電力停止時に停止された遊技制御が再開される)。なお、電断後の電力供給の再開時に使用されるデータは全てバックアップデータとしてRAM102に保存される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
次に、主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。主基板11は、遊技の進行を制御する。そして、主基板11は、遊技の進行に応じて演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する。演出制御基板12は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいてメイン画像表示装置5などを制御する演出制御を実行することで各種演出を行う。このようなことによって、主基板11によって実行される遊技と、演出制御基板12によって実行される各種演出との同期が取られることになる。
以下、図3を参照して、演出制御コマンドを説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応してメイン画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定(通知)する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、変動パターン(図23参照、詳しくは後述する)に対応する数値が設定される。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号が「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。変動パターン指定コマンドは、特図ゲーム開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か及び大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、当該コマンド中の「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「非確変」の「大当り」なら「01」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「02」など)。表示結果指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8D01(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特別図柄の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特別図柄の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特図の可変表示を開始するのか第2特図の可変表示を開始するのかを示す情報を、前述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。変動開始指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示(変動)又は第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示(変動)の終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄など)を導出表示することを指定するものでもある。図柄確定指定コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンド95XX(H)は、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dに表示される演出画像の背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。この実施の形態では、演出モードに応じて背景が変更されるので、当該背景指定コマンドは、演出モードを指定するものでもある。また、演出モードは、遊技状態に応じて変化するので(確変状態であれば確変モード、非確変状態であれば通常モード)、当該背景指定コマンドは、パチンコ遊技機1の状態(特に遊技状態)を指定するものでもある。当該コマンド中の「XX」には、背景(演出モード)に対応する数値が設定される。例えば、各背景(演出モード)には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「通常モード」なら「00」、「確変モード」なら「01」など)。背景指定コマンドは、遊技状態(つまり、背景(演出モード))が変更され得るタイミング(大当り終了時、可変表示結果導出時など)、特図ゲームの開始時などに送信される。
コマンド9F00(H)は、デモ表示(特図ゲームや大当り遊技状態に制御されていないときなどに表示される客待ちデモンストレーション画面の表示)を指定する演出制御コマンド(デモ表示指定コマンド)である。デモ表示指定コマンドは、デモ表示を行う際に送信される。
コマンドA001(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信設定される。
コマンドA2XX(H)は、大入賞口の開放を指定(通知)する演出制御コマンド(大入賞口開放指定コマンド)である。この実施の形態では、当該コマンド中の「XX」には、当該コマンドで通知する大入賞口の開放が1回の大当り遊技状態における何回目の開放(何ラウンド目のラウンド遊技)であるかを示す値が設定される(例えば、1ラウンド目の開放であれば「01」・・・15ラウンド目の開放であれば「15」など)。大入賞口開放指定コマンドは、大入賞口の開放時に送信される。
コマンドA3XX(H)は、大入賞口の閉鎖を指定(通知)する演出制御コマンド(大入賞口閉鎖指定コマンド)である。この実施の形態では、当該コマンド中の「XX」には、当該コマンドで通知する大入賞口の閉鎖が1回の大当り遊技状態における何回目の閉鎖(何ラウンド目のラウンド遊技の終了)であるかを示す値が設定される(例えば、1ラウンド目の閉鎖であれば「01」・・・15ラウンド目の閉鎖であれば「15」など)。大入賞口閉鎖指定コマンドは、大入賞口の閉鎖時に送信される。
コマンドA601(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定(通知)する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定(通知)する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定(通知)する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定(通知)する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得るタイミング(始動入賞発生時、特図ゲーム開始時など)に送信される。
コマンドD100(H)は、主基板11側が初期化されたことを指定(通知)する演出制御コマンド(初期化指定コマンド)である。初期化指定コマンドは、初期化時に送信される。
コマンドD200(H)は、電源復旧がなされたこと(電断後の電力供給が再開し、RAM102のバックアップデータによって電断発生時の状態の復旧がなされたこと)を指定(通知)する演出制御コマンド(電源復旧指定コマンド)である。電源復旧指定コマンドは、電源復旧時(電断発生時の状態の復旧時)に送信される。
コマンドD3XX(H)は、電源復旧後(電源復旧時ともいう。)のパチンコ遊技機1の状態(ここでは、つまり、RAM102のバックアップデータによって復旧された電断発生時のパチンコ遊技の内部状態)を指定(通知)する演出制御コマンド(復旧状態指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、電源復旧後のパチンコ遊技機1の状態(電断発生時の状態でもあり、復旧された状態)に対応する数値が設定される。
ここで、図4を用いて、復旧状態指定コマンドの内容について説明する。図4は、復旧状態指定コマンドの内容の一例を示す図である。図4に示すように、電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの実行中であれば(電源復旧によって第1特図ゲームの実行が再開されれば)、「XX」には「01」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの実行中であれば(電源復旧によって第2特図ゲームの実行が再開されれば)、「XX」には「02」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であれば(電源復旧によって当該大当り遊技状態が再開されれば)、「XX」には「03」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であれば(電源復旧によって当該大当り遊技状態が再開されれば)、「XX」には「04」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が上記以外のその他の状態であれば、「XX」には「05」が設定される。復旧状態指定コマンドは、電源復旧時(電断発生時の状態の復旧時)に送信される。
図2に戻って、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに対して映像信号を伝送するための各配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(電断があった場合など)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、図5に示すように、VDP(Video Display Processor)362、メイン表示系統出力部MK及びサブ表示系統出力部SKを含んで構成される。なお、図示はされていないが、表示制御部123内には、その他にCGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていてもよい。
VDP362は、メイン画像表示装置5に表示させるメイン画像についての映像信号が送信されるメイン表示系統出力部MKと、各サブ画像表示装置5a〜5dに表示させるサブ画像についての映像信号が送信されるサブ表示系統出力部SKとの2系統の信号出力ラインを有している。この2系統の信号出力ラインのうち、メイン表示系統出力部MKは、メイン画像表示装置5内の液晶制御基板400に接続され、この液晶制御基板400を介してVDP362から出力された信号がメイン画像表示装置5内の液晶パネル401に入力される。
また、サブ表示系統出力部SKには、該サブ表示系統出力部SKから出力される映像信号を各サブ画像表示装置5a〜5dに分離して送信する信号分離基板220が接続され、この信号分離基板220を介してサブ画像表示装置5a〜5d内の液晶制御基板400a〜400dに接続されている。そして、この各液晶制御基板400a〜400dを介してVDP362から出力された映像信号がサブ画像表示装置5a〜5d内の液晶パネル401a〜401dに入力される。
また、信号分離基板220は、入力側基板220aと出力側基板220bとにより構成される。入力側基板220aは、表示制御部123内のサブ表示系統出力部SKから出力されたサブ表示系統出力部SK(1系統)の映像信号を出力側基板220bへ出力する。出力側基板220bは、入力側基板220aからの映像信号を2系統に分離する一次分離回路302と、該一次分離回路302により分離されて出力されたそれぞれ系統(各1系統)の信号を2系統に分離する2つの二次分離回路304a、304bと、該二次分離回路304a、304bにより分離されて出力されたそれぞれ系統(各1系統)の映像信号を各サブ画像表示装置5a〜5dに送信する各送信回路306a〜306dとを有している。
なお、VDP362は、ドットクロック値が40MHzの周波数で映像信号を送出するようになっており、メイン画像表示装置5は、VDP362と同じドットクロック値が40MHzの周波数の映像信号を受信して画像を表示するようになっている。これに対して各サブ画像表示装置5a〜5dは、ドットクロック値が10MHzの周波数の映像信号を受信して画像を表示するようになっている。このため、VDP362から出力されたドットクロック値が40MHzの周波数の映像信号は、信号分離基板220によりドットクロック値が10MHzの周波数の映像信号に変換されて出力されるようになっている。
詳しくは、この信号分離基板220では、VDP362から出力されたドットクロック値が40MHzの周波数の映像信号は、一次分離回路302によりドットクロック値が20MHzの周波数の映像信号に変換され、更に、二次分離回路304a、304bによりドットクロック値が10MHzの周波数の映像信号に変換されて出力されるようになっている。
図6は、信号分離基板220内の入力側基板220aの構成図である。図6に示すように、入力側基板220aにおいて、サブ系統出力部SKに接続されているコネクタ222には電路(信号線)230、232、234等の一端が接続されている。また、信号線230、232の他端にはIC224が接続され、信号線234の他端にはIC226が接続されている。更に、IC224には信号線236、238、240、242の一端が接続され、これら信号線236、238、240、242の他端にはIC228が接続されている。
信号線230には、映像信号であるV−by−One(登録商標)信号(+)が伝送され、信号線232には、映像信号であるV−by−One信号(−)が伝送される。信号線230とグランド(GND)との間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード252が接続され、信号線232とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード254が接続されている。双方向ツェナーダイオード252は、信号線230に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。同様に、双方向ツェナーダイオード254は、信号線232に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。
また、信号線230の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ256の中を通り、信号線232の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ258の中を通る構造となっている。信号線230に電流が流れるとフェライトビーズ256の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ256は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線232に電流が流れるとフェライトビーズ258の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ258は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
信号線234には、電源電圧信号(VDD)信号が伝送される。信号線234とGNDとの間には、ノイズ抑制用のバリスタ260及びコンデンサ262が並列に接続されている。バリスタ260は、信号線234に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に抵抗値が低くなり、電流が流れることによりノイズを除去する。コンデンサ262は、信号線234に印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
信号線236〜242には、液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群が伝送される。液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群は、ドットクロック信号(CLKOUT)、データイネーブル信号(DE)、垂直同期信号(VSYNC)、水平同期信号(HSYNC)である。信号線236とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード264が接続され、信号線238とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード266が接続され、信号線240とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード268が接続され、信号線242とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード270が接続されている。双方向ツェナーダイオード264〜270は、それぞれ接続している信号線236〜242に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。
図7は、信号分離基板220内の出力側基板220bの構成図である。図7に示すように、一次分離回路302には、信号線330a、330b、330c、330d、334が接続されている。信号線330aは、一次分離回路302内で信号線331aと信号線332aに分岐し、信号線331aは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332aは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。信号線330bは、一次分離回路302内で信号線331bと信号線332bに分岐し、信号線331bは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332bは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。信号線330cは、一次分離回路302内で信号線331cと信号線332cに分岐し、信号線331cは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332cは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。信号線330dは、一次分離回路302内で信号線331dと信号線332dに分岐し、信号線331dは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332aは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。
二次分離回路304a内のIC324aと送信回路306a内のコネクタ322aとの間は信号線333aにより接続され、二次分離回路304a内のIC324aと送信回路306b内のコネクタ322bとの間は信号線333bにより接続されている。二次分離回路304b内のIC324bと送信回路306c内のコネクタ322cとの間は信号線333cにより接続され、二次分離回路304b内のIC324bと送信回路306d内のコネクタ322dとの間は信号線333dにより接続されている。
一次分離回路302に接続された信号線334は、信号線335a、335b、335c、335dに分岐している。信号線335aは、送信回路306a内のコネクタ322aに接続され、信号線335bは、送信回路306b内のコネクタ322bに接続され、信号線335cは、送信回路306c内のコネクタ322cに接続され、信号線335dは、送信回路306d内のコネクタ322dに接続されている。
コネクタ322aは、後述するハーネス600を介してサブ表示装置5a内の液晶制御基板400aに接続され、コネクタ322bは、後述するハーネス600を介してサブ表示装置5b内の液晶制御基板400bに接続され、コネクタ322cは、後述するハーネス600を介してサブ表示装置5c内の液晶制御基板400cに接続され、コネクタ322dは、後述するハーネス600を介してサブ表示装置5d内の液晶制御基板400dに接続されている。
信号線330aには、液晶パネル401a〜401dに画像が描画された後に強制的にリセットするための信号であるリセット制御信号(RESX)が伝送される。一次分離回路302内において、信号線330aとGNDとの間には、ノイズ抑制用のコンデンサ352が接続されている。コンデンサ352は、信号線330aに印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
送信回路306a内において、4本の信号線333aのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354aの中を通り、信号線335aの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356aの中を通る構造となっている。4本の信号線333aに電流が流れるとフェライトビーズ354aの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354aは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335aに電流が流れるとフェライトビーズ356aの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356aは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
送信回路306b〜306d内においても同様である。すなわち、送信回路306b内において、4本の信号線333bのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354bの中を通り、信号線335bの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356bの中を通る構造となっている。4本の信号線333bに電流が流れるとフェライトビーズ354bの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354bは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335aに電流が流れるとフェライトビーズ356bの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356bは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
送信回路306c内において、4本の信号線333cのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354cの中を通り、信号線335cの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356cの中を通る構造となっている。4本の信号線333cに電流が流れるとフェライトビーズ354cの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354cは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335cに電流が流れるとフェライトビーズ356cの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356cは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
送信回路306d内において、4本の信号線333dのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354dの中を通り、信号線335dの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356dの中を通る構造となっている。4本の信号線333dに電流が流れるとフェライトビーズ354dの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354dは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335dに電流が流れるとフェライトビーズ356dの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356dは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
図8は、サブ画像表示装置5a〜5d内の液晶制御基板400a〜400dの構成図である。図8に示すように、コネクタ402は、後述するハーネス600を介して、信号分離基板220の出力側基板220b内の送信回路306a〜306dに接続されている。
コネクタ402には、信号線を介してIC404が接続されている。また、コネクタ402には、信号線422、424、426等の一端が接続されている。信号線424、426の他端にはIC406が接続されている。
信号線422には、電源電圧信号(VDD)が伝送される。信号線422とGNDとの間には、ノイズ抑制用のバリスタ460及びコンデンサ462が並列に接続されている。バリスタ460は、信号線422に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に抵抗値が低くなり、電流が流れることによりノイズを除去する。コンデンサ462は、信号線422に印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
信号線424には、映像信号であるV−by−One信号(+)が伝送され、信号線426には、映像信号であるV−by−One信号(−)が伝送される。信号線424とグランド(GND)との間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード464が接続され、信号線426とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード466が接続されている。双方向ツェナーダイオード464は、信号線424に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。同様に、双方向ツェナーダイオード466は、信号線426に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。
また、信号線424の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ468の中を通り、信号線470の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ470の中を通る構造となっている。信号線424に電流が流れるとフェライトビーズ468の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ468は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線426に電流が流れるとフェライトビーズ470の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ470は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
また、IC404には、信号線428が接続されている。信号線428には、液晶パネル401a〜401dに画像が描画された後に強制的にリセットするための信号であるリセット制御信号(RESX)が伝送される。信号線428とGNDとの間には、ノイズ抑制用のコンデンサ472が接続されている。コンデンサ472は、信号線428に印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
また、IC406には、4本の信号線430が接続されている。4本の信号線430には、液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群が伝送される。液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群は、ドットクロック信号、データイネーブル信号(DE)、垂直同期信号(VSYNC)、水平同期信号(HSYNC)である。4本の信号線430のそれぞれとGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード474が接続されている。双方向ツェナーダイオード474は、それぞれ接続している信号線430に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。
図9は、コネクタ322a〜322dとコネクタ402とを接続するハーネス600の構成図である。ハーネス600は、コネクタ322a〜322dの何れかに接続されるコネクタ602と、コネクタ402に接続されるコネクタ604と、これらコネクタ602とコネクタ604とを接続する信号線610、612、614等により構成される。
信号線610には、映像信号であるV−by−One信号(+)が伝送され、信号線612には、映像信号であるV−by−One信号(−)が伝送される。信号線614は、グランド(GND)線である。これら信号線610、612、614は、より線(撚り線)構造となっており、それぞれに発生するノイズを抑制する。
次に、サブ画像表示装置5a〜5dの構造について説明する。本実施形態において、サブ画像表示装置5a〜5dには、移動により他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触した場合に、その接触状態を維持するための磁石が配置されている。
図10(A)に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの外縁部の各辺には、他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触可能な領域(接触可能領域)651a、651b、651c、651dが形成されている。接触可能領域651aには、両端に2つの磁石650a1及び650a2が配置されている。磁石650a1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650a2は外側がN極、内側がS極であり、互いに磁極が異なる配置となっている。同様に、接触可能領域651bには、両端に2つの磁石650b1及び650b2が配置され、磁石650b1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650b2は外側がN極、内側がS極となっている。接触可能領域651cには、両端に2つの磁石650c1及び650c2が配置され、磁石650c1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650c2は外側がN極、内側がS極となっている。接触可能領域651dには、両端に2つの磁石650d1及び650d2が配置され、磁石650d1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650d2は外側がN極、内側がS極となっている。
図10(A)に示すサブ画像表示装置5a〜5dが180°回転した場合、図11(A)に示すものとなる。図10(A)に示すサブ画像表示装置5a〜5dと図11(A)に示すサブ画像表示装置5a〜5dとを比較すると、磁極の配置は同一である。更に、図10(A)、図11(A)に示す4つのサブ画像表示装置5a〜5dを接触させると、図12に示す状態となり、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向する。これにより、1のサブ画像表示装置5a〜5dと接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dとの接触状態が維持される。すなわち、各サブ画像表示装置5a〜5dの磁石の配置を図10(A)、図11(A)に示すもので共通化することにより、各サブ画像表示装置5a〜5dを接触させた場合の接触状態を維持することが可能となる。
一方、例えば、磁極の配置が図10(B)に示すものである場合、サブ画像表示装置を180°回転させると、図11(B)に示すものとなり、磁極の配置が変化する。この場合、図10(B)、図11(B)に示す4つのサブ画像表示装置を接触させても、1のサブ画像表示装置の磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置の磁石のN極と対向せず、1のサブ画像表示装置の磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向しないため、接触状態が維持されない。
なお、図10(C)に示す磁石の配置でもよい。すなわち、サブ画像表示装置5a〜5dの外縁部の各辺には、他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触可能な領域(接触可能領域)651a、651b、651c、651dが形成されている。接触可能領域651aには、磁石650aが配置されている。磁石650aは下側がN極、上側がS極となるように配置される。同様に、接触可能領域651bには、磁石650bが、左側がN極、右側がS極となるように配置される。接触可能領域651cには、磁石650cが、上側がN極、下側がS極となるように配置される。接触可能領域651dには、磁石650dが、右側がN極、左側がS極となるように配置される。
図10(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dが180°回転した場合、図11(C)に示すものとなる。図10(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dと図11(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dとを比較すると、磁極の配置は同一である。この場合、図10(A)、図11(A)に示す4つのサブ画像表示装置5a〜5dを接触させると、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向する。これにより、1のサブ画像表示装置5a〜5dと接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dとの接触状態が維持される。すなわち、各サブ画像表示装置5a〜5dの磁石の配置を図10(C)、図11(C)に示すもので共通化することにより、各サブ画像表示装置5a〜5dを接触させた場合の接触状態を維持することが可能となる。
図2に戻って、パチンコ遊技機1は、サブ画像表示装置5a〜5dをそれぞれ移動させる各駆動装置50a〜50dを備える。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる各駆動装置50a〜50dに対して移動制御指令を出力する。各駆動装置50a〜50dは、サブ画像表示装置5a〜5dをメイン画像表示装置5の四隅から中心に向けて直線移動させるための図示しない第1のステッピングモータと、サブ画像表示装置5a〜5dを傾動(回転)させるための図示しない第2のステッピングモータと、これらのステッピングモータを駆動する図示しないモータ駆動回路とを備える。各モータ駆動回路が、演出制御用CPU120からの移動制御指令に応じて、第1、第2ステッピングモータを駆動することにより、サブ画像表示装置5a〜5dが移動する。なお、サブ画像表示装置5a〜5dが各駆動装置50a〜50dを備えるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1は、サブ画像表示装置5a〜5dの各初期位置を検出する図示しない位置検出センサをそれぞれ備える。本実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dの各初期位置は、例えば、図1に示すようにメイン画像表示装置5の四隅にて傾斜姿勢にある位置としているが、これに限定されない。この図示しない位置検出センサは演出制御基板12に接続されている。このため、演出制御基板12は、図示しない位置検出センサからの検出信号に基づいて、サブ画像表示装置5a〜5dが初期位置にあるかが判定可能である。
また、例えば、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dが表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)、各駆動装置50a〜50dへと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介してメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介してメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に演出画像を表示させたり、サブ画像表示装置5a〜5dを各駆動装置50a〜50dによって移動(変位)させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材用モータ61を駆動して可動演出部材60を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、メイン画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出(図37など参照)、本来、メイン画像表示装置5が表示すべき画像の一部をサブ画像表示装置5a〜5dが表示するサブ画像演出(図39など参照)など、遊技を盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンなどを指定するもの)の決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)において、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、当該表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
メイン画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、メイン画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、メイン画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、メイン画像表示装置5における表示動作のみならず、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」(この実施形態では、大当り種別が「確変」又は「非確変」となる「大当り」である)となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施形態では、一例として、ノーマル、バトルA、バトルB、バトルCといったリーチ演出が予め設定されている。バトルA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、バトルA〜Cのリーチ演出を、バトルリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
バトルリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。バトルリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、バトルリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。バトルA又はBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。バトルリーチCが実行された場合には、バトルリーチCの実行後にバトルリーチAが実行される(バトルリーチAに発展する)。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、バトルリーチA又はBが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、バトルリーチCが実行された場合には、バトルリーチBが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えばメイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えばメイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、メイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば図13の遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後(ステップS11)、必要な初期設定を行う(ステップS12)。初期設定では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)やRAM102をアクセス可能状態に設定することなどが行われる。
次いで、CPU103は、図示しないクリアスイッチ(例えば、図示しない電源基板に搭載されている。)が押されてオンされているかを判定する(ステップS13)。オンされているかの判定は、例えば、クリアスイッチから出力されるオン信号(クリアスイッチがオンとなったときに出力される信号)がI/O105の入力ポートを介して入力されているかなどによって行われる。
CPU103は、オン信号が入力されているなどして、クリアスイッチがオンされている場合(ステップS13;Yes)、パチンコ遊技機1の状態はクリアされるので、CPU103は、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を行う。
CPU103は、クリアスイッチがオフの場合(クリアスイッチが押されていない場合)(ステップS13;No)、CPU103は、データ保護処理が実行されているかを判定する(ステップS14)。データ保護処理は、遊技機への電力供給が停止したときにCPU103によって実行される処理であって、電断等が発生したときにRAM102が記憶するデータを保護するための処理である。データ保護処理は、この実施の形態では、パリティデータ(パリティビット)の付加等の電力供給停止時処理を含む。データ保護処理が実行されたかは、電力供給停止時処理などにおいてRAM102に設定されるバックアップフラグの状態(これもバックアップされている)によって判定すればよい。クリアスイッチが押されず(ステップS13;No)、データ保護処理が実行された場合(ステップS14;Yes)、電断による電力供給の停止及び再開があった可能性があるため、ステップS15以下の処理を実行する。一方、データ保護処理が実行されていない場合(ステップS14;No)、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、CPU103は、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を行う。
ステップS15において、CPU103は、RAM102のデータチェックを行って、正常であるかを判定する(ステップS15)。この実施の形態では、データチェックとして電力供給停止時処理で付加されたパリティデータ(パリティビット)を用いたパリティチェックを行う。なお、電力供給停止処理においてRAM102のデータについてチェックサムを算出してRAM102に格納しておき、ステップS15にてRAM102のデータについて電力供給停止時処理と同一の処理によってチェックサムを算出し、ステップS15で両チェックサムを比較することで、データチェックを行ってもよい。
不測の停電等の電力供給停止(電断)が生じた後に電力供給が再開した場合には、RAM102のデータはバックアップされているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータが、電力供給の停止時(電断時)のデータとは異なっていることになる。データチェックが異常(不一致)の場合(ステップS15;No)、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を実行する。
チェック結果が正常(一致)であれば(ステップS15;Yes)、電断による電力供給の停止及び再開があったと判定できるので、CPU103は、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時(電断発生時)の状態に復旧するための復旧処理を行う(ステップS16)。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルを参照して、バックアップ時設定テーブルの内容をRAM102に設定する。当該RAM102はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、RAM102の記憶内容のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。バックアップ時設定テーブルの内容をRAM102に設定することで、RAM102のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容(バックアップのデータ)がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止時(電断開始時)の遊技状態を示すデータ(後述の、特図プロセスフラグ、大当りフラグ、時短フラグ、確変フラグなどの各種フラグの状態や、特図保留記憶数、変動特図指定バッファ値などの各種の値や、可変表示結果などの各種データや、遊技制御プロセスタイマなどの各種タイマのタイマ値などの、遊技制御に必要なデータなど)、I/O105の出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
なお、バックアップされる可変表示結果は、特図ゲームが実行中であれば、実行中の特図ゲームの可変表示結果を示し、特図ゲームが実行されていない状態であれば、直近の特図ゲームの可変表示結果を示す(下記の特別図柄プロセス処理などでは、次の特図ゲームが開始されるまで、可変表示結果がRAM102に記憶され保持される)。なお、直近の特図ゲームがない場合には、可変表示結果は、ハズレを示すものであってもよい。
この実施の形態では、電源復旧した場合には、ステップS16の処理のあとに実行される後述の特別図柄プロセスや普通図柄プロセス処理などにて、バックアップデータ(電力供給停止時(電断開始時)の遊技状態を示すデータ)が用いられ(通常時と同様にそのまま用いられることになる)、遊技制御が実行(再開)されるので、電断後の電力供給の再開時に、電断の発生時(電力停止時)の状態での処理が再開され、電力停止時に停止された状態からの遊技制御が再開される。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとデータチェックとの双方を用いてRAM102のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとデータチェックとのいずれかを、ステップS16の処理を実行するための契機としてもよい。
ステップS16の処理あと、CPU103は、復旧処理によって復旧された復旧後のパチンコ遊技機1の状態(復旧された内部状態)に応じて、電源復旧時コマンドを送信する(ステップS17)(図14参照)。なお、図14において「○」が送信されるコマンドを示す。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの実行中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「2」で、変動特図指定バッファ値が「1」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(第1特図ゲーム実行中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの実行中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「2」で、変動特図指定バッファ値が「2」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(第2特図ゲーム実行中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で、変動特図指定バッファ値が「1」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンドであるが、ここでは「大当り」なので、バックアップデータによらず「大当り」のコマンドとしてもよい。)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよいが、大当り遊技状態中は通常状態になるので、バックアップデータによらず通常モードの背景を指定するコマンドとしてもよい。)と、復旧状態指定コマンド(第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で、変動特図指定バッファ値が「2」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンドであるが、ここでは「大当り」なので、バックアップデータによらず「大当り」のコマンドとしてもよい。)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよいが、大当り遊技状態中は通常状態になるので、バックアップデータによらず通常モードの背景を指定するコマンドとしてもよい。)と、復旧状態指定コマンド(第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が上記以外のその他の状態である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「0」、「1」、「3」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよい。)と、復旧状態指定コマンド(その他を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、を送信する処理を行う。
ステップS17の処理によって、復旧後(復旧時)の復旧された状態を演出制御基板12に通知できる。
ステップS17のあとは、ステップS21の処理が実行される。
ステップS18では、CPU103は、初期化処理を行う。例えば、RAM102のクリア処理を行う。当該クリア処理によって、所定のデータは0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルを参照し、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM102に設定する。このようにして、各種フラグの状態、各種タイマの値、各種データなどが初期化される。
その後、CPU103は、初期化指定コマンドを送信する(ステップS19)。例えば、演出制御基板12側では、初期化指定コマンドを受信すると、メイン画像表示装置5において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行うようにしてもよい。
ステップS21では、CPU103は、乱数回路104の初期設定(動作設定を含む)を行う(なお、その他、遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられた各種回路の初期設定を行ってもよい。)。
その後、タイマ割込の設定を行う(ステップS22)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行い、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103が定期的に後述の遊技制御用タイマ割込み処理を実行することができるようにする。
ステップS22のあとは、ループ処理に入り、タイマ割込を禁止したあとに(ステップS23)、乱数回路104などにおける乱数を更新する処理を行って(ステップS24)、タイマ割込を許可する設定を行い(ステップS25)、再度ステップS23の処理を行うようにする。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理(ステップS51)、メイン側エラー処理(ステップS52)、情報出力処理(ステップS53)、遊技用乱数更新処理(ステップS54)、特別図柄プロセス処理(ステップS55)、普通図柄プロセス処理(ステップS56)、コマンド制御処理(ステップS57)といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込み処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい。
図18に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる(図13でのコマンド送信についても同様)。
コマンド制御処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理を終了するが、CPU103は、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図17は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理(図15のステップS51)にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されるなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理(図15のステップS51)にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されるなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図19(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図19(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図19(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばバトルリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。なお、演出制御基板12により、第1特図保留記憶部の保留番号と対応する保留表示図柄が例えばメイン画像表示装置5の画面の第1保留表示領域5Haに表示される。
図19(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばバトルリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。なお、演出制御基板12により、第2特図保留記憶部の保留番号と対応する保留表示図柄が例えばメイン画像表示装置5の画面の第2保留表示領域5Hbに表示される。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じて、始動口入賞指定コマンド、保留数記憶通知コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。更に、始動口バッファ値が「1」であるときに、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
ここでの第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図16に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図20は、特別図柄通常処理として、図16のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図17に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図21(A)に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図21(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図21(A)に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図16に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、図21(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「確変」と「非確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図21(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。また、このとき、決定した今回の可変表示結果(「ハズレ」、「確変」の「大当り」、「非確変」の「大当り」のいずれか)もRAM102の所定領域に格納される。当該可変表示結果は、次の特図ゲームが実行されるまで、RAM102の所定領域に保持される(バックアップデータとしても保持され、電源復旧時コマンドの送信時などで使用される。)。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図16に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えばメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(デモ表示指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図16のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図22(A)は、変動パターン設定処理として、図16のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図23は、この実施形態における変動パターンを示している。この実施形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1からPB1−2と、が用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)及び変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、バトルリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)及び変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、バトルリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)及び変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、バトルリーチC(救済)を実行し、その後にバトルリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2−5(ハズレ用)及び変動パターンPA3−5(「大当り」)が用意されている。
図22に示すステップS262の処理では、例えば図24(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。なお、大当り種別が「確変」又は「非確変」(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)によって、変動パターンの決定結果の割り当てを異ならせてもよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別バッファ設定値が「0」又は「1」のときには変動パターンPA3−3を選択する。
図22に示すステップS263の処理では、例えば図25に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図25(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図25(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図22に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図23に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、図22(B)に示すように、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、第1特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、第1特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262、S263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、背景指定コマンド(確変フラグの状態に応じた演出モード(背景)を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合、CPU103は、第2特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、第2特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262、S263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、背景指定コマンド(確変フラグの状態に応じた演出モード(背景)を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
第1変動開始指定コマンドや第2変動開始指定コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターンコマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応してメイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S263の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。表示結果指定コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図16に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図16のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。図26は、特別図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する(ステップS301)。ステップS310では、例えば、ステップS111で設定したで初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので(ステップS301;No)、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い(ステップS302)、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには(ステップS301;Yes)、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)(ステップS303)、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い(変動特図指定バッファ値が「1」又は「2」のいずれの場合でも図柄確定指定コマンドを送信設定する。)(ステップS304)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する(ステップS305)。タイマ割込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。なお、第1特図と第2特図とのうちのどちらを変動させるか及びどちらに特図表示結果を表示するかは、変動特図指定バッファ値などで特定すればよい。
図16のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の背景(演出モード)を指定する背景指定コマンド(ここでは通常モードを指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、この実施の形態の大当り遊技状態での演出画面の背景は演出モードに依らないので、ここで背景指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、確変フラグの状態に基づいて背景指定コマンド(ここでは確変モードを指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、背景指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
図16のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(第1ラウンドを指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、大入賞口閉鎖指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。つまり、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、図27に例示する所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリア(RAM122はバックアップRAMではないので、クリアが行われる。)や各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
例えば、始動入賞が発生したときに主基板11から伝送された、第1始動口入賞指定コマンド及び第1保留記憶数通知コマンドと、第2始動口入賞指定コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドと、のいずれかを受信した場合には、保留記憶の数が1増えているので、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、メイン画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ増やし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ増やす。始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第1保留表示によって特定可能となっている第1特図保留記憶数を1つ増加させる。始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第2保留表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ増加させる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理(ステップS77)を実行する。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定(ステップS72)が再度実行される。
図28は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、電源復旧指定コマンドの受信があったかを判定し(ステップS683)、受信有りの場合(ステップS683;Yes)、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの電源復旧画面の表示開始設定を行い(ステップS684)、電源復旧フラグをオン状態とする(ステップS685)。電源復旧画面は、電源復旧(電力供給の再開)があったこと(電断時の状態から遊技制御が再開されること)を報知する画面である。例えば、メイン画像表示装置5には、黒色の背景画像上に「復旧中です」などの白色文字を重畳した合成画像からなる電源復旧画面の表示がなされ、サブ画像表示装置5a〜5dには、「復旧中です」などの文字を表示が無く、黒色の背景画像のみとした電源復旧画面の表示がなされる(後で詳述する図46(B)、図47(B)、図48(B)などを参照)。ステップS684では、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、メイン画像表示装置5に電源復旧画面を表示させることを開始させる。電源復旧フラグは、電源復旧画面を表示しているときにオン状態となるフラグであって、RAM122の所定領域に設けられる。
演出制御用CPU120は、前述の図示しない位置検出センサからの検出信号に基づいて、サブ画像表示装置5a〜5dが初期位置に位置しているかを判定し(ステップS685A)、初期位置に位置していない場合(ステップS685A;No)、サブ画像表示装置5a〜5dを初期位置に復帰させる設定を行う(ステップS685B)。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dを初期位置に移動させるための駆動制御信号を生成し、各駆動装置50a〜50dへ出力する。駆動装置50a〜50d内の図示しない各モータ駆動回路は、駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを初期位置に移動させる。
演出制御用CPU120は、電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(ステップS683;No)、サブ画像表示装置5a〜5dが初期位置に位置している場合(ステップS685A;Yes)、又は、ステップS685Bのあと、復旧状態指定コマンドを受信したかを判定し(ステップS686)、受信有りの場合(ステップS686;Yes)、復旧状態指定コマンドの内容に応じた画面復帰条件(電源復旧画面から通常の演出画面に復帰されるときの条件)を設定する(ステップS687)。
演出制御用CPU120は、ステップS687において、例えば、図29に示すような画面復帰条件を設定する。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)が第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行中であれば、背景指定コマンドと、図柄確定指定コマンドとの全ての受信を当該条件(以下、第1画面復帰条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第1画面復帰条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS689(下記の判定の前の第1タイミング)又はステップS693において、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドを受信しているときに、当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS689(前記受信確認フラグの制御後の前記第1タイミング後の第2タイミング)において、第1画面復帰条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグが全てオフ状態となっているかを判定し、全てオフ状態となっている場合に、第1画面復帰条件が成立したと判定する。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)が大当り遊技状態中であれば、大入賞口開放指定コマンドと、大入賞口閉鎖指定コマンドと、当り終了指定コマンドと、変動開始時コマンド(第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、又は、変動パターン指定コマンドなど、変動開始時コマンドのうちのいずれかのコマンドのみとしてもよい。)と、デモ表示指定コマンドとのいずれかの受信を当該条件(以下、第2画面復帰条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第2画面復帰条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS689(下記の判定の前の第1タイミング)又はステップS693において、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドを受信しているときに、当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS689(前記受信確認フラグの制御後の前記第1タイミング後の第2タイミング)において、第2画面復帰条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグのいずれかがオフ状態となっているかを判定し、いずれかがオフ状態となっている場合に、第2画面復帰条件が成立したと判定する。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)がその他の状態(上記状態とは異なる状態)であれば、変動開始時コマンド(第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、又は、変動パターン指定コマンドなど、変動開始時コマンドのうちのいずれかのコマンドのみとしてもよい。)と、デモ表示指定コマンドとのいずれかの受信を当該条件(以下、第3画面復帰条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第3画面復帰条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS689(下記の判定の前の第1タイミング)又はステップS693において、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドを受信しているときに、当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS689(前記受信確認フラグの制御後の前記第1タイミング後の第2タイミング)において、第3画面復帰条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグのいずれかがオフ状態となっているかを判定し、いずれかがオフ状態となっている場合に、第3画面復帰条件が成立したと判定する。
演出制御用CPU120は、復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS686;No)、又は、ステップS687のあと、電源復旧フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS688)。オンの場合(ステップS688;Yes)、ステップS687で設定した画面復帰条件が成立したか否かを判定し(ステップS689)、成立している場合(ステップS689;Yes)、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの電源復旧画面の表示の終了設定を行う(ステップS690)。演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける電源復旧画面の表示(図46(B)、図47(B)、図48(B)など参照)を終了させる。ステップS689についての説明は、上述した通りである。
ステップS690のあと、画面復帰条件の成立させる受信コマンドに応じて演出プロセスフラグの値などの設定を行う(ステップS691)。ステップS691では、例えば、図30に示すような設定を行う。
背景指定コマンド、図柄確定指定コマンドの全てを受信して画面復帰条件(第1画面復帰条件)を満たした場合は、演出プロセスフラグの値を「3」に設定する。大入賞口開放指定コマンド又は大入賞口閉鎖指定コマンドを受信して画面復帰条件(第2画面復帰条件)を満たした場合は、演出プロセスフラグの値を「4」に設定するとともに、受信コマンドに応じて大当り遊技状態の演出(開放時と閉鎖時とで演出が変化する)を途中(大入賞口開放時又は閉鎖時)から再開する演出制御パターンを設定する(ラウンド数を報知する場合には、受信コマンドが示すラウンド数の報知を再開する演出制御パターンを設定する。)。当り終了指定コマンドを受信して画面復帰条件(第2画面復帰条件)を満たした場合は、演出プロセスフラグの値を「5」に設定する。変動開始時コマンドを受信して画面復帰条件(第2画面復帰条件又は第3画面復帰条件)を満たした場合は、演出プロセスフラグの値を「1」に設定する(なお、変動開始時コマンドについては、変動開始時コマンドの各コマンドにそれぞれ対応して受信確認フラグを設け、各受信確認フラグが全てオフ状態となったときに変動開始時コマンドの受信による画面復帰条件が成立したと扱うようにしてもよい。)。デモ表示指定コマンドを受信して画面復帰条件(第3画面復帰条件)を満たした場合は、デモ表示するとともに、演出プロセスフラグの値を「0」に設定する。
なお、通常の演出画面への復帰を行えるように、適宜必要な演出制御パターンの設定などが行われてもよい。また、例えば、第1画面復帰条件を満たす場合、最後に受信するのは、通常、図柄確定指定コマンドであるので、後述する図34に示すステップS562から処理を実行するようにしてもよい(これによって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える)。なお、最終停止図柄は、例えば、電断用に予め定められた図柄(例えば、星印など電源復旧後専用の図柄などであってもよい。)であってもよいし、電源復旧時コマンドとして送信された表示結果指定コマンドに応じて予め定められた図柄としてもよい。このように、画面復帰条件の成立させるコマンドを受信したときには、演出制御プロセス処理のステップS170〜ステップS175内の処理において当該コマンドを受信したことで実行される処理から処理を実行するようにしてもよい。また、このような場合、本来必要なデータが電断などによってRAM122に格納されていないときには、予めROM121に用意したデータなどで代用するようにしてもよいし、他のコマンドに基づいてデータを補うようにしてもよい。例えばステップS562などでは、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行えるような適宜の処理が行われればよい。特に、受信コマンドに応じて、通常時において実行される処理から処理実行を再開することで、処理負担が大きくならずに電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
演出制御用CPU120は、ステップS691のあと、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの通常の演出画面の復帰表示設定を行う(ステップS691A)。演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dを同時に通常の演出画面(後で詳述する図46(C)、図47(C)、図48(C)など)に復帰させる。このような設定によって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
ステップS691Aのあとは、電源復旧フラグをオフ状態とする(ステップS692)。
電源復旧フラグがオフ状態であったり(ステップS688;No)、画面復帰条件が成立していなかったり(ステップS689;No)、ステップS692のあと、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を行い(ステップS693)、コマンド解析処理を終了する。
図31は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。処理内容中のステップ番号は、上述で説明した同じステップ番号における処理が行われることを示す。他の処理内容は、例えば、ステップS693で行われる処理である。なお、電源復旧時コマンドとして受信したコマンドも表の処理が行われる。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。
演出制御用CPU120は、背景指定コマンドを受信しているときには、受信した背景指定コマンドの内容に基づいて、確変モードフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。確変モードフラグは、例えば、RAM122の所定領域に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。確変モードフラグがオン状態のときには、演出モードが確変モードになり、確変モードフラグがオフ状態のときには、演出モードが通常モードになる。なお、演出制御用CPU120は、確変モードフラグをオン状態にしたとき(つまり、演出モードが確変モードに変化したとき)又は確変モードフラグをオフ状態にしたとき(つまり、演出モードが通常モードに変化したとき)には、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、現在表示中の背景を演出モードに対応した背景に変更する。
初期化指定コマンドの受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、メイン画像表示装置5において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
デモ表示指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、デモ表示指定コマンドの受信から例えば30秒が経過した後に、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、デモ表示を開始する制御を行うが、背景指定コマンドが指定する背景(又は確変モードフラグの状態に応じた背景)でのデモ表示を行うようにしてもよい。また、デモ表示は、演出モードによらず(背景指定コマンドによらず)、共通のデモ表示としてもよい。このような設定によって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
図32は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、電源復旧フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS161)、オン状態のときには(ステップS161;Yes)、演出制御プロセス処理を終了する。これによって、電源復旧画面の表示中(電源復旧して間もない期間中)は、演出制御を制限できる。
電源復旧フラグがオフ状態のときは(ステップS161;No)、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ここで、可変表示開始設定処理について、図33を用いて説明する。図33は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、メイン画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出パターンの設定処理を実行する(ステップS529)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS529において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、演出モードに応じて背景が異なるように設定する。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、メイン画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
なお、可変表示の開始とともに、保留記憶は1つ消化されるので、ステップS532では、主基板11から第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドのいずれを受信したかに応じて、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、メイン画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす処理も行われる。
具体的には、演出制御用CPU120は、第1変動開始コマンドを受信した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側の第1保留表示領域5Haに表示される保留表示図柄を1つ減らし(左側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、保留記憶の表示によって特定可能な第1特図保留記憶数を1つ減らす。演出制御用CPU120は、第2変動開始コマンドを受信した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側の第2保留表示領域5Hbに表示される保留表示図柄を1つ減らし(右側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、始動入賞記憶表示エリア5Hの第2保留記憶表示を変化させ、保留記憶の表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ減らす。
図32に戻って、ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。ここで、可変表示中演出処理について、図34を用いて説明する。図34は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、設定されている演出制御パターンに従った演出動作制御処理を行う(ステップS560)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像をメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御処理を行う。タイマ割込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、リーチ演出、メッセージ演出、サブ画像演出、同期表示演出などの実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
図32に戻って、ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口開放時処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像をメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて報知する演出制御も含む。)を実行する。タイマ割込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。なお、大入賞口開放指定コマンドの受信や大入賞口閉鎖指定コマンドの受信があったとき(各コマンド格納領域にコマンドが新たに格納されたとき)には、各コマンドが示すラウンド数に応じた演出(例えば、大入賞口の開放又は閉鎖やラウンド数などを報知する演出)を実行するように、演出制御パターンを設定する。大入賞口開放時処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出プロセスフラグの値を更新せずに大入賞口開放時処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して大入賞口開放時処理を終了する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像をメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。タイマ割込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
上述したステップS172の可変表示演出処理内の演出動作制御処理(図34に示すステップS560)において、図35に示すメッセージ演出処理が行われ得る。このメッセージ演出処理は、メイン画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示する演出処理のことである。
図35は、ステップS172の可変表示中演出処理内のメッセージ演出処理の一例を示すフローチャートである。メッセージ演出処理において、演出制御用CPU120は、メッセージ演出が実行中であることを示すメッセージ演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS700)。例えば、メッセージ演出実行中フラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS700において、このRAM122内にセットされているメッセージ演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
メッセージ演出実行中フラグがオフである場合(ステップS700;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れかであるか否かを判定する(ステップS701)。
変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れでもない場合(ステップS701;No)、メッセージ演出処理は行われずに終了する。一方、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れかである場合(ステップS701;Yes)、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、メッセージ演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる(ステップS702)。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させるための駆動制御信号を生成し、各駆動装置50a〜50dへ出力する。駆動制御信号は、第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力と、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力との組み合わせである。駆動装置50a〜50d内の各モータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる。第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、サブ画像表示装置5a〜5dの直線移動の量が大きくなり、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、サブ画像表示装置5a〜5dの回転量が大きくなる。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したか否かを判定する(ステップS703)。例えば、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第1ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定距離だけ直線移動する時間と、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第2ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定回転量だけ回転する時間とはそれぞれ固定である。この場合、演出制御用CPU120は、予め定めた第1ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて直線移動する時間を乗じた時間が経過し、且つ、予め定めた第2ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて回転する時間を乗じた時間が経過した場合に、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したと判定し、それ以外の場合には、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していないと判定する。
サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していない場合(ステップS703;No)、タイマ割込み毎に(以下同様)ステップS700以降の動作が繰り返される。一方、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了した場合(ステップS703;Yes)、演出制御用CPU120は、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータの駆動に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの位置を特定する(ステップS704)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dが初期状態の位置(メイン画像表示装置5の四隅に配置された状態の位置)にあって、サブ画像表示装置5a〜5d内の第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータのそれぞれのステップ数が何れも0であるときに、演出制御用CPU120からサブ画像表示装置5a〜5dへ出力するパルス電力の数(ステップ数)のカウントを開始する。なお、パルス電力が正の場合と負の場合とで、第1ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの移動方向は逆転し、第2ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの回転方向は逆転する。すなわち、パルス電力が正の場合と負の場合とで、サブ画像表示装置5a〜5dの直線移動の方向及び回転の方向は逆転する。このことに対応して、演出制御用CPU120は、パルス電力が正の場合にはステップ数を1増加させ、負の場合にはステップ数を1減少させる。
更に、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に記憶された、図36に示すテーブルを参照し、第1ステッピングモータのステップ数及び第2ステッピングモータのステップ数により一意に定まるサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標を特定する。なお、図36に示すテーブルは、10ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられている。このため、ステップS704のタイミングで、現在の第1ステッピングモータのステップ数及び第2ステッピングモータのステップ数が10の整数倍でない場合には、演出制御用CPU120は、現在の第1ステッピングモータのステップ数及び第2ステッピングモータのステップ数の一の位をそれぞれ四捨五入して得られるステップ数に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標を特定する。また、テーブルの構成はこれに限定されず、1ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよいし、所定ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよい。
再び、図35に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS704において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの位置に基づいて、メイン画像表示装置5の表示領域のうち、サブ画像表示装置5a〜5dの隙間に対応する領域(隙間領域)を特定する(ステップS705)。例えば、メイン画像表示装置5は移動しないため、メイン画像表示装置5の四隅の座標は固定であり、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されたメイン画像表示装置5の四隅の座標と、ステップS704において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標とに基づいて、メイン画像表示装置5における隙間領域を特定することができる。なお、メイン画像表示装置5の座標系と、サブ画像表示装置5a〜5dの座標系とは共通である。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに、遊技者が選択する選択肢としてのキャラクタ画像(選択肢キャラクタ画像)を表示させるとともに、メイン画像表示装置5における隙間領域に、遊技者に対して選択肢キャラクタ画像の選択操作を促すメッセージの画像である選択指示メッセージ画像を表示させる(ステップS706)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに、表示させるべき選択肢キャラクタ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、サブ画像表示装置5a〜5d毎に異なる選択肢キャラクタの画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた選択肢キャラクタ画像を表示する。また、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5に表示させるべき選択指示メッセージ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。この表示制御指令には、選択指示メッセージ画像を表示すべき領域としてメイン画像表示装置5における隙間領域の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、選択指示メッセージの画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた選択指示メッセージ画像を、隙間領域に表示する。
次に、演出制御用CPU120は、メッセージ演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS707)。
一方、メッセージ演出実行中フラグがオンである場合(ステップS700;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技者によって選択肢キャラクタの何れかを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS709)。例えば、遊技者は、スティックコントローラ31Aを傾動操作することでサブ画像表示装置5a〜5dに表示された選択肢キャラクタの画像の何れかを選択し、更に、プッシュボタン31Bを押下することで選択肢キャラクタの画像の選択を確定させる。演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35A及びプッシュセンサ35Bからの操作検出信号に基づいて、遊技者による選択肢キャラクタの画像の選択操作を認識することができる。
遊技者によって選択肢キャラクタの何れかを選択する操作が行われた場合(ステップS709;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの全てに、選択された選択肢キャラクタ画像を表示させる(ステップS710)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに、表示させるべき選択肢キャラクタ画像として、ステップS709において認識した選択操作に応じた選択肢キャラクタ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、選択肢キャラクタの画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた選択肢キャラクタ画像を表示する。
ステップS710において、サブ画像表示装置5a〜5dの全てに、選択された選択肢キャラクタ画像が表示された後、又は、ステップS709において、遊技者によって選択肢キャラクタの何れかを選択する操作が行われていないと判定された場合(ステップS709;No)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS711)。例えば、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の開始からの経過時間を測定しており、その測定時間が演出制御パターンに対応するメッセージ演出の時間に達したタイミングでメッセージ演出の終了タイミングであると判定する。
メッセージ演出の終了タイミングでない場合(ステップS711;No)、ステップS700以降の動作が繰り返される。一方、メッセージ演出の終了タイミングである場合(ステップS711;Yes)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の終了制御を行う(ステップS712)。例えば、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の画像の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、メイン画像表示装置5における選択指示メッセージ画像の表示終了、及び、サブ画像表示装置5a〜5dにおける選択肢キャラクタ画像の表示終了の制御を行う。また、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの位置を初期状態の位置に戻すための駆動制御信号を生成し、各駆動装置50a〜50dへ出力する。駆動装置50a〜50d内の各モータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを初期状態の位置に移動させる。
次に、演出制御用CPU120は、メッセージ演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS713)。
図37は、可変表示演出処理内のメッセージ演出処理における画像表示の一例を示す図である。図37は、リーチ演出に並行してメッセージ演出が実行される場合の例である。メイン画像表示装置5において、図37(A)に示す飾り図柄の可変表示の状態から図37(B)に示すリーチ演出の状態に遷移すると、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が開始される。そして、図37(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了した状態になると、サブ画像表示装置5a〜5dには、それぞれ異なる選択肢キャラクタ画像500a〜500dが表示される。また、メイン画像表示装置5の隙間領域、具体的には、サブ画像表示装置5aとサブ画像表示装置5cとの間である隙間領域から、サブ画像表示装置5bとサブ画像表示装置5dとの間である隙間領域にかけて、選択指示メッセージ画像500が表示される。なお、選択指示メッセージ画像500を一度に表示することができない場合には、図37(C)及び図37(D)に示すように、選択指示メッセージ画像500はスクロール表示される。
また、上述したステップS172の可変表示演出処理内の演出動作制御処理(図34に示すステップS560)において、図38に示すサブ画像演出処理が行われ得る。このサブ画像演出処理は、本来、メイン画像表示装置5が表示すべき画像の一部をサブ画像表示装置5a〜5dが表示する演出処理のことである。
図38は、ステップS172の可変表示中演出処理内のサブ画像演出処理の一例を示すフローチャートである。サブ画像演出処理において、演出制御用CPU120は、サブ画像演出が実行中であることを示すサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS720)。例えば、サブ画像演出実行中フラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS720において、このRAM122内にセットされているサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
サブ画像演出実行中フラグがオフである場合(ステップS720;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れかであるか否かを判定する(ステップS721)。
変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れでもない場合(ステップS721;No)、サブ画像演出処理は行われずに終了する。一方、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れかである場合(ステップS721;Yes)、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、メイン画像表示装置5に可変表示中に対応する飾り図柄の画像(可変表示中画像)を表示させる(ステップS722)。
例えば、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5に表示させる画像として可変表示中画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。ここで、演出制御用CPU120は、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像のうち、可変表示中画像以外の画像については、メイン画像表示装置5の表示対象から除外する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、可変表示中画像の画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた可変表示中画像を表示する。
次に、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき遊技の進行に係る画像である、保留記憶数を示す保留記憶画像、現在の遊技モードを示す遊技モード画像、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bに表示される特別図柄に対応する第4図柄の画像、遊技者に対して遊技球などの遊技媒体を遊技領域の右側に発射することを指示する右打ち指示画像等を表示させる(ステップS723)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像として、保留記憶数指定コマンドにより特定される保留記憶数を示す保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。この表示制御指令には、保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等がそれぞれ異なるサブ画像表示装置5a〜5dに表示されることを指示する情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等のそれぞれの画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等を表示する。
本実施形態において、表示制御部123内のVDP362は、メイン画像表示装置5に画像を表示するためにメイン表示系統出力部MKに出力される画像データや、サブ画像表示装置5a〜5dに画像を表示するためにサブ表示系統出力部SKに出力される画像データの色調補正を行う。色調補正には、例えば、メイン画像表示装置5やサブ画像表示装置5a〜5dに表示される画像の明るさやコントラストを調整する明度補正や、画像階調の応答特性を示す数値を調整するガンマ補正などの方法がある。
具体的には、VDP362が、VRAMに描画する際に各画像データに対して色調補正したり、VRAMに描画された画像データに対して一括して色調補正する。予めCGROMに記録するなどして用意したマスクパターンを用いてフィルタ処理を施すなどすることにより、メイン画像表示装置5やサブ画像表示装置5a〜5dにおいて表示される画像の色調を補正する。なお、VDP362の外部に色調補正用のIC(集積回路)を外付けし、サブ表示系統出力部SKから出力される画像データを該ICで色調補正するようにしてもよい。
本実施形態においては、表示面積の小さいサブ画像表示装置5a〜5dに表示する画像について、表示面積の大きいメイン画像表示装置5に合うように色調補正を行う。具体的には、まず基準となる色(例えば、白色など)を特定し、特定した色について、サブ画像表示装置5a〜5dの色調を、メイン画像表示装置5に合うように補正する。サブ画像表示装置5a〜5dは同一の液晶パネル401a〜401dを使用しているため、色調補正に要するデータをサブ画像表示装置5a〜5dについて共通に用いればよい。色調補正に要するデータ(補正量)は、マスクパターンなどとしてCGROMの所定領域に記録し、特定した色以外の全色に対しても、マスクパターンなどを使用して補正する。
これにより、例えば、メイン画像表示装置5において白色に表示される部分について、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて青色っぽく表示されたり、又は黄色っぽく表示されたりしても、色調を補正することにより、メイン画像表示装置5との色味の違いを抑えることができる。すなわち、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5d間で違和感のない表示を実現することができる。また、表示面積の大きいメイン画像表示装置5に合わせるので、大きく目立つところに合わせて違和感を低減させることができる。更に、特定の色を基準に全色を補正することで、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dといった複数の表示装置間で違和感のない表示を実現することができる。
なお、メイン画像表示装置5に表示する画像について、サブ画像表示装置5a〜5dに合うように色調補正を行ってもよい。また、メイン画像表示装置5の色調をサブ画像表示装置5a〜5dに合わせていくとともに、サブ画像表示装置5a〜5dの色調をメイン画像表示装置5に合わせていくことにより、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとのの色調の間を採るようにしてもよい。これにより、例えば、白色をより白色にしようとするなど、色調補正可能な範囲を超えて補正することはできない場合にも対応することができる。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS724)。
一方、サブ画像演出実行中フラグがオンである場合(ステップS720;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS726)。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像演出の開始からの経過時間を測定しており、その測定時間が演出制御パターンに対応するサブ画像演出の時間に達したタイミングでサブ画像演出の終了タイミングであると判定する。
サブ画像演出の終了タイミングでない場合(ステップS726;No)、ステップS720以降の動作が繰り返される。一方、サブ画像演出の終了タイミングである場合(ステップS726;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出の終了制御を行う(ステップS727)。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dにおける保留記憶画像等の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、サブ画像表示装置5a〜5dにおける保留記憶画像等の表示終了の制御を行う。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS728)。
図39は、可変表示演出処理内のサブ画像演出処理における画像表示の一例を示す図である。図39に示すように、メイン画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中画像501aが表示される場合、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき遊技の進行に係る画像である、遊技モード画像505aがサブ画像表示装置5aに、右打ち指示画像505b(左右両打ちが可能な遊技機の場合)がサブ画像表示装置5bに、第4図柄画像がサブ画像表示装置5cに、保留記憶画像がサブ画像表示装置5dに、それぞれ表示される。
また、上述したステップS174の大入賞口開放時処理においては、本来、メイン画像表示装置5が表示すべき画像の一部をサブ画像表示装置5a〜5dが表示するサブ画像演出処理が行われる。
図40は、ステップS174の大入賞口開放時処理内のサブ画像演出処理の一例を示すフローチャートである。大入賞口開放時処理内のサブ画像演出処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から出力される、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する当り開始指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS800)。例えば、大入賞口開放時処理が開始されると、主基板11から演出制御基板12に向けて、当り開始指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドが入力されると、RAM122に当り開始指定コマンドが入力済みであることを示す当り開始指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS800において、演出制御用CPU120は、この当り開始指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かを判定する。
当り開始指定コマンドが入力済みでない場合(ステップS800;No)には、サブ画像演出処理は実行されず、ステップS800以降の処理が繰り返される。一方、当り開始指定コマンドが入力済みである場合(ステップS800;Yes)には、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出が実行済みであることを示すファンファーレ演出実行済みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS801)。例えば、ファンファーレ演出実行済みフラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS801において、このRAM122内にセットされているファンファーレ演出実行済みフラグがオンであるか否かを判定する。
ファンファーレ演出実行済みフラグがオンでない場合(ステップS801;No)、次に、演出制御用CPU120は、効果音であるファンファーレの音を出力する制御を行う(ステップS802)。例えば、演出制御用CPU120は、音声制御基板13へファンファーレの効果音信号を出力し、スピーカ8L、8Rを制御してファンファーレの音を出力させる。
次に、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出実行済みフラグをオンに設定する(ステップS803)。
ステップS803においてファンファーレ演出実行済みフラグをオンに設定した後、又は、ステップS801においてファンファーレ演出実行済みフラグがオンであると判定した後(ステップS801;Yes)、次に、演出制御用CPU120は、主基板11から出力される、ラウンド遊技における特別可変入賞球装置7の開放を指定する大入賞口開放指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS804)。例えば、一度のラウンド遊技が開始されると、主基板11から演出制御基板12に向けて、大入賞口開放指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、大入賞口開放指定コマンドが入力されると、RAM122に大入賞口開放指定コマンドが入力済みであることを示す大入賞口開放指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS804において、演出制御用CPU120は、この大入賞口開放指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かを判定する。
大入賞口開放指定コマンドが入力済みでない場合(ステップS804;No)には、サブ画像演出処理は実行されず、ステップS800以降の処理が繰り返される。一方、大入賞口開放指定コマンドが入力済みである場合(ステップS804;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出が実行中であることを示すサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS805)。例えば、図37のステップS720と同様、サブ画像演出実行中フラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS720において、このRAM122内にセットされているサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
サブ画像演出実行中フラグがオフである場合(ステップS805;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA3−2、PA3−3、PA3−5の何れかであるか否かを判定する(ステップS806)。
変動パターンがPA3−2、PA3−3、3−5の何れでもない場合(ステップS806;No)、サブ画像演出処理は行われずに終了する。一方、変動パターンがPA3−2、PA3−3、PA3−5の何れかである場合(ステップS806;Yes)、演出制御用CPU120は、入力された大入賞口開放指定コマンドに基づいて現在のラウンド数を特定する(ステップS807)。
次に、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、メイン画像表示装置5に、大当り遊技状態に対応する背景画像(メイン用大当り背景画像)を表示させるとともに、メイン用大当り背景画像に重畳して、大当り遊技状態に対応するキャラクタ画像(大当りキャラクタ画像)を表示させる(ステップS808)。
例えば、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5に表示させる画像としてメイン用大当り背景画像と大当りキャラクタ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。ここで、演出制御用CPU120は、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像のうち、メイン用大当り背景画像及び大当りキャラクタ画像以外の画像については、メイン画像表示装置5の表示対象から除外する。また、表示制御指令には、メイン用大当り背景画像に重畳して大当りキャラクタ画像が表示されるように、画像データの描画順序等の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、メイン用大当り背景画像に大当りキャラクタ画像が重畳された合成画像の画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた、メイン用大当り背景画像に大当りキャラクタ画像が重畳された合成画像を表示する。
次に、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dに、大当り遊技状態に対応する背景画像(サブ用大当り背景画像)を表示させるとともに、サブ用大当り背景画像に重畳して、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき大当り遊技状態に係る画像である、現在のラウンド数を示すラウンド数画像、大当りの種別を示す大当りモード画像、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのいずれの大当りであるかを示す特図ゲーム大当り画像、第1特図ゲームと第2特図ゲームの保留数を示す保留記憶画像等を表示させる(ステップS809)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像としてサブ用大当り背景画像と、ラウンド数画像、大当りモード画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像等とを決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。例えば、ラウンド数画像が示すラウンド数は、大入賞口開放指定コマンドが示すラウンド数に基づいて特定される。また、大当りモード画像が示す大当りの種別は、表示結果指定コマンドにより特定される。特図ゲーム大当り画像は、第1変動開始指定コマンド、により特定される。保留記憶画像は、第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドにより特定される。表示制御指令には、ラウンド数画像、大当りモード画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像等がそれぞれ異なるサブ画像表示装置5a〜5dに表示されることを指示する情報と、サブ用大当り背景画像に重畳してラウンド数画像、大当りモード画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像等が表示されるように、画像データの描画順序等の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、サブ用大当り背景画像にラウンド数画像、大当りモード画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像等が重畳された合成画像の画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた、サブ用大当り背景画像にラウンド数画像、大当りモード画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像等が重畳された合成画像を表示する。
ここで、図38のステップS723と同様、表示制御部123内のVDP362は、メイン画像表示装置5に画像を表示するためにメイン表示系統出力部MKに出力される画像データや、サブ画像表示装置5a〜5dに画像を表示するためにサブ表示系統出力部SKに出力される画像データの色調補正を行う。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS810)。サブ画像演出実行中フラグがオンに設定された後は、ステップS800以降の動作が繰り返される。
一方、サブ画像演出実行中フラグがオンである場合(ステップS805;Yes)、演出制御用CPU120は、ラウンド遊技における特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する大入賞口閉鎖指定コマンドが入力されたか否かを判定する(ステップS811)。例えば、一度のラウンド遊技が終了すると、主基板11から演出制御基板12に向けて、大入賞口閉鎖指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、大入賞口閉鎖指定コマンドが入力されると、RAM122に大入賞口閉鎖指定コマンドが入力済みであることを示す大入賞口閉鎖指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS811において、演出制御用CPU120は、この大入賞口閉鎖指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かを判定する。
大入賞口閉鎖指定コマンドが入力済みでない場合(ステップS811;No)、ステップS800以降の動作が繰り返される。一方、大入賞口閉鎖指定コマンドが入力済みである場合(ステップS811;Yes)、演出制御用CPU120は、ラウンド遊技の終了に応じてサブ画像演出の終了制御を行う(ステップS812)。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dにおけるラウンド数画像等の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、サブ画像表示装置5a〜5dにおけるラウンド数画像等の表示終了の制御を行う。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS813)。ここで、大入賞口開放指定コマンド入力済みフラグ、及び、大入賞口閉鎖指定コマンド入力済みフラグがオンに設定されている場合には、演出制御用CPU120は、大入賞口開放指定コマンド入力済みフラグ、及び、大入賞口閉鎖指定コマンド入力済みフラグを何れもオフに設定する。
次に、演出制御用CPU120は、主基板11から出力される、エンディングの開始を指定するとともに、当り終了指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS814)。例えば、大入賞口開放時処理が終了すると、主基板11から演出制御基板12に向けて、当り終了指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンドが入力されると、RAM122に当り終了指定コマンドが入力済みであることを示す当り終了指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS814において、演出制御用CPU120は、この当り終了指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かを判定する。
当り終了指定コマンドが入力済みでない場合(ステップS814;No)、ステップS800以降の動作が繰り返される。一方、当り終了指定コマンドが入力済みである場合(ステップS814;Yes)、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出実行済みフラグをオフに設定する(ステップS815)。ここで、当り開始指定コマンド入力済みフラグ、及び、当り終了指定コマンド入力済みフラグがオンに設定されている場合には、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド入力済みフラグ、及び、当り終了指定コマンド入力済みフラグを何れもオフに設定する。
次に、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS816)、サブ画像演出処理を終了する。
図41は、大入賞口開放時処理内のサブ画像演出処理における画像表示の一例を示す図である。図41に示すように、メイン画像表示装置5において、メイン用背景画像502に重畳して大当りキャラクタ画像501が表示される場合、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき大当り遊技状態に係る画像である、大当りモード画像511aがサブ用背景画像512aに重畳してサブ画像表示装置5aに表示され、ラウンド数画像511bがサブ用背景画像512bに重畳してサブ画像表示装置5bに表示され、特図ゲーム大当り画像511cがサブ用背景画像512cに重畳してサブ画像表示装置5cに表示され、保留記憶画像511dがサブ用背景画像512dに重畳してサブ画像表示装置5dに表示される。ここで、サブ用背景画像512a〜512dはメイン用背景画像502と形状や色等の態様が共通している。
また、上述したステップS172の可変表示演出処理においては、1の画像がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとにより連続性のある表示となったり(1の画像がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに分割して表示されること)、1の画像がサブ画像表示装置5a〜5dにより連続性のある表示となる(1の画像がサブ画像表示装置5a〜5dに分割して表示されること)、同期表示演出処理が行われることがある。
図42は、ステップS172の可変表示中演出処理内の同期表示演出処理の一例を示すフローチャートである。同期表示演出処理において、演出制御用CPU120は、同期演出表示演出が実行中であることを示す同期表示演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS750)。例えば、同期表示演出実行中フラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS750において、このRAM122内にセットされている同期表示演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
同期表示演出実行中フラグがオフである場合(ステップS750;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れかであるか否かを判定する(ステップS751)。
変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れでもない場合(ステップS751;No)、同期表示演出処理は行われずに終了する。一方、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の何れかである場合(ステップS751;Yes)、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、同期表示演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる(ステップS752)。例えば、図35のステップS702と同様、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させるための駆動制御信号を生成し、各駆動装置50a〜50dへ出力する。駆動制御信号は、第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力と、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力との組み合わせである。駆動装置50a〜50d内の各モータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる。第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、サブ画像表示装置5a〜5dの直線移動の量が大きくなり、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、サブ画像表示装置5a〜5dの回転量が大きくなる。
次に、演出制御用CPU120は、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータの駆動に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの位置を特定する(ステップS754)。
例えば、図35のステップS704と同様、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dが初期状態の位置(メイン画像表示装置5の四隅に配置された状態の位置)にあって、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータのそれぞれのステップ数が何れも0であるときに、演出制御用CPU120からサブ画像表示装置5a〜5dへ出力するパルス電力の数(ステップ数)のカウントを開始する。なお、パルス電力が正の場合と負の場合とで、第1ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの移動方向は逆転し、第2ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの回転方向は逆転する。すなわち、パルス電力が正の場合と負の場合とで、サブ画像表示装置5a〜5dの直線移動の方向及び回転の方向は逆転する。このことに対応して、演出制御用CPU120は、パルス電力が正の場合にはステップ数を1増加させ、負の場合にはステップ数を1減少させる。
更に、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に記憶された、図36に示すテーブルを参照し、第1ステッピングモータのステップ数及び第2ステッピングモータのステップ数により一意に定まるサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標(メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dに共通の座標系における座標)を特定する。なお、図36に示すテーブルは、10ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられている。このため、ステップS754のタイミングで、現在の第1ステッピングモータのステップ数及び第2ステッピングモータのステップ数が10の整数倍でない場合には、演出制御用CPU120は、現在の第1ステッピングモータのステップ数及び第2ステッピングモータのステップ数の一の位をそれぞれ四捨五入して得られるステップ数に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標を特定する。また、テーブルの構成はこれに限定されず、1ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよいし、所定ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよい。
再び、図42に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS754において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの位置に基づいて、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dに対して、1の画像を分割して割り当てる(ステップS755)。例えば、メイン画像表示装置5は移動しないため、メイン画像表示装置5の四隅の座標は固定であり、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されたメイン画像表示装置5の四隅の座標と、ステップS754において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標とに基づいて、メイン画像表示装置5の表示領域のうち、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれが重畳している表示領域(重畳領域)を特定する。更に、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120は、1の画像をメイン画像表示装置5に割り当てる。また、演出制御用CPU120は、1の画像のうち、サブ画像表示装置5aによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5aに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5aに割り当てる。同様に、演出制御用CPU120は、1の画像のうち、サブ画像表示装置5bによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5bに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5bに割り当て、1の画像のうち、サブ画像表示装置5cによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5cに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5cに割り当て、1の画像のうち、サブ画像表示装置5dによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5dに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5dに割り当てる。
ここで、1の画像をメイン画像表示装置5に割り当てることとは、例えば、1の画像をメイン画像表示装置5に表示させる際の当該画像の表示位置を、メイン画像表示装置5の座標系における座標により指定することを意味する。また、重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5a〜5dに含まれる画像とをサブ画像表示装置5a〜5dに割り当てることとは、1の画像のうち、重畳領域の画像とメイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5a〜5dに含まれる画像(以下、重畳領域の画像とメイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5a〜5dに含まれる画像とをまとめて「サブ画像表示装置対象画像」と称する)を1の画像の座標系における座標により特定し、更に、そのサブ画像表示装置対象画像の表示位置を、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれの座標系における座標により指定することを意味する。
次に、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dに、それぞれ割り当てた画像を表示させる(ステップS756)。
例えば、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dに、表示させるべき画像の表示制御指令を表示制御部123に対して出力する。表示制御指令には、メイン画像表示装置5に割り当てられた1の画像を特定する情報と、当該1の画像の表示位置を示すメイン画像表示装置5の座標系における座標と、重畳領域に含まれる画像を示す1の画像の座標系における座標と、重複領域の画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれの座標系における座標との情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、1の画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを1の画像の表示位置を示すメイン画像表示装置5の座標系における座標を指定してメイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する1の画像を表示する。
更に、表示制御部123は、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5aの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5aへ出力する。サブ画像表示装置5aは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。サブ画像表示装置5b〜5dに対する表示制御も同様である。すなわち、表示制御部123は、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5bの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5bへ出力する。サブ画像表示装置5bは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。表示制御部123は、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5cの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5cへ出力する。サブ画像表示装置5cは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。表示制御部123は、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5dの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5dへ出力する。サブ画像表示装置5dは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。
次に、演出制御用CPU120は、同期表示演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS757)。
一方、同期表示演出実行中フラグがオンである場合(ステップS750;Yes)、次に、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したか否かを判定する(ステップS763)。例えば、図35のステップS703と同様、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第1ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定距離だけ直線移動する時間と、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第2ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定回転量だけ回転する時間とはそれぞれ固定である。この場合、演出制御用CPU120は、予め定めた第1ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて直線移動する時間を乗じた時間が経過し、且つ、予め定めた第2ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて回転する時間を乗じた時間が経過した場合に、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したと判定し、それ以外の場合には、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していないと判定する。
サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していない場合(ステップS760;No)、ステップS752以降の動作が繰り返される。一方、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了した場合(ステップS760;Yes)、同期表示演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS761)。例えば、図35のステップS761と同様、演出制御用CPU120は、同期表示演出の開始からの経過時間を測定しており、その測定時間が演出制御パターンに対応する同期表示演出の時間に達したタイミングで同期表示演出の終了タイミングであると判定する。
同期表示演出の終了タイミングでない場合(ステップS761;No)、ステップS750以降の動作が繰り返される。一方、同期表示演出の終了タイミングである場合(ステップS761;Yes)、演出制御用CPU120は、同期表示演出の終了制御を行う(ステップS762)。例えば、図35のステップS712と同様、演出制御用CPU120は、同期表示演出の画像の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、メイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dにおける1の画像の表示終了の制御を行う。また、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの位置を初期状態の位置に戻すための駆動制御信号を生成し、各駆動装置50a〜50dへ出力する。駆動装置50a〜50d内の各モータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータ及び第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを初期状態の位置に移動させる。
次に、演出制御用CPU120は、同期表示演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS763)。
図43〜図45は、可変表示演出処理内の同期表示演出処理における画像表示の一例を示す図である。同期演出表示処理において、サブ画像表示装置5a〜5dは移動及び回転し、図43に示す状態から図44に示す状態を経て、図45に示すようにメイン画像表示装置5の全体に重畳された状態となる。図45に示す様態では、上述した図12に示すように、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dと接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dとの接触状態が維持される。
図43に示すように、1の画像551のうち、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551aがサブ画像表示装置5aに表示され、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551bがサブ画像表示装置5bに表示され、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551cがサブ画像表示装置5cに表示され、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551dがサブ画像表示装置5dに表示される。
その後、サブ画像表示装置5a〜5dが移動及び回転することにより、図44に示すように、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551a、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551b、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551c、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551dが変化する。
更に、サブ画像表示装置5a〜5dが移動及び回転することにより、図45に示す状態になると、サブ画像表示装置5a〜5dは、メイン画像表示装置5の全体に重畳された状態となる。この場合、1の画像551の全体が、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551a、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551b、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551c、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551dに対応付けられて表示される。
ここで、特図ゲーム中、大当り中又はデモ表示中に電断が発生した場合における、電源復帰時のメイン画像表示装置5及びサブ画像表示装置5a〜5dについて、図46〜図48を用いてそれぞれ説明する。
例えば、第1特図ゲームの実行中に電断が発生した場合について説明する。ここでの第1特図ゲームは、図23に示す変動パターンPA1−1(非リーチ(ハズレ)の変動表示)が選択されているとする。図46(A)に示すように、メイン画像表示装置5の画面には、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)が開始され、第1保留表示領域5Haに3つの保留記憶画像(第1特図ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す)と、第2保留表示領域5Hbに1つの保留記憶画像(第2特図ゲームの保留記憶数が「1」であることを示す)とが表示されている。サブ画像表示装置5a〜5dには、メイン画像表示装置5での飾り図柄の変動表示に関わらない共通画像(背景指定コマンドに基づく)が表示されている。この共通画像は、メイン画像表示装置5において飾り図柄の変動表示が実行されているときと実行されていないときとで共通する画像であり、ここでは、例えば星形をした装飾画像521をサブ用背景画像522に重畳した画像としている。なお、共通画像は、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて共通する画像などであってもよい。
第1特図ゲームの実行中に停電(電断)が発生した後に電力供給が再開した場合には、主基板11から演出制御基板12に向けて図14の「第1特図ゲーム実行中」に示す電源復旧指定コマンドが伝送され、図46(B)に示すように、電源復旧がなされたことを示す電源復旧画面がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに表示される(電源復旧指定コマンドに基づいて電源復旧画面が表示される)。メイン画像表示装置5には、黒色の背景画像上に「復旧中です」などの白色文字を重畳した合成画像からなる電源復旧画面が表示され、サブ画像表示装置5a〜5dには、「復旧中です」などの文字を表示が無く、黒色の背景画像のみとした電源復旧画面が表示される。
このように、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとの電源復旧画面は、背景色が黒色で統一されているため、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとの両方とも復旧中であることが分かり易い。なお、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとの両方とも、黒色以外の背景色で統一したり、同様の模様で統一したり、これらの結合で統一したりしてもよい。
なお、図14の「第1特図ゲーム実行中」に示すように、電源復旧指定コマンドに続いて、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンドが順番に、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される。
電源復旧後の状態が特図ゲームの実行中であれば(ここでは第1特図ゲームが実行中)、その後、復旧時に実行されていない(電断時に実行されていなかった)特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、図29に示す「第1特図ゲーム実行中」の画面復帰条件が成立する(第1画面復帰条件フラグがオン状態となる)。なお、画面復帰条件が成立するまで(第1特図ゲームが終了するまで)、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに図46(B)に示す電源復旧画面の表示が継続される。
実行されている特図ゲーム(ここでは、第1特図ゲーム)が終了(図柄確定指定コマンドの送信時)、つまり、図29に示す「第1特図ゲーム実行中」の画面復帰条件が成立する(第1画面復帰条件フラグがオン状態となる)と、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが同時に通常の演出画面に復帰する(図46(C))。
例えば、図46(C)に示すように、メイン画像表示装置5の通常の演出画面には、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が「394」で停止表示された「ハズレ」の特図表示結果を示す画像(表示結果指定コマンドに基づく)と、背景画像(背景指定コマンドに基づく)と、第1保留表示領域5Haにおける3つの保留記憶画像と第2保留表示領域5Hbにおける1つの保留記憶画像(保留記憶数指定コマンドに基づく)とが表示される。サブ画像表示装置5a〜5dの通常の演出画面には、星形をした装飾画像521をサブ用背景画像522に重畳した共通画像(背景指定コマンドに基づく)が表示される。
なお、電源復旧後の状態が第2特図ゲームの実行中である場合であっても、前述した第1特図ゲームの実行中の場合と同様に、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに電源復旧画面や通常の演出画面が表示される。
次に、大当り中に電断が発生した場合について説明する。ここでは、図47(A)に示すように、第2特図の大当り中であり、メイン画像表示装置5には、大当りキャラクタ画像501がメイン用背景画像502に重畳された画像が表示され、サブ画像表示装置5a〜5dには、大当りモード画像511aがサブ用背景画像512aに重畳された画像と、ラウンド数画像511bがサブ用背景画像512bに重畳された画像と、特図ゲーム大当り画像511cがサブ用背景画像512cに重畳された画像と、保留記憶画像511dがサブ用背景画像512dに重畳された画像とが、それぞれ表示されているとする。
第2特図の大当り中に停電(電断)が発生した後に電力供給が再開した場合には、主基板11から演出制御基板12に向けて図14の「第2特図の大当り中」に示す電源復旧指定コマンドが伝送され、図47(B)に示すように、電源復旧画面が前述の図46と同様にメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに表示される(電源復旧指定コマンドに基づいて電源復旧画面が表示される)。
なお、図14の「第2特図の大当り中」に示すように、電源復旧指定コマンドに続いて、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンドが順番に、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される。
大入賞口開放指定コマンド又は大入賞口閉鎖指定コマンドが送信されてくることによって、図29に示す「第2特図の大当り中」の画面復帰条件が成立する(第2画面復帰条件フラグがオン状態となる)。なお、画面復帰条件が成立するまで、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに図47(B)に示す電源復旧画面の表示が継続される。
図29に示す「第2特図の大当り中」の画面復帰条件が成立する(第2画面復帰条件フラグがオン状態となる)と、受信コマンドに応じて大当り遊技状態(大入賞口が開閉する状態)の演出を途中(大入賞口開放時又は閉鎖時)から再開する演出制御パターンに従って、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが同時に通常の演出画面に復帰する(図47(C))。ここでは、大入賞口開放指定コマンド又は大入賞口閉鎖指定コマンドにより特定されるラウンド(ここでは大入賞口閉鎖指定コマンド「A305(H)」を受信したとし、サブ画像表示装置5bに「5ラウンド」と表示される)から再開されることになる。
例えば、図47(C)に示すように、メイン画像表示装置5の通常の演出画面には、大当りキャラクタ画像501がメイン用背景画像502に重畳された画像(復旧状態指定コマンドに基づく)が表示される。サブ画像表示装置5a〜5dの通常の演出画面には、大当りモード画像511aがサブ用背景画像512aに重畳された画像と、ラウンド数画像511bがサブ用背景画像512bに重畳された画像と、特図ゲーム大当り画像511cがサブ用背景画像512cに重畳された画像と、保留記憶画像511dがサブ用背景画像512dに重畳された画像とが表示される(前述した再開する演出制御パターンに従って表示される)。
なお、電源復旧後の状態が第1特図の大当り中である場合であっても、前述した第2特図の大当り中の場合と同様に、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに電源復旧画面や通常の演出画面が表示される。
次に、デモ表示中に電断が発生した場合について説明する。ここでは、図48(A)に示すように、メイン画像表示装置5には、所定の背景画像上に「デモ中!」などの文字を重畳した合成画像が表示され、サブ画像表示装置5a〜5dには、共通画像がそれぞれ表示されたデモ表示中であるとする。
デモ表示中に停電(電断)が発生した後に電力供給が再開した場合には、主基板11から演出制御基板12に向けて図14の「その他」に示す電源復旧指定コマンドが伝送され、図48(B)に示すように、電源復旧画面がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに表示される(電源復旧指定コマンドに基づいて電源復旧画面が表示される)。
なお、図14の「その他」に示すように、電源復旧指定コマンドに続いて、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンドが順番に、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される。
デモ表示指定コマンドが送信されること(例えば、図20に示す特別図柄通常処理内のステップS248でデモ表示設定して、図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理内のステップS57のコマンド制御処理にて送信されること)によって、図29に示す「その他」の画面復帰条件が成立する(第3画面復帰条件フラグがオン状態となる)。なお、画面復帰条件が成立するまで、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに図48(B)に示す電源復旧画面の表示が継続される。
図29に示す「その他」の画面復帰条件が成立する(第3画面復帰条件フラグがオン状態となる)と、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが同時に通常の演出画面に復帰する(図48(C))。
例えば、図48(C)に示すように、メイン画像表示装置5の通常の演出画面には、所定の背景画像上に「デモ中!」などの文字を重畳した合成画像(デモ表示指定コマンドに基づく)が表示される。サブ画像表示装置5a〜5dの通常の演出画面には、星形をした装飾画像521をサブ用背景画像522に重畳した共通画像(デモ表示指定コマンドに基づく)が表示される。
次に電源復旧画面から通常の演出画面に復帰するタイミングについて説明する。
図49(A)のように、第1特図ゲームの実行中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンド(図柄確定指定コマンドを含まない)を受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後に、第1特図ゲームの終了があると(図柄確定指定コマンドの受信があると)メイン画像表示装置5の演出画面は、電源復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示などが行われる。)。
図49(B)のように、第2特図ゲームの実行中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンド(図柄確定指定コマンドを含まない)を受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後に、第2特図ゲームの終了があると(図柄確定指定コマンドの受信があると)メイン画像表示装置5の演出画面は、電源復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示などが行われる。)。
図49(C)のように、大当り遊技状態(エンディング前の期間)中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後、大当り遊技状態中の次の処理(大入賞口開放、大入賞口閉鎖、エンディング開始のいずれか)が実行されてコマンド(大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれか)が送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(当該処理に対応する演出画面の表示が開始される)。
図49(D)のように、大当り遊技状態(エンディング時)中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後、デモ表示指定コマンド又は変動開始時コマンドが送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特図ゲームの実行に対応した演出などが行われる。)。
図49(E)のように、デモ中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。デモ表示指定コマンド(電源復旧時コマンドとして送信されるかその後に送信される)又は変動開始時コマンドが送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特図ゲームの実行に対応した演出などが行われる。)。
以上、本実施形態によれば、演出制御基板12の復旧時表示制御手段(例えば、ステップS683、684などの処理を行って電源復旧指定コマンドを受信すると電源復旧画面の表示開始設定を行う部分など)は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始(再開)されたときにメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dに復旧時の表示(例えば、電源復旧画面の表示など)を実行させる制御を行い、演出制御基板12の通常表示制御手段(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復帰条件が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示の終了設定を行い、ステップS691Aなどの処理を行って通常の演出画面の表示の復帰設定を行い、ステップS75を実行して演出画面などを表示する部分など)は、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが復旧時の表示をしているときに復帰条件が成立したことに基づいて、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとを同じタイミングで復旧時の表示から通常時の表示(例えば、通常の演出画面の表示など)に復帰させる制御を行う。従って、複数の表示手段(メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5d)を備える場合であっても、電断復旧時に遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
なお、前述した「同じタイミング」には、[1]信号の出力が同じタイミングであること(例えば、演出制御基板12が、主基板11からの所定コマンド(例えば、図柄確定指定コマンド、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンド、当り終了コマンド、変動開始時コマンド、デモ表示指定コマンドなどのうちのいずれか一つのコマンド)の受信を契機として、直列接続又は並列接続された第1表示手段(メイン画像表示装置5)と第2表示手段(サブ画像表示装置5a〜5d)を表示制御することにより、第1表示手段と第2表示手段への信号の出力が同じ(同一又は実質同一)タイミングであること、演出制御基板12内の表示制御部123が、直列接続又は並列接続された第1表示手段と第2表示手段への信号の出力が同じ(同一又は実質同一)タイミングであることなどを含む。)、[2]現象として第1表示手段と第2表示手段との通常時の表示(例えば、通常の演出画面の表示など)への復帰が同じタイミングであること(第1表示手段と第2表示手段とが時間的に一致して復帰表示する完全同時復帰表示や、時間的に不一致であるが遊技者から見て両者の復帰表示ズレが識別できない又はし難い程度である実質的同時復帰表示などを含む。)、などを含む。例えば、この「同じタイミング」とは、第1表示手段と第2表示手段との復帰表示ズレが識別できない又はし難い程度である所定期間(例えば実質的同時期間)ということもできる。
なお、復帰条件の成立後すぐに通常時の表示(通常の演出画面)に復帰させる以外に、復帰条件の成立後に所定時間経過して通常時の表示に復帰させてもよい。
また、通常時の表示とは、復旧時の表示以外の表示であって復帰後の表示のことである。例えば、通常時の表示は、電断時の表示と同一又は類似の内容、主旨又は結果である表示であってもよいし、電断時の表示の態様(字体、配置、色など種々の要素)と同一、類似又は異なる態様(字体、配置、色など種々の要素の少なくとも1つ以上が同一、類似又は異なる)であってもよいし、復帰したことを示す表示であってもよい。
また、駆動装置50a〜50dはサブ画像表示装置5a〜5dを変位させるので、サブ画像表示装置5a〜5dが変位することによって遊技の興趣を向上させることができる。また、メイン画像表示装置5と、変位するサブ画像表示装置5a〜5dとを備える場合であっても、電断復旧時に遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
また、メイン画像表示装置5は、サブ画像表示装置5a〜5dよりも表示画面が大きいため、サブ画像表示装置5a〜5dに比べて遊技者に注視され易い。このような構成の場合でも、大きい表示画面のメイン画像表示装置5と小さい表示画面のサブ画像表示装置5a〜5dとを同タイミングで復旧時の表示(例えば、電源復旧画面の表示など)から通常時の表示(例えば、通常の演出画面の表示など)に復帰させることができるので、小さい表示画面のサブ画像表示装置5a〜5dのみ先に通常時の表示に復帰し、大きい表示画面のメイン画像表示装置5が復旧時の表示のままとなることを抑制でき、遊技者に注視され易いメイン画像表示装置5が故障であると誤解されることを抑制でき、遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
また、演出制御基板12は、主基板11からの進行状況コマンド(例えば、図柄確定指定コマンド、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンド、当り終了指定コマンド、変動開始時コマンド、デモ表示指定コマンドなど)に基づいて、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dを通常時の表示(例えば、通常の演出画面の表示など)に復帰させるので、メイン画像表示装置5の通常時の表示への復帰と同タイミングでサブ画像表示装置5a〜5dを共通画像の表示に復帰させることができる。つまり、メイン画像表示装置5が復旧時の表示のままであり、サブ画像表示装置5a〜5dのみが共通画像の表示に復帰することを防止できる。従って、サブ画像表示装置5a〜5dが共通画像を表示する構成である場合であっても、電断復旧時に遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
また、電断復旧時には、メイン画像表示装置5は、復旧中である旨を示す特定表示(例えば「復旧中です」などの文字表示)を行い、サブ画像表示装置5a〜5dは、この特定表示を含まない表示としている。つまり、サブ画像表示装置5a〜5dは、特定表示(例えば「復旧中です」などの文字表示)を行わないことから、電断復旧時のサブ画像表示装置5a〜5dの表示処理負担を抑制できる。
なお、「特定表示を含まない表示」としては、前述した「特定表示が無い表示(つまり、特定表示を含まない表示)であってもよいし、何も表示しない場合であってもよい。即ち、「特定表示を含まない表示」とは、[1]復旧中である旨を示す特定表示が無い表示であること(前述した実施形態では、全体を黒色として表示)、[2]何も表示しないこと(例えば、制御自体せず(例えば、電源起動信号、映像信号などを送信しない)に何も表示しないものであってもよい)を含む。
また、パチンコ遊技機1にはメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが設けられ、サブ画像表示装置5a〜5d内の液晶制御基板400a〜400d内の信号線には、ノイズ抑制用のバリスタ460、コンデンサ462、双方向ツェナーダイオード464、466、フェライトビーズ468、470、コンデンサ472、双方向ツェナーダイオード474が設けられる。これにより、ノイズ対策を強化することができる。
また、変位可能なサブ画像表示装置5a〜5dにおけるノイズ対策を強化することができる。
また、パチンコ遊技機1の本体に固定され、液晶制御基板400a〜400dへ情報を出力する信号分離基板220が設けられ、液晶制御基板400a〜400dは、信号分離基板220からの情報に基づいて、サブ画像表示装置5a〜5dの表示の制御を行う。このため、サブ画像表示装置5a〜5dの表示を適切に行うことができる。
また、信号分離基板220の入力側基板220a内の信号線に、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード252、254、フェライトビーズ256、258、バリスタ260、コンデンサ262、双方向ツェナーダイオード264、266、268、270が設けられ、出力側基板220b内の信号線に、ノイズ抑制用のコンデンサ352、フェライトビーズ354a、354b、354c、354d、356a、356b、356c、356dが設けられており、ノイズ対策をより一層強化することができる。
また、サブ画像表示装置5a〜5dが図43〜図45に示すように回転するが、信号分離基板220と、サブ画像表示装置5a〜5d内の液晶制御基板400a〜400dとがハーネス600により接続されており、更に、ハーネス600は、信号線610、612、614がより線構造であり、ノイズを抑制可能な構造となっている。これにより、信号分離基板220と液晶制御基板400a〜400dとの接続にフレキシブルケーブルを用いる場合と比較して、サブ画像表示装置5a〜5dの回転に対する耐久性を向上させることができるとともに、ノイズ対策をより一層強化することができる。具体的には、フレキシブルケーブルは、接続される可動物の直線的な動作にしか対応できず、サブ画像表示装置5a〜5dのように回転や変位を伴う可動物に接続されると断線が生じやすい。仮に、サブ画像表示装置5a〜5dが回転のみを行う場合には、フレキシブルケーブルにスリップリング機構を設けることで断線を生じにくくすることは可能であるが、本実施形態のようにサブ画像表示装置5a〜5dが変位を伴う場合には適用困難である。更には、スリップリング機構をサブ画像表示装置5a〜5dとともに変位させることも考えられるが、この場合には、フレキシブルケーブルにより直線状の変位に限定されてしまう。これに対して、ハーネス600が用いられる場合には、サブ画像表示装置5a〜5dのように回転や変位を伴う場合であっても断線が生じにくい。
また、サブ画像表示装置5a〜5dは、図43〜図45に示すようにメイン画像表示装置5や他のサブ画像表示装置5a〜5dと同期した表示や、図39に示すようにメイン画像表示装置5や他のサブ画像表示装置5a〜5dと異なる表示が可能である。このような同期した表示や異なる表示により演出効果を向上させることができる。
また、サブ画像表示装置5a〜5dは、図43〜図45に示すように離間したり接触した配置になるが、図10(A)に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれは、他のサブ画像表示装置5a〜5dが接近したときに接触可能な接触可能領域651a〜651dが設けられており、接触可能領域651aに磁石650a1と磁石650a2が配置され、接触可能領域651bに磁石650b1と磁石650b2が配置され、接触可能領域651cに磁石650c1と磁石650c2が配置され、接触可能領域651dに磁石650d1と磁石650d2が配置される。更に、接触可能領域651a内の一組の磁石650a1と磁石650a2とは内外の極性が逆であり、接触可能領域651b内の一組の磁石650b1と磁石650b2とは内外の極性が逆であり、接触可能領域651c内の一組の磁石650c1と磁石650c2とは内外の極性が逆であり、接触可能領域651d内の一組の磁石650d1と磁石650d2とは内外の極性が逆である。このような構成により、サブ画像表示装置5a〜5dが他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触可能な組み合わせの態様を増加させることができるとともに、サブ画像表示装置5a〜5dの構造を共通化して製造コストを低下させることができる。
また、サブ画像表示装置5a〜5dの表示制御を行う表示制御部123が、サブ画像表示装置5a〜5dの全て又は一部の色調を補正して、サブ画像表示装置5a〜5dの色調を一致させており、違和感のない表示を実現することができる。
また、パチンコ遊技機1の本体に固定されたメイン画像表示装置5が備えられ、サブ画像表示装置5a〜5dは、少なくとも一部がメイン画像表示装置5と重畳する位置へ移動可能となっており、メイン画像表示装置5は、サブ画像表示装置5a〜5dと少なくとも一部が重畳する位置にある場合に、隙間領域に図37に示す選択指示メッセージ画像500を表示する。すなわち、サブ画像表示装置5a〜5dが重畳配置されたときにメイン画像表示装置5において選択指示メッセージ画像が表示されるため、遊技の興趣の低下を抑えることができる。
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、図50(A)に示すように、メイン画像表示装置5の電源復旧画面は、始動入賞記憶表示エリア5Hに第1特図ゲーム、第2特図ゲームの保留表示図柄を含む表示としてもよい。例えば、演出制御基板12は、電源復旧時に受信する保留記憶数指定コマンド(図14参照)に基づいて第1特図ゲーム、第2特図ゲームの保留記憶数を把握することができ、図28のコマンド解析処理のステップS684にて、電源復旧画面に第1特図ゲーム、第2特図ゲームの保留表示図柄の表示を含める設定を行うことにより、メイン画像表示装置5の電源復旧画面に、第1特図ゲーム、第2特図ゲームの保留表示図柄を表示することができる。
また、図50(B)に示すように、メイン画像表示装置5の電源復旧画面は、第4図柄を含む表示としてもよい。例えば、演出制御基板12は、電源復旧時に受信する復旧状態指定コマンド(図14参照)に基づいて第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのどちらを変動中であるかを把握することができ、その後の図柄確定指定コマンドに基づいて第4図柄の変動停止をさせることが可能であり、図28のコマンド解析処理のステップS684にて、電源復旧画面に第4図柄の表示を含める設定を行うことにより、メイン画像表示装置5の電源復旧画面に、第4図柄を表示することができる。
また、変形例として、図28に示すコマンド解析処理に替えて、図51に示すコマンド解析処理を用い、且つ、図14の電源復旧時コマンドは電源復旧指定コマンドのみとする(つまり、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、図4に示す復旧状態指定コマンド保留記憶数指定コマンドを有さない)構成としてもよい。詳しくは、図51に示すコマンド解析処理は、図28のステップS686、ステップS687を有さないため、図29に示すような復旧状態指定コマンドに応じて画面復帰条件を設定することが不要になり、図51のステップS689にて、所定コマンド(変動開始時コマンド、デモ表示指定コマンド、大当り中のコマンド(大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンド、ファンファーレ実行指定コマンドのいずれか一つのコマンドなど)のいずれか一つのコマンド)を受信した場合に画面復帰条件の成立と判定する点が、上記実施形態の図28とは異なる。
このように構成した場合における電源復旧画面からの復帰について図52を用いて説明する。図52(A)に示す第1特図ゲーム中又は図52(B)に示す第2特図ゲーム中に電断が発生し、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに電源復旧画面が表示されているときに、デモ表示指定コマンド又は変動開始時コマンドを受信することにより、画面復帰条件の成立と判定し(図51のステップS689)、通常時の表示(ここではデモ表示、又は電断時に実行中であった特図ゲームの次の変動表示)に復帰させることができる。
図52(C)に示す第1特図(第2特図)の大当り(エンディング以外)中に電断が発生し、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに電源復旧画面が表示されているときに、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドなどを受信することにより、画面復帰条件の成立と判定し(図51のステップS689)、通常時の表示(ここでは大当り中の表示)に復帰させることができる。ただし、電源復旧時コマンドが電源復旧指定コマンドのみであり、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンドが送信されないため、大当りモード画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像等を表示できない。ここでは、サブ画像表示装置5a〜5dには通常時の表示として共通画像の表示を行い、メイン画像表示装置5に通常時の表示(ラウンド数画像を含む表示)を行うようにする。
なお、電源復旧時コマンドとして送信されないとしたコマンド(例えば、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンドなど)のうち一部のコマンドは復旧時に送信(つまり、電源復旧時コマンドとして送信)してもよい。例えば、保留記憶数指定コマンドを復旧時に送信する場合には、保留数の表示については復旧可能とすることができる。
また、大当り中の表示のうち、復旧可能なものについては復旧してもよいし、復旧可能であっても復旧させなくてもよい(例えば、ラウンド数は、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドなどのコマンドにより特定可能であるので、復旧してもよいし、サブ画像表示装置5a〜5dの一部で表示される大当り種類などの画像は復旧できずラウンド数だけ復帰させても表示が不自然となる虞があるので、ラウンド数も復旧させなくてもよい)。
図52(D)に示す第1特図(第2特図)の大当り(エンディング)中又は図52(E)に示すデモ表示中に電断が発生し、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに電源復旧画面が表示されているときに、デモ表示指定コマンド又は変動開始時コマンドを受信することにより、画面復帰条件の成立と判定し(図51のステップS689)、通常時の表示(ここではデモ表示又は変動表示)に復帰させることができる。
この変形例の場合であっても、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとを同じタイミングで通常時の表示(例えば、通常の演出画面の表示など)に復帰させることができ、電断復旧時に遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
また、上記実施形態では、メイン画像表示装置5の電源復旧画面にのみ、復旧中である旨を示す特定表示(例えば「復旧中です」などの文字表示)を行っているが(図46(B)、図47(B)、図48(B)など参照)、メイン画像表示装置5とともに、又は、メイン画像表示装置5に替えて、サブ画像表示装置5a〜5dの電源復旧画面のうちの少なくとも一つに特定表示(例えば「復旧中です」などの文字表示)を行ってもよい。また、複数の第2表示手段(例えば、サブ画像表示装置5a〜5d)により、一体的な特定表示(例えば、サブ画像表示装置5a〜5dに「復」、「旧」、「中」、「!」をそれぞれに表示させ、サブ画像表示装置5a〜5dの全体として「復旧中!」と表示する態様など)を行ってもよい。また、第1表示手段(メイン画像表示装置5)と複数の第2表示手段(例えば、サブ画像表示装置5a〜5d)とにより、一体的な特定表示を行ってもよい。
また、上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5d(第2表示手段)は4個としているが、4個に限定されない。例えば、第2表示手段の数は、単数又は4個以外の複数であってもよく、移動(変位)しないものであってもよい。複数の第2表示手段の場合には、少なくとも1つが移動(変位)しないものであってもよい。
また、駆動装置50a〜50dは、第1ステッピングモータと第2ステッピングモータとを備えているが、単一のステッピングモータとしてもよいし、その他のアクチュエータを用いてもよい。
また、第1表示手段(例えばメイン画像表示装置5)と第2表示手段(例えばサブ画像表示装置5a〜5d)とが同一の大きさの表示画面であってもよい。また、第1表示手段よりも第2表示手段の方が大きい表示画面であってもよい。
また、上記実施形態では、図柄確定指定コマンドを単一コマンド(8F00(H))としているが、これに限定されない。例えば、コマンド8F01(H)は、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示(変動)の終了を指定(通知)する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)とし、コマンド8F02(H)は、第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示(変動)の終了を指定(通知)する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド)とし、図26に示すステップS304において、変動特図指定バッファ値が「1」であれば第1図柄確定指定コマンドを送信設定し、変動特図指定バッファ値が「2」であれば第2図柄確定指定コマンドを送信設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図41に示すように、サブ画像表示装置5c、5dに特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像をそれぞれ表示させているが、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像に替えて、出玉数画像、連チャン回数画像などを表示させてもよい。出玉数画像は、大当り遊技状態となってから払い出された賞球の数を示す画像である。連チャン回数画像は、大当り遊技状態に繰り返し制御される回数(連チャン回数)を示す画像である。例えば、出玉数画像が示す出玉数は、カウントスイッチ23により検出される遊技球の通過回数に基づいて主基板11から入力されるコマンドにより特定され、連チャン回数画像が示す連チャン数は、当り開始指定コマンドの入力回数などにより特定される。そして、演出制御用CPU120から表示制御部123への表示制御指令には、ラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等がそれぞれ異なるサブ画像表示装置5a〜5dに表示されることを指示する情報と、サブ用大当り背景画像に重畳してラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等が表示されるように、画像データの描画順序等の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、サブ用大当り背景画像にラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等が重畳された合成画像の画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた、サブ用大当り背景画像にラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等が重畳された合成画像を表示する。
また、図3に示すコマンドのうち、通常状態指定コマンド(B000(H))及び時短状態指定コマンド(B001(H))を設けずに、背景指定コマンド(95XX(H))だけで遊技状態を指定するようにしてもよい。また、時短回数指定コマンド(B1XX(H))、復旧状態指定コマンド(D3XX(H))は両方設けなくてもよいし、一方のみ設けないようにしてもよい。
また、上記実施形態でのノイズ抑制の対策以外に、次の対策も考えられる。例えば、演出制御基板12と信号分離基板220とを接続する信号線の一部が、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズの中を通るようにしてもよい。また、信号分離基板220と液晶制御基板400a〜400dとを接続するノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズの中を通るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、同期表示演出処理として、1の画像がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとにより連続性のある表示となったり、1の画像がメインサブ画像表示装置5a〜5dにより連続性のある表示となる場合について説明したが、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが同一の画像を表示する場合や、サブ画像表示装置5a〜5dが同一の画像を表示する場合の同期表示演出処理においても同様に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dが同一形状且つ同一大きさであるものとして説明したが、異なる形状であっても、異なる大きさであっても同様に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、可変表示中演出処理内において、メッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されたが、メッセージ演出処理矢同期表示演出処理の実行タイミングはこれに限定されず、図32のステップS170〜ステップS175の各処理の何れにおいて実行されてもよい。また、メッセージ演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させてメイン表示装置5の隙間領域に画像を表示させるようにしてもよい。更には、図32のステップS170〜ステップS175の各処理の何れにおける、メッセージ演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させてメイン表示装置5の隙間領域に画像を表示させるようにしてもよい。例えば、リーチ演出中以外の飾り図柄の変動中の演出や、変動中以外のデモ、大当り、小当りの演出等において、メッセージ演出処理が実行されてもよい。
また、上記実施形態では、可変表示中演出処理内及び大入賞口開放時処理において、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるサブ画像演出処理が実行されたが、サブ画像演出処理の実行タイミングはこれに限定されず、図32のステップS170〜ステップS175の各処理の何れにおいて実行されてもよい。また、サブ画像演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図35や図42に示すように、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合、必ず、メッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されるようにしたが、他の変動パターンにおいてもメッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されるようにしてもよい。また、例えば、メッセージ演出処理や同期表示演出処理の実行可否を設定するための乱数等を用いて、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合であっても所定の確率でメッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図37に示すように、可変表示中演出処理においては、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合、必ず、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるサブ画像演出処理が実行されるようにしたが、他の変動パターンにおいてもサブ画像演出処理が実行されるようにしてもよい。また、例えば、サブ画像演出処理の実行可否を設定するための乱数等を用いて、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合であっても所定の確率でサブ画像演出処理が実行されないようにしてもよい。同様に、上記実施形態では、図39に示すように、大入賞口開放時処理においては、変動パターンがPA3−2、PA3−3、PA3−5の場合、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるサブ画像演出処理が実行されるようにしたが、大入賞口開放時処理に対応する全ての変動パターンPA3−1、PA3−2、PA3−3、PA3−5においてサブ画像演出処理が実行されるようにしてもよい。また、例えば、サブ画像演出処理の実行可否を設定するための乱数等を用いて、変動パターンがPA3−1、PA3−2、PA3−3、PA3−5の場合であっても所定の確率でサブ画像演出処理が実行されないようにしてもよい。更には、図39のステップS806を設けずに、変動パターンによってサブ画像演出処理の実行可否を判断する処理を行わないようにし、通常の大当りの場合に必ずサブ画像演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dの全てを移動させてメッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されたが、サブ画像表示装置5a〜5dの何れか1つ又は複数を移動させてメッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図37(c)に示すように、メイン画像表示装置5の隙間領域のうち、サブ画像表示装置5aとサブ画像表示装置5cとの間である隙間領域から、サブ画像表示装置5bとサブ画像表示装置5dとの間である隙間領域にかけて、選択指示メッセージ画像が表示されたが、これに限定されず、適宜選択された1つ又は複数の隙間領域に選択指示メッセージ画像が表示されてもよい。例えば、図37(c)においては、サブ画像表示装置5aとサブ画像表示装置5bとの間である隙間領域から、サブ画像表示装置5cとサブ画像表示装置5dとの間である隙間領域にかけて、選択指示メッセージ画像が表示されてもよい。
また、メイン画像表示装置5の隙間領域に表示される画像は、上述した、選択指示メッセージ画像に限定されず、遊技者による選択操作が可能な残り時間の画像、選択肢そのものの画像等でもよい。
また、サブ画像表示装置5a〜5dに表示される、本来、メイン画像表示装置5に表示されるべき画像は、上述した、大当りモード画像、ラウンド数画像、出玉数画像、連チャン数画像、遊技モード画像、右打ち指示画像、第4図柄画像、特図ゲーム大当り画像、保留記憶画像に限定されない。例えば、ストーリーを有する作品をモチーフとし、連チャン数に応じてストーリーが進行するような場合における、そのストーリーに対応する画像である、連チャン数に応じたストーリーの画像でもよい。また、連チャン中の全ての出玉数を示す画像、前回の大当りから何回飾り図柄が変動して今回の大当りになったかを示す画像、現在の大当りが確変の大当りであるか通常の大当りであるかを示す画像等でもよい。
また、上記実施形態においては、メイン画像表示装置やサブ画像表示装置5a〜5dは、液晶パネルを内蔵する液晶表示装置であるが、例えば7セグメントの表示装置、ドットマトリクスのLEDから構成される表示装置、有機EL(Electro Luminescence)や無機ELにより構成される表示装置、透過液晶等を内蔵する透過式の表示装置などにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、演出制御基板12の演出制御用CPU120が、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信するが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施形態では、遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射して、特別図柄や飾り図柄を可変表示するパチンコ遊技機1に、特定演出が実行されることを認識可能に報知するための構成や、操作内容に応じて異なる特典を付与するための構成などを、設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも、この発明の特徴となる構成や機能を適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機等の他の遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。