JP2017108807A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技機の稼働の低下を抑制できる遊技機を提供する。【解決手段】この遊技機は、少なくとも図柄の可変表示中に出力させる楽曲の選択を可能とする選択実行手段を備え、楽曲の選択が可能な状態において図柄の可変表示が終了したときには当該可変表示終了後の所定期間において楽曲の選択を継続して可能とする。少なくとも図柄の可変表示中に楽曲の選択が実行可能であるので、通常状態では図柄の可変表示停止中のみ楽曲の選択が可能とする遊技機に比べて、遊技機の稼働の低下を抑制することができる。【選択図】図41
Description
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
特許文献1には、例えば、有利状態(特許文献1では、大当り遊技状態)と時短状態(特許文献1では、時短遊技状態)では常時楽曲選択が可能であり、通常時は識別情報の可変表示(「変動」ともいう)の停止中にのみ楽曲選択が可能である遊技機が開示されている。
上記特許文献1の遊技機では、識別情報の可変表示の停止中に楽曲選択が行われることにより、遊技機の稼働が低下するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、遊技機の稼働の低下を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
識別情報(例えば、第1特図、第2特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出し、有利条件が成立したときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
楽曲を出力する制御が可能な楽曲制御手段(例えば、演出制御を行う演出制御基板12など)と、
少なくとも識別情報の可変表示中に、前記楽曲制御手段により出力させる楽曲の選択を可能とする選択実行手段(例えば、ステップS76の楽曲選択処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記選択実行手段は、楽曲の選択が可能な状態において識別情報の可変表示が終了したときには当該識別情報の可変表示終了後の所定期間において楽曲の選択が継続して可能とする(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS861、S862にて所定期間経過まで選択操作を継続可能とする処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、遊技機の稼働の低下を抑制できる。
識別情報(例えば、第1特図、第2特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出し、有利条件が成立したときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
楽曲を出力する制御が可能な楽曲制御手段(例えば、演出制御を行う演出制御基板12など)と、
少なくとも識別情報の可変表示中に、前記楽曲制御手段により出力させる楽曲の選択を可能とする選択実行手段(例えば、ステップS76の楽曲選択処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記選択実行手段は、楽曲の選択が可能な状態において識別情報の可変表示が終了したときには当該識別情報の可変表示終了後の所定期間において楽曲の選択が継続して可能とする(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS861、S862にて所定期間経過まで選択操作を継続可能とする処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、遊技機の稼働の低下を抑制できる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記所定期間の終了後における前記選択実行手段による楽曲の選択を無効とする無効手段(例えば、ステップS862などにより選択操作有効期間フラグをオフにする処理を実行する演出制御用CPU120など)を備える。
このような構成によれば、遊技機の稼働の低下を抑制できる。
前記所定期間の終了後における前記選択実行手段による楽曲の選択を無効とする無効手段(例えば、ステップS862などにより選択操作有効期間フラグをオフにする処理を実行する演出制御用CPU120など)を備える。
このような構成によれば、遊技機の稼働の低下を抑制できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記楽曲制御手段は、識別情報の可変表示の停止後、前記所定期間よりも長い特定期間継続して、選択された楽曲を出力する(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS863、ステップS864により、特定期間の経過を判定し、特定期間が経過するまで楽曲の出力を継続する処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、識別情報の可変表示の停止後に、選択した楽曲を聴くことができる。
前記楽曲制御手段は、識別情報の可変表示の停止後、前記所定期間よりも長い特定期間継続して、選択された楽曲を出力する(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS863、ステップS864により、特定期間の経過を判定し、特定期間が経過するまで楽曲の出力を継続する処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、識別情報の可変表示の停止後に、選択した楽曲を聴くことができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記所定期間の経過後の音量変更期間において、楽曲の音量変更が可能な音量変更設定手段を備える(例えば、ステップS78の音量変更処理により音量変更期間(例えば、図41などで楽曲音量操作が可能である期間)において楽曲の音量変更を可能とする処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、操作が複雑にならないので、操作性を向上させることができる。
前記所定期間の経過後の音量変更期間において、楽曲の音量変更が可能な音量変更設定手段を備える(例えば、ステップS78の音量変更処理により音量変更期間(例えば、図41などで楽曲音量操作が可能である期間)において楽曲の音量変更を可能とする処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、操作が複雑にならないので、操作性を向上させることができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
遊技球の発射を検知する発射検知手段(例えば、近接センサ、タッチセンサ18、ゲート32、一般入賞口、盤面センサなど)を備え、
識別情報の可変表示の停止後において前記発射検知手段による遊技球の発射の検知が有る検知期間には、前記楽曲制御手段は識別情報の可変表示の停止後も楽曲の出力を継続し、前記選択実行手段は識別情報の可変表示の停止後も楽曲の選択が継続して可能とする(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS860などにより、球検出有りであれば楽曲の選択と出力とを継続する処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、識別情報の可変表示がされにくい遊技機における遊技者の不快感を軽減できる。
遊技球の発射を検知する発射検知手段(例えば、近接センサ、タッチセンサ18、ゲート32、一般入賞口、盤面センサなど)を備え、
識別情報の可変表示の停止後において前記発射検知手段による遊技球の発射の検知が有る検知期間には、前記楽曲制御手段は識別情報の可変表示の停止後も楽曲の出力を継続し、前記選択実行手段は識別情報の可変表示の停止後も楽曲の選択が継続して可能とする(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS860などにより、球検出有りであれば楽曲の選択と出力とを継続する処理を実行する演出制御用CPU120など)。
このような構成によれば、識別情報の可変表示がされにくい遊技機における遊技者の不快感を軽減できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
識別情報の可変表示中における楽曲の選択を制限する制限手段(例えば、ステップS172の可変表示中処理のステップS544、S546にて予告演出期間又はリーチ演出期間と判定したときにステップS545、S547により楽曲出力をオフする処理を実行する演出制御用CPU120など)を備える。
このような構成によれば、遊技演出を好適に提供することができるとともに、好適な楽曲選択を行うことができる。
識別情報の可変表示中における楽曲の選択を制限する制限手段(例えば、ステップS172の可変表示中処理のステップS544、S546にて予告演出期間又はリーチ演出期間と判定したときにステップS545、S547により楽曲出力をオフする処理を実行する演出制御用CPU120など)を備える。
このような構成によれば、遊技演出を好適に提供することができるとともに、好適な楽曲選択を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられている。また、画像表示装置5の右下には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
なお、画像表示装置5はLCDに限定されず、飾り図柄の画像等を表示することのできるものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル19(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドル19は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル19には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチセンサ18(タッチリング)が設けられていればよい。遊技者の手が打球操作ハンドル19に触れている場合に、タッチセンサ18からタッチ信号が演出制御基板12に出力されるため、演出制御基板12の演出制御用CPU120は、かかるタッチ信号に基づいて、遊技者による遊技球の発射操作の有無を把握することができる。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる特別な表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告するメモリ予告(保留表示予告)が実行されるようになっている。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、15ラウンドのラウンド遊技(通常開放ラウンド)が実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、15ラウンドのラウンド遊技(通常開放ラウンド)が実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。また、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合にも、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、主基板11からの指令に基づいて、遊技球を払い出す球払出装置17を制御する払出制御基板16なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する表示結果指定コマンドである。表示結果指定コマンドでは、例えば、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口閉鎖指定コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放指定コマンドや大入賞口閉鎖指定コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図9に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「4」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
なお、図5に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにしてもよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
変動パターンは、変動パターン決定用の乱数値MR3を基づいて、例えば可変表示結果ごとに予め用意された変動パターン決定テーブルを参照することにより、図5に示すいずれかの変動パターンに決定される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果の決定結果や、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶される。
図8は、各可変表示態様(可変表示結果)において決定される変動パターンを示す図である。図8に示すように、可変表示態様が「ハズレ」である場合には、変動パターンPA1−1〜PA1−5、PA2−1〜PA2−3のいずれかの変動パターンに決定される。可変表示態様が「非確変」、「確変」である場合には、変動パターンPB1−1〜PB1−3のいずれかの変動パターンに決定される。可変表示態様が「突確」、「小当り」である場合には、変動パターンPC1−1、PC1−2のいずれかの変動パターンに決定される。変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン決定テーブルを参照することで、これらの変動パターンが決定される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ100(遊技制御手段)の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図9に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図9に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図10(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図10(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図10(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図11(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図11(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図11(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図11(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図11(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図11(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図11(B)に示す例では、バッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、各バッファ番号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶される。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、予告表示予告の先読み予告演出が実行されている場合には特別態様となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図13は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図14は、始動入賞判定処理として、図13のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンを決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図13のステップS110、図16)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図13のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図15(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図14のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S407、S410の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
ステップS412では、例えば、変動パターン決定テーブルを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターンがPA1−1〜PA1−5のいずれかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA2−1〜PA2−3のいずれかである場合には、リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPB1−1〜PB1−3のいずれかである場合には、リーチ大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPC1−1、PC1−2のいずれかである場合には、突確・小当りの変動カテゴリであると判定する。なお、ステップS412では、変動カテゴリが非リーチハズレ、リーチハズレ、リーチ大当り、突確・小当り、のいずれの変動カテゴリに含まれるかを判定しているが、より細かい判定を行ってもよい。例えば、リーチを伴う変動パターンである場合には、ノーマルリーチとなるかスーパーリーチとなるかによって異なる変動カテゴリと判定するようにしてもよい。
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドのいずれかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図13のステップS110、図16)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図13のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図14に示す始動入賞判定処理では、ステップS211の処理を実行した後に、ステップS213の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図12に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図13のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、演出制御基板12に対して飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドが送信されるとともに、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」または「5回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、ラウンド間のインターバル時間が経過したときに大入賞口を開放状態にするとともに、演出制御基板12に対して大入賞口開放指定コマンドを送信する処理や、経過時間を計測する処理、その計測した経過時間が上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)となった場合やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数が所定個数(例えば9個)となった場合に、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、演出制御基板12に対して大入賞口閉鎖指定コマンドを送信するともに、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、大当り種別に応じたラウンド間のインターバル時間が設定されるとともに、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図16は、特別図柄通常処理として、図13のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、図14(A)に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図17は、図13のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、飾り図柄停止コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、高ベース中において実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS305)。続いて、特図表示結果が「小当り」となったことに対応した当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS306)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS308)。
ステップS304にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS309)。ステップS308、S309の処理のいずれかを実行した後には、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行ってから(ステップS310)、特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS310の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS310の処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。あるいは、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われるようにしてもよい。
また、ステップS310の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS310の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。あるいは、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データに基づき確変制御を終了するか否かを判定する処理は、例えば図16に示すステップS240にて特図表示結果を決定(事前決定)する以前に、実行されるようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図18のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図18に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、楽曲選択処理を行う(ステップS76)。この楽曲選択処理は、遊技者による楽曲の選択操作があった場合においてその選択された楽曲に切り替えるための処理である。楽曲選択処理の詳細は、図32に後述する。
ステップS76の楽曲選択処理に続いて、演出制御用CPU120は、楽曲切替処理を実行する(ステップS77)。この楽曲切替処理は、現在の再生している楽曲が終了する際に、同一の楽曲を繰り返しループ再生する(楽曲のフルコーラスをループ再生することを含む)のか、それとも次の楽曲にランダムに変更するのかなどの楽曲を切り替えるための処理と、図柄の可変表示停止後の楽曲選択と楽曲出力などについての処理とを含む。楽曲切替処理の詳細は、図33に後述する。
ステップS77の楽曲切替処理に続いて、演出制御用CPU120は、音量変更処理を実行する(ステップS78)。この音量変更処理は、例えば可変表示停止後の音量変更期間において、遊技者による楽曲の音量の変更操作があった場合に、その変更操作に応じて楽曲の音量を変更するための処理である。例えば、後述する図41に示すように、演出制御用CPU120は、通常状態での保留分の可変表示の終了後から所定期間(楽曲選択操作が可能な期間:数秒間(例えば2秒)など)の経過後の期間を、遊技者による音量変更操作が可能な音量変更期間であると判定することにより、音量変更期間において、遊技者による楽曲音量を変更する操作が可能となっている。
ステップS78の音量変更処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS79)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図19は、コマンド解析処理として、図18のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに対応するフラグをセットするなどの設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
上記のコマンド解析処理にて受信した各演出制御コマンドは、例えば、図20に示すようにそのコマンドに応じた処理内容でそれぞれ処理される。なお、図20中、フラグをセットとは、フラグをオン状態にすることをいう。
図21は、演出制御プロセス処理として、図18のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告設定処理を実行する(ステップS161)。
図22(A)は、図21のステップS161にて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図22(A)に示す先読み予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンドを新たに受信しているか否かを判定する(ステップS601)。第1始動口入賞指定コマンドを受信していない場合(ステップS601;No)、先読み予告設定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第1始動口への入賞に基づく先読み予告演出を実行するようになっているが、第2始動入賞口への入賞に基づく先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、ステップS601においては、第2始動口入賞指定コマンドを新たに受信しているか否を判定するようにすればよい。
いずれかの入賞指定コマンドを新たに受信している場合には、当該始動入賞に基づく、先読み予告演出の実行が制限される期間(先読み予告制限期間)であるか否かを判定する(ステップS602)。先読み予告制限期間である場合には(ステップS602;Yes)、先読み予告設定処理を終了する。
ステップS602の処理では、既に先読み予告演出を実行している場合、遊技状態が高ベース状態である場合や、大当り遊技状態である場合には、先読み予告制限期間であると判定される。なお、先読み予告制限期間は、先読み予告演出を新たに実行するのにふさわしくない任意のタイミングが設定されればよい。
先読み予告制限期間でない場合には(ステップS602;No)、先読み予告演出の実行の有無と先読み予告演出を実行する場合の演出態様(先読み予告パターン)を決定する(ステップS603)。一例として、ステップS603の処理では、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、変動カテゴリコマンドから特定される変動カテゴリに応じて、先読み予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、先読み予告演出を実行する場合における複数の先読み予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定すればよい。
ステップS603の処理では、例えば図22(B)に示すような決定割合で、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとが決定されればよい。図22(B)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無や先読み予告パターンの決定割合を異ならせている。これにより、先読み予告演出の演出態様に応じて変動カテゴリ(リーチとなるか否かや大当りとなるか否か)を予告することができる。
続いて、ステップS603において、先読み予告演出を実行することが決定されたか否かを判定する(ステップS604)。先読み予告演出を実行しないことが決定された場合には(ステップS604;No)、先読み予告設定処理を終了する。
先読み予告演出を実行することが決定された場合には(ステップS604;Yes)、現在画像表示装置5において、リーチ演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605では、変動開始から変動パターン毎に定められたリーチ演出の実行開始までの時間が経過したか否かなどにより、リーチ演出が実行中であるか否かを判定すればよい。
リーチ演出が実行中でなければ(ステップS605;No)、ステップS603において決定された先読み予告パターンに対応する先読み予告演出を開始するための設定を行う(ステップS606)。ステップS606では、先読み予告パターンに対応さいた先読み予告演出制御データを読み出して、その演出制御データに基づく演出を開始する。そして、先読み予告演出が実行中であることを示す先読み予告実行中フラグをオン状態にセットし(ステップS607)、先読み予告設定処理を終了する。
一方、リーチ演出が実行中であれば(ステップS605;Yes)、所定のストック演出を開始するための設定を行う(ステップS608)。このようなストック演出が実行された場合には、リーチ演出が終了して、次の可変表示が開始されるタイミングにおいて、先読み予告演出が開始される。
ステップS608においてストック演出を開始するための設定を行った後は、先読み予告演出がストックされていることを示すストック中フラグをオン状態にセットし(ステップS609)、先読み予告設定処理を終了する。
図21に示すステップS161にて先読み予告設定処理を実行した後には、先読み予告実行処理を実行する(ステップS162)。
図23は、図21のステップS162にて実行される先読み予告実行処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す先読み予告実行処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS621)。
先読み予告実行中フラグがオン状態であれば(ステップS621;Yes)、先読み予告中断フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS622)。先読み予告中断フラグは、先読み予告演出を開始した後にリーチ演出が開始されたことによって先読み予告演出を中断する場合にセットされる。
先読み予告中断フラグがオフ状態であれば(ステップS622;No)、先読み予告演出の開始後に、リーチ演出が開始されるタイミングとなったか否かを判定する(ステップS623)。この実施の形態では、先読み予告演出が開始された後に、メイン液晶でリーチ演出が開始された場合には、メイン液晶における演出の重複を避けつつ、リーチ演出に注目させるため、先読み予告演出の実行を中断するようになっている。この場合には、リーチ演出が終了して、次の可変表示が開始されるタイミングにおいて、先読み予告演出が再開される。
リーチ演出が開始されるタイミングでなければ(ステップS623;No)、先読み予告演出制御データに基づいて先読み予告演出の演出制御を実行する(ステップS624)。そして、先読み予告演出の終了タイミングとなったか否かを判定し(ステップS625)、終了タイミングであれば先読み予告実行中フラグをオフ状態にクリアして(ステップS626)、先読み予告実行処理を終了する。
また、リーチ演出が開始されるタイミングとなった場合(ステップS623;Yes)、先読み予告演出の実行を中断する設定を行い(ステップS627)、先読み予告中断フラグをセットする(ステップS628)。その後、先読み予告実行処理を終了する。ステップS627の処理では、先読み予告演出制御データに基づく演出制御の中断地点を記憶するための制御が行われればよい。
先読み予告実行中フラグがオフ状態であれば(ステップS621;No)、ストック中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS629)。ストック中フラグもオフ状態であれば(ステップS;No)、先読み予告実行処理を終了する。
ストック中フラグがオン状態である場合や(ステップS630;Yes)、先読み予告中断中フラグがオン状態である場合には(ステップS622;Yes)、先読み予告演出の実行をストックまたは中断するきっかけとなったリーチ演出を伴う変動が終了したか否かを判定する(ステップS630)。当該リーチ演出を伴う変動が終了していない場合には(ステップS630;No)、先読み予告実行処理を終了する。
リーチ演出を伴う変動が終了している場合には(ステップS630;Yes)、ストック中または中断中の先読み予告演出を開始するための設定を行う(ステップS631)。また、このとき、ストック中フラグまたは先読み予告中断フラグをオフ状態にクリアする。そして、先読み予告実行中フラグをオン状態にセットして(ステップS632)、先読み予告実行処理を終了する。
図21に示すステップS162にて先読み予告実行処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図24は、可変表示開始待ち処理として、図21のステップS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド受信フラグがオンであるか否かを確認する(ステップS901)。変動パターン指定コマンド受信フラグがオフ状態であれば(ステップS901;No)、可変表示開始待ち処理を終了し、変動パターン指定コマンド受信フラグがオンであれば(ステップS901;Yes)、変動パターン指定コマンド受信フラグをオフにする(ステップS902)。
そして、ステップS902の後、経過時間タイマをリセットする(ステップS903)。経過時間タイマは、最後に行った変動が終了したタイミングからの経過時間を計測しているタイマであり、ステップS903にてリセットすることにより、変動開始時にその値をリセットすることとしている。そして、演出プロセスフラグの値が“1”に更新され(ステップS903)、可変表示開始待ち処理を終了する。
続いて、図25は、可変表示開始設定処理として、図21のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、変動中予告演出の実行の有無と、実行する場合における変動中予告演出の演出態様に対応した変動中予告パターンとを決定する(ステップS529)。一例として、ステップS529の処理では、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された変動中予告決定テーブルを選択してセットする。変動中予告決定テーブルでは、表示結果指定コマンドから特定される可変表示結果や、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、変動中予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、変動中予告演出を実行する場合における複数の変動中予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した変動中予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中予告決定テーブルを参照することにより、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定すればよい。
ステップS529の処理では、例えば図26に示すような決定割合で、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとが決定されればよい。図26に示す決定割合の設定例では、可変表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの決定割合を異ならせている。
ここで、図26に示す「ハズレ(非リーチ)」の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」である場合を示し、「ハズレ(リーチ)」の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」である場合を示す。
この実施の形態では、予告X、予告Y、予告Zの3種類の変動中予告パターンが用意されている。予告Xは、「キャラクタ表示」の変動中予告演出を実行する変動中予告パターンであり、予告Yは、「ステップアップ動作」の変動中予告演出を実行する変動中予告パターンであり、予告Zは、「操作予告」の変動中予告演出を実行する変動中予告パターンである。
「キャラクタ表示」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示画面にて、所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示画面にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われるとともに、スピーカ8L、8Rから所定の音声(セリフ、効果音、楽曲(例えば楽曲の一部又は全体など)などの少なくとも一つを含む)が出力されることがある。なお、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、変動中予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われてもよい。なお、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り換えられることなく、予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
「操作予告」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者によりスティックコントローラ31Aが操作されたことに応じて、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示を変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「操作予告」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。操作促進演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者による所定の操作態様でのスティックコントローラ31Aの操作を促す演出動作であればよい。
ステップS529の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS530)。一例として、ステップS530の処理では、変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS529における変動中予告演出の予告パターンや示唆演出の決定結果に対応した予告演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、ステップS531にて選択された演出制御パターンを開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
その後、演出制御用CPU120は、通常状態であるか否かを判定する(ステップS534)。例えば、通常状態であるか否かは、主基板11から演出制御基板12に送信される遊技状態指定コマンドのうち、通常状態であることを示す第1遊技状態指定コマンド(9500H)の受信フラグがオンであるか否かにより判定する。ステップS534にて通常状態であると判定された場合には(ステップS524;Yes)、大当り継続回数Kを0(リセット)にする。大当り継続回数Kとは、通常状態に移行することなく大当りが発生した回数であり、いわゆる連荘回数である。この実施形態では、大当り継続回数Kに基づいて、選択可能な楽曲が増えたりする。また、通常状態でないと判定された場合や(ステップS524;No)、ステップS535の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS536)、可変表示開始設定処理を終了する。
図27は、図21のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、選択操作有効期間フラグをオンする(ステップS541)。選択操作有効期間フラグとは、遊技者による楽曲の選択操作の有効期間である場合にオンとなるフラグである。そして、演出制御用CPU120は、曲選択画像表示設定を実行する(ステップS542)。例えば、後述する図37(A)などに示す画像表示装置5の表示領域の右上に、曲選択画像5B(例えば、「曲選択?」を示唆する画像など)を表示するための設定を実行する。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマの値などに基づいて、今回の変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS543)。可変表示時間が経過していない場合(ステップS543;No)には、所定の音声出力を有する予告Y演出期間であるか否かを判定する(ステップS544)。詳しくは、演出制御用CPU120は、図25のステップ529にて変動中予告パターンが設定され、かつ、その変動中予告演出として予告Y演出が実行される場合には、予告Y演出期間であるか否かを判定する。
演出制御用CPU120は、予告Y演出期間であれば(ステップS544;Yes)、予告Yのプロセスデータに基づく演出制御を行う(ステップS545)。例えば、遊技者の操作により選択された楽曲が変動中に流れている(例えば楽曲の音量が100%で出力されている)場合において、予告Yの演出期間には、かかる楽曲の音量が0%(音量制限しているのであれば、0%以外であってもよい)になり、予告Yの音声は通常通り出力(例えば100%の出力)され、遊技者は好適に予告Yの音声を聴くことができる。また、予告Y演出期間でない場合や(ステップS544;No)、ステップS545の処理を実行した後には、リーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS546)。
演出制御用CPU120は、リーチ演出期間であれば(ステップS546;Yes)、リーチ演出制御を実行し(ステップS547)、選択操作有効期間フラグをオフする(ステップS548)。例えば、遊技者の操作により選択された楽曲が変動中に流れている(例えば楽曲の音量が100%で出力されている)場合において、リーチ演出期間には、かかる楽曲の音量が0%(音量制限しているのであれば、0%以外であってもよい)になり、リーチ演出の音声は通常通り出力(例えば100%の出力)され、遊技者は好適にリーチ演出の音声を聴くことができる。また、ステップS548により、選択操作有効期間フラグがオフとなることで、後述する図39に示すようにリーチ期間中における遊技者による楽曲の選択操作が不可とすることができる。
演出制御用CPU120は、リーチ演出期間でない場合や(ステップS546;No)、ステップS548の処理を実行した後には、予告Y、リーチ演出以外の演出制御(つまり、その他の演出制御)を実行し(ステップS549)、可変表示中演出処理を終了する。
演出制御用CPU120は、ステップS543において可変表示時間が経過している場合(ステップS543;Yes)には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS551)。図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS551;Yes)、最終停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS552)。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送して、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行うことで、図柄を導出表示する制御を行う。このような制御によって、表示制御部123は、最終停止図柄を導出し、かつ、当該最終停止図柄を所定時間表示し続ける処理を行う。
演出制御用CPU120は、ステップS552の処理を実行した後には、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS553)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS554)、可変表示中演出処理を終了する。これにより、次回のタイマ割込み発生時には、特図当り待ち処理が実行され、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまでに当り開始指定コマンドの受信がなければ、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。その一方で、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまでに当り開始指定コマンドの受信があれば、特図表示結果が「小当り」であるか「大当り」であるかに応じて、演出制御プロセスフラグの値が“4”又は“6”に更新されることにより、小当り時や大当り時における演出動作の制御が行われるようにすればよい。
図28は、図21のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、図27のステップS553にて設定された当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS561)。そして、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していれば(ステップS561;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS562)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS561にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS561;No)、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS563)。このとき、当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS563;No)、特図当り待ち処理を終了する。その一方で、当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS563;Yes)、特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS564)。そして、特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS564;No)、特図表示結果が「小当り」であることから、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新した後(ステップS565)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS564にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には(ステップS564;Yes)、大当り継続回数Kに「1」を加算し(ステップS566)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS567)、特図当り待ち処理を終了する。
図29は、図21のステップS176にて実行される大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、選択操作有効期間フラグをオンする(ステップS651)。そして、演出制御用CPU120は、曲選択画像表示設定を実行する(ステップS652)。例えば、後述する図38(B)に示す画像表示装置5の表示領域の右上に、曲選択画像(例えば、「曲選択?」を示唆する画像など)を表示するための設定を実行する。
そして、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS653)。このとき、当り終了指定コマンドの受信がなければ(ステップS653;No)、発生中の大当りの種別が突然確変大当りであるか否かを判定する(ステップS654)。突然確変大当りでない場合(ステップS654;No)、つまり確変大当りまたは通常大当りである場合には、大当り継続回数Kが「1」であるか否かを判定し(ステップS655)、「1」であれば初当り中処理を実行する(ステップS656)。初当り中処理は、通常状態において確変大当りまたは通常大当りが発生した際に行う処理であり、楽曲の選曲方法を遊技者に指定させるための処理である。その詳細は、図30に後述する。また、ステップS655において、大当り継続回数Kが「1」でなければ継続中処理を実行する(ステップS657)。継続中処理は、確変状態または時短状態において確変大当りまたは通常大当りが発生して大当り継続回数Kが「2」以上の場合において、楽曲の選曲方法を遊技者に指定させるための処理である。
演出制御用CPU120は、ステップS654にて突然確変大当りである場合(ステップS654;Yes)や、ステップS656、ステップS657の処理を実行した後には、大当り中演出制御プロセス(パターン)による制御を実行する(ステップS658)。例えば、大当り遊技状態における大当り中演出動作を実行する。例えば、ステップS658の処理では、主基板11から伝送された大当り用の大入賞口開放指定コマンドなどから、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定する。そして、ラウンド数が更新されたときには、更新後のラウンド数に対応する演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を実行させる。そして、演出制御用CPU120は、ステップS658の処理を実行した後には、大当り中演出処理を終了する。
ステップS653にて当り終了指定コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS653;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS659)、続いて選択操作有効期間フラグをオフにし(ステップS660)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“7”に更新してから(ステップS661)、大当り中演出処理を終了する。一例として、ステップS659の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
図30は、図29のステップS656にて実行される初当り中処理の一例を示すフローチャートである。この初当り中処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技者による楽曲の変更のための操作開始を受け付けたか否かを判定する(ステップS672)。演出制御用CPU120は、図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作があった場合には操作開始の受付有りと判定し(ステップS672;Yes)、選択可能な楽曲を画像表示装置5にリスト表示する処理を実行する(ステップS673)。例えば、後述する図38(B)に示す画像表示装置5の表示領域に表示された曲選択画像5Bに替えて、図38(C)に示す画像表示装置5の表示領域の右側領域箇所に、選択可能な楽曲リストを示すリスト画像5Gを表示させる。一方、プッシュボタン31Bの押下操作が無い場合には、操作開始の受付が無いと判定し(ステップS672;No)、初当り中処理を終了する。
演出制御用CPU120は、リスト表示された複数楽曲の中から一の楽曲が選択されたか否かを判定する(ステップS674)。一の楽曲が選択された場合(ステップS674;Yes)には、その選択された楽曲に決定する(ステップS675)。例えば、図38(D)に示すように、画像表示装置5にリスト表示された複数楽曲(楽曲A、楽曲B、楽曲C)の中からいずれか一つ(ここでは楽曲C)が選択されることにより、楽曲Cに決定される。一の楽曲が選択されなかった場合(ステップS674;No)には、ランダムフラグをオンにする(ステップS676)。つまり、「ランダム」が選択されたことにより、ランダム選曲に決定される。
演出制御用CPU120は、ステップS676の処理を実行した後には、複数の楽曲選択テーブルのうち時期(例えば、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された時期)に応じた通常楽曲選択テーブルを選択する(ステップS677)。この時期については、例えば、演出制御用CPU120がRTC(リアルタイムクロック)に基づいて判定することができる。時期に応じて、選択可能な楽曲が増えるので、面白さを向上させることができ、遊技が飽きない等の効果を有する。通常楽曲選択テーブルには、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された後1カ月未満である場合に用いられる第1通常楽曲選択テーブルと、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された後1カ月以上である場合に用いられる導入後1カ月以上で追加された楽曲の選択割合が追加されていない他の楽曲よりも高められた第2通常楽曲選択テーブルとがある。各楽曲選択テーブルには、楽曲毎に対応付けられた判定値と、その選択割合の情報が含まれている。
演出制御用CPU120は、ステップS677の後に、楽曲を選択するためのランダム抽選を行う(ステップS678)。その際、具体的には、楽曲抽選乱数を取得し、取得した乱数値と選択した楽曲選択テーブルとを比較することにより、楽曲を選択する。楽曲抽選乱数は、楽曲抽選を行うための乱数であり、本実施の形態では、楽曲抽選を実行するタイミングで取得するものとするが、取得するタイミングは、始動入賞時や、図柄停止時など、いずれのタイミングであってもよい。また、本実施の形態において、楽曲抽選乱数の乱数値は0〜299のうちいずれかである。
演出制御用CPU120は、ステップS675又はステップS678で決定した楽曲を記憶し(ステップS679)、初当り中処理を終了する。このステップS679で記憶した選択楽曲は、前述した図29のステップS658の処理(大当り中演出制御プロセスによる制御の実行)によって直ちに出力されることになる。つまり、遊技者によって選択された楽曲が直ちに流れることになり、遊技者は自身が選択した楽曲をすぐに聴くことができる。
図31は、図29のステップS657にて実行される継続中処理の一例を示すフローチャートである。この継続中処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技者による楽曲の変更のための操作開始を受け付けたか否かを判定する(ステップS702)。演出制御用CPU120は、図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作があった場合には操作開始の受付有りと判定し(ステップS702;Yes)、選択可能な楽曲を画像表示装置5にリスト表示する処理を実行する(ステップS703)。例えば、後述する図38(G)に示すように、画像表示装置5の表示領域の右側領域箇所に、初当りよりも楽曲が増加している選択可能な楽曲をリスト表示させる。一方、プッシュボタン31Bの押下操作が無い場合には、操作開始の受付が無いと判定し(ステップS702;No)、継続中処理を終了する。
演出制御用CPU120は、リスト表示された複数楽曲の中から一の楽曲が選択されたか否かを判定する(ステップS704)。一の楽曲が選択された場合(ステップS704;Yes)には、その選択された楽曲に決定する(ステップS705)。例えば、図38(H)に示すように、画像表示装置5に表示された複数楽曲(楽曲A、楽曲B、楽曲C、楽曲D)の中からいずれか一つ(ここでは楽曲D)が選択されることにより、楽曲Dに決定される。一の楽曲が選択されなかった場合(ステップS704;No)には、ランダムフラグをオンにする(ステップS706)。つまり、「ランダム」が選択されたことにより、ランダム選曲に決定される。
演出制御用CPU120は、ステップS706の処理を実行した後には、大当り継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかであるかを判定する(ステップS707)。
演出制御用CPU120は、大当り継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかである場合(ステップS707;Yes)には、複数の楽曲選択テーブルのうち特殊楽曲選択テーブルを選択し(ステップS708)、大当り継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかでない場合(ステップS707;No)には、複数の楽曲選択テーブルのうち通常楽曲選択テーブルを選択する(ステップS709)。通常楽曲選択テーブルは、大当り継続回数Kの値および時期(例えば、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された時期)に応じて追加された楽曲を含めた楽曲毎の選択割合が均一な楽曲選択テーブルである。特殊楽曲選択テーブルは、大当り継続回数Kの値および時期(例えば、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された時期)に応じて追加された楽曲の選択割合が他の楽曲の選択割合と不均一な楽曲選択テーブルである。各楽曲選択テーブルには、楽曲毎に対応付けられた判定値と、その選択割合の情報が含まれている。このように、連荘回数等で楽曲が増えるので、演出が多彩になる等の効果を有する。
演出制御用CPU120は、ステップS708、ステップS709の後に、楽曲を選択するための楽曲抽選を行う(ステップS710)。その際、具体的には、楽曲抽選乱数を取得し、取得した乱数値と選択した楽曲選択テーブルとを比較することにより、楽曲を選択する。
演出制御用CPU120は、ステップS705、ステップS708又はステップS709で決定した楽曲を記憶し(ステップS711)、継続中処理を終了する。このステップS711で記憶した選択楽曲は、前述した図29のステップS658の処理(大当り中演出制御プロセスによる制御の実行)によって直ちに出力されることになる。つまり、遊技者によって選択された楽曲が直ちに流れることになり、遊技者は自身が選択した楽曲をすぐに聴くことができる。
図32は、図18のステップS76にて実行される楽曲選択処理の一例を示すフローチャートである。この楽曲選択処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り中か否かを判定する(ステップS801)。大当り中であれば(ステップS801;Yes)、楽曲選択処理を終了する。大当り中における楽曲選択は図30、図31に示す処理にて可能であるからである。一方、大当り中でなければ(ステップS801;No)、選択操作有効期間フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS802)。例えば、大当り中であるか否かについては、演出プロセスフラグの値が“6”であるか否かで判定すればよい。選択操作有効期間フラグがオフであれば(ステップS802;No)、楽曲選択処理を終了する。一方、選択操作有効期間フラグがオンであれば(ステップS802;Yes)、遊技者による楽曲の変更のための操作開始を受け付けたか否かを判定する(ステップS803)。演出制御用CPU120は、図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作があった場合には操作開始の受付有りと判定し(ステップS803;Yes)、選択可能な楽曲を画像表示装置5にリスト表示する処理を実行する(ステップS804)。例えば、後述する図37(B)に示すように、画像表示装置5の表示領域の右側領域箇所に、選択可能な楽曲をリスト表示させる。一方、プッシュボタン31Bの押下操作が無い場合には、操作開始の受付が無いと判定し(ステップS803;No)、楽曲選択処理を終了する。
演出制御用CPU120は、リスト表示された複数楽曲の中から一の楽曲が選択されたか否かを判定する(ステップS805)。一の楽曲が選択された場合(ステップS805;Yes)には、その選択された楽曲に決定し(ステップS806)、ランダムフラグをオフにする(ステップS807)。例えば、図37(C)に示すように、画像表示装置5に表示された複数楽曲(楽曲A、楽曲B、楽曲C)の中からいずれか一つ(ここでは楽曲C)が遊技者の操作によって選択されることにより、一の楽曲(ここでは楽曲C)に決定される。一の楽曲が選択されなかった場合(ステップS805;No)、つまり「ランダム」が選択された場合には、ランダムフラグをオンにする(ステップS808)。「ランダム」が選択されたことにより、ランダム選曲に決定される。
演出制御用CPU120は、複数の楽曲選択テーブルのうち通常楽曲選択テーブルを選択する(ステップS809)。通常楽曲選択テーブルは、大当り継続回数Kの値および時期(例えば、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された時期)に応じて追加された楽曲を含めた楽曲毎の選択割合が均一な楽曲選択テーブルである。演出制御用CPU120は、ステップS809の後に、楽曲を選択するための楽曲抽選を行う(ステップS810)。その際、具体的には、楽曲抽選乱数を取得し、取得した乱数値と選択した楽曲選択テーブルとを比較することにより、楽曲を選択する。
演出制御用CPU120は、ステップS807、ステップS810の後に、楽曲用プロセスタイマをスタートする(ステップS811)。そして、選択した楽曲の出力を開始し(ステップS812)、楽曲選択処理を終了する。このステップS812による、選択した楽曲の出力開始の処理により、選択楽曲は直ちに出力されることになる。つまり、遊技者によって選択された楽曲が直ちに流れることになり、遊技者は自身が選択した楽曲をすぐに聴くことができる。
図33は、図18のステップS77にて実行される楽曲切替処理の一例を示すフローチャートである。この楽曲切替処理において、演出制御用CPU120は、まず、楽曲用プロセスタイマから1を減算し(ステップS851)、楽曲用プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS852)。タイムアウトした場合(ステップS852;Yes)、ランダムフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS853)。ランダムフラグがオフであれば(ステップS853;No)、同一の楽曲データをセットする。一方、ランダムフラグがオンであれば(ステップS853;Yes)、複数の楽曲選択テーブルのうち、大当り継続回数Kの値および時期(例えば、パチンコ遊技機1が遊技店に導入された時期)に応じて追加された楽曲を含めた楽曲毎の選択割合が均一な通常楽曲選択テーブルを選択する(ステップS855)。
演出制御用CPU120は、ステップS855の後に、楽曲を選択するための楽曲抽選を行う(ステップS856)。その際、具体的には、楽曲抽選乱数を取得し、取得した乱数値と選択した楽曲選択テーブルとを比較することにより、楽曲を選択する。
演出制御用CPU120は、ステップS856で抽選した楽曲データをセットし(ステップS857)、楽曲用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS858)。
演出制御用CPU120は、ステップS852にて、楽曲用プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(ステップS852;No)、遊技球の発射検知が有りか否かを判定する(ステップS860)。演出制御用CPU120は、図2に示すタッチセンサ18からタッチ信号に基づいて、遊技者による遊技球の発射操作の有無を把握することができる。遊技球の発射検知が有り(例えばタッチ信号がオン)の場合(ステップS860;Yes)には、楽曲切替処理を終了する。一方、遊技球の発射検知が無い(例えばタッチ信号がオフ)場合(ステップS860;No)には、例えば飾り図柄の変動停止後から所定期間(例えば2秒)が経過しているか否かを判定する(ステップS861)。飾り図柄の変動停止後から所定期間(例えば2秒)が経過している場合(ステップS861;Yes)には、選択操作有効期間フラグをオフにする(ステップS862)。このように、飾り図柄の変動停止後から所定期間(例えば2秒)内や、飾り図柄の変動停止後から所定期間(例えば2秒)が経過した後であっても遊技球の発射検知が有りの場合には、遊技者は楽曲の選択操作を継続して行うことができるので、遊技者による楽曲選択が完了できない又は遊技者の意向に沿わない楽曲選択となることにするイライラ感の発生を防止できる。なお、ステップS861では、飾り図柄の変動停止後から所定期間(例えば2秒)が経過しているか否かを判定しているが、飾り図柄の変動停止後で発射検知が無いと判定したときから、所定期間(例えば2秒)が経過しているか否かを判定するようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、ステップS861でNoと判定された後、ステップS862の後に、例えば飾り図柄の変動停止後から特定期間(前記所定期間よりも長い期間:数秒間(例えば5秒)など)が経過しているか否かを判定する(ステップS863)。飾り図柄の変動停止後から特定時間(例えば5秒)が経過している場合(ステップS863;Yes)には、選択した楽曲の音量をオフ(例えば、音量を「0」にする)にし(ステップS864)、楽曲切替処理を終了する。一方、飾り図柄の変動停止後から特定時間(例えば5秒)が経過していない場合(ステップS863;No)には、楽曲切替処理を終了する。
続いて、音声制御基板13の構成やパチンコ遊技機1において音声を出力する際の制御について説明する。図34に示すように、音声制御基板13(または音声制御基板13に構成される音声合成用IC)は、デコーダ132、音声データROM133、出力I/F(インタフェース)134等から構成される。この他、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。
デコーダ132は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)からの命令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データROM133から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ132は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。なお、この実施の形態では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。
音声データROM133は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。なお、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。
出力インタフェース134は、デコーダ132の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ8L、8Rから出力する。
図35は、パチンコ遊技機1における演出等で使用する音声の種類の一例と、その音声の再生に使用するチャンネルと、の対応関係を示した図である。図35に示すBGMは、飾り図柄のリーチ演出中等に出力されるBGMである。図柄停止音は、飾り図柄が停止する際に出力される音声である。変動開始音は、飾り図柄の可変表示が開始される際に出力される音声である。予告演出(SU)は、変動中予告演出として演出内容が段階的に変化するステップアップ予告演出が実行されるときに出力される音声(例えば、楽曲の少なくとも一部)である。予告演出(セリフ)は、変動中予告演出として所定のセリフが出力されるセリフ予告演出が実行されるときに出力される音声(セリフ)である。
大当り確定報知音は、中の飾り図柄が停止してから大当りの表示結果が確定するときに出力される音声である。ファンファーレは、大当り遊技状態開始時に出力される大当り遊技状態が開始すること報知するためのファンファーレの音声である。
この実施の形態では、確変大当りとなった後に確変状態となってから通常大当りとならずに確変大当りが継続した回数(いわゆる連チャン回数)に対応した大当り確定報知音を出力するようになっている。具体的には、連チャン回数に応じた回数の特別音(例えば「ピキーン」という音声)を出力する。従って、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなり、大当り確定報知音の出力期間が長くなる。ファンファーレは、大当りの表示結果が確定した後に出力されることになるが、大当り確定報知音の出力期間がファンファーレの出力タイミングに重複する可能性がある。そこで、この実施の形態では、図35に示すように、同じタイミングで出力され得る大当り確定報知音とファンファーレの再生チャンネルを異ならせている。
楽曲は、飾り図柄の可変表示中や大当り遊技状態において再生させる演出用の楽曲である。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中や大当り遊技状態において複数種類の楽曲が再生されるようになっている。楽曲はイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ等から構成され、楽曲に対応した音声制御データは、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ等を時系列で再生するためのデータとなっている。
リーチ演出(BGM+セリフ)は、リーチ演出が実行されるときのBGMやリーチ演出におけるセリフの音声である。先読み予告演出は、先読み予告演出が実行されるときに出力される音声である。エラー音は、入賞エラー等の各種エラーが発生した場合に出力される音声である。
図35に示すように、BGMの再生には再生チャンネル0、1が使用され、図柄停止音の再生には再生チャンネル2、3が使用され、変動開始音の再生には再生チャンネル4、5が使用され、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、大当り確定報知音の再生には再生チャンネル10、11が使用され、ファンファーレの再生には再生チャンネル12、13が使用され、楽曲の再生には再生チャンネル14、15が使用され、リーチ演出(BGM+セリフ)の音声の再生には再生チャンネル0、1が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用され、エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用される。
異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。例えば、BGMの再生・出力中に、予告演出(SU)の音声の再生・出力が可能である。これにより、複数の音声が重畳した多彩な音声を出力することができる。また、音声の種類に応じて再生チャンネルを固定とすることで、当該音声同士が干渉することを防止できる。例えば、BGMを再生・出力するための再生チャンネル(0、1)を固定することで、BGMの干渉を防止できる。同様に、エラー音の再生・出力するための再生チャンネル(30、31)を固定することで、エラー音の干渉を防止できる。
その一方で、遊技の状態(可変表示の進行状況や予告演出の有無)に応じて出力されるセリフの音声といった特定種類の音声を再生・出力するための再生チャンネルは固定されておらず、遊技の状態(例えば第1状態であるか第2状態であるか)に応じて異なる再生チャンネルを使用して当該特定の音声が再生・出力される。このように、遊技の状態が第1状態(例えば図柄可変表示中)であるか第2状態(例えばリーチ演出中)であるかに応じて、特定の音声を再生・出力するための再生チャンネルを異ならせることで、音声の出力の自由度が向上する。
具体的には、遊技の状態が第1状態(例えば図柄可変表示中)である場合に、セリフ予告演出が実行されるときに、セリフ(特定種類の音声)のみから構成される音声データが再生チャンネル8、9において再生される。このセリフのみから構成される音声データは、時系列に沿って複数種類のセリフを出力するための単一の音声データであってもよい。また、複数種類のセリフに対応した複数種類の音声データを用意して、演出内容に応じて時系列に沿って複数の音声データを再生して複数種類のセリフを出力するようにしてもよい。
そして、遊技の状態が第2状態(例えばリーチ演出中)である場合には、リーチ演出が実行されるときに、セリフ(特定種類の音声)とBGM(特定種類の音声以外の音声)から構成される音声データが再生チャンネル0、1において再生される。即ち、リーチ演出中のように、複数の音声を出力する場合には、予めセリフ(特定種類の音声)とBGM(特定種類の音声以外の音声)から構成される音声データを用意して、その音声データを再生することで、複数の音声の出力タイミングや再生チャンネルの制御等をする必要がなくなり、制御が容易になる。このセリフとBGMとから構成される音声データは、時系列に沿って複数種類のセリフとBGMを出力するためのデータであってもよい。また、リーチ演出が分岐する場合など、複数種類のリーチ演出に対応した音声データを用意して、演出内容に応じて時系列に沿って複数種類のセリフとBGMを再生・出力するようにしてもよい。
このように、遊技の状態が第1状態である場合と第2状態である場合とで特定種類の音声を再生する再生チャンネルを異ならせるとともに、第1状態では特定種類の音声から構成される音声データを再生し、第2状態では、特定種類の音声と特定種類の音声以外の音声から構成される音声データを再生する。このようにすることで、音声出力の自由度が向上するとともに、複数の再生チャンネルを出力する音声に応じて効果的に使用することができる。
なお、ここでは、第1状態が図柄可変表示中であり、第2状態がリーチ演出中である例について説明した。また、特定種類の音声がセリフの音声である例について説明した。これに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の状態(どのような演出の実行中であるか、遊技状態が特別遊技状態であるか等)のうち任意の状態を第1状態や第2状態としてもよい。そして、その第1状態と第2状態とにおいて出力される特定種類の音声を出力する際に使用する再生チャンネルが異なるように制御すればよい。このようにすることで、音声出力の自由度を向上させることができる。
また、同時に出力される可能性のある音声の再生には、異なる再生チャンネルを使用することが好ましい。例えば、実行中の可変表示の表示結果等を予告する変動中予告演出(SUやセリフ)と、実行中の可変表示よりも後に実行される可変表示の表示結果等を予告する先読み予告演出と、は予告対象が異なるため同時に実行される可能性がある。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異なっている。図35に示すように、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用される。このように、再生チャンネルを異ならせることで、変動中予告演出と先読み予告演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、変動中予告演出と先読み予告演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
なお、再生チャンネル数は有限なので、同時に出力されない音声の再生には同一の再生チャンネルを使用する必要性が生じる。また、リーチ演出(BGM+セリフ)のように、複数種類の音声を組み合わせた音声の音声データを一つにまとめ、一つの再生チャンネルにより再生することで、データ量の低減や処理負担の軽減を図ることができる。
図36は、遊技の状態と各再生チャンネルから出力される音声の一例を示すタイムチャートである。なお、以下の制御は、演出制御用CPU120からの命令(コマンド)により、音声制御基板13において実行される。図36に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されると、再生チャンネル14、15において可変表示中に応じた楽曲又は遊技者が選択した楽曲の再生が開始される。また、このとき再生チャンネル4、5において変動開始音が再生される。
左、右、中の飾り図柄が停止するときには、再生チャンネル2、3において図柄停止音が再生される。例えば、左、右に同じ飾り図柄が停止したことに対応して、リーチ状態となった後には、再生チャンネル0、1においてスーパーリーチのリーチ演出の演出内容に対応した音声(BGMやセリフ等)が再生される。図36に示す例では、時系列に沿ってリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されることを示している。
また、ステップアップ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から中の飾り図柄の停止までの任意のタイミングにおいて、予告演出(SU)の音声(例えば楽曲の一部)が再生チャンネル6、7において再生される。ステップ予告の期間では、再生チャンネル6、7において楽曲が通常の出力音量で再生されるため、再生チャンネル14、15において再生される楽曲の音量が通常の出力音量よりも低下され(例えば音量が0)、再生チャンネル6、7にて再生される楽曲が優先される。セリフ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から右の飾り図柄の停止まで(リーチとなるまで)の任意のタイミングにおいて、予告演出(セリフ)の音声が再生チャンネル8、9において再生される。
中の飾り図柄が停止して可変表示結果が大当りとなった場合には、再生チャンネル10、11において大当り確定報知音が再生される。表示結果が確定して大当り遊技状態を開始するときには、再生チャンネル12、13においてファンファーレ(大当り遊技状態が開始することを示す音声)が再生される。大当り遊技状態が開始するときには、ファンファーレと合わせて、大当り遊技状態が開始することを示すセリフが出力されるようにしてもよい。この場合、セリフの音声は、例えば再生チャンネル8、9等(ファンファーレの再生チャンネルとは異なる再生チャンネル)において再生されればよい。
また、大当り遊技状態においては、再生チャンネル0、1において大当り遊技状態の演出内容に対応した音声(効果音やセリフ等)が再生され、再生チャンネル14、15において大当り遊技状態の演出内容に対応した楽曲又は遊技者が選択した楽曲が再生される。
このように、この同じ種類の音声(セリフ)であっても、遊技の状態(例えばリーチ演出中であるか否か、ファンファーレ期間であるか否か等)に応じて異なる再生チャンネルが使用されるようになっている。これにより、音声出力の自由度を向上させることができる。
一方、大当り種別が5ラウンドのラウンド遊技で構成される「5R確変」である場合には、想定される大当り遊技状態の期間が楽曲のフルコーラスの時間より短いため、大当り遊技状態中に共通の楽曲(楽曲A)のフルコーラスを再生不可能である。
ここで、通常状態の飾り図柄の可変表示中における、遊技者による楽曲選択について、図37を用いて説明する。図37(A)に示すように、画像表示装置5の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示されている。ここでは、例えば可変表示中の楽曲として楽曲Aがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力されているとする。また、飾り図柄が可変表示中である(選択操作有効期間フラグがオンである)ため、画像表示装置5の表示領域の右上には、曲選択画像5B(「曲選択?」を示唆する画像)が表示されており、遊技者による楽曲選択操作が可能な状態であることを示唆している。つまり、遊技者は、曲選択画像5Bを見ることで楽曲選択操作が可能であることがわかる。なお、「曲選択?」の表示とともに、或いは「曲選択?」の表示に替えて、図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作を示唆する画像表示又は音声出力を行うことにより、遊技者に楽曲選択操作が可能であることを伝えるようにしてもよい。
図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作があると、図37(B)に示すように、リスト表示画像5Dが、画像表示装置5の表示領域の右側領域箇所(例えば、表示領域を横方向に4つ分割した場合の最右側の分割領域箇所)に表示される。このリスト表示画像5Dには、楽曲A、楽曲B、楽曲C、ランダムの4つの表示ウインドウと、この表示ウインドウの上側に位置し、上方向への移動操作があった場合に点灯表示される上ボタン画像と、表示ウインドウの下側に位置し、下方向への移動操作があった場合に点灯表示される下ボタン画像と、からなるリスト画像5Gが表示される。ここでは例えば楽曲Aが流れているため、図37(B)においてカーソル画像5Fが楽曲Aの表示ウインドウ上に位置している。
遊技者が、図1に示すスティックコントローラ31Aを操作することにより、カーソル画像5Fが、楽曲Aの表示ウインドウ上から楽曲Cの表示ウインドウ上に位置すると、楽曲Cがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力される。そして、プッシュボタン31Bの押下操作により、楽曲Cに決定されるとともに、リスト表示画像5Dの表示が終了し、曲選択画像5Bが表示される。
図37(D)に示すように飾り図柄がリーチ表示となると、図36に示すリーチBGMが出力されるため、遊技者が選択した楽曲Cの音量が例えば0に変更されることになり(図34に示すデコーダ132による楽曲Cの再生は継続されているが、その音量が0に制限されている)、楽曲Cは遊技者に聴こえなくなる。なお、出力インタフェース134において、デコーダ132による楽曲Cの音量を0にしてもよい。
図37(E)に示すように飾り図柄の可変表示結果がリーチハズレであったとする。このときも、楽曲Cの音量は0のままである。そして、図37(F)に示すように次の飾り図柄の可変表示が開始されると、楽曲Cがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力される。
次に、大当り状態における、遊技者による楽曲選択について、図38を用いて説明する。なおここでは、大当り継続回数Kが「1以上で5以下」の場合と、「6」である場合とについて説明するものとし、「7以上」の場合についての説明を省略する。
図38(A)に示すように、画像表示装置5の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、大当り組合せを構成する飾り図柄が最終停止している。つまり、飾り図柄が「大当り」の表示態様(例えば飾り図柄が「6」で揃った態様)で表示されている。そして、図36に示すように、スピーカ8L、8Rからは大当り確定報知音やファンファーレ等が出力される。なおここでは、楽曲Aの音量が例えば0となっており(図34に示すデコーダ132による楽曲Aの再生は継続されているが、その音量が0に制限されている)、楽曲Aが遊技者に聴こえない。またこの状態では、画像表示装置5には曲選択画像5B(「曲選択?」を示唆する画像)が表示されない。
そして、図38(B)に示すように、大当りラウンドが開始されると、画像表示装置5の表示領域の右上には、曲選択画像5B(「曲選択?」を示唆する画像)が表示され、遊技者による楽曲選択操作が可能な状態であることが示唆される。また、大当りラウンドが開始されると、楽曲Aがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力される。
図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作があると、大当り継続回数Kが「1以上5以下」の場合には、図38(C)に示すリスト表示画像5Dが画像表示装置5に表示され、大当り継続回数Kが「6」の場合には、図38(G)に示すリスト表示画像5Dが画像表示装置5に表示される。図38(C)に示すリスト表示画像5Dは、前述の図37(B)と同様に、楽曲A、楽曲B、楽曲C、ランダムの4つの表示ウインドウが表示されている。図38(G)に示すリスト表示画像5Dは、図38(C)に対して楽曲Dが追加された態様となっている。つまり、図38(G)では、遊技者による楽曲選択の枠が一つ増えた状態となっている。図38(C)および図38(G)では、例えば楽曲Aが流れているため、図38(C)および図38(G)においてカーソル画像5Fが楽曲Aの表示ウインドウ上に位置している。
遊技者がスティックコントローラ31Aを操作することにより、図38(D)では、カーソル画像5Fが、楽曲Aの表示ウインドウ上から楽曲Cの表示ウインドウ上に位置し、楽曲Cがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力される。また、遊技者がスティックコントローラ31Aを操作することにより、図38(H)では、カーソル画像5Fが、楽曲Aの表示ウインドウ上から楽曲Dの表示ウインドウ上に位置し、楽曲Dがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力される。そして、プッシュボタン31Bの押下操作により、図38(E)では、楽曲Cに決定されるとともに、リスト表示画像5Dの表示が終了し、曲選択画像5Bが表示される。また、プッシュボタン31Bの押下操作により、図38(I)では、楽曲Dに決定されるとともに、リスト表示画像5Dの表示が終了し、曲選択画像5Bが表示される。
そして、図38(F)では、時短状態において飾り図柄の可変表示が開始されており、曲選択画像5Bの表示と、楽曲Cの通常音量の出力とが継続されている。また、図38(J)では、時短状態において飾り図柄の可変表示が開始されており、曲選択画像5Bの表示と、楽曲Dの通常音量の出力とが継続されている。
ここで、通常状態での可変表示中及び大当り中での各操作と楽曲出力との関係について、図39を用いて説明する。図39に示す演出は、例えば、予告ありでリーチ成立後に大当り組合せで図柄確定する飾り図柄の可変表示の後、大当りラウンドが開始されるものとする。図39に示すように、遊技者による楽曲選択操作は、可変表示開始からリーチ成立までの期間(図27のステップS541にて選択操作有効期間フラグがオンとなってからステップS548にて選択操作有効期間フラグがオフとなるまでの期間)と、大当りラウンド演出中の期間(図29のステップS651にて選択操作有効期間フラグがオンとなってからステップS660にて選択操作有効期間フラグがオフとなるまでの期間)において可能となっている。このように、リーチ演出中は楽曲の選択操作ができないため、遊技者にリーチ演出を注目させることができる。
図39に示すように、楽曲再生は、飾り図柄の可変表示中及び大当り状態中においても常時オンとなっている(図34に示すデコーダ132による楽曲Cの再生は継続されている)が、その楽曲音量が可変表示開始から予告開始までの期間、予告後からリーチ成立までの期間、及び大当りラウンド演出中の期間については通常出力(例えば100%)であるのに対して、予告期間とリーチ期間とについては音量が0(例えば0%)に制限されている。このように、遊技者が選択した楽曲よりも、予告期間の予告音声(楽曲の一部による予告音声を含む)と、リーチ期間のリーチBGMとを優先的に遊技者に聴かすことができる。なお、音量出力を0%とすることに限らず、50%、30%などのように100%以下に音量出力を制限してもよい。
次に、通常状態の保留分の飾り図柄の可変表示終了後における、遊技者による楽曲選択について、図40を用いて説明する。図40(A)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が可変表示されている。ここでは例えば、可変表示中の楽曲として楽曲Aがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力されているとする。また、飾り図柄が可変表示中であるため、画像表示装置5の表示領域の右上には、曲選択画像5B(「曲選択?」を示唆する画像)が表示されており、遊技者による楽曲選択操作が可能な状態であることを示唆している。
図1に示すプッシュボタン31Bの押下操作があると、図40(B)に示すように、リスト表示画像5Dが、画像表示装置5の表示領域の右側領域箇所(例えば、表示領域を横方向に4つ分割した場合の最右側の分割領域箇所)に表示される。このリスト表示画像5Dには、楽曲A、楽曲B、楽曲C、ランダムの4つの表示ウインドウと、この表示ウインドウの上側に位置し、上方向への移動操作があった場合に点灯表示される上ボタン画像と、表示ウインドウの下側に位置し、下方向への移動操作があった場合に点灯表示される下ボタン画像と、からなるリスト画像5Gが表示される。ここでは例えば楽曲Aが流れているため、図40(B)においてカーソル画像5Fが楽曲Aの表示ウインドウ上に位置している。なおここでは、プッシュボタン31Bの押下操作直後に、図40(B)に示すように飾り図柄の可変表示が非リーチ組合せで停止したとする。
遊技者が、図1に示すスティックコントローラ31Aを操作することにより、図40(C)に示すようにカーソル画像5Fが、楽曲Aの表示ウインドウ上から楽曲Cの表示ウインドウ上に位置すると、楽曲Cがスピーカ8L、8Rから通常音量で出力される。そして、プッシュボタン31Bの押下操作により、楽曲Cに決定されると、図40(D)に示すように、リスト表示画像5Dには、音量を上げるための「UP」と表示されたUP画像と、音量を下げるための「DOWN」と表示されたDOWN画像と、「決定」と表示された決定ウインドウ画像とが表示される。図40(D)では、例えば、スティックコントローラ31Aを操作することによりカーソル画像5FをUP画像上に位置させた状態で、プッシュボタン31Bを押下操作した回数に応じて音量が上げられたとする。楽曲Cの音量が上げられて出力される。
スティックコントローラ31Aを操作することにより、図40(E)に示すようにカーソル画像5Fを決定ウインドウ上に位置させた状態で、プッシュボタン31Bを押下操作することにより音量が決定され、図40(F)に示すようにリスト表示画像5Dの表示が終了する。また図40(F)では、飾り図柄の可変表示中では無いので、曲選択画像5Bも表示されない。図40(F)に示すように飾り図柄の可変表示の停止から特定期間(例えば5秒)が経過したときに、楽曲Cの音量出力が0となり、楽曲Cが聴こえなくなる。
ここで、通常状態での可変表示が終了したときの各操作と楽曲出力との関係について、図41を用いて説明する。図41に示す演出は、例えば、保留3個分の飾り図柄の可変表示が何れも非リーチハズレ態様であり、最後の可変表示の停止後の特定期間(例えば5秒)内に次の始動入賞も無かったとする。また、演出制御用CPU120は、識別情報(例えば、第1特図、第2特図など)の可変表示についての保留(ここでは3個)が有る場合には、この保留3個分の可変表示期間中では、可変表示の停止期間(識別情報の確定表示期間)についても楽曲が途切れることなく保留3個分の可変表示に亘って流れ続ける。
図41に示すように、遊技者による楽曲選択操作は、保留3個分の可変表示期間と最後の可変表示の停止後の所定期間とからなる期間(図27のステップS541にて選択操作有効期間フラグがオンとなってから図33のステップS862にて選択操作有効期間フラグがオフとなるまでの期間)において可能となっている。このように、可変表示の停止後も遊技者による楽曲選択操作を完了することができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、図41に示すように、楽曲再生は、飾り図柄の可変表示の有無に関わらず、常時オンとなっている(図34に示すデコーダ132による楽曲の再生は継続されている)が、その楽曲音量が可変表示停止後から特定期間(前記所定期間よりも長い期間である:数秒間(例えば5秒))が経過するまで維持されているので、遊技者による楽曲の選択操作が終了した後も引き続き楽曲が出力されている(図33のステップS863にて変動停止後から特定期間(例えば5秒)が経過と判断されるまで楽曲の音量がオンとなっている)ので、遊技者は選択した楽曲を聴くことができる。なお、特定期間(例えば5秒)の経過後の楽曲音量を、通常出力(例えば100%出力)よりも低い出力であれば、0%以外の出力であってもよい。
また、図41に示すように、楽曲選択操作の終了後の両操作無効期間を経過したときから、特定期間(例えば5秒)が経過するまでの間は、楽曲音量操作が可能である。遊技者にとってみれば、楽曲の選択を行った後に、その選択した楽曲の音量変更を行うことができ、遊技者の利便性を向上させることができる。例えば、楽曲の選択操作(例えば十字キーの左右方向の操作)と、音量の変更操作(例えば十字キーの左右方向の操作)とが同じである場合にも、同じ操作でも操作対象が異なるようにでき、しかもその操作を的確に行うことができる。
以上説明したように、上記実施の形態では、選択実行手段(例えば、ステップS76の楽曲選択処理を実行する演出制御用CPU120など)は、楽曲の選択が可能な状態において識別情報(例えば、第1特図、第2特図など)の可変表示が終了したときには当該識別情報の可変表示終了後の所定期間において楽曲の選択が継続して可能とする(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS861、S862にて所定期間経過まで選択操作を継続可能とする処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、少なくとも識別情報の可変表示中に楽曲の選択が実行可能であり、通常の遊技状態において楽曲の選択を識別情報の可変表示停止中のみとする遊技機に比べて、遊技機の稼働の低下を抑制することができる。また、通常の遊技状態は、時短状態などに比べて識別情報の可変表示が途切れやすいが、楽曲の選択中に識別情報の可変表示が終了したとしても、当該可変表示終了後の所定期間は楽曲の選択操作を継続可能であるので、かかる所定期間内に楽曲の選択を完了させることができる。つまり、楽曲の選択中に識別情報の可変表示が終了することに起因して楽曲の選択が完了できないことを防止できる。
また、前記所定期間の終了後における選択実行手段による楽曲の選択を無効とする無効手段(例えば、ステップS862などにより選択操作有効期間フラグをオフにする処理を実行する演出制御用CPU120など)を備えるので、識別情報の可変表示の停止中に楽曲の選択を行うことによる遊技の進行の停止を減らすことができ、遊技機の稼働の低下を抑制できる。なお、この無効手段は、ステップS862以外の他のステップにより構成されてもよいし、当該無効手段を備えない構成としてもよい。
また、楽曲制御手段は、識別情報の可変表示の停止後、前記所定期間よりも長い特定期間(例えば5秒)継続して、選択された楽曲を出力する(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS863、ステップS864により、特定期間(例えば5秒)の経過を判定し、特定期間が経過するまで楽曲の出力を継続する処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、識別情報の可変表示の停止後、所定期間(例えば2秒)よりも長い特定期間(例えば5秒)継続して、選択した楽曲を出力するので、特定期間(例えば5秒)における所定期間(例えば2秒)後の期間において、選択した楽曲を聴くことができる。
また、楽曲は、ループ再生される(楽曲が最後に到達するとまた最初に戻って再生される)ことが多い。例えば変動BGM(変動の際に再生される背景音楽)として使用するときに、識別情報の可変表示が複数連続する場合(所謂、保留が貯まっている場合)には、可変表示の停止期間(識別情報の確定表示期間)についても楽曲が途切れることなく複数の可変表示に亘って流れ続ける。しかし、識別情報の可変表示が連続しにくい遊技機(所謂、回らない機械)の場合には、可変表示が停止する毎に変動BGMの再生出力が途切れることになり、変動BGMの再生が頻繁に止まることになり、可変表示が途切れている感を遊技者に与えてしまうおそれがある。これに対して、実施形態のパチンコ遊技機1では、可変表示の停止後の特定期間(例えば5秒)に亘って楽曲の出力が継続されるので、識別情報の可変表示が連続しにくい遊技機(所謂、回らない機械)の場合であっても、特定期間内に次の可変表示が開始されれば、楽曲(変動BGM)が継続され、変動BGMの再生が頻繁に止まることを抑制でき、可変表示が途切れている感を遊技者に与えることを抑制できる。
また、前記所定期間の経過後の音量変更期間において、楽曲の音量変更が可能な音量変更設定手段を備える(例えば、ステップS78の音量変更処理により音量変更期間(例えば、図41などで楽曲音量操作が可能である期間)において楽曲の音量変更を可能とする処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、楽曲の選択操作を行ってから、楽曲の音量操作を行うことができ、各操作を順番に行うことができ、操作が複雑にならないので、操作性を向上させることができる。なお、この音量変更設定手段は、ステップS78以外の他のステップにより構成されてもよいし、当該音量変更設定手段を備えない構成としてもよい。
また、遊技球の発射を検知する発射検知手段(例えば、タッチセンサ18など)を備え、識別情報の可変表示の停止後において前記発射検知手段による遊技球の発射の検知が有る検知期間には、前記楽曲制御手段は識別情報の可変表示の停止後も楽曲の出力を継続し、前記選択実行手段は識別情報の可変表示の停止後も楽曲の選択が継続して可能とする(例えば、ステップS77の楽曲切替処理のステップS860などにより、球検出有りであれば楽曲の選択と出力とを継続する処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、識別情報の可変表示がされにくい遊技機であっても、可変表示の停止後において遊技球の発射の検知が有る検知期間には、楽曲の選択が可能であり、遊技者の好みの楽曲を再生出力することにより遊技意欲を向上させることができる。また、可変表示の停止後の検知期間では楽曲の出力が継続されるので、可変表示が途切れている感を遊技者に与えることを抑制できる。よって、遊技者の不快感を軽減できる。
また、識別情報の可変表示中における楽曲の選択を制限する制限手段(例えば、ステップS172の可変表示中処理のステップS544、S546にて予告演出期間又はリーチ演出期間と判定したときにステップS545、S547により楽曲出力をオフする処理を実行する演出制御用CPU120など)を備えるので、識別情報の可変表示中であっても楽曲の選択を制限するので、遊技演出を好適に提供することができるとともに、好適な楽曲選択を行うことができる。なお、この制限手段は、S544、S546、S545、S547以外の他のステップにより構成されてもよいし、当該制限手段を備えない構成としてもよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
上述した実施形態では、可変表示中又は大当り遊技中において、遊技者による楽曲選択を可能としているが、可変表示が実行されていないときのデモ画面等において、遊技者による楽曲選択を可能としてもよいし、可変表示停止中に遊技者による楽曲選択を可能としてもよい。
上述した実施形態では、可変表示中に楽曲の選択操作を開始した場合において当該可変表示の停止後も選択操作が継続可能であるが、これに限定されない。例えば、図41に示す可変表示の停止後の所定期間内において楽曲の選択操作を開始した場合であっても、かかる所定期間内では選択操作が継続して可能である。また、タッチセンサ18などによる遊技球の発射検知有りの場合には、可変表示の停止後の所定期間の経過後であっても、選択操作が継続して可能である。
また、上記実施の形態では、図41に示すように楽曲選択操作後に音量操作が可能としているが、図42に示すように楽曲の音量操作が常時可能としてもよい。例えば、楽曲の選択操作(例えば十字キーの上下方向の操作)と、音量の変更操作(例えば十字キーの左右方向の操作)のように異なる場合には、遊技者の意向に応じて各操作を同時に行ったり、任意の順番で行ったりできるので、操作の利便性に優れる。
また、上記実施の形態では、遊技者による楽曲選択が可能であるとしているが、楽曲の選択に限らず、図43に示すように、画像表示装置5に表示されるキャラクタ(例えば「「イチ推しメンバー」所謂、推しメンなど)や背景表示、役物の動作(態様や頻度などであってもよい)などの演出を、遊技者による選択操作が可能な構成としてもよい。
上記実施の形態では、遊技球の発射を検知する発射検知手段としてタッチセンサ18を用いているが、タッチセンサ18と共に或いはタッチセンサ18に替えて、遊技盤2のガイドレール配置箇所等に配置され、且つ発射された遊技球の通過を検知する図示省略の近接センサ、遊技盤2に配置されたゲート32や図示省略の一般入賞口、遊技盤2の遊技領域に配置され、且つ遊技球の通過を検知する図示省略の盤面センサなどを用いてもよい。
上記実施の形態では、図39に示すように、リーチ演出中は楽曲選択操作が不可としているが、全てのリーチ演出中において楽曲選択操作を不可とするのではなく、特定のリーチ(例えばスーパーリーチ)演出中において楽曲選択操作を不可としてもよい。また、予告演出中は楽曲選択操作を不可としてもよく、全ての予告演出中において楽曲選択操作を不可とするのではなく、特定の予告演出(例えば、楽曲系の予告演出)中において楽曲選択操作を不可としてもよい。また、選択操作はリーチ演出中又は予告演出中においても実行可能であるが、選択した楽曲がかかるリーチ演出中又は予告演出中において出力されない構成としてもよい。
上述した実施形態では、遊技者による楽曲選択があると即時にその楽曲が再生出力されているが、所定期間経過後などに再生出力されるようにしてもよい。例えば、大当り遊技中のnラウンドにて遊技者による楽曲選択があった場合には(n+1)ラウンドの開始時から、遊技者が選択した楽曲が再生出力されるようにしてもよい。また、変動表示中に遊技者による楽曲選択があった場合には、その変動のチェックポイント(例えば、擬似連して再変動するときなど)から、又は、次の変動表示の開始時から、遊技者が選択した楽曲が再生出力されるようにしてもよい。また、演出(例えば楽曲など)の選択を即時反映する場合には、選択可能な演出として、当該変動での予告に関与しない演出のみとしてもよい。この場合には、変動開始時に遊技者が選択可能な演出の全てについて予告を設定する必要がないので、処理負担が増加する問題を防止できる。
また、通常状態での変動中と、大当り中と、時短状態での変動中とで、選択できる演出数(例えば楽曲数)は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上述した実施形態では、楽曲数は楽曲A〜Dの4種類としているが、4種類以外としてもよい。また、大当り種別に応じて、飾り図柄の可変表示回数に応じて、又は、変動パターンの継続回数に応じて、楽曲リストの内容(楽曲数、曲目、楽曲長さなどの種々の内容)が異なるようにしたり、楽曲の選択割合を異ならせたりしてもよい。
また、演出(例えば楽曲など)の種類や内容などが、遊技の進行に応じて増加するものとしてもよい。例えば、確変中の連荘回数、その日の回転数、例えば1週間毎に増加するRTC(リアルタイムクロック)、遊技者が所持する携帯電話などの携帯端末と連動して遊技者の過去の遊技履歴などに応じて、演出(例えば楽曲など)の種類や内容などが増加したり異なったりしてもよい。また、複数の条件(前記の確変中の連荘回数、その日の回転数、RTCなどを含めてもよい)の成立に応じて、演出(例えば楽曲など)の種類や内容などが増加したり異なったりしてもよい。
また、上述した実施形態では、楽曲のランダム変更を可能としているが、ランダム変更しない構成であってもよい。楽曲選択テーブルは、時期、大当り継続回数K、遊技者の遊技履歴、連荘回数、その日の変動回転数などのうち、少なくとも一つに応じて、楽曲数や楽曲の選択割合などが構成されるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、図30の初当り処理と図31の継続中処理とを分けているが、図30のステップS676を図31のステップS707〜S709に置き換えたものを大当り中楽曲選択処理としてもよい。この場合には、図29のステップS655、S657と図31の処理を不要とすることができる。
また、特定の大当り(例えば、10連荘目の大当り、全回転リーチ(例えば、3つの飾り図柄が揃った状態で変動するリーチ)からの大当りなど)、又は、特定のリーチ演出を含む変動表示(例えば、全回転リーチを含む変動表示)などのときには、楽曲が固定され、遊技者による楽曲選択が不可能であってもよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
また、2種(いわゆる羽根物)や3種(いわゆる権利物)のパチンコ遊技機に、本願発明を適用してもよい。2種のパチンコ遊技機に、本願発明を適用する場合には、小当りで大入賞口が開放して遊技球が特定領域を通過して大当りとなる流れの中で(特に小当りの開放から大当りとなるまでの期間が短い場合など)に、小当りとなる可変表示中に、大当り遊技状態において出力する楽曲の再生を音量0で開始し、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されるタイミング等で通常音量に変更するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機に限定されずスロットマシンに本願発明を適用してもよい。例えば、有利状態として、有利な期間が短い第1有利状態(4回入賞または6ゲーム消化で終了の大当り(レギュラーボーナス))、有利な期間が長い第2有利状態(第1有利状態を3回実行する大当り(ビッグボーナス))、有利状態ではない通常状態などにおける変動中(例えば、リールの回動開始を指示するスタートレバーの操作開始から、各リールの停止を指示するストップボタンを操作するまでの期間など)や変動停止中において、遊技者による演出(例えば楽曲)の選択操作が可能としてもよい。また、上記実施の形態のパチンコ遊技機と同様に、第1有利状態となる前から楽曲(共通の楽曲)を再生する制御を実行するようにしてもよい。なお、スロットマシンの有利状態は、RT(リプレイタイム)、AT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)等であってもよい。また、有利状態の有利な期間に応じて、楽曲(音声制御データ)における再生開始ポイント(タイミング)を異ならせるようにしてもよいし、楽曲の音声制御データ(フルコーラス版、短縮版等)を切り換えるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
なお、図柄の可変表示について、変動中に表示されるものは1種類の外れ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。さらに変動中に表示されるものも、図柄の停止時に表示されるものでなくてもよい(例えば、表示機器が7セグメントなどの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはない等)。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
Claims (1)
- 識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出し、有利条件が成立したときに遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
楽曲を出力する制御が可能な楽曲制御手段と、
少なくとも識別情報の可変表示中に、前記楽曲制御手段により出力させる楽曲の選択を可能とする選択実行手段と、を備え、
前記選択実行手段は、楽曲の選択が可能な状態において識別情報の可変表示が終了したときには当該識別情報の可変表示終了後の所定期間において楽曲の選択が継続して可能とする、
ことを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015243874A JP2017108807A (ja) | 2015-12-15 | 2015-12-15 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017108807A true JP2017108807A (ja) | 2017-06-22 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015243874A Pending JP2017108807A (ja) | 2015-12-15 | 2015-12-15 | 遊技機 |
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Country | Link |
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