JP2017104772A - 振動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成により、非サイン波形の振動を発生させることができるとともに、運転中でも振動波形を変更することができる振動装置を提供する。
【解決手段】第一の回転軸12の回転中心に対して偏心した第一の偏心部121と、第二の回転軸14の回転中心に対して偏心した第二の偏心部141と、2つの偏心部121,141とを連繋する連繋部材16と、偏心部121,141の被振動体90を振動させる方向と直交する方向における変位を吸収する変位吸収手段20と、被振動体90が第一の方向へ変位する際の変位速度が、反対の第二の方向に変位する際の変位速度よりも大きくなるように、2つの偏心部121,141の位相角をそれぞれ設定する位相角設定部と、位相角設定部によって設定された各位相角を目標として、実測される位相角を目標に一致させるように、2つの回転軸12,14の回転を制御する回転制御部と、を備える振動装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動装置に関し、さらに詳しくは、連続鋳造装置において鋳型を振動させるのに用いることができる振動装置に関する。
一般的な連続鋳造においては、冷却されている鋳型を鋳片の引き抜き方向に振動させる振動装置が使用されている。このように鋳型を振動させることにより、鋳型内壁と鋳片との間への潤滑剤としてのモールドパウダーの入り込みが促進され、両者の焼き付きが防止される。これによって、いわゆるブレイクアウト等の連続鋳造中におけるトラブルの発生が回避される。
連続鋳造において、鋳造する金属の種類、鋳造速度、気温、用いられるモールドパウダーの種類等、鋳造時の条件が変化しても、最適な条件で連続鋳造を継続的に実施できるように、連続鋳造中でも鋳型の振動の振幅量を変えることができる振動装置として、例えば特許文献1,2に記載されたものが公知である。
特許文献1,2に記載されているもののように、多くの連続鋳造装置においては、鋳型の振動パターンとして、変位量が時間に対してサイン波で表されるサイン振動が採用されている。これに対し、特許文献3に、鋳型の振動を非サイン波形によって行い、鋳型上昇時の相対速度を低下させるとともに振動1周期内でのポジティブストリップ時間を増大させることにより、パウダー消費量の増大を図り、その結果として、液体摩擦力を低減させ、ブレイクアウトの防止を図ることが記載されている。特許文献3での振動波形の非サイン化は、鋳型と鋳片の間の摩擦力が所定値以上の時に、振動を駆動する流体圧シリンダに設けたストローク可変機構によって振動のストロークを大きくするか、または流体圧供給量の制御により鋳型昇降速度を変えることによって行われている。ストローク可変機構としては、油圧制御系の圧力制御弁により油圧シリンダへの供給圧力を変化させる機構(つまりサーボ弁等)を用いている。また、鋳型の昇降速度の変更は、油圧制御系のポンプ吐出量を変えるか、または流量調整弁で油を絞る方法により油圧シリンダへの流量を調整することによって行っている。特許文献4にもブレイクアウトの防止を目的として、振動波形が非サイン波形となるように鋳型を上下方向に振動させることが記載されているが、非サイン波形を生成するための具体的な方法については記載されていない。
特開平9−103848号公報 特開2010−172785号公報 特開平9−19751号公報 特公平2−43575号公報
特許文献3,4のように、連続鋳造装置の鋳型を非サイン波形で振動させることにより、特許文献1,2のようにサイン波形で振動させる場合に比べ、鋳型と鋳片の間の摩擦力を効果的に低減させることが可能となる。しかし、特許文献3のように、油圧シリンダを用いた振動装置においては、油圧装置やサーボ弁、ポンプ等を用いていることにより、振動装置全体の構造が複雑になっている。また、振動装置の保全性も低い。
本発明が解決しようとする課題は、簡素な構成により、非サイン波形の振動を発生させることができるとともに、運転中でも振動波形を変更することができる振動装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る振動装置は、被振動体を、第一の方向(例えば下降方向)と該第一の方向(下降方向)と反対の第二の方向(上昇方向)の間で振動させる振動装置において、第一の回転軸と、該第一の回転軸と一体的に設けられ、前記第一の回転軸の回転中心から偏心した第一の偏心部と、第二の回転軸と、該第二の回転軸と一体的に設けられ、前記第二の回転軸の回転中心から偏心した第二の偏心部と、前記第一の回転軸の回転中心から偏心して回転する前記第一の偏心部および前記第二の回転軸の回転中心から偏心して回転する前記第二の偏心部とを連繋する連繋部材と、該連繋部材の動きを前記第一の方向(下降方向)および第二の方向(上昇方向)の動きに変換して前記被振動体に対して伝達する伝達部材と、前記連繋部材と前記第一の偏心部または前記第二の偏心部の少なくともいずれか一方とを接続し、該連繋部材と接続された偏心部の前記第一の方向(下降方向)および第二の方向(上昇方向)と直交する方向における変位を吸収する変位吸収手段と、前記被振動体が前記第一の方向へ変位する際の変位速度が、前記第二の方向に変位する際の変位速度よりも大きくなるように(被振動体が下降する際の変位速度が、上昇する際の変位速度よりも大きくなるように)、前記第一の回転軸の回転方向における前記第一の偏心部の位相角と前記第二の回転軸の回転方向における第二の偏心部の位相角とを設定する位相角設定部と、前記位相角設定部によって設定された前記第一の偏心部および前記第二の偏心部の位相角を目標として、実測される前記第一の偏心部および前記第二の偏心部の位相角を前記目標に一致させるように、前記第一の回転軸および前記第二の回転軸の回転を制御する回転制御部と、を備える。なお、本振動装置において、位相角設定部および回転制御部を除く各部の機械構成として、特許文献2に記載されているのと同様の構成を適用することができる。
ここで、前記位相角設定部は、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に同じ変調を与える第一の変調成分と、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に相互に異なる変調を与える第二の変調成分と、の少なくとも一方の変調成分を、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に与えるとよい。
この場合に、前記位相角設定部は、前記第一の変調成分と前記第二の変調成分の両方を、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に与えるとよい。
また、前記第一の変調成分および前記第二の変調成分はそれぞれ、前記被振動体の振動と周期が一致するサイン波の基本波に基づく成分を有するとよい。
この場合に、前記第一の変調成分および前記第二の変調成分はそれぞれ、前記被振動体の振動と周期が一致するサイン波の高調波に基づく成分をさらに有するとよい。
前記振動装置は、前記被振動体の振動の波形におけるサイン波からの歪みの程度を示す歪み率を設定する歪み率設定手段をさらに有し、前記位相角設定部は、前記歪み率設定手段によって設定された歪み率を目標として、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角を設定するとよい。
また、前記第一の回転軸に対する前記第一の偏心部の偏心量と前記第二の回転軸に対する前記第二の偏心部の偏心量とが同一であり、前記第一の回転軸の回転中心と前記第二の回転軸の回転中心から等距離にある平面内に前記連繋部材と前記伝達部材の接続中心が位置し、前記位相角設定部は、前記第一の偏心部の位相角θ1および前記第二の偏心部の位相角θ2を、以下の式A1およびA2に基づいて定めるものであるとよい。
ただし、αは前記第一の変調成分の寄与、βは前記第二の変調成分の寄与を示し、以下の式A3およびA4によって定められる。
ここで、tは時間、ωは前記被振動体の振動と周期が同じサイン波の角速度、Sは目標振幅量、Rは前記第一の回転軸に対する前記第一の偏心部の偏心量および前記第二の回転軸に対する第二の偏心部の偏心量、cv0,cv1,cv2,cv3,cs0,cs1,cs2,cs3は定数であり、cv0およびcs0の少なくとも一方はゼロでない。
上記発明にかかる振動装置においては、回転中心から偏心した偏心部を有する第一および第二の回転軸を回転させることで、それぞれの偏心部に連繋された連繋部材の動きが伝達部材を介して被振動体に伝達され、被振動体が振動される構成を備える。この際、被振動体の振幅量の大きさに影響を与えない第一の方向(例えば下降方向)および第二の方向(例えば上昇方向)と直交する方向における偏心部の変位は、変位吸収手段によって吸収され、第一の偏心部と第二の偏心部との距離が経時的に変化しても、第一の偏心部と第二の偏心部が連繋部材によって連繋された状態に維持され、被振動体が、第一の方向(下降方向)と第二の方向(上昇方向)の間で振動される。
そして、上記発明にかかる振動装置においては、被振動体の振動に際して、位相角設定部および回転制御部において、被振動体が第一の方向(下降方向)へ変位する際の変位速度が、反対の第二の方向(上昇方向)へ変位する際の変位速度よりも大きくなるように、第一の偏心部の位相角と第二の偏心部の位相角とを設定、制御している。その結果、第一の方向(下降方向)への変位速度が第二の方向(上昇方向)への変位速度よりも大きい非サイン波形によって、被振動体が振動される。さらに、第一の偏心部および第二の偏心部の位相角をそれぞれ独立して変化させることにより、振動装置が運転されている間であっても、非サイン波の波形を自在に変化させることが可能となっている。
この振動装置の基本的な構成としては、二本の回転軸の回転動力が連繋部材を介して被振動体に出力されるという簡易なものである。そのため、装置の信頼性が高く、保守が容易である。
ここで、位相角設定部が、第一の偏心部の位相角と第二の偏心部の位相角に同じ変調を与える第一の変調成分と、第一の偏心部の位相角と第二の偏心部の位相角に相互に異なる変調を与える第二の変調成分と、の少なくとも一方の変調成分を、第一の偏心部の位相角と第二の偏心部の位相角に与える場合には、どちらの変調成分を採用しても、被振動体の振動波形を非サイン化することができる。また、各変調成分における変調のパターンを調整することで、非サイン波の波形を制御し、また振動装置の運転中でもその波形を変化させることができる。
この場合に、位相角設定部が、第一の変調成分と第二の変調成分の両方を、第一の偏心部の位相角と第二の偏心部の位相角に与えるならば、サイン波からの歪みが特に大きい非サイン波を生成することができる。また、各偏心部の回転における角加速度を小さく抑えることができる。
また、第一の変調成分および第二の変調成分がそれぞれ、被振動体の振動と周期が一致するサイン波の基本波に基づく成分を有するならば、被振動体の振動の1周期内で、効果的に振動に変調を加え、非サイン波形を生成することができる。
この場合に、第一の変調成分および第二の変調成分がそれぞれ、被振動体の振動と周期が一致するサイン波の高調波に基づく成分をさらに有するならば、滑らかな非サイン波形を得やすくなる。
振動装置が、被振動体の振動の波形におけるサイン波からの歪みの程度を示す歪み率を設定する歪み率設定手段をさらに有し、位相角設定部が、歪み率設定手段によって設定された歪み率を目標として、第一の偏心部の位相角と第二の偏心部の位相角を設定する場合には、非サイン化の程度を示す歪み率の目標値を達成できるように、2つの偏心部の位相角を設定するので、所望の非サイン波形を得やすくなる。
また、第一の回転軸に対する第一の偏心部の偏心量と第二の回転軸に対する第二の偏心部の偏心量とが同一であり、第一の回転軸の回転中心と第二の回転軸の回転中心から等距離にある平面内に連繋部材と伝達部材の接続中心が位置し、位相角設定部が、第一の偏心部の位相角θ1および第二の偏心部の位相角θ2を、上記の数式(A1)〜(A4)によって定める場合には、目標とする非サイン波形を、簡素な演算によって生成することができる。
本発明の実施形態に係る振動装置の概略図であり、(a)は振動装置を上方から見た一部断面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。 図1に示した振動装置が備える伝達部材の構成を説明するための概略図である。 上記振動装置における各部のパラメータを模式的に説明する図である。 非サイン波とサイン波の比較を示す図であり、(a)はモールドの高さの波形、(b)モールドの変位速度の波形を示している。 速度変調の概念を説明する図であり、(a)は変調前のモールドの高さ、(b)は速度変調信号、(c)は変調後のモールドの高さ(破線は変調前)、をそれぞれ示している。 振幅変調の概念を説明する図であり、(a)は変調前のモールドの高さ、(b)は振幅変調信号、(c)は変調後のモールドの高さ(破線は変調前)、をそれぞれ示している。 上記振動装置の制御系統を示すブロック図である。 上記制御系統における変調信号を生成する部位の構成を示すブロック図であり、(a)は、速度変調信号生成部、(b)は振幅信号生成部を示している。 実施例1における振動波形を示す図であり、(a)は、モールド高さとモールド速度をサイン波の波形とともに示している。(b)は、その他各種パラメータの波形を示している。 モールド高さとモールド速度の波形をサイン波の波形とともに示す図であり、(a)は実施例2、(b)は実施例3、(c)は実施例4を示している。 モールド高さとモールド速度の波形をサイン波の波形とともに示す図であり、(a)は実施例5、(b)は実施例6を示している。
以下に、本発明の一実施形態にかかる振動装置の詳細について、図面を参照しながら説明する。本振動装置は、被振動体に振動を加える装置であり、ここでは、連続鋳造装置に備えられるモールド(鋳型)を被振動体として、上下に振動させる場合について扱う。
[振動装置の構造]
まず、本発明の一実施形態にかかる振動装置1の機械構造について説明する。本振動装置1は、本発明者による特許文献2の振動装置と同じ機械構造を有する。ここで、振動装置1の機械構造について、簡単に説明する。
図1および図2は本発明の実施形態に係る振動装置1を模式的に示した図である。ここで、図1(a)は振動装置1を上方から見た一部断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線断面図である。図2は、振動を付加する対象物であるモールド(被振動体)90に接続される伝達部材18の構成を説明するための概略図である。
振動装置1は、第一の回転軸12と、この第一の回転軸12と一体的に設けられ、第一の回転軸12の回転中心Q1に対して偏心した第一の偏心部121(中心P1)と、第一の回転軸12と平行に設けられた第二の回転軸14と、この第二の回転軸14と一体的に設けられ、第二の回転軸14の回転中心Q2に対して偏心した第二の偏心部141(中心P2)と、第一の偏心部121および第二の偏心部141とを連繋する連繋部材16と、この連繋部材16の動きを後述のように変換してモールド90に伝達する伝達部材18と、連繋部材16と接続された第二の偏心部141のモールド90を振動させる方向と直交する方向における変位を吸収する変位吸収手段20とを備える。
第一の回転軸12および第二の回転軸14は、それぞれ第一のモータ22および第二のモータ24によって駆動される回転軸であり、図示されない減速機等を介して、第一のモータ22の出力軸22aおよび第二のモータ24の出力軸24aと接続されている。この第一の回転軸12および第二の回転軸14は、軸受29によってその軸心(Q1,Q2)を中心として回転可能に支持されている。また、第一の回転軸12および第二の回転軸14の先端には、第一の角度検出器26および第二の角度検出器28が設けられ、それぞれの回転方向における基準位置からの角度(位相角)を検出することができるように構成されている。さらに、第一のモータ22および第二のモータ24のそれぞれには、公知の速度検出器(ロータリエンコーダ、図7の22b,24b)が内蔵されている。
第一の偏心部121および第二の偏心部141は、第一の回転軸12および第二の回転軸14と一体的に設けられ、それぞれの回転中心Q1およびQ2から所定量偏心した軸形状を有する部分である。なお、本実施形態では、第一の回転軸12の回転中心Q1および第二の回転軸14の回転中心Q2からの第一の偏心部121と第二の偏心部141の偏心量Rは同一である。
図1に示すように、この第一の偏心部121と第二の偏心部141は、板状の連繋部材16に係合されている。連繋部材16には、その長手方向(図1(b)に示すX軸方向)に並んで円形の第一の係合穴161、矩形のガイド穴162が形成されている。また、この第一の係合穴161とガイド穴162との間には、伝達部材18が接続される接続穴163が形成されている。この接続穴163の中心P3は、第一の回転軸12の回転中心Q1と第二の回転軸14の回転中心Q2から略等距離にある。
円形の第一の係合穴161には、図示されない軸受等を介して第一の偏心部121が挿通されている。一方、矩形のガイド穴162には、モールド90が振動する方向(図1(b)に示すY軸方向)と直交する方向、すなわちX軸方向にスライド可能に設けられたスライド部材17が係合されて、変位吸収手段20を構成している。スライド部材17は、ガイド穴162のX軸と平行な内壁面上を摺動することができるように取り付けられており、少なくとも第一の回転軸12に対する第一の偏心部121の偏心量Rと、第二の回転軸14に対する第二の偏心部141の偏心量Rとの合計である2R分、左右(X軸方向)にスライド可能となるようスライド範囲が設定されている。スライド部材17の中央には、第二の係合穴17aが形成されており、この第二の係合穴17aに図示されない軸受等を介して第二の偏心部141が挿通されている。
このような変位吸収手段20の構成により、モールド90が振動するY軸方向と直交するX軸方向における第二の偏心部141の変位は、スライド部材17のスライドによって吸収されるため、第一の回転軸12と第二の回転軸14を独立させて自由に回転させることができ、かつモールド90が振動するY軸方向における第二の偏心部141の変位を、スライド部材17を介して連繋部材16に伝達することができる。
伝達部材18は、後述するように動作する連繋部材16の動きをモールド90に伝達(出力)する部材である。図2に示すように、本実施形態に係る伝達部材18は、第一の伝達軸181、第二の伝達軸182、および従動軸183とを備えるリンク機構を構成する。
第一の伝達軸181の反出力側軸端181aは、連繋部材16の接続穴163に連結軸184aを介して接続されている。つまり、連結軸184aの中心と、接続穴163の中心はP3で一致し、第一の回転軸12の回転中心P1と第二の回転軸14の回転中心P2から略等距離にある(この一致する中心P3が、本発明における連繋部材16と伝達部材18の接続中心に相当する。)。
第一の伝達軸181の出力側軸端181bには、第二の伝達軸182の反出力側軸端182aが、ジョイント184bを中心として回動可能な状態で連結されている。第二の伝達軸182の中央部および従動軸183の基端部は、支持台185に支持部185a,185bを中心として回動可能な状態で取り付けられている。そして、第二の伝達軸182の出力側軸端182bおよび従動軸183の出力側軸端183bは、モールド90に接続されている。
かかる構成を備える振動装置1では、第一のモータ22および第二のモータ24によって、第一の回転軸12および第二の回転軸14を回転させることにより、第一の偏心部121と第二の偏心部141を回転させると、連結軸184aが、XY面内で回転運動を行う。連結軸184aの回転運動は、伝達部材18のリンク機構によって直線運動に変換される。具体的には、連結軸184aの回転運動は、第一の伝達軸181から第二の伝達軸182に伝達される。すると、第二の伝達軸182は、従動軸183と共に、支持部185a,185bを中心として揺動する。これに伴い、モールド90が振動される。この際、第二の伝達軸182およびモールド90と連結されている部分(第二の伝達軸182の出力側軸端182b)の運動は、厳密には支持部185aを中心とする回転運動になるが、第二の伝達軸182の揺動幅に比較して第二の伝達軸182の長さが十分に長いため、この運動の軌跡は直線に近似できる。
ここで、第一の回転軸12による第一の偏心部121の回転と第二の回転軸14による第二の偏心部141の回転が、同角速度、同位相で行われる場合以外においては、第一の偏心部121の中心P1と、第二の偏心部141の中心P2との距離は、両者の位置関係の変化に伴って、経時的に変化する。これに対応するため、本振動装置1では、第二の偏心部141が前述のスライド部材17を有する変位吸収手段20を介して連繋部材16に接続されている。つまり、中心P1と中心P2との距離の変化を、Y軸方向に沿った振動に影響を与えないX軸方向におけるスライド部材17のスライドによって吸収する構成を備える。かかる構成により、中心P1と中心P2の距離の変化に対応しつつ、Y軸方向における第一の偏心部121および第二の偏心部141の変位の平均値が連繋部材16に伝達されることとなる。
なお、変位吸収手段の具体的構成としては、特許文献2に示されるように、種々の変形例が考えられる。また、第一の偏心部121および第二の偏心部141の両方が、それぞれ独立した変位吸収手段を介して、連繋部材16に接続されてもよいが、この場合には、連繋部材16のY軸方向の動きを許容し、X軸方向の動きを規制する規制部材が必要となる。
以上のようにして、第一の回転軸12による第一の偏心部121と第二の回転軸14による第二の偏心部141の回転に伴って発生する連繋部材16および連結軸184aの回転運動が、伝達部材18を介して、直線運動に変換されてモールド90に伝達され、モールド90が、Y軸に沿って、第一の方向と、第一の方向と反対の第二の方向と、の間で振動する。連続鋳造装置に備えられる振動装置においては、重力に沿って、第一の方向が下降方向とされ、第二の方向が上昇方向とされる。
本振動装置1は、さらに、図1,2に示した機械構成に加え、図7に示すように、各種演算回路を備えた制御部30を有する。制御部30は、位相角設定部31と回転制御部32を有している。位相角設定部31においては、後述する方法によって、モールド90を非サイン波形によって振動させられるように、第一の回転軸12の回転方向における第一の偏心部121の位相角θ1および第二の回転軸14の回転方向における第二の偏心部141の位相角θ2の目標値を決定する。そして、回転制御部32において、第一の角度検出器26および第二の角度検出器28で実測される位相角θ1,θ2をそれらの目標値に一致させるように、速度検出器22b,24bで検出される第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転における角速度ω1,ω2を参照しながら、第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転を制御する。つまり、本振動装置1においては、位相角θ1,θ2を制御することにより、モールド90の振動波形(時間の関数としてのモールド90の変位の波形)を制御する。
本振動装置1の基本的な機械構造としては、第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転動力が連繋部材16を介して被振動体であるモールド90に出力されるという簡易なものであるため、装置の信頼性が高く、保守が容易である。さらに、振動装置1の製造コストを低く抑えることができる。加えて、回転動力を直線動力に変換する動力変換機構の構成が単純であるため、慣性モーメントが大きくなることによる、モータ(第一のモータ22および第二のモータ24)の回転速度を変化させる際におけるモータへの負荷を低く抑えることができる。
また、本振動装置1においては、運転中であっても、制御部30によって、第一の回転軸12および第二の回転軸14による第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転における角速度ω1,ω2を変更することができる。これにより、運転中であっても第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2を調節できる。その結果として、第一の偏心部121および第二の偏心部141に連繋された連繋部材16の動きを変化させ、被振動体90の振動波形を自在に変化させることが可能である。したがって、本振動装置1を、連続鋳造におけるモールド90を振動させるのに用いた場合に、連続鋳造を停止させずに、鋳造する金属の種類、鋳造速度、気温、用いられるモールドパウダーの種類等に応じて、ネガティブストリップ時間等の鋳造条件を変更することができる。
[2つの偏心部の位相角の制御]
次に、上記のような機械構成を有する振動装置1において、非サイン波形でモールド90を振動させるようにするための、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2の制御について説明する。
図3に、ここで用いる各パラメータを模式的に示している。図3において、第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転方向は、右回りであり、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部121の位相角θ2は、それぞれ第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転中心Q1,Q2を中心として、第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転方向に沿って定められる。また、位相角θ1,θ2は、回転中心Q1,Q2から水平に左側に延びた位置を、θ1=θ2=0の基準として、定められる。さらに、第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転における角速度は、それぞれω1,ω2とされる。
第一の偏心部121および第二の偏心部141の高さ(Y軸方向の位置)は、それぞれh1,h2とされる。そして、連繋部材16と伝達部材18の接続中心P3の高さは、hとされる。h1=0およびh2=0となる原位置は、それぞれ、θ1=0、θ2=0の時の高さとして定められる。また、h=0となる原位置は、h1=h2=0の時に得られる高さに対応する。h1、h2、hの値においては、下方を正に、上方を負にとる。接続中心P3の高さhは、第二の伝達軸182によって上下反転されて、未振動状態の原位置を基準としたモールド90の高さhとして伝達される。ここで、第二の伝達軸182による変位方向の反転を考慮するため、接続中心P3の変位については、下方を正、上方を負にとるが、モールド90の変位については、上方(第二の方向)を正、下方(第一の方向)を負にとる。なお、図3においては、変位吸収手段20を省略して示している。
図4(a)に、同じ周期および振幅を有するサイン波形(破線)と非サイン波形(実線)によってモールド90を上下に振動させた際の、モールド90の高さh(つまり接続中心P3の高さhを上下反転させたもの)の変化を示す。また、図4(b)に、それぞれの場合について、モールド90の高さ方向における変位速度vm(つまり、接続中心P3の高さ方向における変位速度vmを上下反転させたもの)の変化を示す。非サイン波形は、サイン波形と同様に、高さ極大から極小まで移動する間においては単調上昇、高さ極大から極小まで移動する間においては単調下降の挙動を示し、高さゼロ(h=0)の時点において、下降速度の絶対値が最大となる関数である。しかし、サイン波においては、上昇時と下降時で変位速度の絶対値が同じであるのに対し、非サイン波においては、下降時の変位速度の絶対値が上昇時の変位速度の絶対値よりも大きくなっている。それにより、図4(a)のように、高さゼロとなる時点を基準とした高さ極大となる時間が、非サイン波の場合において、サイン波の場合よりも、遅延時間T1だけ遅くなっている。また、図4(b)のように、下降時の変位速度の絶対値が、非サイン波の場合において、サイン波の場合よりも大きくなっている。それに伴い、下降時の変位速度の下凸のカーブが、非サイン波の場合において、サイン波の場合よりも急峻になっている。
連続鋳造においては、モールド90を下降させる際の変位速度の絶対値が鋳片引抜速度の絶対値よりも大きくなるネガティブストリップ時間が短いほど、モールドパウダーがモールド90と鋳片の間に流入しやすくなり、両者の間の潤滑が良好になる。その結果、鋳片の表面品質が向上する。図4(b)に示すように、非サイン波形を採用した場合のネガティブストリップ時間NS1は、サイン波形を採用した場合のネガティブストリップ時間NS0よりも短くなる。
非サイン波形におけるサイン波形からの歪みの程度は、歪み率rによって表される。サイン波の1/4周期をT0とし、上記のように、サイン波の極大点に対する非サイン波の極大点の遅延時間をT1とすると、歪み率rは、r=T1/T0と表される。歪み率rが大きいほど、ネガティブストリップ時間が短くなる。
サイン波形をもとにして非サイン波形を生成する方法としては、速度変調と振幅変調の2通りが挙げられる。図5および図6に、それぞれの変調方法の概念を説明している。
図5は、速度変調について説明する図である。図5(a)のように、変調前のモールド90の高さhの波形は、サイン波形であり、角速度をω、時間をt、振幅をS0として、h=S0・sin(ωt)と表される。角速度ωおよび振幅S0は定数である。定数である角速度ωに対して、図5(b)に示したような時間に依存する、つまり角度ωtに依存する、速度変調信号cを乗ずることを考える(c・ω)。速度変調信号cは、モールド90が下降する期間において、大きな値を有し、角速度を相対的に大きく(変位を速く)する。一方、モールド90が上昇する期間において、小さな値を有し、角速度を相対的に小さく(変位を遅く)する。すると、図5(c)に実線で示すモールド90の高さhの変調後の波形h=S0・sin(c・ω・t)において、破線で示す変調前の波形よりも、上凸のピークトップと下凸のピークトップの間の時間が短縮される。このようにして、角速度に対して、振動の1周期の中で時間(角度ωt)に依存した速度変調信号cを乗じる速度変調によって、非サイン波形を得ることができる。
上記のような速度変調を、本振動装置1の接続中心P3において実現するためには、第一の偏心部121の回転と第二の偏心部141の回転に対して、同一の速度変調を加えればよい。本振動装置1において、第一の偏心部121と第二の偏心部141を相互に同位相、同角速度で回転させる場合には(θ1=θ2,ω1=ω2)、接続中心P3も、第一の偏心部121および第二の偏心部141と同位相、同角度で円運動する。ここで、第一の偏心部121と第二の偏心部141の回転に対して、同一の速度変調を加え、相互に同位相、同角速度の関係を維持しながら、等角速度の回転運動ではなく、1周期の中で、負方向への回転時に角速度が速くなる非等速運動をさせた場合にも、接続中心P3は、第一の偏心部121および第二の偏心部141と同位相、同角度度で円運動する状態を維持する。このようにして、接続中心P3の高さhに対して、負方向に運動する時の速度が正方向に運動する時の速度よりも大きくなる速度変調を与えることができる。つまり、速度変調の寄与を含んだ第一の偏心部121および第二の偏心部141の位相角を、θ1=θ2=αとすると、接続中心P3の高さhは、
と表すことができる。Rは第一の偏心部121および第二の偏心部141における偏心量である。このように、速度変調は、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2に同じ変調を与えることで実現できる。
図6は、振幅変調について説明する図である。図6(a)のように、変調前のモールド90の高さhの波形は、上記のように、h=S0・sin(ωt)と表される。定数である振幅S0に対して、図6(b)に示したような時間に依存する振幅変調信号cを乗ずることを考える(c・S0)。振幅変調信号cは、モールド90が下降する期間において、大きな値を有し、振幅を相対的に大きくする。一方、モールド90が上昇する期間において、小さな値を有し、振幅を相対的に小さくする。すると、図6(c)に実線で示すモールド90の高さhの変調後の波形h=c・S0・sin(ωt)において、破線で示す変調前の波形よりも、モールド90が下降する期間における振幅が拡大される。このようにして、振幅に対して、振動の1周期の中で時間に依存した振幅変調信号cを乗じる速度変調によって、非サイン波形を得ることができる。
上記のような振幅変調を、本振動装置1の接続中心P3において実現するためには、第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転に対して、相互に異なる変調を加えればよい。本振動装置1において、第一の偏心部121の位相角θ1と第二の偏心部141の位相角θ2の間の位相差を変更することで、接続中心P3の高さhの振動における振幅Sを変更することができるからである。例えば、任意の基本角をθ0とし、振幅変調の寄与をβとして、2つの偏心部121,141の位相角を、θ1=θ0+β,θ2=θ0−βと表すと、接続中心P3の高さhは、以下のように表される。
このように、振幅変調は、第一の偏心部121と第二の偏心部141の位相角θ1,θ2に相互に異なる変調を与えることで実現できる。これは、上で説明した速度変調が、第一の偏心部121および第二の偏心部141の位相角θ1,θ2に同じ変調を与えることで達成されたのと対照的である。
このように、第一の偏心部121および第二の偏心部141に同じ変調を与える速度変調(第一の変調成分)と、第一の偏心部121と第二の偏心部141に相互に異なる変調を与える振幅変調(第二の変調成分)の少なくとも一方の変調成分を、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2に加えることで、非サイン波形によるモールド90の振動を達成することができる。特に、速度変調と振幅変調の両方を併用すれば、高い自由度で非サイン波の波形を調整することが可能となる。その結果、後に実施例において示すように、高い歪み率rを有する非サイン波を生成することができる。また、第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転における角加速度を抑えることができるので、角加速度を確保するために、モータ22,24を過度に大型化させるのを抑制することができる。上記のように、第一の偏心部121および第二の偏心部141の位相角θ1,θ2に速度変調の寄与を加えた速度変調後位相角をα、振幅変調の寄与を示す振幅変調位相角をβとすると、速度変調と振幅変調を併用する場合には、両偏心部121,141の位相角θ1,θ2を下記のように定めることができる。
上記のように簡素な構成を有する振動装置1においては、各時間における第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2が、速度変調および/または振幅変調を加味した所定値をとるように、第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転状態を制御するという簡便な操作により、所望の非サイン波形で、被振動体であるモールド90を振動させることができる。さらに、振動装置1の運転中においても、第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転速度を変更することにより、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2の値を変更するだけで、非サイン波の波形、そして歪み率r等の波形に関わるパラメータを、自在に変更することができる。
[変調成分の寄与の定式化]
ここで、上記のような速度変調と振幅変調を考慮して、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2に変調を加えるための具体的な数式について検討する。つまり、上記の説明で用いた速度変調信号cおよび振幅変調信号c、そしてそれらを位相角θ1およびθ2における寄与として変換したものに相当する速度変調後位相角αおよび振幅変調位相角βの具体的な関数形を検討する。
まず、速度変調を行うための時間に依存した係数である速度変調信号cを、以下のように設定する。
ここで、ωは、モールド90の振動と周期が同じサイン波、つまり図4(a)にて破線で示した変調前のサイン波の角速度である。tは時間である。また、cv0,cv1,cv2,cv3はそれぞれ定数である。式(5)において、( )内の第1項は変調前のサイン波の基本波の寄与、第2項は第2高調波の寄与、第3項は第3高調波の寄与を表している。
そして、上記の速度変調信号cを、変調前のサイン波の角速度ωに乗じることで、速度変調の寄与を取り込む。つまり、変調後角速度ω’を以下のように表す。
一般に、振動において、時間tにおける位相角は、時間0から時間tまでの角速度の積分値となるので、第一の偏心部121および第二の偏心部141の位相角θ1,θ2に速度変調の寄与を加えた結果である速度変調後位相角αは、以下のように表現される。
なお、ここでは初期状態である時間0において、α=0としている。
一方、振幅変調を行うための時間に依存した係数である振幅変調信号cを、以下のように設定する。
ここで、ωは、上記速度変調において用いたのと同じ変調前のサイン波の角速度である。tは時間である。また、cs0,cs1,cs2,cs3はそれぞれ定数である。式(8)において、( )内の第1項は変調前のサイン波の基本波の寄与、第2項は第2高調波の寄与、第3項は第3高調波の寄与を表している。
そして、上記の振幅変調信号cを、振動の目標振幅量Sに乗じることで、振幅変調の寄与を取り込む。ここで、振動波形の非サイン化のために振幅変調を考慮することで、実際の振動の振幅は時間に依存して変化することになるが、目標振幅量Sは、その変化の中でとりうる振幅の最大値を表している。つまり、目標振幅量Sは、非サイン化を行わないとした場合のサイン波の振幅に対応している。そして、目標振幅量Sを有するサイン波に対して、非サイン化のための振幅変調を加えた際に得られる時間に依存した振幅を表す変調後振幅S’は、以下のようになる。
変調後振幅S’は、変調前のサイン波(非サイン化も、サイン波形を保ったままの振幅変調も行っておらず、2つの偏心部121,141が同角速度かつ同位相で回転する場合)における変位量に対応付けることができ、さらにその変位量を与える位相角に対応付けることができる。この観点から、変調後振幅S’をそのような変調前のサイン波の位相角に対応付けた値として、振幅変調位相角βを以下のように表すことができる。
なお、上記変調前のサイン波は、β=0の場合に対応するものであり、その振幅は、2つの偏心部121,141における偏心量Rに等しい。
そして、式(7),(10)で得られる速度変調後位相角αおよび振幅変調位相角βの値を、上記式(3),(4)、つまり
に代入することで、第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2を得ることができる。
得られたθ1およびθ2の値を用いて、接続中心P3の高さhは、以下のように表される。
また、接続中心P3の変位速度vmは、以下のようになる。
既に述べたように、接続中心P3の高さhおよび変位速度vmは、上下反転されて、モールド90の高さhおよび変位速度vmとして伝達される。
なお、第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転における角速度ω1,ω2、そして角加速度a1,a2は、以下のように表される。
上記式(7)において、速度変調後位相角αを具体的に設定するためには、速度変調信号cに含まれる定数cv0,cv1,cv2,cv3を定める必要がある。また、上記式(10)において、振幅変調位相角βを具体的に設定するためには、振幅変調信号cに含まれる定数cs0,cs1,cs2,cs3および目標振幅量Sを定める必要がある。これらは、所望の波形を有する非サイン波を得られるように、適宜定めればよい。例えば、所望の歪み率rが得られるように、各係定数を定めればよい。
速度変調信号cにおいて、cv2=cv3=0とすれば、変調前のサイン波の基本波に基づく成分のみが速度変調に含まれ、高調波(第2高調波および第3高調波)に基づく成分は含まれない状態となる。同様に、振幅変調信号cにおいて、cs2=cs3=0とすれば、変調前のサイン波の基本波に基づく成分のみが振幅変調に含まれ、高調波に基づく成分は含まれない状態となる。これらのように各係数を設定することで、速度変調および振幅変調をサイン波の基本波のみに基づいて行っても、ある程度高い歪み率rを有する非サイン波を生成することができる。しかし、後の実施例において示すように、基本波に加え、高調波に基づく成分を考慮して速度変調や振幅変調を行うことで、歪み率rをさらに高め、ネガティブストリップ時間を短縮することができる。そして、変調後の非サイン波の波形、さらに角速度や角加速度の波形を滑らかにすることができる。
上記で、cs0=0とすれば、βは時間tに依存しない定数となる。つまり、時間に依存する変調成分として、αで表される速度変調のみを用いることができる。定数となったβは、第一の偏心部121の位相角θ1と第二の偏心部141の位相角θ2の間に、恒常的な位相差を与えるものとして寄与する。
一方、cv0=0とすれば、α=ωtとなり、θ1=ωt+β,θ2=ωt−βとなる。ωは変調前のサイン波の位相角に相当するので、βで表される振幅変調のみを変調成分として、サイン波に変調を与えることになる。
=0である場合にさらに、c=0とすれば、θ1=ωt+β,θ2=ωt−βにおいて、βの時間依存性がなくなる。よって、2つの偏心部121,141の位相角θ1,θ2の間に、定常的に位相差2βが生じることになる。これは、特許文献2に記載されている振幅可変のサイン波でモールド90を振動させる場合と同じ状況である。本発明においては、cv0およびcs0の少なくとも一方はゼロとはされず、非サイン波でモールド90を振動させる形態を扱っている。
[振動装置の制御系統]
次に、上記のような数式を用いて、速度変調および振幅変調を考慮して第一の偏心部121の位相角θ1および第二の偏心部141の位相角θ2を設定し、それらに基づいて第一の回転軸12および第二の回転軸14の回転を制御するための制御系統について、図7,8を参照しながら説明する。
既に述べたように、図7に示す制御系統は、各種演算回路を備えた制御部30によって構築され、制御部30は、位相角設定部31と回転制御部32を有している。位相角設定部31においては、上記の数式群を利用して、位相角θ1およびθ2の目標値を設定する。そして、回転制御部32において、実際の位相角θ1,θ2をそれらの目標値に一致させるように、第一の回転軸12による第一の偏心部121の回転の角速度ω1および第二の回転軸14による第二の偏心部141の回転の角速度ω2を制御する。さらに制御部30は、振動装置1を操業する作業者が数値を入力可能な入力手段として、周波数設定手段33、最大振幅設定手段34、歪み量設定手段35を有している。
作業者は、周波数設定手段33により、振動の周波数の目標値fを入力する。また、最大振幅設定手段34により、目標振幅量Sを設定する。そして、歪み量設定手段35により、非サイン波の歪み率rの目標値rを設定する。各目標値は、鋳造速度やモールドパウダーの種類等に応じて、作業者が決定するようにしても、自動的に算出するようにしてもよい。以下において、各パラメータを表す記号に付された「」の記号は、そのパラメータの目標値であることを示す。
周波数設定手段33によって設定された目標周波数f(単位:Hz)は、2πを乗じて、変調前のサイン波の角速度の目標値ω(単位:rad/s)に変換される。
そして、最大振幅設定手段34において設定された目標振幅量Sおよび歪み量設定手段35によって設定された目標歪み量rに基づき、変調係数生成部311において、目標歪み量rを達成するのに必要な変調係数、つまり定数cv0,cv1,cv2,cv3,cs0,cs1,cs2,cs3の組を選定する。ここで、目標歪み量rに基づいて変調係数を選定するための方法としては、例えば、変調係数と歪み量rの関係を網羅的に収集したデータベースを変調係数生成部311に記憶させておき、目標ひずみ量rに合致する歪み量rを与える変調係数を抽出すればよい。あるいは、公知の最適化アルゴリズムを用いて、目標歪み量rを与える変調係数を算出すればよい。
次いで、変調係数生成部311において得られた変調係数のうちcv0,cv1,cv2,cv3と、目標角速度ωを積分回路312に通して得られた基準角度ωt、そしてそれに基づく基本波および高調波の波形情報318を、速度変調信号生成部313に入力する。速度変調信号生成部313においては、図8(a)のように、上記式(5)に基づいて、速度変調信号cを算出する。
一方、変調係数生成部311において得られた変調係数のうちcs0,cs1,cs2,cs3と、基準角度ωt、そしてそれに基づく基本波および高調波の波形情報318を、振幅変調信号生成部314に入力する。振幅変調信号生成部314においては、図8(b)のように、上記式(8)に基づいて、速度変調信号cを算出する。
速度変調信号生成部313で得られた速度変調信号cは、式(6)のように目標角速度ωに乗じられ、目標変調後角速度ω’が算出される。目標変調後角速度ω’は、積分回路315において、式(7)のように時間について積分される。これにより、速度変調後位相角の目標値αが算出される。
一方、振幅変調信号生成部314で得られた振幅変調信号cは、式(9)のように目標振幅量Sに乗じられ、目標変調後振幅S’が算出される。目標変調後振幅S’は、演算部316において、式(10)に基づく演算を受ける。これにより、振幅変調位相角の目標値βが算出される。
さらに、演算部317a,317bにおいて、第一の偏心部121および第二の偏心部141の位相角の目標値θ1およびθ2を、式(3),(4)に基づいて定める。つまり、θ1=α+β、およびθ2=α−βとして算出する。そして、これらの目標位相角θ1,θ2を、位相角設定部31から出力する。
回転制御部32は、第一の偏心部121の回転を制御するために、角度制御部321aと速度制御部322aを備える。角度制御部321aには、位相角設定部31から出力された目標位相角θ1と、第一の角度検出器26で実測される第一の偏心部121の位相角θ1を入力される。そして、実際の位相角θ1を目標値θ1と比較し、両者を一致させるように、位相角θ1を変化させるべき変化量Δθ1を算出する。
そして、演算部323aにおいて、変化量Δθ1を加味した目標変調後角速度ω1’を算出し、速度検出器22bで実測される第一の偏心部121の回転における角速度ω1との差分を、速度制御部322aに入力する。速度制御部322aにおいては、この差分を解消するために第一の偏心部121の回転に必要とされる角速度ω1を算出する。そして、減速機の減速比を考慮した角速度で、モータ22を実際に制御し、減速機を介して、目標角速度ω1で第一の偏心部121の回転軸12を回転させる。
第二の偏心部141の回転の制御も、角度制御部321bおよび速度制御部322bによって同様に行われ、設定された目標角速度ω2で第二の偏心部141を回転させる。以上のような回転制御部32におけるフィードバック制御を用いた第一の偏心部121および第二の偏心部141の回転の制御は、所定の短い時間間隔ごとに行われ、所望の目標歪み量rを達成できるような回転制御が継続的に実施される。
このように、目標歪み率rおよび目標振幅量Sを設定したうえで、これらの目標値を達成するのに要求される目標位相角θ1およびθ2に、実際の位相角θ1,θ2を一致させるように制御を行うことで、目標歪み量rおよび目標振幅量Sからのずれの少ない状態で、非サイン波による振動を実現することができる。
ここで、実施例として上記の振動装置1における非サイン波の生成について、シミュレーションを行った結果を示す。
[シミュレーション方法]
シミュレーションにおいては、上記式(3)〜式(12)に従い、速度変調後位相角αおよび振幅変調位相角βを算出するとともに、モールド90の高さhおよび変位速度vmとして、接続中心P3の高さhおよび変位速度vmの波形を見積もった。加えて、式(13)〜式(16)で示される各偏心部121,141の回転における角速度ω1,ω2および各加速度a1,a2も算出した。
シミュレーションにおいて、振動の周波数はf=1Hz、各偏心部121,141の偏心量はR=3mm、目標振幅量S=3mmとした。また、変調係数cv0〜cv3,cs0〜cs3としては、下の表1に挙げたものを用いた。ここで、表1に掲載した各実施例における変調係数としては、表1の右端に示した条件に合致する係数の組のうち、最も歪み率が大きくなったものを採用している。なお、表中の条件の欄は、変調係数から定まる変調条件を要約したものであり、S変調は振幅変調を、V変調は速度変調を示している。
[実施例1]
実施例1においては、表1に示したように、振幅変調および速度変調の両方を行っている(cv0≠0,cs0≠0)。シミュレーションの結果、図9(a)に示すように、モールド高さhとして、下降時の速度が上昇時の速度よりも大きい非サイン波形が得られている。なお、図中には、比較のために、サイン波形h=Ssin(ωt)を合わせて示している。また、モールド速度vmを見ると、下降時に急峻に下に凸になった波形が得られている。
さらに、図9(b)には、他の代表的なパラメータの波形を示している。速度変調後位相角αの微分値であり、速度変調の寄与を示す変調後角速度ω’(式6,7参照)と、振幅変調の寄与を示す振幅変調位相角βの波形を見ると、ともに、振動の1周期の中で時間に対して変動する関数であることが確認される。また、第一の偏心部121および第二の偏心部141の角速度ω1,ω2の波形を見ると、速度変調の寄与を含んだ変調後角速度ω’を中心に、対称に振幅変調を加えられているのが確認される。第一の偏心部121および第二の偏心部141の角加速度a1,a2の波形を見ると、両者はほぼ同じ形状で、時間に対してずれた波形となっている。
各波形から、歪み率r、各偏心部の角速度ω1,ω2における最大値および最小値と、それらの差である変化量、最大角加速度を求めることができる。歪み率は、r=T1/T0×100%として、高さhの波形から算出される。表1にもまとめたように、本実施例1においては、歪み率rは40%となっている。また、各偏心部の角速度ω1,ω2における最大値、最小値、変化量は、角速度ω1,ω2の波形から読み取ることができ、本実施例1においては、最大値と最小値の間の変化量が6.8rad/sとなっている。さらに、最大角加速度は、角加速度a1,a2の波形から、絶対値が最大になる点として読み取ることができ、本実施例1においては、30.5rad/sとなっている。
[実施例1〜6の比較]
図10,11に、図9(a)の実施例1の場合と同様に、実施例2〜6におけるモールド高さhおよびモールド速度vmの波形を示す。また、表1に、実施例1〜6に用いた変調係数をまとめるとともに、シミュレーションで得られた歪み率等の値を示している。
モールド高さhの波形や歪み率rの値から分かるように、実施例2〜5の振幅変調および速度変調のいずれか一方しか行わない場合でも、振動波形の非サイン化が達成されている。しかし、実施例1,6の、振幅変調と速度変調の両方を行っている場合に、実施例2〜5の一方の変調しか行っていない場合と比べて、サイン波からの逸脱の大きい非サイン波が得られている。歪み率rが大きいほど、連続鋳造におけるネガティブストリップ時間が短くなり、モールドパウダーによる潤滑効果が高められる。
さらに、実施例1の振幅変調および速度変調の両方を行っている場合において、歪み率rおよび角速度の変化量が、各実施例の中で最大であるにもかかわらず、最大加速度は、各実施例の中で最大とはなっていない。つまり、振幅変調と速度変調を組み合わせることで、サイン波からの逸脱を大きくしながらも、角加速度を抑えることが可能となっている。実施例1の最大角加速度の値は30.5rad/sとなっており、1/10の減速機を用いることを想定すれば、モータ22,24での最大角加速度は305rad/sである。この程度の角加速度であれば、過度に大型のモータを使用することなく、一般的なモータで実現可能である。
また、サイン波の基本波成分に加えて高調波成分を変調に用いた場合と、基本波のみ変調に用いた場合との比較として、実施例2と実施例4、実施例3と実施例5をそれぞれ比較すると、高調波成分まで考慮した方が、高い歪み率が得られている。また、特に実施例1と実施例6の比較で顕著であるが、高調波成分まで考慮した方が、モールド高さhおよびモールド速度vmの波形が滑らかになっている。
以上、本発明の実施形態および実施例について説明した。本発明は、これらの実施形態および実施例に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。
1 振動装置
12 第一の回転軸
121 第一の偏心部
14 第二の回転軸
141 第二の偏心部
16 連繋部材
17 スライド部材
18 伝達部材
20 変位吸収手段
30 制御部
31 位相角設定部
32 回転制御部
90 モールド(被振動体)

Claims (7)

  1. 被振動体を、第一の方向と該第一の方向と反対の第二の方向の間で振動させる振動装置において、
    第一の回転軸と、
    該第一の回転軸と一体的に設けられ、前記第一の回転軸の回転中心から偏心した第一の偏心部と、
    第二の回転軸と、
    該第二の回転軸と一体的に設けられ、前記第二の回転軸の回転中心から偏心した第二の偏心部と、
    前記第一の回転軸の回転中心から偏心して回転する前記第一の偏心部および前記第二の回転軸の回転中心から偏心して回転する前記第二の偏心部とを連繋する連繋部材と、
    該連繋部材の動きを前記第一の方向および第二の方向の動きに変換して前記被振動体に対して伝達する伝達部材と、
    前記連繋部材と前記第一の偏心部または前記第二の偏心部の少なくともいずれか一方とを接続し、該連繋部材と接続された偏心部の前記第一の方向および第二の方向と直交する方向における変位を吸収する変位吸収手段と、
    前記被振動体が前記第一の方向へ変位する際の変位速度が、前記第二の方向に変位する際の変位速度よりも大きくなるように、前記第一の回転軸の回転方向における前記第一の偏心部の位相角と前記第二の回転軸の回転方向における第二の偏心部の位相角とを設定する位相角設定部と、
    前記位相角設定部によって設定された前記第一の偏心部および前記第二の偏心部の位相角を目標として、実測される前記第一の偏心部および前記第二の偏心部の位相角を前記目標に一致させるように、前記第一の回転軸の回転および前記第二の回転軸の回転を制御する回転制御部と、を備えることを特徴とする振動装置。
  2. 前記位相角設定部は、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に同じ変調を与える第一の変調成分と、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に相互に異なる変調を与える第二の変調成分と、の少なくとも一方の変調成分を、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に与えることを特徴とする請求項1に記載の振動装置。
  3. 前記位相角設定部は、前記第一の変調成分と前記第二の変調成分の両方を、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角に与えることを特徴とする請求項2に記載の振動装置。
  4. 前記第一の変調成分および前記第二の変調成分はそれぞれ、前記被振動体の振動と周期が一致するサイン波の基本波に基づく成分を有することを特徴とする請求項2または3に記載の振動装置。
  5. 前記第一の変調成分および前記第二の変調成分はそれぞれ、前記被振動体の振動と周期が一致するサイン波の高調波に基づく成分をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の振動装置。
  6. 前記振動装置は、前記被振動体の振動の波形におけるサイン波からの歪みの程度を示す歪み率を設定する歪み率設定手段をさらに有し、
    前記位相角設定部は、前記歪み率設定手段によって設定された歪み率を目標として、前記第一の偏心部の位相角と前記第二の偏心部の位相角を設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の振動装置。
  7. 前記第一の回転軸に対する前記第一の偏心部の偏心量と前記第二の回転軸に対する前記第二の偏心部の偏心量とが同一であり、前記第一の回転軸の回転中心と前記第二の回転軸の回転中心から等距離にある平面内に前記連繋部材と前記伝達部材の接続中心が位置し、
    前記位相角設定部は、前記第一の偏心部の位相角θ1および前記第二の偏心部の位相角θ2を、以下の式A1およびA2に基づいて定めることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の振動装置。
    ただし、αは前記第一の変調成分の寄与、βは前記第二の変調成分の寄与を示し、以下の式A3およびA4によって定められる。
    ここで、tは時間、
    ωは前記被振動体の振動と周期が同じサイン波の角速度、
    は前記被振動体の目標振幅量、
    Rは前記第一の回転軸に対する前記第一の偏心部の偏心量および前記第二の回転軸に対する第二の偏心部の偏心量、
    v0,cv1,cv2,cv3,cs0,cs1,cs2,cs3は定数であり、Cv0およびcs0の少なくとも一方はゼロでない。
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