[パチスロ遊技機の構成]
以下に、本発明の遊技機について、図面を用いて具体的に説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明の遊技機として、図柄を変動表示する3つの回転リールを備えた遊技機であって、コイン、メダルまたはトークン等の他に、遊技者に付与されたカード等の遊技価値を用いて遊技することが可能な遊技機、いわゆるパチスロ遊技機を用いて説明する。
また、以下の実施の形態では、パチスロ遊技機を例に挙げて説明するが、本願発明の遊技機を限定するものではなく、パチンコ機やスロットマシンであってもよい。パチンコ遊技機の例は別途後述する。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチスロ遊技機の概観について説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、図1に示すように、リール3L、3C、3Rや後述の主制御回路60(図6参照)等を収容する筐体1aを備えている。筐体1aは、開閉可能な前面扉1bを備えている。さらに、遊技機1は、前面扉1bを閉じた状態で前面扉1bをロック状態またはアンロック状態に切り替えるロック機構を備えている。このロック機構は、ドアキー穴1cにドアキー2を挿入して、ドアキー2を回転することにより操作されるようになっている。
前面扉1bの中央部正面には、略垂直面としての図柄表示領域4L、4C、4Rと、液晶表示領域23が形成されている。キャビネット1aの中央部正面の内部には、3個のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。3個のリール3L、3C、3Rには、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれている。
各リール3L、3C、3Rの図柄は、図柄表示領域4L、4C、4Rを透過して視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路60(図6参照)により制御され、図柄表示領域4L、4C、4R内に表示されるリール3L、3C、3R上に描かれた図柄が、リールの回転に伴って変動する。
液晶表示領域23の下方には略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の左側には、遊技者が遊技で獲得したメダルのクレジット(Credit)/払い出し(Pay)の切り替えを行うC/Pボタン14と、押しボタン操作により、クレジットされているメダルを賭けるための最大BETボタン13が設けられている。
C/Pボタン14に対する遊技者の操作によって払出モードまたはクレジットモードの切り替えが行われる。クレジットモードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルがクレジットされる。
また、払出モードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが正面下部のメダル払出口15から払い出され、このメダル払出口15から払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
なお、入賞とは、小役に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止することをいう。また、小役とは、成立することによりメダルの払い出しが行われる役のことである。
また、最大BETボタン13に対する遊技者の操作によって、クレジットされているメダルのうち、その時点で投入可能な最大枚数のメダルが投入される。最大BETボタン13を操作することにより、後述の入賞ラインが有効化される。
台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられている。メダル投入口22に投入されたメダルに応じて、後述の入賞ラインが有効化される。
メダル投入口22の左には選択ボタン24および決定ボタン25が設けられている。遊技者は、液晶表示領域23に表示されたメニュー画面等に対して選択ボタン24および決定ボタン25により入力を行うことができる。
メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられている。スピーカ21L、21Rは、遊技の状況に応じて演出音や報知音等の遊技音を出力する。
台座部10の前面部の左寄りには、スタートレバー6が設けられている。スタートレバー6は、遊技者の開始操作により、リール3L、3C、3Rを回転させ、図柄表示領域4L、4C、4Rに表示された図柄の変動を開始させる。
台座部10の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。
ここで、3つのリール3L、3C、3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。
また、遊技者が第1停止させるための停止操作を第1停止操作という。同様に、遊技者が第2停止させるための停止操作を第2停止操作、第3停止させるための停止操作を第3停止操作という。
前面扉1bの上部には、光透過性の上部パネル101が設けられており、その内側に図示しない上部パネル用LED(Light Emitting Diode)が設けられている。なお、LEDの代わりに他の発光体を用いることとしてもよい。上部パネル101は、後述する演出内容に応じて発光する。
液晶表示領域23は、正面側から見てリール3L、3C、3Rの手前側に配設され、画像を表示すると共に、図柄表示領域4L、4C、4R内に、リール3L、3C、3Rに描かれた図柄を透過表示するものである。なお、図柄表示領域4L、4C、4R内における透過率は変更可能である。
この液晶表示領域23は、貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示したり、入賞成立時にメダルの払出枚数を表示したりする。また、液晶表示領域23は、図柄表示領域4L、4C、4Rを囲むように所定の形状からなる枠画像と、後述する演出内容に応じた所定の画像を表示する。
液晶表示領域23の下方であって、台座部10の上方には、下部パネル102が設けられており、その内側に下部パネル102用のLED(LEDの代わりに他の発光体を用いることとしてもよい)が設けられている。下部パネル102は、後述する演出内容に応じて発光する。
台座部10の下方には、光透過性の腰部パネル103が設けられており、その内側に腰部パネル103用のLED(LEDの代わりに他の発光体を用いることとしてもよい)が設けられている。腰部パネル103は、後述する演出内容に応じて発光する。
縦長矩形の各図柄表示領域4L、4C、4R内における上段、中段および下段の各領域には一の図柄が表示され、各図柄表示領域4L、4C、4Rには、対応するリールの周面に配された図柄のうち3つの図柄が表示される。つまり、図柄表示領域4L、4C、4Rは、いわゆる表示窓としての機能を有する。
次に、図2を用いて入賞ラインについて説明する。図柄表示領域4L、4C、4Rには、前述の各図柄表示領域4L、4C、4R内における上段、中段および下段のうち何れかを結ぶ5本の入賞ライン(センターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8eおよびRB中特殊ライン8f)が設けられている。
遊技機1は、リール3L、3C、3Rの回転が停止した際に、有効化された入賞ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて、役の成立・不成立を判定する。なお、以下、有効化された入賞ラインを有効ラインといい、また、有効化されていない入賞ラインを非有効ラインという。
図2に示すように、センターライン8cは、左・中段領域D、中・中段領域E、右・中段領域Fを夫々結んでなるラインである。ボトムライン8dは、左・下段領域G、中・下段領域H、右・下段領域Iを夫々結んでなるラインである。
クロスアップライン8aは、左・下段領域G、中・中段領域E、右・上段領域Cを夫々結んでなるラインである。クロスダウンライン8eは、左・上段領域A、中・中段領域E、右・下段領域Iを夫々結んでなるラインである。RB中特殊ライン8fは、左・中段領域D、中・下段領域H、右・上段領域Cを夫々結んでなるラインである。
なお、本実施の形態においては、BB遊技状態(RB遊技状態)では、2枚のメダルの投入によりRB中特殊ライン8fのみが有効ラインとなる。一方、BB遊技状態(RB遊技状態)以外の遊技状態では、3枚のメダルの投入によりセンターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8eの4本の入賞ラインが有効ラインとなる。
なお、BB1遊技状態〜BB4遊技状態を総称してBB遊技状態という場合がある。また、RB1遊技状態〜RB2遊技状態を総称してRB遊技状態という場合がある。
次に、図3に示す図柄配置テーブルを参照して、リール3L、3C、3R上に配列された図柄列について説明する。図3は、本実施の形態における遊技機1のリール3L、3C、3R上の外周面上に描かれた図柄の配列を示す図である。
リール3L、3C、3Rの外周面上には、複数種類の図柄が21個配列された図柄列が描かれている。具体的には、赤7図柄、ドン1図柄、ドン2図柄、BAR図柄、波図柄、ベル1図柄、ベル2図柄、チェリー1図柄、チェリー2図柄、リプレイ図柄で構成された図柄列が描かれている。
図柄配置テーブルは、後述する主制御回路60のメインROM32に記憶されている。図3に示すように、図柄配置テーブルには、リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、リール3L、3C、3Rの1/21回転毎に順次付与される「0」から「20」までの図柄位置が規定されている。
次に、図4を参照して、遊技機の上部について説明する。なお、図4は遊技機1の正面上部を示す図である。
図4に示すように、液晶表示領域23の上部中央には、表示パネルユニット110が設けられており、表示パネルユニット110の左右には左選択パネル151Lおよび右選択パネル151Rが設けられている。
表示パネルユニット110の上部左右には、左飾りパネル121Lおよび右飾りパネル121Rが設けられている。
表示パネルユニット110は光透過性が高く導光性の優れた複数枚の表示パネルと、複数のLEDとを有している。
図5(a)に示すように、左飾りパネル121Lの奥には左赤外線センサ120Lが設けられている。なお、図示しないが、右飾りパネル121Rの奥にも右赤外線センサ120Rが設けられている。
赤外線センサ120L、120Rは、いわゆる反射型赤外線センサであり、赤外線ビームを出力した方向に物体(例えば、遊技者の手)が存在するかまたは近付いてきたかを検知することができる。
図5(b)に示すように、左赤外線センサ120Lは、矢印AR方向に赤外線ビームを出力し、反射した赤外線ビームを受光することにより左選択パネル151L付近に遊技者の手等が近付いてきたことを検知する。右赤外線センサ120Rも同様に、右選択パネル151R付近に遊技者の手等が近付いてきたかを検知する。
なお、赤外線センサ120L、120Rは常に動作しているわけではなく、特定の演出が実行された場合に動作するようになっている。
また、本実施の形態では、反射型赤外線センサを採用したが、左選択パネル151Lおよび右選択パネル151R付近に遊技者の手等が近付いたことを検知することができるその他のセンサを採用することとしてもよい。また、左選択パネル151Lおよび右選択パネル151Rそのものをいわゆるタッチセンサとしてもよい。
[遊技機の回路構成]
次に、図6を参照して、主制御回路60、副制御回路70、主制御回路60または副制御回路70に電気的に接続する周辺装置等を含む遊技機1の回路構成について説明する。なお、図6は、遊技機1の回路構成を示す図である。
主制御回路60は、内部当籤役の決定やリールの回転制御等一連の遊技の進行を制御する。主制御回路60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32およびメインRAM33により構成されている。
メインCPU31は情報出力手段を備えている。情報出力手段は、出力情報であるコマンドを副制御回路70に送信するようになっている。また、メインCPU31は主電源が投入された時に電源オンコマンドを送信するための主電源投入信号出力手段も備える。情報出力手段から出力される情報には、主電源投入信号出力手段から出力される電源オンコマンドが含まれる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36およびサンプリング回路37が接続されている。
また、メインCPU31には、電断検知回路42(主電断検知手段)が接続されている。電断検知回路42は、メインCPU31に供給される12Vの電源電圧が例えば9Vの基準値以下に低下したことを検知すると電断検知信号をメインCPU31に送信する。
メインCPU31は、電断検知信号を受信すると、後述する電断割込処理(図48)を開始して、副制御回路70に主制御回路60において電断が発生したことを通知し、またメインRAM33のサム値を作成して保存する。
なお、主制御回路60においては、メインCPU31等は、12Vの電源電圧から変圧された5V電圧で駆動されている。
メインCPU31は、乱数値と内部抽籤テーブルとに基づいて内部当籤役を決定し、当該内部当籤役と停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
また、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を停止させた際に、図柄表示領域4L、4C、4Rに表示された図柄の組合せに基づいて、役が成立したか否かを判別して成立している場合に、当該成立した役に応じてメダルを払い出す等の利益を遊技者に付与する。
クロックパルス発生回路34および分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、「0」〜「65535」の範囲の乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
また、遊技機1では、抽出した乱数値を後述のメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、遊技毎にメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、内部抽籤処理において内部当籤役の決定を行う。
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちメインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行する構成にしてもよい。その場合、乱数発生器36およびサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラム、各種テーブル等が記憶されている。
メインRAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した乱数値、遊技状態、内部当籤役、払出枚数、ボーナス持越状況、設定値等を特定する情報、各種カウンタおよびフラグがセットされている。これらの情報の一部は、前述のコマンドにより副制御回路70に送信される。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置等としては、ホッパー40、ステッピングモータ49L、49C、49R等がある。これらのアクチュエータとメインCPU31との間の信号の授受は、I/Oポート38を介して行われる。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各周辺装置等の動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、モータ駆動回路39およびホッパー駆動回路41がある。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払い出しが行われる。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御する。これにより、リール3L、3C、3Rの回転や停止が行われる。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路および各周辺装置等に制御信号を出力する契機となる入力信号を発生する各スイッチおよび各回路が接続されている。各スイッチおよび各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS、7CS、7RS、最大BETスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、設定キースイッチ20S、メダルセンサ22S、リセットスイッチ23S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。なお、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSを総称してストップスイッチ7Sという。これらの各回路とメインCPU31との間の信号の入力は、I/Oポート38を介して行われる。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作を検出し、遊技の開始を指令する開始信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
ストップスイッチ7LS、7CS、7RSは、それぞれストップボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rの回転の停止を指令する停止信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
最大BETスイッチ13Sは、最大BETボタン13に対する遊技者の投入操作(押下操作)を検出し、クレジットされたメダルからのメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の切り替え操作を検出し、クレジットモードまたは払出モードを切り替えるための信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り替えられた場合、遊技機1にクレジットされているメダルの払い出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
設定キースイッチ20Sは、遊技機1の設定値を操作するための設定キーが操作されたことを検出して、その検出信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ22Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口22に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リセットスイッチ23Sは、状態解除指令を入力するための状態解除指令入力手段として機能し、遊技機内部に設置されたセレクタ(図示しない)のセレクタエラーやホッパー40のホッパーエラー解除のための信号を出力する。セレクタエラーは、投入メダル通過時間、投入メダル通過チェック、投入メダル逆行に関するエラーで、ホッパーエラーは、ホッパージャム、ホッパーエンプティ、補助収納庫満杯に関するエラーである。
また、リセットスイッチ23Sの信号は、主制御回路60のポート入力データであり、無操作コマンドのパラメータとしてI/Oポート38を介して副制御回路70に入力される。
リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を検出し、各リール3L、3C、3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(即ちホッパー40から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払い出しが完了したことを示すための信号を発生する。
副制御回路70は、後述するスタートコマンド等の主制御回路60から出力された各種コマンドに基づいて演出データの決定や実行等の各種の処理を行う。副制御回路70が主制御回路60へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路60から副制御回路70への一方向で通信が行われる。
副制御回路70からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置等としては、液晶表示領域23に画像を表示させる表示部としての液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、各種操作パネル101〜103、表示パネルユニット110、赤外線センサ120L、120Rがある。
副制御回路70は、決定した演出データに基づいて、液晶表示装置5に表示される画像の決定とその表示、各種操作パネル101〜103や表示パネルユニット110の発光パターンの決定と出力、赤外線センサ120L、120Rの動作タイミングの決定等、スピーカ21L、21Rから出力する演出音や効果音の決定と出力等の制御を行う。
なお、本実施の形態における副制御回路70の構成の詳細については、後述する。
遊技機1では、メダルの投入を条件に、遊技者のスタートレバー6に対する操作によって、スタートスイッチ6Sから遊技を開始する信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁等)によりリール3L、3C、3Rの回転が開始される。
この際、ステッピングモータ49L、49C、49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。
遊技機1では、「16」のパルスが出力されると、リール3L、3C、3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより「16」のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが「1」ずつ更新される。
なお、図柄カウンタの値が示す図柄位置の図柄(図3参照)がセンターライン8c上に位置している図柄に対応する。例えば、左リール3Lの図柄カウンタが「0」である際には、図3に示す図柄配置テーブルの図柄位置「0」の赤7がセンターライン8c上に位置している。
また、リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、リール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスの出力により、メインRAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタが「0」にクリアされる。
このようにして、各リール3L、3C、3Rについて1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。なお、リールの回転により各図柄が一図柄分移動する距離を1コマという。すなわち、図柄が1コマ移動することは、図柄カウンタが「1」更新されることに対応する。
リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄配置テーブル(図3)がメインROM32に記憶されている。この図柄配置テーブルは、前述のリールインデックスが出力される位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、「0」から「20」までのコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードとを対応付けている。
また、スタートスイッチ6Sから開始信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。遊技機1では、乱数値が抽出されると、メインRAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて内部当籤役が決定される。
リール3L、3C、3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7LS、7CS、7RSから停止信号が出力されると、出力された停止信号および決定された内部当籤役に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。モータ駆動回路39はステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御し、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
遊技機1は、停止操作が行われた時点から内部当籤役の成立に係る図柄を最大滑りコマ数分、すなわち、4コマ分引き込んでリール3の回転を停止させる。具体的には、遊技機1は、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSにより停止操作の検出が行われた後、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が存在するか否かを判別し、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が存在する場合に、当該図柄を有効ライン上に停止表示されるように滑りコマ数を決定し、該当するリールを停止させる。
また、遊技機1は、内部当籤役として複数の役を決定した場合において、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が複数存在する場合には、より優先順位の高い内部当籤役に係る図柄を有効ライン上に停止表示させるように滑りコマ数を決定する。
なお、基本的には、優先順位1位(優先度が最も高い)はリプレイに係る図柄の組合せであり、優先順位2位は小役に係る図柄の組合せである。次いで、優先順位3位はボーナスに係る図柄の組合せである。
また、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSにより停止操作の検出された際、該当するリール3の図柄カウンタに対応する図柄位置、すなわち、リール3の回転の停止が開始される図柄位置を「停止開始位置」といい、当該停止開始位置に決定した滑りコマ数(数値範囲「0」〜「4」)を加算した図柄位置、すなわち、リール3の回転を停止させる図柄位置を「停止予定位置」という。滑りコマ数は、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSにより停止操作が検出されてから対応するリール3の回転が停止するまでのリール3の回転量であり、遊技機1では、最大滑りコマ数を「4」と規定している。
全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止すると、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理、すなわち役の成立・不成立の判定処理が行われる。表示役の検索は、メインROM32に記憶された後述の図柄組合せテーブルに基づいて行われる。この図柄組合せテーブルでは、表示役に係る図柄の組合せと、対応する配当とが設定されている。
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判別されると、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払い出しが行われる。
この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払い出しの完了を示す信号が出力される。これにより、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
なお、C/Pスイッチ14Sにより、クレジットモードに切り替えられている場合には、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判別されると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM33のクレジットカウンタに加算する。
また、払い出されたメダルの枚数は副制御回路70に送信され、これに基づいて液晶表示領域23にはメダルの払出枚数および更新されたクレジット枚数が表示される。ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払い出しまたはクレジットを総称して単に「払い出し」という場合がある。
次に、図7を参照して、副制御回路70の回路構成について説明する。なお、図7は、遊技機1の副制御回路70の回路構成を示す図である。
副制御回路70は、映像、音、光等を用いた遊技に関する演出を行うための制御を行う。副制御回路70は、主制御回路60から送信される各種コマンドや、選択スイッチ24S、決定スイッチ25Sからの入力情報に基づいて、演出データを決定して各種演出処理を行う。
選択スイッチ24Sは、選択ボタン24に対する遊技者の操作を検出し、例えば、メニュー画面等に表示された選択すべき項目のうち何れが選択状態にあるかを示す表示(例えば、アイコン)を移動させるための信号をサブCPU71に出力する。
また、決定スイッチ25Sは、決定ボタン25に対する遊技者の操作を検出し、例えば、選択状態にある項目を遊技者が選択したことを示す信号をサブCPU71に出力する。すなわち、遊技者はメニュー画面等において、選択したい項目が選択状態になるまで選択ボタン24を押下した後、決定ボタン25を押下することにより項目を選択することができる。
また、副制御回路70には、確認スイッチ27Sが接続されている。確認スイッチ27Sは、後述のように、メインRAMエラーを解除する際に用いられる。
副制御回路70は、処理手段としてのサブCPU71、処理情報記憶手段として機能するサブROM72、制御情報記憶手段として機能するDRAM73−1(「サブRAM73−1」ともいう)、SRAM73−2、GPU74、VRAM75、デジタルアンプ78および電断検知回路76(副電断検知手段)を有している。
電断検知回路76は、サブCPU71に供給される12Vの電源電圧が例えば8Vの基準値以下に低下したことを検知すると電断検知信号をサブCPU71に送信する。
サブCPU71は、電断検知信号を受信すると、後述するサブCPU電断割込処理(図55)を実行する。
なお、副制御回路60においては、サブCPU71等は、12Vの電源電圧からそれぞれに対応して変圧された電圧で駆動されている。
上記の通り、主制御回路60の電断検知回路42は、電断を9Vを基準にして判別し、副制御回路70の電断検知回路76は、電断をその基準より低い8Vを基準にして判別している。このため、電断が発生した際、主制御回路60が先に電断を検知し、その後に、副制御回路70が電断を検知することになるので、副制御回路70は、主制御回路60から後述する電断発生コマンドを受信することができる。
サブCPU71は、サブROM72に記憶されているプログラムに基づいて、液晶表示装置5の表示制御、スピーカ21L、21Rの出力制御、各種操作パネル101〜103、表示パネルユニット110の発光制御等を行う。具体的には、サブCPU71は、主制御回路60の情報出力手段から出力される各種コマンド等を受信する情報入力手段を備えており、また、コマンドに含まれる各種情報をサブRAM73−1に記憶させる。
サブCPU71は、詳しくは後述のとおり、エラー情報登録手段71a(履歴情報記憶手段)と、エラー情報履歴表示手段71bと、メインRAMエラー判定手段71cとを備えている。
また、サブCPU71は、後述する図54のサブCPUの電源投入処理を実行するための副電源投入手段と、図60のメイン電源投入判定処理を実行するための電源投入判定手段とを備える。
また、サブCPU71には、後述するSRAM73−2(「バックアップRAM73−2」ともいう)が接続されている。バックアップRAM73−2には、電源投入時に、サブRAM73−1に複写されるデータがバックアップされている。
また、サブCPU71には、ドア開閉スイッチ29Sが接続されている。ドア開閉スイッチ29Sは、遊技機1の前面扉1bの開閉を監視するためのセンサで、前面扉1bが開かれた状態を検知して、サブCPU71に、スピーカ21L、21Rから、例えば「ドアが開いています。」という警告を発せさせる信号を出力する。
なお、主制御回路60におけるあらゆる情報が、コマンドにより送信され、副制御回路70では、主制御回路60の状態を逐一判断することができる。サブCPU71は、DRAM73−1に記憶させた遊技状態情報、内部当籤役情報等を参照しながら、プログラムを実行することにより、液晶表示装置5、スピーカ21L、21Rおよび各種操作パネル101〜103、表示パネルユニット110等の演出装置に行わせる演出の内容を決定する。
図52は、副制御回路70の受信コマンドの種別およびパラメータの例を示す。
また、サブCPU71は、決定した演出データに基づいて、GPU74を介して液晶表示装置5を制御し、また、スピーカ21L、21Rから出力させる音と、各種操作パネル101〜103、表示パネルユニット110の発光を制御する。
なお、上部パネル101、腰部パネル102、下部パネル103は、実際にはそれぞれ複数のLEDを備えており、これらはそれぞれ個別に設けられたポート(図示しない)の入出力処理で制御される。したがって、各ポートによってそれぞれ個別に発光を制御することができる。
また、サブCPU71は、サブROM72に記憶されている乱数取得プログラムを実行することにより、演出データ等を決定する際に用いる乱数値を取得する。但し、主制御回路60と同様に乱数発生器およびサンプリング回路を副制御回路70内に設ける場合には、当該処理は不要である。
サブROM72は、図8に示すように、オペレーティングシステムを記憶するOS領域72aと、サブCPU71が実行するプログラムを記憶するサブ制御プログラム記憶領域72bと、ゲームデータ初期化設定データ領域72cと、係員操作初期設定データ領域72dと、各種テーブル等を記憶する各種プログラムテーブル領域72eと、プログラム管理データ領域72fと、画像データ(静止画/動画)領域72gと、サウンドデータ領域72hと、役物可動データ領域72iとを有する。
サブ制御プログラム記憶領域72bは、デバイスドライバ、主制御回路60との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出登録処理、登録されたLEDデータに基づいて、各種操作パネル101〜103、表示パネルユニット110による光の出力を制御するためのLED制御タスク、登録されたサウンドデータに基づいてスピーカ21L、21Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク、登録されたアニメーションデータに基づいて液晶表示装置5による映像の表示制御をするための描画制御タスク等を記憶する。
各種プログラムテーブル領域72eは、演出抽籤テーブル、図12に示す副制御回路のエラーコードテーブル等を記憶する。
プログラム管理データ領域72fは、マジックコード、プログラムバージョン等を記憶する。画像データ(静止画/動画)領域72gは、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータ等を記憶する。サウンドデータ領域72hは、BGMや効果音といった音データ等を記憶する。また、役物可動データ領域72iは、例えば、光の点灯パターン等を行うためのLED制御データを記憶する。
サブRAM(DRAM)73−1は、図9に示すように、ゲームデータ保存領域としてのゲームデータ領域73a−1と、ゲームデータサム値領域73b−1と、ワーク領域73c−1と、係員操作設定データ領域73g−1と、係員操作設定データサム値領域73h−1と、エラー情報履歴格納領域73d−1と、通信ログ収集用リングバッファ領域73e−1と、通信エラー保存バッファ領域73f−1とを備えている。係員操作設定データ領域73g−1に登録されている係員操作設定データは、メニュー画面での設定項目が保存されているデータである。
ゲームデータ領域73a−1は、遊技の進行に関するゲームデータを含む情報のうちでサブRAM73−1に記憶されるデータを記憶するようになっている。ゲームデータサム値領域73b−1は、ゲームデータ領域73a−1に記憶されたゲームデータのチェックサム用のサム値を記憶するようになっている。ワーク領域73c−1は、各種処理におけるデータを記憶するようになっている。
ゲームデータ領域73a−1およびワーク領域73c−1は、サブCPU71が各プログラムを実行する際に、作業用一時記憶手段として使用される。また、ゲームデータ領域73a−1は、例えば、主制御回路60から送信されたコマンド、演出データ情報、遊技状態情報、内部当籤役情報、表示役情報、各種カウンタ、4バイトから8バイトの任意のマジックコードおよび各種フラグ等の情報を記憶するようになっている。
エラー情報履歴格納領域73d−1は、サブCPU71により検出された全てのエラー情報を示すエラーコード(図12参照)を記憶するようになっている。エラー情報履歴格納領域73d−1では、エラーコードが逐次記憶されることにより、エラー情報履歴が作成されるようになっている。
バックアップRAM(SRAM)73−2は、図10に示すように、バックアップデータ1領域73a−2と、バックアップデータ1サム値領域73b−2と、バックアップデータ1領域73a−2のミラーリングであるバックアップデータ2領域73c−2と、バックアップデータ2サム値領域73d−2と、係員バックアップデータ領域73e−2と、エラー情報履歴格納領域73f−2と、係員バックアップデータサム値領域73g−2とを備えている。
なお、本実施の形態では、バックアップデータ1領域73a−2とバックアップデータ2領域73c−2とは、単体のバックアップRAM73−2に構成されている。本明細書では、「ミラーリング」はデータを複製することの意味に用いており、データを別のストレージに複製するという意味に限定するものではない。
また、バックアップデータ1領域73a−2およびバックアップデータ2領域73c−2は、それぞれ、4バイトから8バイトの任意のマジックコードを備える。
図11に示すように、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1は、エラーコード(図中、ERROR CODE)と、エラー発生時刻(図中、「発生」)と、エラー解除時刻(図中、「解除」)とを1組として、128組格納可能になっている。
エラーコードは、1バイトデータであり、本体、主制御回路60から副制御回路70への通信および副制御回路70に関するエラーコードの内容は、図12に示すように、電源投入後の最初のレバー操作前の電断異常エラー(図中、エラーコード「WDR PRE」)、電
源投入後の最初のレバー操作後の電断異常エラー(図中、エラーコード「WDR POST」)、通信エラー(図中、「COMエラー」)、手順異常エラー(図中、「手順異常」)、データ破壊エラー(図中、「サム異常」)、主制御回路60と副制御回路70との間での通信断絶エラー(図中、「通信遮断報知」)、その他のエラーを含んでいる。
エラー情報履歴格納領域73d−1では、エラー発生時刻およびエラー解除時刻は、いずれも2バイトデータの年、1バイトデータの月、1バイトデータの日、1バイトデータの時、1バイトデータの分、1バイトデータの秒から構成されている。
図13に示すように、通信ログ収集用リングバッファ領域73e−1には、256のコマンドおよびパラメータのデータ組と、対応する1つのバッファインデックスとからなるデータ群が適宜数記憶され、それらがリングバッファとして機能するようになっている。
図14に示すように、通信エラー保存バッファ領域73f−1には、256のコマンドおよびパラメータのデータ組と、対応する1つのバッファインデックスとからなるデータ群が1024個記憶されている。また、通信エラー保存バッファ領域73f−1には、1024のバッファインデックスのうちのどのバッファインデックスが選択されているかを示すバッファ選択インデックスが1つ設けられている。
また、図13に示す通信ログ収集用リングバッファ領域73e−1および図14に示す通信エラー保存バッファ領域73f−1では、コマンドは1文字データからなるとともに、パラメータは2文字データからなるものとしている。
また、サブCPU71は、図7に示すように、エラー情報登録手段71aと、エラー情報履歴表示手段71bと、メインRAMエラー判定手段71cとを備えている。
エラー情報登録手段71aは、サブCPU71により検出されたエラーのエラーコードをサブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に記憶するようになっている。
具体的には、エラー情報登録手段71aは、通信エラーの発生が検出された場合は、エラー情報履歴格納領域73d−1にCOMエラーのエラーコード(COM ERR ALM)を記憶
するようになっている。通信エラー以外のエラーの発生が検出された場合には、エラー情報登録手段71aは、以下の処理を行う。
エラー情報登録手段71aは、手順異常エラーの発生が検出された場合は、エラー情報履歴格納領域73d−1に手順異常のエラーコード(例えば、BLS123PE)を記憶するようになっている。
エラー情報登録手段71aは、サム異常エラーの発生が検出された場合は、エラー情報履歴格納領域73d−1にサム異常のエラーコード(MEM ERR ALM)を記憶するようにな
っている。
エラー情報登録手段71aは、メインCPU31の主電源投入信号出力手段から電源オンコマンドを受信した時、サブCPU71の副電源投入手段がサブCPUの電源投入処理を開始した時、主電断検知手段および副電断検知手段が、それぞれ、主制御回路60および副制御回路70の電断発生を検知した時には、その状況に応じて、エラー情報履歴格納領域73d−1に、例えば、「POWER UP/DOWN」を記憶する。
また、エラー情報登録手段71aは、メインRAMエラー判定手段71cがメインCPU31からRAMエラーコマンドを受信した場合には、エラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー履歴として、「MAIN RAM CLR」を記憶する。
また、エラー情報履歴格納領域73d−1では、エラーコードが逐次記憶されることにより、エラー情報履歴が作成されるようになっている。
エラー情報履歴表示手段71bは、ドアキー2に所定の操作がされて、ドアキースイッチ2Sから所定の信号を受信すると、エラー情報履歴格納領域73d−1に記憶されたエラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させるようになっている。
本実施の形態では、後述するように、図50および図51に示すエラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させるために、それぞれ、係員による通常操作および簡易操作の2種類の操作法を採用している。
通常操作では、係員がドアキー2を右回転させて前面扉1bのロック機構を解放し、設定キーをオン操作して設定キースイッチ20Sをオンにすると、液晶表示領域23に図49に示すホールメニュー画面が表示される。係員が、操作キーを操作してその画面の「エラー情報履歴」項目23aを選択すると、エラー情報履歴表示手段71bが、液晶表示領域23に図50に示すエラー情報履歴画面23を表示する。
一方、簡易操作では、係員がドアキー2を左回転させてその状態を一定時間、例えば3秒間保持すると、エラー情報履歴表示手段71bが、液晶表示領域23に、図51に示す簡易ホールメニューのエラー情報履歴画面23を表示する。この場合には、ドアキー2が元の位置に戻されると画面は直前の遊技画面に復帰する。
メインRAMエラー判定手段71cは、メインCPU31からRAMエラーコマンドを受信すると、エラー情報登録手段71aにより、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、メインRAMエラーの履歴として、「MAIN RAM CLR」を記憶させる。
また、サブCPU71は、計時専用回路の内蔵RTC70aを内蔵する。サブCPU71には、その内蔵RTC70aのバックアップ用として外付けRTC70cが接続されている。外付けRTC70cおよびSRAM73−2にはバッテリー70bが接続されている。内蔵RTC70aおよび外付けRTC70cは所定のRTC制御タスクにより処理される。
GPU74は、サブCPU71から受信する画像表示コマンド等に基づいて、液晶表示装置5に画像を表示させるための処理を行う。GPU74が行う処理に必要なデータは起動時にVRAM75に展開される。GPU74は、VRAM75に展開されている画像データを後方に位置する背景画像から前方に位置する画像まで順に重ね合わせて画像データを生成し、液晶表示装置5に供給する。
この結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた画像が液晶表示装置5によって液晶表示領域23に表示される。
VRAM75は、書込画像データ領域と表示画像データ領域の2つのフレームバッファを有し、書込画像データ領域は、GPU74が表示画像を生成した画像データを格納し、また、表示画像データ領域は、液晶表示装置5に表示させる画像データを格納する。
GPU74は、これらのフレームバッファを交互に切り替える(すなわち、バンクを切り替える)ことにより、順次、画像データを液晶表示装置5に表示させる。
デジタルアンプ78は、サブCPU71が演出データに基づいて選択するデジタル形式の音データを、遊技機1に設けられた音量調整用ツマミ(図示しない)により調節された音量に基づいて増幅し、アナログ形式の音データに変換してスピーカ21L、21Rに送信する。この結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた音が、スピーカ21L、21Rから出力される。
[遊技状態]
次に、図15を参照して、遊技状態の遷移について説明する。主制御回路60において管理する主な遊技状態には一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、BB遊技状態(BB1遊技状態〜BB4遊技状態の総称)がある。また、図示しないが、1ゲームのみ他の遊技状態と併存するSB遊技状態や、BB1遊技状態〜BB3遊技状態において作動するRB1遊技状態、BB4遊技状態において作動するRB2遊技状態がある。なお、「RT」は、リプレイタイムを意味し、「BB」は、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行えるビッグボーナスを意味し、「RB」はレギュラーボーナスを意味する。
まず、一般遊技状態においてSBこぼし目(SBこぼし目1〜SBこぼし目12)が有効ライン上に表示されることにより、RT1遊技状態に遷移する。次いで、RT1遊技状態において上げ1段階リプ1が有効ライン上に表示されることにより、RT2遊技状態に遷移する。次いで、RT2遊技状態において上げ2段階リプ(上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2)、上げ2目(上げ2目1〜上げ2目3)が有効ライン上に表示されることにより、RT3遊技状態に遷移する。なお、「SB」はシングルボーナスを意味する。
また、RT2遊技状態またはRT3遊技状態において、SBこぼし目(SBこぼし目1〜SBこぼし目12)が有効ライン上に表示されることにより、RT1遊技状態に遷移する。RT1遊技状態〜RT3遊技状態において、押し順ベル失敗(押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4)が有効ライン上に表示されることにより、一般遊技状態に遷移する。
一般遊技状態、RT1遊技状態〜RT3遊技状態において、BB(BB1〜BB4)が内部当籤役として決定されることにより、RT4遊技状態に遷移する。RT4遊技状態において、BB(BB1〜BB4)が表示されることにより、BB遊技状態に遷移する。BB遊技状態において所定枚数(270枚または60枚)のメダルが払い出されると、一般遊技状態に遷移する。
次に、図16を参照して、主制御回路60のメインROM32に記憶されている内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。なお、図16は、本実施の形態における遊技機1の内部抽籤テーブル決定テーブルの例を示す図である。
内部抽籤テーブル決定テーブルには、遊技状態(後述する各遊技状態フラグのオン、オフ)に対応して、後述する内部抽籤処理において内部当籤役を決定するために使用する内部抽籤テーブルと、抽籤回数が規定されている。これにより、例えば、SB遊技状態フラグおよびRT1遊技状態フラグのみが「1(オン)」である場合には、内部抽籤テーブルとして「SB中RT1遊技状態用内部抽籤テーブル」が選択され、抽籤回数として「49」が選択される。
次に、図17〜図19を参照して、主制御回路60のメインROM32に記憶されている内部抽籤テーブルについて説明する。図17は、本実施の形態における遊技機1の一般遊技状態用内部抽籤テーブル、RT1遊技状態用内部抽籤テーブル〜RT4遊技状態用内部抽籤テーブルの例を一つに纏めた図である。
図18は、本実施の形態における遊技機1のRB1遊技状態用内部抽籤テーブルの例を示す図である。
図19は、本実施の形態における遊技機1のRB2遊技状態用内部抽籤テーブルの例を示す図である。なお、SB中一般遊技状態用内部抽籤テーブル、SB中RT1遊技状態用内部抽籤テーブル〜SB中RT4遊技状態用内部抽籤テーブルは、図17における当籤番号「1」に対応する抽籤値がそれぞれ「1000」ではなく「1001」であるという違いだけなので、図示を省略する。
内部抽籤テーブルは、後述する内部抽籤処理において、内部抽籤を行う際、すなわち内部当籤役を決定する際に使用するテーブルである。内部抽籤テーブルには当籤番号毎に抽籤値とデータポインタとが規定されている。抽籤値は、データポインタを決定するために用いられる数値である。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタとボーナス用データポインタの2種類あり、1または複数の内部当籤役と対応している。
図17〜図19に示す内部抽籤テーブルにおける当籤番号の右欄には、データポインタに対応する内部当籤役の略称を示している。また、図18および図19に示すそれぞれの内部抽籤テーブルの右側には、データポインタに対応する、各リールの上段を結ぶライン、中段を結ぶライン、または下段を結ぶラインに停止表示されうる図柄の停止形を示している。
例えば、RB1遊技状態において、小役・リプレイ用データポインタとして「25」が決定された場合に、左リール3Lの下段、および中リール3Cの下段にドン図柄を停止表示可能なタイミングで停止操作が行われたときには、左リール3Lの下段、および中リール3Cの下段にドン図柄が停止表示されるが、右リール3Rの下段にドン図柄が停止表示可能なタイミングで停止操作が行われた場合であっても、右リール3Rの下段にドン図柄は停止表示されない。
一方、小役・リプレイ用データポインタとして「28」が決定された場合には、左リール3Lの下段、中リール3Cの下段、右リール3Rの下段にドン図柄を停止表示可能なタイミングで停止操作が行われることで、各リールの下段を結ぶラインにドン図柄が停止表示される。
なお、図18中の入賞ライン上に揃う図柄の停止形において、「テンパイはずれ」とは、対応するライン上にドン図柄を停止表示可能なタイミングで停止操作が行われた場合であっても、「ドン図柄−ドン図柄−ドン図柄」が各リールの上段を結ぶライン、中段を結ぶライン、下段を結ぶラインに停止表示されることがない停止形を意味する。
一方、「テンパイあたり」とは、対応するライン上に、ドン図柄を停止表示可能なタイミングで停止操作が行われることで、「ドン図柄−ドン図柄−ドン図柄」が各リールの上段を結ぶライン、中段を結ぶライン、または下段を結ぶラインに停止表示される停止形を意味する。
次に、抽籤値を用いてデータポインタを決定する方法、すなわち内部抽籤の方法について説明する。内部抽籤は、まず、予め定められた数値の範囲「0〜65535」の中から乱数値を抽出し、抽出した乱数値から各当籤番号に対応する抽籤値を順次減算するとともに桁かりが行われたか否かを判定することにより行われる。桁かりは、減じられる対象の数値の方が小さい場合に行われ、換言すれば減算の結果が負となるときに行われる。
例えば、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが内部抽籤テーブルに決定された場合において、抽出した乱数値が「1500」である場合、初めに、メインCPU31は、「1500」から当籤番号「1」に対応する抽籤値「1000」を減算する。減算結果は「1500−1000=500」であり、正である。
次いで、メインCPU31は、この減算後の値「500」から当籤番号「2」に対応する抽籤値「2100」を減算する。減算結果は「500−2100=−1600」であり、負である。したがって、メインCPU31は、内部当籤役として当籤番号「2」、すなわち、小役・リプレイ用データポインタとして「13」、ボーナス用データポインタとして「0」を決定する。
この内部抽籤の方法によると、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、対応する当籤番号のデータポインタが決定される可能性が高くなる。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(「65536」)」となる。
なお、後述する抽籤値を用いて行う各種抽籤は、当該データポインタを決定する場合と同様である。すなわち、各種抽籤用のテーブルには、抽籤により選択する可能性のある項目(例えば、当籤番号)に対応させて抽籤値が規定されている。以下、抽籤値による各種抽籤の方法は、内部抽籤の方法と同様であるので説明を省略する。
次に、図20を参照して、RT遷移テーブルについて説明する。RT遷移テーブルは、後述するRT制御処理において、遊技状態フラグを更新する際に使用するテーブルである。図20に示すようにRT遷移テーブルには、表示役と、これに対応して遊技状態フラグに対する制御内容が規定されている。
具体的には、押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4の何れかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、全ての遊技状態フラグをオフにする。すなわち一般遊技状態を作動させる。また、SBこぼし目1〜SBこぼし目12の何れかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、RT1遊技状態フラグをオンとする。また、上げ1段階リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、RT2遊技状態フラグをオンとする。また、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、上げ2目1〜上げ2目3の何れかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、RT3遊技状態フラグをオンとする。
なお、押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4、SBこぼし目1〜SBこぼし目12、上げ1段階リプ1、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、上げ2目1〜上げ2目3は、所定の役が内部当籤役として決定された場合であって、予め定められた停止操作順序に従って停止操作が行われた場合、予め定められた停止操作順序とは異なる停止操作順序で停止操作が行われた場合、または適切なタイミングで停止操作が行われなかった場合に、有効ライン上に停止表示される可能性がある表示役であり、詳細は後述する。
次に、図21、図22を参照して、主制御回路60のメインROM32に記憶されているボーナス用内部当籤役決定テーブルおよび小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルについて説明する。なお、図21は、本実施の形態における遊技機1のボーナス用内部当籤役決定テーブルの例を示す図である。また、図22は、本実施の形態における遊技機1の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルの例を示す図である。以下、ボーナス用内部当籤役決定テーブルおよび小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを総称して、内部当籤役決定テーブルという。
内部当籤役決定テーブルは、後述する内部抽籤処理において、データポインタに基づいて内部当籤役を決定する際に使用するテーブルである。内部当籤役決定テーブルには、データポインタに対応する内部当籤役として決定される各役が規定されている。各役は、後述する内部当籤役格納領域の格納される各ビットと対応している。したがって、何れの役が内部当籤役であるかは、内部当籤役格納領域における何れのビットが「1」であるか否かによって識別することができる。
図21に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルには、ボーナス用データポインタ「1」〜「5」に対応する内部当籤役が規定されている。なお、ボーナス用データポインタとして「5」が決定された場合には、所定の停止順序で停止操作を行ったか否かにより、有効ライン上にSBに係る図柄の組合せが停止表示されるか、または、有効ライン上に、SBこぼし目1〜SBこぼし目12のいずれかに係る図柄の組合せが停止表示される。
図22に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルには、小役・リプレイ用データポインタ「1」〜「31」に対応する内部当籤役が規定されている。例えば、小役・リプレイ用データポインタとして「1」が決定された場合には、通常リプ1と上げ1段階リプ1が内部当籤役となる。
なお、小役・リプレイ用データポインタとして「2」が決定された場合には、左リール3Lに対して第1停止操作、中リール3Cに対して第2停止操作、右リール3Rに対して第3停止操作を行った場合に限り、上げ1段階リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。一方、これ以外の停止操作順序で停止操作を行った場合には、通常リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。
小役・リプレイ用データポインタ「3」〜「6」についても、上げ1段階リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される停止操作順序が予め定められており、この停止操作順序以外の停止操作順序で停止操作が行われた場合には、通常リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。
また、小役・リプレイ用データポインタとして「7」が決定された場合には、左リール3Lに対して第1停止操作を行った場合に限り、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、上げ2目1、上げ2目2、上げ2目3のいずれかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。
なお、上げ2目1、上げ2目2、上げ2目3が有効ライン上に停止表示された場合には、同時に通常リプ1または上げ1段階リプ1が有効ライン上に停止表示される。一方、これ以外の停止操作順序で停止操作を行った場合には、通常リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。
小役・リプレイ用データポインタ「8」〜「11」についても、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、上げ2目1、上げ2目2、上げ2目3に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される停止操作順序が予め定められており、この停止操作順序以外の停止操作順序で停止操作が行われた場合には、通常リプ1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。
また、小役・リプレイ用データポインタとして「12」が決定された場合には、停止操作順序にかかわらず、中リール3Cの中段にベルに係る図柄が停止表示される。
小役・リプレイ用データポインタとして「13」が決定された場合には、左リール3Lに対して第1停止操作、中リール3Cに対して第2停止操作、右リール3Rに対して第3停止操作を行った場合に限り、中リール3Cの中段にベルに係る図柄が停止表示される。
一方、これ以外の停止操作順序で停止操作を行った場合には、押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4のいずれかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。なお、中リール3Cの中段にベルに係る図柄が停止表示されるときには、センターライン8c、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8eのいずれかに「ベル1図柄(ベル2図柄)−ベル1図柄−ベル1図柄」が停止表示される。
また、押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4のいずれかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるときには、左リール3Lの下段、中リール3Cの下段、右リール3Rの下段に、「ベル1図柄(ベル2図柄)−ベル1図柄−ベル1図柄」が停止表示される。
小役・リプレイ用データポインタ「14」〜「17」についても、中リール3Cの中段にベルに係る図柄が停止表示される停止操作順序が予め定められており、この停止操作順序以外の停止操作順序で停止操作を行った場合には、押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4のいずれかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示される。
なお、内部抽籤テーブルにおいて、略称がリールに対する停止操作順序(押し順)を示唆する小役・リプレイ用ポインタが決定された場合には、その示唆する押し順がいわゆる正解の押し順であり、当該押し順通りに停止操作が行うことにより、遊技者が有利となるように各リール3が停止することとなる。
例えば、小役・リプレイ用ポインタ「2」(略称「左中右ベル」)が決定された場合には、左リール3Lに対して第1停止操作、中リール3Cに対して第2停止操作、右リール3Rに対して第3停止操作を行った場合に限り、中リール3Cの中段にベルに係る図柄が停止表示され(払出枚数:4枚×3ライン=12枚)、それ以外の押し順であった場合には中リール3Cの下段にベルに係る図柄が停止表示される(払出枚数:4枚×1ライン=4枚)。なお、略称がリールに対する停止操作順序(押し順)を示唆する小役・リプレイ用ポインタは「2」〜「11」、「13」〜「17」である。
次に、図23を参照して、主制御回路60のメインROM32に記憶されている図柄組合せテーブルについて説明する。なお、図23は、本実施の形態における遊技機1の図柄組合せテーブルの例を示す図である。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示される特典付与に係る図柄の組合せ、または、遊技状態の移行に係る図柄の組合せと、当該図柄の組合せに対応する表示役を示すデータと格納領域種別、および払出枚数が規定されている。表示役を示すデータは、後述の夫々1バイトからなる表示役格納領域1〜表示役格納領域7(表示役格納領域1〜表示役格納領域7を総称して表示役格納領域という)の何れかに格納されるデータである。また、当該データが何れの表示役格納領域に格納されるかは、格納領域種別により規定される。
図柄組合せテーブルには、表示役として、BB1〜BB4、SB、通常リプ1、上げ1段階リプ1、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、制御リプ1〜制御リプ3、ベル、氷1、チェリー1〜チェリー12、制御役1〜制御役3、BB中用役1〜BB中用役5、上げ2目1〜上げ2目3、押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4、SBこぼし目1〜SBこぼし目12が規定されている。
例えば、通常リプ1は、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が有効ライン上に表示されることにより成立する。各種リプレイ(通常リプ1、上げ1段階リプ1、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、制御リプ1〜制御リプ3)の何れかが成立することで、次回の遊技において再遊技が行われる。即ち、各種リプレイの何れかが成立した遊技における投入枚数と同数のメダルが、次回の遊技において、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。
これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回の遊技を行うことができる。ここで、前述のメダルの払い出しや再遊技は、遊技価値を付与することの一例である。ベルは、「ANY図柄−ベル1図柄−ANY図柄」が有効ライン上に表示されることにより成立する。なお、「ANY」は、如何なる図柄でも良いことを表す。
次に、図24を参照して、主制御回路60のメインROM32に記憶されているボーナス作動時テーブルについて説明する。なお、図24は、本実施の形態における遊技機1のボーナス作動時テーブルの例を示す図である。
ボーナス作動時テーブルは、BB遊技状態、およびRB遊技状態を終了させる条件を設定する際に使用するテーブルである。ボーナス作動時テーブルには、BB1遊技状態〜BB4遊技状態、RB1遊技状態、RB2遊技状態に係る終了条件が規定されている。具体的には、ボーナス作動時テーブルには、BB1遊技状態〜BB3遊技状態の終了条件として、ボーナス終了枚数カウンタの値について「270」が規定されている。
また、BB4遊技状態の終了条件として、ボーナス終了枚数カウンタの値について「60」が規定されている。なお、BB1遊技状態〜BB3遊技状態においてはRB1遊技状態が作動し、BB4遊技状態ではRB2遊技状態が作動する。また、ボーナス作動時テーブルには、RB1遊技状態、RB2遊技状態の終了条件として、遊技可能回数と入賞可能回数の値について夫々「12」と「8」が規定されている。
次に、図25、図26を参照して主制御回路60のメインROM32に記憶されている引込優先順位テーブルについて説明する。なお、図25は、本実施の形態における遊技機1の引込優先順位テーブルAの例を示す図であり、図26は、本実施の形態における遊技機1の引込優先順位テーブルBの例を示す図である。以下、引込優先順位テーブルA、引込優先順位テーブルBを総称して、引込優先順位テーブルという。
引込優先順位テーブルは、内部当籤役として複数の役が決定された場合において、その複数の役を有効ライン上に引き込むことができるときに、何れの役に係る図柄を優先して有効ライン上に停止させるかを規定している。上述したように、基本的には、優先順位は高い方からリプレイ、小役(払出枚数が多いほど優先順位は高い。JAC1(BB中7揃い)の場合にはこれを優先)、ボーナスの順となっている。
但し、本実施の形態においてはリプレイが複数種類あり、条件によって各リプレイの優先順位が異なるため、その条件毎に引込優先順位テーブルAと引込優先順位テーブルBが設けられている。
引込優先順位テーブルAは、通常時(BB中を含む)やいわゆる押し順正解時に用いられるテーブルであり、各リプレイの優先順位は上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2>上げ1段階リプ1>通常リプ1>制御リプ1−制御リプ3の順となっている。
一方、引込優先順位テーブルBは、いわゆる押し順不正解時に用いられるテーブルであり、各リプレイの優先順位は通常リプ1>上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、上げ1段階リプ1>制御リプ1−制御リプ3の順となっている。
なお、図示しないが、RT遊技状態の遷移に係る2以上の役が同時に表示役となった場合には、何れを優先させるかが予め定められている。本実施の形態においては、より優先される役から順に、上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2、上げ2目1−上げ2目3>上げ1段階リプ1>SBこぼし目1−SBこぼし目12>押し順ベル失敗1−押し順ベル失敗4、となっている。
次に、図27を参照して、主制御回路60のメインROM32に記憶されている停止テーブルについて説明する。なお、図27は小役・リプレイ用データポインタ「15」当籤時、中リール第1停止時用の停止テーブルの例を示す図である。停止テーブルには、ラインデータおよび図柄位置「0」〜「20」に対応する停止データが規定されている。図柄位置とは、停止操作が検出された際に、図柄表示領域の中段に位置する図柄位置であって、リールの回転の停止が開始される図柄位置のことである。
また、図示しないが、主制御回路60のメインROM32には、小役・リプレイ用データポインタ、遊技者の停止操作順序に応じた複数の停止テーブルが記憶されている。例えば、ボーナス用データポインタとして「5」が決定された場合には、右リール3Rに対して第1停止操作、左リール3Lに対して第2停止操作、中リール3Cに対して第3停止操作を行った場合に限り、SBこぼし目1〜SBこぼし目12の何れもが有効ライン上に停止表示されることのない滑りコマ数が規定された停止テーブルが選択される。
一方、この停止操作順序以外の停止操作順序で停止操作が行われた場合には、SBに係る図柄の組合せが停止表示されないタイミングで各リールに対する停止操作が行われた場合に、SBこぼし目1〜SBこぼし目12の何れかに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるように滑りコマ数が規定された停止テーブルが選択される。
次に、図28〜図30を参照して、主制御回路60のメインRAM33に割り当てられる内部当籤役格納領域、表示役格納領域および持越役格納領域について説明する。なお、図28は、本実施の形態における遊技機1の内部当籤役格納領域の例を示す図である。また、図29は、本実施の形態における遊技機1の表示役格納領域の例を示す図である。また、図30は、本実施の形態における遊技機1の持越役格納領域の例を示す図である。
図28に示すように、内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜内部当籤役格納領域5から構成されている。内部当籤役格納領域1〜内部当籤役格納領域5は、それぞれメインRAM33上に割り当てられる8ビットのデータ領域であり、内部当籤役情報を記憶する。各内部当籤役格納領域は、ビット「0」〜「7」の領域に「0」または「1」のデータを格納することにより、何れの役が内部当籤役であるかを示す。
図29に示すように、表示役格納領域は、表示役格納領域1〜表示役格納領域7から構成されている。表示役格納領域1〜表示役格納領域7は、それぞれメインRAM33上に割り当てられる8ビットのデータ領域であり、表示役情報を記憶する。各表示役格納領域は、ビット「0」〜「7」の領域に「0」または「1」のデータを格納することにより、何れの役が表示役であるかを示す。
図30に示すように、持越役格納領域は、メインRAM33上に割り当てられる8ビットのデータ領域であり、持越役情報を記憶する。持越役格納領域はビット「0」〜「3」の領域に「0」または「1」のデータを格納することにより、何れの役が持越役であるかを示す。
次に、図31を参照して、主制御回路60のメインRAM33に割り当てられる遊技状態フラグ格納領域について説明する。なお、図31は、本実施の形態における遊技機1の遊技状態フラグ格納領域の例を示す図である。
図31に示すように、遊技状態フラグ格納領域は、遊技状態フラグ格納領域1、遊技状態フラグ格納領域2とから構成されている。遊技状態フラグ格納領域は、それぞれメインRAM33上に割り当てられる8ビットのデータ領域であり、各遊技状態フラグがオンであるかまたはオフであるかを示す。また、遊技状態フラグ格納領域の各領域のデータが全て「0」である場合には一般遊技状態であることを示す。
次に、図32、図33を参照して、主制御回路60のメインRAM33における図柄格納領域について説明する。なお、図32は、本実施の形態における遊技機1の図柄格納領域A(非RB中)の格納例(各リールの図柄位置データが「0」であった場合)を示す図である。図33は、本実施の形態における遊技機1の図柄格納領域B(RB中)の格納例(各リールの図柄位置データが左リールから「9」、「8」、「9」であった場合)を示す図である。
図柄格納領域は、各有効ラインを構成する図柄表示領域4L、4C、4Rに、対応する図柄コードを格納する領域であり、有効ライン毎に設けられている。例えば、遊技状態がRB遊技状態以外の遊技状態である場合にセンターライン8cを構成する左図柄表示領域4Lの中段、中図柄表示領域4Cの中段、右図柄表示領域4Rの中段のそれぞれに対応する図柄コードを格納する。
こうした図柄格納領域が他の有効ライン(クロスダウンライン8e、ボトムライン8d、クロスアップライン8a)についても設けられている。なお、遊技状態がRB遊技状態である場合には有効ラインは1ライン(RB中特殊ライン8f)のみとなり、RB中特殊ライン8fに対応する図柄格納領域には、RB中特殊ライン8fを構成する左図柄表示領域4Lの中段、中図柄表示領域4Cの下段、右図柄表示領域4Rの上段のそれぞれに対応する図柄コードを格納する。
図32に示す図柄格納領域は、各リールの図柄位置データが「0」である時に図柄コードが格納された場合の図柄格納領域を示している。図柄位置データが「0」である場合とは、各リール3L、3C、3Rの図柄位置「0」の図柄(左リール3Lでは赤7図柄、中リール3Cでは赤7図柄、右リール3Rでは赤7図柄)がそれぞれ左図柄表示領域4Lの中段、中図柄表示領域4Cの中段、右図柄表示領域4Rの中段に表示される場合に対応する。
したがって、この場合、左図柄表示領域4Lの上段に対応する図柄格納領域には図柄位置「1」の図柄(波図柄)、左図柄表示領域4Lの下段に対応する図柄格納領域には図柄位置「20」の図柄(リプレイ図柄)を示す図柄コードが格納されることとなる。また、中図柄表示領域4Cの上段に対応する図柄格納領域には図柄位置「1」の図柄(リプレイ図柄)、中図柄表示領域4Cの下段に対応する図柄格納領域には図柄位置「20」の図柄(チェリー1図柄)を示す図柄コードが格納されることとなる。
さらに、右図柄表示領域4Rの上段に対応する図柄格納領域には図柄位置「1」の図柄(チェリー1図柄)、右図柄表示領域4Rの下段に対応する図柄格納領域には図柄位置「20」の図柄(ベル1図柄)を示す図柄コードが格納されることとなる。
[主制御回路の制御動作]
次に、図34〜図48に示すフローチャートを参照して、主制御回路60のメインCPU31の制御動作について説明する。
まず、図34を参照して、主制御回路60のメインCPU31によるリセット割込処理について説明する。なお、図34は、本実施の形態の主制御回路60で行われるメインCPU31によるリセット割込処理のフローチャートを示す図である。また、メインCPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、メインROM32に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、メインCPU31は、リセット割込初期化処理(ステップS1)を行ってから、指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。具体的には、メインCPU31は、メインCPU31の初期化処理、電断発生フラグのクリア等を行った後、前回のゲームに使用されたメインRAM33における書き込み可能領域のデータ消去、メインRAM33における書き込み可能領域への今回のゲームに必要なパラメータの書き込み、今回のゲームでのシーケンスプログラムへの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU31は、ボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。
次に、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。メダル受付・スタートチェック処理では、メダルセンサ22Sおよび最大BETスイッチ13S等のチェックによる投入枚数カウンタの更新や、スタートスイッチ6Sの入力チェック等が行われる。メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理により入賞ラインを有効化する。
次に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、乱数値記憶領域に格納する処理を行う(ステップS5)。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器36とサンプリング回路37によって「0」〜「65535」の範囲から乱数値を抽出し、抽出した乱数値をメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶させる。
次に、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(ステップS6)。具体的には、メインCPU31は、前述の内部抽籤テーブル決定テーブル(図16参照)、内部抽籤テーブル(図17〜図19参照)および内部当籤役決定テーブル(図21、図22参照)を参照して内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、スタートコマンドデータを副制御回路70に送信する(ステップS7)。スタートコマンドには、遊技状態情報、内部当籤役情報(小役・リプレイ用データポインタ、ボーナス用データポインタおよび内部当籤役格納領域)、ボーナス持越状態であるか否かを示す持越状態情報等の情報が含まれている。
具体的な処理としては、メインCPU31は、例えば、フラグやカウンタ等のパラメータをセットし、スタートコマンドをセットして、後述する図43の通信データ格納処理を行うことにより、送信する通信データを通信データ格納領域に登録するようになっている。なお、以下のコマンドデータについても同様に副制御回路70に送信される。
次に、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS8)。全リールの回転開始を要求すると、リール3L、3C、3Rの回転開始処理および加速制御処理が行われる。
次に、メインCPU31は、リール回転の定速待ちを行う(ステップS9)。
次に、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(ステップS10)。このリール停止制御処理では、メインCPU31は、遊技者の停止操作によりストップスイッチ7LS、7CS、7RSから送信された停止信号等に基づいて、各リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
次に、メインCPU31は、表示役検索処理を行う(ステップS11)。この表示役検索処理では、メインCPU31は、全リール3L、3C、3Rの回転を停止させた結果、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて、表示役および払出枚数を決定する。
次に、メインCPU31は、RT制御処理を行う(ステップS12)。
次に、メインCPU31は、表示コマンドデータを送信する(ステップS13)。表示コマンドには、表示役を示す表示役情報や払出枚数を示す払出枚数情報等の情報が含まれている。
具体的な処理としては、メインCPU31は、例えば、P1にRT作動組合せ表示フラグをセットし、P2に入賞枚数カウンタをセットする。そして、メインCPU31は、表示コマンドをセットし、後述する図43の通信データ格納処理を行うことにより、送信する通信データを通信データ格納領域に登録するようになっている。
次に、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS14)。具体的には、メインCPU31は、払出モードであれば、払出枚数に基づいてホッパー駆動回路41によりホッパー40を駆動制御してメダルの払い出しを行い、クレジットモードであれば、払出枚数に基づいてメインRAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。
次に、ボーナス作動中であるか否かを判別する(ステップS15)。具体的には、BB1遊技状態〜BB4遊技状態、またはSB遊技状態であるか否かを判別する。このとき、メインCPU31は、ボーナス作動中であると判別したときには、ボーナス終了チェック処理を行い(ステップS16)、ステップS17のボーナス作動チェック処理に移行する。一方、メインCPU31は、ボーナス作動中ではないと判別したとき、またはステップS16の処理を終了した後には、次いで、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS17)。
このように、メインCPU31は、ステップS2からステップS17までの処理を1ゲーム(1遊技)における処理として実行し、ステップS17の処理が終了すると次回のゲームにおける処理を実行すべく、ステップS2の処理に移行する。
次に、図35を参照してボーナス作動監視処理について説明する。なお、図35は、本実施の形態の主制御回路60で行われるボーナス作動監視処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は、BB遊技状態か否かを判別する(ステップS31)。このとき、メインCPU31は、BB遊技状態であると判別したときにはステップS32の処理に移行する。一方、メインCPU31は、BB遊技状態ではないと判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了させる。
メインCPU31は、ステップS31の処理において、BB遊技状態であると判別したときには、次いで、RB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS32)。このとき、メインCPU31は、RB遊技状態であると判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了させる。
一方、メインCPU31は、RB遊技状態ではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図24参照)に基づいてBBの種別に応じたRB作動時処理を行い(ステップS33)、ボーナス作動監視処理を終了させる。具体的には、BB1遊技状態〜BB3遊技状態である場合には、RB1遊技状態を作動させ、BB4遊技状態である場合には、RB2遊技状態を作動させる。
次に、図36および図37を参照して、内部抽籤処理について説明する。なお、図36および図37は、本実施の形態の主制御回路60で行われる内部抽籤処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は内部抽籤テーブル決定テーブル(図16参照)を参照して、遊技状態フラグに基づいて内部抽籤テーブルの種別および抽籤回数を決定する(ステップS61)。次に、メインCPU31は、乱数値記憶領域から乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(ステップS62)。次に、メインCPU31は、当籤番号の初期値として「1」をセットする(ステップS63)。
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照して、当籤番号に基づいて抽籤値を取得する(ステップS64)。次に、メインCPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算し、減算結果を判定用乱数値としてセットする(ステップS65)。具体的には、メインCPU31は、判定用乱数値記憶領域に記憶させた判定用乱数値からステップS64の処理において取得した抽籤値を減算し、当該減算結果によって判定用乱数値記憶領域を更新する。
次に、メインCPU31は、ステップS65の減算処理において桁かりが行われたか否か、すなわち、減算結果が負の値となったか否かを判別する(ステップS66)。このとき、メインCPU31は、桁かりが行われたと判別したときには、当籤番号に基づいて小役・リプレイ用データポインタおよびボーナス用データポインタを取得し(ステップS70)、ステップS71の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、桁かりが行われなかったと判別したときには、次いで、抽籤回数から「1」を減算し、当籤番号に「1」を加算する(ステップS67)。次いで、メインCPU31は、抽籤回数は「0」であるか否かを判別する(ステップS68)。
メインCPU31は、ステップS68の処理において抽籤回数は「0」であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタおよびボーナス用データポインタをそれぞれ「0」に決定し(ステップS69)、ステップS71の処理に移行する。一方、メインCPU31は、抽籤回数は「0」ではないと判別したときには、ステップS64の処理に移行する。この後、メインCPU31は、ステップS64からステップS68の処理を、抽籤回数が「0」になるか、または桁かりが行われるまで繰り返す。
メインCPU31は、ステップS69またはステップS70の処理を終了した後には、次いで、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図22参照)を参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS71)。次に、メインCPU31は、内部当籤役に応じて内部当籤役格納領域を更新する(ステップS72)。
次にメインCPU31は、持越役格納領域は「00000000」であるか否かを判別する(ステップS73)。このとき、メインCPU31は、持越役格納領域は「00000000」ではないと判別したときには、ステップS80の処理に移行する。一方、メインCPU31は、持越役格納領域は「00000000」であると判別したときには、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図21)を参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS74)。
次いで、メインCPU31は、SBが内部当籤役であるか否かを判別する(ステップS75)。このとき、メインCPU31は、SBが内部当籤役であると判別したときには、SBに応じて内部当籤役格納領域を更新し(ステップS76)、ステップS80の処理に移行する。一方、メインCPU31は、SBが内部当籤役ではないと判別したときには、BBが内部当籤役であるか否かを判別する(ステップS77)。
メインCPU31は、ステップS77の処理において、BBが内部当籤役ではないと判別したときには、ステップS80の処理に移行する。一方、メインCPU31は、BBが内部当籤役であると判別したときには、BBに応じて持越役格納領域を更新し(ステップS78)、RT4遊技状態フラグをオンにし(ステップS79)、ステップS80の処理に移行する。
メインCPU31は、ステップS73の処理において、持越役格納領域は「00000000」ではないと判別したとき、ステップS77の処理において、BBが内部当籤役ではないと判別したとき、ステップS76、ステップS79の処理を終了した後には、次いで、持越役格納領域と内部当籤役格納領域1の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域1に格納する(ステップS80)。
なお、メインCPU31は、内部抽籤処理においてステップS64〜ステップS68の処理を繰り返し実行することにより、内部当籤役の抽籤を行っている。具体的には、メインCPU31は、抽出した乱数値から順次、抽籤値を減算することにより、桁かりが行われた際の当籤番号に対応する小役・リプレイ用データポインタおよびボーナス用データポインタを決定し、決定した当該各データポインタと内部当籤役決定テーブルとに基づいて内部当籤役を決定する。
次に、図38を参照して、リール停止制御処理について説明する。なお、図38は、本実施の形態の主制御回路60で行われるリール停止制御処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに「3」をセットし(ステップS101)、次いで、内部当籤役に応じた停止テーブルを取得する(ステップS102)。
次に、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(ステップS103)。有効なストップボタンとは停止操作が行われていないストップボタンである。このとき、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判別したときにはステップS104の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、再度ステップS103の処理を実行する。すなわち、メインCPU31は、有効なストップボタンに対応する停止操作が検出されるまでステップS103の処理を繰り返す。
メインCPU31は、ステップS103の処理において、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当するストップボタンの操作を無効化する(ステップS104)。次いで、作動ストップボタン(停止順序)に応じて停止テーブルを再選択する(ステップS105)。
次に、メインCPU31は、チェック回数として「5」をセットする(ステップS106)。次いで、メインCPU31は、引込優先順位テーブル(図25、図26参照)を参照し、内部当籤役に基づいて、図柄カウンタに対応する図柄位置からチェック回数の範囲内において、最も優先順位の高い図柄位置を検索する(ステップS107)。
次に、メインCPU31は、停止テーブル、図柄カウンタに対応する図柄位置、および検索の結果に基づいて滑りコマ数を決定し、停止予定位置をセットする(ステップS108)。次いで、メインCPU31は、リール停止コマンドを送信する(ステップS109)。リール停止コマンドには、何れのリールが停止したかを示す停止リール種別情報、停止開始位置を示す停止開始位置情報、滑りコマ数を示す滑りコマ数情報等の情報が含まれる。
次に、メインCPU31は、図柄配置テーブル(図3参照)を参照し、停止リール、停止予定位置、遊技状態に基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域に格納する(ステップS110)。
最後にメインCPU31は、操作が有効なストップボタンはあるか否かを判別する(ステップS111)。このとき、メインCPU31は、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了させる。一方、メインCPU31は、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、ステップS103の処理に移行する。この後、メインCPU31は、ステップS103からステップS111の処理を、操作が有効なストップボタンがないと判別するまで繰り返す。
次に、図39を参照して、表示役検索処理について説明する。なお、図39は、本実施の形態の主制御回路60で行われる表示役検索処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は、表示役格納領域をクリアする(ステップS121)。
次に、メインCPU31は、図柄格納領域の先頭アドレスを指定する(ステップS122)。具体的には、メインCPU31は、遊技状態がRB遊技状態以外の遊技状態である場合にはセンターライン8cに対応するアドレスを先頭アドレスとして指定し、遊技状態がRB遊技状態である場合にはRB中特殊ライン8fに対応するアドレスを先頭アドレスとして指定する。
次に、メインCPU31は、図柄組合せテーブル(図23参照)の先頭アドレスを指定する(ステップS123)。具体的には、メインCPU31は、BB1に対応するアドレスを先頭アドレスとして指定する。
次に、メインCPU31は、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている図柄の組合せを比較する(ステップS124)。
次に、メインCPU31は、ステップS124の処理において比較した結果、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている図柄の組合せが一致したか否かを判別する(ステップS125)。このとき、メインCPU31は、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている図柄の組合せとが一致しないと判別したときには、ステップS129の処理に移行し、一方、一致すると判別したときには、図柄組合せテーブルから格納領域種別および表示役を示すデータを取得する(ステップS126)。
次に、メインCPU31は、取得した格納領域種別に対応する表示役格納領域と、取得した表示役を示すデータの論理和を表示役格納領域に格納する(ステップS127)。
次に、メインCPU31は、図柄組合せテーブルから払出枚数を取得し、払出枚数カウンタに加算する(ステップS128)。
メインCPU31は、ステップS125の処理において図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている図柄の組合せとが一致しないと判別したとき、または、ステップS128の処理を終了したときには、次いで、図柄組合せテーブルの次の役に対応するアドレスを指定する(ステップS129)。
次に、メインCPU31は、ステップS129の処理において指定したアドレスには、エンドコードが格納されているか否かを判別する(ステップS130)。このとき、メインCPU31は、エンドコードが格納されていないと判別したときには、ステップS124の処理に移行する。一方、メインCPU31は、エンドコードが格納されていると判別したときには、次いで、全有効ラインについて検索したか、すなわち、全有効ラインに対して、ステップS124〜ステップS130の処理を行ったか否かを判別する(ステップS131)。
メインCPUは、ステップS131の処理において全有効ラインについて検索したと判別したときには、表示役検索処理を終了させる。一方、メインCPUは、全有効ラインについて検索していないと判別したときには、次いで、図柄格納領域の次の有効ラインに対応するアドレスを指定し(ステップS132)、ステップS123の処理に移行する。
次に、図40を参照して、RT制御処理について説明する。なお、図40は、本実施の形態の主制御回路60で行われるRT制御処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は、BB持越中(RT4遊技状態)であるか否かを判別する(ステップS141)。このとき、メインCPU31は、BB持越中であると判別したときには、RT制御処理を終了させる。一方、メインCPU31は、BB持越中ではないと判別したときには、BB中であるか否かを判別する(ステップS142)。具体的には何れかのBB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。
メインCPU31は、ステップS142の処理においてBB中であると判別したときには、RT制御処理を終了させる。一方、メインCPU31は、BB中ではないと判別したときには、RT遷移テーブル(図20参照)を参照し、表示役に基づいて、遊技状態フラグを更新する必要がある場合には更新し(ステップS143)、RT制御処理を終了させる。
次に、図41を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。なお、図41は、本実施の形態の主制御回路60で行われるボーナス終了チェック処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は、BB中であるか否かを判別する(ステップS151)。このとき、メインCPU31は、BB中ではないと判別したときには、SB遊技状態フラグをオフにし(ステップS152)、ボーナス終了チェック処理を終了させる。一方、メインCPU31は、BB中であると判別したときには、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(ステップS153)。
メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」であると判別したときには、ボーナス終了時処理を行う(ステップS154)。具体的には、オンであるBB遊技状態フラグ、RB遊技状態フラグをオフにする。次いで、メインCPU31は、ボーナス終了コマンドを送信し(ステップS155)、ボーナス終了チェック処理を終了させる。
一方、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」ではないと判別したときには、遊技可能回数カウンタの値から「1」を減算し(ステップS156)、表示役は小役であるか否かを判別する(ステップS157)。このとき、メインCPU31は、表示役は小役ではないと判別したときには、ステップS159の処理に移行する。一方、メインCPU31は、表示役は小役であると判別したときには、入賞可能回数カウンタの値から「1」を減算し(ステップS158)、ステップS159の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、入賞可能回数カウンタの値または遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS159)。このとき、メインCPU31は、入賞可能回数カウンタの値および遊技可能回数カウンタの値の何れも「0」ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了させる。一方、メインCPU31は、入賞可能回数カウンタの値または遊技可能回数カウンタの値が「0」であると判別したときには、次いで、RB終了時処理を行い(ステップS160)、ボーナス終了チェック処理を終了させる。RB終了時処理では、オンとなっているRB遊技状態フラグをオフにする等の処理を行う。
次に、図42を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。なお、図42は、本実施の形態の主制御回路60で行われるボーナス作動チェック処理のフローチャートを示す図である。
初めに、メインCPU31は、表示役はBB(BB1〜BB4の何れか)であるか否かを判別する(ステップS171)。このとき、メインCPU31は、表示役はBBでないと判別したときには、ステップS174の処理に移行する。一方、メインCPU31は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時処理を行う(ステップS172)。
このボーナス作動時処理では、ボーナス作動時テーブル(図24)を参照し、作動させる遊技状態に応じて、遊技状態フラグをオンに、ボーナス終了枚数カウンタに値をセットする。次いで、メインCPU31は、RT4遊技状態フラグをオフにするとともに、持越役格納領域をクリアし(ステップS173)、ボーナス開始コマンドを送信して(ステップS176)、ボーナス作動チェック処理を終了させる。ボーナス開始コマンドには、開始するボーナスの種別等を示す情報が含まれている。
メインCPU31は、ステップS171の処理において、表示役がBBではないと判別したときには、次いで、表示役はSBであるか否かを判別する(ステップS174)。このとき、メインCPU31は、表示役はSBでないと判別したときにはステップS177の処理に移行する。一方、メインCPU31は、表示役はSBであると判別したときには、ボーナス作動時処理を行う(ステップS175)。このボーナス作動時処理では、ボーナス作動時テーブル(図24)を参照し、SB遊技状態フラグをオンにする。次いで、メインCPU31は、ボーナス開始コマンドを送信して(ステップS176)、ボーナス作動チェック処理を終了させる。
メインCPU31は、ステップS174の処理において、表示役はSBではないと判別したときには、次いで、表示役はリプレイであるか否かを判別する(ステップS177)。このとき、メインCPU31は、表示役はリプレイでないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了させる。一方、メインCPU31は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写し(ステップS178)、ボーナス作動チェック処理を終了させる。自動投入枚数カウンタに値がセットされている場合には、次遊技におけるステップS4の処理において、その値に対応する枚数のメダルが自動投入される(遊技者のメダルは減らない)。
次に、図43を参照して、通信データ格納処理について説明する。なお、図43は、本実施の形態の主制御回路60で行われる通信データ格納処理のフローチャートを示す図である。また、図示のP1〜P5データは、各コマンドのパラメータを示す。
メインCPU31は、通信一時格納領域の第0バイトに送信コマンドを格納する(ステップS181)。メインCPU31は、メインRAM33に割り当てられる通信一時格納領域の第1バイトにP1データを格納する(ステップS182)。メインCPU31は、通信一時格納領域の第2バイトにP2データを格納する(ステップS183)。メインCPU31は、通信一時格納領域の第3バイトにP3データを格納する(ステップS184)。メインCPU31は、通信一時格納領域の第4バイトにP4データを格納する(ステップS185)。メインCPU31は、通信一時格納領域の第5バイトにP5データを格納する(ステップS186)。メインCPU31は、通信一時格納領域の第6バイトに遊技状態フラグを格納する(ステップS187)。
そして、メインCPU31は、通信一時格納領域の第0バイト〜第6バイトのデータを排他的論理和により演算して、主サム値であるBCCデータを作成する(ステップS188)。
メインCPU31は、BCCデータを通信一時格納領域の第7バイトに格納する(ステップS189)。
次に、メインCPU31は、通信データ格納設定情報から、通信データ格納領域の格納先アドレスを求める(ステップS190)。ここで、メインCPU31は、通信データ格納領域に空きがあるか否かを判別する(ステップS191)。メインCPU31が通信データ格納領域に空きが無いと判別したときには、通信データ格納処理を終了させる。
メインCPU31が通信データ格納領域に空きがあると判別したときには、通信一時格納領域に格納されたデータを、通信データ格納領域に格納する(ステップS192)。さらに、メインCPU31は、通信データ格納設定情報を更新し(ステップS193)、通信データ格納処理を終了させる。
次に、図44を参照して、メインCPU31の制御による割込処理について説明する。なお、図44は、本実施の形態の主制御回路60で行われるメインCPU31の制御による割込処理のフローチャートを示す図である。また、このメインCPU31の制御による割込処理は、所定の周期(本実施の形態では、1.1173ミリ秒)毎に発生する割込処理である。
初めに、メインCPU31は、当該メインCPU31の制御による割込処理を呼び出す前に実行されているプログラムを中断し、その中断した位置を示すアドレス、各種レジスタの値をメインRAM33の所定の領域に退避させる(ステップS201)。これは、当該メインCPU31の制御による割込処理が終了した場合に、退避されたプログラムの中断した位置を示すアドレス、各種レジスタの値を復帰させ、中断した時点からプログラムを継続して実行するためである。
次に、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS202)。具体的には、メインCPU31は、最大BETスイッチ13S等の各スイッチからの信号をチェックする。
次に、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS203)。具体的には、メインCPU31は、リセット割込処理(図34参照)においてリールの回転開始要求があった場合には、リール3L、3C、3Rの回転を開始させ、一定速度で回転させるための制御を行う。また、メインCPU31は、リール停止制御処理(図38参照)において滑りコマ数が決定されたことにより停止予定位置が定まっている場合には、該当するリールの図柄カウンタの値が停止予定位置を示す値と同一の値となったときに当該リールを停止させるための制御を行う。例えば、メインCPU31は、停止予定位置を示す値が「4」である場合には、図柄カウンタの値が「4」になったときに、該当するリールを停止させるための制御を行う。
次に、メインCPU31は、後述する通信データ送信処理を行う(ステップS204)。さらに、メインCPU31は、ランプ駆動制御処理を行う(ステップS205)。次に、メインCPU31は、ステップS201の処理においてメインRAM33に退避した値を参照してレジスタの復帰を行う(ステップS206)。この処理が終了すると、当該メインCPUの制御による割込処理を終了させ、当該メインCPUの制御による割込処理の発生により中断したプログラムを継続して実行する。
次に、図45を参照して、通信データ送信処理について説明する。なお、図45は、本実施の形態の主制御回路60で行われる通信データ送信処理のフローチャートを示す図である。この通信データ送信処理は、主としてメインCPU31の情報出力手段として実行される。
初めに、メインCPU31は、通信データ格納設定情報に基づいて、今回の通信データ格納領域のアドレスをセットする(ステップS211)。そして、メインCPU31は、通信データ格納領域のセットされたアドレスに、副制御回路70へ送信しようとする通信データ(送信データ)が格納されているか否かを判別する(ステップS212)。
メインCPU31が、通信データ格納領域のセットされたアドレスに送信データが格納されていないと判別したときには、無操作コマンドをセットして(ステップS213)、上述した図43の通信データ格納処理を行う(ステップS214)。
ここでの通信データ格納処理が終了した後、あるいは、メインCPU31が、通信データ格納領域のセットされたアドレスに送信データが格納されていると判別したときには、メインCPU31は、主制御回路60の送信ポートに空きがあるか否かを判別する(ステップS215)。メインCPU31は、主制御回路60の送信ポートに空きがないと判別したときには、通信データ送信処理を終了する。
メインCPU31が、主制御回路60の送信ポートに空きがあると判別したときには、1パケット分のデータ数(本実施の形態では8)をセットする(ステップS216)。そして、メインCPU31は、パケット送信データ設定用出力ポートの先頭番号をセットする(ステップS217)。さらに、メインCPU31は、通信データ格納領域のデータを出力ポートにセットする(ステップS218)。
メインCPU31は、通信データ格納領域のアドレスを1加算して更新する(ステップS219)。次に、メインCPU31は、出力ポート番号を1加算して更新する(ステップS220)。さらに、メインCPU31は、データ数カウンタを1減算する(ステップS221)。
次に、メインCPU31は、データ数カウンタは0か否かを判別する(ステップS222)。メインCPU31が、データ数カウンタは0ではないと判別した場合、通信データ格納領域には出力ポートにまだセットされていないデータが残っていると判断して、再度通信データ格納領域のデータを出力ポートにセットする(ステップS218)。
メインCPU31が、データ数カウンタが0であると判別した場合、出力ポートには1パケット分のデータが格納されたと判断して、送信起動要求を通信レジスタポートにセットする(ステップS223)。これにより、1パケット分のデータが送信されるようになる。
そして、メインCPU31は、通信データ格納領域に送信済みデータをセットする(ステップS224)。さらに、メインCPU31は、通信データ格納設定情報を更新して、次回の通信データ格納領域のアドレスをセットし(ステップS225)、通信データ送信処理を終了する。
次に、図45の通信データ送信処理における無操作コマンドセット処理(ステップS213)について、図46を参照しながら説明する。図46は、本実施の形態の主制御回路60で行われる無操作コマンドセット処理のフローチャートを示す図である。
無操作コマンドセット処理は、主制御回路60のI/Oポート38に接続されているものからの入力を対象とする。まず、メインCPU31は、無操作コマンドを通信パラメータにセットし(ステップS401)、次に、I/Oポート38を介して入力されるポート入力情報に関する入力ポートデータを通信パラメータにセットする(ステップS402)。セットされる入力ポートデータは、ストップスイッチ7S、スタートスイッチ6S、メダルセンサ22S、リセットスイッチ23S、最大BETスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、設定キースイッチ20S等からI/Oポート38に入力されるデータである。ステップS402の後、メインCPU31は無操作コマンドセット処理を終了する。
続いて、図34のリセット割込処理のリセット割込初期化処理を、図47を参照しながら説明する。図47は、本実施の形態の主制御回路60で行われるリセット割込初期化処理のフローチャートを示す図である。
メインCPU31は、最初に、メインCPU31の初期化処理を行う(ステップS411)。具体的には、メインCPU31は、メインCPU31の各種の機能(入出力ポート、内部タイマ、UART等)の初期化を行う。
次に、メインCPU31の主電源投入信号出力手段は、電源が投入されて正常ルートで立ち上がったことをサブCPU71に伝えるために電源オンコマンドを送信する(ステップS412)。
続いて、メインCPU31は、メインRAM33のサム値チェック処理を行う(ステップS413)。これにより、メインCPU31は、電断時に作成されてメインRAM33に保存されているサム値が正常か否か(サム異常か否か)を判別することにより、メインRAM33は正常、かつ、電断発生フラグはオン、かつ、設定キーがオフか否かを判別する(ステップS414)。
ステップS414において、メインCPU31が、メインRAM33は正常、電断発生フラグはオン、設定キーがオフのすくなくともいずれかが否であると判別したときには、サブCPU71に、RAMエラーであることを示すエラーコマンドを送信する(ステップS415)。
エラーコマンドは、主制御回路60で発生して検知されるエラーの内容を副制御回路70に送信することにより、副制御回路70が、エラー情報履歴にエラー情報として登録するためのコマンドで、次のような様な要因で発生する。
ホッパーエンプティエラー、ホッパージャムエラー、投入メダル通過チェックエラー、投入メダル通過時間エラー、投入メダル逆行エラー、補助収納庫満杯エラー、イリーガルヒットエラー、RAMエラー等である。
ステップS415に続いて、メインCPU31は、設定変更処理を行う(ステップS416)。つまり、設定変更処理では、設定キーが操作されて設定キースイッチ20Sがオンの状態で、リセットスイッチ23Sによって設定値1から6までのいずれかが選択され、スタートレバー6のオン操作によりいずれかの設定値が確定した後、メインRAM33の設定値保存領域以外の領域を0クリアし、設定キースイッチ20Sがオフされることにより、通常の処理に復帰することになる。
ステップS416の設定変更処理が終了したとき、または、ステップS414において、メインCPU31が、メインRAM33は正常、かつ、電断発生フラグはオン、かつ、設定キーがオフであると判別したときには、電断発生フラグをクリアしてリセット割込初期化処理を終了する。
図48は、本実施の形態の主制御回路60のメインCPUにより行われる電断割込処理のフローチャートを示す。
電源電圧が、基準値、例えば、9V以下になったことを、主制御回路60内の電断検知回路42が検知して電断検知信号を出力すると、メインCPU31は、この外部割込処理を行う。
最初に、メインCPU31は、電断が発生したことを通知するため電源オフコマンドをサブCPU71に送信する(ステップS421)。この場合、上記の通り、副制御回路70内の電断検知回路76は、主制御回路60内の電断検知回路42の電断検知のための基準値よりも低い電圧の基準値で電断を検知しているため、サブCPU71は、メインCPU31から電断検知信号を受信することが可能になるである。
次に、メインCPU31は、メインRAM33に電断発生フラグをセットする(ステップS422)とともに、メインRAM33のサム値を作成して保存する(ステップS423)。
上記の図47のリセット割込初期化処理において、そのメインRAM33に保存されているサム値が正常か否かのRAMサムサムチェック処理(ステップS413)が行われる。
[エラー情報履歴]
本実施の形態では、図50および図51に示すエラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させるために、それぞれ、係員による通常操作および簡易操作の2種類の操作法を採用している。
通常操作では、係員がドアキー2を右回転させて前面扉1bのロック機構を解放し、設定キーをオン操作して設定キースイッチ20Sをオンにすると、液晶表示領域23に図49に示すホールメニュー画面が表示される。係員が、操作キーを操作してその画面の「エラー情報履歴」項目23aを選択すると、エラー情報履歴表示手段71bが、液晶表示領域23に図50に示すエラー情報履歴画面23を表示する。
一方、簡易操作では、係員がドアキー2を左回転させてその状態を一定時間、例えば3秒間保持すると、エラー情報履歴表示手段71bが、液晶表示領域23に、図51に示す簡易ホールメニューのエラー情報履歴画面23を表示する。この場合には、ドアキー2が元の位置に戻されると画面は直前の遊技画面に復帰する。
図50に示すホールメニュー画面のエラー情報履歴と図51に示す簡易ホールメニュー画面のエラー情報履歴は、ともに、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に格納されたデータに基づいて作成される。
ただし、図50に示すエラー情報履歴と異なり、図51のエラー情報履歴には、「MAIN POWER UP」、「MAIN POWER DOWN」、「SUB POWER UP」および「SUB POWER DOWN」は表示されないが、遊技機の設置されている店舗の運営上の不都合は発生しない。
図50は、液晶表示領域23に表示したホールメニューのエラー情報履歴の一例を示す。例えば、No.12に示すエラー内容の「MAIN POWER UP」は、メインCPU31がリブートしたことを示しており、No.10の「SUB POWER DOWN」は、サブCPU71に電断が発生したことを示しており、No. 9の「SUB POWER UP」は、サブCPU71が、メインCPU31から「電源投入コマンド」を受信したが、この「電源投入コマンド」が、電源投入後の初めてのコマンドではないことを意味している。
図50のエラー情報履歴のNo.6に示すエラー内容の「MAIN POWER DOWN」は、サブCPU71が、メインCPU31から「電源投入コマンド」を受信したが、この「電源投入コマンド」が、電源投入後の初めてのコマンドではなく、さらに、「電断発生コマンド」を受信したことを意味しており、No.5は、サブCPU71が、メインCPU31から「電源投入コマンド」を受信したが、この「電源投入コマンド」が、電源投入後の初めてのコマンドではないことを意味する。
図50のエラー情報履歴のNo.3および2に示すエラー内容の「POWER DOWN」および「POWER UP」は、それぞれ、正常に電源遮断および電源投入がされたことを意味する。
また、図50のエラー情報履歴のNo.1に示すエラー内容の「MAIN RAM CLR」は、副制御回路70のメインRAMエラー検知手段が、主制御回路60からRAMエラーに関するコマンドを検知したときに、エラー情報登録手段71aによって登録されたエラー履歴であり、メインRAM33にRAMエラーが発生したことを意味する。
[副制御回路の制御動作]
次に、図54を参照しながらサブCPU71の電源投入処理について説明する。図54はサブCPU71の副電源投入手段により実行される電源投入処理のフローチャートである。
サブCPU71の電源投入処理は、OS内の初期化処理であり、最初に、サブCPU71の電源が投入されると、CPUおよび内部デバイスの初期化や周辺ICの初期化を行うためにサブCPU初期設定処理が実行される(ステップS451)。
次に、サブCPU71は、各種のタスク起動要求のために、後述の図56に示すマザータスクの起動要求処理を実行する(ステップS452)。そして、サブCPU71は、電源投入は既に行われているため、サブRAM73−1のゲームデータ領域73a−1に記憶されている電源投入コマンド待ちフラグをオフにして(ステップS453)、電源投入処理を終了する。
また、副制御回路70の電断検知回路76が、電源電圧の低下、例えば、8Vまで電圧が低下したことを検知すると、電断検知信号を出力する。サブCPU71は、外部割込ポート(NMI)からの割込入力により、図55に示すサブCPUの電断割込処理を実行する。
図55のサブCPUの電断割込処理では、サブCPU71のエラー情報登録手段71aが、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、「POWER DOWN」と発生日時を登録する(ステップS461)。例えば、そのエラー履歴は、サブCPU71のエラー情報履歴表示手段71bによって、図50に示すエラー情報履歴のNo.3のエラー内容の「POWER DOWN」および発生日時「2012/12/31 23:10:53」のように表示される。
次に、サブCPU71は、バックアップ作成処理を実行する(ステップS462)。バックアップ作成処理では、バックアップRAM73−2に、サブRAM73−1に複写されるデータがバックアップされる。
具体的には、例えば、サブCPU71が、サブRAM73−1のゲームデータ領域73a−1、ゲームデータサム値領域73b−1、係員操作設定データ領域73g−1および係員操作設定データサム値領域73h−1のデータを、それぞれ、バックアップRAM73−2のバックアップデータ1領域73a−2、バックアップデータ1サム値領域73b−2、係員バックアップデータ領域73e−2および係員バックアップデータサム値領域73g−2にバックアップする。
また、ミラーリングとして、サブCPU71は、サブRAM73−1のゲームデータ領域73a−1およびゲームデータサム値領域73b−1を、それぞれ、バックアップRAM73−2のバックアップデータ2領域73c−2およびバックアップデータ2サム値領域73d−2に複写する。これにより、サブCPUの電断割込処理は終了する。
なお、メインCPU31と異なり、サブCPU71の電断割込処理では、サブCPU71はサム値の計算は行わない。サブCPU71によるサム値の計算は、有効コマンド受信時、演出モード変更時等ごとに行われている。
また、本実施例では、電断発生時にバックアップ作成処理を行っているが、それに限らず、有効コマンド受信時、演出モード変更時、または、1遊技の終了時にバックアップ作成処理を行うようにしてもよい。
図56は、サブCPU71により実行されるマザータスクの要求処理の一例を示す。
図56に示すマザータスクの要求処理は、OSに遊技機1の機能に必要なタスクの起動要求をする処理である。まず、サブCPU71は、メインタスク起動要求をする(ステップS501)。次に、サブCPU71は、サブタスクの起動要求として、役物制御タスク起動要求(ステップS502)、ランプ制御タスク起動要求(ステップS503)、サウンド制御タスク起動要求(ステップS504)、主基板通信タスク起動要求(ステップS505)、アニメタスク起動要求(ステップS506)をする。
次に、図57を参照して副制御回路70における主基板通信受信割込処理について説明する。なお、図57は、本実施の形態の副制御回路70における主基板通信受信割込処理のフローチャートを示す図である。この副制御回路70における主基板通信受信割込処理のプログラムは、主制御回路60から副制御回路70に送信データが送信された時に、サブCPU71が割込処理として実行する。
サブCPU71は、受信データレジスタから受信データを取得する(ステップS511)。また、サブCPU71は、受信データレジスタから受信ステータスデータを取得する(ステップS512)。さらに、サブCPU71は、受信データと、その受信データに関する受信ステータスデータとを、各キューバッファに登録し(ステップS513)、主基板通信受信割込処理を終了する。
サブCPU71は、上述したステップS511〜ステップS513の主基板通信受信割込処理を1回実行することにより、1バイトの受信データを処理するようになっている。本実施の形態では、1コマンドは8バイトのデータから構成される。したがって、サブCPU71は、ステップS511〜ステップS513を8回連続して処理することにより、シリアルデータ通信の実行により1コマンドの処理を完了するようになっている。
[演出登録処理]
次に、図58から図62に示すフローチャートを参照して、副制御回路70の遊技に関する動作について説明する。
図58は、本実施の形態のサブCPU71により行われる演出登録処理のフローチャートを示す図である。
初めに、サブCPU71は、演出登録処理に4msの周期を設定する(ステップS521)。次に、サブCPU71は、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS522)。次いで、サブCPU71は、メッセージキューにメッセージはあったか否かを判別する(ステップS523)。
ステップS523において、サブCPU71は、メッセージキューにメッセージがあったと判別したときには、図59のメインコマンド判定処理を実行する(ステップS524)。
ステップS524に続いて、サブCPU71は、サブRAM73−1に3−1のゲームデータ領域73a−1に記憶されているメインRAMエラーフラグがオンか否かを判別する(ステップS525)。
サブCPU71は、ステップS525においてメインRAMエラーフラグがオンではないと判別したときには、メッセージキューから取り出したメッセージから遊技情報をサブRAM73−1に複写し、続いて、演出内容決定処理を行う(ステップS527)。演出内容決定処理では、詳しくは図62を参照しながら説明する通り、メインCPU31から送信された各種コマンドに応じた演出内容が決定され、受信したコマンドで特定される例えば遊技状態や動作状態に応じた演出データがサブRAM73−1に登録される。
次に、サブCPU71は、ステップS527において演出内容決定処理を行った後、ステップS523においてメッセージキューにメッセージはなかったと判別したとき、または、ステップS525においてメインRAMエラーフラグがオンであると判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(ステップS528)。
具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて、サブRAM73−1に、アニメーションデータの登録を行う。これにより、液晶表示装置5に画像が表示されるようになる。すなわち、サブCPU71は、演出内容決定処理において決定された演出データに基づいて、画像表示コマンドをGPU74に送信する。
なお、ステップS523においてメッセージキューにメッセージはなかったと判別したとき、または、ステップS525においてメインRAMエラーフラグがオンであると判別したときは、画面に変化が生じない。
GPU74は、受信した画像表示コマンドに基づいて、VRAM75に展開されている画像データの中から適当な画像データを選択するとともに当該画像データの表示位置や大きさを決定し、画像データをVRAM75に備えられた一方のフレームバッファに格納する。
GPU74は、所定の周期(1/30秒)毎にフレームバッファ領域の表示画像データ領域と書込画像データ領域とを入れ換えるバンク切換処理を行う。バンク切換処理においてGPU74は、書込画像データ領域に書き込まれている画像データを液晶表示装置5に出力するとともに、表示画像データ領域を書込画像データ領域に入れ換え、次に表示すべき画像データの書き込みを行う。
次に、サブCPU71は、サブRAM73−1に、サウンドデータの登録を行う(ステップS529)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録した演出データに基づいて、サウンドデータの登録を行う。これにより、スピーカ21L、21Rから音が出力されるようになる。
次に、サブCPU71は、サブRAM73−1に、LEDデータの登録を行う(ステップS530)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録した演出データに基づいて、LEDデータの登録を行う。これにより、各種操作パネル101〜103、表示パネルユニット110が点灯したり消灯したりする。
続いて、サブCPU71は、サブRAM73−1に、役物演出データの登録を行う(ステップS531)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録した演出データに基づいて、役物演出データの登録を行う。この処理が終了すると、サブCPU71は、4msの周期待ちをして(ステップS532)、ステップS311の処理に戻る。
図59は、サブCPU71によって行われるメインコマンド判定処理のフローチャートを示す。
メインコマンド判定処理は、サブCPU71が、メインCPU31からの電源投入、電断発生、RAMエラーに関するコマンドの判定を行うもので、サブCPU71は、まず、図60で詳述するメイン電源投入判定処理を行い(ステップS541)、続いて、図61で詳述するメインRAMエラー判定処理を行う(ステップS5542)。
電源投入および電断発生に関するエラーには専用コマンドが用いられ、RAMエラーには、エラーコマンドのパラメータにRAMエラー(rr)を割り付けたものが用いられる。
図60は、サブCPU71の電源投入判定処理手段によって行われるメイン電源投入判定処理のフローチャートを示す。
メイン電源投入判定処理では、サブCPU71は、まず、電源投入コマンドを受信し、かつ、電源投入コマンド待ちフラグはオフになっているか否かを判別する(ステップS551)。
電源投入コマンド待ちフラグは、図54のサブCPU71の電源投入処理でオフにセットされ、メインCPU31からのコマンド受信でオンにセットされる。
このため、サブCPU71は、ステップS551において、電源投入コマンドを受信していて、かつ、電源投入コマンド待ちフラグはオフになっていると判別したときには、サブCPU71が受信したコマンドは電源投入コマンドであると判断し、正常に電源投入されたことを示すために、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、「POWER UP」および発生日時を登録する(ステップS552)。
サブCPU71は、ステップS551において、少なくとも電源投入コマンドを受信していないか、または、電源投入コマンド待ちフラグはオフではないと判別したときには、続いて、電源投入コマンドを受信し、かつ、電源投入コマンド待ちフラグはオンであるか否かを判別する(ステップS553)。
サブCPU71は、既に電源投入コマンドを受信しているにもかかわらず、再度、メインCPU31が電源投入コマンドを送信したことから、メインCPU31がリブートしたと判断されるため、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、「MAIN POWER UP」および発生日時を登録する(ステップS554)。
ステップS554に続いて、サブCPU71は、電断発生コマンド受信フラグはオンか否かを判別する(ステップS555)。
サブCPU71は、ステップS555において、電断発生コマンド受信フラグはオンであると判別したときには、メインCPU31だけにリブートが発生したと判断し、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、「MAIN POWER DOWN」およびメインCPU31の電断の発生日時を登録する(ステップS556)。
一方、サブCPU71は、ステップS553において、少なくとも電源投入コマンドを受信していないか、または、電源投入コマンド待ちフラグはオンではないと判別したときには、続いて、電源投入コマンド待ちフラグはオフ、かつ、電源投入コマンド以外を受信か否かを判別する(ステップS557)。
サブCPU71は、ステップS557において、電源投入コマンド待ちフラグはオフ、かつ、電源投入コマンド以外を受信したと判別したときには、副制御回路70側で電源投入後に最初に受信したコマンドが「電源投入コマンド」ではないため、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として登録されている「POWER DOWN」を「SUB POWER DOWN」に変更する(ステップS558)。「POWER DOWN」の登録は、図55に示すサブCPU71の電断割込処理によって行われたものである。なお、副制御回路70の電断はウォッチドッグタイマによる場合もあるため、「POWER DOWN」が最新のものでない場合には、「POWER
DOWN」を「SUB POWER DOWN」に変更することはしない。
ステップS558に続いて、サブCPU71は、エラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、「SUB POWER UP」および発生日時を登録する(ステップS559)。これは、サブCPU71がリブートしたことを示す。
サブCPU71は、ステップS559の終了後、ステップ552の終了後、ステップS555において、少なくとも電源投入コマンドを受信してないか、もしくは、電源投入コマンド待ちフラグはオンではないと判別したとき、または、ステップS556の終了後、電断発生コマンド受信フラグをオフにセットする(ステップS560)。
サブCPU71は、ステップS560の終了後、または、ステップS557において、少なくとも電源投入コマンド待ちフラグはオフではないか、もしくは、電源投入コマンド以外を受信していないと判別したときには、電源投入コマンド待ちフラグをオンにセットする(ステップS561)。
ステップS561に続いて、サブCPU71は、電断発生コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS562)。サブCPU71は、電断発生コマンドを受信していないと判別したときには、メイン電源投入判定処理を終了させる。
一方、サブCPU71は、ステップS562において、電断発生コマンドを受信した判別したときには、電断発生コマンド受信フラグをオンにセットし(ステップS563)、続いて、RTC70aによる受信日時をサブRAM73−1のメイン電断日時領域に保存する(ステップS564)。電断発生コマンド受信フラグのオンの設定およびメイン電断日時領域に保存した電断の受信日時は、バックアップRAM73−2に割り当てているそれぞれの領域に複写される。
図61は、サブCPU71によるメインRAMエラー判定処理のフローチャートを示す図である。
サブCPU71は、最初に、メインRAMエラー判定手段71cがメインCPU31からエラーコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS571)。エラーコマンドは、メインCPU31で検知されるエラー内容をサブCPU71に送信し、サブCPU71がサブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1にエラー情報として登録するためのコマンドで、以下のエラーを登録する。ホッパーエンプティエラー、ホッパージャムエラー、投入メダル通過チェックエラー、投入メダル通過時間エラー、投入メダル逆行エラー、補助収納庫満杯エラー、イリーガルヒットエラー、RAMエラーである。
RAMエラーの場合には、メインCPU31が、リセット割込初期化処理(図47)を実行する際に、少なくともRAMが異常、または、電断発生フラグがオフ、または、設定キーがオンのときに、メインCPU31からサブCPU71に送信される。
サブCPU71は、ステップS571において、エラーコマンドを受信したと判別したときには、エラーコマンドのパラメータデータを取得する(ステップS572)。パラメータデータはエラーコード番号である。
次に、サブCPU71は、パラメータはエラー発生であるか否かを判別し(ステップS573)、パラメータはエラー発生ではないと判別したときには、パラメータはエラーの解除であるため、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、解除したエラーの解除日時を登録する(ステップS577)。
一方、サブCPU71は、ステップS573において、パラメータはエラー発生であると判別したときには、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に、エラー情報履歴として、発生したエラーと発生日時を登録する(ステップS574)。
ステップS574に続いて、サブCPU71は、発生したエラーはRAMエラーか否かを判断する(ステップS575)。
サブCPU71は、ステップS575において、発生したエラーはRAMエラーであると判別したときには、メインRAMエラーフラグにオン状態をセットする(ステップS576)。ここで、メインRAMエラーフラグにオン状態がセットされたことを契機として、メインRAM33に異常が発生した旨を示すRAM異常情報が液晶表示装置5に表示される。すなわち、サブCPU71は、副制御回路70において主制御回路60のメインRAM33のデータが破壊されたことを示すエラーコマンドをメインCPU31から受信した場合に、例えば、図53に示すように、液晶表示装置5の液晶表示領域23のほぼ全面に、RAMデータに異常が生じたため遊技を続行できない旨の情報を表示する。そして、サブCPU71の制御により、遊技機1は正常な遊技を続行できない状態に移行される。
サブCPU71は、ステップS571において、エラーコマンドを受信していないと判別したとき、ステップS575において、発生したエラーはRAMエラーではないと判別したとき、ステップS576を実行した後、またはステップS578を実行した後には、確認スイッチ27Sがオンか否かを判別する(ステップS578)。
サブCPU71は、ステップS578において、確認スイッチ27Sがオンであると判別したときには、メインRAMエラーフラグをオフ状態にセットして(ステップS579)、メインRAMエラー判定処理を終了する。ステップS579において、メインRAMエラーフラグにオフ状態がセットされたことを契機として、サブCPU71により、ステップS576で行ったRAM異常情報の表示が解除される。その結果、液晶表示装置5に表示される画面は元の画面に戻り、サブCPU71の制御により、遊技機1は遊技を続行できる状態に移行される。また、サブCPU71は、ステップS578において、確認スイッチ27Sがオンではないと判別したときにも、メインRAMエラー判定処理を終了する。このように、サブCPU71のメインRAMエラー判定処理を終了させるために、確認スイッチ27Sをオンにする操作を必要とすることによってゴト行為の抑止につながる。
次に、図62を参照して、図61に示すサブCPUにより行われる演出登録処理のフローチャートの中の演出内容決定処理について説明する。なお、図62は、演出内容決定処理のフローチャートを示す図である。
初めに、サブCPU71は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。サブCPU71は、スタートコマンドを受信したと判別したときには、スタートコマンド受信時処理を行い(ステップS602)、演出データの決定や実行等の各種の処理を行う。続いて、サブCPU71は、スタート時用の演出データを登録し(ステップS603)、演出内容決定処理を終了する。
一方、サブCPU71は、ステップS601においてスタートコマンドを受信していないと判別したときには、次いで、リール停止コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS604)。
ステップS604において、サブCPU71は、リール停止コマンドを受信したと判別したときには、リール停止コマンド受信時処理を行い(ステップS605)、作動ストップボタンの種別等に応じて、停止時の演出データを登録して(ステップS606)、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU71は、ステップS604の処理においてリール停止コマンドを受信していないと判別したときには、次いで、表示コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS607)。サブCPU71は、表示コマンドを受信したと判別したときには、表示コマンド受信時処理を行って(ステップS608)、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU71は、ステップS607の処理において表示コマンドを受信していないと判別したときには、次いで、BETコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS609)。サブCPU71は、BETコマンドを受信したと判別したときには、投入枚数等に応じて、BET時の演出データを登録して(ステップS610)、演出内容決定処理を終了させる。
サブCPU71は、ステップS609の処理においてBETコマンドを受信していないと判別したときには、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS611)。サブCPU71は、ボーナス開始コマンドを受信したと判別したときには、ボーナス開始時用演出データを登録し(ステップS612)、演出内容決定処理を終了する。
サブCPU71は、ステップS611の処理においてボーナス開始コマンドを受信していないと判別したときには、次いで、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS613)。サブCPU71は、ボーナス終了コマンドを受信していないと判別したときには、演出内容決定処理を終了させる。一方、サブCPU71は、ボーナス終了コマンドを受信したと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時処理を行い(ステップS614)、ボーナス終了時用演出データを登録して(ステップS615)、演出内容決定処理を終了する。
[サブCPUの主基板通信処理]
次に、図63を参照してサブCPU71の主基板通信処理について説明する。なお、図63は、本実施の形態のサブCPU71の主基板通信処理のフローチャートを示す図である。
サブCPU71は、通信メッセージキューの初期化を行う(ステップS621)。次に、サブCPU71は、コマンド種別は正常か否かを判別する(ステップS622)。
サブCPU71は、ステップS622において、コマンド種別が正常ではないと判別したときには、ステップS622を繰り返す。
サブCPU71は、ステップS622において、コマンド種別が正常であると判別したときには、例えば、受信したコマンドが無操作コマンドでなければ、受信したコマンドから遊技情報を作成し、サブRAM73−1のゲームデータ領域73−1の73a−1に格納する(ステップS623)。
次に、サブCPU71は、演出内容決定処理を行う(ステップS624)。演出内容決定処理では、詳しくは図62に示すように、メインCPU31から送信された各種コマンドに応じた演出内容を決定し、受信したコマンドで特定される例えば遊技状態や動作状態に応じた演出データをサブRAM73−1に登録する。
次に、サブCPU71は、ランプデータ決定処理を行い(ステップS625)、サウンドデータ決定処理を行い(ステップS626)、さらに、決定された各データをサブRAM73−1のゲームデータ領域73a−1に登録して、処理をステップS622に戻す。
本実施の形態の遊技機1では、ドアキー2の操作により簡易ホールメニューのエラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させることができるので、係員は遊技機1の設定キーを操作することなくエラー情報履歴を確認できるようになる。このため、係員は営業時間中であっても遊技機1のエラー情報履歴を表示させることができるので、エラーの原因特定をより効果的に促進できるようになる。
このように、ドアキー2を保有している係員であれば容易にエラー情報履歴を表示できるとともに、通常はドアキー2を保有する係員は設定キーを保有する係員よりも多いことから、利便性を向上することができる。
また、本実施の形態の遊技機1では、サブCPU71は、通信エラーの発生が検出された場合に、通信異常が発生したことと、その発生時刻と、その解除時刻とをエラー情報としてサブRAM73−1に逐次記憶させるようになっている。
さらに、サブCPU71は、記憶したエラー情報からエラー情報履歴を作成し、ドアキー2の操作により情報開示要求があった場合に、エラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させる。
このため、遊技機1での通信エラー報知の不正な解除を確認できるとともに、通信エラー報知の発生時刻や解除時刻を後から確認できるようになる。
さらに、サブCPU71は、上記の通り、サブRAM73−1のエラー情報履歴格納領域73d−1に記憶したエラー情報からエラー情報履歴を作成し、ホールメニュー画面から情報開示要求があった場合には、図50に示すエラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させる。
また、上述した本実施の形態の遊技機においては、遊技機1をパチスロ機とした場合について説明した。しかしながら、本発明に係る遊技機においては、これに限られず、後述するように、例えば、図柄の変動表示装置を有するパチンコ機に対しても適用することができる。
以上のように、本実施の形態の遊技機は、メインCPU31で発生した電源投入および電源断絶の発生日時がエラー情報履歴に登録されるので、後に、それを確認することができる。
また、メインCPU31で発生したメインRAMエラーをサブCPU71で受信し、それをエラー情報履歴に登録することにより、メインCPU731で発生したメインRAMエラーがハード異常によるものかゴト行為によるものかの確認をすることができる。
[パチンコ遊技機の構成]
本発明は、パチスロに限定されるものではなく、パチンコ遊技機にも適用することができる。以下、パチンコ遊技機について説明する。
図64、図65および図66に示すように、パチンコ機1010は、ガラスドア1011、木枠1012、ベースドア1013、遊技盤1014、皿ユニット1020、画像を表示する液晶表示装置1032、遊技球を発射する発射装置1130、図示しない払出ユニット及び基板ユニット等から構成されている。
ガラスドア1011は、ベースドア1013に対して回転軸により開閉自在になるように取り付けられている。ガラスドア1011の中央には、開口1011aが形成されており、その開口1011aには、透過性を有する保護ガラス1019が配設されている。
皿ユニット1020は、上皿1021及び下皿1022を一体化したユニット体であり、ベースドア1013におけるガラスドア1011の下部に配設されている。上皿1021及び下皿1022には、遊技球の貸し出し、遊技球の払い出し(賞球)を行うための払出口1021a、1022aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿1021には、後述する遊技領域1015に発射させるための遊技球が貯留される。
発射装置1130は、ベースドア1013の右下部に配設され、遊技者によって操作可能な発射ハンドル1026と、皿ユニット1020の右下部に適合するパネル体1027とを備えている。発射ハンドル1026は、パネル体1027の表側に設けられている。パネル体1027の裏側には遊技球を発射するための駆動装置が設けられている。遊技者は、発射ハンドル1026を操作することで遊技球を発射して遊技を進めることができる。
遊技盤1014は、保護ガラス1019の後方に位置するように、ベースドア1013の前方に配設されている。遊技盤1014の後方には、液晶表示装置1032などが配設されている。ベースドア1013の後方には、払出ユニット及び基板ユニットが配設されている。下皿1022の下部には、図示しない演出用のスピーカが配設されている。
遊技盤1014は、その全部が透過性を有する板形状のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。また、遊技盤1014は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1015を有している。遊技領域1015には、複数の遊技釘1017が打ちこまれている。また、遊技盤1014の左下部には、LEDユニット1053が設けられている。
液晶表示装置1032は、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されている。液晶表示装置1032は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域1032aを有している。表示領域1032aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。
発射ハンドル1026は回転自在であり、その裏側には駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル1026の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。発射ハンドル1026の内部には、発射ハンドル1026の回転量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
タッチセンサ(図示せず)に遊技者が接触したときには、遊技者により発射ハンドル1026が握持されたと検知される。発射ハンドル1026が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回転操作されたときには、その回転角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿1021に貯留された遊技球が遊技領域1015に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル1026を握持しかつ回転させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
遊技盤1014の左下方には、一般入賞口1056a、1056b、1056cを形成する部材が配置されており、この部材におけるLEDユニット1053との対向部位は透明になっている。このため、遊技盤1014の左下方からLEDユニット1053が視認可能となる。LEDユニット1053には、図66に図示した特別図柄表示装置、普通図柄表示装置1033、第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b、第2特別図柄保留表示LED1034c、1034d、普通図柄保留表示LED1050a、1050b等が設けられている。
特別図柄表示装置は、16個のLEDによって構成されている。これら16個のLEDは、8個のLEDからなる2つのグループに分かれており、一方のグループは、第1始動口1023への始動入賞を契機として変動表示を行うものであり、他方のグループは、第2始動口1044への始動入賞を契機として変動表示を行うものである。なお、以下の説明の便宜上、一方のLEDのグループを第1特別図柄表示装置1035a図66参照)、他方のLEDのグループを第2特別図柄表示装置1035b(図66参照)と称する。
第1、第2特別図柄表示装置1035a、1035bのLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、グループ単位で点灯・消灯を繰り返すことで特別図柄の変動表示を行う。そして、特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この当り遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ1040が開放状態に制御され、大入賞口1039に遊技球が受け入れ可能な状態となる。
普通図柄表示装置1033は、2つの表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって普通図柄として変動表示され、その停止態様により普通電動役物1048の開放が行わる。
普通図柄保留表示LED1050a、1050bは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。
第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034dは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。
また、液晶表示装置1032の表示領域では、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
図65に示すように、遊技盤1014上には、二つのガイドレール1030(1030a及び1030b)、ステージ1055、第1始動口1023、第2始動口1044、通過ゲート1054、シャッタ1040、大入賞口1039、一般入賞口1056a、1056b、1056c、1056d、普通電動役物1048等が設けられている。
ステージ1055は遊技盤1014の上部に設けられ、ガイドレール1030は遊技領域1015を囲むように設けられている。
ガイドレール1030は、外レール1030aと、内レール1030bとから構成される。発射された遊技球は、ガイドレール1030に案内されて、遊技盤1014の上部に移動し、前述した複数の遊技釘(図示せず)、ステージ1055などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1014の下方に向かって流下する。具体的には、ステージ1055の左側を流下する系統(いわゆる、左打ち)と、発射ハンドル1026を右側に最大に回転させて、ステージ1055の右側に遊技球を打ち込み、ステージ1055の右側を流下する系統(いわゆる、右打ち)がある。
第1始動口1023は、遊技盤1014の中央の下方に設けられている。通過ゲート1054はステージ1055の右側上部に設けられ、この通過ゲート1054の下方に第2始動口1044が設けられている。普通電動役物1048は、第2始動口1044に設けられている。
また、普通電動役物1048は、遊技盤面に対して前後方向に、突出、引き込みを行う舌状部材1048aを備えている。普通電動役物1048は、舌状部材1048aの突出時に第2始動口1044への遊技球の入賞を可能とし、引き込み時に第2始動口1044への遊技球の入賞を不可能としている。なお、普通電動役物1048は、一対の羽根部材が開放、閉鎖するもの(いわゆる、電動チューリップ)であってもよい。
また、右打ち時は、遊技釘1017によって遊技球がステージ1055の右側から第1始動口1023に入賞不可能なように構成されている。
また、普通図柄の変動表示中において通過ゲート1054を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示LED1050a、1050bによる表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート1054への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
なお、普通図柄表示装置1033において普通図柄として特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1032の表示領域において表示されるようにしてもよい。
また、シャッタ1040は、第1始動口1023の直下に配置され、大入賞口1039を開閉するようになっている。シャッタ1040の直下の遊技領域1015の最下部位には、アウト口1057が形成されている。一般入賞口1056a、1056b、1056cは、遊技領域1015の左側下部に設けられている。また、遊技領域1015の右側下部には、一般入賞口1056dが設けられている。
また、前述した第1始動口1023内には入賞領域が設けられ、この入賞領域には第1始動入賞口スイッチ1116(図66参照)が備えられている。第2始動口1044内には入賞領域が設けられ、この入賞領域には第2始動入賞口スイッチ1117(図66参照)が備えられている。遊技球が第1始動入賞口スイッチ1116によって検出されると、第1特別図柄表示装置1035aによる特別図柄の変動表示が開始される。
また、特別図柄の変動表示中に第1始動口1023へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口1023への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、以降の説明において、第1始動口1023への遊技球の入球に基づいて第1特別図柄表示装置1035aに変動表示される特別図柄を第1特別図柄と称する。
また、遊技球が第2始動入賞口スイッチ1117によって検出された場合、第2特別図柄表示装置1035bによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に第2始動口1044へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口1044への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、以降の説明において、第2始動口1044への遊技球の入球に基づいて第2特別図柄表示装置1035bに変動表示される特別図柄を第2特別図柄と称する。
ここで、第1特別図柄表示装置1035aと第2特別図柄表示装置1035bとは同時に特別図柄が変動することはない。また、第2始動口1044への始動入賞を優先に特別図柄の変動表示が行われる。
なお、第1始動口1023、第2始動口1044への入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、シャッタ1040が開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口1039は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ1040の背面側(後方)に設けられた大入賞口1039には、カウントスイッチ1104(図66参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば7個)通過するか、又は所定時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)が経過するまでシャッタ1040が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口1039への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ1040は、閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口1039は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。
なお、一定時間において、大入賞口1039が遊技球を受け入れやすい状態となっている遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ1040は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、"1"ラウンド、"2"ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。なお、この例においては、1ラウンドにおいて、複数回シャッタ1040を開閉して、開放状態となる時間を一定時間とする場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ1040は、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームが終了した場合には、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技あるいは大当り遊技という。なお、この例においては、全ての大当りは15ラウンドである。
また、前述した第1始動口1023、第2始動口1044、一般入賞口1056a〜1056d、大入賞口1039に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿1021又は下皿1022に払い出される。
また、この例においては、大当り遊技終了後に、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となり、普通電動役物1048によるサポートによって特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなる時短状態に移行する場合がある。ここで、時短状態においては、通過ゲート1054に遊技球を通過させることが、普通図柄抽選を実行させる条件となるため、右打ちをしながら遊技を進行することになる。
また、右打ち状態で大当りが発生した場合には、そのまま右打ちを継続することにより、大入賞口1039へ入賞させることが可能である。また、普通電動役物1048によるサポートが受けられない場合には、左打ちをしながら遊技を進行することになる。
また、図64に示すように、上皿1021の前面には、演出ボタン1080a,1080b,1080cが設けられており、目押しゲーム、カードめくり、すごろく等のようなミニゲーム中に、それらの演出ボタンを押下することにより、液晶表示装置1032における演出表示内容を変えることができる。
なお、パチンコ機1010においては、演出手段の一例として液晶表示装置を記載したが、これに限らず、プラズマディスプレイやリアプロジェクションディスプレイ、CRTディスプレイ、ランプ、スピーカや可動役物等を演出手段として用いてもよい。
次に、図66を参照して、パチンコ機1010の電気的構成について説明する。
図66に示すように、パチンコ機1010は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1060と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路1200とから構成される。
主制御回路1060は、メインCPU1066、メインROM1068(読み出し専用メモリ)、メインRAM1070(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU1066には、メインROM1068、メインRAM1070等が接続されており、このメインROM1068に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM1068には、メインCPU1066によりパチンコ機1010の動作を制御するためのプログラム、メイン処理等をメインCPU1066に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM1070は、メインCPU1066の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、メインCPU1066の一時記憶領域としては、メインRAM1070に限らず、その他の読み書き可能な記憶媒体を用いてもよい。
また、主制御回路1060は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路1064、I/Oポート1071、コマンド出力ポート1072を備えている。また、初期リセット回路1064は、メインCPU1066に接続されている。I/Oポート1071は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU1066に、メインCPU1066からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出力ポート1072は、メインCPU1066からのコマンドを副制御回路1200に送信するものである。また、主制御回路1060は、バックアップコンデンサ1074を備えている。バックアップコンデンサ1074は、電断時において、例えば、メインRAM1070に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM1070に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
また、主制御回路1060には、各種の装置が接続されている。例えば、主制御回路1060には、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035b、第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034d、普通図柄表示装置1033、普通図柄保留表示LED1050a、1050b、普通電動役物1048の舌状部材1048aを突出状態又は引込状態とする始動口ソレノイド1118、シャッタ1040を駆動させ、大入賞口1039を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド1120等が接続されている。
また、主制御回路1060には、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ機を管理するホールコンピュータ1400にデータ送信するために用いる外部端子板1310が接続されている。
また、主制御回路1060には、例えば、大入賞口1039における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給するカウントスイッチ1104、各一般入賞口1056を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞口スイッチ1106、1108、1110、1112、通過ゲート1054を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する通過ゲートスイッチ1114、第1始動口1023を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する第1始動入賞口スイッチ1116、第2始動口1044を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する第2始動入賞口スイッチ1117、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ1124等が接続されている。
また、主制御回路1060には、払出・発射制御回路1126が接続されている。この払出・発射制御回路1126には、遊技球の払出を行う払出装置1128、遊技球の発射を行う発射装置1130、カードユニット1300が接続されている。カードユニット1300は、遊技者の操作によって、カードユニット1300に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル1155との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路1126は、主制御回路1060から供給される賞球制御コマンド、カードユニット1300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置1128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置1128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路1126は、発射ハンドル1026が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
コマンド出力ポート1072には、副制御回路1200が接続されている。副制御回路1200は、主制御回路1060から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置1032における表示制御、スピーカ1046から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。また、副制御回路1200は、本実施の形態のパチスロ遊技機において説明した副制御回路70の構成と同様の構成を有し、また各種処理を実行することができる。
以上説明したように、本実施の形態によるパチンコ遊技機によると、上記の実施の形態に係るパチスロ遊技機と同様の効果を得ることができる。