JP2017103096A - 止水性を備えたケーブル付電子部品 - Google Patents

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剛志 中川
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【課題】止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品の提供。【解決手段】弾性円筒体の周囲に配された少なくとも1本以上の導体線からなる伝送ケーブルの前記導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、さらに前記ケーブル取り出し部における前記ケーブルと前記ケースとの隙間及び前記端子部の接続部が止水体により防水されてなることを特徴とする、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。【選択図】図19

Description

本発明は、止水性を備えた伸縮性の伝送ケーブル及びケーブル付き電子部品に関するものである。
従来、電力や電気信号、光信号等を伝送する各種ケーブルが開発されているが、これらのケーブルはケーブルの長さ方向へ引っ張られる用途においては、可動域の制限があると共に断線の問題があるため不向きであった。これを解決するために、伸縮性に優れるとされるケーブルが研究されている。例えば、特許文献1には伸長する弾性円筒体の周囲に導体線を配した伸縮伝送ケーブルが、特許文献2には弾性糸の周りに導体線を捲回したものを複数本束ねた伸縮伝送ケーブルなどが知られている。
この伸縮伝送ケーブルを用いる事で多彩な動きに追従かつ高速の信号伝送が出来るため、ロボットやウエアラブル機器等に最適なケーブルである。これらの用途は屋外、特に雨天時での使用や、運動時の汗などの水環境下での使用も想定される。水環境下でも使用出来る様に伸縮伝送ケーブルに防水処理を施す場合、一般的な伸びないケーブルで使用される防水処理を施した場合、伸縮伝送ケーブルが伸長する事によるケーブル外径の変化や外部被覆層が糸などで隙間がある構造であることなどにより、伸縮伝送ケーブルの各部材と止水体との間に隙間から水漏れが生じ、伸縮伝送ケーブルの導体線と電子部品との接続部でショートする危険性があった。特許文献3には、伸縮伝送ケーブルを用いた伸縮性ワイヤーハーネスが開示されている。これにより接続部が断線しにくく、実用性の高い伸縮性ワイヤーハーネスとなるが、接着剤を用いて弾性円筒体とコンタクトを接合する事で伸縮電線とコンタクトおよびハウジングからなるコネクタとを一体にはできているものの、伸縮電線とコネクタおよびハウジング間の接合部分で防水性能を満たすように設計されておらず、満足できる防水性能ではなかった。
一般的なケーブル付電子部品としては、ケーブルの導体線と電子部品の接続部が防水性の樹脂、金属、セラミックスなどの防水素材で覆われ、かつケーブルと防水素材との間に隙間が無いように防水一体化した電子部品が用いられる。しかしながら、伸縮伝送ケーブル付電子部品を同様に防水すると、伸縮伝送ケーブルが伸長する際にケーブルの外径が細くなること、外部被覆層を用いる場合は伸縮性を大きくするために繊維糸を使用することから伸縮伝送ケーブル構成材料と防水素材との間に隙間が生じることで、その隙間から水が入り込み、伸縮伝送ケーブルの導体部と電子部品との接続部で短絡が生じる恐れがあった。
このように、従来知られている技術では、伸縮特性を有しながら、防水性能に優れたケーブル付電子部品を得ることができず、新たな技術の開発が望まれていた。
特に近年、屋外で使用されるロボットや、水環境下や高湿度環境下で使用されるロボットが実用に供し始めている。また、スポーツ分野などで使用されるウエアラブル機器では動作に追従することが求められるだけでなく、現行の伸縮電線の配線方法では人体からの汗や突然の雨により浸水が生じ、端子接続部がショートするなどにより機器の破損を防止する必要がある。これに伴い、伸縮しかつ伸縮時にも防水性能に優れたケーブルが求められているが、これらの用途に好適な伸縮伝送ケーブル付電子部品は見出されていない。
国際公開第2009/157070号 特開昭61−163513号公報 特開2010−73557号公報
本発明の目的は、止水性を備えかつ伸縮性の伝送ケーブル及び該ケーブル付電子部品を供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおりのものである。
[1] 弾性円筒体の周囲に配された少なくとも1本以上の導体線からなる伝送ケーブルの前記導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、さらに前記ケーブル取り出し部における前記ケーブルと前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなることを特徴とする、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[2] 前記伝送ケーブルの末端部又は中間部において止水体により防水されてなる、[1]に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[3] 前記伝送ケーブルを構成する前記弾性円筒体と前記導体線の隙間が止水体により防水されてなる、[1]又は[2]に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[4] 前記伝送ケーブルの周囲に防水性の外部被覆層を有し、前記外部被覆層と前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなる、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[5] 前記外部被覆層が防水性を有さない被覆層であって、前記被覆層自体、前記ケーブルと前記外部被覆層との隙間並びに前記外部被覆層と前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなる、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[6] 前記伝送ケーブルの末端部の導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、かつ前記端子部の接続部が止水体により防水されてなる、止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品である。
[7] 前記伝送ケーブルの周囲に防水性の外部被覆層を有し、前記ケーブルと前記外部被覆層との隙間が止水体により防水されてなる、[6]に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[8] 前記外部被覆層が防水性を有さない被覆層であって、前記被覆層自体、前記ケーブルと前記外部被覆層との隙間、並びに前記外部被覆層と前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなる、[6]に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[9] 前記止水体が、熱硬化性、活性化エネルギー(UV、電子線等)硬化性、湿気硬化性、化学反応硬化性の樹脂並びに熱可塑性樹脂、ホットメルト型の熱可塑性樹脂及び接着剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの止水剤の硬化体である[1]〜[8]のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[10] 前記止水剤の粘度が50Pa・s以下である、[9]に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[11] 前記止水体により防水処理されてなる前記伝送ケーブルの外径が、前記止水体を有さない部分の伝送ケーブルの外径に対して5%以上細い、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[12] 前記伝送ケーブルの末端部及び/又は中間部において、インシュロック留め具により少なくとも前記導体線と前記弾性円筒体とを一体化させた、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[13] 前記[1]〜[12]のいずれか一項に記載の電子部品の止水性評価において、前記ケーブルを加圧した際のリーク圧が100kPa以上である、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
[14] 前記[6]〜[13]のいずれか一項に記載の電子部品の止水性評価において、該ケーブルの前記端子接続部と前記止水体を介して逆側の前記導体部をミリオームテスターにより接続し、前記接続部を飽和食塩水に1分間浸漬させた時に抵抗値を実質的に示さない、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品である。
本発明の止水性を備えた伸縮伝送ケーブル及びケーブル付き電子部品は、該ケーブル及び電子部品の接続部分を防水処理することにより、ロボットをはじめウエアラブル機器などの伸縮および防水性能が必要とされるケーブル付電子部品に有用である。
本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの製造例(熱収縮チューブと止水剤からなる止水体)を示したものである。 本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの別の製造例(インサート成形)を示したものである。 本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの別の製造例(ポッティング法)を示したものである。 本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの製造例(熱収縮チューブと止水剤からなる止水体)を示したものである。 本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの別の製造例(インサート成形)を示したものである。 本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの別の製造例(ポッティング法)を示したものである。 本発明の電子部品の端子接続部と止水性を備えた伸縮伝送ケーブルとを接続する製造例(インサート成形)を示したものである。 本発明の電子部品の端子接続部と止水性を備えた伸縮伝送ケーブルとを接続する製造例(ポッティング法)を示したものである。 本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルを用いた止水性能測定用サンプルの作製方法を示したものである。 本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルを用いた止水性能測定用サンプルの作製方法を示したものである。 本発明の端子接続部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルを用いた止水性能測定用サンプルの作製方法を示したものである。 本発明の末端部で芯材の固定化処理を行った伸縮伝送ケーブルの製造例とその固定化処理の評価方法を示したものである。 本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの止水性評価方法を示したものである。 本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの止水性評価方法を示したものである。 本発明の端子接続部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの止水性評価方法を示したものである。 本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの10%伸長時の止水性評価方法を示したものである。 本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの10%伸長時の止水性評価方法を示したものである。 本発明に係る弾性円筒体の周囲に導体線を捲回する方法(ケース1)、弾性円筒体の周囲に絶縁繊維を配置し、さらにその周囲に導体線を捲回する方法(ケース2)及び外部被覆層を有する場合(ケース3)の具体例を示したものである。 本発明の末端部に止水性を備えた伸縮伝送ケーブル及び電子部品をケースにより被覆したもの(ケース1)、本発明の中間部分に止水性を備えた伸縮伝送ケーブル及び電子部品をケースにより被覆したもの(ケース2)及び本発明の端子接続部が止水体により防水された電子部品をケースにより被覆したもの(ケース3)である。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明を実施するための形態について、必要に応じて図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変更して実施できる。
本発明の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品とは、弾性円筒体の周囲に配された少なくとも1本以上の導体線からなる伝送ケーブルの前記導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、さらに前記ケーブル取り出し部における前記ケーブルと前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなることを特徴とする、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品のことを言う。
さらに、前記伝送ケーブルの末端部の導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、かつ前記端子部の接続部が止水体により防水されてなる、止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品である。
はじめに本発明で使用される伸縮性の伝送ケーブル(以下、伸縮伝送ケーブルと言う)について説明する。
本発明でいう伸縮伝送ケーブルとは、10%以上の伸縮性を持つケーブルである。本発明で用いる伸縮ケーブルは、伸度が10%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは100%以上、特に好ましくは300%以上で伸縮性に富むものであればよい。
本発明に係る少なくとも1本以上の導体線と弾性円筒体を含む伸縮伝送ケーブルは、例えば、弾性円筒体の周囲に導体線を捲回する方法(具体例を図18(ケース1)に載せた)、弾性円筒体の周囲に伸縮性を阻害しないように、絶縁繊維を配置し、弾性円筒体を形成し、その周囲に導体線を捲回する方法(同様に図18(ケース2)に具体例を示す)、コイル状バネの周囲に絶縁性繊維で編み組みを形成し、その周囲に導体線を捲回する方法、導体線と弾性長繊維をひきそろえて、または、別々に編み組む方法などにより得ることができる。
本発明に係る弾性円筒体は芯材として用いる事が出来る。ここで言う芯材は10%以上の伸縮性を持つ、長細い物体を言い、その断面形状は円形でも多角形でも良い。また、弾性円筒体を複数本束ねたものや、複数の種類の材料(例えば層状やサイドバイサイド型)で構成される弾性円筒体を芯材として用いても良い。
好ましくは導体線をバランスよく捲回するため本発明で用いる弾性円筒体は、伸度10%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは100%以上、特に好ましくは300%以上で伸縮性に富み、断面形状は好ましくは真円に近いものであればよい。その代表的なものは、所謂弾性長繊維や紡績糸、糸ゴムなどの天然樹脂や合成樹脂、さらにはコイルバネなどがある。また、弾性チューブでもよい。これらの周りに繊維被覆層等を設け、弾性円筒体としたものでも良い。
本発明に係る伸縮伝送ケーブルに用いる導体線は、止水性の観点から導体細線各々または導体細線の集合体として、絶縁されていることが必須である。絶縁層の厚みや種類は目的や用途により任意に設計される。絶縁材は、絶縁性、伝送性、柔軟性を加味して選択される。絶縁材は、公知の絶縁材料から任意に選ぶことができる。信号伝送性の観点からは、誘電率の低い素材が好ましく、フッ素系、ポリオレフィン系等の絶縁材がある。柔軟性の点からは、塩化ビニール系、ポリウレタン系、ゴム系等の絶縁材がある。また導体線の周りにシールドを配した同軸ケーブルを使用しても良い。
本発明で用いられる導体線は、導電性の良好な物質からなる導体細線の集合線であることが好ましい。導体細線の集合線は、やわらかく、断線しにくいため、伸縮性伝送ケーブルの伸縮性や、耐久性の向上に寄与する。導体細線は2本以上集合して1つの導体線として用いることが好ましい。集合本数の上限は特に無いが、柔軟性と、電気抵抗を勘案して任意に決めることができる。集合本数を増やすと生産性が低下するため、10000本以下が好ましい。より好ましくは1000本以下である。
前記の導電性の良い物質とは比抵抗が1×10-5Ω・cm以下の電気伝導体を言う。特に好ましくは1×10-5Ω・cm以下の金属を言う。具体的な例としては、所謂銅(比抵抗が0.2×10-5Ω・cm)、アルミ(比抵抗が0.3×10-5Ω・cm)などを挙げることができる。
銅線は、比較的安価で電気抵抗が低く細線化も容易で、最も好ましい。アルミニウム線は軽量であるから、銅線に続いて好ましい。銅線は軟銅線または錫銅合金線が一般的であるが、熱処理を施した硬銅線、強力を高めた強力銅合金(例えば、無酸素銅に鉄、燐およびインジウム等を添加したもの)、錫、金、銀または白金などでメッキして酸化を防止したもの、電気信号の伝送特性を向上させるために金その他の元素で表面処理したものなどを用いることもできるが、これに限定されるものではない。
本発明に係る伸縮伝送ケーブルは、伸縮性を有する弾性円筒体の周囲に導体線を配置することにより得ることができる。
伸縮性が発現しやすく、伸縮により導体線が折れ曲がりにくいために、螺旋状に捲回することが好ましい。弾性円筒体の周囲に捲回しても、弾性円筒体と導体線を編み組みすることによっても螺旋状の捲回状態を得ることができる。弾性円筒体は、その周囲または内部に空気の層を保有させ、弾性円筒体を形成しても良い。
2本以上の導体線を捲回する場合は、S/Zに交差して捲回しても、同一方向に捲回しても良い。
同一方向に、導体線同志がクロスして重なり合うことが無く捲回されるものは、コンパクトで伸縮性に富んだ、止水性を備えた伸縮性ケーブルを得やすく好ましい。
又、発明に用いる伸縮性伝送ケーブルは、弾性円筒体の周囲に、所謂極細同軸ケ−ブルを捲回することによっても得ることができる。
当該極細同軸ケーブルは、太さ3mm以下が好ましい。中でも、屈曲性及び柔軟性の高いものを用いることが好ましい。許容曲げ半径は5mm以下のものが好ましい。これ以上の場合は、捲回径が大きくなる、または、伸縮性が低下する。
又、本発明に用いる伸縮性伝送ケーブルは、弾性円筒体の周囲に、所謂ツイストペアケーブルを捲回することによっても得ることができる。ツイストペアケーブルを他のツイストペアケーブルと共に捲回することも、他の導体線と他のツイストペアケーブルと共に捲回することもできる。複数本のツイストペアケーブルを捲回する場合は、クロストーク防止の観点から、ツイストピッチの違うものを捲回することが好ましい。
本発明に用いる伸縮性伝送ケーブルは、弾性円筒体の周囲に、所謂フレキシブルフラットケーブルを捲回することによっても得ることができる。フレキシブルフラットケーブルの幅は10mm以下が好ましい。より好ましくは5mm以下である。
厚みは3mm以下が好ましい。含まれる導体線の数はフレキシブルフラットケーブルの幅の限界から自ずと制約される。
さらに、本発明の伸縮性伝送ケーブルは、10%以上の伸縮性を有する弾性円筒体の周囲に1本以上の光ファイバと1本以上の導体線と共に用いることで、所謂電気光複合ケーブルとすることもできる。前記光ファイバは、伝送性がよく、柔軟な光ファイバが好ましい。小さな曲げ半径でも伝送ロスが小さいものとして、コア周辺に、多数の空孔を有するホーリ型や、多数の細線に分割した、マルチコア型が知られている。ガラス光ファイバとしてはホーリ型が好ましく用いられ、プラスチック光ファイバとしてはマルチ型が好ましく用いられるが用途に応じて使用すればよい。
さらに、本発明に用いる伸縮伝送ケーブルは、弾性円筒体の周囲に自己伸縮性を有する導体線を捲回することによっても得ることができる。自己伸縮性を有する導体線を使用する事で、それにより得られた伸縮伝送ケーブルの伸縮性を阻害せず、伸縮時の応力を低減する事が出来る。自己伸縮性を有する導体線の伸縮率は好ましくは10%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上である。自己伸縮性を有する導体線では、他の導体線とは異なり樹脂による被覆を形成するとその伸縮性能が低下する事があるので、自己伸縮性を有する導体線には樹脂や繊維による被覆は必ずしも必要ではない。
本発明に用いる伸縮性伝送ケーブルにおいては、導体線と弾性円筒体が接着していてもよい。通常接着剤は伸縮性が乏しく、弾性円筒体全体を被覆するように塗布すると弾性円筒体の伸縮性が失われやすい。これを防ぐため、弾性のあるポリウレタンなどを用いて接着する方法や、導体線と弾性円筒体との接触面のみを接着させるなどの方法がある。
本発明に用いる伸縮性伝ケーブルは、導体線を他の繊維糸で平行にまたは、交差して編み組むことによって得ることもできる。例えば、導体線を1方向(例えばZ方向)に捲回し、その上から絶縁性糸条体を逆方向(S方向)に捲回することで、導体線を拘束し、伸縮によるズレを防止することができる。
さらに、導体線と逆方向に捲回されるオサエ糸に関しては、導体線の内側(弾性円筒体側)と外側を通って繊維糸を捲回し導体線を拘束することにより、繰り返し伸縮や、伸縮を伴う屈曲動作によっても、伸張時と弛緩時の導体線間隔の変化が少なく、かつ繰り返し伸縮によって導体線間隔の変化が少ない伸縮性伝送線を得ることができる。導体線の内側と外側を交互に通す場合、導体線1本ずつ交互に通してもよいし、複数の導体線を纏めて交互に通してもよい。例えば、SZ方向に捲回した導体線に対して、オサエ糸をその導体線の内側と外側を通るようにSZ方向に捲回することにより、導体線を拘束し、伸縮によるズレを防止することができる。
本発明に用いる伸縮性伝送ケーブルは外部被覆層を有しても良い。外部被覆層を有することにより、物理的な刺激や、化学的な刺激から保護され、耐久性が向上する。外部被覆層は繊維糸またはゴム弾性を持つ弾性樹脂により形成することが好ましい。図18に、前記の弾性円筒体の周囲を前記の導体線により捲回し、その周囲を外部被覆層にて被覆する具体例(ケース3)を示した。
繊維糸は、想定される使用条件に合わせて、公知の絶縁性繊維、導電性繊維から任意に選ぶことができる。また、それらの繊維糸は公知の繊維加工により、柔軟性や摩擦性の向上、難燃加工、撥油加工、防汚加工、抗菌加工、制菌加工および消臭加工など、実用時の取り扱い性を向上させることもできる。
繊維糸は、フッ素繊維、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、炭素繊維、ガラス繊維、耐炎化アクリル繊維、サラン繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリケトン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃ナイロン繊維、難燃アクリル繊維(モダクリル繊維)、キュプラ、アセテート、コットン、レーヨンなどのセルロース系繊維、絹などが挙げられる。
伸縮伝送ケーブルには弾性樹脂による被覆、または、ゴムチューブによる被覆を行うこともできる。弾性樹脂は、様々な弾性の絶縁樹脂から任意に選ぶことができ、伸縮性伝送線の用途及び同時に使用する他の絶縁繊維との相性を考慮しながら、選定することができる。
考慮すべき性能として、伝送性、伸縮性、耐磨耗性、耐熱性および耐薬品性などが挙げられる。
弾性樹脂としては、フッ素系、天然ゴム系、スチレンブタジエン系、合成ゴム系、フッ素系、シリコーン系、エチレン・プロピレン系、クロロプレン系、ブチル系等のゴム弾性樹脂が挙げられる。
絶縁体からなる外部被覆層は、絶縁繊維により編組されたものと弾性樹脂とを組み合わせることもできる。厚みの薄い弾性樹脂と、絶縁繊維による編組を組み合わせることで、被覆性と伸縮性を両立させることができる。
本発明に使用の伸縮伝送ケーブルにおいて、導体線の位置がずれないようにするために、導体線間に絶縁性の糸条体を介在させて(以下介在糸と呼ぶ)捲回することが好ましい。このとき、導体線と介在糸を一緒に、または別々に、それらの内側と外側を交互に通ってオサエ糸を捲回することも、導体線の捲回に合わせて、介在糸も片側捲回やSZ捲回を適宜選択することができる。この介在糸により線間にクッション性を持たせることができ伸縮伝送ケーブルの寿命を伸ばすことができる。
介在糸としては、例えば、塩化ビニール系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、シリコン系、天然ゴム系、合成ゴム系の繊維糸やチューブ、中実のロッドなどを用いることができる。
本発明の伸縮伝送ケーブルは、シールドされていても良い。シールドの方法は、電気伝導性のある有機繊維または、電気伝導性の良い金属細線により編み組すること、電気伝導性の良いテープ状物(例えばアルミ箔)を捲回することなどにより得ることができる。電気伝導性のある有機繊維とは、比抵抗1Ω・cm以下のものを言う。例えばメッキ繊維や、導電性フィラーを充填した繊維が上げられる。より具体的には銀メッキ繊維などが挙げられる。
次に本発明の止水体について説明する。
本発明で言う止水体とは、伸縮伝送ケーブルを構成する芯材、導体線、外部被覆層などの構成部材間にある空隙を防水のために少なくとも流動性を持たせた止水剤で隙間なく充填した上で固形化させた、防水性のものを言う。
ここで、ケーブルを構成する各部材間の隙間とは:
前記芯材と前記導体線との隙間;前記芯材と前記導体線及び前記外部被覆層との隙間;前記導体線と前記外部被覆層との隙間;
のことを意味する。
止水体には金属、セラミック、樹脂などの各種素材を原料とする収縮チューブ、キャップ、コネクタ、ケース、治具、止水テープなどの部材が止水剤と併用してもよい。
本発明の止水体に用いる止水剤としては、主成分として防水性を有する熱硬化性、活性化エネルギー(UV、電子線等)硬化性、湿気硬化性、化学反応硬化性など一般的な硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ホットメルト性を示す熱可塑性樹脂及び接着剤等が好適に用いられるが、上記に限られるものではなく、公知の樹脂、接着剤等から任意に選ぶことが出来る。この時、使用する樹脂は上記の樹脂、接着剤を単独で使用してもよく、複数混合させたものであっても良い。また止水剤には、樹脂を発泡体(シリコンフォーム等のプラスチックフォーム)にしたものも用いることができる。
前記止水剤は、伸縮伝送ケーブルを構成する導体線、芯材、外部被覆層などに対して、止水性能が十分発揮できる程度に止水剤が浸透する必要があるため、止水体形成時に粘度が高いまたは表面張力が大きい止水剤では十分な止水が行えないことがある。その為、止水剤を形成する時の粘度は50Pa・s以下の低粘度にし、その後固形化させる必要がある。止水剤の加工時の粘度はより好ましくは40Pa・s以下、さらに好ましくは30Pa・s、特に好ましくは10Pa・sである。下限は0.01Pa・sである。これよりも低粘度だと樹脂が毛細管現象により導体線、芯材、外部被覆層の間を伝わり、止水体を形成したい場所以外にも樹脂が侵食する可能性があるので好ましくない。止水剤が50Pa・s以上と粘度が高い場合、伸縮伝送ケーブルを構成する導体線、芯材、外部被覆層などの隙間に対して止水剤が十分浸透しない場合がある。
尚、止水剤の粘度は、23℃で流動性を示すものについては、同温度にて、実施例の[0071](3)に記載される粘度計にて測定した値を使用し、23℃にて流動性を示さないものについては、200℃にて、同粘度計にて測定可能なものについて測定した値を使用した。
ここで、止水体を形成するときの止水剤の温度は使用する樹脂・接着剤等の化学組成によって異なる。例えば、熱硬化性、活性化エネルギー(UV、電子線等)硬化性、湿気硬化性、化学反応硬化性は各々の樹脂特性に応じた硬化処理(熱硬化、活性化エネルギー(UV、電子線等)硬化、湿気硬化、化学反応硬化等)などの硬化性樹脂においては、硬化処理によって樹脂を硬化させる事で止水体を形成させる。しかしながら、一度硬化させると、基本的にそれら樹脂は温度を上げても溶融せず、そのまま温度を上昇させ分解温度以上になると樹脂の分解が始まる。その為、所定の温度下(例えば室温25℃など作業環境下)で樹脂形状を決めて硬化処理を行う(所定の温度条件下よりも明らかに高い温度で作業を行うと、樹脂の硬化処理が促進され、樹脂が固形化してしまう)。一方で、ホットメルトなどの熱可塑性樹脂に関しては、使用する熱可塑性樹脂の融点以上、分解点以下の温度で溶融性を示すため、それらの温度で樹脂を溶解させた状態で止水体の形を作り、冷却処理により樹脂を固形化、止水体を形成させる。たとえば後述の実施例においては、3M社製 ホットメルトシステム使用環境である200℃で溶解させて使用している。また、熱可塑性樹脂に関しては、硬化性樹脂とは異なり、再度樹脂の温度を上げる事により再溶融する。
前記止水剤の硬化時間については、使用する樹脂や接着剤の組成に加えて、加工する場所の温度・湿度などの環境にも依存する。その為、以下に室温20℃、湿度65%RHの環境下を想定した前記止水体の硬化時間の一例を紹介する。例えば、熱可塑性樹脂やホットメルト樹脂では、その止水体を形成するために一定温度(例えば200℃)で止水剤を溶融させたのちに、止水体を形成し、その後温度の低下により樹脂が硬化する。その為、一般的には数秒〜60秒程度の硬化時間を必要とする。シアノアクリレートを主成分とする接着剤や樹脂については、空気中もしくは接着剤表面の水分が開始剤となり反応が開始し、硬化する。その硬化時間は、樹脂の組成や形成したい樹脂の量にもよるが数秒〜数分以内である。エポキシ樹脂の様な1種類もしくは複数の化学成分からなる樹脂の場合は、化学反応の進行を必要とする為、その成分や反応機構により数時間から数週間ほどの時間を必要とする。UV硬化性樹脂などの活性化エネルギー硬化樹脂では、与える活性化エネルギー(例えばUV照射)の強度にもよるが数秒〜数十秒の活性化エネルギー照射および硬化時間を必要する。また上記のような止水剤の硬化処理の後に、完全硬化させるためにさらに数日〜数週間の完全硬化時間を設ける場合もある。
ただし、上記に示した前記止水剤の硬化時間はあくまで一例であり、使用した止水剤の組成に応じた適切な硬化時間、硬化方法を適宜設ければよい。
この他に、止水剤に流動性を持たせるために、熱可塑性樹脂の止水剤の温度を200℃以上に上げる、止水剤の注入圧力をあげる、止水剤に流動性を増加させる薬品や溶媒を混ぜる等の方法がある。
上記の止水剤の量については隙間が充填される程度使用し、適宜その量を調整して使用する。
なお、本発明に使用する止水剤は、段落[0035]に記載されるような主成分以外に目標とする各種物性や止水性が損なわれない範囲であれば、上記主成分以外の成分がいくらか含まれていても構わない。主成分以外の成分としては、例えば、可塑剤、滑剤、難燃剤、粘着付与剤、加硫剤、加硫助剤、安定剤、亀裂防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、防カビ剤、防鼠剤、分散剤、着色剤、耐電防止剤、充填剤、流動改質剤、各種フィラー等を挙げることができる。これらは、公知の樹脂にも添加されているものであり、その添加方法や添加量も常法に従ったものとすればよい。
本発明に使用する止水剤の調整方法については、特に制限はなく、公知の方法により調整する事が出来る。例えば、目的の止水剤成分を常温で混合した後、溶融混練など様々な方法でブレンドすればよく、その方法は特に制限はされない。混合・混練方法としては、二軸押出し機を用いた混融混練が好ましい。
末端部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルとは、伸縮伝送ケーブルの末端部分において、少なくとも一本の導体線および弾性円筒体(以下、芯材という)の部分で防水処理された止水性を備えた伸縮伝送ケーブルである。
末端部に止水体を備えた伸縮伝送ケーブルの一例としては、収縮チューブと止水剤を使用して止水体を形成し、伸縮伝送ケーブルと一体化させたものが挙げられる。具体的には、外部被覆層を数mm〜数cm程除去し、外部被覆層から導体線および芯材をストレートに引き出した状態で、下端を若干熱収縮させた熱収縮チューブに伸縮伝送性ケーブルを末端から取りつける。少なくとも一本の導体線を熱収縮チューブの下端より引き出し、かつ熱収縮チューブ内に導体線と芯材の少なくとも導体線が収まるように取り付ける(図1(1))。この時、熱収縮チューブの下端より芯材を出さなくても止水性能は担保されるが、芯材のズレや抜けを防止するために熱収縮チューブの下端より芯材を出してもよい。また、外部被覆層が熱収縮チューブ内に収まるように入れても良く、外部被覆層も熱収縮チューブ内に入れることによって外部被覆層と導体線、芯材のズレを防ぐことが出来る。また、熱収縮チューブと導体線や芯材との接着性を高めるために、止水剤を入れる前に熱収縮チューブの下端において止水剤や輪状など各種形状に固形化させた止水剤を用いて、芯材、導体線との隙間を充填してもよい。これにより、止水性能を向上させることが出来、かつ芯材のズレを防ぐことも出来る。尚、ここで伸縮伝送ケーブルとして、後述の実施例で説明するインシュロックなどで芯材と導体線を固定化させたものを使用することもできる(図1(1)の右の図)。
続いて、熱収縮チューブの下端を加熱する事で下端が閉口し、上端が開口した袋形状になる(図1(2))。上端の開口部から止水剤を入れ(図1(2)、(3))、熱収縮チューブ全体を加熱する事で(図1(4))、熱収縮チューブが小径化して伸縮伝送ケーブルに密着すると共に、止水剤が流動性を持ち、止水剤の液面が上昇し、導体線、芯材、外部被覆層間に存在する空間にいきわたることで止水性能を付与する事が出来る(図1(5))。上記の止水体は、外部被覆層がない伸縮伝送ケーブルにも形成できる。また、上記止水体を形成するとき、前記上端側(ケーブル中間部分側)から先に収縮チューブを収縮させ、続いて下端(電子部品との端子接続側)より止水剤を充填しても良い。
伸縮伝送ケーブルの末端部に使用される止水体は、金属、セラミック、樹脂など各種素材を原料とする収縮チューブ、キャップ、コネクタ、治具や止水テープを単体もしくは止水剤と併用したものでもよい。この止水体においては、上記部材を含めて止水体(止水剤の硬化物)により前記芯材と前記導体線との隙間;前記芯材と前記導体線及び前記外部被覆層との隙間;前記導体線と前記外部被覆層との隙間;を防水する事が重要である。
末端部に止水体を備えた伸縮伝送ケーブルの止水体は、各種樹脂を用いてインサート成形、プレス成型、ポッティング法など種々の形成加工方法により成形したものでも良い。インサート成形では図2の様に成形部に少なくとも芯材、導体線などが含まれている状態で、止水剤でインサート成形する事で末端部に止水体を形成する事が出来る。インサート成形では止水剤注入時の圧力を変える事で、止水体形成時の止水剤の粘度によらず止水体を形成することが出来る。ポッティング加工に関しては、たとえば図3の様に液体状態の止水剤を流し込み固形化する為、低粘度タイプの止水剤が望ましい。ただし、きわめて低粘度であると、導体線、外部被覆層、芯材などの隙間を毛細管現象で樹脂が広がる恐れがある。その為、あらかじめ、UV硬化樹脂や瞬間接着剤のような樹脂などで止水剤の流れ込む範囲を制限することで、目的の位置のみに止水体を形成する事が出来る。上記の様に種々の形成加工にて止水体を作成する場合は、樹脂の粘度と止水体形成時の圧力をコントロールする事で、止水性能を満足した止水性を備えた伸縮伝送ケーブルになる。
末端部に止水体を備えた伸縮伝送ケーブルでは、用いる芯材と止水剤の組み合わせによっては、芯材と止水剤の接着性が十分でない場合がある。例えば、天然ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどの極性の小さなゴムでは、その極性基による二次結合力が小さい為、樹脂や接着剤との接着性が弱い。このような接着性が弱いサンプルにおいては、伸縮伝送ケーブルの伸長時に伸長伝送ケーブルの外径や芯材の径が伸長前より細くなることで、それらと止水剤の間に隙間が生じて、浸水により端子接続部で短絡が生じる危険性がある。その為、芯材の化学組成や表面状態に適した止水剤を選定する事が重要である。ここで言う、十分な接着性を有する芯材と止水剤の組み合わせとは、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどの極性基の大きなゴムと、クロロプレン系接着剤、NBR系接着剤などの極性の大きな接着剤、樹脂との組み合わせが好ましい。また、接着が弱い極性の小さなゴム材においては、ゴムの表面を化学処理、物理処理などにより、その表面の性質を極性する改善方法により芯材と止水剤との良好な接着性を付与する事が出来る。
上記のように、適切な止水剤と芯材の組み合わせにより止水体を形成できる場合は良いが、使用環境下によっては伸縮伝送ケーブルや止水剤の耐熱・耐寒性、耐薬品性、耐油性、電気的特性などの特性を考慮する必要があり、止水剤との接着性の悪い伸縮伝送ケーブルの各部材(例えばフッ素ゴム等)や伸縮伝送ケーブル構成材料と接着しにくい止水剤を選択せざるを得ない場合がある。この様な場合においては、伸縮伝送ケーブルの各部材や止水剤の組成に依存せずに、伸長時にも十分な止水性を付与するためには、次のような伸縮伝送ケーブルを伸長処置して用いても良い。たとえば段落[0042]〜[0045]において、伸縮伝送ケーブル使用想定時の伸長率より伸縮伝送ケーブルまたは芯材を好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以上伸長させた状態で形成した止水体である。使用想定時の伸長率よりも伸長させて形成した止水体は、伸縮させた際にも伸縮伝送ケーブルの各部材と止水体の隙間が生じずに、伸縮伝送ケーブルの伸長時でも止水性能を保持する事が出来る。その為、止水剤と伸縮伝送ケーブルの構成材料の組み合わせによらず、公知の止水剤および公知の伸縮伝送ケーブルの材料のすべての組み合わせで止水体を形成する事が出来る。この様な止水体では、止水体内に含まれる伸縮伝送ケーブルの外径が止水体を形成していない部分の伸縮伝送ケーブルの外径に対して5%以上外径が細くなることが特徴である。測定方法としては実施例の[0071](2)のとおりである。
前記の伸縮伝送ケーブルの各部材や止水剤の組成に依存せずに、伸長時にも十分な止水性を付与するためには、金属、プラスチック、セラミックス等の素材からなるインシュロック等の留め具で、導体線と芯材がずれないように締めつけることで導体線と芯材を一体化する固定処理をし、さらに前記伸縮伝送ケーブルを構成する前記弾性円筒体と前記導体線と前記留め具の内、少なくとも前記弾性円筒体と前記導体線との隙間を止水体で充填させることもできる。この留め具による固定処置により、伸長時に芯材が抜ける事なく、かつ伸長時においても芯材と樹脂との間に隙間が生じないことで防水性をもたせることが出来る。留め具による固定化が止水性に対して十分かどうかを確認するためには、留め具を10cm間で把持して、留め具を持ってケーブルを10%伸長させた場合に、ケーブル内部に芯材が入り込む長さが5%未満であることが必要である。5%以上入ると言うことは芯材と導体線が留め具によって十分固定化されていないことを意味しており、その場合伸縮時に導体線と芯材の間に隙間が生じて、浸水するために防水性が担保されない。
中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルとは、伸縮伝送ケーブルの中間部分(末端部以外)において、伸縮伝送ケーブルの構成材料間の隙間による滲水を防止した止水性を備えた伸縮伝送ケーブルである。
中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの一例としては収縮チューブと止水剤を使用して止水体を形成し、伸縮伝送ケーブルと一体化させたものがある。具体的には、伸縮伝送ケーブル中間部分に熱収縮チューブを取り付け、片端を熱により閉口させ袋状にする(図4(1))。この時、熱収縮チューブと外部被覆層や導体線、芯材との接着性を高めるために、止水剤を入れる前に熱収縮チューブの下端において止水剤や輪状など各種形状に固形化させた止水剤を用いて、芯材、導体線との隙間を充填してもよい。これにより、止水性能を向上させることが出来る。熱収縮チューブの閉口した側と逆の開口部側から止水剤を入れ(図4(2)、(3))、全体を加熱する事で、収縮チューブが小径化し伸縮電線に密着すると共に止水剤が流動性を持ち、止水剤の液面が上昇し、伸縮伝送ケーブルの構成部材である、導体線、芯材及び外部被覆層間に存在する隙間が充填され、止水性能を発揮する事が出来る(図4(4)、(5))。
中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水体は、金属、セラミック、プラスチックなど各種素材を原料とするコネクタ、治具や止水テープを単体もしくは止水剤と併用してもよい。この止水体においては、上記部材を含めて止水体(止水剤の硬化物)により導体線および芯材の隙間;導体線、芯材および外部被覆層の隙間を防水する事が重要である。
中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水体は、インサート成形、プレス成型、ポッティング法など種々の形成加工方法により得た止水体でもよい。インサート成形では図5の様に成形部で伸縮伝送ケーブルを構成する各部材が含まれている状態で、伸縮伝送ケーブルの中央部分でインサート成形する事で、伸縮伝送ケーブルの中央部に止水体を形成する事が出来る。インサート成形では止水剤注入時の圧力を変える事で、止水剤の粘度によらずに止水処理をすることが出来る。ポッティング加工では、図6の様に液体状態の止水剤を流し込み固定化する為、低粘度タイプの止水剤が望ましい。ただし、極めて低粘度であると、導体線、外部被覆層、芯材などの隙間を毛細管現象で樹脂が広がる恐れがある。その為、あらかじめ、UV硬化樹脂や瞬時に硬化する樹脂などで止水剤の流れ込む範囲を制限し、止水体を形成する事が出来る。上記の様に種々の形成加工方法にて止水体を作成する場合は、樹脂の粘度と止水体形成時の圧力をコントロールする事で、止水性能を満たした中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルになる。
上記の中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルでは、伸縮伝送ケーブルに用いられる各部材と止水剤の組み合わせによっては、それらの接着性が十分でない場合がある。例えば、天然ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどの極性の小さなゴムでは、その極性基による二次結合力が小さい為、樹脂や接着剤との接着性が弱い。このような接着性が弱いサンプルにおいては、伸縮伝送ケーブルの伸長時に伸縮伝送ケーブルの外径やその芯材径が伸長前より細くなることで、止水剤の間に隙間出来て、浸水が生じ、端子接続部で短絡が生じる危険性がある。その為、芯材の化学組成や表面状態に適した止水剤を選定する事が重要である。ここで言う、十分な接着性を有する伸縮伝送ケーブル構成材料と止水剤の組み合わせとは、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどの極性基の大きなゴムと、クロロプレン系接着剤、NBR系接着剤などの極性の大きな接着剤、樹脂との組み合わせが好ましい。また、接着が弱い極性の小さなゴム材においては、ゴムの表面を化学処理、物理処理などにより、その表面の性質を極性する改善方法により芯材と止水剤との良好な接着性を付与する事が出来る。
上記のように適切な伸縮伝送ケーブル構成材料と止水剤の組み合わせにより止水体を形成できる場合は良いが、使用環境下によっては伸縮伝送ケーブルや止水剤の耐熱・耐寒性、耐薬品性、耐油性、電気的特性などの特性を考慮する必要があり、止水剤との接着性の悪い伸縮伝送ケーブル構成材料(例えばフッ素ゴム等)や伸縮伝送ケーブル構成材料と接着しにくい止水剤を選択せざるを得ない場合がある。この様な場合においては、伸縮伝送ケーブル構成材料や止水剤の組成に依存せずに、伸長時にも十分な止水性を付与する方法としては次の様な伸縮伝送ケーブルの伸長処置を用いてもよい。たとえば、[0049]〜[0052]において、伸縮伝送ケーブルの中間部分に止水体有する場合、該止水体は、伸縮伝送ケーブル使用想定時の伸長率より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以上伸長させた状態で形成されるのが好ましい。使用想定時の伸長率よりも伸長させた状態で止水体を形成することによって、伸縮させた際にも伸縮伝送ケーブル構成材料と止水剤の隙間が生じずに、伸縮伝送ケーブルの伸長時でも止水性能を保持する事が出来る。その為、止水剤と伸縮伝送ケーブル構成材料の組み合わせによらず、公知の止水剤および公知の伸縮伝送ケーブル構成材料のすべての組み合わせで中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルとなる。この様な止水体では、止水体内に含まれる伸縮伝送ケーブルの外径が止水体を形成していない部分の伸縮伝送ケーブルの外径に対して、5%以上外径が細くなることが特徴である。当該外径の測定方法については実施例の[0071](2)にて詳述される。
本発明に係る電子部品の端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルでは、端子接続部での短絡を起こさないようにするために、伸縮伝送ケーブルの導体線とそれと接続する電子部品との接続部をすくなくとも止水体により防水している伸縮伝送ケーブルのことであり、上記に用いる止水体の構造は限定されない。
当該端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水体は、インサート成形、プレス成型、ポッティング法など種々の形成加工方法を用い形成した止水体でもよい。上記の成形方法を用いる場合は、少なくとも導体線が含まれている状態(図7、図8)で、成形加工する事で、伸縮伝送ケーブルの端子接続部に止水体を形成する事が出来る。形成加工による止水体の形成は、液体状態の止水剤を流し込みその後固形化するが、端子接続部を防水すれば良いため種々の止水剤を用いることが出来る。また、芯材を止水剤と共に処理し固形化すると、芯材のズレも防止出来るので好ましい。
端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水体は、金属、セラミックス、プラスチックなどを原料とする収縮チューブ、キャップ、コネクタ、治具や止水テープなどを単体もしくは止水剤と併用してもよい。この時、止水体において止水体と導体線および/または端子接続部の間に滲水が生じる隙間がない事が必要である。また、芯材や伸縮伝送ケーブル構成材料を止水体と共に処理し固定化すると、芯材のズレや伸縮伝送ケーブル自体のズレを防止出来るので好ましい。
端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルでは、水などの液体で濡れると、毛細管現象により伸縮伝送ケーブルの外部被覆層や導体捲回体の間を伝って液体がケース内部へ侵入するため、電子部品の短絡を防止する事は出来ない。その為、末端部もしくは/および中央部分の止水体も併用し、電子部品との端子接続部を止水体により覆うと共に、防水のために止水体と防水素材(たとえば防水性の樹脂、金属又はセラミックスなどが挙げられる)を隙間なく一体化させることにより、電子部品の端子接続部を防水することが出来る。
本発明の止水性を備えた伸縮ケーブルを伸縮性ワイヤーハーネスに用いる事によって、伸縮性および止水性に優れた伸縮性ワイヤーハーネスを得ることもできる。この時、止水体をハウジングに接着させ、止水体とハーネスを樹脂で隙間なく接合させる事で達成される。
次に、本発明の止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品について説明する。
本発明の止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品とは、
(1)伸縮伝送ケーブルの導体線と電子部品の接続部とを防水素材(たとえば後述の電子部品用のケース)で覆い、かつ伸縮伝送ケーブルに接する止水体と該ケース防水素材との間に隙間が形成されない電子部品、すなわち、弾性円筒体の周囲に配された少なくとも1本以上の導体線からなる伝送ケーブルの前記導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、さらに前記ケーブル取り出し部における前記ケーブルと前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなることを特徴とする、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品のことを言う。
(2)伸縮伝送ケーブルの電子部品との端子接続部が止水体で覆われて防水されている電子部品、すなわち、前記伝送ケーブルの末端部の導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、かつ前記端子部の接続部が止水体により防水されてなる、止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品である。
本発明では、止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品とは(1)及び(2)の双方を示している。この場合は該止水体を前記の電子部品のケースとみなすこともできる。
まず[0058](1)について説明する。
ここで言う止水体とは、本発明に係る伸縮伝送ケーブルの構成部材である芯材、導体線及び外部被覆層などの間の隙間が止水剤で隙間なく充填されている止水体である。
この止水体と共に電子部品の端子接続部を防水素材、たとえば後述のケースで覆うことにより、伸縮していない状態(定常時)においても伸縮伝送ケーブルを伝う水の浸入を防止することができ、さらに該止水体の信号伝送ケーブルの外径が伸長時にも細くならずに固定化されている場合には、伸長時においても止水体と伸縮伝送ケーブルの間に隙間が生じずに滲水を防止する事ができる。
ここで、前記接続部における前記ケーブルの構成部材間の隙間とは前述したように、前記芯材と前記導体線との隙間;前記芯材と前記導体線及び前記外部被覆層との隙間;前記導体線と前記外部被覆層との隙間のことである。
止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品を得るためには、止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの導体線を電子部品に接続し、電子部品のケースなどの防水素材を用いて該止水体を含めた防水処理をすればよい。ここで言う、止水性を備えた伸縮伝送ケーブルとは、段落[0041]に記載される末端部に止水体を備えた伸長伝送ケーブル、段落[0048]に記載される、中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルのことである。電子部品のケースなどの防水素材を用いた伸縮伝送ケーブルの止水体を含めた防水処理は、それを使用する各種製品の形状や性質などに応じて適切な防水処理がなされるものであるから、本発明で提供されるのは、止水性を備えた伸縮伝送ケーブルが止水性を備えた事による、ケーブル部または/およびケーブルの導体部と電子部品の接続部の防水性能である。
図19のケース1及び2においては、上記[0058](1)に記載される止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品の具体例を示した。
ケース1、2では
(1)ケーブルを一旦止水体で防水処理し、その後、インサート成形、ポッティング、プレス加工、切削加工、研削加工等の加工方法によって止水体と一体化するように直接ケースを形成する方法
(2)ケーブルを一旦止水体で防水し、既存の取り出し部を有するケースに取り付け、止水剤により止水体とケースのケーブル取り出し部との隙間を埋める方法である。尚、本発明は(1)および(2)の方法に限定されるものではない。
本発明に使用する電子部品とは、伸縮伝送ケーブルの導電線が接続可能な電気製品に使用されるすべての部品を指す。具体的には、トランジスタ、集積回路(負電圧レギュレータ)、コンデンサ、電子管(真空管、進行波管、マグネトロン、ブラウン管など)、半導体(トランジスタ、集積回路、ダイオードなど)、表示機(ディスプレー)、スライダック、アンテナ、電気モーター、センサー、抵抗器、コイル・トランス(電磁石、ソレノイドなど)、リレー、圧電素子、振動子(水晶振動子など)、スピーカー、電球、蛍光灯、放電灯、LED、ヒーター、電熱線、電池、プリント基板、コネクタ、ソケット、プラグ、スイッチ、ヒューズ、電線、ヒートシンク、アンテナ、端子、接続端子、ピン、クリップ、アダプター、電源、導電性繊維など伸縮伝送ケーブルと接続が可能で、かつ電気が導通する事を特徴とするが、上記に限られるものではなく、公知の電子部品から用途に応じて任意に選択する事ができる。通常、上記のような電子部品は電気を流して使用するため、ケーブルを伝って電子部品側へ滲水した場合、短絡等の不具合が生じる恐れがある。本発明の止水体を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品は上記のような滲水による不具合を減らすこと効果があるだけでなく、ケーブル自体が伸縮もする為に、電子部品自体もしくはその周辺設備に可動部を有するすべての電子部品に最適なケーブルと言える。
本発明に使用する電子部品のケースとは、電子部品を収容した容器、筐体、入れ物、ハウジング等のことで、電子部品を一部またはすべてを覆うものを指す。具体的には金属、セラミックス、プラスチック、樹脂、紙、ゴム、エラストマーなど公知の材料を、インサート成形、ポッティング、プレス加工、切削加工、研削加工等の加工方法によって形成され、用途に応じて任意に素材や形状を組み合わせて使用する事が出来る。例えば、イヤフォンであれば、小型にするために電子部品を最低限覆うだけの小型の樹脂状ケースや、フィット感を出すために耳の形に形成したゴムを素材にしたものが使用される。
本発明に使用される電子部品のケースは様々な機能が付いていても良い。機能としては防水・防塵、耐衝撃、耐圧、騒音対策、電気的ノイズ対策、光の遮蔽、温度対策などがあり、それぞれに対応出来る様に任意の素材や形状を用いることが出来る。
また、ケースには別の電子部品と接続するための端子やコネクタ、スイッチ、配線等の電子部品が付いていても良く、これら電子部品はケースより露出していても良い。これらは、電子機器の機能に応じて適宜配置される。
本発明に使用する電子部品のケースは防水性能を持つことが望ましい。防水性能を持たせるために、公知の素材や形状を用いる事が出来る。また、防水性能が無いケースについても、最外層にコーティング、ラミネートなどの防水処理により防水性能を持たせることもできる。
本発明に使用される電子部品ケースは、本発明の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品の止水体と同じ材料を用いたケースが使用されても良い。止水体と同じ材料を用いかつ止水体と一体化させることで、防水性を持つ止水体が電子部品のケースになるために、防水性能を持たせることが出来る。
次に[0058](2)について説明する。
ここで言う止水体とは、伸縮伝送ケーブルの導体線と端子とをつなぐ接続部が隙間なく止水体で覆われているために、伸縮伝送ケーブルを水が伝う、又は水浸漬による場合においても、止水体と導体線の隙間からの端子接続部もしくは電子部品への水の浸入を防止する事ができる。
止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品を得るためには、止水性を備えた伸縮伝送ケーブルの導体線を電子部品に接続し、電子部品のケースなどの防水素材を用いて該止水体を含めた防水処理をすればよい。ここで言う、止水性を備えた伸縮伝送ケーブルとは段落[0054]〜[0057]に記載の端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルのことである。電子部品のケースなどの防水素材を用いた伸縮伝送ケーブルの止水体を含めた防水処理は、それを使用する各種製品の形状や性質などに応じて適切な防水処理がなされるものであるから、本発明で提供されるのは、止水性を備えた伸縮伝送ケーブルが止水性を備えた事による、ケーブル部または/およびケーブルの導体部と電子部品の接続部の防水性能である。
図19のケース3においては、上記[0058](2)の電子部品の具体例が示されている。ここでは、ケースのケーブル取り出し部が、ポッティングまたはインサート形成により止水体が形成可能な構造を持ち、ケーブルをポッティング及びインサート形成可能なケースに取り付け、その後ポッティング又はインサート形成にて止水体を形成し、ケースとケーブルの各構成部材との隙間を埋める方法が挙げられているが、ケーブルとケースの取り付け方法は上記に限らない。ここで重要なことはケースの取り出し部とケーブルのス水体に滲水する隙間が無い構造にすることである。
本発明に使用する電子部品とは、伸縮伝送ケーブルの導電線が接続可能な電気製品に使用されるすべての部品を指す。具体的には、トランジスタ、集積回路(負電圧レギュレータ)、コンデンサ、電子管(真空管、進行波管、マグネトロン、ブラウン管など)、半導体(トランジスタ、集積回路、ダイオードなど)、表示機(ディスプレー)、スライダック、アンテナ、電気モーター、センサー、抵抗器、コイル・トランス(電磁石、ソレノイドなど)、リレー、圧電素子、振動子(水晶振動子など)、スピーカー、電球、蛍光灯、放電灯、LED、ヒーター、電熱線、電池、プリント基板、コネクタ、ソケット、プラグ、スイッチ、ヒューズ、電線、ヒートシンク、アンテナ、端子、接続端子、ピン、クリップ、アダプター、電源、導電性繊維など伸縮伝送ケーブルと接続が可能で、かつ電気が導通する事を特徴とするが、上記に限られるものではなく、公知の電子部品から用途に応じて任意に選択する事ができる。通常、上記のような電子部品は電気を流して使用するため、ケーブルを伝って電子部品側へ滲水した場合、短絡等の不具合が生じる恐れがある。本発明の止水体を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品は上記のような滲水による不具合を減らすこと効果があるだけでなく、ケーブル自体が伸縮もする為に、電子部品自体もしくはその周辺設備に可動部を有するすべての電子部品に最適なケーブルと言える。
本発明に使用する電子部品のケースとは、電子部品を収容した容器、筐体、入れ物、ハウジング等のことで、電子部品を一部またはすべてを覆うものを指す。具体的には金属、セラミックス、プラスチック、樹脂、紙、ゴム、エラストマーなど公知の材料を、インサート成形、ポッティング、プレス加工、切削加工、研削加工等の加工方法によって形成され、用途に応じて任意に素材や形状を組み合わせて使用する事が出来る。例えば、イヤフォンであれば、小型にするために電子部品を最低限覆うだけの小型の樹脂状ケースや、フィット感を出すために耳の形に形成したゴムを素材にしたものが使用される。
本発明に使用される電子部品のケースは様々な機能が付いていても良い。機能としては防水・防塵、耐衝撃、耐圧、騒音対策、電気的ノイズ対策、光の遮蔽、温度対策などがあり、それぞれに対応出来る様に任意の素材や形状を用いることが出来る。
また、ケースには別の電子部品と接続するための端子やコネクタ、スイッチ、配線等の電子部品が付いていても良く、これら電子部品はケースより露出していても良い。これらは、電子機器の機能に応じて適宜配置される。
本発明に使用する電子部品のケースは防水性能を持つことが望ましい。防水性能を持たせるために、公知の素材や形状を用いる事が出来る。また、防水性能が無いケースについても、最外層にコーティング、ラミネートなどの防水処理により防水性能を持たせることもできる。
本発明に使用される電子部品ケースは、本発明の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品の止水体と同じ材料を用いたケースが使用されても良い。止水体と同じ材料を用いかつ止水体と一体化させることで、防水性を持つ止水体が電子部品のケースになるために、防水性能を持たせることが出来る。
以下に、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)伸縮性
伸縮伝送ケーブルに20cm間隔で印をつける。その外側を手で持ち、印の位置が22cmになるまで引き伸ばしたのち、弛緩して長さを測定する。下記基準で区別し、22cmにまで引き延ばすことができ、かつ弛緩後21cm未満に回復したもの(A)を10%以上の伸縮性があると判断した。
A:22cmまで伸張させることができ、弛緩させると21cm未満に回復したもの。
B:22cmまで伸張させることができないか、または、22cmまで伸張させることができたが弛緩しても21cm未満に回復しないもの。
(2)止水体内のケーブル外径変化率の測定方法
止水性を備えた伸縮伝送ケーブルにおいて、伸縮伝送ケーブルの外径(A)はノギスで、止水体のない部分で、止水体から1cm間隔で5点測定した伸縮伝送ケーブル単体の平均値を、止水体内の伸縮伝送ケーブルの外径(B)は止水体部分で伸縮伝送ケーブルをニッパーにてカットし、その断面径をノギスで測定した値とした。この時、
(B−A)/A×100=止水体内の伸縮伝送ケーブルの外径変化量(%)
とする。外形変化量の符号がマイナス(−)の時、止水体内の伸縮伝送ケーブルの外径が、伸縮伝送ケーブル単体の外径より細くなっていることを意味する。段落[0045]及び[0052]にて記載したように、伸長処理は外径が5%以上細くなる際に、10%以上の伸長処理がなされたとし伸長処理(あり)とした。
(3)止水剤の粘度の測定方法
接着剤やホットメルト樹脂等の止水剤の粘度はHAAKE MARS III(栄弘精機株式会社製)の回転モードによる粘度測定で行った。粘度の測定温度は、使用する止水剤の使用環境温度で行う。段落[0035]、[0036]に記載したように、硬化性樹脂(熱硬化、活性化エネルギー(UV、電子線等)硬化、湿気硬化、化学反応硬化等)に関しては作業環境を想定した23℃、ホットメルト樹脂等の熱可塑性樹脂ではホットメルト接着システム(3M社製 Scotch−WeldTMホットメルトアプリケーターPGII)の使用温度と同じ200℃で粘度の測定を行った。
本発明に係るインシュロックを用いた場合の評価方法は以下の通りである(図12)。
(4)ケーブルの芯材固定化評価方法
伸縮伝送ケーブルの片側に粘着テープ(養生テープ、寺岡製作所製)を巻き付け、粘着テープの端とそこから20cmのところにインシュロックで締める。粘着テープのある側のインシュロックから粘着テープ側に1cmのところでニッパーを使ってカットし、反対側の末端を万力でインシュロックの上から固定化する。粘着テープを巻き付けた側のインシュロックにポリエステル糸を取り付け、その紐を手で持ち、インシュロックの位置が22cmになるまで引き伸ばしたのち、弛緩して、その際に引き延ばした側の芯材がケーブル端より中に入り込んだ長さをノギスで測定する。下記基準で区別し、弛緩後の芯材の入り込んだ長さが1cm未満である(A)を留め具により芯材が一体化するように十分固定処理されたサンプルとした。
A:弛緩後の芯材の入り込み具合が1cm未満のもの。
B:弛緩後の芯材の入り込み具合が1cm以上のもの
(5)末端または中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評価
下記実施例及び比較例に用いた末端部または中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評価方法について説明する(図9、10)。なお、末端部または中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評価については、ケースと止水体の防水性能を見れば良いため、図1〜6に記載されている電子部品については取り外した止水体を有する伸縮伝送ケーブルを用いてサンプルを作成し、評価を行っている。
図1で示したような末端部または中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを用いて、ホットメルト付熱収縮チューブ10cmを伸縮伝送ケーブル電子部品の端子と接続させる側(ただし電子部品は取り付けない)がかぶさるように取り付け、止水体部分のある部分のみ熱風にてホットメルト付熱収縮チューブを収縮、一体化させる(図9(1)、図10(1))。また、伸縮伝送ケーブルの端子接続側と逆側末端(止水体から5cm)にホットメルト付熱収縮チューブ2cmの内1cmをケーブルに被せ、密閉し、止水キャップとする(図9(2)、図10(2))。これは、防水性を有する樹脂からなる外部被覆層の場合、該末端部より浸水が起きる事が無いと言う実使用環境を加味した処置である。仮に止水キャップを取り付けても、繊維糸からなる外部被覆層や外部被覆層がない伸縮伝送ケーブルでは、外部被覆層の隙間より圧縮空気の漏れが観察され、上記止水キャップの影響は見られない。25℃の蒸留水に伸縮伝送ケーブルの端子接続の逆側から、止水体のある位置が液面から1cmほど下まで水中に浸漬させる(図13(末端部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを用いた場合)及び図14(中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを用いた場合))。ホットメルト付熱収縮チューブを通して当該チューブから止水体へ向けて10.0kPaの圧縮空気を30秒間送り、止水体と伸縮伝送ケーブルからの圧縮空気の漏れを観測した。圧縮空気の漏れがない場合、圧縮空気の圧力を10.0kPaずつ200kPaまで上げていった。このとき、漏れが観測されたときの圧縮空気の圧力を止水圧とし、止水圧が100kPa以上のものを止水性(本発明における防水性)が十分であるとして合格(符号「○」)、100kPa未満のものを不充分であるとして不合格(符号「×」)とした。
上記測定にて、止水体とホットメルト付収縮チューブの間の密着が不十分であり、止水体とホットメルト付収縮チューブの間より空気の漏れが確認された場合は、ホットメルトなしの収縮チューブと止水体との間を瞬間接着剤(ヘンケルジャパン製 LOCTITE 高機能瞬間接着剤 401 難接着用)を用いて、上記と同様にサンプルを作成し、ホットメルトなし収縮チューブと止水体を密着させて再度測定した(本実施例および比較例においてはホットメルト付収縮チューブを使用したサンプルのみを使用した。)
この止水性評価において、端子接続側に止水体と密着させた収縮チューブが前記防水ケースの一例であり、前記防水性能評価により防水性能を確認する事で、ケースを含めた本発明の止水性を有する伝送ケーブル付電子部品の防水性能を確認した。
尚、図9(2)及び図10(2)においては、符号10の熱収縮チューブの上部が開口された図が示されているが、チューブを防水ケースとみなすのであれば、本来この部分は塞がれていなければならないところ、上記のような評価(この上部からエアーを送り、止水体部分の防水性能を確認する)を行うためにこのような形態とした。
(6)末端、中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの10%伸長時の止水性評価
伸縮伝送ケーブルの10%伸長止水性評価方法は、上記(5)で使用した伸縮伝送ケーブルを止水体から10%伸長させた状態で評価を行う(図16、17)。具体的には末端、中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水体と止水キャップ間4.0cmをプラスチック棒とインシュロックを用いて、10%伸長させた4.4cmの位置で固定化させた状態で、上記(5)と同様の止水性評価を行う。
(7)端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評価
下記実施例及び比較例の端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評価について説明する(図15)。伸縮伝送ケーブルの止水体により絶縁された端子接続部(導体線とシリコンゴム接続部)と逆側の導体線をミリオームテスター(HIOKI製)と接続する。このとき、端子接続部は絶縁体を挟んでいる為、通電しないことから、ミリオームテスターには抵抗値は表示されない。この状態で、端子接続部を飽和食塩水(25℃、500mlの蒸留水に200gの食塩(NaCl)を溶かし、溶けきれていない食塩がある飽和食塩水)に浸漬させ、止水体が液面より少なくとも2cm下まで浸漬する。1分間浸漬させたときに抵抗値が表示されない場合は、止水体と導体線との間に滲水が生じていないので、止水性が十分であるとして合格(符号「○」)、ミリオームテスターに抵抗値が表示された場合は、止水体と導体線との間に滲水が生じ通電しているとして止水性が不充分であるとして不合格(符号「×」)とした。
実施例および比較例に用いた伸縮伝送ケーブルは、表1に示すように、芯材に直径2mmのクロロプレン製の弾性ゴムを導体線にPVC樹脂被覆銅線(沖電線(株)社製:50μm×49本)の2本を、オサエ糸として56dtexのポリエチレンテレフタレート(PET)糸の2本を、下記の特殊製紐機を使用してケーブル中間体を得た。
ここで使用した特殊製紐機は、
(1)芯材を供給する機構、
(2)芯材を、複数のV溝を有する2連のロールのV溝に8の字掛けに沿わせて把持し、フィードする機構、
(3)芯材を、複数のV溝を有する2連のロールのV溝に8の字掛けに沿わせて把持し、巻き取る機構、
(4)芯材を伸張した状態で、導体線を芯材に並列に捲回する機構、および
(5)芯材を伸張した状態で、導体線の捲回方向と逆方向に導体線の内側および外側を交互に通ってオサエ糸を捲回する機構を備えた16本打ちの製紐機である。
上記で得られたケーブル中間体2.4倍に伸長しながら、該ケーブルの中間体に、予め2本あわせで巻き取った330dt/72f(150/36/2)のエステルウーリー(TAIRIIN社製)のボビン16本を用いて、130T/Mで捲回して外部被覆層を形成することにより、伸縮伝送ケーブルを得た。該伸縮伝送ケーブルに止水体を形成し防水性能を測定した。
上記で得られた伸縮伝送ケーブル構成材料および伸長評価の結果を表2に示した。
下記に実施例について示すが、本文中にも記載しているが、
実施例1〜14、比較例1〜12の末端部または中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評では、防水ケースと止水体の防水性能が確認できれば良いため、図1〜6に記載されている電子部品については取り外した状態でサンプルを作成し評価を行っている。また、実施例15〜18、実施例13、14の端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの止水性評価では、その評価方法から電子部品の代わりにシリコン(絶縁体)を用いてサンプルを作成し評価している。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
末端部に止水体を有する伸長伝送ケーブルの内、熱収縮チューブと止水剤A及びBにより形成された止水体を末端部に有する伸縮伝送ケーブルは次の通りである(図1)。尚、図1では、電子部品の端子接続部にケーブルの導体線が接続されたものを用いた場合が示されている。
図1で示したケーブルの電子部品を導体線部で切り離したうえで、外部被覆層を1cm程除去し、外部被覆層から導体線および芯材をストレートに引き出した状態で、下端を若干熱収縮させた熱収縮チューブ(住友電工社製)2.5cmに伸縮伝送ケーブルを末端から取りつける。導体線、芯材を熱収縮チューブの下端より出し、かつチューブ内に外部被覆層、導体線、芯材が収まるように取り付ける(図1(1)、段落[0041]にも記載)。熱収縮チューブの下端に少量のホットメルト(止水剤B)を付けた後、下端を加熱する事で閉口し、上端が開口した袋形状になる(図1(2))。上端の開口部から表2に記載の止水剤Aを注入し(図1(2)及び(3))、熱収縮チューブ全体を加熱することで(図1(4))、収縮チューブと止水剤の固形物からなる止水体が形成され、末端部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを得た(図1(5))。比較例1では止水材を用いなかった以外、又、比較例2と3では止水材の粘度が表2に記載されたものを用いた以外は実施例1と同様にしてケーブルを得た。これらの結果を表2に示した。
このようにして得られた本発明に係る末端部に止水体を有し、防水処理された伝送ケーブル付電子部品を製造したのと同様に、得られた伝送ケーブルをケースで被覆した場合の本発明の電子部品を図19(ケース1)に示した。ここでは図1に示される熱収縮チューブ(符号10)がケースとなり、ケースはケーブルから外されないで一体化した態様にて本発明の伝送ケーブル付電子部品が得られる。
(実施例4、5)
末端部に止水体を有する伸長伝送ケーブルの内、インサート成形により形成された止水体を末端部に有する、本発明に係る伝送ケーブルは次の通りである(図2)。尚、図2では、電子部品の端子接続部にケーブルの導体線が接続されたものを用いた場合が示されている。
図2で示したケーブルの電子部品を導体線部で切り離したうえで、外部被覆層を1cm程除去し、外部被覆層から導体線および芯材をストレートに引き出した状態で、金型の樹脂注入部に導体線、芯材を含みかつ導体線が止水体から端子接続側に貫通するように金型にセットした。続いて、ホットメルト接着システム(3M社製 Scotch−WeldTMホットメルトアプリケーターPGII)を用いて200℃に溶融した表2に記載のホットメルト樹脂(止水剤A)を用いてインサート成形し、該ケーブルを金型(符号7)から外して、末端部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを得た。得られた結果を表2に示した。
(実施例6、比較例4)
末端部に止水体を有する伝送ケーブルの止水体形成時に、伸縮伝送ケーブルの芯材およびケーブル自身を20%伸長させた状態で行い、表3に記載の止水剤を用いる以外は実施例1と同様であった(表3、図1)。得られた結果を表3に示した。比較例4では止水体を用いない以外は実施例6と同様にしてケーブルを得た。
(実施例7、比較例5)
実施例7は、末端部に止水体を有する伸長伝送ケーブルの止水体形成時に、末端をインシュロックにて芯材と導体線を固定化処理した伸縮伝送ケーブルを用いた以外は実施例6と同様の条件にてケーブルを得た(図1(1)の右側に記載される伸縮伝送ケーブルを使用した)。ただし、この場合は止水剤Bは使用しなかった。比較例5ではインシュロックによる芯材と導体線の固定化処理が不良(B)である以外、実施例7と同様にしてケーブルを得た。得られた結果を表3に示した。
(実施例8〜10、比較例8〜10)
中間部分に止水体を有する伸長伝送ケーブルの内、収縮チューブと止水剤により形成された止水体を中央部分に有する伸縮伝送ケーブルは次の通りである(図4)。尚、図4では、電子部品の端子接続部にケーブルの導体線が接続されたものを用いた場合が示されているので、電子部品を取り外して評価を行っている。
図4で示したケーブルの電子部品を導体線部で切り離したうえで、ホットメルト付熱収縮チューブ(住友電工社製)2.5cmを伸縮伝送性ケーブルの中間部分に取り付け、熱収縮チューブの片端にホットメルト樹脂(止水剤B)をつけ、さらに加熱する事で片端が閉口し、もう片端が開口した袋形状になる。上記開口部から表4に記載の止水剤Aを注入し、熱収縮チューブ全体を加熱することで、収縮チューブと止水剤の固形物からなる止水体が形成され、中間部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを得た。得られた結果を表4に示した。比較例8では止水材を用いなかった以外、又、比較例9、10では止水材の粘度が表4に記載されたものを用いた以外は実施例8と同様にしてケーブルを得た。
このようにして得られた本発明に係る中央部に止水体を有し、防水処理された伝送ケーブル付電子部品を製造したのと同様に、得られた伝送ケーブルをケースで被覆した場合の本発明の電子部品を図19(ケース2)に示した。ここでは図4に示される熱収縮チューブ(符号10)がケースとなり、ケースはケーブルから外されないで一体化した態様にて本発明の伝送ケーブル付電子部品が得られる。ただし、接続された電子部品を含むケーブル全体がケースにより被覆された。
(実施例11、12)
中央部分に止水体を有する伸長伝送ケーブルの内、インサート成形により形成された止水体を中央部分に有する伸縮伝送ケーブルは次の通りである(図5)。尚、図5では、電子部品の端子接続部にケーブルの導体線が接続されたものを用いた場合が示されている。
図5で示したケーブルの電子部品を導体線部で切り離したうえで、金型の樹脂注入部に伸縮伝送ケーブルの中間部分が入るようにセットした。続いて、ホットメルト接着システム(3M社製 Scotch−WeldTMホットメルトアプリケーターPGII)を用いて200℃に溶融した表4に記載のホットメルト樹脂を用いてインサート成形し、中央部分に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを得た。得られた結果を表4に示した。
(実施例13、比較例11、12)
実施例13は、中間部分に止水体を有する伸長伝送ケーブルの止水体形成時に、伸縮伝送ケーブルを20%伸長させた状態で止水体を形成した以外は実施例8と同様である(表5、図4)。比較例11では止水材を用いなかった以外、比較例12では中間部分に止水体を有する伸長伝送ケーブルの止水体形成時に、伸縮伝送ケーブルを20%伸長させた状態で止水体を形成し、表5に記載の止水剤を用いた以外は実施例8と同様にしてケーブルを得た。得られた結果を表5に示した。
(実施例15、16、比較例13、14)
端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの内、ポッティング法により形成された止水体を端子接続部に有する、本発明に係る伝送ケーブル及び該ケーブルが接続された電子部品は次の通りである(図11)。ただし、本防水性能評価においては、実際の電子部品には接続せずに、下記の様なシリコンゴムを電子部品の代わりに使用して、防水性能の評価を行うことにした(図11)。これは、通常導体線に電子部品を接続した場合、電子部品が通電するため、ミリオームテスターが抵抗値を示し、飽和食塩水に浸漬させた際に短絡しているかどうか判断が付きにくく、その為、端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの防水性評価においては、導体線を絶縁体に接続したものを飽和食塩水に浸漬させて、その時に抵抗値を示すかどうかで防水性能を判断する必要があったためである。
伸縮伝送ケーブルの片側の導体部分の外部被覆層を約20mm除去し、内部の銅線を25mm出す。Φ4mmのシリコンゴム25mmの中央部に10mmの間隔で2カ所穴をあけ、銅線部分を挿入し、ゴムから出た導体線部分をお互いが接触しないようにシリコンゴムに巻き付ける。
シリコンゴム部分と導体線が金型の樹脂注入部に完全に収まるようにポッティング法用の金型にセットした。続いて、表6の止水剤の内、接着剤に関してはそのまま、ホットメルト樹脂に関してはホットメルト接着システム(3M社製 Scotch−WeldTMホットメルトアプリケーターPGII)を用いて200℃に溶融したホットメルト樹脂をポッティング法により金型に樹脂を注ぎ込み、電子部品の端子接続部8に止水体を有する伸縮伝送ケーブルを得た。得られた結果を表6に示した。比較例13では止水材を用いなかった以外、又、比較例14では止水材の粘度が表6に記載されたものを用いた以外は実施例15と同様にしてケーブルを得た。
このようにして得られた本発明に係る端子接続部に止水体を有し、防水処理された伝送ケーブル付電子部品をケースで被覆した場合の、本発明の電子部品を図19(ケース3)に示した。
(実施例17、18)
端子接続部に止水体を有する伸縮伝送ケーブルの内、インサート成形により形成された止水体を端子接続部に有する伸縮伝送ケーブルは、止水体をインサート成形用の金型の使用および止水体をインサート成形で形成したほかは実施例15で示したポッティング加工と同様である(表6)。この場合も防水性能を評価する場合は、実際の電子部品には接続せずに、下記の様なシリコンゴムを電子部品の代わりに接続したものを用いて、防水性能の評価を行うことにした(図7、11)。尚、図7では、電子部品の端子接続部にケーブルの導体線が接続されたものを用いた場合が示されている。
得られた結果を表6に示した。
Figure 2017103096
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本発明の止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品は配線の伸縮および防水性能を必要とするケーブル付電子部品として有用である。
ロボットとしては、例えば卓上ロボット、多関節ロボットなどの産業用ロボット、ドローンなどの無人飛行体や無人車両、パワーアシストなど人体装着型ロボット、人型、蛇型ロボットなどの生体模倣ロボットなどが挙げられる。
ロボットの構成機器としては、例えばエアシリンダー、エアチャックなどの空気圧縮機器圧力センサー、圧力スイッチなどのスイッチ・センサ機器電動アクチュエーター・電動シリンダーサーボモータなどのモーター機器シーケンサ、半導体、電子デバイスレーザ加工機、放電加工機などの加工機などが挙げられる。これらFA機器やその周辺機器の機器内もしくは機器間をつなぐ配線において、いずれも伸長や止水性を伴う場所の配線として本発明の伸縮電線は好適である。
ウエアラブル機器としては例えばインカム、ヘッドセット、POSシステム ヘッドフォン、イヤフォン、スポーツイヤフォン、ヘッドマウントデスプレー等。
画像や音声または文字情報を送信機やコントローラとやりとりする配線。または、これらの機器と電源をつなぐ配線。
装着型AED、装着型連続生体信号測定装置等、心電、筋電、脈拍等の生体信号を測定するセンサーを備えた肌着、アウター、パンツ、ボトム等の衣類、ベルト等の装具 ホルター心電計等の機器、計測装置。
LEDなど各種照明を備えた肌着、アウター、パンツ、ボトム等の衣類、ベルト等の装具筋電計、心電計、脳向けフレキシブル電極などの電子皮膚デバイスや体内デバイス、送風装置(扇風機)、ペルチェ素子等体温を下げる機能を備えた衣類、装具、機器、ヒータ等保温または加温の機能を備えた靴、衣類、装具、機器、これらを組み合わせたスマートテキスタイル。
発電機構(圧力、摩擦、電磁誘導)と蓄電部or発電で得た電力を用いて動かす機器の配線。
運動や作業動作や体型を計測するモーションキャプチャー、遠隔操作をするための、モーションコントローラ、データグルーブ等。
運動機能が低下した人のリハビリや補助や重労働を軽減する目的で開発されているアシストスーツ、介護ロボット等。
いずれの機器でも、配線の伸長や防水性能を電子部品周辺に関して、本発明の止水性を有する伸縮伝送ケーブル付電子部品は好適である。
また、可動部においてゆとりを持たせて配線させたケーブル付電子部品に関しても、本発明の止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品を適用する事で、従来よりも配線を短くしても伸縮による断線が起きにくく、また防水性能も付与する事が出来る為に水回り環境下での使用も可能となる。以上により、本発明のケーブルは以下に示す可動部を有し、防水性能を必要とする機器内もしくは機器間に配線を有する製品にも適用する事も出来る。
例えば、洗濯機、乾燥機などのクリーニング機器、冷蔵庫、棚食器乾燥機、炊飯器、電子レンジなどの電子調理器および台所製品、エアコンディショナー、ストーブなどの空調機器、掃除機、ロボットクリーナーなどの清掃機器、DVDプレーヤー・レコーダなどの録画・再生機器およびその周辺機器、ビデオカメラ・デジタルカメラ・監視カメラなどの映像撮影機器、テレビ・プロジェクターなどの映像投影機、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報家電およびその周辺機器、電話機等の通話装置およびその周辺機器、ファクシミリ・スキャナなどの画像読み取り記憶装置、インクジェットプリンターなどの印刷機器、据置型ゲーム機、携帯ゲーム機などの本体およびその周辺機器、オーディオなどのAV機器およびその周辺機器、エレキギターなどの楽器およびその周辺機器、電気スタンド、スポットライトなどの照明機器、体重計、低周波治療器などの健康家電機器、脱毛器、ヘアアイロン、ドライヤーなどの美容家電機器、電動ベッド、マッサージ機、アイロン、充電器(充電ケーブル、充電システム等)、時計、腕時計、コンプレッサー、ミシン、農機具、家庭用ロボット類、電動昇降吊戸、放送受信機器、などの家電製品(各種電子機器応用製品)の機器内もしくは機器間の電気配線部品、エレベータなどの昇降装置、スライドドア・回転ドアなどの自動ドア、風力発電などの発電装置、溶接装置、プレス機械、掘削装置などの工作機械、自動車、車載のセンサー、モーター、コントロールユニット、後方確認カメラなどカーエレクトロニクス・カーメカトロニクス製品、カーオーディオ、カーナビなどのカーマルチメディア製品、航空機、電動機付自転車等の原動機付き乗物、クレーンなどの重機械、人工衛星などの宇宙システムや衛生通信、有線通信システムなどのインフラや交通関連機器、カラオケ機器、パチンコ、ゲーム機などのアミューズメント機器、遊園地などの大型遊具、走査型電子顕微鏡(SEM)、オシロスコープなど各種測定機器、内視鏡、超音波画像診断装置などの医療機器など。
これらの製品は可動部を有し、周辺が水環境下で使用されることも想定されるため、いずれの機器でも配線の伸長や防水性能を必要とするケーブル付電子部品に対して、本発明の止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付電子部品は好適である。
1 芯材
2 導体線1
3 導体線2
4 銅線
5 伸縮伝送ケーブル
6 熱収縮チューブ
7 金型
8 端子接続部
9 電子部品
10 ホットメルト付熱収縮チューブ
11 インシュロック
12 プラスチック棒
13 養生テープ
14 万力
15 ポリエステル糸
16 ニッパー
17 シリコンゴム
A 止水剤A
B 止水剤B
C 止水体
D 評価サンプル
E 容器
F 水
G 飽和食塩水
H 圧縮空気
I ミリオームテスター
J ケース

Claims (14)

  1. 弾性円筒体の周囲に配された少なくとも1本以上の導体線からなる伝送ケーブルの前記導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、さらに前記ケーブル取り出し部における前記ケーブルと前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなることを特徴とする
    止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  2. 前記伝送ケーブルの末端部又は中間部において止水体により防水されてなる、請求項1に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  3. 前記伝送ケーブルを構成する前記弾性円筒体と前記導体線の隙間が止水体により防水されてなる、請求項1又は2に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  4. 前記伝送ケーブルの周囲に防水性の外部被覆層を有し、前記外部被覆層と前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  5. 前記外部被覆層が防水性を有さない被覆層であって、前記被覆層自体、前記ケーブルと前記外部被覆層との隙間並びに前記外部被覆層と前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  6. 前記伝送ケーブルの末端部の導体線と電子部品の端子部とが接続された伝送ケーブル付電子部品であって、前記電子部品がケーブル取り出し部を有する防水性ケースにより被覆され、かつ前記端子部の接続部が止水体により防水されてなる、
    止水性を備えた伸縮伝送ケーブル付き電子部品。
  7. 前記伝送ケーブルの周囲に防水性の外部被覆層を有し、前記ケーブルと前記外部被覆層との隙間が止水体により防水されてなる、請求項6に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  8. 前記外部被覆層が防水性を有さない被覆層であって、前記被覆層自体、前記ケーブルと前記外部被覆層との隙間、並びに前記外部被覆層と前記ケースとの隙間が止水体により防水されてなる、請求項6に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  9. 前記止水体が、熱硬化性、活性化エネルギー(UV、電子線等)硬化性、湿気硬化性、化学反応硬化性の樹脂並びに熱可塑性樹脂、ホットメルト型の熱可塑性樹脂及び接着剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの止水剤の硬化体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  10. 前記止水剤の粘度が50Pa・s以下である、請求項9に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  11. 前記止水体により防水処理されてなる前記伝送ケーブルの外径が、前記止水体を有さない部分の伝送ケーブルの外径に対して5%以上細い、請求項1〜8のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  12. 前記伝送ケーブルの末端部及び/又は中間部において、インシュロック留め具により少なくとも前記導体線と前記弾性円筒体とを一体化させた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子部品の止水性評価において、前記ケーブルを加圧した際のリーク圧が100kPa以上である、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
  14. 請求項6〜13のいずれか一項に記載の電子部品の止水性評価において、該ケーブルの前記端子接続部と前記止水体を介して逆側の前記導体部をミリオームテスターにより接続し、前記接続部を飽和食塩水に1分間浸漬させた時に抵抗値を実質的に示さない、止水性を備えた伝送ケーブル付電子部品。
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