JP2017102826A - 異常診断装置、異常診断方法、及び、異常診断プログラム - Google Patents

異常診断装置、異常診断方法、及び、異常診断プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】機械システムの状況変化に応じたより高い精度での異常診断を可能とする。【解決手段】診断対象データに係るパターン認識手法を用いた異常診断を行う際に、診断対象データと、学習情報作成部11が保持している抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、学習情報に利用される学習データが診断対象データ毎に抽出された後、学習データに応じた学習情報が作成されて、異常診断が行われる。したがって、例えば、機械システムの運転状況が変化した状態で取得された診断対象データに対しても、その診断対象データに応じた学習情報を利用した異常診断を行うことができるため、機械システムの状況変化に応じたより高い精度での異常診断が可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、機械システムにおける異常に係る診断を行う異常診断装置、異常診断方法、及び、異常診断プログラムに関する。
プラント等の複数の機器が動作する機械システムでは複数のセンサ等を用いてシステムの状態が計測されていて、計測されたデータを用いて機械システムに問題が生じているか等の異常診断を行うことが一般的である。
近年、機械システムにおける異常診断を高精度に行うことを目的として、認識技術を用いた分析方法が検討されている。例えば、特許文献1では、MT法(Mahalanobis-Taguchi Method)を利用した異常診断を行うことが示されている。また、特許文献1では、プラントの状況変化に応じた異常診断を行うことを目的として、変数が所定の抽出条件を満たすレコードからグループを定義した上で当該レコードに基づいてマハラノビス空間を作成し、グループデータとして記憶部に記憶することが示されている。
特開2013−50759号公報
しかしながら、機械システムは外部環境等によっても運転状況が変化するため、特許文献1に記載の方法で異常診断を行おうとすると、細かい状況変化に応じてグループデータを大量に準備する必要が出てくると考えられる。また、機械システムの状況変化が連続的である場合等には、適切なグループデータを準備することが困難な場合も発生する可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、機械システムの状況変化に応じたより高い精度での異常診断が可能な異常診断装置、異常診断方法、及び、異常診断プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る異常診断装置は、パターン認識手法を用いて機械システムに係る異常診断を行う異常診断装置であって、複数項目のパラメータ値を含むデータセットである診断対象データを前記機械システムから取得する診断対象データ取得手段と、前記診断対象データに対応した複数項目のパラメータ値を有する複数のデータセットを保持するデータセット記憶手段と、前記データセット記憶手段に保持された複数のデータセットから、前記診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データを抽出する学習データ抽出手段と、前記学習データから前記学習情報を作成する学習情報作成手段と、前記学習情報に基づいて、前記診断対象データが異常であるか否かを判断する診断手段と、を備える。
また、本発明の一形態に係る異常診断方法は、パターン認識手法を用いて機械システムに係る異常診断を行う異常診断装置により実行される異常診断方法であって、複数項目のパラメータ値を含むデータセットである診断対象データを前記機械システムから取得する診断対象データ取得ステップと、データセット記憶手段に保持された前記診断対象データに対応した複数項目のパラメータ値を有する複数のデータセットから、前記診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データを抽出する学習データ抽出ステップと、前記学習データから前記学習情報を作成する学習情報作成ステップと、前記学習情報に基づいて、前記診断対象データが異常であるか否かを判断する診断ステップと、を含む。
また、本発明の一形態に係る異常診断プログラムは、パターン認識手法を用いて機械システムに係る異常診断をコンピュータに実行させる異常診断プログラムであって、複数項目のパラメータ値を含むデータセットである診断対象データを前記機械システムから取得する診断対象データ取得ステップと、データセット記憶手段に保持された前記診断対象データに対応した複数項目のパラメータ値を有する複数のデータセットから、前記診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データを抽出する学習データ抽出ステップと、前記学習データから前記学習情報を作成する学習情報作成ステップと、前記学習情報に基づいて、前記診断対象データが異常であるか否かを判断する診断ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
上記の形態によれば、診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データが診断対象データ毎に抽出される。したがって、診断対象データを用いた異常診断に適した学習データが抽出され、この学習データによって異常診断に用いる学習情報が作成される。そのため、例えば、機械システムの運転状況が変化した状態で取得された診断対象データに対しても、その診断対象データに応じた学習情報を利用した異常診断を行うことができるため、機械システムの状況変化に応じたより高い精度での異常診断が可能となる。
ここで、前記学習データ抽出手段は、前記診断対象データに含まれる外部状況に係るパラメータ値と前記抽出条件情報とを利用して、前記学習データを抽出する態様とすることができる。
機械システムからの診断対象データには、機械システムの動作に影響を与える可能性がある外部状況に係るパラメータ値が含まれる場合がある。したがって、外部状況に係るパラメータ値と抽出条件情報とを利用して学習データを抽出する構成とすることで、機械システムの動作に影響を与える外部状況を考慮した学習情報を作成し、異常診断に利用することができる。これにより、外部状況を考慮したより高い精度での異常診断を行うことが可能となる。
また、前記学習データ抽出手段は、前記データセット記憶手段に保持された複数のデータセットから抽出された前記学習データの数又は割合に基づいて、前記学習情報の信頼性を評価する態様とすることができる。
複数のデータセットから抽出された学習データの数又は割合が小さい場合には、抽出元となる複数のデータセットにおいて診断対象データが稀な種類のデータである、又は、抽出元となる複数のデータセットとは異なる状況下で診断対象データが取得されている、といった可能性が考えられる。したがって、学習データの数又は割合に基づいて、学習情報の信頼性を評価する構成を備えることで、信頼性に問題があることを操作者等に通知することが可能となり、異常診断自体の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、機械システムの状況変化に応じたより高い精度での異常診断が可能な異常診断装置、異常診断方法、及び、異常診断プログラムが提供される。
実施形態に係る異常診断装置の機能ブロックを示す図である。 実施形態に係る異常診断方法を説明するフローチャートである。 実施形態に係る異常診断プログラムの構成を示す図である。 動的な学習データの抽出について説明する図である。 実施形態に係る異常診断を行うことによる効果を説明する図である。 実施形態に係る異常診断を行うことによる効果を説明する図である。 実施形態に係る異常診断を行うことによる効果を説明する図である。 実施形態に係る異常診断を行うことによる効果を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一形態に係る異常診断装置の機能ブロックを示す図である。図1に示す異常診断装置1は、診断対象に関する複数項目のパラメータ値を有するデータセットに基づいて、診断対象の異常を診断する。診断対象としては、特に限定されるものではなく、例えばガスタービン発電プラントをはじめとした各種のプラント、及び、複数の機器を有する機械システム等が挙げられる。本実施形態では、異常診断装置1が機械システム2から診断対象となるデータセットを取得すると共に、異常診断装置1における診断の結果を外部装置3に出力する場合について説明する。
機械システム2から送信されて異常診断装置1が取得するデータセットは、複数項目のパラメータ値が集まってなるデータ群であって、サンプルデータとも称される。複数項目のパラメータ値とは、複数種の特徴量(変数)に係るデータ値である。パラメータ値の項目としては、例えば、診断対象が備える複数種の機器(バルブ、ポンプ等)の制御値、指令値及び応答値、並びに、診断対象に設けられた複数種のセンサの各センサ値等が挙げられる。パラメータ値の項目数は、特に限定されるものではないが、ここでは数百以上とされている。
なお、機械システム2から送信されるサンプルデータ(データセット)には、機械システム2の内部状況によって変化するパラメータ値(機械システム2の運転状況に影響を受けて変化するパラメータ値)だけではなく、外部状況によって変化するパラメータ値が含まれる場合がある。このうち、外部状況によって変化するパラメータ値とは、外部の装置等によって指定された値や外部環境に係る情報を示す値であって、自システムでの制御に由来する値とは異なるものである。このようなパラメータ値としては、例えば機械システム2の周辺の温度や、特定の機器の出力設定値等が挙げられる。一方、内部状況によって変化するパラメータ値とは、自システムの動作によって変化するパラメータ値であり、内部のセンサの測定値等が挙げられる。このうち、機械システム2による異常診断には、少なくとも内部状況によって変化するパラメータ値が用いられる。
本実施形態における異常診断では、パターン認識手法を用いて診断が行われる。本実施形態におけるパターン認識手法とは、異常診断の対象となるサンプルデータが示すパターンが正常であるか否かを、学習データにより形成される学習情報に基づいて判断する手法である。本実施形態における異常診断装置1が適用可能なパターン認識の手法としては、例えば、MT法(Mahalanobis-Taguchi Method)、RT法(Recognition-Taguchi Method)、誤圧法(標準化誤圧法)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本実施形態では、異常診断装置1がパターン認識手法としてMT法を用いる場合について説明する。
本実施形態における異常診断装置に用いられるパターン認識手法を利用した診断方法では、異常診断の基準を設定するための複数のサンプルデータを予め準備しておく。この複数のサンプルデータを学習データという。そして、学習データに基づいて、診断対象のサンプルデータの異常診断を行う際の判断基準を特定した学習情報を作成する。学習データから学習情報をどのように算出するかは、パターン認識手法の種類によって異なるが、公知の手法を用いることができる。本実施形態における異常診断装置1は、診断対象のサンプルデータに応じて学習データを動的に選択して、学習情報を作成することを特徴としている。この点については後述する。以下の実施形態では、診断対象のサンプルデータを診断対象データと呼ぶ場合がある。
図1に示すように、異常診断装置1は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)10及び記憶装置20を備えた情報処理装置であって、記憶装置20に記憶される異常診断プログラムPが読み出されて実行されることで、種々の処理を行うことができる。
CPU10は、その機能的構成要素として、学習情報作成部11(学習データ抽出手段、学習情報作成手段)、算出部12(診断対象データ取得手段、診断手段)、診断部13(診断手段)、出力部14、及び、更新部15を有している。また、記憶装置20は、蓄積データ記憶部21(データセット記憶手段)と、動的学習情報記憶部22と、を有している。記憶装置20としては、ROM、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、或いはUSBメモリ等の記録媒体、又は半導体メモリ等が例示される。
次に、異常診断装置1の各部について説明する。まず、記憶装置20側の2つの記憶部について説明する。蓄積データ記憶部21は、過去の機械システム2の状態を示すデータセットを格納している。機械システムの状態を示すデータセットとは、過去に機械システム2から送信されたサンプルデータ群であるともいえる。異常診断装置1がMT法を用いて診断を行う場合、蓄積データ記憶部21には、機械システム2から送信された診断対象のデータセットについても適宜格納される。なお、蓄積データ記憶部21が格納する過去の機械システム2の状態を示すデータセットとして、機械システム2から送信されたサンプルデータだけでなく、他のデータを含んでいてもよい。すなわち、過去の機械システム2の状態を示すデータセットには、機械システム2とは異なる機械システム(例えば、同系統の別サイトの設備等)から取得されたデータや、機械システム2を模したシステムにおける特定の環境条件でのシミュレーション結果等が含まれていてもよい。
動的学習情報記憶部22は、学習情報作成部11で作成された学習情報を一時的に保持する機能を有する。詳細は後述するが、異常診断装置1では、診断対象データを機械システム2から取得する度に学習情報が作成される。動的学習情報記憶部22は、診断の都度作成される学習情報を一時的に保持すると共に、異常診断に係る一連の処理が終了すると、学習情報を消去する機能を有する。
次に、CPU10内の各部について説明する。学習情報作成部11は、蓄積データ記憶部21から格納されたデータセットを読み出し、機械システム2からのサンプルデータに係る診断を行う際に用いるデータセットの群を学習データとして抽出する。
学習情報作成部11による学習データの抽出には、機械システム2から取得した診断対象データに含まれる情報等を基準として利用することができるが、学習情報作成部11では学習データの抽出条件を決定するための抽出条件情報を予め保持している。学習データの抽出条件を決定するための抽出条件情報とは、例えば、「パラメータAの数値が、診断対象データにおけるパラメータAの数値が同一であるデータセット」又は「パラメータAの数値と診断対象データに含まれるパラメータAの数値との差が10以内であって、パラメータBの数値が正であるデータセット」である。このように、抽出条件情報とは、抽出条件を決めるための条件に係る部分を具体的に示した情報であって、診断対象データに含まれる特定のパラメータ値を利用することで、学習データの抽出方法が確定される情報である。なお、診断対象データに含まれる特定のパラメータ値を利用せず、「パラメータCの数値が10〜30であるデータセット」というように抽出条件を特定することも可能であるとは考えられる。しかし、機械システム2から取得した診断対象データの状況を考慮せずに学習データを抽出することになるため、診断対象データとの関連性が低い学習情報が作成される。したがって、異常診断装置1では、診断対象データに含まれる情報(パラメータ値)と、学習データの抽出条件を決定するための抽出条件情報とを組み合わせて、学習データの抽出条件を決める構成が採用される。
なお、診断対象データに含まれる特定のパラメータ値を利用した抽出条件とする場合、抽出条件に利用される特定のパラメータ値は、外部状況によって変化するパラメータ値であることが好ましい。外部状況によって変化するパラメータ値は、機械システム2によって変化することができるパラメータ値ではなく、機械システム2の運転状況の変化の契機となる情報を反映したものである。したがって、外部状況によって変化するパラメータ値を学習データの抽出に利用することで、機械システム2が置かれている状況が類似しているデータセットを蓄積データ記憶部21から抽出することができる。なお、内部状況によって変化するパラメータ値を利用した抽出条件により学習データを抽出する構成としてもよい。ただし、この場合には、機械システム2の運転状況に影響を受けたパラメータ値を用いての学習データの抽出となるため、特定の条件を満たすデータセットのみが学習データとして抽出される可能性があり、学習情報に偏りが生じる可能性がある。
この学習データを抽出する際の抽出条件情報は、予め異常診断装置1の操作者等によって設定されるものである。また、学習情報作成部11では、抽出条件情報を複数保持しておき、診断対象データに応じて、抽出条件情報から学習データの抽出に利用する情報を選択する構成としてもよい。抽出条件情報を選択する際の選択の条件としては、例えば、診断対象データの取得時間帯に応じて、又は、操作者の指定に基づいて、等が考えられるが、これらに限定されない。
また、学習情報作成部11は、学習データとして抽出したデータセットの群を用いて、診断対象データに対応した学習情報を作成する機能を有する。異常診断装置1がMT法を用いて診断を行う場合、学習情報とは、単位空間(MT法の場合には、マハラノビス空間)を示す情報及び異常診断を行うための判断基準を示す情報となる。学習情報作成部11により作成された学習情報は、動的学習情報記憶部22に格納される。
なお、学習情報作成部11は、学習情報の作成を行う際に、その学習情報が信頼性を有するか否かについても評価する機能を有する。具体的には、診断対象データに基づいて抽出した学習データの数が少ない、又は、蓄積データ記憶部21に記憶されているデータセットの数に対する抽出した学習データの割合が少ない、のいずれかを満たす場合、抽出元となる複数のデータセットにおいて診断対象データが稀な種類(外部状況)のデータである、又は、抽出元となる複数のデータセットとは異なる外部状況下で診断対象データが取得されている、といった可能性が考えられる。このような場合には、抽出した学習データに基づいて作成される学習情報が、診断対象データに対して適切なものとはならない可能性が考えられ、学習情報を利用した異常診断の結果の精度も低下することが考えられる。したがって、学習情報作成部11では、信頼性の高い学習情報であるか否かを学習データの数又は割合等に基づいて評価する機能を有する。学習データの数に基づいた判断を行う場合の簡単な方法としては、学習データとして抽出したデータセットの数が閾値以上であるか否かに基づいて、学習情報に信頼性があるか否かを判断する方法を用いることができる。学習データの割合に基づいた判断を行う場合も同様に、蓄積データ記憶部21に記憶されているデータセットの数に対して学習データとして抽出したデータセットの数の割合が閾値以上であるか否かに基づいて、学習情報に信頼性があるか否かを判断する方法を用いることができる。信頼性について判断した結果、学習情報の信頼性に問題がある(信頼性が低い)と判断した場合には、以降の処理を中止して異常診断自体を行わない構成とすることもできるし、信頼性が低いことを示すアラートを行うことを前提として、以降の異常診断に係る処理を行う構成とすることもできる。また、これらの処理を組み合わせた構成とすることもできる。
算出部12は、機械システム2からの診断対象データについて、学習情報作成部11で抽出された学習情報に基づいて、サンプルデータの診断のために必要な数値等の算出を行う。算出結果は、算出部12から診断部13へ送られる。異常診断装置1がMT法を用いて診断を行う場合、算出部12では、サンプルデータと学習情報とに基づいて、マハラノビス距離を算出する。
診断部13は、算出部12における算出結果に基づき、診断対象データが異常であるか、すなわち、機械システム2が異常であるか否かを判断する。異常診断装置1がMT法を用いて診断を行う場合、診断部13では、算出部12において算出されたマハラノビス距離に基づいて、機械システム2が異常であるか否かを判断する。診断部13による診断結果は、出力部14へ送られる。
出力部14は、外部装置3へ診断結果を出力するための処理を行う。診断部13による診断結果は、外部装置3に対して学習情報に関連する情報を組み合わせて出力することも考えられる。出力部14では、予め定められた外部装置3への出力形式に対応させて診断結果及び関連情報を準備して出力する機能を有する。
更新部15は、機械システム2からの診断対象データを蓄積データ記憶部21に格納する。すなわち、更新部15は、学習データとして利用される可能性のあるデータセットの群を更新する機能を有する。また、異常診断装置1が診断対象とは異なるデータセットについても機械システム2から送信される構成である場合には、当該データセットも蓄積データ記憶部21に格納することとしてもよい。
次に、図2に示すフローチャートを参照しながら、異常診断装置1による異常診断方法について説明する。
まず、異常診断装置1では、機械システム2から診断対象データを取得する。機械システム2では、算出部12が診断対象データを取得し読み込みを行う(S01:診断対象データ取得ステップ)。次に、学習情報作成部11において、学習情報の作成に係る処理を行う。具体的には、学習情報作成部11において保持している抽出条件情報から、診断対象データに対応した学習情報の作成に用いる抽出条件情報を選択する。その後、学習情報作成部11では、選択した抽出条件情報と診断対象データとに基づいて、蓄積データ記憶部21に格納されたデータセットの中から学習情報の作成に用いるデータセット(学習データ)を抽出する(S02:学習データ抽出ステップ)。
次に、学習情報の信頼性を評価することを目的として、学習データとして抽出されたデータセットの数が閾値以上であるか否かを判断する(S03)。このとき、抽出されたデータセットの数が閾値以上である(S03−YES)場合には、以降の処理(S05〜)を継続する。一方、抽出されたデータセットの数が閾値未満である場合(S03−NO)には、学習情報を作成したとしても信頼性が低いと判断し、以降の処理を中止するか又はアラートを通知する(S04)。また、アラートを通知しつつ、異常診断自体を継続する場合には、抽出されたデータセットの数が閾値以上である場合(S03−YES)と同様に、学習情報の作成に係る処理(S05〜)を継続する。
次に、学習情報作成部11では、学習情報の作成に係る処理を実行する(S05:学習情報作成ステップ)。学習情報の作成に係る処理は、異常診断装置1において異常診断に用いるパターン認識手法の種類によって異なるが、公知の手法を用いることができる。その後、学習情報作成部11では、作成した学習情報が適切であるか否かを判断する(S06)。適切ではない学習情報とは、例えば、抽出したデータの数は十分あったものの、例えば抽出条件が不適切なために、学習データとして用いるデータセットが極端に偏っている場合等が挙げられる。このような場合には、学習情報作成部11では、作成後の学習情報が適切であるか否かの判断基準を予め設けておき、その判断基準に基づいて、学習情報が適切であるか否かを判断する。適切ではない学習情報が作成されたと判断した場合(S06−NO)には、学習情報作成部11は以降の処理を中止する。一方、適切な学習情報が作成されたと判断した場合(S06−YES)には、学習情報作成部11は学習情報を動的学習情報記憶部22に格納する。学習情報作成部11は、動的学習情報記憶部22に学習情報を格納した後に、算出部12に対して処理が終了したことを通知する。なお、学習情報の作成を中止した場合にも、その結果を算出部12に対して通知する。学習情報の作成を中止した場合、異常診断自体が行われないため、算出部12から中止を通知するための信号が出力部14へ送られて、出力部14から外部装置3等へ異常診断が行われなかったことが通知される。
次に、学習情報作成部11による学習情報の作成が終わると、算出部12及び出力部14は、診断対象データに係る異常診断を実行する(S07:診断ステップ)。具体的には、算出部12は、学習情報作成部11から学習情報を取得して、診断対象データと学習情報とから診断に必要な数値を算出する。その後、算出部12による算出結果に基づいて、診断部13において、異常であるか否かを判断する。
その後、診断部13による診断結果が出力部14に対して送られ、出力部14において所望の加工等を行った後に、外部装置3に対して出力される。また、出力部14は、蓄積データ記憶部21に対して診断対象データに係るデータセットを格納(記録)する(S08)。このとき、動的学習情報記憶部22に格納された学習情報については消去を行ってもよい。以上によって、機械システム2からの診断対象データに係る異常診断の一連の処理が終了する。
次に、図3を参照しながら、コンピュータを異常診断装置1として機能させるための異常診断プログラムPを説明する。
異常診断プログラムPは、メインモジュールP10、学習情報作成モジュールP11、算出モジュールP12、診断モジュールP13、出力モジュールP14、及び、更新モジュールP15を備える。メインモジュールP10は、異常診断に係る処理を統括的に制御する部分である。学習情報作成モジュールP11、算出モジュールP12、診断モジュールP13、出力モジュールP14、及び、更新モジュールP15を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記各実施形態における学習情報作成部11、算出部12、診断部13、出力部14、及び、更新部15の機能と同様である。
異常診断プログラムPは、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、異常診断プログラムPは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
本実施形態に係る異常診断装置1では、機械システム2の外部状況に基づいて、学習情報の作成に用いるデータを変更して動的に学習情報を作成して、異常診断を行うことを特徴とする。この点について、さらに説明する。
例えば、特定の装置Aの温度を一定に保つ必要がある機械システムでは、周辺の温度が低下すると部材の温度を保つために、装置に対して供給する熱量を増加させる必要があり、熱源等を含む機械システム2の運転状況が変化する。このように、外部状況が変化すると、機械システム2の運転状況は変化することが考えられる。
また、運転状況が変化すると、状況によって「異常」状態も変化する。例えば、外部状況に基づいて装置Bの温度を100℃とする必要がある場合には、センサの実測値が70℃であると異常であるといえる。一方、外部状況に基づいて装置Bの温度を70℃とする必要がある場合には、センサの実測値が70℃であると正常であるといえる。このように、外部状況に基づいて機械システム2の運転状況が変化すると、異常であるか否かを判断する基準が変化する。従来から、異常であるか否を判断するには、予め正常値と判断することができる数値範囲を設定し、その数値範囲から実測値が外れている場合には異常であると判断することが一般的であった。また、この考え方はパターン認識手法を用いて異常診断を行う場合でも同様である。MT法では、予め学習データに基づいて単位空間(マハラノビス空間)を作成し、その単位空間において診断対象データのマハラノビス距離(MD値)が、予め定められた数値範囲から外れている(閾値以上である)場合には異常であると判断するという考え方が採られている。
しかしながら、異常であるか否かを判断するための数値範囲の設定が適切ではない場合、異常であるか否かの判断にも間違いが生じることが考えられる。この点についても、パターン認識手法を用いて異常診断を行う場合でも同様である。簡単のために、上記の装置Bの例で考えると、例えば、正常と判断する装置Bの温度の数値範囲を90℃〜110℃とした場合には、装置Bの設定温度を70℃であるのに対してセンサの実測値が70℃であったとしても、異常であると判断してしまう「誤検知」が生じる可能性がある。逆に、装置Bの温度を100℃に設定した場合にも70℃に設定した場合にも許容可能な数値範囲を設定しようとすると、正常となる数値範囲が大きくなりすぎてしまい、異常が発生していても異常と判断されない「未検知」が生じる可能性がある。上記のような状態において、例えば、装置Bの設定温度が70℃の場合に正常と判断すべき数値範囲と、装置Bの設定温度が100℃の場合に正常と判断すべき数値範囲と、を予め設定しておこうという考え方もある。しかしながら、実際の機械システム2では、運転状況に応じて設定値が徐々に変化するような装置がある。特にパターン認識手法を用いた異常診断の場合には、1つのデータセットに含まれるパラメータ値の項目数が多いため、運転状況に応じて異常であるか否かを判断するための基準を複数保持しておいて、運転状況に応じて基準を変更して異常診断を行おうとすると、どうしても誤検知や未検知が発生しやすい状況が発生すると考えられる。
そこで、異常診断装置1では、機械システム2で取得された診断対象データに基づいて、学習情報の作成に用いる学習データを変更して動的に学習情報を作成する。より詳細には、パターン認識手法を用いた異常診断においての異常か否かの判断の基準となる学習情報を、診断対象データ毎に準備する構成を備える。これにより、診断対象データ毎に機械システム2の運転状況を反映した学習情報、すなわち、異常診断の基準を用いることができるため、より高い精度での異常診断を行うことができる。
図4は、機械システム2において学習情報を動的に作成した例を示す図である。図4では、時刻に対応させて機械システムにおける1つのセンサの値(実測値)(図中の点P1等)と、そのセンサの値を含む診断対象データに基づいた抽出条件を用いて、蓄積データ記憶部21に記憶されたデータセットの中から抽出された学習データにおける当該センサの値の平均値(図中の線L1)と、その平均値の±3σ帯(図中の帯L2)と、を示している。このように、診断対象データにおけるセンサの実測値は、時刻に応じて変化しているが、各時刻における診断対象データに対応させて学習データを抽出すると、学習データにおける特定のセンサの値の平均値の変化と、診断対象データのセンサの実測値とが連動して変化する。このように、診断対象データに基づいた抽出条件により学習データを抽出すると、診断対象データに類似した状況で取得されたデータセットを学習データとして抽出することができる。したがって、学習データを用いて作成される学習情報を用いて異常診断を行うと、診断対象データに対する異常診断の精度が向上すると考えられる。
なお、図4では、各時刻における診断対象データに対応させて学習データを抽出した結果、抽出されたデータセットの数又は割合が少なく信頼性に問題があると考えられた診断対象データ(P2)と、抽出されたデータセット数が0であった診断対象データ(P3)も含まれる。このような場合には、診断対象データに係る異常診断の精度が低下する(抽出されたデータセット数が少ない場合)か、そもそも学習データとして使用できるデータセットがないため異常診断を行うことができない(抽出されたデータ数が0の場合)。このように、異常診断の信頼性が低くなると思われる診断対象データも特定することができる。学習データとして使用できるデータセットが少ない又は0である診断対象データとは、蓄積データ記憶部21において、診断対象データと類似した状況での運転実績が少ない又は0であることを示していると思われるので、このような診断対象データを見つけた場合には、診断対象データに係るより詳細な分析を行うことで、機械システム2の問題点等を見つけることができる可能性もある。
次に、図5〜図8を参照しながら、本実施形態に係る異常診断装置1による効果についてさらに説明する。図5〜図8では、異常診断装置1において、MT法を利用して異常診断を行った場合について示している。
まず、図5を参照しながら、異常診断装置1による異常診断方法による誤検知の低減について説明する。図5(A)及び図5(B)は従来の手法による問題点を説明する図である。図5(A)は、機械システムから経時的に取得された特定のセンサの出力値を取得日時に対応させて示したものである。図5(A)では、外部状況の変化等によって、出力値が高い状態から低い状態へ移行した後に再び高い状態へ戻ったことが示されている。この変化は外部状況の変化に基づいた変化であり、異常な変化ではなかった。一方、図5(B)は、図5(A)に示すセンサの出力値を含むデータセットを診断対象データとし、MT法を用いて従来の手法により異常診断を行った結果を示したものである。ここでは、学習情報であるマハラノビス空間の作成には、蓄積データ記憶部21に記憶されたデータセットのうち、出力値が高い状態のデータセットを用いた。その結果、図5(B)に示すように、出力値が低い状態ではマハラノビス距離(MD値)が大きくなり、異常であると誤検知されている。
これに対して、本実施形態に係る異常診断装置1による異常診断方法を利用して異常診断を行うと、図5(C)に示すように、出力値が低い状態においても、マハラノビス距離(MD値)は、異常と判断する値の閾値(MD値=40)よりも十分低いことが確認され、誤検知を除去することができた。このように、学習情報を診断対象データに応じて変更することで、誤検知の発生を減らすことができる。
図5(C)では蓄積データ記憶部21に記憶されたデータセットのうち、診断対象データと条件が合致した(学習データとしての抽出対象となった)データセットの数を参考に示している。診断対象データに基づく抽出条件によって抽出したデータセットの数が少ないと、信頼性が低下することが考えられるが、出力値が低い状態でも診断対象データと条件が合致したデータセットの数が十分であったため、誤検知が生じなかったと考えられる。
次に、図6を参照しながら、学習情報の作成に利用する学習データにおいて、診断対象データと関連性の高いデータセットの数が少ないと、誤検知が生じることについて別の分析結果を示す。図6では、機械システムから経時的に取得された診断対象データに係る異常診断の結果(MD値)の変化を診断対象データの取得日時に対応させて示したものである。異常診断に用いた学習情報(マハラノビス空間)は、1056件のデータセットを用いて作成された。図6では、1056件のデータセットのうち、各時刻における診断対象データと外部状況が一致すると思われるデータセットの数の変化を併せて示している。図6に示すように、13:00以降診断対象データと外部状況が一致するデータセットの数が0件となっているが、MD値についても13:00以降大きくなっていて、異常と判断する閾値であるMD=40よりも大きな状態が継続している。すなわち、学習情報の作成に用いられるデータセットに対して、診断対象データと外部状況が一致するデータセットの割合が少なくなると、誤検知が発生することを示している。図6では、診断対象データと外部状況が一致するデータセット数が0になった場合という極端な状態での分析を示しているが、学習情報の作成に用いられるデータセットおける、診断対象データと外部状況が一致するデータセットの割合が小さくなると誤検知は大きくなると考えられる。
次に、図7を参照しながら、異常診断装置1による異常診断方法による未検知の低減について説明する。図7(A)及び図7(B)は従来の手法による問題点を説明する図である。図7(A)は、機械システムから経時的に取得された特定のセンサの温度を取得日時に対応させて示したものである。図7(A)では、温度が変化している領域が含まれているが、本来は一定温度に保たれているべき状況であり、異常な状態を示している。一方、図7(B)は、図7(A)に示すセンサの温度を含むデータセットを診断対象データとし、MT法を用いて従来の手法により異常診断を行った結果を示したものである。ここでは、学習情報であるマハラノビス空間の作成には、蓄積データ記憶部21に記憶された全てのデータセット、すなわち、外部状況が変化した状態で取得されたデータセットについても、学習データとして利用した。その結果、図7(B)に示すように、センサの温度が低下している異常状態の状況についても正常であると診断していて、異常を検知できていない未検知が発生している。
これに対して、本実施形態に係る異常診断装置1による異常診断方法を利用して異常診断を行うと、図7(C)に示すように、センサの温度が低下した状態を異常値であると検知することができ、未検知を除去することができた。このように、学習情報を診断対象データに応じて変更することで、未検知の発生も減らすことができる。
図7(C)では蓄積データ記憶部21に記憶されたデータセットのうち、診断対象データと条件が合致した(学習データとしての抽出対象となった)データセットの数を参考に示している。診断対象データに基づく抽出条件によって抽出したデータセットの数が少ないと、信頼性が低下することが考えられるが、この分析例ではデータセットの数が少ない場合であっても誤検知は生じなかった。
次に、図8を参照しながら、異常診断装置1による異常診断方法による異常状態の検出感度について説明する。図8(A)及び図8(B)は従来の手法による異常診断結果を示している。図8(A)は、機械システムから経時的に取得された特定のセンサの出力値を取得日時に対応させて示したものである。図8(A)では、出力値が変化している領域が含まれていて、これは異常な状態を示している。一方、図8(B)は、図8(A)に示すセンサの出力値を含むデータセットを診断対象データとし、MT法を用いて従来の手法により異常診断を行った結果を示したものである。図8(B)では、センサの出力値が変化した時間帯についてはMD値が上昇していることを示していて、従来の手法においても、正しく異常を検知していることを示している。
これに対して、本実施形態に係る異常診断装置1による異常診断方法を利用して異常診断を行った場合についても、図8(C)に示すように、センサの出力値が変化した時間帯についてはMD値が上昇し、異常であることを検知している。このように、本実施形態に係る異常診断装置1による異常診断方法では、従来から検知することができている異常についても正しく検知することができる。
以上のように、本実施形態に係る異常診断装置1、異常診断方法、及び異常診断プログラムによれば、診断対象データに係るパターン認識手法を用いた異常診断を行う際に、診断対象データと、学習情報作成部11が保持している抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、学習情報に利用される学習データが診断対象データ毎に抽出された後、学習データに応じた学習情報が作成されて、異常診断が行われる。したがって、例えば、機械システムの運転状況が変化した状態で取得された診断対象データに対しても、その診断対象データに応じた学習情報を利用した異常診断を行うことができるため、機械システムの状況変化に応じたより高い精度での異常診断が可能となる。なお、運転状況が変化した状態には機械システムにおける過渡状態も含まれ、本実施形態に係る異常診断装置1、異常診断方法、及び異常診断プログラムは、機械システムの状況変化が連続的である場合にも対応することができる。
また、学習情報作成部11が、蓄積データ記憶部21に記憶された複数のセットデータから学習データを抽出する際には、条件に合致したデータを個別に選択して抽出する。このような構成を備えることで、特定の期間に取得されたセットデータを指定して学習データとする場合と比較して、高い精度の異常診断を行うことが可能な学習情報を作成することができる。特定の期間に取得されたセットデータから学習データとする構成とした場合には、例えば、ノイズ等に由来して本来は学習データの抽出条件から外れたデータセットが学習データに含まれてしまう可能性もある。これに対して、条件に合致したデータを個別に選択して抽出する場合には、ノイズ等に由来して本来は学習データの抽出条件から外れたデータセットが学習データとして抽出されることを防ぐことができるため、より精度の高い学習情報を作成することができる。すなわち、診断対象データに応じた学習情報を利用した異常診断を行うことが可能となる。
また、機械システムの動作に影響を与える可能性がある外部状況に係るパラメータ値が診断対象データに含まれる場合には、外部状況に係るパラメータ値と抽出条件を決定するための抽出条件情報とを利用して学習データを抽出する構成とすることで、機械システムの動作に影響を与える外部状況を考慮した学習情報を作成し、異常診断に利用することができる。この場合、外部状況を考慮したより高い精度での異常診断を行うことが可能となる。
また、複数のデータセットから抽出された学習データの数又は割合が小さい場合には、抽出元となる複数のデータセットにおいて診断対象データが稀な種類のデータである、又は、抽出元となる複数のデータセットとは異なる状況下で診断対象データが取得されている、といった可能性が考えられる。そのため、本実施形態に係る異常診断装置1のように、抽出された学習データの数又は割合に基づいて、学習情報の信頼性を評価する構成を備えることで、信頼性に問題がある場合には処理を中止すること、又は、信頼性に問題があることを予め操作者等に通知すること等が可能となり、異常診断の結果自体の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態に係る異常診断装置1、異常診断方法、及び異常診断プログラムについて説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施形態では、異常診断装置1が1台の装置により実現されている場合について説明したが、異常診断装置1は複数の装置により構成されていてもよい。
1 異常診断装置
2 機械システム
3 外部装置
10 CPU
11 学習情報作成部
12 算出部
13 診断部
14 出力部
15 更新部
20 記憶装置
21 蓄積データ記憶部
22 動的学習情報記憶部

Claims (5)

  1. パターン認識手法を用いて機械システムに係る異常診断を行う異常診断装置であって、
    複数項目のパラメータ値を含むデータセットである診断対象データを前記機械システムから取得する診断対象データ取得手段と、
    前記診断対象データに対応した複数項目のパラメータ値を有する複数のデータセットを保持するデータセット記憶手段と、
    前記データセット記憶手段に保持された複数のデータセットから、前記診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データを抽出する学習データ抽出手段と、
    前記学習データから前記学習情報を作成する学習情報作成手段と、
    前記学習情報に基づいて、前記診断対象データが異常であるか否かを判断する診断手段と、
    を備える異常診断装置。
  2. 前記学習データ抽出手段は、前記診断対象データに含まれる外部状況に係るパラメータ値と前記抽出条件情報とを利用して、前記学習データを抽出する請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 前記学習データ抽出手段は、前記データセット記憶手段に保持された複数のデータセットから抽出された前記学習データの数又は割合に基づいて、前記学習情報に信頼性を評価する請求項1又は2に記載の異常診断装置。
  4. パターン認識手法を用いて機械システムに係る異常診断を行う異常診断装置により実行される異常診断方法であって、
    複数項目のパラメータ値を含むデータセットである診断対象データを前記機械システムから取得する診断対象データ取得ステップと、
    データセット記憶手段に保持された前記診断対象データに対応した複数項目のパラメータ値を有する複数のデータセットから、前記診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データを抽出する学習データ抽出ステップと、
    前記学習データから前記学習情報を作成する学習情報作成ステップと、
    前記学習情報に基づいて、前記診断対象データが異常であるか否かを判断する診断ステップと、
    を含む異常診断方法。
  5. パターン認識手法を用いて機械システムに係る異常診断をコンピュータに実行させる異常診断プログラムであって、
    複数項目のパラメータ値を含むデータセットである診断対象データを前記機械システムから取得する診断対象データ取得ステップと、
    データセット記憶手段に保持された前記診断対象データに対応した複数項目のパラメータ値を有する複数のデータセットから、前記診断対象データと予め保持されている抽出条件を決定するための抽出条件情報とに基づいて、パターン認識手法に用いられる学習情報の作成に用いるデータセットである学習データを抽出する学習データ抽出ステップと、
    前記学習データから前記学習情報を作成する学習情報作成ステップと、
    前記学習情報に基づいて、前記診断対象データが異常であるか否かを判断する診断ステップと、
    を前記コンピュータに実行させる異常診断プログラム。
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