JP2017102178A - 光学走査デバイス、光投射装置、及び、光学走査デバイスの製造方法 - Google Patents

光学走査デバイス、光投射装置、及び、光学走査デバイスの製造方法 Download PDF

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【課題】認識マークの認識率を向上する。【解決手段】光投射装置は光源と光学ユニットとを備える。光学ユニットは、光学走査デバイスを含み、光学走査デバイスで反射されて走査された光を被投射部材に投射する。光学走査デバイスは走査ミラー部、支持部材、及び、有色膜が設けられた基体を備える。走査ミラー部は光源から出射される光を反射して走査する。支持部材は走査ミラー部を揺動可能に支持する。基体において有色膜が設けられた面では、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マークを形成する。基体の上記面と直交する線に平行な方向から見た平面視において認識マークの各中心点間を結ぶ線分が走査ミラー部の揺動駆動の中心軸と直交する。【選択図】図4

Description

本発明は、認識マークを有する基体を備える光学走査デバイスと、該光学走査デバイスを含む光学ユニットを備える光投射装置と、光学走査デバイスの製造方法と、に関する。
従来、MEMSミラー素子を金属製の基体にダイボンディングする際、基体の外形の一部をダイボンディング装置に認識させて、位置決めを行っている(特許文献1参照)。ところが、基体の厚さに起因する陰影差、外形バリ、基体表面のメッキ膜に発生するピンホールなどによって、ダイボンディング装置が基体の外形を誤認識するという問題が多発している。そのため、ダイボンディング工程のオートメーション化はできていない。
また、位置決めの基準となる認識マークを基体に形成してダイボンディング装置に認識させる方法もある。通常、ダイボンディング装置は各部材のコントラスト差によって部材の認識を行う。そのため、認識マークには基体に対するコントラスト差が大きいものが求められる。また、厚さに起因するエッジの焦点ボケを防止するために、認識マークを薄膜で形成することが望ましい。このような認識マークはたとえばメッキ、塗装により形成できる。
特開2007−118286号公報
しかしながら、メッキ又は塗装により形成した認識マークの認識率が低い。たとえば、メッキではピンホールの発生が避けられないために誤認識され易い。また、ピンホールから錆が発生したりピンホールによりメッキ面が不均一に荒れたりするため、ダイボンディングの際にMEMSミラー素子が基体に対して傾いてしまう。また、塗装では、塗膜が剥離する懸念がある。そのため、塗膜の剥離によって誤認識されたり、剥離部分で錆がはっせいしたり剥離した塗膜片が微小塵埃になったりする。従って、メッキ又は塗装で形成された認識マークの認識率を改善することは困難である。また、このような問題に対して、特許文献1では何ら言及されていない。
本発明は、認識マークの認識率を向上することができる光学走査デバイス、光投射装置、及び、光学走査デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一の態様による光学走査デバイスは、光源から出射される光を反射して走査する走査ミラー部と、走査ミラー部を揺動可能に支持する支持部材と、有色膜が設けられた基体と、を備え、基体において有色膜が設けられた面では、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マークを形成し、基体の上記面と直交する線に平行な方向から見た平面視において認識マークの各中心点間を結ぶ線分が走査ミラー部の揺動駆動の中心軸と直交する構成とされる。
この構成によれば、基体において有色膜が設けられた面では、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マークを形成する。そのため、有色膜を用いて、有色膜が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域との間のコントラスト差を明確にして、認識マークが光学的に認識される際の認識率を向上することができる。従って、陰影差、ピンホール、及び膜片の剥離の発生の影響を受けることなく、光学的に認識可能なマークを基体に設けることができる。よって、認識マークの認識率を向上することができる。
さらに、基体において有色膜が設けられた面と直交する線に平行な方向から見た平面視において、2つの認識マークの各中心点間を結ぶ線分が走査ミラー部の揺動駆動の中心軸と直交する。従って、走査ミラー部の揺動駆動の中心軸は2つの認識マークを基準にして高精度に軸出しされる。よって、光源から出射される光の光軸或いは他の部材に対して、走査ミラー部の位置調整を行う際、2つの認識マークに対する揺動駆動の中心軸が回転移動を抑えることができる。
また、上記構成の光学走査デバイスにおいて、光を反射して走査ミラー部とは異なる方向に走査する反射鏡を有する反射部材をさらに備え、基体において認識マークは走査ミラー部よりも反射部材から遠い位置に配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、基体及び反射部材間の最近接箇所においてスペースを確保することができる。また、認識マークは走査ミラー部よりも反射部材から遠い位置に配置されているため、光学走査デバイスの外部から認識マークを視認し易くなる。従って、認識マークの認識率を向上することができるとともに、光学走査デバイスの配置及びその位置調整などがし易くなる。
また、上記構成の光学走査デバイスにおいて、複数の第1貫通孔を有して基体上に設けられる基板をさらに備え、基体は複数の第2貫通孔を有し、上記の平面視において第1貫通孔の周縁が第2貫通孔の周縁と重なる構成としてもよい。
この構成によれば、たとえば複数個所において第1及び第2貫通孔に位置合わせ治具の軸部を挿入して上記の平面視において第1及び第2貫通孔の周縁を重ねることにより、基板を簡便且つ高精度に位置決めして基体上に設けることができる。
また、上記構成の光学走査デバイスにおいて、有色膜が設けられた領域の表面粗さは、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域の表面粗さよりも大きい構成としてもよい。
この構成によれば、有色膜が形成された領域では、その境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域よりも強く光が散乱される。そのため、有色膜が形成された領域では光沢が出にくくなり、その境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域では光沢が出やすくなる。従って、有色膜が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域とにおいて、コントラスト差に加えて、明度差も大きくなる。よって、認識マークがより明確に認識し易くなるので、認識マークの認識率をより向上することができる。
また、上記構成の光学走査デバイスは、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部は、有色膜が設けられていない領域との境界である構成としてもよい。
この構成によれば、有色膜が設けられた領域と有色膜が設けられていない領域との境界により、認識マークを形成することができる。
また、上記構成の光学走査デバイスにおいて、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域は基体の表面を露出する構成としてもよい。
この構成によれば、基体の表面に対する有色膜のコントラスト差を利用して、有色膜が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域との間のコントラスト差をより大きくすることができる。従って、認識マークが明確に認識し易くなるので、認識マークの認識率をより向上することができる。
また、上記構成の光学走査デバイスにおいて、有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域に光反射層が形成された構成としてもよい。
この構成によれば、光反射層が形成された領域の彩度及び明度が増加する。そのため、有色膜が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接し且つ光反射層が形成された領域との間のコントラスト差及び明度差がさらに大きくなる。よって、認識マークがさらに明確に認識し易くなるので、認識マークの認識率をさらに向上することができる。
また、上記構成の光学走査デバイスにおいて、有色膜は基体の有色不動態膜であり、有色膜が、基体の認識マークが設けられた面以外にも設けられた構成としてもよい。
この構成によれば、基体の認識マークが設けられた面以外、たとえば端部及び側面(たとえば切断部分の角部及び切断面)にも有色不動態膜が設けられている。高温高湿環境下ではこれらの部分は錆が発生し易いが、有色不動態膜の形成により錆の発生を防止することができる。従って、認識マークを光学的に認識する際での錆による誤認識、錆の剥離による微小塵埃の発生を防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一の態様による光投射装置は、光源と、上記の光学走査デバイスを含む光学ユニットと、を備え、光学ユニットは光学走査デバイスで反射されて走査された光を被投射部材に投射する構成とされる。
この構成によれば、有色膜を用いて、有色膜が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域との間のコントラスト差を明確にして、認識マークが光学的に認識される際の認識率を向上することができる。従って、陰影差、ピンホール、及び膜片の剥離の発生の影響を受けることなく、光学的に認識可能なマークを基体に設けることができる。また、走査ミラー部の揺動駆動の中心軸は2つの認識マークを基準にして高精度に軸出しされた状態で走査ミラー部を設けることができる。よって、光源から出射される光の光軸或いは他の部材に対して、走査ミラー部の位置調整を行う際、2つの認識マークに対する揺動駆動の中心軸の回転移動を抑えることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一の態様による光学走査デバイスの製造方法は、複数の認識マークが設けられた基体に走査ミラー部及び支持部材を含む光学素子を搭載する上記の光学走査デバイスの製造方法であって、基体において有色膜が設けられた面と直交する線に平行な方向から見た第1平面視において、各々の認識マーク上の第1認識点をそれぞれ認識するステップと、第1平面視において、第1認識点を通る第1直線、該第1直線上の特定位置を通って第1直線に垂直な第1基準線を認識するステップと、第1平面視において、第1基準線上の第1特定点を決定するステップと、光学素子の表面と直交する線に平行な方向から見た第2平面視において、光学素子上の第2特定点及び該第2特定点を通る第2基準線をそれぞれ認識するステップと、基体において有色膜が設けられた面上に光学素子を搭載するステップと、を備え、搭載するステップでは、第1平面視において、第1基準線は第2基準線と平行であり、第1特定点は第2特定点と一致する構成とされる。
この構成によれば、基体の認識マークを高精度に認識できるので、第1平面視における基体上の第1特定点及び第1基準線を高精度に認識することができる。さらに、光学素子を基体に搭載する際、基体上の第1基準線を光学素子上の第2基準線を平行にして、基体上の第1特定点を光学素子上の第2特定点と高精度に一致させることができる。そのため、基体に光学素子を非常に高精度に設けることができる。また、走査ミラー部及び支持部材を含む光学素子を基体に搭載する工程を自動化することも可能となる。よって、該工程のオートメーション化により、基体に対する光学素子のダイボンディングの位置精度をより向上することができる。
本発明によれば、認識マークの認識率を向上することができる。
HUD装置の概略図である。 プロジェクタユニットの構成例を示すブロック図である。 光学ユニットの具体的な構成例を示す斜視図である。 MEMSミラーデバイスの構成例を示す斜視図である。 水平走査ミラーデバイスの斜視図である。 水平走査ミラーデバイスの断面図である。 認識マークの他の形状の一例を示す図である。 位置決め治具を用いた基体に対するFPCの位置決め方法を説明するための断面図である。 位置調整部材を用いた相対位置調整方法を説明するための断面図である。 第1実施形態に係る基体の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 MEMS素子のダイボンディング処理の一例を説明するためのフローチャートである。 基体に対するダイボンディング装置の光学的な認識例を示す上面図である。 MEMS素子に対するダイボンディング装置の光学的な認識例を示す上面図である。 基体に対するMEMS素子の位置決めの一例を示す上面図である。 第2実施形態に係る基体の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態における認識マークの内外での表面粗さの違いを示す図である。 第3実施形態に係る基体の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態に係る認識マークを示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照し、車両用のヘッドアップディスプレイ装置100を例に挙げて説明する。なお、以下では、ヘッドアップディスプレイ装置100をHUD(Head-Up Display)装置100と呼ぶ。
<第1実施形態>
図1は、HUD装置100の概略図である。本実施形態のHUD装置100は、車両200に搭載されている。HUD装置100は、プロジェクタユニット101(光投射装置)から走査レーザ光300を車両200のフロントガラス201に向けて投射し、投射画像をユーザの視野内に重ねて表示する表示装置である。なお、図1において、一点鎖線の矢印400は車両200の運転席に座っているユーザの視線を示している。また、HUD装置100は、車両に限らず、他の乗り物(例えば航空機等)に搭載されてもよい。
図1に示すように、フロントガラス201の内面にはコンバイナ102が貼り付けられている。このコンバイナ102は、プロジェクタユニット101の投射画像をユーザの視野内に表示するための被投射部材であり、たとえばハーフミラーなどの半透過性の反射材料を用いて形成されている。プロジェクタユニット101からコンバイナ102に走査レーザ光300が投射されることによって、コンバイナ102の投射面102aに虚像が形成される。このために、車両200の前方(すなわち視線400の方向)を見ているユーザは、車両200の前方の外界像と、プロジェクタユニット101から投射される投射画像とを同時に視認することができる。
次に、プロジェクタユニット101について説明する。図2は、プロジェクタユニット101の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、第1実施形態において、プロジェクタユニット101は、ハウジング51と、光学ユニット10と、を備えている。
ハウジング51は光学ユニット10を搭載している。また、ハウジング51には、光学ユニット10から出射される走査レーザ光300を外部に出射するための窓部51a(光透過窓)が形成されている。ハウジング51の窓部51aは、たとえば、ガラス又は透光性の樹脂材料などを用いて形成されている。
次に、光学ユニット10について説明する。図3は、光学ユニット10の具体的な構成例を示す斜視図である。図3に示すように、光学ユニット10は、レーザダイオード11a〜11cと、コリメータレンズ12a〜12cと、合成プリズム13aと、整形プリズム13bと、集光レンズ14と、1/4波長板15と、偏向ミラー16と、MEMSミラーデバイス1と、を含んで構成される。MEMSミラーデバイス1は、水平走査ミラーデバイス17及び垂直走査ミラーデバイス18を有する。なお、MEMSミラーデバイス1の詳細な構成は後に説明する。以下では、レーザダイオード11a〜11cをそれぞれLD(Laser Diode)11a〜11cと呼ぶ。
LD11a〜11cはレーザ光を出射する光源である。LD11aは赤色レーザ光(R)を出射する発光素子である。LD11bは緑色レーザ光(G)を出射する発光素子である。LD11cは青色レーザ光(B)を出射する発光素子である。図3に示すように、各LD11a〜11cから出射されて各コリメータレンズ12a〜12cによって平行光にされたRGB各色のレーザ光は、合成プリズム13aによって一つの光軸の光ビームに合成されて整形プリズム13bに出射される。このレーザ光は、整形プリズム13bを透過することによって、より真円の円偏光に変換される。整形プリズム13bから出射されたレーザ光は、集光レンズ14によって集光され、1/4波長板15を透過することで円偏光から直線偏光に変換される。直線偏光に変換後のレーザ光は、偏向ミラー16で反射され、MEMSミラーデバイス1に入射する。MEMSミラーデバイス1は、偏向ミラー16から入射する光を反射して、その反射光をコンバイナ102の投射面102aに投射する。すなわち、MEMSミラーデバイス1に入射したレーザ光は水平走査ミラーデバイス17にて反射されるとともに1次元方向(投射面102aの水平方向)に走査される。また、水平走査ミラーデバイス17で反射されたレーザ光は、垂直走査ミラーデバイス18に入射し、垂直走査ミラーデバイス18にて反射されるとともに他の1次元方向(投射面102aの垂直方向)に走査される。垂直走査ミラーデバイス18で反射されたレーザ光は走査レーザ光300としてプロジェクタユニット101の外部へ出射されて、コンバイナ102の投射面102aに投射される。
次に、プロジェクタユニット101はさらに、本体筐体50と、MEMSミラードライバ52と、LDドライバ53と、電源54と、電源制御部55と、操作部56と、入出力I/F57と、記憶部58と、CPU59と、を備えている。
本体筐体50はハウジング51、MEMSミラードライバ52、LDドライバ53、電源54、電源制御部55、操作部56、入出力I/F57、記憶部58、及びCPU59を搭載している。また、本体筐体50には、光出射口50aが形成されている。ハウジング51の窓部51aを通過した走査レーザ光300はさらに光出射口50aを通ってコンバイナ102に出射される。なお、この光出射口50aは開口であってもよいが、たとえばガラス又は透光性の樹脂材料などを用いて形成されることが望ましい。こうすれば、本体筐体50の内部への塵埃及び水分(たとえば水滴、水気を含む空気)などの侵入を防止することができる。
MEMSミラードライバ52は、CPU59から入力される制御信号に基づいて、MEMSミラーデバイス1の駆動を制御する駆動制御部である。すなわち、MEMSミラードライバ52は、CPU59からの水平同期信号に基づいて、水平走査ミラーデバイス17の後述する水平走査ミラー部21を揺動駆動する。また、MEMSミラードライバ52は、CPU59からの垂直同期信号に基づいて、垂直走査ミラーデバイス18の後述する垂直走査ミラー部18aを揺動駆動する。
LDドライバ53は、各LD11a〜11cの発光駆動制御を行うLD駆動部であり、LD11a〜11cに駆動電流を印加する。電源54は、たとえば車両200の蓄電池(不図示)などの電力源から電力の供給を受ける電力供給部である。電源制御部55は、電源54から供給される電力をプロジェクタユニット101の各構成部に応じた所定の電圧値及び電流値に変換し、変換された電力を各構成部に供給する。操作部56は、ユーザの操作入力を受け付ける入力ユニットである。入出力I/F57は外部装置と有線通信又は無線通信するための通信インターフェースである。
記憶部58は、不揮発性の記憶媒体であり、たとえば、プロジェクタユニット101の各構成部により用いられるプログラム及び制御情報を格納している。また、記憶部58は、投射面102aに投射する映像情報なども格納している。
CPU59は、記憶部58に格納されたプログラム及び制御情報などを用いて、プロジェクタユニット101の各構成部を制御する制御部である。CPU59は、図2に示すように、映像処理部59aと、光出力制御部59bと、を有している。
映像処理部59aは、記憶部58に格納されたプログラム、入出力I/F57から入力される情報、及び記憶部58に格納された情報などに基づく映像情報を生成する。さらに、映像処理部59aは、生成した映像情報を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の映像データに変換する。変換された3色の映像データは光出力制御部59bに出力される。
光出力制御部59bは、3色の映像データに基づく各LDの光制御信号を生成し、LDドライバ53に出力する。各光制御信号に基づいて各LD11a〜11cから出射されるレーザ光がMEMSミラーデバイス1によって2次元的に走査されることにより、映像データに基づく映像が投射面102aに投射される。
次に、MEMSミラーデバイス1の更なる構成を説明する。図4は、MEMSミラーデバイス1の構成例を示す斜視図である。なお、図4は図3の矢印Wから見た水平走査ミラーデバイス17及び垂直走査ミラーデバイス18の配置を示している。MEMSミラーデバイス1は、図4に示すように、水平走査ミラーデバイス17及び垂直走査ミラーデバイス18を含んで構成される。
水平走査ミラーデバイス17は、水平走査ミラー部21及びトーションバー22を有するMEMS素子2と、基体3と、FPC(flexible print circuit)4と、を含んで構成される光学デバイスである。なお、後述するように、基体3には緻密質の黒色不動態膜32が設けられている。また、黒色不動態膜32には2つの認識マーク33が形成されている。これらの認識マーク33は、後述するMEMS素子2を基体3にダイボンドする処理などにおいて基準点として用いられるマークであり、基体3において黒色不動態膜32が設けられた面3aにて該黒色不動態膜32が設けられた領域の境界線の少なくとも一部(たとえば周縁)によって形成されて認識される。水平走査ミラーデバイス17の更なる構成については後に説明する。
垂直走査ミラーデバイス18は、静電櫛歯駆動方式のアクチュエータ機構によって垂直走査ミラー部18aを揺動駆動するMEMS素子であり、たとえばSiなどの半導体材料を用いてエッチングなどの手法により一体に形成されている。垂直走査ミラー部18aは一対のトーションバー18bにより支持基台部18cに対して揺動可能に支持される。支持基台部18cの表面には緻密質の黒色不動態膜18dが設けられている、また、黒色不動態膜18dには2つの認識マーク18eが形成されている。図4に示すように2つの認識マーク18eは、2つの認識マーク18eの中心間を結ぶ線分がトーションバー18bが延びる方向に垂直になるように設けられている。2つの認識マーク18eのうちの一方は他方よりも水平走査ミラーデバイス17に近接している。なお、トーションバー18bが延びる方向は、水平走査ミラーデバイス17の2つの認識マーク33の中心間を結ぶ線分と平行であってもよい。また、黒色不動態膜18d及び2つの認識マーク18eの構成及び形成方法はそれぞれ水平走査ミラーデバイス17の黒色不動態膜32及び認識マーク33と同様である。すなわち、2つの認識マーク18eは、支持基台部18cにおいて黒色不動態膜18dが設けられた面にて該黒色不動態膜18dが設けられた領域の境界線の少なくとも一部(たとえば周縁)によって形成されて認識される。そのため、これらのさらなる説明は割愛する。
図4に示すように、水平走査ミラーデバイス17の水平走査ミラー部21は垂直走査ミラーデバイス18の垂直走査ミラー部18aと対向して配置される。また、水平走査ミラーデバイス17において、認識マーク33は垂直走査ミラーデバイス18から離間する側に配置され、FPC4は垂直走査ミラーデバイス18に近接する側に配置される。すなわち、水平走査ミラーデバイス17の認識マーク33は水平走査ミラー部21及びFPC4よりも垂直走査ミラーデバイス18から遠ざかる位置に配置される。このような配置により、図4のように反射光を1次元で走査するMEMS素子を複数配置する場合に、各MEMS素子(たとえばMEMS素子2、垂直走査ミラーデバイス18)が互いに近接する箇所に所定のスペースを確保することができる。
また、図4のような配置により、偏向ミラー16で反射されたレーザ光(図3参照)は水平走査ミラーデバイス17の水平走査ミラー部21に入射して反射される。また、レーザ光が反射される際、水平走査ミラーデバイス17のトーションバー22が所定の角度範囲内で揺動駆動する。そのため、反射光は1次元の走査線として垂直走査ミラーデバイス18の垂直走査ミラー部18aに入射する。ここで、垂直走査ミラー部18aを支持するトーションバー18bは水平走査ミラーデバイス17のトーションバー22に対して垂直に配置されている。そのために、垂直走査ミラーデバイス18のトーションバー18bが所定の角度範囲内で揺動駆動すると、反射光は2次元の走査線としてコンバイナ102の投射面102aに投射される。
なお、水平走査ミラーデバイス17において、認識マーク33は水平走査ミラー部21及びFCP4よりも垂直走査ミラーデバイス18から離間する側にある。そのため、水平走査ミラーデバイス17及び垂直走査ミラーデバイス18が図4のように配置されてユニット化した状態でも、認識マーク33を容易に視認することができる。つまり、各々が単体である場合はもちろんであるが、図4のようにユニット化した場合であっても、各認識マーク33、18dを基準に垂直走査ミラーデバイス18に対する水平走査ミラーデバイス17の相対的な位置を検査したり測定したりすることが可能になる。これは品質保証、サービスの面で有益である。
次に、水平走査ミラーデバイス17の更なる構成について説明する。図5A及び図5Bは水平走査ミラーデバイス17の構成例を示す図である。図5Aは、水平走査ミラーデバイス17の斜視図である。図5Bは、水平走査ミラーデバイス17の断面図であり、図5AのA−A線に沿う断面を示している。なお、図5A及び図5Bにおいて、X方向、Y方向、及びZ方向は互いに直交している。X方向及びY方向は基体3の主面3a(すなわち黒色不動態膜32が設けられた面3a)と平行であり、Z方向はMEMS素子2の主面2a及び基体3の主面3aと直交する線に平行な方向(すなわち、これらの法線方向)である。これらは他の図でも同様である。
図5Aに示すように、水平走査ミラーデバイス17のMEMS素子2は、静電櫛歯駆動方式のアクチュエータ機構によって水平走査ミラー部21を揺動駆動する反射部材であり、たとえばMEMS素子2の裏面に設けられた半田を用いて基体3に固定されている。MEMS素子2において、水平走査ミラー部21は一対のトーションバー22により支持基台部23に対して揺動可能に支持される。MEMS素子2は、たとえばSiなどの半導体材料を用いてエッチングなどの手法により一体に形成されている。
水平走査ミラー部21は、揺動可能な板状の反射鏡であり、支持基台部23よりも非常に薄く形成されている。この形状によって、水平走査ミラー部21を揺動させるための空間がその背面に確保されている。水平走査ミラー部21の主面の全面には、光反射面が形成されている。この光反射面は、水平走査ミラー部21の主面に形成される鏡面であり、たとえばAu(金)、Al(アルミニウム)など光反射率が高い金属材料を用いた薄膜で形成される。
水平走査ミラー部21の光反射面は、集光レンズ14により収束されるレーザ光を走査レーザ光300として反射する。この走査レーザ光300は、ハウジング51の窓部51a及び光出射口50aを通過してプロジェクタユニット101の外部に出射され、コンバイナ102上の投射面102aに投射される。また、水平走査ミラー部21はアクチュエータ機構によって揺動駆動され、光反射面の反射方向も変化する。この変化によって、走査レーザ光300及びその光軸が変化して、走査レーザ光300が投射面102a上で走査される。
トーションバー22は水平走査ミラー部21と支持基台部23とを連結する梁状の連結部材である。各トーションバー22の一端はそれぞれ水平走査ミラー部21の左右端の中央部に連結され、他端は支持基台部23に連結されている。各トーションバー22が捻り回転運動をすることによって、水平走査ミラー部21は揺動する。
基体3は、MEMS素子2を固定して支持するための支持部材である。この基体3には、2つの貫通孔34と、2つの調整孔35、36とが形成されている。また、基体3では、図5Bに示すように、その本体部31の表面(すなわち、両主面及び外形の側面の全て)には、緻密質の黒色不動態膜32が設けられている。こうすれば、黒色不動態膜32の形成により、本体部31のたとえば端部及び側面(すなわち金属材料の切断部分の角部及び切断面)での錆の発生を防止することができる。従って、後述する認識マーク33を光学的に認識する際での錆による誤認識、錆の剥離による微小塵埃の発生を防止することができる。さらに、基体3にMEMS素子2を搭載する際、これらに起因する本体部31の表面の凹凸によってMEMS素子2が傾く等の取り付け誤差の発生も防止できる。
本体部31は、たとえばステンレス鋼(SUS301、SUS430など)を用いて形成される金属製の板形状の部材である。このように、本体部31を金属材料を用いて形成すれば、たとえば樹脂基板又はガラスエポキシ基板のような複合樹脂基板と比べて、本体部31の厚さを薄くしてもその反り量を低減することができる。従って、基体3にMEMS素子2を取り付ける際の取付位置の誤差を低減することができる。
黒色不動態膜32は、Crを主成分とする緻密質の酸化被膜であり、たとえば厚さ数μm程度の薄膜である。この黒色不動態膜32は、Cr酸化物を主成分として染料を包含する有色不動態膜であり、後述するように電解発色法(たとえばスーパーブラック加工処理法)によって形成されている。この電解発色法では、染料を添加したアルカリ性溶液中に浸漬したステンレス鋼(すなわち本体部31)に陽極電解処理及び陰極電解処理を交互に繰り返し行うことによってその表面に黒色不動態膜32を形成する。この黒色不動態膜32では、染料の種類及び包含量、黒色不動態膜32の厚さなどを調整することによって特定の色調を発色できる。染料には、たとえば、メチレンブルーなどのメチレン系の染料、ローダミンBなどのカチオン系の染料などを用いることができる。また、アルカリ性溶液には、たとえばリン酸3ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを主成分とする水溶液を用いることができる。
なお、黒色不動態膜32の形成方法は、この例示に限定されない。たとえば、インコ法、交番電流電解法などの手法により形成されてもよい。インコ法では、ステンレス鋼材の表面を硫酸及びクロム酸の混合溶液で溶解しながらその表面に皮膜を形成し、該被膜の厚さを調整することによって該皮膜を特定の色調に発色できる。交番電流電解法は、ステンレス鋼材の表面を硫酸及びクロム酸の混合溶液に浸漬して陽極電解処理及び陰極電解処理を交互に数サイクル繰り返すことによって該表面に皮膜を形成する方法である。
基体3のMEMS素子2が設けられる主面3aには、2つの認識マーク33が設けられている。ダイボンディング装置(不図示)は、後述するように、各認識マーク33を光学的に認識することによって2つの基準点P1を認識し、その認識結果に基づいて基体3に対するMEMS素子2の搭載位置を決定する。これらの認識マーク33は固体レーザの照射による黒色不動態膜32の除去によって形成されている。なお、固体レーザは、たとえばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ、YVO4レーザなどを用いることができる。これらの固体レーザを用いて黒色不動態膜32を除去すれば、たとえば炭酸ガスレーザなどを用いた場合と異なり、レーザ照射領域に干渉縞を形成させることなく、比較的平滑に本体部31の表面を露出させることができる。従って、認識マーク33の周縁の誤認識を低減することができる。
このように、認識マーク33の全周縁に沿う該全周縁の一方側(たとえば図5Bでは外側)の領域には、黒色不動態膜32が設けられている。また、認識マーク33の全周縁に沿う該全周縁の他方側(たとえば右5Bでは内側)の領域には、黒色不動態膜32が設けられておらず、本体部31の表面が露出している。こうすれば、均一で薄く剥離し難い黒色不動態膜32を用いて、認識マーク33の全周縁の内側及び外側でのコントラスト差を明確にして、認識マーク33が光学的に認識される際の認識率を向上することができる。従って、陰影差、ピンホール、及び膜片の剥離の発生の影響を受けることなく、光学的に認識可能なマークを基体3に設けることができる。よって、光学的に認識されるマーク33の認識率を向上することができる。
なお、認識マーク33の形状は特に限定されない。認識マーク33の形状は、たとえば、円形状(図5Bなど参照)であってもよいし、三角形、四角形等の多角形状であってもよい。或いは、認識マーク33は図6に示すような形状であってもよい。図6は、認識マーク33の他の形状の一例を示す図である。なお、図6の下図は上図のB−B線に沿う断面を示している。このように、所定幅の領域において黒色不動態膜32が除去されることにより認識マーク33が形成されてもよい。この認識マーク33では、該所定幅の領域の内側及び外側において黒色不動態膜32が除去されずに残される。そのため、認識マーク33の周縁が2重の同心円状に形成される。この場合、所定幅の領域の内側の全周縁と外側の全周縁とを光学的に認識させることができる。或いは、両者のうちの一方を認識マーク33の全周縁として光学的に認識させてもよい。なお、図6の例示に限定されず、認識マーク33は3重以上の同心円状の周縁を有する形状であってもよい。こうすれば、光学的に認識されるマーク33の認識率をより向上することができる。
FPC4は、MEMS素子2に水平同期信号及び垂直同期信号を伝送するための配線パターン(不図示)が設けられる可撓性の基板である。FPC4には、ボンディングワイヤ41を用いてMEMS素子2と電気的に接続される電極パッド42と、電極43と、基体3の貫通孔34と同じ口径の2つの貫通孔44と、逃げ孔45、長孔46と、が形成されている。Z方向から見た第1平面視において貫通孔44が本体部31に形成された貫通孔34に重なる状態で、FPC4は接着材(不図示)などにより本体部31の該主面3a上に張り付けられている。すなわち、本体部31の貫通孔34及びFPC4の貫通孔44は、本体部31に対してFPC4の取付位置を決定するための基準孔となっている。
図7は、位置決め治具J1を用いた基体3に対するFPC4の位置決め方法を説明するための断面図である。基体3にFPC4を張り付ける際、位置決め治具J1の基準軸J1aは、基体3の貫通孔34及びFPC4の貫通孔44に挿通される。ここで、FPC4の貫通孔44は基体3の貫通孔34と同じ口径であるので、基準軸J1aは、貫通孔44を貫通孔34からほぼずらすことなく、2箇所で基体3にFPC4を固定する。従って、基準軸J1aを用いて基体3に対するFPC4の相対的な位置を高精度に位置決めすることができる。また、位置決め治具J1の基準軸J1aは基体3の裏側から挿通されるので、図7のように位置決めをした状態で基体3の主面3aに認識マーク33を形成することができる。そのため、貫通孔34及び貫通孔44に対する認識マーク33の相対的な形成位置も高精度に位置決めすることができる。また、後述するように、MEMS素子2は認識マーク33を基準に固定されるので、FPC4とMEMS素子2間の相対的な位置を高精度に位置決めすることができる。
このように、機械的な位置決めを行うFPC4と基体3、光学的な位置決めをする基体3とMEMS素子2という異なる位置決め手段によってFPC4とMEMS素子2間の位置決めを高精度に行うことができる。よって、FPC4の電極パッド42及びMEMS素子2間をボンディングワイヤ41によって接続するボンディング作業を高精度に行うことができる。
次に、水平走査ミラーデバイス17及び垂直走査ミラーデバイス18の相対的な位置関係を調整する方法について説明する。図8は、位置調整部材J2を用いた相対位置調整方法を説明するための断面図である。なお、図8の右図は図5AのM−M線に沿う水平走査ミラーデバイス17の断面を示し、図8の左図は図5AのN−N線に沿う水平走査ミラーデバイス17の断面を示している。
まず、図8の右図に示すように位置調整部材J2の調整軸J2aを基体3の調整孔35及びFPC4の逃げ孔45に挿入し、図8の左図に示すように位置調整部材J2の調整軸J2bを基体3の調整孔36及びFPC4の長孔46に挿入する。そして、X−Y平面と平行に位置調整部材J2を動かすことにより、Y方向、X方向、及びXY平面における回転方向θの3つのベクトルにおける水平走査ミラバイス17の相対的な位置を調整することができる。
なお、調整孔35は調整軸J2aがぴったりとはまる嵌合孔であるが、調整孔36は調整軸J2bがX軸方向に移動可能な長孔となっている。こうすることで、X軸方向の相対位置の調整誤差を吸収することができる。また、FPC4の逃げ孔45の口径は基体3の調整孔35よりも大きく、FPC4の長孔46の口径は基体3の調整孔36よりも大きくなっている。そのため、相対的な位置を調整する際に、調整軸J2aが逃げ孔45に接触したり、調整軸J2bが長孔46に接触したりすることはない。よって、水平走査ミラーデバイス17の相対な位置の調整作業が阻害されることはない。
次に、水平走査ミラーデバイス17の基体3の製造方法について説明する。図9は、第1実施形態に係る基体3の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。まず、切断加工などによって金属プレートを所定の外形に成形することにより、本体部31が作製される(S101)。成形した金属プレートに電解発色加工を施すことによって、本体部31の表面に黒色不動態膜32が設けられる(S103)。そして、本体部31の主面3a上の所定領域に固体レーザを照射することにより、認識マーク33が形成される(S104)。
次に、基体3に対してMEMS素子2をダイボンディングする処理について説明する。図10は、MEMS素子2のダイボンディング処理の一例を説明するためのフローチャートである。図11A〜図11Cは、ダイボンディング処理におけるMEMS素子2の位置決め方法を説明するための図である。図11Aは、基体3に対するダイボンディング装置の光学的な認識例を示す上面図である。図11Bは、MEMS素子2に対するダイボンディング装置の光学的な認識例を示す上面図である。図11Cは、基体3に対するMEMS素子2の位置決めの一例を示す上面図である。
まず、基体3が洗浄され(S201)、該基体3がダイボンディング装置のボンディングステージに設置される(S202)。その後、図11Aに示すように、各認識マーク33がダイボンディング装置により光学的に認識されることにより、Z方向から見た第1平面視における各認識マーク33の中心点P1が第1認識点P1として認識される(S203)。そして、上記第1平面視においてダイボンディング装置によって、2つの第1認識点P1を結ぶ第1直線L1が認識されて、該第1直線L1上の特定位置(図11Aでは中点P2)が第2認識点P2として認識される(S204)。さらに、上記第1平面視において、第2認識点P2を通って第1直線L1に垂直な直線Ls1が第1基準線Ls1として認識される(S205)。上記第1平面視において該第1基準線Ls1上の特定位置Ps1が第1特定点Ps1として決定される(S206)。なお、第1特定点Ps1は、MEMS素子2の後述する第2特定点Ps2に基づいて設定される。
次に、図11Bに示すように、MEMS素子2の主面2aのZ方向から見た第2平面視において、MEMS素子2上の特定位置(図11Bでは水平走査ミラー部21の中心点Ps2)が第2特定点Ps2として認識される。さらに第2特定点Ps2を通り且つトーションバー22の回転軸と平行な直線Ls2が第2基準線Ls2として認識される(S207)。
次に、ダイボンド剤(不図示)が基体3上にスタンプされる(S208)。そして、MEMS素子2が基体3の主面3a上に配置されて基体3にボンディングされる(S209)。すなわち、MEMS素子2はダイボンド剤を用いて基体3に搭載される。なお、この処理では、図11Cに示すように、上記第1平面視(ここでは第2平面視と同じ)において、第1基準線Ls1は第2基準線Ls2と平行とされ、且つ、第1特定点Ps1は第2特定点Ps2と一致するように、MEMS素子2は基体3に対して位置決めされる。このように位置決めすることにより、基体3に対してMEMS素子2を高精度に位置決めして搭載することができる。
次に、ダイボンド剤を硬化する処理が行われる(S210)。そして、ダイボンディング処理が終了する。
上述の方法により、MEMS素子2を基体3に搭載すれば、基体3の認識マーク33を光学的に高精度に認識できるので、第1平面視における基体3上の第1特定点Ps1及び第1基準線Ls1を高精度に認識することができる。さらに、MEMS素子2を基体3に搭載する際、基体3上の第1基準線Ls1をMEMS素子2上の第2基準線Ls2を平行にして、基体3上の第1特定点Ps1をMEMS素子2上の第2特定点Ps2と高精度に一致させることができる。そのため、基体3にMEMS素子2を非常に高精度に取り付けることができる。また、MEMS素子2を基体3に搭載する工程を自動化することも可能となる。よって、該工程のオートメーション化により、基体3に対するMEMS素子2のダイボンディングの位置精度をより向上することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、黒色不動態膜32は、ブラスト処理された本体部31の表面に形成される。それ以外は第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図12は、第2実施形態に係る基体3の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。まず、切断加工などによって金属プレートを所定の外形に成形することにより、本体部31が作製される(S301)。
そして、成形した金属プレートの一方の主面3aがブラスト加工される(S302)。この処理により、表面粗さが比較的大きい粗面が該主面3aに形成される。なお、ブラスト加工は、本体部31の全表面又は上記主面3aの全面に施されてもよいし、上記主面3aにおいて少なくとも認識マーク33が形成される領域を含む一部領域に施されてもよい。
その後、粗面を形成した金属プレートに電解発色加工を施すことによって、本体部31の表面に黒色不動態膜32が設けられる(S303)。そして、本体部31の粗面を形成した上記主面3a上の所定領域に固体レーザを照射することにより認識マーク33が形成される(S304)。
図13は、第2実施形態における認識マーク33の内外での表面粗さの違いを示す図である。図13の下図は、上図のC−C線に沿う表面粗さを最大高さRmaxで示している。上述のように本体部31には、ブラスト加工した黒色不動態膜32が形成された後、固体レーザの照射により認識マーク33が形成される。こうすれば、図13に示すように、認識マーク33の全周縁において、認識マーク33の外側の領域(黒色不動態膜32が形成される領域)は表面粗さRmaxが比較的大きい粗面となる。また、認識マーク33の内側の領域(黒色不動態膜32が形成されない領域)は外側の領域よりも表面粗さが小さい平滑面となる。従って、外側の領域では内側の領域よりも強く光が散乱されるので、外側の領域では光沢が出にくくなり、内側の領域では光沢が出やすくなる。そのため、認識マーク33の全周縁の内側及び外側のうち、黒色不動態膜32が形成される外側の領域の明度は、黒色不動態膜32が形成されない内側の領域の明度よりも大きくなる。従って、認識マーク33の周縁の内側及び外側において、コントラスト差に加えて、明度差も大きくなる。よって、認識マーク33の周縁がより明確に認識し易くなるので、認識マーク33の認識率をより向上することができる。
なお、図13では表面粗さを最大高さRmaxで評価しているが、表面粗さの評価基準及び測定手法などはこの例示に限定されない。たとえば、表面粗さは、他の評価基準(たとえば中心線平均粗さRa、十点平均粗さRzなど)で評価されてもよい。また、これらの表面粗さは、たとえば、接触式粗さ計、白色干渉計などの非接触式の粗さ計を用いて測定することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態では、認識マーク33の内側の領域に光反射層33aが形成される。これ以外は第1実施形態と同様である。以下では、第1及び第2実施形態と異なる構成について説明する。また、第1及び第2実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図14は、第3実施形態に係る基体3の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。また、図15は、第3実施形態に係る認識マーク33を示す図である。なお、図15の下図は上図のD−D線に沿う断面図である。
まず、切断加工などによって金属プレートを所定の外形に成形することにより、本体部31が作製される(S401)。成形した金属プレートに電解発色加工を施すことによって、本体部31の表面に黒色不動態膜32が設けられる(S403)。そして、本体部31のMEMS素子2が設けられる主面3a上の所定領域に固体レーザを照射することにより、認識マーク33が形成される(S404)。
次に、本体部31の表面が露出する認識マーク33の内側の領域において、図15に示すように、光反射層33aが形成される(S405)。光反射層33aはAl、Auなどの光反射率の高い材料を用いて形成される。また、光反射層33aの形成方法は特に限定されないが、物理蒸着法などを用いることができる。こうすれば、認識マーク33の内側の領域の彩度及び明度が増加するため、認識マーク33の周縁の内側及び外側におけるコントラスト差及び明度差がさらに大きくなる。従って、認識マーク33の周縁がさらに明確に認識し易くなるので、認識マーク33の認識率をさらに向上することができる。
なお、上述の製造方法において、S401の後にブラスト加工処理(図12のS302参照)を施してもよい。こうすれば、認識マーク33の全周縁において、黒色不動態膜32が粗面上に形成された外側の領域と、光反射層33aが平滑面上に形成された内側の領域とのコントラスト差及び明度差をさらに増加させることができる。従って、認識マーク33の認識率もさらに向上する。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の第1〜第3実施形態において、映像処理部59a及び光出力制御部59bの少なくとも一方は、CPU59の機能的構成要素であってもよいし、電気回路、装置、デバイスなどの物理的な構成要素であってもよい。或いは、CPU59から独立した構成要素であってもよい。
また、上述の第1〜第3実施形態では、静電櫛歯駆動方式のアクチュエータ機構を有する1軸走査型のMEMS素子2を例示したが、本発明はこの例示に限定されない。MEMS素子2は他の駆動方式(たとえば圧電駆動方式)のアクチュエータ機構を有していてもよい。さらに、MEMS素子2は2軸走査型(すなわち水平走査及び垂直走査)であってもよい。
また、上述の第1〜第3実施形態では、基体3の本体部31を形成する材料としてステンレス鋼SUS301を挙げて説明しているが、本発明はこの例示に限定されない。基体3の材料は、その表面に有色の不動態膜(たとえば黒色不動態膜32)が形成可能な金属材料であればよい。このような材料としては、たとえば他のステンレス鋼(たとえばSUS403)、Alなどを挙げることができる。
また、上述の第1〜第3実施形態では、黒色不動態膜32が本体部31の両主面及び外形の側面の全てに設けられているが、本発明はこの例示に限定されない。黒色不動態膜32は、たとえば、本体部31の認識マーク33が形成される主面3aに設けられていてもよいし、認識マーク33の近傍領域に設けられていてもよい。
また、上述の第1〜第3実施形態では、黒色不動態膜32を本体部31に形成しているが、本発明はこの例示に限定されない。黒色不動態膜32の色は、認識マーク33の周縁の内側及び外側において光学的に認識可能な程度のコントラスト差を発生させる色であればよい。
また、上述の第1〜第3実施形態では、MEMS素子2が基体3上に搭載されるMEMSミラーデバイス1を挙げて説明しているが、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。本発明は、認識マークを有する基体に光学素子を搭載する光学デバイスであれば適用可能である。
<まとめ>
以上に説明した実施形態によれば、MEMSミラーデバイス1の水平走査ミラーデバイス17は、LD11a〜11cから出射される光を反射して走査する水平走査ミラー部21と、水平走査ミラー部21を揺動可能に支持するトーションバー22と、黒色不動態膜32が設けられた基体3と、を備え、基体3において黒色不動態膜32が設けられた面3aでは、黒色不動態膜32が設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マーク33を形成し、基体3の上記面3aと直交する線に平行なZ方向から見た平面視において認識マーク33の各中心点間を結ぶ線分が水平走査ミラー部21の揺動駆動の中心軸と直交する構成とされる。
また、MEMSミラーデバイス1の垂直走査ミラーデバイス18は、LD11a〜11cから出射される光を反射して走査する垂直走査ミラー部18aと、垂直走査ミラー部18aを揺動可能に支持するトーションバー18bと、黒色不動態膜18dが設けられた支持基台部18cと、を備え、支持基台部18cにおいて黒色不動態膜18dが設けられた面では、黒色不動態膜18dが設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マーク18eを形成し、支持基台部18cの上記面と直交する線に平行なZ方向から見た平面視において認識マーク18eの各中心点間を結ぶ線分が垂直走査ミラー部18aの揺動駆動の中心軸と直交する構成とされる。
これらの構成によれば、基体3において黒色不動態膜32が設けられた面3a(又は支持基台部18cにおいて黒色不動態膜18dが設けられた面)では、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マーク33(又は18e)を形成する。そのため、黒色不動態膜32(又は18d)を用いて、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域との間のコントラスト差を明確にして、認識マーク33(又は18e)が光学的に認識される際の認識率を向上することができる。従って、陰影差、ピンホール、及び膜片の剥離の発生の影響を受けることなく、光学的に認識可能なマーク33(又は18e)を基体3(又は支持基台部18c)に設けることができる。よって、認識マーク33(又は18e)の認識率を向上することができる。
さらに、基体3において黒色不動態膜32が設けられた面3a(又は支持基台部18cにおいて黒色不動態膜18dが設けられた面)と直交する線に平行なZ方向から見た平面視において、2つの認識マーク33(又は18e)の各中心点間を結ぶ線分が水平走査ミラー部21又は垂直走査ミラー部18aの揺動駆動の中心軸と直交する。従って、水平走査ミラー部21又は垂直走査ミラー部18aの揺動駆動の中心軸は2つの認識マーク33(又は18e)を基準にして高精度に軸出しされる。よって、LD11a〜11cから出射される光の光軸或いは他の部材に対して、水平走査ミラー部21又は垂直走査ミラー部18aの位置調整を行う際、2つの認識マーク33(又は18e)に対する揺動駆動の中心軸が回転移動を抑えることができる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1は、光を反射して水平走査ミラー部21とは異なる方向(すなわち垂直方向)に走査する垂直走査ミラー部18aを有する垂直走査ミラーデバイス18をさらに備え、基体3において認識マーク33は垂直走査ミラー部21よりも垂直走査ミラーデバイス18から遠い位置に配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、水平走査ミラーデバイス17の基体3及び垂直走査ミラーデバイス18間の最近接箇所においてスペースを確保することができる。また、認識マーク33は水平走査ミラー部21よりも垂直走査ミラーデバイス18から遠い位置に配置されているため、MEMSミラーデバイス1の外部から認識マーク33を視認し易くなる。従って、認識マーク33の認識率を向上することができるとともに、水平走査ミラーデバイス17の配置及びその位置調整などがし易くなる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1は、複数の第1貫通孔44を有して基体3上に設けられるFPC4をさらに備え、基体3は複数の第2貫通孔34を有し、上記の平面視において第1貫通孔44の周縁が第2貫通孔34の周縁と重なる構成としてもよい。
この構成によれば、たとえば複数個所において第1貫通孔44及び第2貫通孔34に位置合わせ治具J1の基準軸J1aを挿入して上記の平面視において第1貫通孔44及び第2貫通孔34の周縁を重ねることにより、FPC4を簡便且つ高精度に位置決めして基体3上に設けることができる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1において、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域の表面粗さは、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域の境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域の表面粗さよりも大きい構成としてもよい。
この構成によれば、黒色不動態膜32(又は18d)が形成された領域では、その境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域よりも強く光が散乱される。そのため、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域では光沢が出にくくなり、その境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域では光沢が出やすくなる。従って、黒色不動態膜32(又は18d)が形成された領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域とにおいて、コントラスト差に加えて、明度差も大きくなる。よって、認識マーク33(又は18e)がより明確に認識し易くなるので、認識マーク33(又は18e)の認識率をより向上することができる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1は、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域の境界線の少なくとも一部は、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられていない領域との境界である構成としてもよい。
この構成によれば、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域と黒色不動態膜32(又は18d)が設けられていない領域との境界により、認識マーク33(又は18e)を形成することができる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1において、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域の境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域は基体3(又は支持基台部18c)の表面を露出する構成としてもよい。
この構成によれば、基体3(又は支持基台部18c)の表面に対する黒色不動態膜32(又は18d)のコントラスト差を利用して、黒色不動態膜32(又は18d)が形成された領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域との間のコントラスト差をより大きくすることができる。従って、認識マーク33(又は18e)が明確に認識し易くなるので、認識マーク33(又は18e)の認識率をより向上することができる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1において、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域の境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域に光反射層33aが形成された構成としてもよい。
この構成によれば、光反射層33aが形成された他方の領域の彩度及び明度が増加する。そのため、黒色不動態膜32(又は18d)が形成された領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接し且つ光反射層33aが形成された領域との間のコントラスト差及び明度差がさらに大きくなる。よって、認識マーク33(又は18e)がさらに明確に認識し易くなるので、認識マーク33(又は18e)の認識率をさらに向上することができる。
また、上記構成のMEMSミラーデバイス1において、黒色不動態膜32(又は18d)は基体3(又は支持基台部18c)の有色不動態膜であり、黒色不動態膜32が、基体3(又は支持基台部18c)の認識マーク33(又は18e)が設けられた面以外にも設けられた構成としてもよい。
この構成によれば、基体3(又は支持基台部18c)の認識マーク33(又は18e)が設けられた面以外、たとえば端部及び側面(たとえば金属材料の切断部分の角部及び切断面)にも黒色不動態膜32(又は18d)が設けられている。高温高湿環境下ではこれらの部分は錆が発生し易いが、黒色不動態膜32(又は18d)の形成により錆の発生を防止することができる。従って、認識マーク33(又は18e)を光学的に認識する際での錆による誤認識、錆の剥離による微小塵埃の発生を防止することができる。
また、上記構成のプロジェクタユニット101は、LD11a〜11cと、上記のMEMSミラーデバイス1を含む光学ユニット10と、を備え、光学ユニット10はMEMSミラーデバイス1で反射されて走査された走査レーザ光300をコンバイナ201に投射する構成とされる。
この構成によれば、黒色不動態膜32(又は18d)を用いて、黒色不動態膜32(又は18d)が設けられた領域とその境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域との間のコントラスト差を明確にして、認識マーク33(又は18e)を光学的に認識する際の認識率を向上することができる。従って、陰影差、ピンホール及び膜片の剥離の発生の影響を受けることなく、光学的に認識可能なマーク33(又は18e)を基体3に設けることができる。また、水平走査ミラー部21又は垂直走査ミラー部18aの揺動駆動の中心軸は2つの認識マーク33(又は18e)を基準にして高精度に軸出しされた状態で水平走査ミラー部21又は垂直走査ミラー部18aを設けることができる。よって、LD11a〜11cから出射される光の光軸或いは他の部材に対して、水平走査ミラー部21又は垂直走査ミラー部18aの位置調整を行う際、2つの認識マーク33(又は18e)に対する揺動駆動の中心軸の回転移動を抑えることができる。
また、以上に説明した実施形態によれば、MEMSミラーデバイス1の製造方法は、複数の認識マーク33が設けられた上述の基体3に垂直走査ミラー部21及びトーションバー22を含むMEMS素子2を搭載するMEMSミラーデバイス1の製造方法であって、基体3において黒色不動態膜32が設けられた面3aと直交する線に平行なZ方向から見た第1平面視において、各々の認識マーク33上の第1認識点P1をそれぞれ認識するステップと、第1平面視において、第1認識点P1を通る第1直線L1、該第1直線L1上の特定位置P2を通って第1直線L1に垂直な第1基準線Ls1を認識するステップと、第1平面視において、第1基準線Ls1上の第1特定点Ps1を決定するステップと、MEMS素子2の表面2aと直交する線に平行なZ方向から見た第2平面視において、MEMS素子2上の第2特定点Ps2及び該第2特定点Ps2を通る第2基準線Ls2をそれぞれ認識するステップと、基体3において黒色不動態膜32が設けられた面3a上にMEMS素子2を搭載するステップと、を備え、搭載するステップでは、第1平面視において、第1基準線Ls1は第2基準線Ls2と平行であり、第1特定点Ps1は第2特定点Ps2と一致する構成とされる。
この構成によれば、基体3の認識マーク33を高精度に認識できるので、第1平面視における基体3上の第1特定点Ps1及び第1基準線Ls1を高精度に認識することができる。さらに、MEMS素子2を基体3に搭載する際、基体3上の第1基準線Ls1をMEMS素子2上の第2基準線Ls2を平行にして、基体3上の第1特定点Ps1をMEMS素子2上の第2特定点Ps2と高精度に一致させることができる。そのため、基体3にMEMS素子2を非常に高精度に取り付けることができる。また、水平走査ミラー部21及びトーションバー22を含むMEMS素子2を基体3に搭載する工程を自動化することも可能となる。よって、該工程のオートメーション化により、基体3に対するMEMS素子2のダイボンディングの位置精度をより向上することができる。
100 ヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)
101 プロジェクタユニット
102 コンバイナ
102a 投射面
200 車両
201 フロントガラス
300 走査レーザ光
400 ユーザの視線
1 MEMSミラーデバイス
10 光学ユニット
11a〜11c レーザダイオード(LD)
12a〜12c コリメータレンズ
13a 合成プリズム
13b 整形プリズム
14 集光レンズ
15 1/4波長板
16 偏向ミラー
17 水平走査ミラーデバイス
2 MEMS素子
21 水平走査ミラー部
22 トーションバー
23 支持基台部
3 基体
31 本体部
32 黒色不動態膜
33 認識マーク
33a 光反射層
34 貫通孔
35、36 調整孔
4 FPC
41 ボンディングワイヤ
42 電極パッド
43 電極
44 貫通孔
45 逃げ孔
46 長孔
18 垂直走査ミラーデバイス
18a 垂直走査ミラー部
18b トーションバー
18c 支持基台部
18d 黒色不動態膜
18e 認識マーク
50 本体筐体
50a 光出射口
51 ハウジング
51a 窓部
52 MEMSミラードライバ
53 LDドライバ
54 電源
55 電源制御部
56 操作部
57 入出力I/F
58 記憶部
59 CPU
59a 映像処理部
59b 光出力制御部
J1 位置決め治具
J1a 基準軸
J2 位置調整部材
J2a、J2b 調整軸

Claims (9)

  1. 光源から出射される光を反射して走査する走査ミラー部と、前記走査ミラー部を揺動可能に支持する支持部材と、有色膜が設けられた基体と、を備え、
    前記基体において前記有色膜が設けられた面では、前記有色膜が設けられた領域の境界線の少なくとも一部が2つの認識マークを形成し、
    前記基体の前記面と直交する線に平行な方向から見た平面視において前記認識マークの各中心点間を結ぶ線分が前記走査ミラー部の揺動駆動の中心軸と直交する光学走査デバイス。
  2. 前記光を反射して前記走査ミラー部とは異なる方向に走査する反射鏡を有する反射部材をさらに備え、
    前記基体において前記認識マークは前記走査ミラー部よりも前記反射部材から遠い位置に配置されている請求項1に記載の光学走査デバイス。
  3. 複数の第1貫通孔を有して前記基体上に設けられる基板をさらに備え、
    前記基体は複数の第2貫通孔を有し、
    前記平面視において前記第1貫通孔の周縁が前記第2貫通孔の周縁と重なる請求項1又は請求項2に記載の光学走査デバイス。
  4. 前記有色膜が設けられた領域の表面粗さは、前記有色膜が設けられた領域の前記境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域の表面粗さよりも大きい請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学走査デバイス。
  5. 前記有色膜が設けられた領域の前記境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域は前記基体の表面を露出する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学走査デバイス。
  6. 前記有色膜が設けられた領域の前記境界線の少なくとも一部に沿って隣接する領域に光反射層が形成された請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学走査デバイス。
  7. 前記有色膜は前記基体の有色不動態膜であり、
    前記有色膜が、前記基体上の前記認識マークが設けられた面以外にも設けられた請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光学走査デバイス。
  8. 光源と、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光学走査デバイスを含む光学ユニットと、を備え、
    前記光学ユニットは前記光学走査デバイスで反射されて走査された前記光を被投射部材に投射する光投射装置。
  9. 複数の認識マークが設けられた基体に走査ミラー部及び支持部材を含む光学素子を搭載する請求項1〜請求項8のいずれかに記載の光学走査デバイスの製造方法であって、
    前記基体において前記有色膜が設けられた前記面と直交する線に平行な方向から見た第1平面視において、各々の前記認識マーク上の第1認識点をそれぞれ認識するステップと、
    前記第1平面視において、前記第1認識点を通る第1直線、該第1直線上の特定位置を通って前記第1直線に垂直な第1基準線を認識するステップと、
    前記第1平面視において、前記第1基準線上の第1特定点を決定するステップと、
    前記光学素子の表面と直交する線に平行な方向から見た第2平面視において、前記光学素子上の第2特定点及び該第2特定点を通る第2基準線をそれぞれ認識するステップと、
    前記基体において前記有色膜が設けられた前記面上に前記光学素子を搭載するステップと、を備え、
    前記搭載するステップでは、前記第1平面視において、前記第1基準線は前記第2基準線と平行であり、前記第1特定点は前記第2特定点と一致する光学走査デバイスの製造方法。
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