JP2017101421A - 階段部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は高い強度を有し、耐久性に優れた階段部材等を提供する。
【解決手段】本発明は、下記の特性及び含有率を有する(A)セメント、(B)シリカフューム、及び(C)無機粉末と、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、高性能減水剤、消泡剤、及び水とを含むセメント組成物の硬化体からなる階段部材である。
(A)セメント:55〜65体積%
(B)BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム:5〜25体積%
(C)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%
(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性に優れた階段部材とその製造方法に関する。
プレキャスト階段は、現場における労務の省力化、工期の短縮、品質の安定供給の点から優れているため、マンション等の外階段として広く使用されている。そして、プレキャスト階段は、主に、鋼製と鉄筋コンクリート製がある。しかし、鋼製のプレキャスト階段は、騒音の発生や、発錆による部材の劣化、及び階段表面の美観性の低下等が起き易いため、表面の防錆処理や塗装が必要になる。一方、鉄筋コンクリート製のプレキャスト階段は、沿岸地帯や寒冷地等の厳しい環境下では、塩害等により耐用年数が短縮して、補修や補強の頻度が増すことになる。また、階段部材の厚さを薄くして軽量化を図り、工費を低減しようとしても、普通コンクリートでは強度が充分ではない。そこで、特許文献1には、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含む配合物(セメント組成物)の硬化体が、プレキャスト階段として提案されている。
該硬化体は、従来の普通コンクリート製の階段部材と比べ、高強度で、硬化体の組織が緻密なため、耐久性に優れているが、さらに、これらの特性を向上できれば、耐久性がさらに向上するとともに、階段部材の厚さをより薄くして軽量化でき、さらに、工費を低減できる。
特開2004−323296号公報
したがって、本発明は、高強度かつ硬化体の組織が緻密で、耐久性等に優れた階段部材等を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント、BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、高性能減水剤、消泡剤、及び水を含み、かつセメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計100体積%中、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の各含有率が特定の範囲内にあるセメント組成物の硬化体からなる階段部材は、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1]下記の特性及び含有率を有する(A)セメント、(B)シリカフューム、及び(C)無機粉末と、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、高性能減水剤、消泡剤、及び水とを含むセメント組成物の硬化体からなることを特徴とする、階段部材。
(A)セメント:55〜65体積%
(B)BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム:5〜25体積%
(C)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%
(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)
[2]前記セメントが、中庸熱ポルトランドセメント、及び低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上を研磨処理して、該セメント粒子の角張った表面部分を丸みを帯びた形状に整形してなる粒径が20μm以上の粗粒子と、該研磨処理により生じた粒径が20μm未満の微粒子とを含むセメント研磨処理物であって、
該セメント研磨処理物の50%体積累積粒径が10〜18μm、及びブレーン比表面積が2100〜2900cm/gである、前記[1]に記載の階段部材。
[3]さらに、金属繊維、有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を3体積%以下含む、前記[1]又は[2]に記載の階段部材。
[4]圧縮強度が330N/mm以上のセメント質硬化体からなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の階段部材。
[5]さらに、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の階段部材。
[6]圧縮強度が300N/mm以上のセメント質硬化体からなる、前記[5]に記載の階段部材。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の階段部材を製造するための方法であって、
前記セメント組成物を混練した後、型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、
該未硬化の成形体を10〜40℃で24時間以上、封緘養生又は気中養生した後、前記型枠から脱型し、硬化体を得る常温養生工程と、
前記硬化体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行って硬化体を得る加熱養生工程と、
前記加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、前記階段部材を得る高温加熱工程と
を含む、階段部材の製造方法。
[8]前記常温養生工程と前記加熱養生工程の間に、前記硬化体に吸水させる吸水工程を含む、前記[7]に記載の階段部材の製造方法。
本発明の階段部材は、高い圧縮強度(例えば、300N/mm以上)と緻密な硬化体の組織を有するため、階段部材の厚みを薄くできて工費を低減できるほか、耐摩耗性、寸法安定性、遮水性、遮塩性、及び凍結融解抵抗性等の耐久性に優れている。
ローターの回転軸に対して垂直の方向に切断した断面を部分的に含む、高速気流撹拌装置の一例の正面図である。
本発明の階段部材は、セメント、BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム(以下、「シリカフューム」と略すことがある。)、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末(以下、「無機粉末」と略すことがある。)、最大粒径が1.2mm以下の骨材A(以下、「骨材A」と略すことがある。)、高性能減水剤、消泡剤、及び水を含み、かつセメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計100体積%中、セメントを55〜65体積%、シリカフュームを5〜25体積%、及び無機粉末を15〜35体積%含むセメント組成物の硬化体からなるものである。
以下、本発明において用いるセメント組成物について、詳細に説明する。
セメントの種類は、特に限定されず、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントから選ばれる1種以上が使用できる。
これらの中でも、セメント組成物の流動性を向上させる観点から、好ましくは、中庸熱ポルトランドセメント、及び低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上である。
また、セメント組成物の流動性を向上させ、かつセメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、前記セメントは、好ましくは、中庸熱ポルトランドセメント、及び低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上を研磨処理して、該セメント粒子の角張った表面部分を丸みを帯びた形状に整形してなる粒径が20μm以上の粗粒子と、該研磨処理により生じた粒径が20μm未満の微粒子とを含むセメント研磨処理物であって、該セメント研磨処理物の50%体積累積粒径が10〜18μm、及びブレーン比表面積が2100〜2900cm/gのセメント研磨処理物を使用する。
前記粗粒子の粒径の上限は、特に限定されず、研磨処理するセメントの一般的な粒径を考慮すると、通常200μmであり、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、好ましくは100μmである。
前記微粒子の粒径の下限は、特に限定されず、セメント組成物の流動性の向上、及び、階段部材を製造する際の作業性向上の観点から、好ましくは0.1μm、より好ましくは0.5μmである。
セメント研磨処理物の50%体積累積粒径は、好ましくは10〜18μm、より好ましくは12〜16μmであり、ブレーン比表面積は、好ましくは2100〜2900cm/g、より好ましくは2200〜2700cm/gである。
前記50%体積累積粒径が10μm以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。また、前記50%体積累積粒径が18μm以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
また、前記ブレーン比表面積が2100cm/g以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。前記ブレーン比表面積が2900cm/g以下であれば、セメント組成物の流動性が向上する。
前記研磨処理には、セメント粒子を研磨処理することが可能な公知の研磨処理装置を用いればよい。研磨処理装置は、市販の高速気流撹拌装置(例えば、奈良機械製作所社製、商品名「ハイブリタイザーNHS−3型」)等が挙げられる。
以下、高速気流撹拌装置について、図1に基づき詳しく説明する。
原料であるセメントは、高速気流撹拌装置10の上部の投入口14から、開閉弁18を開いた状態で投入される。投入後、開閉弁18を閉じる。
投入されたセメントは、循環回路13の途中に設けられた開口部から循環回路13内に入り、その後、循環回路13の出口13bから、被処理物を収容する空間である衝突室17内に入る。
原料を投入後、固定体であるステーター16の内部に配設されているローター(回転体)11を高速回転させて、ローター11及びローター11に固着されたブレード12により高速気流が発生し、衝突室17内のセメントが撹拌される。撹拌中、セメント粒子は、衝突室17内に設けられた、循環回路13の入口13aから、循環回路13内に入り、衝突室17の中央部分に設けられた循環回路13の出口13bから、再び衝突室17内に投入されて循環する。
なお、図1中、点線で示す矢印は、粒子(セメント粒子、並びに、研磨処理によって生じた粗粒子、及び微粒子を含む。)の流れを示す。
撹拌によって、セメント粒子が衝突室17の内壁面、ローター11及びブレード12と衝突すること、並びに、セメント粒子同士が衝突することにより、セメント粒子が研磨処理されて、該粒子表面の角張った部分が丸みを帯びた形状に変化した粗粒子(粒径が20μm以上である粒子)、及び、微粒子(粒径が20μm未満である粒子)が生じる。
ローター11の回転速度は、好ましくは3000〜4200rpm、より好ましくは3500〜4000rpmである。該回転速度が3000rpm以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。該回転速度が4200rpmを超えると、セメント組成物の流動性の向上効果は頭打ちとなる。また、高速気流撹拌装置の性能上、回転速度が4200rpmを超えるのは困難である。
研磨処理の時間は、好ましくは10〜60分間、より好ましくは20〜50分間、さらに好ましくは20〜40分間、特に好ましくは20〜30分間である。該時間が10分間以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。該時間が60分間を超えると、セメント組成物の流動性の向上効果が頭打ちとなる。
得られたセメント研磨処理物(粗粒子と微粒子の混合物)は、排出弁19を開くことによって、排出口15から排出される。
シリカフュームのBET比表面積は、15〜25m/g、好ましくは17〜23m/g、より好ましくは18〜22m/gである。該比表面積が15m/g未満では、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。該比表面積が25m/gを超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末は、例えば、石英粉末(珪石粉末)、火山灰、及びフライアッシュ(分級又は粉砕したもの)、スラグ粉末、石灰石粉末、長石類粉末、ムライト類粉末、アルミナ粉末、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、セメント組成物の流動性を向上させ、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、石英粉末又はフライアッシュを使用することが好ましい。
なお、本明細書中、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末には、セメントは含まれない。
無機粉末の50%体積累積粒径は、0.8〜5μm、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1.1〜3.5μm、さらに好ましくは1.2μm以上、3μm未満である。該粒径が0.8μm未満では、セメント組成物の流動性が低下する。該粒径が5μmを超えると、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。
無機粉末の50%体積累積粒径は、市販の粒度分布測定装置(例えば、日機装社製、製品名「マイクロトラックHRA モデル9320−X100」)を用いて求めることができる。
具体的には、粒度分布測定装置を用いて、累積粒度曲線を作成し、該累積粒度曲線から50%体積累積粒径を求めることができる。この際、試料を分散させる溶媒であるエタノール20cmに対して、試料0.06gを添加し、90秒間、超音波分散装置(例えば、日本精機製作所社製、製品名「US300」)を用いて超音波分散したものを測定する。
無機粉末の最大粒径は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは14μm以下、さらに好ましくは13μm以下である。
無機粉末の95%体積累積粒径は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは8μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは6μm以下である。
無機粉末はSiOを主成分とするもの(例えば、石英粉末)が好ましい。無機粉末中のSiOの含有率が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
セメント組成物において、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計100体積%中、セメントの含有率は55〜65体積%、好ましくは57〜63体積%である。該含有率が55体積%未満では、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。該含有率が65体積%を超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計100体積%中、シリカフュームの含有率は5〜25体積%、好ましくは7〜23体積%である。該含有率が5体積%未満では、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。該含有率が25体積%を超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計100体積%中、無機粉末の含有率は15〜35体積%、好ましくは17〜33体積%である。該含有率が15体積%未満では、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。該含有率が35体積%を超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
骨材Aは、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、人工細骨材(例えば、スラグ細骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成細骨材)、再生細骨材、又はこれらの混合物等が挙げられる。
骨材Aの最大粒径は、好ましくは1.2mm以下、より好ましくは1.1mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。該最大粒径が1.2mm以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度が高くなる。
骨材Aの粒度分布は、セメント組成物の流動性を向上させ、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、0.6mm以下の粒径の骨材の含有率が95質量%以上、0.3mm以下の粒径の骨材の含有率が40〜50質量%、及び、0.15mm以下の粒径の骨材の含有率は6質量%以下が好ましい。
セメント組成物中の骨材Aの含有率は、好ましくは20〜40体積%、より好ましくは22〜38体積%、さらに好ましくは30〜37体積%、特に好ましくは32〜36体積%である。該含有率が20体積%以上であれば、セメント組成物の発熱量が小さくなり、かつ、セメント質硬化体の収縮量が小さくなる。該含有率が40体積%以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
高性能減水剤は、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の高性能減水剤を使用できる。これらの中でも、セメント組成物の流動性を向上させ、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、好ましくはポリカルボン酸系の高性能減水剤である。
高性能減水剤の配合量は、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の合計量100質量部に対して、固形分換算で、好ましくは0.2〜1.5質量部であり、より好ましくは0.4〜1.2質量部である。該量が0.2質量部以上であれば、減水性能が向上し、セメント組成物の流動性が向上する。該量が1.5質量部以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
消泡剤は市販品が使用できる。消泡剤の配合量は、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.07質量部、さらに好ましくは0.01〜0.05質量部である。該量が0.001質量部以上では、セメント組成物の強度発現性が向上する。該量が0.1質量部を超えると、セメント組成物の強度発現性の向上効果が頭打ちとなる。
セメント組成物は、セメント質硬化体の曲げ強度や破壊エネルギー等を向上させる観点から、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維から選ばれる1種以上を含んでもよい。セメント組成物中の繊維の含有率は、好ましくは3体積%以下、より好ましくは0.3〜2.5体積%、さらに好ましくは0.5〜2.3体積%である。該含有率が3体積%以下であれば、セメント組成物の流動性や作業性が低下することなく、セメント質硬化体の曲げ強度や破壊エネルギー等が向上する。
金属繊維は、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。これらの中でも、鋼繊維は、強度に優れており、また、コストや入手のし易さの観点から好適である。
金属繊維の寸法は、セメント組成物中における金属繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の曲げ強度の向上の観点から、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
さらに、金属繊維の形状は、直線状よりも、何らかの物理的付着力を付与する形状(例えば、螺旋状や波形)であることが好ましい。螺旋状等の形状であれば、金属繊維とマトリックスとが、引き抜けながら応力を担保するため、セメント質硬化体の曲げ強度が向上する。
有機繊維は、後述する本発明の階段部材の製造方法における加熱に耐えうるものであればよく、例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリート繊維、ポリプロピレン繊維等が挙げられる。
炭素繊維はPAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が挙げられる。
有機繊維及び炭素繊維の寸法は、セメント組成物中におけるこれらの繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の破壊エネルギーの向上の観点から、直径が0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmであることが好ましく、直径が0.01〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、有機繊維及び炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
水は水道水等が使用できる。水の配合量は、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜20質量部、より好ましくは11〜18質量部、さらに好ましくは14〜16質量部である。該量が10質量部以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。該量が20質量部以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
前記セメント組成物からなるモルタル(後述する骨材Bを含まないもの)の硬化前のフロー値は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において15回の落下運動を行わないで測定した値(以下、「0打ちフロー値」ともいう。)として、好ましくは200mm以上、より好ましくは210mm以上、さらに好ましくは220mm以上である。
該フロー値が200mm以上であれば、階段部材を製造する際の作業性が向上する。
また、前記セメント組成物からなるモルタル(後述する骨材Bを含まないもの)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、好ましくは330N/mm以上、より好ましくは350N/mm以上、さらに好ましくは370N/mm以上、特に好ましくは400N/mm以上である。
本発明に用いるセメント組成物は、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含むことができる。
骨材Bは、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、人工細骨材(例えば、スラグ細骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成細骨材)、再生細骨材、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材(例えば、スラグ粗骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成粗骨材)、再生粗骨材又はこれらの混合物等が挙げられる。
骨材Bの最大粒径は、好ましくは13mm以下、より好ましくは12mm以下、さらに好ましくは11mm以下、特に好ましくは10mm以下である。該最大粒径が13mm以下であれば、セメント組成物の強度発現性が向上し、例えば、300N/mm以上の圧縮強度を発現できる。
また、骨材Bの最大粒径は、コストの低減等の観点から、1.2mmを超える値であり、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは7mm以上である。
なお、本明細書中、骨材Bの最大粒径が5mm以上の場合における「最大粒径」とは、骨材B全体の90質量%以上が通るふるいのうち、最小寸法のふるいの呼び寸法で示される骨材Bの粒径(一般に、粗骨材の最大粒径の定義として知られているもの)をいう。
骨材Bの最小粒径は、好ましくは骨材Aの最大粒径を超える値であり、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上、特に好ましくは5mm以上(この場合、粗骨材に該当する。)である。
なお、本明細書中、骨材Bの最小粒径とは、骨材Bの中の最も粒径が小さいものから粒径が大きなものに向かって累積していった場合において、骨材B全体の15質量%に達したときの骨材Bの粒径をいう。
本発明において、セメント組成物中の骨材Aと骨材Bの含有率の合計は、好ましくは25〜40体積%、より好ましくは28〜38体積%、さらに好ましくは30〜36体積%である。該含有率が25体積%以上であれば、セメント組成物の発熱量は小さくなり、かつ、セメント質硬化体の収縮量も小さくなる。該含有率が40体積%以下であれば、セメント組成物の強度発現性が向上する。
骨材Aと骨材Bの含有率の合計100体積%に対する骨材Bの含有率は、好ましくは40体積%以下、より好ましくは30体積%以下、さら好ましくは25体積%以下である。該含有率が40体積%以下であれば、セメント組成物の強度発現性(例えば、圧縮強度)が向上する。
骨材Bを含むセメント組成物(例えば、コンクリート)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、好ましくは300N/mm以上、より好ましくは320N/mm以上、さらに好ましくは340N/mm以上、特に好ましくは360N/mm以上である。
以下、上述したセメント組成物が硬化したセメント質硬化体からなる階段部材の製造方法について詳しく説明する。
本発明の階段部材の製造方法の一例は、セメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生又は気中養生した後、型枠から脱型し、硬化体を得る常温養生工程と、硬化体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る加熱養生工程と、加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、セメント質硬化体からなる階段部材を得る高温加熱工程を含む。
[成形工程]
本工程は、セメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る工程である。
打設を行う前に、セメント組成物を混練する方法は、特に限定されない。また、混練に用いる装置も特に限定されず、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用できる。さらに、打設(成形)方法も特に限定されない。
また、本工程における未硬化の成形体は、セメント組成物中の気泡を低減又は除去したセメント組成物からなるものであってもよい。セメント組成物中の気泡を低減又は除去することにより、セメント組成物の強度発現性はより向上する。
セメント組成物中の気泡を低減又は除去する方法は、(1)セメント組成物の混練を減圧下で行う方法、(2)混練後のセメント組成物を、型枠内に打設する前に減圧して脱泡する方法、(3)セメント組成物を型枠内に打設した後、減圧して脱泡する方法等が挙げられる。
[常温養生工程]
本工程は、未硬化の成形体を、10〜40℃(好ましくは15〜30℃)で24時間以上(好ましくは24〜96時間、より好ましくは24〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間)、封緘養生又は気中養生した後、型枠から脱型して硬化体を得る工程である。
養生温度が10℃以上であれば、養生時間をより短くできる。養生温度が40℃以下であれば、セメント質硬化体(階段部材)の圧縮強度をより高くできる。
養生時間が24時間以上であれば、脱型の際に、硬化体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。
また、本工程において、硬化体が、好ましくは20〜100N/mm、より好ましくは30〜80N/mmの圧縮強度を発現したときに、硬化体を型枠から脱型するのが好ましい。該圧縮強度が20N/mm以上であれば、脱型の際に、硬化体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。該圧縮強度が100N/mm以下であれば、後述する吸水工程において、少ない労力で、硬化体に吸水させることができる。
[加熱養生工程]
本工程は、前工程で得られた硬化体について、70℃以上100℃未満(好ましくは75〜95℃、より好ましくは80〜92℃)で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃(好ましくは160〜190℃)で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る工程である。
本工程において、蒸気養生又は温水養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは24時間以上、より好ましくは24〜96時間、さらに好ましくは36〜72時間である。オートクレーブ養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは8〜60時間、より好ましくは12〜48時間である。蒸気養生又は温水養生とオートクレーブ養生の両方を行う場合(例えば、蒸気養生又は温水養生を行った後、さらにオートクレーブ養生を行う場合)、蒸気養生又は温水養生における養生時間は、好ましくは6〜72時間、より好ましくは12〜48時間であり、オートクレーブ養生における養生時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは4〜18時間である。
本工程において、養生温度が前記範囲内であれば、養生時間を短縮でき、また、セメント質硬化体の圧縮強度が向上し、さらに養生時間が前記範囲内であれば、セメント質硬化体の圧縮強度が向上する。
[高温加熱工程]
本工程は、加熱養生後の硬化体を、150〜200℃(好ましくは170〜190℃)で24時間以上(好ましくは24〜72時間、より好ましくは36〜48時間)、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、セメント組成物が硬化したセメント質硬化体からなる階段部材を得る工程である。
本工程における加熱は、通常、乾燥雰囲気下(換言すると、水や水蒸気を人為的に供給しない状態)で行われる。
加熱温度が150℃以上であれば、加熱時間をより短くできる。加熱温度が200℃以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより向上する。
加熱時間が24時間以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより向上する。
[吸水工程]
常温養生工程と加熱養生工程の間に、常温養生工程において得られた硬化体に吸水させる吸水工程を含んでもよい。
硬化体に吸水させる方法は、該成形体を水中に浸漬する方法が挙げられる。また、該成形体を水中に浸漬する方法において、短時間で吸水量を増やし、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、(1)該成形体を、減圧下の水の中に浸漬する方法、(2)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬した後、該成形体を浸漬したまま、水温を40℃以下に低下させる方法、(3)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬した後、該成形体を沸騰している水から取り出して、次いで、40℃以下の水に浸漬する方法、(4)該成形体を、加圧下の水の中に浸漬する方法、又は(5)該成形体への水の浸透性を向上させる薬剤が溶解した水溶液の中に、該成形体を浸漬する方法、が好ましい。
前記成形体を、減圧下の水の中に浸漬する方法は、真空ポンプや大型の減圧容器等の設備を利用する方法が挙げられる。
前記成形体を、沸騰している水の中に浸漬する方法は、高温高圧容器や熱温水水槽等の設備を利用する方法が挙げられる。
硬化体を、減圧下の水又は沸騰している水の中に浸漬させる時間は、吸水率を高くする観点から、好ましくは3分間以上、より好ましくは8分間以上、さらに好ましくは20分間以上である。該時間の上限は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは60分間、より好ましくは45分間である。
吸水工程における吸水率は、セメント組成物が粗骨材を含まない場合(セメント組成物が骨材Bを含まない、又は、セメント組成物中の骨材Bが粗骨材(最小粒径が5mm以上)に該当しない場合)、φ50×100mmの硬化体100体積%に対する水の含有率は、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、さらに好ましくは0.35〜1.7体積%である。
また、セメント組成物が粗骨材を含む場合(セメント組成物中の骨材Bが粗骨材に該当する場合)、φ100×200mmの硬化体100体積%に対する水の含有率として、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、さらに好ましくは0.35〜1.7体積%である。これらの吸水率が0.2体積%以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くできる。
本発明の階段部材は、高い圧縮強度を有するセメント質硬化体からなるため、ひび割れ等が発生しにくく、階段部材の厚さを薄くでき、その結果、階段部材の軽量化が図れる。
また、前記セメント質硬化体からなる階段部材は、耐摩耗性に優れている。例えば、「ASTM C779」に準拠して測定した60分経過後の前記セメント質硬化体のすりへり深さは、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。
また、本発明の階段部材は、遮塩性(例えば、階段部材に塩化物イオンや硫酸イオンが浸透しにくい。)、遮水性、及び凍結融解抵抗性に優れている。
また、前記セメント質硬化体からなる階段部材は、寸法安定性に優れている。例えば、「JIS A 1129−2:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法)」に準拠して測定した、40×40×160mmの供試体を6カ月間保存した後の前記セメント質硬化体の収縮ひずみは、好ましくは10×10−6以下、より好ましくは8×10−6以下、さらに好ましくは6×10−6以下である。
さらに、前記セメント質硬化体からなる階段部材は、大きな曲げ強度を有する。例えば、前記セメント質硬化体が繊維を含む場合、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度及び曲げタフネス試験方法)」に準拠して測定した、前記セメント質硬化体の曲げ強度は、好ましくは20N/mm以上、より好ましくは30N/mm以上、さらに好ましくは35N/mm以上である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[A.実施例1〜14、比較例1]
[使用材料]
実施例1〜14及び比較例1で使用した材料を以下に示す。
(1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)シリカフュームA:BET比表面積20m/g
(3)シリカフュームB:BET比表面積17m/g
(4)無機粉末A:珪石粉末、50%体積累積粒径2μm、最大粒径12μm、95%体積累積粒径5.8μm
(5)無機粉末B:珪石粉末、50%体積累積粒径7μm、最大粒径67μm、95%体積累積粒径27μm
(6)骨材A1(細骨材):珪砂(最大粒径1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:98質量%、0.3mm以下の粒径のもの:45質量%、0.15mm以下の粒径のもの:3質量%)
(7)ポリカルボン酸系高性能減水剤:固形分量27.4質量%、フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」
(8)消泡剤:BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」
(9)水:水道水
(10)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(11)骨材B(粗骨材):硬質砂岩砕石1005(粒径:5〜10mm)
[実施例1]
セメント、シリカフュームA及び無機粉末Aの含有率の合計100体積%中、セメント等の含有率が表2に示す量となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の含有率が表2に示す量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。そして、混練後のセメント組成物の0打ちフロー値を測定した。
得られた混練物を、φ50×100mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で48時間、封緘養生を行い、次いで、脱型して、硬化体を得た。脱型時の圧縮強度は50N/mmであった。
この成形体を、表3に示す時間、減圧したデシケーター内で水に浸漬した(表3中、「減圧下」と示す。)。なお、減圧は、アズワン社製の「アスピレーター(AS−01)」を使用した。浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
浸漬後、この成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃まで降温した後、180℃で48時間加熱を行った。
セメント質硬化体(加熱後の成形体)の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。
また、前記セメント質硬化体(加熱後の成形体)と同様にして、30×30×6cmの供試体を製造し、「ASTM C779」に準拠して、60分経過後のすりへり深さを測定した。
0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、及びすりへり深さの各値を表3に示す。なお、後述の実施例、比較例における0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、及びすりへり深さの各値も表3に示す。
[実施例2]
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mmであった。
[実施例3]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、沸騰している水(沸騰水)に、表3に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃になるまで冷却した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[実施例4]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例2と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[実施例5]
シリカフュームAの含有率を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの含有率を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は50N/mmであった。
また、前記セメント質硬化体と同様にして、40×40×160mmの供試体を製造し、「JIS A 1129−2:2010 モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」に準拠して、6か月保存した場合における収縮ひずみを測定した。
また、得られたセメント質硬化体の透水係数を、「地盤工学会基準 JGS 0311−2009(土の透水試験方法)」の変水位透水試験方法に準じて測定した。その結果、水の浸透は認められず、透水係数は「0」であった。
また、得られたセメント質硬化体を人工海水に6カ月間浸漬した。なお、人工海水は表1に示す量の各試薬を、蒸留水に溶解して調製した。
浸漬後、セメント質硬化体中の塩化物イオンの濃度を、EPMA(日本電子社製)を用いて測定し、塩化物イオンの拡散係数(表3中、「拡散係数」と示す。)を算出した。
さらに、得られたセメント質硬化体に対して、「JIS A 1148(コンクリートの凍結溶解試験方法)」に準拠して測定した値を用いて、「ASTM C666 75」の耐久性指数(300サイクル)を算出した。なお、耐久性指数は、最大値が100であり、最大値に近いほど凍結融解抵抗性に優れている。
以上の結果を表3に示す。なお、後述の実施例における収縮ひずみ、透水係数、拡散係数及び耐久性指数も表3に示す。
Figure 2017101421
[実施例6]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例5と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[実施例7]
シリカフュームAの含有率を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの含有率を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例2と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mmであった。
[実施例8]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様にして沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例7と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度及びすりへり深さの測定を行った。
また、実施例5と同様にして、収縮ひずみ及び透水係数の測定、並びに、塩化物イオンの拡散係数及び耐久性指数の算出を行った。
[実施例9]
セメント、シリカフュームA及び無機粉末Aの含有率の合計100体積%中、セメント等の含有率が表2に示す量となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の含有率が表2に示す量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練を行った後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、セメント組成物中の金属繊維の含有率が表2に示す量の金属繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行った。
得られたセメント組成物について、実施例1と同様にして、0打ちフロー値を測定した。
また、得られたセメント組成物を用いて、実施例1と同様の方法で、セメント質硬化体(成形体)を得た。
得られたセメント質硬化体(成形体)について、実施例1と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。
さらに、得られたセメント質硬化体の曲げ強度を、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度及び曲げタフネス試験方法)」に準じて測定した。
[実施例10]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例9と同様にして、セメント組成物及びその硬化体を得た。
セメント組成物及びその硬化体について、実施例9と同様にして、各種物性を測定した。
また、実施例5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数の算出を行なった。
[実施例11]
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から11質量部に変更し、骨材A1の含有率を35.5体積%から30.0体積%に変更し、高性能減水剤の配合量を0.69質量部から0.76質量部に変更し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は54N/mmであった。
[実施例12]
脱型後の成形体を、沸騰している水(沸騰水)に、表3に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、実施例11と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度等の測定を行った。
また、実施例5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数の算出を行った。
[実施例13]
骨材A1の含有率を、30.0体積%から24.0体積%に変更し、セメント組成物中の骨材Bの含有率が6.0体積%となる量の骨材Bを使用した以外は実施例11のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物の製造は、実施例1と同様にして、各材料(粉体原料、骨材A1、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤)を混練した後、さらに骨材Bをオムニミキサに投入して、1分間混練することにより行った。
得られたセメント組成物(混練物)を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント質硬化体の圧縮強度を測定した。なお、脱型時の圧縮強度は43N/mmであった。
[実施例14]
骨材A1の含有率を、35.5体積%から28.5体積%に変更し、セメント組成物中の骨材Bの含有率が7.0体積%となる量の骨材Bを使用した以外は実施例8のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物の製造は、実施例1と同様にして、各材料(粉体原料、骨材A1、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤)を混練した後、さらに、骨材Bをオムニミキサに投入して、1分間混練することにより行った。
得られたセメント組成物(混練物)を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設する以外は実施例8と同様にして、セメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出及びセメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は37N/mmであった。
また、実施例5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数の算出を行った。
[比較例1]
セメント、シリカフュームB及び無機粉末Bを、粉体原料(セメント、シリカフューム、及び無機粉末)の含有率の合計100体積%中、セメント等の含有率が表2に示す量となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の含有率が表2に示す量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。
得られた混練物を用いて、実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られた混練物(セメント組成物)及びその硬化体について、実施例1と同様にして、各種物性を測定した。
Figure 2017101421
Figure 2017101421
[B.実施例15〜26、比較例2〜4]
[使用材料]
実施例15〜26及び比較例2〜4で使用した材料を以下に示す。
(1)中庸熱ポルトランドセメント:太平洋セメント社製
(2)低熱ポルトランドセメント:太平洋セメント社製
(3)シリカフュームC:BET比表面積14m/g
(4)シリカフュームD:BET比表面積20m/g
(5)無機粉末:珪石粉末、50%体積累積粒径2μm、最大粒径12μm、95%体積累積粒径5.8μm(実施例1〜14で用いた無機粉末Aと同じもの)
(6)骨材A1(細骨材):珪砂、最大粒径1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:98質量%、0.3mm以下の粒径のもの:45質量%、0.15mm以下の粒径のもの:3質量%(実施例1〜14で用いた骨材A1と同じもの)
(7)骨材A2(細骨材):掛川産山砂、最大粒径5.0mm
(8)ポリカルボン酸系高性能減水剤:固形分量27.4質量%;フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」
(9)消泡剤:BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」
(10)水:上水道水
(11)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(12)骨材B(粗骨材):硬質砂岩砕石1005(粒径:5〜10mm)
[中庸熱ポルトランドセメント及び低熱ポルトランドセメントの各研磨処理物の製造]
中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを、高速気流撹拌装置(奈良機械製作所社製、商品名「ハイブリタイザーNHS−3型」)を用いて、回転速度4000rpmの条件で、30分間研磨処理した。なお、研磨処理において、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントの仕込み量は、1バッチあたり800gとした。中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント、及び、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントの研磨処理物の、50%体積累積粒径及びブレーン比表面積を測定した。結果を表4に示す。
また、走査型電子顕微鏡を用いて、研磨処理物の二次電子像を観察したところ、研磨処理物の粗粒子(粒径20μm以上の粒子)は、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントの粒子(研磨処理前のもの)と比べて、角張った表面部分が少なく、表面部分が丸みを帯びた形状に変形していた。また、粗粒子と粗粒子の間の空隙には、微粒子(粒径20μm未満の粒子)が存在している様子が見られた。
Figure 2017101421
[実施例15]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームD、無機粉末、及び骨材A1を、低熱ポルトランドセメントの研磨処理物等の含有率が表5に示す量となるように、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表5に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。なお、消泡剤の配合量は、粉体原料100質量部に対して0.02質量部とした。
混練後、オムニミキサの側面に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。混練後のセメント組成物の0打ちフロー値を測定した。
また、混練後のセメント組成物を、φ50×100mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で72時間静置した。次いで、脱型して硬化体を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は52N/mmであった。
さらに、前記成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃になるまで降温した後、さらに、乾燥炉を用いて180℃で48時間加熱した。
セメント質硬化体(加熱後の成形体)の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。なお、圧縮強度は、島津製作所社製の100t万能試験機(油圧式)を使用して測定した。
[実施例16]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物の代わりに中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物を使用した以外は、実施例15と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は55N/mmであった。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。
[実施例17]
粉体原料100質量部当たりの水の量を、12質量部から15質量部に変更した以外は、実施例16と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は50N/mmであった。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。
[実施例18]
脱型後の成形体を、沸騰している水(沸騰水)に30分間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま水温が25℃となるまで冷却した(表6中「沸騰水」と示す。)後に蒸気養生を行った以外は、実施例15と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
また、浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
さらに、実施例5と同様にして、すりへり深さ及び透水係数の測定、並びに、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数の算出を行った。
[実施例19]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した(表6中、「減圧下」と示す。)後に蒸気養生を行った以外は、実施例15と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
[実施例20]
シリカフュームDの含有率を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末の含有率を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例15と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は51N/mmであった。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。
[実施例21]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、実施例20と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
また、前記セメント質硬化体と同様にして40×40×160mmの供試体を製造し、「JIS A 1129−2:2010 モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」に準拠して、6か月保存した場合における収縮ひずみを測定した。
[実施例22]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、実施例17と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。
[実施例23]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームD、無機粉末、及び骨材A1を、低熱ポルトランドセメントの研磨処理物等の含有率が表5に示す量となるように、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表5に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。なお、消泡剤の配合量は、粉体原料100質量部に対して0.02質量部とした。
混練後、オムニミキサの側面に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、セメント組成物中の金属繊維の含有率が表5に示す量の金属繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行った。
得られたセメント組成物について、実施例15と同様にして0打ちフロー値を測定した。
また、得られたセメント組成物を用いて、実施例18と同様の方法で、セメント質硬化体(成形体)を得た。
得られたセメント質硬化体(成形体)について、実施例18と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
また、得られたセメント質硬化体の曲げ強度を、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度及び曲げタフネス試験方法)」に準じて測定した。
[実施例24]
脱型後の成形体を、沸騰している水に30分間浸漬する代わりに、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、実施例23と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)について、実施例23と同様にして、各種物性を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
[実施例25]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームD、無機粉末、及び骨材A1を、低熱ポルトランドセメントの研磨処理物等の含有率が表5に示す量となるように、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表5に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。なお、消泡剤の配合量は、粉体原料100質量部に対して0.02質量部とした。
混練後、オムニミキサの側面に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、骨材Bを、その含有率が表5に示す量となるように、オムニミキサに投入して、さらに1分間混練を行った。
混練後のセメント組成物を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で72時間静置した。次いで、脱型して硬化体を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は41N/mmであった。
さらに、前記成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃になるまで降温した後、さらに、乾燥炉を用いて180℃で48時間加熱した。
得られたセメント質硬化体(加熱後の成形体)について、実施例15と同様にして圧縮強度を測定した。
[実施例26]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物の代わりに、中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物を使用し、脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、実施例25と同様にして、セメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
セメント質硬化体について、実施例18と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。
[比較例2]
中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームC、骨材A2、高性能減水剤、水を、表5に示す量となるように、一括してホバートミキサに投入した後、低速で12分間混練して、セメント組成物を調製した以外は、実施例15と同様にして、セメント組成物の硬化体を得た。実施例15と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等を測定した。
[比較例3]
中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物と、骨材A2と、高性能減水剤と、水を、表5に示す量となるように、一括してホバートミキサに投入して、セメント組成物を調製しようとしたが混練できなかった。
[比較例4]
中庸熱ポルトランドセメントと、シリカフュームCと、骨材A2と、高性能減水剤と、水を、表5に示す配合で一括してホバートミキサに投入して、セメント組成物を調製しようとしたが混練できなかった。
以上の結果を表6に示す。
Figure 2017101421
Figure 2017101421
表3及び表6から、骨材Aを含むが骨材B(粗骨材)は含まない実施例1〜12及び実施例15〜24のセメント質硬化体の圧縮強度は350N/mm以上と高い。特に、研磨処理したセメントを用いた、実施例15〜24のセメント質硬化体の圧縮強度は420N/mm以上と非常に高い。また、実施例9〜10及び実施例23〜24(セメント組成物が金属繊維を含むもの)は、得られたセメント質硬化体について、圧縮強度が445N/mm以上であり、著しく高く、かつ、曲げ強度が40N/mm以上である。
また、骨材Bを含む場合(実施例13〜14、実施例25〜26)であっても、セメント質硬化体の圧縮強度は333N/mm以上と高い。
また、実施例1〜2、5、8、10、12、14、18のセメント質硬化体のすりへり深さは0.37mm以下と小さい。
また、実施例5、8、21のセメント質硬化体の収縮ひずみは5×10−6以下と小さい。
さらに、実施例5、8、10、12、14、18のセメント質硬化体の透水係数、塩化物イオンの拡散係数、耐久性指数から、得られたセメント質硬化体が遮水性、遮塩性、及び凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。
これらの結果から、本発明の階段部材は、高い強度と緻密な硬化体の組織を有するため、階段部材の厚みを薄くできるほか、遮塩性、耐摩耗性、寸法安定性、遮水性、及び凍結融解抵抗性等の耐久性に優れていることがわかる。
一方、比較例1〜2のセメント質硬化体の圧縮強度は290N/mmであり、実施例1〜26と比べて低い。また、比較例1のセメント質硬化体のすりへり深さは0.57mmであり、実施例に比べて大きい。また、比較例3〜4のセメント組成物は混練できなかった。
10 高速気流撹拌装置
11 ローター
12 ブレード
13 循環回路
13a 循環回路の入口
13b 循環回路の出口
14 投入口
15 排出口
16 ステーター
17 衝突室
18 開閉弁
19 排出弁

Claims (8)

  1. 下記の特性及び含有率を有する(A)セメント、(B)シリカフューム、及び(C)無機粉末と、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、高性能減水剤、消泡剤、及び水とを含むセメント組成物の硬化体からなることを特徴とする、階段部材。
    (A)セメント:55〜65体積%
    (B)BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム:5〜25体積%
    (C)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%
    (ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)
  2. 前記セメントが、中庸熱ポルトランドセメント、及び低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上を研磨処理して、該セメント粒子の角張った表面部分を丸みを帯びた形状に整形してなる粒径が20μm以上の粗粒子と、該研磨処理により生じた粒径が20μm未満の微粒子とを含むセメント研磨処理物であって、
    該セメント研磨処理物の50%体積累積粒径が10〜18μm、及びブレーン比表面積が2100〜2900cm/gである、請求項1に記載の階段部材。
  3. さらに、金属繊維、有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を3体積%以下含む、請求項1又は2に記載の階段部材。
  4. 圧縮強度が330N/mm以上のセメント質硬化体からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の階段部材。
  5. さらに、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の階段部材。
  6. 圧縮強度が300N/mm以上のセメント質硬化体からなる、請求項5に記載の階段部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の階段部材を製造するための方法であって、
    前記セメント組成物を混練した後、型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、
    該未硬化の成形体を10〜40℃で24時間以上、封緘養生又は気中養生した後、前記型枠から脱型し、硬化体を得る常温養生工程と、
    前記硬化体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行って硬化体を得る加熱養生工程と、
    前記加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、前記階段部材を得る高温加熱工程と
    を含む、階段部材の製造方法。
  8. 前記常温養生工程と前記加熱養生工程の間に、前記硬化体に吸水させる吸水工程を含む、請求項7に記載の階段部材の製造方法。
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