JP2017100460A - 熱変色性インクの字消し修正具 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱変色性インクの字消し修正具を提供すること。
【解決手段】熱変色性インク用字消し修正具の発熱素子としてポリスイッチ(登録商標)を使用し、他の字消し修正具を併設できる多機能字消し修正具。
【選択図】図1

Description

この発明は、熱により透明になったり変色したりする熱変色性インクを用いた筆記具の字消し修正具に関するものである。
従来、熱をかけることにより変色する顔料又は染料を使用した熱変色性インクを利用した筆記具は知られており、そのような熱変色性インクによって紙面に記載された描画や筆跡をニクロム線のような電気ヒータ線2を用いて消去する発熱消去具も文献1に記載されているが、ニクロム線は熱暴走の危険があり、使用する電池の容量や使用上の安全性、強度の問題などで実用化が難しいと思われる。
また、特許文献2には、小型モータにより摩擦体12を高速回転させ、紙面上に形成された熱変色性インクの筆跡を紙面と摩擦体の摩擦熱で消色させて消去するものが記載されている。しかしながら、このように紙の表面を摩擦するものは、例えば鉛筆やボールペンやインクジェットプリンター等で下書きした上に熱変色性インクで上書き訂正した文字を更に訂正のため消去するような場合、下書きの鉛筆書きやポールペン又は印刷した文字や印刷画像が消たり、摩擦体が汚れていた場合は摩擦した部分の紙面が汚れると言う不都合があった。
更に、文献3、4は、いずれもペルチエ効果を利用した熱源を使用して熱変色性層上に筆跡を発色又は消去させるものが記載されている。これらは、前記特許文献1,2とは異なり自己温度制御機能を有する電気発熱体を使用したものであるが、いずれも熱変色性層上の画像や筆跡を発色又は消去させるものであり、しかも発熱側と吸熱側を有するため放熱器や蓄熱器が必要で発熱体の極性にも設計工作上の制限を有するので、事務用筆記具としての字消し修正具としては簡易性や利便性に欠ける。
登録実用新案公報第3161302号公報 特開2011−42151号公報 実開平5−37298号公報 実開平6−105965号公報
この発明は、摩擦熱や電気ヒータを利用せずに、小電力で安全な温度制御機能と機械的強度とを有し、加熱部分の大きさも形状も自由に選択可能な熱変色性インクの消色用加熱装置、つまり熱変色性インクを使用した筆記具の筆跡を消去する字消し修正具の提供を目的とするものである。
この発明は、前記熱変色性インクを用いた筆記具で記載したインクを加熱する加熱装置の発熱体として、従来のニクロム線などの電気ヒータ線の代わりに、電気回路のリセット可能な半導体フューズ素子として使用されているセラミックPTCやポリマーPTCを使用することを特徴とするもので、好ましくは小電力で危険性の少ない小型電気製品の保護回路や電気カーペット等の過熱防止に使用されるポリスイッチ(登録商標)を使用することが好ましい。使用するポリスイッチは、過電流により発熱し、高抵抗となって電流を遮断する(トリップ状態)が、高温、高抵抗の状態は維持し続けると言う特性を有するものであって、ペルチエ効果素子とは異なり、使用に際しては素子の極性の相違に左右されず、冷却装置なども構成部品も不要である。素子を電源に直結し、素子自体を直接インクの筆跡消去用加熱部材として使用することもできる簡便さを備えている。
この発明の字消し修正具は、リセット可能な半導体フューズ素子と、電源装置を有することを特徴とするものであり、電源装置は乾電池や充電池を利用し、ソーラーパネル発電による充電池やパソコンのUSBポートからの供給電力を利用することもできる。
更に、この字消し修正具には、消しゴムや修正テープを併設することにより、熱変色性インクの筆跡消去だけでなく、通常の鉛筆の筆跡を消去する多機能性を付与することも出来る。そして、外部電力供給用の接続口を消しゴムの差込口に兼用することもできる。
この発明は、前記リセット可能な半導体フューズ素子の一種であるポリスイッチのトリップ状態の発熱を直接熱変色性インクの筆跡消去又は変色に利用することにより、安全で、小電力、省エネルギーの簡便なインクの字消し修正具を得ることが出来るのである。
そして、この発明によれば、前記リセット可能な半導体フューズ素子であるポリスイッチのトリップ状態の発熱を熱変色性インクの消色又は変色に利用するので、電気ヒータやモータに比べて安全で電力消費が少なく、軽くて構成が簡単で設計上の困難性も少ない小型軽量の字消し修正具を得ることが出来る。発熱体の形状や大きさは使用目的により任意のものが選択できる。
また、従来の摩擦熱を利用する色消し具に比べるとインクの付いた紙面を強く摩擦する必要も無く、軽く消色又は消字の必要な部分に発熱体を押し付けるだけで、擦過汚れや字消し部材の汚れによる紙面や文字の汚れもない。そしてポリスイッチを表面保護部材を兼ねた摩擦部材に埋め込んで使用すれば、従来の摩擦熱を利用したインク字消しと同じ強度もあり、電池が無くなった場合はそのまま、熱変色性インクで記載された紙の表面を摩擦することにより摩擦熱で筆跡や描画の消色又は変色が可能である。また、この字消し修正具に消しゴム等の摩擦部材や修正テープまたは修正液等の修正部材を併設することにより、通常の鉛筆の筆跡だけで無く、熱変色性インクも容易に消去することが出来る字消し修正具として多機能効果を発揮する万能字消し修正具を得ることも出来るのである。
更に、ポリスイッチを使用したことにより、加熱装置の電源スイッチを切り忘れたとしても、微細電流は流れてはいるものの、電源のスイッチは実質的に遮断された状態であるので、電気ヒータを発熱体として使用するものや、モータを使用した従来のものに比べ電源電池の消耗を防止することが出来、格段の省エネルギー効果を有するものである。
この発明の第1の実施例の部分断面図である。 この発明の第2の実施例の説明図である。 この発明の第3の実施例の説明図である。 この発明の第4の実施例の説明図である。 この発明の第5の実施例の説明図である。 この発明の実施例に使用する電気回路の説明図である。
以下、この発明の実施例を図に基づき説明するが、以下の説明において同一の機能を有する部材や部位、構成については同一の符号を付け、或いは説明を省略する場合がある。
図1は、この発明の第1の実施例の部分断面説明図である。
この実施例では、発熱体(以下「発熱素子」言う)と電源を電源ケースに一体的に組み付けた電源内蔵式のペンシル型字消し修正具を構成している。
1は字消し修正具の全体を表示しており、2は本体部で、電源ケースを兼用している。本体部の図面上で左側の解放端部には先細りの円錐台状の発熱素子保持部材3が挿入固定されて全体としてペンシル型の色消し修正具1を構成している。7は本体部2の後端部に着脱自在に設けられた鉛筆用の消しゴムである。5はリセット可能な半導体フューズ素子の一種である発熱素子で、図のように発熱素子保持部材3の先端部に半分埋め込まれたような形で設けられている。この実施例では、発熱素子保持部材3は、電源ケースを兼用している本体部2の解放端部に螺着するようになっているが、必要に応じてカシメ固定や摩擦固定、ビス止め固定等、各種の周知・慣用手段を使用することが出来る。
電源ケースを兼用する本体部2には、電源Eとして2本の1.5V単4型乾電池を直列に使用しているが、電源の種類や形状・配置等は、発熱素子5の使用電力やこの考案を使用する加熱装置の対象物や使用目的に応じて、任意選択できる設計事項である。
電源Eの(−)側には、電極接続用として導電スプリング10が設けられ、このスプリング10には導電板8が電気的に接続されている。Sはスイッチで,押し釦式のスイッチが使用されている。前記導電板8は、このスイッチSを介して導電板9と電気的に不連続に接続されており、スイッチSの操作により発熱素子5への通電をON−OFFするように構成されている。
発熱素子保持部材3の先端部に設けられた発熱素子5としては、ポリスイッチ(登録商標)が使用されており、好ましくは表面保護のため更にコーティング処理を施すのが望ましいが、そのまま使用することもできる。
コーティング材としては耐熱性摩擦部材を使用してポリスイッチの表面を薄く被覆することが好ましい。
発熱素子保持部材3の後端部外周には、雄ネジが設けられ、電源ケース側の雌ネジに螺着されるように構成されている。更に、発熱素子保持部材3の後端面には、電源Eの(+)側接続接点用の導電板6と電極板リング4が設けられ、導電板6には発熱素子5であるポリスイッチのリード線の一方5aが接続され、電極板リング4にはポリスイッチの他方のリード線5bが接続されている。
したがって、発熱素子保持部材3を電源ケース2に螺入することにより、導電板6が電池の(+)端子に接触し、電極板リング4が導電板9に接触し、押し釦スイッチSを押し下げることにより導電板9と8とが電気的に接続され、発熱素子5に通電することが出来る。
発熱素子5は,前述したようにポリスイッチを使用しているので、押し釦スイッチSを押すことによりポリスイッチに電流が供給され、所定のトリップ温度になると抵抗値が急上昇して電源電池Eからの電流は殆ど遮断されるが、高温状態は押し釦スイッチSを切らない限り継続するので、この間に熱変色性インクで可視化された画像や筆跡の上に発熱素子5の先端を軽く接触させることにより、インクの消色又は変色を行うことが出来るのである。
発熱素子5として使用するポリスイッチは、3V〜12Vの電源電池を使用した場合、50℃〜90℃程度の範囲でトリップするよう選択するのが好ましく、ポリスイッチの先端部は合成樹脂等による耐熱性の摩擦部材を使用して発熱素子5の先端部を保護すると共に適用する画像や筆跡の消色又は変色に適した形状大きさに形成されることが好ましい。
なお、先端部の形状や大きさに応じて小さな線の消色や、逆に広い範囲を手早く消色すると言う利便性を付加することも出来る。
ポリスイッチは、一度トリップしたら微少の電流は流れるが、リセットしない限り高温、遮断状態を維持するので、電源スイッチの切り忘れなどによる無駄な電源の電力消費は制限され、省エネルギーに対しても十分な効果が期待される。また、電源電池が消耗した場合には、下書きが無い場合や下書きの文字が滲む恐れの無い場合は、本体部2の後端部に設けた鉛筆用の消しゴム7で摩擦しても消色することが出来る。仮に消しゴムが無かった場合は、発熱素子5の先端部を紙面に摺りつけることにより表面保護部材と紙面の表面摩擦熱により消色することも可能であるが、好ましくは、消しゴム7は鉛筆用の消しゴムと熱変色性インク専用の消しゴムを準備しておき、必要に応じて交換できるようにすると便利である。
なお、図1の実施例では、電源電池に通常の乾電池を使用した例で説明したが、電源には複数の釦電池や充電池を使用することも可能である。さらに後述するようにソーラーパネル付き充電池を用いることも出来る。また7は本体部2の後端部に設けられた消しゴムで、後端部には後述するUSB接続用の充電ケーブルコネクタを設けることにより、必要に応じて充電できる外部電源接続型に設計することも可能である。
図2は第2の実施例である。これは外部電源を利用する外部電源接続型もので、軸部となる本体部2の後端から電源コードLにより外部電源Eに接続され、スイッチSの操作により、発熱素子5に電力を供給するようになっている。スイッチは軸部に着けても電源Eに付けても構わないが、使い勝手から言えば軸部の先端部側がが好ましい。
図3は第3の実施例で、図3の(a)は、電源コードLのプラグCをパソコンのUSBポートに接続することにより、電力を供給するようにした外部電源接続型の字消し具で、(b)は両端に接続プラグを有する充電用ケーブルを示している。これはパソコンのUSBポートに電源コードLのプラグCを、字消し修正具本体部2の接続部にプラグPを接続することにより電力を得るようになっている。
図4は第4の実施例で、ボックス型の電源内蔵式字消し具を示している。これは本体部2を兼用するバッテリースナップ付きの9V平型電池ボックスに、スイッチSを設けた発熱素子保持部材3を着脱自在に接続するように工夫することにより容易に作成することができる。
図5は第5の実施例で、Wはソーラー発電パネルで、本体部2に充電池を組み込んだ電源内蔵式の字消し具である。図5の(b)は電池ケースを兼用する本体部2の後端部に設けられたUSBプラグ接続部Gを示しており、この接続部Gには図5の(a)に示すようなUSBプラグと同寸法の脚部7aを有する消しゴム7が着脱できるようになっている。前述したように、この消しゴム7は鉛筆用あるいは熱変色性インク専用の消しゴムのいずれかを選択的に使用できるものである。
図6は前記第5の実施例の電気回路図である。Mはソーラーパネルモジュール、Eは電源用電池で、約3.6Vの充電池が使用されている。Wはソーラー発電パネル、Rは保護抵抗、D1、D2は逆流防止用ダイオードである。GはUSB接続用の端子である。
したがって、必要に応じて図3に示すUSB充電用の電源コードLを使用することにより、電源Eの充電池には、ソーラーパネルからでも、パソコンのUSBポートからでも必要に応じて充電することができる。USBに接続しないときは、消しゴム7を接続部のカバー代わりに装着しておくと良い。
1・・・字消し訂正具
2・・・本体部
3・・・発熱素子保持部材
4・・・電極板リング
5・・・発熱素子
6・・・導電板
7・・・消しゴム
8、9・・・導電板
10・・導電スプリング
S・・・スイッチ
E・・・電源
L・・・電源コード
W・・・ソーラーパネル

Claims (2)

  1. リセット可能な半導体フューズ素子と電源装置を有することを特徴とする熱変色性インクの字消し修正具。
  2. 一端部にリセット可能な半導体フューズ素子を設け、他端部に交換可能な字消し修正具部材を有することを特徴とする請求項1記載の熱変色性インク字の字消し修正具。
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