JP2017093951A - 歯科セメント用カプセル - Google Patents

Abstract

【課題】 適用部位によらず、充填が容易な歯科セメント用カプセルを提供する。【解決手段】 先端が閉塞され、前記先端近傍の側壁に少なくとも１つの吐出口が設けられたノズルを有することを特徴とする歯科セメント用カプセルとする。【選択図】 図１

Description

本発明は歯科セメント用カプセルに関する。

従来から歯科分野では、二成分系混合練和型の歯科セメントの容器として、歯科セメント用カプセルが広く用いられている。歯科セメント用カプセルを使用する際には、カプセルミキサー等の自動混合機を用いて二成分を混合練和した後、カプセルにアプライヤー等の充填用具を装着して、カプセル内部の歯科セメントを窩洞等の適用部位に充填できる。このため、使用の都度の各成分の計量作業が不要であり、非常に簡便に使用できることが特長である（例えば、特許文献１、２参照）。

しかしながら、歯科セメント用カプセルの先端のノズルの向きは固定されていることから、適用部位によってはノズルの吐出口を当該部位に向けることが困難であり、アプライヤー等の充填用具を装着した状態で手首を返さねばならず、充填しにくいという問題があった。また，最後臼歯の遠心面においては，吐出方向の関係上，直接充填することが困難であった。

特開２００１−３４０３５６号公報 特開２００２−１９１６２２号公報

そこで本発明は、適用部位によらず、充填が容易な歯科セメント用カプセルを提供することを課題とする。

本発明者等は鋭意検討し、上記課題を解決する方法を見出し、本発明を完成させた。即ち本発明は、先端が閉塞され、前記先端近傍の側壁に少なくとも１つの吐出口が設けられたノズルを有することを特徴とする歯科セメント用カプセルである。

本発明に係る歯科セメント用カプセルは、適用部位によらず、充填が容易である。

本発明に係る歯科セメント用カプセルの一実施形態を示す説明用断面図 本発明に係る歯科セメント用カプセルの使用例を示す図

以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る歯科セメント用カプセルについて詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されない。図１は本発明に係る歯科セメント用カプセルの一実施形態を示す説明用断面図である。図２は本発明に係る歯科セメント用カプセルの使用例を示す図である。

歯科セメント用カプセル１０はノズル１、シリンダ２、及びピストン３を有して構成される。シリンダ２及びピストン３により２つの中空部が形成され、それぞれの中空部に歯科セメントとなる材料（例えば、粉体成分と液体成分）を収納することが可能である。また、ノズル１は、シリンダ２のピストン３が装着された側と反対側に接続して設けられている。なお、ノズル１とシリンダ２は一体に成型されていてもよく、別部品の組み合わせにより構成されていてもよい。

ノズル１は細長い中空状であり、中空部が内容物の流路となる。本発明において、ノズル１の先端は閉塞されており、前記先端近傍の側壁に少なくとも一つの吐出口1aが設けられている。即ち、吐出口1aは流路の延長線上には設けられず、流路の延長線上ではないノズルの側壁に設けられている。先端近傍の範囲としては、先端より２ｍｍ以内が好ましい。

吐出口1aの形状は、任意の好適な形状とすることができる。好ましくは、円状又は楕円状である。

吐出口1aの数は１つであることが好ましいが、２つ以上有していてもよい。

吐出口1aの直径は、任意の大きさとすることができる。好ましくは、１ｍｍ以上２．５ｍｍ以下である。より好ましくは、１．５ｍｍ以上２ｍｍ以下である。

ノズル長1bは、任意の長さとすることができる。好ましくは、１０ｍｍ以上３０ｍｍ以下である。より好ましくは、１５ｍｍ以上２０ｍｍ以下である。

ノズル１の形状は、湾曲していても良いし、直線状でも良い。好ましくは、歯科セメント用材料を適用部位に充填し易いように先細で湾曲している形状である。

ノズル１の素材は、従来から用いられている樹脂材料が使用可能である。樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアミド、塩化ビニル樹脂， ナイロン、フェノール樹脂、ポリウレタン、飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、不飽和ポリエステル樹脂、ポリブタジエン、ポリスチレン、ＥＶＡ （エチレン−酢酸ビニル共重合体）樹脂、スチロール樹脂、ポリメチルペンテン、メタクリルスチレン、ＡＢＳ（アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体）樹脂、ポリカーボネート等が例示される。

シリンダ２は、その中空部に例えば粉体成分を収納可能である。また、その素材にはノズル１と同様の素材を用いることが可能であり、粉体成分の特性を損なわない樹脂で構成されていることが好ましい。

ピストン３は、シリンダ２との間に中空部を形成することができ、該中空部に例えば液体成分を収納可能である。また、その素材にはノズル１と同様の素材を用いることが可能であり、液体成分の特性を損なわない樹脂で構成されていることが好ましい。

本発明に係る歯科セメント用カプセルは、先端が閉塞され、前記先端近傍の側壁に少なくとも１つの吐出口が設けられたノズルを有するので、図２に示したような上顎臼歯の舌側面においても、手首を返さずに、ノズルを挿し込み、ノズル側面の吐出口から歯科セメントを充填できる。また、吐出口の設計によっては、最後臼歯の遠心面においても、ノズル側面の吐出口から歯科セメントを直接充填することが可能となる。

本発明に係る歯科セメント用カプセルを使用する際には、ピストン３を指等で押し込むことにより隔壁を破壊し、シリンダ２及びピストン３により形成された２つの中空部内に収納された歯科セメントとなる材料（粉体成分と液体成分）を接触させる操作、カプセルミキサーを用いて混合練和することにより歯科セメントを調製する操作、歯科セメント用カプセルをアプライヤーに装着して歯科セメントを押し出す操作によって、歯科セメントを窩洞等の適用部位に直接充填することができる。

１０ 歯科セメント用カプセル
１ ノズル
1a 吐出口
1b ノズル長
２ シリンダ
３ ピストン

Claims (1)

1. 先端が閉塞され、前記先端近傍の側壁に少なくとも１つの吐出口が設けられたノズルを有することを特徴とする歯科セメント用カプセル。

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