JP2017093377A - 肝がんモデルマウスおよび肝がん治療用の医薬 - Google Patents

肝がんモデルマウスおよび肝がん治療用の医薬 Download PDF

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Abstract

【課題】新たな肝癌モデル動物及び肝癌治療薬の提供。【解決手段】miR−146b遺伝子の機能が低下又は消失した遺伝子改変動物。遺伝子改変動物は例えば、ノックアウトマウスでありmiR−146bノックアウトマウスにおける肝癌では、脂肪の蓄積が見られず、NASHのような脂肪性肝炎を介さない新たな肝癌モデル動物として有用であり、薬剤のスクリーニング等に利用でき、亦、miR−146b RNA或いはその前駆体RNA、それらをコードするDNA、又はミミックを含む肝癌を治療又は予防するための医薬組成物。被検者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定し、標準値と比較し、前記発量が有意に低下していることを同定検出し、肝癌の治療又は予防に適した患者であることを同定する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、遺伝子改変動物に関する。より具体的には、非機能的なmiR−146b遺伝子を有することを特徴とする遺伝子改変動物に関し、そのような遺伝子改変動物の肝がんモデル動物としての使用にも関する。また、本発明は、肝がんを治療または予防するための医薬組成物にも関し、より具体的には、miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、ミミック、またはそれらをコードするDNAを含む、肝がんを治療または予防するための医薬組成物に関する。
肝がんは、世界で年間約70万人が罹患する第3番目のがん死亡原因である。その多くは、C型肝炎ウイルスおよびB型肝炎ウイルスに起因するが、近年、肥満やアルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH)など、肝炎ウイルスが原因でない肝がんが増加傾向にある(非特許文献1)。しかしながら、ウイルス非依存的な肝がんの発症メカニズムは不明な点が多い。
実験動物を用いて肝がんを再現する方法は、肝がん治療法開発のために有効な手段の一つである。現在までに複数の原発性肝がんモデル動物が知られているが、大きく分けて薬剤等の投与によるモデルと遺伝子改変によるモデルがある(非特許文献2)。N−ニトロソジエチルアミン(DEN)などの薬剤を用いた方法は、簡便であるという利点があるが、実際の肝がんにおいてそのような薬剤に暴露されていることは考えにくく、実際の肝がんを再現しているとは言い難い。遺伝子改変マウスによる肝がんモデルとしては、肝臓特異的PTENノックアウトマウスが挙げられる(非特許文献3)。このマウスはNASHを引き起こし、78週までに66%が肝細胞がんを発症する優れたモデルであるが、PTENの変異が見られない肝がんも存在し、またNASHを介さない原発性肝がんも存在するため、その他のPTENを介さない肝がんマウスモデルも必要とされている。
Oda et al., Clin J Gastroenterol. 2015 Feb;8(1):1-9 Bakiri et al., Mol Oncol. 2013 Apr;7(2):206-23 Horie et al., J Clin Invest. 2004 Jun;113(12):1774-83
本発明は、肝がん治療法開発のために有効な手段となる実験動物を提供することを目的の一つとする。また、本発明の別の目的としては、肝がんを治療または予防するための医薬を提供すること、そのような医薬を用いて肝がんを治療または予防するための方法を提供することも含まれている。
発明者らは、miR−146bノックアウトマウスが加齢により肝がんを自然発症することを見出した。miR−146bはmiR−146aと相同性の高いマイクロRNAであり、miR−146aについては炎症を抑制する機能があることが知られているが、miR−146bの機能はこれまで明らかにされていない。miR−146bノックアウトマウスにおける肝がんでは、脂肪の蓄積が見られず、NASHのような脂肪性肝炎を介さない新たな肝がんモデル動物として有用であると考えられる。また、miR−146bノックアウトマウスの解析結果は、miR−146bが肝がん発症制御に重要な役割を担っており、miR−146bが肝がん治療及び予防に有効であることを示している。そこで、miR−146bを遺伝子導入試薬と混合して、これを例えば静脈から投与し、肝臓に取り込ませることにより、肝がんの治療及び予防のための医薬として利用することが可能であることが当業者には理解される。本発明は、これらの知見を基礎とするものであり、具体的には、以下の事項に関する。
[1]非機能的なmiR−146b遺伝子を有することを特徴とする、非ヒト遺伝子改変動物。
[2]miR−146b遺伝子配列に変異を有することを特徴とする、[1]記載の遺伝子改変動物。
[3]miR−146b RNAが発現されない、またはその発現量が低下していることを特徴とする、[1]記載の遺伝子改変動物。
[4]マウスまたはラットである、[1]〜[3]のいずれか一項記載の遺伝子改変動物。
[5]肝がんモデル動物である、[1]〜[4]のいずれか一項記載の遺伝子改変動物。
[6][1]〜[4]のいずれか一項記載の遺伝子改変動物の肝がんモデル動物としての使用。
[7][1]〜[4]のいずれか一項記載の遺伝子改変動物に由来する、単離された組織または細胞。
[8]肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法であって、i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有する肝がん非ヒトモデル動物を用意する工程;ii)該モデル動物に薬剤を投与する工程;iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;およびiv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程を含む、方法。
[9]肝がんモデル動物がマウスまたはラットである、[8]記載のスクリーニング方法。
[10]肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法であって、i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有する肝がん非ヒトモデル動物に由来する単離された組織または細胞を用意する工程;ii)該組織または細胞に薬剤を接触させる工程;iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;およびiv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程を含む、方法。
[11]肝がんモデル動物がマウスまたはラットである、[10]記載のスクリーニング方法。
[12]miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、またはそれらをコードするDNA、またはミミックを含む、肝がんを治療または予防するための医薬組成物。
[13]miR−146b RNAもしくはその前駆体RNAが配列番号1(ugagaacugaauuccauaggcu)の配列を含む、[12]記載の医薬組成物。
[14]miR−146b RNAの前駆体がpri−miRNAまたはpre−miRNAである、[12]または[13]記載の医薬組成物。
[15]肝がんを治療または予防するための方法であって、それを必要とする対象にmiR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、ミミック、またはそれらをコードするDNAを投与する工程を含む、方法。
[16]miR−146b RNAもしくはその前駆体RNAが配列番号1(ugagaacugaauuccauaggcu)の配列を含む、[15]記載の方法。
[17]miR−146b RNAの前駆体がpri−miRNAまたはpre−miRNAである、[15]または[16]記載の医薬方法。
[18]肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法であって、i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有する単離されたヒト肝細胞を用意する工程;ii)該ヒト肝細胞に薬剤を接触させる工程;iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;およびiv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程を含む、方法。
[19]肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者を同定する方法であって、i)被検者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定する工程;ii)該配列を配列番号1の配列と比較する工程;およびiii)被検者のmiR−146b遺伝子における変異の有無を決定する工程を含む、方法。
[20]肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者を同定する方法であって、i)被検者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定する工程;ii)被検者におけるmiR−146b RNAの発現量を標準値と比較する工程;およびiii)miR−146b RNAの発現量が有意に低下している被検者を同定する工程を含む、方法。
[21]上記[12]〜[14]のいずれかに記載の医薬組成物を用いた肝がんの治療または予防に適した患者を同定するための方法であって、i)患者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定して、患者のmiR−146b遺伝子における変異の有無を決定する工程;またはii)患者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定して、miR−146b RNAの発現量が有意に低下している患者を同定する工程を含む、方法。
TALENを用いたmiR−146bノックアウトマウスの作製方法を示す図面である。TALEN RNAを受精卵の細胞質にインジェクションすることにより、miR−146b配列の一部が欠損したマウスが得られた。 miR−146bノックアウトマウスの腫瘍形成について示す図面である。16〜20ヶ月齢のmiR−146bノックアウトマウスにおいて肝がん及びリンパ腫の形成が確認された。 miR−146bノックアウトマウス肝がんのH&E染色像を示す図面である。22ヶ月齢野生型マウス(上)と腫瘍形成が見られた20ヶ月齢miR−146bノックアウトマウス(下)の肝臓をパラフィン包埋した切片のH&E染色像。
以下に、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において参照している特許および特許出願書類を含む、全ての刊行物に記載の内容は、その引用によって、本明細書中に明記された内容と同様に組み込まれていると解釈すべきである。
miR−146b
マイクロRNA(miRNA)は、20〜24ヌクレオチドの短い非コード性RNAであり、mRNAの安定性と翻訳の両方に影響を与えることによって、多細胞生物における遺伝子発現の転写後調節に関与している。miRNAは、RNAポリメラーゼIIによって、キャップ構造を有するポリアデニル化された初期転写産物(pri−miRNA)の一部として転写される。この転写産物は、タンパク質をコードすることも、コードしないこともある。この初期転写産物は、DroshaリボヌクレアーゼIII酵素によって切断されて、約70ヌクレオチドのステムループ構造をとる前駆体miRNA(pre−miRNA)を生成する。これはさらに、細胞質のDicerリボヌクレアーゼによって切断されて、成熟miRNAとそのアンチセンス側のmiRNAを生じる。そして、成熟miRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれ、RISCは、miRNAとの不完全な塩基対合を通じて標的mRNAを認識し、一般的には、標的mRNAの翻訳阻害もしくは不安定化をもたらす。
miR−146bは、炎症によって発現が惹起され、TRAF6やIRAK1を抑制することで炎症を収束させる働きを持つmiR−146aのホモログmicroRNAである。miR−146bは、標的mRNAの認識に重要なシード配列がmiR−146aと同一であり、全長配列も2塩基のみ異なる。これまでのがん細胞を用いた実験報告により、miR−146bは乳がんやグリオーマなどのがんの抑制に関与することが示唆されているが(Liu et al., Oncotarget. 2015, 6(30):29129-42; Garcia et al., EMBO Mol Med. 2011, 3(5):279-90.)、個体レベルでの機能についての報告はない。
miRNAは、pre−miRNAから成熟miRNAとなる際に約22塩基ほどの二本鎖RNA(miRNA−5p/miRNA−3pデュプレックス)を経るが、そのうちの片方の鎖がRISCと呼ばれる複合体に取り込まれてmiRNAとして働き、もう一方の鎖は分解される。miR−146bの場合、miRNAとして働くのはmiR−146b−5pであり、本明細書におけるmiR−146b RNAとの記載はmiR−146b−5p RNAと同義である。
成熟miR−146b(配列番号1:5’−UGAGAACUGAAUUCCAUAGGCU−3’)およびpre−miR−146b(配列番号2:5’−CCUGGCACUGAGAACUGAAUUCCAUAGGCUGUGAGCUCUAGCAAUGCCCUGUGGACUCAGUUCUGGUGCCCGG−3’)の配列は公知であり、miRBaseなどの各種データベースから入手可能である(例えば、成熟miR−146bのmiRBaseアクセッション番号:MIMAT0002809、pre−miR−146bのmiRBaseアクセッション番号:MI0003129)。これらの配列をもとに核酸を合成する方法は、当業者には公知である。なお、成熟miR−146bおよびpre−miR−146bは、Thermo Fisher SCIENTIFICからmirVana mimic、Ambion Pre-miR miRNA Precursorとして販売されているものを購入して利用することもできる。
RNAを合成する際には、天然の核酸に加えて、2’O−メチル修飾などの修飾を加えた核酸を使用してもよい。そのような核酸の合成方法は、当業者には公知である。また、pri−miR−146b配列を含むゲノムDNAをPCR法により増幅し、各種発現ベクターまたは各種ウイルスベクター等に導入して、細胞内でRNAを転写により合成してもよい。
遺伝子改変動物
本発明の一つの側面は、非機能的なmiR−146b遺伝子を有することを特徴とする、非ヒト遺伝子改変動物に関する。ここで、非機能的なmiR−146b遺伝子を有するとは、例えば、miR−146b遺伝子配列中に変異(例えば、塩基の置換、欠失、挿入)を有するために、あるいはmiR−146b RNAが発現されない、またはその発現量が低下しているために、miR−146b遺伝子の機能が低下している、または消失していることなどを含む。非ヒト遺伝子改変動物におけるmiR−146b遺伝子の機能の低下は、例えば、正常な活性の50%以下であれば、疾患のモデル動物として有用となると考えられ、必ずしもmiR−146b遺伝子の機能が完全に消失している必要はない。例えば、本発明の非ヒト遺伝子改変動物におけるmiR−146bの遺伝子抑制活性は、正常な動物に比べて、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、3%未満、または1%未満に低下している。なお、miR−146bの遺伝子抑制活性は、例えば、miR−146b RNAの発現量を指標にして評価することができる。
miR−146b遺伝子配列中に変異を有する非ヒト遺伝子改変動物は、当業者に既知の任意の方法を用いて作製することができる。miR−146b遺伝子のノックアウト(KO)マウスは、その一例であるが、そのようなマウスは、相同組換えを用いる方法、人工ヌクレアーゼTALENを用いる方法、CRISPR−Casを用いる方法などの、当業者に既知の任意の方法を用いて作製することができる。TALENあるいはCRISPR−Casを用いる場合は、まずmiR−146bを標的とするTALENベクターあるいはCRISPRガイドRNAベクターを作製する。TALENベクターの設計は、TALEN Targeter(tale-nt.cac.cornell.edu/)などのウェブツールを用いて設計し、Efficient design and assembly of custom TALEN and other TAL effector-based constructs for DNA targeting(Nucleic Acids Res. 2011 Jul;39(12):e82)に記載の方法などにより作製する。CRISPRを用いる場合は、CRISPR Design Tool(http://crispr.mit.edu)などによりガイドRNAを設計し、RNA-guided human genome engineering via Cas9(Science. 2013 Feb 15;339(6121):823-6)に記載の方法などに従い、ガイドRNAベクターを作製する。TALENベクター、またはCRISPRガイドRNAベクターおよびCas9ベクターは、制限酵素により直鎖化あるいはPCRにより目的部分とT7プロモーターを増幅し精製する。これを鋳型として用いてRNAを転写した後、精製する。精製したRNAをマウス受精卵の細胞質にマイクロインジェクションし、産まれたマウスの遺伝子をシークエンシングして変異マウスを同定する。変異が見つかったマウスを掛けあわせてノックアウトマウスを取得する。また、当業者に既知の方法を用いて、ノックインマウスを作製して、miR−146b遺伝子配列を他の配列に置き換えてもよい。
また、miR−146bの機能は、その発現またはプロセッシングに影響を与えることにより、低下または消失させることもできる。一般に、miRNAは、まず、ゲノムDNAからRNAポリメラーゼIIによってpri−miRNA(primary miRNA、初期転写産物)が転写され、それが核内に存在するRNaseIII様のDroshaと呼ばれる酵素によって切断されて約70塩基長のステムループ構造をもつpre−miRNA(precursor miRNA、成熟miRNAの前駆体)を生じ、それが核外に輸送された後、細胞質中でDicerと呼ばれる酵素のスプライシングによって、20から25塩基長の2本鎖miRNAとなる過程を経て生じる。つまり、miR−146bの機能は、これらの過程のいずれか、例えば、pri−miRNAの転写の段階、pri−miRNAからpre−miRNAへのプロセッシングの段階、またはpre−miRNAから成熟miRNAへのプロセッシングの段階のいずれかに影響を与えることによっても、低下または消失させることができる。そのために、例えば上記のノックアウトまたはノックイン技術を利用することができる。さらに、例えば、miR−146b自体またはその前駆体の一部に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現するトランスジェニック動物を作製して、その機能を抑制または消失させてもよい。
本発明における非ヒト遺伝子改変動物としては、例えば、マウス、ラット、ウシ、サル、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスターなど、遺伝子改変の可能な任意の動物種を使用することができる。特に、作製および維持が容易であるマウスを用いることが好ましい。
また、本発明の一つの側面は、非機能的なmiR−146b遺伝子を有することを特徴とする、非ヒト遺伝子改変動物に由来する、単離された組織または細胞に関する。これらの組織、細胞としては、肝臓、リンパ節、脾臓、膵臓、脂肪組織、骨格筋、腎臓、副腎、血管、心臓、消化管、脳などに由来する組織、細胞が好適に例示される。
肝がんモデル動物
本発明の一つの側面は、非機能的なmiR−146b遺伝子を有することを特徴とする非ヒト遺伝子改変動物の肝がんモデル動物としての使用に関する。本発明者らは、miR−146b遺伝子のノックアウトマウスが、加齢により肝がんを自然発症することを見出した。miR−146bノックアウトマウスにおける肝がんでは、脂肪の蓄積が見られず、NASHのような脂肪性肝炎を介さない新たな肝がんモデル動物として有用となりうる。
このような非機能的なmiR−146b遺伝子を有する非ヒト遺伝子改変動物に対して、薬剤による処置を行うことにより、さらに肝がんを誘発してもよい。そのような薬剤処理としては、例えば、N−ニトロソジエチルアミン(DEN)、フェノバルビタール、四塩化炭素、ジメチルベンツアントラセン(DMBA)などを用いる方法がある。あるいは、高脂肪食や薬剤を与える、または高脂肪食と薬剤投与を併用することで肝炎を誘導し、肝がんを誘発してもよい。また、他の肝がんモデル動物との掛け合わせを行うことにより、さらに肝がんを誘発してもよい。利用されうる他の肝がんモデル動物としては、例えば、PTEN遺伝子やMdr2遺伝子に変異を有する動物が挙げられる。
肝がんモデル動物が、肝がんを発症したか否かの評価は、例えば、解剖、組織生検、評価マーカーの検出などにより行うことができる。本発明に係る肝がんモデル動物は、マウスの場合、通常の条件で飼育すると、生後約16〜20ヶ月で肝がんの発生が確認されるが、肝がんの発症時期は、上記のように、高脂肪食や薬剤などを与えることによって調整されうる。また、miR−146b遺伝子以外の遺伝子の変異をさらに導入することによっても、肝がんの発症時期は調整されうる。
スクリーニング方法
本発明の一つの側面は、肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法であって、i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有する肝がん非ヒトモデル動物を用意する工程;ii)該モデル動物に薬剤を投与する工程;iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;およびiv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程を含む、方法に関する。
非ヒト遺伝子改変動物としては、例えば、マウス、ラット、ウシ、サル、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスターなど、遺伝子改変の可能な任意の動物種を使用することができるが、特に、作製および維持が容易であるマウスを用いることが好ましい。
スクリーニングを行う際、非機能的なmiR−146b遺伝子を有する非ヒト遺伝子改変動物に対して、薬剤による処置を行うことにより、さらに肝がんを誘発してもよい。そのような薬剤処理としては、例えば、N−ニトロソジエチルアミン(DEN)を用いる方法がある。あるいは、高脂肪食や薬剤を与えることで肝炎を誘導し、肝がんを誘発してもよい。また、他の肝がんモデル動物との掛け合わせを行うことにより、さらに肝がんを誘発してもよい。利用されうる他の肝がんモデル動物としては、例えば、PTEN遺伝子やMdr2遺伝子に変異を有する動物が挙げられる。
試験薬剤が、肝がんを治療または予防しうるか否かの評価は、例えば、解剖、組織生検、評価マーカーの検出などにより行うことができる。
また、本発明の一つの側面は、肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法であって、i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有する肝がん非ヒトモデル動物に由来する単離された組織または細胞を用意する工程;ii)該組織または細胞に薬剤を接触させる工程;iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;およびiv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程を含む方法にも関する。
これらの組織、細胞としては、肝臓、リンパ節、脾臓、膵臓、脂肪組織、骨格筋、腎臓、副腎、血管、心臓、消化管、脳などに由来する組織、細胞が好適に例示される。試験薬剤が、薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かの評価は、例えば、細胞増殖の抑制などを指標にして評価することができる。
さらに、本発明の一つの側面は、非機能的なmiR−146b遺伝子を有する、単離されたヒト肝細胞、およびそれを用いた肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法に関する。そのようなスクリーニング方法は、例えば、i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有するヒト肝細胞を用意する工程;ii)該ヒト肝細胞に薬剤を接触させる工程;iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;およびiv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程を含むことができる。培養ヒト肝細胞において、miR−146b遺伝子の機能を阻害もしくは消失させる際には、当業者に既知の任意の方法を利用することができる。
医薬組成物
本発明の一つの側面は、miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、またはそれらをコードするDNA、またはmiR−146bミミックを含む、肝がん(特に原発性肝がん)を治療または予防するための医薬組成物に関する。ここで、miR−146b RNAもしくはその前駆体RNAは、配列番号1(ugagaacugaauuccauaggcu)の配列を含んでいる。miR−146b RNAは、配列番号1から成るRNAを好適に使用できるが、その両方または片方の末端に付加的な塩基を有していても良い。また、miR−146b RNAは、適当な修飾核酸および/または変異(例えば、1つまたは複数の塩基の置換、欠失、挿入)を含んでいてもよく、そのミミック(化学修飾された短い二本鎖RNAであり、内在性miRNAを模倣し、miRNAの活性を増幅することを可能とする)を使用してもよい。
miR−146b RNAの前駆体としては、天然のpri−miRNAまたはpre−miRNAを好適に使用できるが、これらの前駆体は、適当な修飾および/または変異を含んでいても良い。また、Thermo Fisher SCIENTIFIC社から販売されているmirVana mimicやAmbion Pre-miR miRNA Precursorを用いても良い。
miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、またはそれらをコードするDNAは、適当な発現ベクター中に組み込んで使用することができるが、細胞中でmiR−146b RNAもしくはその前駆体RNAの転写を可能とするものであれば、任意の形態であってよい。
miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、miR−146bミミック、またはそれらをコードするDNAは、化学的、生化学的または生物学的に合成することができる。そのような合成方法は、当業者には広く知られている。
本発明に係る医薬組成物は、錠剤、粉末、液体、半固体などの任意の形態をとることができ、miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、それらをコードするDNA、またはmiR−146bミミックに加えて、適当な賦形剤、添加剤を含みうる。また、本発明に係る医薬組成物には、他の抗がん剤が配合されていてもよい。各成分の配合量は、医薬として許容される範囲で適宜決定することができる。また、組成物の投与量は、使用する核酸の種類、投与する対象に応じて、適宜決定することができる。投与経路についても、使用する核酸の種類、投与する対象に応じて、適宜決定することができる。
肝がんを治療または予防するための方法
本発明の一つの側面は、肝がん(特に原発性肝がん)を治療または予防するための方法であって、それを必要とする対象にmiR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、miR−146bミミック、またはそれらをコードするDNAを投与する工程を含む方法に関する。ここで、miR−146b RNAもしくはその前駆体RNAは、配列番号1(ugagaacugaauuccauaggcu)の配列を含んでいる。miR−146b RNAは、配列番号1から成るRNAを好適に使用できるが、その両方または片方の末端に付加的な塩基を有していても良い。また、miR−146b RNAは、適当な修飾核酸および/または変異(例えば、1つまたは複数の塩基の置換、欠失、挿入)を含んでいてもよい。
miR−146b RNAの前駆体としては、天然のpri−miRNAまたはpre−miRNAを好適に使用できるが、これらの前駆体は、適当な修飾および/または変異を含んでいても良い。
miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、またはそれらをコードするDNAは、適当な発現ベクター中に組み込んで使用することができるが、細胞中でmiR−146b RNAもしくはその前駆体RNAの転写を可能とするものであれば、任意の形態であってよい。
miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、miR−146bミミック、またはそれらをコードするDNAは、化学的、生化学的または生物学的に合成することができる。そのような合成方法は、当業者には広く知られている。
miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、それらをコードするDNA、またはmiR−146bミミックは、適当な賦形剤、添加剤を含む錠剤、粉末、液体、半固体などの任意の形態の医薬組成物として投与されることができる。また、他の抗がん剤と組み合わせて投与されてもよい。各成分の配合量は、医薬として許容される範囲で適宜決定することができる。また、薬剤の投与量は、使用する核酸の種類、投与する対象に応じて、適宜決定することができる。投与経路についても、使用する核酸の種類、投与する対象に応じて、適宜決定することができるが、核酸医薬の場合、静脈への注射により肝臓に効率よく送達できることが知られている。
投与の対象としては、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、サル、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスターなどが含まれる。
肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者の同定方法
本発明の一つの側面は、肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者を同定するための方法に関する。このような方法は、例えば、i)被検者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定する工程;ii)該配列を配列番号1の配列と比較する工程;およびiii)被検者のmiR−146b遺伝子における変異の有無を決定する工程を含みうる。被検者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定する方法としては、当業者に公知の任意の方法、例えば、自動シークエンサーを用いる方法などを利用することができる。決定した配列を配列番号1の配列と比較する工程および変異の有無を決定する工程は、例えば、コンピューターにより自動化して行うことができる。
上記の肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者を同定するための方法は、i)被検者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定する工程;ii)被検者におけるmiR−146b RNAの発現量を標準値と比較する工程;およびiii)miR−146b RNAの発現量が有意に低下している被検者を同定する工程を含むものでもよい。miR−146b RNAの発現量を測定する方法は、当業者に公知の任意の方法、例えば、Taqman(R) microRNA Assays(Thermo社)を用いたリアルタイムPCR法による定量解析などを利用することができる。発現量を比較する標準値としては、正常な被検者に由来する試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を用いることができる。miR−146b RNAの発現量が有意に低下しているか否かの判断は、例えば、miR−146b RNAの発現量が標準値に比べて50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、3%未満、または1%未満に低下していることを基準にして判断することができる。
miR−146bを用いた肝がんの治療または予防に適した患者の同定方法
本発明の一つの側面は、miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、miR−146bミミック、またはそれらをコードするDNAなどを含む医薬組成物を用いた肝がんの治療または予防に適した患者を同定するための方法に関する。このような方法は、例えば、i)患者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定して、患者のmiR−146b遺伝子における変異の有無を決定する工程;またはii)患者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定して、miR−146b RNAの発現量が有意に低下している患者を同定する工程を含むことができる。miR−146b遺伝子の配列の決定および変異の有無の評価は、上記のとおり、自動化して行う事ができる。また、miR−146b RNAの発現量を測定する方法は、Taqman(R) microRNA Assays(Thermo社)を用いたリアルタイムPCR法による定量解析などを利用して行うことができる。
このような方法を用いることにより、miR−146bに基づく医薬品が患者にもたらす効果を投与前に予測することが可能となる。また、miR−146b RNAの発現量の測定値は、患者に投与する薬剤の量を決定する上でも有用となりうる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
実施例1:miR−146bノックマウスの作製
miR−146bノックマウスは、以下の手順に従って作製した(図1)。まず、miR−146bを標的とするTALENベクターを作製した。miR−146bを標的とするTALENベクターは、マウスmiR−146b配列近傍のTTGGCCACCTGGCTCTGAG配列(配列番号3)とGGCTGTGAGCTCTAGCA配列(配列番号4)の2つの領域を標的とするものをCellectis社の受託サービスを利用して作製した。各TALENベクターは、制限酵素PacIにより直鎖化し精製した。これを鋳型としてmMESSAGE mMACHINE(R) T7 Transcription Kit(Thermo社)を用いてRNAを転写し、MEGA clear(Thermo社)を用いて精製した。精製したRNAをマウス受精卵の細胞質にマイクロインジェクションし、産まれたマウスのシークエンシングにより変異マウスを同定した。変異が見つかったマウスを掛けあわせてノックアウト遺伝子がホモ接合のノックアウトマウスを取得した。
実施例2:miR−146bノックマウスの表現型解析
miR−146bノックマウスの表現型を解析した結果は以下のとおりである。実施例1のようにして作製したmiR−146bノックアウトマウスは、正常に発生し、2ヶ月齢のマウスに野生型との違いは見られなかった。16〜20ヶ月齢のmiR−146bノックアウトマウスを安楽死させ、肝臓、脾臓などの組織を観察したところ、一部のノックアウトマウスにおいて腫瘍が確認された(図2)。H&E染色による病理学的解析の結果、その殆どはリンパ腫であったが、肝臓における腫瘍は原発性の肝がんであることが明らかになった(図3)。
実施例3:他の因子による肝がん発生のさらなる誘導
実施例1のようにして作製したマウスに対して、N−ニトロソジエチルアミン(DEN)、フェノバルビタール、四塩化炭素、ジメチルベンツアントラセン(DMBA)を用いた処置を行うことにより、あるいは、高脂肪食負荷による非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルおよび/または高脂肪食とジメチルベンツアントラセン(DMBA)を併用した処置を行うことにより、肝がん発生のさらなる誘導を行う。
実施例4:想定されるmiRNAによる肝がん治療の動物実験プロトコル
肝がんモデルによる肝がん誘導を行ったマウスの尾静脈に、miR−146bミミック(miRNA分子を模倣した2本鎖RNA)または対照ミミックを、任意でInvivofectamine(R)3.0(invitrogen製)などのin vivoトランスフェクション試薬と混合して注射し、肝がん形成への影響を調査する。miRNAのトランスフェクション方法の確立にはCy3で蛍光ラベルしたmiRNAを用いて行う。これにより肝臓への導入効率が容易に評価できる。導入したmiRNAの保持される期間についても同様に評価し、尾静脈への注射の頻度を決定する。使用するmiRNAは市販のミミックなどの他、2’−Oメチルなどの各種修飾を行い、合成したmiRNAでもよい。肝がん形成の評価は安楽死させたマウスの肝がん形成の有無、腫瘍の大きさなどを観察して行う。
本明細書には、本発明の好ましい実施態様を示してあるが、そのような実施態様が単に例示の目的で提供されていることは、当業者には明らかであり、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、様々な変形、変更、置換を加えることが可能であろう。本明細書に記載されている発明の様々な代替的実施形態が、本発明を実施する際に使用されうることが理解されるべきである。
上記のとおり、発明者らは、miR−146b遺伝子改変動物(より具体的にはマウス)が加齢により肝がんを自然発症することを見出した。miR−146b遺伝子改変動物における肝がんでは、脂肪の蓄積が見られず、NASHのような脂肪性肝炎を介さない新たな肝がんモデル動物として有用であると考えられる。また、miR−146bノックアウトマウスの解析結果は、miR−146bが肝がん発症制御に重要な役割を担っており、miR−146bが肝がん治療及び予防に有効であることを示している。そこで、miR−146bを遺伝子導入試薬と混合して、これを例えばヒトの静脈から投与し、肝臓に取り込ませることにより、肝がんの治療及び予防のための医薬として利用することが可能であることが当業者には理解される。

Claims (17)

  1. 非機能的なmiR−146b遺伝子を有することを特徴とする、非ヒト遺伝子改変動物。
  2. miR−146b遺伝子配列に変異を有することを特徴とする、請求項1記載の遺伝子改変動物。
  3. miR−146b RNAが発現されない、またはその発現量が低下していることを特徴とする、請求項1記載の遺伝子改変動物。
  4. マウスまたはラットである、請求項1〜3のいずれか一項記載の遺伝子改変動物。
  5. 肝がんモデル動物である、請求項1〜4のいずれか一項記載の遺伝子改変動物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載の遺伝子改変動物の肝がんモデル動物としての使用。
  7. 肝がんを治療または予防するための薬剤のスクリーニング方法であって、
    i)非機能的なmiR−146b遺伝子を有する非ヒト肝がんモデル動物を用意する工程;
    ii)該モデル動物に薬剤を投与する工程;
    iii)薬剤が肝がんの発症または進行に影響するか否かを判定する工程;および
    iv)肝がんを治療または予防するための薬剤を同定する工程
    を含む、方法。
  8. 肝がんモデル動物がマウスまたはラットである、請求項7記載のスクリーニング方法。
  9. miR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、またはそれらをコードするDNA、またはミミックを含む、肝がんを治療または予防するための医薬組成物。
  10. miR−146b RNAもしくはその前駆体RNAが配列番号1の配列を含む、請求項9記載の医薬組成物。
  11. miR−146b RNAの前駆体がpri−miRNAまたはpre−miRNAである、請求項9または10記載の医薬組成物。
  12. 肝がんを治療または予防するための方法であって、それを必要とする対象にmiR−146b RNAもしくはその前駆体RNA、またはそれらをコードするDNA、またはミミックを投与する工程を含む、方法。
  13. miR−146b RNAもしくはその前駆体RNAが配列番号1の配列を含む、請求項12記載の方法。
  14. miR−146b RNAの前駆体がpri−miRNAまたはpre−miRNAである、請求項12または13記載の方法。
  15. 肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者を同定する方法であって、
    i)被検者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定する工程;
    ii)該配列を配列番号1の配列と比較する工程;および
    iii)被検者のmiR−146b遺伝子における変異の有無を決定する工程
    を含む、方法。
  16. 肝がんに罹患しやすい、または罹患している被検者を同定する方法であって、
    i)被検者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定する工程;
    ii)被検者におけるmiR−146b RNAの発現量を標準値と比較する工程;および
    iii)miR−146b RNAの発現量が有意に低下している被検者を同定する工程
    を含む、方法。
  17. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物を用いた肝がんの治療または予防に適した患者を同定するための方法であって、
    i)患者から得た試料中におけるmiR−146b遺伝子の配列を決定して、患者のmiR−146b遺伝子における変異の有無を決定する工程;または
    ii)患者から得た試料中におけるmiR−146b RNAの発現量を測定して、miR−146b RNAの発現量が有意に低下している患者を同定する工程
    を含む、方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113661251A (zh) * 2019-04-16 2021-11-16 基恩菲特公司 用于稳定化微小rna的组合物和方法

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