JP2017093193A - 電力調達調整プログラム、電力調達調整装置および電力調達調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】予測誤差を考慮した複数のシナリオに対する事前調達計画を最小化する際に、多くの制約条件が設定されていたとしても、十分短い時間で調達計画を作成する手法を提供する。【解決手段】時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、処理をコンピュータに実行させる。【選択図】図2
Description
本発明は、電力調達調整プログラム、電力調達調整装置および電力調達調整方法に関する。
太陽光発電は、発電時に温室効果ガスを排出しないという優れた環境性を有し、また、コスト面でも採算がとれるレベルまで低下しつつある。しかし、天候次第で発電量が変化するため、安定的な電力供給が必要な電力小売り事業で活用するには、発電予測に基づき、電力会社などの契約に基づく安定的な電力供給先や蓄電池などの導入設備、電力市場などの電力供給源を組み合わせて計画的に運用することが必要となる。また、太陽光発電予測には比較的大きな誤差があり、さらに、予測困難な出力変動も伴うため、計画値に対する発電量の過不足を補償する手段が必要である。例えば、蓄電池を利用すれば発電量不足には放電、発電量余剰には充電により対応することができる。ただ、蓄電池には単位時間あたりに充放電できる電力や利用可能な蓄電量に限りがあり、機器制約を超えた電力供給はできない。予測誤差の影響が導入設備の容量を超え、安定的な電力供給先の契約電力を超過した調達にペナルティに相当するコストが発生する場合には、電力市場からの前日調達(事前調達)などにより予備力を確保し予測誤差の影響に備え、コストの増加を抑制可能である。
太陽光発電を含む小売事業では、太陽光発電予測と需要予測に基づき、各電力供給源からの供給量を計画するのが1つの方法である。需要予測や太陽光発電予測については多くの研究があり、それらの研究成果を利用して、運用計画を作成することが可能である。
太陽光発電予測や需要予測は誤差を含むため、誤差が発生した場合に計画外の供給過不足が生じる。このため、過去データに基づき予測誤差分布を作成し、コスト評価に反映する方法がある(例えば、特許文献1等を参照)。すなわち、自然エネルギーと出力補償装置をあわせた単位時間(1時間)あたりの出力の目標値を決定する際に、過去の予測実績値と出力実績値から予測誤差分布を作成し、発電予測誤差が大きく蓄電池による出力変化可能幅を超え電力会社への通告電力(目標値)より余剰あるいは不足になった際に発生するペナルティを考慮する。
以下では、ある日の電力需要変動あるいは太陽光発電変動等の時系列予測(観測)データであって、その予測が実現する確率の計算手順が定められているものをシナリオと呼ぶ。予測誤差の影響を考慮するために、過去のデータから需要の変動を確率的なシナリオとして生成し、シナリオ毎に最適化した運用計画からすべてのシナリオに対する効果の期待値が高い運用計画を選択する方法もある(例えば、非特許文献1等を参照)。すなわち、過去の負荷曲線データから分散共分散行列を用いて需要変動を確率的な需要シナリオとしてモデル化し、各需要シナリオに対して従来の最適化手法で起動停止計画および経済負荷配分計算を実施し、策定された各発電計画のうち、最も発電単価の小さな発電計画を最適な発電計画として選択する。
"確率的需要シナリオを考慮した発電計画の最適化手法",電学論B.131,3,pp271−276(2011)
上述したように、電力消費量の予測には誤差が伴うため、以下の3つの制約を守った上で、最適な前日調達量を、前日の調達量決定期限前に計算が完了するように十分短い時間で求めることは、従来技術では難しい。
(1)供給電力が電力会社の契約電力以下
(2)蓄電池の単位時間当たりの放電制約以下
(3)蓄電池の累積放電量が蓄電池の容量制約以下
(1)供給電力が電力会社の契約電力以下
(2)蓄電池の単位時間当たりの放電制約以下
(3)蓄電池の累積放電量が蓄電池の容量制約以下
単位時間あたりの予測誤差をシナリオ別ではなく統計的データ(平均値など)として扱って変数の数を減らした調達計画を作ると、蓄電量の制御が不十分になり、容量制約を満たせない可能性がある。
単に特定のシナリオに対しての蓄電池に関する制約条件の下で最適化問題を解いて調達計画を作ると、他のシナリオが実現した場合、制約条件を満たさない可能性がある。
全てのシナリオに対して各時間帯に蓄電池の放電制約、容量制約などの制約条件を設定した最適化問題の解を求め、それに基づいた調達計画を作ろうとした場合、扱う変数の数が多くなり、計算時間が増加する。
そこで、開示の形態は、一側面では、予測誤差を考慮した複数のシナリオに対する事前調達計画を最小化する際に、多くの制約条件が設定されていたとしても、十分短い時間で調達計画を作成する手法の提供を目的とする。
開示の形態は、時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、処理をコンピュータに実行させる。
十分短い時間で調達計画を作成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
<構成>
図1は一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。図1において、当日入力データとデータベースのデータに基づいて太陽光発電の予測誤差を考慮し、調達計画(前日調達計画)を作成して出力する調達計画作成システム1と、調達計画に基づいてリアルタイムに電力供給を制御するリアルタイム制御システム2とが設けられている。すなわち、調達計画作成システム1は太陽光発電の発電予測誤差を考慮した調達計画を作成し、リアルタイム制御システム2の需給制御部21はそれぞれの供給源を制御する。特に調達計画作成システム1が作成した調達計画に基づき電力市場23からの調達量を制御する。なお、矢印付きの実線はデータ(情報)の流れを示し、矢印付きの二重線は電気の流れを示している。
図1は一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。図1において、当日入力データとデータベースのデータに基づいて太陽光発電の予測誤差を考慮し、調達計画(前日調達計画)を作成して出力する調達計画作成システム1と、調達計画に基づいてリアルタイムに電力供給を制御するリアルタイム制御システム2とが設けられている。すなわち、調達計画作成システム1は太陽光発電の発電予測誤差を考慮した調達計画を作成し、リアルタイム制御システム2の需給制御部21はそれぞれの供給源を制御する。特に調達計画作成システム1が作成した調達計画に基づき電力市場23からの調達量を制御する。なお、矢印付きの実線はデータ(情報)の流れを示し、矢印付きの二重線は電気の流れを示している。
調達計画作成システム1は、基準調達計画作成部11と基準調達計画調整部12と調達計画出力部13とを備えている。調達計画作成システム1が使用する当日入力データには、・運用日の太陽光発電予測
・運用日の需要予測
・対応不可シナリオ比率
・電力会社契約電力
・需要調整可能量
・蓄電池利用可能蓄電量
・蓄電池放電制約
が含まれている。また、データベースには、
・過去の日射(PV(Photovoltaic)発電)量予測データ
・過去の日射(PV発電)量観測データ
・過去の需要観測データ
が含まれている。
・運用日の需要予測
・対応不可シナリオ比率
・電力会社契約電力
・需要調整可能量
・蓄電池利用可能蓄電量
・蓄電池放電制約
が含まれている。また、データベースには、
・過去の日射(PV(Photovoltaic)発電)量予測データ
・過去の日射(PV発電)量観測データ
・過去の需要観測データ
が含まれている。
リアルタイム制御システム2は、需要家26に供給する電力の主要な供給源として、太陽光発電24と電力会社22からの供給を想定している。また、太陽光発電24の予測誤差を補償する手段として蓄電池25、電力市場23および需要調整を想定している。
太陽光発電24は、環境性能は高いが出力が不安定な電力供給源としての位置づけで利用する。太陽光発電24は基本的には売電をせずに発電電力をすべて需要家に供給することを想定する。
電力会社22は、小口の需要家を束ね、所定の範囲内の比較的大きな規模の電力を一括して供給することで、電力供給コストを低減することを想定する。具体的には、契約電力(上限)の大きさに依存する(大口の需要家に対する)従量性料金で、需要家に供給電力で太陽光発電量だけでは不足する分の電力を供給する。
電力市場23は、太陽光発電電力を補完し、電力会社22からの契約電力の上限を抑制するための電力の調達先としての位置づけで利用する。所定の入札時間までに必要な電力量を入札し、約定した電力量を調達する。電力市場23に関してはJEPX(Japan Electric Power Exchange:日本卸電力取引所)を参考にした場合、商品は24時間を30分単位に分けたものとし、スポット市場は受け渡し日に対して前日の9時30分の入札、時間前市場は1場(13〜17時)が受け渡し当日の9時入札、2場(17〜21時)が受け渡し当日の13時入札、3場(21〜翌日13時)が受け渡し当日の17時入札とする。
蓄電池25は、太陽光発電予測誤差への対応手段としての位置づけで利用する。太陽光発電24と電力市場23から電力を供給した結果、必要な電力が不足している場合に充放電制約の範囲で需要家26に電力を供給することを想定する。具体的には、太陽光発電24と電力市場23から電力を供給しても電力会社22からの契約電力を超過して電力が必要となる場合に、蓄電池25から超過分の電力を放電する。
予測時に見積もっていた太陽光発電量が得られない、もしくは需要が見積もりを上回り、電力市場23からの調達と蓄電池25を利用しても電力会社22からの契約電力を上回って電力を供給しなければならない場合には、需要調整を実施する。
上記のすべての供給源から電力を供給しても電力会社22の契約電力を超えて電力の供給が必要であるならば、電力会社22に通常の電気料金の数倍かかる負荷変動範囲超過電力料金を支払って需要家26に電力を供給する。
図2は調達計画作成システム1の詳細図である。前述したように、調達計画作成システム1は基準調達計画作成部11と基準調達計画調整部12と調達計画出力部13とを備えている。
基準調達計画作成部11は、運用日の太陽光発電予測と需要予測、対応不可シナリオ比率、過去の日射(PV発電)量予測データ、過去の日射(PV発電)量観測データ、過去の需要観測データ、電力会社契約電力、需要調整可能量、蓄電池利用可能蓄電量、蓄電池放電制約を入力とする。そして、蓄電池と需要調整を最大限に活用した場合の各時間帯の調達量の時間帯別期待値である基準調達シナリオと基準調達シナリオによる調達では調達量が不足する調達調整シナリオ集合データを出力する。
基準調達計画調整部12は、電力会社契約電力、需要調整可能量、蓄電池利用可能蓄電量、蓄電池放電制約と、基準調達シナリオ作成部の出力である基準調達シナリオと調達調整シナリオ集合データを入力とする。そして、基準調達シナリオで電力市場から電力を調達しただけでは不足する調達を補うための放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオを出力する。
調達計画出力部13は、基準調達シナリオと放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオを入力として、調達計画を出力する。
図3は調達計画作成システム1を構成する調達計画作成装置のハードウェア構成例を示す図である。図3において、調達計画作成装置は、システムバス101に接続されたCPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)105を備えている。また、調達計画作成装置は、I/F(Interface)106と、I/F106に接続された、I/O(Input/Output Device)107、HDD(Hard Disk Drive)/フラッシュメモリ108、NIC(Network Interface Card)109と、I/O107に接続されたモニタ110、キーボード111、マウス112等を備えている。I/O107にはCD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブ等を接続することもできる。
図1および図2で説明した調達計画作成システム1の機能は、CPU102において所定のプログラムが実行されることで実現される。プログラムは、記録媒体を経由して取得されるものでもよいし、ネットワークを経由して取得されるものでもよいし、ROM組込でもよい。
<動作>
以下、各処理部の動作の詳細について説明する。
以下、各処理部の動作の詳細について説明する。
[基準調達計画作成部11]
図4は基準調達計画作成部11の処理例を示すフローチャートである。基準調達計画作成部11では、運用日の太陽光発電予測、運用日の需要予測、過去の日射(PV発電)量予測データ、過去の日射(PV発電)量観測データ、過去の需要観測データ、電力会社契約電力、対応不可シナリオ比率、需要調整可能量、蓄電池利用可能蓄電量、蓄電池放電制約を入力とし、基準調達シナリオと調達調整シナリオ集合データを出力する。
図4は基準調達計画作成部11の処理例を示すフローチャートである。基準調達計画作成部11では、運用日の太陽光発電予測、運用日の需要予測、過去の日射(PV発電)量予測データ、過去の日射(PV発電)量観測データ、過去の需要観測データ、電力会社契約電力、対応不可シナリオ比率、需要調整可能量、蓄電池利用可能蓄電量、蓄電池放電制約を入力とし、基準調達シナリオと調達調整シナリオ集合データを出力する。
図4において、基準調達計画作成部11は、まず、運用日の太陽光発電予測シナリオに類似した過去の太陽光発電予測シナリオを抽出し、過去の太陽光発電予測シナリオに対応する太陽光発電観測シナリオと需要観測シナリオを抽出する(ステップS11)。
図5は太陽光発電観測データ等の抽出の例を示す図である。まず、運用当日の太陽光発電予測を入力する。ここでは、何らかの予測手法で太陽光発電量が予測されているものとする。入力した太陽光発電予測に対して、過去データから類似した太陽光発電予測データを抽出する。ここでは、入力した太陽光発電予測の各時間帯の発電量の差や総発電量等が設定した閾値以内の太陽光発電予測データを抽出する。抽出した太陽光発電予測に対する実績である太陽光発電観測データを抽出し、入力した太陽光発電予測に対して起こりうる太陽光発電観測データとみなす。このように抽出した複数の太陽光発電観測データによって予測誤差の影響を評価する。また太陽光発電観測データと日付などで紐づいた需要観測データを抽出する。太陽光発電観測データと紐づいた需要観測データが存在しない場合には、需要予測データを対応させる。
次に、図4に戻り、基準調達計画作成部11は、需要観測シナリオの各単位時間の値から太陽光発電観測シナリオの値を引いて正味需要シナリオを生成する(ステップS12)。図6は正味需要計算の例を示す図である。抽出した需要観測データと太陽光発電観測データを基にして、単位時間当たりの需要に対して太陽光発電を供給電力として反映する。つまり、需要と太陽光発電の差分を計算し正味需要(太陽光発電を供給した後の太陽光発電以外の供給源からの供給を必要とする電力量)シナリオとして生成する。予測誤差の影響を考慮した需要と太陽光発電の対応関係は複数抽出されることを想定しており、図6の左では正味需要シナリオ1と正味需要シナリオ2という2つのシナリオの需要と太陽光発電の対応関係が示されている。図6の右では、正味需要シナリオ集合データ1として、N個分の正味需要シナリオが表形式で表されており、正味需要シナリオ1の各時間帯の需要と太陽光発電の差分は正味需要1の欄に、正味需要シナリオ2の同様の計算結果は正味需要2の欄に格納されている。
次に、図4に戻り、基準調達計画作成部11は、調達シナリオ生成を行う(ステップS13)。図7は調達シナリオ生成(図4のステップS13)の処理例を示すフローチャートである。調達シナリオ生成処理では、正味需要シナリオ集合データ、機器の制約である需要調整可能量と蓄電池利用可能蓄電量、電力会社からの購入上限である電力会社契約電力を入力とし、正味需要シナリオ集合データの各正味需要シナリオに対する調達シナリオ集合データを生成する。
図7において、まず、正味需要シナリオから需要調整可能量を引いても契約電力を超過する正味需要に対し契約電力超過量を計算し、契約電力超過シナリオを生成する(ステップS131)。図8は契約電力超過シナリオ計算の例を示す図である。図8の左では、需要調整可能量が16時から2kWの場合に、正味需要シナリオ集合データ1(図6)から需要調整可能量を引いて正味需要シナリオを更新し、正味需要シナリオ集合データ2としている。そして、図8の右では、契約電力が12.3kWの場合に、12.3kWを超える正味需要に対して正味需要と契約電力の差分をとり契約電力超過量とし、12.3kWを超えない場合には0を格納し、契約電力超過シナリオ(契約電力超過シナリオ集合データ1)として出力する。
契約電力超過量を電力会社から供給することは高いコストを負担して電力を供給することを意味するので、コストを下げるために電力会社と太陽光発電以外から電力供給を計画するために、その対象となる電力と時間帯を明らかにすることがこの処理の趣旨である。契約電力超過シナリオ集合データの各契約電力超過シナリオに対して、総契約電力超過量を計算する。
図9は需要調整における機器制約データの例を示す図である。このデータでは、機器に依存した需要調整可能量の上限を示している。左の表では調整量の上限が時刻に依存せずに一定である例、右の表では調整量の上限が時刻に依存する例である。この例に示すような需要調整の上限を利用してもよいし、需要に対する割合で削減量が決まるようにしてもよい。
図7に戻り、基準調達計画作成部11は、未選択の契約電力超過シナリオを選択し(ステップS132)、未選択の契約電力超過シナリオがなくなるまで(ステップS136のNo)、以下の処理を行う。
まず、選択した契約電力超過シナリオに対し、利用可能蓄電量と総契約電力超過量の比較を行う(ステップS133)。もし利用可能蓄電量の方が大きければ(ステップS133のYes)、各時間帯の契約電力超過量を蓄電量配分シナリオとして生成する(ステップS134)。もし総契約電力超過量の方が大きければ(ステップS133のNo)、利用可能蓄電量と総契約電力超過量の比を計算し、各時間帯の契約電力超過量にかけ、蓄電量配分シナリオを生成する(ステップS135)。図10は蓄電量配分シナリオ計算の例を示す図である。図10では、全ての契約電力超過シナリオの総契約電力超過量が利用可能蓄電量よりも多かった例で、それぞれの契約電力超過シナリオの利用可能蓄電量と総契約電力超過量の比を求め、契約電力超過シナリオにかけることによって、蓄電量配分シナリオ(蓄電量配分シナリオ集合データ1)を出力している。
図7に戻り、基準調達計画作成部11は、契約電力超過シナリオの各単位時間の値から蓄電量配分シナリオの値を引いて、調達シナリオを生成する(ステップS137)。図11は調達シナリオ計算の例を示す図である。図11では、契約電力超過シナリオ集合データと蓄電量配分シナリオ集合データの対応するシナリオに対して、契約電力超過量から配分された蓄電量を引き、調達シナリオ(調達シナリオ集合データ1)を出力する。各調達シナリオに対して、総調達量も計算する。この調達シナリオは、需要調整と蓄電池では対応できない契約電力超過量であり、市場からの調達量となる。
次に、図4に戻り、基準調達計画作成部11は、生成した調達シナリオに対して、総調達量が多い上位X%(対応不可シナリオ比率)の調達シナリオを対応不可シナリオとして除外し、対応可能シナリオを抽出する(ステップS14)。図12は対応可能シナリオ抽出の例を示す図である。図12では、調達シナリオ集合データの各調達シナリオに対して、調達量が多い上位X%を対応不可シナリオとして除外した対応可能シナリオ(対応可能シナリオ集合データ1)を抽出している。この処理の趣旨としては、予測が大きく外れることは稀であり、そのような状況を想定して調達量を決定すると多くのシナリオにとっては調達量が多くなりすぎることを避けることである。
次に、図4に戻り、基準調達計画作成部11は、対応可能シナリオ集合データの各単位時間の調達量の期待値を計算し、基準調達シナリオとして生成する(ステップS15)。図13は基準調達シナリオ計算の例を示す図である。図13では、対応可能シナリオ集合データに対して、単位時間を順番に選択し、各対応可能シナリオの調達量の期待値を計算し、基準調達シナリオ(基準調達シナリオ1)として出力している。期待値は、例えば、各時間帯の各対応可能シナリオの調達量の平均値により求める。例えば15時の場合には、対応可能シナリオ1の調達量は0.66kW、対応可能シナリオ2の調達量は2.00kWであり、それ以外の対応可能シナリオの調達量も含めた期待値は1.16kWと計算され、基準調達シナリオの15時の値として格納される。どの正味需要シナリオが実際に発生するかわからない状況で前日時点の計画を作成する場合には、市場調達量が少なすぎて契約電力超過量が発生することを回避する一方、契約電力超過を発生させないために多くの市場調達を行い安価な電力会社からの供給が利用できなくなることも避けたい。この処理では、多くの契約電力超過シナリオにおいて市場調達量が蓄電池と需要調整の利用を想定した場合に適量であるような調達計画を作成する趣旨で、個別の最小調達シナリオの時間帯別の期待値を基準調達シナリオとして作成する。
次に、図4に戻り、基準調達計画作成部11は、最後の処理として、対応可能シナリオ集合データの各対応可能シナリオの総調達量と基準調達シナリオの総調達量と比較して、総調達量が基準調達シナリオよりも多い対応可能シナリオを調達調整シナリオとして抽出する(ステップS16)。この処理では、基準調達シナリオを計算した各調達シナリオの総調達量が基準調達シナリオの総調達量を上回り、基準調達シナリオでは必要な調達に満たないため制約条件違反が発生するシナリオを、調達を調整する対象のシナリオとして抽出する。
図14は調達調整シナリオ抽出の例を示す図である。図14では、対応可能シナリオ集合データに対して、各対応可能シナリオの総調達量を基準調達シナリオの総調達量と比較していく。対応可能シナリオ1の総調達量は2.38kWhであり、基準調達シナリオの総調達量の6.69kWhを下回るため、基準調達シナリオで調達が十分である。次に対応可能シナリオ2の総調達量は9.53kWhであり、基準調達シナリオの総調達量6.69kWhを上回り、基準調達シナリオでは調達が不足するため、調達調整シナリオとして抽出している。同様の処理をほかの対応可能シナリオにも繰り返し実施し、調達調整シナリオ(調達調整シナリオ集合データ1)を抽出する。
[基準調達計画調整部12]
図15は基準調達計画調整部12の処理例を示すフローチャートである。基準調達計画調整部12の特徴は、基準調達計画作成部11で抽出した調達調整シナリオ集合データに対して、基準調達シナリオで調達したとしても発生する制約条件違反を解消するために、契約電力超過発生量が多い時間帯を中心に基準調達シナリオを調整する調達量を計算することにある。基準調達計画調整部12は、入力が、正味需要シナリオ集合データ、基準調達シナリオ、調達調整シナリオ集合データ、放電制約対応調達シナリオ、容量制約対応調達シナリオ、電力会社契約電力、需要調整可能量、蓄電池利用可能蓄電量、蓄電池放電制約であり、出力が、放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオである。処理は、基準調達シナリオの制約条件違反が発生しうる、調整が必要な時間帯を抽出する調達調整時間帯抽出処理(ステップS21)と、放電制約を超えた調達に対応するための調達を計算する放電制約対応調達更新処理(ステップS22)と、容量制約を超えた調達に対応するための調達を計算する容量制約対応調達更新処理(ステップS23)とからなる。
図15は基準調達計画調整部12の処理例を示すフローチャートである。基準調達計画調整部12の特徴は、基準調達計画作成部11で抽出した調達調整シナリオ集合データに対して、基準調達シナリオで調達したとしても発生する制約条件違反を解消するために、契約電力超過発生量が多い時間帯を中心に基準調達シナリオを調整する調達量を計算することにある。基準調達計画調整部12は、入力が、正味需要シナリオ集合データ、基準調達シナリオ、調達調整シナリオ集合データ、放電制約対応調達シナリオ、容量制約対応調達シナリオ、電力会社契約電力、需要調整可能量、蓄電池利用可能蓄電量、蓄電池放電制約であり、出力が、放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオである。処理は、基準調達シナリオの制約条件違反が発生しうる、調整が必要な時間帯を抽出する調達調整時間帯抽出処理(ステップS21)と、放電制約を超えた調達に対応するための調達を計算する放電制約対応調達更新処理(ステップS22)と、容量制約を超えた調達に対応するための調達を計算する容量制約対応調達更新処理(ステップS23)とからなる。
図16は放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオのデータ形式例を示す図であり、放電制約対応調達シナリオ1と容量制約対応調達シナリオ1として示している。この後の処理ではこのデータを更新していく。処理開始前には各時間帯のそれぞれの値を0で初期化する。
図17は調達調整時間帯抽出(図15のステップS21)の処理例を示すフローチャートである。調達調整時間帯抽出処理では、入力が正味需要シナリオ集合データ、基準調達シナリオ、調達調整シナリオ集合データ、需要調整可能量、電力会社契約電力であり、出力が調達調整時間帯を抽出した調達調整シナリオ集合データである。
図17において、基準調達計画調整部12は、まず、調達調整シナリオに対応する正味需要シナリオを参照し、各単位時間の正味需要の値から基準調達シナリオと需要調整可能量を引いて契約電力と比較し、契約電力超過量を計算し、契約電力超過量で調達調整シナリオを更新する(ステップS211)。この処理では、基準調達シナリオでは調達が不足し蓄電池では対応できない調達範囲を明らかにするため、各調達調整シナリオに依存して蓄電量を配分した上での調達量(調達調整シナリオ集合データ1)ではなく、各調達調整シナリオに対応する正味需要シナリオ(正味需要シナリオ集合データ1)から基準調達シナリオと需要調整可能量を引いた上で契約電力超過量を計算しなおす。
図18は調達調整シナリオ更新の例を示す図である。図18では、調達調整シナリオに対応する正味需要シナリオを参照し、各単位時間の値から基準調達シナリオの値を引き、需要調整可能量として16時以降の各単位時間の値から2kWを引いた上で、契約電力である12.3kWを超える場合に、12.3kWを超過する量を計算し、調達調整シナリオ(調達調整シナリオ集合データ2)として更新する。契約電力を超過しない場合には0を格納する。
次に、図17に戻り、基準調達計画調整部12は、各調達調整シナリオに対して、各単位時間の契約電力超過量の最大を計算し、契約電力超過量最大が0の時間帯を削除した調達調整シナリオを出力する(ステップS212)。本実施形態では、調達調整シナリオに対する制約条件違反への対応が必要な時間帯を絞り込んで解消していくことにより、処理の負担を軽減する。つまり、予測誤差の影響や正味需要と契約電力の関係等で制約条件違反が起こりにくい時間帯は、制約条件違反解消処理の対象から除外する。特に太陽光発電予測誤差の影響は発電している時間帯に限られる。
図19は調達調整時間帯抽出の例を示す図である。図19の左図(調達調整シナリオ集合データ2)では、更新された調達調整シナリオ集合データの各単位時間の契約電力超過量の最大を計算している。この処理の結果、いずれの調達調整シナリオでも契約電力超過が発生していない場合には最大値が0になるので、最大値が0の時間帯を表から削除する。図19では主に午後に契約電力超過が発生しており、午前中は調達調整シナリオ2の8時30分を除いて契約電力超過の最大が0であった(契約電力超過が発生していない)ため削除し、調達調整時間が抽出された調達調整シナリオ集合データ(調達調整シナリオ集合データ3)として出力している。この例では説明を単純にするために2つの調達調整シナリオしかないが、通常は2つ以上の複数の調達調整シナリオに対してこの処理を行う。以下の例も同様の理由で2つの調達調整シナリオのみ扱う。
図20は放電制約対応調達更新(図15のステップS22)の処理例を示すフローチャートである。放電制約対応調達更新処理の入力は調達調整シナリオ集合データと放電制約対応調達シナリオと蓄電池放電制約であり、出力は更新された放電制約対応調達シナリオと放電制約対応調達シナリオが反映された調達調整シナリオ集合データである。本実施形態では、予測誤差を考慮した複数シナリオに対して前日調達量を決めることになるが、放電制約に関しては、例えばある単位時間において1つのシナリオでも放電制約を違反している場合には、それを解消するための調達が必要である。この処理では、契約電力超過に対して蓄電池の放電制約違反を解消できるような最小の追加調達量を計算することを趣旨とする。
図20において、基準調達計画調整部12は、まず、各調達調整シナリオの各単位時間において、放電制約を上回る契約電力超過量に対して、放電制約を上回る量(放電制約超過量)を計算する(ステップS221)。図21は放電制約対応調達計算の例を示す図である。図21では、調達調整シナリオ集合データ3の調達調整シナリオ1の15時30分とシナリオ2の17時30分に放電制約超過が発生しているので、それぞれの差分(シナリオ1:3.74−3.50、シナリオ2:4.30−3.50)を計算する。計算した結果が右の表(放電制約対応調達シナリオ集合データ1)になり、これが個別シナリオの放電制約を超過する契約電力超過を放電制約範囲内におさめるための調達となる。
次に、図20に戻り、基準調達計画調整部12は、各単位時間の放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達シナリオの値を更新する(ステップS222)。個別の調達調整シナリオの放電制約超過に対して、複数の調達調整シナリオの放電制約超過に対応するためには、各時間帯で発生しうる全ての放電制約超過に対応する必要がある。そこで、各時間帯の放電制約超過量の最大を計算し、その最大値こそが複数の調達調整シナリオの放電制約超過に対応するための調達となる。図22は放電制約対応調達更新の例を示す図である。図22では、放電制約対応調達シナリオ集合の個別シナリオの各時間帯の放電制約対応調達の最大値を求めた後、放電制約対応調達の各単位時間の値をその最大値で更新している(放電制約対応調達シナリオ2)。
そして、図20に戻り、基準調達計画調整部12は、各調達調整シナリオの各単位時間の値に対して、放電制約対応調達シナリオの値を引く(ステップS223)。この処理の意味合いとしては、ある調達調整シナリオのある単位時間において放電制約に対応するための調達は、予測誤差の影響を考慮した場合には必要な調達なので優先してすべての調達調整シナリオにその影響を織り込んでおくことである。図23は放電制約対応後調達計算の例を示す図である。図23では放電制約に対応するための調達を調達調整シナリオに反映している。調達調整シナリオ1の放電制約違反を解消するための15時30分の調達を調達調整シナリオ2にも反映し(調達調整シナリオ1と調達調整シナリオ2の15時30分の調達量から0.24kWを引き)、調達調整シナリオ2の放電制約違反を解消するための17時30分の調達を調達調整シナリオ1にも反映している(調達調整シナリオ1と調達調整シナリオ2の17時30分の調達量から0.8kWを引く)。更新された調達調整シナリオを出力する(調達調整シナリオ集合データ4)。
図24および図25は容量制約対応調達更新(図15のステップS23)の処理例を示すフローチャートである。個別の調達調整シナリオに依存した放電制約違反はほかの調達調整シナリオに依存せずに解消する必要があるので、上述の処理によって解消した後に、複数の調達調整シナリオの各単位時間の契約電力超過発生状況を考慮し、総調達量が容量制約を上回らないように調達を増やす。調達を実施する単位時間の各調達調整シナリオの契約電力超過発生状況によって、調達が容量制約違反解消に寄与するかどうかが決まる。つまり、契約電力超過の発生量が多い単位時間に調達を実施できれば、その調達分だけ蓄電量を利用しなくてもよい一方で、契約電力超過の発生量が少ない単位時間には、契約電力超過が発生した場合に蓄電池を優先して利用した方が複数の調達調整シナリオを考慮した場合に総調達量は少なくなる。
図24において、基準調達計画調整部12は、まず、容量制約違反評価を行う(ステップS2301)。この評価では、各調達調整シナリオの総契約電力超過量を計算し、利用可能蓄電量との差分をとる。差分が0より小さければ0(不足なし)と評価する。1つのシナリオでも不足調達と評価されているならば、容量制約を違反していると評価する。図26は容量制約違反評価の例を示す図である。図26では、利用可能蓄電量が9kWhであり、調達調整シナリオ1も調達調整シナリオ2も総契約電力超過量が利用可能蓄電量を上回っているため、容量制約違反と評価する。蓄電量との比較のために、総契約電力超過量は30分単位の電力量に変換してから和を計算していることに注意する。
次に、図24に戻り、基準調達計画調整部12は、放電制約違反を調達によって解消してもまだ容量制約を違反しているならば(ステップS2301のYes)、各調達調整シナリオの各単位時間の契約電力超過量の最小値と平均値(期待値)を計算する(ステップS2302)。上述したように契約電力超過量が多い時間帯に調達をした方が容量制約違反を解消するためには好ましく、さらに、全てのシナリオで契約電力超過がオーバーラップしている単位時間があればオーバーラップしている量だけ調達できれば理想的である。そのために各単位時間の契約電力超過量の最小値を計算する。ただ、例え多くの調達調整シナリオで契約電力超過が発生していたとしても、1つの調達調整シナリオでも契約電力超過が発生しないと最小値が0になってしまうので、すべての単位時間で契約電力超過量の最小値が0になる状況に備えて、平均値も計算する。図27は単位時間別契約電力超過量最小値・平均値計算の例を示す図である。図27では、調達調整シナリオの各単位時間の最小値と平均値を計算している。
次に、図24に戻り、基準調達計画調整部12は、全ての単位時間において契約電力超過の最小値が0でないならば(ステップS2303のNo)、契約電力超過量が最小の単位時間を選択する(ステップS2304)。そうでない場合の処理は図25に記述しており、後述する。
基準調達計画調整部12は、単位時間の選択(ステップS2304)の後、契約電力超過量最小の最大が不足調達量の最大以下であれば(ステップS2305のYes)、容量制約対応調達を契約電力超過量最小の最大に更新する(ステップS2306)。また、不足調達量の最大の方が契約電力超過量の最小の最大よりも小さければ(ステップS2305のNo)、不足調達量の最大で更新する(ステップS2307)。この処理は、容量制約対応調達量は不足調達量以上に設定しないように、不足調達量が小さくなってきたら、不足調達量分だけ調達を調整するという意味がある。
そして、基準調達計画調整部12は、各調達調整シナリオに対して、更新された容量制約対応調達の値を引き(ステップS2308)、調達調整シナリオが容量制約を違反していないか、評価する(ステップS2309)。容量制約違反が解消された場合(ステップS2309のNo)には処理を完了し、容量制約を違反している場合(ステップS2309のYes)には、容量制約対応調達更新処理を容量制約違反が解消されるまで行う。
ここで、全て単位時間において契約電力超過の最小値が0である場合(ステップS2303のYes)の処理に戻ると、図25において、基準調達計画調整部12は、全ての調達調整シナリオで契約電力超過がオーバーラップしている時間帯がないことを意味するので、契約電力超過量の平均値が最大の単位時間を選択する(ステップS2310)。そして、基準調達計画調整部12は、契約電力超過量平均値の最大が不足調達量の最大以下であれば(ステップS2311のYes)、容量制約対応調達を契約電力超過量平均値の最大に更新する(ステップS2312)。また、基準調達計画調整部12は、不足調達量の最大の方が契約電力超過量平均値の最大よりも小さければ(ステップS2311のNo)、不足調達量の最大で更新する(ステップS2313)。
そして、基準調達計画調整部12は、各調達調整シナリオに対して、更新された容量制約対応調達の値を引き(ステップS2314)、調達調整シナリオが容量制約を違反していないか、評価する(ステップS2315)。容量制約違反が解消された場合(ステップS2315のNo)には処理を完了し、容量制約を違反している場合(ステップS2315のYes)には、容量制約対応調達更新処理を容量制約違反が解消されるまで図24の処理を行う。
図28は容量制約対応調達更新の例を示す図である。図28では、不足調達が調達調整シナリオ1と調達調整シナリオ2ともに0ではないため、容量制約を違反している。そして、契約電力超過量の最小値が全て0ではないため、最小値が最大である18時を選択する。契約電力超過最小の最大である0.84kWh(1.68kWの30分の電力量値)が不足調達の最大である2.50kWhよりも小さいため、容量制約対応調達の18時の値を契約電力超過最小の最大である1.68kWで更新する(容量制約対応調達2)。
図29は容量制約対応後調達計算の例を示す図である。図29では、調達調整シナリオに対して、直前に更新した18時の1.68kWを調達調整シナリオ1と調達調整シナリオ2の両方から引く(18時の調達調整シナリオ1:1.68−1.68=0.00、調達調整シナリオ2:2.87−1.68=1.19)。計算した結果が右の表である(調達調整シナリオ集合データ5)。
図30から図33は、図24のフローチャートに示した処理を繰り返し処理をしていった例である。図30では、調達調整シナリオに対して、不足調達量を計算した結果、容量制約違反が発生している(調達調整シナリオ集合データ5)。そこで、調達調整シナリオの各単位時間の契約電力超過量の最小値と期待値を計算し(最小値のkWと30分の電力量値のみ)、全ての時間帯の契約電力超過量最小が0ではないため、契約電力超過量最小が最大である15時30分を選択する(時間帯別統計量データ2)。契約電力超過量最小の最大が不足調達の最大よりも小さいため(0.82kWh<1.665kWh)、15時30分の容量制約対応調達を契約電力超過量最小の最大(1.64kW)で更新する。そして、更新した容量制約対応調達を調達調整シナリオに反映する(15時30分の調達調整シナリオ1:3.5−1.64=1.86、調達調整シナリオ2:1.64−1.64=0.00)。反映した結果が一番右の表である(容量制約対応調達3)。
図31では、調達調整シナリオの不足調達量が0ではなく容量制約違反が解消されていないため(調達調整シナリオ集合データ6)、各時間帯の契約電力超過量の最小値と期待値を計算する(最小値のkWと30分の電力量値のみ)。全ての時間帯の契約電力超過量最小が0ではないため、契約電力超過最小が最大である15時を選択する(時間帯別統計量データ3)。そして、契約電力超過量最小の最大(0.81kWh)が不足調達の最大(0.84kWh)よりも小さいため、15時の容量制約対応調達を契約電力超過量最小の最大(1.62kW)で更新する。更新した容量制約対応調達を調達調整シナリオに反映する(15時の調達調整シナリオ1:2.73−1.62=1.11、調達調整シナリオ2:1.62−1.62=0.00)。反映した結果が一番右の表である(容量制約対応調達4)。
図32では、調達調整シナリオのシナリオ2の不足調達は0になったが、シナリオ1の不足調達が0ではなく容量制約違反と評価されるため(調達調整シナリオ集合データ7)、各時間帯の契約電力超過量の最小値と期待値を計算する(最小値のkWと30分の電力量値のみ)。全ての時間帯の契約電力超過量最小が0ではないため、契約電力超過最小が最大である18時30分を選択する(時間帯別統計量データ4)。そして、契約電力超過量最小の最大(0.71kWh)が不足調達の最大(0.035kWh)よりも小さく、容量制約の解消には不足調達の最大分だけ調達すれば十分なので、18 時30分の容量制約対応調達を不足調達量の最大(0.07kW)で更新する。更新した容量制約対応調達を調達調整シナリオに反映する(18時30分の調達調整シナリオ1:2.01−0.07=1.94、調達調整シナリオ2:1.41−0.07=1.34)。反映した結果が一番右の表である(容量制約対応調達5)。
図33では、調達調整シナリオの不足調達が全てのシナリオで0であるため(調達調整シナリオ集合データ8)、容量制約違反が解消され、処理を終了する。結果として、放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオを出力する。
[調達計画出力部13]
調達計画出力部13では、基準調達シナリオと放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオを入力して、放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画として出力する。図34は調達計画の例を示す図である。
調達計画出力部13では、基準調達シナリオと放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオを入力して、放電制約対応調達シナリオと容量制約対応調達シナリオのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画として出力する。図34は調達計画の例を示す図である。
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、予測誤差を考慮した複数のシナリオに対する事前調達計画を最小化する際に、多くの制約条件が設定されていたとしても、十分短い時間で調達計画を作成することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、予測誤差を考慮した複数のシナリオに対する事前調達計画を最小化する際に、多くの制約条件が設定されていたとしても、十分短い時間で調達計画を作成することができる。
すなわち、複数のシナリオの単位時間毎に設定された制約条件の基で大きな計算コストをかけて最適化問題を解く訳ではなく、個別のシナリオに対しても最適化問題を解く訳ではない。そして、蓄電池の制約範囲内で蓄電量を割り振るのみの簡易な処理で計算した個別調達シナリオを基に大半のシナリオにおいて制約条件を満たす基準調達シナリオを作成し、基準調達シナリオでは制約条件を満たせない調達調整シナリオに限定して、基準調達シナリオが制約条件を満たすように調整する。これにより、計算コストを抑制して最小調達計画を作成することが可能である。
以上、好適な実施の形態により説明した。ここでは特定の具体例を示して説明したが、特許請求の範囲に定義された広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により限定されるものと解釈してはならない。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
処理をコンピュータに実行させる電力調達調整プログラム。
(付記2)
前記基準調達時系列データを生成する処理は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
付記1に記載の電力調達調整プログラム。
(付記3)
前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする処理は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
付記1または2に記載の電力調達調整プログラム。
(付記4)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出し、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行い、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行い、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する、
処理をコンピュータに実行させる付記1乃至3のいずれか一項に記載の電力調達調整プログラム。
(付記5)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する処理は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
付記4に記載の電力調達調整プログラム。
(付記6)
前記放電制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
付記5に記載の電力調達調整プログラム。
(付記7)
前記容量制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
付記6に記載の電力調達調整プログラム。
(付記8)
前記調達計画時系列データを出力する処理は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
付記7に記載の電力調達調整プログラム。
(付記9)
時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成する手段と、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成する手段と、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする手段と、
を備える電力調達調整装置。
(付記10)
前記基準調達時系列データを生成する手段は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
付記9に記載の電力調達調整装置。
(付記11)
前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする手段は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
付記9または10に記載の電力調達調整装置。
(付記12)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する手段と、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行う手段と、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行う手段と、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する手段と、
を備える付記9乃至11のいずれか一項に記載の電力調達調整装置。
(付記13)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する手段は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
付記12に記載の電力調達調整装置。
(付記14)
前記放電制約に基づく調整を行う手段は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
付記13に記載の電力調達調整装置。
(付記15)
前記容量制約に基づく調整を行う手段は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
付記14に記載の電力調達調整装置。
(付記16)
前記調達計画時系列データを出力する手段は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
付記15に記載の電力調達調整装置。
(付記17)
時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
処理をコンピュータが実行する電力調達調整方法。
(付記18)
前記基準調達時系列データを生成する処理は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
付記17に記載の電力調達調整方法。
(付記19)
前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする処理は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
付記17または18に記載の電力調達調整方法。
(付記20)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出し、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行い、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行い、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する、
処理をコンピュータが実行する付記17乃至19のいずれか一項に記載の電力調達調整方法。
(付記21)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する処理は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
付記20に記載の電力調達調整方法。
(付記22)
前記放電制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
付記21に記載の電力調達調整方法。
(付記23)
前記容量制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
付記22に記載の電力調達調整方法。
(付記24)
前記調達計画時系列データを出力する処理は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
付記23に記載の電力調達調整方法。
(付記1)
時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
処理をコンピュータに実行させる電力調達調整プログラム。
(付記2)
前記基準調達時系列データを生成する処理は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
付記1に記載の電力調達調整プログラム。
(付記3)
前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする処理は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
付記1または2に記載の電力調達調整プログラム。
(付記4)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出し、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行い、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行い、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する、
処理をコンピュータに実行させる付記1乃至3のいずれか一項に記載の電力調達調整プログラム。
(付記5)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する処理は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
付記4に記載の電力調達調整プログラム。
(付記6)
前記放電制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
付記5に記載の電力調達調整プログラム。
(付記7)
前記容量制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
付記6に記載の電力調達調整プログラム。
(付記8)
前記調達計画時系列データを出力する処理は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
付記7に記載の電力調達調整プログラム。
(付記9)
時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成する手段と、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成する手段と、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする手段と、
を備える電力調達調整装置。
(付記10)
前記基準調達時系列データを生成する手段は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
付記9に記載の電力調達調整装置。
(付記11)
前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする手段は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
付記9または10に記載の電力調達調整装置。
(付記12)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する手段と、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行う手段と、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行う手段と、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する手段と、
を備える付記9乃至11のいずれか一項に記載の電力調達調整装置。
(付記13)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する手段は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
付記12に記載の電力調達調整装置。
(付記14)
前記放電制約に基づく調整を行う手段は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
付記13に記載の電力調達調整装置。
(付記15)
前記容量制約に基づく調整を行う手段は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
付記14に記載の電力調達調整装置。
(付記16)
前記調達計画時系列データを出力する手段は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
付記15に記載の電力調達調整装置。
(付記17)
時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
処理をコンピュータが実行する電力調達調整方法。
(付記18)
前記基準調達時系列データを生成する処理は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
付記17に記載の電力調達調整方法。
(付記19)
前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする処理は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
付記17または18に記載の電力調達調整方法。
(付記20)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出し、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行い、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行い、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する、
処理をコンピュータが実行する付記17乃至19のいずれか一項に記載の電力調達調整方法。
(付記21)
前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する処理は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
付記20に記載の電力調達調整方法。
(付記22)
前記放電制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
付記21に記載の電力調達調整方法。
(付記23)
前記容量制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
付記22に記載の電力調達調整方法。
(付記24)
前記調達計画時系列データを出力する処理は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
付記23に記載の電力調達調整方法。
調達シナリオは「調達時系列データ」の一例である。調達調整シナリオは「調達調整時系列データ」の一例である。対応可能シナリオは「対応可能時系列データ」の一例である。基準調達シナリオは「基準調達時系列データ」の一例である。
1 調達計画作成システム
11 基準調達計画作成部
12 基準調達計画調整部
13 調達計画出力部
2 リアルタイム制御システム
21 需給制御部
22 電力会社
23 電力市場
24 太陽光発電
25 蓄電池
26 需要家
11 基準調達計画作成部
12 基準調達計画調整部
13 調達計画出力部
2 リアルタイム制御システム
21 需給制御部
22 電力会社
23 電力市場
24 太陽光発電
25 蓄電池
26 需要家
Claims (10)
- 時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
処理をコンピュータに実行させる電力調達調整プログラム。 - 前記基準調達時系列データを生成する処理は、前記対応可能時系列データの各時間帯の調達量の平均値を計算し、各時間帯と平均値を対応付けることで前記基準調達時系列データを生成する、
請求項1に記載の電力調達調整プログラム。 - 前記対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする処理は、前記複数の対応可能時系列データの各々の総調達量と前記基準調達時系列データの総調達量とを比較し、該基準調達時系列データの総調達量よりも総調達量が多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
請求項1または2に記載の電力調達調整プログラム。 - 前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出し、
抽出された時間帯について前記調達調整時系列データに蓄電池の単位時間当たりの放電量による放電制約に基づく調整を行い、
該調整の後に前記調達調整時系列データに蓄電池の累積放電量による容量制約に基づく調整を行い、
前記各調整の結果に基づき時間毎に外部から実際に調達する電力量を規定した調達計画時系列データを出力する、
処理をコンピュータに実行させる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力調達調整プログラム。 - 前記調達調整時系列データから調整の対象とする時間帯を抽出する処理は、
前記調達調整時系列データに対応する正味需要時系列データの各時間帯の値から前記基準調達時系列データと需要調整可能量を引き、契約電力と比較して契約電力超過量を計算し、該契約電力超過量で前記調達調整時系列データを更新し、
更新後の前記調達調整時系列データに対して、各時間帯の契約電力超過量の最大が0となる時間帯を削除する、
請求項4に記載の電力調達調整プログラム。 - 前記放電制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データから放電制約を超える放電制約超過量を計算し、
計算された放電制約超過量の最大値で放電制約対応調達時系列データを更新し、
更新された値を前記調達調整時系列データから引く、
請求項5に記載の電力調達調整プログラム。 - 前記容量制約に基づく調整を行う処理は、
前記調達調整時系列データの各時間帯の契約電力超過の最小値が最大となる時間帯を選択し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さい場合は該最小値の最大で容量制約対応調達時系列データを更新し、
該最小値の最大が不足調達の値より小さくない場合は不足調達の値で前記容量制約対応調達時系列データを更新し、
容量制約違反がなくなるまで処理を繰り返す、
請求項6に記載の電力調達調整プログラム。 - 前記調達計画時系列データを出力する処理は、
前記放電制約対応調達時系列データと前記容量制約対応調達時系列データのデータが更新されている時間帯のそれぞれの値の和を取り、調達計画時系列データとして出力する、
請求項7に記載の電力調達調整プログラム。 - 時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成する手段と、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成する手段と、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする手段と、
を備える電力調達調整装置。 - 時間毎に外部から調達する電力量を規定した複数の調達時系列データから、調整の対象となる調達調整時系列データを生成する際に、
前記複数の調達時系列データから、総調達量の多い調達時系列データを除外して、複数の対応可能時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データの各時間帯の期待値を基に、調整の基準となる基準調達時系列データを生成し、
前記複数の対応可能時系列データと前記基準調達時系列データとを比較して、該基準調達時系列データよりも総調達量の多い対応可能時系列データを抽出して前記調達調整時系列データとする、
処理をコンピュータが実行する電力調達調整方法。
Priority Applications (2)
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JP2015222508A JP2017093193A (ja) | 2015-11-12 | 2015-11-12 | 電力調達調整プログラム、電力調達調整装置および電力調達調整方法 |
US15/347,121 US20170140481A1 (en) | 2015-11-12 | 2016-11-09 | Electric power procurement adjustment apparatus and electric power procurement adjustment method |
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JP5822434B2 (ja) * | 2010-02-04 | 2015-11-24 | オムロン株式会社 | 電力需給システム、グリーン電力供給制御装置、グリーン電力受領制御装置、グリーン電力需給証明装置、精算システム、移動体、グリーン電力需給システム、グリーン電力送受電方法、グリーン電力需給証明方法、および、精算方法 |
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2015
- 2015-11-12 JP JP2015222508A patent/JP2017093193A/ja active Pending
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2016
- 2016-11-09 US US15/347,121 patent/US20170140481A1/en not_active Abandoned
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