JP2017093154A - 車両用回生制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させる電気ヒータが、回生制動時の余剰電力を確実に消費することが可能な車両用回生制動装置を提供すること。
【解決手段】空調用ECUは、ナビゲーション装置からの情報により、車両が制動を要する降坂路を通過すると判断した場合には、制動が実施される前に回生電力以外の電力によりヒータを起動してヒータのプレ熱出力を行なうプレ運転部を有する。プレ運転部は、ステップ群S90及びそれに続くステップS45の機能により提供される。また、空調用ECUは、制動が実施された際に、回生余剰電力によりヒータの熱出力を行なう回生運転部を有する。回生運転部は、ステップS47の機能により提供される。
【選択図】図4

Description

ここに開示される技術は、回生制動により回収したエネルギを消費可能な電気ヒータを備える車両用回生制動装置に関する。
従来技術として、例えば下記特許文献1に開示された装置がある。この装置では、回生制動により得られる回生電力のうち蓄電等に用いられない余剰電力を、電気ヒータで消費するようになっている。
特開2005−100752号公報
しかしながら、上記従来技術の装置では、回生制動時に余剰電力があっても電気ヒータで充分に消費できない場合があるという問題がある。電気ヒータには、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させるものがある。この電気ヒータは、電力投入直後に一時的に流れる大電流である突入電流を抑制することが可能なヒータである。このような電気ヒータを用いる場合に、回生制動時に余剰電力があっても電気ヒータで充分に消費できない場合があるという問題が発生する。
ここに開示される技術は、上記点に鑑みてなされたものであり、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させる電気ヒータが、回生制動時の余剰電力を確実に消費することが可能な車両用回生制動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、開示される車両用回生制動装置では、
車両の制動時に運動エネルギを電気エネルギに変換して回生電力を発生させる回生装置(14)と、
回生電力を蓄電可能な蓄電装置(13)と、
回生電力のうち蓄電装置の蓄電分を超える分を余剰電力と呼ぶときに、余剰電力を消費して熱出力することが可能な電気ヒータ(17)と、
車両の現在位置及び進行方向を検出するとともに、予め記憶した坂路情報を含む道路情報を用いて車両の走行案内を行なうことが可能なナビゲーション装置(30)と、
ナビゲーション装置から入力される現在位置、進行方向及び道路情報に基づいて電気ヒータを駆動制御する制御装置(16)と、を備え、
電気ヒータは、起動してから定常熱出力に至るまで漸次熱出力を増加させるヒータであり、
制御装置は、
車両の現在位置、進行方向及び道路情報から、車両が制動を要する降坂路を通過すると判断した場合には、制動が実施される前に回生電力以外の電力により電気ヒータを起動して電気ヒータのプレ熱出力を行なうプレ運転部(S90、S45)と、
制動が実施された際に、回生電力の余剰電力により電気ヒータの熱出力を行なう回生運転部(S47)と、を有する。
これによると、車両が制動を要する降坂路を通過すると制御装置が判断した場合には、車両の制動が実施される前に、制御装置のプレ運転部が回生電力以外の電力により電気ヒータを起動して電気ヒータをプレ熱出力させる。そして、車両の制動が実施された際には、制御装置の回生運転部が回生電力の余剰電力により電気ヒータの熱出力を行なう。したがって、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させる電気ヒータは、回生運転部が余剰電力により電気ヒータの熱出力を行なう際には、回生電力以外の電力により既に熱出力を上昇した状態となっている。これにより、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させる電気ヒータが、回生制動時の余剰電力を確実に消費することが可能となる。
なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示技術の範囲を限定するものではない。
第1実施形態に係る車両用回生制動装置の概略構成を示すブロック図である。 車両用空調装置の暖房システムを示す図であり、空調用温水回路と冷却回路とが互いに独立した状態である単独状態を示している。 車両用空調装置の暖房システムを示す図であり、空調用温水回路と冷却回路とが接続した状態である連携状態を示している。 空調用ECUがパワーマネジメントECUを介して行なうヒータ制御動作を示すフローチャートである。 空調用ECUが行なう三方弁制御動作を示すフローチャートである。 降坂路における回生制動とヒータプレ運転との関係を説明するための図である。 ヒータ熱出力と回生余剰電力との関係の一例を示すタイムチャートである。 ヒータ熱出力と回生余剰電力との関係の他の一例を示すタイムチャートである。
以下に、図面を参照しながら開示技術を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
開示技術を適用した第1実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態の車両用回生制動装置は、回生装置に相当する回生ブレーキ14、蓄電装置に相当するバッテリ13、電気ヒータに相当する水加熱ヒータ17、ナビゲーション装置30、制御装置に相当する空調用ECU16を備えている。水加熱ヒータ17は、車両用空調装置10の暖房システムの一部をなすものである。以下、水加熱ヒータを単にヒータと呼ぶ場合がある。空調用ECU16は、車両用空調装置10の制御装置である。以下、空調用ECUをA/CECUと呼ぶ場合がある。
車両用空調装置10は、車室内を空調するための空調用空気を車室内に送風する。図1に示すように、車両用空調装置10は、例えば、走行用モータ11を走行用駆動源とし、走行用モータ11に対する電力供給手段として燃料電池12を備える燃料電池車に搭載される。以下、燃料電池をFCスタックと呼ぶ場合がある。燃料電池車において、走行用モータ11は、FCスタック12及び車載のバッテリ13の少なくともいずれかから電力が供給されて駆動する。
バッテリ13には、回生装置として回生ブレーキ14が電気的に接続される。回生ブレーキ14は、車両の減速時に運動エネルギを電気エネルギに変換して回収する。そして回生ブレーキ14は、回収した電気エネルギを蓄電装置であるバッテリ13に充電する。
FCスタック12は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池のセルを複数有している。FCスタック12としては、固体高分子形燃料電池を用いることができる。FCスタック12の種類はこれに限定されるものではなく、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池等であってもかまわない。
パワーマネジメントECU15は、図1に示すように、走行用モータ11の挙動を制御する。以下、パワーマネジメントECUをパワマネECUと呼ぶ場合がある。パワマネECU15、空調用ECU16、FCスタック12及びナビゲーション装置30は、CAN(Controller Area Network:登録商標)通信を使い相互に通信可能となっている。パワマネECU15は、CAN通信を使いFCスタック12及び車両用空調装置10の空調用ECU16と必要な情報交換をする。パワマネECU15は、FCスタック12の発電量、バッテリ13の残量及び車両の走行状態などから、走行用モータ11に供給する電力量を決定する。そしてパワマネECU15は、決定した電力量で走行用モータ11を駆動するように制御する。
ナビゲーション装置30は、車両の現在位置及び進行方向を検出可能である。本実施形態のナビゲーション装置30は、坂路情報を含む道路情報を予め記憶している。坂路情報とは、例えば道路の高低差情報である。ナビゲーション装置30は、記憶している道路情報と、検出する車両の現在位置及び進行方向とに基づいて、車両の走行案内を行なうことができる。また、ナビゲーション装置30は、車両の現在位置及び進行方向、坂路情報を含む道路情報、走行ルートの設定情報等を、CAN通信を用いて出力することができる。
車両用空調装置10は、図2に示すように、高電圧用のヒータ17を搭載し、空調用温水回路18の水を加熱してヒータコア19で放熱するシステムを有する。本実施形態の車両は、例えば288Vまたは288Vを超える電圧の高電圧給電系統と、例えば12Vまたは24Vの低電圧給電系統とを有している。ヒータ17は、高電圧系統から給電されて発熱する高電圧用ヒータである。
空調用温水回路18は、本実施形態における熱媒体循環路に相当し、ヒータコア19は、本実施形態における放熱器に相当する。空調用温水回路18は、第1回路ということができる。空調用温水回路18は、車両の駆動源である走行用モータ11やFCスタック12を冷却する水が循環可能となっている。空調用温水回路18を流れる水は、本実施形態における熱媒体に相当する。熱媒体である水は、エチレングリコール等の凝固点降下成分を含むことができる。
空調用温水回路18は、冷却媒体として水が循環する循環流路を構成する。空調用温水回路18には、水を循環させる電動式の空調用ポンプ20、水を加熱するヒータ17、循環する温水の温度を検出する第1温度センサ22及びヒータコア19が設けられる。したがって、ヒータ17は、車室内に送風される空気を加熱して空調風を提供するときに、熱源として用いられる。ヒータコア19は、ヒータ17によって加熱された温水が、内部に流通するように構成される。
第1温度センサ22は、空調用温水回路18を循環する水の温度を検出する。第1温度センサ22は、ヒータ17を通過後、ヒータコア19に流入前の温水の温度を検出する。第1温度センサ22は、検出した温度情報を、空調用ECU16に与える。第1温度センサ22は、例えば、配管取り付けの温度サーミスタによって実現される。
ヒータ17には、車載のバッテリ13から得た直流電力が、例えばインバータ部によって個別にデューティ制御されて供給される。ヒータ17は、例えばPTCヒータで実現される。ヒータ17は、例えばニクロム線を利用したシーズヒータであってもよい。
ヒータ17は、温度が低いほど電気抵抗値が小さい特性を有する。したがって、ヒータ17は、起動時の突入電流を抑制するために、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を増加させるようにデューティ制御される。例えば、図7に実線で例示するように、ヒータ17は、起動してから漸次熱出力を増加させ定常熱出力に至る。ヒータ17は、起動してから定常熱出力状態に至るまでに、例えば5〜60秒程度の時間を要する。定常熱出力状態では、電力が供給されている状態での消費電力はほぼ一定である。
ヒータコア19は、冷却水との熱交換により空調ケース内を流通する空調用空気を加熱する暖房用の加熱用熱交換器である。ヒータコア19の内部には冷却水流路が形成されており、冷却水流路に冷却水が流れると、ヒータコア19は、冷却水の熱を、ヒータコア19自身を通過する空調用空気に放出して、車室内へ吹き出す空調用空気を加熱するようになっている。
空調用温水回路18には、FCスタック12を冷却する冷却回路23が接続される。具体的には、空調用温水回路18を循環する水が、冷却回路23にも循環可能に2本の接続通路24によって接続される。そして、一方の接続通路24には、三方弁21が設けられる。
三方弁21は、例えば回動弁体を変位することによって、図3に示すように冷却回路23と空調用温水回路18とを接続した状態に設定したり、図2に示すように冷却回路23と空調用温水回路18とを互いに独立した状態に設定したりする。換言すると、三方弁21は、空調用温水回路18を循環する冷却水が、空調用温水回路18だけで図2に示すように循環する状態と、図3に示す冷却回路23も含めて循環する状態とを弁体の変位によって切り換える。以下、冷却回路23と空調用温水回路18との接続状態を連携状態と呼ぶ場合がある。また、冷却回路23と空調用温水回路18との相互独立状態を単独状態と呼ぶ場合がある。
三方弁21は、例えば、ポテンションメータ付きのサーボモータ21bによって実現される。サーボモータ21bは、三方弁21の弁体の位置を変位させる。ポテンションメータ21aは、弁体の位置を検出する。サーボモータ21bは、ポテンションメータ21aが検出した弁体の位置に基づいて、弁体の位置を所定の位置に配置するように駆動される。したがって、三方弁21は、空調用温水回路18に流れる水の循環量と冷却回路23に流れる水の循環量とを調節する調整装置として機能する。空調用温水回路18を第1回路というときに、冷却回路23は第2回路ということができる。
空調用ポンプ20は、第1ポンプであり、空調用温水回路18のうち三方弁21の下流側であってヒータ17よりも上流側に配設されている。空調用ポンプ20は、冷却水を空調用温水回路18に循環させるための循環ポンプである。空調用ポンプ20は、例えば、ポンプハウジング内でインペラを回転させるポンプ装置とすることができる。
空調用ECU16は、マイクロコンピュータとその周辺回路から構成される制御装置である。空調用ECU16は、予め設定されたプログラムに従って、第1温度センサ22、外気温センサ、及び内気温センサからの各種温度信号、日射センサからの日射熱負荷信号、及び操作パネルで乗員が設定する設定温度信号等に対する演算処理を行う。更に、空調用ECU16は演算結果に基づいて、三方弁21、空調用ポンプ20、送風機、エアミックスドア等の制御を行う。また、空調用ECU16は、CAN通信にてパワマネECU15と通信し、暖房要求に応じパワマネECU15を介してヒータ17の作動を制御する。
次に、冷却回路23に関して説明する。燃料電池車は、図2に示すように、FCスタック12を冷却する冷却回路23を有する。冷却回路23は、冷却媒体である冷却水がFCスタック12から流出してFCスタック12へ戻るように、冷却水をFCスタック12の外部に循環させる回路である。冷却回路23は、FCスタック12の冷却水流出口と冷却水流入口とを繋いでいる。冷却回路23には、空調用温水回路18を循環する水が循環可能なように、冷却回路23と空調用温水回路18とは接続通路24を介して接続されている。冷却回路23には、ラジエータ25、ロータリバルブ26及び燃料電池用ポンプ27が設けられる。また、FCスタック12の内部には、冷却回路23の冷却水の温度を検出する第2温度センサ28が設けられている。
FCスタック12は、走行に必要な電力をまかなうものであり、発電時に発生する熱量は、内燃機関並みである。したがって乗用車であっても、放熱用熱交換器としてトラックで使用するような大型のラジエータ25を搭載している。ラジエータ25は、冷却回路23に設けられ、冷却水の熱を外気との熱交換により外部へ放出するようになっている。したがって、ラジエータ25は、FCスタック12によって温度上昇した冷却水を冷却する放熱用熱交換器である。
ラジエータ25は、例えば、車両のフロントグリルの後方となるエンジンルーム内の前方に配設されている。ラジエータ25には、送風ファンが設けられている。ラジエータ25は、この送風ファンによって供給される冷却用空気によって、冷却水を冷却するようになっている。
冷却回路23には、ラジエータ25をバイパスして冷却水を流通するバイパス通路29が設けられている。すなわち、バイパス通路29は、ラジエータ25よりも冷却液流れ上流側の分岐点で冷却回路23から分岐するとともにラジエータ25よりも冷却液流れ下流側の合流点で冷却回路23に合流するように設けられている。
ロータリバルブ26は、冷却回路23にバイパス通路29が合流する合流点に設けられ、ラジエータ25を通過する冷却水とバイパス通路29を通過する冷却水との流量比率を調節する弁装置である。ロータリバルブ26は、内部のバルブによって、ラジエータ25側を開きバイパス通路29側を閉じて水がラジエータ25を流通する場合と、バイパス通路29側を開きラジエータ25側を閉じて水がバイパス通路29を流通する場合とを切替え可能である。
燃料電池用ポンプ27は、第2ポンプであって、冷却回路23のうち、冷却回路23へのバイパス通路29の合流点よりも冷却水流れ下流側に配設されている。すなわち、燃料電池用ポンプ27は、冷却回路23へのバイパス通路29の合流点よりも下流側、かつ、FCスタック12よりも上流側に配設されている。燃料電池用ポンプ27は、冷却水を冷却回路23に循環させるための循環ポンプである。燃料電池用ポンプ27は、例えば、ポンプハウジング内でインペラを回転させるポンプ装置とすることができる。
FCスタック12には、燃料電池用ECUが内蔵されている。燃料電池用ECUは、FCスタック12を制御する制御装置である。燃料電池用ECUは、FCスタック12が出力する燃料電池の発熱量もしくは発熱量に関連する物理量に関する情報や、第2温度センサ28が出力する温度情報を入力する。燃料電池の発熱量に関連する物理量は、例えば発電量である。燃料電池用ECUは、これらの入力情報に基づいてロータリバルブ26や燃料電池用ポンプ27を作動制御するようになっている。
次に、空調用ECU16によるヒータ17の制御に関して、図4を用いて説明する。実際には、空調用ECU16がパワマネECU15を介してヒータ17を間接的に制御している。パワマネECU15は、車両の運転スイッチがオンである場合に、図4に示す制御を繰り返し実行する。車両の運転スイッチは、車両を走行可能状態に設定するスイッチである。
図4に示すように、パワマネECU15は、まず、ステップS41において、回生ブレーキ14が回生しているか否かを判断する。ステップS41において、回生していると判断した場合には、ステップS47に移り、回生していないと判断した場合には、ステップS42に移る。
ステップS42では、回生ブレーキ14が回生していないので、第1温度センサ22から空調水温TWを取得し、ステップS43に移る。ステップS43では、各種センサから取得した車両熱負荷と車室内設定温度に基づいて、空調用温水回路18の目標水温TWOを算出し、ステップS44に移る。車両熱負荷は、外気温、内気温、日射量および車室内設定温度などから算出される。
ステップS44では、目標水温TWOと空調水温TWとを比較し、目標水温TWOが空調水温TW以上の場合はステップS45に移り、目標水温TWOが空調水温TW未満の場合はステップS91に移る。
ステップS45では、目標水温TWOの方が高く空調用温水回路18の水を加熱する必要があるので、ヒータ17を駆動するように制御する。ステップS45では、バッテリ13から供給される電力によりヒータ17が熱出力する。ステップS45では、ヒータ17の熱出力にFCスタック12からの電力を用いてもよい。ステップS45を実行したら、本フローを終了する。すなわち、ステップS45を実行したら、ステップS41へリターンする。
ステップS44においてNOと判断した場合には、ステップS91において、CAN通信を用いてナビゲーション装置30から得た情報に基づき、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されているルート設定状態であるか否かを判断する。ここで、ルート設定状態とは、現地点から目的地までの走行案内を行なう走行ルートが設定されている状態である。走行案内を行なう走行ルートが設定されていない状態は、ルート非設定状態である。ステップS91において、ナビゲーション装置30がルート設定状態であると判断した場合には、ステップS92へ進む。ステップS91において、ナビゲーション装置30がルート設定状態でないと判断した場合、すなわちルート非設定状態であると判断した場合には、ステップS93へ進む。
ステップS92では、設定された走行ルートに制動を要する降坂路があるか否かを判断する。すなわち、設定された走行ルート上に回生制動を行なう下り坂があるか否かを判断する。ステップS92では、例えば、所定勾配以上の下り坂が200m以上連続するか否かを判断する。
ステップS92において、走行ルートに制動を要する降坂路があると判断した場合には、ステップS94へ進む。ステップS92において、走行ルートに制動を要する降坂路がないと判断した場合には、ステップS46へ進む。
ステップS93では、車両が現在走行している道路に、現在地点から所定距離の地点まで分岐点があるか否か判断する。ステップS93では、ナビゲーション装置30から取得した車両の現在位置、進行方向、及び道路情報から、現在走行している道路の進行方向のルート上に分岐点のない道路が所定距離続くか否かを判断する。すなわち、ステップS93では、車両が現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行するか否かを判断する。
ステップS93において、現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行すると判断した場合、すなわち、現在位置から所定距離の間に分岐点がない判断した場合には、ステップS92へ進む。ステップS93において、現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行することはないと判断した場合、すなわち、現在位置から所定距離の間に分岐点があると判断した場合には、ステップS46へ進む。
ステップS92においてYESと判断した場合には、ステップS94において、回生制動を開始する所定時間前の車両の走行地点を算出する。ステップS94では、まず、取得した道路情報から制動を開始すると推定される地点Aを決定する。次に、ヒータ17の立上げ時間と車速とから、地点Aよりも所定時間前に通過する地点Bを算出する。
ヒータ17の立上げ時間とは、ヒータ17が起動してから定常熱出力状態となるまでの時間である。この立上げ時間を所定時間として、地点Aよりも所定時間前に通過する地点Bを算出する。例えば、ヒータ17の立上げ時間が30sであり、車両の速度が11m/sであった場合には、走行する道路において地点Aよりも330m手前の地点を地点Bとして特定する。
ステップS94を実行したら、ステップS95において、車両の現在位置の情報から、車両がステップS94で算出した地点Bに到達したか否かを監視し、地点Bに到達したと判断した場合には、ステップS45へ進む。ステップS45では、前述したように、バッテリ13から供給される電力によりヒータ17が熱出力する。ステップS45では、ヒータ17の熱出力にFCスタック12からの電力を用いてもよい。
ステップS46では、目標水温TWOの方が低く空調用温水回路18の水を加熱する必要がなく、かつ、ヒータ17を起動しても回生制動が行なわれない可能性があるので、ヒータ17を停止する、または停止状態を維持するように制御する。そして、ステップS46を実行したら、本フローを終了する。すなわち、ステップS46を実行したら、ステップS41へリターンする。
ステップS47では、回生ブレーキ14が回生しているので、電力を消費するために、ヒータ17を駆動するように制御する。ステップS47では、回生ブレーキ14が発生する回生電力のうち、バッテリ13への蓄電分を超える分である余剰電力がヒータ17に供給される。すなわち、回生余剰電力でヒータ17を熱出力する。ステップS47を実行したら、本フローを終了する。すなわち、ステップS47を実行したら、ステップS41へリターンする。
このように、回生ブレーキ14が回生制動していない通常の暖房時には、ステップS42〜ステップS46に示すように、車両熱負荷を元に目標水温TWOを算出し、空調水温TWとの差分に応じてヒータ17をON、OFF駆動する。ヒータ17は、OFF状態を含む、少なくとも2段以上の定常熱出力駆動レベルを持ち、PID制御により熱出力制御を実現している。またヒータ17をFCスタック12またはバッテリ13の高電圧で駆動し、発熱した熱量は空調用温水回路18の流体を通じてヒータコア19で放熱する。これによって車室内を所望の温度に暖房することができる。
ただし、回生ブレーキ14が回生制動しておらず、空調水温TWが目標水温TWOよりも高い場合であっても、回生制動前のヒータ17のプレ運転が必要であると判断した場合には、ヒータ17をオン状態とする。ステップS91〜ステップS95からなるステップ群S90を実行することにより、回生制動が行なわれる所定時間前であると判断した場合には、ステップS45を実行してヒータ17をオン状態とする。
また、回生時には、回生ブレーキ14による発電電力でヒータ17をONすることにより、制動エネルギを空調用温水回路18に蓄熱することができる。すなわち、回生ブレーキ14で運動エネルギを電気エネルギに変換した回生電力を熱エネルギとして空調用温水回路18の熱媒体に蓄熱することができる。したがって、冬場の暖房時には、FCスタック12によるヒータ17の駆動頻度を低減することができ、省動力効果が生み出せる。
また、ステップS41における判定がNOからYESに切り換わり、ステップS47を実行してヒータ17をオン状態とするときには、ステップ群S90の判断により既にヒータ17がプレ運転されオン状態となっている。ステップ群S90と、ステップ群S90の判定により実行されるステップS45とが、制動が実施される前に回生電力以外の電力によりヒータ17を起動してヒータ17のプレ熱出力を行なうプレ運転部に相当する。また、ステップS47が、制動が実施された際に、回生電力の余剰電力によりヒータ17の熱出力を行なう回生運転部に相当する。
次に、三方弁21の制御に関して図5を用いて説明する。空調用ECU16は、車両の運転スイッチがオン状態である場合に、図5に示す制御を繰り返し実行する。
ステップS51では、回生ブレーキ14が回生しているか否かを判断する。ステップS51において、回生していると判断した場合には、ステップS57に移り、回生していないと判断した場合には、ステップS52に移る。
ステップS52では、エアミックスドアの開度が最大冷房位置にある否かを判断する。ステップS52では、エアミックスドアの開度がマックスクール位置にある否かを判断する。ステップS52において、最大冷房位置にあると判断した場合には、ステップS56に移り、最大冷房位置でないと判断した場合には、ステップS53に移る。
エアミックスドアは、例えばヒータコア19を通過する空調空気量を調節する回転式のドアである。エアミックスドアの開度に応じて、ヒータコア19を流通する加熱空気とヒータコア19を迂回する冷却空気との流量割合が調節されて、ヒータコア19の下流側を流れる空調空気温度が調節される。したがって最大冷房位置は、冷却能力を最大に発揮させるためのエアミックスドアの開度位置である。換言すると、エアミックスドアが最大冷房位置にある場合は、ヒータコア19によって空気を加熱する必要がない場合である。
ステップS53では、エアミックスドアが最大冷房位置でないので、空調水温TWが所定温度以上であるか否かを判断する。ステップS53において、空調水温TWが所定温度以上である場合にはステップS54に移り、空調水温TWが所定温度未満である場合にはステップS56に移る。
ステップS54では、FCスタック12の温度が所定温度以上であるか否かを判断する。ステップS54において、FCスタック12の温度が所定温度以上である場合にはステップS55に移り、FCスタック12の温度が所定温度未満である場合にはステップS56に移る。
ステップS55では、最大冷房位置でないのでヒータコア19による空気加熱が必要な場合であって、空調水温が所定温度以上、かつ、FCスタック12の温度が所定温度以上の場合であるので、図3に示すように、三方弁21で連携状態を設定する。これによってFCスタック12の熱量を活用し、暖房性能を確保する。ステップS55を実行したら、本フローを終了する。すなわち、ステップS55を実行したら、ステップS51へリターンする。
ステップS56に移るのは、エアミックスドアが最大冷房位置にあるか、空調水温TWが所定温度未満であるか、FCスタック12の温度が所定温度未満の場合である。したがって、ステップS56では、空調用温水回路18にて水が循環し、冷却回路23からの水が流入しない単独状態となるように三方弁21を制御する。ステップS56を実行したら、本フローを終了する。すなわち、ステップS56を実行したら、ステップS51へリターンする。
このように、回生ブレーキ14が回生していない場合は、FCスタック12の熱量を有効に活用するために、暖房性能がヒータ17だけでは不足する場合、三方弁21が接続通路24を開き、図3に示すように、空調用温水回路18と冷却回路23とが接続される。これによって、FCスタック12にて発生する熱量を空調用温水回路18に与えることができる。熱量が不足していない場合は、三方弁21が接続通路24を閉じ、空調用温水回路18は冷却回路23と連携せず独立する。
次に、回生ブレーキ14が回生している場合の処理について引き続き図5を用いて説明する。ステップS57では、回生ブレーキ14が回生しているので、FCスタック12の温度が所定温度以上であるか否かを判断する。ステップS57において、FCスタック12の温度が所定温度以上である場合にはステップS58に移り、所定温度未満である場合にはステップS510に移る。
ステップS58では、空調水温TWが所定温度以上であるか否かを判断する。ステップS58において、空調水温TWが所定温度以上である場合にはステップS510に移り、空調水温TWが所定温度未満である場合にはステップS59に移る。
ステップS59では、FCスタック12の温度が所定温度以上であるが、空調水温TWが所定温度未満であるので、単独状態となるように三方弁21を制御する。ステップS59を実行したら、本フローを終了する。すなわち、ステップS59を実行したら、ステップS51へリターンする。
回生ブレーキ14が回生している場合には、FCスタック12は発電停止しているが、FCスタック12の温度が低くなると再起動時に十分な発電と動力が確保できない。そこで、空調水温TWが所定温度未満の場合には、FCスタック12の温度が低くならないように、単独状態を設定する。
また、ステップS510では、FCスタック12の温度が所定温度未満であるか、空調水温TWが所定温度以上であるので、図3に示すように、三方弁21を連携状態とし、FCスタック12の熱量を活用し、暖房性能を確保する。
FCスタック12は、発電効率を最大限に引き出すため最適温度に保つ必要がある。回生時は、動力が不要なため、FCスタック12は発電せず、スタック温度は低い。しかしながら、下り坂が終わるなど回生が終われば動力が必要となり、そのときにFCスタック12の温度が低いと十分な発電と動力が確保できない。そこで、FCスタック12の温度が低いときには、三方弁21を連携状態に固定し、回生ブレーキ14の発電電力で駆動するヒータ17の熱量を利用する。これによって、冷却回路23にも蓄熱し、下り坂が終わり、動力が必要なときに十分な発電能力を予め確保することができる。
また、FCスタック12の温度が十分高いときは、ステップS59で三方弁21を単独状態に固定する。これによって、回生ブレーキ14の発電電力で駆動するヒータ17の熱量をヒータコア19に回すことで暖房することができる。したがって、FCスタック12での発電及びヒータ17への電力供給が不要となり、省エネ効果を生み出せる。
また、回生時の単独状態が継続すると、空調水温が上昇し、空調用温水回路18を取り巻く車両用空調装置10の樹脂部品などが高温に晒されダメージを受けるおそれがある。例えば空調水温TWが85℃以上になると、FCスタック12の温度が高くても連携させ、冷却回路23を含めた全回路で蓄熱を行うことが好ましい。そして、更に回生が続いた場合には、FCスタック12の温度も上昇するが、最終的にはロータリバルブ26を開き、ラジエータ25で放熱することが好ましい。これによって回生ブレーキ14を長時間継続することができる。
本実施形態の車両用回生制動装置によれば、以下に述べる効果を得ることができる。
本実施形態の回生制動装置は、車両の制動時に運動エネルギを電気エネルギに変換して回生電力を発生させる回生装置である回生ブレーキ14を備える。また、回生電力を蓄電可能な蓄電装置であるバッテリ13を備える。また、回生電力のうちバッテリ13の蓄電分を超える分を余剰電力と呼ぶときに、余剰電力を消費して熱出力することが可能な電気ヒータであるヒータ17を備える。また、車両の現在位置及び進行方向を検出するとともに、予め記憶した坂路情報を含む道路情報を用いて車両の走行案内を行なうことが可能なナビゲーション装置30を備える。また、ナビゲーション装置30から入力される車両の現在位置、進行方向及び道路情報に基づいてヒータ17を駆動制御する制御装置である空調用ECU16を備える。
そして、ヒータ17は、起動してから定常熱出力に至るまで漸次熱出力を増加させるヒータである。また、空調用ECU16は、車両の現在位置、進行方向及び道路情報から、車両が制動を要する降坂路を通過すると判断した場合には、制動が実施される前に回生電力以外の電力によりヒータ17を起動してヒータ17のプレ熱出力を行なうプレ運転部を有する。プレ運転部は、ステップ群S90及びそれに続くステップS45の機能により提供される。また、空調用ECU16は、制動が実施された際に、余剰電力によりヒータ17の熱出力を行なう回生運転部を有する。回生運転部は、ステップS47の機能により提供される。
これによると、車両が制動を要する降坂路を通過すると空調用ECU16が判断した場合には、車両の制動が実施される前に、空調用ECU16のプレ運転部が回生電力以外の電力によりヒータ17を起動してヒータ17をプレ熱出力させる。そして、車両の制動が実施された際には、空調用ECU16の回生運転部が回生電力の余剰電力によりヒータ17の熱出力を行なう。したがって、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させるヒータ17は、回生運転部が余剰電力によりヒータ17の熱出力を行なう際には、回生電力以外の電力により既に熱出力が上昇した状態となっている。これにより、起動してから定常熱出力に至るまで徐々に熱出力を上昇させるヒータ17が、回生制動時の余剰電力を確実に消費することが可能となる。
また、空調用ECU16のプレ運転部は、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されたルート設定状態であるときには、走行ルートの坂路情報を用いて、車両が降坂路を通過するか否かを判断する。
これによると、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されているときには、空調用ECU16のプレ運転部は、設定された走行ルート上の坂路情報から、車両が制動を要する降坂路を通過するか否かを判断することができる。したがって、ナビゲーション装置30から得られる走行ルート上の坂路情報を利用して、車両の制動が実施される前に、プレ運転部が回生電力以外の電力によりヒータ17を起動してヒータ17をプレ熱出力させることができる。
また、空調用ECU16のプレ運転部は、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されていないルート非設定状態であるときには、下記のように車両が降坂路を通過するか否かを判断する。プレ運転部は、車両の現在位置、進行方向及び道路情報から、車両が現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行すると判断した場合には、この所定距離の分岐点のない道路の坂路情報を用いて、車両が降坂路を通過するか否かを判断する。
これによると、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されていないときには、空調用ECU16のプレ運転部は、車両が現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行するか否かを判断する。そして、車両が現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行すると判断した場合には、所定距離分岐点のない道路を走行ルートとして、この走行ルート上の坂路情報から、車両が制動を要する降坂路を通過するか否かを判断することができる。したがって、ナビゲーション装置30から得られる走行ルートと想定される道路の坂路情報を利用して、車両の制動が実施される前に、空調用ECU16のプレ運転部が回生電力以外の電力によりヒータ17を起動してヒータ17をプレ熱出力させることができる。
本実施形態の車両用回生制動装置によれば、例えば図6に示すように、回生制動を開始すると予測される地点Aよりも所定時間前に通過が予測される地点Bを車両が通過したときに、ヒータ17を起動してヒータ17のプレ運転が行なわれる。そして、車両が地点Aに到達して回生制動が実施されると、プレ運転から回生運転への切り替えが行なわれる。車両の回生制動が実施されると、ヒータ17へ供給される電力は、回生電力以外の電力から回生電力へと切換えられる。
これによれば、例えば図7に実線で示すように、プレ運転によってヒータ17の熱出力が漸次上昇される。そして、ヒータ17が定常熱出力運転となったときに、図7に破線で例示する回生余剰電力を確実に受け入れてヒータ17を発熱させることができる。なお、車両の地点Aへの到達が予測よりも若干遅れた場合であっても、ヒータ17は定常熱出力状態となっているので、回生余剰電力を確実に受け入れことができる。
また、車両の地点Aへの到達が予測よりも早まった場合には、ヒータ17の熱出力と回生余剰電力とは、例えば図8に示すような関係となる。このような場合には、起動時レスポンスの良い車載機器でヒータ17の熱出力を上回る回生余剰電力を受け入れることが好ましい。当該車載機器は、例えば、車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられる電動圧縮機である。
電動圧縮機で長時間回生電力を消費すると、冷凍サイクルの蒸発器のフロストが懸念される。蒸発器のフロストを抑制しつつ回生電力を受け入れるために、冷凍サイクルに蓄冷装置を設ける方法もある。しかしながら、本実施形態によれば、電動圧縮機で回生余剰電力を受け入れるとしても、ヒータ17が定常熱出力状態となるまでの短時間であり、受け入れ電力量も僅かであるので、蒸発器のフロストの心配もなく、蓄冷装置も不要である。
また、本実施形態の回生制動装置は、熱媒体を循環させる熱媒体循環路である空調用温水回路18と、空調用温水回路18に設けられ、熱媒体の熱を空気に放出する放熱器であるヒータコア19と備えている。そして、ヒータ17は、空調用温水回路18を循環する熱媒体を加熱する構成である。
これによると、ヒータ17からの熱出力により、ヒータコア19が設けられた空調用温水回路18の熱媒体を加熱することができる。したがって、回生制動時の余剰電力を利用して空調用温水回路18を循環する熱媒体を加熱することができる。また、空調用温水回路18の熱媒体の熱をヒータコア19から放熱し、回生制動時の余剰のエネルギを利用することが可能である。
ヒータコア19は、例えば空調ダクト内に設けられ、空調ダクト内を流れて車室内へ吹き出す空気を加熱する。したがって、回生制動時の余剰のエネルギを利用して、車室内を暖房することが可能である。
また、車室内を暖房する必要がない場合であっても、回生制動時の余剰のエネルギを、比較的熱容量が大きな空調用温水回路18の熱媒体に蓄熱することができる。これにより、回生制動時に、油圧ブレーキ等の機械ブレーキの使用を抑制することができる。
空調用ECU16は、回生ブレーキ14が電気エネルギを回収している場合であって、車両用空調装置10によってバッテリ13の電力を消費する必要があると判断した消費必要状態にある場合に、特別な制御を実施する。回生ブレーキ14が回収した電気エネルギは、車両の電力消費装置で電力消費されるとともに、バッテリ13へ充電される。しかし、電力消費装置の電力消費が少なく、バッテリ13も蓄電限界量にある場合には、回生ブレーキ14が回収した電気エネルギに消費されることがなく、無駄になるおそれがある。そこで、回収した電気エネルギを車両用空調装置10にて熱エネルギに変換されるように、特別な制御を実施する。
具体的には、ヒータ17を駆動して水を加熱し、バッテリ13の電力を熱エネルギに変換するようにヒータ17、三方弁21、空調用ポンプ20及び燃料電池用ポンプ27を制御する。ヒータ17が駆動すると、電気エネルギを消費して熱エネルギに変換することができる。また、空調用ポンプ20、燃料電池用ポンプ27および三方弁21を制御することによって、空調用温水回路18及び冷却回路23を循環する水の循環量を制御することができる。したがって水の温度や空調に必要な熱量に応じて、ヒータ17を駆動することができる。これによって、回生ブレーキ14によって回収したエネルギをバッテリ13への充電だけでなく、車室内空調に利用可能となり、回生ブレーキ14を解除する可能性を小さくすることができる。したがって回生ブレーキ14によって回収したエネルギを効率的に用いることができる。
換言すると、本実施形態では、ヒータ17とヒータコア19を連結する空調用温水回路18と、冷却回路23を連通させる三方弁21を搭載した車両用空調装置10において、車両回生要求が来た場合にはヒータ17を駆動する。さらに三方弁21を、冷却回路23を連通させる位置に駆動する。これによって燃料電池車のFCスタック12の冷却回路23と、空調用温水回路18の連携構成を活用し、長距離の下り坂においても回生ブレーキ14を長時間にわたり使用することができる。また、回生ブレーキ14によるモータの発電電力を必要な部分に有効に活用することができる。
また、本実施形態では、空調用ECU16は、消費必要状態にある場合には、ヒータ17を駆動して水を加熱し、空調用温水回路18を循環する水が冷却回路23でも循環するように三方弁21、空調用ポンプ20および燃料電池用ポンプ27を制御する。これによって、ヒータ17によった発生した熱を、空調用温水回路18および冷却回路23の蓄熱に用いることができる。
さらに、本実施形態では、空調用ECU16は、消費必要状態にある場合であって、FCスタック12の温度が所定温度未満の場合には、ヒータ17を駆動して水を加熱し、空調用温水回路18と冷却回路23とが連携するように制御する。これによって、回生後にFCスタック12の温度を所定温度に近くなるようにすることができる。したがってFCスタック12の再起動時に、充分な発電と動力を確保することができる。
また、空調用ECU16は、消費必要状態にある場合であって、FCスタック12の温度が所定温度以上の場合には、ヒータ17を駆動して水を加熱し、空調用温水回路18と冷却回路23とがそれぞれ単独で水が循環するように制御する。これによってFCスタック12の温度が低下することを防ぐことができる。
また、本実施形態では、空調用ECU16は、消費必要状態にある場合であって、空調水温TWが第1所定温度以上であり、FCスタック12の温度が第2所定温度未満の場合には、ヒータ17を駆動して冷却媒体を加熱する。さらに、空調用温水回路18と冷却回路23とが連携するように制御する。これによって、空調水温TWが上昇しすぎることを抑制しつつ、回生後にFCスタック12の温度を第2所定温度に近くなるようにすることができる。したがって、空調水温TWの過度の上昇を抑制しつつ、FCスタック12の再起動時に、充分な発電と動力を確保することができる。
さらに、本実施形態では、空調用ECU16は、消費必要状態にある場合であって、空調水温TWが第1所定温度以上であり、かつFCスタック12の温度が第2所定温度以上の場合には、ラジエータ25によって放熱させるように制御する。具体的には、冷却回路23の温度が第2所定温度未満となるようにラジエータ25を通過する冷却媒体の流量を三方弁21およびロータリバルブ26によって制御する。空調水温TWもFCスタック12の温度も高温の場合には、連携してラジエータ25から放熱することができる。これによって、空調水温TW及びFCスタック12の温度の両方が過度に温度上昇することを抑制することができる。また継続して回生ブレーキ14を作動させることができるので、油圧ブレーキの作動を抑制することができる。したがって、油圧ブレーキが過度の摩耗などのダメージを受けることを抑制することができる。
(他の実施形態)
この明細書に開示される技術は、その開示技術を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される技術は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示技術の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示技術のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、空調用ECU16のプレ運転部は、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されたルート設定状態であるときには、走行ルートの坂路情報を用いて、車両が降坂路を通過するか否かを判断していた。また、ナビゲーション装置30に車両の走行ルートが設定されていないルート非設定状態であるときには、所定距離の分岐点のない道路の坂路情報を用いて、車両が降坂路を通過するか否かを判断していた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、ナビゲーション装置30がルート設定状態であるときにだけ、車両が降坂路を通過するか否かを判断するものであってもよい。
また、上記実施形態では、回生余剰電力を消費可能な電気ヒータは、空調用温水回路18に設けられたヒータ17であったが、これに限定されるものではない。例えば、空調用温水回路18に複数の電気ヒータを設けてもかまわない。また、例えば、空調用温水回路18と冷却回路23とにそれぞれ電気ヒータを設けてもかまわない。
また、上記実施形態では、空調用温水回路18と冷却回路23とが連携状態を設定可能となっていたが、これに限定されるものではない。空調用温水回路18と冷却回路23とが、互いに独立した回路であってもよい。ヒータ17は、独立した空調用温水回路18を循環する熱媒体を加熱するものであってもよい。
また、電気ヒータは、熱媒体循環回路を循環する熱媒体を加熱するものでなくてもよい。例えば、大容量の温水蓄熱タンク内の水等の貯留された熱媒体を加熱するものであってもよい。また、電気ヒータは、液相の熱媒体を加熱するものではなく、空調空気等の気体を直接加熱するものであってもよい。
また、上記実施形態では、車両は燃料電池車であり、冷却回路23にはFCスタック12を温度調節する熱媒体が流通するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、車両が電動機と内燃機関とを走行駆動源とするハイブリッド車両であり、冷却回路には内燃機関や他の機器の冷却水が流通するものであってもよい。
13 バッテリ(蓄電装置)
14 回生ブレーキ(回生装置)
16 空調用ECU(制御装置)
17 ヒータ(電気ヒータ)
18 空調用温水回路(熱媒体循環路)
19 ヒータコア(放熱器)
30 ナビゲーション装置
S45 ステップS45(プレ運転部の一部)
S47 ステップS47(回生運転部)
S90 ステップ群S90(プレ運転部の一部)

Claims (4)

  1. 車両の制動時に運動エネルギを電気エネルギに変換して回生電力を発生させる回生装置(14)と、
    前記回生電力を蓄電可能な蓄電装置(13)と、
    前記回生電力のうち前記蓄電装置の蓄電分を超える分を余剰電力と呼ぶときに、前記余剰電力を消費して熱出力することが可能な電気ヒータ(17)と、
    前記車両の現在位置及び進行方向を検出するとともに、予め記憶した坂路情報を含む道路情報を用いて前記車両の走行案内を行なうことが可能なナビゲーション装置(30)と、
    前記ナビゲーション装置から入力される前記現在位置、前記進行方向及び前記道路情報に基づいて前記電気ヒータを駆動制御する制御装置(16)と、を備え、
    前記電気ヒータは、起動してから定常熱出力に至るまで漸次熱出力を増加させるヒータであり、
    前記制御装置は、
    前記現在位置、前記進行方向及び前記道路情報から、前記車両が制動を要する降坂路を通過すると判断した場合には、前記制動が実施される前に前記回生電力以外の電力により前記電気ヒータを起動して前記電気ヒータのプレ熱出力を行なうプレ運転部(S90、S45)と、
    前記制動が実施された際に、前記余剰電力により前記電気ヒータの熱出力を行なう回生運転部(S47)と、を有する車両用回生制動装置。
  2. 熱媒体を循環させる熱媒体循環路(18)と、
    前記熱媒体循環路に設けられ、前記熱媒体の熱を空気に放出する放熱器(19)と、を更に備え、
    前記電気ヒータは、前記熱媒体循環路を循環する前記熱媒体を加熱する構成である請求項1に記載の車両用回生制動装置。
  3. 前記プレ運転部は、
    前記ナビゲーション装置に前記車両の走行ルートが設定されたルート設定状態であるときには、
    前記走行ルートの前記坂路情報を用いて、前記車両が前記降坂路を通過するか否かを判断する構成である請求項1又は請求項2に記載の車両用回生制動装置。
  4. 前記プレ運転部は、
    前記ナビゲーション装置に前記走行ルートが設定されていないルート非設定状態であるときには、
    前記現在位置、前記進行方向及び前記道路情報から、前記車両が前記現在位置から分岐点のない道路を所定距離走行すると判断した場合には、前記所定距離の前記分岐点のない道路の前記坂路情報を用いて、前記車両が前記降坂路を通過するか否かを判断する構成である請求項3に記載の車両用回生制動装置。
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