JP2017092803A - 分散アレーアンテナシステム、分散アレー制御装置および分散アレー制御方法 - Google Patents

分散アレーアンテナシステム、分散アレー制御装置および分散アレー制御方法 Download PDF

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【課題】一部のアンテナ装置の稼動停止/再稼動に伴う急激なEIRPの変動の回避と、一部のアンテナ装置の稼働停止に対して残りのアンテナ装置の能力を有効に活用して最大限のEIRPを実現する。【解決手段】複数のアンテナ装置と分散アレー制御装置とを備えた分散アレーアンテナシステムにおいて、分散アレー制御装置はアンテナ装置と通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出手段と、離角が第1の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力をゼロとし、離角が第2の閾値を超えるアンテナ装置の送信出力をアンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力を離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出手段とを含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、衛星通信システムの地球局装置に複数のアンテナ装置を協調動作させる分散アレーアンテナを用いた分散アレーアンテナシステム、分散アレー制御装置および分散アレー制御方法に関する。
衛星通信システムは広範なサービスエリアと災害に強い特徴を有しているため、地上回線の使用困難な洋上やデジタルディバイド地域、災害時の通信環境構築に広く利用されている。しかしながら、36,000km上空の静止衛星を中継して通信する場合に伝搬損失が非常に大きいので、伝送速度や伝送容量を向上させるために地球局装置の性能を向上させる必要がある。非特許文献1では、地球局装置の性能向上を低コストで実現する技術として、複数のアンテナ装置を組み合わせて協調的に動作させる分散アレーアンテナを用いた構成が検討されている。
一般的な地球局装置は、図9(a) に示すように、1つのアンテナ装置11と変復調装置13により構成される。分散アレーアンテナを用いた地球局装置は、図9(b) に示すように、複数のアンテナ装置11−1〜11−N(Nは2以上の整数)と、これらのアンテナ装置を協調的に動作させる分散アレー制御装置12と、分散アレー制御装置12を介して各アンテナ装置に接続される変復調装置13とにより構成される。分散アレー制御装置12の機能は、送信時においては、変復調装置13からの送信信号をアンテナ装置11−1〜11−Nへ分配し、各アンテナ装置から通信衛星アンテナに対して同相となるように位相制御を行うことで、EIRP(Equivalent Isotropically Radiated Power :送信性能・実効放射電力)を向上させる。一方、受信時は、各アンテナ装置11−1〜11−Nの受信信号が同相または最大比合成されるように利得および位相制御を行うことで、G/T(Gain to Noise Temperature Ratio :受信性能)を向上させる。
須崎,鈴木,廣瀬,小林,杉山,"衛星通信システムにおける船上地球局向け分散アレーアンテナ技術の実験検証,"電子情報通信学会論文誌,Vol.J97-B,No.11,pp.1022-1031,2014年11月
移動体にアンテナを設置する際には、移動体の位置情報や動揺下における移動体の傾きを考慮して、全方向(方位角 360°、仰角0〜90°)に見通しを確保する場所に設置することが望ましい。しかしながら、移動体の構造およびアンテナの設置可能場所の制約により、そのような場所に設置できない、またはそのような場所が存在しないことが考えられる。その場合、衛星方向とアンテナ装置との間に障害物が存在し、電波が遮断され、通信ができない状態となる。移動体衛星通信の場合、障害物による送信波の回折等により、他の衛星への干渉を与えることを避けるため、図10に示すようにアンテナ装置11と通信衛星1との見通し線(伝播路)と障害物との離角θを、アンテナ装置11の制御情報と構造物座標情報等で算出し、離角θが一定値以下となった場合、当該アンテナ装置11からの送信を停波する。また、再度、通信衛星1を捕捉/追尾し、離角が一定値以上となった場合は、当該アンテナ装置11を再稼動する。このような障害物との離角θに応じたアンテナ装置11の稼働停止と再稼働は、分散アレーアンテナが搭載される移動体の移動に応じて繰り返される。
ところで、分散アレーアンテナのように複数のアンテナ装置で構成される地球局装置を設けることで、アンテナの性能向上のみならず、複数の伝播路を有することになるため、一部の伝搬路が遮蔽されても(アンテナが稼動していなくても)通信を維持することができる。
しかしながら、分散アレーアンテナにおいて、一部のアンテナ装置と障害物との離角θが所定の閾値を下回り、当該アンテナ装置からの送信を停波する場合、EIRPが急激に低下する。分散アレーアンテナのEIRPは、性能が同じアンテナ装置数をNとすると、N2 倍で増加するため、2つのアンテナ装置から構成される分散アレーアンテナでその1つが停波した場合、EIRPは1/4(−6dB)に減少することになる。逆に、遮蔽状態にあったアンテナが再稼動する場合は、4倍(+6dB)に増加することになる。このような急激なEIRPの増減は、通信の相手方の地球局装置への入力レベルの増減となり、変復調装置のAGCが追従できないと、QAMやAPSK等の復調時に振幅情報を使用する変調方式の場合は、ビット誤りを生じる要因となる点が第1の課題である。
第2の課題は、分散アレーアンテナを構成する各アンテナ装置の有する送信可能な電力を有効利用できない点である。これは、離角θに応じて分散アレーアンテナを構成する各アンテナ装置を単純にONまたはOFFに制御することに起因する。分散アレーアンテナのEIRPは、全てのアンテナ装置の各々から所定の電力を送信したときの値を運用レベルとして衛星通信事業者と定めるが、通常、運用レベルは最大送信電力に対して出力を一定量減衰させた状態である。従来の離角θに応じた単純なON/OFF制御の場合、アンテナの停波により送信電力の総和が運用レベルより下回るため、稼動状態の減衰量を小さくして個々のアンテナ出力を上げることが可能な状態でも、これを実施することができない。すなわち、分散アレーアンテナが置かれた環境下で最大限の性能が発揮できない点が課題といえる。
また、以上の2つの課題は、移動環境下のみならず、固定局において一部のアンテナ装置の故障および復旧時も同様であり、急激なEIPRの増減を引き起し、また分散アレーアンテナを構成する各アンテナ装置の有する送信可能な電力の有効利用の妨げになっていた。
本発明では、一部のアンテナ装置の稼動停止/再稼動に伴う急激なEIRPの変動の回避と、一部のアンテナ装置の稼働停止に対して残りのアンテナ装置の能力を有効に活用して最大限のEIRPを実現する分散アレーアンテナシステム、分散アレー制御装置および分散アレー制御方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、分散配置される各アンテナが通信衛星の搭載アンテナを捕捉・追尾する複数のアンテナ装置と、複数のアンテナ装置で送受信する送信信号および受信信号の分配・合成および位相制御を行う分散アレー制御装置とを備えた分散アレーアンテナシステムにおいて、分散アレー制御装置は、アンテナ装置と通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出手段と、離角が第1の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力をゼロとし、離角が第2の閾値を超えるアンテナ装置の送信出力をアンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力を離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出手段とを含む。
第1の発明の分散アレーアンテナシステムにおいて、振幅調整量算出手段は、離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となるアンテナ装置の送信電力を離角に応じて単調変化する関数値として制御する構成としてもよい。
第1の発明の分散アレーアンテナシステムにおいて、振幅調整量算出手段は、離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となるアンテナ装置の送信電力を離角に応じて離散的に変化する値として制御する構成としてもよい。さらに、振幅調整量算出手段は、離角が増加するときと減少するときで送信電力の変化にヒステリシスを設定する構成としてもよい。
第1の発明の分散アレーアンテナシステムにおいて、離角算出手段に代えて、アンテナ装置の故障を検出したときに第1の閾値以下となる離角として振幅調整量算出手段に出力する故障検出手段を備えてもよい。
第2の発明は、分散配置される各アンテナが通信衛星の搭載アンテナを捕捉・追尾する複数のアンテナ装置と、複数のアンテナ装置で送受信する送信信号および受信信号の分配・合成および位相制御を行う分散アレー制御装置とを備えた分散アレーアンテナシステムの分散アレー制御装置において、アンテナ装置と通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出手段と、離角が第1の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力をゼロとし、離角が第2の閾値を超えるアンテナ装置の送信出力をアンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力を離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出手段とを含む。
第2の発明の分散アレー制御装置において、離角算出手段に代えて、アンテナ装置の故障を検出したときに第1の閾値以下となる離角として振幅調整量算出手段に出力する故障検出手段を備えてもよい。
第3の発明は、分散配置される各アンテナが通信衛星の搭載アンテナを捕捉・追尾する複数のアンテナ装置と、複数のアンテナ装置で送受信する送信信号および受信信号の分配・合成および位相制御を行う分散アレー制御装置とを備えた分散アレーアンテナシステムの分散アレー制御方法において、アンテナ装置と通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出ステップと、離角が第1の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力をゼロとし、離角が第2の閾値を超えるアンテナ装置の送信出力をアンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となるアンテナ装置の送信出力を離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出ステップとを含む。
本発明は、分散アレーアンテナシステムのアンテナ装置が移動環境における遮蔽、または固定環境における故障による停波および再稼動に伴うEIRPの急激な変化を抑制し、変復調装置におけるビット誤りを回避することが期待できる。また、アンテナ装置の単純なON/OFF制御によらず、各アンテナ装置の離角に応じて、停波するアンテナ装置に代わり、稼働中のアンテナ装置全体で送信電力が例えば衛星通信事業者と定める所定の運用レベルを超えない範囲で出力を補償するように制御できるので、分散アレーアンテナシステムの有する送信性能を最大限に活かすことが可能となる。
本発明の分散アレーアンテナシステムの実施例1の構成例を示す図である。 離角θに対して付与する振幅重みA(θ)の例を示す図である。 離角θに対して付与する振幅重みA(θ)の例を示す図である。 アンテナ装置の離角θの経時モデルを示す図である。 アンテナ装置の振幅重み係数Apro の例を示す図である。 アンテナ装置に与える減衰量(A(θ)×Apro )の例を示す図である。 本発明によるEIRPの改善例を示す図である。 本発明の分散アレーアンテナシステムの実施例2の構成例を示す図である。 一般的な地球局装置と分散アレーアンテナを用いた地球局装置の構成を示す図である。 伝播路における構造物と離角θの関係を示す図である。
(実施例1)
図1は、本発明の分散アレーアンテナシステムの実施例1の構成例を示す。なお、実施例1は、移動体向けの分散アレーアンテナシステムに適用される。
図1において、実施例1の分散アレーアンテナシステムは、N個のアンテナ装置11−1〜11−N、分散アレー制御装置12、変復調装置13に加えて、離角算出部14、構造物情報テーブル15、振幅調整量算出部16により構成される。
離角算出部14は、各アンテナ装置11−1〜11−Nの制御情報(仰角,方位角,偏波角)と、構造物情報テーブル15から各アンテナ装置の周辺の構造物情報を入力し、アンテナ装置11−i(iは1〜Nの整数)と通信衛星1との間の伝播路と障害物との離角θi が算出する。振幅調整量算出部16は、離角θi に応じてアンテナ装置11−iの減衰量(振幅重み)を算出し、この減衰量(振幅重み)を分散アレー制御装置12に与えることにより、該当アンテナ装置11−iの停波や送信電力の調整を実施する。
第1の課題は、離角θi が閾値(例えば3度)以下になれば、ただちに停波していたため(振幅重みを0)、急激なEIRPの変動を招いていたことである。これを回避する方法として、付与する振幅重みを離角θi の振幅重み関数A(θi) とする。付与する振幅重みは、離角の増加/減少に対して単調に増加/減少することが必須であるが、例として図2に、線形で変化する方式と、微係数の連続性を考慮して三角関数で変化する方式を示す。本例では、離角θi が3度以下となった場合に、振幅重みを0とし停波状態とする。また、離角θi が10度を超えた場合は、振幅重みを1として減衰量を付与しない状態とする。ただし、アンテナ装置11−1〜11−Nのすべてが稼働したときに例えば衛星通信事業者と定める所定の運用レベルになるように、各アンテナ装置には規定の減衰量が与えられており、送信電力に所定のマージンがある。以下に説明する第2の課題への対策として、このマージン分を利用することになる。
上記の遷移状態(3°<θi <10°)のみ数式で示すと、線形の場合の振幅重み関数A(θi) は、
Figure 2017092803
と表すことができ、三角関数の場合の振幅重み関数A(θi) は、
Figure 2017092803
と表すことができる。
ここで、従来の振幅重み関数A(θ)は、停波の判定閾値となる離角θthに対して、
Figure 2017092803
となる。一方、本発明におけるアンテナ装置11−iの離角θi から得られる振幅重み関数A(θ)は、停波の判定閾値となる離角θth、過渡状態の開始/完了となる離角θtra を用いて
Figure 2017092803
と表すことができる。図2に示す例では、θth=3度、θtra =10度となる。
また、図3に示すように振幅重みを離散的に規定してもよく、離角の状態の変動が小さい場合は、これに追従せずに頻繁な振幅重み(減衰量)の変更を回避してもよい。さらに、離角の増大時と減少時の振幅重みにヒステリシスを設けてもよい。また、AGCが追従できるように徐々に振幅を低下させて停波させる場合は、停波判断とする離角θi-thに対して、再稼動状態に移行するための離角θi-r の関係をθi-th<θi-r としてもよい。
第2の課題は、離角の値に応じて分散アレーアンテナを構成する各アンテナ装置を単純にONまたはOFFとする制御に起因してした。これを回避する方法として、分散アレーアンテナを構成する全てのアンテナ装置の送信出力を離角θi に応じて適応的に制御するようにする。すなわち、一部のアンテナ装置の離角が閾値θtra 以下となって徐々に減衰量を低下させて閾値θthで停波となるときに、離角が閾値θtra を超えて稼働中のアンテナ装置に付与している減衰量を徐々に付与しない状態とし、停波となったアンテナ装置があっても残りのアンテナ装置全体で、例えば衛星通信事業者と定める所定の運用レベルを超えない範囲で出力を補償するように制御し、最大限のEIRPを実現する。
分散アレーアンテナのEIRPは、アンテナ装置11−iのアンテナ利得Gi 、最大送信電力Pmaxi(振幅値)、運用時出力とする振幅重み係数Aope (0≦Aope ≦1)とすると、運用レベルでのEIRPであるTXope は、
Figure 2017092803
と表すことができる。
振幅重み係数Aope は、衛星通信事業者との運用レベル調整で決める値であり、
Figure 2017092803
となる。
また、アンテナ装置11−iの離角θi から得られるアンテナ装置11−iの振幅重み関数A(θi) を考慮したEIRPであるTXconv
Figure 2017092803
と表すことができる。
本発明においては、各アンテナ装置の離角が停波もしくは出力を減衰させる状況においては必ず運用レベルを下回り、これを稼動中のアンテナ装置で補うため、振幅重み係数Aope を次のApro のように置き換えるが、Apro の最大値は1である。
Figure 2017092803
実施例1の動作について、分散アレーアンテナが3つのアンテナ装置で構成される場合を例に説明する。
各アンテナの利得を0dBi 、定格電力を1Wとした。この状態でのEIRPの最大値は9W(9.54dBW)となる。運用レベルの例として 6.3W(8dBW)とすると、各アンテナ装置の振幅重み係数Aope は−1.54dBとなる。
図4は、アンテナ装置の離角θの経時モデルを示す。
図4において、3つのアンテナ装置の離角θは独立に変化し、ここではアンテナ装置1が単独で、アンテナ装置2とアンテナ装置3が同時間帯に離角θが閾値θtra ,θth以下となる。なお、θth=3度、θtra =10度とする。
図5は、アンテナ装置の振幅重み係数Apro の例を示す。ここでは、図4の離角θの経時モデルに対応し、離角θth〜θtra に対する減衰量の変化は、図2に示した線形モデルを使用する。
3つのアンテナ装置が稼動している状況(A(θ)=1)ではApro =Aope であり、非稼動アンテナがある状態では稼動アンテナの減衰量が減り、最大値0となることが確認できる。なお、Apro は離角θth〜θtra の間で線形に変化する。
図6は、アンテナ装置に与える減衰量(A(θ)×Apro)の例を示す。ここでは、図4の離角θの経時モデルに対応する例を示す。
図6において、アンテナ装置の離角θが閾値θtra 以下となり、減衰量が徐々に大きくなり閾値θth以下となって停波となる一方で、離角θが閾値θtra を超えるアンテナ装置では、減衰量が徐々に小さくなって最大値0になっていることが確認できる。このときのEIRPを図7に示すが、3アンテナ稼動時は運用レベルである8dBWを示し、非稼動アンテナが発生した場合、従来に比べ出力の低下が少ないことが確認できるとともに、急激なレベル変動が抑えられていることが確認できる。
なお、上記説明では、全てのアンテナ装置に共通の振幅重み関数A(θi) を使用しているが、アンテナ装置ごとに異なる振幅重み関数A(θi) を使用してもよい。
(実施例2)
第2の課題を解決する送信電力の適応的な調整は、移動環境下のみならず、固定局において一部のアンテナ装置の故障によるレベル低下時に、残りのアンテナ装置の送信電力マージンを活用することも可能である。
図8は、本発明の分散アレーアンテナシステムの実施例2の構成例を示す。なお、実施例2は、固定局向けの分散アレーアンテナシステムに適用される。
図8において、実施例2の分散アレーアンテナシステムは、N個のアンテナ装置11−1〜11−N、分散アレー制御装置12、変復調装置13に加えて、故障検出部17、実施例1と同様の振幅調整量算出部16により構成される。
故障検出部17は、各アンテナ装置の動作情報から故障検出を行い、故障している系を停波状態とみなすように、すなわちθi =θthとして、各アンテナ装置の減衰量を調整すればよい。これにより、分散アレーアンテナシステムとして送信電力マージンを適切に設定してEIRPの低下を最小限に抑えて信頼性向上を図ることができる。例えば、4つのアンテナ装置の各利得を0dBi 、定格電力を1Wする場合、4つ全てのアンテナが正常に動作する場合のEIRPの最大値は16W(12dBW)であり、1つのアンテナが故障した場合のEIRPの最大値は9W(9.54dBW)となるため、運用レベルとして2.46dB以上の送信電力マージンがあれば、EIRPの低下はない。
1 通信衛星
11 アンテナ装置
12 分散アレー制御装置
13 変復調装置
14 離角算出部
15 構造物情報テーブル
16 振幅調整量算出部
17 故障検出部

Claims (8)

  1. 分散配置される各アンテナが通信衛星の搭載アンテナを捕捉・追尾する複数のアンテナ装置と、
    前記複数のアンテナ装置で送受信する送信信号および受信信号の分配・合成および位相制御を行う分散アレー制御装置と
    を備えた分散アレーアンテナシステムにおいて、
    前記分散アレー制御装置は、
    前記アンテナ装置と前記通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出手段と、
    前記離角が第1の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信出力をゼロとし、前記離角が第2の閾値を超える前記アンテナ装置の送信出力を前記アンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、前記離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信出力を前記離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出手段と
    を含むことを特徴とする分散アレーアンテナシステム。
  2. 請求項1に記載の分散アレーアンテナシステムにおいて、
    前記振幅調整量算出手段は、前記離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信電力を前記離角に応じて単調変化する関数値として制御する構成である ことを特徴とする分散アレーアンテナシステム。
  3. 請求項1に記載の分散アレーアンテナシステムにおいて、
    前記振幅調整量算出手段は、前記離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信電力を前記離角に応じて離散的に変化する値として制御する構成である ことを特徴とする分散アレーアンテナシステム。
  4. 請求項3に記載の分散アレーアンテナシステムにおいて、
    前記振幅調整量算出手段は、前記離角が増加するときと減少するときで前記送信電力の変化にヒステリシスを設定する構成である
    ことを特徴とする分散アレーアンテナシステム。
  5. 請求項1に記載の分散アレーアンテナシステムにおいて、
    前記離角算出手段に代えて、前記アンテナ装置の故障を検出したときに前記第1の閾値以下となる離角として前記振幅調整量算出手段に出力する故障検出手段を備えた
    ことを特徴とする分散アレーアンテナシステム。
  6. 分散配置される各アンテナが通信衛星の搭載アンテナを捕捉・追尾する複数のアンテナ装置と、前記複数のアンテナ装置で送受信する送信信号および受信信号の分配・合成および位相制御を行う分散アレー制御装置とを備えた分散アレーアンテナシステムの分散アレー制御装置において、
    前記アンテナ装置と前記通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出手段と、
    前記離角が第1の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信出力をゼロとし、前記離角が第2の閾値を超える前記アンテナ装置の送信出力を前記アンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、前記離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信出力を前記離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出手段と
    を含むことを特徴とする分散アレー制御装置。
  7. 請求項6に記載の分散アレー制御装置において、
    前記離角算出手段に代えて、前記アンテナ装置の故障を検出したときに前記第1の閾値以下となる離角として前記振幅調整量算出手段に出力する故障検出手段を備えた
    ことを特徴とする分散アレー制御装置。
  8. 分散配置される各アンテナが通信衛星の搭載アンテナを捕捉・追尾する複数のアンテナ装置と、前記複数のアンテナ装置で送受信する送信信号および受信信号の分配・合成および位相制御を行う分散アレー制御装置とを備えた分散アレーアンテナシステムの分散アレー制御方法において、
    前記アンテナ装置と前記通信衛星との間の伝播路と障害物との離角を逐次算出する離角算出ステップと、
    前記離角が第1の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信出力をゼロとし、前記離角が第2の閾値を超える前記アンテナ装置の送信出力を前記アンテナ装置全体で所定の運用レベルになるまたは所定の運用レベルに近くなる所定値とし、前記離角が第1の閾値を超え第2の閾値以下となる前記アンテナ装置の送信出力を前記離角をパラメータとしてゼロと該所定値との間で変化する関数値とする制御を行う振幅調整量算出ステップと
    を含むことを特徴とする分散アレー制御方法。
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