JP2017091882A - 電力調整システム - Google Patents
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Abstract
【課題】低負荷時におけるツインコンバータのDCリンク電圧の行き過ぎ量を抑制する。
【解決手段】電力調整システム100は、燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の出力電圧を所定の要求電圧比で変換するDC/DCコンバータ5と、バッテリ20と、バッテリ20の出力電圧を所定の要求電圧比で変換するDC/DCコンバータ8と、DC/DCコンバータ5の出力電圧が所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ5を駆動制御する燃料電池用コンバータ制御手段14と、DC/DCコンバータ8の出力電圧が所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ8を駆動制御するバッテリ用コンバータ制御手段15とを備える。燃料電池用コンバータ制御手段14は、バッテリ20の出力電圧よりも燃料電池スタック1の出力電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、DC/DCコンバータ5の駆動を制限する。
【選択図】図1
【解決手段】電力調整システム100は、燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の出力電圧を所定の要求電圧比で変換するDC/DCコンバータ5と、バッテリ20と、バッテリ20の出力電圧を所定の要求電圧比で変換するDC/DCコンバータ8と、DC/DCコンバータ5の出力電圧が所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ5を駆動制御する燃料電池用コンバータ制御手段14と、DC/DCコンバータ8の出力電圧が所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ8を駆動制御するバッテリ用コンバータ制御手段15とを備える。燃料電池用コンバータ制御手段14は、バッテリ20の出力電圧よりも燃料電池スタック1の出力電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、DC/DCコンバータ5の駆動を制限する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ツインコンバータを備える電力調整システムに関する。
燃料電池を備える電力調整システムにおいて、燃料電池に接続された負荷(例えば、モータジェネレータ)の要求に応じて、燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、空気)とを燃料電池に供給することにより、燃料電池の出力電力を負荷に供給可能な電力調整システムが知られている。
上記のような電力調整システムでは、負荷に対して燃料電池と並列に高圧バッテリ(以下、単に「バッテリ」という)が設けられる。燃料電池の出力電圧とバッテリの出力電圧とを同期(リンク)させるために、それぞれの出力側にその出力電圧を所定の要求電圧比で変換するDC/DCコンバータが設けられるツインコンバータ方式が知られている。ツインコンバータ方式では、バッテリ用DC/DCコンバータの出力電圧と、燃料電池用DC/DCコンバータの出力電圧とをDCリンク電圧に設定する制御が行われる。
特許文献1には、バッテリ用の昇降圧コンバータを備える燃料電池システムの起動時の制御が開示される。この燃料電池システムでは、燃料電池の耐久性やバッテリの劣化を考慮して、開回路電圧よりも低い高電位回避電圧に燃料電池の出力電圧を制御している。
ところで、燃料電池に対する負荷がそれほど大きくない領域(すなわち、燃料電池の出力電流が小さい領域)では、燃料電池の出力変動が負荷となる駆動モータの要求電力の変化に追随することができず、バッテリの充放電が短時間に繰り返されることがある。このとき、バッテリ用DC/DCコンバータを通過する電流が0A近傍となる。そして、この状態において、燃料電池用DC/DCコンバータのスイッチング動作を行うと、スイッチング動作の切り替わる際の制御応答遅れにより、両DC/DCコンバータの出力側の電圧(DCリンク電圧)の制御性が大きく悪化してしまうことがあった。
これは、燃料電池により発電した余剰電力がバッテリの充電に用いられず、DCリンク電圧の平滑用のコンデンサに充電されてしまうことに起因することと考えられる。このDCリンク電圧は、駆動モータに交流電力を供給するインバータの入力電圧(直流電圧)であり、このDCリンク電圧が変動することにより、駆動モータのトルク変動が生じてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、電力調整システムの燃料電池の低負荷時に、燃料電池用コンバータの出力側の電圧を所定電圧に設定することにより、DCリンク電圧がオーバーシュートやアンダーシュートすることを抑制することができる電力調整システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、本発明の電力調整システムは、負荷に接続される燃料電池と、燃料電池と負荷の間に接続され、該燃料電池の出力電圧を所定の要求電圧比で変換する燃料電池用コンバータと、負荷に対して燃料電池と並列に接続され、該燃料電池とは異なる電力供給源であるバッテリと、バッテリと負荷の間に接続され、該バッテリの出力電圧を所定の要求電圧比で変換するバッテリ用コンバータとを備える。また、本発明の電力調整システムは、燃料電池用コンバータの出力電圧が所定の電圧になるように、該燃料電池用コンバータを駆動制御する燃料電池用コンバータ制御手段と、バッテリ用コンバータの出力電圧が所定の電圧になるように、バッテリ用コンバータを駆動制御するバッテリ用コンバータ制御手段とを備え、燃料電池用コンバータ制御手段は、バッテリの出力電圧よりも燃料電池の出力電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、燃料電池用コンバータの駆動を制限するものである。
電力調整システムの燃料電池が低負荷で運転しているとき、所定条件下で、燃料電池用コンバータの駆動を制限することにより、燃料電池用コンバータの出力側の電圧を所定電圧に設定(保持)することができるので、DCリンク電圧がオーバーシュートやアンダーシュートすることを抑制することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における燃料電池用の電力調整システム100(以下、単に「電力調整システム100」という)の全体構成を示す図である。本発明の電力調整システム100は、強電バッテリを備え、燃料電池を駆動源とする車両に用いられるものである。この電力調整システム100は、図1に示すように、例えば、駆動モータ2で車両を駆動する電気自動車に搭載される。なお、この電力調整システム100は、燃料電池を駆動源とするものであれば、燃料電池車両(燃料電池を利用した電気自動車)以外の装置等の負荷にも適用することができる。
本実施形態の電力調整システム100は、図1に示すように、燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5(燃料電池用コンバータ)と、強電バッテリ20(以下、単に「バッテリ20」という)と、補機類30と、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8(バッテリ用コンバータ)とを備える。また、電力調整システム100は、燃料電池スタック1を含む電力調整システム100全体を制御する燃料電池用コントローラ10と、DC/DCコンバータ5を制御する燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4と、DC/DCコンバータ8を制御するバッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7とを備える。さらに、電力調整システム100は、負荷としての駆動モータ2と、燃料電池スタック1及びバッテリ20から入力される直流電力を駆動モータ2への交流電力にスイッチング制御する駆動インバータ3とを備える。
なお、駆動モータ2の回転数及びモータトルクは、図示しない駆動モータ用コントローラにより制御される。この駆動モータ用コントローラは、燃料電池車両のユーザ(運転者)によるアクセルペダルの踏込量を示すアクセルペダル開度や、図示しない車速センサにより検出される燃料電池車両の車速等の車両情報に基づいて、駆動モータ2のトルク目標値を演算・設定する。このトルク目標値は、例えば、負荷(駆動モータ2)の要求として、燃料電池用コントローラ10に出力される。
燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5は、燃料電池スタック1と駆動インバータ3(駆動モータ2)との間に設けられる。このDC/DCコンバータ5は、燃料電池スタック1の出力電圧を所定の電圧比で駆動インバータ3の入力電圧に変換するものである。本実施形態では、DC/DCコンバータ5は、燃料電池スタック1の出力電圧を駆動モータ2の駆動電圧に適した電圧に昇圧又は降圧するための昇降圧コンバータである。
本実施形態では、DC/DCコンバータ5は、燃料電池スタック1の出力側から駆動インバータ3の入力側の方向に昇降圧する単相のコンバータから構成される。なお、本実施形態では、説明の容易性のために、DC/DCコンバータ5が単相の場合を一例として説明するが、本発明はこのような構成に限らない。例えば、DC/DCコンバータ5は、複数の相から構成された多相コンバータであってもよく、あるいは、駆動インバータ3の入力側から燃料電池スタック1の出力側の方向にも昇降圧可能な双方向DC/DCコンバータであってもよい。
DC/DCコンバータ5は、リアクトル51と、降圧側のスイッチング素子52と、整流ダイオード53と、昇圧側のスイッチング素子54と、還流ダイオード55とを備える。スイッチング素子52は、整流ダイオード53と逆並列接続され、スイッチング素子54は、還流ダイオード55と逆並列接続されている。これらのスイッチング素子52、54は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistors)で構成される。
リアクトル51は、その一端が電流センサ61を介して燃料電池スタック1の正極側の出力端子に接続され、他端がスイッチング素子52及び整流ダイオード53の一端と、スイッチング素子54及び還流ダイオード55の一端とに接続される。スイッチング素子52及び整流ダイオード53の他端は、駆動インバータ3の正極側の入力端子に接続される。また、スイッチング素子54及び還流ダイオード55の他端は、燃料電池スタック1の負極側の出力端子と、駆動インバータ3の負極側の入力端子とに接続される。
燃料電池スタック1の出力端子間には、燃料電池スタック1の出力電圧を検出するための電圧センサ62と、燃料電池スタック1の出力電圧を平滑化するためのコンデンサ63とが並列に接続される。このコンデンサ63により、燃料電池スタック1の出力におけるリプル成分を低減させることができる。
また、DC/DCコンバータ5の出力端子間には、DC/DCコンバータ5の出力電圧を平滑化するためのコンデンサ64と、DC/DCコンバータ5の出力電圧(駆動インバータ3の入力電圧)を検出するための電圧センサ65とが並列に接続される。このコンデンサ64により、DC/DCコンバータ5の出力におけるリプル成分を低減させることができる。
さらに、DC/DCコンバータ5の出力端子及びDC/DCコンバータ8の出力端子の接続端子と、駆動インバータ3の入力端子との間には、駆動インバータ3の入力電圧を平滑化するためのコンデンサ66が設けられる。
燃料電池スタック1は、DC/DCコンバータ5及び駆動インバータ3を介して、電力調整システム100の負荷となる駆動モータ2に接続される。燃料電池スタック1は、図示しないカソードガス給排装置及びアノードガス給排装置からカソードガス(酸化剤ガス)及びアノードガス(燃料ガス)の供給を受けて、駆動モータ2などの電気負荷に応じて発電する積層電池である。燃料電池スタック1には、例えば数百枚の燃料電池が積層されている。
燃料電池スタック1には、アノードガスの給排気通路やカソードガスの給排気通路、各通路に設けられる調圧弁、冷却水循環通路や冷却水ポンプ、ラジエータ、燃料電池スタック1の冷却装置などの多くの装置(補機)が接続されている。しかしながら、これらは本発明の技術的特徴とは関係性が低いので、それらの図示を省略している。
駆動モータ2は、本実施形態の電力調整システム100が搭載される車両を駆動するものである。駆動インバータ3は、燃料電池スタック1やバッテリ20から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を駆動モータ2に供給するものである。駆動モータ2は、駆動インバータ3により供給される交流電力により回転駆動し、その回転エネルギーを後段に供給する。なお、図示しないが、駆動モータ2は、ディファレンシャル及びシャフトを介して車両の駆動輪に連結されている。
車両の降坂時や減速時には、バッテリ20の充電状態に応じて、駆動インバータ3及びDC/DCコンバータ8を介して、駆動モータ2の回生電力がバッテリ20に供給され、バッテリ20が充電される。また、車両の力行時には、燃料電池スタック1の発電電力やバッテリ20からの蓄電電力により、駆動モータ2が回転し、その回転エネルギーが図示しない車両の駆動輪に伝達される。
駆動モータ2の近傍には、駆動モータ2のモータ回転数を検出するモータ回転数検出部21と、駆動モータ2のモータトルクを検出するモータトルク検出部22とが設けられる。これらの検出部21、22により検出された駆動モータ2のモータ回転数及びモータトルクは、燃料電池用コントローラ10に出力される。
バッテリ20は、充放電可能な二次電池であり、例えば、300V(ボルト)のリチウムイオンバッテリである。バッテリ20は、補機類30に接続され、補機類30の電源を構成する。また、バッテリ20は、DC/DCコンバータ8を介して、駆動インバータ3及びDC/DCコンバータ5に接続される。すなわち、バッテリ20は、電力調整システム100の負荷である駆動モータ2に対して、燃料電池スタック1と並列に接続される。
バッテリ20の出力端子には、補機類30と並列に、バッテリ20の出力電圧を検出するための電圧センサ67と、バッテリ20の出力電圧を平滑化するためのコンデンサ68とが接続される。
バッテリ20用のDC/DCコンバータ8は、図1に示すように、リアクトル81と、降圧側のスイッチング素子82と、整流ダイオード83と、昇圧側のスイッチング素子84と、還流ダイオード85とを備える。スイッチング素子82は、整流ダイオード83と逆並列接続され、スイッチング素子84は、還流ダイオード85と逆並列接続されている。これらのスイッチング素子82、84は、例えばIGBTで構成される。
リアクトル81は、その一端がバッテリ20の正極側の出力端子に接続され、他端がスイッチング素子82及び整流ダイオード83の一端と、スイッチング素子84及び還流ダイオード85の一端とに接続される。スイッチング素子82及び整流ダイオード83の他端は、駆動インバータ3の正極側の入力端子に接続される。また、スイッチング素子84及び還流ダイオード85の他端は、バッテリ20の負極側の出力端子と、駆動インバータ3の負極側の入力端子とに接続される。
DC/DCコンバータ8の出力端子間には、DC/DCコンバータ8の出力電圧を平滑化するためのコンデンサ70と、DC/DCコンバータ8の出力電圧(駆動インバータ3の入力電圧)を検出するための電圧センサ69とが接続される。
補機類30は、主に燃料電池スタック1に付属される部品であり、上述のようなカソードガス給排装置及びアノードガス給排装置や、図示しないカソードコンプレッサ、冷却ポンプなどを含む。なお、補機類30の各種部品が弱電機器である場合、バッテリ20と対象となる補機類30との間に図示しない降圧DC/DCコンバータを設ければよい。
燃料電池用コントローラ10は、図示しないが、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。燃料電池用コントローラ10には、電流センサ61及び電圧センサ62により検出された燃料電池スタック1の出力電流値及び出力電圧値が入力される。
また、燃料電池用コントローラ10は、各センサ61、62から入力された燃料電池スタック1の出力電流値及び出力電圧値と、各検出部21、22から入力された駆動モータ2のモータ回転数及びモータトルクとに基づいて、DC/DCコンバータ5及びDC/DCコンバータ8を作動させるための指令を燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4とバッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7とにそれぞれ出力する。
燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、燃料電池用コントローラ10からの指令に基づいて、DC/DCコンバータ5を制御するものである。具体的には、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、本実施形態では、燃料電池用コントローラ10からの指令に基づいて、所定の条件下で、降圧側のスイッチング素子52を100%のONデューティにてDC/DCコンバータ5を作動させる。これにより、DC/DCコンバータ5は、直結状態となる。
ここで、本実施形態では、DC/DCコンバータ5の「直結状態」とは、降圧側(又は昇圧側)のスイッチング素子52をONにしたままの状態をいう。その代わりに、図示を省略するが、スイッチング素子52及び整流ダイオード53をバイパスする経路を設け、その経路上に開閉スイッチを設けてもよい。そして、「直結状態」とは、この開閉スイッチが閉になり、スイッチング素子52及び整流ダイオード53をバイパスしている状態も含む。
燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4には、電圧センサ62により検出された燃料電池スタック1の出力電圧値と、電圧センサ65により検出されたDC/DCコンバータ5の出力電圧値とが入力される。燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、DC/DCコンバータ5の電圧比(出力電圧/入力電圧)が燃料電池用コントローラ10からの指令値になるように、DC/DCコンバータ5の各スイッチング素子をスイッチング制御する。
また、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、電力調整システム100の通常運転時には、駆動モータ2からの電圧要求に基づいて、燃料電池スタック1の出力電圧を駆動インバータ3の入力電圧(DCリンク電圧)に昇圧又は降圧するように、DC/DCコンバータ5を制御する。
バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、燃料電池用コントローラ10からの指令に基づいて、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8を制御するものである。
バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7には、電圧センサ67により検出されたバッテリ20の出力電圧値と、電圧センサ69により検出されたDC/DCコンバータ8の出力電圧値とが入力される。バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、DC/DCコンバータ8の電圧比(出力電圧/入力電圧)が燃料電池用コントローラ10からの指令値になるように、DC/DCコンバータ8の各スイッチング素子をスイッチング制御する。また、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4及びバッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、駆動インバータ3への入力電圧が同じになるように、DC/DCコンバータ5による電圧比及びDC/DCコンバータ8による電圧比をそれぞれ制御する。
図2は、図1に示す燃料電池用コントローラ10の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の燃料電池用コントローラ10は、インピーダンス算出部11と、湿潤状態推定部12と、電圧調整部13と、燃料電池用コンバータ制御手段14と、バッテリ用コンバータ制御手段15とを含む。
インピーダンス算出部11は、電流センサ61により検出される燃料電池スタック1の出力電流の所定周波数の交流成分と、電圧センサ62により検出される出力電圧の所定周波数の交流成分とに基づいて、燃料電池スタック1のインピーダンス(内部インピーダンス)を算出する。なお、「所定周波数」としては、例えば、1kHzである。
なお、インピーダンス算出部11により燃料電池スタック1の内部インピーダンスを算出するためには、例えば、DC/DCコンバータ5のスイッチング素子52、54又はDC/DCコンバータ8のスイッチング素子82、84によるスイッチング動作により、所定周波数の交流信号を生成し、生成した交流信号を燃料電池スタック1に出力すればよい。そして、その状態における燃料電池スタック1からの出力電流及び出力電圧を検出することにより、燃料電池スタック1の内部インピーダンスを測定することができる。
ここで、燃料電池スタック1の算出されたインピーダンスは、その燃料電池スタック1の出力電流及び出力電圧を検出した時点における燃料電池スタック1の湿潤度と相関関係がある。すなわち、燃料電池スタック1のインピーダンスが高いほど、燃料電池スタック1が過乾燥状態に近づくことになる。一方、燃料電池スタック1のインピーダンスが低いほど、過加湿状態に近づくことになる。
なお、本実施形態の電力調整システム100は、いずれかのDC/DCコンバータ5、8により交流信号を重畳する代わりに、燃料電池スタック1の内部インピーダンスを測定するためのインピーダンス測定装置を備えていてもよい。このインピーダンス測定装置は、燃料電池スタック1内の各燃料電池の電解質膜の湿潤状態と相関のある燃料電池スタック1の内部インピーダンスを想定するための装置である。
湿潤状態推定部12は、インピーダンス算出部11により算出された燃料電池スタック1の内部インピーダンスに基づいて、該燃料電池スタック1の湿潤状態(湿潤度)を推定する。このように推定された燃料電池スタック1の湿潤状態は、燃料電池スタック1の動作、特に、アノードガスやカソードガスの供給圧力や供給流量を制御するために用いられる。なお、燃料電池スタック1の動作制御については、その動作状態に応じて、公知の制御方法により実行されればよい。そのため、本明細書では、燃料電池スタック1の制御方法については、その詳細な説明を省略する。
電圧調整部13は、インピーダンス算出部11から燃料電池スタック1の内部インピーダンスを取得し、湿潤状態推定部12から燃料電池の電解質膜の湿潤度を取得する。また、電圧調整部13は、モータ回転数検出部21及びモータトルク検出部22により検出した駆動モータ2のモータ回転数及びモータトルクを取得する。
電圧調整部13は、駆動モータ2の各種データと、インピーダンス算出部11により算出された燃料電池スタック1の内部インピーダンスと、湿潤状態推定部12により推定された燃料電池スタック1の湿潤度などに基づいて、燃料電池スタック1の駆動状態を示すFC電圧指令値と、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8の出力側の電圧をDC/DCコンバータ5の出力側の電圧にリンクさせるためのDCリンク電圧指令値とを演算する。
燃料電池用コンバータ制御手段14は、電圧調整部13から取得したFC電圧指令値に基づいて、DC/DCコンバータ5の出力電圧がFC電圧指令値に応じた所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ5の昇圧・降圧動作を駆動制御する。
また、燃料電池用コンバータ制御手段14は、バッテリ20の出力電圧よりもDCリンク電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、DC/DCコンバータ5の昇降圧動作(駆動)を制限するように構成される。本実施形態では、このDC/DCコンバータ5の駆動制限としては、例えば、DC/DCコンバータ5を直結状態にすることをいう。直結状態については、詳細に後述する。
ここで、所定の条件は、燃料電池用コンバータ制御手段14により制御されるDC/DCコンバータ5の目標出力電圧がバッテリ用コンバータ制御手段15により制御されるDC/DCコンバータ8の目標出力電圧以上であり、DC/DCコンバータ8を流れる通過電流が所定の電流値以下である。このような条件では、DC/DCコンバータ8を流れる通過電流も向きが頻繁に変わるため、その制御応答性が悪化してしまい、バッテリ20に充電されるべき電荷(電流)がコンデンサ64に蓄電されてしまう。この場合、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の出力電圧、すなわち、駆動インバータ3の入力電圧が急激に高くなり、駆動モータ2のトルク変動が生じてしまう。本実施形態の電力調整システム100では、このような所定の条件下では、燃料電池用コンバータ制御手段14は、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4に直結指令を出力している。
バッテリ用コンバータ制御手段15は、電圧調整部13から取得したDCリンク電圧指令値に基づいて、DC/DCコンバータ8の出力電圧がDCリンク電圧指令値に応じた所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ8の昇圧・降圧動作を駆動制御する。
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における電力調整システム100の動作を説明する。なお、図3のフローチャートは、本実施形態の電力調整システム100の低負荷時(すなわち、燃料電池スタック1から出力される出力電流が小さいとき)における全体的な動作を示すものであるが、必要に応じて、追加のステップが含まれてもよい。
図3は、本発明の一実施形態における電力調整システム100の燃料電池用コントローラ10、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4及びバッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7により実行されるシステム運転処理を示すフローチャート(メイン処理フロー)である。
このフローチャートに係る制御は、上述のように、本実施形態の電力調整システム100の低負荷時に実行される。ここで、「電力調整システム100の低負荷時」とは、燃料電池スタック1の出力電流が小さいときをいい、電力調整システム100の起動後車両が走行していないとき(車両の停止時)だけでなく、車両の信号待ちなどの車両の停止時に実行されるアイドルストップや、坂道の降坂時に実行されるコーストストップ中なども含まれる。なお、各ステップは、矛盾が生じない範囲において、その順序が変更されてもよい。
まず、燃料電池用コントローラ10は、燃料電池スタック1の目標電圧を演算するための燃料電池目標電圧演算処理を実行する(ステップS1)。次いで、燃料電池用コントローラ10は、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5と、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8とにおける目標出力電圧を演算するためのFCコンバータ・バッテリコンバータ目標電圧演算処理を実行する(ステップS2)。
次いで、燃料電池用コントローラ10は、電力調整システム100の通常運転モードにおいてDC/DCコンバータ5を制御するためのFCコンバータ制御処理を実行する(ステップS3)。次いで、燃料電池用コントローラ10は、電力調整システム100の通常運転モードにおいてDC/DCコンバータ8を制御するためのバッテリコンバータ制御処理を実行する(ステップS4)。そして、燃料電池用コントローラ10、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4及びバッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、図3に示す本実施形態におけるシステム運転処理を終了する。
次に、図3の各サブルーチンについて、フローチャートを参照してそれぞれ説明する。図4は、図3のステップS1に対応するサブルーチンであり、燃料電池用コントローラ10により実行される燃料電池目標電圧演算処理を示すフローチャートである。
この燃料電池目標電圧演算処理において、燃料電池用コントローラ10は、まず、駆動モータ2の駆動力を演算・設定する(ステップS101)。ここでは、燃料電池用コントローラ10は、図示しないアクセルペダル開度センサにより、車両の利用者(運転者)のアクセルペダルの操作量を取得し、モータ回転数検出部21により駆動モータ2の回転数を取得する。そして、燃料電池用コントローラ10は、アクセルペダルの操作量及び駆動モータ2の回転数に基づいて、駆動モータ2の目標駆動力を演算する。
なお、本実施形態では、燃料電池用コントローラ10は、駆動モータ2の回転数を利用して、駆動モータ2の目標駆動力を演算しているが、本発明はこのような構成に限らない。燃料電池用コントローラ10は、例えば、駆動モータ2の回転数に代えて、図示しない車速センサにより検出された車速を用いてもよい。
次いで、燃料電池用コントローラ10は、ステップS101において演算した目標駆動力と、駆動モータ2の回転数に基づいて、駆動モータ2の目標駆動力を実現するための負荷下限供給電圧を演算・設定する(ステップS102)。
次いで、燃料電池用コントローラ10は、燃料電池スタック1の目標電力を演算・設定する(ステップS103)。ここで、燃料電池用コントローラ10は、ステップS101において演算した目標駆動力と、バッテリ20の放電要求電力との減算結果に基づいて、燃料電池スタック1の目標電力を演算する。なお、バッテリ20の放電要求電力は、バッテリ20の充電状態(SOC)に基づいて決定されればよい。
次いで、燃料電池用コントローラ10は、補機類30による消費電力(推定値でも現在の実測値でもよい)を取得し、この消費電力と、ステップS103において演算した燃料電池スタック1の目標電力とに基づいて、燃料電池スタック1の目標発電電力を演算・設定する(ステップS104)。具体的には、燃料電池用コントローラ10は、燃料電池スタック1の目標電力と、補機類30による消費電力とを加算することにより、燃料電池スタック1の目標発電電力を決定する。
なお、補機類30の具体的な消費電力の演算方法としては、図示しないカソードコンプレッサであれば、推定トルクと回転数の積によりその消費電力が算出される。
次いで、燃料電池用コントローラ10は、ステップS104において演算した燃料電池スタック1の目標発電電力に基づいて、燃料電池スタック1の目標出力電圧を演算・設定する(ステップS105)。燃料電池スタック1の発電電力は、負荷である駆動モータ2から要求される電流値等に基づいて、燃料電池スタック1のI−V特性図を用いて決定される。そして、燃料電池用コントローラ10は、電流センサ61及び電圧センサ62により検出した燃料電池スタック1の出力電流及び出力電圧の積により燃料電池スタック1の実発電電力を演算し、ステップS104において演算した燃料電池スタック1の目標発電電力と、この実発電電力を用いて、その偏差が0となるようにフィードバック制御を行うことにより、燃料電池スタック1の目標出力電圧を決定すればよい。
次いで、燃料電池用コントローラ10は、燃料電池スタック1の目標発電電力及び目標出力電圧になるように、燃料電池スタック1用の補機類30を操作する(ステップS106)。具体的には、例えば、カソードコンプレッサは、燃料電池スタック1の目標出力電流に基づいて、その動作を決定される。そして、燃料電池用コントローラ10は、この燃料電池目標電圧演算処理を終了する。
図5は、図3のステップS2に対応するサブルーチンであり、燃料電池用コントローラ10により実行されるFCコンバータ・バッテリコンバータ目標電圧演算処理を示すフローチャートである。
このFCコンバータ・バッテリコンバータ目標電圧演算処理において、燃料電池用コントローラ10は、まず、図示しないメモリ等からモータ下限供給電圧とそれに対応する所定電圧を取得する。そして、燃料電池用コントローラ10は、燃料電池目標電圧演算処理のステップS105において演算した燃料電池スタック1の目標出力電圧が取得したモータ下限供給電圧+所定電圧以下であるか否かを判定する(ステップS201)。
ここで、所定電圧とは、電圧センサ62と電圧センサ65の検出誤差と、DC/DCコンバータ5の応答遅れ等を含めて、これらすべてを加算した制御マージンである。負荷下限供給電圧よりも燃料電池スタック1の目標出力電圧が小さい場合には、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8の出力電圧に基づいて、DCリンク電圧が設定される。
ステップS201において、燃料電池スタック1の目標出力電圧が取得したモータ下限供給電圧+所定電圧以下であると判定した場合には、燃料電池用コントローラ10は、バッテリ20用のDC/DCコンバータの目標出力電圧として、モータ下限電圧を設定するとともに(ステップS202)、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の目標出力電圧(駆動モータ2の端子間電圧)として、燃料電池スタック1の目標出力電圧を設定し(ステップS203)、このFCコンバータ・バッテリコンバータ目標電圧演算処理を終了する。
一方、ステップS201において、燃料電池スタック1の目標出力電圧が取得したモータ下限供給電圧+所定電圧よりも大きいと判定した場合には、燃料電池用コントローラ10は、続いて、燃料電池スタック1の目標出力電圧がバッテリ20の出力電圧以上であるか否かを判定する(ステップS204)。燃料電池スタック1の目標出力電圧がバッテリ20の出力電圧未満であると判定した場合には、燃料電池用コントローラ10は、処理フローをステップS208に移行させる。
そして、ステップS204において、燃料電池スタック1の目標出力電圧がバッテリ20の出力電圧以上であると判定した場合には、燃料電池用コントローラ10は、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8を流れる通過電流が所定の電流値以下か否かを判定する(ステップS205)。
燃料電池スタック1の目標出力電圧がバッテリ20の出力電圧以上であるとともに、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8を流れる通過電流が所定の電流値以下であると判定した場合には、燃料電池用コントローラ10は、本発明の課題であるDCリンク電圧が行き過ぎる可能性があると判断する。そして、燃料電池用コントローラ10は、バッテリ20用のDC/DCコンバータの目標出力電圧として、燃料電池スタック1の目標出力電圧を設定するとともに(ステップS206)、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の目標出力電圧(駆動モータ2の端子間電圧)として、燃料電池スタック1の目標出力電圧+所定電圧を設定し(ステップS207)、このFCコンバータ・バッテリコンバータ目標電圧演算処理を終了する。このように設定することにより、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、DC/DCコンバータ5のいずれかのスイッチング素子52、54に100%のONデューティのPWM信号を出力することとなる。これにより、DC/DCコンバータ5は、直結状態となり、DC/DCコンバータ5によるリプル成分の発生を防止するとともに、DCリンク電圧の行き過ぎ量を抑制することができる。
一方、ステップS204において、燃料電池スタック1の目標出力電圧がバッテリ20の出力電圧未満であると判定するか、ステップS205において、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8を流れる通過電流が所定の電流値よりも大きいと判定した場合には、燃料電池用コントローラ10は、バッテリ20用のDC/DCコンバータの目標出力電圧として、モータ下限電圧を設定するとともに(ステップS208)、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の目標出力電圧(駆動モータ2の端子間電圧)として、燃料電池スタック1の目標出力電圧を設定し(ステップS209)、このFCコンバータ・バッテリコンバータ目標電圧演算処理を終了する。
図6は、図3のステップS3に対応するサブルーチンであり、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4により実行されるFCコンバータ制御処理を示す制御ブロック図である。図6に示すように、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、第1入力を第2入力で減算する減算器4Aと、入力値をPI制御するPI制御器4Bと、第1入力を第2入力で除算する除算器4Cと、入力値を所定範囲内の値に制限する制限器4Dと、第1入力を第2入力で減算する減算器4Eとを備える。
まず、減算器4Aにより、DC/DCコンバータ5の昇降圧すべき目標電圧から燃料電池スタック1の出力電圧を検出する電圧センサ62により検出した制御電圧量を除算する。次いで、PI制御器4Bにより、減算器4Aの出力値をPI制御して、得られた値が除算器4Cに出力される。
次いで、除算器4Cにより、DC/DCコンバータ5の出力電圧を検出する電圧センサ65により検出したFCC出力電圧で、PI制御器4Bの出力値を除算して、その結果を制限器4Dに出力する。
ここで、DC/DCコンバータ5により燃料電池スタック1の出力電圧が昇圧されている場合には、除算器4Cの出力値は1以下となる。一方、燃料電池スタック1の出力電圧がDC/DCコンバータ5の出力電圧よりも大きい場合には、除算器4Cの出力値は1以上となる。本実施形態の制限器4Dは、0未満の値を0に制限するとともに、1より大きい値を1に制限するものである。制限器4Dは、得られた値を後段に出力する。
最後に減算器4Eにより、1から制限器4Dの出力値が減算される。そして、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、PWM信号として減算器4Eの出力値(0〜1の値)をスイッチング素子54に出力するとともに、PWM信号として制限器4Dの出力値(0〜1の値であって、減算器4Eの出力値と加算すると1になる値)をスイッチング素子52に出力する。
本実施形態では、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、上記演算処理に基づいて、スイッチング素子52、54用のPWM信号を演算し、スイッチング制御する。なお、この演算処理を実行するために、燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ4は、ハードウェア構成によるアナログ回路を備えていてもよく、その代わりに、図示しないメモリに格納されたソフトウェアプログラムを実行することにより、PWM信号を演算してもよい。
図7は、図3のステップS4に対応するサブルーチンであり、バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7により実行されるバッテリコンバータ制御処理を示す制御ブロック図である。図7に示すように、バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、第1入力を第2入力で減算する減算器7Aと、入力値をPI制御するPI制御器7Bと、第1入力を第2入力で除算する除算器7Cと、入力値を所定範囲内の値に制限する制限器7Dと、第1入力を第2入力で減算する減算器7Eとを備える。
まず、減算器7Aにより、DC/DCコンバータ8の昇降圧すべき目標電圧から制御電圧量であるDC/DCコンバータ8の入力電圧又は出力電圧を減算する。次いで、PI制御器7Bにより、減算器7Aの出力値をPI制御して、得られた値が除算器7Cに出力される。
次いで、除算器7Cにより、DC/DCコンバータ8の出力電圧を検出する電圧センサ69により検出したバッテリC出力電圧(バッテリ20用のDC/DCコンバータ8の出力電圧)で、PI制御器7Bの出力値を除算して、その結果を制限器7Dに出力する。
制限器7Dは、0未満の値を0に制限するとともに、1より大きい値を1に制限し、得られた値を後段に出力する。最後に、減算器7Eにより、1から制限器7Dの出力値が減算される。そして、バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、PWM信号として減算器7Eの出力値(0〜1の値)をスイッチング素子84に出力するとともに、PWM信号として制限器7Dの出力値(0〜1の値であって、減算器7Eの出力値と加算すると1になる値)をスイッチング素子82に出力する。
本実施形態では、バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、上記演算処理に基づいて、スイッチング素子82、84用のPWM信号を演算し、スイッチング制御する。なお、この演算処理を実行するために、バッテリ用DC/DCコンバータコントローラ7は、ハードウェア構成によるアナログ回路を備えていてもよく、その代わりに、図示しないメモリに格納されたソフトウェアプログラムを実行することにより、PWM信号を演算してもよい。
以上説明したように、本実施形態の電力調整システム100は、負荷である駆動モータ2に接続される燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1と駆動モータ2の間に接続され、燃料電池スタック1の出力電圧を所定の要求電圧比で変換する燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5と、駆動モータ2に対して燃料電池スタック1と並列に接続され、燃料電池スタック1とは異なる電力供給源であるバッテリ20と、バッテリ20と駆動モータ2の間に接続され、バッテリ20の出力電圧を所定の要求電圧比で変換するバッテリ20用のDC/DCコンバータ8と、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の出力電圧が所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ5を駆動制御する燃料電池用コンバータ制御手段14と、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8の出力電圧が所定の電圧になるように、DC/DCコンバータ8を駆動制御するバッテリ用コンバータ制御手段15とを備える。そして、本実施形態の電力調整システム100は、燃料電池用コンバータ制御手段14が、バッテリ20の出力電圧よりも燃料電池スタック1の出力電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の駆動、すなわち、昇圧又は降圧動作を制限するように構成される。このような条件下では、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の昇降圧動作を制限することにより、このDC/DCコンバータ5の入力電圧(燃料電池スタック1の出力電圧)がそのままDC/DCコンバータ5の出力電圧となる。これにより、DC/DCコンバータ5の出力電圧に対するリプル成分の発生を抑制することができるので、DC/DCコンバータ5の出力側に設けられたコンデンサ64に過剰に帯電することを抑制することができる。これにより、特に、燃料電池スタック1が低負荷運転をしている状況におけるDCリンク電圧の行き過ぎが発生することを効果的に防止することができる。
本実施形態の電力調整システム100では、所定の条件は、燃料電池用コンバータ制御手段14により制御される燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の目標出力電圧がバッテリ用コンバータ制御手段15により制御されるバッテリ20用のDC/DCコンバータ8の目標出力電圧以上であり、このDC/DCコンバータ8を流れる通過電流が所定の電流値以下である。このように、DC/DCコンバータ8を流れる通過電流が小さい場合には、バッテリ20の充放電、すなわち、バッテリ20に対する電流の向きが頻繁に切り替わることがある。このような状況においては、燃料電池スタック1の発電電力をバッテリ20に充電することができず、DCリンク側に帯電してしまうことが起こり得る。これにより、DCリンク電圧が急激に上昇して、後段の駆動モータ2のトルク制御に悪影響を与えることがある。したがって、このような状況においては、DC/DCコンバータ5の駆動を制限することにより、リプル成分の発生を抑制して、駆動モータ2のトルク制御への悪影響を防止することができる。
本実施形態の電力調整システム100では、燃料電池用コンバータ制御手段14は、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の駆動を制限している際に、バッテリ20用のDC/DCコンバータ8の通過電流が所定の電流値よりも大きくなると、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の駆動の制限を解除すればよい。これにより、駆動モータの力行や回生動作におけるトルク制御に影響を与えることがない。
本実施形態の電力調整システム100では、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5は、昇圧用及び降圧用の少なくとも一方のスイッチング素子52、54を含み、DC/DCコンバータ5の駆動の制限は、スイッチング素子52又は54のONデューティ比を100%に設定した該燃料電池スタック1用コンバータの直結状態である。このように、ONデューティ比を100%にすることにより、直流電源としては、DC/DCコンバータ5がないものと同じ構成となる。これにより、DC/DCコンバータ5の昇降圧動作によるリプル成分の発生を抑制することができるとともに、DCリンク電圧の行き過ぎ量を抑制することができる。
本実施形態の電力調整システム100では、燃料電池用コンバータ制御手段14は、少なくとも燃料電池スタック1の出力電圧及び出力電流に基づいて、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータ5の目標出力電圧と、DC/DCコンバータの出力電圧及びバッテリ20用のDC/DCコンバータ8の出力電圧をリンクさせる目標DCリンク電圧とを設定し、燃料電池用コンバータ制御手段14は、バッテリ20の出力電圧よりも燃料電池スタック1の出力電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、燃料電池スタック1用のDC/DCコンバータの目標出力電圧が所定の電圧値以上低くなるように、目標DCリンク電圧を決定するように構成される。このように、燃料電池スタック1の目標出力電圧は、目標DCリンク電圧+所定電圧として演算されるので、DC/DCコンバータ5を直結状態とすることにより対応することができる。これにより、追加の入出力信号や追加のバイパス経路等を設けることなく、DC/DCコンバータ5の直結動作を簡易な制御により実現することができる。
本実施形態の電力調整システム100では、目標DCリンク電圧は、駆動モータ2に要求される必要電圧以上の電圧値であり、燃料電池用コンバータ制御手段14は、燃料電池スタック1の目標出力電圧と駆動モータ2の必要電圧との偏差が所定値以下である場合には、燃料電池スタック1の目標出力電圧以上になるように、目標DCリンク電圧を決定すればよい。このように構成することにより、駆動モータ2に必要な供給電圧が演算され、目標DCリンク電圧は、この供給電圧以上に設定される。そして、燃料電池スタック1の目標出力電圧と駆動モータ2の必要電圧との偏差が所定値以下であれば、目標出力電圧+αを目標DCリンク電圧として設定すればよい。これにより、DC/DCコンバータ5の直結状態を解除した際の過渡応答性能を考慮することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上述の実施形態では、DC/DCコンバータ5、8として、単相のDC/DCコンバータを用いる例について説明した。しかしながら、これらのDC/DCコンバータ5、8は、多相から構成されるDC/DCコンバータや双方向に昇降圧可能なDC/DCコンバータであってもよい。例えば、本発明の電力調整システムに多相DC/DCコンバータ5が用いられた場合には、上記所定の条件下では、いずれかの相のいずれかのスイッチング素子にONデューティ比100%のPWM信号を出力することにより、DC/DCコンバータ5を直結状態とすればよい。これにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
1 燃料電池スタック
2 駆動モータ
3 駆動インバータ
4 燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ
5、8 DC/DCコンバータ
7 コンバータコントローラ
8 バッテリ用DC/DCコンバータ
10 燃料電池用コントローラ
14 燃料電池用コンバータ制御手段
15 バッテリ用コンバータ制御手段
20 強電バッテリ
100 電力調整システム
2 駆動モータ
3 駆動インバータ
4 燃料電池用DC/DCコンバータコントローラ
5、8 DC/DCコンバータ
7 コンバータコントローラ
8 バッテリ用DC/DCコンバータ
10 燃料電池用コントローラ
14 燃料電池用コンバータ制御手段
15 バッテリ用コンバータ制御手段
20 強電バッテリ
100 電力調整システム
Claims (6)
- 負荷に接続される燃料電池と、
前記燃料電池と前記負荷の間に接続され、該燃料電池の出力電圧を所定の要求電圧比で変換する燃料電池用コンバータと、
前記負荷に対して前記燃料電池と並列に接続され、該燃料電池とは異なる電力供給源であるバッテリと、
前記バッテリと前記負荷の間に接続され、該バッテリの出力電圧を所定の要求電圧比で変換するバッテリ用コンバータと、
前記燃料電池用コンバータの出力電圧が所定の電圧になるように、該燃料電池用コンバータを駆動制御する燃料電池用コンバータ制御手段と、
前記バッテリ用コンバータの出力電圧が所定の電圧になるように、前記バッテリ用コンバータを駆動制御するバッテリ用コンバータ制御手段と、
を備え、
前記燃料電池用コンバータ制御手段は、前記バッテリの出力電圧よりも前記燃料電池の出力電圧が高い状況において、所定の条件が成立すると、前記燃料電池用コンバータの駆動を制限する、
電力調整システム。 - 前記所定の条件は、前記燃料電池用コンバータ制御手段により制御される前記燃料電池用コンバータの目標出力電圧が前記バッテリ用コンバータ制御手段により制御される前記バッテリ用コンバータの目標出力電圧以上であり、該バッテリ用コンバータを流れる通過電流が所定の電流値以下である、
請求項1に記載の電力調整システム。 - 前記燃料電池用コンバータ制御手段は、前記燃料電池用コンバータの駆動を制限している際に、前記バッテリ用コンバータの通過電流が前記所定の電流値よりも大きくなると、該燃料電池用コンバータの駆動の制限を解除する、
請求項1又は2に記載の電力調整システム。 - 前記燃料電池用コンバータは、昇圧用及び降圧用の少なくとも一方のスイッチング素子を含み、
前記燃料電池用コンバータの駆動の制限は、前記スイッチング素子のONデューティ比を100%に設定した該燃料電池用コンバータの直結状態である、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力調整システム。 - 前記燃料電池用コンバータ制御手段は、少なくとも前記燃料電池の出力電圧及び出力電流に基づいて、前記燃料電池用コンバータの目標出力電圧と、該燃料電池用コンバータの出力電圧及び前記バッテリ用コンバータの出力電圧をリンクさせる目標DCリンク電圧とを設定し、
前記燃料電池用コンバータ制御手段は、前記バッテリの出力電圧よりも前記燃料電池の出力電圧が高い状況において、前記所定の条件が成立すると、前記燃料電池用コンバータの目標出力電圧が所定の電圧値以上低くなるように、前記目標DCリンク電圧を決定する、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電力調整システム。 - 前記目標DCリンク電圧は、前記負荷に要求される必要電圧以上の電圧値であり、
前記燃料電池用コンバータ制御手段は、前記燃料電池の目標出力電圧と前記負荷の必要電圧との偏差が所定値以下である場合には、該燃料電池の目標出力電圧以上になるように、前記目標DCリンク電圧を決定する、
請求項5に記載の電力調整システム。
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-
2015
- 2015-11-12 JP JP2015222390A patent/JP2017091882A/ja active Pending
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