JP2017091189A - 空間的な人動物の不存在感を判定する装置、プログラム、方法及びサーバ - Google Patents

空間的な人動物の不存在感を判定する装置、プログラム、方法及びサーバ Download PDF

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Abstract

【課題】外界に対する気密性が比較的低い室内であっても、空間のゆらぎによって人動物の不存在感を判定する装置等を提供する。
【解決手段】装置は、気圧センサと温湿度(気温及び/又は湿度)センサとを有し、時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段とを有する。気圧差分値は、例えばn階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法に基づく差分法を用いて算出する。相関値は、例えば温湿度と参照温湿度とに関する時系列の相互相関関数を用いて算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、空間的な人動物の不存在感を判定する技術に関する。例えば、高齢化社会に必要とされる高齢者の見守り技術に適用できる。
従来、室内における高齢者の見守り技術として、以下のように様々なものがある。
カメラの顔認識機能を有する自律走行可能なロボットが、宅内で高齢者を見守る技術がある(例えば特許文献1参照)。
また、米びつに米の貯留量を監視するセンサを設置し、高齢者宅の米の貯留量を遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献2参照)。
更に、高齢者宅で計測された水使用量を、用途別に分類し、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献3参照)。
更に、高齢者宅にマイクロフォンアレイ装置及びセンサを設置し、室内の歩行人数や歩行動線を推定して、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献4参照)。
更に、高齢者宅の電気使用量データから生活リズム情報を作成し、その生活リズムに異常が発生した際に、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献5参照)。
更に、高齢者宅に設置された人感センサと、高齢者が装着する加速度センサデータとを用いて、高齢者の動作及び場所を推定し、その推定結果を遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献6参照)。
更に、人感センサに代えて、地磁気センサを用いる技術もある(例えば特許文献7参照)。
更に、寝床センサ及び人感センサを用いて、高齢者の宅内での場所を推定する技術もある(例えば特許文献8参照)。
更に、杖にセンサを内蔵し、床面との接触、杖の加速度、杖の傾斜度などを計測し、高齢者の位置だけでなく、その状態が正常か異常を判定し、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献9参照)。
更に、高齢者宅に設置した時報時計と、その時報時計と無線通信可能な携帯子機とを用いて、時報時計による特定の正時に鳴動する時報音に対し、当該子機に具備された応答ボタンを高齢者が押下しない場合、異常警報信号を遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献10参照)。
更に、高齢者宅に設置したカメラによる映像データおよび寝床センサ等の状態データを収集し、遠隔の家族や見守り業者の要求に応じて当該データを提供する技術もある(例えば特許文献11参照)。
更に、高齢者住宅内に、気温・気圧、湿度、照度、マイク、人感のようなセンサユニットを設置し、高齢者の日常活動状況を観測するセンサーシステムの技術がある(例えば非特許文献1参照)。この技術によれば、センサユニットで計測した、高齢者の日常活動状況に関するセンサデータ群を管理サーバへ送信する。管理サーバは、高齢者宅毎にセンサデータをパターン解析し、定常状態から外れたセンサデータ群を受信した際に、その高齢者宅で異常が発生したと判定し、遠隔の家族や見守り業者へその旨を通知する。
本願の発明者らは、現状で「見守りサービス」を利用していない60歳代のシニア層にアンケートを実施した。ここでは、3分の2以上の回答が、自身の見守りサービスの利用に全く興味がないとするものであった。その理由としては、6割近くが「まだ元気だから」と回答し、「夫または妻がいるから」「まだ若いから」という回答がそれに続いた。
また、本願の発明者らが、個別にシニアにヒアリングしたところ、「まだ若いし元気なのに監視なんてされたくない。」「元気で問題ないのに見守られるために何かしなければいけないのも嫌だ。」「寝たきりになったら自分が心配なので監視のような見守りサービスを使いたい」という声が聞かれた。
逆に、60歳以上の親を持つ30代40代の男女にアンケートを実施したところ、約半数が親の見守りサービスの利用に興味があると回答した。
特開2015−069485号公報 特開2014−239713号公報 特開2014−232461号公報 特開2014−191616号公報 特開2014−157587号公報 特開2014−089494号公報 特開2013−077113号公報 特開2003−317165号公報 特開2006−085609号公報 特開2007−198993号公報 特開2004−313461号公報
大岩知也、山本寛、山崎克之、「高齢者の日常活動状況を観測するセンサーシステム」、長岡技術科学大学、情報・システムソサイエティ特別企画・学生ポスターセッション予稿集、2015 IEICE-179-ISS-SP-179、2015年3月10日、[online]、[平成27年11月3日検索]、インターネット<URL:http://www.ieice.org/~iss/jpn/Publications/issposter_2015/data/pdf/ISS-SP-179.pdf> 象印、「みまもりほっとライン」、[online]、[平成27年11月3日検索]、インターネット<URL:http://www.mimamori.net/> 北海道電力、「よくあるご質問」、[online]、[平成27年11月3日検索]、インターネット<URL:http://www.hepco.co.jp/userate/price/price_info/answer.html> 青木茂、「4.相関・回帰」、北海道大学、低温科学研究所、[online]、[平成27年11月9日検索]、インターネット<URL:http://climbsd.lowtem.hokudai.ac.jp/group/shigeru/tc/dataan2012/num4.pdf>
特許文献1から11に記載のいずれの技術であっても、見守られる高齢者としては監視されている感情を持つ場合があって、高齢者自身が気を遣う必要がある。
特許文献1及び11に記載の技術によれば、高齢者宅内の映像が撮影されることとなる。
特許文献4、6〜9及び非特許文献1に記載の技術によれば、高齢者の宅内での存在位置や行動、会話までも、遠隔の家族や見守り業者に通知されることとなる。
特許文献3及び5に記載の技術によれば、電力会社としても電力使用量を機微的な個人情報として取り扱っているにも拘わらず(例えば非特許文献3参照)、そのような電気使用量や水道使用量を見守りサービス事業者に提供することとなる。
特許文献2に記載の技術によれば、高齢者が米を定期的に食さないだけで、その異常情報が遠隔の家族や見守り業者へ通知されることとなる。
特許文献10に記載の技術によれば、特定の正時に鳴動する時報音に対して、子機の応答ボタンを押下しない場合、異常警報信号を遠隔の家族や見守り業者へ通知されることとなる。
これに対し、非特許文献2に記載の技術によれば、家族や見守り業者に対し、高齢者宅の給湯時刻しか通知されないために、高齢者自身が気を遣う必要性は低くなる。当該通知情報を受信したその家族や見守り業者が、異常を判定することとなる。
尚、非特許文献1に記載の技術によれば、気温及び気圧センサによってエアコンの使用状態を推定し、その使用状態が通常と異なる場合に異常と判定する。また、短時間の変化では意味がないため、長時間の観察を必要としている。しかしながら、エアコンが使用されない時期には、異常を判定できない。そのため、他の複数のセンサを組み合わせて使用している。一方で、気圧センサによって取得される気圧は、室内におけるドアや窓の開閉、掃除機の起動、料理や入浴後の換気扇動作であっても、大きく変動する。マンションのように気密性の高い室内であれば、高齢者の生活活動がそのまま気圧の変化に表れるように思われる。
また、一戸建て住宅(換気のために常に窓を少し空けている)のように気密性の低い室内では、室外気圧と室内気圧との間に差が生じることなく、高齢者の生活活動がそのまま気圧の変化として表れない。
そこで、本発明は、外界に対する気密性が比較的低い室内であっても、空間のゆらぎによって人動物の不存在感を判定する装置、プログラム、方法及びサーバを提供することを目的とする。
本発明によれば、気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置であって、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
を有することを特徴とする。
本発明の装置における他の実施形態によれば、
気圧差分値算出手段は、n階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法に基づく差分法を用いて、気圧差分値を算出することも好ましい。
本発明の装置における他の実施形態によれば、
温湿度相関値算出手段における相関値は、計測された温湿度と、参照温湿度との時系列データに関する相互相関関数(cross-correlation function)に基づく相互相関値であることも好ましい。
本発明の装置における他の実施形態によれば、
不存在感判定手段について、
第1の所定条件以下とは、所定期間内について、複数の気圧差分値の絶対値の中で、第1の所定閾値以上の気圧差分値の絶対値が第1の所定数以下であることを意味し、
第2の所定条件以上とは、所定期間内について、相互相関値が第2の所定閾値以上であることを意味することも好ましい。
本発明の装置における他の実施形態によれば、
当該装置は、人動物が存在するであろう室内に設置されるものであり、
第1の所定閾値は、外界から密閉された室内における人動物の活動によって生じるであろう気圧差分値を意味し、
第2の所定閾値は、外界と一部開放された室内における人動物の存在によって生じるであろう室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値を意味することも好ましい。
本発明の装置における他の実施形態によれば、
不存在感判定手段によって真と判定された際に、ネットワークを介して外部装置へ、異常状態を通知する異常通知手段を更に有することも好ましい。
本発明によれば、気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相互相関関数に基づく相互相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相互相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置の不存在感判定方法であって、
装置は、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出し、
外部装置から外界の参照温湿度を取得し、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相互相関関数に基づく相互相関値を算出し、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相互相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する
ことを特徴とする。
本発明によれば、気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有するモジュールから、気圧及び温湿度を受信し、空間的な人動物の不存在感を判定するサーバであって、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相互相関関数に基づく相互相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相互相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
を有することを特徴とする。
本発明の装置、プログラム、方法及びサーバによれば、外界に対する気密性が比較的低い室内であっても、空間のゆらぎによって人動物の不存在感を判定することができる。特に、本発明によれば、宅内の高齢者に何ら行動を強いることなく、その生活活動の有無を判定することによって、簡易な見守りサービスを提供することができる。
センサモジュールが設置された室内環境を表す外観図である。 図1の室内における気圧値の変化を表すグラフである。 本発明におけるセンサモジュールの機能構成図である。 本発明における管理サーバの機能構成図である。 図2で観測された気圧値に対して、n階中心差分法としてエッジ抽出フィルタを用いたグラフである。 図5で観測された差分値に対して、異常「1」及び正常「0」としたグラフである。 時間経過に応じて変化する室内気温及び参照気温を表すグラフである。 図7に基づく時間差に応じた相互相関関数の値のグラフである。
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、センサモジュールが設置された室内環境を表す外観図である。
図1によれば、例えば室内に、センサモジュール(装置)1が置かれている。センサモジュール1は、空間的な人動物の不存在感を判定する装置であって、例えば高齢者を見守る用途に利用できる。本発明のセンサモジュール1は、少なくとも、気圧を計測する「気圧センサ」と、温湿度を計測する「温湿度センサ」とを搭載している。ここで、「温湿度」とは、気温のみや、湿度のみであってもよいし、気温及び湿度の両方であってもよい。センサモジュール1は、気圧センサ及び温湿度センサを搭載した例えば水耕栽培キットのようなものであってもよい。気圧センサ及び温湿度センサは、所定頻度(例えば1秒毎)に計測するものである。
図2は、図1の室内における気圧値の変化を表すグラフである。
図2によれば、図1の室内の各場所における生活活動によって、気圧値が急に上昇するタイミングが表されている。
(1)センサを配置した部屋のドアの開閉
(2)別室のドアの開閉
(3)玄関ドアの開閉
(4)別室の窓の開閉
(5)換気扇の利用
図3は、本発明におけるセンサモジュールの機能構成図である。
図4は、本発明における管理サーバの機能構成図である。
図3によれば、本発明のセンサモジュール1は、気圧センサ101及び温湿度センサ102以外に、気圧差分値算出部11と、参照温湿度取得部12と、温湿度相関値算出部13と、不存在感判定部14と、異常通知部15とを有する。これら機能部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。また、これら機能部の処理の流れは、人動物の不存在感判定方法としても理解できる。
図4によれば、本発明の管理サーバは、図3と比較して、気圧センサ及び温湿度センサ以外の機能部を搭載したものであって、各機能部の処理内容は、図3と全く同じものである。管理サーバは、センサモジュールからネットワークを介して気圧及び温湿度を受信し、その室内における人動物の不存在感を判定するものである。
[気圧差分値算出部11]
気圧差分値算出部11は、時間経過に伴い変化する気圧の差分値である「気圧差分値」を算出する。気圧差分値は、例えばn階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法のような差分法を用いて算出される。
算出された気圧差分値は、不存在感判定部14へ出力される。
<差分法(difference method)について>
差分法とは、微分方程式を解く数値解析における離散化手法である。関数が2つの変数値に対してとる値の間の有限な差を、「差分(difference)」という。この差分を、変数値の差で割って得られる商を差分商(difference quotient)という。これは、微分を差分商で近似することによって、微分方程式を解く方法である。
「中心差分法」の場合、以下のように算出される。
時刻tと時刻t+1との間で微分をとる前方差分△u(t)は、以下の式で表される。
△u(t)=u(t+1)−u(t)
時刻tと時刻t-1との間で微分をとる後方差分▽u(t)は、以下の式で表される。
▽u(t)=u(t)−u(t-1)
そして、tに対して、t+1とt-1との間で差分をとる中心差分δu(t)は、以下の式で表される。即ち、中心差分δu(t)は、前方差分△u(t)と後方差分▽u(t)とを平均したものである。
δu(t)==(△u(t)+▽u(t))/2
=(u(t+1)−u(t-1))/2
「2階中心差分法(2nd difference method)」の場合、2階微分の近似として、以下のように算出される。
δ2u(x)=(u(t+1)−u(t))−(u(t)−u(t-1))
=u(t+1)−2u(t)+u(t-1)
2階中心差分法は、nを中心にして、t+1とt-1との間で差分をとる方法である。具体的には、[1, -2, 1]の2次微分フィルタである。勿論、2次微分フィルタに限られず、1次の差分法として、x(t+1)-x(t-1)を意味する{-1,0,1}のような画像処理における「エッジ抽出フィルタ」を用いることも好ましい。
図5は、図2で観測された気圧値に対して、n階中心差分法としてエッジ抽出フィルタを用いたグラフである。
図6は、図5で観測された差分値に対して、異常「1」及び正常「0」としたグラフである。ここでは、時系列データに対する各外れ値検出技術を適用可能である。図6によれば、例えば、過去20個の気圧差分値の平均値と標準偏差σとから、平均値±4σに現在の気圧差分値が収まらないときに異常変動とすると定義した際の、異常変動と判定された箇所を示している。
[参照温湿度取得部12]
参照温湿度取得部12は、外部装置から外界の参照温湿度を取得する。参照温湿度とは、当該センサモジュールの室外(外界)における外気温及び/又は外湿度をいう。
外部装置としては、インターネットを介して通信可能な気候サーバであってもよいし、室外に配置した温湿度計測装置であってもよい。気候サーバの場合、当該センサモジュールは、例えば無線LAN及びインターネットを介して、地理的な位置情報を気候サーバへ送信し、その位置の現在の温湿度(標高に応じて海面較正されたものであってもよい)を受信することができる。また、温湿度計測装置の場合、当該センサモジュールは、例えばローカルネットワーク(無線LANやBluetooth(登録商標))を介して、室外の現在の温湿度を受信する。
取得された参照温湿度は、温湿度相関値算出部13へ出力される。
図7は、時間経過に応じて変化する室内気温及び参照気温を表すグラフである。
図7によれば、室内気温と参照気温との間の気温差も、時間経過に応じて変化する。参照温湿度も、センサモジュール1によって計測された室内温湿度と同様に、時系列データとなる。
[温湿度相関値算出部13]
温湿度相関値算出部13は、室内温湿度(センサジュールによって計測した温湿度)と、参照温湿度(室外の温湿度)との間の相関値(広義の相関値)を算出する。
本発明によれば、狭義の相関値として、計測された温湿度と、参照温湿度との時系列データに関する相互相関関数に基づく相互相関値であることが好ましい(例えば非特許文献4参照)。相関係数は、時系列データにおける時間のズレ(ラグτ)によって変わってくる。そのために、相互相関関数が最大となるラグにおける相関係数(相互相関値)を用いる。
算出された相関値は、不存在感判定部14へ出力される。
<相互相関関数(cross-correlation function)について>
相互相関関数とは、2つの信号についてベクトル(配列)の類似度を算出するものである。具体的には、相互相関関数の値Cfgは以下のように算出される。
fg(τ)=Σf(t)g(t+τ)
f(t):第1の信号
g(t):第2の信号
t:時刻
τ:fとg間の時間差
相互相関関数の値が最も大きい時間差が、相互相関値が最も大きくなるところである。
図8は、図7に基づく時間差に応じた相互相関関数の値のグラフである。
相互相関値は、所定期間(例えば1日)における室内温湿度の時系列データと参照温湿度の時系列データとから、ラグ(時間差)を考慮して算出される。図8によれば、ラグが8分で最大を取ることが分かる。この場合、図7について、時間を8分だけ左にシフトした室内温湿度と参照温湿度との相互相関値を算出する。このとき、相互相関値は、例えば0.94となる。室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値が高いということは、室内に発熱体が存在せず、人動物の存在感が無い可能性が高い。
[不存在感判定部14]
不存在感判定部14は、気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無い(不存在感がある)と判定する。各所定条件(及び所定閾値)は、例えば以下のように規定される。
(第1の所定条件)第1の所定条件以下とは、所定期間内について、複数の気圧差分値の中で、第1の所定閾値以上の気圧差分値の絶対値が第1の所定数以下であることを意味する。
(第1の所定閾値)第1の所定閾値は、外界から密閉された室内における人動物の活動によって生じるであろう気圧差分値を意味する。
第1の所定閾値以上とは、例えば、過去20個の気圧差分値の平均値と標準偏差σとから、現在の気圧差分値が平均値+4σ以上(外れ値)となる場合であってもよい。
(第1の所定数)人動物の活動によって第1の所定閾値以上の気圧差分値が発生するであろう回数を意味する。
即ち、第1の所定数以下(外れ値が0又は少ない)であるとは、人動物の不存在感が高いことを意味する。
例えば、1日(所定期間)に、第1の所定閾値(+4σ)以上の気圧差分値が第1の所定数(例えば4回)以下である場合、人動物の不存在感が高いと判定する。
第1の所定条件によれば、例えば高齢者が室内で生活しているにも拘わらず、気圧差分値に所定の変化がないということは、高齢者の不存在感(不在や倒れている)が疑われる。しかしながら、室内の窓を常時開放している場合や、気密性が低い一戸建て住宅の場合、室外気圧と室内気圧との間に差が生じることなく、高齢者の生活活動がそのまま気圧差分値の変化として表れない。そこで、以下の第2の所定条件も判定する。
(第2の所定条件)第2の所定条件以上とは、所定期間内について、相互相関値が第2の所定閾値以上であることを意味する。
(第2の所定閾値)第2の所定閾値は、外界と一部開放された室内における人動物の存在によって生じるであろう室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値を意味する。
第2の条件によれば、外界に対する気密性が低い室内であっても、人が生活活動をする場合、その人間自体が発熱体になっているとために、室内の温湿度の変動と室外の温湿度の変動との間の乖離が大きくなることが想定している。
[異常通知部15]
異常通知部15は、不存在感判定部14によって真と判定された際に、ネットワークを介して外部装置へ、異常状態を通知する。外部装置は、例えばインターネットに接続された管理サーバであってよいし、例えば高齢者の身内の人が所持する携帯電話機やスマートフォンであってもよい。異常状態は、例えばメールやSMS(Short Message Service)であってもよい。
以上、詳細に説明したように、本発明の装置、プログラム、方法及びサーバによれば、外界に対する気密性が比較的低い室内であっても、空間のゆらぎによって人動物の不存在感を判定することができる。特に、本発明によれば、宅内の高齢者に何ら行動を強いることなく、その生活活動の有無を判定することによって、簡易な見守りサービスを提供することができる。
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 センサモジュール
101 気圧センサ
102 温湿度センサ
11 気圧差分値算出部
12 参照温湿度取得部
13 温湿度相関値算出部
14 不存在感判定部
15 異常通知部
2 気候データベース
3 端末

Claims (9)

  1. 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置であって、
    時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
    外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
    計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
    前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
    を有することを特徴とする装置。
  2. 前記気圧差分値算出手段は、n階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法に基づく差分法を用いて、前記気圧差分値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記温湿度相関値算出手段における前記相関値は、計測された温湿度と、参照温湿度との時系列データに関する相互相関関数(cross-correlation function)に基づく相互相関値である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記不存在感判定手段について、
    第1の所定条件以下とは、所定期間内について、複数の気圧差分値の絶対値の中で、第1の所定閾値以上の気圧差分値が第1の所定数以下であることを意味し、
    第2の所定条件以上とは、所定期間内について、相互相関値が第2の所定閾値以上であることを意味する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 当該装置は、人動物が存在するであろう室内に設置されるものであり、
    第1の所定閾値は、外界から密閉された室内における人動物の活動によって生じるであろう気圧差分値を意味し、
    第2の所定閾値は、外界と一部開放された室内における人動物の存在によって生じるであろう室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値を意味する
    ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 前記不存在感判定手段によって真と判定された際に、ネットワークを介して外部装置へ、異常状態を通知する異常通知手段を
    更に有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
    時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
    外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
    計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
    前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置の不存在感判定方法であって、
    前記装置は、
    時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出し、
    外部装置から外界の参照温湿度を取得し、
    計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出し、
    前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する
    ことを特徴とする装置の不存在感判定方法。
  9. 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有するモジュールから、気圧及び温湿度を受信し、空間的な人動物の不存在感を判定するサーバであって、
    時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
    外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
    計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
    前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
    を有することを特徴とするサーバ。
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