JP2017090983A - 画像処理方法及び画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法及び画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017090983A
JP2017090983A JP2015216223A JP2015216223A JP2017090983A JP 2017090983 A JP2017090983 A JP 2017090983A JP 2015216223 A JP2015216223 A JP 2015216223A JP 2015216223 A JP2015216223 A JP 2015216223A JP 2017090983 A JP2017090983 A JP 2017090983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
template
eigenvalue
frequency
similarity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015216223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6665488B2 (ja
Inventor
雄介 関川
Yusuke Sekikawa
雄介 関川
育郎 佐藤
Ikuro Sato
育郎 佐藤
鈴木 幸一郎
Koichiro Suzuki
幸一郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso IT Laboratory Inc
Original Assignee
Denso IT Laboratory Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso IT Laboratory Inc filed Critical Denso IT Laboratory Inc
Priority to JP2015216223A priority Critical patent/JP6665488B2/ja
Publication of JP2017090983A publication Critical patent/JP2017090983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6665488B2 publication Critical patent/JP6665488B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)

Abstract

【課題】固有値テンプレート法を改良し、より高速に類似度の演算を行うことが可能な画像処理方法を提供すること。【解決手段】テンプレート画像を、所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分を基底として、回転方向に周波数分解して、周波数成分と同数の固有値テンプレート画像を算出する。入力画像と固有値テンプレート画像とを畳み込み演算することにより、固有値テンプレート画像毎に、入力画像との相関値を算出する。算出された相関値に対して、所定の回転方向を基準とするFFT演算処理を行って、回転角度毎の類似度を算出する。FFT演算を用いることにより、演算時間を大幅に短縮することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、入力画像と所定のテンプレート画像との照合を行うことで、入力画像において、テンプレート画像に対応する対象物を検出する画像処理方法及び画像処理装置に関する。
カメラで撮影した画像(クエリ画像)の中から予め登録した対象物の画像(テンプレート画像)を検出するテンプレートマッチングは画像処理の基本技術であり、産業上も広く利用されている。例えば、テンプレートマッチングを使って面内回転からなる角度パラメータを推定する回転マッチングは、工場内のロボットによるビンピッキングや外観検査など多くのアプリケーションに用いられている。このため、回転マッチングを高速かつロバストにすることは実応用において重要な課題である。
回転マッチングはSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)等の手法を使って高速に行うことが可能であるが、表面に模様の少ないテクスチャレスの対象物には適用が難しいという問題がある。一方、テクスチャレスの対象物に有効なテンプレート画像とクエリ画像の相関に基づいた手法が、いくつか提案されている。
例えば、NCC(Normalized Cross-Correlation)は、一定の明るさの変動やノイズにロバストであることから広く用いられている。NCCでは、畳み込み領域内のクエリ画像のノルムで規格化した値を類似度とすることで内積値を類似度とする手法に対してロバスト性を向上することができる。ただし、NCCを回転マッチングに適用する場合、クエリ画像と一定の回転ピッチで回転したテンプレート画像との相関計算を複数回繰り返すことで、位置及び角度の姿勢パラメータの類似度を求める必要がある。そして、検出率や角度パラメータの推定精度を上げるには回転ピッチを小さくする必要があるため、必要な畳み込み演算の数が増え処理時間が増大するという課題がある。
回転マッチングを高速化する手法としてLog-Polar変換を使ったRIPOC(Rotation Invariant Phase Only Correlation)が知られている。RIPOCは、テンプレート画像とクエリ画像のパワースペクトルが並進に依存しないことを利用して、パワースペクトルのLog-Polar画像についてPOCを使って回転ずれを求め、求めた回転で補正したクエリ画像に対してPOCにより並進を推定する。この手法は、回転を推定するためのマッチングと並進を推定するためのマッチングの2回のマッチングで回転マッチングを行えるため非常に効率が良い。しかし、RIPOCは回転角の推定時に画像を特徴づける位相成分を捨てることから、クエリ画像の背景にテンプレート画像と似た周波数成分が多く含まれる場合には検出に失敗しやすいという課題がある。
上述した手法の課題を解決できる手法として、固有値テンプレート法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この固有値テンプレート法は、クエリ画像に対して、複数のテンプレート画像を1画像ずつマッチングする代わりに、テンプレート画像群を特異値分解(SVD)で情報圧縮することで得られる新たなテンプレート画像(固有値テンプレート画像)を利用し効率よく類似度を算出するものである。また、固有値テンプレート法は、RIPOCとは異なり、重要な情報を捨てることなく類似度を計算することから背景の影響にロバストでもある。
特許第5317250号明細書
上述した固有値テンプレート法は、大きく分けて、クエリ画像と各固有値テンプレート画像との相関値(レスポンス)を求める処理と、相関値と固有関数(基底関数)との積和演算により姿勢パラメータの類似度を計算する処理とからなる。しかしながら、固有値テンプレート画像に対するクエリ画像のレスポンスから類似度を計算する積和演算処理の計算量負荷が相対的に高く、処理時間も長くなる傾向にあるため、改善の余地がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、固有値テンプレート法を改良し、より高速に類似度の演算を行うことが可能な画像処理方法及び画像処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1発明による画像処理方法は、入力画像と所定のテンプレート画像との照合を行うことで、入力画像において、テンプレート画像に対応する対象物を検出するための方法であって、
テンプレート画像を、所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分を基底として、回転方向に周波数分解して、所定数の周波数成分と同数の固有値テンプレート画像を算出する第1ステップ(S100、S110)と、
入力画像と固有値テンプレート画像とを畳み込み演算することにより、固有値テンプレート画像毎に、入力画像との相関値を算出する第2ステップ(S210)と、
算出された相関値に対して、所定の回転方向を基準とするFFT演算処理を行って、回転角度毎の類似度を算出する第3ステップ(S240)と、
回転角度毎の類似度から、入力画像における対象物の回転角度を算出する第4ステップ(S250、S260)と、を備える。
また、第2発明による画像処理装置は、入力画像と所定のテンプレート画像との照合を行うことで、入力画像において、テンプレート画像に対応する対象物を検出するための装置であって、
テンプレート画像を、所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分を基底として、回転方向に周波数分解することにより算出した、所定数の周波数成分と同数の固有値テンプレート画像を記憶する記憶部(21)と、
入力画像と、記憶部に記憶された固有値テンプレート画像とを畳み込み演算することにより、固有値テンプレート画像毎に、入力画像との相関値を算出する相関値算出部(S210)と、
算出された相関値に対して、所定の回転方向を基準とするFFT演算処理を行って、回転角度毎の類似度を算出する類似度算出部(S240)と、
回転角度毎の類似度から、入力画像における対象物の回転角度を算出する回転角度算出部(S250、S260)と、を備える。
上述した画像処理方法及び画像処理装置によれば、テンプレート画像を、所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分を基底として、回転方向に周波数分解することにより、所定数の周波数成分と同数の固有値テンプレート画像が算出される。このため、類似度を算出すべく、固有値テンプレート画像と入力画像との畳み込み演算により算出した相関値に対し、所定数の周波数成分を要素とする周波数基底関数との積和演算を行った場合と、FFT演算処理を行った場合とで等価な結果を得ることができるようになる。FFT演算処理は、相関値と周波数基底関数との積和演算に比較して、演算時間を大幅に短縮することが可能である。そのため、従来の固有値テンプレート法と同等の検出率を維持しながら、従来の固有値テンプレート法に比較して、高速に類似度の演算を行うことが可能になる。
上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
第1実施形態に係る画像処理装置を含む、工場内のロボットによるビンピッキングを行うためのシステム全体の構成を示す構成図である。 L字型のワークをテンプレート画像とした場合の、各周波数成分に対する固有値を示すグラフである。 N次元FFTの結果得られる類似度が、M次元(M<N)FFTを使って近似できることを説明するための説明図である。 第1実施形態の、固有値テンプレート画像の作成手法を含む学習処理を示すフローチャートである。 対象物を検出するための入力画像に対する照合処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の、固有値テンプレート画像の作成手法を含む学習処理を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像処理装置及び第2実施形態に係る画像処理装置における手法と、従来の固有値テンプレート法とを、照合時間、学習時間、メモリ使用量の観点で対比させた結果を示す図である。 各実施形態に関わる手法の優位性を検証するための実験に用いたサンプル画像である。 実施形態に係る手法と、従来の各種手法との処理時間の相違の一例を示す図である。 実施形態に係る手法と、従来の各種手法との検出率の相違の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る画像処理装置20を含む、工場内のロボットによるビンピッキングを行うためのシステム全体の構成を示している。
図1に示すように、システムは、カメラ10を備えている。カメラ10は、例えば、ライン上を流動する、対象物を収容した部品箱の内部を撮影する。カメラ10によって撮影された画像は、入力画像として、画像処理装置20に提供される。
画像処理装置20は、入力画像と、予め準備され、内部のメモリ21に記憶されている固有値テンプレート画像を用いた照合を行うことで、入力画像において、テンプレート画像に対応する対象物を検出する。なお、固有値テンプレート画像の作成手法を含む学習処理は、後に、図4のフローチャートに基づき詳しく説明する。
入力画像は、通常、テンプレート画像よりも広い画像エリアを有している。そのため、画像処理装置20は、入力画像において、テンプレート画像と照合される照合領域を定めてクエリ画像とする。なお、クエリ画像とは、画像処理装置20において、類似度の演算に用いられる画像を意味するものである。
その際、画像処理装置20は、照合領域が入力画像全域をカバーするように、照合領域を所定画素単位(例えば、1画素単位)でずらしながら、複数回、照合領域を設定する。さらに、画像処理装置20は、入力画像の異なる位置に設定された照合領域毎、すなわち、クエリ画像毎に、固有値テンプレート画像との相関値に対してFFT演算を行って、回転角度毎の類似度を算出し、その類似度が最大となる回転角度を求める。なお、入力画像とテンプレート画像との画像エリアが同等である場合には、直接、入力画像をクエリ画像として用いれば良い。
そして、画像処理装置20は、クエリ画像毎に算出された類似度に基づき、類似度が最大になる位置及び回転角度に関する姿勢パラメータ、もしくは、類似度が閾値以上となる位置及び回転角度に関する姿勢パラメータを検出することで、最終的に必要な対象物の姿勢に関する情報を得る。例えば、画像処理装置20は、クエリ画像毎に算出された類似度を相互に比較し、最大の類似度となるクエリ画像の位置及び回転角度から、対象物の姿勢を検出する。なお、画像処理装置20における上記の照合処理の詳細については、後に、図5のフローチャートに基づき詳細に説明する。
ロボット30は、画像処理装置20から、対象物の位置及び回転角度に関する姿勢情報を取得し、その姿勢情報に基づき、例えば、該当する対象物を把持し、製品への組み付けを行うように、アームを制御する。
本実施形態に係る画像処理装置20は、ビンピッキングを行うシステム以外に、例えば、部品や製品の外観検査を行うシステムなどにも適用可能である。外観検査を行うシステムに適用する場合には、例えば、画像処理装置20から類似度に関する情報を表示装置に出力するようにし、表示装置において、類似度が閾値以上であれば正常表示し、閾値未満であれば警告表示を行うようにしても良い。
次に、本実施形態に係る画像処理装置20における、相関に基づいた回転マッチングの高速化の手法について説明する。
従来の相関に基づいた回転マッチングは、下記の数式1のように定式化できる。すなわち、クエリ画像fと、一定の回転ピッチ(Δθ=2π/N)で面内回転したテンプレート画像Tθとの畳み込み演算をN回行うことで、各姿勢パラメータx、y、θに対する類似度をそれぞれ計算する。なお、Rは、テンプレート画像Tθが、クエリ画像と重なる領域を示している。
検出率や角度パラメータθの推定精度を上げるために、角度ピッチΔθを小さくすると、必要な畳み込み演算の数が増えるため処理時間が増大してしまう。この問題を解決できる手法として固有値テンプレート法が提案されている。
固有値テンプレート法では、テンプレート画像群を特異値分解で情報圧縮して得た新たなテンプレート画像(固有値テンプレート画像)をマッチングに利用することで効率よく類似度を算出する。以下に、固有値テンプレート法による類似度の算出手法の一例を説明する。
例えば、テンプレート画像群Tを、以下の数式2のように定義する。
そして、テンプレート画像群Tを、下記の数式3のように、テンプレート画像群Tの画像枚数Nよりも少ないM枚の固有値テンプレート画像E=[E,…,EM−1]と、M個の固有関数φ(θ)=[φ0 (θ),…,φM-1 (θ)]との積で近似する。
数式3の近似式を数式1に代入し、以下の数式4に示す類似度の近似式を得る。
この数式4を用いて類似度を算出することにより、数式2に比較して、N回の畳み込み演算をM回に削減することができ、演算処理を効率化することができる。
本実施形態による画像処理装置20では、類似度を算出するための演算処理の更なる高速化を図るべく、数式4を2つのステップに分けて考える。すなわち、下記の数式5に示すように、クエリ画像fとM枚の固有値テンプレート画像Eとの畳込み演算により、相関値ベクトル(レスポンスベクトル)r(x,y)を計算する処理を第1のステップとする。そして、下記の数式6に示すように、相関値ベクトルr(x,y)と固有関数φ(θ)との各要素の積の総和から類似度gを計算する処理を第2のステップとする。
数式5の相関値ベクトルrの計算は、固有値テンプレート画像Eの枚数Mを固定すれば一定の処理時間で効率的に計算できる。しかし、数式6の相関値ベクトルrと固有関数φ(θ)との積の総和の演算は、それぞれに含まれる要素数に比例して処理負荷が増大する。換言すると、この相関値ベクトルrと固有関数φ(θ)との積の総和の演算を効率化することができれば、類似度g(x,y,θ)の演算処理をより高速化することができる。
そこで、本実施形態に係る画像処理装置20は、テンプレート画像群TがDFT(Discrete Fourier Transform)行列を使って特異値分解でき、また大きな特異値が低周波成分に集中していることに着目し、固有関数φとしてDFT行列の低周波部分を用いた周波数基底関数を用いて固有値テンプレート画像Eを作成することとした。このようにすれば、類似度を算出すべく、固有値テンプレート画像Eとクエリ画像fとの畳み込み演算により算出した相関値ベクトルrに対し、低周波部分のDFT行列(周波数基底関数)を固有関数として積和演算を行った場合と、FFT演算処理を行った場合とで等価な結果を得ることができるようになる。FFT演算処理は、相関値ベクトルrとDFT行列との積和演算に比較して、演算時間を大幅に短縮することが可能である。そのため、従来の固有値テンプレート法と同等の検出率を維持しながら、従来の固有値テンプレート法に比較して、高速に回転マッチング、すなわち、類似度の演算を行うことが可能になる。
以下に、上述した手法の理論的背景について説明する。
まず、テンプレート画像群TがDFT行列を用いて特異値分解できることを示す。
テンプレート画像群Tのように、一定の回転ピッチで面内回転させて作成した行列の分散共分散行列は循環行列になり、さらに、循環行列はDFT行列Fと固有値行列Σとに固有値分解することができる。従って、以下の数式7が成り立つ。なお、添字の「T」は、転置行列、「†」は共役転置行列を表している。
数式7から、テンプレート画像群Tは、以下の数式8のように、DFT行列Fを使って特異値分解することができる。
ここで、固有値テンプレート画像Eを、数式9のように定義すると、固有値テンプレート画像Eは、数式10のように、テンプレート画像群TとDFT行列Fとから求めることができる。
次に、上述したようにテンプレート画像群Tを周波数分解して作成した固有値テンプレート画像Eを用いた類似度の算出手法について説明する。
数式8より、N枚の固有値テンプレート画像Eは互いに直交していることから、数式1の類似度は、以下の数式11のように、フーリエ級数の形で表すことができる。
なお、相関値ベクトルrの定義は、数式5と同様である。
ここで、多くの画像では面内回転方向の輝度変化は緩やかなので、テンプレート画像群Tをフーリエ級数展開した場合、低周波領域に、高い値の固有値が集中する傾向がある。例えば、図2は、L字型のワークをテンプレート画像として、固有値と各周波数成分とに分解した場合の、各周波数成分に対する固有値を示している。この図2からも、低周波成分に対応する固有値が、相対的に高い値を示すことが分かる。
このため、離散フーリエ基底の低周波成分M個からなるトランケートDFT行列F(N×M)を使って、テンプレート画像群Tは、以下の数式12のように近似することができる。なお、M個の低周波数成分としては、例えば、直流成分を下限とし、所定の基準周波数を上限とするM個の周波数成分を選択することができる。また、各固有値テンプレート画像Eは、それぞれN個の要素からなるものとしている。
数式12を、数式11に適用することで、M枚の固有値テンプレート画像Eによる類似度の近似式が、以下の数式13のように得られる。
次に、固有値テンプレート画像Eとクエリ画像fとの畳み込みの結果得られる相関値ベクトルrのN次元FFTにより、数式13の類似度が計算できることを示す。準備として、数式13の類似度を以下の数式14のようにトランケートDFT行列を使って書き直す。
なお、数式14における相関値ベクトルrの定義は、数式15に示す通りである。
数式14の相関値ベクトルrとトランケートDFT行列F(N×M)の積和演算により得られる類似度は、長さNに0パディングした相関値ベクトルr(=[r(x,y),0,…,0])とN次元DFT行列との積和演算結果と等価である。
従って、数式14の類似度は以下の数式16のように変形することができ、N次元FFT演算により計算することができる。
より高速に類似度を計算することを可能とするため、数式16のN次元FFTの結果得られる類似度が、より高速なM(<N)次元FFTを使って近似できることを示す。
DFT行列F(N×M)のM次元DFT行列への射影は、図3に示すように、対角行列を縦に潰したような形になっている。このことから、数式17の類似度は、0パディングを行わずに、相関値ベクトルrをM次元FFTすることで得られる類似度を、回転角方向に伸ばしたもので良く近似できることがわかる。
したがって、M次元FFTの結果からピークサーチにより、各照合領域の回転方向の類似度のピーク値g(x,y,θmax)と対応する角度パラメータθmax(x, y)の初期値を推定できる。そして、角度パラメータθmax(x, y)の精度をさらに高めるべく、θmax(x, y)を初期値として、Newton法を使って回転角の推定を、サブピクセル単位で行う。類似度が解析関数(フーリエ基底の線形和)で記述できるため、その二次微分も解析的に計算できるためである。あるいは、ピーク周辺の3点を使ってパラボラフィッティングを行うことで回転角の推定を行っても良い。
以下、図4のフローチャートを参照して、固有値テンプレート画像の作成手法を中心として、画像処理装置20における学習処理について説明する。
この学習処理では、まず、ステップS100において、回転角度が異なる複数のテンプレート画像からなるテンプレート画像群Tを生成する。続くステップS110では、テンプレート画像群Tを、上述した数式12によって示されるように、要素としての周波数成分がM個のトランケートDFT行列Fと、M枚の固有値テンプレート画像Eとに近似分解する。このようにして、M枚の固有値テンプレート画像Eを作成する。作成したM枚の固有値テンプレート画像Eは、メモリ21に記憶しておく。
なお、上述した学習処理は、他のコンピュータで行い、作成されたM枚の固有値テンプレート画像Eを、画像処理装置20のメモリ21に記憶させるようにしても良い。
次に、図5のフローチャートを参照して、画像処理装置20において実行される照合処理について説明する。
まず、ステップS200において、入力画像において、テンプレート画像と照合される照合領域を設定する。この設定された照合領域がクエリ画像として、以下に説明する各処理の処理対象となる。
続くステップS210では、上述した数式5に従い、クエリ画像fと、M枚の固有値テンプレート画像との畳み込み演算を行い、数式15に示す、M個の要素からなる相関値ベクトルrを算出する。
ステップS220では、算出した相関値ベクトルrの各要素の絶対値の和を算出する。この処理を行う理由は、DFT行列Fの構造に着目することで、算出される類似度の上限値を簡易的に計算し、上限値が閾値に満たない場合には、詳細な類似度の計算を省略することで処理をさらに高速にするためである。なお、DFT行列Fでは、行ベクトルのlノルムは対応するθによらず一定である。そのため、相関値ベクトルrの各要素の絶対値の和から類似度の上限値が計算できる。
ステップS230では、算出した絶対値の和を所定の閾値と比較する。そして、算出した絶対値の和が所定の閾値未満であると判定した場合、類似度を算出するための処理をスキップして、ステップS270の処理に進む。一方、閾値以上であると判定した場合には、ステップS240の処理に進む。
ステップS240では、相関値ベクトルrに対して、M次元FFT演算を実行する。この際、M次元FFTは、数式13に示されるように、所定の回転角度θを基準として実行される。これにより、M次元FFT演算により得られる各周波数成分と、回転角度との対応関係が一義的に定まる。そのため、ステップS250において、M次元FFT演算の結果から、類似度がピークとなる角度パラメータθmax(x,y)の初期値を求めることができる。そして、ステップS260において、ステップS250で算出したθmax(x, y)を初期値として、Newton法を使って回転角の最終的な推定をサブピクセル単位で行う。
ステップS270では、入力画像の全域に渡って照合が行われたか否かを判定する。まだ、全域での照合が完了していないと判定された場合には、ステップS200に戻り、照合領域をずらして、ステップS210以降の処理を実行する。一方、ステップS270において、全域での照合が完了したと判定された場合には、ステップS280に進み、全ての照合領域での照合結果に基づいて、対象物の位置及び回転角度を決定する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像処理装置20について説明する。
上述した第1実施形態に係る画像処理装置20では、固有値テンプレート画像Eを作成するために、回転角度が異なる複数のテンプレート画像からなるテンプレート画像群Tを生成した。このようなテンプレート画像群Tを用いる場合、テンプレート画像を回転する処理を複数回行わなければならず、学習処理が煩雑となる。また、回転したテンプレート画像を保存しておくために大量のメモリも必要となる。
そこで、本実施形態に係る画像処理装置20では、1枚のテンプレート画像を極座標表現し、その極座標表現したテンプレート画像に対して、回転軸方向にフーリエ変換を施すことで、固有値テンプレート画像を作成し、その固有値テンプレート画像を用いて類似度の近似計算を行うようにしたものである。
以下、本実施形態による手法の理論的背景について説明する。
まず、角度θだけ回転したテンプレート画像T(r、τ−θ)とクエリ画像f(r、τ)との類似度を極座標パラメータ(r、θ)を使って、以下の数式17のように定義する。
また、極座標変換したテンプレート画像T(r,τ)は回転軸方向のフーリエ級数展開により、以下の数式18ように書き表すことができる。
テンプレート画像を極座標変換した場合も、回転角度が異なる複数のテンプレート画像からなるテンプレート画像群Tの場合と同様に、回転方向の輝度変化は低周波成分に集中する。このため、数式18は、以下の数式19のように、M個の低周波数成分を基底とし、そのM個の低周波成分の線形和で近似することができる。
数式19を、数式17に代入し、kθについて整理すると、以下の数式20のように、類似度g(θ)が、上述したM個の低周波成分を要素とするフーリエ基底の線形和で表現することができる。
なお、数式20における、固有値テンプレート画像E(r、τ)は、以下の数式21のように定義される。
このように、固有値テンプレート画像E(r、τ)は、極座標に変換された前記テンプレート画像をフーリエ級数展開したときの、M個の低周波成分と、各低周波成分の係数φ(r)とを用いて算出することができる。
なお、数式21のままでは、クエリ画像fとの照合を行う際に、クエリ画像fを極座標変換する必要があるため計算負荷が大きくなり、また、畳み込み定理を使った内積演算の効率化ができないという問題が生じる。
そこで、数式21における、φ(r)、ψ(τ)を逆極座標変換することで、数式22に示すように、固有値テンプレート画像E(r、τ)をユークリッド座標上において算出する。
これにより、第1実施形態の場合と同様に、クエリ画像fと固有値テンプレート画像Eとの畳み込み演算により相関値ベクトルrを算出することができる。従って、本実施形態に係る画像処理装置20も、第1実施形態に係る画像処理装置20と同じく、図5のフローチャートに示される照合処理により、類似度を算出し、対象物の姿勢パラメータを求めることができる。
以下に、本実施形態に係る画像処理装置20において実行される学習処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS300において、テンプレート画像の中心を基準として、テンプレート画像を極座標に変換する。続くステップS310では、極座標に変換したテンプレート画像を回転軸方向にフーリエ級数展開することにより、周波数分解する。このフーリエ級数展開では、数式19に示されるように、M個の低周波数成分を基底とし、そのM個の低周波成分の線形和で近似する。これにより、M個の低周波成分と、各低周波成分の係数φ(r)とが定まる。
続くステップS320では、M個の周波数成分を要素とする関数ψ(τ)、及び各周波数成分の係数φ(r)をユークリッド座標に変換する。そして、ステップS330において、数式22に従い、ユークリッド座標に変換されたM個の低周波成分を要素とする関数ψ(τ)と、各低周波成分の係数φ(r)とを用いて、固有値テンプレート画像E(r、τ)を算出する。
なお、上述した説明では、テンプレート画像を極座標変換したのちに、フーリエ変換する手法を示したが、ユークリッド座標上のテンプレート画像から直接極座標におけるフーリエ変換を行うことも可能である。また、第1実施形態の場合と同様に、上述した学習処理を、他のコンピュータに行わせ、作成されたM枚の固有値テンプレート画像Eを、画像処理装置20のメモリ21に記憶させるようにしても良い。
ここで、上述した第1実施形態に係る画像処理装置及び第2実施形態に係る画像処理装置における手法と、従来の固有値テンプレート法とを、照合時間、学習時間、メモリ使用量の観点で対比させた結果を図7に示す。なお、図7(a)〜(c)において、「実1」は第1実施形態にて説明した手法を採用した場合の結果を示し、「実2」は第2実施形態にて説明した手法を採用した場合の結果を示している。また、図7(a)〜(c)に示す値は、理論値の一例を示したものである。
図7(a)は、クエリ画像との照合処理に要した照合時間に関する対比結果を示している。第1実施形態及び第2実施形態に係る手法では、相関値ベクトルと周波数基底関数との積和演算をFFT演算により高速化しているため、照合時間を従来法の1/5程度に短縮できている。
また、図7(b)は、固有値テンプレート画像の作成を含む学習時間に関する対比結果を示している。第1実施形態に係る手法では、学習アルゴリズムの中で、処理負荷が高い特異値分解(SVD)がFFTに置き換わるので、学習時間も、従来法に比較して1/4程度に短縮できている。
さらに、図7(c)は、学習処理におけるメモリ使用量に関する対比結果を示している。第2実施形態に係る手法では、学習時に、テンプレート画像の極座標変換を使うことで、従来法で必要であった面内回転画像のメモリへの格納を不要としている。これにより、第2実施形態の手法によれば、学習処理時のメモリ使用量を従来法の1/120程度まで削減できている。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る画像処理装置20について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置20は、照明や背景の変動に対するロバスト化を強化するため、背景のノイズに対してロバストである位相情報を使ったマッチングと、照明の変動にロバストである輝度勾配方向を使ったマッチングとを、上述した第1実施形態及び第2実施形態によるテンプレート画像の情報圧縮に基づいたマッチングに適用するものである。
輝度勾配の方向は環境の明るさ変動による画像の輝度変化に対して頑強である。また、クエリ画像の背景にテンプレート画像と似たような模様がある場合でも、位相成分を使ったPOCはロバストに類似度を計算できる。これらの考え方を適用した画像を用いて、第1実施形態及び第2実施形態において説明した、学習処理や照合処理を実行することで、照明や背景の変動に対するロバスト化を強化することができる。
そこで、本実施形態では、クエリ画像及びテンプレート画像それぞれに関して、以下の数式23に示すように、輝度勾配の強度と方向からなる複素勾配画像を計算する。
数式23において、T、Tは、元の画像Tに対してガウシアンフィルタを適用した、水平、垂直方向の微分画像である。
さらに、この複素勾配画像の2次元フーリエ変換した周波数空間における位相成分を取り出した画像(振幅を1にした画像)を生成する。
面内回転したテンプレート画像から、上記の方法で生成した画像から作られるテンプレート群の分散共分散行列は循環行列になる。このため、第1実施形態及び第2実施形態において説明した手法に適用することができる。
また、テンプレート画像とクエリ画像とで背景の輝度が大きく変わると、輝度勾配の方向が反転(π回転)する。そこで、数式23では、輝度勾配の方向が反転した場合でも、内積の値が同じになるように回転成分に2をかけることで、このような変動にロバストにしている。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る画像処理装置20について説明する。
例えば、第3実施形態として説明した、複素勾配画像の位相成分のみを使って、クエリ画像と固有値テンプレート画像との相関を計算する場合など、クエリ画像によっては偽ピークが発生し易くなる場合がある。クエリ画像の背景などによって発生する偽ピークは、広い面積で高い値を示す傾向がある。
そこで、本実施形態では、FFT演算結果、すなわち類似度のピーク値peakと、その周辺の平均値meanと分散値σとの関係を評価することで、偽ピークを抑制することとした。具体的には、回転方向の最大類似度に対してPSR(Peak Signal Ratio)フィルタ処理を施して、最終的な類似度を求める。PSRフィルタ処理は、以下の数式24によって定義される。
なお、各クエリ画像における、ピーク値peak、平均値mean、分散値σは、インテグラルイメージを用いることで高速に計算することができる。
(評価実験)
上述した各実施形態による、高速化及び背景/明るさに対するロバスト化の手法の有用性を評価するためシミュレーションによる実験を行った。なお、以下に記載する提案法1(Proposed-Phase)とは、第1実施形態による手法に、第3実施形態による複素勾配画像より生成した画像を適用したものに相当し、提案法2(Proposed-Naive)とは、第1実施形態で説明した手法をそのまま使用したものに相当する。
(1)評価項目
検出成功率及び処理速度について評価を行った。検出成功率は、XY位置については正しい位置から±3[pix]以内、回転角度θについては±3[deg]以内を検出成功とした。処理速度は、各手法で類似度gを最大にするパラメータを探索するまでの時間を計測した。
なお、閾値を使った判定は行っていない。その理由は、各手法で相関値の指標が異るため、各手法で同じ閾値を設定するのができないためである。従って、提案法1,2としては、相関値ベクトルrの各要素の絶対値の和の大きさに基づく足切りは行っていない。
(2)比較した手法
提案法1(Proposed-Phase)及び提案法2(Proposed-Naive)に対して対比された手法は、以下の4つの手法である。
・積分形正規化エッジ固有値テンプレート法(Eigen-Edge)
・固有値テンプレート法(Eigen-Naive)
・回転不変位相限定相関法(RIPOC)
・正規化相互相関を使った回転マッチング(NCC)
なお、今回の評価実験では、精度についての評価は行わないため、サブピクセル推定の処理は無効にしている。
また、提案法1(Proposed-Phase)及び提案法2(Proposed-Naive)を含め、各手法に関して、GPUによる処理の並列化を行った実装についても処理速度の評価を行った。
また、提案法(Proposed-Phase)、提案法2(Proposed-Naive)、積分形正規化エッジ固有値テンプレート法(Eigen-Edge)、及び固有値テンプレート法(Eigen-Naive)では、テンプレート画像を角度ピッチΔθ=360/512[deg]刻みで回転して生成した512枚のテンプレート画像群を、M=32枚の固有値テンプレート画像で近似した。
回転不変位相限定相関法(RIPOC)については、ノイズへのロバスト性を向上するため、POC処理においてローパスフィルタを適用した。
正規化相互相関を使った回転マッチング(NCC)についても、角度刻み数N=512とした。
(3)対象ワークとクエリ画像
対象のワークはテクスチャレスの工業部品を想定し、図8(a)〜(d)に示すように、L字型のパーツを用いた。また、クエリ画像に関しては、別に撮影した回路基板の実装面など、特徴が異なる4種類の画像を背景画像とし、対象ワークの画像と合成することにより、図8(a)〜(d)に示す4種類のクエリ画像を作成した。さらに、クエリ画像の枚数を増やすため、図8(a)〜(d)のそれぞれのクエリ画像を元に、背景画像に対して対象ワークをランダムに回転した上で背景画像と合成することにより、各クエリ画像からそれぞれ1000枚のクエリ画像を作成した。また、実環境におけるノイズを再現するため、クエリ画像に分散が15のガウシアンノイズを付与し、I(x,y)←I(x,y)×(0.5×x/512)となるようなシェーディングによる変換を施した。
(4)処理時間
図9に、各手法による処理時間を示す。なお、図9に示す処理時間は、4種類のクエリ画像×1000枚について平均値である。
正規化相互相関を使った回転マッチング(NCC)は、面内回転した多数のテンプレート画像とそれぞれ畳み込み演算を行わなければならず、処理時間は非常に長くなる。また、GPU利用による改善効果もさほど見られない。GPUへの転送時間がボトルネックとなっていることが一因と考えられる。
提案法1(Proposed-Phase)、提案法2(Proposed-Naive)、積分形正規化エッジ固有値テンプレート法(Eigen-Edge)及び固有値テンプレート法(Eigen-Naive)は、畳み込み演算に関しては、32枚の固有値テンプレート画像との畳込み演算を行うだけで良いので、正規化相互相関を使った回転マッチング(NCC)に対して大幅に処理時間を短縮できている。
さらに、提案法1(Proposed-Phase)及び提案法2(Proposed-Naive)は、相関値と固有関数との積和演算をFFT演算に置き換えているため、提案法1(Proposed-Phase)と積分形正規化エッジ固有値テンプレート法(Eigen-Edge)との比較では、約5.5倍、提案法2(Proposed-Naive)と固有値テンプレート法(Eigen-Naive)との比較では、約3.5倍の処理速度の高速化が確認できた。
また、提案法1(Proposed-Phase)及び提案法2(Proposed-Naive)は、GPUを使用した場合、高速に回転マッチングが行えることで知られるRICOPと比較して、約3倍の高速化が実現できた。
(5)検出成功率
図10に、各手法の検出成功率を示す。なお、図10では、図8(a)〜(d)に示す各クエリ画像ごとに分けて、検出成功率を示している。
提案法2(Proposed-Naive)と固有値テンプレート法(Eigen-Naive)では、図8(a)、(b)に示すクエリ画像に関して同等の検出成功率が得られており、今回実験に用いたテクスチャが少ないワークでは、第1実施形態で説明した高速化のための手法が検出成功率に悪影響を与えないことが確認できた。
ただし、提案法2(Proposed-Naive)と固有値テンプレート法(Eigen-Naive)とも、図8(c)、(d)のような複雑な背景の画像ではロバスト性の改善を行った他の手法と比べて低い検出成功率となった。
それに対して、第3実施形態において説明した複素勾配画像より生成した画像を適用した提案法1(Proposed-Phase)は、正規化相互相関を使った回転マッチング(NCC)や積分形正規化エッジ固有値テンプレート法(Eigen-Edge)のようなロバスト性の改善を行った従来法と比べても高い検出成功率が得られた。特に、積分形正規化エッジ固有値テンプレート法(Eigen-Edge)では、背景の輝度が学習時と大きく異なる図8(d)のクエリ画像の検出成功率が大きく低下しているが、提案法1(Proposed-Phase)ではこのようなクエリ画像に対してもロバストに対象ワークの姿勢が推定できた。
上述した各実施形態は、本発明の画像処理方法及び画像処理装置の好ましい実施形態ではあるが、本発明の画像処理方法及び画像処理装置は、上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形することが可能である。
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、直流成分を下限とし、所定の基準周波数を上限とするM個の低周波成分が、全固有値の中で相対的に大きい固有値に対応するものを包含していることを前提としている。しかし、大きな固有値に対応する周波数成分が、高周波領域にあるようなテンプレートの場合には、その大きな固有値に対応する周波数成分を含むようにDFT行列を選択する必要がある。例えば、テンプレート毎に、各周波数成分に対応する固有値の大きさを調べ、その結果に基づいて、DFT行列の周波数成分を定めても良い。
また、画像の回転方向の高周波成分をカットするような前処理を適用することで、大きな固有値に対応する周波数成分を低周波領域に集中させるようにしても良い。
10 カメラ
20 画像処理装置
21 メモリ
30 ロボット

Claims (14)

  1. 入力画像と所定のテンプレート画像との照合を行うことで、前記入力画像において、前記テンプレート画像に対応する対象物を検出する画像処理方法であって、
    前記テンプレート画像を、所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分を基底として、回転方向に周波数分解して、前記周波数成分と同数の固有値テンプレート画像を算出する第1ステップ(S100、S110)と、
    前記入力画像と前記固有値テンプレート画像とを畳み込み演算することにより、前記固有値テンプレート画像毎に、前記入力画像との相関値を算出する第2ステップ(S210)と、
    算出された前記相関値に対して、所定の回転方向を基準とするFFT演算処理を行って、回転角度毎の類似度を算出する第3ステップ(S240)と、
    前記回転角度毎の類似度から、前記入力画像における前記対象物の回転角度を算出する第4ステップ(S250、S260)と、を備える画像処理方法。
  2. 前記所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分は、直流成分を下限とし、所定の基準周波数を上限とするものである請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記第1ステップは、
    回転角度が異なる複数の前記テンプレート画像からなる画像群を生成する生成ステップ(S100)と、
    前記画像群を回転方向に周波数分解して、所定の基準周波数以下の前記所定数の周波数成分からなる周波数基底関数と、前記周波数成分と同数の固有値テンプレート画像とに分解することにより、前記固有値テンプレート画像を算出する分解ステップ(S110、S120)と、を含む請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  4. 前記第1ステップは、
    前記テンプレート画像を、極座標に変換する変換ステップ(S300)と、
    極座標に変換された前記テンプレート画像を、所定の基準周波数以下の所定数の周波数成分を基底として、周波数分解し、その周波数分解したときの各周波数成分の係数と、各周波数成分とを用いて、前記固有値テンプレート画像を算出する算出ステップ(S310〜S340)と、を含む請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  5. 前記入力画像と前記テンプレート画像について、それぞれ、輝度勾配の強度と向きからなる複素勾配画像を計算し、その複素勾配画像から位相成分を取り出した画像に変換する第5ステップを備え、
    変換された画像を用いて、前記第1ステップから前記第4ステップまでの処理が実行される請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理方法。
  6. 前記第5ステップでは、複素画像を以下の数式1を用いて、作成する請求項5に記載の画像処理方法。
    ただし、T、Tは、元の画像Tの水平、垂直方向の微分画像である。
  7. 前記入力画像は、前記テンプレート画像よりも広い画像エリアを有しており、前記入力画像において、前記テンプレート画像と照合される照合領域を定める第6ステップ(S200、S270)を備え、
    前記第6ステップでは、前記照合領域が前記入力画像の全域をカバーするように、前記照合領域を所定画素単位でずらしながら、複数回、前記照合領域を定め、
    前記第2ステップでは、前記入力画像として、前記第6ステップで定められた照合領域を用いて、前記固有値テンプレート画像との畳み込み演算を行って、前記相関値を算出し、
    さらに、前記固有値テンプレート画像毎に算出された各相関値の絶対値の和と所定の閾値とを比較し、各相関値の絶対値の和が前記所定の閾値に満たない場合、前記第3ステップ以降の処理の対象から除外する第7ステップ(S230)を備える請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理方法。
  8. 前記第3ステップは、
    前記FFT演算処理により算出した回転角度毎の類似度の中の最大類似度に対して、以下の数式2で示すフィルタ処理を施すフィルタステップを含む請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理方法。
    ただし、peakは最大類似度、meanは類似度の平均値、σは類似度の分散値である。
  9. 入力画像と所定のテンプレート画像との照合を行うことで、前記入力画像において、前記テンプレート画像に対応する対象物を検出する画像処理装置であって、
    前記テンプレート画像を、所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分を基底として、回転方向に周波数分解することにより算出した、前記周波数成分と同数の固有値テンプレート画像を記憶する記憶部(21)と、
    前記入力画像と、前記記憶部に記憶された固有値テンプレート画像とを畳み込み演算することにより、前記固有値テンプレート画像毎に、前記入力画像との相関値を算出する相関値算出部(S210)と、
    算出された前記相関値に対して、所定の回転方向を基準とするFFT演算処理を行って、回転角度毎の類似度を算出する類似度算出部(S240)と、
    前記回転角度毎の類似度から、前記入力画像における前記対象物の回転角度を算出する回転角度算出部(S250、S260)と、を備える画像処理装置。
  10. 前記所定の周波数範囲に属する低周波から高周波までの所定数の周波数成分は、直流成分を下限とし、所定の基準周波数を上限とするものである請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記入力画像と前記テンプレート画像について、それぞれ、輝度勾配の強度と向きからなる複素勾配画像を計算し、その複素勾配画像の位相成分を取り出した画像に変換する変換部を備える請求項9又は10に記載の画像処理装置。
  12. 前記変換部は、複素画像を以下の数式3を用いて、作成する請求項11に記載の画像処理装置。
    ただし、T、Tは、元の画像Tの水平、垂直方向の微分画像である。
  13. 前記入力画像は、前記テンプレート画像よりも広い画像エリアを有しており、前記入力画像において、前記テンプレート画像と照合される照合領域を定める照合領域設定部(S200、S270)を備え、
    前記照合領域設定部は、前記照合領域が前記入力画像の全域をカバーするように、前記照合領域を所定画素単位でずらしながら、複数回、前記照合領域を定め、
    前記相関値算出部は、前記入力画像として、前記照合領域設定部によって定められた照合領域を用いて、前記固有値テンプレート画像との畳み込み演算を行って、前記相関値を算出し、
    さらに、前記固有値テンプレート画像毎に算出された各相関値の絶対値の和と所定の閾値とを比較し、各相関値の絶対値の和が前記所定の閾値に満たない場合、前記類似度算出部における類似度の算出対象から除外する相関値判定部(S230)を備える請求項9乃至12のいずれかに記載の画像処理装置。
  14. 前記類似度算出部は、
    前記FFT演算処理により算出した回転角度毎の類似度の中の最大類似度に対して、以下の数式4で示すフィルタ処理を施すフィルタ部を含む請求項9乃至13のいずれかに記載の画像処理装置。
    ただし、peakは最大類似度、meanは類似度の平均値、σは類似度の分散値である。
JP2015216223A 2015-11-03 2015-11-03 画像処理方法及び画像処理装置 Expired - Fee Related JP6665488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216223A JP6665488B2 (ja) 2015-11-03 2015-11-03 画像処理方法及び画像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216223A JP6665488B2 (ja) 2015-11-03 2015-11-03 画像処理方法及び画像処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017090983A true JP2017090983A (ja) 2017-05-25
JP6665488B2 JP6665488B2 (ja) 2020-03-13

Family

ID=58768466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015216223A Expired - Fee Related JP6665488B2 (ja) 2015-11-03 2015-11-03 画像処理方法及び画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6665488B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110517307A (zh) * 2019-06-20 2019-11-29 福州瑞芯微电子股份有限公司 利用卷积实现基于激光散斑图的立体匹配方法
WO2021176902A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10 ソニーグループ株式会社 学習処理装置、ロボット制御装置、および方法、並びにプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110517307A (zh) * 2019-06-20 2019-11-29 福州瑞芯微电子股份有限公司 利用卷积实现基于激光散斑图的立体匹配方法
WO2021176902A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10 ソニーグループ株式会社 学習処理装置、ロボット制御装置、および方法、並びにプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6665488B2 (ja) 2020-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mukherjee et al. A comparative experimental study of image feature detectors and descriptors
JP4825253B2 (ja) 可変形オブジェクト認識のためのシステムおよび方法
Zheng et al. Revisiting the pnp problem: A fast, general and optimal solution
CN109839624A (zh) 一种多激光雷达位置标定方法及装置
CN109099852A (zh) 一种测量风力机叶片相对变形的结构故障检测方法及系统
CN107292925A (zh) 基于Kinect深度相机测量方法
CN107516322A (zh) 一种基于对数极空间的图像物体大小和旋转估计计算方法
CN109074643B (zh) 图像中的基于方位的对象匹配
WO2015035462A1 (en) Point feature based 2d-3d registration
JP5809575B2 (ja) 画像処理装置および方法と歪補正マップ作成装置および方法と半導体計測装置
Caporali et al. Pointcloud-based identification of optimal grasping poses for cloth-like deformable objects
JP6665488B2 (ja) 画像処理方法及び画像処理装置
CN114638891A (zh) 基于图像和点云融合的目标检测定位方法与系统
CN111027512A (zh) 一种遥感图像近岸船检测与定位方法及装置
JP2015021824A (ja) 類識別フィルタ生成装置及び目標類識別装置
Wong et al. A study of different unwarping methods for omnidirectional imaging
CN113112471B (zh) 基于ri-hog特征及快速金字塔的目标检测方法
Ugolotti et al. GPU-based point cloud recognition using evolutionary algorithms
CN110895679B (zh) 机器视觉图像数据处理方法和装置
JP6616729B2 (ja) 演算装置、演算方法、及びプログラム
Moreno et al. Learning to grasp from point clouds
Cicconet et al. Finding mirror symmetry via registration
JP6719925B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、プログラム
JP2016118924A (ja) 特徴記述子作成装置及び特徴記述装置並びに方法及びプログラム
JP6565667B2 (ja) 固有値テンプレートの算出方法及び算出装置、並びにそれらを利用したマッチング方法及びマッチングシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6665488

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees