JP2017089517A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Tomohiro Kajita
知宏 梶田
祐司 野口
Yuji Noguchi
祐司 野口
丈雄 朝日
Takeo Asahi
丈雄 朝日
弘之 濱崎
Hiroyuki Hamazaki
弘之 濱崎
徹 榊原
Toru Sakakibara
徹 榊原
秀行 菅沼
Hideyuki Suganuma
秀行 菅沼
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Abstract

【課題】OCV用のボルトに仕切体が組込まれる際のボルトの変形を抑制する弁開閉時期制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、駆動側回転体に対して同軸芯に配置され、内燃機関のカムシャフトと同期回転する従動側回転体と、駆動側回転体及び従動側回転体の少なくとも一方に形成され、進角室と遅角室とに仕切られた流体圧室と、従動側回転体の回転軸芯と同軸芯に配置されて従動側回転体とカムシャフトとを連結し、回転軸芯と同軸芯の筒状部51aを有するボルト51と、筒状部51aに圧入される圧入部73を有し、筒状部51aを流体圧室に対する作動流体の給排に用いる第1流路と第2流路とに仕切る仕切体54と、を備え、圧入部73に径方向の肉厚が薄い薄肉部76を設けてある。【選択図】図7

Description

本発明は、流体を流通させる流路空間を仕切る仕切体を備えた弁開閉時期制御装置に関する。
内燃機関の弁開閉時期制御装置では、従動側回転体をカムシャフトに固定するボルトに形成された流路空間にOCV(オイルコントロールバルブ)を設けるものが存在する(例えば特許文献1)。ボルトの流路空間は従動側回転体と同軸芯に形成されており、該流路空間には、進角室又は遅角室に作動流体を供給する流路と、進角室又は遅角室から作動流体を排出する流路とに仕切る仕切体が圧入されている。
米国特許出願公開第2012/097122号明細書
特許文献1の構成では、ボルトと仕切体とは同種の金属材料で構成される。この場合、外側に位置する筒状のボルトの方が拡径変形することが多い。つまり、内部で圧縮される仕切体よりも、外部にあって周方向に引張変形を受けるボルトの方が変形し易いからである。このため、ボルトとその外周側の他部材とのクリアランスを設定する際にはボルトの変形分を考慮する必要が生じる。ただし、ボルトの変形を抑制するためにボルトの強度を仕切体よりも高めることでことも考えられる。しかし、ボルトの強度を高くすると靱性が低くなる等、高軸力を受けるボルトとしての信頼性が低下する。
上記実情に鑑み、OCV用のボルトに仕切体が組込まれる際のボルトの変形を抑制する弁開閉時期制御装置が望まれている。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の特徴構成は、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、前記駆動側回転体に対して同軸芯に配置され、前記内燃機関のカムシャフトと同期回転する従動側回転体と、前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の少なくとも一方に形成され、進角室と遅角室とに仕切られた流体圧室と、前記従動側回転体の回転軸芯と同軸芯に配置されて前記従動側回転体と前記カムシャフトとを連結し、前記回転軸芯と同軸芯の筒状部を有するボルトと、前記筒状部に圧入される圧入部を有し、前記筒状部を前記流体圧室に対する作動流体の給排に用いる第1流路と第2流路とに仕切る仕切体と、を備え、前記圧入部に径方向の肉厚が薄い薄肉部を設けた点にある。
本構成では、ボルトの筒状部に圧入される仕切体の圧入部に径方向の肉厚が薄い薄肉部が設けられている。圧入部は薄肉部が設けられることで、仕切体をボルトに圧入する際に仕切体が変形し易くなる。その結果、ボルトの変形が抑制され、ボルトとその外周側の他部材とのクリアランスの設定が容易になる。
本発明の他の特徴構成は、前記薄肉部が溝状の凹部によって形成されている点にある。
本構成の如く、圧入部に形成した凹部の形状を溝状にすることで、切削や鍛造等による凹部の加工が可能となり、圧入部への薄肉部の形成が容易となる。
本発明の他の特徴構成は、前記凹部が前記回転軸芯に沿う方向に形成されている点にある。
本構成の如く、凹部が回転軸芯に沿う方向に形成されていることで、仕切体がボルトに圧入された状態で、仕切体の当接部は回転軸芯に沿って均等に変形することとなり、仕切体には回転軸芯に沿って均等な当接力が発生する。よって、仕切体の圧入状態が安定的なものとなる。その結果、ボルトに変形が生じるのを防止することができる。
本発明の他の特徴構成は、前記凹部が前記回転軸芯の周方向に形成されている点にある。
本構成であれば、ボルトの内面に対して周方向に形成された凹部の位置では仕切体は変形が容易になる。一方、凹部が形成されていない部分は変形し難くなるため、周方向の凹部の形状を変えることで圧入の強さを調節することができる。また、圧入部の表面に周方向の凹部を形成する加工は、仕切体を回転させながら切削加工を行うなど容易である。
本発明の他の特徴構成は、前記圧入部が前記回転軸芯と同軸状の筒状に形成されており、前記凹部が前記圧入部の内周面に形成されている点にある。
本構成のように、凹部を圧入部の内周面に形成することで、圧入部の外周面に凹部を設けることなく薄肉部を形成することができる。これにより、仕切体は圧入部の外周面全体がボルトの内面と密着するので、ボルトと仕切体との隙間を介した作動流体の漏出を防止することができる。
本発明の他の特徴構成は、前記圧入部において前記回転軸芯に沿う方向に前記凹部が形成されていない領域を設ける点にある。
本構成の如く、圧入部に凹部が形成されていない領域を設けることで、ボルトの内面と仕切体の外周面とが密着する領域を形成し、仕切体がボルトの内面に強固に保持される部位を確保することができる。また、圧入部に凹部が形成されていない領域が存在することで、ボルトの筒状部と仕切体との隙間から作動流体が漏れ出すのを防止することができる。
弁開閉時期制御装置の全体構成を示す断面図である。 図1におけるII−II断面図である。 流体制御弁を備えるボルトの分解斜視図である。 ボルト及びボルトの周囲の流路を示す断面図である。 仕切体の縦断面図である。 仕切体の正面図である。 仕切体による流路仕切構造を示す要部断面図である。 別形態の仕切体の縦断面図である。 別形態の仕切体の正面図である。 別形態の仕切体の正面図である。 別形態の仕切体の正面図である。 別形態の仕切体の正面図である。 別形態の仕切体の断面図である。 別形態の仕切体の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1及び図2に示すように、駆動側回転体としての外部ロータ20と、従動側回転体としての内部ロータ30と、作動流体としての作動油を制御する電磁制御弁40とを備えて弁開閉時期制御装置Aが構成されている。
内部ロータ30(従動側回転体の一例)は、吸気カムシャフト5の回転軸芯Xと同軸芯に配置されると共に、一体回転するように連結ボルト50により吸気カムシャフト5に螺合連結している。外部ロータ20(駆動側回転体の一例)は、回転軸芯Xと同軸芯に配置され、内部ロータ30を内包することにより、内部ロータ30に対し相対回転自在に支持されている。この外部ロータ20は、内燃機関としてのエンジンEのクランクシャフト1と同期回転する。
電磁制御弁40は、エンジンEに支持される電磁ソレノイド44を備えると共に、連結ボルト50のスプール室51Sに収容されたスプール41と、スプールスプリング42とを備えている。
電磁ソレノイド44は、スプール41の外端部に当接するように回転軸芯Xと同軸芯に配置されるプランジャ44aを備えており、内部のソレノイドに供給する電力の制御により、プランジャ44aの突出量を設定してスプール41の操作位置を設定する。これにより作動油(作動流体の一例)を制御し、この作動油の制御により外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相を設定し、吸気バルブ5Vの開閉時期の制御を実現する。
〔エンジンと弁開閉時期制御装置〕
図1には、エンジンE(内燃機関の一例)は、乗用車などの車両に備えられるものを示しており、このエンジンEは、上部位置のシリンダブロック2のシリンダボアの内部にピストン3を収容し、このピストン3とクランクシャフト1とをコネクティングロッド4で連結した4サイクル型に構成されている。エンジンEの上部には、吸気バルブ5Vを開閉作動させる吸気カムシャフト5と図示されない排気カムシャフトとを備えている。
吸気カムシャフト5を回転自在に支持するエンジン構成部材10には、エンジンEで駆動される油圧ポンプP(流体圧ポンプの一例)からの作動油を供給する供給流路8が形成されている。油圧ポンプPは、エンジンEのオイルパンに貯留される潤滑油を、供給流路8を介して作動油(作動流体の一例)として電磁制御弁40に供給する。
エンジンEのクランクシャフト1に形成した出力スプロケット6と、外部ロータ20のタイミングスプロケット22Sとに亘ってタイミングチェーン7が巻回されている。これにより外部ロータ20は、クランクシャフト1と同期回転する。尚、排気側の排気カムシャフトの前端にもスプロケットが備えられ、このスプロケットにもタイミングチェーン7が巻回されている。
図2に示すように、クランクシャフト1からの駆動力により外部ロータ20が駆動回転方向Sに向けて回転する。内部ロータ30が外部ロータ20に対して駆動回転方向Sと同方向に相対回転する方向を進角方向Saと称し、この逆方向を遅角方向Sbと称する。この弁開閉時期制御装置Aでは、相対回転位相が進角方向Saに変位する際に変位量の増大に伴い吸気圧縮比を高め、相対回転位相が遅角方向Sbに変位する際に変位量の増大に伴い吸気圧縮比を低減するようにクランクシャフト1と吸気カムシャフト5との関係が設定されている。
尚、この実施形態では、吸気カムシャフト5に弁開閉時期制御装置Aを備えているが、弁開閉時期制御装置Aを排気カムシャフトに備えることや、吸気カムシャフト5と排気カムシャフトとの双方に備えても良い。
外部ロータ20は、外部ロータ本体21と、フロントプレート22と、リヤプレート23とを有しており、これらが複数の締結ボルト24の締結により一体化されている。フロントプレート22の外周にはタイミングスプロケット22Sが形成されている。また、フロントプレート22の内周には、環状部材9を相対回転自在に配置しており、この環状部材9に対して連結ボルト50のボルト頭部52が圧着することにより、この環状部材9と、内部ロータ本体31と吸気バルブ5Vとが一体化する。
〔油圧制御構成〕
外部ロータ本体21には、径方向で内側に突出する複数の突出部21Tが一体的に形成されている。内部ロータ30は、外部ロータ本体21の突出部21Tに密接する円柱状の内部ロータ本体31と、外部ロータ本体21の内周面に接触するように内部ロータ本体31の外周から径方向の外方に突出する4つのベーン部32とを有している。
これにより、外部ロータ20が内部ロータ30を内包し、回転方向で隣接する突出部21Tの中間位置で、内部ロータ本体31の外周側に複数の流体圧室Cが形成される。これらの流体圧室Cがベーン部32で仕切られ、進角室Caと遅角室Cbとが区画形成される。進角室Caに連通する進角流路33が内部ロータ30に形成され、遅角室Cbに連通する遅角流路34が内部ロータ30に形成されている。
図1に示すように、外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相(以下、相対回転位相と称する)を最遅角位相から進角方向Saに付勢力を作用させて進角方向Saへの変位をアシストするトーションスプリング28が、外部ロータ20と環状部材9とに亘って備えられている。
また、外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相を最遅角位相にロック(固定)するロック機構Lを備えている。このロック機構Lは、1つのベーン部32に対し回転軸芯Xに沿う方向に出退自在に支持されるロック部材26と、このロック部材26を突出付勢するロックスプリングと、リヤプレート23に形成したロック凹部とを備えて構成されている。尚、ロック機構Lは、径方向に沿って移動するようにガイドされるロック部材26を備えて構成しても良い。
このロック機構Lは、相対回転位相が最遅角位相に達することにより、ロック部材26がロックスプリングの付勢力によりロック凹部に係合し、相対回転位相を最遅角位相に保持するように機能する。また、ロック凹部に進角流路33が連通しており、進角流路33に作動油が供給された場合に、作動油圧によりロック部材26をロック凹部から離脱させロック解除を行えるようにも構成されている。
〔連結ボルト〕
図1及び図3〜図4に示すように、連結ボルト50は、一部が筒状となるボルト本体51と、このボルト本体51の筒状部51aに外嵌する円筒状のスリーブ55と、これらを位置決めする係合部材としての係合ピン57とを備えている。
吸気カムシャフト5には回転軸芯Xを中心にして雌ネジ部5Sが形成されると共に、スリーブ55が密嵌合するように雌ネジ部5Sより大径となるシャフト内空間5Tが形成されている。シャフト内空間5Tには、前述した供給流路8と連通しており、油圧ポンプPから作動油が供給される。
ボルト本体51の外端部にはボルト頭部52が形成され、内端部に雄ネジ部53が形成されている。この構成から、ボルト本体51の雄ネジ部53を吸気カムシャフト5の雌ネジ部5Sに螺合させ、ボルト頭部52の回転操作により内部ロータ30が吸気カムシャフト5に締結される。この締結状態ではボルト本体51に外嵌するスリーブ55の外周の内端側(雄ネジ側)がシャフト内空間5Tの内周面に密接すると共に、外端側(ボルト頭側)が内部ロータ本体31の内周面に密接する。
ボルト本体51の内部には、ボルト頭部52から雄ネジ部53に向けて回転軸芯Xと同軸芯に筒状部51aが形成されている。筒状部51aにリテーナ54(仕切体の一例)が圧入固定されている。リテーナ54により、筒状部51aは、スプール室51S(第2流路の一例)と、流体室としての作動油室51T(第1流路の一例)とに仕切られる。作動油室51T及びスプール室51Sは流体圧室Cの給排に用いられる。
リテーナ54は、スプール室51Sの側から順に係止部71、フランジ72、圧入部73、及び係合部74を有する。係止部71は、フランジ72からスプール室51Sに向けて突出しスプールスプリング42が保持される。筒状部51aにはスプール室51Sと作動油室51Tとの境界に段部51dが設けられており、段部51dにフランジ72が当接する。圧入部73は筒状部51aのうち作動油室51Tの内周面に圧入される。係合部74は後述するチェックボール63のボールホルダ(弁収容体の一例)61に係合する。
リテーナ54は作動油室61Tの側に開口する孔部75を有し、圧入部73が回転軸芯Xと同軸状の筒状に形成されている。孔部75の内周面には対向する位置に溝状の凹部76が2つ備えられている。凹部76は回転軸芯Xに沿う方向に形成されている。この凹部76によって圧入部73に径方向の肉厚が薄い薄肉部76が設けられる。
弁開閉時期制御装置Aにおいて、OCV用の連結ボルト50に形成された筒状部51aを仕切るのに、筒状部51aの開口からリテーナ54を圧入すると、外側に位置する筒状のボルト本体51の方が拡径変形することが多い。つまり、内部で圧縮されるリテーナ54よりも、外部にあって周方向に引張変形を受けるボルト本体51の方が変形し易いからである。本実施形態では、リテーナ54の圧入部73の内周面に溝状の凹部76が形成されることで、径方向の肉厚が薄い薄肉部76が設けられている。こうして、圧入部73が薄肉部76を有することで、リテーナ54をボルト本体51に圧入する際にリテーナ54が変形し易くなる。その結果、ボルト本体51の径方向外方への変形を抑制することができ、ボルト本体51とその外周側の他部材とのクリアランスの設定が容易になる。
また、凹部76が回転軸芯Xに沿う方向に形成されていることで、リテーナ54がボルト本体51に圧入された状態で、リテーナ54の当接部は回転軸芯Xに沿って均等に変形することとなり、リテーナ54には回転軸芯Xに沿って均等な当接力が発生する。よって、リテーナ54の圧入状態が安定的なものとなる。その結果、ボルト本体51に変形が生じるのを防止することができる。
スプール室51Sは、シリンダ内面状に形成され、回転軸芯Xに沿って往復移動自在に前述したスプール41が収容され、このスプール41の内端とリテーナ54との間にスプールスプリング42が配置されている。これにより、スプール41は外端側(ボルト頭部52の方向)の方向に突出するように付勢される。
ボルト本体51には、作動油室51Tとシャフト内空間5Tとを連通させる複数の取得流路51mが形成されると共に、作動油室51Tとボルト本体51の外周面との間に複数の中間流路51nが形成されている。
作動油室51Tのうち、取得流路51mから中間流路51nに作動油を送る流路にチェックバルブCVが備えられている。このチェックバルブCVは、ボールホルダ61(弁収容体の一例)と、チェックスプリング62と、チェックボール63(弁体の一例)とで構成されている。
このチェックバルブCVでは、チェックスプリング62がリテーナ54とチェックボール63との間に配置されている。具体的には、リテーナ54に形成された孔部75とチェックボール63との間にチェックスプリング62が配置され、チェックスプリング62の付勢力でチェックボール63をボールホルダ61の開口に圧接して流路を閉塞する。ボールホルダ61にはチェックボール63に向けて流れる作動油から塵埃を除去するオイルフィルタ64が設けられている。
図7に示すように、ボールホルダ61はスプール室51Sに向けて開口し、スプール室51Sの側の端部がリテーナ54の係合部74を外嵌する被係合部65として構成されている。ボールホルダ61は例えば樹脂材等で構成されている。被係合部65のリテーナ54側の端面66とこれに対向するリテーナ54の端面(圧入部73と係合部74との間に形成される端面)78との間には、空間S1が形成される。
リテーナ54をボルト本体51に圧入する際に、径寸法によっては、ボルト本体51の内面が削られて異物が発生することがある。しかし、圧入部73の挿入方向前側に空間S1が設けられているため、空間S1に異物を封じ込めて流路への異物の流出を防止することができる。すなわち、空間S1を異物溜りとして用いることができる。
リテーナ54をボルト本体51に圧入する際に発生する異物は、圧入部73の挿入方向手前側であるスプール室51Sの側に発生することがある。そこで、スプール室51Sと作動油室51Tとの境界に設けられた段部51dと、リテーナ54のフランジ72の径方向基部との間に異物溜りとなる空間S2が形成されている。段部51dの角部51eが面取りされて空間S2が拡張されている。これにより、圧入部73の挿入方向手前側に発生する異物については、空間S2に封入して流路への異物の流出を防止することができる。
チェックバルブCVは、作動油室51Tに供給される作動油の圧力が所定値を超える場合にはチェックスプリング62の付勢力に抗して流路を開放し、圧力が所定値未満まで低下した場合にチェックスプリング62の付勢力により流路を閉塞する。この作動により、作動油の圧力低下時に進角室Ca又は遅角室Cbから作動油の逆流を阻止し、弁開閉時期制御装置Aの位相の変動が抑制される。また、チェックバルブCVは、このチェックバルブCVの下流側の圧力が所定値を超える場合にも閉塞する作動を行う。ここで、孔部75が筒状であると、孔部75に満たされる作動油がチェックボール63の動作の妨げになることがある。しかし、孔部75の内周面には凹部76が形成されているため、凹部76が作動油の逃がし溝として機能することで、チェックボール63の作動性を向上させることができる。
〔電磁制御弁〕
前述したように、電磁制御弁40は、スプール41とスプールスプリング42と電磁ソレノイド44とを備えている。
ボルト本体51には、スプール室51Sとボルト本体51の外周面とを連通させる一対のポンプポート50Pが貫通孔として形成されている。また、連結ボルト50には、スプール室51Sとスリーブ55の外周面とを連通させる複数の進角ポート50Aと、遅角ポート50Bとがボルト本体51とスリーブ55とに亘る貫通孔として形成されている。
進角ポート50Aと、ポンプポート50Pと、遅角ポート50Bとは、この順序で連結ボルト50の外端側から内端側に配置されている。また、回転軸芯Xに沿う方向視において進角ポート50Aと、遅角ポート50Bとが互いに重複する位置に形成され、これらとは重複しない位置にポンプポート50Pが形成されている。
スリーブ55の外周には、複数の進角ポート50Aが連通する環状溝が形成され、これに対して複数の進角流路33に連通している。これと同様に、スリーブ55の外周には、複数の遅角ポート50Bが連通する環状溝が形成され、これに対して複数の遅角流路34が連通している。更に、スリーブ55の内周面には、中間流路51nとポンプポート50Pとを連通させる導入流路56が溝状に形成されている。
つまり、スリーブ55は、ボルト本体51のボルト頭部52から中間流路51nに達する寸法に成形され、導入流路56は、進角ポート50Aと遅角ポート50Bとを避ける領域に形成されている。
ボルト本体51には回転軸芯Xに沿う方向でリテーナ54の圧入固定位置から外れた位置に凹状の第1係合部51fが形成され、スリーブ55には、径方向に貫通する孔状の第2係合部55fが形成され、第1係合部51fと第2係合部55fとに亘って両者に係合する係合ピン57が備えられている。
係合部51f、55fと係合ピン57との係合により、ボルト本体51とスリーブ55との回転軸芯Xを中心とした相対回転姿勢と、これらの回転軸芯Xに沿う方向での相対位置が決まる。これにより、作動油室51Tからの作動油を、導入流路56を介してポンプポート50Pに供給できる。
スプール41は、プランジャ44aが当接する当接面を外端側に形成し、回転軸芯Xに沿う方向での2箇所にランド部41Aを形成し、これらのランド部41Aの中間位置にグルーブ部41Bを形成している。このスプール41は中空に形成され、スプール41の突出端にはドレン孔41Dが形成されている。また、連結ボルト50の外端側の開口内周に備えたストッパー43に当接することにより、突出側の位置が決まる。
電磁制御弁40は、プランジャ44aをスプール41の当接面に当接させ、突出量を制御することにより、スプール41を中立ポジション(図4)と、遅角ポジションと、進角ポジションとに設定できるように構成されている。
スプール41を図4に示す中立ポジションに設定することにより、スプール41の一対のランド部41Aにより進角ポート50Aと遅角ポート50Bとが閉塞される。その結果、進角室Caと遅角室Cbとに対する作動油の給排は行われず、弁開閉時期制御装置Aの位相が維持される。
電磁ソレノイド44の制御により、中立ポジション(図4)を基準にプランジャ44aを引退させ(外方に作動させ)ることによりスプール41が進角ポジションに設定される。この進角ポジションでは、グルーブ部41Bを介してポンプポート50Pが進角ポート50Aに連通する。これと同時に遅角ポート50Bをスプール41の内端からスプール室51Sに連通させる。これにより、進角室Caに作動油が供給され遅角室Cbから作動油がスプール41の内部を流れ、ドレン孔41Dから排出される。その結果、吸気カムシャフト5の回転位相を進角方向Saに変位させる。
尚、ロック機構Lがロック状態にある状況では、スプール41が進角ポジションに設定され、進角流路33に作動油が供給された場合には、作動油が進角流路33からロック機構Lのロック凹部に供給され、このロック凹部からロック部材26を離脱させロック機構Lのロック状態が解除される。
また、電磁ソレノイド44の制御により、中立ポジション(図4)を基準にプランジャ44aを突出させ(内方に作動させ)ることによりスプール41が遅角ポジションに設定される。この遅角ポジションでは、グルーブ部41Bを介してポンプポート50Pが遅角ポート50Bと連通する。これと同時に進角ポート50Aをドレン空間(スプール室51Sから外端側に連なる空間)に連通させるため遅角室Cbに作動油を供給すると同時に進角室Caから作動油を排出する。その結果、吸気カムシャフト5の回転位相を遅角方向Sbに変位させる。尚、この遅角ポジションは、スプール41がスプールスプリング42の付勢力によりストッパー43に当接する位置と一致する。
〔第2実施形態〕
図8及び図9に示すように、圧入部73の外周側に凹部76が形成されている。凹部76は回転軸芯Xに沿う方向の領域の一部に形成され、圧入部73においてフランジ72の側の領域73Aには凹部76が形成されていない。こうして、圧入部73には回転軸芯Xに沿う方向に凹部76が形成されていない領域73Aが設けられている。
当該領域73Aにおいてボルト本体51の内面とリテーナ54の外周面とが密着するため、リテーナ54においてボルト本体51の内面に強固に保持される部位を確保することができる。また、圧入部73に凹部76を有しない領域73Aを設けることで、ボルト本体51の筒状部51aにおいてリテーナ54を介する作動油の漏出を防止することができる。
〔他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、圧入部73の薄肉部を設けるために内周面又は外周面に溝状の凹部76を形成する例を示したが、薄肉部はリテーナ54の径方向の一部を押圧する等、他の方法を用いて形成してもよい。
(2)第1実施形態では、圧入部73の内周面の周方向において2つの凹部76が対向する位置に形成された例を示したが、図10に示すように、凹部76は周方向において90度間隔で配置されてもよい。凹部76の数は特に限定されるものではなく、周方向の間隔を不均等にして複数の凹部76を形成してもよい。
(3)上記の実施形態では、凹部76が圧入部73の外周面及び内周面のいずれか一方に形成される例を示したが、図11に示すように、凹部76は圧入部73の内周面及び外周面の両方に形成してもよい。
(4)上記の実施形態では、圧入部73に円弧状の凹部76を形成した例を示したが、凹部76は円弧状に限定されるものではなく、例えば図12に示す山形状等、円弧状以外の形状であってもよい。
(5)上記実施形態では、圧入部73において凹部76が回転軸芯Xを軸芯とする周方向の一部に形成された例を示したが、図13及び図14に示すように、凹部76を周方向の全域に形成してもよい。図13では圧入部73の外周側において全周域に亘る凹部76が形成されており、図14では圧入部73の内周側において全周域に亘る凹部76が形成されている。
特に、図13に示す例では、凹部76がフランジ72と圧入部73との間に位置するため、フランジ72と圧入部73のうちボルト本体51の内面に当接する部位とが離間している。このため、圧入部73を変形し易くすることができ、かつ圧入部73がボルト本体51の内面に適切に当接させることができる。これにより、リテーナ54による作動油の漏出を防止しつつ、リテーナ54のボルト本体51への嵌合が確実なものとなる。
本発明は、流体圧により弁開閉タイミングを設定する弁開閉時期制御装置に利用することができる。
1 クランクシャフト
5 カムシャフト(吸気カムシャフト)
20 駆動側回転体(外部ロータ)
30 従動側回転体(内部ロータ)
51 ボルト本体
51a 筒状部
51T 流体室(作動油室)
54 リテーナ(仕切体)
73 圧入部
76 凹部(薄肉部)
E 内燃機関(エンジン)
X 回転軸芯

Claims (6)

  1. 内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、
    前記駆動側回転体に対して同軸芯に配置され、前記内燃機関のカムシャフトと同期回転する従動側回転体と、
    前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の少なくとも一方に形成され、進角室と遅角室とに仕切られた流体圧室と、
    前記従動側回転体の回転軸芯と同軸芯に配置されて前記従動側回転体と前記カムシャフトとを連結し、前記回転軸芯と同軸芯の筒状部を有するボルトと、
    前記筒状部に圧入される圧入部を有し、前記筒状部を前記流体圧室に対する作動流体の給排に用いる第1流路と第2流路とに仕切る仕切体と、を備え、
    前記圧入部に径方向の肉厚が薄い薄肉部を設けた弁開閉時期制御装置。
  2. 前記薄肉部が溝状の凹部によって形成されている請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記凹部が前記回転軸芯に沿う方向に形成されている請求項2に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 前記凹部が前記回転軸芯の周方向に形成されている請求項2又は3に記載の弁開閉時期制御装置。
  5. 前記圧入部が前記回転軸芯と同軸状の筒状に形成されており、前記凹部が前記圧入部の内周面に形成されている請求項2〜4のいずれか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
  6. 前記圧入部において前記回転軸芯に沿う方向に前記凹部が形成されていない領域を設ける請求項2〜5のいずれか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
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