JP2017089015A - 壁紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁紙にピンホールが存在する場合であっても、それを視認できないようにする壁紙を提供する。
【解決手段】壁紙は、第1次の模様又は模様と色彩の第1次の組合せに、色点模様を重畳することにより得た第2次の模様又は模様と色彩の第2次の組合せを表面に施したものである。
【選択図】図1
【解決手段】壁紙は、第1次の模様又は模様と色彩の第1次の組合せに、色点模様を重畳することにより得た第2次の模様又は模様と色彩の第2次の組合せを表面に施したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物の部屋、廊下などの壁に貼る壁紙に関する。
建築物の部屋、廊下などの壁にはさまざまな種類のものがあるが、住宅やオフィスの壁には、壁紙が貼られることが多い。近年は、壁紙としては、裏打紙と、塩化ビニル系樹脂のゾルを発泡させたものと、インクによるパターンを付した表面層とを積層したものが多く用いられている。また、塩化ビニル系樹脂の発泡時にエンボス加工を施して、表面に凹凸を持たせたものもある。
ところで、住宅やオフィスの壁に、カレンダー、写真などを配置することは通常行われることであるが、配置のためには、ピンが用いられることが多い。例えば、カレンダーは、一か所又は数か所が壁にピン留めされる。
壁に配置したカレンダー、写真などは、配置されたままであることもあるが、不要となった場合には、壁から除去されることが多い。壁に壁紙が貼られていたという状況のもとで、壁にピン留めされていたカレンダー、写真などを除去すると、それまでピン留めのために利用されていたピンが壁に刺さっていた痕が残ってしまう。具体的には、壁紙を通して壁に刺さったピンが貫通していたピンホールが壁紙の表面から視認できる状態となって壁紙に形成されたままとなってしまう。
壁紙にこのようにして形成されたピンホールは、部屋の美観を損なうものであるため、美観を維持するためには、このようなピンホールが視認できないようになることが望まれる。
ピンホールを埋めるためのパテが市販されているが、それを利用することは費用も手間もかかってしまう。
そこで、本発明は、壁紙にピンホールが存在する場合であっても、それを視認できないようにする壁紙を提供することを目的とする。
本発明によれば、第1次の模様又は模様と色彩の第1次の組合せに、色点模様を重畳することにより得た第2次の模様又は模様と色彩の第2次の組合せを表面に施した壁紙が提供される。
また、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記色点模様は、当該壁紙に付けられるピンホールが当該色点模様に含まれる何れかの色点であると視認できるようなものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記色点模様は、複数の色点を不規則に分散して配置することにより構成されるものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記色点模様は、前記第1次の模様又は模様と色彩の前記第1次の組合せに同調するように複数の色点を分散させて配置することにより構成されるものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記色点模様は、これに含まれる複数の色点の大きさを揃えたものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記色点模様は、これに含まれる複数の色点の大きさを分散させたものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記色点模様は、当該壁紙のエンボス加工による模様と同調したものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、前記第1次の模様又は模様と色彩の前記第1次の組合せは、素材より得た原稿に基づいて生成したものであることを特徴とする壁紙が提供される。
更に、本発明によれば、上記の壁紙であって、プラスチック系壁紙、紙系壁紙又は繊維系壁紙であることを特徴とする壁紙が提供される。
本発明によれば、壁紙にピンホールが存在する場合であっても、それを視認できない。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による壁紙の模様101(本発明の「第2次の模様又は模様と色彩の第2次の組合せ」に相当する。)を示す平面図である。図1に示す模様101は、図2に示す模様103(本発明の「第1次の模様又は模様と色彩の第1次の組合せ」に相当する。)と図3に示す模様105(本発明の「色点模様」に相当する。)とを重ね合わせることにより(重畳することにより)得られたものである。
図1の模様101は、壁紙の表面層に施される模様として利用される。
図1乃至図3にはモノトーンの模様101、103、105を示している。しかし、モノトーンの模様をカラーの模様に置き換えた形態であってもよい。
図2の模様103は、一例として、繊維の生地のものとなっている。例えば、図2の模様を生成するにあたっては、繊維の生地を写真撮影して、この画像を図2の模様103として用いてもよい。図2の模様103の代わりに他の模様を用いてもよい。例えば、パターンが付けられたプラスチック加工品、金属加工品、石材又は木材などを写真撮影して得た画像を図2の模様103として利用してもよい。また、幹、枝、葉、花などの植物の特定の箇所のそのままのものや切断面を写真撮影したものやアート化したものを図2の模様として用いてもよい。デザイナー等が作図装置を用いて創作したグラフィック模様を図2の模様として用いてもよい。つまり、従来からある如何なる壁紙の模様を用いてもよい。
図3の模様105は、黒点模様である。図3に示す黒点模様105においては、黒点の大きさが分散しており、また、黒点が不規則に分散して配置されている。従って、何れかの任意の位置に任意の大きさのピンホールがピンの抜き差しにより追加的に形成された場合、そのピンホールは、黒点模様に含まれる黒点のうちの1つの点であると視覚上認識することが可能となる。換言すると、ピンホールが追加された場合、そのピンホールを視覚的に探すことは殆ど不可能となる。つまり、この黒点模様は、任意の位置の任意の大きさのピンホールに対してマスキング効果を持つことになる。黒点模様が図3に示すようなものではなく、例えば、黒点の大きさが一定であれば、その大きさのピンホールに対してマスキング効果を持つのみとなり、他の大きさのピンホールに対してはマスキング効果を持たないこととなってしまう。また、黒点模様が図3に示すようなものではなく、例えば、黒点が規則的に配置されていれば、その規則に従った位置にあるピンホールに対してマスキング効果を持つのみとなり、他の位置にあるピンホールに対してはマスキング効果を持たないこととなってしまう。
更に、図3の黒点模様105は、ランダムノイズとして視覚上認識されるため、図2の模様103と図2の模様103に図3の黒点模様105を重ね合わせることにより形成される図1の模様101とを比較した場合、視覚上、殆ど差異を生じない。黒点模様が図3に示すようなものではなく、例えば、黒点の大きさが一定であれば、図1の模様101と図2の模様103とを比較した場合、視覚上の印象が異なったものとなってしまう。また、黒点模様105が図3に示すようなものではなく、例えば、黒点が規則的に配置されていれば、図1の模様101と図2の模様103とを比較した場合、視覚上の印象が異なったものとなってしまう。
但し、黒点模様を大きさと位置の点においてランダムとする要件を満たした上で、配置や大きさを調整してもよい。特に、この要件を満たした上で、黒点模様を重ね合わせる前の模様に同調させて、黒点模様の配置や大きさ(例えば、これらの平均値や分散)を調整してもよい。
また、黒点模様と重ねあわされる模様(つまり、図2に示す模様に対応する模様)自体がピンホールに対してある程度以上のマスキング効果を持つようなものであれば、黒点模様を大きさと位置の点においてランダムとする要件を緩めて、配置や大きさを調整してもよい。特に、この要件を緩めて、黒点模様を重ね合わせる前の模様に同調させて、黒点模様に含まれる黒点の配置や大きさを調整してもよい。
また、塩化ビニールの発泡の程度に平面に沿った分布を持たせることによりエンボス加工が施される壁紙に黒点模様を重ね合わせる場合には、マスキング効果を高めるために、エンボス加工によるパターンに同調させて黒点模様に含まれる黒点の配置や大きさを調整してもよい。
黒点模様に含まれる黒点の直径は、ピン留めのために利用されるピンの直径を考慮して決められる。黒点の直径の平均値をピンの直径に合わせてもよいが、その限りではない。ある程度の割合の数の黒点の直径がピンの直径とほぼ同じであることが望ましいが、その限りではない。
また、黒点模様に含まれる黒点の色についてであるが、必ずしも黒である必要はない。黒点模様と重ね合わされる模様に応じて黒点の色を調整してもよい。また、下地紙や壁の位置に応じて黒点の色を調整してもよい。また、黒点模様に含まれる黒点の色を必ずしも統一させる必要はない。例えば、黒点の大きさによって濃度を変えてもよいし、黒点模様と重ね合わされる模様の全体の色及び/又は局所的な色に同調するように変えてもよい。一般的にいうと、黒点模様に含まれる黒点の色の調整は、ピンホールが付けられてしまう前の審美性及びピンホールに対するマスキング効果を考慮して行う。本発明では、黒以外の色を含む黒点模様(例えば、茶色の点の模様)を総称して「色点模様」という。
図1に示す模様は、図2に示す模様と図3に示す色点模様とを重ね合わせることにより生成することができるという説明をしたが、特に、写真で撮影した素材から得た模様を図2に示す模様とするのでなければ、直接、図1に示す模様を生成するようにしてもよい。つまり、色点模様を含む模様を直接的に生成してもよい。直接的に生成した模様101から色点模様105を除去したものを図2に示す模様103であるとみなすことができる。
なお、壁紙の一般的な構成(図1に示す模様101以外の部分)及びその製造方法は、通常のものである。これらについての説明を簡単にする。
一般的に広く使用されている壁紙は、裏打紙の上に、塩化ビニル系ペースト樹脂、可塑剤、発泡剤、発泡促進剤、等の成分を添加してペーストゾル化したものを塗工してから、これを加熱発泡させ、それから、その表面に印刷やエンボス等の意匠を施す製造方法により製造される。この結果、裏打紙と主成分をビニル系ペースト樹脂とする層とが積層され、ビニル系ペースト樹脂の層の表面に意匠が施された壁紙を得ることができる。但し、壁紙は、ビニル系ペースト樹脂の層の上及び/又は下に他の層が追加して積層されたものであってもよい。
また、ビニル系ペースト樹脂を裏打紙に積層させた壁紙以外の壁紙に、上述したようなデザインを施すようにしてもよい。例えば、他の種類のプラスチック系壁紙(オレフィンを用いたものなど)、紙系壁紙(加工紙、紙布、和紙などを用いたもの)、繊維系壁紙(織物、不織布などを用いたもの)に、上述したようなデザインを施すようにしてもよい。
本発明は、壁紙に利用することができる。
101 本発明の実施形態による黒点模様と重ね合わされた後の模様
103 本発明の実施形態による黒点模様と重ね合わされる前の模様
105 本発明の実施形態による黒点模様
103 本発明の実施形態による黒点模様と重ね合わされる前の模様
105 本発明の実施形態による黒点模様
Claims (9)
- 第1次の模様又は模様と色彩の第1次の組合せに、色点模様を重畳することにより得た第2次の模様又は模様と色彩の第2次の組合せを表面に施した壁紙。
- 請求項1に記載の壁紙であって、
前記色点模様は、当該壁紙に付けられるピンホールが当該色点模様に含まれる何れかの色点であると視認できるようなものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1又は2に記載の壁紙であって、
前記色点模様は、複数の色点を不規則に分散して配置することにより構成されるものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1又は2に記載の壁紙であって、
前記色点模様は、前記第1次の模様又は模様と色彩の前記第1次の組合せに同調するように複数の色点を分散させて配置することにより構成されるものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の壁紙であって、
前記色点模様は、これに含まれる複数の色点の大きさを揃えたものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の壁紙であって、
前記色点模様は、これに含まれる複数の色点の大きさを分散させたものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載の壁紙であって、
前記色点模様は、当該壁紙のエンボス加工による模様と同調したものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の壁紙であって、
前記第1次の模様又は模様と色彩の前記第1次の組合せは、素材より得た画像に基づいて生成したものであることを特徴とする壁紙。 - 請求項1乃至8の何れか1項に記載の壁紙であって、
プラスチック系壁紙、紙系壁紙又は繊維系壁紙であることを特徴とする壁紙。
Priority Applications (1)
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2015
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