JP2017086551A - 脈波測定装置及び脈波測定方法 - Google Patents

脈波測定装置及び脈波測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易化かつ小型化に対応しつつ、正確に脈波を測定可能な脈波測定装置及び脈波測定方法を提供する。【解決手段】生体表面に対向配置されるキャビティと、キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサ52と、キャビティ内部の体積を変動させるメンブレン型振動子53と、を有する複数の脈波検出部5と、差圧センサの出力に基づいて、生体表面の変位を算出する演算処理部74と、を備え、演算処理部は、メンブレン型振動子の駆動信号に基づいて、複数の脈波検出部から特定の脈波検出部を選定する選定部12とを有し、選定部によって選定された特定の脈波検出部の出力に基づいて、生体表面の変位を算出して脈波を測定する。【選択図】図2

Description

本発明は、生体の脈波を高精度に測定可能な脈波測定装置及び脈波測定方法に関する。
現在、脈波測定装置は、循環器の機能診断を行う医療機器だけではなく、運転手の眠気や体調異常の検知、スポーツトレーニング状況の管理、又は高齢者や病気予後の見守り(病状急変や体調異常のモニタリング)など、幅広い用途が見込まれている。
脈波を測定する手法は種々提案されているが、圧脈波を検知することで、脈波を測定する手法が知られている。圧脈波とは、動脈血管に伝わる圧力波のことであり、皮膚などの生体表面の変動に基づいて検知することができる。ただし、圧脈波を検知するには、生体表面の微小な変位を検知できる装置を、例えば生体表面において動脈の対応位置に一定圧で密着させる必要がある。
このため、正確に動脈の位置を把握していなくても装置を装着でき、かつ測定対象の動作によって装置と動脈との位置ずれが発生しても、確実に圧脈波を検知し続けられるよう、複数の圧力検出素子が設けられた脈波測定装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2004−222847号公報
しかしながら、測定対象が動作可能な状況で、圧脈波を正確に検知するには、まず、高い分解能の圧力検出素子(圧力センサ)を、生体表面における動脈近傍に対して一定圧力で圧接することが必要になるが、この場合は、当該圧力検出素子を生体表面に対して圧接するための加圧機構等が必要となり、これにより、脈波測定装置が大型化し、測定対象の動作が制限されてしまうという課題があった。
さらに、複数の圧力検出素子を全て駆動させるので、それぞれの圧力検出素子から出力されるデータに対し、測定対象の動作等に起因するノイズを除去し、圧脈波のみの情報を取り出した後、さらにその中から、信号強度及び信頼度の高い圧脈波情報を選定する処理が必要となる。しかし、圧脈波の情報には個体差や状況による変動が大きいため、選定条件があいまいかつ広範になる。よって、複数の圧脈波情報の中から、信号強度及び信頼度の高い圧脈波情報のみを選定しようとすると、複雑な処理回路や大容量のメモリが必要になり、脈波測定装置の複雑化、大型化につながってしまう。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、簡易化かつ小型化に対応しつつ、正確に脈波を測定可能な脈波測定装置及び脈波測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明にあっては、
生体表面の変位を算出することで脈波を測定する脈波測定装置であって、前記生体表面に対向配置されるキャビティと、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサと、前記キャビティ内部の体積を変動させるメンブレン型振動子と、を有する複数の脈波検出部と、前記差圧センサの出力に基づいて、前記生体表面の変位を算出する演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、
前記メンブレン型振動子の駆動信号に基づいて、前記差圧センサの出力信号を分離し、前記生体表面の変位に基づく情報を出力信号として出力する分離部と、前記分離部の出力信号に基づいて、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧を算出する差圧算出部と、前記差圧算出部の出力信号に基づいて、前記複数の脈波検出部から特定の脈波検出部を選定する選定部とを有し、前記選定部によって選定された前記特定の脈波検出部の出力に基づいて、生体表面の変位を算出して脈波を測定することを特徴とする。
また、前記選定部は、前記複数の脈波検出部から、前記差圧出力部の出力信号強度が最も大きな脈波検出部を、前記特定の脈波検出部として選定すると好適である。
また、前記演算処理部は、前記特定の脈波検出部において算出された前記差圧と外気圧に基づいて、前記キャビティの内気圧を算出するキャビティ内気圧算出部と、前記差圧に基づいて、前記キャビティの内外を流通する空気の流通モル数を算出する空気流通モル数算出部と、前記空気流通モル数算出部により算出した流通モル数に基づいて、前記キャビティ内の空気モル数を算出する空気モル数算出部と、前記空気モル数算出部により算出した空気モル数と前記キャビティ内気圧算出部により算出したキャビティの内気圧に基づいて、前記キャビティ内の体積を算出する体積算出部と、前記体積算出部により算出したキャビティ内の体積に基づいて前記生体表面の変位を算出する変位算出部と、備えると好適である。
また、前記演算処理部は、前記差圧と対応した前記空気の流通モル数をデータベースとして記憶する流通モル数データベース部を有し、前記空気流通モル数算出部は、前記流通モル数データベース部に基づいて、前記差圧算出部により算出した前記差圧の大きさに応じた前記空気流通モル数を抽出すると好適である。
また、前記流通モル数データベース部は、前記キャビティ内外の圧力差と空気の流通量との関係を求め、当該関係と前記差圧に基づいて、前記空気流通モル数を算出することで生成されると好適である。
また、前記キャビティ内外を流通する空気の温度情報を取得する気温取得部を有し、前記空気モル数算出部は、前記温度情報と前記流通モル数に基づいて前記キャビティ内の空気モル数を算出すると好適である。
また、前記キャビティにおいて前記生体表面と対向する領域には可撓性を有した接触面が設けられていると好適である。
また、前記生体表面の変位によってキャビティの体積が変形しないリファレンス用脈波検知部を有すると好適である。
また、前記差圧センサは、前記キャビティの一部を塞ぐように設けられ、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に応じて撓み変形するカンチレバーと、前記カンチレバーの撓み変形に応じた変位を測定する変位測定部と、を有すると好適である。
また、本発明に係る脈波測定方法では、生体表面に対向配置されるキャビティと、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサと、前記キャビティ内部の体積を変動させるメンブレン型振動子と、を有する複数の脈波検出部を用いて、前記生体表面の変位を算出することで脈波を測定する脈波測定方法であって、、前記メンブレン型振動子の駆動信号に基づいて、前記差圧センサの出力信号を分離し、前記生体表面の変位に基づく情報を出力信号として出力する分離ステップと、前記分離ステップの出力信号に基づいて、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する差圧出力信号を出力する差圧算出ステップと、前記差圧算出ステップの出力信号に基づいて、前記複数の脈波検出部から特定の脈波検出部を選定する選定ステップとを有し、前記選定ステップによって選定された前記特定の脈波検出部の出力に基づいて、生体表面の変位を算出して脈波を測定することを特徴とする。
また、前記選定ステップでは、前記複数の脈波検出部から、前記差圧出力部の出力信号強度が最も大きな脈波検出部を、前記特定の脈波検出部として選定すると好適である。
また、前記選定ステップによって選定された前記特定の脈波検出部の出力に基づいて、生体表面の変位を算出する際は、前記特定の脈波検出部において算出された前記差圧と外気圧に基づいて、前記キャビティの内気圧を算出するキャビティ内気圧算出ステップと、前記差圧に基づいて、前記キャビティの内外を流通する空気の流通モル数を算出する空気流通モル数算出ステップと、前記空気流通モル数算出ステップにより算出した流通モル数に基づいて、前記キャビティ内の空気モル数を算出する空気モル数算出ステップと、前記空気モル数算出ステップにより算出した空気モル数と前記キャビティ内気圧算出ステップにより算出したキャビティの内気圧に基づいて、前記キャビティ内の体積を算出する体積算出ステップと、前記体積算出ステップにより算出したキャビティ内の体積に基づいて前記生体表面の変位を算出する変位算出ステップと、備えると好適である。
また、前記空気流通モル数算出ステップでは、前記差圧と対応した前記空気の流通モル数をデータベースとして記憶した流通モル数データベースに基づいて、前記差圧算出ステップにより算出した前記差圧の大きさに応じた前記空気流通モル数を抽出すると好適である。
また、前記流通モル数データベースは、前記キャビティ内外の圧力差と空気の流通量との関係を求め、当該関係と前記差圧に基づいて、前記空気流通モル数を算出することで生成されると好適である。
また、前記空気の温度情報を取得する気温取得ステップを有し、前記空気モル数算出ステップは、前記温度情報と前記流通モル数に基づいて前記キャビティ内の空気モル数を算出すると好適である。
また、前記生体表面の変位によってキャビティの体積が変形しないリファレンス用脈波検知ステップを有すると好適である。
また、少なくとも前記分離ステップと、前記差圧算出ステップと、前記キャビティ内気圧算出ステップと、前記空気流通モル数算出ステップと、前記空気モル数算出ステップと、前記体積算出ステップと、前記変位算出ステップと、を繰り返し実行する繰り返し処理ステップを有すると好適である。
また、前記繰り返し処理ステップは、設定した所定時間毎に実行すると好適である。
また、前記差圧算出ステップでは、所定時間毎の前記差圧出力信号の各々を記憶装置に格納し、格納した前記差圧出力信号に基づいて、前記所定時間毎の前記差圧を求めると好適である。
また、前記選定ステップは、前記差圧算出ステップにて出力される前記差圧出力信号が所定時間の間、予め定めた信号強度の基準値よりも低い状態が継続した後に実行されると好適である。
このように本発明によれば、簡易化かつ小型化に対応しつつ、正確に脈波を測定可能な脈波測定装置を提供することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る脈波測定装置1の概略構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る脈波測定装置1のブロック図である。 本発明の第1の実施形態における脈波検出部5の概略構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態における脈波検出部5の動作を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態における脈波検出部5の動作を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る脈波測定装置1の機能の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る脈波測定装置201のブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る脈波検出部205の概略構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態におけるリファレンス用脈波検出部215の概略構成図である。
以下、本発明に係る脈波測定装置、及び脈波測定方法の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(全体構成)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る脈波測定装置1の構成を示す。
本実施形態では、脈波測定装置1は腕時計に類似した形態からなり、装置本体3と、装置本体3の側面に固定されたバンド2と、により構成される。
バンド2は、例えば、環状の弾性材等により構成され、装置本体3をユーザの皮膚4に密着するように装着させる。なお、ここでは生体表面として、人間の皮膚4を用いて説明するが、本発明に係る脈波測定装置を使用可能な測定対象は、人間に限られるものではない。動物の皮膚等を生体表面とし、その生体表面に装置本体3を密着させることも可能である。
装置本体3は、その下部(図中、皮膚4側)に複数の脈波検出部5を、また、装置本体3内部に、脈波検出部5と外気とを連通させる通気孔6と、後述する種々の機能を持つ素子が搭載された制御基板7(制御部)を有する。
脈波検出部5は、装置本体3の外部かつ皮膚4側に形成された凹部51と、差圧センサ52と、メンブレン型振動子53とから構成される。即ち、凹部51が皮膚4に対向配置されており、これにより、凹部51と皮膚4とによってキャビティ54(図3)が形成されることになる。
さらに、凹部51と皮膚4とで形成されているキャビティ54の一面(皮膚4と反対側の面)には、差圧センサ52とメンブレン型振動子53とが設けられている。各構成の構造及び機能については、後段で詳述する。また、差圧センサ52とメンブレン型振動子53は、装置本体3内部に搭載された制御基板7と電気的接続を有する。
図2は脈波測定装置1のブロック図を示す。脈波測定装置1は、差圧センサ52、メンブレン型振動子53の他に、制御基板7に設けられている制御部71と、電源72と、記憶部73と、演算処理部74と、表示部75とを有している。
制御部71は、例えば、CPUやROM等を含んで構成され、装置本体3の全体の駆動を統括的に制御する。
電源72は、例えば、乾電池などの各種の1次電池やバッテリーなどの2次電池などからなる電力源であり、装置本体3に備わる各部に対して電力を供給する。
記憶部73は、例えば、各種の不揮発性メモリ等で構成され、制御部71や演算処理部にて実行される駆動プログラムや各種のデータ、後述する参照テーブルを記憶する。
演算処理部74は、差圧センサ52の出力信号から、メンブレン型振動子53の駆動信号を分離する分離部11と、分離部11の出力信号から、脈波を検知するに最も適した特定の脈波検出部5を選定する選定部12と、を有している。
さらに、選定部12で選定された脈波検出部5からの出力信号に基づき、分離部11を介して出力された信号からキャビティ54の内気圧と外気圧との差圧を算出する差圧算出部13と、キャビティ54の内気圧を算出するキャビティ内気圧算出部14と、キャビティ54に流通する空気のモル数を算出する空気流通モル数算出部15と、キャビティ54内の空気のモル数を算出する空気モル数算出部16と、キャビティ54の体積を算出する体積算出部17と、脈動による皮膚の変位を算出する変位算出部18と、を有している。なお、演算処理部74に備わる各部の機能については、後段の(変位算出フローについて)で詳述する。
(脈波検出部の構造)
図3を参照して、脈波検出部5の構成について説明する。図3(a)は、脈波検出部5の平面図であり、図3(b)は、図3(a)中に示すA―A面での断面図を示す。
脈波検出部5は、凹部51と、差圧センサ52と、メンブレン型振動子53とを有している。なお、脈波測定装置1の装着時には、凹部51底面と皮膚4とが圧接する。これにより、凹部51と皮膚4とに囲われた空間であるキャビティ54が形成されることとなる。
差圧センサ52は、凹部51上面に設けられた薄板状のメンブレン57を、略コ字形状の二つのギャップ55から切り出された略コ字形状の片持ち梁で構成される。このため、脈波測定装置1の装着時には、皮膚4と凹部51との接触により形成されたキャビティ54の一面に差圧センサ52が設けられる構成となる。
また、差圧センサ52は二つの電極56を介して、制御基板7と電気的に接続されている。
差圧センサ52は、たとえば300nm程度の極めて薄いSiから成る略コ字形状の薄板であり、コ字先端で固定される。差圧センサ52は一辺がたとえば100ミクロン程度のサイズであり、その上下の気圧にわずかでも差があればその差圧によって撓む。差圧センサ52の固定端付近は上面近傍のみP(リン)などの不純物をドープすることでピエゾ抵抗として機能するので、顕著なピエゾ抵抗効果を発揮する。また、差圧センサ52周囲のギャップ55および通気孔6を介して、キャビティ54内外を空気が流通する。差圧センサ52は一端のみが固定されているため、全周囲を固定されるダイヤフラム型のセンサに比べ、わずかな力でも撓むことができ、高感度な差圧センサとして機能する。
メンブレン型振動子53は、凹部51上面に設けられたメンブレン57の外周近傍に設けられている。差圧センサ52同様、脈波測定装置1の装着時には、皮膚4と凹部51との接触により形成されたキャビティ54の皮膚4とは反対側の一面に、メンブレン57が設けられる構成となる。
メンブレン型振動子53は、例えば圧電素子もしくは圧電薄膜等で構成され、与えられた電位に応じて伸縮する。また、メンブレン57は例えば数十μm以下の薄いSiからなるため、メンブレン型振動子53の伸縮動作により、メンブレン57は厚さ方向に振動する。これにより、メンブレン型振動子53はメンブレン57を励振し、キャビティ54の容積を変動させる機能を有する。
(脈波検出部の動作)
次に図4及び図5を参照して、脈波検出部5の動作、特にメンブレン型振動子53及び差圧センサ52の動作について説明する。図4及び図5は、脈波検出部5の断面図を示す。なお、キャビティ54内部の体積、圧力、空気のモル数をそれぞれV、Pin、N、とし、例えば、時刻T0おける値であることを示すためにそれぞれ、V(0)、Pin(0)、N(0)と表し、各時刻における物理量を示すこととする。
まず、図4では、メンブレン型振動子53の動作と、その時の脈波検出部5の断面図を示す。図4(a)は初期状態を表す時刻T0での、(b)は時刻T0以降、メンブレン型振動子53が収縮した時刻T1での、また(c)は時刻T1以降、メンブレン型振動子53が伸長した時刻T2における断面をそれぞれ示す。
ここで、図4(b)に示すように、時刻T1においてメンブレン型振動子53が収縮すると、メンブレン57が上方に変形する。すると、キャビティ内部の体積Vは増加し、気圧Pinは減少する。その結果、差圧センサ52は気圧Pinと外部の気圧との差圧により下部方向に撓む。すると、差圧センサ52に作りこまれたピエゾ抵抗素子の電気抵抗値が変化する。これを電気的に接続された制御基板7により、差圧センサ52の撓み量に対応した信号へ変換する。
さらに、図4(c)に示すように、時刻T2においてメンブレン型振動子53が伸長すると、メンブレン57が下方に変形する。すると、キャビティ内部の体積Vは減少し、気圧Pinは上昇する。その結果、差圧センサ52は気圧Pinと外部の気圧との差圧により上部方向に撓む。すると、差圧センサ52に作りこまれたピエゾ抵抗素子の電気抵抗値が、時刻T1の場合とは逆方向に変化する。これを電気的に接続された制御基板7により、差圧センサ52の撓み量に対応した信号へ変換する。
したがって、メンブレン型振動子53の伸長/収縮に同期した形で、差圧センサ52から制御基板7を経て出力信号が得られることとなる。
次に、図5に差圧センサの動作と、動脈の脈動による皮膚4の動きについて説明する。図5(a)は、初期状態を表す時刻T0での、(b)は時刻T0以降、皮膚4下で脈動が生じた時刻T3における断面を、それぞれ示す。
ここで、図5(b)に示すように、時刻T1において皮膚4がその下部の動脈が脈動したことで下方へ変位したとする。すると、キャビティ54内部の体積Vは増加し、気圧Pinは減少する。その結果、差圧センサ52は気圧Pinと外部の気圧との差圧により下部方向に撓む。すると、差圧センサ52に作りこまれたピエゾ抵抗素子の電気抵抗値が変化する。これを電気的に接続された制御基板7により、差圧センサ52の撓み量に対応した信号へ変換する。
ここで、メンブレン型振動子53の伸長/収縮動作と、皮膚4の変位が同時に行われたとする。この場合、メンブレン型振動子53の動作による体積変化と、皮膚4の変位による体積変化とが同時に生じることとなり、この加算された体積変化に応じた差圧センサ52の出力信号が得られることとなる。
メンブレン型振動子53の動作は、メンブレン型振動子53の駆動信号から既知であるため、メンブレン型振動子53の動作による体積変化による差圧センサ52の出力信号(差圧出力信号)は予め求めることができる。このため、加算された差圧センサ52の出力信号から皮膚4の変位による体積変化に応じた出力信号のみを取り出すことが可能である。より簡単に行うには、メンブレン型振動子53を脈波(皮膚4の変位)より高速な一定周波数で駆動すると、差圧センサ52の出力信号に周波数フィルターをかけることで、メンブレン型振動子の動作による信号と脈波による信号とを分離することができる。このように差圧センサ52の出力信号から分離することで、皮膚4の変位の信号のみを取り出すことが可能となる。
取り出された皮膚4の変位の信号から算出した差圧センサ52の撓み量とキャビティ54内外の圧力差(差圧)の関係は、予め実測して「ピエゾ抵抗値と差圧の参照テーブル」として、記憶部73に記憶される。したがって、差圧算出部13は、差圧センサ5の出力信号と記憶部13の参照テーブルとにより差圧を算出できる。
さらに、キャビティ54内の圧力Pinが減少すると、外気からキャビティ54内へ空気が流入する。この際、当該空気の流入量をモル数で表した量をΔNとする。このように、皮膚4が変位すると、V、Pin、Nがすべて変化する。なお、上述の参照テーブルと同様に、皮膚4の変位による出力信号から算出した差圧とΔNの関係を、脈波測定装置1に流量計を組み込んだ実験や、差圧センサ52の変位と空気流出入の関係を連成解析した計算機シミュレーションによって予め取得しておき、「差圧と空気流入量の参照テーブル」(データベース)として、記憶部73の流通モル数データベース部に記憶してもよい。これによれば、差圧を算出した後、流通モル数データベース部から適切なΔNを抽出することが可能になるので、処理の簡素化、迅速化を達成できる。
(変位算出フローについて)
次いで、本発明の第1の実施形態にかかる脈波測定装置1による皮膚4の変位算出の流れについて、図6に示す説明図(フローチャート)を参照して説明する。
まず、複数の脈波検出部57各々の出力信号に基づいて、選定部12は、キャビティ54から空気漏れがなく、かつ皮膚4が動脈の脈動に基づいて最も顕著に変位する特定の脈波検出部57を選定する選定ステップを行う(STEP0)。
次に、キャビティ54内の体積V(0)は凹部51の設計寸法からおおよそ既知であり、また、キャビティ54内の圧力Pin(0)は外気圧と同一であるので、初期状態を表す時刻T0において、空気モル数算出部14は、気体の状態方程式PV=NRKから、気温Kを用いればモル数N(0)=Pin(0)V(0)/RKが得られる(STEP1)。なお、気温Kや外気圧は、制御部71からの制御信号に基づき、脈波測定装置1と接続された又は脈波測定装置1内に備わる気温計(図示省略)や絶対圧測定用の圧力センサ(図示省略)により、演算処理部74(空気モル数算出部16)へ電気信号として伝送してもよい。
次に、脈波測定装置1が変位の測定を開始した後、時刻T3において皮膚4が脈動によって変位して差圧センサ52が撓み、ピエゾ抵抗値に関する信号が演算処理部74に出力される(STEP2)。
次に、差圧算出部13は、記憶部73に記憶されている「ピエゾ抵抗値と差圧の参照テーブル」を参照して、ピエゾ抵抗値から差圧を算出する。また、キャビティ内気圧算出部14は、外気圧を一定と仮定し、外気圧から上記算出した差圧を減算して、キャビティ54の内気圧である圧力Pin(3)を算出する(STEP3)。
次に、空気流通モル数算出部15は、記憶部73に記憶されている「差圧と空気流入量の参照テーブル」を参照して、STEP3にて算出した差圧から空気流入量ΔNを算出する(STEP4)。ここで、「差圧と空気流入量の参照テーブル」は、上述したように、例えば、差圧ΔPの値(Pa)に応じた単位時間当たりの空気流入量Qの値(mol/sec)が、差圧ΔPの大きさに応じてデータベース化されたものである。
次に、空気モル数算出部16は、STEP4にて算出された空気流入量ΔNを時刻T0での空気モル数N(0)に加えることで、時刻T3におけるキャビティ54内部の空気モル数N(3)を算出する(STEP5)。
次に、体積算出部17は、STEP3にて算出したPin(3)とSTEP5にて算出したN(3)とを、再度気体の状態方程式に代入することで、キャビティ54内の体積V(3)を算出する(STEP6)。
次に、変位算出部18は、凹部51自体は変形しないと仮定するとキャビティ54の断面積は変化しないので、体積の変化(V(3)―V(0))をキャビティ54の断面積で除算することで、皮膚4の変位を算出する(STEP7)。
そして、制御部71は、測定を継続するかどうかを判断して(STEP8)、継続すると判断した場合(STEP8のY)、引き続き演算処理部74にステップ2以降の処理を繰り返し実行させ、継続しないと判断した場合(STEP8のN)、本処理を終了する。なお、この繰り返し処理を、繰り返し処理ステップと称する。また、この繰り返し処理ステップを、設定した所定時間毎に実行してもよい。
なお、STEP4において、空気流通モル数算出部15は、上述の「差圧と空気流入量の参照テーブル」から空気流入量ΔNを算出する際に、単位時間当たりの空気流入量Qときざみ時間(T3−T0)を積算している。このきざみ時間は必要に応じて設定可能であり、短くすると計算量が多くなるが高精度な結果が得られ、長くすると精度は落ちるが短時間で計算できることから、状況に応じて最適な長さを設定する。
また、演算処理部74は、図6に示すフローチャートの処理手順に替えて、ピエゾ抵抗値の取得(STEP2)を先に所定時間の間、繰り返し実行し結果データを記憶部73に格納した後で、順次記憶部73からピエゾ抵抗値を読みだして上記STEP3以降の処理を行うようにしてもよい。
また、演算処理部74は、ピエゾ抵抗値の取得(STEP2)を行った際に、取得したピエゾ抵抗値が所定値未満となる状態が所定時間継続していると判断した場合、その判断した時点を時刻T0とし、STEP1以降の処理を実行することとしてもよい。つまり、差圧算出ステップにて出力される差圧出力信号が所定時間の間、予め定めた信号強度の基準値よりも低い状態が継続した後に、STEP1以降の処理を実行してもよい。
また、処理自体は、出力信号毎に同時刻で流す場合と、一旦、差圧センサの出力信号を一定時間、メモリに蓄積し、まとめて処理を行ってもよい。得られる結果は同じであるが、リアルタイムの圧脈波情報が必要か、ある程度の時間遅れでの情報更新でよいか、圧脈波情報の利用方法によって選択すればよい。
(脈波検出部の選定方法)
前述の図6中、STEP0で述べた脈波検出部57の選定ステップについて説明する。
脈波測定装置1に設けられた複数の脈波検出部5は、装着時に3つの状態をとる。一つめは、凹部51と皮膚4とが密着し、その皮膚4下部の動脈の脈動により皮膚4が変位するものである。二つめは、凹部51と皮膚4とが密着しているが、皮膚4下部に動脈がなく、皮膚4が変位しないものである。三つめは、凹部51と皮膚4とが密着せず、キャビティ54が形成されていないものである。脈波計測に必要な脈波検出部5は一番目の分類のものであり、これだけを選定する必要がある。
まず、脈波検出部57のメンブレン型振動子53を伸縮させ、その時の差圧センサ52の出力信号を測定する。このとき、メンブレン型振動子53の動作に応じた差圧センサ52の出力信号が得られない脈波検出部57は、三番目の分類であり、凹部51と皮膚4との間に隙間があるため、キャビティ54が形成されておらず、皮膚4の変位を差圧センサ52では検知できない。したがって、このような脈波検出部57を出力信号検知から除外する。
次に、メンブレン型振動子53の動作に同期した差圧センサ52の出力信号が得られる脈波検出部について、皮膚の変位(皮膚下の動脈の脈動)があるか判別する。まず、差圧センサ52の出力信号に対して、分離部11を利用してメンブレン型振動子53の動作による信号を除外して分離すると、皮膚4の変位に応じた差圧センサ52の出力信号のみを取り出すことが可能である。ここで、取り付ける生体によって脈拍の周波数帯域はおおよそ決定できることから、取り出した差圧センサ52の出力信号に脈拍の周波数成分帯域でフィルタリングを行い、所定値より大きい振幅を有する脈波検出部5を決定する。即ち、予め決定してある閾値よりも大きな信号強度を出力する脈波検出部5を、特定の脈波検出部5として選定する。なお、ここでは閾値よりも大きく、かつ、最も信号強度が大きい脈波検出部5を特定の脈波検出部としているが、閾値よりも大きな複数の脈波検出部を特定の脈波検出部として選定してもよい。
これにより三番目の分類の脈波検出部5のみを選定して、その出力信号を利用することができる。
特定の脈波検出部として選定した脈波検出部5のメンブレン型振動子53と、その差圧センサ52のみを駆動し、差圧センサ52の出力信号を取り出し、前述の変位算出フローを行うことで、皮膚の変位(脈波)を計測することができる。ここで、利用する差圧センサ52の信号を加算して利用する、振幅の大きいほうから所定数の信号だけを加算して利用する、最も振幅の大きい出力信号を利用する等の手法を用いて出力信号を決定し、前述の図6中のSTEP1に進めることができる。
以上により、複数ある脈波検出部5のうち、皮膚の変動(脈波)が顕著に得られる脈波検出部5を選定できるため、装着位置を厳密に設定することなく、簡易な構成によって脈波を精度よく測定することが可能になる。また、体動などで、選定した脈波検出部5から脈波が測定できなくなる場合があっても、脈波検出部5の選定を再度行うことで、脈波を測定し続けることができる。
また、メンブレン型振動子53の駆動により、測定可能な条件の脈波検出部5を選択することができることから、処理する信号数が削減でき、信号処理の負荷やメモリ使用量の減少が可能となる。このため、脈波測定装置1の小型化を実現することができる。
以上、本実施形態に係る脈波測定装置1によると、予め動脈の脈動を検知できる皮膚領域を特定しなくとも、脈波を精度よく測定できるため、装着容易が可能で、確実に圧脈波を検知し続けることができる。また、皮膚4が脈動によってわずかに変位したときに、それを差圧センサ52の撓みから発生するピエゾ抵抗の電気抵抗値として取得し、外気とキャビティ54の間の空気の流出入量を考慮に入れた気体の状態方程式を解くことによって、皮膚4の変位を算出することができる。また、脈波測定装置1によると、一端のみが固定された差圧センサ52を利用することにより、わずかな差圧でも大きく撓むので、高感度検出が可能である。同時にメンブレン型振動子53の駆動信号に基づいて、差圧センサ52の出力信号を分離することで、高感度で正確な脈波の測定方法を実現できる。
(第2の実施形態)
次いで、本発明の第2実施形態に係る脈波測定装置201について説明する。図7は、本実施形態に係る脈波測定装置201の構成を示すブロック図である。図8は本実施形態に係る脈波測定装置201を構成する脈波検出部205を示す。
本実施形態の脈波測定装置201が前述の第1の実施形態と異なる点は、脈波測定装置201が脈波検出部211と脈波演算装置212とから構成され、双方に設けられた通信部76で相互に情報を伝達する点である。即ち、測定対象に脈波検出部211が設けられ、脈波演算装置212は測定対象から離間した位置に設けられている。さらに、脈波検出部205のキャビティ54を形成する一面が皮膚4ではない点である。
以下、詳細を説明する。
図7に示す脈波測定装置201は、脈波検出装置211と脈波演算装置212とから構成される。脈波検出装置211は脈波検出部205と、制御部71と、電源72と、通信部76とからなる。脈波演算装置212は、電源72と、記憶部73と、演算処理部74と、通信部76とから構成される。
通信部76は、脈波検出装置211と脈波演算装置212の間で脈波の情報や、制御部71への命令等を無線もしくは有線で通信する機能を有する。
図8に脈波測定装置201の詳細な構成を示す。本実施形態に係る装置本体3に複数の脈波検出部205を設けると同時に、脈波検出部205は、皮膚4と接する面に接触面252を設けた構成とする。このため、キャビティ54は筐体251と接触面252、差圧センサ52、メンブレン57で覆われて構成されることとなる。なお、接触面252は例えば、薄い樹脂等のフィルムから構成され、皮膚4に圧接されると、皮膚4表面の凹凸に応じて変形し、密着する。
一方で、第1の実施形態における脈波検出部と異なり、皮膚4と接触していなくても、メンブレン型振動子53の駆動に応じて、キャビティ54の体積が変動するため、差圧センサ52の出力信号が得られる。この差圧センサ52の出力信号は通信部76を介して脈波演算装置212の演算処理部74へと伝達される。
ここで、メンブレン型振動子53の駆動信号の周波数に基づいて、分離部11で差圧センサ52の出力信号を分離して出力し、脈動による皮膚の変位のみを取り出す。したがって、第1の実施形態同様に、演算処理部74により、複数の脈波検出部205の中から皮膚の変位を検知できる脈波検出部205を選定することが可能となる。
選択された脈波検出部205の情報は、再び通信部76を介して脈波検出装置211の制御部71へと伝達され、選択された脈波検出部205からの出力信号のみを継続して、脈波演算装置212へと伝達し続ける。伝達された脈波検出部205の出力信号から前述同様、脈波情報を算出し、連続的に脈波を計測することが可能となる。
一方で、選択されなかった脈波検出部205への電力供給を途絶するよう、制御部71が通信部76を介して脈波検出装置211の電源72を制御する。選択した脈波検出部205から脈波情報が得られなくなった場合、演算処理部74が通信部76を介して、制御部71に全ての脈波検出部205へ電源供給を行うよう指示する。
そして、再び脈波情報が得られる脈波検出部205の選定及び皮膚の変位算出フローを行うこととなる。これにより、複数の脈波検出部を用いて連続して脈波情報を得られることができると同時に、省電力を実現することが可能となる。
さらに、脈波検出部205に接触面252を設けた構成にすることにより、差圧センサ52やメンブレン57と外部環境が隔てられるため、例えば汗等の水分の侵入等による脈波測定装置1の破損を回避することができる。
その一方で、本実施形態のキャビティ54は略閉空間であるため、差圧センサ52が外気圧の変動を検知してしまう恐れがある。これは図8に記すリファレンス用脈波検出部215を一つ設けることで回避可能である。リファレンス用脈波検出部215は、キャビティ54が筐体251と壁面253とメンブレン57、差圧センサ52で囲われ、構成されている。
壁面253は筐体251同様、例えば熱可塑性樹脂等の変形しにくい材質で構成されているため、リファレンス用脈波検出部251を皮膚4に圧接しても、皮膚4の変位でキャビティ54の体積が変形することがない。このため、差圧センサ52は通気孔6を介して外気と連通しているため、外気圧とキャビティ54の差圧を測定することとなるが、キャビティ54の内圧は外気圧の変動に追随して変化するだけであるため、差圧センサ52の出力信号は外気圧の変動を示すこととなる。
このため、脈波検出部205の出力信号からリファレンス用脈波検出部251の出力信号の差分を算出することで、外気圧の変動成分を脈波検出部205の出力信号から排除することができ、脈波成分のみを取り出すことが可能となる。
なお、第1の実施形態では、手首に装着して脈波を計測する脈波測定装置について示した。本実施形態では、手首以外の箇所でも動脈が皮膚近傍にある箇所にキャビティ54の体積が変動するよう圧接する構成であれば、脈波測定が可能である。一例をあげると、足首やひざ裏、手首等近傍に粘着テープで装置本体3を貼り付ける構成や、装置本体3を柔軟性のある材質で形成したマット状の構成にし、装置本体3上に直接臥寝して脈波を測定する構成、帽子やサンバイザー、メガネ等の皮膚に密着する箇所に装置本体3を設け、こめかみ部分に圧接して脈波を測定する構成、首部分に巻く構成等が考えられる。
さらに、脈波測定装置201を脈波検出装置211と脈波演算装置212とで構成としたことで、生体に装着もしくは圧接する構成を小型にでき、動作を抑制することなく連続した脈波の測定が可能となる。
以上により、本実施形態に係る脈波測定装置によると、装着容易かつ小型化が可能で、確実に圧脈波を検知し続けることができる上、水分の侵入等による破損を回避できるため、信頼性や寿命の向上が可能となる。また、外気圧の変動の影響を排除でき、より正確な脈波の測定を実現することができる。
1、201 脈波測定装置
2 バンド
3 装置本体
4 皮膚
5、205 脈波検出部
6 通気孔
7 制御基板
11 分離部
12 選定部
13 差圧算出部
14 キャビティ内気圧算出部
15 空気流通モル数算出部
16 空気モル数算出部
17 体積算出部
18 変位算出部
51 凹部
52 差圧センサ
53 メンブレン型振動子
54 キャビティ
55 ギャップ
56 電極
57 メンブレン
71 制御部
72 電源
73 記憶部
74 演算処理部
75 表示部
76 通信部
211 脈波検出装置
212 脈波演算装置
215 リファレンス用脈波検出部
251 筐体
252 接触面
253 壁面
V キャビティ54内部の体積
P キャビティ54内部の圧力
N キャビティ54内部の空気モル数
STEP0〜8 本発明の第1の実施形態に係る脈波の測定方法の各段階

Claims (20)

  1. 生体表面の変位を算出することで脈波を測定する脈波測定装置であって、
    前記生体表面に対向配置されるキャビティと、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサと、前記キャビティ内部の体積を変動させるメンブレン型振動子と、を有する複数の脈波検出部と、
    前記差圧センサの出力に基づいて、前記生体表面の変位を算出する演算処理部と、
    を備え、
    前記演算処理部は、
    前記メンブレン型振動子の駆動信号に基づいて、前記差圧センサの出力信号を分離し、前記生体表面の変位に基づく情報を出力信号として出力する分離部と、
    前記分離部の出力信号に基づいて、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧を算出する差圧算出部と、
    前記差圧算出部の出力信号に基づいて、前記複数の脈波検出部から特定の脈波検出部を選定する選定部とを有し、
    前記選定部によって選定された前記特定の脈波検出部の出力に基づいて、前記生体表面の変位を算出して脈波を測定することを特徴とする脈波測定装置。
  2. 前記選定部は、前記複数の脈波検出部から、前記差圧算出部の出力信号強度が最も大きな脈波検出部を、前記特定の脈波検出部として選定することを特徴とする請求項1に記載の脈波測定装置。
  3. 前記演算処理部は、
    前記特定の脈波検出部において算出された前記差圧と外気圧に基づいて、前記キャビティの内気圧を算出するキャビティ内気圧算出部と、
    前記差圧に基づいて、前記キャビティの内外を流通する空気の流通モル数を算出する空気流通モル数算出部と、
    前記空気流通モル数算出部により算出した流通モル数に基づいて、前記キャビティ内の空気モル数を算出する空気モル数算出部と、
    前記空気モル数算出部により算出した空気モル数と前記キャビティ内気圧算出部により算出したキャビティの内気圧に基づいて、前記キャビティ内の体積を算出する体積算出部と、
    前記体積算出部により算出したキャビティ内の体積に基づいて前記生体表面の変位を算出する変位算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の脈波測定装置。
  4. 前記演算処理部は、前記差圧と対応した前記空気の流通モル数をデータベースとして記憶する流通モル数データベース部を有し、
    前記空気流通モル数算出部は、前記流通モル数データベース部に基づいて、前記差圧算出部により算出した前記差圧の大きさに応じた前記空気流通モル数を抽出することを特徴とする請求項3に記載の脈波測定装置。
  5. 前記流通モル数データベース部は、前記キャビティの内外の圧力差と空気の流通量との関係を求め、当該関係と前記差圧に基づいて、前記空気流通モル数を算出することで生成されることを特徴とする請求項4に記載の脈波測定装置。
  6. 前記キャビティ内外を流通する空気の温度情報を取得する気温取得部を有し、
    前記空気モル数算出部は、前記温度情報と前記流通モル数に基づいて前記キャビティ内の空気モル数を算出することを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の脈波測定装置。
  7. 前記キャビティにおいて前記生体表面と対向する領域には可撓性を有し、該生体表面に接触する接触面が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の脈波測定装置。
  8. 前記生体表面の変位によって前記キャビティの体積が変形しないリファレンス用脈波検知部を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の脈波測定装置。
  9. 前記差圧センサは、
    前記キャビティの一部を塞ぐように設けられ、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に応じて撓み変形するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの撓み変形に応じた変位を測定する変位測定部と、
    を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の脈波測定装置。
  10. 生体表面に対向配置されるキャビティと、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサと、前記キャビティ内部の体積を変動させるメンブレン型振動子と、を有する複数の脈波検出部を用いて前記生体表面の変位を算出することで、脈波を測定する脈波測定方法であって、
    前記メンブレン型振動子の駆動信号に基づいて、前記差圧センサの出力信号を分離し、前記生体表面の変位に基づく情報を出力信号として出力する分離ステップと、
    前記分離ステップの出力信号に基づいて、前記キャビティの内気圧と外気圧との差圧に関する差圧出力信号を出力する差圧算出ステップと、
    前記差圧算出ステップの出力信号に基づいて、前記複数の脈波検出部から特定の脈波検出部を選定する選定ステップとを有し、
    前記選定ステップによって選定された前記特定の脈波検出部の出力に基づいて、生体表面の変位を算出して脈波を測定することを特徴とする脈波測定方法。
  11. 前記選定ステップでは、前記複数の脈波検出部から、前記差圧出力部の出力信号強度が最も大きな脈波検出部を、前記特定の脈波検出部として選定することを特徴とする請求項10に記載の脈波測定方法。
  12. 前記選定ステップによって選定された前記特定の脈波検出部の出力に基づいて、生体表面の変位を算出する際は、
    前記特定の脈波検出部において算出された前記差圧と外気圧に基づいて、前記キャビティの内気圧を算出するキャビティ内気圧算出ステップと、
    前記差圧に基づいて、前記キャビティの内外を流通する空気の流通モル数を算出する空気流通モル数算出ステップと、
    前記空気流通モル数算出ステップにより算出した流通モル数に基づいて、前記キャビティ内の空気モル数を算出する空気モル数算出ステップと、
    前記空気モル数算出ステップにより算出した空気モル数と前記キャビティ内気圧算出ステップにより算出したキャビティの内気圧に基づいて、前記キャビティ内の体積を算出する体積算出ステップと、
    前記体積算出ステップにより算出したキャビティ内の体積に基づいて前記生体表面の変位を算出する変位算出ステップと、
    を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の脈波測定方法。
  13. 前記空気流通モル数算出ステップでは、前記差圧と対応した前記空気の流通モル数をデータベースとして記憶した流通モル数データベースに基づいて、前記差圧算出ステップにより算出した前記差圧の大きさに応じた前記空気流通モル数を抽出することを特徴とする請求項12に記載の脈波測定方法。
  14. 前記流通モル数データベースは、前記キャビティ内外の圧力差と空気の流通量との関係を求め、当該関係と前記差圧に基づいて、前記空気流通モル数を算出することで生成されることを特徴とする請求項13に記載の脈波測定方法。
  15. 前記キャビティ内外を流通する空気の温度情報を取得する気温取得ステップを有し、
    前記空気モル数算出ステップは、前記温度情報と前記流通モル数に基づいて前記キャビティ内の空気モル数を算出することを特徴とする請求項12〜14の何れか一項に記載の脈波測定方法。
  16. 前記生体表面の変位によってキャビティの体積が変形しないリファレンス用脈波検知ステップを有することを特徴とする請求項10〜15の何れか一項に記載の脈波測定方法。
  17. 少なくとも前記分離ステップと、前記差圧算出ステップと、前記キャビティ内気圧算出ステップと、前記空気流通モル数算出ステップと、前記空気モル数算出ステップと、前記体積算出ステップと、前記変位算出ステップと、を繰り返し実行する繰り返し処理ステップを有することを特徴とする請求項12〜16の何れか一項に記載の脈波測定方法。
  18. 前記繰り返し処理ステップは、設定した所定時間毎に実行することを特徴とする請求項17に記載の脈波測定方法。
  19. 前記差圧算出ステップでは、所定時間毎の前記差圧出力信号の各々を記憶装置に格納し、格納した前記差圧出力信号に基づいて、前記所定時間毎の前記差圧を求めることを特徴とする請求項10〜18の何れか一項に記載の脈波測定方法。
  20. 前記選定ステップは、前記差圧算出ステップにて出力される前記差圧出力信号が所定時間の間、予め定めた信号強度の基準値よりも低い状態が継続した後に実行されることを特徴とする請求項10〜19の何れか一項に記載の脈波測定方法。
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