JP2017084703A - 波長変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換部材からの熱を効率良く放熱部材に伝達できる波長変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】放熱部材2と、貫通孔3内に配置される波長変換部材1と、ガラス層4で貫通孔3の表面3aと波長変換部材1の側面1aとが接着される波長変換素子10の製造方法であって、ガラス粉末と、バインダーと、溶剤とを含むガラスペーストを準備する工程と、ガラスペーストを、波長変換部材1の側面1a及び貫通孔3の表面3aの少なくとも一方に塗布し、ペースト塗布層を形成する工程と、ペースト塗布層を加熱して、バインダーを除去するとともに、ガラス粉末を焼結して、ガラス層4を形成する工程と、ガラス層4を形成した後、貫通孔3内に波長変換部材1を配置し、波長変換部材1の側面1aと貫通孔3の表面3aの間に位置するガラス層4を加熱して軟化流動させることにより、波長変換部材1の側面1aと貫通孔3の表面3aとを接着する工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発する光の波長を別の波長に変換する波長変換素子の製造方法に関するものである。
近年、蛍光ランプや白熱灯に変わる次世代の発光装置として、低消費電力、小型軽量、容易な光量調節という観点から、LEDやLDを用いた発光装置に対する注目が高まってきている。そのような次世代発光装置の一例として、例えば特許文献1には、青色光を出射するLED上に、LEDからの光の一部を吸収して黄色光に変換する波長変換部材が配置された発光装置が開示されている。この発光装置は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。
波長変換部材としては、従来、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させたものが用いられている。しかしながら、当該波長変換部材を用いた場合、LEDからの光により樹脂が劣化し、発光装置の輝度が低くなりやすいという問題がある。特に、LEDが発する熱や高エネルギーの短波長(青色〜紫外)光によってモールド樹脂が劣化し、変色や変形を起こすという問題がある。
そこで、樹脂に代えてガラスマトリクス中に蛍光体を分散固定した完全無機固体からなる波長変換部材が提案されている(例えば、特許文献2及び3を参照)。当該波長変換部材は、母材となるガラスがLEDの熱や照射光により劣化しにくく、変色や変形といった問題が生じにくいという特徴を有している。
近年、ハイパワー化を目的として、光源として用いるLEDやLDの出力が上昇している。それに伴い、光源の熱や、励起光を照射された蛍光体から発せられる熱により波長変換部材の温度が上昇し、その結果、発光強度が経時的に低下する(温度消光)という問題がある。また、場合によっては、波長変換部材の温度上昇が顕著となり、構成材料(ガラスマトリクス等)が溶解するおそれがある。
そこで、波長変換部材からの熱を放熱するため、波長変換部材の周辺部に、当該波長変換部材より高い熱伝導率を有する放熱部材が設けられた波長変換素子が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。特許文献4では、波長変換部材をステンレス製の放熱部材に取り付ける方法として、貫通孔を有する放熱部材の嵌合部に切り込みまたは穴部を形成し、切り込みまたは穴部に低融点ガラスを充填することにより取り付ける方法が挙げられている。
特開2000−208815号公報 特開2003−258308号公報 特開2007−016171号公報 特開2007−323861号公報
しかしながら、特許文献4に記載の方法では、波長変換部材と放熱部材との間に隙間が形成され、波長変換部材からの熱が放熱部材に伝達されにくい。
本発明の目的は、波長変換部材からの熱を効率良く放熱部材に伝達することができる波長変換素子の製造方法を提供することにある。
本発明は、貫通孔を有する放熱部材と、貫通孔内に配置される波長変換部材と、波長変換部材と貫通孔の間に設けられるガラス層とを備え、ガラス層によって貫通孔の表面と波長変換部材の側面とが接着されている波長変換素子を製造する方法であって、ガラス粉末と、バインダーと、溶剤とを含むガラスペーストを準備する工程と、ガラスペーストを、波長変換部材の側面及び貫通孔の表面の少なくとも一方に塗布し、ペースト塗布層を形成する工程と、ペースト塗布層を加熱して、バインダーを除去するとともに、ガラス粉末を焼結して、ガラス層を形成する工程と、ガラス層を形成した後、貫通孔内に波長変換部材を配置し、波長変換部材の側面と貫通孔の表面の間に位置するガラス層を加熱して軟化流動させることにより、波長変換部材の側面と貫通孔の表面とを接着する工程とを備えることを特徴としている。
貫通孔は、一方端から他方端に向かって拡がるテーパー状に形成されていることが好ましい。その場合、貫通孔に対応した形状を有する波長変換部材を、他方端側から貫通孔内に配置することが好ましい。
波長変換部材は、無機バインダー中に蛍光体の粉末を分散して形成されたものであってもよい。波長変換部材が、多結晶セラミック蛍光体または単結晶セラミック蛍光体からなるものであってもよい。
波長変換部材は、蛍光体層と、蛍光体層より高い熱伝導率を有する透光性放熱層とを交互に積層させた積層体であってもよい。この場合、透光性放熱層は、例えば、透光性セラミックからなる。
本発明において、放熱部材は、例えば、金属またはセラミックから形成されている。
本発明において、ガラス粉末は、例えば、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、スズリン酸塩ガラス、ビスマス酸塩ガラス及びホウケイ酸鉛ガラスから選ばれる少なくとも1種である。
本発明によれば、波長変換部材からの熱を効率良く放熱部材に伝達することができる波長変換素子を製造することができる。
本発明の第1の実施形態の製造方法で製造される波長変換素子を示す模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本発明の第3の実施形態の製造方法で製造される波長変換素子を示す模式的断面図である。 本発明の第4の実施形態における波長変換部材を示す模式的断面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
図1は、本発明の第1の実施形態の製造方法で製造される波長変換素子を示す模式的断面図である。図1に示すように、本実施形態の波長変換素子10は、貫通孔3を有する放熱部材2と、貫通孔3内に配置される波長変換部材1と、波長変換部材1と貫通孔3の間に設けられるガラス層4とを備えている。貫通孔3の表面3aと波長変換部材1の側面1aとは、ガラス層4によって接着されている。波長変換部材1に励起光を照射した場合、波長変換部材1から蛍光とともに熱が発生する。波長変換部材1から発生した熱はガラス層4を通じて放熱部材2に伝達される。
波長変換部材1としては、光源から発せられた励起光により蛍光を発する蛍光体を含むものが挙げられる。このような波長変換部材1としては、無機バインダー中に蛍光体の粉末を分散して形成されたものが挙げられる。無機バインダー中に分散させることにより、蛍光体を均一に分散することができる。無機バインダーとしては、ガラスやポリシラザン等が挙げられる。ガラスとしては、蛍光体の耐熱性を考慮し、軟化点が250℃〜1000℃、さらには300℃〜850℃であるものを用いることが好ましい。ガラスの具体例としては、ホウケイ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス等が挙げられる。
蛍光体は、励起光の入射により蛍光を出射するものであれば、特に限定されるものではない。蛍光体の具体例としては、例えば、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体、ガーネット系化合物蛍光体から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。励起光として青色光を用いる場合、例えば、緑色光、黄色光または赤色光を蛍光として出射する蛍光体を用いることができる。
蛍光体の平均粒子径(D50)は、1〜50μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましい。蛍光体の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下しやすくなる。一方、蛍光体の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均一になる傾向がある。
波長変換部材1中における蛍光体の含有量は、5〜80体積%であることが好ましく、10〜75体積%であることがより好ましく、20〜70体積%であることがさらに好ましい。蛍光体の含有量が少なすぎると、所望の発光強度が得られにくくなる。一方、蛍光体の含有量が多すぎると、波長変換部材1の機械的強度が低下しやすくなる。
波長変換部材1は、無機バインダー等を含まない、実質的に蛍光体のみから構成されたものであってもよい。このようなものとして、具体的には多結晶セラミック蛍光体及び単結晶セラミック蛍光体が挙げられる。これらのセラミック蛍光体は耐熱性に非常に優れるため、励起光の出力が大きくなって高温になった場合であっても、溶解等の不具合が発生しにくい。多結晶セラミック蛍光体及び単結晶セラミック蛍光体としては、例えばYAGセラミック蛍光体等のガーネット系セラミック蛍光体が挙げられる。
波長変換部材1の厚みは、励起光が確実に蛍光体に吸収されるような厚みである範囲において、薄い方が好ましい。その理由としては、波長変換部材1が厚すぎると、波長変換部材1における光の散乱や吸収が大きくなりすぎ、蛍光の出射効率が低下する傾向があること、及び、波長変換部材1の温度が高くなって、経時的な発光強度の低下や構成材料の溶解が発生しやすくなることが挙げられる。そのため、波長変換部材1の厚みは、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることがさらに好ましい。波長変換部材1の厚みの下限値は、通常、0.03mm程度である。また、出射光として白色を得る目的の場合は、励起光と蛍光が適切な割合になるように、波長変換部材1の厚みを制御すればよい。
放熱部材2は、波長変換部材1で生じた熱を放熱するため設けられている。したがって、放熱部材2は、高い熱伝導率を有する材質が形成されていることが好ましい。このような観点から、放熱部材2は、金属またはセラミックなどから形成されていることが好ましい。金属としては、例えば、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。セラミックとしては、高熱伝導性セラミックを用いることができる。高熱伝導性セラミックとしては、酸化アルミニウム系セラミック、窒化アルミニウム系セラミック、炭化ケイ素系セラミック、窒化ホウ素系セラミック、酸化マグネシウム系セラミック、酸化チタン系セラミック、酸化ニオビウム系セラミック、酸化亜鉛系セラミック、酸化イットリウム系セラミックなどが挙げられる。
本実施形態における放熱部材2の貫通孔3は、一方端3bから他方端3cに向かって拡がるテーパー状に形成されている。また、波長変換部材1は貫通孔3に対応した形状を有している。具体的には、波長変換部材1の側面1aは、貫通孔3のテーパー状の表面3aに対応した形状を有している。波長変換部材1の側面1a及び貫通孔3の表面3aが上記形状を有することにより、図2を参照して後述する波長変換素子10の製造工程において、波長変換部材1の側面1aを、貫通孔3の表面3aに均一に圧着させやすくなる。本実施形態において、波長変換部材1の側面1a及び貫通孔3の表面3aは、円錐台形のテーパー状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば角錐台形のテーパー状に形成されていてもよい。
本実施形態の波長変換素子10においては、例えば、一方端3b側から、貫通孔3内の波長変換部材1に励起光を照射し、波長変換部材1で波長変換して、蛍光を他方端3c側から出射させることができる。
波長変換部材1から外部に励起光及び蛍光が漏れるのを防止するため、波長変換部材1の側面1a及び/または貫通孔3の表面3aの上に、反射層を設けてもよい。反射層としては、Ag、Al、Pt、Cu等からなる金属層や、アルミナやチタニア等を含むセラミック層が挙げられる。なお、放熱部材2が金属から形成される場合、貫通孔3の表面3aを反射層として機能させることもできる。
波長変換部材1の励起光入射側表面に、蛍光の前方取り出し向上を目的として、バンドパスフィルターを設けてもよい。また、波長変換部材1の励起光及び蛍光の出射側表面に、励起光及び蛍光の反射損失低減を目的として反射防止膜を設けてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態の製造方法を説明するための模式的断面図である。図2に示すように、波長変換部材1の側面1aの上には、ガラス層4が形成されている。ガラス層4は、以下のようにして形成することができる。
ガラス粉末と、バインダーと、溶剤とを含むガラスペーストを準備する。ガラス粉末は、軟化点が250℃〜1000℃、さらには300℃〜850℃であるものを用いることが好ましい。なお、ガラス粉末の軟化点はファイバーエロンゲーション法により得られた値を言う。ガラスの具体例としては、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、スズリン酸塩ガラス、ビスマス酸塩ガラス及びホウケイ酸鉛ガラスから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、ホウケイ酸塩系ガラス、スズリン酸塩系ガラスは軟化点が比較的低く低温焼結が可能であり、焼成時における蛍光体の劣化を抑制できるため、特に好ましく用いられる。
バインダーとしては、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステルカーボネート等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用することができる。
溶剤としては、テルピネオール、酢酸イソアミル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等を単独または混合して使用することができる。
ガラスペーストは、例えば、バインダーを溶媒に溶解した溶液中に、ガラス粉末を添加し混合することにより調製することができる。ガラスペースト中には、必要に応じて、セラミックや金属などのフィラーが含有されていてもよい。このようにすれば、ガラスペーストの粘度が高まり、後述するペースト塗布層のタレを抑制することができる。また、ガラス層4の熱伝導率が向上するため、波長変換部材1で発生した熱を放熱部材2に効率良く伝達させることができる。フィラーが含有される場合には、ガラス粉末100質量部に対し、1〜100質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。
本実施形態では、このようにして調製したガラスペーストを、波長変換部材1の側面1aの上に塗布し、ペースト塗布層を形成する。次に、ペースト塗布層を加熱して、バインダーを除去するとともに、ガラス粉末を焼結し、ガラス層4を形成する。バインダーの除去は、ガラス粉末の軟化点−150℃〜ガラス粉末の軟化点−5℃の範囲で行うことが好ましく、ガラス粉末の軟化点−120℃〜ガラス粉末の軟化点−10℃の範囲で行うことがさらに好ましい。ガラス粉末の焼結は、ガラス粉末の軟化点〜ガラス粉末の軟化点+150℃の範囲で行うことが好ましく、ガラス粉末の軟化点+5℃〜ガラス粉末の軟化点+130℃の範囲で行うことがさらに好ましい。このような温度範囲で加熱することにより、バインダーを完全に除去し、緻密なガラス層4を形成することができる。なお、ガラス粉末を焼結するための温度が低すぎると、ガラス層4に気孔が残存しやすくなる。このような状態で波長変換部材1と放熱部材2を接触させ加熱すると、ガラス粉末同士が焼結し収縮する過程で、ガラス内に気泡が形成されたり、大きな隙間が形成される傾向がある。これらの気泡や隙間は熱伝導率が極めて低いため、波長変換部材1からの熱を効果的に放熱部材2に伝達させることができず、放熱性が低下しやすくなる。
次に、側面1aの上にガラス層4を形成した波長変換部材1を、図2に示すように、貫通孔3の他方端3c側に配置する。波長変換部材1を、矢印A方向に移動させて、側面1a上に形成したガラス層4を、貫通孔3の表面3aに圧着させた状態で、ガラス層4を加熱する。加熱温度は、例えば、ガラス粉末の軟化点〜ガラス粉末の軟化点+150℃の範囲が好ましく、ガラス粉末の軟化点+5℃〜ガラス粉末の軟化点+130℃の範囲がさらに好ましい。このような温度範囲内とすることにより、ガラス層4が軟化流動し、波長変換部材1の側面aと貫通孔3の表面3aを接着することができる。
本発明に従い、貫通孔3の表面3aと波長変換部材1の側面1aとを、予め波長変換部材1の側面1a上に形成されたガラス層4を再加熱し、軟化流動させて接着することにより、ガラス層4内に気泡が生じたり、収縮による大きな隙間ができたりするのを抑制することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態の製造方法を説明するための模式的断面図である。本実施形態においては、ガラスペーストを、放熱部材2における貫通孔3の表面3aの上に塗布し、貫通孔3の表面3aの上にペースト塗布層を形成している。第1の実施形態と同様に、ペースト塗布層を加熱して、バインダーを除去するとともに、ガラス粉末を焼結することにより、貫通孔3の表面3aの上にガラス層4を形成している。
その後、波長変換部材1を矢印A方向に移動させ、貫通孔3の表面3a上のガラス層4を、波長変換部材1の側面1aに圧着させた状態で、ガラス層4を加熱する。これにより、ガラス層4が軟化流動し、貫通孔3の表面3aと波長変換部材1の側面1aとを接着することができる。
本実施形態においても、ガラス層4を再加熱して軟化流動させることにより部材同士を接着しているので、ガラス層内に気泡が生じたり、収縮による大きな隙間ができたりするのを抑制することができる。このため、波長変換部材1からの熱を効果的に放熱部材2に伝達させることができ、放熱性を高めることができる。
本実施形態では、貫通孔3の表面3aの全体にガラス層4を形成しているが、これに限定されるものではなく、波長変換部材1を貫通孔3の表面3aに圧着させた際に、接触する領域にのみガラス層4を形成してもよい。また、ガラス層4は、波長変換部材1の側面1a及び貫通孔3の表面3aの両方に形成してもよい。
図4は、本発明の第3の実施形態の製造方法で製造される波長変換素子を示す模式的断面図である。本実施形態においては、貫通孔3が円柱状に形成されている。したがって、波長変換部材1も円柱状に形成されている。本発明における貫通孔3は、必ずしも第1及び第2の実施形態のようにテーパー状に形成されている必要はなく、本実施形態のように柱状の形状を有していてもよい。また、貫通孔3及び波長変換部材1の形状は、角柱状の形状であってもよい。
本実施形態においても、ガラス層4を再加熱して軟化流動させることにより部材同士を接着しているので、ガラス層内に気泡が生じたり、収縮による大きな隙間ができたりするのを抑制することができる。このため、波長変換部材1からの熱を効果的に放熱部材2に伝達させることができ、放熱性を高めることができる。
第1の実施形態で製造される波長変換素子10と同様に、波長変換部材1の励起光入射側表面に、蛍光の前方取り出し向上を目的として、バンドパスフィルターを設けてもよい。また、波長変換部材1の励起光及び蛍光の出射側表面に、励起光及び蛍光の反射損失低減を目的として反射防止膜を設けてもよい。
図5は、本発明の第4の実施形態における波長変換部材を示す模式的断面図である。本発明における波長変換部材は、図5に示す波長変換部材20のように、蛍光体層21と、蛍光体層21より高い熱伝導率を有する透光性放熱層22とを交互に積層させた積層体から構成されていてもよい。具体的には、本実施形態の波長変換部材20は、蛍光体層21と、その両面に形成された透光性放熱層22とを備えた積層体からなる。本実施形態では、蛍光体層21に励起光が照射されることにより発生した熱は、各透光性放熱層22を通じて外部に効率良く放出される。よって、蛍光体層21の温度が過度に上昇することを抑制することができる。
蛍光体層21としては、第1の実施形態の波長変換部材1と同様のものを用いることができる。具体的には、無機バインダー中に蛍光体を分散して形成されたものや、多結晶セラミック蛍光体及び単結晶セラミック蛍光体などを用いることができる。
透光性放熱層22は、蛍光体層21より高い熱伝導率を有している。具体的には、5W/m・K以上であることが好ましく、10W/m・K以上であることがより好ましく、20W/m・K以上であることがさらに好ましい。また、励起光、及び蛍光体層21から発せられる蛍光を透過させる。具体的には、透光性放熱層22の波長400〜800nmにおける全光線透過率は10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましく、40%以上であることが特に好ましく、50%以上であることが最も好ましい。
透光性放熱層22としては、酸化アルミニウム系セラミックス、酸化ジルコニア系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス、酸化イットリウム系セラミックス等の透光性セラミック基板が挙げられる。
透光性放熱層22の厚みは、0.05〜1mmであることが好ましく、0.07〜0.8mmであることがより好ましく、0.1〜0.5mmであることがさらに好ましい。透光性放熱層22の厚みが小さすぎると、機械的強度が低下する傾向がある。一方、透光性放熱層22の厚みが大きすぎると、波長変換素子が大型化する傾向がある。
なお、蛍光体層21の両面に設けられた2つの透光性放熱層22の厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、一方の透光性放熱層22の厚みを比較的大きく(例えば0.2mm以上、さらには0.5mm以上)することにより、波長変換部材20としての機械的強度が担保される場合は、他方の透光性放熱層22の厚みを比較的小さく(例えば0.2mm未満、さらには0.1mm以下)してもよい。
第1の実施形態で製造される波長変換素子10と同様に、透光性放熱層22の励起光入射側表面に、励起光の反射損失低減や蛍光の前方取り出し向上を目的として、反射防止膜やバンドパスフィルターを設けてもよい。また、透光性放熱層22の励起光及び蛍光の出射側表面に、励起光及び蛍光の反射損失低減を目的として反射防止膜を設けてもよい。さらに、蛍光体層21及び透光性放熱層22から外部に励起光及び蛍光が漏れるのを防止するため、各層の側面に反射層を設けてもよい。
本実施形態の波長変換部材20は、例えば以下のようにして作製することができる。
ガラス粉末と、蛍光体と、バインダー樹脂や溶剤等の有機成分とを含むスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上にドクターブレード法等により塗布し、加熱乾燥することにより、蛍光体層21用のグリーンシートを作製する。グリーンシートを焼成することにより蛍光体層21を得る。
蛍光体層21の両面に透光性放熱層22を積層し、加熱圧着することにより波長変換部材20が得られる。あるいは、ポリシラザン等の無機接着剤を介して蛍光体層21と透光性放熱層22を接合してもよい。また、蛍光体層21がセラミック蛍光体からなり、透光性放熱層22が透光性セラミックからなる場合には、蛍光体層21と透光性放熱層22とを放電プラズマ焼結法により接合してもよい。このようにすれば、蛍光体層21と透光性放熱層22の密着性が良好となり、蛍光体層21で発生した熱が透光性放熱層22に伝達しやすくなる。
本実施形態の波長変換部材20は、3層の積層体であるが、これに限定されるものではなく、例えば、蛍光体層21と透光性放熱層22とを交互に積層させた4層以上の積層体であってもよい。
本実施形態の波長変換部材20は、第1及び第2の実施形態の製造方法のいずれにも適用することができる。また、第3の実施形態の波長変換部材1のように、円柱状や角柱状であってもよい。
本実施形態の波長変換部材20を用いた場合にも、ガラス層4を再加熱して軟化流動させることにより部材同士を接着しているので、ガラス層内に気泡が生じたり、収縮による大きな隙間ができたりするのを抑制することができる。このため、波長変換部材20からの熱を効果的に放熱部材2に伝達させることができ、放熱性を高めることができる。
1…波長変換部材
1a…側面
2…放熱部材
3…貫通孔
3a…表面
3b…一方端
3c…他方端
4…ガラス層
10…波長変換素子
20…波長変換部材
21…蛍光体層
22…透光性放熱層

Claims (9)

  1. 貫通孔を有する放熱部材と、前記貫通孔内に配置される波長変換部材と、前記波長変換部材と前記貫通孔の間に設けられるガラス層とを備え、前記ガラス層によって前記貫通孔の表面と前記波長変換部材の側面とが接着されている波長変換素子を製造する方法であって、
    ガラス粉末と、バインダーと、溶剤とを含むガラスペーストを準備する工程と、
    前記ガラスペーストを、前記波長変換部材の前記側面及び前記貫通孔の前記表面の少なくとも一方に塗布し、ペースト塗布層を形成する工程と、
    前記ペースト塗布層を加熱して、前記バインダーを除去するとともに、前記ガラス粉末を焼結して、ガラス層を形成する工程と、
    前記ガラス層を形成した後、前記貫通孔内に前記波長変換部材を配置し、前記波長変換部材の前記側面と前記貫通孔の前記表面の間に位置する前記ガラス層を加熱して軟化流動させることにより、前記波長変換部材の前記側面と前記貫通孔の前記表面とを接着する工程とを備える、波長変換素子の製造方法。
  2. 前記貫通孔は、一方端から他方端に向かって拡がるテーパー状に形成されている、請求項1に記載の波長変換素子の製造方法。
  3. 前記貫通孔に対応した形状を有する前記波長変換部材を、前記他方端側から前記貫通孔内に配置する、請求項2に記載の波長変換素子の製造方法。
  4. 前記波長変換部材が、無機バインダー中に蛍光体の粉末を分散して形成されたものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子の製造方法。
  5. 前記波長変換部材が、多結晶セラミック蛍光体または単結晶セラミック蛍光体からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子の製造方法。
  6. 前記波長変換部材が、蛍光体層と、前記蛍光体層より高い熱伝導率を有する透光性放熱層とを交互に積層させた積層体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子の製造方法。
  7. 前記透光性放熱層が、透光性セラミックからなる、請求項6に記載の波長変換素子の製造方法。
  8. 前記放熱部材が、金属またはセラミックから形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長変換素子の製造方法。
  9. 前記ガラス粉末が、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、スズリン酸塩ガラス、ビスマス酸塩ガラス及びホウケイ酸鉛ガラスから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長変換素子の製造方法。
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