JP2017084595A - Deflection electromagnet device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、蓄積リングやシンクロトロン放射光リングなどに利用される偏向電磁石装置に関する。 The present invention relates to a deflection electromagnet apparatus used for a storage ring, a synchrotron radiation light ring, or the like.
電子ビームや陽子線などの荷電粒子ビームに対し、ビーム進行方向と垂直な方向に周期的な運動を加えることで放射光を発生させる技術がある。荷電粒子ビームに周期的な運動を加えるために、荷電粒子ビームが通過するビームダクト(真空容器)のビーム軌道上に挿入光源を設置する。挿入光源に備えられた偏向電磁石装置によって磁場を生成して、ビームダクト内を通過する荷電粒子ビームを偏向し、放射光を発生させる。挿入光源としてウィグラーを利用することによって、より強い磁場を生成し、短い波長の放射光を発生させる技術がある。 There is a technique for generating synchrotron radiation by applying a periodic motion in a direction perpendicular to the traveling direction of a charged particle beam such as an electron beam or a proton beam. In order to apply periodic motion to the charged particle beam, an insertion light source is installed on the beam trajectory of a beam duct (vacuum vessel) through which the charged particle beam passes. A magnetic field is generated by a deflecting electromagnet device provided in the insertion light source, and the charged particle beam passing through the beam duct is deflected to generate radiation light. There is a technique for generating a stronger magnetic field and generating short-wavelength radiation by using a wiggler as an insertion light source.
特許文献1は、小型化できる偏向電磁石装置及び挿入光源装置を提供することを目的とし、解決手段として、「偏向電磁石装置は、磁性体の第1ヨークと、この第1ヨークの下方に配置されて非磁性体の支持部材で前記第1ヨークに連結された磁性体の第2ヨークとを備え、前記第1ヨークが、第1リターンポール、第1メインポール、第2リターンポールを含んでおり、前記第2ヨークが、第3リターンポール、第2メインポール、第4リターンポールを含んでおり、磁場を生成する第1コイルが前記第1メインポールに設けられ、磁場を生成する第2コイルが前記第2メインポールに設けられ、前記第1リターンポールと前記第3リターンポールが、前記第1メインポールと前記第2メインポールが、及び前記第2リターンポールと前記第4リターンポールが、それぞれ、荷電粒子ビームが通過する間隙を間に挟んで対向して配置されていることを特徴とする」と開示している。
特許文献1に開示された偏向電磁石装置は、荷電粒子ビームの直進方向に沿って、3台の偏向電磁石が配置された体系を有する。特許文献1に開示された小型化の取り組みは、独立した3台の偏向電磁石が並べられる配置体系を前提とする。そこで本発明は、前提とされていた偏向電磁石の配置体系について検討し、更にコンパクト化を図ることが可能な偏向電磁石装置を提供することを課題とする。
The deflecting electromagnet device disclosed in
本発明は上記課題を解決するにあたって様々な実施形態を含むが、その一例は、「上下に対向して配置された一対のヨークと、前記一対のヨークの間に設置されたビームダクトと、
前記一対のヨークを支持する非磁性体の支持部材と、を備える偏向電磁石装置において、
前記ヨークは少なくとも前記ビームダクトに向かって突出し、かつ前記ビームダクトの長手方向に沿って配置された第1磁性体ポール、第2磁性体ポールおよび第3磁性体ポールと、前記第2磁性体ポールに巻き回された第1コイルと、前記第1磁性体ポールおよび前記第3磁性体ポールの両方を内径側に含む第2コイルと、が設けられたこと」を特徴とする。
The present invention includes various embodiments in order to solve the above-mentioned problem, and an example thereof is “a pair of yokes arranged to be vertically opposed to each other, a beam duct installed between the pair of yokes,
A non-magnetic support member for supporting the pair of yokes,
The yoke protrudes at least toward the beam duct and is disposed along the longitudinal direction of the beam duct. The first magnetic pole, the second magnetic pole, the third magnetic pole, and the second magnetic pole And a second coil that includes both the first magnetic pole and the third magnetic pole on the inner diameter side ”.
または「上下に対向して配置された一対のヨークと、前記一対のヨークの間に設置されたビームダクトと、前記一対のヨークを支持する非磁性体の支持部材と、を備える偏向電磁石装置において、前記ヨークは少なくとも前記ビームダクトに向かって突出し、かつ前記ビームダクトの長手方向に沿って配置された第1磁性体ポール、第2磁性体ポールおよび第3磁性体ポールと、前記第2磁性体ポールに巻き回された第1コイルと、前記第1磁性体ポールの側面に沿ったコイル面を有する第2コイルと、前記第3磁性体ポールの側面に沿ったコイル面を有する第3コイルと、が設けられ、前記ビームダクトの長手方向において、前記第2コイルおよび前記第3コイルは、前記第1磁性体ポールおよび前記第3磁性体ポールの外側に設けられたこと」を特徴とする。 Or “in a bending electromagnet apparatus comprising: a pair of yokes arranged vertically opposite to each other; a beam duct installed between the pair of yokes; and a nonmagnetic support member that supports the pair of yokes. The yoke protrudes at least toward the beam duct and is disposed along the longitudinal direction of the beam duct. The first magnetic pole, the second magnetic pole, and the third magnetic pole, and the second magnetic body A first coil wound around a pole; a second coil having a coil surface along a side surface of the first magnetic pole; and a third coil having a coil surface along a side surface of the third magnetic pole; The second coil and the third coil are provided outside the first magnetic pole and the third magnetic pole in the longitudinal direction of the beam duct. And wherein when ".
本発明は、コンパクト化を図ることが可能な偏向電磁石装置を提供することができる。 The present invention can provide a deflecting electromagnet device that can be made compact.
本発明の説明にあたって、まずウィグラーの基本的な仕組みを説明し、次に本発明の特徴について詳細に説明する。なお、ウィグラーとは挿入光源に利用される偏向電磁石装置のことを指す。 In describing the present invention, the basic mechanism of the wiggler will be described first, and then the features of the present invention will be described in detail. The wiggler refers to a deflection electromagnet device used as an insertion light source.
図1は、挿入光源として利用されているウィグラーの一例を示す概念図である。図1のウィグラー(偏向電磁石装置11)は、ビームダクト7の直線部に沿って、第一の偏向電磁石2A、第二の偏向電磁石1及び第三の偏向電磁石2Bが配置され構成される。図1では支持構造や接続線などは省略している。
FIG. 1 is a conceptual diagram showing an example of a wiggler used as an insertion light source. The wiggler (deflecting electromagnet device 11) of FIG. 1 is configured by arranging a
荷電粒子ビームは図1において左から右へ進む。ウィグラーはシンクロトロンや蓄積リングのリング軌道3上に設置される。放射光を観測するときには、リング軌道3を周回する荷電粒子ビームの軌道を急激に曲げて偏向軌道9を生じさせることによって放射光を発生させる。ウィグラーを通過中に急激に偏向された荷電粒子ビームは、ウィグラーから出射する際には元のリング軌道に回復される。
The charged particle beam travels from left to right in FIG. The wiggler is installed on the
偏向電磁石2Aは、入射した荷電粒子ビームを偏向する磁場を生成する。偏向電磁石1は放射光を発生させる目的で設けられる。偏向電磁石2Aよりも強く、かつ向きが反対の磁場を生成する。偏向電磁石2Bは偏向電磁石2Aと同じ方向の磁場を生成する。各偏向電磁石が形成する磁場を荷電粒子ビームが通過するとき、荷電粒子ビームは偏向軌道9のように進む。その理由は次のように説明できる。
The
ウィグラーに入射した荷電粒子ビームは、はじめに、偏向電磁石2Aが生成した磁場によって偏向される。図1に示す例では、偏向電磁石2Aを通過する際に、荷電粒子ビームに対して上から下へ向かう運動成分が付加されている。
The charged particle beam incident on the wiggler is first deflected by the magnetic field generated by the
偏向電磁石1は、偏向電磁石2Aと反対向きの強い磁場を生成する。リング軌道3と垂直な方向成分を偏向成分と呼ぶとすると、偏向電磁石1は、入射した荷電粒子ビームの偏向成分を反転させ、偏向電磁石2Bに進入させる役割をもつ。偏向電磁石2Bへ入射した荷電粒子ビームは、偏向電磁石1によって付与された偏向成分が打ち消され、残った直進成分に沿って出射する。
The
このように各偏向電磁石が磁場を発生させる結果、ウィグラーを通過する荷電粒子ビームは、図1に示す偏向軌道9を描く。なお、これらの偏向電磁石を動作させない場合、荷電粒子ビームはウィグラーに入射した後も直進し、放射光は発生しない。 As a result of each deflecting electromagnet generating a magnetic field in this way, the charged particle beam passing through the wiggler draws a deflection trajectory 9 shown in FIG. If these deflection electromagnets are not operated, the charged particle beam travels straight after entering the wiggler and no radiated light is generated.
図2は、図1で示すウィグラーのAA断面図である。ウィグラーとして利用される偏向電磁石装置11はしばしばこのような体系を有する。
FIG. 2 is a cross-sectional view of the wiggler shown in FIG. The
偏向電磁石装置11は、磁場の経路(磁路)を定めるメインポール1A、1B、サイドポール21A、22A、21B、22Bを備える。また、偏向電磁石装置11は、磁場を生成するためのコイル41A、41B、42A、42B、43A、43Bを備える。またこれらの構成が固定されるヨーク5A、5Bを備える。
The
コイル41Aはメインポール1Aに巻き回される。同様に、コイル41Bはメインポール1Bに、コイル42Aはサイドポール21Aに、コイル43Aはサイドポール22Aに、コイル42Bはサイドポール21Bに、コイル43Bはサイドポール22Bに巻き回される。
The
なお、偏向電磁石装置11は荷電粒子ビームの偏向面に対して対称な構造を有し、上述した偏向電磁石装置11が備える各構成については、Aを付した符号とBを付した符号とが対応関係にある。
The
ヨーク5A、5Bは、各コイル、各メインポールおよび各サイドポールを支持する部材であって、互いに支持部材8を介して支持される。なお、支持部材8の材質は非磁性体であって、例えばステンレスによって形成される。また、各ヨークの支持態様は、図3に示すようなコイル41A、41Bを囲い込むように2本の支持部材8を配置する両側支持の態様、図4に示すような一本の支持部材8を配置する片側支持の態様のいずれであってもよい。
The
次に偏向電磁石装置11が生じる磁場について図2を例に説明する。
Next, the magnetic field generated by the
偏向電磁石装置11は、複数のコイルを備え、これらが起磁力源として機能する。各コイルの近傍に付された+または―の符号は、コイル断面における電流の向きを示す。コイル41A、41Bを流れる電流は、隣り合うコイル42A、42B、43A、43Bを流れる電流と反対向きである。なお、これらの向きは一例であってこれらが反転してもよい。ただし、中央付近に発生する磁場と、その両側で発生する磁場とは向きが反対となることは同様である。
The
コイル41A、41Bは、上側のメインポール1Aと下側のメインポール1Bの間のギャップに磁場(磁力線6)を生成する。メインポール間に生成される磁場は、図2であれば下側のメインポール1Bから上側のメインポール1Aへ向かう一方向の磁場である。また、コイル42Aおよびコイル42Bはサイドポール21Aからサイドポール21Bへ向かう一方向の磁場を生成する。コイル43Aおよびコイル43Bはサイドポール22Aからサイドポール22Bへ向かう一方向の磁場を生成する。
The
また、各コイルと図1との対応関係は次のようになる。メインポール1A、1Bおよびコイル41A、41Bが偏向電磁石1に相当する。サイドポール21A、21Bおよびコイル42A、42Bが偏向電磁石2Aに相当する。サイドポール22A、22Bおよびコイル43A、43Bが偏向電磁石2Bに相当する。
The correspondence between each coil and FIG. 1 is as follows. The
偏向電磁石装置11の主となる磁気回路は、図2において点線で示す磁力線6が示す経路となる。すなわち、磁力線6は各メインポールおよび各サイドポールを入口または出口とするループ状であって、ヨーク5A、5Bの内部で閉じたものとなる。このような偏向電磁石装置11に荷電粒子ビームが入射すると、荷電粒子ビームはリング軌道3上に作られた磁場によって偏向される。なお、支持部材8が非磁性体であって磁気抵抗が大きいため、偏向電磁石装置11は支持部材8を介した上下のヨーク5A、5Bを連絡する磁気回路は主要な磁気回路とならない。
The main magnetic circuit of the
以上で説明するように、偏向電磁石装置11は、先に述べた磁場分布を形成するために、3台の偏向電磁石がリング軌道3に沿って並ぶ体系で構成されている。そして、各ポールそれぞれに対して個別にコイルが設置されるため、リング軌道3の方向において、各ポール間にある程度の距離が必要となるため、装置の大きさが増大しやすくなる。
As described above, the
ところで、荷電粒子ビームは、常にビームダクトと呼ばれる略真空のダクト内を進む。したがってビームダクトは、入射の軸から偏向によって到達する最遠方の地点までを覆うことが可能な形状や大きさが求められる。図1であれば、偏向軌道9を内包できる形状や大きさが要求される。 By the way, the charged particle beam always travels in a substantially vacuum duct called a beam duct. Therefore, the beam duct is required to have a shape and a size that can cover from the incident axis to the farthest point reached by deflection. In the case of FIG. 1, the shape and size capable of including the deflection track 9 are required.
したがってこのビームダクトを小型化することができれば、偏向電磁石装置11の更なる小型化が可能となるものの、次の課題が存在する。
Therefore, if the beam duct can be reduced in size, the
先に述べたように偏向電磁石装置11は、その装置体系に由来して、リング軌道3の方向においてある程度の距離を必要とする。一方、荷電粒子ビームの入射から出射までの距離が長くなると、荷電粒子ビームがリング軌道3から離れる度合い、つまり偏向軌道9の振幅が大きくなる。また、射光を出さない場合、偏向電磁石装置11は励磁されず、荷電粒子ビームはリング軌道3上を通過することになる。結果、偏向軌道9と、偏向されない場合のビーム軌道とを考慮してビームダクト7を構成する必要があり、ビームダクトは大型化しやすい。
As described above, the deflecting
そこで、本発明者は偏向電磁石装置の配置体系を再検討し、偏向電磁石装置の小型化、ビームダクトの小型化が可能な新体系を考案したため、これについて詳細に説明する。 Accordingly, the present inventor has reviewed the arrangement system of the deflection electromagnet apparatus and devised a new system capable of reducing the size of the deflection electromagnet apparatus and the beam duct, which will be described in detail.
本発明の好適な第1の実施例である偏向電磁石装置100を、図5を用いて説明する。図5において、荷電粒子ビームは左から右へ進むものとし、左側を上流、右側を下流とする。また荷電粒子ビームは、ビームダクト7内を通過し、かつリング軌道3を含む面、すなわち偏向面10上を進むものとする。
A deflecting
本実施例の偏向電磁石装置100は、荷電粒子ビームが通過するビームダクト7の長手方向に沿って、荷電粒子ビームの進行方向上流から順に、第1磁性体ポールであるサイドポール21A、21B、第2磁性体ポールであるメインポール1A、1B、第3磁性体ポールであるサイドポール21B、22Bが配置される。第1磁性体ポール、第2磁性体ポールおよび第3磁性体ポールを構成するそれぞれのポールは、上下に偏向面10を挟んで配置され、間隙を形成し、この間隙にビームダクト7が設置される。また各ポールはヨークに設置され、ヨークからビームダクト7に向かって突出した構造物となる。
The
各ポール部は磁性体で形成されたコイルが設置される。第1コイルとして、メインポール1Aを軸としてコイル41Aが巻き回され、メインポール1Bを軸としてコイル41Bが巻き回される。サイドポール21Aおよびサイドポール22Aを内径側に有するコイル51Aが巻き回され、第2コイルとしてサイドポール21Bおよびサイドポール22Bを内径側に有するコイル51Bが設置される。コイル41A、41Bの鉛直方向の設置位置は、コイル51A、51Bと等しいことが望ましいが、異なっていてもよい。
Each pole portion is provided with a coil formed of a magnetic material. As the first coil, the
図6は偏向電磁石装置100の斜視図である。なお、斜視図の作図上、符号Bを付与された部材を主に示したが、偏向面10に関して面対称に符号Aを付された部材が配置されている。また偏向面10は、荷電粒子ビームの直進方向の軌道であるリング軌道3を含み、メインポール1Aおよびメインポール1Bに対する距離が等しい平面である。また、斜視図の視点方向から見た場合、ビームダクト7の後方領域は本来であれば見えない構造だが、説明の簡単のためにビームダクト7を透明な部材として表している。
FIG. 6 is a perspective view of the bending
図6に示すように、コイル41Bおよびコイル51Bは共にレーストラック形状のコイルである。コイル41Bよりもコイル51Bが大きく、コイル41Bはコイル51Bの内側に納まるように構成される。また。コイル41Bの長軸とコイル51Bの長軸とが一致するように配置されることが望ましい。
As shown in FIG. 6, the
コイル41Bとコイル51Bとの間は、サイドポール21B、22Bが設置される。サイドポール21B、22Bは、略レーストラック形状に磁性体が加工され、あるいは組み立てて形成された部材の一部に相当する。
コイル41Bの内径側にメインポール1Bが設置される。メインポール1Bの外周側にコイル41Bが設置され、サイドポール21Bおよびサイドポール22Bの外周側にコイル44Bが近接して設置されるため、コイル41B、コイル44Bで生成された磁力を効率的に所望の方向に導くことができる。
The
メインポール1Bは楕円状の断面を有する柱状の部材である。サイドポールと同様に磁性体によって形成され、例えば純鉄やケイ素鋼が利用される。なおケイ素鋼に代わって他の電磁鋼板の積層体を利用してもよい。また、メインポール1Bの断面の長軸の方向と、サイドポールを一部に含む略レーストラック形状の長軸の方向とは一致するように配置されることが望ましい。
The
より望ましくは、コイル41Bの長軸、コイル51Bの長軸、メインポール1Bの断面の長軸およびサイドポールを一部に含むレーストラック形状の部材の長軸、それぞれの方向が一致するように各部材は配置される。また、これらの長軸に対して荷電粒子ビームのリング軌道3が直交することが望ましい。
More preferably, the major axis of the
サイドポール21B、22Bを一部に含むレーストラック形状の部材において、各サイドポールの寸法は、メインポール1Bの長軸の長さと同程度としている。以上のような寸法および長軸とリング軌道3との配置関係によって、磁場分布の強度は、偏向面10の面内で、かつビームの直進方向(リング軌道3)と直交する方向において、おおよそ等しくなる。換言すると、ビームの直行方向の磁場分布が許容範囲内で一様となるため、その結果、荷電粒子ビームが経験する磁場の乱れを抑制することができる。
In a racetrack-shaped member partially including the
なお、サイドポール21B、22Bは、略レーストラック形状の一部を形成せず、単なる平板状の部材であってもよい。その場合、2つのサイドポールが少なくともコイル41Bの直線部とコイル51Bの直線部との間を隔てる壁のように配置されていればよい。また、メインポール1Bの長軸と平行となるようにサイドポールを設置することが望ましい。
Note that the
各コイルおよび各ポール部以外の構造について説明する。 The structure other than each coil and each pole portion will be described.
ヨーク5A、5Bは磁性体で形成され、継鉄とも呼ぶ。支持部材8は非磁性体である。支持部材8を非磁性体で形成することの効果は前述のとおりである。ビームダクト7を中央に置いて、上部にヨーク5Aが配置され、下部にヨーク5Bが配置される。この一対のヨークは互いに支持部材8で固定される。また、図5に示すように、ヨーク5Aにメインポール1A、サイドポール21A、22Aが設置される。ヨーク5Bにメインポール1B、サイドポール21B、22Bが取り付けられる。各ポールは上下方向にギャップを形成し、このギャップにビームダクト7が設置される。
The
支持部材8による支持の態様は、図4に示す例と同様である。偏向電磁石装置100に入射する荷電粒子ビームからみると(ビーム進行方向の上流側に配置されるサイドポール21A、21Bからみると)C字型の形状を有するように、上下のヨークが支持部材8によって固定される。C字型の形状とすることで、図3に示すようなH型形状の電磁石と比較して設置スペースを狭くすることができる。更にメンテナンス等で電磁石を移動する場合にも、ビームダクト7を取り外す必要がないなどの効果が得られる。
The mode of support by the
なお、上記では、メインポール1A、サイドポール21A、22Aおよびヨーク5Aがそれぞれ独立した部材であって、それぞれを組み立てる構成としたが、これらを一体成型してもよい。符号Bを付した部材についても同様である。
In the above description, the
次に各コイルおよびポールの役割について説明する。なお、各コイルおよび各ポール部材については、符号Bを付したものと対応する符号Aを付した構造が、偏向面10に関して面対称に配置されている。
Next, the role of each coil and pole will be described. In addition, about each coil and each pole member, the structure which attached | subjected the code | symbol A corresponding to what was attached | subjected the code | symbol B is arrange | positioned in plane symmetry regarding the
はじめにサイドポール21A、21Bおよびサイドポール22A、22B、およびこの外周に設置されたコイル51A、51Bの機能について説明する。
First, functions of the
これらのポール部およびコイルを構成に有する磁場発生部は荷電粒子ビームをリング軌道3に戻す磁場を発生させる役割を持つ。この磁場はコイル51A、51Bに同じ方向に電流が流れることで生成される。図5の例であれば、偏向電磁石装置100の鉛直方向上側から見て右回りに電流が通電される。
The magnetic field generator having the pole portion and the coil has a role of generating a magnetic field for returning the charged particle beam to the
メインポール1A、1Bおよびコイル41A、コイル41Bを構成に有する磁場発生部は、荷電粒子ビームをリング軌道3から急激に外れるように偏向し、偏向軌道9が形成されるような磁場を発生させる。これによって放射光を発生させる。偏向軌道9を形成する磁場は、コイル41A、41Bに同じ向きの電流が通電されることで発生する。図5の例であれば偏向電磁石装置100の鉛直方向上側から見て左回りに電流が通電される。なお、コイル41A、41Bに通電される電流は、コイル51A、51Bに通電される電流と反対向きである。なお、電流の通電の向きは反対であってもよい。ただし、コイル41A、41Bに流れる電流と、コイル51A、51Bに流れる電流とは反対の向きでなければならない。
The magnetic field generator having the
次に上述したコイルおよびポールの配置によって形成される磁場の経路について説明する。 Next, the path of the magnetic field formed by the arrangement of the coil and pole described above will be described.
上部のコイル41A、51Aに電流が通電されることで起磁力が発生し、図5に示すように、メインポール1A、サイドポール21A、22A及びヨーク5Aの内部を通過する磁場(磁力線6)が生成される。同様に、下部のコイル41B、51Bに電流が通電されることによって起磁力が発生し、メインポール1B、サイドポール21B、22B及びヨーク5Bの内部を通過する磁場が生成される。
A magnetomotive force is generated when a current is applied to the
より詳細にはコイル41A、41Bに電流が通電されると、図5に示すように、メインポール1Bからメインポール1Aへ向かう磁場が形成される。またメインポール1Aから入った磁場は、ヨーク5Aの内部を進み、サイドポール21A、22Aから下側のサイドポール21B、22Bへ向かう。サイドポール21B、22Bから入った磁場はヨーク5Bの内部を進みメインポール1Bからメインポール1Aへ向かう。
More specifically, when a current is passed through the
磁力線6が上下のメインポールの間または上下のサイドポールの間を通過する理由は、これらの部分を通ることで大気中を通過する距離が最も短くなるためである。換言すると、この経路は、他の経路を採った場合に比べて磁気抵抗の積分値が小さいため、このような経路が形成される。
The reason why the
コイル51A、51Bに通電される電流はと、サイドポール21Aおよびサイドポール22Aからサイドポール21B、22Bへ向かう磁場を形成する。なお、この際にメインポール1Aからメインポール1Bへ向かう磁場が形成されるように思われるが、これは発生しない。2つのメインポール間にはコイル41A、41Bによって形成される反対向きの磁場が存在し、この磁場はコイル51B、51Aによって発生する磁場よりも強い。そのため、メインポール1Aからメインポール1Bへ向かう磁場は発生しない。コイル51A、51Bが形成する磁場の磁力線は、コイル41A、41Bに由来する磁場によってメインポール1A、1Bの周囲に押しやられ、サイドポール21A、22Aからサイドポール21B、22Bへ向かう磁場となる。
The current passed through the
また、サイドポール21B、22Bへ入った磁場は、ヨーク5Bの内部を進みメインポール1Bからメインポール1Aへ向かう。メインポール1Aへ入った磁場はヨーク5Aの内を進みサイドポール21A、22Aへ再度到達する。このようにしてコイル51A、51Bによっても、磁力線6で示すような磁場が形成される。
The magnetic field that has entered the
また、ヨーク5A、5Bを接続する支持部材8は、非磁性体で構成されているため、磁気抵抗が磁性体(特にヨーク5A、5B、メインポール1A、1B、サイドポール21A、22A、21B、22B)よりも大きい。磁気回路は磁気抵抗の小さくなる磁路で閉じられる性質をもつ。したがってメインポール1Aから非磁性材である支持部材8を通ってメインポール1Bへ向かう磁路よりも、メインポール1Aからヨーク5Aの内部を進みサイドポール21A、22Aを通って下側のサイドポール21B、22Bへ入り、ヨーク5Bの内部を進みメインポール1Bへ達する磁路の磁気抵抗が小さいため、図5に示すような磁気回路が形成される。
Further, since the
本実施例の偏向電磁石装置100に関する磁場解析結果を図7に示す。図7において左側に示すグラフは、新旧体系それぞれにおけるメインポールおよびサイドポールの設置位置を示し、右側に示すグラフは新旧体系それぞれに関する荷電粒子ビームの偏向軌道9を示す。
The magnetic field analysis result regarding the bending
まず、図7の左側に示すグラフについて説明する。このグラフの横軸はリング軌道3上の位置を示す。横軸のゼロ点はメインポール1A、1Bの断面長軸とリング軌道3の交点、つまり偏向電磁石装置100のリング軌道方向の中心である。また、縦軸は荷電粒子ビームが経験するリング軌道3上の磁場を示す。リング軌道3上の磁場は、リング軌道3上にメインポールおよびサイドポールによって形成される1次元磁場を近似した。なお、この磁場はリング軌道3に対して垂直に作用する磁場である。また、荷電粒子ビームを偏向させるための磁場であってメインポール間に生じる磁場を正磁場とし、荷電粒子ビームをリング軌道に戻すための磁場であってサイドポール間に生じる磁場を負磁場とした。経験磁場がゼロとなることは、荷電粒子ビームが偏向軌道9からリング軌道3に復帰したことを示す。
First, the graph shown on the left side of FIG. 7 will be described. The horizontal axis of this graph indicates the position on the
図7の左側上段に示すグラフは図2に示した旧体系の場合を示し、下段に示すグラフは図5に示した新体系の場合を示す。なお旧体系は3個のレーストラックコイルの中心軸がすべて平行となるように配置を仮定し、これに関する磁場分布を計算した。 The graph shown in the upper left part of FIG. 7 shows the case of the old system shown in FIG. 2, and the graph shown in the lower part shows the case of the new system shown in FIG. The old system assumed that the three racetrack coils were arranged so that the central axes were all parallel, and the magnetic field distribution was calculated.
図2に示す旧体系では、たとえばコイル41Aに+の電流が流れる部分のすぐ隣にコイル43Aの+電流が流れる部分が表れる。つまり、+電流が流れるコイル幅が少なくとも2つ存在し、その分だけ偏向電磁石装置11のリング軌道3方向の長さが長くなる。結果として正磁場を形成するメインポール1Aから負磁場を形成するサイドポール22Aまでの距離が長くなる。
In the old system shown in FIG. 2, for example, a portion where the + current of the
旧体系に対して、図5に示す新体系では、コイル41Aに+電流が流れる部分の脇に同方向の+電流が流れるコイルが表れないため、メインポール1Aから負磁場を生成するサイドポール22Aまでの距離が短くなる。つまり、本実施例の偏向電磁石装置100は、サイドポール22Aを偏向電磁石装置100の中心に近づけることができ、リング軌道3上において負磁場が形成される領域が偏向電磁石装置100中心に近づけられている。なお、図7においてはメインポール1Aとサイドポール22Aとの関係を示したが、メインポール1Aとサイドポール21Aとの関係も同様であって、符号Bを付した各コイルおよびポールについても同様である。
In contrast to the old system, in the new system shown in FIG. 5, the
この図7の左側に示した解析結果から、新体系の偏向電磁石装置100は、サイドポール21A、22A(21B、22B)が偏向電磁石装置100の中心近くに配置できることにより、旧体系における磁場分布と比較して、負領域から正領域により急峻に立ち上がる磁場が形成され、荷電粒子ビームが偏向して中心磁場点0に到達することがわかる。
From the analysis result shown on the left side of FIG. 7, in the new system of
具体的なリング軌道3からのずれについて、図7の左側に示した磁場分布を用いてビーム軌道を計算した計算例を図7の右側に示す。この計算結果から、新体系はリング軌道3からに対する荷電粒子ビームのずれ、すなわち偏向軌道9の振幅を、旧体系と比較して約14%低減できることがわかる。ここで、リング軌道からのずれはビーム蓄積エネルギーにも依るが、本検討では2.5GeVストレージリングを想定した。
A calculation example in which the beam trajectory is calculated using the magnetic field distribution shown on the left side of FIG. 7 for a specific deviation from the
本実施例によれば、上下に対向して配置される一対のヨークが、メインポール、サイドポールを有し、上部のヨーク及び下部のヨークを連結して支持する支持部材を非磁性体で構成しているため、荷電粒子ビームのリング軌道3上に相反する向きの磁場が効率的に生成される。つまり、メインポール1Aとメインポール1Bの間(間隙部であり、荷電粒子ビームが通過する領域)に生成される磁場の向きが、サイドポール21A、22Aの間(間隙部であり、荷電粒子ビームが通過する領域)に生成される磁場の向き、及びサイドポール21B、22Bの間(間隙部であり、荷電粒子ビームが通過する領域)に生成される磁場の向きと逆向きであって、各磁場が旧体系よりも接近して形成されるよう構成されている。
According to the present embodiment, a pair of yokes arranged vertically opposite to each other has a main pole and a side pole, and the support member that connects and supports the upper yoke and the lower yoke is formed of a non-magnetic material. Therefore, a magnetic field having an opposite direction is efficiently generated on the
このように本実施例の偏向電磁石装置100は、荷電粒子ビームを偏向させるための領域を狭くすることができるため、偏向電磁石装置100の全体の大きさを小さくすることができる。また、荷電粒子ビームの偏向時の軌道とリング軌道との差(距離)を短くできるため、ビームダクト7も旧体系よりも小型に設計することができる。
Thus, since the deflection |
また、偏向電磁石装置100の小型化を実現できるため、設置スペースを抑制できる。また、ビームダクト7を従来と同程度の大きさで形成すると、ビームダクト7の内部に照射される放射パワーも低減できる。また、ビームダクト7の冷却系の小型化などの効果を得ることができる。また、偏向電磁石装置100を小型化することで製造コストの低減もできる。
Further, since the
実施例1にて説明したように、コイルの配置体系を見直すことによって、偏向電磁石装置を小型化することができる。実施例1とは異なる体系を、本発明の好適な第2の実施例である偏向電磁石装置として図8を用いて説明する。 As described in the first embodiment, the deflection electromagnet device can be reduced in size by reviewing the coil arrangement system. A system different from that of the first embodiment will be described with reference to FIG. 8 as a deflecting electromagnet apparatus according to a second preferred embodiment of the present invention.
本実施例の偏向電磁石装置100は、図8に示すように、荷電粒子ビームが通過するビームダクト7に沿って、荷電粒子ビームの進行方向の上流側から順に、第1ポール部であるサイドポール21A、21B、第2ポール部であるメインポール1A、1B、第3ポール部であるサイドポール22A、22Bが配置される。各ポールは上側のヨーク5Aまたは下側のヨーク5Bに対して固定もしくは機械加工によって形成され、ヨーク5Aおよびヨーク5Bは非磁性体から形成される支持部材8によって支持されている。
As shown in FIG. 8, the deflecting
第1の実施例との違いは、サイドポール21A、22A、21B、22Bの外周側に設置されるコイルの体系が異なる。図5ではコイル41A、41Bの巻線中心軸と、コイル51A、51Bの巻線中心軸とが一致するように配置関係であった。一方、図8に示す本実施例では、コイル61A、61B、62A、62Bの巻線中心軸が、メインポールに設置されたコイル41A、41Bの巻線中心軸と平行ではない。例えば本実施例では、二つの中心軸はほぼ90度の角度をなすように設置されている。換言すると、コイル61A、61B、62A、62Bは、それぞれが設置されたサイドポールの側面に沿ったコイル面を有する。なお、コイル面とは、コイルの巻軸と直交する平面に含まれるコイル表面を指す。また、コイル61Aおよびコイル61Bは、ビームダクト7の長手方向においてサイドポール21Aおよびサイドポール21Bの外側の側面に配置される。同様にコイル62Aおよびコイル62Bは、ビームダクト7の長手方向においてサイドポール22Aおよびサイドポール22Bの外側の側面に配置される。
The difference from the first embodiment is that the coil system installed on the outer peripheral side of the
ただし、これは一例であるため、これらの中心軸の方向がリング軌道3に対して角度を有するように設置してもよい。なお、磁場の対称性の観点から、コイル61Aはコイル61Bに対して、コイル62Aはコイル62Bに対して偏向面10に関して面対称となることが望ましい。また、偏向面10と垂直かつ偏向電磁石装置100の中心を通る平面に関して、コイル61Aはコイル62Aに対して、コイル61Bはコイル62Bに対して面対称となることが望ましい。
However, since this is an example, it may be installed such that the direction of the central axis has an angle with respect to the
コイル61A、61B、62A、62Bは、リング軌道3と直交する方向であってかつ偏向面10と平行な方向に長軸を有する形状であることが望ましい。具体的にはレーストラック形状、楕円形、矩形などが採用できる。また、これらの長軸の方向と、コイル41A、41Bの長軸の方向とは一致することが望ましい。このような配置することで、実施例1と同様にビームダクト7を横切る磁場が、リング軌道3と直交する方向において分布が一様に近づき、荷電粒子ビームを高精度に偏向することが可能となる。
The coils 61 </ b> A, 61 </ b> B, 62 </ b> A, 62 </ b> B desirably have a shape having a major axis in a direction perpendicular to the
また、ヨーク5Aおよびヨーク5Bは、リング軌道3に沿った方向において、コイル61A、61B、62A、62Bの設置位置よりも十分に張り出している位置に端部を有することが望ましい。これらのコイルに電流が通電され発生する磁場は、特にコイル内部を通過する前後においてリング軌道3方向に沿った磁力線を有するため、ヨーク5Aおよびヨーク5Bの内部で周回する磁路を形成する上で、ある程度の距離が要求されるためである。
Further, it is desirable that the
またヨーク5A、5Bはリング軌道3と直交し、偏向面10に平行な方向においては、各コイルの長軸方向と同程度の長さを有することが望ましい。この方向における幅が広すぎると、ヨーク5Aの内部であって偏向面10に平行な平面内で周回する磁路が形成されやすくなるためである。
Further, the
またヨーク5Aおよびヨーク5Bは複数の磁性体が組み合わせられて形成された部材であることが望ましい。特にコイル61A、61B、62A、62Bを設置するために、ヨーク5A、5Bは分割可能な構造であることが望ましい。
The
本実施例において各コイルに通電される電流の向きと、形成される磁場について説明する。コイル41A、41Bには、偏向電磁石装置100を鉛直線方向上側から見た場合に左回りの電流が通電される。この通電によって形成される磁場の向きおよび形成される磁路は、実施例1と同様である。
In the present embodiment, the direction of current applied to each coil and the formed magnetic field will be described. The coils 41 </ b> A and 41 </ b> B are supplied with a counterclockwise current when the bending
コイル61A、61Bに通電される電流は、偏向面10に面した側において、コイル41A、41Bと隣接した側で反対向きに流れる。コイル62A、62Bも同様である。換言すると、コイル41A、41Bに通電される電流は、その外周側かつビームダクト7に対して最も近い位置においてコイル61A、61B、62A、62Bを流れる電流と異なる向きとなるよう電流が通電される
図8では、コイル61A、61Bに流れる電流は、偏向面10に面した側で+であって、コイル41A、41Bのコイル61A、61Bに流れる電流は−である。なお、電流の向きは一例だが、この関係性は電流の向きが反対となっても同様である。
The current supplied to the
コイル61A、61B、62A、62Bに図8で示す電流が通電されると、磁力線6の向きの磁路が形成される。コイル61Aからメインポール1A側に向かう磁場は、コイル62Aが形成する磁場と反対となるため、磁力線はサイドポール21Aに向かうように曲げられる。またサイドポール21Aに向かう理由は、実施例1で説明したように磁気抵抗がより小さい磁路が採られるためである。
When the current shown in FIG. 8 is applied to the
コイル62Aが形成する磁場も同様の理由で、サイドポール22Aに向かう。また、コイル61Bとコイル62Bについても同様の関係が成り立つため、これらのコイルが形成される磁場もサイドポール21B、22Bに集中する。磁力線は閉ループとなる必要があるため、各サイドポールから入った又は出た磁力線はメインポール1Bからメインポール1Bへ向かう磁路を形成し、これによって磁力線6の磁路が形成される。
The magnetic field formed by the
本実施例でのコイル体系においても、メインポール1とサイドポール21、22との距離を、図2の従来のコイル体系の場合よりも狭くすることができるため、図7に示した磁場分布を形成することができ、ビーム変位量も小さく抑制することができる。
Also in the coil system in the present embodiment, the distance between the
本発明の好適な第3の実施例である偏向電磁石装置100を、図9を用いて説明する。
A deflecting
本実施例の偏向電磁石装置100は、図9に示すように、荷電粒子ビームが通過するビームダクト7に沿って、荷電粒子ビームの進行方向の上流側から順に、第1磁性体ポールであるサイドポール21A、21B、第2磁性体ポールであるメインポール1A、1B、第3磁性体ポールであるサイドポール22A、22Bが配置される。第1の実施例との違いは、上下に配置されたヨーク5A、5Bのそれぞれに対して、上流側に更に第4磁性体ポールであるサイドポール23A、23Bが設置され、下流側に更に第5磁性体ポールであるサイドポール24A、24Bが設置されることである。
As shown in FIG. 9, the
より具体的には、メインポール1A、1B、コイル41A、41B、サイドポール21A、21B、22A、22Bおよびコイル51A、51Bは実施例1と同様に構成される。上記の構成に加えて、本実施例の偏向電磁石装置100は、サイドポール23A、23B、24A、24Bを有する。またサイドポール23Aに対してコイル71Aが設置され、サイドポール24Aに対してコイル72Aが設置され、サイドポール23Bに対してコイル71Bが設置され、サイドポール24Bに対してコイル72Bが設置される。
More specifically, the
これらのコイル71A、71B、72A、72Bはレーストラック形状のコイルであって、それぞれが設置されるサイドポールに各コイルが巻き線されたような態様をとる。このように偏向電磁石装置100が新たなサイドポールおよびコイルを備えることによって、偏向面10に関して面対称に5個のポール部が設置され、実施例1の体系で形成される磁場分布に対して、更にリング軌道3の上流側および下流側に、メインポール1A、1Bの間に形成される磁場の向きと同じ方向の磁場を追加し、新たな磁場分布を形成できる。このような磁場分布が形成されることで、荷電粒子ビームは、偏向面10内でリング軌道3を中心に両方向に変位する。このような変位を可能とすることで、リング軌道3に対する片側の振幅量、つまりリング軌道3を基準とした際の変位量の絶対値をさらに小さく抑制することができる。
These
なお、各実施例で示したヨーク5A、5Bは、例えば鉄板を積層して形成することができる。このような形成方法と採ると、一般的に、積層方向には空隙が生じやすく、積層方向の磁気抵抗が高くなりやすい。本実施例の偏向電磁石装置100が形成する磁場の磁力線6は、たとえば図5に示すように、リング軌道3を含む平面内で閉じたループ形状となるため、図5で示した断面に平行な方向に鉄板を積層する、換言すると前記平面と平行に積層することが好ましい。
The
以上、本発明について実施形態を挙げて説明したが、各実施例は一例であって本発明の範囲をこれに限るものではない。形状、材質、各部材の接合方法、固定方向は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更してよい。また、各実施例おいて挙げたコイルは、常伝導コイル、超電導コイルのいずれであってもよい。
Although the present invention has been described with reference to the embodiment, each example is an example, and the scope of the present invention is not limited thereto. The shape, material, joining method of each member, and fixing direction may be appropriately changed without departing from the gist of the present invention. Moreover, the coil mentioned in each Example may be either a normal conducting coil or a superconducting coil.
1 偏向電磁石
1A メインポール(上側)
1B メインポール(下側)
2A 偏向電磁石
2B 偏向電磁石
21A、22A、23A、24A サイドポール(上側)
21B、22B、23B、24B サイドポール(下側)
3 リング軌道
41A、41B、42A、42B、43A、43B、51A、51B、61A、61B、62A,62B、71A、71B、72A、72B コイル
5A ヨーク(上側)
5B ヨーク(下側)
6 磁力線(磁路)
7 ビームダクト
8 支持部材
9 偏向軌道
10 偏向面
11 偏向電磁石装置
100 偏向電磁石装置
1
1B Main pole (lower side)
2A Bending electromagnet 2B Bending electromagnet 21A, 22A, 23A, 24A Side pole (upper side)
21B, 22B, 23B, 24B Side pole (lower side)
3
5B York (lower side)
6 Magnetic field lines (magnetic path)
7
Claims (9)
前記一対のヨークの間に設置されたビームダクトと、
前記一対のヨークを支持する非磁性体の支持部材と、
を備える偏向電磁石装置において、
前記ヨークは少なくとも
前記ビームダクトに向かって突出し、かつ前記ビームダクトの長手方向に沿って配置された第1磁性体ポール、第2磁性体ポールおよび第3磁性体ポールと、
前記第2磁性体ポールに巻き回された第1コイルと、
前記第1磁性体ポールおよび前記第3磁性体ポールの両方を内径側に含む第2コイルと、
が設けられたことを特徴とする偏向電磁石装置。 A pair of yokes arranged vertically opposite to each other;
A beam duct installed between the pair of yokes;
A nonmagnetic support member for supporting the pair of yokes;
In a deflection electromagnet apparatus comprising:
The yoke protrudes at least toward the beam duct and is disposed along the longitudinal direction of the beam duct; a first magnetic pole, a second magnetic pole, and a third magnetic pole;
A first coil wound around the second magnetic pole;
A second coil including both the first magnetic pole and the third magnetic pole on the inner diameter side;
A deflecting electromagnet device characterized in that is provided.
前記一対のヨークの間に設置されたビームダクトと、
前記一対のヨークを支持する非磁性体の支持部材と、
を備える偏向電磁石装置において、
前記ヨークは少なくとも
前記ビームダクトに向かって突出し、かつ前記ビームダクトの長手方向に沿って配置された第1磁性体ポール、第2磁性体ポールおよび第3磁性体ポールと、
前記第2磁性体ポールに巻き回された第1コイルと、
前記第1磁性体ポールの側面に沿ったコイル面を有する第2コイルと、
前記第3磁性体ポールの側面に沿ったコイル面を有する第3コイルと、
が設けられ、
前記ビームダクトの長手方向において、前記第2コイルおよび前記第3コイルは、前記第1磁性体ポールおよび前記第3磁性体ポールの外側に設けられた
ことを特徴とする偏向電磁石装置。 A pair of yokes arranged vertically opposite to each other;
A beam duct installed between the pair of yokes;
A nonmagnetic support member for supporting the pair of yokes;
In a deflection electromagnet apparatus comprising:
The yoke protrudes at least toward the beam duct and is disposed along the longitudinal direction of the beam duct; a first magnetic pole, a second magnetic pole, and a third magnetic pole;
A first coil wound around the second magnetic pole;
A second coil having a coil surface along a side surface of the first magnetic pole;
A third coil having a coil surface along a side surface of the third magnetic pole;
Is provided,
The deflection electromagnet apparatus according to claim 1, wherein the second coil and the third coil are provided outside the first magnetic pole and the third magnetic pole in a longitudinal direction of the beam duct.
前記一対のヨークは板状の磁性体を積層して形成され、
前記積層の方向は前記ビームダクトの長手方向と交差した方向である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の偏向電磁石装置。 The bending electromagnet device according to claim 1 or 2,
The pair of yokes are formed by laminating plate-like magnetic bodies,
The deflection electromagnet apparatus according to claim 1, wherein a direction of the stacking is a direction intersecting with a longitudinal direction of the beam duct.
ことを特徴とする請求項1に記載の偏向電磁石装置。 The deflection electromagnet device according to claim 1, wherein a current is supplied to the first coil in a direction different from that of the second coil.
前記第2コイルは、前記第3コイルと異なる向きに電流が通電され、
前記第1コイルは、前記第1コイルの外周側であってかつ前記ビームダクトに対して最も近い位置において前記第2コイルおよび前記第3コイルを流れる電流と異なる向きとなるよう電流が通電される
ことを特徴とする偏向電磁石装置。 The superconducting magnet device according to claim 2,
The second coil is energized in a different direction from the third coil,
The first coil is energized so that it is in a direction different from the current flowing through the second coil and the third coil at a position on the outer peripheral side of the first coil and closest to the beam duct. A deflection electromagnet apparatus characterized by the above.
前記第1コイルはレーストラック形状のコイルであって、
前記第1コイルのコイル面に平行な平面に関する前記第2磁性体ポールの断面は楕円形また中実のレーストラック形状であって、
前記第1コイルの長軸と、前記第2磁性体ポールの断面の長軸とは平行である
ことを特徴とする偏向電磁石装置。 The superconducting magnet device according to any one of claims 1 to 5,
The first coil is a racetrack-shaped coil,
The cross section of the second magnetic pole with respect to a plane parallel to the coil surface of the first coil is elliptical or solid racetrack,
The deflection electromagnet device, wherein a major axis of the first coil and a major axis of a cross section of the second magnetic pole are parallel to each other.
前記第1磁性体ポールおよび前記第2磁性体ポールは、レーストラック形状の磁性体の直線部を構成する
ことを特徴とする偏向電磁石装置。 The deflection electromagnet device according to any one of claims 1 to 6.
The deflecting electromagnet apparatus according to claim 1, wherein the first magnetic pole and the second magnetic pole constitute a linear portion of a racetrack-shaped magnetic body.
前記間隙の中心を含み、かつ荷電粒子ビームの偏向軌道を含むように設置されるビームダクトと、
前記ヨークに固定され、かつ巻線の中心軸が前記偏向軌道に平行な平面に対して垂直である第1コイルと、
前記ヨークに固定され、かつ巻線の中心軸が第1コイル中心軸と平行の第2コイルと、を有し、
前記第1コイルと 前記第2コイルとが隣接して設置された
ことを特徴とする偏向電磁石装置。 A pair of yokes arranged vertically opposite each other with a gap between them;
A beam duct installed to include the center of the gap and to include a deflection trajectory of the charged particle beam;
A first coil fixed to the yoke and having a winding center axis perpendicular to a plane parallel to the deflection trajectory;
A second coil fixed to the yoke and having a winding central axis parallel to the first coil central axis;
The deflection electromagnet device, wherein the first coil and the second coil are disposed adjacent to each other.
前記間隙の中心を含み、かつ荷電粒子ビームの偏向軌道を含むように設置されるビームダクトと、
前記ヨークに固定され、かつ巻線の中心軸が前記偏向軌道に平行な平面に対して垂直である第1コイルと、
前記ヨークに固定され、かつ巻線の中心軸が第1コイルの中心軸に対して傾きを有する第2コイルおよび第3コイルを有し、
前記第1コイルに対して前記第2コイルおよび3コイルが隣接して設置された
ことを特徴とする偏向電磁石装置。 A pair of yokes arranged vertically opposite each other with a gap between them;
A beam duct installed to include the center of the gap and to include a deflection trajectory of the charged particle beam;
A first coil fixed to the yoke and having a winding center axis perpendicular to a plane parallel to the deflection trajectory;
A second coil and a third coil fixed to the yoke and having a winding center axis inclined with respect to the center axis of the first coil;
The deflection electromagnet apparatus, wherein the second coil and the third coil are disposed adjacent to the first coil.
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Cited By (1)
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JP2021027258A (en) * | 2019-08-07 | 2021-02-22 | 株式会社日立製作所 | Superconducting coil and superconducting magnet device |
-
2015
- 2015-10-28 JP JP2015211402A patent/JP2017084595A/en active Pending
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JP2021027258A (en) * | 2019-08-07 | 2021-02-22 | 株式会社日立製作所 | Superconducting coil and superconducting magnet device |
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