JP2017083680A - 波長可変干渉フィルター、波長可変干渉フィルターの製造方法、および電子機器 - Google Patents

波長可変干渉フィルター、波長可変干渉フィルターの製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】波長分解能や品質が向上し、製造時間が低減された波長可変干渉フィルター、波長可変干渉フィルターの製造方法、及び電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の波長可変干渉フィルターは、固定基板51と、可動部521及び保持部522を有し固定基板51に対向する可動基板52と、固定基板51に配置される固定反射膜54と、可動部521に配置される可動反射膜55と、固定反射膜54の外側に配置される固定電極561と、可動反射膜55の外側に配置される可動電極562と、可動反射膜55及び可動部521の間に配置される強化膜551とを含み、強化膜551は可動部521よりヤング率が大きいことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、波長可変干渉フィルター、波長可変干渉フィルターの製造方法、および電子機器に関する。
従来、対向配置された一対の反射膜の間隔を静電引力によって調節し、その反射膜間の多重干渉によって、所望の波長の光を取り出す波長可変干渉フィルターが知られていた。
例えば、特許文献1には、2つの対向する反射体(反射膜)の片方が形成された基板を、静電引力によって変形させ、2つの対向する反射体に囲まれた空洞の容積(反射膜の間隔)を変動させる構成が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、反射膜が形成された片方の半導体基板(基板)に溝を設け、一対の反射膜の間隔の調整を容易にした構成が提案されている。
特開昭62−257032号公報 特開平2−257676号公報
しかしながら、特許文献1に記載の可変干渉装置(波長可変干渉フィルター)では、2つの対向する反射体(反射膜)に囲まれた空洞の容積を調整する際に、反射体に撓みが発生しやすいという課題があった。詳しくは、特許文献1の構成では、反射体が形成された基板自体を変形させ、上記空洞の容積、すなわち一対の反射体の間隔を調整している。そのため、基板が変形することにより、反射体も撓みやすくなっていた。この反射体の撓みによって反射体同士の間隔が一定ではなくなり、多重干渉に誤差が生じることがあった。従って、反射体の撓みは、可変干渉装置(波長可変干渉フィルター)の波長分解能を低下させる要因となっていた。
また、特許文献2に記載の波長選択性受光素子(波長可変干渉フィルター)では、反射膜が形成される半導体基板(基板)の片方に溝(ダイヤフラム)を設けているが、溝を形成する製造工程において、加工ばらつきや加工時間が増大しやすいという課題があった。詳しくは、反射膜の撓みを抑制し、一対の反射膜の間隔の平行度を確保するために、溝を設けている。そのため、反射膜の撓みを抑制するためには、基板を厚くするとともに、基板と溝との厚さの差を大きくする必要があった。そのため、溝を形成する際に加工量が増える傾向があり、加工ばらつきや加工時間の増大を招いて、品質や生産性が低下することがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る波長可変干渉フィルターは、第1基板と、可動部および可動部の周囲に配置される保持部を有し、第1基板に対向するように配置される第2基板と、第1基板の、可動部に対向する面の上に配置される第1反射膜と、可動部の、第1反射膜に対向する面の上に配置される第2反射膜と、第1反射膜の外周の外側に配置される第1電極と、第1電極に対向し、第2反射膜の外周の外側に配置される第2電極と、第2反射膜および可動部の間に配置される強化膜と、を含み、強化膜のヤング率は、可動部のヤング率より大きいことを特徴とする。
本適用例によれば、第1反射膜と第2反射膜との間隔を調整する際に、可動部の周囲に配置されたダイヤフラムとしての保持部が変形することにより、可動部における撓みの発生が抑えられる。これに加えて、可動部には、可動部よりヤング率が大きい強化膜が設けられて、さらに可動部の撓みが抑制される。そのため、可動部に設けられた第2反射膜に撓みが生じにくくなる。これにより、第1反射膜と第2反射膜との間隔が略一定に保たれ、波長可変干渉フィルターの波長分解能を向上させることができる。
また、本適用例によれば、強化膜によって可動部の剛性が強化されるため、従来よりも可動部を薄くすることで、可動部と保持部との厚さの差を小さくすることが可能になる。これは、可動部と保持部との厚さの差を小さくしても、可動部と保持部との剛性差が確保され、保持部が撓んでも可動部が撓みにくくなるためである。これによって、第2基板を薄くして、保持部の加工深さを浅くすることが可能になる。すなわち、保持部の製造工程において、加工量を減らし、加工ばらつきや加工時間を低減することができる。
以上により、波長分解能や品質が向上し、製造工程の生産性が向上して製造コストが低減された波長可変干渉フィルターを提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、第2基板の側から第1基板の側を見たとき、強化膜の外縁は可動部の領域に含まれることが好ましい。
これによれば、強化膜が、可動部の周囲に配置される保持部の領域に含まれないため、保持部の変形が妨げられず、変形しやすくなる。そのため、保持部の変形量を大きくすることが可能になり、第2基板を薄くすることで、保持部の加工深さを浅くして、製造工程における加工量をより削減することができる。
[適用例3]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、第2基板の側から第1基板の側を見たとき、第2電極の領域と強化膜の領域とが重なっていることが好ましい。
これによれば、第1反射膜と第2反射膜との間隔を調整する際に、第2電極の領域に掛かる静電引力が強化膜によって分散し、可動部における局所的な応力集中が緩和される。これにより、可動部および第2反射膜における撓みの発生をより抑えることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、強化膜が絶縁体であることが好ましい。
これによれば、強化膜に接して配置される、第2反射膜と第2電極との短絡を防止することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、強化膜が導電体を含み、第2電極と第2反射膜との間において不連続であることが好ましい。
これによれば、強化膜を導電体で構成することにより、反射膜の帯電を抑えることができる。また、強化膜が不連続であるため、強化膜に接して配置される、第2反射膜と第2電極との短絡を防止することができる。
[適用例6]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、可動部の、第2反射膜とは反対側の面の上に応力緩和膜が設けられることが好ましい。
これによれば、応力緩和膜によって可動部の剛性がより強化されるため、可動部および第2反射膜における撓みの発生をさらに抑えることができる。また、第2基板を薄く、保持部の加工深さを浅くして、製造工程における加工量をさらに削減することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、強化膜が硬質炭素膜であることが好ましい。
これによれば、硬質炭素膜は、他の材料に対して比較的大きなヤング率を備えているため、可動部の剛性をさらに強化することが可能となる。これにより、第2反射膜の撓みの発生をさらに抑制し、製造工程における加工量をさらに削減することができる。
[適用例8]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、強化膜が金属酸化物を含むことが好ましい。
これによれば、成膜が容易であるため製造コストや不良発生を抑えることが可能であり、安価で高品質な強化膜を形成することができる。
[適用例9]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターにおいては、強化膜のヤング率が、可動部のヤング率の2倍以上であることが好ましい。
これによれば、ヤング率の大きな強化膜によって、可動部の剛性をさらに強化することが可能となる。これにより、第2反射膜の撓み発生をさらに抑制し、製造工程における加工量をさらに削減することができる。
[適用例10]上記適用例に記載の波長可変干渉フィルターの製造方法であって、強化膜を形成する工程と、保持部の厚さを調整する工程とを含むことが好ましい。
これによれば、強化膜によって可動部の剛性が強化されるため、保持部の厚さを調整する工程において、加工深さを浅くし、加工量を削減することが可能になる。これによって、上記工程における加工ばらつきや加工時間を低減して、品質や歩留まりを向上させて波長可変干渉フィルターを製造できる。
[適用例11]上記適用例に記載の電子機器は、上記波長可変干渉フィルターを備えることが好ましい。
これによれば、波長分解能が向上し、製造工程の加工ばらつきを低減した波長可変干渉フィルターを備え、品質が安定した電子機器を提供することができる。
実施形態1に係る波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの固定基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの固定基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの固定基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの固定基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの固定基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの可動基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの可動基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの可動基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの可動基板の製造方法を示す概略断面図。 波長可変干渉フィルターの可動基板の製造方法を示す概略断面図。 可動部の曲げ剛性を示すグラフ図。 反射膜間ギャップ調整時の可動基板の状態を示す概略断面図。 実施形態2に係る波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図。 実施形態3に係る電子部品の構成を示す概略断面図。 プリンターの構成を示す概略斜視図。 プリンターに搭載された分光器の構成を示す概略断面図。 プリンターの概略構成を示すブロック図。 変形例1に係る波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図。 変形例2に係る波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
<波長可変干渉フィルターの構成>
本実施形態に係る波長可変干渉フィルターの構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図である。図2は、波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図であって、図1の波長可変干渉フィルターをA−Aで切断した状態を示している。
図1および図2に示した波長可変干渉フィルター5は、いわゆるファブリーペローエタロンであり、平面が略矩形の板状の光学部材である。波長可変干渉フィルター5は、第1基板としての固定基板51と、固定基板51と対向する第2基板としての可動基板52とを備えている。ここで、図1は、図2における固定基板51の側から、可動基板52の側を見た平面図であり、図1のような波長可変干渉フィルター5の平面視を、以降、フィルター平面視と呼ぶ。また、フィルター平面視における、固定基板51および可動基板52の中心を、平面中心点Oとする。
固定基板51は、第1反射膜としての固定反射膜54、電極配置溝511、反射膜設置部512などを有している。これらは、平面中心点Oを略中心として環状に設けられている。また、可動基板52は、第2反射膜としての可動反射膜55、可動部521、保持部522、強化膜551、応力緩和膜552などを有している。これらも、平面中心点Oを略中心として環状に設けられている。保持部522は、可動部521の周囲に配置され、可動部521を保持している。
また、固定基板51の一端側(辺C1−C2)は、可動基板52の基板端縁(辺C5−C6)よりも外側に突出している。可動基板52の一端側(辺C7−C8)は、固定基板51の基板端縁(辺C3−C4)よりも外側に突出しており、この突出部分によって電装面524が形成されている。
固定基板51および可動基板52は、光透過性を有するガラス基板によって形成されている。この光透過性によって、固定基板51側の外部から取り込まれる(入射する)光は、可動基板52側から取り出される(射出する)ことが可能となっている。
図2に示すように、強化膜551は、可動反射膜55と可動部521との間に配置されている。応力緩和膜552は、可動部521の可動反射膜55とは反対側の面に配置されている。また、固定基板51の外周部近傍には第1接合面513が、可動基板52の外周部近傍には第2接合面523が、それぞれ設けられている。さらに、第2接合面523には強化膜553が設けられている。第1接合面513と強化膜553とは、接合膜53を介して接合されている。これにより、固定基板51と可動基板52とは一体となって、波長可変干渉フィルター5の筐体を構成している。接合膜53としては、例えば、オルガノポリシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜を用いることができる。
上述したように、固定基板51には固定反射膜54が設けられ、可動基板52の可動部521には可動反射膜55が設けられている。固定反射膜54は、固定基板51の可動基板52に対向する面の上に配置され、可動反射膜55は、可動部521の、固定反射膜54と対向する面の上に配置されている。固定反射膜54および可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1の間隔をもって対向配置され、一対の反射膜を構成している。
また、波長可変干渉フィルター5には、反射膜間ギャップG1の寸法を調整するための、静電アクチュエーター56が設けられている。静電アクチュエーター56は、固定基板51側に設けられる第1電極としての固定電極561と、可動基板52側に設けられる第2電極としての可動電極562とを備えている。静電アクチュエーター56に電圧を印加することにより、固定電極561と可動電極562との間に静電引力が発生する。この静電引力によって、可動部521が固定基板51側に引き寄せられ、反射膜間ギャップG1を狭められる。上記電圧の値を変えて静電引力の強弱を調整することにより、反射膜間ギャップG1を任意の間隔とすることが可能である。
なお、固定電極561および可動電極562は、固定基板51および可動基板52の基板表面に接した構成としているが、この構成に限定されない。例えば、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
<固定基板>
固定基板51は、可動基板52に対向する対向面51Aと、対向面51Aとは反対側に外側面51Bとを有している。外側面51Bは光学面を構成しており、光の散乱や乱反射などによる光量損失、光の入射角および射出角の変動が抑制されている。
また、固定基板51は、例えば、厚さが約800μmに調製されたガラス製の基板を、加工して形成されている。ガラス製の基板としては、後述する可動基板52と同様な材料を採用できる。本実施形態では、石英ガラスを用いている。
電極配置溝511の底面には、固定電極面511Aが配置されている。固定電極面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が、可動部521の可動電極562に対向して設けられている。固定電極561は、固定反射膜54の外周の外側に配置されている。固定電極561には、可動電極562との絶縁性を確保するために、可動電極562と対向する面に、絶縁膜が設けられていてもよい。
反射膜設置部512は略円柱状に形成され、可動基板52と対向する面(突出先端面)には、反射膜設置面512Aが設けられている。また、反射膜設置部512は、電極配置溝511から可動基板52側に突出して形成されているため、反射膜設置面512Aは、固定電極面511Aよりも可動基板52に近い位置にある。従って、固定電極561と可動電極562との距離を電極間ギャップG2とすると、電極間ギャップG2は反射膜間ギャップG1より大きな寸法である。
反射膜設置面512Aには、可動反射膜55と対向して固定反射膜54が設けられている。固定反射膜54および可動反射膜55には、導電体の膜や誘電体の多層膜を用いることができる。導電体の膜としては、例えば、銀や銀合金の単層膜が挙げられる。誘電体の多層膜としては、例えば、高屈折率層を酸化チタン(TiO2)、低屈折率層を二酸化ケイ素(SiO2)とした多層膜などが挙げられる。
本実施形態では、固定反射膜54および可動反射膜55として、銀にサマリウム、銅、ビスマス、ネオジムを微量含む銀合金の膜を用いている。銀を含む膜は、可視光域から近赤外域にわたる広い波長範囲において、高い反射特性を有している。従って、銀を含む膜を固定反射膜54および可動反射膜55に用いることにより、所望の目標波長の光を、広い対象波長域から選択的に取り出すことが可能となる。固定反射膜54や可動反射膜55を保護して変質の発生を低減するために、これらの表面に保護膜(図示せず)を設けてもよい。
<可動基板>
可動基板52は、例えば、厚さが約600μmに調製されたガラス製の基板を、加工して形成されている。ガラス製の基板は、ヤング率が80GPa以下であることが好ましい。ヤング率が80GPa以下の基板を用いることにより、保持部522の変形を容易にして可動部521および可動反射膜55における撓みの発生を抑えることができる。ヤング率が80GPa以下のガラスとしては、具体的には、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。本実施形態では、ヤング率が約74GPaの石英ガラスを用いている。
可動基板52に設けられた可動部521は、保持部522よりも厚さが大きく、可動基板52の厚さと略同一寸法に形成されている。また、可動部521は、固定基板51に対向する面として、対向面52Aを有している。この対向面52Aには、固定反射膜54と反射膜間ギャップG1の距離をもって対向する可動反射膜55、および固定電極561と電極間ギャップG2の距離をもって対向する可動電極562が設けられている。可動電極562は、可動反射膜55の外周の外側に配置されている。
また、上述したように、強化膜551は、可動反射膜55と可動部521との間に設けられ、可動部521と接して可動部521の剛性を高めている。そのため、強化膜551のヤング率は、可動部521のヤング率よりも大きくしている。強化膜551のヤング率は、100GPa以上であることが好ましい。強化膜551のヤング率を100GPa以上、可動部521のヤング率を80GPa以下とすることで、反射膜間ギャップG1の寸法を調整する際に、保持部522の変形を容易にし、可動部521および可動反射膜55における撓みの発生を抑制することができる。より好ましくは、強化膜551のヤング率は、可動部521のヤング率の2倍以上である。これにより、可動部521および可動反射膜55における撓みの発生を一層抑えることができる。
強化膜551の材料としては、光透過性を有し、ヤング率が100GPa以上であれば特に限定されない。例えば、硬質炭素、金属酸化物などを用いることができる。具体的には、硬質炭素として、DLC(Diamond-Like Carbon)、多結晶ダイヤモンド、金属酸化物として、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、その他の材料として、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si34)、炭化ケイ素(SiC)などが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を含む単層膜または積層膜を、強化膜551として用いることができる。また、可動反射膜55が、可動部521よりも大きなヤング率を有していれば、可動反射膜55が強化膜551を兼ねる構造であっても構わない。
また、これらの強化膜551の材料は、絶縁体であっても、導電体を含んでいても構わない。例えば、上述したDLCに、金属元素などを添加して導電性を付与した材料として用いることもできる。強化膜551が導電体を含んでいる場合は、強化膜551において、可動電極562が接する領域と、可動反射膜55が接する領域と、の間にパターニングを施し、強化膜551を不連続な配置とする。この配置によって、可動反射膜55に電流が流れることを防ぐことが可能となる。
本実施形態においては、強化膜551には、ヤング率が約600GPaのDLC(絶縁体)を用い、膜の厚さを約10μmとしている。DLCはヤング率の高さに加えて、耐薬品性を備えているため、強化膜551に適している。
可動反射膜55は、上述したように固定反射膜54と同様の銀合金を用いている。また、固定反射膜54と同様に、可動反射膜55の表面に保護膜を設けてもよい。
可動部521の、可動反射膜55とは反対側の面には外側面52Bが設けられている。外側面52Bは、固定基板51の外側面51Bと同様な光学面を構成している。外側面52Bの面の上には、応力緩和膜552が設けられている。応力緩和膜552と強化膜551とは、可動部521を厚さ方向の両側から挟んで配置されている。これにより、反射膜間ギャップG1の調整時に、可動部521にかかる応力を緩和して、可動部521および可動反射膜55における撓みの発生をさらに抑えることができる。
応力緩和膜552としては、上述した強化膜551と同様な材料を用いることができる。本実施形態においては、応力緩和膜552として、強化膜551と同一のDLCを用いている。応力緩和膜552に、強化膜551と同一の材料を用いることにより、環境温度変化によって生じる残留応力の変化を、緩和して相殺することが可能となる。
保持部522は、可動部521よりも厚さが小さく、可動部521を囲むダイヤフラム(溝)を構成している。保持部の厚さは、例えば約30μmに調製している。そのため、保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、反射膜間ギャップG1の寸法を調整する際に、静電引力によって可動部521を固定基板51側へ変位させることが可能になっている。このように、可動部521が変位した状態では、厚さの差に加えて、強化膜551および応力緩和膜552によって、可動部521の剛性が保持部522の剛性に勝るため、保持部522が撓んでも、可動部521では撓みの発生(形状変化)が抑制される。従って、可動部521に設けられた可動反射膜55においても、撓みは発生しにくく、一対の反射膜を構成する固定反射膜54と可動反射膜55とは、常に略平行状態が維持される。
ここで、本実施形態では、保持部522をダイヤフラム状としているが、これに限定されない。例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられた構成などであってもよい。
保持部522の外側には、基板外周部525が配置されている。基板外周部525が固定基板51と対向する面には、第2接合面523が設けられている。第2接合面523は、上述したように、固定基板51の第1接合面513と、接合膜53を介して接合されている。
さらに、本実施形態では、第2接合面523と接合膜53との間に、強化膜553が設けられている。強化膜553は、接合膜53に対応する領域にのみ配置され、保持部522の変形を阻害しない。強化膜553としては、上述した強化膜551と同様な材料を用いることができる。本実施形態においては、強化膜553として、強化膜551と同一のDLCを用い、略同一の厚さで形成している。強化膜553は、強化膜551の形成によって、反射膜間ギャップG1や電極間ギャップG2の寸法が狭まるのを防ぐことができる。これにより、反射膜設置面512Aを形成する工程において、加工量(エッチング量)を低減することができる。なお、上記加工量の低減効果に対して、第2接合面523と接合膜53との密着性を重視する場合は、強化膜553を設けなくてもよい。
<固定基板および可動基板の平面配置>
図1に示すように、固定基板51のフィルター平面視において、電極配置溝511は、反射膜設置部512より大きな径寸法で構成されている。また、対向面51Aには、電極配置溝511から固定基板51の辺C3−C4まで連通する配線溝(図示せず)が設けられている。また、固定電極561は、平面中心点Oを略中心として環状に設けられている。この環状の形状としては、円環状や一部から引出電極が突出する形状、一部が欠けた形状、一部が分断された形状なども含まれる。
固定電極561の外周縁の一部には、固定引出電極563が設けられている。固定引出電極563は、電極配置溝511から辺C3−C4側に向かって設けられた配線溝に沿って引き出されている。さらに、配線溝には、可動基板52側に向かって突設されたバンプ部565Aが設けられ、固定引出電極563は、バンプ部565Aまで達している。また、固定引出電極563は、バンプ部565A上で可動基板52側に設けられた固定接続電極565に当接して電気的に接続されている。固定接続電極565は、配線溝に対向する領域から電装面524まで延びて、電装面524において固定電極パッド565Pを構成している。
固定電極561や固定引出電極563の電極材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(Snドープ酸化インジウム:ITO)、チタンタングステンおよび金の薄膜積層体、クロムおよび金の薄膜積層体などを用いることができる。
可動基板52のフィルター平面視において、可動部521は、少なくとも反射膜設置部512の外周縁の径寸法よりも大きい径寸法にて、略円状に形成されている。また、可動電極562は、固定電極561と略同一形状となる環状に形成されている。上述した通り、この可動電極562は、固定電極561とともに静電アクチュエーター56を構成している。また、強化膜551および応力緩和膜552は、双方の外縁が可動部521の領域に含まれるように、略円状に設けられている。さらに、可動電極562の領域と、強化膜551の領域とは重なっており、換言すれば、強化膜551の領域に可動電極562が設けられている。
可動基板52には、可動電極562の外周縁に接続された可動引出電極564が設けられている。可動引出電極564は、可動部521から配線溝に対向する領域に沿って、電装面524に亘って設けられており、電装面524において可動電極パッド564Pを構成している。また、上述したように、可動基板52に設けられた固定接続電極565は、バンプ部565Aを介して固定引出電極563に接続されている。
<波長可変干渉フィルターの製造方法>
次に、波長可変干渉フィルターの製造方法について、図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、図4A、図4B、図4C、図4D、図4Eを参照して説明する。図3A、図3B、図3C、図3D、図3Eは、波長可変干渉フィルターの固定基板の製造方法を示す概略断面図である。図4A、図4B、図4C、図4D、図4Eは、波長可変干渉フィルターの可動基板の製造方法を示す概略断面図である。以上に列記した図は、いずれも図2と同様に、図1の波長可変干渉フィルターを、A−Aで切断した断面を示している。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5の製造方法は、強化膜551を形成する工程と、保持部522の厚さを調整する工程とを含んでいる。
まず、固定基板51の製造方法について説明する。
図3Aは、エッチング後の状態を示している。固定基板51を製造するために、厚さ約800μmの石英ガラス基板を所定の大きさに切り出す。そこへ、電極配置溝511などを加工するためのエッチングマスクE1を形成する。エッチングマスクE1としては既存の材料が採用可能であり、既存の方法で形成することができる。次いで、エッチングにより電極配置溝511などを形成する。エッチング方法としては、既存の処理方法を用いることができる。例えば、フッ素化合物を用いたウェットエッチング処理、フッ素系ガスを用いたドライエッチング処理などが挙げられる。当工程において、電極配置溝511、固定電極面511A、反射膜設置部512、配線溝(図示せず)などが形成される。エッチング処理後、エッチングマスクE1を除去する。
次いで、図3Bに示すように、反射膜設置部512を残して、エッチングマスクE2を施してエッチング処理を実施する。エッチングマスクE2およびエッチング処理は、上述したエッチングマスクE1と同様な材料および方法を採用できる。当工程において、反射膜設置部512に反射膜設置面512Aが形成される。エッチング処理後、エッチングマスクE2を除去する。
次いで、図3Cに示すように、固定電極面511Aに固定電極561、固定引出電極563(図示せず)などを形成する。固定電極561や固定引出電極563は、例えば、蒸着法やスパッタリング法などを用いて形成された後、エッチングによって電極または配線としてパターニングされる。
次いで、図3Dに示すように、反射膜設置面512Aに固定反射膜54を形成する。固定反射膜54は、既存のスパッタリング法などを用いて銀合金膜を成膜した後、エッチング処理によって不要部分を除去することで形成される。
次いで、図3Eに示すように、第1接合面513に接合膜53を形成する。接合膜53として、オルガノポリシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜を形成するには、既存の方法を用いることができる。例えば、シラン系ガスを原料とするプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などが採用可能である。
次に、可動基板52の製造方法について説明する。
図4Aは、可動基板52に強化膜551,553、応力緩和膜552を形成した状態を示している。そのために、まず、厚さ約600μmの石英ガラス基板を、所定の大きさに切り出して準備する。次いで、上記石英ガラス基板にマスキング(図示せず)を施して、DLC膜を厚さ約10μmにて成膜する。対向面52Aの面上に強化膜551,553を、外側面52Bの面上に応力緩和膜552を、それぞれ形成する。DLC膜の成膜方法としては、既存の方法を用いることができる。例えば、イオン化蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
次いで、図4Bに示すように、保持部522を形成するため、エッチングマスクE3を施してエッチング処理を実施する。ここで、保持部522の厚さは約30μmとなるよう処理する。エッチングマスクE3およびエッチング処理は、上述の材料および方法を採用できる。保持部522を形成した後、エッチングマスクE3を除去する。
ここで、強化膜551および応力緩和膜552によって、可動部521の剛性が強化されるため、従来よりも、石英ガラス基板を薄くして、エッチング量を小さくしている。
次いで、図4Cに示すように、可動引出電極564(図示せず)や強化膜551上に可動電極562、などを形成する。可動電極562および可動引出電極564などは、固定電極561と同様な方法で形成することができる。
次いで、図4Dに示すように、強化膜551上の、可動電極562の内側の領域に可動反射膜55を形成する。可動反射膜55は、固定反射膜54と同様な方法で形成することができる。
次いで、図4Eに示すように、第2接合面523の強化膜553に、接合膜53を形成する。接合膜53は、上述の固定基板51側と同様な方法で形成することができる。
上記の方法で製造した、固定基板51および可動基板52を組み合わせて、波長可変干渉フィルター5の筐体を形成する。具体的には、固定基板51の接合膜53と、可動基板52の接合膜53とを接合する。このとき、予め接合膜53に紫外線などのエネルギー線を照射して、接合膜53を活性化処理する。活性化処理によって、接合膜53にダングリングボンドや水酸基が発生し、接合膜53同士を接触させると、化学結合(共有結合)が形成されて強固に接合される。
以上の工程を経て、波長可変干渉フィルター5(図2参照)が完成される。
<可動部の剛性>
次に、可動部の剛性について、図5および図6を参照して説明する。図5は、可動部の曲げ剛性を示すグラフ図である。図6は、反射膜間ギャップ調整時の可動基板の状態を示す概略断面図である。
図5は、横軸が可動部521(可動基板52)の厚さ、縦軸が可動部521の曲げ剛性であり、可動部521の厚さと曲げ剛性との関係を示している。図5において、グラフAは強化膜あり(ヤング率が約600GPa、厚さ約10μm)、グラフBは強化膜あり(ヤング率が約100GPa、厚さ約10μm)、グラフCは強化膜なし(比較水準)としている。これらは、可動部521単体での曲げ剛性を示している。
図5に示すように、グラフA,B,Cのいずれでも、可動部521の厚さが大きくなるに従って、曲げ剛性が大きくなっている。また、これらの中でグラフAの曲げ剛性が最も高く、次いでグラフBが高く、グラフCは最も曲げ剛性が低くなっている。これは、ヤング率が100GPa以上の強化膜551を形成することで、可動部521の曲げ剛性が向上することを示している。また、強化膜551のヤング率が大きい程、曲げ剛性が強化されることも示している。
また、図6に示すように、静電引力によって反射膜間ギャップG1の間隔を狭めると、保持部522が撓んで変形し、可動部521が固定基板51側に近づく。このとき、可動部521は、強化膜551および応力緩和膜552によって剛性が強化されているため、撓みの発生が抑えられる。これにより、可動部521に形成された可動反射膜55においても、撓みの発生が抑制される。
以上に述べたように、本実施形態に係る波長可変干渉フィルターによれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の波長可変干渉フィルターによれば、反射膜間ギャップG1を調整する場合に、保持部522が変形して可動部521における撓みの発生が抑制される。これに加えて、可動部521は、可動部521よりヤング率が2倍以上の、強化膜551および応力緩和膜552が設けられ、剛性が強化される。そのため、保持部522が変形しても、可動部521および可動反射膜55においては、さらに撓みの発生が抑えられる。これにより、反射膜間ギャップG1が略一定(略平行)に保たれ、波長可変干渉フィルター5の波長分解能を向上させることができる。
また、可動部521の剛性が強化されるため、従来よりも、可動部521(可動基板52)を薄くすることで、可動部521と保持部522との厚さの差を小さくすることが可能になる。詳しくは、上記の厚さの差を小さくしても、可動部521と保持部522との剛性差が確保されて、保持部522が撓んでも可動部521が撓みにくくなる。そのため、可動基板52を薄くして、保持部522の加工工程におけるエッチング量(加工量)を減らすことが可能になる。これにより、加工ばらつきや加工時間を低減することができる。加工ばらつきの低減は、波長可変干渉フィルター5の品質向上のみならず、歩留まり向上にも寄与する。これに加えて、可動部521を薄くすることで、従来よりも可動部521が軽量化される。そのため、反射膜間ギャップG1の調整時に応答性が向上する。
さらに、強化膜551の外縁が可動部521の領域に含まれて、保持部522の領域と重ならないことから、保持部522の変形が強化膜551によって妨げられない。そのため、保持部522が変形しやすくなり、保持部522の加工量をより低減できる。また、強化膜551の領域に可動電極562が配置されることから、可動電極562にかかる静電引力が分散して、局所的な応力集中が緩和される。これにより、可動部521および可動反射膜55の撓みの発生を、より抑えることができる。加えて、強化膜551が絶縁体のDLCで形成されることにより、可動反射膜55と可動電極562との短絡を防ぐことができる。
以上により、波長分解能や品質が向上し、生産性が向上して製造コストが低減された波長可変干渉フィルターを提供することができる。
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る波長可変干渉フィルターの構成について、図7を参照して説明する。図7は、実施形態2に係る波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図であって、図1に相当する波長可変干渉フィルターを、A−Aで切断した状態を示している。なお、本実施形態では、実施形態1と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態の波長可変干渉フィルター6は、図7に示すように、第2接合面523と接合膜53との間に、強化膜553を設けていない。この点が、実施形態1の波長可変干渉フィルター5(図2参照)とは異なっている。また、これに付随して、強化膜553の厚さ分だけ、接合膜53を約10μm厚く形成している。そのため、反射膜間ギャップG1および電極間ギャップG2の寸法は、実施形態1と同等である。
以上に述べたように本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、接合膜53が、可動基板52の対向面52Aに直接形成されるため、接合膜53と可動基板52との密着性がさらに向上する。そのため、固定基板51と可動基板52との接合がより強化される。これにより、振動や衝撃などの外力や、温湿度などの環境変化に対する耐性が、さらに向上した波長可変干渉フィルター6を提供することができる。
(実施形態3)
以下、実施形態3について、波長可変干渉フィルターを備えた電子部品と、上記電子部品を搭載した電子機器としてのプリンターと、を例に挙げて説明する。
なお、本実施形態では、実施形態1と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
<電子部品の構成>
まず、本実施形態に係る電子部品の構成について、図8を参照して説明する。図8は、実施形態3に係る電子部品の構成を示す概略断面図である。
図8に示した電子部品200は、ベース基板としての収納用パッケージ100、第1蓋部30、接合部材22、波長可変干渉フィルター5、収納部2を有している。換言すれば、電子部品200は、内部の収納部2に波長可変干渉フィルター5が実装された、光学フィルターデバイスである。この電子部品200は、入射した光から、内蔵する波長可変干渉フィルター5によって、所望の波長の光を取り出して射出させる機能を有している。
収納用パッケージ100は、波長可変干渉フィルター5を収納する収納部2、基部10、側壁部20、第1蓋部30、開口部21、第2蓋部40などを備えている。
基部10には、波長可変干渉フィルター5と対向する領域に、光を透過させる円形の開口部21が形成されている。なお、開口部21の形状は円形に限定するものではなく、三角形、矩形、多角形、楕円形などや、これらを組み合わせた形状であってもよい。
電子部品200の形状は直方体である。また、基部10、第1蓋部30の平面形状は、略矩形としている。
基部10の外側面10s(波長可変干渉フィルター5が搭載される面とは反対側の面)には、外部接続端子16が設けられている。また、基部10の波長可変干渉フィルター5が搭載される面には、導電パターン14が設けられている。導電パターン14と外部接続端子16とは、基部10の内部に形成された配線パターン(図示せず)により、電気的に接続されている。
導電パターン14は、上述した、波長可変干渉フィルター5の固定電極パッド565Pおよび可動電極パッド564P(図1参照)と電気的に接続されている。これらの接続には、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)を適用して、銀ペースト、ACF(Anisotropic Conductive Film)などを用いることができる。これらの中でも、アウトガス成分が少ない銀ペーストを用いることが好ましい。また、FPCによる接続を用いずに、例えばワイヤーボンディングなどによる配線接続を採用してもよい。
側壁部20は、収納部2の側面部を構成する枠状体であり、例えば、積層セラミック基板によって構成されている。この側壁部20は、基部10に積層するように基部10と一体に成形されている。
第1蓋部30は、収納部2の底部に対向する天部を構成するガラス基板である。この第1蓋部30は、収納部2を覆うように、側壁部20に接合部材22を介して接合され、収納部2の天部を気密封止している。また、第2蓋部40は、開口部21を収納部2の外側から覆うガラス基板である。この第2蓋部40は、開口部21を形成する基部10の外側面10sに、接合部材23を介して接合され、開口部21を気密封止している。
換言すれば、収納部2は、基部10、側壁部20、第1蓋部30、第2蓋部40によって囲まれる空洞部を形成している。これにより、収納部2では、第1蓋部30および第2蓋部40によって気密状態が保たれている。
ここで、接合部材22,23による接合方法としては、例えば、低融点ガラス接合、ガラスフリット接合、ガラス封着、ろう付けなどが挙げられるが、この中でも低融点ガラス(ガラスペースト)を用いることが好ましい。ガラスペーストは、低融点ガラスに液体を添加してペースト状としたもので、低融点ガラスのガラス転移点を超える温度に加熱することにより接合が可能となる。ガラスペーストは、他の接合部材と比べて低温で接合できるため、本実施形態に適している。
開口部21の平面中心を通り、基部10に対して略垂直な直線を直線Bとすると、第1蓋部30および第2蓋部40の略平面中心は、直線B上に配置されている。また、波長可変干渉フィルター5の平面中心点Oも、この直線B上に位置するように構成されている。上記の配置により、第1蓋部30から光が入射し、波長可変干渉フィルター5により取り出された所定の波長の光が、第2蓋部40から射出される。
第1蓋部30および第2蓋部40は、ガラス基板に限定するものではなく、透過させる光の波長に応じて、石英、シリコン、ゲルマニウムなどを用いてもよい。
なお、電子部品200の外形寸法は特に限定されないが、例えば基部10の平面矩形の端辺が10mmを超える程度である。
なお、上述した電子部品200の製造には、既存の方法を採用することができる。
<プリンターの構成>
次に、電子部品200を搭載したプリンターの構成について、図9を参照して説明する。図9は、プリンターの構成を示す概略斜視図である。
図9に示した、プリンター300は、インクジェットプリンターである。インクジェットプリンターは、被印刷物上にインクの液滴を吐出して、画像などを印刷する電子機器である。
プリンター300は、搬送ユニット120、キャリッジ130、キャリッジ移動ユニット140、分光器170、制御ユニット150などを有している。分光器170は、キャリッジ130に載置され、内部に波長可変干渉フィルター5を搭載した電子部品200を有している。従って、プリンター300は、分光器170を備えることにより、印刷が実施された印刷部の色調を分光測定する機能を有している。さらに、測定した色調データを解析して、所望の色調に補正する機能も有している。
キャリッジ130の底面には分光器170と隣り合ってヘッドユニット(図示せず)が配置されている。このヘッドユニットの複数のノズルから、インクが液滴として吐出される。ヘッドユニットは、被印刷物としての媒体Aと対向して配置され、インクの液滴が媒体Aに着弾して印刷がなされる。また、キャリッジ130には、ヘッドユニットへインクを供給するための複数のインクカートリッジ161が搭載されている。このインクカートリッジ161には、異なる色種のインクが個別に収納されており、それらの微小な液滴を吐出することで、カラー画像の印刷を可能としている。また、インクカートリッジ161は、キャリッジ130に対して着脱自在であり、インク残量のなくなったものを交換可能としている。
また、キャリッジ130は、キャリッジ移動ユニット140に駆動されて、キャリッジガイド軸141上を往復運動が可能としている。これによって、キャリッジ130の底面に設置されたヘッドユニットも、往復運動が自在となっている。
搬送ユニット120は、搬送ローラー121を備えている。この搬送ローラー121は、媒体Aを搬送する機能を有している。具体的には、プリンター300背面の供給ユニット110から供給された媒体Aを、印刷が実行されるプラテン122上を搬送し、さらにはプリンター300の外部へ搬出する機能を有している。ここで、図9における媒体Aの搬送方向をY軸方向、キャリッジ130の往復運動方向と略平行で、Y軸方向と直交する方向をX軸方向、X軸方向およびY軸方向と直交するプリンター300の上下方向をZ方向と定義する。
分光器170は、ヘッドユニットと同様にプラテン122と対向して配置されている。従って、測定を実施する場合には、分光器170がプラテン122上の媒体Aと対向して位置する。さらに、キャリッジ移動ユニット140および搬送ユニット120によって、ヘッドユニットおよび分光器170は、媒体Aに対してX軸方向およびY軸方向へ相対的に走査が可能となっている。
また、制御ユニット150は、上述した機能を制御する制御部であって、キャリッジ130と配線131とを介して電気的に接続されている。そのため、ヘッドユニットに係る液滴吐出情報、インクカートリッジ161に係るインク量情報、分光器170に係る測色情報、キャリッジ移動ユニット140や搬送ユニット120の動作情報などが、双方の間で送受信可能な構成となっている。配線131としては、例えばFFC(Flexible Flat Cable)などを用いることができる。
なお、本実施形態では、インクカートリッジ161がキャリッジ130に搭載された、いわゆるオンキャリッジ型のプリンターを例に説明したが、これに限定されない。例えば、インク収納容器をキャリッジには搭載せず、インク配管によってインクをヘッドユニットへ供給する、オフキャリッジ型であってもよい。
また、プリンター300に用いるインクとしては、例えば、水系インク、非水系インク、紫外線硬化型などの反応性インクなどが挙げられ、媒体Aや印刷物に求める特性に合わせて選択することができる。
さらに、ヘッドユニットにおける液滴吐出手段としては、例えば、圧電素子、電気機械変換素子、電気熱変換素子を用いることができる。
<分光器の構成>
次に、分光器の構成について、図10を参照して説明する。図10は、プリンターに搭載された分光器の構成を示す概略断面図である。
図10に示した分光器170は、光源部171、電子部品200、受光部173、導光部174を有し、それらが筐体175に収容されている。筐体175には、媒体A上の印刷部としての測定位置Rに対向して、測定用開口部176が設けられている。
分光器170は、測定位置Rに対し、測定用開口部176を通して、光源部171から照明光を照射し、測定位置Rで反射された光成分(反射光)を、導光部174によって電子部品200に入射させる。次いで、電子部品200は、上記の反射光から所定波長の光を射出(透過)させて、受光部173に到達させる。ここで、電子部品200は、搭載する波長可変干渉フィルター5によって、所定の波長の光を選択する機能を有している。そのため、可視光域における各波長の光の光量を測定することにより、測定位置Rの分光測定が可能となっている。
ここで、測定位置Rには、プリンター300が搭載する各色インク単色の印刷区画(以降、カラーパッチという)に加えて、2色以上のインクの液滴を所定の比率で混合印刷させた、混色のカラーパッチが含まれることが好ましい。混色のカラーパッチを分光測定することにより、印刷プロファイルデータを詳細に補正することが可能となる。
光源部171は、光源171A、集光部171Bを有している。光源部171は、光源171Aから射出された光を、媒体A上の測定位置Rの表面に対して、法線方向(Z軸方向)から照射する。
ここで、光源171Aとしては、可視光域における各波長の光を射出可能なものが好ましく、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、白色発光ダイオードなどが挙げられる。光源171Aとして、特に、キャリッジ130内の限られた空間に設置するには、小型で軽量な白色ダイオードが適している。
集光部171Bは、例えば集光レンズなどによって構成され、光源171Aから射出された光を、測定位置Rに集光させる機能を有している。なお、本実施形態では、集光部171Bは単一の集光レンズで構成しているが、複数のレンズを組み合わせて構成してもよい。
電子部品200は、上述のとおり、内部に波長可変干渉フィルター5を搭載している。波長可変干渉フィルター5の可動電極パッド564P、および固定電極パッド565Pが接続された外部接続端子16(図8参照)は、制御ユニット150(図9参照)に電気的に接続されている。そして、制御ユニット150からの指令信号によって、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56(図2参照)に、所定の電圧が印加される。これによって、波長可変干渉フィルター5の反射膜間ギャップG1(図2参照)の距離が変わり、所定の波長の光が射出される構成となっている。
受光部173は、波長可変干渉フィルター5の平面中心点O(図1参照)の軸線上(光軸上)に配置され、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光する。この受光部173は、制御ユニット150の制御によって、受光量に応じた検出信号(電流値)を出力する。また、受光部173により出力された検出信号は、I−V変換器(図示せず)、増幅器(図示せず)、AD変換器(図示せず)を介して制御ユニット150に入力される。
導光部174は、反射鏡174A、バンドパスフィルター174Bを有している。この導光部174は、測定位置Rにおいて、媒体Aの表面に対して45°で反射された光を、反射鏡174Aによって波長可変干渉フィルター5の光軸上に反射させる。また、バンドパスフィルター174Bは、紫外線および赤外線を透過せず、可視光域(例えば波長が380nmから720nm)の光を透過させる機能を有している。このため、波長可変干渉フィルター5には可視光域の光が選択的に入射し、受光部173においては、可視光域から選択された所定の波長の光が受光される構成となっている。
<制御ユニットの構成>
次に、プリンターの制御ユニットについて、図11を参照して説明する。図11はプリンターの概略構成を示すブロック図である。
図11に示すように、プリンター300は、制御部としての制御ユニット150と電気的に接続されている。制御ユニット150は、I/F151、ユニット制御回路152、メモリー153、CPU(Central Processing Unit)154を有している。また、制御ユニット150は、パーソナルコンピューターなどの外部機器400と接続されている。
I/F151は、外部機器400から入力される印刷データを、CPU154に入力する。ユニット制御回路152は、供給ユニット110、搬送ユニット120、ヘッドユニット、キャリッジ移動ユニット140、上述した分光器170の光源171A、電子部品200、受光部173などをそれぞれ制御する制御回路を有している。このユニット制御回路152は、CPU154からの指令信号によって、上述した各ユニットの動作を制御する。なお、各ユニットの制御回路は制御ユニット150とは別体で設けられ、制御ユニット150に接続される構成であってもよい。
メモリー153には、プリンター300の動作を制御する各種プログラムや各種データが記憶されている。各種データとしては、例えば、波長可変干渉フィルター5の制御に係わる、静電アクチュエーター56への印加電圧に対する、透過光の波長を示すV−λデータ、印刷データに含まれる色データに対する、各インクの吐出量を対応させた印刷プロファイルデータなどが挙げられる。また、光源171Aの各波長に対する、発光特性(発光スペクトル)、受光部173における各波長に対する受光特性(受光感度特性)などのデータが記憶されていてもよい。
CPU154は、メモリー153に記憶された各種プログラムを読み出し実行する。これにより、供給ユニット110、搬送ユニット120、キャリッジ移動ユニット140の駆動制御、ヘッドユニットの印刷制御、分光器170による測定制御(波長可変干渉フィルター5における静電アクチュエーター56の駆動制御、受光部173の受光制御)、分光器170を用いた分光測定結果による測色処理、印刷プロファイルデータの補正(更新)処理などを実施する機能を有している。
以上に述べたように、本実施形態によれば、上記実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、分光器170によって、安定した波長分解能で印刷部の分光測定が可能なプリンターを提供することができる。詳しくは、分光器170が搭載する波長可変干渉フィルター5は、反射膜間ギャップG1を調整する際に、可動反射膜55における撓みの発生が抑制される。そのため、波長可変干渉フィルター5からは、従来よりも、高い波長分解能かつ十分な光量で、目標波長の光を透過させることが可能となる。これにより、受光部173において上記透過光を受光することで、測定対象としてのカラーパッチの分光測定を、精度よく実施することができる。
また、従来は印刷物の色調調整(再現)には労力や時間を要したが、本実施形態によれば、印刷を実行したプリンターを用いて、その場で印刷プロファイルデータを修正することが可能であり、所望の色調を容易に再現して印刷することができる。
以上に述べたように、波長可変干渉フィルター5を備えることで、印刷物の色調調整を、従来よりも高精度、簡便、迅速に実行可能なプリンターを提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
以下、変形例1について説明する。なお、本変形例では、実施形態1と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本変形例に係る波長可変干渉フィルターについて、図12を参照して説明する。図12は、変形例1に係る波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図であって、図1に相当する波長可変干渉フィルターを、A−Aで切断した状態を示している。
図12に示した本変形例の波長可変干渉フィルター7は、可動基板52の対向面52Aのほぼ全面に、Al23(絶縁体)の強化膜554が形成されている。この点が、実施形態1の波長可変干渉フィルター5(図2参照)とは異なっている。
以上に述べたように本変形例によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本変形例によれば、強化膜554としてAl23を用いることにより、形成が容易で安価に成膜することができる。また、Al23は絶縁性であることに加えて、対向面52Aのほぼ全面に設けるため、パターニングなどが不要となり、加工費を低減することができる。さらに、Al23は、概ね200GPaから400GPaの範囲のヤング率を有しているため、可動部521の剛性を十分に強化することができる。
(変形例2)
以下、変形例2について説明する。なお、本変形例では、実施形態1と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本変形例に係る波長可変干渉フィルターについて、図13を参照して説明する。図13は、変形例2に係る波長可変干渉フィルターの構成を示す概略断面図であって、図1に相当する波長可変干渉フィルターを、A−Aで切断した状態を示している。
図13に示した本変形例の波長可変干渉フィルター8は、強化膜555,556,557として、ホウ素を添加したDLCを用いている。ホウ素を添加したことにより、上記の強化膜は導電性を呈している。また、強化膜555,556が導電性を有するため、上述したように、可動反射膜55が接する強化膜555と、可動電極562が接する強化膜556とを、パターニング60を形成して不連続な構成としている。パターニング60は、可動基板52のフィルター平面視において、環状の可動反射膜55の周囲を囲むように環状に配置されている。以上の点が、実施形態1の波長可変干渉フィルター5(図2参照)とは異なっている。
ここで、ホウ素を添加したDLCのヤング率は、実施形態1で用いた絶縁性のDLCと同等である。なお、DLCへの導電性付与の方法は、上述した金属元素の添加に限定されるものではなく、金属元素以外の不純物の添加や、DLCをグラファイトライクに成膜するなど、を採用できる。
以上に述べたように本変形例によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本変形例によれば、強化膜555,556が導電性を有しているため、可動反射膜55などの帯電を抑えることができる。例えば、強化膜が接地されていたり、強化膜が電気的に浮遊していなければ、強化膜が帯電したときに電荷を逃がすことができる。
(変形例3)
実施形態3の電子機器はプリンターを例に説明したが、その他、様々な分野に本発明の波長可変干渉フィルターを搭載した電子部品、および電子機器を適用することができる。
例えば、その他の電子機器として、特定物質の存在を検出するための光学系を基本としたシステムなどに用いてもよい。本発明の電子部品による分光計測方式を用いた、上記のシステムとしては、具体的には、特定ガスの高感度検出のための車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器のようなガス検出器などが挙げられる。あるいは、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定や、食物、生体、鉱物などを対象とした非侵襲的測定に用いる、物質成分分析装置などを挙げることもできる。
また、例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることによって、光でデータを伝送させることも可能となる。この場合、波長可変干渉フィルターを用いて特定波長の光を分光し、受光部にて受光させて、特定波長の光によって伝送されるデータを抽出することができる。このようなデータ抽出用電子部品を備えた電子機器を用いて、各波長の光のデータを処理することにより、光通信を実施することもできる。
さらに、電子機器としては、本発明の電子部品によって光を分光することにより、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。また、本発明の電子部品をバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定の波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過することが可能となる。そのため、この構成を光学式レーザー装置として用いることができる。
あるいは、本発明の電子部品を生体認識装置に用いることできる。例えば、近赤外領域や可視光領域の光を利用して、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
以上に述べたように、本変形例によれば、入射光から所定の波長の光を分光する、いかなる装置にも適用が可能である。また、複数のデバイスによって所望の波長を取り出していた従来の装置に比べて、電子部品や電子機器の小型化や軽量化が容易になる。併せて、複数の波長の光を、同一の電子部品で分光できるため、処理の効率が向上する。従って、例えば、携帯用や車載用の電子部品として好適に用いることができる。
5,6,7,8…波長可変干渉フィルター、51…固定基板(第1基板)、51A,52A…対向面、52…可動基板(第2基板)、54…固定反射膜(第1反射膜)、55…可動反射膜(第2反射膜)、60…パターニング、200…電子部品、300…プリンター(電子機器)、521…可動部、522…保持部、551,553,554,555,556,557…強化膜、552…応力緩和膜、561…固定電極(第1電極)、562…可動電極(第2電極)。

Claims (11)

  1. 第1基板と、
    可動部および前記可動部の周囲に配置される保持部を有し、前記第1基板に対向するように配置される第2基板と、
    前記第1基板の、前記可動部に対向する面の上に配置される第1反射膜と、
    前記可動部の、前記第1反射膜に対向する面の上に配置される第2反射膜と、
    前記第1反射膜の外周の外側に配置される第1電極と、
    前記第1電極に対向し、前記第2反射膜の外周の外側に配置される第2電極と、
    前記第2反射膜および前記可動部の間に配置される強化膜と、を含み、
    前記強化膜のヤング率は、前記可動部のヤング率より大きいことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  2. 前記第2基板の側から前記第1基板の側を見たとき、前記強化膜の外縁は前記可動部の領域に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の波長可変干渉フィルター。
  3. 前記第2基板の側から前記第1基板の側を見たとき、前記第2電極の領域と前記強化膜の領域とが重なっていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の波長可変干渉フィルター。
  4. 前記強化膜が絶縁体であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルター。
  5. 前記強化膜が導電体を含み、前記第2電極と前記第2反射膜との間において不連続であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルター。
  6. 前記可動部の、前記第2反射膜とは反対側の面の上に応力緩和膜が設けられることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルター。
  7. 前記強化膜が硬質炭素膜であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルター。
  8. 前記強化膜が金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルター。
  9. 前記強化膜のヤング率が、前記可動部のヤング率の2倍以上であることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルター。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の波長可変干渉フィルターの製造方法であって、前記強化膜を形成する工程と、前記保持部の厚さを調整する工程とを含むことを特徴とする、波長可変干渉フィルターの製造方法。
  11. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の、波長可変干渉フィルターを備えたことを特徴とする電子機器。
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