JP2017079235A - 太陽電池、太陽電池モジュール、太陽電池の製造方法及び固体電解質 - Google Patents

太陽電池、太陽電池モジュール、太陽電池の製造方法及び固体電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池のポテンシャルを所望の値に制御する。【解決手段】太陽電池モジュール10は、太陽電池40を複数備えている。この太陽電池40は、電子輸送層24を光透過導電性基板14上に備えた光電極20と、光電極20に向かい合うように配置された対極30と、光電極20と対極30との間に介在する固体電解質層26と、を備えている。固体電解質層26は、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上の固溶体を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池、太陽電池モジュール、太陽電池の製造方法及び固体電解質に関する。
従来、太陽電池としては、透明基板に設けられた電子輸送層と、電子輸送層に隣接して設けられCu化合物とイオン性液体とを含む固体p型半導体層(固体電解質層)と、固体電解質層に隣接した対極とを備えた太陽電池が提案されている(例えば特許文献1参照)。この太陽電池では、イオン性液体を含むことにより、変換効率の低下を抑制すると共に耐久性をより向上することができる。
特開2012−204276号公報
ところで、例えば特許文献1の太陽電池では、電池のポテンシャル(起電力)は、色素のエネルギー準位(HOMO)に適合する固体電解質層の価電子帯上端(VBM)と、電子輸送層の伝導帯下端(CBM)とに基づいて定められる。しかしながら、特許文献1の電池では、この価電子帯上端については考慮されていなかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、太陽電池のポテンシャルを所望の値に制御することができる太陽電池、太陽電池モジュール、太陽電池の製造方法及び固体電解質を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、CuIなどのハロゲン化合物に他のハロゲンを固溶させると固体電解質層の価電子帯上端(VBM)を自在に変更することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の太陽電池は、
光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、
CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含み前記光電極に隣接して形成された固体電解質層と、
を備えたものである。
本発明の太陽電池モジュールは、上述した本発明の太陽電池を複数備えているものである。
本発明の太陽電池の製造方法は、
少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかを含む蒸着源、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかを含む蒸着源、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかを含む蒸着源のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を蒸着処理により形成する固体電解質層形成工程、を含むものである。
あるいは、本発明の太陽電池の製造方法は、
少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかと溶媒とを含む原料溶液、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかと溶媒とを含む原料溶液、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかと溶媒とを含む原料溶液のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を溶液滴下処理により形成する固体電解質層形成工程、を含むものである。
本発明の固体電解質は、
光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、前記光電極に隣接して形成された固体電解質層とを備えた太陽電池に用いられる固体電解質であって、
CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含むものである。
本発明は、太陽電池のポテンシャル(起電力)を所望の値に制御することができる。この理由は、例えば、ヨウ化銅に臭素を固溶させる、ヨウ化銅に塩素を固溶させるなどにより、価電子帯上端(VBM)を変化させることができるためである。このように、本発明では、VBMをより深くすることができるため、例えば、開放電圧Vocをより向上するなど、太陽電池特性をより向上することができる。
価電子帯上端と伝導帯下端との関係の一例を表す説明図 太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図。 ホール測定サンプルの説明図。 第1原理計算による価電子帯上端と格子定数との関係図。 蒸着処理による固体電解質(CuI1-XBrX)のX線回折測定結果。 蒸着処理によるCuI1-XBrXのXと格子定数との関係図。 蒸着処理によるCuI1-XBrXのXとイオン化ポテンシャルとの関係図。 蒸着処理によるCuI1-XBrXのXと比抵抗値との関係図。 溶液滴下処理による固体電解質(CuI1-XBrX)のX線回折測定結果。 溶液滴下処理によるCuI1-XBrXのXと格子定数(Å)との関係図。 蒸着処理により作製した太陽電池の模式図。 蒸着処理により作製した太陽電池の断面のFE−SEM像。 蒸着処理により作製した太陽電池の波長と外部量子効率との関係図。 蒸着処理により作製した太陽電池の暗所でのIV特性。 蒸着処理により作製した太陽電池の光照射下でのIV特性。
本発明の固体電解質は、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、光電極に隣接して形成された固体電解質層とを備えた太陽電池に用いられるものである。この固体電解質は、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上の固溶体を含むものである。この固体電解質は、例えば、CuIにCuBrが固溶しているものとしてもよいし、CuBrにCuIが固溶しているものとしてもよい。また、CuIにCuClが固溶しているものとしてもよいし、CuClにCuIが固溶しているものとしてもよい。なお、CsSnI系の固体電解質層でも同様である。これらの固溶体において、Xは、光吸収材によって好適な範囲が異なるが、例えば、X<1を満たすものとしてもよく、0.5≦X≦0.99を満たすものとしてもよいし、0.15≦X≦0.55を満たすものとしてもよいし、0.01≦X≦0.35を満たすものとしてもよい。
図1は、固体電解質層の価電子帯上端(VBM)と、電子輸送層の伝導帯下端(CBM)との関係の一例を表す説明図である。図1には、電子輸送層を酸化チタンとし固体電解質層をCuIとする色素増感型太陽電池のポテンシャルの一例を示した。図1に示すように、太陽電池のポテンシャルは、VBMとCBMとの差に基づく値となる。したがって、例えば、VBMをより深くすることができれば、太陽電池のポテンシャルをより向上することができる。この固体電解質は、上記固溶体を主成分とすることにより、VBMを変える、例えば、より低下させるものとして、太陽電池のポテンシャルをより向上することができる。
次に、本発明の太陽電池モジュールについて説明する。図2は、太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光透過導電性基板14に複数の太陽電池40(以下セルとも称する)が順次配列した構成となっている。これらのセルは直列に接続されている。この太陽電池モジュール10では、各セルの間を埋めるように、シール材32が形成されており、光透過導電性基板14とは反対側のシール材32の面に平板状の保護部材34が形成されている。本実施形態に係る太陽電池40は、色素を含む電子輸送層24を下地層22を介して光透過導電性基板14上に備えた光電極20と、光電極20に向かい合うように配置された対極30と、光電極20と対極30との間に介在する固体電解質層26と、セパレータ29とを備えている。光電極20は、光が透過する光透過基板11の表面に光が透過する光透過導電膜12が形成されている光透過導電性基板14と、光透過導電膜12に形成され色素を含む電子輸送層24と、を備えている。電子輸送層24は、光透過基板11の受光面13の反対側の面に分離形成された光透過導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する層である。本発明の太陽電池40は、電子輸送層24には、光を吸収する光吸収材が配設されている。
光透過導電性基板14は、光透過基板11と光透過導電膜12とにより構成され、光透過性及び導電性を有するものである。具体的には、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)コートガラス等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした光透過電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものも使用できる。この光透過導電性基板14の光透過導電膜12側の両端には、集電電極16,17が設けられており、この集電電極16,17を介して太陽電池40で発電した電力を利用することができる。
光透過基板11としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられ、このうち、透明ガラスが好ましい。この光透過基板11は、透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものなどとしてもよい。光透過導電膜12は、例えば、光透過基板11上に酸化スズを付着させることにより形成することができる。特に、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等の金属酸化物を用いれば、好適な光透過導電膜12を形成することができる。光透過導電膜12は、所定の間隔に溝18が形成されており、この溝18の幅に相当する間隔を隔てて複数の光透過導電膜12の領域が分離形成されている。
下地層22は、光透過導電性基板14から固体電解質層26へのリーク電流(逆電子移動)を抑制もしくは防止する層であり、例えば、透光性及び導電性のある材料が好ましく、例えば、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化スズなどのn型半導体などが挙げられ、このうち酸化チタンがより好ましい。酸化チタンは、リーク電流を抑制・防止し、且つ電子輸送層24から光透過導電性基板14へ電子を流しやすいからである。下地層22では、電子輸送層24に比してより緻密な材料とすることが好ましい。なお、この下地層22を形成しないものとしても太陽電池40として十分機能することから、この下地層22を省略しても構わない。
電子輸送層24は、光吸収材と、光吸収材を含む多孔質のn型半導体層とにより形成されている。n型半導体としては、金属酸化物半導体や金属硫化物半導体などが適しており、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)のうち少なくとも1以上であることが好ましく、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。これらの半導体材料を微結晶又は多結晶状態にして薄膜化することにより、良好な多孔質のn型半導体層を形成することができる。特に、多孔質の酸化チタン層は、光電極20のn型半導体層として好適である。また、酸化チタンとしては、伝導帯の下端のエネルギー準位がより高く、開放端電圧がより高いことから、ルチル型TiO2よりもアナターゼ型TiO2が好ましい。
光吸収材は、特に限定されないが、例えば、金属錯体、有機色素、有機無機ハイブリッド材料のうち1以上であるものとしてもよい。この光吸収材は、色素としてもよい。色素は、例えば、BODIPY系色素(BODIPY−FLなど)、インドリン系色素(D131,D149,D205,D358など)、カルバゾール系色素(MK2など)、クマリン系色素(C343,NKX−2587,NKX−2677など)、スクワリリウム系色素(SQ2など)及びRu錯体(Ruthenizer470(Ru470),N719,Z907など)などのうち1以上であるものとしてもよい。例示した化合物の構造式を下記の化1及び化2に示す。また、色素としては、金属錯体(金属はZn,Cu,Fe,Pd,Pt,Ni,Co,Ruなどの重原子)、金属ポルフィリン系色素(PtTPTBP,PdTPTBP、DTBCなど)、金属フタロシアニン系色素(CuPc,ZnPcなど)及び金属ナフタロシアニン系色素(CuNc,ZnNcなど)などのうち1以上であるものとしてもよい。これらの色素は、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例示した化合物のうち主なものの構造式を下記の化3に示す。なお、化3には示さなかったが、PdTPTBPはPtTPTBPのPtがPdになったもの、ZnPcはCuPcのCuがZnになったもの、ZnNcはCuNcのCuがZnになったものである。このうち、色素としては、Ru錯体化合物(Z907、N719)、Znポルフィリン化合物(DTBC)、カルバゾール系色素(MK2)、及びインドリンダブルロダニン化合物(D149)などが好ましい。また、光吸収材としての有機無機ハイブリッド材料としては、CH3NH3PbI3などのペロブスカイト結晶などが挙げられる。
固体電解質層26は、光電極20に隣接して形成されている。この固体電解質層26は、半導体により形成された正孔輸送層としてもよい。この固体電解質層26は、上述した固体電解質からなるものであり、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上の固溶体を含む。この固体電解質層26は、例えば、CuIにCuBrが固溶しているものとしてもよいし、CuBrにCuIが固溶しているものとしてもよい。また、CuIにCuClが固溶しているものとしてもよいし、CuClにCuIが固溶しているものとしてもよい。これらの固溶体において、Xは、光吸収材によって好適な範囲が異なるが、例えば、0.5≦X≦0.99を満たすものとしてもよいし、0.15≦X≦0.55を満たすものとしてもよいし、0.01≦X≦0.35を満たすものとしてもよい。
セパレータ29は、下地層22、電子輸送層24が積層された光電極20及び固体電解質層26の1つの側面に隣接するように断面I字状に形成されている。セパレータ29の一端は光透過導電性基板14上の溝18と接触している。これにより、光電極20と対極30との直接接触が回避される。セパレータ29は、絶縁性の材料からなり、例えば、ガラスビーズ、二酸化ケイ素(シリカ)及びルチル型の酸化チタンなどで形成されていてもよい。このセパレータ29としては、シリカ粒子を焼結した絶縁体が好ましい。シリカ粒子は、屈折率が低く光散乱が小さく、良好な透明性を有するため、セパレータに好ましい。このセパレータ29は、良好な透明性を確保する観点から、平均粒径が5〜200nmであることが好ましい。
対極30は、セパレータ29の外面と固体電解質層26の裏面27とに接触するよう、断面L字状に形成されている。この対極30は、一端が固体電解質層26の裏面27に接続されていると共に、他端が接続部21を介して隣側の光透過導電膜12に接続されている。この対極30の裏面27と接触する面は、光電極20に対して所定の間隔を隔てて対向している。対極30としては、導電性及び固体電解質層26との接合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Pt,Au,カーボンなどが挙げられ、このうちカーボンが好ましい。
シール材32は、絶縁性の部材であれば特に限定されずに用いることができる。このシール材32としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。
保護部材34は、太陽電池40の保護を図る部材であり、例えば、防湿フィルムや保護ガラスなどとすることができる。
太陽電池40において、電子輸送層24及び固体電解質層26は、多孔質なナノ相互貫入構造を有するものとしてもよい。多孔質なナノ相互貫入構造とは、多孔質である電子輸送層24の細孔に固体電解質層26が入り込んだ構造としてもよいし、固体電解質層26の内部に電子輸送層24が入り込んだ構造としてもよい。あるいは、電子輸送層24及び固体電解質層26は、平板薄膜積層構造を有するものとしてもよい。この平板薄膜積層構造において、電子輸送層24の厚さは、例えば、10nm以上5000nm以下の範囲であるものとしてもよく、10nm以上1000nm以下の範囲であることが好ましい。また、固体電解質層26の厚さは、例えば、10nm以上5000nm以下の範囲であるものとしてもよく、10nm以上500nm以下の範囲であることが好ましい。
この太陽電池40に対して、光透過基板11の受光面13側から光を照射すると、光透過導電膜12の受光面15及び下地層22の受光面23を介して光が電子輸送層24へ到達し、光吸収材が光を吸収して電子が発生する。電子は光電極20から光透過導電膜12、接続部21を経由して隣の対極30へ移動する。太陽電池40では、この電子の移動により起電力が発生し、電池の発電作用が得られる。この太陽電池モジュール10では、固体電解質層26がCuI1-XBrX、CuI1-XClXなどの固溶体であり、固溶元素の固溶量に応じて太陽電池のエネルギー準位を所望の値に制御することができる。このため、開放電圧Vocを向上するなど、太陽電池特性をより向上することができる。
本発明の太陽電池の製造方法は、光電極20上に固体電解質層26を形成する固体電解質層形成工程を少なくとも含む。この製造方法には、例えば、基板作製工程、電子輸送層形成工程、光吸収材形成工程、固体電解質層形成工程、セパレータ形成工程、対極形成工程及び保護部材形成工程を含むものとしてもよい。基板作製工程では、複数の光透過導電膜12の間に溝18を形成しつつ光透過導電膜12を光透過基板11上に形成する。電子輸送層形成工程では、光透過導電膜12上に、必要に応じて下地層22を形成し、その後、n型半導体層を形成し電子輸送層24とする。この電子輸送層形成工程では、n型半導体として多孔質の酸化チタンを用いることが好ましい。次に、光吸収材形成では、光吸収材を電子輸送層24上に形成する。例えば、色素を光吸収材とする場合は、色素を電子輸送層24へ吸着させるものとしてもよい。色素としては、化1〜化3に示したいずれか1以上を用いるものとしてもよい。
次に、固体電解質層形成工程では、電子輸送層24の裏面25へ固体電解質層26を形成する。固体電解質層26の形成方法は、例えば、蒸着処理としてもよいし、溶液滴下処理としてもよい。蒸着処理では、例えば、スパッタ法やCVD法などの化学蒸着法を用いることができる。蒸着処理では、例えば、少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかを含む蒸着源、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかを含む蒸着源、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかを含む蒸着源のうちいずれか1以上を原料として用いる。この蒸着源である原料を用いて、光電極20の電子輸送層24上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を形成する。
あるいは、溶液滴下処理では、原料や溶媒を含む溶液を電子輸送層24に滴下し、溶媒を除去するものとしてもよい。溶液滴下処理では、少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかと溶媒とを含む原料溶液、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかと溶媒とを含む原料溶液、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかと溶媒とを含む原料溶液のうちいずれか1以上を原料として用いる。この溶液である原料を用いて、光電極20の電子輸送層24上にCuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を形成する。用いる溶媒は、原料が溶解するものとしてもよく、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などを用いることができる。溶媒の除去は、例えば、光電極20を加熱して蒸発させるものとしてもよい。この加熱温度は、光吸収材が安定である温度域、例えば、40℃以上120℃以下の範囲としてもよい。
この工程において、光吸収材が金属錯体であるRu錯体化合物であるときに固体電解質層のX値が0.5≦X≦0.99を満たす配合比の原料を用いるものとしてもよい。また、光吸収材が金属錯体であるZnポルフィリン化合物であるときにX値が0.15≦X≦0.55を満たす配合比の原料を用いるものとしてもよい。また、光吸収材が有機色素であるカルバゾール系色素であるときにX値が0.01≦X≦0.35を満たす配合比の原料を用いるものとしてもよい。また、光吸収材が有機色素であるインドリンダブルロダニン化合物であるときにX値が0.15≦X≦0.55を満たす配合比の原料を用いるものとしてもよい。このような範囲のX値の範囲とすると、光吸収材の基底状態(HOMO)及び励起状態と、固体電解質のVBMとの関係がより好適であり、より好適な太陽電池特性を得ることができる。
セパレータ形成工程では、溝18に合わせて光電極20の側面にセパレータ29を形成する。対極形成工程では、セパレータ29と固体電解質層26とに接するように対極30を形成する。対極30は、例えばカーボンとしてもよい。保護部材形成工程では、各セルを覆うようにシール材32を形成すると共にシール材32に保護部材34を形成する。このようにして、発電特性が向上した太陽電池40及び太陽電池モジュール10を作製することができる。
以上詳述した本実施形態の太陽電池40では、固体電解質において、ヨウ化銅に臭素を固溶させる、ヨウ化銅に塩素を固溶させるなどにより、価電子帯上端(VBM)を変化させることができる。このため、太陽電池のエネルギー準位(ポテンシャル)を所望の値に制御することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、太陽電池モジュール10としたが、特にこれに限定されず、太陽電池40としてもよい。太陽電池40を単体とする場合は、対極30の断面をL字状ではなく平板状に形成するものとしてもよい。また、セパレータ29を省略するものとしてもよい。また、対極30は、例えば光透過導電性基板14と同じ構成を有するものを用いるものとしてもよいし、光透過導電膜12に白金を付着させたものや、白金などの金属薄膜などとしてもよい。
以下には、本発明の太陽電池を具体的に作製した例を実施例として説明する。なお、本発明は下記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
[蒸着処理による固体電解質の作製]
光透過導電性基板上に固体電解層を形成した複合体を作製し、評価を行った。実験装置としてULVAC真空機工(株)製真空蒸着装置VPC−410を用い、蒸着法にて固体電解質層を形成した。蒸着源としてCuI(和光純薬製純度99.5%)、CuBr(Aldrich製純度99.999%)の粉末を所定濃度となるよう配合し、サンプル瓶内で振って均一化してから、Mo蒸着ポートに設置した。以下、Brの仕込み量をXとする(CuI1-XBrX)。ここでは、X=0、0.25、0.50、0.75、1とした。真空蒸着装置による固体電解質の形成条件は、ベース真空度を7〜9×10-4Paとし、印加電流を43〜48Aとし、水晶振動子膜厚モニターにて100nmの膜厚で堆積させた。なお、生成した固体電解質の膜厚は、分光エリプソメトリで確認した。
[構造解析]
得られた固体電解質の構造解析は、X線回折測定装置(リガク社製Ultima IV)を用い、CuKα線により40kV、40mA、走査速度を0.02°/sの条件で行った。
[イオン化ポテンシャル]
固体電解質のイオン化ポテンシャルを測定した。測定は、測定装置(理研計器社製AC−2)を用い、光量を10nW、ステップ間隔を0.05eVの条件で行った。
[ホール測定]
固体電解質のホール測定を行った。測定は、比抵抗/DC−ACホール測定システム(東陽テクニカ社製ResiTest8300)を用いて行った。測定は、図3に示す測定サンプルを用い、4端子法(膜/7mm角のコーニング1737光学ガラス基板)の膜上に1mmφの4箇所金電極(100nm)を蒸着法で形成し、電流0.5mAで、AC法により行った。
[VBMの計算]
第1原理計算による価電子帯上端(VBM、eV)と格子定数(Å)との関係を求めた。VBMは、電子状態計算プログラム(VASP5.3.3)を使用ソフトとし、原子と電子との相互作用をPAW法(射影演算子により内核電子の寄与を補強)とし、交換相関エネルギーをGGA−PBE、HSE06、PBE0とし、カットオフエネルギーを500eVとし、k点メッシュ刻みを0.1(Å)として計算した。図4は、第1原理計算による価電子帯上端(eV)と格子定数(Å)との関係図である。図4に示すように、CuIへのBr、Cl置換によって、価電子帯位置が下がる傾向が確認された。VBMは、格子定数、Cuの価数と相関があることがわかった。一方、CuIへのF置換では、このような傾向は見られないことがわかった。
(結果と考察)
図5は、蒸着処理により作製した固体電解質(CuI1-XBrX)のX線回折測定結果である。図6は、蒸着処理により作製したCuI1-XBrXのXと格子定数との関係図である。図7は、蒸着処理により作製したCuI1-XBrXのXとイオン化ポテンシャルとの関係図である。図8は、蒸着処理により作製したCuI1-XBrXのXと比抵抗値との関係図である。図5に示すように、回折ピーク位置は、BrのX値に応じて高角側にシフトした結果が得られた。また、図6に示すように、回折線ピークから求めた格子定数は、BrのX値に比例してVegard’s lawに一致した挙動を示したことから、蒸着処理によって、CuI1-XBrXの固溶体が形成されていることが確認された。また、図7に示すように、イオン化ポテンシャルは、BrのX値が増加すると共に増加する比例関係を有することがわかった。また、図8に示すように、ホール測定から求めた比抵抗値(Ωcm)は、BrのX値の増加に伴い、増加する傾向を示した。ただし、CuI1-XBrXでは、比抵抗値が10Ωcm以下であり、例えば、CuSCNの70〜104Ωcmや、有機伝導体(Spiro−OMeTAD)の5×104Ωcmなどよりも格段に小さいことがわかった。このように、CuI1-XBrX(0<X≦1)は、太陽電池の固体電解質として有用であることがわかった。
[溶液滴下処理による固体電解質の作製]
固体電解質を溶液滴下処理で作製した。色素を吸着した電子輸送層(TiO2)を形成した光電極を用意した。色素は、DTBCとした。穴部を形成したカプトンテープをこの光電極上に貼り、この穴部へ固体電解質を含む溶液を滴下した。CuI溶液は、アセトニトリルを溶媒とし、0.1Mの濃度として調製した。また、CuBr溶液は、アセトニトリルを溶媒とし、0.1Mの濃度として調製した。固体電解質CuIは、60℃のホットプレート上に配置した光電極へCuI溶液を10μL×50滴、滴下し、乾燥させて作製した。CuBr溶液を用いて、上記と同様に、固体電解質CuBrを作製した。また、固体電解質CuI0.5Br0.5は、CuI溶液とCuBr溶液とを50体積%ずつ混合した溶液を用いて上記と同様の処理を行い作製した。作製した固体電解質は、X線回折測定を行い、結晶相を同定した。
(結果と考察)
図9は、溶液滴下処理により作製した固体電解質のX線回折測定結果である。図10は、溶液滴下処理により作製したCuI1-XBrXのXと格子定数(Å)との関係図である。図9に示すように、溶液滴下処理により作製された固体電解質においても、蒸着処理により作製したものと同様に、回折ピークがシフトした結果が得られた。また、図10に示すように、回折線ピークから求めた格子定数(Å)は、BrのX値に比例してVegard’s lawに一致した挙動を示したことから、溶液滴下処理によってもCuI1-XBrXの固溶体が形成されることが確認された。
[太陽電池の作製]
FTOガラス基板上に、電子輸送層(n型半導体層)として多孔質TiO2膜をスクリーン印刷法で塗布し、150℃で乾燥したのち、電気炉内で450℃に加熱して、多孔質TiO2膜基板を作製した。次に、この多孔質TiO2膜に色素を吸着させた。色素としてDTBCを用いた。次に、上述した溶液滴下処理を行い、多孔質TiO2膜上に固体電解質層を形成した。固体電解質層は、CuI、CuI1-XBrX(X=0.5)の2種とした。固体電解質層の上に対極Ptを蒸着処理により形成した。こうして、透明電極(FTO)多孔質TiO2膜/色素/固体電解質層/対極との構成を有する積層型の色素増感型太陽電池を作製した。
作製した太陽電池に光を照射し、開放電圧Vocを測定した。その結果、固体電解質がCuIである比較例では、0.43Vであったのに対し、固体電解質がCuI1-XBrX(X=0.5)である実施例では、0.50Vであり、Vocの向上が認められた。
また、同様に、蒸着処理により固体電解質層をCuI、CuI1-XBrX(X=0.3)とする、透明電極(FTO)多孔質TiO2膜/色素/固体電解質層/対極の構成を有する積層型の色素増感型太陽電池を作製した。図11は、蒸着処理により作製した太陽電池の模式図である。図12は、蒸着処理により作製した太陽電池の断面のFE−SEM像である。蒸着処理によっては、TiO2の多孔質内部には、固体電解質は充填されず、TiO2の表面にのみ薄層が形成された。このため、電流密度は溶液滴下処理で作製したものに比べて低いものの、CuIとCuI1-XBrX(X=0.3)とを比較することで、電解質材料としての優劣を評価した。
図13は、蒸着処理により作製した太陽電池の波長(nm)と外部量子効率(IPCE)との関係図である。なお、IPCEとは、照射光量(又は光子数)に対して得られた電子数から単色光あたりの光電変換効率(外部量子効率)を算出して得られた値をいう。IPCE測定は、分光感度測定装置(分光計器社製)を用いて行った。図13に示すように、波長700〜800nmの範囲にある色素由来の吸収ピークがCuIに比してCuI0.7Br0.3の方が増大していることがわかった。図14、15は、蒸着法で固体電解質層を作製した太陽電池のIV特性である。IV特性は、固体電解質をCuIとする太陽電池(比較例1)、CuI0.7Br0.3とする太陽電池(実施例1)、CuI0.5Br0.5とする太陽電池(実施例2)を用い、暗所(図14)および1sun光照射下(図15)で測定した。光照射の特性からは、比較例1では、短絡電流密度Jscが0.1〜0.13mA/cm2であり、開放電圧Vocが0.33〜0.39Vであった。一方、実施例1(X=0.3)では、短絡電流密度Jscが0.21〜0.22mA/cm2であり、開放電圧Vocが0.37〜0.43Vであった。また、実施例2(X=0.5)では、短絡電流密度Jscが0.1〜0.13mA/cm2であり、開放電圧Vocが0.48〜0.50Vであった。また、暗所の特性からは、固体電解質層であるCuI1-XBrXのXが高いと暗電流の立ち上がり電位が高バイアス側にシフトすることがわかり、開放電圧Vocも増大することがわかった。
上述した測定結果に基づき、色素の基底状態(HOMO)に応じて固体電解質のVBMの最適な値を決定することができる。表1に、色素の種類と、好ましい電解質のVBMと、CuI1-XBrXのX値との関係の一例をまとめた。表1に示すように、光吸収材が金属錯体であるRu錯体化合物であるときに固体電解質層(CuI1-XBrX)のXが0.5≦X≦0.99を満たすことが好ましい。また、光吸収材が金属錯体であるZnポルフィリン化合物であるときには、Xが0.15≦X≦0.55を満たすことが好ましい。また、光吸収材が有機色素であるカルバゾール系色素であるときには、Xが0.01≦X≦0.35を満たすことが好ましい。また、光吸収材が有機色素であるインドリンダブルロダニン化合物であるときには、Xが0.15≦X≦0.55を満たすことが好ましい。表1には示していない色素においても、その基底状態(HOMO)に応じて固体電解質の好適なVBMが定められ、このVBMに応じたX値を採用すればよいことがわかった。
本発明は、太陽電池の技術分野に利用可能である。
10 太陽電池モジュール、11 光透過基板、12 光透過導電膜、13 受光面、14 光透過導電性基板、15 受光面、16,17 集電電極、18 溝、20 光電極、21 接続部、22 下地層、23 受光面、24 電子輸送層、25 裏面、26 固体電解質層、27 裏面、29 セパレータ、30 対極、32 シール材、34 保護部材、40 太陽電池。

Claims (8)

  1. 光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、
    CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含み前記光電極に隣接して形成された固体電解質層と、
    を備えた太陽電池。
  2. 前記光吸収材は、金属錯体、有機色素、有機無機ハイブリッド材料のうち1以上である、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記光吸収材が金属錯体であるRu錯体化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.5≦X≦0.99を満たし、
    前記光吸収材が金属錯体であるZnポルフィリン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たし、
    前記光吸収材が有機色素であるカルバゾール系色素であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.01≦X≦0.35を満たし、
    前記光吸収材が有機色素であるインドリンダブルロダニン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たす、請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池を複数備えている、太陽電池モジュール。
  5. 少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかを含む蒸着源、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかを含む蒸着源、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかを含む蒸着源のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を蒸着処理により形成する固体電解質層形成工程、を含む太陽電池の製造方法。
  6. 少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかと溶媒とを含む原料溶液、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかと溶媒とを含む原料溶液、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかと溶媒とを含む原料溶液のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を溶液滴下処理により形成する固体電解質層形成工程、を含む太陽電池の製造方法。
  7. 前記固体電解質層形成工程では、
    前記光吸収材が金属錯体であるRu錯体化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.5≦X≦0.99を満たし、
    前記光吸収材が金属錯体であるZnポルフィリン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たし、
    前記光吸収材が有機色素であるカルバゾール系色素であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.01≦X≦0.35を満たし、
    前記光吸収材が有機色素であるインドリンダブルロダニン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たす前記原料を用いる、請求項5又は6に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、前記光電極に隣接して形成された固体電解質層とを備えた太陽電池に用いられる固体電解質であって、
    CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む、固体電解質。
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CN115350716A (zh) * 2022-05-23 2022-11-18 重庆邮电大学 一种钙钛矿复合材料光催化剂及其制备方法和应用

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