JP2017079235A - 太陽電池、太陽電池モジュール、太陽電池の製造方法及び固体電解質 - Google Patents
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Abstract
Description
光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、
CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含み前記光電極に隣接して形成された固体電解質層と、
を備えたものである。
少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかを含む蒸着源、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかを含む蒸着源、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかを含む蒸着源のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を蒸着処理により形成する固体電解質層形成工程、を含むものである。
少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかと溶媒とを含む原料溶液、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかと溶媒とを含む原料溶液、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかと溶媒とを含む原料溶液のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を溶液滴下処理により形成する固体電解質層形成工程、を含むものである。
光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、前記光電極に隣接して形成された固体電解質層とを備えた太陽電池に用いられる固体電解質であって、
CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含むものである。
光透過導電性基板上に固体電解層を形成した複合体を作製し、評価を行った。実験装置としてULVAC真空機工(株)製真空蒸着装置VPC−410を用い、蒸着法にて固体電解質層を形成した。蒸着源としてCuI(和光純薬製純度99.5%)、CuBr(Aldrich製純度99.999%)の粉末を所定濃度となるよう配合し、サンプル瓶内で振って均一化してから、Mo蒸着ポートに設置した。以下、Brの仕込み量をXとする(CuI1-XBrX)。ここでは、X=0、0.25、0.50、0.75、1とした。真空蒸着装置による固体電解質の形成条件は、ベース真空度を7〜9×10-4Paとし、印加電流を43〜48Aとし、水晶振動子膜厚モニターにて100nmの膜厚で堆積させた。なお、生成した固体電解質の膜厚は、分光エリプソメトリで確認した。
得られた固体電解質の構造解析は、X線回折測定装置(リガク社製Ultima IV)を用い、CuKα線により40kV、40mA、走査速度を0.02°/sの条件で行った。
固体電解質のイオン化ポテンシャルを測定した。測定は、測定装置(理研計器社製AC−2)を用い、光量を10nW、ステップ間隔を0.05eVの条件で行った。
固体電解質のホール測定を行った。測定は、比抵抗/DC−ACホール測定システム(東陽テクニカ社製ResiTest8300)を用いて行った。測定は、図3に示す測定サンプルを用い、4端子法(膜/7mm角のコーニング1737光学ガラス基板)の膜上に1mmφの4箇所金電極(100nm)を蒸着法で形成し、電流0.5mAで、AC法により行った。
第1原理計算による価電子帯上端(VBM、eV)と格子定数(Å)との関係を求めた。VBMは、電子状態計算プログラム(VASP5.3.3)を使用ソフトとし、原子と電子との相互作用をPAW法(射影演算子により内核電子の寄与を補強)とし、交換相関エネルギーをGGA−PBE、HSE06、PBE0とし、カットオフエネルギーを500eVとし、k点メッシュ刻みを0.1(Å)として計算した。図4は、第1原理計算による価電子帯上端(eV)と格子定数(Å)との関係図である。図4に示すように、CuIへのBr、Cl置換によって、価電子帯位置が下がる傾向が確認された。VBMは、格子定数、Cuの価数と相関があることがわかった。一方、CuIへのF置換では、このような傾向は見られないことがわかった。
図5は、蒸着処理により作製した固体電解質(CuI1-XBrX)のX線回折測定結果である。図6は、蒸着処理により作製したCuI1-XBrXのXと格子定数との関係図である。図7は、蒸着処理により作製したCuI1-XBrXのXとイオン化ポテンシャルとの関係図である。図8は、蒸着処理により作製したCuI1-XBrXのXと比抵抗値との関係図である。図5に示すように、回折ピーク位置は、BrのX値に応じて高角側にシフトした結果が得られた。また、図6に示すように、回折線ピークから求めた格子定数は、BrのX値に比例してVegard’s lawに一致した挙動を示したことから、蒸着処理によって、CuI1-XBrXの固溶体が形成されていることが確認された。また、図7に示すように、イオン化ポテンシャルは、BrのX値が増加すると共に増加する比例関係を有することがわかった。また、図8に示すように、ホール測定から求めた比抵抗値(Ωcm)は、BrのX値の増加に伴い、増加する傾向を示した。ただし、CuI1-XBrXでは、比抵抗値が10Ωcm以下であり、例えば、CuSCNの70〜104Ωcmや、有機伝導体(Spiro−OMeTAD)の5×104Ωcmなどよりも格段に小さいことがわかった。このように、CuI1-XBrX(0<X≦1)は、太陽電池の固体電解質として有用であることがわかった。
固体電解質を溶液滴下処理で作製した。色素を吸着した電子輸送層(TiO2)を形成した光電極を用意した。色素は、DTBCとした。穴部を形成したカプトンテープをこの光電極上に貼り、この穴部へ固体電解質を含む溶液を滴下した。CuI溶液は、アセトニトリルを溶媒とし、0.1Mの濃度として調製した。また、CuBr溶液は、アセトニトリルを溶媒とし、0.1Mの濃度として調製した。固体電解質CuIは、60℃のホットプレート上に配置した光電極へCuI溶液を10μL×50滴、滴下し、乾燥させて作製した。CuBr溶液を用いて、上記と同様に、固体電解質CuBrを作製した。また、固体電解質CuI0.5Br0.5は、CuI溶液とCuBr溶液とを50体積%ずつ混合した溶液を用いて上記と同様の処理を行い作製した。作製した固体電解質は、X線回折測定を行い、結晶相を同定した。
図9は、溶液滴下処理により作製した固体電解質のX線回折測定結果である。図10は、溶液滴下処理により作製したCuI1-XBrXのXと格子定数(Å)との関係図である。図9に示すように、溶液滴下処理により作製された固体電解質においても、蒸着処理により作製したものと同様に、回折ピークがシフトした結果が得られた。また、図10に示すように、回折線ピークから求めた格子定数(Å)は、BrのX値に比例してVegard’s lawに一致した挙動を示したことから、溶液滴下処理によってもCuI1-XBrXの固溶体が形成されることが確認された。
FTOガラス基板上に、電子輸送層(n型半導体層)として多孔質TiO2膜をスクリーン印刷法で塗布し、150℃で乾燥したのち、電気炉内で450℃に加熱して、多孔質TiO2膜基板を作製した。次に、この多孔質TiO2膜に色素を吸着させた。色素としてDTBCを用いた。次に、上述した溶液滴下処理を行い、多孔質TiO2膜上に固体電解質層を形成した。固体電解質層は、CuI、CuI1-XBrX(X=0.5)の2種とした。固体電解質層の上に対極Ptを蒸着処理により形成した。こうして、透明電極(FTO)多孔質TiO2膜/色素/固体電解質層/対極との構成を有する積層型の色素増感型太陽電池を作製した。
Claims (8)
- 光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、
CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含み前記光電極に隣接して形成された固体電解質層と、
を備えた太陽電池。 - 前記光吸収材は、金属錯体、有機色素、有機無機ハイブリッド材料のうち1以上である、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記光吸収材が金属錯体であるRu錯体化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.5≦X≦0.99を満たし、
前記光吸収材が金属錯体であるZnポルフィリン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たし、
前記光吸収材が有機色素であるカルバゾール系色素であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.01≦X≦0.35を満たし、
前記光吸収材が有機色素であるインドリンダブルロダニン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たす、請求項1又は2に記載の太陽電池。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池を複数備えている、太陽電池モジュール。
- 少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかを含む蒸着源、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかを含む蒸着源、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかを含む蒸着源のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を蒸着処理により形成する固体電解質層形成工程、を含む太陽電池の製造方法。
- 少なくともCuIを含みCuBr又はCuClのいずれかと溶媒とを含む原料溶液、少なくともCsSnI3を含みCsSnBr3又はCsSnCl3のいずれかと溶媒とを含む原料溶液、及び少なくともCs2SnI6を含みCs2SnBr6又はCs2SnCl6のいずれかと溶媒とを含む原料溶液のうちいずれか1以上を原料として用い、光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極上に、CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む固体電解質層を溶液滴下処理により形成する固体電解質層形成工程、を含む太陽電池の製造方法。
- 前記固体電解質層形成工程では、
前記光吸収材が金属錯体であるRu錯体化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.5≦X≦0.99を満たし、
前記光吸収材が金属錯体であるZnポルフィリン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たし、
前記光吸収材が有機色素であるカルバゾール系色素であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.01≦X≦0.35を満たし、
前記光吸収材が有機色素であるインドリンダブルロダニン化合物であるときに前記固体電解質層の前記Xが0.15≦X≦0.55を満たす前記原料を用いる、請求項5又は6に記載の太陽電池の製造方法。 - 光吸収材を有する電子輸送層を光透過導電性基板上に備えた光電極と、前記光電極に隣接して形成された固体電解質層とを備えた太陽電池に用いられる固体電解質であって、
CuI1-XBrX、CuI1-XClX、CsSnI3-XBrX、CsSnI3-XClX、Cs2SnI6-XBrX及びCs2SnI6-XClX(但し0<X≦1を満たす)のうち1以上を含む、固体電解質。
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KR101895166B1 (ko) * | 2017-05-19 | 2018-10-18 | 울산과학기술원 | 무납 페로브스카이트 기반 홀전도체 조성물, 이를 포함하는 태양전지 및 이의 제조방법 |
CN110803711A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-02-18 | 桂林电子科技大学 | 一种Te掺杂A2SnCl6钙钛矿材料及其制备方法 |
CN115350716A (zh) * | 2022-05-23 | 2022-11-18 | 重庆邮电大学 | 一种钙钛矿复合材料光催化剂及其制备方法和应用 |
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- 2015-10-19 JP JP2015205690A patent/JP6719881B2/ja active Active
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