JP2017078585A - 臨界検知装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】検知対象の状態変化に依存することなく、迅速性・信頼性に優れる臨界検知技術を提供する。
【解決手段】臨界検知装置10は、核燃料の溶融凝固物53を破壊する破壊位置を交点54とする第1半直線51上において交点54から第1距離r1はなれた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器11と、この第1半直線51上において交点54から第2距離r2はなれた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器12と、破壊位置を交点54とし第1半直線51とは異なる第2半直線52上において交点54から第1距離r1はなれた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器13と、第2半直線52上において交点54から第2距離r2はなれた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器14と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、核燃料の溶融凝固物の撤去作業を実施している過程において、核分裂反応が臨界に達することを未然に防止する臨界検知技術に関する。
発電用の原子炉や研究用の原子炉では、核分裂反応が生じてから秒単位で遅れて発生する遅発中性子を十二分に利用して核分裂反応の増減を制御し、核分裂の連鎖反応を一定で継続させる臨界状態を維持している。
原子力設備において過酷事故が発生し核燃料を装填した炉心等が溶融等した場合、その凝固物(核燃料デブリ)の撤去作業の遂行過程において、1秒以下の瞬時に急激に核分裂反応が増加する、あるいは予定されない臨界状態に移行する兆候がないことを常時監視する必要がある。
原子炉施設において核分裂反応を監視・モニタする従来方法としては、ガスモニタ法、炉雑音法(Feynman-α法、Rossi-α法等)が知られている。また、外部中性子源を利用する方法も知られている。
ここで、ガスモニタ法とは、核分裂生成物のうち気体状のものを集めて測定し系内で起きている核分裂反応を把握し、臨界に近付いているかどうかを判断する方法である。
また炉雑音法とは、中性子検出器を施設の適切な場所に置き、出力された検出信号を原子炉雑音理論に基づき統計処理し、系内の未臨界度(臨界に近付いている程度)を計算する方法である。
革新的実用原子力技術開発費補助事業 平成16年度成果報告書概要版 原子炉施設に対する未臨界度測定装置に関する技術開発 平成17年3月 未臨界実験データ評価研究専門委員会報告書 2011年3月 一般社団法人日本原子力学会
しかし、ガスモニタ法は、分析対象が、核分裂反応で生ずる気体状の核分裂生成物であるために、結果を得るのに時間がかかり迅速性に課題がある。
炉雑音法は、確立された理論に基づく信頼性の高い方法であるが、未臨界度の導出にあたり、検知対象の状態に依存するパラメータを事前に計算で求めておく必要がある。
しかし、このパラメータを、核燃料デブリの撤去作業の過程を通して、一定値として取り扱ってよいのか否かについては確証がない。このため炉雑音法は、動的状態が続く作業中において、ロバスト性(外乱に対する安定性)の高い方法とは言えない課題がある。
外部中性子源を利用する方法は、撤去作業の過程で検知対象の状態変化に伴い中性子源強度が変化しても、測定の信頼性が損なわれない点において優れる。しかし、撤去作業に干渉しない外部中性子源の種類、大きさ、設置位置の決定に苦慮する課題がある。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、検知対象の状態変化に依存することなく、迅速性・信頼性に優れる臨界検知技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る臨界検知装置は、核燃料の溶融凝固物が閉じ込められた領域内に交点を形成する第1半直線及び第2半直線を設定し、前記第1半直線上において前記交点から第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器と、前記第1半直線上において前記交点から第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器と、前記第2半直線上において前記交点から前記第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器と、前記第2半直線上において前記交点から前記第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器と、前記第1中性子検出器、前記第2中性子検出器、前記第3中性子検出器及び前記第4中性子検出器の各々から出力された検出信号を受信し処理をした結果、前記核燃料の溶融凝固物において核分裂反応が臨界に近づいている旨の認定がなされた場合、警告信号を発信する信号処理部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態により、検知対象の状態変化に依存することなく、迅速性・信頼性に優れる臨界検知技術が提供される。
本発明の実施形態に係る臨界検知装置を示す概要図。 実施形態に係る臨界検知装置の信号処理部を示すブロック図。 信号処理部で実行される演算処理式を示す図。 実施形態に係る臨界検知方法及び臨界検知プログラムを説明するフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように実施形態に係る臨界検知装置10は、核燃料の溶融凝固物53が閉じ込められた領域内に交点54を形成する第1半直線51及び第2半直線52を設定し、この第1半直線51上において交点54から第1距離r1はなれた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器11と、この第1半直線51上において交点54から第2距離r2はなれた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器12と、第2半直線52上において交点54から第1距離r1はなれた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器13と、第2半直線52上において交点54から第2距離r2はなれた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器14と、を備えている。
さらに、臨界検知装置10は、第1中性子検出器11、第2中性子検出器12、第3中性子検出器13及び第4中性子検出器14の各々から出力された検出信号A(A1,A2,A3,A4)を受信し処理をした結果、核燃料の溶融凝固物53において核分裂反応が臨界に近づいている旨の認定がなされた場合、警告信号Qを発信する信号処理部20(図2)を備えている。
図2に示すように、信号処理部20は、受信した検出信号A(A1,A2,A3,A4)に基づいて中性子の計数率を導く計数率導出部23と、第1半直線51上の第1距離r1における中性子の第1計数率C1とその第2距離r2における中性子の第2計数率C2との比に基づき第1パラメータP1を演算する第1演算部21と、第2半直線52上の第1距離r1における中性子の第3計数率C3とその第2距離r2における中性子の第4計数率C4との比に基づき第2パラメータP2を演算する第2演算部22と、第1パラメータP1及び第2パラメータP2が「一致」するか「不一致」であるかに関する判定を行う判定部24と、「一致」するとの判定がなされた場合、警告信号Qを発信する発信部25と、を有している。
核燃料の溶融凝固物53(以下、核燃料デブリ53という)としては、原子力設備が過酷事故に至り、圧力容器内の冷却能力を喪失し、核燃料の崩壊熱により燃料集合体及び炉心構造物が過熱融解して発生したもの等が挙げられる。
このようにして生成した核燃料デブリ53は、圧力容器を構成するFe系材料と、被覆管やチャンネルボックスを構成するZr材料と、核燃料を構成する酸化ウラン及び酸化プルトニウムと、その他の構成材料とが混在し一体化している。
このような核燃料デブリ53を撤去するに際し、一体化した凝固物を、搬出可能な大きさに分割する必要がある。この撤去作業の遂行過程においては、核燃料デブリ53の状態変化により、予定しない核分裂反応が再び進行(再臨界)しないように、厳重に注意を払う必要がある。
臨界状態では、中性子の空間分布は、特定の関数で表現することが可能な、滑らかな分布で、特定の整った形を示す。さらに、この空間分布のどの点においても中性子の数は、時間変化がなくそれぞれ一定の値を示す。即ち空間分布内のどの点においても中性子の増倍率は同じ値(=1.0)を示す。
一方、未臨界状態では、中性子の増倍率は、空間の位置によって大きい値を示したり小さい値を示したりして、均一ではない。
従って着目する体系が、未臨界状態から臨界状態に近づくにつれ、中性子の空間分布は、特定の関数で表現することが可能な程度に滑らかになっていくといえる。
一体化している核燃料デブリ53を、破壊するために、物理的な破壊エネルギーを付与するドリル、ハンマ、破砕機、切断機等の機械工具55を使用する。このため機械工具55と核燃料デブリ53との接触領域は、状態が変化するので、核燃料デブリ53を予定しない臨界状態(再臨界)にする可能性がある。
この核燃料デブリ53が再臨界に近づいていく過程において、中性子の空間分布は、この核燃料デブリ53を中心とした整った形を形成していくものと考えられる。
このために、第1−第2中性子検出器11,12が位置する第1半直線51と、第3−第4中性子検出器13,14が位置する第2半直線52との交差角は、60°から120°の範囲に含まれている。なおこの交差角は、交点54において略直交していることが、中性子の空間分布の対称性を検知する点で好ましい。
さらに図示される第1半直線51及び第2半直線52とは異なる第3半直線(図示略)を、交点54において交差するように設定する。そして、この第3半直線(図示略)の第1距離r1及び第2距離r2はなれた位置に中性子検出器が設けることによっても、中性子の空間分布の対称性を正確に検知し臨界検知の信頼性を向上させることができる。
また、それぞれの半直線51,52上に、第1距離r1及び第2距離r2とは異なる第3距離(図示略)はなれた位置に中性子検出器(図示略)を、設けることによっても、中性子の空間分布の対称性を正確に検知し臨界検知の信頼性を向上させることができる。
また、第1中性子検出器11、第2中性子検出器12、第3中性子検出器13及び第4中性子検出器14の各々は、核燃料デブリ53が収容されている容器の内側又は外側に固定配置されるが、移動する機械工具55の位置に合わせて移動するように構成してもよい。
第1−第4中性子検出器11,12,13,14に検出させる中性子の主な発生源は、核燃料デブリ53に存在する242Cm(キュリウム242)、244Cm(キュリウム244)等といった、自発核分裂で中性子を放出する核種である。
なお、第1−第4中性子検出器11,12,13,14は、比例計数管、電離箱、核分裂電離箱等、公知のものが採用されるが、全て同一の型式で、検出効率が同一になるように調整されていることが望ましい。
中性子の空間分布を知るには、中性子検出器に入射する中性子の数を知る必要がある。
第1−第4中性子検出器11,12,13,14の各々は、中性子の入射に応じてパルス状の検出信号A(A1,A2,A3,A4)を出力する。
計数率導出部23(図2)は、第1−第4中性子検出器11,12,13,14の各々に対応して個別に設けられている。
そして計数率導出部23は、単位時間当たりに受信した検出信号A(A1,A2,A3,A4)の数を表す、中性子の計数率C(C1,C2,C3,C4)を導く。
ここで、第1−第4中性子検出器11,12,13,14と対応する各々の計数率導出部23との検出効率をεdと表記する。
そして、中性子発生源である核種は、核燃料デブリ53に広く分布するものとし、交点54における中性子強度Sは、そのような核種が自発核分裂して放出した中性子の強度を空間積分したものと考える。
そして、交点54から第1中性子検出器11までの空間を中性子が移動する際の効率をε1とし、第1中性子検出器11から第2中性子検出器12までの空間を中性子が移動する際の効率をε2と表記する。
そして、交点54から第3中性子検出器13までの空間を中性子が移動する際の効率をε3とし、第3中性子検出器13から第4中性子検出器14までの空間を中性子が移動する際の効率をε4と表記する。
さらに、第1−第4中性子検出器11,12,13,14の空間位置における中性子の増倍率をそれぞれk1,k2,k3,k4と表記する。
図3の数式(1)〜(4)は、上述の表記に基づいて、第1−第4中性子検出器11,12,13,14の各々における中性子の計数率C1,C2,C3,C4を、関数形で表したものである。
なお、図3の数式(1)〜(4)は、交点54で増倍した中性子のみ、第1−第4中性子検出器11,12,13,14に入射すると仮定している。
ここで、第1中性子検出器11の計数率C1と第2中性子検出器12の計数率C2との比を第1パラメータP1(=C2/C1)とし、第3中性子検出器13の計数率C3と第4中性子検出器14の計数率C4との比を第2パラメータP2(=C4/C3)とすると、図3の数式(1)〜(4)の関係から、数式(5)〜(6)の関係が得られる。
さらにこのP1及びP2の相対差をD=|(P2−P1)/P1|のように定義すると、図3の数式(7)の関係が得られる。
ここで、交点54が臨界に近付いた場合、この数式(7)の右項について考察する。
この数式(7)において、ε4/ε2は、1と見做してよい。その理由を述べる。
ε2及びε4は、第1中性子検出器11から第2中性子検出器12までの空間、及び第3中性子検出器13から第4中性子検出器14までの空間を中性子が移動する際に、この中性子が生き残る確率である。なぜなら空間を移動する全ての中性子が全く減衰せずに中性子検出器に到達する場合であれば効率(=確率)は1になるからである。
またこの中性子の移動に関する確率は、概ね、ネイピア数(オイラー数、あるいは自然対数の底(e)を中性子巨視的断面積(Σt)×移動距離(x)の値の逆数乗倍したものに等しく、近似的にexp(−Σtx)で表すことが出来る。
着目する体系において、中性子巨視的断面積が特定の作業ステップ期間中に大きく変化せず、かつ中性子巨視的断面積の空間依存性がそれほど大きくないとすれば、第1中性子検出器11及び第2中性子検出器12の距離と、第3中性子検出器13及び第4中性子検出器14の距離と、が同じであれば、ε2=ε4と見做すことができる。
次に、交点54が臨界に近付けば、中性子増倍率k1,k2,k3,k4の空間依存性は小さくなり、最大値に近付いていくので、(1−k3/1−k1)×(1−k2/1−k4)も1に近付いていく。
このため、交点54が臨界に近付いた場合、数式(7)で表される、第1パラメータP1及び第2パラメータP2の相対差Dは、0に近づいていく。
ここで、作業の進行に応じて状態変化する交点54における中性子強度Sは、S(n);(n=1,2…)のように時系列に変化することを考慮する。このS(n)の変化に対応して、第1計数率C1(n)、第2計数率C2(n)、第3数率C3(n)、第4計数率C4(n)も変化する。すると、nにおける相対差D(n)で表すと、交点54が臨界に近付いていく過程において相対差D(n)は減少し、数式(8)の関係が連続的に観測されることになる。
図2に示す信号処理部20は、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
また、信号処理部20は、計数率導出部23及びその他の構成要素を分けたハードウェア構成として実現する場合もある。
信号処理部20は、時間経過(n=1,2…)に従って受信した検出信号A(A1,A2,A3,A4)に基づいて、計数率導出部23が、第1計数率C1(n)、第2計数率C2(n)、第3計数率C3(n)、第4計数率C4(n)を導出する。
そして、第1演算部21は、数式(5)に基づいて、第1計数率C1(n)と第2計数率C2(n)との比に基づき第1パラメータP1(n)を演算する。
第2演算部22は、数式(6)に基づいて、第3計数率C3(n)と第4計数率C4(n)との比に基づき第2パラメータP2(n)を演算する。
判定部24は、第1計数率C1(n)、第2計数率C2(n)、第3計数率C3(n)、第4計数率C4(n)のうち少なくとも一つの値が、急激に上昇した場合は、臨界に近付いていると判断する。
また、第1パラメータP1(n)及び第2パラメータP2(n)を入力した数式(7)の演算値が予め定められた閾値を下回る場合も、臨界に近付いていると判断する。
さらに、時系列に入力される第1パラメータP1(n−1),P1(n)及び第2パラメータP2(n−1),P2(n)を入力した数式(8)の関係が連続する場合も、臨界に近付いていると判断する。
このように、判定部24は、少なくとも第1パラメータP1及び第2パラメータP2が「一致」するか「不一致」であるかに関する判定を行う。なお、判定部24におけるこの判定は、上述の方法に限定されるものではない。
そして、発信部25は、判定部24において「一致」するとの判定がなされた場合、警告信号Qを発信する。
この警告信号Qに基づいて、監視を強化したり作業を停止したり中性子吸収材を投入したりする措置が取られる。
核燃料デブリ53の撤去作業の過程においては、臨界が近付いているか否かの判断を素早く行うことが重要であり、実効中性子増倍率kを直接導き出して、未臨界度を知ることは常に重要であるが、撤去作業中に迅速に実効中性子増倍率kを評価することが出来なければ、撤去作業の継続あるいは中止の判断材料になり得ない。
実効中性子増倍率kの導出には、予め補正係数を導く等複雑な工程を経る必要がある。
しかし本実施形態では、そのような複雑な工程を必要とせず、中性子検出器の検出信号Aから求める中性子計数率Cのみに基づいて、臨界が近付いているか否かの判断を、簡単なアルゴリズムで応答性良く実施することができる。
図4のフローチャートに基づいて実施形態に係る臨界検知方法及び臨界検知プログラムを説明する(適宜、図1,図2,図3参照)。
機械工具55により破壊される核燃料デブリ53が閉じ込められた領域内に交点54を設定して、第1半直線51上の第1距離r1はなれた位置に第1中性子検出器11を第2距離r2はなれた位置に第2中性子検出器12を配置し、第2半直線52上の第1距離r1はなれた位置に第3中性子検出器13を第2距離r2はなれた位置に第4中性子検出器14を配置する(S11)。そして、機械工具55を動作させて核燃料デブリ53の破壊作業を開始する(S12)。
臨界検知装置10は、第1中性子検出器11、第2中性子検出器12、第3中性子検出器13及び第4中性子検出器14の各々から出力された検出信号A(n)(A1,A2,A3,A4)を受信し(S13)、それぞれの中性子計数率C(n)(C1,C2,C3,C4)を導出する(S14)。
この時、第1計数率C1(n)、第2計数率C2(n)、第3計数率C3(n)、第4計数率C4(n)のうち少なくとも一つの値が、閾値αを超える程に、大きな値を示す場合は(S15 No)、臨界に近付いていると判断し、警告信号Qを発信する(S16)。
そして、第1計数率C1(n)、第2計数率C2(n)、第3計数率C3(n)、第4計数率C4(n)の全ての値が、閾値α未満であれば次の工程にすすむ(S15 Yes)。
すなわち、数式(5)に基づいて、第1計数率C1(n)と第2計数率C2(n)との比から、第1半直線51の第1パラメータP1(n)を演算する。そして数式(6)に基づいて、第3計数率C3(n)と第4計数率C4(n)との比から、第2半直線52の第2パラメータP2(n)を演算する(S17)。
さらに、数式(7)に基づいて、第1パラメータP1(n)及び第2パラメータP2(n)の相対差D(n)を求める(S18)。そして、この相対差D(n)が、閾値βを下回る程度に、0に近い値を示す場合は(S19 No)、臨界に近付いていると判断し、警告信号Qを発信する(S16)。
そして、の相対差D(n)が、閾値βを超える値であれば次の工程にすすむ(S19 Yes)。
すなわち、数式(8)に基づいて、前回の相対差D(n−1)との大小関係を比較して、今回の相対差D(n)が減少傾向にある場合は(S20 No)、臨界に近付いていると判断し、警告信号Qを発信する(S16)。
そして、相対差D(n)が減少傾向にない場合は(S20 Yes)、核燃料デブリ53の破壊作業が終了するまで、(S13)から(S20)の工程を繰り返す(S21 No Yes END)。
なお、このフローチャートで説明した工程を進める前提として、作業開始時は未臨界であることが確認され、保証されているものとする。具体的には、作業開始に先駆けて、ガスモニタや炉雑音法等で実効中性子増倍率kを直接導いて、未臨界度を計測する。
実際の核燃料デブリ53の撤去作業では、実効中性子増倍率kを直接導く測定法と、その必要がない本実施形態と、を適宜組み合わせて実施することが有効である。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の臨界検知装置によれば、核燃料デブリの破壊位置を交点に延びる二本以上の半直線上に中性子検出器を並べて、検出信号を処理することにより、破壊位置の状態変化に依存することなく、臨界検知を優れた迅速性・信頼性で実施することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、臨界検知装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、臨界検知プログラムにより動作させることが可能である。
10…臨界検知装置、11…第1中性子検出器、12…第2中性子検出器、13…第3中性子検出器、14…第4中性子検出器、20…信号処理部、21…第1演算部、22…第2演算部、23…計数率導出部、24…判定部、25…発信部、51…第1半直線、52…第2半直線、53…核燃料の溶融凝固物(核燃料デブリ)、54…交点、55…機械工具、A(A1,A2,A3,A4)…検出信号、C(C1,C2,C3,C4)…中性子計数率、P1…第1パラメータ、P2…第2パラメータ、Q…警告信号、r1…第1距離、r2…第2距離。

Claims (7)

  1. 核燃料の溶融凝固物が閉じ込められた領域内に交点を形成する第1半直線及び第2半直線を設定し、前記第1半直線上において前記交点から第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器と、
    前記第1半直線上において前記交点から第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器と、
    前記第2半直線上において前記交点から前記第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器と、
    前記第2半直線上において前記交点から前記第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器と、
    前記第1中性子検出器、前記第2中性子検出器、前記第3中性子検出器及び前記第4中性子検出器の各々から出力された検出信号を受信し処理をした結果、前記核燃料の溶融凝固物において核分裂反応が臨界に近づいている旨の認定がなされた場合、警告信号を発信する信号処理部と、を備えることを特徴とする臨界検知装置。
  2. 請求項1に記載の臨界検知装置において、
    前記信号処理部は、
    受信した前記検出信号に基づいて中性子の計数率を導く計数率導出部と、
    前記第1半直線上の前記第1距離における前記中性子の第1計数率とその前記第2距離における前記中性子の第2計数率との比に基づき第1パラメータを演算する第1演算部と、
    前記第2半直線上の前記第1距離における前記中性子の第3計数率とその前記第2距離における前記中性子の第4計数率との比に基づき第2パラメータを演算する第2演算部と、
    前記第1パラメータ及び前記第2パラメータが一致するか不一致であるかに関する判定を行う判定部と、
    前記一致するとの判定がなされた場合、前記警告信号を発信する発信部と、を有することを特徴とする臨界検知装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の臨界検知装置において、
    前記第1半直線と前記第2半直線との交差角は、60°から120°の範囲に含まれることを特徴とする臨界検知装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の臨界検知装置において、
    前記交点において交差し前記第1半直線及び前記第2半直線とは異なる第3半直線上において、前記交点から前記第1距離はなれた位置及び前記第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する中性子検出器が設けられていることを特徴とする臨界検知装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の臨界検知装置において、
    前記第1半直線上及び前記第2半直線上には、第3距離はなれた位置を通過する中性子を検出する中性子検出器が設けられていることを特徴とする臨界検知装置。
  6. 核燃料の溶融凝固物が閉じ込められた領域内に交点を形成する第1半直線及び第2半直線を設定し、前記第1半直線上において前記交点から第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器と、
    前記第1半直線上において前記交点から第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器と、
    前記第2半直線上において前記交点から前記第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器と、
    前記第2半直線上において前記交点から前記第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器と、が設けられている状況において、
    前記第1中性子検出器、前記第2中性子検出器、前記第3中性子検出器及び前記第4中性子検出器の各々から出力された検出信号を受信するステップと、
    受信した各々の前記検出信号を処理するステップと、
    前記処理の結果、前記核燃料の溶融凝固物において核分裂反応が臨界に近づいている旨の認定がなされた場合、警告信号を発信するステップと、を含むことを特徴とする臨界検知方法。
  7. 核燃料の溶融凝固物が閉じ込められた領域内に交点を形成する第1半直線及び第2半直線を設定し、前記第1半直線上において前記交点から第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器と、
    前記第1半直線上において前記交点から第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器と、
    前記第2半直線上において前記交点から前記第1距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器と、
    前記第2半直線上において前記交点から前記第2距離はなれた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器と、が設けられている状況において、
    コンピュータが、
    前記第1中性子検出器、前記第2中性子検出器、前記第3中性子検出器及び前記第4中性子検出器の各々から出力された検出信号を受信するステップ、
    受信した各々の前記検出信号を処理するステップ、
    前記処理の結果、前記核燃料の溶融凝固物において核分裂反応が臨界に近づいている旨の認定がなされた場合、警告信号を発信するステップ、を実行することを特徴とする臨界検知プログラム。
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