JP2017076072A - 反射体、検査システム及び締結部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造物と接続部材との相対位置のずれを良好に検出可能とする反射体を提供する。
【解決手段】構造物3と構造物3に接続される接続部材4との相対位置のずれの検出に用いられる反射体2であって、電磁波と音波との少なくとも一方を含む波が反射する第1反射面と、第1反射面で反射した波が反射する第2反射面と、第1反射面と第2反射面とのうち少なくとも一方の角度を構造物3と接続部材4との相対位置に応じて変化させる角度変化部25とを備え、第1反射面と第2反射面との角度は、構造物3と接続部材4とが所定の相対位置にある状態で、第2反射面で反射した波が第1反射面に対する波の入射方向に向かうように設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】構造物3と構造物3に接続される接続部材4との相対位置のずれの検出に用いられる反射体2であって、電磁波と音波との少なくとも一方を含む波が反射する第1反射面と、第1反射面で反射した波が反射する第2反射面と、第1反射面と第2反射面とのうち少なくとも一方の角度を構造物3と接続部材4との相対位置に応じて変化させる角度変化部25とを備え、第1反射面と第2反射面との角度は、構造物3と接続部材4とが所定の相対位置にある状態で、第2反射面で反射した波が第1反射面に対する波の入射方向に向かうように設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、反射体、検査システム及び締結部材に関する。
橋梁、トンネル、鉄道、鉄塔などの各種構造物において、ボルトおよびナットなどの接続部材は、構造物の部材の固定などに利用される。構造物と接続部材との相対位置のずれ(例、ゆるみ)が発生すると構造物に不都合が生じる可能性があり、ゆるみを検出する技術が提案されている(下記の特許文献1参照)。
上述の技術においては、例えば、構造物と接続部材との相対位置のずれを良好に検出可能であることが望まれる。
本発明の第1の態様に従えば、構造物と構造物に接続される接続部材との相対位置のずれの検出に用いられる反射体であって、電磁波と音波との少なくとも一方を含む波が反射する第1反射面と、第1反射面で反射した波が反射する第2反射面と、第1反射面と第2反射面とのうち少なくとも一方の角度を、構造物と接続部材との相対位置に応じて変化させる角度変化部と、を備え、第1反射面と第2反射面との角度は、構造物と接続部材とが所定の相対位置にある状態で、第2反射面で反射した波が第1反射面に対する波の入射方向に向かうように設定されている、反射体が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の反射体に波を放射する放射部と、反射体からの波を検出する検出部と、を備える検査システムが提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1の態様の反射体を備える締結部材が提供される。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1(A)は、実施形態に係る検出装置1の一例を示す図、図1(B)は、本実施形態に係る反射体2の一例を示す図である。検出装置1は、例えば、橋梁、トンネル、鉄道、鉄塔などの各種の構造物3と接続部材(締結部材)4との相対位置のずれの検出に利用される。接続部材4は、例えば、ボルト5およびナット6を含み、構造物3の部材の固定などに利用される。ボルト5とナット6のうち、一方は構造物3に固定される固定部材であり、他方は固定部材に対して可動な可動部材である。例えば、ボルト5は構造物3に固定され、ナット6はボルト5に対して可動である。
第1実施形態について説明する。
図1(A)は、実施形態に係る検出装置1の一例を示す図、図1(B)は、本実施形態に係る反射体2の一例を示す図である。検出装置1は、例えば、橋梁、トンネル、鉄道、鉄塔などの各種の構造物3と接続部材(締結部材)4との相対位置のずれの検出に利用される。接続部材4は、例えば、ボルト5およびナット6を含み、構造物3の部材の固定などに利用される。ボルト5とナット6のうち、一方は構造物3に固定される固定部材であり、他方は固定部材に対して可動な可動部材である。例えば、ボルト5は構造物3に固定され、ナット6はボルト5に対して可動である。
なお、接続部材4は、構造物3の部材の固定、接続、結合、連結等に用いられる各種の接続部材(締結部材)のいずれでもよい。例えば、接続部材4は、ナット6が構造物3に固定され、ボルト5がナット6に対して可動でもよい。また、接続部材4は、構造物3に設けられる取付部(例、ネジ穴)にねじ込まれるネジでもよいし、構造物3に設けられる穴(取付部)に圧入されるピンでもよく、カシメられて構造物3の部材を固定するリベットなどでもよい。また、接続部材4は、張力を掛けた状態で構造物3の部材に接続されるワイヤなどでもよい。
検出装置1は、放射部7と、検出部8を備える。放射部7は、電磁波と音波(例、超音波)との少なくとも一方を含む波Waを反射体2に照射する。電磁波は、例えば、可視光、赤外光、紫外光、マイクロ波、及びミリ波の少なくとも1つを含む。ここでは、波Waは、赤外光と可視光の少なくとも一方を含む光(電磁波)であるものとして説明する。波Waがミリ波を含む場合、波Waが音波を含む場合については、後に[変形例]で説明する。放射部7は、例えば、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などの固体光源、あるいはランプ光源を含む。
反射体2(図1(B)参照)は、反射面10と、反射面11と、反射面12とを有する。反射面10、反射面11、及び反射面12は、それぞれ、放射部7からの波Waの少なくとも一部又は波長の異なる複数の波が反射する光学特性又は音響特性(例、反射特性)を有する。例えば、反射面10は、電磁波と音波の少なくとも一方を含む波Waが反射する反射特性を有する。反射面11は、反射面10で反射した波Waが入射する位置に配置される。反射面11は、反射面10で反射した波Waの少なくとも一部が反射する反射特性を有する。反射面12は、反射面11で反射した波Waが入射する位置に配置される。反射面12は、反射面11で反射した波の少なくとも一部が反射する反射特性を有する。反射面12は、例えば、反射面10で反射し、かつ反射面11で反射した波Waが反射する。
反射面10と反射面12との角度は、ナット6(可動部材)と構造物3とが所定の相対位置である状態で、反射面12で反射した波Waが反射面10に対する波Waの入射方向に向かうように、設定される。上記の所定の相対位置は、例えば、接続部材4(例、ナット6)が構造物3に対して固定された状態(以下、固定状態という)における接続部材4(例、ナット6)と構造物3との相対位置である。反射面10、反射面11、及び反射面12は、固定状態においてコーナーリフレクタ(コーナーキューブ)となる。反射面10、反射面11、及び反射面12は、固定状態において放射部7からの波Waがその入射方向に折り返すように、位置決めされる。例えば、反射面10、反射面11、及び反射面12は、固定状態において、互いに垂直となるように位置決めされる。例えば、反射体2の反射面は、互いに非平行な複数の反射面(例、反射面(第1の反射面)10、反射面(第2の反射面)11、及び反射面(第3の反射面)12)を含み、それら複数の反射面によってコーナーリフレクタを構成している。また、例えば、反射体2は、複数の反射面によって構成されたコーナーリフレクタを備える。
例えば、反射体2は、ナット6(可動部材)と構造物3との相対位置が所定の相対位置からずれた状態で、放射部7からの波Waの少なくとも一部がその入射方向から外れるように、波Waが反射する。ナット6と構造物3とが所定の相対位置からずれた状態は、例えば、ナット6が緩んだ状態(以下、緩み状態という)である。反射面10、反射面11、及び反射面12は、固定状態からナット6が緩むにつれて、コーナーリフレクタの関係を満たさなくなる。
検出部8は、反射体2からの波Waを検出する。例えば、波Waが光(可視光、赤外光)である場合、検出部8は、この光に感度を有する撮像素子を含む。検出部8は、例えば、放射部7とユニット化される。放射部7および検出部8を含むユニットは、例えば、検査者が携帯可能なものでもよいし、検査者が携帯不能なもの(例、固定カメラ)でもよく、構造物3に取り付けられるものでもよい。
緩み状態において、反射体2からの波Waの少なくとも一部は、反射体2と検出部8とを結ぶ経路から外れた方向に進行する。検出部8により検出される波Waの強度(例、エネルギーの量、光強度、光量)は、緩み状態と固定状態とで変化する。例えば、検出部8により検出される波Waの強度は、固定状態から緩み状態に変化するにつれて、減少する。検出装置1は、例えば、検出部8により検出される波Waの強さに基づいて、緩み状態と固定状態とを識別可能である。
なお、検出装置1は、表示部を備えてもよい。例えば、検出装置1は、検出部8の検出結果と、この検出結果を処理(例、解析)して得られる情報(例、緩み情報)と、検査の条件(例、検査対象の位置)を示す検査情報との少なくとも一部を表示部に表示させてもよい。この表示部は、液晶ディスプレイでもよいし、タッチパネル型の液晶ディスプレイでもよく、ヘッドマウントディスプレイなどでもよい。例えば、検出装置1は、各種の情報を、検査者の視点から見える背景と重ねて表示させてもよい。
なお、接続部材4と構造物3との所定の相対位置は、上述の説明において固定状態に対応するが、緩み状態に対応してもよい。この場合、固定状態から緩み状態に変化するにつれて、検出部8により検出される波Waの強度が増すので、固定状態と緩み状態とを区別することができる。また、検出装置1は、固定状態と緩み状態との少なくとも一方を判定しなくてもよい。例えば、検出装置1は、検出部8の検出結果を検出装置1の外部の装置(以下、外部装置という)に供給し、この外部装置に設けられる処理部(後に図9に示す)は、検出部8の検出結果に基づいて、固定状態と緩み状態との少なくとも一方を判定してもよい。また、検出装置1と放射部7とは一体的に構成されていなくても良い。例えば、検査者は、放射部7(例、携帯可能なライト、音源)を反射体2に向けて波Waを放射し、反射体2からの波Waを感知した結果を用いて、緩み状態と固定状態とを判定してもよい。
次に、本実施形態に係る反射体2について説明する。図2(A)は、接続部材4(ボルト5の軸部17)と平行な方向(以下、軸方向という)から見た平面図である。図2(A)は、固定状態における図2(A)のA1−A2線に沿った断面図である。反射体2は、構造物3と、構造物3に接続される接続部材4との相対位置のずれの検出に用いられる。接続部材4は、例えば、構造物3の部材15と部材16とを固定する。
図2(A)に示すように、反射面10〜反射面12は、例えば、ボルト5の軸部17の周囲に配置される。反射面10〜反射面12の各反射面(反射部)は、例えば、軸部17の周方向において互いに120°ずれた位置関係で配置される。反射面10〜反射面12は、空隙を挟んで互いに離間している。反射面10〜反射面12は、互いに独立して動くことができる。ここでは、反射体2の外形が三角形状であり、その重心位置を通る位置にボルト5が配置される。反射面10は、例えば、反射体2の外形に相当する三角形の重心と頂点とを結ぶ線により、この三角形を3分割した領域の1つに配置される。反射面10は、例えば、等脚台形の角を丸めた形状である。この等脚台形の底辺は、反射体2の外周(三角形)の一辺である。反射面12および反射面11は、反射面10と同様の形状(台形状)であり、反射面10〜反射面12に囲まれる領域は、概ね三角形状の開口になっている。ナット6は、例えば、この開口を通して反射体2の内側に配置され、ボルト5とねじ合わされる。
図2(B)に示すように、ボルト5は、例えば、構造物3の穴(取付部)18に挿通される。穴18は、例えば、部材15と部材16とを貫通する貫通孔である。ボルト5の頭部19およびナット6は、部材15と部材16を挟みこむように配置される。頭部19とナット6は、座金21(例、平座金)および弾性体22(例、スプリングワッシャ)を介して、部材15および部材16を締め付けて固定する。接続部材4(例、ボルト5、ナット6)、座金21、弾性体22などの部材は、例えば、市販品でもよいし特注品でもよい。接続部材4は、高力ボルト(例、トルシア形高力ボルト)などでもよい。図2(A)に示した反射面10、反射面12、及び反射面11の配置および寸法は、例えば接続部材4の形状および寸法に応じて設定可能である。例えば、トルシア形高力ボルトを用いる場合、反射面10、反射面12、及び反射面11に囲まれる開口は、高圧ボルトの締め付けに使われる専用工具が通るように寸法が設定されてもよい。
反射体2は、角度変化部25を備える。角度変化部25は、反射面10と反射面11と反射面12との角度を、構造物3と接続部材4との相対位置に応じて変化させる。例えば、角度変化部25は、緩み状態(後に図4(A)に示す)における反射面10と反射面12との角度を、固定状態(図2(B)参照)における反射面10と反射面12との角度と異なる値に変化させる。
角度変化部25は、例えば、接続部26と、接続部27と、弾性体22と、壁部28(内壁29および外壁30)とを備える。接続部26および接続部27は、それぞれ、構造物3(例、部材16)と接続部材4(例、ナット6)との間に配置される。接続部26は、構造物3に対して位置決めされ、反射面10に接続される。例えば、ボルト5は構造物3に対して位置決めされ、接続部26は、ボルト5に対して位置決めされる。接続部27は、接続部材4に対して位置決めされ、反射面10に接続される。
弾性体22は、接続部26と接続部27とに互いに離れる方向の力(例、弾性反発力)を付与する。弾性体22は、例えばスプリングワッシャであり、接続部26と接続部27とに挟まれている。接続部26は、弾性体22と構造物3とに挟まれている。接続部26の上面は弾性体22の下面と接し、接続部26の下面は座金21の上面と接する。座金21の下面は、構造物3(部材16)の上面に接する。接続部26は、弾性体22の弾性反発力によって、座金21を介して構造物3に押し付けられ、構造物3に対して位置決めされる。接続部26は、構造物3と相対移動しないように固定される。
接続部27は、弾性体22とナット6とに挟まれている。接続部27の上面はナット6の下面に接し、接続部27の下面は弾性体22の上面に接する。接続部27は、弾性体22の弾性反発力によって、ナット6に押し付けられ、ナット6に対して位置決めされる。接続部26と接続部27との軸方向の間隔D1は、例えば、固定状態において、軸方向の弾性体22の寸法(例、厚み)で決定される。接続部27は、軸方向においてナット6の動きに追従する。なお、弾性体22は、スプリングワッシャ以外の部材でもよいし、反射体2の一部の弾性反発力を利用するものでもよい。
壁部28は、ボルト5の軸部17の周囲に配置される。壁部28は、例えば、反射体2においてナット6が収容される空間に面する内壁29と、軸部17に対して内壁29の外側に配置される外壁30とを含む。接続部26は、外壁30を介して反射面10と接続される。例えば、外壁30は、接続部26から軸方向に延びて、軸方向の交差方向に延びる側部31と連続する。側部31は、折り返されて側部32と連続する。側部32は、側部31の上方に、側部と重なるように配置される。側部32の上面は、反射面10を含む。
接続部27は、内壁29を介して、反射面10と接続される。例えば、内壁29は、接続部27から軸方向に延びて、側部32(反射面10)と連続する。内壁29は、接続部26の移動に伴って、軸方向に移動する。内壁29は、外壁30と独立して移動可能である。内壁29は、例えば、その少なくとも一部が外壁30との間に空隙(ギャップ、隙間、空隙)を介して外壁30から離れている。外壁30は、例えば、変形しやすいように曲げられている。外壁30と内壁29とのギャップは、例えば1mm程度である。なお、内壁29は、その少なくとも一部が外壁30に接してもよく、外壁30に対して滑り移動してもよい。
反射面10は、例えば、ボルト5の軸部17に対して、壁部28から外側に延びている。反射面12、及び反射面11(図2参照)は、それぞれ、反射面10と同様に、構造物3およびナット6と接続される。反射面12、及び反射面11のそれぞれと、構造物3およびナット6との接続構造(例、接続部26、接続部27、壁部28、弾性体22)については、適宜、反射面10に関する説明と同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。反射面12、及び反射面11は、それぞれ、ボルト5の軸部17に対して、壁部28から外側に延びている。
図3(A)は、ナット6が締め付けられていない状態の反射体2を示す図である。ナット6の締め付けがない状態において、弾性体22は自由状態にある。接続部27は、例えば、反射体本体2A(反射体2から弾性体22を除いた部分)自身の弾性力により、弾性体22から浮き上がっている。側部31および側部32は、固定状態(図2(B)参照)と比較して、互いに開く方向、例えば軸方向に対する垂直方向に近づいている。側部32は、外側から内側に向かうにつれて、側部31から浮き上がっている。この状態で、反射体2を構造物3に取り付け、ナット6を締めていくと弾性体22が圧縮されて変形し、側部31と側部32とが当接する。そして、さらにナット6が締め付けられると、外壁30がわずかに変形しつつ接続部27が弾性体22を変形させて図2(B)に示す固定状態となる。
図3(B)は、反射体本体2Aを平面に展開した図である。上記の反射体本体2Aは、例えば、1枚の板材を形状加工し、折り曲げることで製造される。図3(B)において、点線は折り曲げ線を示す。形状加工は、例えば、型抜き、パンチプレス、レーザ加工のうち少なくとも1つを含んでもよい。板材は、例えば、厚みが1mm程度のステンレス製である。この板材は、任意に選択されるが、例えば、耐候性、耐腐食性、耐錆性などに優れる材質の板材、あるいはこれらの特性が表面処理によりに付与された板材などから選択される。
反射体本体2Aは、接続部26に相当する部分に、ボルト5の軸部17が通る貫通孔35を有する。反射面10、反射面12、及び反射面11のそれぞれの接続構造において、接続部26は共通である。反射面10、反射面12、及び反射面11のそれぞれに相当する部分は、接続部26から放射状に延びている。接続部26を基端として反射面10よりも先端側の部分は、反射面10に対応する接続部27を含む。接続部27には、ボルト5の軸部17が通る貫通孔36が設けられる。接続部27は、反射面10〜反射面12の反射面ごとに、独立している。図3(A)に示したように、反射体本体2Aが折り曲げ加工された状態で、3つの接続部27は重ねられ、それぞれの貫通孔36が互いに連通する。なお、反射体本体2Aは、図3(B)において、1つの部品(部材)であるが、複数の部品(部材)を含んでもよい。
図4(A)は、緩み状態における図2(A)のA1−A2線に沿った断面図である。緩み状態において、ナット6は、固定状態(図2(B)参照)と比較して、軸方向に変位している。ナット6は、例えば、固定状態と比較して、構造物3から離れている。接続部26は構造物3に固定され、接続部27はナット6と追従することから、緩み状態における接続部26と接続部27との間隔D2は、固定状態における接続部26と接続部27との間隔D1よりも広くなる。例えば、規格がM20のナットの場合、ネジ溝のピッチが2.5mmであり、固定状態から1/10回転(36°)緩んだ状態で、間隔D2は、間隔D1よりも0.25mm大きくなる。
図4(B)は、壁部28(内壁29、外壁30)と側部(側部31、側部32)とが連続する部分40を拡大した図である。図4(B)において、符号Tは、内壁29と外壁30との中心間距離である。符号Eは、内壁29と側部32との曲がり部分の中心位置であり、側部31と側部32とが回転運動を行う際の作用点となる。また、符号Fは、外壁30と側部31との曲がり部分の中心位置であり、側部31と側部32とが回転運動を行う際の支点となる。符号Hは、軸方向における作用点Eと支点Fとの距離である。
図4(C)は、反射面10における反射特性を示す図である。図4(C)において、符号W1は入射前の波Wa(例、入射光)であり、符号W2は反射後の波Wa(例、反射光)である。符号PWは、任意の角度における反射光の光量を示すダイアグラムであり、例えば、方向Daに対応する反射光の光量は、ベクトルVaの大きさで表される。反射面10の法線VLに対して、角度θ1で入射した入射光、角度θ2で反射する反射光との関係において、角度θ1と角度θ2が等しい場合に反射光の光量P1が最大になる。光量P1は、例えば、鏡面反射(正反射)の成分に相当する。ここで、角度θ2から時計回りを正として角度Δθだけずれた方向の反射光の光量P2、角度θ2から時計回りを正として角度−Δθだけずれた方向の反射光の光量P3は、光量P1と区別可能なレベルで光量P1よりも小さい。例えば、△θが30°を超える場合に、光量P2および光量P3は、光量P1の1/4〜1/10以下となる。
ここで、図4(B)に示した内壁29の厚み、及び外壁30の厚みが、それぞれ、約1mmであるとする。内壁29と外壁30とがほぼ接するこの場合、中心間距離Tは約1mmである。また、規格がM20のナットが1/10回転緩んだ場合、側部31と側部32は当接していることから、図4(B)において作用点Eは支点Fを中心に右方向に回転動作を行うように移動する。そして、支点Fと作用点Eの距離Hは、間隔D1と間隔D2との差(例、約0.25mm)の分が変化する。結果として、側部31と側部32ならびに反射面10は、θ=tan−1(0.25/1)で表す角度θ、すなわち14°ほど軸より広がる方向に変化する。反射面10で反射前後の波Waの進行方向は、反射面10の角度変化の約2倍変化するので、上記の条件では、反射波の進行方向が、正反射の方向から約28°ずれる。また、反射面12は、反射面10と同様に角度が約14°変化するので、反射面10および反射面12で反射した反射波は、その進行方向が正反射の方向から約56°ずれる。
このように反射体2の角度変化部25は、構造物3に固定される外壁30と、その極めて近傍にナット6とともに可動する内壁29を設け、このことで側部31と側部32の回転動作を行う場合の支点(点F)と作用点(点E)との距離を1mm程度に小さくすることで、作用点となる点Fがナットの緩みのように僅か0.25mmほど変化しても、側部31と側部32が14°と大きく回転するように、変位を拡大する変位拡大機能を実現している。また、波Waが反射面10および反射面12で反射する場合、反射する波Waの方向が入射方向と大きく異なり、入射方向から見た波Waの反射量が著しく減少することで緩みを精度よく検出することができる。また、反射体2がコーナーリフレクタを構成する場合、反射体2が波Waを入射方向に折り返すので、例えば、反射体2に対する検出部8の位置関係の制約が減り、緩みを検出する手間を減らすことができる。なお、本実施形態では、角度変化部25は全ての反射面に対応して設けられているが、角度変化部25は1つの反射面10にだけ設けても良い。また、例えば、他の反射面11、12は、反射体2には設けず、構造物3に固設された固定物で構成しても良い。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図5(A)は、本実施形態に係る反射体2の一例を示す図であり、図5(B)は、反射体2を軸方向から見た平面図である。
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図5(A)は、本実施形態に係る反射体2の一例を示す図であり、図5(B)は、反射体2を軸方向から見た平面図である。
図5(B)に示すように、反射面10〜反射面12は、それぞれ、壁部28から内側に延びている。反射面10〜反射面12は、例えば、ボルト5およびナット6を覆うように設けられる。反射面10〜反射面12は、ナット6と構造物3とが所定の相対位置(例、固定状態)にある場合に、波Wa(図5(A)参照)を折り返す。反射面10〜反射面12は、例えば固定状態において、互いにほぼ垂直な関係となるように位置決めされる。
本実施形態において、反射体2は、その内側にナット6が収容された状態で、ナット6を締め付ける工具(例、ソケットレンチ)により回すことが可能である。反射体2は、反射体2を介してナット6を締め付けることが可能なように、構成される。壁部28の内壁29は、その少なくとも一部がナット6と外接可能である。例えば、ナット6の外形は、六角形の角を丸めた形状であり、内壁29の形状は、六角形状である。内壁29の内径は、ナット6の外径に応じて定められる。壁部28の外周の形状は、例えば、ナット6の外周の相似形状の少なくとも一部を含む。例えば、外壁30の外形は、6角形状である。なお、反射体2は、ナット6を備えていてもよい。例えば、反射体本体2Aの内側に予めナット6および弾性体22を収容しておき、反射体2をボルト5に位置合わせしてソケットレンチなどで締めることにより、ナット6とボルト5とをねじ合わせることができる。
図6は、図5(A)のB1−B2線に沿った断面図である。図6(A)は固定状態に対応し、図6(B)は緩み状態に対応する。本実施形態において、外壁30は、接続部26から軸方向に延びて、側部31と連続する。側部31は、外壁30から内側に延びており、外壁30から内側に向かうにつれてボルト5に近づくように、下方へ傾いている。側部31は、折れ曲がり側部32と連続している。側部32は、側部31の下方に、側部31と重なるように配置される。本実施形態において、側部31の上面は、反射面10を含む。側部32は、外側に向かって延びて、内壁29と連続する。内壁29は、軸方向に延びて接続部27と連続する。
本実施形態において、反射体2は、例えば、係合部45を備える。係合部45は、例えば、ナット6の穴(穴部)46に係合されて、反射面10の向きを規定する。係合部45は、例えば、ボルト5とねじ合わされる前のナット6の穴46に係合される。係合部45は、例えば、側部32の途中に設けられる。係合部45は、例えば、内側に向かって変形した(縮められた)状態で穴46に挿入され、反射体本体2Aの弾性反発力(外側に向かう力)により、穴46の内壁に押し付けられる。例えば、係合部45は、反射体2をソケットレンチなどの工具に装着する際に、反射体2がソケットレンチの穴よりも外側に広がらないように、反射面10の位置を規制する。係合部45は、ナット6とボルト5とがねじ合わされるにつれて、ナット6が下方に移動し、あるいはボルト5によってナット6の穴46から押し出され、穴46との係合が解除される。このような反射体2は、反射面10〜反射面12が壁部28の内側に延びているので、例えば、小型にすることができる。また、反射体2の取付とナット6の締め付けとを並行して行うことができるので、取り付けの手間を減らすことができる。また、係合部45を設ける場合、例えば、ソケットレンチなどに装着する際の反射体2の広がりが抑制され、作業性の低下が抑制される。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図7は、本実施形態に係る反射体2Aの一例を示す図である。図7(A)は、構造物3に取り付けられた状態の反射体2Aを示す図であり、図7(B)は反射体2Aの斜視図であり、図7(B)は反射体の平面図である。
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図7は、本実施形態に係る反射体2Aの一例を示す図である。図7(A)は、構造物3に取り付けられた状態の反射体2Aを示す図であり、図7(B)は反射体2Aの斜視図であり、図7(B)は反射体の平面図である。
図7(A)に示すように、本実施形態に係る反射体2Aは、互いに非平行(例、垂直)な2つの面を有する部材46(構造物3)に設けられる、部材46は、例えば、H形鋼、I形鋼、T形鋼、山形鋼、溝形鋼、Z形鋼などである。部材46は、例えば、互いに垂直な面46aおよび面46bを有する。反射体2Aは、例えば、面46aに設けられる接続部材4(ボルト5およびナット6)、及び面46bに設けられる接続部材4(ボルト5およびナット6)のそれぞれに設けられる。
図7(B)および図7(C)に示すように、反射体2Aは、反射面10A、反射面11A、及び反射面12Aを有する。反射面11Aは、軸方向AXと略平行である。反射面11Aは、例えば、部材46の表面と平行に配置される。反射面10Aおよび反射面12Aは、固定状態において、互いに垂直に配置され、それぞれ反射面11Aに垂直に配置される。反射面10Aおよび反射面12Aは、コーナーリフレクタを構成する。角度変化部25Aの構成は、例えば、第1実施形態と同様でよい。
ところで、図2ないし図5に示した実施形態に係る反射体2は、例えば、反射面10から反射面12のそれぞれが、ボルト5及びナット6の軸方向と約45°の角度で配置される。この場合、反射体2は、軸方向に対して約−45°以上約45°以下の角度をなす方向からの波Waを折り返す。そして、互いに垂直な面に図2ないし図5に示した反射体2が設けられた場合、両方の反射体2に対して同時に波Waを放射し、反射された波Waを効率よく検出するには、極めて限定された位置から測定をしなければならなくなる。図7(B)に示す反射体2Aは、ボルト5の軸方向に対して約0°以上約90°以下の角度をなす方向からの波Waを折り返すことから、互いにほぼ垂直な2つの面のそれぞれに設けられるナット6の緩みを一括して効率よく検出することができる。
[変形例]
次に、変形例について説明する。本変形例において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図8は、変形例に係る反射体2を示す図である。
次に、変形例について説明する。本変形例において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図8は、変形例に係る反射体2を示す図である。
図8(A)は、第1変形例の検出装置1および反射体2を示す図である。反射体2は、前述したように、角度変化部25を有し、そのナット6の緩みを大きく拡大して反射板10の角度変化に変換することから、検出装置1の位置を固定できる場合には、波Waを反射するには反射面10のみでも十分に機能することが可能である。そして、本変形例では、波Waとしてミリ波が用いられる。例えば、ミリ波において80GHzの電磁波の波長は3.7ミリであり、強い直進性を有することから、雨や霧等の環境の影響を受けにくい。また、ミリ波は、可視光や赤外光に比べて、反射面の汚れの影響を受けにくい。本実施形態において、検出装置1は、波Waを反射体2に放射し、反射体2で反射した波Waを検出する。検出装置1は、例えば、フェーズドアレイの発信機(照射部)を備え、構造物3を二次元的にスキャンしながら、反射体2で反射した波Waを検出する。検出装置1は、例えば、反射体2での反射回数が1回の波Waを検出する。反射体2は、例えば、第1実施形態の反射面10〜反射面12のうち反射面10のみが設けられたものであるが、第1実施形態〜第3実施形態で説明した反射体2のいずれでもよい。角度変化部25は、第1実施形態と同様の構成であり、反射面10の向きを、構造物3と接続部材4(ナット6)との相対位置に応じて変化させる。また例えば、他の反射面11、12は、反射体2には設けず、構造物3に固設された固定物で構成しても良い。
図8(B)は、第2変形例の検出装置1を示す図である。本変形例では、波Waとして音波(例、超音波)が用いられる。本変形例において、構造物3は、例えば橋脚部などを含み、その一部が水中に配置される。400KHzの超音波を用いる場合、水中での音波の速度が約1500mであり、音波の1波長は3.7mmとなる。反射体2は、例えば、第1実施形態〜第3実施形態、あるいは第1変形例で説明した反射体2のいずれでもよい。検出装置1は、例えばボートなどの船舶47に搭載される。検出装置1は、例えば、フェーズドアレイの発信機を備え、構造物3をスキャンしながら、反射体2で反射した波Waを検出する。検出装置1は、例えば、船舶47の進行方向DFに交差する1方向において、構造物3をフェーズドアレイの発信機により1次元的にスキャンする。また、船舶47を進行方向DFに移動させながら、検出装置1が構造物3をスキャンすることにより、構造物3を2次元的にスキャンすることができる。なお、検出装置1は、構造物を2次元的にスキャンするものでもよい。また、検出装置1は、反射体2の上面に水中のゴミの堆積を防ぎ、かつ超音波を透過するような例えば波長3.7mmより薄い樹脂製のカバーなどを設けても良い。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、本実施形態に係る検査システムSYSの一例を示すブロック図である。検査システムSYSは、例えば、反射体2、識別部材(第2の反射体)51、検出装置1、及び情報処理装置52を備える。反射体2は、例えば、上述の実施形態あるいは変形例で説明した反射体2のいずれでもよい。検出装置1は、例えば、インターネット回線などの通信回線53により、情報処理装置52と通信可能に接続される。情報処理装置52は、例えばサーバである。例えば、情報処理装置52にはハードディスクなどの記憶装置(図示せず)が設けられ、この記憶装置には、例えば、データベース54が格納される。データベース54は、例えば、検査の条件、反射体2の位置情報などの各種情報を、反射体2の識別情報と関連付けて格納する。
第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、本実施形態に係る検査システムSYSの一例を示すブロック図である。検査システムSYSは、例えば、反射体2、識別部材(第2の反射体)51、検出装置1、及び情報処理装置52を備える。反射体2は、例えば、上述の実施形態あるいは変形例で説明した反射体2のいずれでもよい。検出装置1は、例えば、インターネット回線などの通信回線53により、情報処理装置52と通信可能に接続される。情報処理装置52は、例えばサーバである。例えば、情報処理装置52にはハードディスクなどの記憶装置(図示せず)が設けられ、この記憶装置には、例えば、データベース54が格納される。データベース54は、例えば、検査の条件、反射体2の位置情報などの各種情報を、反射体2の識別情報と関連付けて格納する。
図10は、検査システムSYSの処理の説明に用いる図である。図10(A)は、構造物3、反射体2、及び識別部材51を示す概念図である。構造物3には複数の接続部材4が設けられ、反射体2は、接続部材4ごとに設けられる。識別部材51は、反射体2の識別情報(ID)に応じたパターンで配置され、放射部7からの波Waが反射する特性を有する。識別部材51は、例えば、放射部7からの波Waを折り返す例えば複数のコーナリフレクタであり、構造物3固有の反射体2の識別情報に応じたパターンで配置される。識別部材51は、例えば、検出部8の検出範囲(例、視野)内に、複数の反射体2とともに収まるように、構造物3において反射体2の近傍又は周囲に配置される。
検出装置1(図9参照)は、例えば、放射部7、検出部8、処理部55、位置取得部56、及び通信部57を備える。放射部7および検出部8は、例えば、上記の実施形態あるいは変形例と同様でよい。放射部7は、複数の反射体2および識別部材51(図10(A)参照)に波Waを放射する。検出部8は、放射部7から放射されて複数の反射体2で反射した波Wb、及び放射部7から放射されて識別部材51で反射した波Wcを検出する。
図10(B)および図10(C)は、複数の反射体2からの波Waおよび識別部材51からの波Wbを検出した検出結果(例、撮像画像Im1、撮像画像Im2)を示す概念図である。図10(B)および図10(C)には、反射体2および識別部材51を点線で示した。図10(B)および図10(C)において、符号Saは、検出部8により検出された波Wb(例、光)の強度に対応するスポットであり、符号Sbは、検出部8により検出された波Wc(例、光)の強度に対応するスポットである。
図10(B)は、複数の反射体2のいずれにおいてもナット6が固定状態である。この場合、複数の反射体2のそれぞれからの波Wbは、閾値以上の強度を有し、撮像画像Im1上で複数の反射体2のそれぞれの位置には、波Wbに応じたスポットSaが写る(明るい部分ができる)。図10(C)は、複数の反射体2のうち1つの反射体(符号Axで表す)においてナット6が緩み状態である。緩み状態のナット6に取り付けられた反射体2xからの波Wbの強度は、固定状態のナット6に取り付けられた反射体2からの波Wbの強度よりも弱い。撮像画像Im2上で反射体2xの位置には、スポットSaが写らないか、若しくは他の反射体2の位置のスポットSaよりも暗いスポットが写る。
検出装置1(図9参照)の処理部55は、例えば、検出装置1の内部の回路を介して、検出部8と通信可能に接続される。処理部55は、検出部8の検出結果を取得する。処理部55は、検出部8の検出結果を処理する。例えば、処理部55は、検出部8の検出結果(例、撮像画像Im1、撮像画像Im2)から、識別情報を検出する。例えば、撮像画像Im1上で、識別部材51のコーナーリフレクタが配置された部分は、反射した波Wcにより明るく写り二次元コード(例、QRコード;登録商標)の「1」を表すビットに相当する。撮像画像Im1上で、識別部材51のコーナーリフレクタが配置されていない位置は、暗く写り二次元コードの「0」を表すビットに相当する。なお、識別部材51において、コーナリフレクタが配置されない部分は、黒体化、着色、表面あらしなどにより、コーナーリフレクタの部分よりも反射率が低くなっていてもよい。処理部55は、例えば、撮像画像Im1から取得された識別情報を、通信回線53を介して、情報処理装置52の通信部58に送信する。情報処理装置52の処理部59は、検出装置1からの識別情報をデータベース54に照合し、この識別情報に関連付けられた情報(例、反射体2の位置)を、通信部58から通信回線53を介して検出装置1の通信部57に送信する。位置取得部56は、例えばGPSセンサ、加速度センサ、仰角センサ、方位センサの少なくとも1つを含む。位置取得部56は、検出部8が検出動作を行う際に、検出装置1の位置情報を取得する。
次に、上述の検査システムSYSの動作に基づき、本実施形態に係る検査方法について説明する。図11は、検査システムSYSの動作(検査方法)の一例を示すフローチャートである。ステップS1において、放射部7は、例えば検査者の指令(操作)により、反射体2および識別部材51に波Waを放射する。ステップS2において、検出部8は、例えば検査者の指令(操作)により、反射体2で反射した波Wb、および識別部材51で反射した波Wcを検出する。また、位置取得部56は、検出部8が検出動作を行った際の検出装置1の位置情報を取得する。例えば、位置取得部56が取得した位置情報は、例えば、検査がどの地点から、どの方向に対して行われたのかを示す情報として利用可能である。例えば、水中を音波によって検査する場合には、検出装置1を搭載したボートが移動しながら検査することになり、検査中に逐次位置情報が取得される。
ステップS3において、処理部55は、検出部8による識別部材51の検出結果から識別情報を検出する。例えば、処理部55は、撮像画像Im1に対して二値化処理、パターン認識処理を行い、識別部材51で反射した波Wcに対応するスポットSbを検出する。処理部55は、例えば、スポットSbの配列パターンをもとに、識別情報に相当する二次元コードを取得する。ステップS4において、処理部55は、識別情報をもとにサーバ(例、情報処理装置52のデータベース54)から、反射体2の配置データを取得する。配置データは、例えば、識別部材51と対応付けられた複数の反射体2の数、反射体2の配列、反射体2の設置位置を含む。
ステップS5において、処理部55は、検出部8の検出範囲が十分か否かを判定する。例えば、処理部55は、検出部8の検出範囲から、検査対象の複数の反射体2と識別部材51との一部が外れていると判定した場合に、検出部8の検出範囲が不十分であると判定する(ステップS5;No)。処理部55は、検出範囲が不十分であると判定した場合(ステップS5;No)、例えば、その旨を検査者に報知(例、警告を出す)とともに、ステップS1に戻り、ステップS1〜ステップS4の処理を繰り返し行う。
ステップS6において、処理部55は、検出部8による反射体2の検出結果から緩みの情報を取得する。例えば、処理部55は、撮像画像Im1から、反射体2で反射した波Wbに対応するスポットSaを検出する。例えば、処理部55は、撮像画像Im1上のスポットSaを検出する際に、反射体2からの光の光量を、他の反射体2からの光の光量と比較してもよい。また、例えば、処理部55は、撮像画像Im1上のスポットSaを検出する際に、反射体2からの光の光量を、識別部材51からの光の光量(例、スポットSb)と比較してもよい。識別部材51は、例えば、ナット6の緩みと関係なく光が反射するので、これを基準にすることで緩みを精度よく検出することができる。また、処理部55は、撮像画像Im1上のスポットSaを検出する際に、反射体2からの光の光量を、前回の検査におけるこの反射体2からの光の光量と比較してもよい。前回の検査におけるこの反射体2からの光の光量は、例えば、情報処理装置52のデータベース54に格納されており、データベース54から取得可能である。処理部55は、緩みがあると判定した場合、例えば、その旨を検査者に報知してもよい。例えば、検査者は、この報知を受けて、可能な範囲で、検査を再度行ってもよいし、目視などで、反射体2に不具合がないか、汚れや大きなゴミが付いていないか等を確認してもよく、ナット6の締めましなどの応急処置などを行ってもよい。
ステップS7において、処理部55は、ステップS6で取得した情報を、通信部57から通信回線53を介して情報処理装置52の通信部58に送信する。情報処理装置52の処理部59は、処理部55からの情報を、サーバ(例、情報処理装置52のデータベース54)に記録させる。例えば、処理部59は、検査対象となる構造物3に関して、今回の検査結果を追加、あるいは前回の検査結果を今回の検査結果で更新する。ステップS8において、処理部55は、未調査(未検査)の箇所があるか否かを判定する。例えば、処理部55は、予め設定された検査対象の位置のうち、ステップS6の処理を行った位置を検査済とし、検査済みになっていない検査対象の位置が存在する場合に、未調査の箇所があると判定する。なお、処理部55は、検査を終了するか否かを検査者に求める画像を表示部に表示させ、検査者から検査を終了しない旨の入力がなされた場合に、未調査の箇所があると判定してもよい。処理部55は、未調査の箇所がないと判定した場合(ステップS8;No)、一連の処理を終了する。処理部55は、未調査の箇所があると判定した場合(ステップS8;Yes)、例えば、ステップS9において、次の調査個所を検査者に報知する。例えば、処理部55は、通信回線53を介してデータベース54から次の調査個所の情報を取得し、この情報を表示部に表示させる。また、処理部55は、ステップS1以降の処理を再度実行させる。以上の一連のシーケンスによって、調査箇所の画像ならびにネジの緩みに関する情報が、検査箇所の位置情報を含めて記録される。
なお、検出装置1は、データベース54から情報を取得しなくてもよい。例えば、検出装置1は、識別情報を用いて反射体2の配置データを取得する代わりに、位置取得部56の取得結果を用いてもよい。この場合、識別部材51が設けられなくてもよいし、識別部材51に関する処理を行わなくてもよい。また、検出装置1は、位置取得部56を備えなくてもよく、例えば、識別情報を用いて取得される反射体2の配置データを用いて、処理を行ってもよい。また、検出装置1は、検査に関する各種情報(例、反射体2の配置データ)を記憶する記憶部を備えてもよい。検出装置1は、情報処理装置52(例、データベース54)との情報の送受信を行わない場合、通信部57を備えなくてもよい。また、検出装置1は、処理部55を備えなくてもよく、処理部55の代わりに情報処理装置52の処理部59が各種の処理を実行してもよい。例えば、検出装置1は、検出部8による検出結果を情報処理装置52に送信し、情報処理装置52の処理部59は、検出部8による検出結果をもとに各種の処理を実行してもよい。情報処理装置52は、処理部59の処理結果を、検出装置1に送信してもよいし、検出装置1に送信しなくてもよい。
なお、本発明はナット6とボルト5の緩み検出以外にも軸方向の緩みの検出を行うことが可能である。たとえばボルト5ではなく、プラスティックなどに圧入したピンや、カシメた軸の緩みを検出しても良い。また、ワイヤーロープなどの緩みを検出することも可能である。この場合には、弾性体22に対抗する力として、ワイヤーロープの張力がボルト5に作用するようにすれば良い。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2・・・反射体、3・・・構造物、4・・・接続部材、7・・・放射部、8・・・検出部、10・・・反射面、11・・・反射面、12・・・反射面、17・・・軸部、22・・・弾性体。25・・・角度変化部、26・・・接続部、27・・・接続部、28・・・壁部、45・・・係合部、51・・・識別部材、55・・・処理部、59・・・処理部、Wa・・・波、SYS・・・検査システム
Claims (18)
- 構造物と前記構造物に接続される接続部材との相対位置のずれの検出に用いられる反射体であって、
電磁波と音波との少なくとも一方を含む波が反射する第1反射面と、
前記第1反射面で反射した前記波が反射する第2反射面と、
前記第1反射面と前記第2反射面とのうち少なくとも一方の角度を、前記構造物と前記接続部材との相対位置に応じて変化させる角度変化部と、を備え、
前記第1反射面と前記第2反射面との角度は、前記構造物と前記接続部材とが所定の相対位置にある状態で、前記第2反射面で反射した前記波が前記第1反射面に対する前記波の入射方向に向かうように設定されている、反射体。 - 前記角度変化部は、前記構造物に対して位置決めされ前記第1反射面に接続される第1接続部と、前記接続部材に対して位置決めされ、前記第1反射面に接続される第2接続部と、を備え、前記第1接続部と前記第2接続部との相対位置に応じて前記第1反射面の向きを変更する、請求項1に記載の反射体。
- 前記第1接続部および前記第2接続部は、それぞれ、前記構造物と前記接続部材との間に配置され、
前記第1接続部と前記第2接続部とに互いに離れる方向の力を付与する弾性体を備える、請求項2に記載の反射体。 - 前記接続部材は、前記構造物の取付部に挿入される軸部を含み、
前記軸部の周囲に配置される壁部を備え、
前記第1反射面および前記第2反射面は、それぞれ、前記壁部から外側に延びている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の反射体。 - 前記接続部材は前、記構造物の取付部に挿入される軸部を含み、
前記軸部の周囲に配置される壁部を備え、
前記第1反射面および前記第2反射面は、それぞれ、前記壁部から内側に延びている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の反射体。 - 前記壁部は、前記接続部材に外接可能であり、
前記壁部の外周の形状は、前記接続部材の外周の相似形状の少なくとも一部を含む、請求項5に記載の反射体。 - 前記軸部と嵌め合わされる穴部に係合されて前記第1反射面の向きを規定する係合部を備える、請求項5または請求項6に記載の反射体。
- 前記第1反射面と前記第2反射面との間の前記波の経路に配置され、前記波が反射する第3反射面を備え、
前記第1反射面、前記第2反射面、及び前記第3反射面は、前記構造物と前記接続部材とが前記所定の相対位置にある状態で、前記軸部に対して対称的に配置される、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の反射体。 - 前記第1反射面と前記第2反射面との間の前記波の経路に配置され、前記波が反射する第3反射面を備え、
前記第3反射面は、前記構造物と前記接続部材とが前記所定の相対位置にある状態で、前記軸部と平行に配置される、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の反射体。 - 前記接続部材はボルトおよびナットを含む、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の反射体。
- 前記電磁波は、可視光と赤外光との少なくとも一方を含む、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の反射体。
- 構造物と前記構造物に接続される接続部材との相対位置のずれの検出に用いられる反射体であって、
ミリ波または音波を含む波が反射する反射面と、
前記反射面の向きを、前記構造物と前記接続部材との相対位置に応じて変化させる角度変化部と、を備える反射体。 - 前記反射面は、互いに非平行な複数の反射面を含み、
前記複数の反射面によってコーナーリフレクタを構成する、
請求項12に記載の反射体。 - 前記反射面は、第1の反射面、第2の反射面及び第3の反射面を含み、
第1の反射面、第2の反射面及び第3の反射面によってコーナーリフレクタを構成する、請求項12に記載の反射体。 - 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の反射体に前記波を放射する放射部と、
前記反射体からの前記波を検出する検出部と、
を備える検査システム。 - 前記反射体の識別情報に応じたパターンで配置され、前記波が反射する第2の反射体を備える、請求項15に記載の検査システム。
- 前記検出部と通信可能に接続され、前記検出部の検出結果を処理する処理部を備える、請求項14または請求項15に記載の検査システム。
- 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の反射体を備える、締結部材。
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