JP2017075594A - 液化ガスによる超臨界圧冷熱発電システム - Google Patents

液化ガスによる超臨界圧冷熱発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】2流体サイクルであるランキンサイクル方式と直接膨張方式を併用するシステムにおいて、既存の水蒸気の超臨界圧発電システムを適用し、LNGを超臨界圧力で気化させることにより、冷熱エクセルギ回収率を向上する冷熱発電システムを提供する。【解決手段】液化天然ガス貯槽(LNG貯槽)からポンプで液化天然ガスを払出し、海水、温水又は大気と熱交換し気化させて天然ガスを製造するプロセスにおいて、液化天然ガスを液状態で超臨界圧まで昇圧して気化させることにより発電効率を上げる。超臨界圧まで過昇圧させて気化する装置(STV)により、高温側が中間媒体を使用するランキンサイクル方式により発電するとともに、低温側が気化した天然ガスによる直接膨張方式による発電する2流体サイクルのシステムを使用することにより発電効率を上げて発電力を増加させる。【選択図】図7

Description

本発明は極低温流体の液化ガスの超臨界圧を利用する超臨界圧冷熱発電システム(LSG)及びLSGの最高効率発電点の特定方法に関するものである。
低温の液化ガスとしては、例えば、液化天然ガス(LNG)が知られている。液化天然ガスは、外国の産地で産出された天然ガス(NG)を、電力を使用して冷却し液化したものである。液化して体積を減少させたLNGは、LNG輸送タンカーで輸入される。LNGは、通常、輸入地においてオープンラック式気化器などで気化され、その際、LNGを海水等と熱交換させることで、LNGの冷熱エネルギは海水中に廃棄される。日本に輸入されるLNG量は、図1のとおり2014年で8920万トンと膨大であるが、大半の冷熱エネルギは回収されずに廃棄されている。
LNG冷熱エネルギを有効利用するために、電力として利用する冷熱発電システムがあり、既存の冷熱発電システムとして、ランキンサイクル方式、直接膨張方式及びそれらの併用方式のものがある。併用方式のものは2流体サイクルを構成している。冷熱エネルギはエクセルギ(有効エネルギ)評価が適切であり、LNGは組成により異なるが、約900kJ/kgの冷熱エクセルギを持っている。
ランキンサイクル方式は、炭化水素やフロン等の作動流体(中間媒体)を凝縮器においてLNGの冷熱によって凝縮させ、凝縮させた作動流体を気化器において気化させる。そして、気化させた作動流体によってタービンを駆動させることにより発電する。直接膨張方式のものは、LNGを気化器において気化させ、気化されたNGによってタービンを駆動させることにより発電する。
一方、併用方式の冷熱発電システムは、例えば下記特許文献に見られるように、ランキンサイクル方式と直接膨張方式とを組み合わせたものである。併用方式のものは、ランキンサイクル方式及び直接膨張方式のそれぞれ単独のものよりも、液化天然ガスの冷熱エクセルギ回収率が高く、発電能力が高い。
特開平9−151707号公報 特開平5−302504号公報 特開昭51−104151号公報
冷熱エネルギをエクセルギで評価すると、併用方式の冷熱発電システムにおいて、LNGの冷熱エクセルギは、高温側サイクルのランキンサイクルを循環する作動流体を凝縮させる温度エクセルギ(1次発電)と、低温側プロセスで上記作動流体との熱交換により気化されたNGにより直接膨張方式のタービンを駆動させる圧力エクセルギ(2次発電)として用いられる。
ここで、LNGの冷熱エクセルギのうち、ガス送出圧力エクセルギとして利用される分が多いと、図12に示すとおり、冷熱利用可能分が減少する。なお、図12の左上の起点のLNG液(T=111K)の微少のフローエクセルギの変化はLNG昇圧による増加分である。大気圧下の気化曲線が0.1MPaであり、T=293K(常温)に気化されたNGの圧力毎にガス送出圧力分エクセルギと冷熱利用分エクセルギの配分がわかる。
このため、ガス供給先が要求するガス送出圧力が高い場合、直接膨張方式のタービンで利用できる圧力エクセルギが低下し、発電量が低下する。そこで、図2及び図3に、冷熱発電システムの実績を示す。図2は、冷熱発電システムの実績一覧表であり、図3は、図2の実績におけるガス送出圧力と冷熱発電の発電原単位との関係を示している。図2及び図3に示すとおり、ガス送出圧力が高いほど、発電原単位が低下する傾向にある。
特に近年では、電気事業におけるガスタービンコンバインドサイクル発電の普及、及びガス事業におけるガス送出量の増加により、ガス送出圧力が高くなっている。このため、LNGの冷熱エクセルギのうち送出ガスの圧力エクセルギに変換される割合が高くなり、冷熱発電システムにおいて電力に変換可能な冷熱エクセルギが減少傾向となっている。その結果、冷熱発電システムによる発電量が減少傾向となり、冷熱発電システムは普及していない。
従来から、併用方式(2流体サイクル)の冷熱発電システムは利用されているが、ガス送出圧力が低い場合においてのみ適用できるとされてきた。また、従来の併用方式の冷熱発電システムでは、圧力エクセルギと温度エクセルギの評価が不十分であるため、冷熱エクセルギ回収率が低く、冷熱エクセルギを高効率に回収して発電できていない。
本発明は、2流体サイクルであるランキンサイクル方式と直接膨張方式を併用するシステムにおいて、既存の水蒸気の超臨界圧発電システムを適用し、LNGを超臨界圧力で気化させることにより、冷熱エクセルギ回収率を上げるものであり、また、最大発電効率点を求める方法を提供する。さらに、LNGを超臨界圧で気化させるため、2次発電の直接膨張タービン出口のNG圧力を調整することにより、必要なガス送出圧力を自在に設定できる。
上記手段を説明する。本発明のLSGは、LNGを気化させると式1のとおり冷熱エクセルギは圧力エクセルギと温度エクセルギに変換され、エクセルギの電力への回収率(エクセルギ回収率)は温度エクセルギよりも圧力エクセルギの方が高いため、LSGは冷熱エクセルギをより多く圧力エクセルギに変換させる方法によりエクセルギ回収率を上げて発電力を増加させることを特徴とする。
冷熱エクセルギ=温度エクセルギ+圧力エクセルギ ・・(式1)
本発明のLSGは、図7のとおり、貯蔵タンクに貯蔵された低温の液化ガスを所定圧力まで液状態のまま昇圧する昇圧ポンプと、前記昇圧ポンプによって昇圧された前記液化ガスと所定の冷熱交換対象とを熱交換させることにより、前記冷熱交換対象を冷却させるとともに前記液化ガスを気化させる気化器を有する1次装置と、前記気化器において気化された前記液化ガスである気化ガスによって駆動される2次タービンを有する2次装置とを備え、2流体サイクルの高温側サイクルとして中間媒体を使用するランキンサイクル方式発電、及び低温側プロセスとして気化NGによる直接膨張式発電を併用する発電プロセスを備える。
図2から、LNG冷熱発電設備の実績は18基あり、その発電方式はランキンサイクル方式が5基、直接膨張方式が8基、それらの併用方式が5基である.図3に示す現在のLNG冷熱発電設備における各冷熱発電方式別のガス送出圧力と冷熱発電出力(発電原単位)の関係をみると、各方式ともガス送出圧力の上昇に伴い冷熱発電原単位が下がっていくことがわかる。その理由は、LNG気化プロセスで、(式1)のとおり冷熱エクセルギは温度エクセルギと圧力エクセルギに変換されるため、圧力エクセルギに変換される割合、つまり、最終的にガス送出圧力エクセルギに変換される割合が大きくなると、冷熱発電システムで電力に変換可能な冷熱エクセルギ量が相対的に減少するためである。
図4はLNGのモル%組成が、C1メタン=92%、C2エタン=4%、C3プロパン=3%、C4nブタン=1%の例で作成したP−hモリエル線図であり、蒸気特性、等温度線、等密度線及び等エントロピ線を付記した。物性計算はアメリカ国立標準技術研究所(NIST)製の冷媒熱物性データベースソフトウェアであるREFPROP Ver9.1を用いた。組成例の物性値計算結果は、Molar mass:17.866kg/kmol、臨界点Critical Point:215.85(K)、6.8362(MPa)、206.87(kg/m3)、最高凝縮温度Cricondentherm:247.35(K)、4.8965(MPa)、54.708(kg/m3)、最高凝縮圧力Cricondenbar:231.4(K)、7.6316(MPa)、141.58(kg/m3)である。
NGの液化プロセスは図4において、臨界圧力付近の圧力下のモリエル線図の気液境界線の上端部付近を通過し、気液境界線の左上部位置で完全に液化される。つまり、NG液化プロセス(破線)が、液化プロセスの効率及び安定性上、非共沸混合物の気液混合相を避けて、NGを臨界圧力付近で所定温度まで冷却・液化し、最後に降圧する方法が採られ、一方、本発明のLSG(実線)は液化プロセスの逆をたどり、液化プロセスで使用された電力を回収する方法である。
本発明のLSGの発電原理を説明する。LSGの発電原理は、図4で液化プロセスの逆工程(実線)をたどり、液化プロセスで使用された電力を回収するため、第1工程でLNGを等エントロピ断熱圧縮により超臨界圧力まで昇圧した後、第2工程でLNGを等圧気化させ温度エクセルギを利用し、第3工程で気化NGの圧力エクセルギを等エントロピ断熱膨張で利用する。冷熱エクセルギは(式1)のとおり温度エクセルギと圧力エクセルギに変換されるが、変換後の温度エクセルギと圧力エクセルギのエクセルギ回収率を比較すると、温度エクセルギ回収率はカルノー効率の制約により圧力エクセルギ回収率よりも低い。したがって、冷熱エクセルギ回収率を上げるには冷熱エクセルギを温度エクセルギよりも圧力エクセルギに多く変換させる方法が有効であり、LSGは図5のように、LNGを液状態でガス送出圧力以上にプレオーバーブーストさせ、冷熱エクセルギを圧力エクセルギへ変換する割合を増やす方法を採る。このとき、プレブースト圧力の設定が問題になる。
LSGの発電原理を図5で説明すると、LNGをプレオーバーブーストさせて、一旦、冷熱エクセルギを過分に圧力エクセルギに変換させ直接膨張方式でタービン発電した後、所要のガス送出圧力まで降圧調整する。一方、温度エクセルギに変換された冷熱エクセルギはランキンサイクル方式で冷熱発電する。最終的に冷熱利用設備で利用可能な冷熱エクセルギが同じ55%(P=2.1MPa)でも、「圧力エクセルギ効率>温度エクセルギ効率」であるため、圧力エクセルギを経由する方が効率的に冷熱エクセルギを回収できる。直接膨張方式とランキンサイクル方式ともに圧力エクセルギによるタービン発電のためである。
LSGの発電原理を2流体サイクルで高温側サイクルにLPG中間媒体のランキンサイクルを用いたP−hモリエル線図及びT−s線図で模式的に図6(a)及び(b)に示す。高温側サイクルの中間媒体LPGは海水からの入熱Qinにより気化されランキンサイクル発電の後、凝縮液化でQoutを放熱し、低温側サイクルのLNGはQout及び海水入熱Qin1により気化され、Qin2の再熱プロセスを含め直接膨張発電の後、最終に海水入熱Qin3で再加熱されてガス送出される。図6(a)でLNG気化圧力を上昇させると、LNG潜熱相当分エネルギ(温度エクセルギの一部)が減少するため、高温側プロセスのランキンサイクルの中間媒体LPGの流量が低下し、ランキンサイクル発電力(W1)が低下する。一方、低温側のNG直接膨張プロセスは、冷熱エクセルギの圧力エクセルギ変換分が増加し直接膨張プロセス発電力(W2)がそれ以上に増加する。ランキンサイクル方式と直接膨張方式を併用した2流体サイクルの場合、合計発電力が最大となる条件はLNG気化圧力で制御でき、圧力が一定の超臨界圧のとき合計発電力(W1+W2)は最大となる。同様に、図6(b)のT−s線図で、超臨界圧でLNG気化する方法により冷熱エクセルギ回収率を最大とする。以上のとおり、既存の水蒸気の超臨界圧発電では少ない気化熱で蒸気的流体を得られるので、熱効率上超臨界圧発電メリットがあり、一方、本発明のLSGは2流体サイクルを利用して、水蒸気の超臨界圧発電を極低温流体のLNGに適用したものであるが、2流体サイクルでは気化吸熱が低温側サイクルで熱利用される違いがある。
図7にLSGのプロセスの例を示す。海水を加熱源として、中間媒体LPGのランキンサイクル方式を1次発電とし、気化NGの直接膨張方式(再熱多段膨張タービン)を2次発電とする.LNGは3段のLNGポンプで超臨界圧まで昇圧され、2次発電の後、圧力調整しORVで気化したNGと合流してガス送出されるケースである。図4と図7で、貯蔵タンクLNGをプロセス開始点M1、LNG気化器入口をプレオーバーブースト点M2、2次タービンの入口をタービン入口点M3、2次タービンの出口をタービン出口点M4、加熱器の出口のNGをプロセス終了点M5とし、各点MXの温度及び圧力をTX、PXと表す。M1から
Figure 2017075594
とする。また、LNG気化器出口点をM2’とし、M2からM2’へのプロセス
Figure 2017075594
LSGの最適運転条件を求める方法を示す。LSGのプロセスI、II、IIIの合計エンタルピ差は2流体サイクルであるから(式2)で示される。
Figure 2017075594
各プロセスのエンタルピ量を電力Wに置き換えると、プロセスIのLNG液昇圧ポンプ効率α、プロセスIIの電力変換効率β、プロセスIIIの膨張タービン効率γとして、(式2)は(式3)となる。
Figure 2017075594
また、1次発電がランキンサイクルの場合、プロセスIIの気化熱の一部が利用さ
Figure 2017075594
る。
Figure 2017075594
各定数は実績値でα=0.65、γ=0.85とし、βは中間媒体LPG(プロパン)のランキンサイクルの運転条件P=0.5→0.1MPa、T=−42→20℃で、プロパンのLPGモリエル線図の凝縮と膨張プロセスのエンタルピ比をREFPROPで求め、ランキンサイクルロス0.90、タービン効率0.85からβ(LPG)=エンタルピ比×0.90×0.85=(609−526)/(526−100)×0.90×0.85=0.150とする。MFR中間媒体は、東京ガスの組成例(モル%)メタン=30%、エタン=50%、プロパン=15%、ブタン=5%において、P2=2.5MPaでT=−157→−30
Figure 2017075594
す。
Figure 2017075594
MPa付近までリニアに以降は緩やかに減少し、P2=42.1MPaでM3の
Figure 2017075594
と近似するため、図4から基準状態をT=250K、各P4(=P5)とし、P2(=P3)とP4の組み合わせでフローエクセルギを求めると図8(d)となる。
図8を基に、β(LPG)=0.165とβ(MFR)=0.202のWtotal’を求め図9各図に示す。図9(a)のランキンサイクル(LPG)+LSG及び(b)のランキンサイクル(MFR)+LSGもともに、発電力Wtotal’はガス送出圧力P5(=P4)とは関係なく、P2=7.5MPaで最大値となる.LPGとMFRともにプロセスIとIIIは同じであるが、温度エクセルギの利用温度域がLPG:−162→−42℃、MFR:−162→−30℃と異なるため、利用する中間媒体によってプロセスII’の影響が出るが、LPGと本MFR組成ではWtotal’が最大値となる条件は同じP2=7.5MPaとなる。LNG液昇圧ポンプ効率αや発電タービン効率γが変われば、Wtotal’が最大値となるP2は動くが、P2=7〜8MPaの超臨界圧となる。したがって、Wtotal’が最大値となる条件は、中間媒体を決めれば、一定のプレブースト圧力(P2)により一義的に定まる。
LSGの発電原単位を説明する。図9を基に、発電原単位Wtotal’とガス送出圧力P5(=P4)の関係を求め図10各図に示すと、図10(a)(b
Figure 2017075594
0MPa以下あたりが実用可能な発電原単位となる。表2の4番のランキンサイクル(LPG)方式と直接膨張方式併用のKitakyusyu例(P2=5.1MPa、P5=1.0MPa、W=226kJ/kg)は、LSG方式を採用しP2=5.1→7.3MPaの変更で、原単位235 kJ/kgと約4%上昇する。T=20℃の場合、図10(a)ランキンサイクル(LPG)+LSGでは(P5、Wtotal’)=(2.1、167)、(0.5.302)、(0.2、391)、図10(a)ランキンサイクル(MFR)+LSGでは(P5、Wtotal’)=(2.1、208)、(0.5、326)、(0.2、433)となり、最大で冷熱エクセルギ936kJ/kgの約42〜46%を電力として回収できる。さらに、温水の気化熱源がありT3=50℃の場合、原単位は数%上昇する。以上より、ガス送出圧力が低くなると発電原単位(冷熱エクセルギ回収量)は急速に大きくなるため、例えば、国内に40数基あるLNG小規模基地では低圧力送出であるため、マイクロ蒸気タービン又はスクリューによるマイクロバイナリ発電などの高効率・小型LSGの開発ができる。
LSGによる年間発電量及び年間発電ベネフィットを説明する。運転条件をLNG気化量60t/h、加熱源温度T3=20℃、年間平均稼働率90%、電力単価22円/kWh(平成27年度の陸上風力発電の買取価格)として求め、図11に示す。
MFRの効果について説明する。ランキンサイクル(MFR)は、1.LNGとMFRの熱交換時の温度差を小さくすること、2.MFRガスとの自己熱交換によりMFRと加熱源の温度差を小さくすることで効率化され、MFR組成はLNG組成で決まる。
東京ガスのMFR組成例の物性値は、
組成:メタン/エタン/プロパン/ブタン、モル組成%:0.3/0.5/0.15/0.05、モル質量:29.368kg/kmol、
臨界点:309.55(K)、7.2477(MPa)、225.13(kg/m3)
東京電力のMFR組成例の物性値は、
組成:メタン/エタン/プロパン/ブタン、モル組成%:0.5/0.35/0.1/0.05、モル質量:25.861kg/kmol、
臨界点:281.17(K)、7.128(MPa)、218.36(kg/m3)
を使用し、本LNG組成例とT−h線図で比較し図13(a)に示す。
非共沸混合冷媒は、気体から液体に相変化する等圧過程でも温度変化(温度すべ
Figure 2017075594
め、冷凍プロセスのローレンツサイクルと同様に高効率となる。また、NG液化プロセスでカスケード液化方式はプロパン、エタン、メタン等の冷媒を順に使用しNGを液化するのに対して、混合冷媒の液化方式は上記と同様の理由で熱効率
Figure 2017075594
定性の悪化、与受熱間流体の温度差が接近するピンチポイントなど運転制御の難しさの課題がある。
一方、LNG超臨界圧の気化曲線は図13(b)のとおり直線化するため、L
Figure 2017075594
中間媒体の選択可能性が生じる。
LSGにより、外国産地のNG液化電力(低価格電力)を消費地の電力(高価格電力)として効率的に回収利用できるため、LNG輸送タンカーはLNGと液化電力を輸送している。LNG輸送タンカーとLSGのシステムを構成すれば、LNG輸送タンカーを「LNGキャリア」及び「電力キャリア」として、LNG産地(上流)と消費地(下流)間の電力バリューチェーンのモデルシステムを提供できる。
LSGにより、LNG貯蔵タンクは電力貯蔵所の価値が生まれ、例えば25万キロリットルのLNGタンクで約98TJの冷熱エネルギがあり、電力として回収できる。貯蔵タンクとLSGのシステムを構成すれば、LNG貯蔵タンクを「LNG貯蔵所」及び「電力貯蔵所」とするモデルシステムを提供でき、消費ピーク電力平準化や災害時非常用電源などとして活用できる。
LSGの発電電力を自己託送(電気事業法改正により発電地以外で電力消費が可能)すれば、事業者の全地域の使用電力を自給でき、LSGは「エネルギ・ゼロ・エミッション事業」のモデルシステムを提供できる。また、LSGとBOG(Boil−Off Gas)再液化設備のシステムを構成し、BOGを夜間電力で液化し、昼間にLSGで電力を取り出せば、「昼夜間ピーク電力平準化」のモデルシステムを提供できる。
本発明のLSGは既存の水蒸気による超臨界圧発電を、2流体サイクルを利用して極低温流体に適用したもので、圧力エクセルギを経由することで冷熱エクセルギを逆カスケード利用して高効率に電力へ変換している。すなわち、極低温流体の冷熱エクセルギは、単に、温度エクセルギとして評価するのではなく、圧力エクセルギとしても評価し、「温度エクセルギと圧力エクセルギのバランス」を見直すことにより、再びガス化する際に、より高率的に冷熱エクセルギを電力として回収できる。その理由は、圧力エクセルギの方が温度エクセルギよりもエクセルギ回収率が高いためである。
従来、ガス送出圧力が低い場合に冷熱発電が適応できるとされたが、本発明のLSGで液化ガスの超臨界圧気化を利用すれば、高効率に冷熱エクセルギを電力として回収できる。また、ガス送出圧力も2次タービン出口圧力の調節により設定できるため、冷熱発電の適応範囲が広がる.その際、液化ガス組成、加熱源温度(T3)及びガス送出圧力(P5)の3条件を決めれば、最大の電力変換効率点が存在することを特定し、LNG組成例の最大点を示すことができる。最大点の運転条件は、LNG気化圧力P2(=2次発電膨張タービン入口圧力P3)により、一義的に特定される。
世界の天然ガスパイプラインの最大輸送圧力は20数MPaで運用され、ガス田の噴出圧力などを利用して超臨界圧で天然ガスの輸送が行われている。本発明のLSGは冷熱発電原単位図(図10)で冷熱発電ベネフィットを概略計算でき、加えて、未利用エネルギ利用の補助金給付などがあるので、コストとベネフィットのバランスは大きく改善されるため、冷熱エクセルギ回収が可能となる。
本発明のLSGの効率は、温度エクセルギ利用プロセス(プロセスII)の効率に依存するため、例えば、ランキンサイクルの中間媒体物質の検討、その他の温度エクセルギ回収率の高い熱利用サイクルの開発により、LNGやLH2などで産地と消費地間の電力チェーンによるエネルギ有効利用ができる。
本発明のLSGは「燃料不要の発電装置」でCO2フリーであり、近年、大気中の二酸化炭素などの温暖化ガスが増加しており、未利用エネルギの活用は省エネルギにとどまらず、地球温暖化防止の環境保全に貢献できる。
日本のLNG輸入量及び世界全体のLNG輸入量の推移 LNG冷熱発電システムの実績 ガス送出圧力とLNG冷熱発電システム(実績)の発電原単位 本LNG組成例のP−hモリエル線図 LSGの発電原理 LSGのP−h線図及びT−s線図の模式図 LSGのプロセス プロセスI・II・II’・IIIのエンタルピ変化量 LNG気化圧力とLSG発電原単位 ガス送出圧力とLSG発電原単位 LSGの年間発電量と年間発電ベネフィット LNG気化圧力とエクセルギバランス LNGとMFRのT−h線図
Flow Exergy フローエクセルギ
Pressure 圧力
Density 密度
Entahlpy、h エンタルピ
Entropy、s エントロピ
Temperature、T 温度
Rankine(LPG) 中間媒体LPGのランキンサイクル
Rankine(MFR) 中間媒体MFRのランキンサイクル
MFR 混合媒体
Rankine(LPG)+LSG LPGランキンサイクルとLSGを組み合わせた 2流体サイクル
Rankine(MFR)+LSG MFRランキンサイクルとLSGを組み合わせた 2流体サイクル
Vaporized Pressure 気化圧力
TG 東京ガス(株)
TE 東京電力(株)

Claims (13)

  1. 液化天然ガス(以下「LNG」という)をLNG貯槽からLNGポンプで払出し、海水、温水又は大気と熱交換し気化させて天然ガス(以下「NG」という)を製造するプロセスにおいて、LNG冷熱エネルギを利用して電力を発電するプロセスとして、LNGを液状態で超臨界圧まで昇圧して気化させることにより発電効率を上げる「液化ガスの超臨界圧冷熱発電システム」(以下「LSG」という)。
  2. LSGは、LNGを超臨界圧まで過昇圧(プレオーバーブースト)させて気化する装置で、高温側が中間媒体を使用するランキンサイクル方式による発電(1次発電)及び低温側がLNGを気化したNGによる直接膨張方式による発電(2次発電)を併用する2流体サイクルのシステムであり、既存の水蒸気による超臨界圧発電を低温液化ガスのLNGに適用することで発電効率を上げて発電力を増加させることを特徴とする冷熱発電システム。
  3. 冷熱エネルギを状態量のエクセルギ(有効エネルギ)で評価し、LNGを気化させると冷熱エクセルギは圧力エクセルギと温度エクセルギに変換され、エクセルギの電力への回収率(エクセルギ回収率)は温度エクセルギよりも圧力エクセルギの方が高いため、LSGは冷熱エクセルギをより多く圧力エクセルギに変換させる方法によりエクセルギ回収率を上げて発電力を増加させることを特徴とする冷熱発電システム。
  4. LSGは冷熱エクセルギをより多く圧力エクセルギに変換させる方法として、LNGを超臨界圧で気化させる方法によるシステムで、LNGを超臨界圧で気化させることにより、温度エクセルギを利用するランキンサイクル方式の1次発電力を低下させて、圧力エクセルギを利用する直接膨張方式の2次発電力を1次発電力の低下分以上に増加させて、2流体サイクルの1次発電と2次発電の合計発電力を増加させることを特徴とする冷熱発電システム。
  5. 前記合計発電力は、2流体サイクルの各エンタルピ差を発電力に置き換え、合計エンタルピ差から合計発電力を求める方法。
  6. 前記合計発電力の最大発電効率点は、LNG組成、加熱源温度及びガス送出圧力の3条件により特定し、その最大発電効率点の運転条件は、LNG気化圧力により特定することで制御する方法。
  7. LSGは2流体サイクルの高温側サイクルのランキンサイクルの中間媒体(与熱流体)として、液化石油ガス(以下「LPG」という)、フロン又はそれらの混合媒体(以下「MFR」という)を使用する冷熱発電システム。
  8. 請求項6において、LSGの中間媒体MFRはLNG(受熱流体)と熱交換されるため、MFRの温度―エンタルピ気化曲線(T−h線図)を受熱流体のLN
    Figure 2017075594
    ちMFRの飽和気化温度をLNGより高く設定してエクセルギ損失が小さい高効率のMFR組成を、気化するLNGの組成に合わせてT−h線図をもとに選定する方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載のLSGにより、産地のNG液化電力を消費地の電力として効率的に回収する方法で、LNG輸送タンカーを「LNGキャリア」及び「電力キャリア」とする電力バリューチェーンのモデルシステム。
  10. 請求項1ないし7のいずれかに記載のLSGにより、LNG受入基地のLNG貯槽のLNG冷熱を電力として効率的に取り出すことで、LNG貯槽を「LNG貯槽所」及び「電力貯蔵所」とするモデルシステム。
  11. 請求項1ないし7のいずれかに記載のLSGにより、LNG受入基地のLNG貯槽のLNG冷熱を電力として効率的に取り出し、発電電力を自己託送することで、LNG受入事業者が自社の全域で使用する全電力を自給することにより、「ゼロエミッション事業」のモデルシステム。
  12. 請求項1ないし7のいずれかに記載のLSGにより、昼間はLNG受入基地のLNG貯槽のLNG冷熱を効率的に電力として取り出し給電し、夜間はLNG貯槽内で自然入熱によりLNGが気化したボイルオフガス(BOG)を夜間電力で液化しLNGとして貯蔵することにより、「昼夜間ピーク電力の平準化」のモデルシステム。
  13. 請求項1ないし11におけるLSGの冷熱エネルギ源の液化ガスとして、LNG以外で、環境温度に対して低温状態で液化する低温液化ガスの液化水素、LPG及びフロンを利用する冷熱発電システム。
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