JP2017074543A - 撹拌機 - Google Patents

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賢一 関原
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Abstract

【課題】安価で、構造が簡単であるにも関わらず、アルカリ金属分散体等の酸素を嫌う化合物を取り扱える撹拌機を提供する。【解決手段】本発明の撹拌機1Aは、撹拌槽7と、撹拌翼6と、撹拌軸4と、撹拌軸4を駆動するモータを具備した駆動部2と、撹拌槽7から突出した撹拌軸4を収容する軸封部5Aとを備えた撹拌機1Aであって、軸封部5A内に、不活性ガスを流入させて1気圧以上の第1のガスバリア層を形成可能な微圧ガス空間20が形成され、軸封部5A内であって微圧ガス空間20よりも駆動部2側に、不活性ガスを流入させて1気圧以上かつ微圧ガス空間20よりも高圧な第2のガスバリア層を形成可能な低圧ガス空間30が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、撹拌機に関する。
アルカリ金属分散体を製造する装置として、たとえば、分散槽が略縦型円筒状からなり、駆動軸に攪拌翼を装着している撹拌機を備え、分散質を分散槽内で液体の分散媒に加えて、前記攪拌翼の回転により分散体を製造する装置において、前記攪拌翼は、円板の外周囲にあって上向きと下向きとに交互に設けられている複数の剪断歯を有しているとともに、前記各剪断歯が攪拌翼の回転中心と同心円上に沿って設けられ、かつ前記剪断歯の両端面のうち、攪拌翼回転方向に位置した端面が攪拌翼の回転方向にほぼ垂直に交差する垂直面として形成されていることを特徴とする分散体の製造装置が知られている。(特許文献1を参照)。
特開2006−247458号公報
特許文献1に記載されている撹拌機は、撹拌翼そのものに特徴があり、撹拌機の軸封部についての詳細の記載はない。アルカリ金属分散体等の酸素を嫌う化合物を取り扱う場合には、工業的には、メカニカルシール等を用いるのが一般的ではあるが、メカニカルシールは、高価であり、部品点数も多く、メンテナンス時の分解洗浄に手間がかかるという問題があった。
本発明は、安価で、構造が簡単であるにも関わらず、アルカリ金属分散体等の酸素を嫌う化合物を取り扱える撹拌機を提供する。以下本発明を具体的に示す。
(1)本発明の攪拌機は、撹拌槽と、撹拌翼と、撹拌軸と、前記撹拌軸を駆動するモータを具備した駆動部と、前記撹拌槽から突出した前記撹拌軸を収容する軸封部とを備えた撹拌機であって、前記軸封部内に、不活性ガスを流入させて1気圧以上の第1のガスバリア層を形成可能な微圧ガス空間が形成され、前記軸封部内であって前記微圧ガス空間よりも駆動部側に、不活性ガスを流入させて1気圧以上かつ前記微圧ガス空間よりも高圧な第2のガスバリア層を形成可能な低圧ガス空間が形成されている。
(2)本発明の前記不活性ガスを流入させる導入口と不活性ガスを排出する排出口とが、前記撹拌槽の上部に形成されていてもよい。
(3)本発明の前記軸封部内であって、前記低圧ガス空間よりも駆動部側に、外気と連通する通気孔が形成された外気室が設けられていてもよい。
(4)本発明の前記微圧ガス空間と前記低圧ガス空間とは、前記軸封部内に固定されたOリングにより分割されていてもよい。
(5)本発明の前記Oリングの前記駆動部側に、前記Oリングに接しないようにVパッキンが配置されていてもよい。
(6)本発明の前記軸封部は、前記駆動部と撹拌槽との間に亘って前記撹拌軸を覆っていてもよい。
(7)本発明の前記駆動部と前記撹拌軸とを連結する軸受及び軸継手が、前記駆動部と一体的に形成されて撹拌軸回転部を構成し、前記撹拌軸のために設けられた前記撹拌軸回転部の開口部がVパッキンに覆われていてもよい。
(8)本発明の前記軸封部は、互いに連結可能な筒状体と前記撹拌槽に設けられた筒状の接続部とを備え、前記筒状体と前記接続部とは、ネジ嵌合していてもよい。
(9)本発明の前記撹拌槽が、容器部と蓋部とに分割可能であり、前記容器部に形成された開口部にはフランジが設けられ、前記蓋部には、前記容器部のフランジに重ね合わせられるフランジが設けられ、前記容器部と前記蓋部とは、前記フランジを重ね合わせて気密に緊締可能であってもよい。
(10)本発明の前記撹拌翼が、ディゾルバーディスクであってもよい。
(11)本発明の前記撹拌機が、アルカリ金属分散体の製造用であってもよい。
本発明の撹拌機は、シンプルな構成であるにも関わらず、酸素を嫌う試剤、生成物をも容易に取り扱うことができるという効果を奏する。
本発明である撹拌機の第1実施形態の模式図を示す。 本発明である撹拌機の第2実施形態の模式図を示す。
以下、図面を参照して本発明の撹拌機の各実施形態を説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の撹拌機1Aは、駆動部2、撹拌機本体3、撹拌軸4、軸封部5A、撹拌翼6及び撹拌槽7を主要な構成要素として備えている。
駆動部2とは、電動機、エアーモータ、油圧モータ等の原動機とギア減速、ベルト減速、機械式変速機等の減変速機等からなる部位を示す。
撹拌機本体3とは、駆動部2からの回転を撹拌軸4、撹拌翼6に伝え、円滑に運転できるよう支持する役目を持つものであり、具体的には、駆動部2と撹拌軸4とを連結する不図示の軸継手、軸受、支持架台、取付ベース等を備えている。
本実施形態では、駆動部2と撹拌機本体3とは一体的に設けられ、撹拌軸回転部8を構成している。従って、撹拌軸4の端部は、撹拌軸回転部8内に直接設置することができる。
撹拌軸4は、撹拌軸回転部8から突出し、軸封部5A及び撹拌槽7内に挿入可能な長さを有する棒状の部材であり、先端に撹拌翼6を備えている。
撹拌軸4の材質及び軸径は、撹拌軸4に掛かるねじれや曲げに対する強度、回転数範囲等の点から適切に運転が可能な範囲であれば、特に制限されない。
撹拌翼6は、撹拌機1Aの使用目的に応じて適宜選ぶことができ、具体的には、プロペラ、高吐出型プロペラ、パドル型、フラットパドル型、ディスク付タービン型、コーン型、表面曝気型、特殊パドル型、リボン・スクリュー型等を例示することができる。
アルカリ金属分散体を製造する場合には、撹拌翼6としては、ディスク付タービン型が好ましく、中でも、外周囲にあって上向きと下向きとに交互に設けられている複数の剪断
歯を有しているとともに、前記各剪断歯が撹拌翼6の回転中心と同心円上に沿って設けられ、かつ前記剪断歯の両端面のうち、撹拌翼6回転方向に位置した端面が撹拌翼6の回転方向にほぼ垂直に交差する垂直面として形成されているディゾルバーディスクが好ましい。
このようなディスクを用いることにより、撹拌槽7内のサンプル(撹拌対象物)Xに対流を起こし、回転するディスクの先端にサンプルXに含まれた溶液中の凝集体を衝突させ、機械的に開砕し、より微細な分散体を製造することができる。
軸封部5Aは、撹拌軸4を収容して支持するハウジングであり、筒状体15Aと撹拌槽7の開口部10を囲んで撹拌槽7の上端に筒状に設けられた接続部19とを連結させて形成されている。
筒状体15Aは、中心に撹拌軸4を貫通させた状態で、O(オー)リング13等により撹拌軸4を支持している。本実施形態では、Oリング13としてテフロン(登録商標)リングが用いられている。
筒状体15Aの一端5mは、接続部19に嵌入されて固定されている。筒状体15Aの一端5m側にはOリング13とVパッキン14が設けられている。
筒状体15Aの他端5nは、撹拌軸4を挿通させる挿通孔11を形成して閉じられている。
軸封部5Aの形状は特に制限されず、筒状であれば円筒形でも断面多角形の筒体であってもよい。
軸封部5Aの材質は、外気と接触を遮断できるものであれば特に制限されず、具体的には、金属、プラスチック等を用いることができる。
上記のように形成された軸封部5Aの内部は、軸方向に2室以上に分割されている。内部を分割する方法は特に制限されず、仕切りを設けてもよいし、図1に示すようにOリング13を固定することによるものであってもよい。
Oリング13の内径は、撹拌軸4の軸径よりは大きければ特に制限されないが、撹拌軸4と接触しない範囲で、撹拌軸4の径となるべく近い範囲の大きさ、すなわち撹拌軸4との隙間ができるだけ小さくなる寸法であることが好ましい。
また、撹拌槽7の内容物またはその蒸気が外部に漏れるのを防止するために、Oリング13等の仕切りの一端側又は両端側に適宜Vパッキン14が設けられる。本実施形態では、内圧が急激に上昇した場合にシールが外れて減圧が可能なように、Oリング13に対して圧がかかる方向に移動できる側、すなわち駆動部2側に設けられている。
Vパッキン14の装着向きは、特に制限されないが、内圧が急激に上昇した場合に、容易にシールが外れるようにV字型に装着するのが好ましい。
筒状体15Aは、接続部19の内部で開口部10から所定寸法離間した位置まで挿入され、固定されている。筒状体15Aと接続部19の基端部とは、Oリング13及びVパッキン14により分割されている。接続部19において筒状体15Aよりも基端側は、不活性ガスを流入させて1気圧以上の第1のガスバリア層を形成可能な微圧ガス空間20を形成している。
微圧ガス空間20を形成している接続部19の周壁部には不活性ガスの導入口21が形成されており、導入口21が微圧ガス空間20に連通している。
Oリング13及びVパッキン14を間に挟んで微圧ガス空間20と隣り合っている空間は、不活性ガスを流入させて1気圧以上かつ微圧ガス空間20よりも高圧な第2のガスバリア層を形成可能な低圧ガス空間30で、軸封部5A内の駆動部2側に形成されている。
低圧ガス空間30を形成している軸封部5Aの周壁部には不活性ガスの導入口31が形成されており、導入口31が低圧ガス空間30に連通している。
不活性ガスの圧力とは、各室内での圧力ではなく、不活性ガスボンベの出口圧力をいい、1気圧以上であれば特に制限はないが、各室とも1.01〜2気圧の範囲が好ましく、さらに1.05〜1.5気圧の範囲が好ましい。
微圧ガス空間20の圧力は、1気圧以上であって、低圧ガス空間30よりも小さい圧力であれば特に制限されない。微圧ガス空間20と低圧ガス空間30との圧力差は、1〜100Paの範囲が好ましく、さらに3〜50Pa、さらに6〜20Pa、さらに8〜12Paの範囲に設定されることが好ましい。
不活性ガスは、撹拌槽7中の物質に影響をしないものであれば、特に制限されないが、具体的には、窒素、アルゴンを例示することができる。
撹拌槽7は、サンプルXを収容して封止する内部空間Sが形成された容器である。撹拌槽7を形成している壁部、本実施形態では上部16には、撹拌軸4を挿通可能な開口部10と不活性ガスや内容物の蒸気を排出する排出口18が形成されている。排出口18の先は、管を介して外気と接しても、管途中に還流管を設置してもよい。
以上の各構成の下に、撹拌機1Aは、一端に撹拌軸回転部8を有し他端に撹拌翼6が設けられた撹拌軸4を、撹拌翼6が撹拌槽7の底部近傍に配置されるように撹拌槽7内に挿入している。そして、撹拌機1Aは、撹拌槽7の開口部10から突出した撹拌軸4を軸封部5A内に挿通させて、Oリング13を介して軸封部5Aに固定するとともに、軸封部5A内に不活性ガスによるバリアを形成可能な微圧ガス空間20と低圧ガス空間30とを形成した構成となっている。撹拌軸4は、軸封部5Aと撹拌軸回転部8との間で一部露出し、軸封部5Aから離間した位置で撹拌軸回転部8を保持している。
次に、本発明の撹拌機1Aの使用方法について説明する。
まず、撹拌槽7内にサンプルXを収容し、撹拌軸回転部8及び軸封部5Aに固定された撹拌軸4を撹拌槽7内に挿入し、撹拌翼6をセットする。
導入口21,31から微圧ガス空間20及び低圧ガス空間30に1気圧以上の不活性ガスを流入する。低圧ガス空間30は微圧ガス空間20よりも高圧にする。駆動部2のモータを駆動させてサンプルXの撹拌を開始する。
撹拌機1Aにより撹拌を開始すると、サンプルXによってはサンプルXの一部が舞い上がったり、サンプルXを構成する溶媒が蒸気となって上昇したりすることがある。
しかし、本発明の撹拌機1Aは、微圧ガス空間20に不活性ガスを流入させることにより微圧ガス空間20が1気圧以上に設定されている。また、低圧ガス空間30に不活性ガスを流入することにより、低圧ガス空間30内が1気圧以上であって、微圧ガス空間20よりも高圧に設定されている。その結果、気流が、低圧ガス空間30から微圧ガス空間20へ、そして微圧ガス空間20から撹拌槽7内へと形成される。又は、低圧ガス空間30から撹拌軸4を挿通させている挿通孔11(すなわち外気)へ不活性ガスが流れる。
したがって、撹拌軸4と撹拌槽7の開口部10との間には隙間が形成されているが、この隙間からサンプルXが軸封部5A内に流出してしまうことを防止することができる。
また、開口部10において、撹拌槽7と撹拌軸4との間には隙間が形成されているため微圧ガス空間20内にサンプルXの一部が万一入ってしまった場合でも、さらに低圧ガス空間30が設けられているので、外部にサンプルXが漏洩することを阻止することができる。
したがって、本撹拌機1Aは、軸封部5A内の不活性ガスによるバリアを二重にしてサンプルXの流出をより確実に防止することができるという効果を奏する。
サンプルXによっては、撹拌槽7を高温に加熱してサンプルXを高温にしつつ撹拌を行う必要がある。そのため、撹拌軸4を通じて駆動部2が高温化し、駆動部2がダメージを受けることがある。
しかし、本発明の撹拌機1Aは、微圧ガス空間20及び低圧ガス空間30に不活性ガスを流入させることにより、撹拌軸4を冷却することができる。また、撹拌軸4が軸封部5Aと撹拌軸回転部8との間で外気に露出しているので、撹拌軸4が軸封部5Aと撹拌軸回転部8との間で放熱することができる。
したがって、本撹拌機1Aは、撹拌軸4が高温化することにより駆動部2がダメージを受けることを効果的に防止することができるという効果を奏する。
また、軸封部5Aは、挿通孔11を通じて僅かに外気に連通しているが、本撹拌機1Aは、これら微圧ガス空間20の第1のガスバリア層と低圧ガス空間30の第2のガスバリア層によって撹拌槽7内と外気とを遮断することができる。また、接続部19と筒状体15Aとの間に僅かな隙間が形成されていたとしても、本撹拌機1Aは、その隙間から外気が侵入することを防止することができる。
したがって、本撹拌機1Aは、撹拌槽7内に外気が入ることを防止して、適切に撹拌を行うことができるという効果を奏する。
また更に、軸封部5Aと撹拌軸回転部8とが分離しているので、サンプルXを加熱することにより生じたサンプルXの蒸気が万一軸封部5A内に侵入することがあったとしても、蒸気を軸封部5Aの挿通孔11から外気に放出することができる。
したがって、サンプルXの蒸気等が駆動部2内に侵入してモータ等にダメージを与えてしまうことを防止することができるという効果を奏する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第2の実施形態の撹拌機1Bの軸封部5Bは、撹拌槽7から突出している撹拌軸4の全体を覆っている。
具体的には、軸封部5Bは、撹拌槽7の上面から撹拌軸回転部8の下面に亘って設置されており、低圧ガス空間30よりも上方に、更に外気を流入及び流出させることができる外気室38を形成している。外気室38と低圧ガス空間30との間は、Oリング13及びVパッキン14を挟んで分割されている。
外気室38を形成している壁部には外気の導入及び/又は排出を行うことができる通気孔35が複数形成されており、通気孔35から外気が出入りできるようになっている。
その反面、撹拌槽7内と撹拌軸回転部8内とは、軸封部5Bにより連通することになるため、撹拌槽7で生じた溶媒等の蒸気が軸封部5Bを通じて駆動部2内部に侵入し、回転動作に影響を与え得るとも考えられる。
しかし、本撹拌機1Bは、微圧ガス空間20と低圧ガス空間30において第1のガスバリア層と第2のガスバリア層とを形成し、蒸気等のサンプルXの侵入を防ぐとともに、外気室38に通気孔35を形成している。
この構成によって、撹拌槽7で発生する蒸気等の撹拌軸回転部8への侵入を効果的に防止し、駆動部2の動作に悪影響を及ぼさないようにしている。
Vパッキン14は、撹拌軸回転部8の最下部の直近の位置に設けるのが蒸気の侵入を防ぐ観点で好ましい。尚、通気孔35を形成する代わりに、ガスを撹拌槽7に戻す配管を設置してもよい。また、Vパッキン14は、Oリング13の近傍に設置するのが好ましいが、接触による摩耗を避けるために、Oリング13には、接触しない位置が好ましい。
微圧ガス空間20に不活性ガスを導入する導入口21と不活性ガスを排出する排出口18は、撹拌槽7の蓋部40に形成されている。
導入口21と排出口18とは、蓋部40の中央に形成された開口部10を挟んで互いに対向する位置に形成されている。
この構成により、撹拌機1Bは、開口部10において撹拌軸4の周囲に形成された隙間を介して撹拌槽7内の上部と通じている微圧ガス空間20に不活性ガスによるバリアを形成している。
筒状体15B及び接続部19は共に円筒形となっており、本撹拌機1Bの筒状体15Bは、接続部19とのネジ嵌合により接続部19に固定されている。
撹拌槽7に設けられた接続部19と筒状体15Bとは、ネジ嵌合していれば、どちらを内嵌させるものであっても構わない。本撹拌機1Bでは、筒状体15Bを接続部19に内嵌させる場合を例示している。この構成は、筒状体15Bに低圧ガス空間30と連通させる導入口31を形成しやすい点で有利である。
このような構造にすることにより、本撹拌機1Bは、例えば、筒状体15Bを回転することにより、撹拌翼6の上下位置を自由に調節することができる。また、螺合の具合によって、正確に撹拌翼6の位置を制御することができる、また、撹拌翼6の位置を固定するため、また、気密性を保つため、軸封部5Bには、ロックナット60を設けるのが好ましい。
撹拌機1Bの撹拌槽7は、着脱容易な蓋部40と容器部41とを備えている。
蓋部40は、外周部にフランジ45を有している。容器部41は、上端部に蓋部40のフランジ45に重ね合わせることができるフランジ46を有している。
撹拌槽7は、蓋部40のフランジ45と容器部41のフランジ46とをこれらの間に不図示のパッキンを介装させて気密に重ね合わせた状態で、上下のフランジ45,46を挟み込んで締め付けることができる留め具50によって緊締されている。
フランジ45,46は、テーパー状に形成し、傾斜の角度がフランジ45,46のテーパー角度より小さい留め具50を用いることによりフランジ45,46と留め具50との接点を抑え、熱を伝わりにくくしているとよい。
このように撹拌槽7が上下に分かれている場合には、撹拌槽7上部を回転することによっても撹拌翼6の位置を確認しながら容易に調節することができる。
以上のとおり、本発明の撹拌機の例として、第1の実施形態の撹拌機1Aと第2の実施形態の撹拌機1Bを示したが、本発明の撹拌機の実施形態はこれらの撹拌機1A,1Bに限定されるものではない。
具体的には、上記各実施形態において、駆動部2と撹拌機本体3とは、回転軸部として一体的に形成された例を説明したが、駆動部2と撹拌機本体3は、それぞれ別々に設置されていてもよい。
また、撹拌機1Bの撹拌槽7の蓋部40のフランジ45と容器部41のフランジ46とは、ボルトとナット等の一般的な固定具を挿通させて固定するものであってもよい。
また、必要に応じて、他の構成要素を含んでいてもよく、そのような構成要素として具体的には、原料の投入や、撹拌槽7内のメンテナンスのために設置されるマンホール、撹拌槽7内の溶液の加熱や冷却を行うジャケットやコイル等の伝熱装置、撹拌槽7内の溶液の排出に用いる排出弁、溶液の出入口用又は各種計測器取付用の各種ノズル類等を例示することができる。
また、撹拌機1A,1Bは、縦型円筒状の撹拌機に適用した例であるが、本発明は、軸封部5A(5B)内に、微圧ガス空間20と低圧ガス空間30とを形成し、不活性ガスによる第1のガスバリア層と第2のガスバリア層とを形成できるのであればどのような撹拌槽にも適用することができる。
1A,1B 撹拌機
2 駆動部
4 撹拌軸
5A,5B 軸封部
6 撹拌翼
7 撹拌槽
8 撹拌軸回転部
10 開口部
11 挿通孔
18 排出口
20 微圧ガス空間
21 導入口
30 低圧ガス空間
31 導入口
35 通気孔
38 外気室
13 Oリング
14 Vパッキン
40 蓋部
41 容器部
45,46 フランジ
50 留め具
60 ロックナット
S 内部空間
X サンプル(撹拌対象物)

Claims (11)

  1. 撹拌槽と、撹拌翼と、撹拌軸と、前記撹拌軸を駆動するモータを具備した駆動部と、前記撹拌槽から突出した前記撹拌軸を収容する軸封部とを備えた撹拌機であって、
    前記軸封部内に、不活性ガスを流入させて1気圧以上の第1のガスバリア層を形成可能な微圧ガス空間が形成され、
    前記軸封部内であって前記微圧ガス空間よりも駆動部側に、不活性ガスを流入させて1気圧以上かつ前記微圧ガス空間よりも高圧な第2のガスバリア層を形成可能な低圧ガス空間が形成されている撹拌機。
  2. 前記不活性ガスを流入させる導入口と不活性ガスを排出する排出口とが、前記撹拌槽の上部に形成される請求項1に記載の撹拌機。
  3. 前記軸封部内であって、前記低圧ガス空間よりも駆動部側に、外気と連通する通気孔が形成された外気室が設けられている請求項1又は2に記載の撹拌機。
  4. 前記微圧ガス空間と前記低圧ガス空間とが、前記軸封部内に固定されたOリングにより分割されている請求項1から3のいずれか一項に記載の撹拌機。
  5. 前記Oリングの前記駆動部側に、前記Oリングに接しないようにVパッキンが配置されている請求項4に記載の撹拌機。
  6. 前記軸封部は、前記駆動部と撹拌槽との間に亘って前記撹拌軸を覆っている請求項1から5のいずれか一項に記載の撹拌機。
  7. 前記駆動部と前記撹拌軸とを連結する軸受及び軸継手が、前記駆動部と一体的に形成されて撹拌軸回転部を構成し、前記撹拌軸のために設けられた前記撹拌軸回転部の開口部がVパッキンに覆われている請求項1から6のいずれか一項に記載の撹拌機。
  8. 前記軸封部は、互いに連結可能な筒状体と前記撹拌槽に設けられた筒状の接続部とを備え、
    前記筒状体と前記接続部とは、ネジ嵌合している請求項1から7のいずれか一項に記載の撹拌機。
  9. 前記撹拌槽が、容器部と蓋部とに分割可能であり、
    前記容器部に形成された開口部にはフランジが設けられ、
    前記蓋部には、前記容器部のフランジに重ね合わせられるフランジが設けられ、
    前記容器部と前記蓋部とは、前記フランジを重ね合わせて気密に緊締可能である請求項1から8のいずれか一項に記載の撹拌機。
  10. 前記撹拌翼が、ディゾルバーディスクである請求項1から9のいずれか一項に記載の撹拌機。
  11. 前記撹拌機が、アルカリ金属分散体の製造用である請求項1から10のいずれか一項に記載の撹拌機。
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