JP2017074022A - 植栽土壌構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水が過剰に土壌に供給されて植物が根腐れしたり、下部に蓄えられている水が急激に蒸発することを防止でき、土壌の水分維持を可能とする、植栽土壌構造体を提供する。【解決手段】保水層0101と、その上層に配置される土壌層0103とが疎水性の膜である疏水膜層0102で接続することにより、土壌への給水の不均衡や過剰供給を解消する。また、土壌層に配置されるイオン交換機能を有する粒0104により、保肥能力が向上し、追肥の回数を大幅に削減できる。【選択図】図1

Description

本発明は、植物の育成栽培土壌及びその構造体に関する。
植物栽培に関し、一定期間かん水不要の構造をもつ植木鉢に関する発明が存在する。例えば、特許文献1は、大小二重の植木鉢を使い、大きい植木鉢の下部に多機能鉱石を配置してその部分を水で満たし、大きい植木鉢の上部に嵌め入れた小さい植木鉢の土壌で植物を育成し、小さい植木鉢下部から大きい植木鉢へ縦方向に配置した紐や不織布を用いて、大きい植木鉢下部の保水帯から、小さい植木鉢の植栽土壌へと、水分を持続的に供給することを目的とした植木鉢に関する発明である。
特願2006−196181
しかし、特許文献1の発明は、単に保水帯から紐や不織布を用いて土壌へ水分を供給するため土壌と紐や、土壌と不織布との接続領域では土壌の含水率が高くなり、逆に土壌と紐や土壌と不織布との接続領域から離れた土壌の領域では含水率が低くなり、土壌に均一に水が行き渡らないという問題がある。逆に土壌の全体に水が行き渡るように紐や不織布と土壌との接続領域を広域にわたらせると今度は水が過剰に土壌に供給されて植栽の根腐れしたり、蒸発により急速に下部に蓄えられている水がなくなり、土壌の水分維持という持続性を保てなくなる、という問題がある。
さらに、水分補給を長期間不要とすることで植栽に対するメンテナンス負担が減じるものの、これだけでは追肥のためのメンテナンスは別途必要であるために、メンテナンスの負担は減じられない。
上記課題を解決するために、第一の発明としては、保水層と、保水層の上層に配置され、厚さ方向に保水層に保たれる水を毛細管現象により上側に移送可能な疎水膜層と、疎水膜層の上層に配置されるイオン交換機能を有する粒を含んだ土壌層と、からなる植栽土壌構造体を提供する。
第二の発明としては、疎水膜層は、微細ファイバーを絡めてなす不織布である第一の発明に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第三の発明としては、保水層は保水セラミックス又は/及びウレタンである第一又は第二の発明に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第四の発明としては、各層は容器内にて積層載置されたものである第一から第三の発明のいずれか一に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第五の発明としては、イオン交換機能を有する粒は、多孔質体の表面にイオン交換樹脂をコーティングしたコーティング粒である第一から第四の発明のいずれか一に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第六の発明としては、土壌層の上層に自然土からなる自然土層を有する第一から第五の発明のいずれか一に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第七の発明としては、土壌層は、イオン交換機能を有する粒と土壌層の上層の自然土層の自然土との混合材からなっている第六の発明に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第八の発明としては、最上層に水分蒸散防止層をさらに設けた第一から第七の発明のいずれか一に記載の植栽土壌構造体を提供する。
第九の発明としては、第一の土壌にて少なくとも幼苗期まで植物を育成して第一期植物とする第一期育成ステップと、第一から第八の発明のいずれか一に記載の植栽土壌構造体の土壌層に加肥し、保水層に水を蓄えた植栽土壌構造体である準備済植栽土壌構造体を準備する準備ステップと、前記準備済植栽土壌構造体に第一期育成ステップにて育成された第一期植物を第一の土壌を根に付した状態で移植する移植ステップと、を含む植物の育成方法を提供する。
保水層と、その上層に配置される土壌層とが疎水性の膜にて接続されているため、単に保水帯から紐や不織布を用いて土壌へ水分を供給する場合に比べて、土壌と紐や、土壌と不織布との接続領域でも土壌の含水率が高くなりすぎることがない。また、疎水性の膜が面で保水層と土壌層とを接続するため、土壌と紐とで両者を接続する場合に比較して、土壌に均一に水が行き渡とらないという問題が解消される。また疎水性の膜によって両者を接続するので、水が過剰に土壌に供給されて植物が根腐れしたり、下部に蓄えられている水が急激に蒸発することを防止でき、土壌の水分維持が困難であるという問題も解消する。さらには、これらの作用、効果と相まって、水分補給を長期間不要とすることで植栽に対するメンテナンスの負担が減じられ、かつイオン交換機能により、追肥のためのメンテナンスの負担も減じられる。
実施形態1の植栽土壌構造体の概念図 実施形態1の微細ファイバーの写真 実施形態1の疎水膜層の写真 実施形態1のイオン交換機能を有する粒の写真 実施形態2の各ステップの概念図
0100 植栽土壌構造体
0101 保水層
0102 疎水膜層
0103 土壌層
0104 イオン交換機能を有する粒
0501 第一期育成ステップ
0502 準備ステップ
0503 移植ステップ
以下本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。実施形態1は請求項1から8に関し、実施形態2は請求項9に関する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施しうる。
≪実施形態1≫
<概要>
本実施形態は、植栽土壌構造体に関する。
<機能的構成>
本実施形態について図面を用いて説明する。図1は、植栽土壌構造体の概念図である。実施形態1の植栽土壌構造体は、保水層(0101)と、疎水膜層(0102)と、イオン交換機能を有する粒(0104)を含んだ土壌層(0103)とからなる。
<各構成の説明>
(保水層)
「保水層」(0101)は、本願の植栽土壌構造体において、植栽に不可欠な水を保つよう構成される。保水層は、多孔質で、水を保つに適しているものが好ましい。例えば、保水セラミックスやウレタンのような素材が好ましい。水を含むと、その分重くなるため、植栽土壌構造体全体を重くしたくない場合には、ウレタンのような軽い素材が好ましい。逆に、重みを持たせて植栽土壌構造体を安定させたい場合や、後述する疎水膜層から土壌層への給水を緩やかにしたい場合には、保水セラミックスのような、硬質の素材で積載される土壌層からの重みによって圧縮されにくいものが好ましい。
(疎水膜層)
「疎水膜層」(0102)は、保水層の上層に配置され、厚さ方向に保水層に保たれる水を毛細管現象により上側に移送可能なように構成される。図2は疎水膜層を形成する前段階の、疎水性の微細ファイバーを絡めた状態写真である。保水層と後述する土壌層との間に設置する膜を親水性とする場合、親水膜層自体が水を取り込んでしまい、土壌層に対し休息に給水してしまうおそれがある。そこで、保水層と土壌層との間に設置する膜は疎水性とすることが好ましい。この疎水膜層は、保水層から土壌層への穏やかな給水を実現するため、微細ファイバーを絡めることによって疎水膜層に形成される孔(ファイバーとファイバーとの隙間)を、15μから20μの間とすることが好ましい。
疎水膜層は、微細なファイバーを絡めてなす不織布であることが好ましい。図3は、微細ファイバーを圧縮して形成した疎水膜層の写真である。疎水膜層は、水をはじいて、保水層から土壌層への急激な水の流入を防止すると同時に、疎水膜層の繊維と繊維の隙間から、毛細管現象によって、適度な量の水分子を土壌層に供給し続けることが可能となる。疎水膜層の素材としては、上記性質を有するものであれば、素材は限定されないが、ポリプロピレンが好ましい。図3の疎水膜層は、ところどころに切れ目を施しており、疎水性によって、水の急激な土壌層への流入を防止すると同時に、切れ目部分から土壌層へと、穏やかに直接給水することとし、生育する植物の種類に応じた、土壌層への適切な給水を可能にするものである。疎水膜層は、不織布のほか、フェルト状の組成物であってもよい。
ファイバーの絡める密度は、植物あるいは季節によって変更することが好ましい。具体的には、冬場あるいは給水を少なくした方が生育状況がいい植物の場合には、ファイバーの密度を大きくする方が好ましい。これに対して、夏場あるいは水分を好む植物の場合には、密度を小さくする方が好ましい。
(土壌層)
「土壌層」(0103)は、疎水膜層の上層に配置され、後述するイオン交換機能を有する粒を含むよう構成される。本願における土壌層の「土」の具体例としては、一般的に用いられる木質堆肥、軽石、赤玉土、ピートモス、マグネシウムのほか、水ゴケ、炭、保水可能で植物の根張りに適切な高分子樹脂のようなものであってもよい。育成する植物の種類に応じて、土とイオン交換機能を有する粒との配合割合を調整してもよい。具体的には、土に対するイオン交換機能を有する粒との配合比率は、5〜20%が適当であるが、100%としても特に生育上の不都合が生じることはない。
(イオン交換機能を有する粒)
「イオン交換機能を有する粒」(0104)とは、イオン交換機能を有する部材であり、接触している電解質溶液に含まれるイオンを取り込み、代わりに自らの持つ別種のイオンを放出することで、アニオンとカチオンの交換を行うものをいう。イオン交換体及びイオン交換体の製造方法については、特開平6−178614に公開されている。
具体的には、イオン交換体は、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴムもしくはエピクロールヒドリンゴムの1種または2種以上よりなり、その塩素原子の少なくとも一部がアミンで置換された被膜を有するフェノール樹脂発泡体よりなる植物栽培培地用多孔性イオン交換体である。
このイオン交換体は、低重合度でエピクロールヒドリンに可溶の塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴムまたはエピクロールヒドリンゴムをエピクロールヒドリンに溶解した溶液が水中に乳化分散されかつアミンを含む乳化物をフェノール樹脂発泡体に含浸させ、これを乾燥することにより製造される。または、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴムもしくはエピクロールヒドリンゴムの1種または2種以上よりなり、その塩素原子の少なくとも一部がアミンで置換された被膜が表面に形成された多孔状鉱物質とレゾール型またはノボラック型のフェノールと硬化剤と発泡剤を混合し、これを発泡、硬化させることにより製造される。
イオン交換体のフェノール樹脂発泡体の原料であるフェノール樹脂は、レゾール型とノボラック型のいずれであってもよく、両方を組み合わせてもよい。
被膜の形成方法は、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴムまたはエピクロールヒドリンゴムの低重合度のものをエピクロールヒドリンに溶かし、乳化させ、アミンを加えてアミンの置換を行なわせ、水で希釈し、フェノール樹脂発泡体または多孔状鉱物質含ませた後乾燥させると、アニオン交換基を固定した透水性と強度にすぐれた被膜がフェノール樹脂発泡体または多孔状鉱物質の表面に形成される。
本発明の多孔状イオン交換体のうち、フェノール樹脂発泡体の表面に上記被膜を形成したものは、そのまま植物栽培培地として使用することができる。また、多孔状鉱物質の表面に上記被膜を形成したものはフェノール樹脂発泡体を製造する際にレゾヒル樹脂あるいはノボラック樹脂に混合して製造する。
本実施例におけるイオン交換機能を有する粒は、多孔質体の表面にイオン交換樹脂をコーティングしたコーティング粒であることが好ましい。表面形状としては、粒径が3mm〜15mmである。多孔質体の具体例としては、軽く、かつ安価であり、空気をよく含む素材であるバーミキュライトが好ましい。その他の素材としては、モンモリロナイト、粘土等のベントナイト類、フッ石、火山岩風化土等のゼオライト類、珪藻土、パーライト、スラグあるいは繊維化したスラグウールが好ましい。図4は、バーミキュライトにイオン交換機能を有する樹脂を固定してイオン交換機能を有する粒とした物の具体例である「アデライト」(和技研株式会社)の写真である。イオン交換機能を有する粒の保肥能力により、土壌層への配置前に、通常の3倍程度の液肥に漬け込んで用いても構わない。
植物が根から栄養分を吸収するプロセスは、根の細胞膜の透過作用によって、土中の水溶性イオンとして存在する有効成分を吸収することにある。植物の育成のためには、土中の肥料成分の濃度が適当であることが必要であり、濃すぎたりpHが偏っていたり(中性近傍値であるpH5〜8から大きく外れていること)不足したりすることは避けるべきである。この点、イオン交換機能を有する粒は、多孔質体の表層にイオン交換機能を有する樹脂を固定したもので、イオン交換作用と孔隙脱着作用の複合効果により、植物の育成に極めて好適な効果を得ることができる。
具体的には、pH緩衝作用としては、イオン交換機能がアニオン交換性のものだと、周囲のpHが低いと酸を吸着して中性化し、逆に、周囲のpHが高いと酸を溶出して中性化する。また、カチオン交換性のものだと、周囲のpHが高いとアルカリを吸着して中性化し、逆に、周囲のpHが低いとアルカリを溶出して中性化する。化学肥料の施肥・追肥により、土壌の状態が、中性近傍値から酸性またはアルカリ性に極端に傾いてしまいがちであるが、本実施例のイオン交換体のpH緩衝作用により、急激なpHの変動を起こすことなく、常に中性近傍に保たれるという効果を有する。
肥料濃度緩衝作用としては、施肥や、乾燥といった理由に伴い土壌中の肥料濃度が大きくなると、肥料分を吸着し、植物による肥料分の吸収や、降雨散水に伴い土壌中の肥料濃度が低下すると、保蓄した肥料分を溶出する。追肥は、肥料焼けを防ぐため、一般的には薄い濃度で回数を多くすることが望ましいが、これだと追肥のための管理コストが増大する。しかし、本実施例のイオン交換機能を有する粒を土壌に混ぜておくと、通常は肥料負け・肥料焼けしてしまうような即効性の化学肥料や液肥を高濃度で使用しても、肥料分の吸着とその後の溶出により、肥料負け・肥料焼けの懸念がなく、遅効性的に、長期間肥料の効果が持続する効果が得られる。したがって、追肥にかかる管理コストを抑えることができる。
また、本実施例のイオン交換機能を有する粒は、多孔状の表層に固定しているため、大きなイオン交換容量を持ち、吸脱着性能に優れるという性質を持つ。さらに、通水性・通気性にも優れており、根が長時間水にさらされて酸欠になることによる根腐れを防止することもできる。したがって、イオン交換機能を有する粒の上記性質を十分に発揮させるため、根の伸びる付近にイオン交換機能を有する粒を施すことが好ましい。
さらに、土壌微生物の働きにより、土壌の栄養分が適切に保たれ、かつ植物の根から排出される硝酸等の育成阻害物質を分解する効果があることについては周知であるところ、本実施例のイオン交換機能を有する粒のpH緩衝作用により、土壌微生物の生存・繁殖に好ましい状況を保持することが可能となる。
(自然土)
土壌層は、土壌層の上層に、自然土からなる自然土層を有するものであってもよい。
この利点としては、移植される植物にとって環境の変化がより穏やかになり、根張りがスムーズに行われる点にある。
(水分蒸散防止層)
土壌層上部(植栽土壌構造体の開口部)には、土壌の過度の乾燥を防ぐため、十分に吸水させた水ゴケ、セラミックビーズ(ボール)等土壌乾燥防止部材を配置して、水分蒸散防止層を設けても良い。土壌乾燥防止部材の量及び配置面積については、植物ごとに変えてもよい。また、水分蒸散防止層の他の例としては、植栽土壌構造体を格納する入れ物の上部を全面開口とするのではなく、蓋を設けるなどして、土壌層上面を覆うようにするものであってもよい。
<効果>
実施形態1の植栽土壌構造体により、保水層と、その上層に配置される土壌層とが疎水膜層にてよって接続されているため、土壌への給水の不均衡や、過剰供給の問題を解消することが可能である。保水層から土壌層へと水が過剰供給されないことにより、植物が根腐れしたり、下部に蓄えられている水が急激に蒸発することを防止でき、土壌の水分維持が困難であるという問題も解消する。さらに、これらの作用、効果と相まって、水分補給を長期間不要とするので、植栽に対するメンテナンスの負担が減じられ、かつ土壌層に含有されたイオン交換機能を有する粒のpH緩衝作用・肥料濃度緩衝作用により、追肥のためのメンテナンスの負担を減少させることが可能となった。
≪実施形態2≫
<概要>
本実施形態は、実施形態1の植栽土壌構造体を使用した植物の育成方法に関する。本実施形態の植物の育成方法により、植物の成長段階に適合した育成を簡単かつ反復的に行うことが可能となり、植物の育成コストを下げつつ繁殖することが可能となる。
<機能的構成>
本実施形態について図5を用いて説明する。本実施形態の植物の育成方法は、第一期育成ステップと、準備ステップと、移植ステップと、からなる。
<各構成の説明>
(第一期育成ステップ)
「第一期育成ステップ」(0501)は、自然土である第一の土壌にて少なくとも幼苗期まで植物を育成して第一期植物とするよう構成される。幼苗期までは、発芽及び根を生じさせある程度の根張りに注力すべき時期であり、肥料の与えすぎはむしろこれらを阻害することがあることから、施肥を行わないか、少量にとどめる。また、ある程度暗い状態にする方が、発芽にとっては好ましい環境であるから、光を照射しすぎないようにすることが好ましい。
(準備ステップ)
「準備ステップ」(0502)は、第一から第八の発明のいずれか一に記載の植栽土壌構造体の土壌層に加肥し、保水層に水を蓄えた植栽土壌構造体である準備済植栽土壌構造体を準備するよう構成される。育成する植物の性質により、保水層の容量や、土壌の作り方を変化させることが好ましい。
土壌層の加肥は、前述したイオン交換機能を有する粒が保肥能力に長け、施肥による急激なpHの変化を防止することができるため、通常の2倍から3倍の量の肥料を予め保つことが可能である。
保水層への保水は、前述した疎水膜による土壌層への水分調整が可能であるため、保水層が保つことができるだけ水を給水させることが可能である。これにより、室内であれば、花を付けないような植物であれば1か月から2か月の程度は水やりが不要になる。
(移植ステップ)
「移植ステップ」(0503)は、前記準備済植栽土壌構造体に第一期育成ステップにて育成された第一期植物を第一の土壌を根に付した状態で移植するよう構成される。このときに、根を傷めないように、根の周りに付着した土ごと移植することが好ましい。また、浸透圧により、根の周りには、加肥による、イオン濃度の増減が起きやすい箇所であることから、根の付近に集中的にイオン交換機能を有する粒を重点的に配置することが好ましい。
<具体例:球根 アネモネ>
一例として「アネモネ」を挙げて本件発明の説明をする。まず、第一の土壌であるが、アネモネの球根からの初期の生育に適した環境を選択する。アネモネの生育に適した環境は、日当たりがよく、風通し、水はけのよい場所で弱アルカリ性土壌がよい。弱アルカリ性の土壌が準備できない場合には土壌調整剤、例えば粉末化した牡蠣殼などを用いて土壌を最適なpHとなるように調整する。球根は前年の開花球根を6月中旬〜下旬ころに掘り上げて陰干しし、殺菌剤につけて保存しておく。子球は分球して保存しておく。
準備された第一の土壌に10月頃に深さ5cm、間隔5cmを取り、球根のとがった方を下にして植付ける。アブラムシがつきやすいので、予防として月に1〜2回ほど粒状の殺虫剤をまく。肥料は、植えつけ前に苦土石灰をまき、元肥は有機質肥料を施す。過湿で球根が腐るので、第一の土壌では植えた直後は水を与えない。その後は乾いたら水やりを行う。
12月頃には球根から芽が出てくるので、第一土壌から植栽土壌構造体に移植する。移植する際には第一土壌が球根及び球根から伸びた根にできるだけ付いた状態で移植する。移植時の深さは5cm、間隔は7〜15cm程度が好ましい。比較的密に植栽しても水分と肥料が十分に行き渡るので生育に支障はきたさない。移植した後に場合により第一の土壌を植栽土壌構造体の土壌層の最上層に1cm程度敷き詰める。3月下旬位から開花するので、ある程度開花が進んだ状態で展示場に植栽土壌構造体ごと移送(出荷)する。出荷直前に再度植栽土壌構造体の保水層には液肥を十分に含ませる。花らは花茎のつけ根から切り取る。なお、花がら摘みは必須ではない。
開花期間は2か月程度であるがその間給水の必要はなく、また追肥の必要もない。開花が終了したら植栽土壌構造体ごと展示場などから引き上げ、翌6月から7月までは再度第一土壌に埋めなおして球根を休ませる。球根が引き上げられた植栽土壌構造体は翌年再度同種の花で利用する場合でも保水層、疎水膜層、土壌層を入れなおす。保水層は殺菌して乾燥させて保存する。疎水膜層は洗浄することで再利用が可能であるのでやはり殺菌して乾燥させて保存する。土壌層はイオン交換機能を有する粒は再利用可能な回数再利用する。再利用可能な回数は液肥の種類や濃度等によってまちまちであるが、おおよそ5回〜10回程度である。イオン交換機能を有する粒は水洗いし乾燥させて保存する。また容器は洗浄して殺菌し乾燥させた後保存するか、他の植栽のために利用する。
<具体例:一年草 あさがお>
第一の土壌では発芽から本葉3〜4枚程度までに育種する。種まきは、5月ころであり、発芽適温は20〜25℃である。ひと晩ないし二晩、水に浸けた種子を砂土やバーミキュライトなどにまく。
植栽土壌構造体への苗の植えつけは、6月ころ本葉3〜4枚以上になったら行う。植栽土壌構造体が展示場で長期間展示に耐えるようにするためには、植栽土壌構造体に植え付けるあさがおの苗は、生育度がばらついたものをできるだけ多く含ませると良い。つまり本葉が3〜4枚以上になったものを1〜2週間程度連続的に移植し続けると展示場での開花もその程度連続する。苗の間隔は5cmから10cm程度でよい。高密度に植栽が可能である。
保水層は、化成液肥料などを施した肥沃な保水層とし、また土壌層も肥沃なものとする。まれにアブラムシやケムシの食害を受けることがあるので、見つけ次第、早めの防除をする。植栽土壌構造体の液肥としてはチッ素分の少ない液体肥料を十分に保水させる。また土壌層も同様とする。あさがおは、乾燥に弱いので植栽土壌構造体に移植したのちに最上層に水分蒸散防止層を敷き詰めるとよい。例えば開花期間は2週間程度とすると、その間に給水の必要はなく、また追肥の必要もない。花がら摘みはひとつの茎にひとつの花をつけるタイプなので花首を折るようにハサミや手で摘み取るようにする。なお、花がら摘みは必須ではない。
植栽土壌構造体には、場合によってあさがおの蔓を巻きつけるための支持棒を配置してもよい。あさがおのつぼみが見え始めたあたりで展示場などに出荷すると良い。ただし、展示場は日当たり、風通しがよい場所を選択する。開花期が終了したら展示場から植栽土壌構造体を引き上げる。引き上げた後は、アネモネの例と同様にリサイクル可能なものはコンディションを整え、保管する。
<効果>
本実施形態の植物の育成方法により、植物の成長段階に適合した育成を簡単かつ反復的に行うことが可能となり、植物の育成コストを下げつつ繁殖することが可能となる。

Claims (9)

  1. 保水層と、
    保水層の上層に配置され、厚さ方向に保水層に保たれる水を毛細管現象により上側に移送可能な疎水膜層と、
    疎水膜層の上層に配置されるイオン交換機能を有する粒を含んだ土壌層と、
    からなる植栽土壌構造体。
  2. 疎水膜層は、微細ファイバーを絡めてなす不織布である請求項1に記載の植栽土壌構造体。
  3. 保水層は保水セラミックス又は/及びウレタンである請求項1又は2に記載の植栽土壌構造体。
  4. 各層は容器内にて積層載置されたものである請求項1から3のいずれか一に記載の植栽土壌構造体。
  5. イオン交換機能を有する粒は、多孔質体の表面にイオン交換樹脂をコーティングしたコーティング粒である請求項1から4のいずれか一に記載の植栽土壌構造体。
  6. 土壌層の上層に自然土からなる自然土層を有する請求項1から5のいずれか一に記載の植栽土壌構造体。
  7. 土壌層は、イオン交換機能を有する粒と土壌層の上層の自然土層の自然土との混合材からなっている請求項6に記載の植栽土壌構造体。
  8. 最上層に水分蒸散防止層をさらに設けた請求項1から7のいずれか一に記載の植栽土壌構造体。
  9. 第一の土壌にて少なくとも幼苗期まで植物を育成して第一期植物とする第一期育成ステップと、
    請求項1から8のいずれか一に記載の植栽土壌構造体の土壌層に加肥し、保水層に水を蓄えた植栽土壌構造体である準備済植栽土壌構造体を準備する準備ステップと、
    前記準備済植栽土壌構造体に第一期育成ステップにて育成された第一期植物を第一の土壌を根に付した状態で移植する移植ステップと、
    を含む植物の育成方法。
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