JP2017073619A - デジタル放送システム及びデジタル放送方法 - Google Patents

デジタル放送システム及びデジタル放送方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017073619A
JP2017073619A JP2015198091A JP2015198091A JP2017073619A JP 2017073619 A JP2017073619 A JP 2017073619A JP 2015198091 A JP2015198091 A JP 2015198091A JP 2015198091 A JP2015198091 A JP 2015198091A JP 2017073619 A JP2017073619 A JP 2017073619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
broadcast
signal
unit
broadcasting
station
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015198091A
Other languages
English (en)
Inventor
高橋 泰雄
Yasuo Takahashi
泰雄 高橋
範明 田靡
Noriaki Tanabiki
範明 田靡
久人 大西
Hisato Onishi
久人 大西
▲邦▼義 千原
Kuniyoshi Chihara
▲邦▼義 千原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TANABIKI Inc
Original Assignee
TANABIKI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TANABIKI Inc filed Critical TANABIKI Inc
Priority to JP2015198091A priority Critical patent/JP2017073619A/ja
Publication of JP2017073619A publication Critical patent/JP2017073619A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】地域向け情報を該当する地域の視聴者に確実に視聴させる、安価かつ運用が容易なデジタル放送システム及びデジタル放送方法を提供する。
【解決手段】トランスポートストリーム形式の放送信号(放送TS信号)を生成するスタジオ局11において、各地域向け放送コンテンツに該地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与された放送TS信号が生成される。そして、通信回線を介して配信された地上波デジタル放送用送信所31において、放送TS信号に含まれる番組特定情報が当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、地上デジタル放送を行うデジタル放送システム及びデジタル放送方法に関する。
近年、地上波放送はデジタル化されている。このようなデジタル放送サービスにおいては、視聴者が容易にチャンネルや番組を選択できるように、放送される信号の中に番組特定情報(PSI:Program Specific Information)を多重化して放送を行うことが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。番組特定情報の中のネットワーク情報テーブル(NIT:Network Information Table)には、放送の伝送路に関する周波数や変調方式などの情報が記述されており、受信機において、放送チャンネルの選択等の操作を容易に行うために利用されている。NIT内に記述されているネットワークID(network_id)が、放送地域毎、チャンネル毎に一対一で対応している(このような状態を「ユニーク」ということがある。)ため、デジタル放送では、受信機においてネットワークIDにより容易にチャンネル選択ができる仕組みとなっている。
図12は、従来の地上デジタル放送システムの構成の一例を示す。図12に示すように、地上デジタル放送事業者のスタジオシステムである番組制作編集設備211では、キー局又は準キー局から放送プログラム交換回線227を介して供給される全国向け放送プログラムと、各地方局において制作され、カメラ212やVTR他の記録装置213や衛星通信用送受信機263から供給される放送プログラムがスイッチャ214において選択され、フルセグエンコーダ215においてエンコードしてフルセグTV信号に変換された後、多重化装置221のプログラム多重化部222において他の放送信号と共に多重化される。
多重化された信号は、放送TS信号生成部226において、フレーム同期信号生成部223で生成されるフレーム同期信号、伝送制御情報生成部224で生成される伝送制御情報、無効パケット信号生成部225において生成され、伝送速度を所定の速度に合わせるために挿入される無効パケット信号と多重化され、送信所231に伝送される信号形式である放送用トランスポートストリーム形式の放送信号(本明細書において、「放送TS信号」ということがある。)として放送TS信号配信回線228を介して送信所231に伝送される。
地方局送信所231に伝送された放送TS信号は、伝送路符号化部232に供給され、所定の誤り訂正符号及び変調方式に変換された後、デジタル変調部233内の逆フーリエ変換部234において地上デジタル放送の信号形式であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)信号に変換される。ガードインターバル付加部235でOFDM信号にマルチパスの影響を除去するためのガードインターバルが付加された後、周波数変換部(U/C)236において送信周波数に変換される。次に、送信部237において所定の送信電力まで増幅された後、送信アンテナ238から地上デジタル放送信号として無線送信され、一般家庭のTV受信機に配信される。
デジタル放送では、携帯端末などでの受信を可能としたワンセグ放送や放送コンテンツの付加情報及びニュース・天気予報のように独立した情報を提供するデータ放送などのサービスが提供されており、ワンセグ放送やデータ放送などは災害時に視聴者に的確に情報を伝える有効な手段である。
これらの放送サービスは、主たるTV放送サービスとは別の設備である映像ダウンコンバータ216、ワンセグエンコーダ217、データ放送制作端末(フルセグ用)218A、同(ワンセグ用)218B、データ放送送出装置219A、219Bによりプログラムの制作・多重化が行われる。
また、デジタル放送においては、受信機における放送局選択、プログラム選択等を容易にするために番組特定情報が多重化されている。番組特定情報中のNITなど放送チャンネルを示す情報は独自に生成され、放送局毎にユニークなID番号が付与されているので、受信機が当該地域における複数の放送電波の中から所定の放送チャンネルを容易に選択できる。
同一系列局の地方局で放送区域が隣接している場合、同一時間帯に同一の全国向け放送プログラムが放送されることもあるが、放送局毎の放送信号に多重化されているNITには、地方局毎にユニークID番号が付与されているので、受信機はこのID番号を知ることにより、自地域の放送局か否かを識別することで、放送地域の区域周辺の重複地域における混信が防止できる。このような番組特定情報は、放送局毎に設置されている番組配列情報生成部220において生成され、放送TS信号に多重化される。
以上は、特定の地域の放送区域をカバーする場合の放送事業者の設備を示したが、激甚災害に遭遇した場合には、設備を単に多重化しただけでは、放送業務を継続することが困難な場合があるため、費用が安価で、運用が容易な放送用バックアップが求められている。
一方、地方局の整備が不十分な場合、番組制作編集設備211で放送プログラムを制作して、全国向け放送TS信号を配信するネットワークを介して全国の送信局に配信し、そこからからデジタル放送を行うケースもある。例えば、衛星通信回線を通して全国の地方局送信所に放送TS信号を配信することがある。
このように全国を対象として放送プログラムを制作し、全国向け配信ネットワークを介して同一放送プログラムを各地域の地方局送信所に配信し同一内容の放送プログラムを放送する方法は、単一の番組制作編集設備で対応できるため設備を整備したり維持する費用が安価になる利点がある。
特開2001−197025号公報 特開2002−359825号公報
しかしながら、この方法では全国一律の放送プログラムしか放送できないため、地域向け放送サービス、とりわけ特定地域のローカルニュース、自治体情報、さらには特定地域での甚大な被害が予想される地震や台風のような災害情報の提供が限定される。
別の方法として、番組制作編集設備211において、複数の地域向け情報をデータ放送の形式で多重化することが考えられる。この方法によれば、放送TS信号がいずれの地域にも共通の放送信号となっており、衛星通信回線を介して各地域の地方局送信所231に送られる。
この方法では、視聴者には、多くの地域向けデータ放送情報の中から各地域に関連した放送情報を選択しなければならないという煩雑な操作が必要になるので、地域に特化したデータ放送情報が活用されにくいという問題が生じる。さらに、台風や地震などの緊急を要する情報も見逃されてしまう恐れがある。
また、日本方式の地上デジタルテレビジョン放送(以下、「ISDB−T」と記す)には、緊急警報により受信機を自動起動する機能が含まれている。具体的には、受信機を制御するTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号の中に起動制御信号(緊急警報放送用起動フラグ)が含まれており、この信号をオンにすることにより緊急起動対応が可能な受信機は電源オフ状態から自動的にオンになる。この機能は、大部分の受信機がオフ状態となっている夜間などの緊急警報の伝達に極めて有効な手段である。TMCC信号中の起動制御信号、放送TS信号内のダミーバイト部分に多重されてスタジオから放送ネットワークを介して全国各地の送信所に伝送される。
しかしながら、この方法の場合、起動制御信号が全国の送信所に配信されるため受信機の緊急起動が必要ない地域、例えば、緊急災害が発生していない地域、の受信機まで自動起動してしまうことになり、自動起動システムそのものに対する信頼を損なうことにもなりかねないという課題がある。
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するものであり、各地域向け情報を該当する地域の視聴者に確実に視聴させる、安価かつ運用が容易なデジタル放送システム及びデジタル放送方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記ISDB−T方式の緊急警報により受信機を自動起動する機能を有効に活用するデジタル放送方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、トランスポートストリーム形式の放送信号(以下、「放送TS信号」という。)を生成するスタジオ局(11)と、放送TS信号を配信する通信回線(58)を介して配信された放送TS信号を受信し、地上波デジタル放送信号に変換して所定の無線周波数で当該放送区域の地上波放送用受信機に送信する地上波デジタル放送用送信所(31)を備えるデジタル放送システムであって、前記スタジオ局が、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を生成するデータ放送制作送出部(22)と、前記データ送信用信号を含む信号と番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成する多重化部(21)を有し、前記地上波デジタル放送用送信所が、放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部(72)を有し、放送TS信号を異なる地上波放送区域に放送可能にした。
本発明に係るデジタル放送システムによれば、スタジオ局において異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子がデータ送信用信号に付与され、1又は複数の放送区域に対してそれぞれの放送区域を担当する1又は複数の地上波放送用送信所において放送TS信号中の番組配列情報を各地上波放送区域に指定された番組特定情報に書き換えて放送するため、例えば緊急時において、いずれの放送区域においても放送区域内の受信機の設定を変更することなく放送サービスを受信することができる。
地上波放送用受信機は、PSI書換部(72)で書き換えられた番組特定情報から当該放送区域に対応する識別子を選択し、当該地域向けコンテンツを表示するのが好ましい。
このことによって、放送TS信号内の番組特定情報が各地域の地上波デジタル放送用送信所で、当該送信所に付与されたNIT及び関連する番組特定情報に書き換えられるので、当該送信所の放送区域内の受信機は当該地域向けデータ放送情報や災害情報などを自動的に選択し表示することができる。
好ましい態様では、スタジオ局が、番組特定情報に緊急放送を行う1又は複数の地域の地域コードが入力される入力部を有し、地上波デジタル放送用送信所が、入力された地域コードを当該送信所に割り当てられた地域コードと照合する照合部と、一致する地域コードが存在する場合にはデジタル放送信号中の緊急放送用起動制御フラグを起動する起動部を有する。
上記態様では、配信回線を介して配信される放送TS信号に多重化されているPMT内の緊急情報記述子中の対象地域コードから該当する地域の送信所のPSI書換部において、放送TS信号内の送信制御情報の中の緊急放送用起動制御フラグを起動することで緊急起動が必要な地域の受信機のみを起動するので、災害情報を優先的にテレビ画面に表示して視聴者の注意を喚起する緊急警報放送(Early Warning Broadcasting System)を地域限定で発信することができる。
スタジオ局が、情報を伝送していないパケットを放送TS信号から削除して伝送速度を圧縮する放送TS信号圧縮装置(73)を有し、地上波放送用送信所が、放送TS信号圧縮装置により圧縮された圧縮放送TS信号に前記パケットを再度挿入して、圧縮前の放送TS信号に伸長する放送TS信号伸長装置(74)を有するのが好適である。
これによって、配信回線を介して配信される放送TS信号の中から無効パケットなど受信側で不要なパケット(領域)が削除されるため、放送TS信号の伝送レートを下げることができ、配信回線の所要帯域幅を削減できる。
本発明の第2の態様では、スタジオ局が、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を生成するデータ放送制作送出部と、前記データ送信用信号を含む信号と番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成する多重化部を有し、前記地上波デジタル放送用送信所が、放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部と、情報を伝送していないパケットを前記放送TS信号から削除し伝送速度を圧縮する放送TS信号圧縮装置とを有し、地上波デジタル放送用送信所が、放送TS信号圧縮装置により圧縮された圧縮放送TS信号に前記パケットを挿入して伸長し、該伸長された放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換える放送TS信号伸張・PSI書換部(75)を有するデジタル放送システムを提供する。
本発明に係るデジタル放送システムによれば、スタジオ局において異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子がデータ送信用信号に付与された放送TS信号から情報を伝送していないパケットが削除され、1又は複数の放送区域に対してそれぞれの放送区域を担当する1又は複数の地上波放送用送信所において前記パケットが挿入された放送TS信号中の番組配列情報を各地上波放送区域に指定された番組特定情報に書き換えて放送するため、放送TS信号の伝送速度が短縮される。そして、例えば緊急時において、いずれの放送区域においても放送区域内の受信機の設定を変更することなく放送サービスを受信することができる。
本発明の第3の態様では、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を含む信号と番組特定情報が多重化された放送TS信号を受信する受信部(56)と、前記受信部によって受信された放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該送信所の地上波放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部(72)とを備えることを特徴とする地上波放送用送信所を提供する。
本発明の第4の態様では、放送TS信号を地上波デジタル放送信号に変換して所定の無線周波数で当該放送区域の地上波放送用受信機に送信する地上波デジタル放送用送信所に配置され、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する放送地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を含む信号と番組特定情報が多重化して生成された放送TS信号を前記放送地域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部であって、該PSI書換部が、放送TS信号に組み入れられた放送地域の番組特定情報と関連付ける識別子(地域コード)と当該送信所に割り当てられた1又は複数の放送区域を識別する識別子(地域コード)を照合する照合部と、前記2つの識別子が一致する場合には、デジタル放送信号中の放送地域の番組特定情報を放送するための起動制御フラグを起動する起動部とを有することを特徴とする。ここで、異なる地域向けデータ放送コンテンツは緊急警報に関する内容を含む。
本発明に係るデジタル放送方法では、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子を付与してデータ送信用信号を生成するステップと、前記データ送信用信号を含む信号と番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成するステップと、前記ステップで生成された放送TS信号を通信回線を介して地上波デジタル放送用送信所に配信するステップと、前記地上波デジタル放送用送信所に配信された放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるステップと、前記ステップで書き換えられた放送TS信号を地上波デジタル放送信号に変換するステップとを含むことを特徴とする。
さらに本発明の別の態様では、スタジオ局において、1又は複数の地域の地域コードが入力された番組特定情報が多重化されて放送TS信号が生成されるステップと、前記ステップにて生成された放送TS信号を地上波デジタル放送用送信所に配信するステップと、前記ステップにて配信された放送TS信号を受信した前記地上波デジタル放送用送信所が、前記放送TS信号に組み入れられた前記地域コードと当該送信所に割り当てられた地域コードを照合し、一致する地域コードが存在する場合には地上波デジタル放送信号中の緊急放送用起動制御フラグを起動するステップとを含むデジタル放送方法を提供する。
本発明のデジタル放送システム及びデジタル放送方法によれば、例えば自然災害などにより被災した地上波放送用送信所において、スタジオ局が生成した放送TS信号に含まれる番組特定情報が当該地上波放送区域に指定された番組特定情報に書き換えられるため、当該放送TS信号を配信することで1又は複数の被災地域の放送サービスを受信することが可能となり、安価かつ容易な運用によって各地域向け情報が必要な当該地区の視聴者に届けられる。
また、本発明のデジタル放送方法によれば、地域コードの記録された番組特定情報が記録された放送TS信号が、地上波デジタル放送用送信所で当該送信所に割り当てられた地域コードと照合され、一致する地域コードが存在する場合には緊急放送用起動制御フラグを起動し、当該地域内の受信機を自動起動させるので、地域限定の緊急警報を発信することができる。
実施例1に係るデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。 スタジオ局において生成された放送TS信号の構成を示す説明図である。 実施例1に係る番組特定情報の構成図である。 PSI書換部の構成を示すブロック図である。 PSI書換部におけるTSパケット書き換えを示す図である。 緊急警報放送時に地上デジタル放送用受信機を起動するフロー図である。 実施例3に係るデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。 実施例4に係るデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。 放送TS信号と圧縮放送TS信号の構成を示す図である。 実施例4に係るデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。 放送TS信号伸張・PSI書換装置の構成を示すブロック図である。 従来の地上デジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
以下、図に示す実施例により本発明をさらに詳細に説明する。このことにより、本発明が限定されるものではない。また、以下の実施例において同一機材については同一の符号を付し、その重複する説明は省略する。
−実施例1−
図1は、実施例1に係るデジタル放送システムの構成を示す。
図1に示すように、デジタル放送システム1は、全国向け放送プログラム信号を制作・編集するスタジオ局11と、通信配信局61と、通信回線58と、複数の地方局送信所(本明細書において、「地上波デジタル放送用送信所」又は、単に「送信所」ということがある。)31A,…,31Nで構成される。各地方局送信所31A,…,31Nは同一構成であり、単に符号31で表わすことがある。
スタジオ局11は、番組制作編集機能を有し、スイッチャ14、データ放送制作送出部22、PSI生成部20、多重化部21を備える。通信配信局61は、スタジオ局11に併設し、通信用送受信アンテナ62と通信用送受信器63を備える。通信回線58は、本実施例では通信衛星を介する。
スイッチャ14は、制作され、供給された各種の番組素材を選択する。データ放送制作送出部22はデータ放送用信号を作成し、PSI生成部20は番組特定情報を生成し、多重化部21は、データ放送制作送出部22で作成されたデータ放送用信号やPSI生成部20で生成された番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成する。このように放送TS信号に多重化されている番組特定情報は、当該地方局に割り当てられたID番号ではない他の番号も使用できる。
データ放送制作送出部22は、全国向け放送プログラム信号を、放送対象とする地域A,…,Nに関連するデータ放送コンテンツとして制作するとともに、それらの特定地域向けコンテンツにそれぞれの対象地域のネットワークIDでBML(Broadcast Markup Language)の関数getProgramID()により受信機側で表示する識別子が取得される。識別情報やBMLの関数については、電波産業会の標準規格であるARIB STANDARDやARIB TECHNICAL REPORTなどで規定されている。
制作された各種の番組素材はスイッチャ14で選択され、エンコードして変換されたデジタル信号(TV信号)になり、データ放送制作送出部22で作成されたデータ放送用信号やPSI生成部20で生成された番組特定情報とともに多重化部21で多重化されて放送TS信号が生成される。この地方局向け放送TS信号は、通信配信局61の通信用送受信器63に伝送され、通信用送受信器63から、通信用送受信アンテナ62、通信回線58を介して地方局送信所31に伝送される。
地方局送信所31は、受信アンテナ71、通信用受信機56、PSI書換部72、伝送路符号化部32、デジタル変調部33、送信部37、及び送信アンテナ38とを備える。
受信アンテナ71は通信回線58から送られる放送TS信号を受け取り、通信用受信機56は受信アンテナ71で受け取られた放送TS信号を受信し、PSI書換部72は通信用受信機56で受信した放送TS信号内の番組特定情報を当該地方局に割り当てられたIDに書き換える。伝送路符号化部32、デジタル変調部33、送信部37、及び送信アンテナ38は、地方局送信所31の地上放送用送信設備である。
通信配信局61から伝送された当該地方局送信所31向け放送TS信号は、受信アンテナ71を介して通信用受信機56で受信される。受信した放送TS信号内の番組特定情報は、PSI書換部72で当該地方局に割り当てられたIDに書き換えられる。次に、当該地方局向け放送TS信号は、当該地方局送信所31の地上放送用送信設備である伝送路符号化部32、デジタル変調部33、送信部37を介して、変換・変調された後、当該地方局の放送区域向け放送信号として送信アンテナ38から無線送信される。
特定地域向けコンテンツは、データ放送制作送出部22において、当該地域のネットワークIDで関数getProgramID()により受信機側で表示する表記が行なわれているので、地方局送信所31の受信機(図示せず)は、当該地域に割り当てられたID番号をgetProgramID()番号の戻り値として当該地域向けのデータ放送情報を自動的に選択表示することができる。
図2は、スタジオ局11において生成された放送TS信号51の構成を示す。図2(a)に示すように、放送TS信号51は、各地域に共通な映像/音声信号(A/V)と、番組特定情報(PSI/SI:Program Specific Information/Service Information)と、各地域向けに異なるコンテンツ(BMLと略記)で構成されたデータ放送信号で構成される。
図2(b)に示すように、番組編集制作を行うスタジオ局11の多重化部21で番組特定情報(PSI/SI)と、映像/音声信号(A/V)と、各地域のnetwork_idで関数getProgramID()により受信機側で表示する表記が行なわれている各地域向けデータ放送コンテンツ(BMLコンテンツ)とが多重化され、1つの放送TS信号51となる。
放送TS信号51は、通信回線58を介して各地域の送信所31に送られる。この放送TS信号51は地方局送信所31A,…,31Nに備えられたPSI書換部(図1参照)においてPSI/SI内のnetwork_id情報が書き換えられたのちにデジタル変調され、UHF帯周波数で当該地域内に放送される。各地域の地上デジタル放送用受信機41A,…,41Nは、各地域の送信所31A,…,31Nから放送された信号からPSI/SI情報を取得して格納する。次に、受信された信号はBMLブラウザにおいてgetProgramID()関数の戻り値として取得したPSI/SI情報内のnetwork_id(識別子)を用いて当該地域向けのデータ放送コンテンツを選択する。選択されたデータ放送コンテンツはA/V信号と合成されて当該受信機のディスプレイに表示される。
この受信機動作により、各地域の地上デジタル放送用受信機41A,…,41Nは各地域向けデータ放送コンテンツを表示することができる。
以下、番組特定情報の付け替え動作について詳しく説明する。
例えば、ISDB−T方式では、国ごとに規定される運用規定によって、各地域の放送事業者毎に、ネットワークID、TSID、サービスIDが割り当てられている。これらのID番号はNITで定義され、受信機が記憶することを推奨している。NITに記載したID番号と各TSパケットとの関連付けを行うために、プログラムアソシエーションテーブル(PAT:Program Association Table)と、プログラムマップテーブル(PMT:Program Map Table)という2つの構造体を参照する。TS信号の構造は、ARIB TR-B14で定義されている。
図3は、NIT,PAT及びPMTの関係を示す番組特定情報の構成図である。図3に示すように、NITは、ネットワーク識別、TS識別、サービス識別(サービスタイプ)、送信パラメータの各情報を含んでいる。PATは、NITのTS識別情報、サービス識別情報からそれぞれ抽出するTS識別情報,プログラムナンバー情報(すなわち、PMT PID)を含んでいる。そして、PMTは、PATのプログラムナンバー情報から抽出するプログラムナンバー情報(使用するPID)を含んでいる。
図4は、PSI書換部72の詳細構成を示す。PSI書換部72は、当該地方局のID番号(NIT)などの番組特定情報を記憶するPSI記憶部101、放送TS信号のパケットの種別を検出するPID検出部102、NITの書き換えを行うNIT書換部103、PATの書き換えを行うPAT書換部104、PMTの書き換えを行うPMT書換部105、ID番号の書き換えに伴い誤り検出パリティ(以下、CRC32と略記する。)を再計算するCRC32生成部106A,106B,106C、伝送するパケットを選択するパケット選択部107、放送TSのリードソロモン誤り訂正符号(RSECC)を再計算するRSECC部108を備える。
スタジオ局から伝送された放送TS信号は、PID検出部102に供給され、PID検出部102において、放送TS信号のパケットの種別(パケットID)が検出される。PID検出部102において検出されたパケット種別情報は、NIT書換部103、PAT書換部104、PMT書換部105、パケット選択部107にそれぞれ供給される。
一方、NIT書換部103、PAT書換部104、PMT書換部105には、PSI記憶部101に記憶された当該地方局のID番号(ネットワーク識別情報、TSID、サービス識別情報)がそれぞれ供給される。各書換部103,104,105の出力は、CRC32生成部106A,106B,106Cを介してパケット選択部107に供給される。パケット選択部107の出力は、RSECC部108を介して当該放送区域の放送TS信号として出力される。
図5は、PSI書換部72におけるTSパケット書き換えを示す。書き換え後のNITは、PSI記憶部101に記憶される。また、他の番組特定情報の書き換えに必要なID番号(PAT、PMT)はNITから抽出される。
スタジオ局から送られてきた放送TS信号に、パケットID(以下、PIDという。)に基づいてNITを示すTSパケットが見つかった場合、NIT書換部103において、送られてきたパケットの情報(NIT)を、PSI記憶部101に記憶されていたNITに書き換える。そして、CRC32生成部106Aにおいて、書き換えたNITに合わせてCRC32を再計算し、パケット選択部107において、書き換えたパケットが選択されて、RSECC部108において、書き換えたTSパケットのリードソロモン誤り訂正符号(RSECC)を再計算してパリティが付け直される。
PIDに基づいてPATを示すTSパケットが見つかった場合、PAT書換部104において、送られてきたパケットの情報(PATのTSID及びプログラムナンバー)を、PSI記憶部101に記憶されていたPATのTSID及びプログラムナンバーに書き換える。そして、NITの場合と同様に、CRC32生成部106Bにおいて、書き換えたPATに合わせてCRC32を再計算し、パケット選択部107において、書き換えたパケットが選択されて、RSECC部108において、書き換えたTSパケットのリードソロモン誤り訂正符号を再計算してパリティ付け直される。
PIDに基づいてPMTを示すTSパケットが見つかった場合、PMT書換部105において、送られてきたパケットの情報(PMTのプログラムナンバー)を、PSI記憶部101に記憶されていたPMTのプログラムナンバーに書き換える。そして、NITの場合と同様に、CRC32生成部106Cにおいて、書き換えたPMTに合わせてCRC32を再計算し、パケット選択部107において、書き換えたパケットが選択されて、RSECC部108において、書き換えたTSパケットのリードソロモンエラー訂正符号を再計算してパリティ付け直される。
また、必要に応じて、PAT,PMT以外の番組特定情報についてもこれらの識別情報の書き換えが行われる。このことで、他の地域の放送TS信号を、当該地方局の放送TS信号に変換することができる。そして、書き換えないパケット(映像パケット、音声パケット)はそのまま出力される。
実施例1では、通信用受信機56から供給される放送TS信号に多重化されている番組特定情報がPSI書換部72において当該地方局に割り当てられたID番号に書き換えられるので、当該地方局の放送区域内の受信機は平常サービス時と同じID番号であることを認識して正常に受信することができる。このため、当該地方局の放送区域内において、受信機がネットワークIDを認識できず受信不能となる事態が防止できる。また、このID番号を認識して当該地域向けにネットワークID番号と関連付けられたデータ放送を自動的に認識し、表示することができる。
また、通信用受信機56から供給される放送TS信号に多重化されている番組特定情報をPSI書換部72において当該地方局に割り当てられたID番号に書き換えるので、当該地方局の放送区域内の地上デジタル放送用受信機41(図2参照)は、当該地域に割り当てられたID番号をgetProgramID()番号の戻り値として当該地域向けのデータ放送情報を自動的に選択し表示することができる。
−実施例2−
実施例2に係るデジタル放送システムの構成は、実施例1と同様であるが、本実施例では、更に、スタジオ局11は、地域コードが入力される入力部(図示せず)を有し、地方局送信所31は、前記地域コードと当該地方局送信所31に割り当てられた地域コードと照合する照合部(図示せず)と、デジタル放送信号中の緊急放送用起動制御フラグを起動する起動部(図示せず)を有する。
実施例1に係るデジタル放送システム1では、TMCC信号内の起動制御信号(緊急警報放送用起動フラグ)を起動する送信制御情報が放送TS信号に含まれていないため、地上デジタル放送用受信機41の自動起動ができない。一方、この制御情報を起動するように設定すると放送TS信号が配信される地域で起動制御信号が起動し緊急情報が表示されるので無用な混乱を招くおそれがある。
本実施例では通信用受信機56から供給される放送TS信号に多重化されているPMT内の緊急情報記述子の中の対象地域コードから該当する地域の送信所31のPSI書換部72において、放送TS信号内の送信制御情報の中の緊急放送用起動制御フラグを起動させることで緊急起動が必要な地域の受信機のみを起動することができるようにするものである。
入力部には、番組特定情報に例えば緊急放送を行う1又は複数の地域の地域コードが入力される。照合部は、送信所31に供給された放送TS信号に多重化されているPMT内の緊急情報記述子中の対象地域コードと、当該送信所に割り当てられた地域コードと照合し、一致する地域コードが存在する場合には起動部に信号を起動部に送信する。起動部は、照合部からの信号に基づいてデジタル放送信号中の緊急放送用起動制御フラグを起動する。
PSI生成部20は、緊急警報放送起動時にPMTに緊急情報記述子を挿入し、そこに自動起動を行う対象地域の地域コードを記載して放送TS信号に多重化する。この放送TS信号は、通信配信局61、通信回線58を介して、地方局送信所31に設置された受信アンテナ71から通信用受信機56に配信される。
図6は、緊急警報放送時に地上デジタル放送用受信機41を起動するフロー図である。
ステップ1(S1)で、スタジオ局11内のPSI生成部20において、緊急警報放送を行う1又は複数の地域コードがPMT内の緊急情報記述子に書き込まれる。
ステップ2(S2)で、この緊急情報記述子は他の制御情報と共に多重化部21において放送TS信号に多重化される。
ステップ3(S3)で、多重化された放送TS信号は通信回線58(図1参照)を介して各地域の地方局送信所31に配信され、受信復調された放送TS信号はPSI書換部72に入力される。
ステップ4(S4)で、PSI書換部72が備える照合部において、放送TS信号に多重化されているPMT内の緊急情報記述子の中に記録されている1又は複数の地域コード(識別子)と当該送信所に割り当てられた地域コード(識別子)が照合される。
一致する地域コードが存在した場合は、ステップ5(S5)で、放送TS信号に多重化された制御情報内の緊急放送用起動制御フラグを起動にして次段の伝送路符号化部32に送り、一致する地域コードが存在しない場合は、終了する。
ステップ6(S6)で、伝送路符号化部32においてTMCC信号内の緊急放送用起動制御フラグをオフからオンに変えて当該地域に向けて放送する。
ステップ7(S7)で、当該地域内の受信機41はTMCC信号内の緊急放送用起動制御フラグを監視して、オンの場合は受信機を自動的に起動させる。
以上のプロセスにより、指定された1又は複数の地域の受信機のみ緊急放送用起動制御フラグにより自動起動させることができる。
以上のように、本実施例では、PMT内の緊急情報記述子に記載された1又は複数の地域コードと自送信所に割り当てられた地域コードを照合して一致している場合はデジタル放送信号のTMCC信号内の緊急放送用起動制御フラグを起動にして放送し、当該地域内の受信機を自動起動させることができる。ここで、地域コードは、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付けられた識別子である。
−実施例3−
図7は、実施例3に係るデジタル放送システムの構成を示す。図7に示すデジタル放送システム2は、図1の通信配信局61、地方局送信所31の受信アンテナ71及び通信用受信機56で構成される配信ネットワークの代わりに、マイクロ波送受信システム(STL:スタジオ−送信所間中継装置)(以下、「STL」ということがある。)を使用する場合を示す。
つまり、図1の通信配信局61の代わりにSTL送信部82、地方局送信所31の受信アンテナ71と通信用受信機56の代わりにSTL受信部83で構成され、STL送信部82は、マイクロ波送受信アンテナ84とマイクロ波送受信機85を備え、STL受信部83は、マイクロ波送受信アンテナ86とマイクロ波送受信機87を備える。
本実施例では、スタジオ設備予備系81Bで制作された放送TS信号は、STL送信部82に供給され、マイクロ波送受信機85においてマイクロ波デジタル変調信号に変換された後、マイクロ波送受信アンテナ84から地方局送信所31に運び込まれたSTL受信部83に伝送される。
STL受信部83のマイクロ波送受信アンテナ86で受信された信号は、マイクロ波送受信機87において復調され、PSI書換部72に供給される。
本実施例では、激甚災害時に特に需要が高まる衛星通信システムを使用することなしに、実施例1と同様な効果を得ることができる。
−変形例−
実施例2のSTLの代わりに、光ファイバー通信システムなど衛星通信システム以外の通信システムを使用してもよい。
−実施例4−
図8は、実施例4に係るデジタル放送システムの構成を示す。図8に示すデジタル放送システム3では、スタジオ局11に非常用バックアップとして放送TS信号圧縮装置73が通信配信局61の前段に、地方局送信所31には放送TS信号伸長装置74が通信用送受信機56の後段にそれぞれ配置される。本実施例では、放送TS信号を伝送する代わりに、無効パケットを削除してビットレートを圧縮した放送TS信号である圧縮放送TS信号を伝送する。
放送TS信号は、6MHz帯域幅の国ではビットレートの値が、32.50…Mbps(8MHz帯域幅の国では43.34…Mbps)に規定されており、このビットレートに合わせるように、無効パケットが放送TS信号に挿入される。無効パケット信号は情報を伝送していないため送信所に伝送しなくても放送業務に支障は生じない。無効パケットを削除した伝送ビットレートは、フルセグ・プラス(+)・ワンセグの場合約21Mbps(6MHz帯域幅の場合)になるため、大幅なビットレートの削減ができる。
全国向け制作編集局11のスタジオ設備81で制作された放送TS信号は、放送TS信号圧縮装置73において放送TS信号から無効パケットが削除されて圧縮放送TS信号が生成される。一方、地方局送信所31に伝送された圧縮放送TS信号は、放送TS信号伸長装置74において圧縮放送TS信号に無効パケットが再度挿入されて規定のビットレートに合わされる。
図9は、放送TS信号と圧縮放送TS信号の構成を示す。必要パケット121と無効パケット122で構成される放送TS信号は、スタジオ局11内の多重化部21と地方局送信所31内の伝送路符号化部32(図7参照)のインターフェースを統一化するために、信号の伝送速度を放送波の任意の伝送パラメータ設定に対して一定の伝送速度(例えば、6MHz放送帯域の場合、32.50… Mbps、8MHz放送帯域の場合、43.34…Mbps)に設定されている。このため、必要パケット121に無効パケット122を追加して伝送速度を合わせている。従って、無効パケット122は、放送TS信号配信回線28を介して伝送する必要はなく、地方局送信所31において伝送路符号化部32の前段において再生すればよい。
図9下段は、放送TS信号圧縮装置73(図8参照)の出力端の信号である圧縮放送TS信号を示し、無効パケット122が削除された状態で伝送される。無効パケット122の挿入位置は、放送波の伝送パラメータにより、一位的に決定されるため、送信所31に備えられる放送TS信号伸長装置74において挿入位置情報なしで再度挿入することができる。従って、放送TS信号伸長装置74から伝送路符号化部32に供給される信号は放送TS信号121となる。
このように、放送TS信号圧縮装置73と放送TS信号伸長装置74を使用することにより、所定の効果を損ねることなく放送TS信号伝送回線28における所要帯域幅を圧縮することができる。
本実施例では、衛星回線58を介して伝送される圧縮放送TS信号のビットレートは21Mbps強(6Mhz帯域幅の場合)となり、所要衛星通信回線帯域幅を大幅に削減することが可能となる。これに伴って所要送信電力の削減も可能となる。
また、本実施例において、衛星回線58を介して伝送される信号は圧縮放送TS信号であるが、送り側のスタジオ設備予備系81の出力端及び受信側のPSI書換部72の入力端における信号形式は放送TS信号であるため、既存設備との信号インターフェース規格は実施例1の場合と同じである。
以上、説明したように、本実施例では、必要な通信容量を大幅に削減することが可能であり、更なる所要通信回線帯域幅の削減が可能となる。
また、所要送信電力を削減することができるので、削減された帯域幅、電力を、通信衛星によるニュース素材収集(Satellite News Gathering)を行なうSNG地上局など別の設備運用に割り当てることができる。
−実施例5−
図10は、実施例5に係るデジタル放送システムの構成を示す。図10に示すデジタル放送システム4は、放送TS信号に対しての、フレーム同期処理、PID検出処理、クロック再生処理等のトランスポートストリーム信号処理機能を共に有している放送TS信号伸長装置74とPSI書換部72(図8参照)の機能を統合して、これら共通の回路機能を共有化又は一体化し、回路の削減を図っている。
具体的には、放送TS信号伸長装置74とPSI書換部72(図10参照)の代わりに、両装置を一体化した放送TS信号伸張・PSI書換装置75が地方局送信所31に備えられている。その他の構成は、デジタル放送システム3(図8参照)と同じである。
本実施例では、地方局送信所31に伝送された圧縮放送TS信号は、放送TS信号伸張・PSI書換装置75において圧縮放送TS信号に再度無効パケットが挿入されて規定のビットレートに合わされ、更に、当該地方局に割り当てられたID番号に書き換えられる。
図11は、放送TS信号伸張・PSI書換装置75の詳細構成を示す。放送TS信号伸張・PSI書換装置75は、TSクロックを再生しTSパケットを抽出するTS入力インターフェイス部111、TS入力インターフェイス部111の後段に接続されて放送TS信号のパケットの種別を検出するPID検出部112、PID検出部112の後段に接続されて放送TSの復元に必要なデータを抽出する放送TS抽出部113、放送TS抽出部113の後段に接続されて無効パケットを挿入する無効パケット挿入部114、放送TS抽出部113の後段に接続されて放送TS信号のデータから放送TSクロックを再生する放送TSクロック再生部115を備える。
更に、当該地方局のID番号(NIT)などの番組特定情報を記憶しておくPSI記憶部116、無効パケット挿入部114の後段に接続されてPSI記憶部116に記憶された当該地方局のID番号などの番組特定情報を書き換えるPSI書換部117、PSI書換部117の後段に接続されてリードソロモン誤り訂正符号(RSECC)を再計算するRSECC部118、RSECC生成部118の後段に接続されたTS出力インターフェイス部119を備える。
TS入力インターフェイス部111において抽出されたTSクロックはPID検出部112及び放送TS抽出部113の各ブロックにそれぞれ供給される。また、放送TSクロック再生部115において再生されたTSクロックは無効パケット挿入部114、PSI書換部117、RSECC生成部118及びTS出力インターフェイス部119の各ブロックにそれぞれ供給される。
ここで、TS入力インターフェイス部111、PID検出部112、RSECC生成部118、TS出力インターフェイス部119は、放送TS信号伸長装置74とPSI書換部72に共通しているので、放送TS信号伸張・PSI書換装置75として一体化することによって装置を簡易化することができ、安価になる。
以下、図11を参照しながら、放送TS信号伸張・PSI書換装置75の動作を説明する。
図11において、スタジオ局11の放送TS信号圧縮装置73(図10参照)によって無効パケットを削除し、伝送用TSに変換され、衛星回線58を介して地方局送信所31に伝送された圧縮放送TS信号は、放送TS信号伸張・PSI書換装置75のTS入力インターフェイス部111に入力され、TSクロックの再生及びTSパケットの抽出が行われる。更に、PID検出部112においてPIDを監視してパケットの種別が検出される。放送TS抽出部113において放送TSの復元に必要なデータが抽出される。抽出された放送TS信号のデータから放送TSクロック再生部115においてクロックが生成され、このクロックに従って無効パケット挿入部114において無効パケットが挿入される。
無効パケット挿入部114の出力は、リードソロモン誤り訂正符号パリティを除き、伸張後の放送TS信号が復元されている。この放送TS信号の番組特定情報を書き換え、RSECC部118においてリードソロモン誤り訂正符号パリティが計算し直され、パリティが付け直され、当該放送区域の放送TS信号が完成する。そして、完成した当該放送区域放送TS信号が出力され、次段の伝送路符号化部32(図9参照)に供給される。
以上、説明したように、本実施例では、実施例3と同様な効果を得ることができるとともに、更なる回路機能の削減が可能となる。そして、回路を削減した分だけ送信所に設置する機器費用及び設置容積を削減することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明の構成及び上記説明に記載されていないその他のシステム構成や、放送プログラム制作や放送TS信号生成のバックアップ方法、放送TS信号及び圧縮放送TS信号の伝送放送、番組特定情報の書き換え方法等についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づいて種々の変形、修正、改良を加えて実施できる。本発明は、異なる地域向けデータ放送コンテンツとして災害情報などの緊急警報に関する内容を含むが、これに限定されない。
1,2,3,4 デジタル放送システム
11 スタジオ局
14 スイッチャ
20 PSI生成部,番組特定情報生成部
22 データ放送制作送出部
21 多重化部
28 放送TS信号配信回線
31,31A,…,31N 地上波デジタル放送用送信所,地方局送信所,送信所
32 伝送路符号化部
33 デジタル変調部
37 送信部
38 送信アンテナ
41,41A,…,41N 地上デジタル放送用受信機,受信機
51 放送TS信号
56 通信用受信機,受信部
58 通信回線,衛星回線
61 通信配信局
62 通信用送受信アンテナ
63 通信用送受信機
71 受信アンテナ
72,117 PSI書換部,番組特定情報書換部
73 放送TS信号圧縮装置
74 放送TS信号伸長装置
75 放送TS信号伸張・PSI書換装置
81 スタジオ設備
82 STL送信部
83 STL受信部
84,86 マイクロ波送受信アンテナ
85,87 マイクロ波送受信機
101,116 PSI記憶部
102,112 PID検出部
103 NIT書換部
104 PAT書換部
105 PMT書換部
106A,106B,106C CRC32生成部
107 パケット選択部
108,118 RSECC部
111 TS入力インターフェイス部
113 放送TS抽出部
114 無効パケット挿入部
115 放送TSクロック再生部
119 TS出力インターフェイス部

Claims (9)

  1. トランスポートストリーム形式の放送信号(本特許請求の範囲において、以下「放送TS信号」という。)を生成するスタジオ局と、通信回線を介して配信された前記放送TS信号を受信し、地上波デジタル放送信号に変換して所定の無線周波数で当該放送区域の地上波放送用受信機に送信する地上波デジタル放送用送信所を備えるデジタル放送システムであって、
    前記スタジオ局が、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を生成するデータ放送制作送出部と、前記データ送信用信号を含む信号と番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成する多重化部を、
    前記地上波デジタル放送用送信所が、前記放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部を
    それぞれ有し、前記放送TS信号を異なる地上波放送区域に放送可能にしたデジタル放送システム。
  2. 前記スタジオ局が、番組特定情報に緊急放送を行う1又は複数の地域の地域コードが入力される入力部を有し、
    前記地上波デジタル放送用送信所が、前記入力部に入力された地域コードを当該送信所に割り当てられた地域コードと照合する照合部と、一致する地域コードが存在する場合にはデジタル放送信号中の緊急放送用起動制御フラグを起動する起動部を有する請求項1記載のデジタル放送システム。
  3. 前記スタジオ局が、情報を伝送していないパケットを前記放送TS信号から削除して伝送速度を圧縮する放送TS信号圧縮装置を、
    前記地上波デジタル放送用送信所が、前記放送TS信号圧縮装置により圧縮された圧縮放送TS信号に前記パケットを挿入して、圧縮前の放送TS信号に伸長する放送TS信号伸長装置を
    それぞれ有する請求項1又は請求項2記載のデジタル放送システム。
  4. 放送TS信号を生成するスタジオ局と、通信回線を介して配信された前記放送TS信号を受信し、地上波デジタル放送信号に変換して所定の無線周波数で当該放送区域の地上波放送用受信機に送信する地上波デジタル放送用送信所を備えるデジタル放送システムであって、
    前記スタジオ局が、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を生成するデータ放送制作送出部と、前記データ送信用信号を含む信号と番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成する多重化部と、情報を伝送していないパケットを前記放送TS信号から削除し伝送速度を圧縮する放送TS信号圧縮装置とを、
    前記地上波デジタル放送用送信所が、前記放送TS信号圧縮装置により圧縮された圧縮放送TS信号に前記パケットを挿入して伸長し、該伸長された放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換える放送TS信号伸張・PSI書換部を
    それぞれ有することを特徴とするデジタル放送システム。
  5. 放送TS信号を地上波デジタル放送信号に変換して所定の無線周波数で当該放送区域の地上波放送用受信機に送信する地上波デジタル放送用送信所であって、
    異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を含む信号と番組特定情報が多重化された放送TS信号を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該送信所の当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部と
    を有することを特徴とする地上波デジタル放送用送信所。
  6. 放送TS信号を地上波デジタル放送信号に変換して所定の無線周波数で当該放送区域の地上波放送用受信機に送信する地上波デジタル放送用送信所に配置され、異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する放送地域の番組特定情報と関連付ける識別子が付与されたデータ送信用信号を含む信号と番組特定情報が多重化して生成された放送TS信号を前記放送地域に指定された番組特定情報に書き換えるPSI書換部であって、
    前記放送TS信号に組み入れられた前記放送地域の番組特定情報と関連付ける識別子と当該送信所に割り当てられた1又は複数の放送区域を識別する識別子を照合する照合部と、
    前記識別子が一致する場合には、デジタル放送信号中の前記放送地域の番組特定情報を放送するための起動制御フラグを起動する起動部と
    を有することを特徴とするPSI書換部。
  7. 異なる地域向けデータ放送コンテンツに該コンテンツを放送する地域の番組特定情報と関連付ける識別子を付与してデータ送信用信号を生成するステップと、
    前記データ送信用信号を含む信号と番組特定情報を多重化して放送TS信号を生成するステップと、
    前記ステップで生成された放送TS信号を通信回線を介して地上波デジタル放送用送信所に配信するステップと、
    前記地上波デジタル放送用送信所に配信された放送TS信号に含まれる番組特定情報を当該放送区域に指定された番組特定情報に書き換えるステップと、
    前記ステップで書き換えられた放送TS信号を地上波デジタル放送信号に変換するステップと
    を含むデジタル放送方法。
  8. 前記地上波デジタル放送用送信所に配信する放送TS信号から、情報を伝送していないパケットを削除して伝送速度を圧縮するステップと、
    前記ステップで圧縮された放送TS信号に前記パケットを挿入して、圧縮前の放送TS信号に伸長するステップと
    を含む請求項7記載のデジタル放送方法。
  9. スタジオ局において、1又は複数の地域の地域コードが入力された番組特定情報が多重化されて放送TS信号が生成されるステップと、
    前記ステップにて生成された放送TS信号を地上波デジタル放送用送信所に配信するステップと、
    前記ステップにて配信された放送TS信号を受信した前記地上波デジタル放送用送信所が、前記放送TS信号に組み入れられた前記地域コードと当該送信所に割り当てられた地域コードを照合し、一致する地域コードが存在する場合には地上波デジタル放送信号中の緊急放送用起動制御フラグを起動するステップと
    を含むデジタル放送方法。
JP2015198091A 2015-10-05 2015-10-05 デジタル放送システム及びデジタル放送方法 Pending JP2017073619A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015198091A JP2017073619A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 デジタル放送システム及びデジタル放送方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015198091A JP2017073619A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 デジタル放送システム及びデジタル放送方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017073619A true JP2017073619A (ja) 2017-04-13

Family

ID=58538403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015198091A Pending JP2017073619A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 デジタル放送システム及びデジタル放送方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017073619A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018207206A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 Nttエレクトロニクス株式会社 メディアデータ伝送装置、パケット生成方法及びパケット復元方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018207206A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 Nttエレクトロニクス株式会社 メディアデータ伝送装置、パケット生成方法及びパケット復元方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100495545B1 (ko) 수신시스템 및 디지털 방송시스템
KR100566269B1 (ko) 디지털 멀티미디어 방송시스템에서 광역방송과 지역방송을 동시에 서비스하는 장치 및 방법과 그 방송 수신 단말기
KR20040101202A (ko) 디지털 오디오 신호를 식별하는 방법 및 장치
US11178438B2 (en) Broadcast signal transmitting/receiving device and method
US20240048805A1 (en) Display controlling method, time controlling method, time managing method, and broadcast receiving apparatus
JP2002057998A (ja) デジタル放送システム、デジタル放送送信装置、及びデジタル放送受信装置
US7779442B1 (en) Information distribution system
JP2017073619A (ja) デジタル放送システム及びデジタル放送方法
KR20120077761A (ko) Dvb-t2/s2/c2 방송시스템을 위한 융합형 다중화기 및 가변 수신기
JP3901106B2 (ja) 受信装置およびその設定方法
WO2015186199A1 (ja) デジタル放送システム及びデジタル放送方法
JP7134867B2 (ja) 受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法
WO2018088223A1 (ja) 受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法
KR100547811B1 (ko) 디지털 방송시스템에서의 부가방송 서비스 방법 및 장치
JP5593193B2 (ja) 放送サービスの送信装置、受信装置及びそのプログラム
JP3991307B2 (ja) デジタルデータの送信装置ならびに受信装置
KR200434082Y1 (ko) 유.무선디지털 방송 단말기를 위한 양방향 디지털 방송데이터 자동 처리장치
JP5717547B2 (ja) 放送サービスの受信装置及びそのプログラム
JP2015015531A (ja) デジタル放送システム及びデジタル放送方法
JP2007096980A (ja) 無線中継システム、中継送信装置、及び中継監視方法
JPH11284963A (ja) 放送波に関する情報供給方法と放送波を受信する受信装置
JP4135241B2 (ja) 信号処理装置
JP5622475B2 (ja) 放送サービスの送信装置、受信装置及びそのプログラム
JP4329144B2 (ja) 送信装置、受信装置及び番組の伝送方法
JP5593192B2 (ja) 放送サービスの送信装置、受信装置及びそのプログラム