JP2017072321A - 給水加熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】給水加熱器の高性能化を実現可能でありながら、よりコンパクトで設置面積の少ない構造にする。【解決手段】実施形態による給水加熱器は、蒸気タービンから抽気された蒸気が導入される蒸気入口座16を有する本体胴12と、給水の入口座18と給水の出口座19とを有する水室14と、本体胴12の内部で長手方向に配置される、U字伝熱管の集合体からなるU字伝熱管群を有し、前記U字伝熱管内を流れる給水とU字伝熱管の外側を流れる蒸気との間で熱交換を行う凝縮部20と、蒸気入口座16と接続され、蒸気入口座16から導入される過熱蒸気の有する顕熱をU字伝熱管から導出された給水に与える過熱戻し部22と、凝縮部20で水蒸気から凝縮したドレンの有する顕熱をU字伝熱管に導入する前に給水に与えるドレン冷却部24と、を備えている。さらに、過熱戻し部22およびドレン冷却部24は、金属材料からなるブロック体であって、熱交換対象の流体が流れる微細な多数の流体通路を有する熱交換ブロック30、36を備えている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、発電プラントに使用される給水加熱器に関する。
火力発電プラントや原子力発電プラントでは、プラントの熱効率向上のために給水加熱器が設置されている。給水加熱器は、蒸気タービンから抽気された蒸気で給水を加熱し、ボイラに供給する熱交換器である。この種の給水加熱器には、蒸気タービンの低圧段から蒸気が抽気される低圧給水加熱器と、高圧段から蒸気が抽気される高圧給水加熱器と、がある。
一般に、この種の給水加熱器は、大きく分けると、水室と本体胴の二つの部分から構成されている。水室には、給水入口座と給水出口座が設けられ、本体胴の内部では、凝縮部、過熱戻し部、ドレン冷却部といった3つの熱交換部が機能別に構成されている。このうち、凝縮部は、給水と蒸気との間で熱交換を行い、給水の温度を上げるメインとなる熱交換器である。過熱戻し部は、蒸気入口座から流入した過熱蒸気の顕熱で給水を加熱する熱交換器であり、ドレン冷却部は、ドレンと給水の間で熱交換を行い、ドレンの温度を下げる熱交換器である。従来の給水加熱器では、いずれの熱交換器もチューブ式の熱交換器として構成されている。このような給水加熱器に係る従来技術としては、例えば、特許文献1に開示されているものを挙げることができる。
大規模発電プラントで用いられる高圧給水加熱器ともなると、本体胴の内部の大部分を占めるU字形の伝熱管群は大型化し、外径が2m程度、全長は10mを超え、重量は100トンクラスの大型構造物である。
また、高圧給水加熱器には、付属する周辺機器、設備として、多様な配管、バルブ、ケーブル、電線等が設けられる他、それらの支持構造物や柱が縦横に設置される。高圧給水加熱器は、発電プラントのタービン建屋内に設置されるが、タービン建屋内でも大きな面積を専有しているのが現状である。
近年、発電プラントでは、発電効率の向上が進展し、それを受けて、高圧給水加熱器でも高性能化の要求が高くなってきている。例えば、高圧給水加熱器では、耐圧性能を向上させるために、伝熱管のチューブをより肉厚にしたり、伝熱特性を向上させるために、様々な改良が加えられている。そのため、高圧給水加熱器の構造はより複雑になってきている。
また、発電プラントでは、福島第1原子力発電所の事故を受けて、地震等の災害に対するリスクを可能な限り低減させる対策が厳しく要求されるようになってきている。このような趨勢のもとでは、高圧給水加熱器はますます大型化が進む傾向があり、タービン建屋で占める高圧給水加熱器の占有面積の割合は年々増加しているのが現状である。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、高性能化を実現可能でありながら、よりコンパクトで設置面積の少ない構造にすることが可能な給水加熱器を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の実施形態による給水加熱器は、蒸気タービンから抽気された蒸気が導入される蒸気入口座を有する本体胴と、給水の入口座と給水の出口座とを有する水室と、前記本体胴の内部で長手方向に配置される、U字伝熱管の集合体からなるU字伝熱管群を有し、前記U字伝熱管内を流れる前記給水と前記U字伝熱管の外側を流れる蒸気との間で熱交換を行う凝縮部と、前記蒸気入口座と接続され、前記蒸気入口座から導入される過熱蒸気の有する顕熱を前記U字伝熱管から導出された給水に与える過熱戻し部と、前記凝縮部で水蒸気から凝縮したドレンの有する顕熱を前記U字伝熱管に導入する前に給水に与えるドレン冷却部と、を備え、前記過熱戻し部および前記ドレン冷却部は、金属材料からなるブロック体であって、熱交換対象の流体が流れる微細な多数の流体通路を有する熱交換ブロックを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、給水加熱器の高性能化を実現可能でありながら、よりコンパクトで設置面積の少ない構造にすることができる。
以下、本発明を高圧給水加熱器に適用した実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態による高圧給水加熱器の概要を示す図である。この高圧給水加熱器10は、発電プラントに設置され、プラントの熱効率を高めるため給水を加熱する熱交換器である。高圧給水加熱器10には、発電機を回転する蒸気タービンの高圧段落から抽気された蒸気が導かれる。高圧給水加熱器10は、この蒸気と給水との間で熱交換を行い、加熱した給水をボイラに供給する。
図1は、本発明の実施形態による高圧給水加熱器の概要を示す図である。この高圧給水加熱器10は、発電プラントに設置され、プラントの熱効率を高めるため給水を加熱する熱交換器である。高圧給水加熱器10には、発電機を回転する蒸気タービンの高圧段落から抽気された蒸気が導かれる。高圧給水加熱器10は、この蒸気と給水との間で熱交換を行い、加熱した給水をボイラに供給する。
図1に示されるように、高圧給水加熱器10の本体は、大きく分けると、円筒形の本体胴12と、水室14の2つの部分から構成されている。本体胴12と水室14とは、隔壁15によって仕切られている。本体胴12には、図示しない蒸気タービンの高圧段落から抽気した蒸気が導入される蒸気入口座16と、熱交換が終わって凝縮したドレンを導出するためのドレン出口座17が設けられている。水室14は、隔壁14aにより二つの水室に区画され、給水が導入される給水入口座18が下部に設けられ、熱交換が終わって加熱された給水が導出される給水出口座19は上部に設けられている。
本体胴12の内部には、熱交換機能の上から区別される、凝縮部20、過熱戻し部22、ドレン冷却部24からなる3つの熱交換部が構成されている。
凝縮部20は、本体胴12の内部で最も大きな部分を占め、給水を加熱する上で主要な熱交換機能を果たす熱交換部である。本体胴12の内部には、図1では1本しか描かれ移いないが、実際には多数のU字伝熱管25が長手方向に配置されている。凝縮部20は、これら多数のU字伝熱管25が、図示されない伝熱管支え板によって集束された伝熱管群からなるチューブ式の熱交換器である。U字伝熱管25の管内には給水が流れ、U字伝熱管25の外側を流れる蒸気との間で熱交換が行われ、管内の給水が加熱される。蒸気は、熱交換の過程で凝縮して潜熱を放出すると、本体胴12内部で最終的にドレンになる。このようにして、凝縮部20では、蒸気から水に変わるときの放出する潜熱を利用して給水を加熱する。凝縮部20を出た給水は、加熱戻し部22によってさらに温度が高められる。
凝縮部20は、本体胴12の内部で最も大きな部分を占め、給水を加熱する上で主要な熱交換機能を果たす熱交換部である。本体胴12の内部には、図1では1本しか描かれ移いないが、実際には多数のU字伝熱管25が長手方向に配置されている。凝縮部20は、これら多数のU字伝熱管25が、図示されない伝熱管支え板によって集束された伝熱管群からなるチューブ式の熱交換器である。U字伝熱管25の管内には給水が流れ、U字伝熱管25の外側を流れる蒸気との間で熱交換が行われ、管内の給水が加熱される。蒸気は、熱交換の過程で凝縮して潜熱を放出すると、本体胴12内部で最終的にドレンになる。このようにして、凝縮部20では、蒸気から水に変わるときの放出する潜熱を利用して給水を加熱する。凝縮部20を出た給水は、加熱戻し部22によってさらに温度が高められる。
過熱戻し部22は、蒸気入口座16と接続され、蒸気入口座16から流入した蒸気はまず過熱戻し部22に導入される。このとき過熱戻し部22に流入してくる蒸気は、飽和温度よりも温度の高い過熱蒸気となっている。過熱戻し部22は、過熱蒸気のもっている顕熱を給水に与えて、U字伝熱管25に送る給水の温度を高めるための熱交換器である。過熱戻し部22での伝熱形態は、凝縮のような相変化を伴わない点で凝縮部20とは異なっている。過熱戻し部22で顕熱を放出してほぼ飽和蒸気となった蒸気は、出口部27から凝縮部20に配列しているU字伝熱管群のU字伝熱管25の隙間を流れるようになっている。
次に、ドレン冷却部24は、凝縮部20での熱交換過程で凝縮して本体胴12の下部に溜まったドレンと給水との間で熱交換を行う熱交換器である。
ドレンは、水温も高く、その量も大きい。ドレン冷却部24は、ドレンの有する顕熱を凝縮部20に送る前の給水に与えることで、給水の温度を高め、逆にドレンを冷却する熱交換器である。ドレン冷却部24では、水室14から導入口37を介して流入してくる給水は、ドレン冷却部24で予熱されてから凝縮部20に導入されることになる。このようなドレン冷却部24での伝熱形態は、過熱戻し部22と同様に、凝縮のような相変化を伴わない伝熱形態である。
従来の高圧給水加熱器においては、過熱戻し部22とドレン冷却部24にはU字伝熱管群のU字伝熱管25が延びるいわばチューブ式の熱交換器として構成されていた。
これに対して、本実施形態による高圧給水加熱器10では、過熱戻し部22とドレン冷却部24は、いずれも伝熱管を用いる替わりに、以下のような立体構造をもつ熱交換ブロックを適用したブロック式の熱交換器として構成されている。
これに対して、本実施形態による高圧給水加熱器10では、過熱戻し部22とドレン冷却部24は、いずれも伝熱管を用いる替わりに、以下のような立体構造をもつ熱交換ブロックを適用したブロック式の熱交換器として構成されている。
図1に示されるように、過熱戻し部22では、熱交換器ケーシング28の中に熱交換ブロック30が収容されている。熱交換器ケーシング28には、蒸気入口座16と連通している過熱蒸気入口部31が設けられている。また、熱交換器ケーシング28には、U字伝熱管25の端部(この場合、給水の出口側)と接続される給水導入部32が設けられている。過熱戻し部22で過熱された給水は、給水出口部33から水室14に導出される。
同様に、ドレン冷却部24でも、熱交換器ケーシング34の中に熱交換ブロック36が収容されている。熱交換器ケーシング34は、給水導入部37を介して水室14と接続されている。また、熱交換器ケーシング34には、U字伝熱管25の端部(この場合、給水の入口側)と接続される給水出口部38が設けられている。ドレン冷却部24での熱交換によって昇温した給水は、給水出口部38から凝縮部20のU字伝熱管群に導出される。
ここで、図2は、過熱戻し部22、ドレン冷却部24に適用される熱交換ブロックを模式的に示す図である。過熱戻し部22、ドレン冷却部24のいずれにも、以下に説明する同じ構造の熱交換ブロックを伝熱管の替わりになる熱交換エレメントとして適用することができる。
この熱交換ブロックは、立方体、直方体などの立体形状を有する、金属材料からなるブロック体である。金属材料は、具体的には、U字伝熱管25の材料に用いられる、SCMV鋼、SUS304L鋼、SUS316鋼などを用いることができる。
熱交換ブロックには、流体の流路となる第1の貫通孔40が一方向(水平方向)に延びるように多数形成されている。これらの第1貫通孔40は、立方体の向かい合う一方の面から他方の面まで貫通するようになっている。また、熱交換ブロックには、別の流体通路として、第1貫通孔40とは直角の方向(鉛直方向)に延びる第2の貫通孔42が多数形成されている。この第2貫通孔42も、立方体のもう一組の向かい合う一方の面から他方の面まで貫通するようになっている。
図2では、説明の便宜上から、第1貫通孔40、第2貫通孔42ともブロックの大きさに比べて大きく概念的に表しているが、実用上は孔径が1〜10mm、好ましくは1〜6mmの微細な角孔若しくは丸孔である。第1貫通孔40、第2貫通孔42は、いずれも独立した(交わることのない)1本ずつの孔である。また、第1貫通孔40、第2貫通孔42は一定の間隔で3次元的に配列しており、孔のピッチ(隣り合う孔の中心間距離)は、目標とする熱交換性能に応じて、例えば、2〜10mmの範囲内で設定することが好ましい。
以上のような熱交換ブロックを図1に示した過熱戻し部22、ドレン冷却部24に適用すると、図3、図4のように、熱交換ブロック内の第1貫通孔40、第2貫通孔42を蒸気、給水が流れることになる。
ここで、図3は、過熱戻し部22の熱交換ブロック30における蒸気、給水の流れを示す図である。過熱戻し部22の場合、給水は第1貫通孔40を流れ、過熱蒸気が第2貫通孔42を流れるように、熱交換ブロック30に導入される。熱交換ブロック30では、過熱蒸気が有する顕熱は、熱交換ブロック30の本体材料を伝導して給水に与えられる。
本実施形態による熱交換ブロック30では、流体の流れる第1貫通孔40および第2貫通孔42は、孔径が数mmの狭隘な微細流路が無数に形成される構造になっており、いわゆるマイクロチャネル化された熱交換器構造が構成されている。
本実施形態による熱交換ブロック30では、流体の流れる第1貫通孔40および第2貫通孔42は、孔径が数mmの狭隘な微細流路が無数に形成される構造になっており、いわゆるマイクロチャネル化された熱交換器構造が構成されている。
このような熱交換ブロック30では、微細化した流路を単純化したブロック構造の中に無数に設けることで、ブロック単位体積あたりの伝熱面積が格段に増大するので、従来のチューブ式の熱交換器に比べて熱交換効率を大きく向上させることができる。逆に、従来のチューブ式の熱交換器と同等以上の熱交換効率の熱交換ブロック30に代替することで、過熱戻し部22をコンパクトに小型化することができる。
次に、図4は、ドレン冷却部24の熱交換ブロック36における蒸気、給水の流れを示す図である。ドレン冷却部24の場合、給水が第1貫通孔40を流れ、ドレンが第2貫通孔42を流れるように、熱交換ブロック36に導入される。熱交換ブロック36では、ドレンが有する顕熱は、熱交換ブロック36の本体材料を伝達して給水に与えられる。
次に、図4は、ドレン冷却部24の熱交換ブロック36における蒸気、給水の流れを示す図である。ドレン冷却部24の場合、給水が第1貫通孔40を流れ、ドレンが第2貫通孔42を流れるように、熱交換ブロック36に導入される。熱交換ブロック36では、ドレンが有する顕熱は、熱交換ブロック36の本体材料を伝達して給水に与えられる。
このような熱交換ブロック36においても、微細化した流路を単純化したブロック構造の中に無数に設けることで、ブロック単位体積あたりの伝熱面積が格段に増大するので、従来のチューブ式の熱交換器に比べて熱交換効率を大きく向上させることができる。また熱交換ブロック36に代替することで、ドレン冷却部24をコンパクトに小型化することができる。
以上のように本実施形態によれば、過熱戻し部22とドレン冷却部24を微細な流路が形成されたブロック式の熱交換器で置き換えることにより、高圧給水加熱器全体を小型化し、タービン建屋に占める高圧給水加熱器の占有面積の小さくすることが可能になる。
以上のように本実施形態によれば、過熱戻し部22とドレン冷却部24を微細な流路が形成されたブロック式の熱交換器で置き換えることにより、高圧給水加熱器全体を小型化し、タービン建屋に占める高圧給水加熱器の占有面積の小さくすることが可能になる。
ところで、以上説明した熱交換ブロック30、36は、構造そのものは単純な構造であるが、微細な第1貫通孔40、第2貫通孔42を加工することは、その数が非常に多くなるだけに、機械加工によって製作することは極めて困難である。
そこで、本実施形態による熱交換ブロックの製作について、以下説明する。
熱交換ブロックの造形には、レーザや電子ビームなどの高エネルギビームを利用した3次元積層造形法が利用され、いわゆる3Dプリンタを用いることにより、容易にかつ低コストでの製作が可能になる。
熱交換ブロックの造形には、レーザや電子ビームなどの高エネルギビームを利用した3次元積層造形法が利用され、いわゆる3Dプリンタを用いることにより、容易にかつ低コストでの製作が可能になる。
まず、図3、図4に示したような熱交換ブロックのCADデータを作成しておく。
素材には、高圧給水加熱器の伝熱管にも適用されている、例えば、SCMV3鋼が用いられる。このSCMV3鋼はガスアトマイズ法により、たとえば熱源をレーザとした場合は25〜45ミクロン、電子ビームとした場合は45〜105ミクロンの粉末として使用する。
素材には、高圧給水加熱器の伝熱管にも適用されている、例えば、SCMV3鋼が用いられる。このSCMV3鋼はガスアトマイズ法により、たとえば熱源をレーザとした場合は25〜45ミクロン、電子ビームとした場合は45〜105ミクロンの粉末として使用する。
造形装置には、例えばレーザ積層造形装置を用い、コンテナに造形粉末をリコータによって均一に敷き詰め、CADデータに基づいてレーザで走査して、造形材料を焼結、固化して、熱交換ブロックの一断面に相当する平面を形成する。そして、この操作を繰り返して積層していくことにより、熱交換ブロックの三次元形状を再現する。
このようにして、3次元積層造形法の適用により熱交換ブロックを造形すれば、第1貫通孔40および第2貫通孔42のように孔径が数mmの狭隘な流路が無数に形成される構造であっても、結局のところ一定のピッチで丸孔や角孔が三次元配列している単純な構造であるにすぎないため、CADデータに基づくレーザ走査を能率良く行い、熱交換ブロックを製作することができる。
以上説明した実施形態は、熱交換ブロックを単一のブロック体で構成した実施の形態である。熱交換ブロックが大型になると、3次元積層造形法による造形には非常な時間を要し、あるいは大きすぎて造形が困難になる可能性がある。その場合には、図5に示すように、適当な大きさの分割ブロック50の各々を3次元積層造形法により製作しておき、これらを、例えば凹凸を介し組み合わせて大きな熱交換ブロックを構成するようにすることも可能である。
次に、図6は、熱交換ブロックの複数個の単位ブロック60が連結継手62を用いて縦横に連結されるようにして熱交換ブロックを構成するようにした例である。この場合、各連結継手62は、同じ方向の貫通孔に流体が流れるように、隣り合う単位ブロック同士を連結するようになっている。
このように3次元積層造形法により製作可能な大きさの熱交換ブロックの単位ブロック60同士を連結継手で連結することによって、過熱戻し部22やドレン冷却部24をコンパクトにした上で必要な熱交換能力を得ることが可能である。
以上、本発明に係る給水加熱器について、高圧給水加熱器に適用した実施形態を挙げて説明したが、本発明は、低圧給水加熱器にも適用可能である。また、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
10…高圧給水加熱器、12…本体胴、14…水室、15…隔壁、16…蒸気入口座、17…ドレン出口座、18…給水入口座、19…給水出口座、20…凝縮部、22…過熱戻し部、24…ドレン冷却部、25…U字伝熱管、28…熱交換器ケーシング、30…熱交換ブロック、34…熱交換器ケーシング、36…熱交換ブロック、40…第1貫通孔、42…第2貫通孔、50…分割ブロック、60…単位ブロック、62…連結継手
Claims (8)
- 蒸気タービンから抽気された蒸気が導入される蒸気入口座を有する本体胴と、
給水の入口座と給水の出口座とを有する水室と、
前記本体胴の内部で長手方向に配置される、U字伝熱管の集合体からなるU字伝熱管群を有し、前記U字伝熱管内を流れる前記給水と前記U字伝熱管の外側を流れる蒸気との間で熱交換を行う凝縮部と、
前記蒸気入口座と接続され、前記蒸気入口座から導入される過熱蒸気の有する顕熱を前記U字管から導出された給水に与える過熱戻し部と、
前記凝縮部で水蒸気から凝縮したドレンの有する顕熱を前記U字伝熱管に導入する前に給水に与えるドレン冷却部と、を備え、
前記過熱戻し部および前記ドレン冷却部は、金属材料からなるブロック体であって、熱交換対象の流体が流れる微細な多数の流体通路を有する熱交換ブロックを備えたことを特徴とする給水加熱器。 - 前記熱交換ブロックは、3次元積層造形法により微細な流体通路を有する3次元構造が造形された熱交換ブロックであることを特徴とする請求項1に記載の給水加熱器。
- 前記熱交換ブロックの前記流体通路は、孔径1〜10mmのマイクロチャネルをなす貫通孔からなることを特徴とする請求項2に記載の給水加熱器。
- 前記貫通孔は、前記熱交換ブロックを一の方向に貫通するように所定のピッチで3次元的に配列された第1貫通孔と、前記熱交換ブロックを他の方向に貫通するように所定のピッチで所定のピッチで3次元的に配置された第2貫通孔と、からなり、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔は独立した孔であることを特徴とする請求項3に記載の給水加熱器。
- 前記過熱戻し部および前記ドレン冷却部では、それぞれ前記熱交換ブロックが立方体または直方体をなす単一の熱交換ブロックからなることを特徴とする請求項2に記載の給水加熱器。
- 前記熱交換ブロックは、複数に分割して造形された分割ブロックを一体に接合してなる熱交換ブロックであることを特徴とする請求項5に記載の給水加熱器。
- 前記過熱戻し部および前記ドレン冷却部では、それぞれ前記熱交換ブロックは複数の単位ブロックが相互に接続された熱交換ブロックからなることを特徴とする請求項2に記載の給水加熱器。
- 請求項1乃至7のいずれかの項に記載の給水加熱器を有することを特徴とする発電プラント。
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Cited By (1)
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JP2020046127A (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | トクデン株式会社 | 熱交換器及びその使用方法 |
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2015
- 2015-10-07 JP JP2015199611A patent/JP2017072321A/ja active Pending
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JP2020046127A (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | トクデン株式会社 | 熱交換器及びその使用方法 |
JP7217928B2 (ja) | 2018-09-20 | 2023-02-06 | トクデン株式会社 | 熱交換器及びその使用方法 |
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