JP2017066488A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着テープから気化したガスがワークとステージの間でガス溜まりとなることを防ぐ。【解決手段】成膜装置は、一面に粘着テープTが貼られたワークである半導体ウエーハWの他面に対してプラズマを用いて成膜を行う成膜装置である。成膜装置は、ウエーハWを加熱するステージ22と、ウエーハWの保持部である押上げピン263とを備える。押上げピン263は、ウエーハWを、ステージ22から所定距離離間した予備加熱位置において、粘着テープTが貼られた一面がステージ22と向かい合うように保持する。【選択図】図3

Description

本発明は成膜装置及び成膜方法に関する。
各種半導体装置の製造工程において、ウエーハやガラス基板等のワーク上に複数の膜を積層して形成することがある。複数の膜を形成する成膜装置として、複数の減圧可能なチャンバを備えた、いわゆるマルチチャンバタイプの成膜装置がある。各チャンバ内には成膜材料からなるターゲットを配置する。チャンバ内に不活性ガスを導入し、ターゲットに直流電圧を印加して不活性ガスをプラズマ化してイオンを生成し、このイオンをターゲットに衝突させる。ターゲットから叩き出された材料の粒子がワーク上に堆積することで成膜が行われる。
特開2010−126789号公報 特開2011−249608号公報
例えば、ワークが半導体ウエーハの場合に、近年の薄化(厚さ100μm以下)傾向により、ワークにおける成膜される面とは反対側の面には、成膜前に保護用の粘着テープが貼られることがある。ところが、成膜の際にワークは高温に曝されるため、粘着テープの揮発成分が気化してガスが発生する。このガスがプロセス雰囲気に取り込まれると、粘着テープの揮発成分がワーク上に酸化膜として成膜されることがある。これによって抵抗値が上昇し、ワークの半導体装置としての性能に影響を与える可能性がある。
そこで、成膜前にワークを予備加熱して予めガスを放出し、プロセス雰囲気に取り込まれないようにすることが考えられる。チャンバ内にはワークを載置するためのステージが備えられている。このステージにヒーターを取り付けて、成膜の前にステージを加熱することによって、ワークを予備加熱することができる。
ただし、ワークをステージに載置すると、ワークとステージの面が密着する。そのため、ワークに貼合された粘着テープから生じたガスの逃げ場がなく、ワークとステージの間にガス溜まりが生じた状態になる。ガス溜まりが生じたまま成膜を行うと、ワークにストレスがかかる。上述したように、ワークは薄化の傾向にあるため、ワークに割れが発生する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とし、ワークとステージの間のガス溜まりの発生を防ぎ、良好な成膜を行うことができる成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の成膜装置は、一面に粘着テープが貼られたワークの他面に対してプラズマを用いて成膜を行う成膜装置であって、前記ワークを加熱するステージと、前記ワークを、前記ステージから所定距離離間した予備加熱位置において、前記粘着テープが貼られた一面が前記ステージと向かい合うように保持する保持部と、を備える。
また、本発明の成膜方法は、一面に粘着テープが貼られたワークの他面に対してプラズマを用いて成膜を行う成膜方法であって、前記ワークを、当該ワークを加熱するステージから所定距離離間した予備加熱位置において、前記粘着テープが貼られた一面が前記ステージと向かい合うように保持する。
ワークを加熱するステージに対して、ワークを所定距離離間した予備加熱位置で保持することによって、粘着テープから気化したガスがワークとステージの間でガス溜まりとなることを防ぎ、良好な成膜を行うことができる。
半導体ウエーハの構成を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示す平面図である。 成膜室の構成を示す断面図である。 制御装置を示すブロック図である。 成膜室におけるウエーハの位置の移動を模式的に示す図であり、(a)は受取位置、(b)は予備加熱位置、(c)は成膜位置にウエーハが移動した状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る成膜装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 成膜室内部の圧力の推移を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る成膜装置の制御装置4を示すブロック図である。 成膜室の一部を示し、(a)は光電センサにより状態変化が検出されない場合を示す図であり、(b)は光電センサによる状態変化が検出される場合を示す図である。 本発明のその他の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示す平面図である。
[第1の実施形態]
[構成]
本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
以下の実施形態では、成膜対象のワークとして、図1に示すように半導体ウエーハ(以下、単に「ウエーハ」という)Wを使用する例を説明する。ウエーハWは、成膜工程の前に、表面に回路が形成され、裏面が研削される。近年では、高集積化に伴う薄化傾向により、ウエーハWは厚さ数十μmレベルまで研削される。成膜工程では、研削された裏面に膜を形成する。研削工程の前に、回路が形成された表面には粘着テープTが貼合される。ウエーハWの表面に粘着テープTを貼合するのは、表面に形成された回路を保護するためであり、また研削工程においてウエーハWの割れを防ぐためでもある。粘着テープTは、例えば、樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された構成とすることができる。研削工程後に、粘着テープTをウエーハWから剥離しても良いが、本実施形態では、剥離せずにそのまま成膜装置100に搬入する場合を説明する。
実施形態では、成膜装置100として、図2に示すマルチチャンバタイプの成膜装置100を例に挙げて説明する。マルチチャンバタイプの成膜装置100は、六角柱状の真空搬送室10を中心とし、真空搬送室10の各側面に沿って、複数のチャンバ2が配置された構成となっている。複数のチャンバ2の少なくとも一つは、ウエーハWに対して成膜を行う成膜室である。成膜室の数はウエーハWに形成する膜の数に応じて決定されるものであり、特定の数に限定されない。また、冷却室、加熱室、エッチング室等、成膜以外の処理を行う室を備えても良い。実施形態では、一例としてチャンバ2が5つの成膜室20a〜20eと1つのロードロック室30である場合を説明する。
なお、真空搬送室10の形状も六角柱状に限られず、必要とされる成膜室の数に応じた多角形状としても良く、あるいは円筒状としても良い。成膜装置100は、また、各室における処理の制御を行う制御装置4を有する。
ロードロック室30は、ウエーハWを成膜装置100の外部から搬入し、また成膜処理を終了したウエーハWを外部に搬出するための室である。ロードロック室30は、一方の側面が真空ゲート弁21を介して真空搬送室10に連結されている。真空ゲート弁21の開閉により、真空搬送室10に対して連通及び遮断を切り換えることができる。ロードロック室30の他方の側面には、大気ゲート弁32が取り付けられている。大気ゲート弁32の開閉により、成膜装置100の外部との連通及び遮断を切り換えることができる。ロードロック室30の内部には、搬入されたウエーハWを保持する不図示の保持部が設けられている。また、ロードロック室30には不図示の排気装置及び圧力計が設けられており、所望の圧力に減圧可能である。
真空搬送室10は、ロードロック室30に搬入されたウエーハWを各成膜室20a〜20eに搬入及び搬出するための室である。真空搬送室10の中心には、ウエーハWを搬送するためにロボット11が設置されている。ロボット11は複数のアーム部材を回動可能に継いだアーム12を有し、アーム12が接続されたベース部分13は旋回及び昇降動作が可能となっている。このアーム12をロードロック室30及び各成膜室20a〜20eの内部に伸ばして、各室からウエーハWを取り出して真空搬送室10の内部に搬入し、さらに他の室に搬入する。
複数の成膜室20a〜20eはそれぞれ、真空ゲート弁21を介して真空搬送室10に連結している。搬入及び搬出の際には、各成膜室20a〜20eに繋がる真空ゲート弁21を開放する。処理の際には真空ゲート弁21を閉じて、各室の内部を密閉する。各成膜室20a〜20eにおいて、ウエーハWに対して成膜を行う。各成膜室20a〜20eは、いずれも同様に構成しても良く、あるいは異なる構成としても良い。ここでは、成膜室20aの構造を、一例として図3に示す。
成膜室20aを構成するチャンバ2の底部付近に、ウエーハWが載置されるステージ22が設置されている。ステージ22は円盤状であり、成膜室20aの底面から延びるシャフト25に連結され支持されている。シャフト25は、チャンバ2の底面に気密に貫通し、外部に連通している。
ステージ22は、ヒーターテーブル23と、その上面に取り付けられた静電チャック機構24とから構成される。ヒーターテーブル23の内部には不図示のヒーターが内蔵されており、所望の温度に加熱可能である。このヒーターテーブル23により、ステージ22はウエーハWを加熱する加熱ステージとして作用する。ヒーターテーブル23の内部には、また、冷却液が供給される冷却液流路を形成しても良い。冷却液流路は、シャフト25の内部を通って、成膜室20aの外部に設けられた冷却液供給源に接続するようにしても良い。ヒーター及び冷却液流路を備えることによって、ウエーハWの加熱及び冷却が可能となる。
静電チャック機構24は、金属製のベース部材241とセラミック製の誘電体242から構成されている。誘電体242は例えば円盤状に形成される。ウエーハWはこの誘電体242の上面に載置される。誘電体242の内部に不図示の電極が設けられており、電極に電圧を印加すると、誘電体242の上面とその上に載置されたウエーハWとの間に静電気力が発生し、ウエーハWは誘電体242の上面に吸着固定される。
ヒーターテーブル23の内部のヒーター及び誘電体242の内部の電極に電力を供給するために、ケーブルがステージ22のシャフト25の内部を通されて、成膜室20aの外部に設けられた電力供給源(不図示)に接続されている。
チャンバ2の底部付近には、また、プッシャー機構26が設置されている。プッシャー機構26は、ロッド部261、テーブル部262及び押上げピン263から構成されている。
ロッド部261は、チャンバ2の底部を気密に貫通し、成膜室20aの外部で、シリンダ装置またはモーター等の不図示の駆動機構に連結される。その駆動機構の駆動により、ロッド部261は成膜室20aの内部で昇降する。
ロッド部261の上端にはテーブル部262が取り付けられている。テーブル部262は、例えば円盤状であり、ステージ22の下方で、ステージ22と略平行に配置されている。テーブル部262の中央には貫通孔が形成されている。その貫通孔を、ステージ22のシャフト25が挿通する。ロッド部261の昇降によってテーブル部262は、シャフト25に対して相対的に上下動する。
テーブル部262の上面に、垂直に立設する複数本の押上げピン263が設けられている。ステージ22には、成膜室20aの上下方向に貫通するガイド孔231が、押上げピン263の数だけ形成されている。各押上げピン263はこれらのガイド孔231を挿通する。テーブル部262の上下動に伴って各押上げピン263も上下動する。
これらの押上げピン263は、ウエーハWの保持部として、ロボット11によって真空搬送室10から搬入されたウエーハWを受け取って保持し、ステージ22上面まで搬送する。そのため、押上げピン263は、少なくともロボット11からウエーハWを受け取る位置(以降、「受取位置」という)まで上昇するように設定されている。また、押上げピン263は、少なくともステージ22の上面と同じ位置まで下降するように設定されている。ステージ22の上面が、ウエーハWに対して成膜を行う成膜位置である。なお、ウエーハWは粘着テープTが貼合された表面がステージ22と向かい合い、押上げピン263の上端部に接触するように載置する。
本実施形態では、受取位置と成膜位置であるステージ22の上面の間に、予備加熱位置が設けられている。ウエーハWは、ステージ22に載置されて成膜処理される際にも、ヒーターテーブル23によって加熱されるが、本実施形態ではステージ22へ載置する前に、ウエーハWをステージ22の上面から離した状態で加熱を行う。ステージ22の上面から離した状態での加熱を、「予備加熱」という。押上げピン263は受取位置からステージ22の上面まで下降する前に、予備加熱位置で所定時間停止する。押上げピン263が予備加熱位置で停止している間に、ステージ22を構成するヒーターテーブル23の熱でウエーハWの予備加熱を行う。詳しくは後述するが、予備加熱は、ウエーハWに貼合された粘着テープTの揮発成分を気化させ、チャンバ2から排気させるために行う。そのため、押上げピン263が予備加熱位置で停止する所定時間、すなわち予備加熱時間は、揮発成分が気化してチャンバ2から排気されるのに十分な時間とすると良い。予備加熱時間は、例えば、揮発成分の気化に掛かる時間を予め算出したり、実験で求めたりして決定すると良いが、例えば2分間とすることができる。
ヒーターテーブル23の予備加熱の温度は、揮発成分を気化させるために必要な温度で、かつ粘着テープTが溶けない程度の温度を予め算出したり、実験で求めたりして決定すると良い。あるいは、成膜処理を行う際の加熱温度と同じでも良い。予備加熱温度は、例えば100℃〜200℃とすることができる。押上げピン263が予備加熱位置に停止したタイミングで予備加熱温度に達するように、ヒーターテーブル23の加熱を開始するタイミングを決定することが望ましい。ヒーターテーブル23の性能にも依るが、例えば、ウエーハWを成膜室20aに搬入する前に、予めステージ22を加熱しておいても良い。
予備加熱位置は、ステージ22の上面から所定距離上方に離間した位置である。所定距離は、ウエーハWが反ってもステージ22の上面には接触せず、かつステージ22の熱がウエーハWに十分に伝わる距離とすると良い。所定距離は、ウエーハWの厚みやヒーターテーブル23の性能によって適宜決定することができるが、例えば、ステージ22の上面から上方に、2mm以上5mm未満離間した距離とすると良く、より好ましくは3mm離間した距離とすると良い。2mm未満だと、ウエーハWが反ってステージ22の上面に接触する可能性が高い。5mm以上だと、ステージ22の熱が十分に伝わらない可能性がある。
チャンバ2の上部には、スパッタ源27が配置されている。スパッタ源27は、ウエーハWに堆積されて膜となる成膜材料の供給源である。スパッタ源27は、ターゲット271、バッキングプレート272及び導電部材273から構成されている。
ターゲット271は、例えばチャンバ2の上面に取り付けられ、その表面がチャンバ2の底部付近に設置されたステージ22に対向するように配置されている。ターゲット271は成膜材料からなり、周知のあらゆる成膜材料を適用可能であるが、例えばチタン、シリコン等を使用することができる。ターゲット271の形状は、例えば、円柱形状である。但し、長円柱形状、角柱形状等、他の形状であってもよい。
バッキングプレート272は、ターゲット271のステージ22側とは反対側の面を保持する部材である。導電部材273は、チャンバ2の外部からバッキングプレート272を介してターゲット271に電力を印加する部材である。なお、スパッタ源27には、必要に応じてマグネット、冷却機構などが設けられている。
電源部28は、ターゲット271に電力を印加する構成部である。つまり、電源部28は、ターゲット271に電力を印加することにより、ターゲット271の周囲に導入されたスパッタガスをプラズマ化させ、成膜材料をウエーハWに堆積させる。本実施形態における電源部28は、例えば、高電圧を印加するDC電源である。なお、高周波スパッタを行う装置の場合には、RF電源とすることもできる。
成膜室20aを構成するチャンバ2には、不図示の排気装置と圧力計70が設けられている。成膜室20aは、排気装置によって常に排気され、所定の減圧状態になるように管理されている。そのため、予備加熱により気化した揮発成分は、排気装置によって、チャンバ2の内部の空気と共に成膜室20aの外部に排気される。
また、チャンバ2にはガス導入部29が設けられている。このガス導入部29から、成膜室20aの内部にスパッタガスを導入することができる。スパッタガスは、例えば、アルゴン等の不活性ガスを用いることができる。スパッタガスをチャンバ2の内部に導入して、電源部28からターゲット271に直流電圧を印加する。直流電圧の印加によってスパッタガスがプラズマ化し、イオンが発生する。発生したイオンがターゲット271に衝突すると、ターゲット271の材料粒子が飛び出す。飛び出した粒子がステージ22に載置されたウエーハWに堆積することで、ウエーハW上に薄膜が形成される。
制御装置4は、上述した真空搬送室10、ロードロック室30及び成膜室20a〜20eの各部を制御する装置である。この制御装置4は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成できる。制御装置4には、各部の制御内容がプログラムされており、PLCやCPUなどの処理装置により実行される。このため、多種多様な成膜仕様に対応可能である。
このような制御装置4の構成を、仮想的な機能ブロック図である図4を参照して説明する。すなわち、制御装置4は、機構制御部41、記憶部42、計時部43、設定部44、入出力制御部45を有する。
機構制御部41は、各室の機構を制御する処理部である。制御としては、例えば、大気ゲート弁32及び真空ゲート弁21の開閉制御、真空搬送室10のロボット11の動作制御、成膜室20aへのスパッタガスの導入および排気に関する制御、電源部28、ヒーターテーブル23の内部のヒーター及び電極に対する電力供給の制御、プッシャー機構26の制御等が挙げられる。特に、予備加熱の際に制御される内容としては、複数の押上げピン263の停止位置、停止時間、ヒーターの加熱タイミング、加熱温度及び加熱時間などが挙げられる。
記憶部42は、本実施形態の制御に必要な情報を記憶する構成部である。特に予備加熱の制御に関して、予備加熱位置の位置情報、予備加熱位置における停止時間、予備加熱におけるヒーターの加熱温度等を記憶する。機構制御部41は、記憶部42に記憶されたデータを参照して、各種制御を決定し、各部に対しての制御信号を生成する。設定部44は、外部から入力された情報を、記憶部42に設定する処理部である。
計時部43は、時間をカウントするタイマーである。機構制御部41は、記憶部42に記憶された予備加熱位置における停止時間と、計時部43でカウントされる時間を参照して、予備加熱を行う時間を制御する。
入出力制御部45は、制御対象となる各部との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
さらに、制御装置4には、入力装置46、出力装置47が接続されている。入力装置46は、オペレータが、制御装置4を介して成膜装置100を操作するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力手段である。上述した予備加熱位置の位置情報、停止時間、及びヒーターの加熱温度等のデータは、入力装置46から所望の値を入力することができる。
出力装置47は、装置の状態を確認するための情報を、オペレータが視認可能な状態とするディスプレイ、ランプ、メータ等の出力手段である。
[動作]
次に、本実施形態に係る成膜装置100の動作及び成膜方法について説明する。ロードロック室30の大気ゲート弁32を開けて、成膜装置100の外部からウエーハWをロードロック室30に搬入する。搬入は、例えば不図示の搬送手段等により行うと良い。このとき、ロードロック室30は大気圧下であり、真空搬送室10側の真空ゲート弁21は閉じられている。ウエーハWを搬入した不図示の搬送手段がロードロック室30から退避すると、大気ゲート弁32を閉める。続いて、ロードロック室30を排気して所定の圧力まで減圧する。減圧が完了すると、ロードロック室30の真空ゲート弁21を開け、真空搬送室10と連通させる。なお、真空搬送室10は、予め減圧されている。
真空搬送室10のロボット11のアーム12をロードロック室30に進入させる。ロボット11のアーム12によってウエーハWを保持して、真空搬送室10へ搬入する。搬入を完了すると、ロードロック室30と真空搬送室10を繋ぐ真空ゲート弁21を閉じる。
次に、ロードロック室30に隣接する成膜室20aの真空ゲート弁21を開けて、ウエーハWを保持したロボット11のアーム12を成膜室20aに進入させる。図5(a)に示すように、成膜室20aのプッシャー機構26は、アーム12の進入のタイミングに合わせて、複数の押上げピン263を受取位置まで上昇させる。アーム12は保持しているウエーハWを、押上げピン263の上端部に載置する。このとき、ウエーハWの粘着テープTが貼り付けられた面を下側にして、押上げピン263の上端部に接触するように載置する。載置後、アーム12を成膜室20aから退避させ、真空搬送室10と成膜室20aを繋ぐ真空ゲート弁21を閉じる。
真空ゲート弁21を閉じると、プッシャー機構26を動作させて押上げピン263を降下させる。図5(b)に示すように、押上げピン263を予備加熱位置で停止させる。押上げピン263が予備加熱位置に停止したときにヒーターテーブル23が予備加熱温度に達するように、成膜室20aのヒーターテーブル23は予め加熱しておく。予備加熱位置において押上げピン263に保持されたウエーハWは、ヒーターテーブル23によって加熱される。
制御装置4は、計時部43を参照して、押上げピン263が予備加熱位置で停止してから、所定の予備加熱時間、例えば2分間をカウントする。その間に、ウエーハWに貼合された粘着テープTの揮発成分が熱によって気化する。図5(b)に示すように、気化して膨張したガスがウエーハWと粘着テープTとの間で一時的にガス溜まりとなる。しかしチャンバ2は排気されているため、気化ガスもチャンバ2の内部の空気とともに成膜装置100の外部へ排気され、ガス溜まりは消滅する。このとき、ウエーハWがステージ22に載置されて密着していると、チャンバ2が排気されていても気化ガスが閉じ込められてガス溜まりが消滅しないおそれがある。しかし、本実施形態では、ウエーハWはステージ22に密着せず、所定距離離間している。そのため、気化ガスはウエーハWとステージ22の間の隙間からすみやかに排気され、ガス溜まりが残ることが防止される。
所定の予備加熱時間が経過すると、プッシャー機構26を動作させて、図5(c)に示すように、押上げピン263をステージ22の上面まで下降させる。ウエーハWはステージ22の上面、すなわち誘電体242の表面に載置される。誘電体242の内部の電極に電圧を印加すると、誘電体242の上面とその上に載置されたウエーハWとの間に静電気力が発生し、ウエーハWは誘電体242の上面に吸着固定される。
ステージ22に載置されたウエーハWは、ヒーターテーブル23の熱によりさらに加熱される。この加熱処理により、ウエーハWにおける被成膜面の水分、汚染物等の有機物、異物等が除去される。これによって、成膜工程で形成される膜の密着性を高めることができる。
成膜室20aを所定の圧力まで減圧させると、不図示のガス導入部からスパッタガスを成膜室20aに導入する。電源部28からターゲット271に直流電圧を印加して、スパッタガスをプラズマ化させる。プラズマから発生したイオンがターゲット271に衝突し、衝突されたターゲット271の成膜材料の粒子が飛び出して、ステージ22に載置されたウエーハWに堆積する。これによって、ウエーハWの上に薄膜が形成される。
成膜が完了すると、誘電体242の内部の電極への電圧印加を停止し、ウエーハWの誘電体242への吸着固定を解除する。プッシャー機構26を動作させ、押上げピン263を上昇させ、ウエーハWをステージ22の上面から持ち上げる。押上げピン263は受取位置まで上昇させる。成膜室20aの真空ゲート弁21aを開き、真空搬送室10のロボット11を成膜室20aに進入させる。ロボット11のアーム12でウエーハWを保持し、成膜室20aから搬出する。ウエーハWが搬出されると、成膜室20aの真空ゲート弁21aは閉じられる。続いて、成膜室20aに隣接する成膜室20bの真空ゲート弁21bを開放し、成膜室20bにウエーハWを搬入する。このように、複数の成膜室20a〜20eに順次ウエーハWを搬入して、必要な成膜処理を行う。
[効果]
(1)上述したように、本実施形態の成膜装置100は、一面に粘着テープTが貼られたワークである半導体ウエーハWに対してプラズマを用いて成膜を行う成膜装置100である。成膜装置100は、ウエーハWを加熱するステージ22と、ウエーハWの保持部である押上げピン263とを備える。押上げピン263は、ウエーハWを、ステージ22から所定距離離間した予備加熱位置において、粘着テープTが貼られた一面がステージ22と向かい合うように保持する。
成膜の際に粘着テープTの揮発成分が気化してプロセス雰囲気に取り込まれると、揮発成分がウエーハWに酸化膜として成膜されることがある。これによって膜の抵抗値が上昇し、ウエーハWの半導体装置としての性能に影響を与える可能性がある。成膜前にウエーハWの粘着テープTが貼られた面を予備加熱して揮発成分を気化させておくことで、揮発成分の気化ガスがプロセス雰囲気に取り込まれないようにすることができる。さらに、ウエーハWの粘着テープTが貼られた面をステージ22に密着させず、所定距離離間させることで、気化ガスがウエーハWとステージ22の間でガス溜まりになって残留することが防止され、ウエーハWにストレスがかかって割れが発生することを防ぐことができる。これによって品質の良好なウエーハWを製造することができる。
(2)押上げピン263は、予備加熱位置においてウエーハWを所定の予備加熱時間保持した後に、ウエーハWをステージ22上に載置すると良い。所定の予備加熱時間は、予め算出した粘着テープTに含まれる揮発成分の気化に要する時間とすると良い。これによって、成膜処理の前に揮発成分を十分に気化させることができ、ガス溜まりの残留を防ぐことができる。
(3)ステージ22には、ステージ22を貫通するガイド孔231が設けられている。保持部である押上げピン263は、ガイド孔231を挿通して上下動し、上端部にウエーハWが載置される。押上げピン263をウエーハWの保持部とすることで、押上げピン263の上下動でウエーハWを予備加熱位置と成膜位置に容易に移動することができる。
(4)成膜装置100は、複数のチャンバ2を更に備えたものとし、複数のチャンバ2の少なくとも一つを成膜室としても良い。成膜室は、成膜材料を含むターゲット271と前記ターゲット271に電力を印加する電源部28とを備えると良い。予備加熱を行うステージ22と、予備加熱位置でウエーハWを保持する押上げピン263は、成膜室20aを構成するチャンバ2に設け、ステージ22はターゲット271に対向するように配置すると良い。成膜室において予備加熱を行うことで、予備加熱位置で予備加熱を行って揮発成分を放出したウエーハWを、そのままステージ22上面に載置して成膜処理を行うことができ、効率的な成膜処理が可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、以降の実施形態では、第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。
第2の実施形態の成膜装置100の全体的な構成は、第1の実施形態と同一である。第1の実施形態では、ウエーハWの表面に貼られた粘着テープTの揮発成分が気化するのに必要な時間を予め算出し、その時間を予備加熱時間としていた。第2の実施形態では、成膜室であるチャンバ2の内部の圧力に基づいて、予備加熱を終了するタイミング、すなわち、押上げピン263を予備加熱位置から成膜位置まで下降させるタイミングを決定する。そのため、図6に示すように、制御装置4は第1の実施形態の計時部43に代わり、圧力判定部48を備えている。
第1の実施形態でも説明したが、成膜室20aを構成するチャンバ2は、排気装置によって常に排気され、所定の減圧状態になるように管理されている。ただし、ウエーハWをチャンバ2に搬入する際には真空ゲート弁21が開かれるため、チャンバ2の圧力が上昇する。搬入後に真空ゲート弁21を閉じると、制御装置4の機構制御部41は、チャンバ2に設けられた圧力計70で測定される圧力に基づいて、チャンバ2を所定の圧力まで減圧する。チャンバ2の内部が減圧される際に、ウエーハWに貼合された粘着テープTの揮発成分は予備加熱によって気化し、気化ガスがチャンバ2から排気される。ここで、排気速度、予備加熱温度、粘着テープTの材質等の条件が同じであれば、チャンバ2の排気を開始した後、チャンバ2の内部の圧力は、ほぼ同じ傾向で推移していくと考えられる。そして、チャンバ2の圧力の推移から、気化ガスがチャンバ2から排気されたタイミングを判断することができる。
図7に、チャンバ2の内部の圧力の推移を模式的に示している。時間0が、ウェーハWをチャンバ2に搬入して真空ゲート弁21が閉じられた時点である。チャンバ2が密閉されるとチャンバ2の圧力は下がり始めるが、序盤で圧力は細かな上下動を繰り返し、下がり方が安定しない。しかし、ある圧力まで下がったところで上下動が収まり、その後は安定して下がっていく。最終的にはチャンバ2の内部は、ほぼ一定の圧力となる。序盤に圧力が細かく上下動するのは、予備加熱によって気化して膨張した粘着テープTの気化ガスがチャンバ2の圧力に影響を与えるためと考えられる。そしてある圧力まで下がったところで上下動が収まるのは、粘着テープTの揮発成分が充分に気化され、気化ガスがチャンバ2の内部から排気されたためと考えられる。
したがって、序盤の細かい上下動が一定範囲に収まる所定圧力P1において、予備加熱を終了すると良い。所定圧力P1は、予め試験を行ってチャンバ2の圧力の推移を観察したり、圧力推移のシミュレーションを行うことによって、適宜決定することができる。上下動が収まる一定範囲とは、気化した揮発成分が圧力に影響を与えていないと判断できる範囲であれば良く、上下動が完全に収まっている必要はない。もちろん、一定範囲には、上下動が完全に収まった場合も含んで良い。この所定圧力P1を閾値として、記憶部42に記憶させる。圧力判定部48は、例えば所定の間隔で圧力計70で計測されたチャンバ2の圧力を取得し、チャンバ2の圧力と所定圧力P1と比較する。圧力判定部48が、チャンバ2の圧力が所定圧力P1以下であると判定した場合は、制御装置4の機構制御部41は押上げピン263を予備加熱位置からステージ22上面の成膜位置まで下降させて、予備加熱を終了させる。その後、成膜処理を開始する。
以上詳述したように、第2の実施形態において、押上げピン263はチャンバ2の内部が所定圧力P1以下に減圧されるまで、前記予備加熱位置においてウエーハWを保持した後、ウエーハWをステージ22上に載置する。所定圧力P1は、前記チャンバ2内部の圧力の上下動が一定範囲に収まったと判断される圧力とすると良い。揮発成分の気化ガスの影響を受けるチャンバ2の圧力を基準として予備加熱終了のタイミングを判断することで、気化ガスがチャンバ2から排気されるまで確実に予備加熱を行うことができる。これによってガス溜まりが粘着テープTとウエーハWの間に残留することを防ぎ、品質の良好なウエーハWを製造することができる。
[第2の実施形態の変形例]
上述した第2の実施形態では、チャンバ2内部の圧力の上下動が一定範囲に収まったと判断される所定圧力P1を予め閾値に記憶していたが、気化した揮発成分が圧力に影響を与えていないと判断できる圧力の上下動の一定範囲を、変動率として表して、この変動率を閾値として記憶部42に記憶しても良い。圧力判定部48は、圧力計70で計測されたチャンバ2の圧力を所定の間隔で取得し、あるタイミングTaで取得した圧力について、その前のタイミングTa−1で取得した圧力との変動率を算出する。
圧力判定部48は、算出した変動率と閾値の変動率を比較する。算出した変動率が閾値の変動率を下回った場合は、制御装置4の機構制御部41は押上げピン263を予備加熱位置からステージ22上面の成膜位置まで下降させて、予備加熱を終了させる。所定圧力P1を閾値とした場合と同様に、圧力の変動率を基準として予備加熱終了のタイミングを判断することで、気化した揮発成分がチャンバ2から排気されるまで確実に予備加熱を行うことができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。第3の実施形態では、制御装置4は、図8に示すように、粘着テープTとウエーハWの間に生じるガス溜まりの状態を判定するガス溜まり判定部49を備えている。さらに、図9(a)に示すように、成膜室20aのステージ22の上方に光電センサ50が設置されている。光電センサ50は、光を出す投光器51と光を受ける受光器52とから構成されている。投光器51と受光器52は、予備加熱位置で停止するウエーハWを外側から挟み込むように配置され、投光器51から発される光の光軸が、成膜位置のステージ22と予備加熱位置にあるウエーハWの間を通るように配置されている。なお、図9では光軸が押上げピン263に重なって図示されているが、実際には押上げピン263の位置を避けて光軸を通すと良い。光電センサ50の光軸がステージ22とウエーハWの間に通ることによって、ウエーハWの粘着テープTが貼合された裏面の状態変化を検出できるようになっている。ウエーハWの裏面の状態を万遍なく検出できるように、光電センサ50は、複数設けると良い。複数設ける場合は、例えば、ウエーハWの円周方向に間隔を空けて配置すると良い。
第1の実施形態において図5(b)を用いて説明したが、予備加熱でウエーハWが加熱されると、粘着テープTの揮発成分が気化して膨張し、ウエーハWと粘着テープTとの間で一時的にガス溜まりが発生する。ガス溜まりによって粘着テープTが不均一に膨らむため、ウエーハWが押上げピン263の上で動くことがある。この場合、ウエーハWの動きは、チャンバ2の排気によってガス溜まりが消失するまで継続する。ここで、上述したように、光電センサ50の投光器51から発せられ、ウエーハWとステージ22の間を通る光は、障害物が無ければ図9(a)に示すように、そのまま受光器52に受光される。しかしながら、図9(b)に示すように、投光器51の光が粘着テープTの膨らみや動いているウエーハWに接触すると、受光器52に届かなくなり、光電センサ50に状態変化として検出される。
ガス溜まり判定部49は、光電センサ50の検出結果に基づいて、ガス溜まりの状態を判定する。具体的には、光電センサ50から状態変化が検出されるか否を判定する。状態変化が検出される間は、ガス溜まりが残っている可能性があるため予備加熱は継続される。ガス溜まり判定部49が光電センサ50からの状態変化が検出されないと判定した場合、すなわちガス溜まりが消失したと判定した場合は、予備加熱を終了する。具体的には、制御装置4の機構制御部41は押上げピン263を予備加熱位置から成膜位置まで下降させてウエーハWをステージ22上面に載置し、成膜処理を開始する。
以上詳述したように、第3の実施形態において、成膜装置100は、粘着テープTとウエーハWの間に生じるガス溜まりの状態を判定するガス溜まり判定部49を更に備えている。押上げピン263は、ガス溜まり判定部49によってガス溜まりが消失したと判定された後、ウエーハWを前記ステージ22上に載置する。ウエーハWに実際に生じているガス溜まりの状態を基準として、予備加熱終了のタイミングを判断するため、気化ガスがチャンバ2から排気されるまで確実に予備加熱を行うことができる。
ガス溜まりの状態を判定するために、成膜装置100は、ステージ22と予備加熱位置において保持されているウエーハWとの間を通る光軸を有する光電センサ50を更に備え、ガス溜まり判定部49は、光電センサ50の検出結果に基づいてガス溜まりの消失を判定すると良い。ガス溜まりに起因する状態変化を検出できる光電センサ50を用いることによって、確実にガス溜まりの消失を判定することができる。
[その他の実施形態]
(1)本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を適宜変形することができる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせても良い。例えば、上述の実施形態に示される構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
(2)成膜対象のワークは、半導体ウエーハWに限定されず、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)及びハードディスク等の光ディスク、ミラー、表示パネル並びに太陽電池パネル等にも適用可能である。
(3)上述の実施形態では、ウエーハWの保持部として押上げピン263を説明したが、これに限られず、例えばウエーハWを挟んで保持するメカチャック機構としても良い。
(4)上述の実施形態では、ウエーハWをそのまま成膜装置100に搬入して各処理を行う例を説明したが、ホルダ等の冶具に載置して搬入しても良い。その場合、ホルダ等の冶具は、ウエーハWの外周を保持して、粘着テープTが貼合されたウエーハWの表面を露出させるものとすると良い。
(5)上述の実施形態では、成膜処理を行うチャンバ2である成膜室20aにおいて予備加熱を行ったが、例えば、予備加熱を行う専用のチャンバ2を設けても良い。例えば、図10に示すように、ロードロック室30と成膜室20aの間に前処理室60を設け、前処理室で予備加熱を行っても良い。その場合、前処理室に、ウエーハWを加熱するステージ22と、ウエーハWを予備加熱位置において保持する押上げピン263等の保持部を設けると良い。
また、前処理室60をロードロック室30で兼用するようにしても良い。この場合、ロードロック室30内にウエーハWを加熱するステージ22と、ウエーハWを予備加熱位置において保持する保持部を設ける。そして、ロードロック室30内の減圧が開始される前、または、減圧が開始された後、或いは、所定の圧力まで減圧された後に、ウエーハWの予備加熱を開始するようにすると良い。
(6)上述の実施形態では、成膜室20aのチャンバ2の上部に1つのスパッタ源27を設置する場合を説明したが、スパッタ源の数は1つに限られない。例えば、チャンバ2の上部を2つの傾斜部から構成される切妻屋根型にして、2つの傾斜部のそれぞれスパッタ源を取り付けても良い。スパッタ源のターゲット271は、それぞれ同じ成膜材料としても良いが、異なる成膜材料で構成して、2種類の成膜を行えるようにしても良い。異なる成膜材料で構成した場合には、各スパッタ源を切り換え可能に遮蔽するシャッターを設置しても良い。これによって、一方のスパッタ源で成膜を行う時に、他方のスパッタ源のターゲット271の成膜材料がウエーハWに付着するのを防ぐことができる。また、ステージ22のシャフト25を回転軸にして成膜処理の際にウエーハWを回転させ、傾斜したターゲット271でも万遍なく成膜が行われるようにしても良い。
(7)第3の実施形態では、ガス溜まりの状態を判定するために光電センサ50を備えたが、これに限られない。例えば、光電センサ50に代えてCCDカメラ等の撮像装置を設置しても良い。撮像装置で粘着テープTが貼合されたウエーハWの裏面を撮像し、ガス溜まり判定部49において撮像した画像から、ガス溜まりの状態を判定するようにしても良い。
100 成膜装置
10 真空搬送室
11 ロボット
12 アーム
13 ベース部分
2 チャンバ
20a〜20e 成膜室
21 真空ゲート弁
22 ステージ
23 ヒーターテーブル
231 ガイド孔
24 静電チャック機構
241 ベース部材
242 誘電体
25 シャフト
26 プッシャー機構
261 ロッド部
262 テーブル部
263 押上げピン
27 スパッタ源
271 ターゲット
272 バッキングプレート
273 導電部材
28 電源部
29 ガス導入部
30 ロードロック室
32 大気ゲート弁
4 制御装置
41 機構制御部
42 記憶部
43 計時部
44 設定部
45 入出力制御部
46 入力装置
47 出力装置
48 圧力判定部
49 ガス溜まり判定部
50 光電センサ
51 投光器
52 受光器
60 前処理室
70 圧力計
W ウエーハ
T 粘着テープ

Claims (9)

  1. 一面に粘着テープが貼られたワークの他面に対してプラズマを用いて成膜を行う成膜装置であって、
    前記ワークを加熱するステージと、
    前記ワークを、前記ステージから所定距離離間した予備加熱位置において、前記粘着テープが貼られた一面が前記ステージと向かい合うように保持する保持部と、を備えることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記保持部は、前記予備加熱位置において前記ワークを、所定の予備加熱時間保持した後、前記ワークを前記ステージ上に載置し、
    前記所定の予備加熱時間は、予め求められた前記粘着テープに含まれる成分の気化に要する時間であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記ステージ及び前記保持部を収容する、減圧可能なチャンバを更に備え、
    前記保持部は、前記チャンバ内部が所定圧力以下に減圧されるまで前記予備加熱位置において前記ワークを保持した後、前記ワークを前記ステージ上に載置し、
    前記所定圧力は、前記チャンバ内部の圧力の上下動が一定範囲に収まったと判断される圧力であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  4. 前記粘着テープと前記ワークの間に生じるガス溜まりの状態を判定するガス溜まり判定部を更に備え、
    前記保持部は、前記ガス溜まり判定部によって前記ガス溜まりが消失したと判定された後、前記ワークを前記ステージ上に載置することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  5. 前記ステージと前記予備加熱位置において保持されている前記ワークとの間を通る光軸を有する光電センサを更に備え、
    前記ガス溜まり判定部は、前記光電センサの検出結果に基づいて前記ガス溜まりの状態を判定することを特徴とする請求項4記載の成膜装置。
  6. 前記ステージには当該ステージを貫通するガイド孔が設けられ、
    前記保持部は、前記ガイド孔を挿通して上下動し、上端部に前記ワークが載置される押上げピンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. 前記成膜装置は、複数のチャンバを更に備え、
    当該複数のチャンバの少なくとも一つは、成膜材料を含むターゲットと前記ターゲットに電力を印加する電源部とを備えた成膜室であり、
    前記ステージ及び前記保持部は、前記成膜室のチャンバ内に設けられ、前記ステージは前記ターゲットに対向するように配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の成膜装置。
  8. 前記成膜装置は、複数のチャンバを更に備え、
    当該複数のチャンバの少なくとも一つは、成膜材料を含むターゲットと前記ターゲットに電力を印加する電源部とを備えた成膜室であり、
    前記ステージ及び前記保持部は、前記成膜室に隣接するチャンバ内に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の成膜装置。
  9. 一面に粘着テープが貼られたワークの他面に対してプラズマを用いて成膜を行う成膜方法であって、
    前記ワークを、当該ワークを加熱するステージから所定距離離間した予備加熱位置において、前記粘着テープが貼られた一面が前記ステージと向かい合うように保持することを特徴とする成膜方法。

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