JP2017066226A - 炭化水素油の製造方法 - Google Patents

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Munehiro Sakanoue
宗広 坂ノ上
拓 前田
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Abstract

【課題】炭化水素油の量産に用いる反応器内において、触媒反応を容易に制御することができる炭化水素油の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化水素油の製造方法は、炭化水素油(14)の量産に用いる反応器(10)内で、原料油(12)を触媒(4)に接触させる工程を備え、触媒(4)及び充填材(2)の混合物(6)が、反応器(10)内に配置されており、原料油(12)を、混合物(6)中の触媒(4)に接触させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素油の製造方法に関する。
近年、石油精製プラントにおいては、炭化水素油の需要の変化に応じて生産量を変化させる必要がある。生産量に応じて、原料油の処理(触媒反応)に要する触媒の使用量も変化する。しかし、生産量又は触媒の使用量に応じて、反応器の容量を変えることは困難である。また、生産量又は触媒の使用量に応じて、新しい反応器を設置することは経済的でない。したがって、生産量の変化に係らず、既存の反応器を活用して炭化水素油を効率的に生産することが求める。つまり、炭化水素油の量産に用いる反応器には、炭化水素油の需給に依らない汎用性が求められる。例えば、炭化水素油の生産量が減る場合、原料油の処理に必要となる触媒の量も減る。したがって、最小限の量の触媒を反応器内に配置し、反応器内の余分なスペースを、安価な充填材で満たすことにより、触媒に係る費用が節約される。下記特許文献1に示すように、充填材は、原料油を透過させて、円滑に斑なく原料油を触媒層へ導入する。また充填材は、触媒層を反応器内の所定の位置に保持する。一般的に、充填材は触媒活性を有しない。
再公表特許WO00/42130
反応器の中には、温度計及び圧力計等、触媒反応を監視・制御するための測定装置が備えられている。通常、反応器内において触媒が配置されるべき領域は、反応器の設計時において予め定められており、予定された触媒の配置に応じて測定装置も固定されている。
しかし、炭化水素油の減産に伴って触媒の使用量が減る場合、図2に示すように、反応器10内の一部(下部)のみに触媒4(4a)が配置され、本来であれば触媒4が配置されるべき領域(上部及び中部)に充填材2(2a)が配置される。その結果、触媒4ではなく充填材2が測定装置8u及び8mの近くに配置される。そして、触媒反応に関与しない充填材2(2a)が配置された領域の温度又は気圧等が、測定装置8u及び8mによって測定される。反応器10内の下部に設置された測定装置8lにおいても、触媒4(4a)のごく一部分における諸反応条件(温度又は圧力等)が監視されるに過ぎない。その結果、反応器10内の全域(反応系の全体)にわたる触媒反応の諸反応条件を正確に監視し難く、触媒反応の精緻な制御が困難になる。その結果、様々な技術的問題及び経済的損失が生じる。例えば、図2に示すように、触媒4(4a)が反応器10内の局所(下部)に存在する場合、反応器10内において触媒反応に寄与しない領域(反応器の上部及び中部)があるため、生産性が低下する。また触媒が反応器内の局所に存在する場合、触媒反応の温度を制御し難く、局所的に触媒反応が進行し過ぎて、ホットスポットが生じる。ホットスポットでは、コーク(coke)が生成し易く、触媒活性が劣化して触媒寿命が短くなる。一方、触媒の加熱が不十分であると、触媒活性が十分に発現しない。その結果、硫黄化合物又は金属分等の触媒毒又は不純物が除去されなかったり、炭化水素油の収率が低下したり、炭化水素の品質が劣化したりする。反応器内の触媒反応を十分に制御することができない場合、反応器の安全性が損なわれたり、反応器が故障したりすることもある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、炭化水素油の量産に用いる反応器内において、触媒反応を容易に制御することができる炭化水素油の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る炭化水素油の製造方法は、炭化水素油の量産に用いる反応器内で、原料油を触媒に接触させる工程を備え、触媒及び充填材の混合物が、反応器内に配置されており、原料油を、混合物中の触媒に接触させる。
本発明の一側面では、触媒のサイズが、前記充填材のサイズと略同じであってよい。
本発明の一側面では、触媒が、水素化精製触媒、脱金属触媒、水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒、水素化分解触媒、水素化異性化触媒、水素化処理触媒、水素化仕上げ触媒、脱水素触媒、及び改質触媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
本発明の一側面では、触媒が、担体と、担体に担持された活性金属と、を含んでよく、担体が、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア及びボリアからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、活性金属が、コバルト、ニッケル、モリブデン、及びタングステンからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。
本発明の一側面では、充填材が、アルミナ、シリカ、及びカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。
本発明の一側面に係る炭化水素油の製造方法は、混合物を反応器内に導入する工程を備えてよい。
本発明の一側面では、触媒及び充填材が略均一に混合されていてよい。
本発明の一側面では、触媒の密度が、充填材の密度と異なってよく、混合物の密度の平均値が、μ[g/cm]であり、混合物の密度の標準偏差が、σ[g/cm]であるとき、2σ/μが、0.00〜0.05であってよい。
本発明の一側面では、混合物が反応器内に充填されていてよい。
本発明の一側面では、測定装置が、反応器内に固定されていてよい。
本発明によれば、炭化水素油の量産に用いる反応器内において、触媒反応を容易に制御することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る炭化水素油の製造方法に用いる反応器の鉛直方向における模式的断面図である。 図2は、従来の炭化水素油の製造方法に用いる反応器の鉛直方向における模式的断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図面において、同等の構成要素には同等の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。各図に示すX,Y及びZは、互いに直交する3つの座標軸を意味する。各座標軸が示す方向は、全図に共通する。Z軸は、鉛直方向を指す。X軸及びY軸は水平である。
本発明の一側面に係る炭化水素油の製造方法では、図1に示す反応器10を用いる。反応器10は、炭化水素油の量産に用いられる。換言すると、反応器10は、商業規模のプラントに設置される反応器(商業用反応器)である。触媒活性の評価等の目的で実験室等に設置される小規模の反応器は、本発明における反応器に該当しない。
反応器10内には、触媒4及び充填材2の混合物6が配置されている。混合物6は反応器10内の全領域(反応器10の上部、中部及び下部)に充填されている。つまり反応器10は混合物6で満たされている。炭化水素油の製造方法では、原料油12を、反応器10の上部側から反応器10内へ導入する。そして、原料油12を、混合物6中の触媒4に接触させることにより、原料油12が反応し、生成油14(炭化水素油)が得られる。生成油14は、後工程に供給される仕掛油であってよく、完成された製品であってもよい。
反応器10内の上部には測定装置8uが設置されている。反応器10内の中部には、別の測定装置8mが設置されている。反応器10内の下部には、さらに別の測定装置8lが設置されている。測定装置8u,8m及び8lのいずれも反応器10内に固定されている。測定装置8u,8m及び8lのいずれも、触媒反応を監視・制御するために設置されている。触媒反応とは、原料油12が触媒4に接触することにより起こる反応である。測定装置8u,8m及び8lは、例えば、温度計及び圧力計のうち少なくともいずれかであってよい。測定装置8u,8m及び8lは、反応器10内に存在する気体のうち特定のガス(例えば、水素)の分圧を測定する機能を有していてもよい。反応器10内に設置される測定装置の数は、反応器10の規模及び形状等に依るものであり、限定されない。反応器10内における測定装置の配置も、反応器10の規模及び形状等に依るものであり、限定されない。
本実施形態では、炭化水素油の減産に伴って触媒4の使用量を減らす場合であっても、触媒4及び充填材2の混合物6を反応器10に充填することによって、触媒4を反応器10の全域に均一に分布させ易い。換言すれば、触媒反応を監視・制御するために測定装置8u,8m及び8lが固定された位置のいずれにおいても、触媒4が均一に分布し易い。その結果、測定装置8u,8m及び8lが固定されたいずれの位置においても、触媒反応が略同様に進行し易い。したがって、触媒反応の諸条件(例えば、温度又は気圧など)を各測定装置8u,8m及び8lで正確に監視することが可能であり、反応器10内の全域における触媒反応の精緻な制御が可能になる。つまり本実施形態では、反応器10内に存在する触媒4の絶対量に関わりなく、反応器10内の全域における触媒反応の精緻な制御が可能になり、所望の性状を有する炭化水素油を効率的に量産することが可能になる。
本実施形態では、触媒4及び充填材2の混合物6が反応器10内に配置されるので、触媒4のみが反応器10内で局在することが抑制される。したがって、反応器10内の全域において、触媒反応の諸条件を略均一に制御し易い。また、触媒4を充填材2と混合することにより、触媒4のみを用いる場合に比べて、反応器10内の全域にわたって触媒活性が程度に緩和される。したがって、局所における触媒反応の過度の進行が抑制され易く、ホットスポットが生じ難く、コーク(coke)の生成が抑制される。その結果、触媒活性が劣化し難く、触媒寿命が延び易い。
本実施形態では、反応器10内の全域において触媒反応を精緻に制御し易いので、反応器10の全域において触媒4が斑なく加熱され易く、十分な触媒活性が発現する。その結果、触媒毒又は不純物が触媒反応によって除去され易く、所望の性状及び品質を有する炭化水素油を高い収率で製造し易い。なお、触媒毒又は不純物とは、例えば、硫黄化合物、窒素化合物、酸素化合物、ガム質分、及び金属分からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。不純物である金属分とは、例えば、ニッケル(Ni)又はバナジウム(V)であってよい。
本実施形態では、反応器10内の全域における触媒反応が精緻に制御され易いので、反応器を安全に運転し易く、反応器10が故障し難い。
本実施形態では、触媒4の使用量に関わらず、触媒4及び充填材2の混合比の調整によって、反応器10内の全域を触媒4及び充填材2の混合物6で満たすことができる。したがって、反応器10内の全域で触媒を進行させ易い。つまり、反応器10内において触媒反応に寄与しない領域を低減し易い。その結果、炭化水素油の生産性が向上する。つまり本実施形態によれば、炭化水素油の需要又は生産量の変化に応じて触媒4の使用量を変化させなければならない場合であっても、既存の反応器10を活用して炭化水素油を効率的に生産することができる。なお、触媒反応の監視及び制御が可能である限り、混合物6が存在しない隙間(例えば、反応器10の頂部近傍における隙間)が反応器10内に形成されてもよい。
触媒4及び充填材2は均一に混合されていたほうがよい。本実施形態では、反応器10内の全領域において触媒4及び充填材2は均一に混合されている。つまり、反応器10の上部に配置された混合物6u、反応器10の中部に配置された混合物6m、及び反応器10の下部に配置された混合物6lのいずれにおいても、触媒4及び充填材2が均一に混合されている。つまり、測定装置8uと同じ高さに配置された混合物6u、測定装置8mと同じ高さに配置された混合物6m、及び測定装置8lと同じ高さに配置された混合物6lのいずれにおいても、触媒4及び充填材2が均一に混合されている。触媒4及び充填材2が均一に混合されている場合、触媒4を反応器10の全域に均一に分布させ易い。換言すれば、触媒4及び充填材2が均一に混合されている場合、触媒反応を監視・制御するために測定装置8u,8m及び8lが固定された位置のいずれにおいても、触媒4が均一に分布し易い。その結果、反応器10内の全域において触媒反応の諸条件を各測定装置8u,8m及び8lで正確に監視し易く、反応器10内の全域における触媒反応の精緻な制御が容易になる。
触媒4が、担体と、担体に担持された活性金属と、を含み、充填材2の組成が触媒4の担体と同じである場合、触媒4の密度は充填材2の密度と異なる。触媒4の密度が充填材2の密度と異なる場合、触媒4及び充填材2が均一に混合されるほど、混合物6の密度の標準偏差が小さくなる。したがって、触媒4の密度が充填材2の密度と異なる場合、混合物6の密度の標準偏差に基づいて、触媒4及び充填材2が均一に混合されているか否かを判断してよい。混合物6の密度(嵩密度)の標準偏差σは、例えば下記の式(1)で定義される。なお混合物6の嵩密度は、混合物6のCBD(Compacted Bulk Density)と言い換えてよい。混合物6のCBDは、混合物6のタップ密度(Tapped Density)と言い換えてよい。
Figure 2017066226
式(1)中、Nは、標準偏差σの算出に用いる混合物6のサンプル数である。Nは、標準偏差σの算出のために混合物6から採取される試料の数と言い換えてよい。Nは、2以上の整数である。Nは、特に限定されないが、例えば、3〜500であってよい。iは1〜Nの整数である。xとは、混合物6のN個の試料のうち、i番目の試料の密度である。μとは、混合物6のN個の試料の密度の平均値である。μは下記式(2)で表される。混合物の各試料の密度(CBD)は、例えば、タップ密度測定器によって測定すればよい。タップ密度測定器としては、例えば、株式会社セイシン企業製の「タップデンサー KYT−5000」を用いてよい。
Figure 2017066226
混合物の密度がμ[g/cm]であり、混合物の密度の標準偏差がσ[g/cm]であるとき、2σ/μは、0.00〜0.05であってよい。2σ/μが0.05以下である場合、触媒4及び充填材2が均一に混合されている、とみなしてよい。2σ/μは、0.000〜0.031であってもよい。2σ/μは、0.00〜0.03であってもよい。混合物6の密度の絶対値に基づく2σは、触媒4及び充填材2の種類に依る。一方、2σ/μは、無次元であり、触媒4及び充填材2の種類に影響され難い。したがって、2σ/μによれば、触媒4及び充填材2の種類にかからず、触媒4及び充填材2が均一に混合されているか否かを判断し易い。
例えば、触媒4が、Alと、Alに担持されたにNi、Co及びMoと、から構成されるとき、触媒4の密度は、0.82g/cmである。充填材2がAlから構成されるとき、充填材2の密度は、0.55g/cmである。サンプル数Nが192であるとき、混合物6の密度の平均値μは、0.6865g/cmであり、混合物6の密度の標準偏差σは、0.0108g/cmであり、2σは、0.0216であり、2/μσは、0.0314である。
本実施形態に係る炭化水素油の製造方法は、触媒4及び充填材2を反応器10の外で混合して、混合物6を得る工程と、混合物6を反応器10内に導入する工程と、を備えてよい。つまり、反応器10の外で予め混合物6を調製してよい。触媒4及び充填材2を反応器10の外で混合することにより、触媒4及び充填材2を均一に混合し易い。反応器10の外で予め混合物6を調製する場合、σの算出に用いる混合物6のサンプリングが容易であり、2σ/μを所望の値に制御し易い。
本発明の一側面では、触媒4のサイズが、充填材2のサイズと略同じであってよい。触媒4のサイズが、充填材2のサイズと略同じである場合、均一な混合物6が反応器10内で維持され易い。触媒4が充填材2よりも大き過ぎる場合、充填材2が、触媒4間に形成される隙間から抜け落ち易く、反応器10内で均一な混合物6が維持され難い。その結果、反応器10の上部には触媒4が局在し易く、反応器10の下部には充填材2が局在し易い。充填材2が触媒4よりも大き過ぎる場合、触媒4が、充填材2間に形成される隙間から抜け落ち易く、反応器10内で均一な混合物6が維持され難い。その結果、反応器10の上部に充填材2が局在し易く、反応器10の下部には触媒4が局在し易い。以上の通り、触媒4のサイズと充填材2のサイズとの差が大きいほど、反応器10内の鉛直方向Zにおいて触媒4及び充填材2の各分布の濃淡が生じ易い。
触媒4のサイズがScであり、充填材2のサイズがSfである場合、Sc/Sfは0.8〜1.2であってよい。Sc/Sfが小さ過ぎる場合、触媒4が、充填材2間に形成される隙間から抜け落ち易く、反応器10内で均一な混合物6が維持され難い。Sc/Sfが大き過ぎる場合、充填材2が、触媒4間に形成される隙間から抜け落ち易く、反応器10内で均一な混合物6が維持され難い。ただし、Sc/Sfが0.8〜1.2の範囲外であっても、本発明の効果は達成される。触媒4のサイズSc及び充填材2のサイズSfは、例えば、球相当直径であってよい。触媒4及び充填材2がそれぞれ柱状体(ペレット)である場合、触媒4のサイズSc及び充填材2のサイズSfは、例えば、ペレット(柱状体)の長さ(高さ)であってよい。触媒4及び充填材2がそれぞれ柱状体(ペレット)である場合、触媒4のサイズSc及び充填材2のサイズSfは、ペレットの長さ方向(柱状体の高さ方向)に垂直な断面の円相当径又は長径であってもよい。触媒4のサイズScは、例えば、1.0〜10mmであってよい。充填材2のサイズSfは、例えば、1.0〜10mmであってよい。
触媒4は、例えば、柱状(ペレット状)、略球状、又は不定形であってよい。ペレット状の触媒4の断面は、例えば、円型、四葉型、又は三つ葉型であってよい。充填材2も、例えば、柱状(ペレット状)、略球状、又は不定形であってよいペレット状の充填材2の断面は、例えば、円型、四葉型、又は三つ葉型であってよい。触媒4の形状は、充填材2の形状と略同じであってよい。触媒4の形状が充填材2の形状と略同じである場合、均一な混合物6が反応器10内で維持され易い。
混合物6における触媒4の含有量は、炭化水素油の需要に応じた触媒の使用量に依るものであり、限定されない。同様の理由により、混合物6における充填材2の含有量も限定されてない。例えば、混合物6における触媒4の含有量は、混合物6の全体積に対して、10〜90体積%、又は25〜75体積%であってよい。例えば、混合物6における充填材2の含有量は、混合物6の全体積に対して、10〜90体積%、又は25〜75体積%であってよい。
本実施形態において、触媒反応は、例えば、水素化精製、脱金属、水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化分解、水素化異性化(又は異性化脱蝋)、水素化処理、水素化仕上げ、脱水素、及び改質(又は接触改質)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。二種以上の触媒反応が反応器10内で同時に起こってもよい。触媒4は、水素化精製触媒、脱金属触媒、水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒、水素化分解触媒、水素化異性化触媒(又は異性化脱蝋触媒)、水素化処理触媒、水素化仕上げ触媒、脱水素触媒、及び改質触媒(又は接触改質触媒)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。触媒4が水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒又は水素化分解触媒である場合、本実施形態に係る炭化水素油の製造方法に係る上記効果が得られ易い。例えば、水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒又は水素化分解触媒を用いた場合、反応器10内において原料油の脱硫、脱窒素又は分解が斑なく適度に進行すると共に、コーキング(coking)が抑制される。その結果、硫黄又は窒素化合物の含有率が低く、且つ所望の分子量を有する生成油14(炭化水素油)が高い収率で製造されると共に、コークに起因する水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒又は水素化分解触媒の劣化が抑制される。
触媒4は、担体と、担体に担持された活性金属と、を含んでよい。担体は、バインダーと言い換えてもよい。活性金属とは、上記触媒反応において活性な金属を意味する。充填材2は、活性金属を含まない。つまり、充填材2は、上記触媒反応において活性を奏しない。ただし充填材2は、活性金属以外の金属(触媒反応において不活性な金属)を含んでよい。充填材2の組成は、触媒4の担体と同じであってよい。触媒4の担体と同じ物質から充填材2を調製することにより、充填材2に掛かるコストが抑制される。
活性金属は、例えば、コバルト、ニッケル、鉄、モリブデン、タングステン、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、ゲルマニウム及びスズからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。担体は、アルミナ、シリカ、ボリア、ジルコニア、チタニア、マグネシア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−マグネシア、アルミナ−ボリア、アルミナ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−マグネシア、アルミナ−シリカ−ボリア、アルミナ−シリカ−ジルコニア、アルミナ−シリカ−チタニア、アルミナ−チタニア−ジルコニア、カオリナイト、アルミノフォスフェイト、シリカアルミノフォスフェイト、ゼオライト、セピオライト及びモンモリロナイトからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有してよい。触媒4の用途又は触媒反応の種類に応じて、活性金属及び担体を選定して組み合わせてよい。触媒4は、さらにリン又は塩素等の添加元素を含んでもよい。
触媒4が水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒又は水素化分解触媒である場合、触媒4の担体は、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア及びボリアからなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。触媒4が水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒又は水素化分解触媒である場合、触媒4の活性金属は、例えば、コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。触媒4が水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒又は水素化分解触媒である場合、充填材2は、アルミナ、シリカ及びカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。
原料油12は、例えば、原油(石油)、コンデンセート、オイルサンド由来の合成原油、ビチューメン改質油、GTL(Gas To Liquids)法によって得られる油、CTL(Coal To Liquids)法で得られる油、及びバイオマスから得られる油からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。GTL法によって得られる油とは、例えば、フィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)反応によって天然ガス等から合成される油である。生成油14は、完成された製品でなくてよい。例えば、生成油14は、原料油12(例えば原油)の諸処理工程のうち一工程において生成する仕掛油であってよく、原料油12として、続く後工程に供されてもよい。つまり、前工程で得られる生成油14は、続く後工程における原料油12であってもよい。原料油12又は生成油14は、例えば、石油の蒸留過程で得られる留分であってもよい。石油の蒸留過程で得られる留分は、例えば、オフガス、液化石油ガス(LPG)、ナフサ、灯油、軽油、重油(常圧残油)、減圧軽油、減圧残油、及び溶剤脱れき油からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。オフガス、液化石油ガス、ナフサ、灯油、軽油、及び重油(常圧残油)は、原油の常圧蒸留によって得られる。減圧軽油及び減圧残油は、常圧残油の減圧蒸留により得られる。溶剤脱れき油は、減圧残油の溶剤脱れきにより得られる。原料油12又は生成油14は、例えば、ナフサ、灯油又は軽油の水素化精製によって得られる炭化水素油であってよい。原料油12又は生成油14は、例えば、減圧残油又は溶剤脱れき油の諸処理工程(例えば、水素化脱金属、水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化分解、水素化異性化、及び水素化精製(水素化仕上げ、又は水素化処理))のいずれかにおいて生成する炭化水素油であってもよい。生成油14が、完成された石油製品である場合、生成油14は、例えば、ナフサ、芳香族炭化水素、燃料、潤滑油、パラフィン、アスファルト及びタールからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。燃料は、例えば、灯油、ケロシン、ジェット燃料、軽油、ガソリン、及び重油からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
反応器10の形状は、特に限定されないが、例えば円筒状であってよい。反応器10が円筒状である場合、反応器10は耐圧性に優れる。反応器10が円筒状である場合、反応器10の円形の断面の直径Dは、例えば、1〜5mであってよい。反応器10が円筒状である場合、反応器10の高さHは、例えば、例えば、10〜50mであってよい。反応器10のH/Dは、0より大きく10以下であってよい。一般的に石油精製プラントで用いられる流体(原料油)は、触媒4が充填された反応器10の中心部よりも、反応器10の内壁(側面)を伝って流れ易い。つまり、流体(原料油)は反応器10の内壁(側面)近傍で偏流し易い。H/Dが10を超える場合、反応器10の断面積に対する反応器10の側面の比率が大きく、偏流が起き易く、反応器10の中心部で触媒反応が起き難くなる。ただし、H/Dが10を超える場合であっても、本発明の効果は得られる。
反応器10内で起こる触媒反応が、原料油12の水素化である場合、諸反応条件は、例えば、以下の通りであってよい。以下の諸反応条件下で行う水素化は、例えば、水素化精製、水素化脱金属、水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化分解、水素化異性化、水素化仕上げ及び水素化処理からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。反応器10は、以下のような諸反応条件を制御するための機構(触媒反応の制御機構)を更に備えてよい。制御機構とは、例えば、触媒の加熱及び冷却、ベント、並びに原料油12及び生成油14の流量調整のための手段であってよい。冷却とは、例えば、水素ガスの導入によるクエンチであってよい。
反応温度(混合物6の温度): 250〜450℃、又は280〜420℃。
反応系(反応器10の内部)における水素ガスの分圧: 0.5〜20MPa、又は1〜18MPa。
液空間速度(LHSV): 0.1〜3.0h−1。より好ましくは0.1〜2.0h−1
水素/油比(水素ガスの流量/原料油12の流量): 30〜2500Nm/m、又は50〜2000Nm/m
本発明によれば、石油製品等の炭化水素油の量産に用いる反応器内において、触媒反応が容易に制御され、炭化水素油の品質及び生産性が向上し、触媒の寿命も延びる。
2,2a…充填材、4,4a…触媒、6,6u,6m,6l…混合物、8u,8m,8l…測定装置、10…反応器、12…原料油、14…生成油(炭化水素油)。

Claims (10)

  1. 炭化水素油の量産に用いる反応器内で、原料油を触媒に接触させる工程を備え、
    前記触媒及び充填材の混合物が、前記反応器内に配置されており、
    前記原料油を、前記混合物中の前記触媒に接触させる、
    炭化水素油の製造方法。
  2. 前記触媒のサイズが、前記充填材のサイズと略同じである、
    請求項1に記載の炭化水素油の製造方法。
  3. 前記触媒が、水素化精製触媒、脱金属触媒、水素化脱硫触媒、水素化脱窒素触媒、水素化分解触媒、水素化異性化触媒、水素化処理触媒、水素化仕上げ触媒、脱水素触媒、及び改質触媒からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、
    請求項1又は2に記載の炭化水素油の製造方法。
  4. 前記触媒が、担体と、前記担体に担持された活性金属と、を含み、
    前記担体が、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア及びボリアからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、
    前記活性金属が、コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも一種である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  5. 前記充填材が、アルミナ、シリカ、及びカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  6. 前記混合物を前記反応器内に導入する工程を備える、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  7. 前記触媒及び前記充填材が略均一に混合されている、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  8. 前記触媒の密度が、前記充填材の密度と異なり、
    前記混合物の密度の平均値が、μ[g/cm]であり、
    前記混合物の密度の標準偏差が、σ[g/cm]であるとき、
    2σ/μが、0.00〜0.05である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  9. 前記混合物が前記反応器内に充填されている、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  10. 測定装置が、前記反応器内に固定されている、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
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