JP2017055686A - ネット状資材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホウレンソウの生育不良を有効に防止するだけでなく、ホウレンソウ中の栄養分を増加させ、且つ、硝酸濃度を低下させることができる、ホウレンソウ栽培用のネット状資材を提供する。
【解決手段】本発明によれば、ホウレンソウの栽培に利用されるネット状資材であって、青色光を選択的に透過し、且つ、外張り被覆材の上に被せて使用されることを特徴とするネット状資材が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ネット状資材および該ネット状資材を用いたホウレンソウの栽培方法に関し、より詳細には、ホウレンソウの生育不良を有効に防止し、且つ、ホウレンソウ中の栄養分を増加させると同時に硝酸濃度を低下させる、ホウレンソウ栽培用のネット状資材および該ネット状資材を用いたホウレンソウの栽培方法に関する。
近年、多種多様な野菜が市場に流通しているが、なかでもホウレンソウは、ビタミンA(β−カロテン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ミネラル(カルシウム、鉄)といった栄養分が豊富な緑黄色野菜であり、また、日本の広い地域で一年を通じて栽培できることから、特に重要な野菜である。ホウレンソウには、より多くの栄養分を含むことが消費者によって強く求められている。また、硝酸を多く含むホウレンソウは商品価値が下がるという事情、および、ホウレンソウは、高温で日射量の多い環境下で徒長や抽苔といった生育不良を起こしやすいという事情に鑑み、生産者からは、硝酸量が抑制されたホウレンソウの栽培技術や、徒長や抽苔を防ぐことができるホウレンソウの栽培技術の確立が求められている。
徒長・抽苔防止の要求に応えるため、特許文献1では、下記式;
A=R/FR
(式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜700nmの赤色光の光量
子束透過量であり、FRは標準光源D65を基準とする700〜800nmの
遠赤色光の光量子束透過量である。)
で表される透過光のA値が0.9以下である通気性を有する光選択透過性被覆材料が開示されている。特許文献1の被覆材料によれば、青色光を積極的に透過させることで、ホウレンソウ等の栽培作物の収量を増加させたり、抽苔を抑制することができるとされている。
特開2001−258403号公報
しかしながら、特許文献1の被覆材料では、生育不良を抑制することはできるが、栄養分を豊富にすることおよび硝酸濃度を低下させることについては実現できていなかった。
本発明の目的は、ホウレンソウの生育不良を有効に防止するだけでなく、ホウレンソウ中の栄養分を増加させ、且つ、硝酸濃度を低下させることができる、ホウレンソウ栽培用のネット状資材を提供することである。
本発明によれば、ホウレンソウの栽培に利用されるネット状資材であって、400〜500nmの波長の青色光を選択的に透過し、且つ、外張り被覆材の上に被せて使用されることを特徴とするネット状資材が提供される。
本発明のネット状資材においては、
(1)経糸と緯糸を編織することにより得られる編織体、もしくは割繊維ウェブを積層させて得られる割繊維ウェブ積層体により形成されていること、
(2)ラッセル編により形成されていること、
(3)400〜700nmの波長の光量子束密度を100μmolm−2−1としたときの、前記青色光の光量子束透過量が30〜90μmolm−2−1であること、
が好ましい。
また、本発明によれば、400〜500nmの波長の青色光を選択的に透過するネット状資材を、外張り被覆材の上に被せ、該外張り被覆材の内部でホウレンソウを栽培することを特徴とする、ホウレンソウの栽培方法が提供される。
本発明のネット状資材は、青色光を選択的に透過し、且つ、ビニールハウス等の外張り被覆材を覆うようにしてホウレンソウ栽培に使用される点に重要な特徴を有する。かかる特徴を有することにより、本発明のネット状資材を用いて栽培されたホウレンソウにおいては、徒長や抽苔等の生育不良が有効に防止され、さらに、ビタミンAやビタミンC、カルシウム、鉄といった栄養分が豊富に含まれるとともに、硝酸濃度が低減されている。
本発明のネット状資材がこのような効果を発揮する理由は、次のように考えられている。即ち、以前より、青色光をホウレンソウに照射すると、徒長や抽苔が起こりにくくなることは知られていた(特許文献1参照)。しかし、本発明者等が鋭意研究を進めた結果、更には、青色光にはホウレンソウ中の栄養分を増加させ、且つ、硝酸濃度を低下させる作用もあることがわかった。加えて、ホウレンソウを直接ネット状資材で覆うのではなく、ビニールハウスにネット状資材をかぶせてホウレンソウを間接的に覆うと、ホウレンソウに均一に青色光が照射され、且つ、水や肥料も均一に与えられる。そのため、本発明のネット状資材を用いてホウレンソウを栽培すると、青色光のホウレンソウに対する効果が最大限に発揮される。一方、特許文献1のように、ホウレンソウを直接被覆資材で覆う場合には、光照射が不均一となったり、水や肥料が行きわたらない虞があるため、栄養分の増加や硝酸濃度の低下といった効果があらわれにくいものと推察される。
ラッセル編の一例を示す図である。 割繊維ウェブの一例を示す図である。 割繊維ウェブ積層体の一例を示す図である。 実験例1および2で用いられたネット状資材の透過光の波長特性を示す グラフである。 実験例1および2で栽培されたホウレンソウ中の各栄養分の量を示すグ ラフである。 実験例1および2で栽培されたホウレンソウ中の硝酸濃度を示すグラフ である。 実験例1および2で栽培されたホウレンソウの草丈、葉枚数および葉面 積を示すグラフである。 実験例3における青色区および黒色区の配置を示す図である。 実験例3で栽培されたホウレンソウの草丈、葉枚数および葉面積を示す グラフである。
<ネット状資材>
本発明は、ホウレンソウの栽培に利用されるネット状資材に関するものである。本発明において、「ネット状資材」とは、表面から裏面まで貫通した空隙を複数有する資材を意味する。かかる「ネット状資材」としては、編物や織物のように経糸と緯糸を編織したもの(編織体)や、樹脂フィルムにスリットを入れて割繊して得られる割繊維ウェブ(図2参照)、かかる割繊維ウェブを積層させて得られる割繊維ウェブ積層体(図3参照)を挙げることができる。編物としては、例えばラッセル編を挙げることができ(図1参照)、織物としては、例えば平織やカラミ織を挙げることができる。
図1に示されているように、ラッセル編1とは、モノフィラメントを鎖編み等により編み上げた鎖状フィラメント3の列の間に、テープヤーン5が緯糸として挿入された構造を有するものである。
図2に示されているように、割繊維ウェブ10は、幹繊維13と、幹繊維13より細い枝繊維15とからなり、具体的には、割繊維ウェブ10は、互いに平行に延びた複数の幹繊維13と、幹繊維13に対して交差して延び、隣接する幹繊維13同士をつなぐ枝繊維15とで構成されている。
本発明のネット状資材は、従来公知の熱可塑性樹脂を用いて形成される。従来公知の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等を挙げることができる。
本発明のネット状資材は、ビニールハウス等の外張り被覆材に被せられて利用されるものであり、かかる外張り被覆資材の内部ではホウレンソウが栽培される。そのため、本発明のネット状資材はホウレンソウが十分に生育する程度の光線透過率を有する必要があり、具体的には、30%以上の光線透過率を有することが好ましく、50〜90%の光線透過率を有することが特に好ましい。
尚、光線透過率は、公知の方法によって測定すればよく、例えば、PPFセンサー(Li−Cor, Inc.製LI−190)を用いて、快晴日の昼11:00〜12:00に測定を行うことにより確認できる。
本発明は、青色光を選択的に透過する青色光選択性を有する点に重要な特徴を有する。「青色光を選択的に透過する」とは、具体的には、光合成に利用される波長である400〜700nmの波長の光量子束密度(透過前、太陽光)を100μmolm−2−1としたときの、青色光(400〜500nm)の光量子束透過量が30〜90μmolm−2−1、好ましくは35〜65μmolm−2−1であることを意味する。青色光が弱すぎると、生育不良防止や栄養分の増加、硝酸量の低減といった青色光がホウレンソウの生育に与える効果が十分に発揮されない虞がある。一方、青色光が強すぎる場合は、必然的に他の波長の光が少なくなり、光合成や代謝がうまく行われず、その結果、青色光照射による効果よりも、他の波長の光が弱いことによる悪影響の方がホウレンソウに強く表れる虞がある。
各波長の光量子束透過量は、公知の方法に従って測定することができる。例えば、ネット状資材の下に波長別光エネルギー分析装置(MS−720、英弘精機(株))を設置し、快晴日の昼11:00〜12:00に透過光を測定することにより確認できる。太陽光の光量子束密度も同様の方法により測定することができる。
本発明に青色光選択性を付与するには、上記熱可塑性樹脂とともに公知の青色着色剤を使用してネット状資材を製造すればよい。公知の青色着色剤としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、ピグメントバイオレット、キナクリドンレッド、キナクリドンクリムゾン、キナクリドンマゼンタ、ウルトラマリンブルー、アントラキノン系染料、インディゴ系染料を挙げることができる。
本発明のネット状資材の目付量は、光線透過率および青色光の光量子束透過量が前記範囲を満たすように決定されるが、一般的には20〜90g/mであり、好適には40〜80g/mである。
<製造方法>
本発明のネット状資材は、公知の方法に従って製造される。例えば、本発明のネット状資材が平織やカラミ織等の織物からなる場合は、上述の熱可塑性樹脂および青色着色剤を含む所望の組成のフィルムを準備し、かかるフィルムを長さ方向に適宜の幅で裁断又は溶断してテープヤーンとし、このテープヤーンを用いて製織すればよい。あるいは、かかるテープヤーンを緯糸にし、強度の強いモノフィラメント等を経糸にして製織すればよい。当然、モノフィラメントとしては、上述の熱可塑性樹脂や青色着色剤から得られたものを用いてよい。
また、本発明のネット状資材が割繊維ウェブからなる場合は、上述の熱可塑性樹脂および青色着色剤を含む所定の組成のフィルムを準備し、かかるフィルムを一軸延伸しながら割繊(スプリット)し、その後、高温熱処理により寸法固定化を行えばよい。この場合、幹繊維13の太さを0.7〜0.9mmとし、枝繊維15の太さを0.1〜0.3mmとすることが好ましい。更に、必要に応じて、得られた割繊維ウェブを複数枚、公知の方法に従って積層してもよい。
さらにまた、本発明のネット状資材がラッセル編等の編物からなる場合は、織物の場合と同様にしてテープヤーンを作製し、ラッセル編機などを用いて、図1に示すように、モノフィラメントを鎖編み等により編み上げた鎖状フィラメント3の列の間に、かかるテープヤーン5を緯糸として挿入すればよい。勿論、モノフィラメントとしては、上述の熱可塑性樹脂や青色着色剤から得られたものを用いてよい。
鎖状フィラメント3の太さは300〜600デニールとし、テープヤーン5の幅は2.2〜5mmとし、テープヤーン5の厚みは22〜56μmとすることが好ましい。鎖状フィラメント3が細すぎると、ネット状資材の強度が弱くなる虞がある。鎖状フィラメント3が太すぎると、ネット状資材が過度に重くなったり、ネット状資材の可撓性が失われる虞がある。テープヤーン5が太すぎるか、或いは厚すぎると、光合成に必要な日射量が確保できない虞がある。テープヤーン5が細すぎるか、或いは薄すぎると、青色光選択性を十分に発揮できない虞がある。
上記方法のうち、栽培状況等に合わせネット状資材の仕様を容易に変更出来るという観点から、本発明のネット状資材はラッセル編みにより形成されることが好ましい。即ち、ラッセル編みを採用すると、栽培環境に合わせて遮光率を変更したい場合に、製造設備を調整して網目の大きさを変更することにより、容易に遮光率の変更を行うことができ、また、編み上がったラッセル編みは、設置するビニールハウスの大きさに合わせる為、縫製加工等を行うことにより、容易に寸法を変更することが可能になる。
また、本発明のネット状資材の強度を特に高めたい場合には、割繊維ウェブや割繊維ウェブ積層体により形成することが好ましい。割繊維ウェブは、釘のような鋭利なものや展張時の固定具が引っかかる等して孔が形成されても、かかる孔を起点にしての伝播が起こりにくく、伝線切れ防止性に優れているからである。更に、割繊維ウェブは、経糸と緯糸とから構成される編物や織物に比べて軽量であり、また、柔軟性の点でも優れている。
本発明のネット状資材をいずれの方法により製造する場合においても、青色着色剤の添加量は、最終的に得られるネット状資材において青色光(400〜500nm)の光量子束透過量が、光合成に利用される波長である400〜700nmの波長の光量子束密度を100μmolm−2−1としたときに、30〜90μmolm−2−1、好ましくは35〜65μmolm−2−1の範囲となるように決定される。一般的に、ネット状資材を構成する樹脂組成物100質量部あたり0.9〜25質量部が配合される。
更に、本発明のネット状資材を製造するにあたっては、必要に応じて公知の添加剤を有してもよい。公知の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。
<栽培方法>
上記のようにして製造された本発明のネット状資材は、必要な大きさに裁断・縫製されてホウレンソウ栽培に利用される。具体的には、本発明のネット状資材は、ホウレンソウを外界から遮断して保護・育成する外張り被覆材の上に展張され、かかる外張り被覆材の内側でホウレンソウが栽培される。外張り被覆材としては、例えば、ビニール・POハウス、雨除け施設、トンネル、促成フレーム、育苗用フレームが挙げられる。
本発明は、必要に応じて適宜の時期に使用すればよいが、本発明の効果が最大限に発揮されるという観点から、播種〜収穫まで連続して使用することが好ましい。
本発明は、ホウレンソウであればあらゆる品種に適用することができ、具体的には、トリトン等の春作品種、ミラージュ等の夏作品種、アクティブ等の秋作品種のいずれにも好適に使用することができる。本発明の効果が最大限に発揮されるという観点から、高温・多日射により生育不良が起こりやすい夏作品種に適用することが特に好ましい。
本発明を以下の実験例により更に説明するが、本発明は、これらの実験例によってなんら限定されるものではない。下記実験例において、各種測定は以下に示す方法に従って行われた。
(実験例1)
ネット状資材として、ポリエチレン製青色ラッセルネットを用意した。かかるネット状資材は、図1に示されている構造を有しており、青色フラットヤーンと黒色モノフィラメントにより形成される。
かかるネット状資材を埼玉県三郷市(北緯35.8°、東経139.9°)に設置し、PPFセンサー(Li−Cor, Inc.製LI−190)を用いて、2012年7月快晴日の昼11:00〜12:00にネット状資材の光線透過率を測定した。光線透過率は、51.6%であった。
波長別光エネルギー分析装置(MS−720、英弘精機(株))を用いて、2012年7月快晴日の昼11:00〜12:00に太陽光およびネット状資材透過光を測定した(図4参照)。光量子束密度(400〜700nm)を100μmolm−2−1としたときの青色光(400〜500nm)の光量子束透過量は、39.4μmolm−2−1であった。
埼玉県三郷市に南北方向のビニルハウス(間口3m、奥行20m、高さ2m)を設置し、2012年7月13日に、かかるビニールハウス内に夏作品種アクティブ((株)サカタのタネ、雑種F1品種)を播種した。播種と同日に上記ネット状資材を展張した。2012年8月29日に栽培終了とし、株のサンプリングを行った。
(実験例2)
ネット状資材として、黒色フラットヤーンと黒色モノフィラメントによるカラミ織りで形成されポリエチレン製黒色ネット(ダイオ化成株式会社製)を用いた点、および、栽培終了を2012年8月23日とした点以外は、実験例1と同様にして、各種測定を行い、ホウレンソウを栽培した。尚、実験例2で用いられた黒色ネットの透過光の波長特性は、太陽光の波長特性とよく似ていた(図4参照)。光線透過率は50.7%であり、光量子束密度(400〜700nm)を100μmolm−2−1としたときの青色光(400〜500nm)の光量子束透過量は、29.6μmolm−2−1であった。
(栄養分の測定)
実験例1および2で得られたサンプルについて、アスコルビン酸濃度、β−カロテン濃度、カルシウム濃度および鉄濃度を測定し、平均値(n=6)を算出した。各栄養分の測定方法は、以下の通りとした。測定結果は、図5に示した。
アスコルビン酸;
生体重0.3〜0.5gをサンプルとし、サンプルの重さの3〜4倍量の5%メタリン酸溶液を加え、乳鉢で磨砕抽出した。抽出物を2mlマイクロチューブにとり、15,000rpm、4℃の条件下で遠心分離機(MX−305、トミー工業(株))で5分間遠心分離を行った。その後、その上澄み液にリフレクトクァント試験紙(1.16981.0001、メルク(株))を浸し、それをリフレクトクァント用反射式光度計(RQフレックスPlus、メルク社)で測定した。
β−カロテン;
Gilmore and Yamamoto(1991)の測定方法に準拠し、サンプルの葉身には6ml、葉柄には1.5〜3mlのピロガロール/アセトン溶液(1/50(w/v))を加え、乳鉢および乳棒で磨砕抽出した抽出物を半日間4℃の条件で静置した。その後、抽出物を室温下3000rpmで遠心分離し、上清を採取した。試験管に残存した試料にピロガロール/アセトン溶液を0.5〜1.0ml添加し、これを撹拌し、1時間程度4℃で静置した後再び同条件下で遠心分離を行った。葉身は6〜7ml、葉柄は2〜3mlとなるまで、上清を先のサンプル抽出液と混合した。得られたサンプル液を0.20μmのPTFEフィルタでろ過した後、HPLC(LC−2010HT、(株)島津製作所)を用いて分析した。β−カロテンが光により分解されることを防ぐため、試料調整は暗所で行った。溶離液はメタノール:ヘキサン=5:1(HPLC用、和光純薬工業(株))とし、調整後、メンブレンフィルタ0.20μmでろ過し、超音波洗浄機で5分間脱気したものを用いた。カラムはIntertsil OSD−2(粒子径5μm、4.6×250mm、GLサイエンス)を用いた。カラム温度は30℃、流速は1.5ml/minとし、検出波長は440nmとした。検量線の作成には、β−カロテン標準品高速液体クロマトグラフィ用(Sigma−Aldrich CO.LTD)を用い、クロロフォルムで適宜希釈を行った。分析は、検量線、サンプル、メタノール(流速1.5ml/min)による洗浄、サンプル反復、検量線の順で行った。
カルシウム、鉄;
サンプルを、恒温乾燥機を用いて80℃で72時間以上乾燥させた後、マルチビーズショッカー(安井機械(株))で破砕した。葉身は約0.7g、葉柄は0.3〜0.5gの量で磁器製の灰化容器に入れ、電気炉(MF−55,IKEDA SCHIENTIFIC CO. LTD)で12時間600℃の条件で加熱・灰化した。灰化物を放冷したのち、20%塩酸5mlを加えて灰を溶解し、5A(0.02mm)の濾紙でろ過した後、1%塩酸を加えて50mlに定容し、分析試料とした。分析は、原子吸光光度計(AA―6200、島津製作所(株))で行った。鉄の検量線の作成には、鉄標準液(和光純薬工業(株))を用い、1000ppmの塩化ストロンチウム溶液で適宜希釈を行った。Caの検量線の作成には、カルシウム標準液(和光純薬工業(株))を用い、1000ppmの塩化ストロンチウム溶液で適宜希釈を行った。分析は、検量線、サンプルの順で行った。インジェクションノズルの洗浄のため、各サンプルを測定毎に5秒間イオン交換水で流した。
(硝酸濃度の測定)
実験例1および2で得られたサンプルについて、葉身および葉柄のそれぞれについて硝酸濃度を測定した。具体的には、生体重0.3〜0.5gのサンプルに葉身ではサンプルの重さの10〜12倍量、葉柄では20倍量の蒸留水を加え、乳鉢で磨砕抽出した。抽出物を15mlのコニカルチューブに採取し、3000rpm室温の条件下で遠心分離機(CT6D、日立工機(株))で5分間遠心分離を行った。その後、その上澄み液にリフレクトクァント試験紙(1.16981.0001、メルク(株))を浸し、それをリフレクトクァント用反射式光度計(RQフレックスPlus、メルク社)で測定した。測定結果は、図6に示した。
(生育状況の確認)
実験例1および2で栽培されたホウレンソウについて、地上部から最大葉の先端までの長さを測定し、草丈とした(n=6)。また、葉長(葉の基部から先端までの長さ)が5cm以上の葉の枚数を計測した。さらにまた、実験例1および2で得られた各サンプルを、葉身部と葉柄部とに分け、葉身部のみの面積を卓上型高速用面積計(Li−COR−Inc.製、LI−3100C)で測定した(n=6)。結果は図7に示した。図7から理解されるように、青色光の多い環境下で栽培された実験例1のホウレンソウは、草丈が低く、葉が生い茂っており、一方、実験例2のホウレンソウは、草丈が高く葉枚数・葉面積ともに少なかった。
(実験例3)
本発明のネット状資材(以下、青色区と呼ぶことがある。)として、ポリエチレン製青色ラッセルネットを用意した。また、透過光の波長特性が太陽光と似ている黒色ネット状資材(以下、黒色区と呼ぶことがある。)として、黒色フラットヤーンと黒色モノフィラメントによるカラミ織りで形成されポリエチレン製黒色ネット(ダイオ化成株式会社製)を用意した。実験例1と同様にして、2013年8月の快晴日において、各ネット状資材の光線透過率を測定したところ、いずれも約50%であった。実験例1と同様にして、2013年8月の快晴日において、光量子束密度(400〜700nm)を100μmolm−2−1としたときの青色光(400〜500nm)の光量子束透過量を測定・算出したところ、青色区で39.4μmolm−2−1、黒色区で29.6μmolm−2−1であった。
埼玉県三郷市に3棟のビニールハウス(間口3m、奥行20m、高さ2m)を設置し、図8の配置で青色区と黒色区を設け、2013年8月にホウレンソウの栽培を行った。尚、青1〜青4は、青色区の位置を示しており、黒1〜黒4は、黒色区の位置を示している。実験例1および2と同様にして、青1〜青4および黒1〜黒4の区域で生育したホウレンソウの草丈、葉の枚数および葉の面積を測定し、平均値を算出した。結果は図9に示した。青色区は黒色区よりも草丈が低く、葉が多く、葉の面積が大きかった。また、黒色区のホウレンソウは、青色区に比べて葉の色が薄く、やや徒長していることが観察された。
1 ラッセル編
3 鎖状フィラメント
5 テープヤーン
10 割繊維ウェブ
13 幹繊維
15 枝繊維

Claims (5)

  1. ホウレンソウの栽培に利用されるネット状資材であって、400〜500nmの波長の青色光を選択的に透過し、且つ、外張り被覆材の上に被せて使用されることを特徴とするネット状資材。
  2. 経糸と緯糸を編織することにより得られる編織体、もしくは割繊維ウェブを積層させて得られる割繊維ウェブ積層体により形成されている、請求項1に記載のネット状資材。
  3. ラッセル編により形成されている、請求項1に記載のネット状資材。
  4. 400〜700nmの波長の光量子束密度を100μmolm−2−1としたときの、前記青色光の光量子束透過量が30〜90μmolm−2−1である、請求項1〜3の何れかに記載のネット状資材。
  5. 400〜500nmの波長の青色光を選択的に透過するネット状資材を、外張り被覆材の上に被せ、該外張り被覆材の内部でホウレンソウを栽培することを特徴とする、ホウレンソウの栽培方法。
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