JP2017054603A - 遮断器開閉機構の作動性評価装置および作動性評価方法 - Google Patents

遮断器開閉機構の作動性評価装置および作動性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮断器開閉機構の個渋による作動性の悪化を定量的に評価することができる遮断器開閉機構の作動性評価装置および作動性評価方法を提供する。【解決手段】作動性評価装置4は、遮断器開閉機構を手動で遮断動作させる際に操作される停止ボタン12をピストン401により押下し、ストローク計測部42、時間計測43および圧力計測部44は、押下開始からの距離、経過時間および圧力を計測する。演算部45および駆動速度制御部41は、ピストン401の駆動速度を一定に制御する。評価部47は、計測された経過時間および圧力から圧力の経時変化を分析し、分析結果に基づいて遮断器開閉機構の作動性を評価する。【選択図】図4

Description

本発明は、遮断器の開閉機構の作動性を評価する作動性評価装置、および作動性評価方法に関する。
電磁操作式の真空遮断器は、投入コイル、引き外しコイル、トリップフック、リンク機構および遮断バネなどを含む遮断器開閉機構を有し、この遮断器開閉機構を通じて真空バルブを投入、遮断する。真空バルブを投入する場合には、投入コイルを励磁し、可動鉄心でリンク機構の接続部を押圧することでリンク機構を伸長させ真空バルブを投入する。一方、真空バルブを遮断する場合には、引き外しコイルを励磁し、リンク機構に係止しているトリップフックを回動させ、投入時に蓄勢された遮断バネによりリンク機構の伸長を解き、真空バルブを遮断する。また、遮断器開閉機構には、トリップフックを手動で回動させて真空バルブを強制的に遮断させる停止ボタンが設けられている。この停止ボタンは、即座に操作が可能なように、遮断器の前面パネルに設けられている。
変電所などに設置されている上記遮断器は、事故等がなければ動作しないため長期間投入状態が保持されたままである。このため遮断器開閉機構に塗布されているグリスが固まって遮断器開閉機構が固渋してしまい、遮断器開閉機構の作動性が悪化してしまうことがある。遮断器は、電路に事故が発生した場合に直ちに遮断する役目があり、遮断不能という事態は避けなければならない。このためには、遮断器が正常に動作することを診断、点検すること、あるいは遮断器開閉機構が固渋しないようにすることが重要である。そのため、遮断器開閉機構の作動性を評価するための定期点検が行われている。
遮断器開閉機構の作動性を評価する方法としては、第一には前述した停止ボタンを実際に人が押下して、その固さを感覚でとらえて評価するものがある。この方法は、経験が豊かな熟練作業者が行えば作動性をある程度は評価することができるが、多分に技能的であるため作業者による差異が内在しており、作業者が変わると結果にバラつきが発生する恐れがあるため普遍性に欠け、また結果を定量的・客観的に表すことができないという問題がある。
一方、引き外しコイルを励磁する際に流した電流値を測定して作動性を評価する方法がある(例えば、特許文献1参照)。これは、遮断器開閉機構の内部が固渋しているときは、引き外しコイルの可動鉄心を動かすためにより大きな電流を流す必要があることから、遮断動作に要した電流をもとに作動性を評価するというものである。この方法では、前述した作業者の感覚に頼る方法と比較して、手段の普遍性や結果の客観性には優れる。
特開2011−070838号公報
しかしながら、特許文献1記載の評価方法は、停止ボタンを作業者が押下して評価する従来の評価方法に比べて精度が低いという問題がある。というのも、引き外しコイルは、いわゆるソレノイドであるため、通電すると可動鉄心が勢いよく動作してしまい、遮断器開閉機構に多少の個渋があっても、可動鉄心の勢いで遮断器開閉機構が動作してしまうからである。したがって、引き外しコイルに流れる電流の変化と、遮断器開閉機構の固渋による作動性の悪化は比例関係にないため、特許文献1記載の評価方法では、遮断器開閉機構の使用限界近くまで作動性が悪化しなければ特性として現れにくいので、作動性の悪化を精度よく評価することはできない。
本発明は、上記課題を解決するために、遮断器開閉機構の個渋による作動性の悪化を定量的に評価することができる遮断器開閉機構の作動性評価装置および作動性評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の遮断器開閉機構の作動性評価装置は、トリップ手段、圧力計測部、ストローク計測部、時間計測部、演算部、駆動速度制御部、記憶部、および評価部を備える。トリップ手段は、遮断器開閉機構を手動で遮断動作させる際に操作される停止ボタンをピストンで押下する。圧力計測部は、ピストンによる停止ボタンへの圧力を計測する。ストローク計測部は、ピストンが停止ボタンを押下した距離を計測する。時間計測部は、ピストンによる停止ボタンの押下開始からの経過時間を計測する。演算部は、ストローク計測部で計測された移動距離と、時間計測部で計測された経過時間とからピストンの駆動速度を算出する。駆動速度制御部は、駆動速度が所定範囲に収まるようにトリップ手段を制御する。記憶部は、経過時間と、圧力計測手段で計測された圧力とを記憶する。評価部は、記憶部に記憶された圧力および経時時間から圧力の経時変化を分析し、分析結果に基づいて遮断器開閉機構の作動性を評価する。
本発明によれば、遮断器開閉機構の停止ボタンをピストンによって一定速度で押下し、この押下中に停止ボタンの押下開始からの経過時間と、ピストンによる停止ボタンへの圧力とを計測する。そして、計測された経過時間および圧力から圧力の経時変化を分析し、分析結果に基づいて遮断器開閉機構の作動性を評価する。
請求項2に記載の遮断器開閉機構の作動性評価装置は、評価部は、遮断器が投入状態から遮断状態へと変位する期間における圧力の最大値、または圧力の振動幅および振動数を予め設定された閾値と比較し、比較結果に基づいて遮断器開閉機構の作動性を評価する。
請求項3に記載の遮断器開閉機構の作動性評価装置は、閾値は、前回の作動性評価で求めた圧力の最大値、圧力の振動幅および振動数、あるいは遮断器と同機種の遮断器における圧力の最大値の平均値、圧力の振動幅および振動数の平均値に基づいて設定される。
請求項4に記載の遮断器開閉機構の作動性評価方法は、遮断器開閉機構を手動で閉動作させる際に操作される停止ボタンをトリップ手段のピストンにより押下させ、ピストンによる停止ボタンへの圧力と、ピストンが停止ボタンを押下した距離と、ピストンによる停止ボタンの押下開始からの経過時間と計測する計測ステップを備えている。また、計測ステップで計測された移動距離と、経過時間とから、ピストンの駆動速度を算出する駆動速度算出ステップを備えている。さらに、駆動速度が一定になるようにトリップ手段を制御する駆動速度制御ステップと、計測ステップで計測された経過時間および圧力から圧力の経時変化を分析し、分析結果に基づいて遮断器開閉機構の作動性を評価する評価ステップと、を備える。
請求項1および請求項4記載の発明によれば、停止ボタンをピストンによって一定速度で押下する際の圧力および経過時間に基づいて、遮断器開閉機構の固渋による作動性を評価するので、熟練作業者が停止ボタンを押下する際の感覚に基づいて作動性を評価する場合と同様の評価を、引き外しコイルに流れる電流を測定する場合と同程度の客観性や普遍性をもって定量的に、かつ精度よく行うことが可能となる。また、実際に停止ボタンを一定速度で押下して遮断器開閉機構の作動性を評価するので、引き外しコイルに流れる電流を測定する従来の作動性評価で問題となっていた可動鉄心の動作時の勢いによる影響を排除することができ、熟練作業者が停止ボタンを押下する場合と同様の高い精度で遮断器開閉機構の個渋状態を評価することができる。
請求項2記載の発明によれば、遮断器が投入状態から遮断状態へと変位する期間における圧力の最大値、または圧力の振動幅および振動数を予め設定された閾値と比較して評価するので、遮断器開閉機構の固渋による作動性を適正に評価することができる。また、遮断器開閉機構の固渋状態が、遮断器を遮断状態にする際に大きな圧力が必要となる固渋状態なのか、それとも遮断器を遮断状態にする際に遮断器開閉機構の動きが渋くなるような固渋状態なのかを評価結果から判断することができるので、評価結果に基づくメンテナンス作業が適切に行えるようになる。
請求項3記載の発明によれば、評価部で用いる閾値は、前回の作動性評価で求めた圧力の最大値、圧力の振動幅および振動数、あるいは遮断器と同機種の遮断器における圧力の最大値の平均値、圧力の振動幅および振動数の平均値に基づいて設定するようにしたので、適切な作動性評価が可能となる。
遮断器の外形形状を示す斜視図である。 図1の遮断器の構成を示す概略図である。 図1の遮断器の引き外し機構の概略構成を示す斜視図である。 遮断器開閉機構の作動性評価装置の構成を示す概略図である。 図4の作動性評価装置の閾値DBの構成を示す説明図である。 停止ボタンを押下する際にかかる圧力の経時変化を例示したグラフである。 図4の作動性評価装置の評価手順を示したフローチャートである。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1ないし図3は、遮断器1を示し、図4ないし図7は、本発明の実施の形態に係る遮断器開閉機構の作動性評価装置を示す。図1は、遮断器1の外観形状を示す斜視図であり、前面パネル11には、遮断器1を投入状態から遮断状態へと手動操作によって切り換えるために、押しボタン式の停止ボタン12を備える。図2は、遮断器1の全体構成を示す模式図であり、(A)は、投入状態、(B)は、遮断状態を示す。遮断器1は、電磁操作方式の真空遮断器であり、電路を開閉する真空バルブ2と、真空バルブ2を開閉させる遮断器開閉機構(以下、開閉機構と省略する)3とに大別される。
開閉機構3は、リンク機構31、遮断バネ(図示せず)、投入コイル32、トリップフック33、引き外しレバー34、引き外しコイル35などを備える。リンク機構31は、真空バルブ2と開閉機構3とを連携させるための機構部であり、各々の端部が回動自在に連結された第1レバー311A、第2レバー311B、第3レバー311C、第4レバー311D、と、第2レバー311Bと第3レバー311Cとの連結部分に設けられた第1ローラ312Aと、第3レバー311Cと第4レバー311Dとの連結部分に設けられた第2ローラ312Bとを備える。第1レバー311Aおよび第4レバー311Dの他端部は、遮断器1内に設けられた固定軸313A、313Bによって回動自在に支持されている。また、第1レバー311Aと第2レバー311Bとの連結部分には、真空バルブ2の可動軸21が連結されている。第2ローラ312Bは、遮断バネによって図中右下方向に付勢されている。
投入コイル32は、いわゆるソレノイドであり、投入指令に応じて励磁された場合に、可動鉄心321を図中左方に駆動させてリンク機構の第1ローラ312Aを押圧する。トリップフック33は、回動軸36に回動自在に支持されており、バネ331によって図中反時計方向に付勢された付勢アーム332と、この付勢アーム332によって付勢された所定位置でリンク機構31の第2ローラ312Bを係止する係止アーム333とを備える。
引き外しレバー34は、トリップフック33をバネ331の付勢に抗して時計方向に回動させるためのレバーであり、トリップフック33と同じ回動軸36によって回動自在に支持され、略水平方向に突出されたアームを備える。引き外しコイル35は、いわゆるソレノイドであり、投入指令に応じて励磁された際に、可動鉄心351を図中下方に駆動させて引き外しレバー34のアームを押圧する。引き外しレバー34は、可動鉄心351の押圧により図中時計方向に回動する。
図3は、開閉機構3において、真空バルブ2を投入状態から遮断状態へと切り換える引き外し機構の構成を示しており、トリップフック33の回動軸36上には、略垂直方向に突出されたアームを有する手動引き外しレバー37が設けられている。手動引き外しレバー37は、停止ボタン12の手動操作された場合に、トリップフック33をバネ331の付勢に抗して時計方向に回動させるためのレバーである。手動引き外しレバー37は、停止ボタン12が押圧操作されると、停止ボタン12によってアームが押圧されて図中時計方向に回動する。リンク機構31の各連結部および回動軸36には、潤滑性を保持するためにグリスが塗布されている。
次に、上記遮断器1の基本動作について説明する。遮断器1は、コントロールパネルが操作されて投入指令が発せられると、投入コイル32が励磁されて可動鉄心321がリンク機構31の第1ローラ312Aを押圧し、リンク機構31を伸長させる。リンク機構31が伸長すると真空バルブ2の可動軸21が押し上げられ、真空バルブ21を閉じる。このときトリップフック33は、リンク機構の第1ローラ312Bに係止する(図1(A))。
一方、コントロールパネルが操作されて遮断指令が発せられると、引き外しコイル35が励磁されて可動鉄心351が引き外しレバー34を押圧し、トリップフック33が支持軸36を中心に時計回りに回動する。これにより、トリップフック33とリンク機構31の第2ローラ312Bとの係止が解除され、遮断バネの放勢力でリンク機構31に連結する真空バルブ2の可動軸21が引き下げられ、真空バルブ2が開く(図1(B))。
また、手動操作によって遮断器1を遮断するために停止ボタン12が操作されると、停止ボタン12が手動引き外しレバー37を押圧してトリップフック33が支持軸36を中心に時計回りに回動し、トリップフック33とリンク機構31の第2ローラ312Bとの係止が解除される。これにより、遮断指令が発せられた場合と同様に真空バルブ2が開く。
図4は、遮断器1の開閉機構3の作動性を評価するための作動性評価装置4の概略構成図である。作動性評価装置4は、トリップユニット(トリップ手段)40、駆動速度制御部41、ストローク計測部42、時間計測部43、圧力計測部44、演算部45、記憶部46、評価部47および通信部48を備える。
トリップユニット40は、遮断器1の停止ボタン12の前に設置され、停止ボタン12を一定の速度で押下するためのものであり、ピストン401、円筒状のシリンダー402、台座403、油圧駆動装置404で構成される。台座403は、面内にピストン401が抜き差し自在な大さの径の開口が形成された、略凸形状をした板状の部材であり、シリンダー402に直角を成すように組み合わされている。これは、開閉機構3の作動性評価時に、トリップユニット40を遮断器1の前面パネル11の停止ボタン12の前に安定して固定するためのものである。本説明では、台座403は磁性材料で形成されており、磁力で遮断器1の前面パネル11に取り付ける。
シリンダー402の円筒内部には、油などの圧力媒体が密閉されており、この圧力を外部からコントロールすることにより、ピストン401を微低速の一定速度で往復運動させる。ピストン401は、シリンダー402を貫通して、両端がシリンダー402から突出するように主要部が内蔵されている。遮断器1を遮断動作するときは、ピストン401は矢印の方向に駆動し、台座403側の端部側で停止ボタン12を押下して遮断器1を遮断する。なお、ピストン401が、シリンダー402の反遮断器1側にも外部に貫出しているのは、後述するように、ストローク計測部42でピストン402の移動距離を計測するためである。
油圧駆動装置404は、駆動速度制御部41の制御に基づき、シリンダー402内の圧力を調整する。圧力調整は、シリンダー402と油圧駆動装置404とを接続する加圧パイプ405と減圧パイプ406とを通じて行う。
ストローク計測部42は、可変抵抗を内蔵した、いわゆるリニアポテンショメータであり、ピストン401の駆動に連動して変化する可変抵抗の電気抵抗値に基づいて、ピストン401が移動した距離を検出する。時間計測部43は、いわゆるタイマであり、ピストン401の駆動開始と同時に経過時間を計測する。圧力計測部44は、いわゆる圧量計であり、ピストン401が圧力媒体により矢印方向に押される圧力、すなわちピストン401が停止ボタン12に与えている圧力を計測する。ストローク計測部42、時間計測部43および圧力計測部44は、このようにして計測した距離、経過時間および圧力を、演算部45に継続的に送信する。
演算部45は、ストローク計測手段42で計測されたピストン401の移動距離と、駆動開始からの経過時間とを受信し、これらのデータから、ピストン401の駆動速度を計算する。また、演算部45は、圧力計測部44が測定したピストン401の圧力と、時間計測部43で計測された経過時間とを記憶部46に送信する。
駆動速度制御部41は、ピストン401の駆動速度が所定の速度より速いときは油圧駆動装置404に指令してピストン401が停止ボタン12に与えている圧力を低下させ、一方、所定の速度より遅いときは逆に圧力を上昇させ、ピストン401の駆動速度を所定の範囲内に維持をする。
また、演算部45は、作動性評価装置4の動作を開始するための制御スイッチ(図示略)を備えている。作動性評価装置4により遮断器1の作動性評価を開始する場合は、この制御スイッチをオンにし、中止する場合はオフにする。
さらに、演算部45は、圧力計測部44で異常に高い圧力が計測された場合や、ピストン401が停止ボタン12のストロークの終端に達したときには評価を中止または停止する。ここで、停止ボタン12のストロークは、遮断器毎に異なるが、一般に20mm程度であり、この数値は予め演算部45設定されている。
記憶部46は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリであり、圧力計測部44が測定したピストン401の圧力と、時間計測部43で計測された経過時間とを演算部45を経由して受信して、時系列で記憶する。また、記憶部46は、図5に示す閾値データベース(DB)461を記憶する。閾値DB461には、開閉機構3の作動性評価に用いられる閾値が記憶されており、この閾値として、遮断器1が投入状態から遮断状態へと変位する期間における圧力の最大値461Aと、同期間に置ける圧力の振動幅461Bおよび振動数461Cとが記憶されている。これらの閾値は、例えば、前回の作動性評価で求めた圧力の最大値、圧力の振動幅および振動数、あるいは遮断器1と同機種の遮断器における圧力の最大値の平均値、圧力の振動幅および振動数の平均値に基づいて設定されて、記憶部46に記憶されている。
評価部47は、記憶部45に記憶された圧力および経過時間の時系列データと、閾値DB461の各閾値とに基づいて開閉機構3の作動性を評価する。通信部48は、評価部47の評価結果を遮断器1のコントロールパネルに出力したり、他の電気設備などに配信したりする。
ここで、評価部47において行われる、開閉機構3の作動性の評価方法について説明をする。評価部46は、記憶部45から読み出した圧力および経過時間のデータに基づき、圧力の経時変化を表すプロファイルを作成する。図6は、比較的良好な作動性を有する開閉機構の圧力の経時変化を例示したプロファイルであり、横軸は、開始スイッチがオンされてピストン401が駆動を開始してからの経過時間であり、縦軸はピストン401が圧力媒体により矢印方向に押される圧力を示している。図中のA〜Dは計測中の時点を、Tは圧力の最大値を示している。
時点A〜Bは、ピストン401の先端が停止ボタンに接触せずに空走している期間を表しており、この期間の圧力は、ピストン401を駆動するのに必要な圧力である。ピストン401の先端が停止ボタン12に当接して押下を開始すると、時点Bに示すように、不連続に圧力が上昇する。したがって、圧力の経時変化からピストン401による停止ボタン12の押圧状況を判断することができる。なお、時点A〜Bの期間は、ピストン401の押圧力は開閉機構3に影響しないので、作動性評価には利用されない。
時点B〜Cは、ピストン401により停止ボタン12だけが押下されている期間である。停止ボタン12の作動がスムーズである場合、時点B〜Cの期間の圧力は相対的に低くなり、かつ略一定となる。これに対し、停止ボタン12が個渋している場合には、時点B〜Cの期間の圧力は相対的に高くなり、圧力の振動数が増加し、あるいは圧力の振幅幅が大きくなる。なお、時点B〜Cの期間は、ピストン401の押圧力は開閉機構3に影響しないので、作動性評価には利用されない。
時点C〜Dは、ピストン401により開閉器機3が駆動され、遮断器1が投入状態から遮断状態へと切り替わる期間を表す。時点Cは、停止ボタン12が手動引き外しレバー37に当接した状態を表しており、ピストン401に対する負荷の増加により、圧力は急激に上昇する。時点C〜Dにおいてピストン401の移動が進むと、停止ボタン12が手動引き外しレバー37を押圧し、手動引き外しレバー37がバネ331の付勢に抗してトリップフック33を回転させる。ピストン401の圧力は、トリップフック33による第2ローラ312Bの係止が解除される直前でピーク値Tとなり、トリップフック33による第2ローラ312Bの係止が解除された時点で急減する。
評価部47は、時点C〜Dの圧力を閾値DB461の閾値と比較し、その比較結果に基づいて、開閉機構3の作動性と、作動のスムーズさとを評価する。具体的には、評価部47は、時点C〜Dのピーク値Tと、閾値DB461の最大値461Aとを比較し、ピーク値Tが最大値461Aよりも低い場合には、開閉機構3の作動性が良好であると評価し、ピーク値Tが最大値461Aよりも高い場合には、開閉機構3の作動性が不良であると評価する。
また、評価部47は、ピーク値T付近における圧力の振動幅および振動数を、閾値DB461の振動幅461Bおよび振動数461Cと比較することにより、開閉機構3の作動のスムーズさを評価する。評価部47は、プロファイルの振動幅および振動数が振動幅461Bおよび振動数461Cよりも低い場合には、開閉機構3の作動がスムーズであると評価し、プロファイルの振動幅および振動数が振動幅461Bおよび振動数461Cよりも高い場合には、開閉機構3が個渋していると評価する。
このように、圧力のピーク値Tと、圧力の振動幅および振動数とに基づいて作動性を評価することにより、開閉機構3の固渋状態が、遮断器1を遮断状態にする際に大きな圧力が必要となる固渋状態なのか、それとも遮断器1を遮断状態にする際に開閉機構3の動きが渋くなるような固渋状態なのかを評価結果から判断することができる。
次に、作動性評価装置4による作動性評価の手順を、図7のフローに基づいて説明する。作動性評価装置4を遮断器1の停止ボタン12の上に取り付けて、演算部45の制御スイッチをオンにすると、作動性評価装置4が起動し、ピストン401にかかる圧力の測定と記録を開始する(ステップS1 計測ステップ)。具体的には、演算部45は、駆動速度制御部41を介して油圧駆動装置404を作動させ、ピストン401を微低速の一定速度で駆動させる。ストローク計測部42は、内蔵する可変抵抗の電気抵抗の変化量からピストン401が停止ボタン12を押下した距離を検出する。時間計測部43は、ピストン401の移動開始からの経過時間を計測する。圧力計測部44は、ピストン401を移動する際の圧力を計測する。記憶部46は、計測された経過時間および圧力を演算部45から受信して、記憶を開始する。
演算部45は、制御スイッチがオフされて作動性評価が中断された場合(ステップS2でYES)、あるいは圧力計測部44が計測した圧力が異常値である場合(ステップS3でYES)には、ストローク計測部42、時間計測部43および圧力計測部44による計測を中止する(ステップS4)。また、演算部45は、駆動速度制御部41を介して油圧駆動装置404を停止させ、ピストン401を停止させる(ステップS5)。
演算部45は、制御スイッチがオンのままで作動性評価が中断されていない場合(ステップS2でNO)、あるいは圧力計測部44が計測した圧力が正常値である場合(ステップS3でNO)には、ストローク計測部42の計測結果を確認し、ピストン401の移動距離が、停止ボタン12のストロークの終端に達しているか否かを確認する(ステップS6)。演算部5は、ピストン401の移動距離が停止ボタン12のストロークの終端に達していない場合には(ステップS6でNO)、ストローク計測部42により計測されたピストン401の移動距離と、時間計測部43により計測された経過時間とに基づいて、ピストン401の駆動速度を計算する(ステップS7 駆動速度産出ステップ)。
駆動速度制御部41は、ピストン401の駆動速度が予め設定した所定範囲に収まるように油圧駆動装置404を制御する(ステップS8〜S10 駆動速度制御ステップ)。具体的には、ピストン401の駆動速度が、予め設定された所定速度より遅いときには、油圧駆動装置404に指令してピストン401が停止ボタン12に与えている圧力を上昇させ(ステップS8)、一方、所定速度より速いときには逆に圧力を低下させ、ピストン401の駆動速度を所定の範囲内に調整する(ステップS9)。一方、ピストン401の駆動速度が所定の範囲内にあるときは、圧力は現状のまま維持する(ステップS10)。
以降、演算部45は、ピストン401の移動距離が停止ボタン12のストロークの終端に達するまでステップS2〜S10を繰り返す。演算部45は、ピストン401の移動距離が停止ボタン12のストロークの終端に達した場合には(ステップS6でYES)、ストローク計測部42、時間計測部43および圧力計測部44による計測を中止する(ステップS11)。また、演算部45は、駆動速度制御部41を介して油圧駆動装置404を停止させ、ピストン401を停止させる(ステップS12)。
評価部47は、記憶部46から読み出した圧力および経過時間のデータに基づき、圧力の経時変化を表すプロファイルを作成し、作成したプロファイルから、遮断器1が投入状態から遮断状態へと変位する期間における圧力を特定する。そして、特定した圧力を閾値DB461に記憶されている閾値と比較して、開閉機構3の作動性を評価する(ステップS13 評価ステップ)。通信部48は、評価部47の評価結果を遮断器1のコントロールパネルに出力したり、他の電気設備などに配信したりする(ステップS14)。
以上のように、上記実施形態の作動性評価装置4によれば、停止ボタン12をピストン401によって一定速度で押下する際の圧力および経過時間に基づいて、開閉機構3の固渋による作動性を評価するので、熟練作業者が停止ボタン12を押下する際の感覚に基づいて作動性を評価する場合と同様の評価を、引き外しコイル35に流れる電流を測定する場合と同程度の客観性や普遍性をもって定量的に、かつ精度よく行うことが可能となる。また、実際に停止ボタン12を押下して評価を行うので、引き外しコイル35に流れる電流を測定する方法では検知することができない開閉機構3の固渋状態を評価することができる。
さらに、遮断器1が投入状態から遮断状態へと変位する期間における圧力の最大値、または圧力の振動幅および振動数を予め設定された閾値と比較して評価するので、開閉機構3の固渋による作動性を適切に評価することができる。また、開閉機構3の固渋状態が、遮断器1を遮断状態にする際に大きな圧力が必要となる固渋状態なのか、それとも遮断器1を遮断状態にする際に開閉機構3の動きが渋くなるような固渋状態なのかを評価結果から判断することができるので、評価結果に基づくメンテナンス作業が適切に行えるようになる。また、評価部47で用いる閾値は、前回の作動性評価で求めた圧力の最大値、圧力の振動幅および振動数、あるいは遮断器と同機種の遮断器における圧力の最大値の平均値、圧力の振動幅および振動数の平均値に基づいて設定するようにしたので、適切な作動性評価が可能となる。
また、実際に停止ボタン12を微低速の一定速度で押下して開閉機構3の作動性を評価するので、引き外しコイル35に流れる電流を測定する従来の作動性評価で問題となっていた可動鉄心351の動作時の勢いによる影響を排除することができ、熟練作業者が停止ボタン12を押下する場合と同様の高い精度で開閉機構3の個渋状態を評価することができる。
さらに、評価の高精度化により、検査や設備のメンテナンスを適切に行うことができるので、トラブルを未然に防止でき、顧客サービスの向上にもつながる。また、一般的な遮断器は、手動で遮断動作を行わせるための停止ボタンを備えているので、本発明の作動性評価装置4は、多様な機種の遮断器に対して使用可能である。また、それ以外の構造、例えば油圧や空気圧の電磁弁を押下してトリップさせるタイプの遮断器についても、電磁弁を押下する際の圧力を計測することにより、作動性を評価することができる。さらに、本装置は常時設置でなく可搬式となるため、異なる設備間で共用が可能であり、設備毎に新たに装置を備える必要ななく、コスト削減にも資する。
なお、以上の説明では、台座403を磁性材料で作成し、磁力で遮断器1に取り付けるように説明したが、これに限定されるものではなく、例えば遮断器1と台座403とにネジ穴を設けて、ネジで固定してもよい。また、ピストン401を駆動させる圧力媒体は、油の他、水や空気などの液体・気体でもよい。
1 遮断器
2 真空バルブ
3 遮断器開閉機構
4 作動性評価装置
12 停止ボタン
40 トリップユニット(トリップ手段)
41 駆動速度制御部
42 ストローク計測部
43 時間計測部
44 圧力計測部
45 演算部
46 記憶部
47 評価部
48 通信部
401 ピストン

Claims (4)

  1. 遮断器開閉機構の作動性を評価するための作動性評価装置であって、
    前記遮断器開閉機構を手動で遮断動作させる際に操作される停止ボタンをピストンで押下するトリップ手段と、
    前記ピストンによる前記停止ボタンへの圧力を計測する圧力計測部と、
    前記ピストンが前記停止ボタンを押下した距離を計測するストローク計測部と、
    前記ピストンによる前記停止ボタンの押下開始からの経過時間を計測する時間計測部と、
    前記移動距離と、前記経過時間とから前記ピストンの駆動速度を算出する演算部と、
    前記駆動速度が所定範囲に収まるように前記トリップ手段を制御する駆動速度制御部と、
    前記経過時間と、前記圧力とを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記圧力および前記経時時間から前記圧力の経時変化を分析し、分析結果に基づいて前記遮断器開閉機構の作動性を評価する評価部と、
    を備えることを特徴とする遮断器開閉機構の作動性評価装置。
  2. 前記評価部は、前記遮断器が投入状態から遮断状態へと変位する期間における前記圧力の最大値、または前記圧力の振動幅および振動数を予め設定された閾値と比較し、比較結果に基づいて前記遮断器開閉機構の作動性を評価することを特徴とする請求項1に記載の遮断器開閉機構の作動性評価装置。
  3. 前記閾値は、前回の作動性評価で求めた前記圧力の最大値、前記圧力の振動幅および振動数、あるいは前記遮断器と同機種の遮断器における前記圧力の最大値の平均値、前記圧力の振動幅および振動数の平均値に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の遮断器開閉機構の作動性評価装置。
  4. 遮断器の開閉機構の作動性を評価するための作動性評価方法であって、
    前記遮断器開閉機構を手動で遮断動作させる際に操作される停止ボタンをトリップ手段のピストンにより押下させ、前記ピストンによる前記停止ボタンへの圧力と、前記ピストンが前記停止ボタンを押下した距離と、前記ピストンによる前記停止ボタンの押下開始からの経過時間と、を計測する計測ステップと、
    前記移動距離と、前記経過時間とから前記ピストンの駆動速度を算出する駆動速度算出ステップと、
    前記駆動速度が所定範囲に収まるように前記トリップ手段を制御する駆動速度制御ステップと、
    前記圧力および前記経過時間から前記圧力の経時変化を分析し、分析結果に基づいて前記遮断器開閉機構の作動性を評価する評価ステップと、
    を備えることを特徴とする遮断器開閉機構の作動性評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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