JP2017053939A - 映像投影システム - Google Patents

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伸也 三坂
Shinya Misaka
伸也 三坂
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【課題】限られた空間しかない場所にも設置することができ、簡易な構造で、水槽内に映像を投影することができる量産型の映像投影システムを提供する。
【解決手段】水槽12の斜め上方から映像を水槽12に投影する投影装置14とを含んで映像投影システム1を構成する。水槽12は、少なくとも鑑賞者側の鑑賞面部125が透明部材で形成されている。この鑑賞面部125に内対する面部には、交換自在にポリプロピレンのシート材が設けられている。シート材には、映像面が形成されている。投影装置14は、水槽12の天面部121の斜め上方から反射部材を設けることなく映像面に映像を投影する。映像面は無光沢面又は半光沢面である。
【選択図】図1

Description

本発明は、水生生物が収容された水槽に映像を投影する映像投影システムに関する。
近年、クラゲなどの水生生物を収容した水槽に光や映像を投影して癒やし効果を高める技術が多用されている。例えば、特許文献1には、水槽にスクリーンを形成し、形成されたスクリーンに市販のプロジェクタから自然の風景等を投影し、投影した映像を、水流などを利用して幻想的な映像美にする映像システムが開示されている。
特許文献1に開示された映像システムでは、多数の噴出ノズルから吐出される流動水などをスクリーンとして用いている。また、3色の色を発光するプロジェクタからの光路を、それぞれ反射鏡で反射されながら、スクリーンに導いている。その際、反射鏡の投影曲面とスクリーンの曲面を一致させるなどの工夫を施している。
特開2014−21482号公報
特許文献1に開示されている映像システムでは、立体流動型のスクリーンを用いているため、水が流動する際に必然的に音が出る。そのため、静かな空間でそれを使用することができないという問題がある。また、多数の噴射ノズルからの噴射量や噴射方向の調整機構や反射鏡及びその設置機構が必要となり、システム構成が大がかりなものとなり、同じ機構を多数設けることが困難になるという問題がある。また、スクリーンを構成する際に水が飛散するため、設置場所も限られたものとなる。
本発明は、限られた空間しかない場所にも設置することができ、簡易な構造で水槽内に映像を投影することができる量産型の映像投影システムを提供することを課題とする。
本発明が提供する映像投影システムは、少なくとも鑑賞者側の鑑賞面部が透明部材で形成され、該鑑賞面部に内対する面部に映像面が形成された水槽と、この水槽の天面部の斜め上方から反射部材を設けることなく前記映像面に映像を投影する投影装置と、前記投影装置に映像データを供給する映像供給装置とを備え、前記映像面が、前記面部に交換自在に設けられたシート材の無光沢面又は半光沢面であることを特徴とする。
シート材は、例えば投影される映像の種類に応じて最適な発色を呈する色のポリプロピレンで構成される。水槽は、例えばクレーゼル水槽であり、投影装置からの映像が到達する部分が所定曲率のR状(角部のない形状)に形成されている。ある実施の態様では、水槽のうち天面部を除く部分は透明部材で構成されている。そして、載置されたときに、それぞれの部分の外面の周囲に気体が存在し、これにより、当該水槽内に水が充填されたときに前記鑑賞面部からみた部分が鏡面となるようにしている。
本発明によれば、水槽内に交換自在のシート材の無光沢面又は半光沢面で映像面が構成されているので、映像の種類に応じて最適な発色を呈する映像面を水槽内に形成することができる。また、反射部材を設けることなく、投影装置が水槽の天面部斜め上方から映像を映像面に投影するので、限られた空間に本システムを設置することができる。
本実施形態に係る映像投影システムの全体構成図。 (a)は、水槽の上面図、(b)は(a)のA−A断面図。 投影装置から映像を投影する原理の説明図。 映像投影システムの使用状態説明図。 複数の映像投影システムをマトリクス状に並べた使用状態説明図。
以下、本発明の実施の形態例を説明する。
図1は、本実施形態に係る映像投影システムの全体構成図である。この映像投影システム1は、鑑賞窓付き扉21が開閉自在に設けられた収容空間に、透明部材で構成される水槽12、水流調整機構13、投影装置14、LED光源15,16、及び制御装置17を備えて構成される。水槽12は、収容空間の載置面22との間に所定の間隙を作るために複数の載置台23で支持されている。また、水槽12の背面側に補強用のシート材(図示省略)が設けられている。水流調整機構13は、水槽12内に充填された水面を揺らさずに水を環流させるための調整機構であり、水源、パイプ、ポンプ及びバルブの組み合わせで構成される。水槽12には、鑑賞用の水生生物が収容される。
水槽12はクレーゼル水槽であり、投影装置14からの映像が到達する部分は所定の曲率半径R状に成形されている。これにより、反射による映像の乱れを防止することができる。図2(a)は、このような水槽12の上面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図1及び図2を参照すると、水槽12は、天面部121、一対の側壁面部122,123、下底部124、一対の幅広面部125,126を有する透明アクリル製のものである。投影装置14からの映像が到達する部分、すなわち、下底部124と一対の側壁面部122,123との接合部分1241,1242は、所定の曲率半径のR状に成形されている。天面部121には枠体1211が固定されている。水槽12の各部の厚みは15[mm]である。また、天面部121のサイズは長辺1680[mm]、短辺40[mm]である。高さは70[mm]である。
本明細書では、一対の幅広面部125,126のうち、鑑賞者側の幅広面部(図1から見て手前側)を「鑑賞面部」125、この鑑賞面部125に内対する幅広面部を「背面部」126と称する。背面部126には、無光沢面又は半光沢面を有する一定厚のシート材であるポリプロピレンプレート(PPプレート)が交換自在に設けられている。このPPプレートは、その一部又は全部の領域が映像面(スクリーン)18として機能するものである。無光沢面又は半光沢面とするのは、光の反射による映像の乱れを防止するためである。光沢面では、鑑賞面部125の外側からフラッシュ付カメラで撮影されたときに、それを反射してしまうため、採用しなかった。PPプレートの色は、水中における多くの映像の発色性を高める淡いグレー色が望ましい。但し、淡いグレー色に限定されるものではなく、映像の色、あるいは水槽12に収容される水生生物の色を際立たせる他の色であっても良い。
水槽12は、水槽内に水を充填したときの耐膨張力を維持するため、天面部121に枠体1211を固定している。この枠体1211は、鑑賞面部125側の幅W1に対して背面部126側の幅W2が大きい。これは、水槽12全体の強度を保持しつつ、投影装置14から投影される映像の進行方向が枠体1211を透過する際に乱れることを防止するためである。水流調整機構13は、水槽12の右側と左側とが非対称構造となっている。これは、鑑賞面部125からみた水流を左回りにする場合もあれば、右回りにする場合もあるためである。右側の吐出口は左へ、左側の吐出口は下方へ水流を送るようにしてある。左右の吐出口それぞれに水量調整用のバルブを設置しており、水生生物の種類やサイズに合わせて調整ができるように配管を組んである。
投影装置14は、水槽12の天面部121の上方約10cmの部位に固定し、天面部121の斜め上方から反射部材を設けることなく映像面18に映像を投影する。投影装置14には、光投射口を介して光を至近投射する短焦点の光学系を有するプロジェクタを用いることができる。本願出願時において市販されている中では、プロジェクタ(商品名「RICOH PJ WX4141NI」)を用いることができる。投影装置14には、制御装置17から、有線ケーブル又は無線通信を通じて、映像データ(静止画、動画、文字データなどを含む)が供給される。つまり、制御装置17は、映像供給装置として機能する。制御装置17は、映像供給コンピュータプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータなどにより実現することができる。
図3は、水槽12の側壁面部122方向からみた投影装置14の動作説明図である。この図に示されるように、投影装置14は、映像面18の最下部と枠体1211の端部W1より内側との間に映像を投影する。このとき、投射口から映像が結像する部位までの距離、すなわち、映像面18の最上部までの距離は11.7cmであり、当該部位で最も映像の輝度が高くなり、映像面18は台形となるが、輝度、投影形状及び焦点距離の自動補正により、鑑賞面部125からみた映像面18を略長方形にすることができる。但し、投影口から映像が結像する部位までの長さが12cm以下であれば、違和感のないサイズの映像面18を形成することができる。
図1に戻り、LED光源15,16は、投影装置14の両側に設置される。LED光源15,16は、それぞれ赤、緑、黄の3色のLEDで構成されており、各色のLEDの光量を変えることにより、さまざまな色を水槽12に向けて発光する。LED光源15,16の発光制御は、制御装置17で行われる。制御装置17は、例えば、投影装置14に供給する映像データに同期してその色が変化するように制御することができる。これは、映像データの変化タイミングを解読し、その変化後の映像データの内容に適合する最適な色及び発光量を解析し、解析結果に応じた発光制御を行うことにより実現することができる。
次に、本実施形態の映像投影システム1の使用形態例について説明する。図4は、鑑賞時の映像投影システム1の使用状況の状態説明図である。鑑賞窓付き扉21を閉じると、水流調整機構13、投影装置14、LED光源15,16は隠され、水槽12の鑑賞面部125とその奥の映像面18だけが露出する。映像面18には映像が表示される。映像面18以外の部分は、その外面の周囲に空気などの気体が存在するため、水の屈折率の関係で、鑑賞面部125からみて鏡面に見える。水生生物41の色や動きに合わせて映像を表示させることで、幻想的な光景を水槽12の内部で作りだすことができる。必要に応じてLED光源15,16の発光制御を行うことにより水生生物41の影43がデフォルメされて水槽12の下底部124にぼんやり映し出される。そのため、映像、LED光源15,16、水生生物の動きのコラボレーションによって、様々なバリエーションの景観を水槽12内で演出することができる。
特許文献1に開示された映像システムと異なり、本実施形態の映像投影システム1では、スクリーンに相当する映像面18を交換自在のPPプレートで実現している。また、投影装置14として短焦点のプロジェクタを用い、これを水槽12の天面部121の斜め上方からダイレクトに映像面18に投影するので、反射部材を必要としない。そのため、限られた空間であっても収容可能な、簡易構造で低コストの映像投影システム1を実現することがでできる。また、量産が可能である上に、1台の制御装置17で、多数の映像投影システム1を同時に制御することもできる。
図5は、本実施形態の映像投影システム1をマトリクス状に並べた場合の使用状況説明図である。共通の制御装置17から各映像投影システム1に映像データを供給し、各映像面18に、それぞれ関連する映像を表示させたり、一つの映像を分割表示させたりする。これにより、壮大な景観を鑑賞者に提供することができる。
なお、本実施形態では、アクリル製の水槽12を用いた場合の例を示したが、水槽12はガラス材その他の硬質部材のものであっても良い。また、本実施形態では、クレーゼル水槽を用いた場合の例を示したが、他の構造の水槽を用いることができる。但し、角部のない水槽、あるいは少なくとも映像が到達する部分で当該映像を乱反射させない構造の水槽であることが望ましい。本実施形態では、また、天面部121を除くすべての面部が透明部材であることを前提として説明したが、鑑賞面部125だけ、あるいは鑑賞面部125と一対の側壁部122,123と下底部124のいずれかだけが透明部材で構成される水槽であっても良い。また、本実施形態において、LED光源15,16は不可欠のものではなく、投影装置14だけを用いても良い。

Claims (8)

  1. 少なくとも鑑賞者側の鑑賞面部が透明部材で形成され、該鑑賞面部に内対する面部に映像面が形成された水槽と、
    この水槽の天面部の斜め上方から反射部材を設けることなく前記映像面に映像を投影する投影装置と、
    前記投影装置に映像データを供給する映像供給装置とを備え、
    前記映像面は、前記内対する面部に交換自在に設けられたシート材の無光沢面又は半光沢面である、
    映像投影システム。
  2. 前記シート材が一定厚のポリプロピレンで構成されている、
    請求項1に記載の映像投影システム。
  3. 前記水槽のうち天面部を除く部分が透明部材で構成されており、載置されたときに、それぞれの部分の外面の周囲に気体が存在し、これにより、当該水槽内に水が充填されたときに前記鑑賞面部からみた部分が鏡面となる、
    請求項1に記載の映像投影システム。
  4. 前記水槽がクレーゼル水槽であり、前記映像装置からの映像が到達する部分が所定曲率のR状に形成されている、
    請求項1、2又は3に記載の映像投影システム。
  5. 前記水槽の天面部には、前記鑑賞面部側の幅に対して前記映像面側の幅が小さい枠体が固着されており、
    前記投影装置は、前記映像面の最下部と前記枠体の端部よりも内側との間に前記映像を投影する、
    請求項4に記載の映像投影システム。
  6. 前記投影装置の投影口から前記映像が結像する部位までの距離が12cm以下である、
    請求項3、4又は5に記載の映像投影システム。
  7. 前記水槽の天面部上の所定部位に、前記投影面に投影される映像の変化に同期してその色が変化する光源をさらに備えてなる、
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載の映像投影システム。
  8. 前記水槽内の水を、水面を揺らさずに環流させる水流調整機構をさらに備えてなる、
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の映像投影システム。
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