JP2017053698A - ランダムな波形の荷重を負荷するシステムおよび方法、疲労試験用プログラム、および疲労試験機 - Google Patents
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Abstract
Description
機体には、荷重、振幅、波形(例えば正弦波、台形波)がランダムであるランダム波形からなる荷重履歴(以下、スペクトラム)が想定されており、そのスペクトラムは、1フライトあたり数千サイクル〜数万サイクルに亘り形成される。フライトパターンには、種々のパターンがあり1ライフは複数のフライトパターンの組み合わせから構成されている。
航空機の寿命(ライフ)が仮に10万フライトであるとすると、例えば3ライフ相当である30万フライト分もの荷重に耐えることが要求されるが、サイクル数が非常に多いため、想定されるスペクトラム全てを網羅した疲労試験を行うために膨大な時間を要する。特に全機試験は、大型試験であり、多数の荷重負荷点がある。荷重負荷点が多いと、二次三次の振動モードが出たり共振が起こり易い。また、荷重負荷点によって振幅が異なるため同期が難しく、ある荷重負荷点では荷重の負荷を待機するといった処置が必要となる。それらの理由から、周波数を上げることが難しく、一連のスペクトラムの全てを負荷する全スペクトラム試験を実施することは現実的ではない。
そのため、荷重のオミッション(削減)およびトランケーション(集約化)によってスペクトラムを簡略化することにより、試験期間の短縮を図る必要がある。
そこで、全機試験に先立ち、機体の要素に対して、全スペクトラム試験と、簡略化スペクトラム疲労試験(トランケーション試験)とを実施し、それぞれの試験結果が等価であることを証明することで、トランケーション試験の妥当性を担保するとよい。試験対象とする機体要素としては、機体において疲労により最も破断し易い継手部位等が選定され、当該要素を模擬した供試体に対して疲労試験機の油圧アクチュエータにより負荷が与えられる。
機体の要素に対して全スペクトラム試験を行う場合、荷重負荷点が少なく供試体が簡略化されるため、周波数を上げることができる。周波数の設定方法により試験効率に大きな差が生じる。
特許文献1の疲労試験装置によれば、スペクトラム波を供試体に負荷することを実現できるが、そこには、試験期間を短縮する視点はない。
しかし、油圧アクチュエータの振幅には周波数に応じて上限があり、その上限を超えた振幅にまで周期内に油圧アクチュエータが変位しきれずに振幅が不足するので、供試体に与えられる荷重が不足してしまう。
仮に、荷重が定常波であって、高速化により油圧アクチュエータの変位が追いつかないため荷重が不足するのなら、アクチュエータが供試体に与える荷重に一定の乗数を適用し、荷重を一律的に上げるとよい。しかし、荷重が変動しており振幅も波形も様々なランダム波の個々の波形について、適合する乗数を導いて荷重を補正するといった処理は、サイクル数からいって殆ど不可能であり、もし可能であるとしても補正処理に膨大な時間を要する。
そして、信号生成装置は、疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機で対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、補正により得られた複数の代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、スペクトラムに関数を適用することで制御信号を生成する信号生成部と、を備える。
「代表値」としては、代表荷重または代表変位が該当する。
本発明の疲労試験システムにより、航空機の機体の構成要素に対応する供試体に対して荷重を与えることができる。
そして、駆動制御装置は、油圧アクチュエータの負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機で対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、補正により得られた複数の代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、スペクトラムに関数を適用することで、油圧アクチュエータに供給される制御信号を生成する信号生成部と、を備える。
本発明の疲労試験方法は、制御信号に基づいて、装置の構成要素に対応する供試体である対象に荷重を与える全スペクトラム試験の結果と、スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを供試体に与える簡略スペクトラム試験の結果とが、等価であることを確認するステップと、装置の全体を対象として、スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを与える全体試験を行うステップと、を備えることができる。
上記の全体試験は、航空機を対象として行うことができる。
図1に示す疲労試験システム1は、航空機の機体(ここでは胴体)の構成要素を模擬した供試体2に対して、機体要素に想定されるランダムな波形の荷重を与える。
疲労試験システム1は、供試体2に荷重を与える疲労試験機3と、疲労試験機3に供給される制御信号C1を生成する信号生成装置5とを備えている。
このスペクトラムは、1フライトあたり例えば数千サイクルに亘り連続している。図2に示すようなスペクトラムの全てのことを、以下では「全スペクトラム」と称する。
本実施形態では、航空機の例えば3ライフ相当分の全スペクトラムを供試体2に与える試験(全スペクトラム試験)を行う。供試体2に与えられるスペクトラムのサイクル数は、膨大な数に上る。
本実施形態において疲労試験機3に供給される制御信号C1の周波数は、振幅に応じて与えられるので、疲労試験の時間短縮が可能となる。本実施形態は、疲労試験機3に供給される制御信号C1を関数を用いて生成すること、特に、その関数を得るためのプロセスおよび構成に主要な特徴を有する。
疲労試験機3は、シリンダおよびピストンを有する油圧アクチュエータ31と、供試体2および油圧アクチュエータ31を支持する架構4と、必要に応じて荷重計(ロードセル)や変位計を備えている。荷重計や変位計の図示は省略する。
油圧アクチュエータ31は、供給された制御信号C1に基づいて油圧によりピストンを往復変位(振動)させる。
油圧アクチュエータ31のピストンの往復変位に伴って、ピストンロッドに固定された供試体2に軸力が繰り返し与えられる。
航空機の胴体に想定される空力荷重としては圧縮よりも引張が優勢であるため、供試体2には主として引張荷重が与えられる。
この供試体2の板材2A,2Bには、板厚が異なる部分(段差)が形成されている。
供試体2は、航空機の胴体において疲労により最も破断し易い部位に該当する。
この供試体2の他にも、疲労により破断し易い機体の要素に対応する複数の供試体が選定されることが好ましい。
油圧アクチュエータ31の振幅の上限は、シリンダ内に油を送り込む疲労試験機3の性能によって決まる。
信号生成装置5は、演算処理を行う演算装置7と、演算処理に用いられるデータを保持するメモリ8と、コンピュータプログラム等のデータを記憶する記憶装置9とを備えている。
信号生成装置5において、制御信号C1を生成するコンピュータプログラムが実行されると、コンピュータプログラムに含まれる処理モジュールとして、スペクトラム取得部11と、周波数設定部12と、周波数・振幅補正部13と、関数設定部14と、信号生成部15とがメモリ8に展開され、所定の処理を行う。
スペクトラムは、1サイクル以上の信号波形からなる波形シーケンスが連なったものであり、その波形データは、例えば、各シーケンスの繰り返しサイクル数、荷重最大値、荷重最小値、荷重平均値、振幅、波形(正弦波、台形波等)等の情報を含んでいる。
スペクトラム取得部11が全スペクトラムの波形データを適宜な方法で生成するように構成されていてもよい。
まず、周波数設定部12により、油圧アクチュエータ31の負荷速度(または変位速度)が一定となるように、負荷の振幅に応じて周波数を仮設定する(ステップS1:周波数の仮設定)。振幅が大きいほど低い周波数が仮設定され、振幅が小さいほど高い周波数が仮設定されることになる。
ここで、「負荷速度」は、油圧アクチュエータ31により供試体2に入力される荷重の単位時間あたりの変化量をいう。「変位速度」は、油圧アクチュエータ31のピストンの単位時間あたりの変位量をいう。変位速度は、疲労試験機3の性能曲線(図3)や、疲労試験機3のデータシート等から取得することができる。負荷速度は、例えば、弾性域における変位および荷重の一定の関係に基づいて疲労試験機3の性能曲線(図3)の変位を荷重に置き換えることにより、取得することができる。
図5(a)および(b)に模式的に示すように、供試体2に入力される荷重(または変位)の変化を示す各信号波形の振幅Apが違っていても、波形の傾き(負荷速度または変位速度)が一定の値Xとなるように振幅Apに応じて周波数(1/t)を仮設定する。そうすると、図6に示す例のように、周波数と振幅Apとの対応関係Rが定められる。
図5(a)および(b)に示された波形は正弦波であり、ここでは、その正弦波における最大の傾きが値Xに相当する。
本実施形態では、負荷を用いて制御信号C1を得ることを「荷重制御」と称し、変位を用いて制御信号C1を得ることを「変位制御」と称する。
以下、主として荷重制御について説明する。
但し、後述するように、最終的には、入力荷重に対する応答確認後に、上記で仮設定した周波数を補正するので、全スペクトラムの最大振幅が完全に変位しきれる周波数となるように、値Xを厳密に定める必要はない。ここでは、負荷速度が一定(または変位速度が一定)というアプローチで周波数を仮設定することにより、疲労試験機3の特性に由来した、周波数および振幅の対応関係R(図6)を得ることができれば十分である。
以下、全スペクトラムから複数選ばれた代表的な荷重のことを代表荷重と称し、全スペクトラムから複数選ばれた代表的な変位のことを代表変位と称する。
図6に示す例では、周波数および振幅の指数関数的な相関より、対応関係Rは、対数グラフに直線で示されている。
ステップS2を行うにあたり、複数の代表荷重(または代表変位)の各々の振幅について、図6に示すように仮設定された周波数を適用して応答を確認する。このとき、疲労試験機3により供試体2に代表荷重を一定の周波数で負荷する。そのために、代表荷重(または代表変位)の最大値、最小値、波形、および周波数等に基づいて生成された制御信号を疲労試験機3に供給することができる。
ここで、応答は、荷重計あるいは変位計により得られた計測値の所定の目標値に対する比率をいう。つまり、目標値どおり負荷できていれば、応答は100%である。
目標値は、荷重制御の場合には代表荷重に相当し、変位制御の場合には代表変位に相当する。後述する周波数および振幅の補正処理(図9)における目標値も同様の意味である。
図7に、周波数に応じた応答の一例をプロットしている。
図7に示す例では、応答が100%に対して突出している共振周波数帯域が認められる。その帯域における共振周波数f0は、供試体2および供試体2と一体に振動する架構4や油圧アクチュエータ31からなる振動体の固有振動数に相当する。
共振周波数f0の前後における応答の傾向として、共振周波数f0よりも低い周波数帯域では、応答が100%または100%に近い。共振周波数f0よりも高い周波数帯域では、応答が100%に満たない。共振周波数f0よりも高い周波数帯域では、必要な応答が得られていない。これは、供試体2の剛性が低かったり段差があることによって軸方向と交差する方向への供試体2の変位・変形が大きい場合などに見られる。
例えば、代表荷重(または代表変位)のうち応答が100%に満たないものについては、100%に対して不足する分だけ応答を上げるために、ステップS1で仮設定していた周波数を下げるといった周波数の補正を行う。周波数を補正しても応答には影響しないため、周波数の補正によって応答を効率よく100%に合わせることができ、必要な応答を示すことが担保される。
図8に、一例として、周波数の補正を行った後の代表荷重に関するデータをプロットしている。
以下、図9および図10を参照し、周波数および振幅を補正する処理の一例について説明する。
図9に、周波数・振幅補正部13による処理のロジックを示している。本実施形態では、スペクトラムの代表荷重に対応する荷重を疲労試験機3により供試体2に与えながら応答を確認しつつ、その応答確認結果に基づいて周波数および振幅を補正する。かかる補正処理は、スペクトラムの複数の代表荷重(または代表変位)の各々について順次行れる。
補正処理の最初では、スペクトラムの代表荷重(または代表変位)に対応する目標波形を示す制御信号C0を疲労試験機3に入力することにより、目標波形に対応する荷重を供試体2に入力する。制御信号C0の周波数は一定である。補正処理の最初では、制御信号C0の周波数は、対応関係Rに従って定められる。
ここで、荷重または変位の計測値が、目標値に対応して予め定められた閾値の範囲内にあるため、目標値と計測値との差が許容される場合(ケースA)は、応答はほぼ100%であって、周波数および振幅の補正は必要ない、
ケースAの例としては、図10に示すAの範囲のデータが該当する。
閾値は、目標値の前後にそれぞれ定めることができる。また、目標値の所定の比率あるいは所定値だけ目標値から離れた値を閾値として定めることができる。
その際には、試験時間の短縮のため、周波数を小さくする修正は避けたいので、周波数の補正に先立ち、まず、振幅を大きくする補正を行う。この振幅補正を最大でN回まで継続し、それでも応答が不足している場合は、周波数を小さくする補正を行う。ケースBの例としては、図10に示すBの範囲のデータが該当する。
一方、目標値に対応する閾値よりも計測値が大きい場合(ケースC)は、応答が過剰であるため、振幅を小さくする補正処理を実施する。ケースCの例としては、図10に示すCの範囲のデータが該当する。
本実施形態では、図8に示すプロットを直線(図8の破線)で近似することにより、周波数と振幅との関係を示す関数F1を得ているが、適宜な次数の曲線で表される関数を算出することができる。
信号生成部15は、波形データに関数F1を適用することで制御信号C1を生成する。具体的には、波形データに含まれる各波形シーケンスの振幅に対応する周波数を関数F1から求め、求めた周波数および波形データから制御信号C1を生成する。
以上により制御信号C1が生成されたならば、疲労試験機3に制御信号C1を供給することにより、供試体2の全スペクトラム試験を実施する。
そのため、制御信号C1の周波数が、周期内に油圧アクチュエータ31が十分な振幅で変位するように一定に定められた場合と比べて、試験時間を短縮することができる。
そのことを検証するため、疲労試験機3の荷重計あるいは変位計を用いて応答を実測し、実測値が、スペクトラムの波形データ(図2)に対応していることを確認することが望ましい。
なお、周波数および振幅の補正および関数F1の設定にあたっては、スペクトラムに含まれる波形シーケンスの切り替わりを考慮した処理を行うことにより、スペクトラムをより完全に再現することができる。
したがって、典型例と同様に、油圧アクチュエータ31の十分な変位を許容する一定の周波数の制御信号を疲労試験機3に供給する場合は、全スペクトラム試験に例えば6ヶ月を要するところ、本実施形態によれば、全スペクトラムの制御信号C1を用意し、その制御信号C1を疲労試験機3に供給する全スペクトラム試験の完了までに要する期間を例えば数週間にまで大幅に短縮することができる。
全機試験は、航空機の損傷許容設計の一環として行われ、全機疲労試験としては、時間の制約から、荷重のオミッション(削減)およびトランケーション(集約化)を行うことで簡略化されたスペクトラムを全機に与えるトランケーション試験が実施される。
全スペクトラムの1つのパターンのサイクル数が例えば1万サイクルであるとすると、トランケーション試験では、対応するパターンが例えば数百サイクルにまで減少している。オミッションおよびトランケーションの結果、トランケーション試験のスペクトラムの荷重は全スペクトラム試験のスペクトラムに対して嵩上げされている。
このように荷重のオミッションおよびトランケーションが行われたスペクトラムを全機試験に用いることの妥当性を確保する必要がある。
図12に、トランケーション試験の際に供試体2に与えられる簡略化スペクトラムのパターンの一例を示す。図2に示すような全スペクトラムのパターンについて、公知の手法によってオミッションおよびトランケーションを行うことによって、図12に示すように簡略化されたなスペクトラムのパターンを得ることができる。このようなパターンを適宜に組み合わせた簡略スペクトラムを示す波形データから制御信号を生成し、疲労試験機3に供給することで、供試体2に対するトランケーション試験を行うことができる。トランケーション試験に用いられる制御信号の生成も、全スペクトラム試験に用いられる制御信号C1と同様に、コンピュータ装置上で実行されるコンピュータプログラムに基づいて自動的に行われることが好ましい。
トランケーション試験は、全スペクトラム試験に比べてサイクル数が格段に少ないため、短期間に終えることができる。トランケーション試験に用いられる制御信号の周波数には特に制約がなく、周波数が一定であってもよい。
なお、上記のS−N曲線は、例えば、供試体2に想定されるスペクトラムに対して嵩上げされた一定振幅の荷重を一定周波数で供試体2に与える疲労試験より得ることができる。
上述したように、制御信号C1を生成するまでのプロセスにより供試体2を対象とする全スペクトラム試験に要する時間が短縮されており、供試体2を対象とするトランケーション試験には格別に時間を要さない。そのため、早期に全機試験に移行することができる。
上記実施形態は、コンピュータプログラムを用いて、負荷速度または変位速度が一定となるように仮設定した周波数を応答に基づいて補正することで関数F1を設定することに主要な特徴を有する。したがって、当該コンピュータプログラム(以下、疲労試験用プログラム)が関数F1に基づいて制御信号C1を生成することは必須ではなく、疲労試験用プログラムが出力した関数F1を別のコンピュータプログラムが受け取り、別のコンピュータプログラムが関数F1に基づいて制御信号C1を生成するように構成することもできる。
例えば、疲労試験用プログラムが、疲労試験機3に備えられた駆動制御装置に導入されていてもよい。かかる駆動制御装置は、油圧アクチュエータ31を駆動制御するものであり、上述した信号生成装置5の代わりに、周波数設定部12と、周波数・振幅補正部13と、関数設定部14と、信号生成部15とを備えることができる。
本発明は、航空機に限らず、例えば、船舶、車両等の輸送機械や、ガスタービン等の動力源、工作機械等のあらゆる構造物の疲労試験に広く利用することができる。
そういった構造物の全体またはその部位(要素)に対して疲労試験を行うために、本発明を利用することができる。
2 供試体(対象)
3 疲労試験機
4 架構
5 信号生成装置
7 演算装置
8 メモリ
9 記憶装置
11 スペクトラム取得部
12 周波数設定部
13 周波数・振幅補正部(補正部)
14 関数設定部
15 信号生成部
31 油圧アクチュエータ
R 対応関係
C1 制御信号
F1 関数
S1 周波数設定ステップ
S2 周波数・振幅補正ステップ
S3 関数設定ステップ
S4 信号生成ステップ
Claims (10)
- 対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機と、
前記疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成装置と、を備え、
前記信号生成装置は、
前記疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、
前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、
補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、
前記スペクトラムに前記関数を適用することで前記制御信号を生成する信号生成部と、を備える、
ことを特徴とする疲労試験システム。 - 前記補正部は、
前記代表値に対応する荷重を前記対象に与えながら応答を確認しつつ、応答に基づいて周波数および振幅の少なくとも一方を更新する、ことを特徴とする請求項1に記載の疲労試験システム。 - 前記対象は、
航空機の機体の構成要素に対応する供試体である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の疲労試験システム。 - コンピュータプログラムであって、
コンピュータにより実行される処理モジュールとして、
対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、
前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、
補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、を備える、
ことを特徴とする疲労試験用プログラム。 - 前記処理モジュールとして、
前記スペクトラムに前記関数を適用することで、前記疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の疲労試験用プログラム。 - 対象にランダムな波形の荷重を与える油圧アクチュエータと、
前記対象および前記油圧アクチュエータを支持する架構と、
前記油圧アクチュエータを駆動制御する駆動制御装置と、を備える疲労試験機であって、
前記駆動制御装置は、
前記油圧アクチュエータの負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、
前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、
補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、
前記スペクトラムに前記関数を適用することで、前記油圧アクチュエータに供給される制御信号を生成する信号生成部と、を備える、
ことを特徴とする疲労試験機。 - 対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験方法であって、
コンピュータプログラムを用いることにより、
前記対象に荷重を与える疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定ステップと、
前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正ステップと、
補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定ステップと、
前記スペクトラムに前記関数を適用することで、前記疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成ステップと、
前記制御信号に基づいて前記疲労試験機により前記対象に荷重を与える負荷ステップと、を備える、
ことを特徴とする疲労試験方法。 - 前記補正ステップでは、
前記代表値に対応する荷重を前記対象に与えながら応答を確認しつつ、応答に基づいて周波数および振幅の少なくとも一方を更新する、
ことを特徴とする請求項7に記載の疲労試験方法。 - 前記制御信号に基づいて、装置の構成要素に対応する供試体である前記対象に荷重を与える全スペクトラム試験の結果と、
前記スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを前記供試体に与える簡略スペクトラム試験の結果とが、等価であることを確認するステップと、
前記装置の全体を対象として、前記スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを与える全体試験を行うステップと、を備える、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の疲労試験方法。 - 前記対象は、
航空機の機体の構成要素に対応する供試体である、
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の疲労試験方法。
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