JP2017053698A - ランダムな波形の荷重を負荷するシステムおよび方法、疲労試験用プログラム、および疲労試験機 - Google Patents

ランダムな波形の荷重を負荷するシステムおよび方法、疲労試験用プログラム、および疲労試験機 Download PDF

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Abstract

【課題】疲労試験に要する時間を短縮すること。【解決手段】疲労試験システム1は、供試体2にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機3と、疲労試験機3に供給される制御信号C1を生成する信号生成装置5とを備えてる。信号生成装置5は、疲労試験機3の負荷速度(または変位速度)が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部12と、スペクトラムを代表する複数の代表荷重(または代表変位)の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機3で供試体2に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部13と、補正により得られた複数の代表荷重に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数F1を設定する関数設定部14と、スペクトラムに関数F1を適用する信号生成部15とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、航空機をはじめとする各種の構造物に対してランダムな波形(不規則な波形)の荷重を与える疲労試験システム、疲労試験方法、疲労試験用プログラム、および疲労試験機に関する。
航空機の損傷許容設計の一環として、機体の全体(全機)を対象とする全機疲労試験が実施される。
機体には、荷重、振幅、波形(例えば正弦波、台形波)がランダムであるランダム波形からなる荷重履歴(以下、スペクトラム)が想定されており、そのスペクトラムは、1フライトあたり数千サイクル〜数万サイクルに亘り形成される。フライトパターンには、種々のパターンがあり1ライフは複数のフライトパターンの組み合わせから構成されている。
航空機の寿命(ライフ)が仮に10万フライトであるとすると、例えば3ライフ相当である30万フライト分もの荷重に耐えることが要求されるが、サイクル数が非常に多いため、想定されるスペクトラム全てを網羅した疲労試験を行うために膨大な時間を要する。特に全機試験は、大型試験であり、多数の荷重負荷点がある。荷重負荷点が多いと、二次三次の振動モードが出たり共振が起こり易い。また、荷重負荷点によって振幅が異なるため同期が難しく、ある荷重負荷点では荷重の負荷を待機するといった処置が必要となる。それらの理由から、周波数を上げることが難しく、一連のスペクトラムの全てを負荷する全スペクトラム試験を実施することは現実的ではない。
そのため、荷重のオミッション(削減)およびトランケーション(集約化)によってスペクトラムを簡略化することにより、試験期間の短縮を図る必要がある。
特許文献1に記載された疲労試験装置は、実機での負荷を模擬したスペクトラム波から生成した制御信号に基づいてアクチュエータを駆動することで供試体に負荷を加えながら、供試体に与えられた荷重や変位の計測結果をフィードバックすることで制御信号を調整している。そうすることにより、供試体にスペクトラム波の荷重を再現することが可能となる。
特開2012−93231号公報
スペクトラムを簡略化することで試験期間の短縮を図りつつも、疲労試験の妥当性を担保する必要がある。
そこで、全機試験に先立ち、機体の要素に対して、全スペクトラム試験と、簡略化スペクトラム疲労試験(トランケーション試験)とを実施し、それぞれの試験結果が等価であることを証明することで、トランケーション試験の妥当性を担保するとよい。試験対象とする機体要素としては、機体において疲労により最も破断し易い継手部位等が選定され、当該要素を模擬した供試体に対して疲労試験機の油圧アクチュエータにより負荷が与えられる。
機体の要素に対して全スペクトラム試験を行う場合、荷重負荷点が少なく供試体が簡略化されるため、周波数を上げることができる。周波数の設定方法により試験効率に大きな差が生じる。
特許文献1の疲労試験装置によれば、スペクトラム波を供試体に負荷することを実現できるが、そこには、試験期間を短縮する視点はない。
全スペクトラム試験の期間を短縮するために、疲労試験機の油圧アクチュエータを高速で振動させることで荷重の周期を短くすることが考えられる。
しかし、油圧アクチュエータの振幅には周波数に応じて上限があり、その上限を超えた振幅にまで周期内に油圧アクチュエータが変位しきれずに振幅が不足するので、供試体に与えられる荷重が不足してしまう。
仮に、荷重が定常波であって、高速化により油圧アクチュエータの変位が追いつかないため荷重が不足するのなら、アクチュエータが供試体に与える荷重に一定の乗数を適用し、荷重を一律的に上げるとよい。しかし、荷重が変動しており振幅も波形も様々なランダム波の個々の波形について、適合する乗数を導いて荷重を補正するといった処理は、サイクル数からいって殆ど不可能であり、もし可能であるとしても補正処理に膨大な時間を要する。
ここで、アクチュエータの振幅の上限が十分に大きく、荷重が不足しないのであれば、荷重を補正する必要がない。しかし、それほどまでに応答性に優れ、かつ付与する荷重に適合する油圧アクチュエータの実現は困難であり、仮に実現できたとしても、コスト面から現実的ではない。
以上より、本発明は、サイクル数が膨大でかつランダムな波形の荷重を対象に負荷していながら、疲労試験に要する時間を短縮することを目的とする。
本発明の疲労試験システムは、対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機と、疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成装置と、を備える。
そして、信号生成装置は、疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機で対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、補正により得られた複数の代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、スペクトラムに関数を適用することで制御信号を生成する信号生成部と、を備える。
「代表値」としては、代表荷重または代表変位が該当する。
本発明の疲労試験システムにおいて、補正部は、代表値に対応する荷重を対象に与えながら応答を確認しつつ、応答に基づいて周波数および振幅の少なくとも一方を更新することが好ましい。
本発明の疲労試験システムにより、航空機の機体の構成要素に対応する供試体に対して荷重を与えることができる。
本発明は、疲労試験用のコンピュータプログラムであって、コンピュータにより実行される処理モジュールとして、対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機で対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、補正により得られた複数の代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、を備える。
本発明の疲労試験用プログラムは、処理モジュールとして、スペクトラムに関数を適用することで、疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成部をさらに備えることが好ましい。
本発明の疲労試験機は、対象にランダムな波形の荷重を与える油圧アクチュエータと、対象および油圧アクチュエータを支持する架構と、油圧アクチュエータを駆動制御する駆動制御装置と、を備える。
そして、駆動制御装置は、油圧アクチュエータの負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機で対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、補正により得られた複数の代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、スペクトラムに関数を適用することで、油圧アクチュエータに供給される制御信号を生成する信号生成部と、を備える。
本発明の疲労試験方法は、対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験方法であって、コンピュータプログラムを用いることにより、対象に荷重を与える疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定ステップと、対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により疲労試験機で対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正ステップと、補正により得られた複数の代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定ステップと、スペクトラムに関数を適用することで、疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成ステップと、制御信号に基づいて疲労試験機により対象に荷重を与える負荷ステップと、を備える。
本発明の疲労試験方法において、補正ステップでは、代表値に対応する荷重を対象に与えながら応答を確認しつつ、応答に基づいて周波数および振幅の少なくとも一方を更新することが好ましい。
本発明の疲労試験方法は、制御信号に基づいて、装置の構成要素に対応する供試体である対象に荷重を与える全スペクトラム試験の結果と、スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを供試体に与える簡略スペクトラム試験の結果とが、等価であることを確認するステップと、装置の全体を対象として、スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを与える全体試験を行うステップと、を備えることができる。
上記の全体試験は、航空機を対象として行うことができる。
本発明の疲労試験方法により、航空機の機体の構成要素に対応する供試体に対して荷重を与えることができる。
本発明は、詳しくは後述するように、疲労試験機の性能を考慮して仮設定した周波数を用いて、スペクトラムを代表する代表値について取得した応答確認結果に基づいて、応答が反映された疲労試験機の特性を示す関数を設定する。その関数に基づいて生成した制御信号を疲労試験機に供給することにより、サイクル数が膨大なスペクトラムの疲労試験であっても、現実的な試験期間に収めることができる。
本発明の実施形態に係る疲労試験システムの概略構成を示す模式図である。 供試体に想定される全スペクトラムのパターンの一例を示す図である。 疲労試験機の性能曲線を示す両対数グラフである。 制御信号を得るための手順を示す図である。 負荷速度(または変位速度)が一定となるように、振幅に応じて周波数を仮設定することを説明するための模式図である。 仮設定した周波数と振幅との対応関係を示す両対数グラフである。 応答確認結果として、周波数に応じた応答を示すグラフである。周波数が対数で示されている。 周波数が補正されたデータがプロットされているグラフである。そのプロットに基づいて設定された関数によって制御信号が生成される。 周波数および振幅の補正処理の流れを示す図である。 疲労試験機の性能より導かれる周波数および振幅の対応関係(図6)と、応答確認結果とを示すグラフである。 生成された制御信号の一部の区間のみを示す図である。 トランケーション試験において供試体に与えられる簡略化スペクトラムのパターンの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す疲労試験システム1は、航空機の機体(ここでは胴体)の構成要素を模擬した供試体2に対して、機体要素に想定されるランダムな波形の荷重を与える。
疲労試験システム1は、供試体2に荷重を与える疲労試験機3と、疲労試験機3に供給される制御信号C1を生成する信号生成装置5とを備えている。
供試体2に対応する機体要素に想定される荷重の履歴(以下、スペクトラム)は、荷重の大きさも振幅もランダムな一連の波形から構成されている。このスペクトラムには、正弦波、台形波、鋸波等の種々の波形が含まれている。
このスペクトラムは、1フライトあたり例えば数千サイクルに亘り連続している。図2に示すようなスペクトラムの全てのことを、以下では「全スペクトラム」と称する。
本実施形態では、航空機の例えば3ライフ相当分の全スペクトラムを供試体2に与える試験(全スペクトラム試験)を行う。供試体2に与えられるスペクトラムのサイクル数は、膨大な数に上る。
スペクトラムには、種々のパターンが存在する。図2は、搭乗中から、タキシング(taxiing)、離陸、巡航を経て着陸するまでの1フライトに対応するスペクトラムパターンの一つを示している。これはパターンの一例に過ぎない。スペクトラムの複数のパターンは適宜な順序で組み合わせられる。
仮に、典型的な疲労試験と同様に、一定の周波数(例えば5Hz)の制御信号を疲労試験機3に供給することにより、供試体2に全スペクトラムを与えるとすれば、制御信号の1周期に全スペクトラムのサイクル数を乗じた膨大な時間を要する。
本実施形態において疲労試験機3に供給される制御信号C1の周波数は、振幅に応じて与えられるので、疲労試験の時間短縮が可能となる。本実施形態は、疲労試験機3に供給される制御信号C1を関数を用いて生成すること、特に、その関数を得るためのプロセスおよび構成に主要な特徴を有する。
まず、疲労試験機3および供試体2について簡単に説明する、
疲労試験機3は、シリンダおよびピストンを有する油圧アクチュエータ31と、供試体2および油圧アクチュエータ31を支持する架構4と、必要に応じて荷重計(ロードセル)や変位計を備えている。荷重計や変位計の図示は省略する。
油圧アクチュエータ31は、供給された制御信号C1に基づいて油圧によりピストンを往復変位(振動)させる。
油圧アクチュエータ31のピストンの往復変位に伴って、ピストンロッドに固定された供試体2に軸力が繰り返し与えられる。
航空機の胴体に想定される空力荷重としては圧縮よりも引張が優勢であるため、供試体2には主として引張荷重が与えられる。
制御信号C1は、電圧または電流の変化によりスペクトラムの波形情報を示すアナログ信号である。油圧アクチュエータ31は、この制御信号C1が示す通りの振幅、荷重平均値、および周波数にて荷重スペクトラムを供試体2に与える。
供試体2は、2枚の板材2A,2Bが複数のファスナで締結されたものであり、供試体2の長手方向の一端は油圧アクチュエータ31のピストンロッドに固定され、供試体2の長手方向の他端は架構4に固定されている。
この供試体2の板材2A,2Bには、板厚が異なる部分(段差)が形成されている。
供試体2は、航空機の胴体において疲労により最も破断し易い部位に該当する。
この供試体2の他にも、疲労により破断し易い機体の要素に対応する複数の供試体が選定されることが好ましい。
疲労試験機3に制御信号C1が供給されると、制御信号C1に基づいて油圧アクチュエータ31のピストンが往復変位される。それに伴い、油圧アクチュエータ31のピストンロッドに固定された供試体2、油圧アクチュエータ31、および架構4が一体的に振動する。
ここで、油圧アクチュエータ31の振幅(ピストンの振幅)には周波数に応じて上限があり、その上限を超えていない振幅であれば、周期内に油圧アクチュエータ31が振動するので供試体2に所定の荷重が繰り返し入力される。もし、上限を超えており、油圧アクチュエータ31が周期内に所定の振幅にまで変位しきれずに振幅が不足すると、供試体2に入力される荷重が不足してしまう。上限を大幅に超えていると、油圧アクチュエータ31は殆ど振れず、供試体2に荷重が殆ど入力されない状態となる。
油圧アクチュエータ31の振幅の上限は、シリンダ内に油を送り込む疲労試験機3の性能によって決まる。
図3は、疲労試験機3の性能曲線の一例を示している。この性能曲線は、周波数に応じたピストンの変位振幅の上限を表している。振幅および周波数は対数軸により示されている。以下で述べる図6、図8および図10も同様である。
本実施形態では、コンピュータプログラムを用いることにより、疲労試験機3により供試体2に荷重を与えた際の応答を考慮して周波数による荷重の関数化を図り、その関数に基づいて制御信号C1を生成している。そうすることにより、制御信号C1を短期間で用意できるので、一般的な性能を有する油圧アクチュエータ31を備えた汎用の疲労試験機3を用いていながら、全スペクトラム試験の所要時間を短縮し、かつ、機体要素に想定されているスペクトラムを供試体2に再現する。
信号生成装置5(図1)は、コンピュータ装置に相当する。
信号生成装置5は、演算処理を行う演算装置7と、演算処理に用いられるデータを保持するメモリ8と、コンピュータプログラム等のデータを記憶する記憶装置9とを備えている。
信号生成装置5において、制御信号C1を生成するコンピュータプログラムが実行されると、コンピュータプログラムに含まれる処理モジュールとして、スペクトラム取得部11と、周波数設定部12と、周波数・振幅補正部13と、関数設定部14と、信号生成部15とがメモリ8に展開され、所定の処理を行う。
スペクトラム取得部11は、供試体2の全スペクトラム試験に用いられる全スペクトラムの波形データを記憶装置9から読み込む。その波形データには、図2に示すようなスペクトラムのパターンのデータが含まれている。
スペクトラムは、1サイクル以上の信号波形からなる波形シーケンスが連なったものであり、その波形データは、例えば、各シーケンスの繰り返しサイクル数、荷重最大値、荷重最小値、荷重平均値、振幅、波形(正弦波、台形波等)等の情報を含んでいる。
スペクトラム取得部11が全スペクトラムの波形データを適宜な方法で生成するように構成されていてもよい。
周波数設定部12、周波数・振幅補正部13、関数設定部14、および信号生成部15の各々の動作は、以下で制御信号C1を得るための手順を説明する際に説明する。
以下、図4を参照し、疲労試験機3に供給される制御信号C1を得るための手順について説明する。
まず、周波数設定部12により、油圧アクチュエータ31の負荷速度(または変位速度)が一定となるように、負荷の振幅に応じて周波数を仮設定する(ステップS1:周波数の仮設定)。振幅が大きいほど低い周波数が仮設定され、振幅が小さいほど高い周波数が仮設定されることになる。
ここで、「負荷速度」は、油圧アクチュエータ31により供試体2に入力される荷重の単位時間あたりの変化量をいう。「変位速度」は、油圧アクチュエータ31のピストンの単位時間あたりの変位量をいう。変位速度は、疲労試験機3の性能曲線(図3)や、疲労試験機3のデータシート等から取得することができる。負荷速度は、例えば、弾性域における変位および荷重の一定の関係に基づいて疲労試験機3の性能曲線(図3)の変位を荷重に置き換えることにより、取得することができる。
図5(a)および(b)に模式的に示すように、供試体2に入力される荷重(または変位)の変化を示す各信号波形の振幅Apが違っていても、波形の傾き(負荷速度または変位速度)が一定の値Xとなるように振幅Apに応じて周波数(1/t)を仮設定する。そうすると、図6に示す例のように、周波数と振幅Apとの対応関係Rが定められる。
図5(a)および(b)に示された波形は正弦波であり、ここでは、その正弦波における最大の傾きが値Xに相当する。
本実施形態では、負荷を用いて制御信号C1を得ることを「荷重制御」と称し、変位を用いて制御信号C1を得ることを「変位制御」と称する。
以下、主として荷重制御について説明する。
供試体2の全スペクトラム試験に用いられる全スペクトラムにおける最大の振幅にまで周期内に油圧アクチュエータ31が変位することができるように、値Xとしては、上述した油圧アクチュエータ31の振幅の上限に対応する負荷速度(または変位速度)を上限として定めることができ、信号周期を短くするためより大きい値を選定することが望ましい。
但し、後述するように、最終的には、入力荷重に対する応答確認後に、上記で仮設定した周波数を補正するので、全スペクトラムの最大振幅が完全に変位しきれる周波数となるように、値Xを厳密に定める必要はない。ここでは、負荷速度が一定(または変位速度が一定)というアプローチで周波数を仮設定することにより、疲労試験機3の特性に由来した、周波数および振幅の対応関係R(図6)を得ることができれば十分である。
対応関係Rは、次のステップS2で、全スペクトラムから複数選ばれた代表的な荷重(または変位)について、対応関係Rが示す周波数を適用して応答を確認するために使用される。
以下、全スペクトラムから複数選ばれた代表的な荷重のことを代表荷重と称し、全スペクトラムから複数選ばれた代表的な変位のことを代表変位と称する。
図6に示す例では、周波数および振幅の指数関数的な相関より、対応関係Rは、対数グラフに直線で示されている。
次に、図6に示すように振幅に応じて与えられた周波数について求めた応答に基づいて、周波数および振幅を補正する(ステップS2:周波数・振幅の補正)。周波数・振幅補正部13は、代表荷重(または代表変位)を、その振幅について対応関係Rが示す周波数で供試体2に与えたときの応答に基づき、対応関係Rにおける周波数および振幅を補正する。
ステップS2を行うにあたり、複数の代表荷重(または代表変位)の各々の振幅について、図6に示すように仮設定された周波数を適用して応答を確認する。このとき、疲労試験機3により供試体2に代表荷重を一定の周波数で負荷する。そのために、代表荷重(または代表変位)の最大値、最小値、波形、および周波数等に基づいて生成された制御信号を疲労試験機3に供給することができる。
疲労試験機3により供試体2に荷重を与えた際の応答は、疲労試験機3の荷重計(ロードセル)あるいは変位計により得ることができる。荷重制御の場合には荷重計を使用し、変位制御の場合には変位計を使用する。
ここで、応答は、荷重計あるいは変位計により得られた計測値の所定の目標値に対する比率をいう。つまり、目標値どおり負荷できていれば、応答は100%である。
目標値は、荷重制御の場合には代表荷重に相当し、変位制御の場合には代表変位に相当する。後述する周波数および振幅の補正処理(図9)における目標値も同様の意味である。
図7に、周波数に応じた応答の一例をプロットしている。
図7に示す例では、応答が100%に対して突出している共振周波数帯域が認められる。その帯域における共振周波数fは、供試体2および供試体2と一体に振動する架構4や油圧アクチュエータ31からなる振動体の固有振動数に相当する。
共振周波数fの前後における応答の傾向として、共振周波数fよりも低い周波数帯域では、応答が100%または100%に近い。共振周波数fよりも高い周波数帯域では、応答が100%に満たない。共振周波数fよりも高い周波数帯域では、必要な応答が得られていない。これは、供試体2の剛性が低かったり段差があることによって軸方向と交差する方向への供試体2の変位・変形が大きい場合などに見られる。
周波数・振幅補正部13は、上記の応答(図7)に基づいて、スペクトラムの代表荷重(または代表変位)の振幅に対応する周波数を補正する。
例えば、代表荷重(または代表変位)のうち応答が100%に満たないものについては、100%に対して不足する分だけ応答を上げるために、ステップS1で仮設定していた周波数を下げるといった周波数の補正を行う。周波数を補正しても応答には影響しないため、周波数の補正によって応答を効率よく100%に合わせることができ、必要な応答を示すことが担保される。
図8に、一例として、周波数の補正を行った後の代表荷重に関するデータをプロットしている。
ステップS1で疲労試験機3の性能を考慮して周波数を仮設定しているので、応答確認後に周波数を大幅に補正する必要はない。したがって、周波数を下げる補正を行うとしても、スペクトラム全体としては、従来とは異なり、ステップS1で振幅に応じて周波数を定めており、振幅が小さい場合に周期の短縮が図られているため、、試験時間を短縮することができる。
周波数・振幅補正部13により、スペクトラムの代表荷重の周波数の補正に加えて、スペクトラムの代表荷重の振幅を補正することが好ましい。
以下、図9および図10を参照し、周波数および振幅を補正する処理の一例について説明する。
図9に、周波数・振幅補正部13による処理のロジックを示している。本実施形態では、スペクトラムの代表荷重に対応する荷重を疲労試験機3により供試体2に与えながら応答を確認しつつ、その応答確認結果に基づいて周波数および振幅を補正する。かかる補正処理は、スペクトラムの複数の代表荷重(または代表変位)の各々について順次行れる。
図10は、一例として、疲労試験機3の性能に基づく周波数と振幅との対応関係Rと、応答確認結果とを示している。
補正処理の最初では、スペクトラムの代表荷重(または代表変位)に対応する目標波形を示す制御信号C0を疲労試験機3に入力することにより、目標波形に対応する荷重を供試体2に入力する。制御信号C0の周波数は一定である。補正処理の最初では、制御信号C0の周波数は、対応関係Rに従って定められる。
その後、周波数・振幅補正部13は、荷重計あるいは変位計による計測により応答を確認しつつ、応答確認結果に基づいて制御信号C0の周波数および振幅を更新する。そうすることで、応答を100%に向けて収束させる。
ここで、荷重または変位の計測値が、目標値に対応して予め定められた閾値の範囲内にあるため、目標値と計測値との差が許容される場合(ケースA)は、応答はほぼ100%であって、周波数および振幅の補正は必要ない、
ケースAの例としては、図10に示すAの範囲のデータが該当する。
閾値は、目標値の前後にそれぞれ定めることができる。また、目標値の所定の比率あるいは所定値だけ目標値から離れた値を閾値として定めることができる。
目標値に対して計測値が逸脱しており、目標値に対応する閾値よりも計測値が小さい場合(ケースB)は、応答が不足しているため、それに適合する補正処理を実施する。
その際には、試験時間の短縮のため、周波数を小さくする修正は避けたいので、周波数の補正に先立ち、まず、振幅を大きくする補正を行う。この振幅補正を最大でN回まで継続し、それでも応答が不足している場合は、周波数を小さくする補正を行う。ケースBの例としては、図10に示すBの範囲のデータが該当する。
一方、目標値に対応する閾値よりも計測値が大きい場合(ケースC)は、応答が過剰であるため、振幅を小さくする補正処理を実施する。ケースCの例としては、図10に示すCの範囲のデータが該当する。
以上の補正処理により、例えば図8に示すように、応答が100%にほぼ収束する。
続いて、関数設定部14により、図8にプロットされた代表荷重(または代表変位)に関するデータ相互の間を補完することにより、制御信号C1を得るための関数F1を設定する(ステップS3:関数設定)。
本実施形態では、図8に示すプロットを直線(図8の破線)で近似することにより、周波数と振幅との関係を示す関数F1を得ているが、適宜な次数の曲線で表される関数を算出することができる。
そして、スペクトラム取得部11により取得された波形データと、関数設定部14により設定された関数F1とを用いて、信号生成部15により、全スペクトラムの制御信号C1を生成する(ステップS4:信号生成)。
信号生成部15は、波形データに関数F1を適用することで制御信号C1を生成する。具体的には、波形データに含まれる各波形シーケンスの振幅に対応する周波数を関数F1から求め、求めた周波数および波形データから制御信号C1を生成する。
以上により制御信号C1が生成されたならば、疲労試験機3に制御信号C1を供給することにより、供試体2の全スペクトラム試験を実施する。
図11は、スペクトラムを実現する一連の制御信号C1の一部の区間のみを示している。制御信号C1の周波数は、振幅に応じて変化しており、振幅が相対的に大きいほど低く、振幅が相対的に小さいほど高い。
そのため、制御信号C1の周波数が、周期内に油圧アクチュエータ31が十分な振幅で変位するように一定に定められた場合と比べて、試験時間を短縮することができる。
本実施形態によれば、負荷速度または変位速度が一定となるように周波数を仮設定した上で、スペクトラムの代表荷重(または代表変位)について得られた応答に基づいて周波数および振幅を補正することによって関数F1を得ているので、関数F1を用いて、必要な応答を示す制御信号C1を生成することができる。その制御信号C1を疲労試験機3に供給することで、荷重、振幅、および波形がランダムである複雑なスペクトラムを供試体2に再現することができる。
そのことを検証するため、疲労試験機3の荷重計あるいは変位計を用いて応答を実測し、実測値が、スペクトラムの波形データ(図2)に対応していることを確認することが望ましい。
なお、周波数および振幅の補正および関数F1の設定にあたっては、スペクトラムに含まれる波形シーケンスの切り替わりを考慮した処理を行うことにより、スペクトラムをより完全に再現することができる。
本実施形態では、疲労試験機3の負荷速度または変位速度が一定というアプローチから、負荷する荷重や変位に関係なく、周波数および振幅の関係を示す関数F1によりスペクトラムの波形を一括して処理することで、制御信号C1を生成することができる。つまり、荷重や変位を考慮してスペクトラムの波形を個々に処理する必要がないので、制御信号C1を容易にかつ短期間で用意することができる。
したがって、典型例と同様に、油圧アクチュエータ31の十分な変位を許容する一定の周波数の制御信号を疲労試験機3に供給する場合は、全スペクトラム試験に例えば6ヶ月を要するところ、本実施形態によれば、全スペクトラムの制御信号C1を用意し、その制御信号C1を疲労試験機3に供給する全スペクトラム試験の完了までに要する期間を例えば数週間にまで大幅に短縮することができる。
ところで、本実施形態の供試体2を対象とする疲労試験は、航空機の全機を対象とする疲労試験に先行して行われる。
全機試験は、航空機の損傷許容設計の一環として行われ、全機疲労試験としては、時間の制約から、荷重のオミッション(削減)およびトランケーション(集約化)を行うことで簡略化されたスペクトラムを全機に与えるトランケーション試験が実施される。
全スペクトラムの1つのパターンのサイクル数が例えば1万サイクルであるとすると、トランケーション試験では、対応するパターンが例えば数百サイクルにまで減少している。オミッションおよびトランケーションの結果、トランケーション試験のスペクトラムの荷重は全スペクトラム試験のスペクトラムに対して嵩上げされている。
このように荷重のオミッションおよびトランケーションが行われたスペクトラムを全機試験に用いることの妥当性を確保する必要がある。
そのため、本実施形態では、供試体2に対して、全スペクトラム試験と、トランケーション試験とを実施し、それぞれの試験結果が等価であることを証明する。
図12に、トランケーション試験の際に供試体2に与えられる簡略化スペクトラムのパターンの一例を示す。図2に示すような全スペクトラムのパターンについて、公知の手法によってオミッションおよびトランケーションを行うことによって、図12に示すように簡略化されたなスペクトラムのパターンを得ることができる。このようなパターンを適宜に組み合わせた簡略スペクトラムを示す波形データから制御信号を生成し、疲労試験機3に供給することで、供試体2に対するトランケーション試験を行うことができる。トランケーション試験に用いられる制御信号の生成も、全スペクトラム試験に用いられる制御信号C1と同様に、コンピュータ装置上で実行されるコンピュータプログラムに基づいて自動的に行われることが好ましい。
トランケーション試験は、全スペクトラム試験に比べてサイクル数が格段に少ないため、短期間に終えることができる。トランケーション試験に用いられる制御信号の周波数には特に制約がなく、周波数が一定であってもよい。
いずれも供試体2を対象とする全スペクトラム試験とトランケーション試験とのそれぞれの試験結果が等価であることを証明するためには、例えば、供試体2の応力範囲と破断繰り返し数との関係を示すS−N曲線を仮定し、全スペクトラム試験とトランケーション試験との試験結果がいずれも当該S−N曲線上にあることを確認する。これをもって、全スペクトラム試験とトランケーション試験とが等価であることが証明される。
なお、上記のS−N曲線は、例えば、供試体2に想定されるスペクトラムに対して嵩上げされた一定振幅の荷重を一定周波数で供試体2に与える疲労試験より得ることができる。
供試体2の他にも供試体が選定されている場合は、その供試体についても全スペクトラム試験およびトランケーション試験を行い、それぞれの試験結果が等価であることを証明するとよい。
全スペクトラム試験と、トランケーション試験とは、順次行うこともできるし、並行して行うこともできる。順次行う場合、その順序を適宜に定めることができる。
供試体を対象とする疲労試験を終え、トランケーション試験の妥当性が証明されたならば、全機を対象としてトランケーション試験を行う。
上述したように、制御信号C1を生成するまでのプロセスにより供試体2を対象とする全スペクトラム試験に要する時間が短縮されており、供試体2を対象とするトランケーション試験には格別に時間を要さない。そのため、早期に全機試験に移行することができる。
以上で説明したように、本実施形態では、関数F1を用いる一元的な処理により制御信号C1を生成する全スペクトラム試験と、トランケーション試験とを供試体2に対して実施し、それぞれの試験結果が等価であることの証明を経て、全機を対象にトランケーション試験を行う。それにより、処理の困難やコストのむやみな高騰を伴うことなく、疲労試験に関する期間や波形再現性の課題に対処できる現実的な疲労試験システム1を提供することができる。
〔変形例〕
上記実施形態は、コンピュータプログラムを用いて、負荷速度または変位速度が一定となるように仮設定した周波数を応答に基づいて補正することで関数F1を設定することに主要な特徴を有する。したがって、当該コンピュータプログラム(以下、疲労試験用プログラム)が関数F1に基づいて制御信号C1を生成することは必須ではなく、疲労試験用プログラムが出力した関数F1を別のコンピュータプログラムが受け取り、別のコンピュータプログラムが関数F1に基づいて制御信号C1を生成するように構成することもできる。
また、関数F1を設定する疲労試験用プログラムが実行される限りにおいて、種々の構成が本発明に包含される。
例えば、疲労試験用プログラムが、疲労試験機3に備えられた駆動制御装置に導入されていてもよい。かかる駆動制御装置は、油圧アクチュエータ31を駆動制御するものであり、上述した信号生成装置5の代わりに、周波数設定部12と、周波数・振幅補正部13と、関数設定部14と、信号生成部15とを備えることができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明は、航空機に限らず、例えば、船舶、車両等の輸送機械や、ガスタービン等の動力源、工作機械等のあらゆる構造物の疲労試験に広く利用することができる。
そういった構造物の全体またはその部位(要素)に対して疲労試験を行うために、本発明を利用することができる。
1 疲労試験システム
2 供試体(対象)
3 疲労試験機
4 架構
5 信号生成装置
7 演算装置
8 メモリ
9 記憶装置
11 スペクトラム取得部
12 周波数設定部
13 周波数・振幅補正部(補正部)
14 関数設定部
15 信号生成部
31 油圧アクチュエータ
R 対応関係
C1 制御信号
F1 関数
S1 周波数設定ステップ
S2 周波数・振幅補正ステップ
S3 関数設定ステップ
S4 信号生成ステップ

Claims (10)

  1. 対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機と、
    前記疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成装置と、を備え、
    前記信号生成装置は、
    前記疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、
    前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、
    前記スペクトラムに前記関数を適用することで前記制御信号を生成する信号生成部と、を備える、
    ことを特徴とする疲労試験システム。
  2. 前記補正部は、
    前記代表値に対応する荷重を前記対象に与えながら応答を確認しつつ、応答に基づいて周波数および振幅の少なくとも一方を更新する、ことを特徴とする請求項1に記載の疲労試験システム。
  3. 前記対象は、
    航空機の機体の構成要素に対応する供試体である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の疲労試験システム。
  4. コンピュータプログラムであって、
    コンピュータにより実行される処理モジュールとして、
    対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、
    前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、を備える、
    ことを特徴とする疲労試験用プログラム。
  5. 前記処理モジュールとして、
    前記スペクトラムに前記関数を適用することで、前記疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の疲労試験用プログラム。
  6. 対象にランダムな波形の荷重を与える油圧アクチュエータと、
    前記対象および前記油圧アクチュエータを支持する架構と、
    前記油圧アクチュエータを駆動制御する駆動制御装置と、を備える疲労試験機であって、
    前記駆動制御装置は、
    前記油圧アクチュエータの負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定部と、
    前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定部と、
    前記スペクトラムに前記関数を適用することで、前記油圧アクチュエータに供給される制御信号を生成する信号生成部と、を備える、
    ことを特徴とする疲労試験機。
  7. 対象にランダムな波形の荷重を与える疲労試験方法であって、
    コンピュータプログラムを用いることにより、
    前記対象に荷重を与える疲労試験機の負荷速度または変位速度が一定となるように振幅に応じて周波数を仮設定する周波数設定ステップと、
    前記対象に想定される荷重または変位のスペクトラムを代表する複数の代表値の各々について、仮設定された周波数により前記疲労試験機で前記対象に荷重を与えたときの応答に基づいて、周波数および振幅のうち少なくとも一方を補正する補正ステップと、
    補正により得られた複数の前記代表値に関するデータ相互の間を補完することにより、周波数と振幅との関係を示す関数を設定する関数設定ステップと、
    前記スペクトラムに前記関数を適用することで、前記疲労試験機に供給される制御信号を生成する信号生成ステップと、
    前記制御信号に基づいて前記疲労試験機により前記対象に荷重を与える負荷ステップと、を備える、
    ことを特徴とする疲労試験方法。
  8. 前記補正ステップでは、
    前記代表値に対応する荷重を前記対象に与えながら応答を確認しつつ、応答に基づいて周波数および振幅の少なくとも一方を更新する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の疲労試験方法。
  9. 前記制御信号に基づいて、装置の構成要素に対応する供試体である前記対象に荷重を与える全スペクトラム試験の結果と、
    前記スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを前記供試体に与える簡略スペクトラム試験の結果とが、等価であることを確認するステップと、
    前記装置の全体を対象として、前記スペクトラムに対して簡略化された簡略スペクトラムを与える全体試験を行うステップと、を備える、
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の疲労試験方法。
  10. 前記対象は、
    航空機の機体の構成要素に対応する供試体である、
    ことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の疲労試験方法。
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