JP2017051922A - 排水処理方法及び排水処理装置 - Google Patents

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晴彦 角野
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Abstract

【課題】散水型ろ床を用いて有機物や窒素化合物を含んだ排水を処理することが可能な排水処理方法及び排水処理装置を提供する。【解決手段】汚泥が空隙内に担持されている多孔質の担体11を上下に複数配設した散水型ろ床10を用いて、汚泥発生量を抑えながら、有機物及び窒素化合物を含んだ排水を処理する排水処理方法に、散水型ろ床10の上部に排水を供給することで、排水の流れによって汚泥に空気を供給させ、排水を汚泥に含まれている微生物により有機物処理及び硝化処理する第一工程と、散水型ろ床10への排水の供給を停止することで、排水の滞留によって汚泥への空気の供給を停止させ、内生呼吸による自己分解を進めることで生じた残骸有機物を分解及び第一工程によって担体11に保持されている排水を汚泥に含まれている微生物により脱窒処理する第二工程と、を具備させ、第一工程と第二工程とを交互に行わせる。【選択図】図1

Description

本発明は、散水型ろ床を用いて有機物や窒素化合物を含んだ排水を処理する排水処理方法及び排水処理装置に関するものである。
有機物や窒素化合物を含んだ排水の処理方法として、排水と共に汚泥が貯留されている反応槽に曝気装置と撹拌装置とを備え、曝気装置により反応槽に空気を供給して汚泥内の好気性微生物により硝化処理を行った後に、曝気装置を停止させて反応槽内を嫌気状態とした上で、撹拌装置により反応槽内を撹拌して汚泥内の嫌気性微生物により脱窒処理を行い、その後、沈殿槽に送って汚泥を沈殿させて処理水を得る方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1の技術では、沈殿槽で沈殿した分だけ反応槽内の汚泥が減少するため、沈殿した汚泥を反応槽へ返送するようにしている。この特許文献1の技術によれば、硝化処理と脱窒処理を一つの反応槽で行うことにより、排水の処理設備を小規模にすることが可能となる。
しかしながら、特許文献1の技術では、反応槽内(水中)において曝気や撹拌をしたり、沈殿槽の汚泥を反応槽に返送したりするため、消費電力が多くなる問題があった。また、特許文献1の技術では、曝気装置や撹拌装置、汚泥の返送装置等、多くの装置を維持管理する必要があり、維持管理にコストと手間がかかる問題があった。これらの問題は、特許文献1の技術に限られるものではなく、反応槽内の微生物を活性化させて排水の処理を行う活性汚泥法を用いた排水処理に対して、共通の問題となっている。
これに対して、多孔質の担体を上下に複数配設した散水型ろ床(DHSリアクタ(Down−flow Hanging Sponge Reactor))を用いて排水を処理する方法が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載されているようなDHSリアクタでは、多孔質の担体に汚泥を担持させた状態で、排水を上部に供給することで、担体を伝って流下する排水の流れにより担体内部へ空気を供給することができる。これにより、担体に担持されている汚泥内の好気性微生物により有機物処理と硝化処理を行うことができると共に、担体の空隙により汚泥の流出を防止することができる。このように、DHSリアクタに排水を供給するだけで処理を行うことができるため、活性汚泥法と比較して、処理に必要な消費電力を少なくすることができると共に、比較的簡単な構成であることから維持管理のコストを低く抑えると共に、維持管理の容易性を向上することができる。
しかしながら、このようなDHSリアクタによる排水の処理では、有機物処理と硝化処理しか行われないため、処理水には多くの硝酸性窒素(NO )が含まれている。そのため、特許文献2の技術のように、DHSリアクタで処理された排水を、脱窒槽へ送って脱窒処理を行うようにしていた。従って、DHSリアクタを用いても、脱窒処理を行うための装置を別途備えなければならない問題があった。また、硝酸性窒素の除去には、相応の有機物が必要であり、処理水に十分な量の有機物が残存していない場合には、別途有機物の添加を行わなければならないというコスト的な問題もあった。
特開平05−050092号公報 特開2008−049251号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、散水型ろ床を用いて有機物や窒素化合物を含んだ排水を処理することが可能な排水処理方法及び排水処理装置の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る排水処理方法は、「汚泥が空隙内に担持されている多孔質の担体を上下に複数配設した散水型ろ床を用いて、汚泥発生量を抑えながら、有機物及び窒素化合物を含んだ排水を処理する排水処理方法であって、前記散水型ろ床の上部に前記排水を供給することで、該排水の流れによって前記汚泥に空気を供給させ、前記排水を前記汚泥に含まれている微生物により有機物処理及び硝化処理する第一工程と、前記散水型ろ床への前記排水の供給を停止することで、該排水の滞留によって前記汚泥への空気の供給を停止させ、内生呼吸による自己分解を進めることで生じた残骸有機物を分解及び前記第一工程によって前記担体に保持されている前記排水を前記汚泥に含まれている微生物により脱窒処理する第二工程とを具備し、前記第一工程と前記第二工程とを交互に行う」ことを特徴とする。
ここで、「担体」としては、「スポンジ状の発泡樹脂(例えば、発泡ウレタン樹脂)」、「樹脂製のかご体」、「透水性を有した容器内に繊維を充填したもの」、を例示することができる。また、「担体」の形状としては、「円柱状」、「三角形や四角形等の多角柱状」、「球状」、を例示することができる。担体を上下に複数配設した「散水型ろ床」としては、「複数の担体をすだれのように上下に連結したもの」、「上下に延びている板に複数の担体を取付けたもの」、「上下に延びている筒内に複数の担体を充填したもの」、を例示することができる。
また、「排水」としては、有機物や窒素化合物を含んだものであれば良く、「生活排水」、「農業排水」、「酪農排水」、「工業排水」、を例示することができる。
更に、第一工程から第二工程へ、又は、第二工程から第一工程への切替えとしては、「10min〜数hの範囲内の設定時間の経過による切替え」、「散水型ろ床(担体)内での溶存酸素の濃度変化による切替え」、「担体内での汚泥濃度の変化による切替え」、「担体内での硝酸性窒素の濃度変化による切替え」、を例示することができる。
本構成の第一工程では、散水型ろ床の上部に排水を供給して流し続けることで、排水が多孔質の担体の上部から表面と内部を通って下部へ流下して行き、その担体の下部から下側の担体の上部へと受け渡され、これを繰り返しながら排水が散水型ろ床を流下する。排水が上側の担体から下側の担体へ受け渡される際に、排水が担体の外部に現れるため、多くの空気と接触し、排水に空気(酸素)が供給される。そして、排水に供給された空気により好気状態となることで、担体に担持されている汚泥内の好気性微生物が活性化し、排水に含まれる有機物や窒素化合物(主にアンモニア性窒素)が生物学的反応により、有機物は有機物処理により二酸化炭素に分解され、アンモニア性窒素は硝化処理により硝酸性窒素に酸化されることとなる。
この第一工程に続く第二工程では、散水型ろ床への排水の供給を停止させると、散水型ろ床を構成している複数の担体が多孔質であることから、表面張力により担体から排水が抜けることはなく、排水が保持されて滞留(静止)した状態となる。この状態では、第一工程により活性化した好気性微生物が、担体内の排水に含まれている酸素を使って有機物処理と硝化処理を継続させることとなる。そして、排水内の酸素が消費されて有機物濃度がある程度低下すると、好気性微生物が内生呼吸のみとなり自己分解することとなる。また、排水内の酸素の濃度が低下することで、担体内が嫌気状態となるため、汚泥内の嫌気性微生物が活性化し、微生物(汚泥)の自己分解(加水分解〜酸生成)により生じた残骸有機物と排水に含まれている硝酸性窒素が生物学的反応による脱窒処理により分解されることとなる。微生物の自己分解により生ずる有機物を脱窒処理に用いるので、外部から別途有機物を添加する量を低減することが出来る。
そして、本構成では、上述した第一工程と第二工程とを交互に行っていることから、夫々の工程において処理しきれなかった有機物や窒素化合物(硝酸性窒素を含む)への処理が進むこととなる。
また、第一工程と第二工程とを交互に行っていることから、第二工程に続いて第一工程が行われるため、散水型ろ床への排水の供給が再開されることで、排水の流れにより空気(酸素)が供給され、嫌気状態が解消されて好気状態となる。
このように、本構成によれば、散水型ろ床に対して、排水を供給したり供給を停止させたりして有機物処理及び硝化処理と残骸有機物の分解及び脱窒処理とを交互に行わせるようにしているため、散水型ろ床のみを用いて有機物や窒素化合物を含んだ排水を処理することができる。従って、排水の処理にかかる設備(装置)を散水型ろ床のみとすることが可能となるため、従来と比較して消費電力や維持管理のコストを低減させることができる。加えて、脱窒処理に必要な有機物の添加に関わるコストの低減も可能になる。
また、第一工程で活性化して増殖した好気性微生物を第二工程で自己分解させて減少させることができるため、微生物の量(汚泥量)を調整すること可能となり、第一工程(有機物処理及び硝化処理)や第二工程(残骸有機物の分解及び脱窒処理)において好適な濃度の汚泥で排水を処理させることが可能となる。
更に、散水型ろ床へ排水を供給したり供給を停止させたりするだけで上述した作用効果を得ることができるため、散水型ろ床を備えた既存の排水処理装置に対して、大幅な改良を加えなくても容易に対応させることができる。
また、本発明に係る排水処理方法は、上記の構成に加えて、「前記第一工程及び前記第二工程を夫々一回を行う1サイクルの時間が、前記散水型ろ床に対する前記排水の水理学的滞留時間よりも短い」ことを特徴としても良い。
ここで、「水理学的滞留時間」とは、散水型ろ床に対して、上部に供給した排水が下部から出てくるまでの時間である。水理学的滞留時間は、1h〜24hの範囲内とすることが望ましい。水理学的滞留時間の範囲を限定する理由としては、1hよりも短いと排水に対する十分な処理が得られない虞があるためであり、24hよりも長いと排水を処理する処理量が不十分となり装置が大型化する虞があるためである。
また、1サイクルの時間は、10min以上となるように、水理学的滞留時間の整数分の1とすることが望ましい。また、1サイクルの時間は、水理学的滞留時間に対して複数サイクル行える時間とすることが望ましく、散水型ろ床に供給された排水に対して硝化処理と脱窒処理とを複数回行うようにすることで、排水を十分に処理して散水型ろ床から排出させることが期待できる。1サイクルの時間は、10minよりも短いと、排水に対する十分な処理の進行が得られない虞がある。
また、本発明に係る排水処理装置は、「上記構成の排水処理方法を行うための装置である」ことを特徴とする。ここで、「排水処理装置」としては、散水型ろ床に、排水を供給したり排水の供給を停止したりすることができるものであれば良く、「散水型ろ床」の他に、「排水供給用のポンプ」、「排水供給用のバルブ」、「排水の貯留槽」、「ポンプやバルブを制御する制御装置」、「タイマー」、「散水型ろ床内或いは処理水の汚泥、溶存酸素、硝酸性窒素、等の濃度の測定装置」、等を適宜組合せた装置とすることができる。
本構成によれば、有機物及び窒素化合物を含んだ排水を、上述したように処理することができる。
本構成によれば、散水型ろ床の上部に供給した排水に対して、必ず第一工程及び第二工程を経た後に下部から排出させることができるため、散水型ろ床に供給された排水に対して硝化処理と脱窒処理を確実に行わせることができる。
このように、本発明によれば、散水型ろ床を用いて有機物や窒素化合物を含んだ排水を処理することが可能な排水処理方法及び排水処理装置を提供することができる。
本発明の排水処理方法に用いる排水処理装置の概略構成を示す説明図である。 実施例1〜3の試験結果を示すグラフである。 比較例1〜3の試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態である排水処理方法について説明する。本実施形態の排水処理方法は、汚泥が空隙内に担持されている多孔質の担体11を上下に複数配設した散水型ろ床10を用いて、汚泥発生量を抑えながら、有機物及び窒素化合物を含んだ排水を処理する排水処理方法であって、散水型ろ床10の上部に排水を供給することで、排水の流れによって汚泥に空気を供給させ、汚泥により排水を有機物処理及び硝化処理する第一工程と、散水型ろ床10への排水の供給を停止することで、排水の滞留によって汚泥への空気の供給を停止させ、内生呼吸による自己分解を進めることで生じた残骸有機物を分解及び汚泥により第一工程によって担体に保持されている硝酸性窒素を含む排水を脱窒処理する第二工程と、を具備し、第一工程と第二工程とを交互に行うものである。
更に、本実施形態の排水処理方法は、第一工程及び第二工程を夫々一回行う1サイクルの時間が、散水型ろ床10に対する排水の水理学的滞留時間(HRT)よりも短いものである。
本実施形態の実施例として、図1に示す排水処理装置1を用いて、1サイクルを1時間とした上で、第一工程と第二工程の時間を、実施例1〜3のパターンで試験を行った。この1サイクルの時間は、HRTを2hとした時では1/2に相当し、HRTを8hとした時では1/8に相当している。実施例1は、第一工程を15minとし、第二工程を45minとした。また、実施例2は、第一工程を30minとし、第二工程を30minとした。更に、実施例3は、第一工程を15minとし、第二工程を45minとした。
ここで、排水処理装置1は、散水型ろ床10と、処理するための排水Aが貯留されている第一貯留槽2と、第一貯留槽2の排水Aを汲み上げて散水型ろ床10の上部に供給する第一ポンプ3と、排水Aとは異なる排水Bが貯留されている第二貯留槽4と、第二貯留槽4の排水Bを汲み上げて散水型ろ床10の上部に供給する第二ポンプ5と、第一ポンプ3及び第二ポンプ5を制御する制御装置6と、を備えている。
散水型ろ床10は、スポンジからなる担体11をすだれ状に吊下げたいわゆるDHSリアクタである。担体11は、直径が3.5cmで長さが3.0cmの円柱状に形成された、スポンジ状の発泡ウレタン樹脂である。散水型ろ床10は、複数の円柱状の担体11を横に寝かせた状態で、すだれのように上下に連結して形成されている。散水型ろ床10は、40個の担体11を備えており、高さが140cmである。また、散水型ろ床10は、全体の容積が0.92L(リットル)である。
排水Aは、排水中の窒素化合物として、NO 30mgN/Lの硝酸性窒素人工排水を用いた。排水Aには、無機栄養塩類と重曹を添加した。
排水Bは、排水中の有機物として、COD 200mg/Lの有機物添加用排水を用いた。ここで、CODは、化学的酸素要求量のことであり、数値が高いほど含有有機物の量が多いことを示している。排水Bは、酢酸ナトリウム及びプロピオン酸を、夫々COD 100mg/L、及び、窒素化合物として、NH を、30mgN/L、となるようにした。
制御装置6は、第一ポンプ3及び第二ポンプ5を夫々制御して、散水型ろ床10に供給する流入排水の流量を調整できるものである。また、制御装置6は、タイマーを内蔵しており、第一ポンプ3及び第二ポンプ5の駆動を、夫々時間によってON/OFFすることができる。詳述すると、制御装置6は、予め設定された、第一工程の時間と第二工程の時間に対して、タイマーが第一工程の時間と第二工程の時間を交互に計測し、第一工程の時間の時には第一ポンプ3及び第二ポンプ5を駆動し、第二工程の時間の時には第一ポンプ3及び第二ポンプ5の駆動を停止させるものであり、第一工程と第二工程を交互に行わせることができる。この制御装置6としては、PC(パーソナルコンピュータ)としても良いし、単にタイマーとスイッチを組合せただけのものとしても良い。
散水型ろ床10には、流入排水として、排水Aと排水Bを2:1の流量比で供給した。また、各実施例1〜3において、第一工程で散水型ろ床10に供給する排水の量を、HRTが2h分の排水量とした。
試験(運転)は、実施例1の条件で運転を開始し、運転44日目からは実施例2の条件に変更し、更に、運転93日目からは実施例3の条件に変更して113日目まで運転した。この試験中(運転中)の流入排水と、散水型ろ床10から排出された処理水の各窒素濃度を測定した結果を図2に示す。また、各実施例1〜3の最終日に、散水型ろ床10における上から10個目までの担体11に担持されているMLSS、MLVSS、及びOURを測定した結果を表1に示す。ここで、MLSSは、排水中の活性汚泥浮遊物のことであり、MLVSSは、MLSSのうちの有機物の量を示す活性汚泥有機性浮遊物質のことである。MLSS及びMLVSSは、何れも汚泥濃度を示している。OURは、汚泥に含まれている微生物の酸素呼吸速度のことである。T−Nは、排水中の全窒素量である。
実施例1〜3の全運転期間における流入排水の各窒素の平均濃度は、T−Nは32mgN/L、Org−Nは3mgN/L、NH は10mgN/L、NO は22mgN/L、NO は0mgN/L、であった。
Figure 2017051922
比較として、流入排水を停止させることなく連続して供給する以外は上記と同様とし、HRTを異ならせた比較例1〜3の試験結果を図3に示す。比較例1はHRTを2hとし、比較例2はHRTを8hとし、更に、比較例3は流入排水を排水AのみでHRTを8hとした。また、比較例1〜3においても、実施例1〜3と同様に、散水型ろ床10における上から10個目までの担体11におけるMLSS、MLVSS、及びOURを測定した結果を表2に示す。比較例1,2における流入排水の各窒素の平均濃度は、T−Nは33mgN/L、Org−Nは3mgN/L、NH は9mgN/L、NO は21mgN/L、NO は0mgN/L、であった。
Figure 2017051922
実施例1では、運転日数の経過とともに処理水の窒素態のうちNO が多くを占めるようになり、第一工程による硝化処理が十分に進行した。運転29日目に、NH が0mgN/Lとなっており、その分がNO に上積みされている。また、処理水におけるT−N除去率が7%以下であり、第二工程による脱窒処理があまり進行しなかった。更に、処理水の水溶性CODは、8mg/L以下であった。更に、表1に示すように、MLVSSは10g/L−spongeであり、OURは0.137gO/g−VSS/dayであった。
実施例2では、実施例1に比べて、NH の除去率が低下した。加えて、処理水からNO が検出されるようになった。これは、第一工程における硝化処理の際に、DO(溶存酸素)の不足によって、NO からNO への進行が妨げられていることを示す。詳述すると、実施例2では、排水を供給する第一工程の時間を、実施例1の2倍としたことで、単位時間当たりの流入排水の流量が半分になり、排水の流れが弱くなることで担体11内への空気(酸素)の供給が低下し、DOが不足したと考えられる。これにより、担体11内で脱窒処理が可能な環境が生成されつつあると考えられる。この実施例2では、運転66〜81日目において、処理水の水溶性CODが、30〜40mg/Lに悪化した。また、運転83日目の処理水におけるT−N除去率が19%(27mgN/L)であり、実施例1よりも向上している。
実施例3では、実施例2と同様の傾向を示しており、処理水におけるT−N除去率が実施例2と、ほぼ同等、若しくは、若干向上しているように見える。また、表1に示すように、MLVSSは15g/L−spongeであり、OURは0.114gO/g−VSS/dayであった。
比較例1では、運転15日目に、NO が7mgN/Lであり、硝化処理の開始が確認された。そして、運転29日目の処理水には、NH が1mgN/L、NO が1mgN/L、NO が26mgN/Lであった。これ以降は、硝化処理が略完全に進んだ。また、T−N除去率は、運転22日目に、最大となる20%程度を示し、運転30日目以降では0〜5%前後であった。更に、表2に示すように、MLVSSは24g/L−spongeであり、OURは0.307gO/g−VSS/dayであった。比較例1では、汚泥が担体11を覆い隠すほど付着していた。
比較例2では、比較例1に引き続き、硝化処理はほぼ完全であった。しかしながら、処理水におけるT−N除去率は、運転49日目を除いてプラスを示すことはなく、0〜−12%で推移した。また、表2に示すように、MLVSSは10g/L−spongeであり、比較例1よりも減少した。
比較例3では、T−N除去率が、比較例2よりもさらに低い、−10〜−35%のレベルで推移した。また、処理水のNO が、増加する傾向を示した。これは、汚泥の自己分解に伴い生成されたNH が硝化したものと考えられる。また、表2に示すように、MLVSSは5g/L−spongeであり、OURは0.128gO/g−VSS/dayであった。何れも比較例1よりも減少した。
比較例2,3では、比較例1よりもMLVSSが減少することで、DOの消費が減り、担体11内までDOが供給され易くなる。また、比較例2,3では、HRTを比較例1の4倍としていることから、排水の流れが遅く、担体11表面における空気との接触時間が長くなっている。従って、汚泥濃度の減少と空気との接触時間の増加とにより、無酸素環境(嫌気状態)が形成されず、流入排水のCOD及び内生呼吸により生成されたCODは、DOにより分解され(処理水における水溶性CODは0〜22mg/L)、脱窒処理が進まなかったと考えられる。
実施例1と比較例1のMLVSSを比較すると、実施例1が比較例1の半分以下となっており、実施例1では排水中のDOが消費され難い状態になっていると考えられる。一方、OURを比較すると、実施例1が比較例1よりも低かった。それにも関わらず実施例1のMLVSSが低かった。この理由としては、実施例1では、第二工程において微生物のエサとなるCODが欠乏し、汚泥の内生呼吸による自己分解(OUR)が発揮されてMLVSSが低くなったと考えられる一方、比較例1では、CODが常に存在する環境にあり、汚泥の自己分解(OUR)が発揮されなかったと考えられる。
また、実施例1〜3では、何れも、汚泥濃度の低下と脱窒処理の進行が認められたのに対して、比較例1〜3では、脱窒処理の進行が認められなかった。
以上のように、本実施形態の排水処理方法によれば、散水型ろ床10に対して、排水を供給したり供給を停止させたりして硝化処理と脱窒処理とを交互に行わせるようにしているため、散水型ろ床10のみを用いて有機物や窒素化合物を含んだ排水を処理することができる。従って、排水の処理にかかる設備(装置)を散水型ろ床10のみとすることが可能となるため、従来と比較して消費電力や維持管理のコストを低減させることができる。
また、第一工程で活性化して増殖した好気性微生物を第二工程で自己分解させて減少させることができるため、微生物の量(汚泥量)を調整すること可能となり、第一工程(有機物処理及び硝化処理)や第二工程(残骸有機物の分解及び脱窒処理)において好適な汚泥濃度で排水を処理させることが可能となる。
更に、散水型ろ床へ排水10を供給したり供給を停止させたりするだけで上述した作用効果を得ることができるため、散水型ろ床10を備えた既存の排水処理装置に対して、大幅な改良を加えなくても容易に対応させることができる。
また、第一工程及び第二工程を夫々1回行う1サイクルの時間を、散水型ろ床10に排水を連続して供給する時のHRTに対して、1/2〜1/8としているため、散水型ろ床10の上部に供給した排水を、必ず第一工程及び第二工程を複数回経た後に下部から排出させることができるため、散水型ろ床10に供給された排水に対して硝化処理と脱窒処理を確実に行わせることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、第一工程と第二工程とを行う1サイクルの時間を1hとした場合を示したが、これに限定するものではなく、散水型ろ床10への排水のHRTに対して整数分の1とすることができる。
また、上記の実施形態では、排水処理装置1として、貯留槽とポンプを夫々二つずつ備えたものを示したが、これに限定するものではなく、排水の貯留槽やポンプ、タイマーを含む制御装置、等の数を適宜変更しても良い。また、上記の実施形態では、ポンプの駆動のON/OFFにより第一工程と第二工程を行わせるものを示したが、これに限定するものではなく、散水型ろ床に排水を供給するための配管にバルブを設け、バルブの開閉によって第一工程と第二工程を行わせるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、第一工程と第二工程を時間の経過によって切替えるものを示したが、これに限定するものではなく、散水型ろ床内や処理水の、汚泥、溶存酸素、硝酸性窒素、等の濃度の変化によって切替えるようにしても良い。具体的には、例えば、散水型ろ床内や処理水の水質(溶存酸素濃度、硝酸濃度、等)を検出するセンサーと、センサーによる水質の検出に基づいて散水型ろ床に排水を供給するためのポンプ又はバルブを制御するPC等からなる制御装置と、を備えた排水処理装置としても良い。これにより、水質をセンサーでリアルタイムに検出し、最適な水質が得られるように制御装置によってポンプやバルブを制御することが可能となり、上述と同様の作用効果を排水の水質変動に依らず安定的に奏することができる。
1 排水処理装置
2 第一貯留槽
3 第一ポンプ
4 第二貯留槽
5 第二ポンプ
6 制御装置
10 散水型ろ床
11 担体

Claims (3)

  1. 汚泥が空隙内に担持されている多孔質の担体を上下に複数配設した散水型ろ床を用いて、汚泥発生量を抑えながら、有機物及び窒素化合物を含んだ排水を処理する排水処理方法であって、
    前記散水型ろ床の上部に前記排水を供給することで、該排水の流れによって前記汚泥に空気を供給させ、前記排水を前記汚泥に含まれている微生物により有機物処理及び硝化処理する第一工程と、
    前記散水型ろ床への前記排水の供給を停止することで、該排水の滞留によって前記汚泥への空気の供給を停止させ、内生呼吸による自己分解を進めることで生じた残骸有機物を分解及び前記第一工程によって前記担体に保持されている前記排水を前記汚泥に含まれている微生物により脱窒処理する第二工程と
    を具備し、
    前記第一工程と前記第二工程とを交互に行うことを特徴とする排水処理方法。
  2. 前記第一工程及び前記第二工程を夫々一回を行う1サイクルの時間が、前記散水型ろ床に対する前記排水の水理学的滞留時間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の排水処理方法を行うための装置であることを特徴とする排水処理装置。
JP2015179197A 2015-09-11 2015-09-11 排水処理方法及び排水処理装置 Pending JP2017051922A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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