(第1の実施形態)
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり(図11-1参照)、時短状態とは
、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である(図12−2参照)。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けていない。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図5を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図5のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスを許可して、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図7参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図8参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図6参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、初期値乱数を更新し、処理はステップS914に移る。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図6は、図5のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図6のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図5のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図5のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図7は、図5のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図7のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図5のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図8は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図8を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図8に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図8以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図10のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図10のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図9を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113がONとなった時点(ゲートスイッチ113から遊技球の検出信号が出力された時点)で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図10を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図13及び図14を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は払出制御部300へ出力する。
[始動口スイッチ処理]
図9は、図8のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS2における始動口スイッチ処理について、図9を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図10のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図10のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図8のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図10のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図10のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図8のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図8のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図10は、図8のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10を参照して、図8のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図9のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図9のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。なお、本実施形態では、一例として、大当り遊技後に次回大当りするまで確変遊技状態に設定される確変大当りと、大当り遊技後に次回大当りするまで通常遊技状態に設定される通常大当りとがある。また、本実施形態では、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも、遊技者の利益が比較的大きい確変大当りの当選割合が多いものとする。具体的には、第2特別図柄抽選では7割が確変大当りであり3割が通常大当りであり、一方、第1特別図柄抽選では4割が確変大当りであり6割が通常大当りである。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態(非時短状態)のときには、図11−1及び図11-2に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT
1−2を使用し、確変遊技状態(時短状態)のときには、図12−1及び図12−2に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、通常遊技状態(非時短状態)のときに、図11−1及び図11-2に示すHT1
−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図11−1は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図11−2は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図11−1を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選で大当りしたと判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「90.03秒」に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターンとして「90.03秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「40.02秒」、「40.03秒」、「90.01秒」、「90.02秒」、「90.03秒」、「90.04秒」及び「90.05秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」及び「第1SPSP当り」に対応する。また、「リーチ当り」はリーチ成立した後に大当りするタイプであり、「第1SP当り」〜「第3SP当り」は最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「第1SPSP当り」〜「第5SPSP当り」は最終的にSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。
なお、リーチ(リーチ成立)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄列のうち残りの1つが停止すると大当りを報知する特定の図柄状態になる演出であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止しており、残りの中央の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止するとゾロ目(例えば777)となる演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタが小判をゲットする動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選でハズレと判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチ成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「40.05秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「256〜271」に含まれるので、変動パターンとして「40.05秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「40.04秒」、「40.05秒」、「40.06秒」、「90.06秒」、「90.07秒」、「90.08秒」、「90.09秒」及び「90.10秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」及び「第1SPSPハズレ」に対応する。また、「リーチハズレ」はリーチ成立した後にハズレるタイプであり、「第1SPハズレ」〜「第3SPハズレ」は最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「第1SPSPハズレ」〜「第5SPSPハズレ」は最終的にSPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図11−1に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図11−1に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第1SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第1SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「リーチ演出」、「第3SPリーチ演出」、「第2SPリーチ演出」、「第1SPリーチ演出」、「第5SPSPリーチ演出」、「第4SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図11−2を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図11−2に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図11−2に示すHT1−2は、図11−1に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図12−1を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図12−1に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図12−1に示すHT2−1は、図11−1に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図12−2を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図12−2に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図12−2に示すように、HT2−2は、図11−1に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図11−1を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図12−2に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図12−2に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、ステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図8のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407での処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、次回大当りするまで確変遊技状態(時短状態)に制御される確変大当り(遊技者の利益が大きい大当り)の当選割合が多い。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、通常遊技状態に制御されることになる通常大当り(遊技者の利益が小さい大当り)に当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図12−2のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図12−1のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図8のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。なお、このとき、CPU101は、図柄確定コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、ステップS414における処理は、規定の確定時間(例えば0.5秒)が経過することで終了され、その後、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移る。このため、次のタイマ割り込み処理によって再び図10に示す特別図柄処理が実行されるタイミングは、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから確定時間(0.5秒)を経過したタイミング(より厳密には、確定時間を経過して初めて到来する割り込みタイミング)となる。なお、上記したオープニングコマンドは、ステップS414の処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図13及び図14は、図8のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS6における大入賞口処理について、図13及び図14を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図14のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの検出信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ114がONになったか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が大入賞口スイッチ114がONになる毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、図17のステップS125の入賞処理が実行されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図14のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図14のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図8のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、確変大当りを示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示すモード演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図13のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。より具体的には、今回の大当りが通常大当りの場合は通常遊技状態に制御し、今回の大当りが確変大当りの場合は確変遊技状態に制御する。その後、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[演出制御部による演出制御処理]
図15は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図15を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図15に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図15以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図8のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図16及び図17を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、ステップS11の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数(後述する第1演出乱数および第2演出乱数を含む)を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図8のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図16および図17は、図15のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図16および図17を参照して、図15のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図9のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像の追加表示処理や、保留画像を先読み表示態様に変化させる保留画像表示処理を行う。なお、表示された保留画像は、後述するステップS115の処理で報知演出が開始される際に順番に消化される。また、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。また、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数(保留データの数)が、ステップS112で追加された保留を含めて2以上である場合、直近にRAM403に記憶された(つまり、直近の保留データに含まれる)事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、事前判定情報が、「大当り」を示すものである場合、「ハズレ」かつ「リーチ演出あり」を示すもの(リーチありハズレ)である場合、または、「ハズレ」かつ「リーチ演出なし」を示すもの(リーチなしハズレ)である場合のそれぞれにおいて、先読み乱数を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、先読み予告演出を実行すると決定する。なお、この先読み当選値は、事前判定情報が「大当り」の場合と、「リーチありハズレ」の場合と、「リーチなしハズレ」の場合とで、それぞれ異なる個数が設定されるものとしてもよい。具体的には、「大当り」の場合の先読み当選値の個数は、「リーチありハズレ」の場合の先読み当選値の個数よりも多く設定することにより、「大当り」時には先読み予告演出が実行され易いものとしてもよい。そして、先読み予告演出を実行すると決定した場合、CPU401は、この事前判定情報の条件(大当りしたか否かの条件等)を満たす多数の先読み予告演出のパターンから、抽選等によって、実行する先読み予告演出の内容を設定する。つまり、先読み予告演出として、各報知演出においてどの様な予告演出を行うかを設定する。なお、先読み予告演出は、例えば複数の報知演出に亘って大当りの可能性を示唆する予告演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図10のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等による報知演出を開始等する報知演出実行処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば、装飾図柄DI(後述する図31参照)が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄DIが停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。この報知演出実行処理については、図21を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図10のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図17のステップS120に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図17のステップS120に移る。
図17のステップS120において、CPU401は、図10のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図13のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を開始する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図13のステップS613等の処理でセットされ、図8のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を開始する。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(すなわち、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23に対応する賞球数「13」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図13のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図14のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を終了させる。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS130に移る。
ステップS130において、CPU401は、図10のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図15のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、ステップS130で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、停止状態処理を開始する。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した停止演出を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から、他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図15のステップS12に移る。
[拡張現実について]
本実施形態では、拡張現実(AR;Augmented Reality)に係る技術を用いて、外部携帯端末70に特徴的な演出が表示される。なお、拡張現実に係る技術には、公知の技術として様々な方式が存在しているが、本実施形態では、マーカ利用型ARに係る技術を用いるものとする。
図18は、マーカ利用型ARに係る技術を用いた演出の一例について説明するための図である。図18に示すように、遊技機1の画像表示部6には、所定条件を満たすと、予め定められた所定位置(例えば、画像表示部6の中央下側)に、ARマーカとして、マーカ画像800が表示される。
ここで、マーカ画像800について説明する。マーカ画像800は、ARマーカであり、図20を用いて後述するように、外部携帯端末70(典型的にはスマートフォン)に備えられた撮像部710(典型的にはカメラ)によって撮像されて解析されることで、撮像された実世界の画像(実画像:リアルタイム動画像)に対して多様な情報を重ね合わせるための指標となる画像である。図19は、本実施形態のマーカ画像800の例を示す図である。図19に示すように、マーカ画像800は網目模様の円形状の画像であり、マーカ画像800にはマーカA〜Jの10種類がある。マーカA〜Jは、一見同じように視認されるが模様が互いに異なっており、外部携帯端末70によって撮像されて画像解析されることで識別される。
外部携帯端末70には、ARマーカ(マーカ画像800:マーカA〜J)を認識するためのARアプリケーションプログラムがインストールされている。外部携帯端末70を所有する遊技者が、当該ARアプリケーションプログラムを起動して、外部携帯端末70に備わる撮像部710によってマーカ画像800を撮像すると、外部携帯端末70の表示画面730には、マーカ画像800を含む実画像上に、マーカ画像800の表示位置上側に仮想画像900が重畳表示された画像(以下、AR画像という)が表示される。なお、仮想画像900としては、マーカ画像800に対応付けられた種々の画像(静止画像または動画像)であってよい。また、図24及び図25等を用いて後述するが、本実施形態では、マーカA〜Jのうち2つのマーカ(マーカペア)が選択されて画像表示部6の同じ位置に交互に表示され、そのマーカペアに対応した画像が外部携帯端末70の表示画面730に表示される。また、図30〜図36を用いて後述するが、本実施形態では、仮想画像900として、カプセルの画像(図18参照)等が表示される。
次に、図20を参照して、上記したAR画像の表示(以下、単にAR表示ということがある)を行うための制御装置の構成について説明する。図20は、AR表示を行うための制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図20に示すように、遊技機1は、画像表示部6を備え、この画像表示部6には、所定条件を満たすと、演出制御部400の指示を受けた画像音響制御部500によってマーカ画像800が表示される。外部携帯端末70は、実世界(より具体的には、画像表示部6に表示されるマーカ画像800)を撮像する撮像部710(典型的にはカメラ)と、撮像部710により撮像されたマーカ画像800を含む画像に基づいてAR表示を制御するAR表示制御部720と、AR表示制御部720の指示によりAR画像が表示される表示画面730とを備える。また、AR表示制御部720は、撮像部710により撮像された撮像画像からマーカ画像800(マーカA〜J)を検出するマーカ検出部721と、検出されたマーカ画像800に応じた仮想画像900を照合してメモリから読み出す仮想画像照合部722と、撮像部710により撮像された実画像と仮想画像照合部722により読み出された仮想画像とを合成する画像合成部723とを有する。なお、図示はしていないが、AR表示制御部720は、AR表示を行うためのARアプリケーションプログラム等を記録したROM、作業領域となるRAM、およびARアプリケーションプログラムに基づいてAR表示制御を実行するCPUを備えている。
マーカ検出部721は、撮像部710により撮像された撮像画像に基づいてマーカ画像800(マーカA〜J)を検出する。具体的には、マーカ検出部721は、マーカ画像800を含む撮像画像に対して特徴抽出処理を行うことでマーカ画像800(マーカA〜J)を検出する。なお、この特徴抽出処理は、撮像画像の認識を可能にするための特徴を抽出する処理であり、画像の特徴としては、例えば、点、線、領域が挙げられる。点、線、領域は、固有の特徴量を有し、点の特徴量としては、例えば、座標、明るさ、色が挙げられ、線の特徴量としては、例えば、長さ、方向が挙げられ、領域の特徴量としては、例えば、面積、テクスチャ(明るさ、色などの規則的に変化するパターン)が挙げられる。マーカ検出部721は、撮像画像に対して特徴抽出を行い、得られた特徴量を用いて当該画像を認識し、マーカ画像800(マーカA〜J)に対応付けられた識別情報を取得する。例えば、マーカ検出部721は、撮像画像に含まれるマーカ画像800と予め登録された画像との類似度を求めるテンプレートマッチングにより、マーカ画像800を認識し、マーカ画像800に対応付けられた識別情報を取得する。そして、認識されたマーカ画像800における所定位置をマーカ座標系の原点として設定する。
仮想画像照合部722は、マーカ検出部721により検出されたマーカ画像800の識別情報に対応付けられた仮想画像900を照合して読み出す。具体的には、AR表示制御部720のROM(不図示)には、マーカ画像800の識別情報と、仮想画像900との対応を規定した参照テーブルが記憶されており、仮想画像照合部722は、当該参照テーブルに基づいて、マーカ画像800の識別情報に対応付けられた仮想画像900を照合して読み出す。なお、この参照テーブルの詳細については、図29を用いて後述する。
画像合成部723は、撮像部710により撮像された実世界の画像(実画像)と、仮想画像照合部722により読み出された仮想画像とを合成した合成画像(AR画像)を生成する。具体的には、画像合成部723は、実世界を撮像した撮像部710(実カメラ)と、仮想画像900を配置する仮想世界における仮想カメラとが、基準であるマーカ座標系の原点に対して同じ位置・姿勢をとるように設定する。例えば、仮想カメラの特性(例えば、レンズ歪み、焦点距離、画角などのパラメータ)を、撮像部710に必要に応じて合致させる。このようにして、マーカ画像800を含む実画像に対応する実世界と、仮想画像900に対応する仮想世界との適切な重ね合わせが行われることにより、AR画像が生成される。
[報知演出実行処理]
次に、図21を用いて、演出制御部400による報知演出実行処理について説明する。図21は、図16のステップS115の報知演出実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。以下に、図21を参照して、本実施形態に係る報知演出実行処理について説明する。
まず、ステップS701において、演出制御部400のCPU401は、今回実行する報知演出における演出モードを決定する。ここで、演出モードは、報知演出における演出様式であり、本実施形態では、確変遊技状態での演出モードとして、報知演出を赤色背景とする赤背景演出モードを実行し、通常遊技状態での演出モードとして、報知演出を青色背景とする青背景演出モード又は報知演出を緑色背景とする緑背景演出モードを実行する。具体的には、CPU401は、図16のステップ114で受信した遊技状態通知コマンドが確変遊技状態を示す場合には、今回実行する報知演出における演出モードを赤背景演出モードに決定する。一方、CPU401は、この遊技状態通知コマンドが通常遊技状態を示す場合には、今回実行する報知演出における演出モードを青背景演出モード又は緑背景演出モードに決定する。その際に、CPU401は、大当り遊技終了後の1回目の報知演出である場合には青背景演出モードに決定し、大当り遊技終了後の1回目の報知演出ではない場合には演出モードの切り替え抽選に当選した場合に青背景演出モードと緑背景演出モードとの間で演出モードを切り替えて決定する。具体的には、前回の報知演出が青背景演出モードであった場合には継続率99%の切り替え抽選を行い、前回の報知演出が緑背景演出モードであった場合には継続率95%の切り替え抽選を行うことによって、通常遊技状態において、基本の演出モードとして青背景演出モードは平均100回転(報知演出100回)継続し、緑背景演出モードは平均20回転(報知演出20回)継続することとなる。その後、処理はステップS702に移る。
ステップS702において、CPU401は、図16のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンを決定する。具体的には、図11−1、図11−2、図12-1及び図12−
2に示したように、CPU401は、設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)が「90.05秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.04秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.03秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.02秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第4SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.01秒」の場合には第5SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第5SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.03秒」の場合には第1SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.02秒」の場合には第2SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.01秒」の場合には第3SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.01秒」の場合にはリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(リーチ当り)を決定する。また、図11−1、図11−2、図12-1及び図12−2に示したように、CPU401は、
設定情報が示す変動パターンが「90.10秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.09秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.08秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.07秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第4SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.06秒」の場合には第5SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第5SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.06秒」の場合には第1SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.05秒」の場合には第2SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.04秒」の場合には第3SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.02秒」の場合にはリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(リーチハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「13.50秒」以下の場合にはリーチも実行せずハズレ報知する演出パターン(即ハズレ)を決定する。その後、処理はステップS703に移る。
[ボタン演出設定処理]
ステップS703において、CPU401は、図30〜図32等を用いて具体的に説明するボタン演出(遊技者の入力操作に応じて大当り信頼度を示唆するカットイン画像を表示させる演出)について設定する。図22は、図21のステップS703のボタン演出設定処理の詳細フローチャートの一例を示す図である。
まず、図22のステップS800において、CPU401は、図23(1)に示すボタン演出実行決定テーブルを用いて、ボタン演出を実行するか否かを決定する。具体的には、CPU401は、ボタン演出実行決定テーブルに示すように、0〜99の範囲で変動する第1演出乱数を用いて図16のステップS114で報知演出開始コマンドを受信したタイミングで取得した第1演出乱数の値に基づいて、この報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)が「2.00秒」〜「4.00秒」の場合(つまり、「2.00秒」〜「4.00秒」の即ハズレの場合)にはボタン演出を実行しないと決定し、この設定情報が示す変動パターンが「8.00秒」〜「13.50秒」の場合(つまり、「8.00秒」〜「13.50秒」の即ハズレの場合)には5%の確率でボタン演出を実行すると決定し、この設定情報が示す変動パターンが「15.01秒」〜「90.10秒」の場合(つまり、リーチ当り、リーチハズレ、第1〜第3SP当り、第1〜第3SPハズレ、第1〜第5SPSP当り、第1〜第5SPSPハズレの場合)には10%の確率でボタン演出を実行すると決定する。例えば、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターンが「8.00秒」〜「13.50秒」の場合において、取得した第1演出乱数の値が「20」の場合には、ボタン演出を実行しないと決定する。その後、処理はステップS801に移る。
ステップS801において、CPU401は、ステップS800でボタン演出を実行すると決定した場合、図23(2)に示すカットイン色決定テーブルを用いて、ボタン演出におけるカットイン画像の色を決定する。具体的には、CPU401は、カットイン色決定テーブルに示すように、図16のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)が「8.00秒」〜「13.50秒」の場合(つまり、即ハズレの場合)及び「15.01秒」又は「15.02秒」の場合(つまり、リーチ当り又はリーチハズレの場合)カットイン画像の色を大当り信頼度が非常に低いことを示唆する「白」に決定し、この設定情報が示す変動パターンが「40.01秒」又は「40.04秒」の場合(つまり、第3SP当り又は第3SPハズレの場合)カットイン画像の色を大当り信頼度が少し高いことを示唆する「青」に決定し、この設定情報が示す変動パターンが「40.02秒」、「40.03秒」、「40.05秒」又は「40.06秒」の場合(つまり、第1SP当り/ハズレ、又は、第2SP当り/ハズレの場合)カットイン画像の色を大当り信頼度が高いことを示唆する「赤」に決定し、この設定情報が示す変動パターンが「90.01秒」〜「90.10秒」の場合(つまり、第1〜第5SPSP当り/ハズレの場合)カットイン画像の色を大当り信頼度が非常に高いことを示唆する「金」に決定する。その後、ボタン演出設定処理は終了して、処理は図21のステップS704に移る。
なお、上記したステップS801の処理では、変動パターンに一意に対応させてカットイン画像の色を決定した。しかし、例えば、変動パターンが「90.01秒」〜「90.10秒」の場合において低確率で「赤」又は「青」のカットイン画像の色を選択するというように、変動パターンに一意に対応させないようにカットイン画像の色を決定してもよい。
図21のステップS704において、CPU401は、ステップS701で決定した今回の報知演出の演出モードが緑背景演出モードであるか否かを判定する。ステップS704での判定がYESの場合、処理はステップS705に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS708に移る。
ステップS705において、CPU401は、図16のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間:報知演出実行時間)が「8.00秒」以上であるか否かを判定する。ステップS705での判定がYESの場合、処理はステップS706に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS708に移る。
なお、上記したステップS705の処理実行毎に、上記した判定基準の秒数を、「8.00秒」、「10.00秒」、「13.50秒」の間で抽選等によって変化させてもよい。この様にすることで、実行時間「8.00秒」以上の即ハズレの報知演出においてマーカペアが表示される場合と表示されない場合とが生じるので、遊技者は、マーカペアが表示されると、リーチ演出に発展するのではないかと期待感を抱くこととなる。
ステップS706において、CPU401は、ステップS702の処理で決定された演出パターンに基づいて、図24に示す表示マーカペア決定テーブルを用いて、画像表示部6に表示して外部携帯端末70にAR画像を表示等させるためのマーカペアを決定する。
ここで、図19を用いて説明したようにマーカ画像800には、マーカA〜Jの10種類が存在し、これらのマーカのペア(2つの組合せ)は45ペア存在する。例えば、マーカAとマーカBとのペアは、マーカペア(AB)である。マーカペア(AB)は、外部携帯端末70(図18参照)に第1SPSPリーチ演出が実行されることを示唆させるためのマーカペアであり、マーカペア(AC)は、外部携帯端末70に第2SPSPリーチ演出が実行されることを示唆させるためのマーカペアであり、マーカペア(AD)は、外部携帯端末70に第3SPSPリーチ演出が実行されることを示唆させるためのマーカペアであり、マーカペア(AE)は、外部携帯端末70に第4SPSPリーチ演出が実行されることを示唆させるためのマーカペアであり、マーカペア(AF)は、外部携帯端末70に第5SPSPリーチ演出が実行されることを示唆させるためのマーカペアである。マーカペア(AG)〜(IJ)は、外部携帯端末70にカーケシ画像を表示させるためのマーカペアである。
具体的には、ステップS706において、図24に示す表示マーカペア決定テーブルに示すように、CPU401は、0〜99の範囲で変動する第2演出乱数を用いて図16のステップS114で報知演出開始コマンドを受信したタイミングで取得した第2演出乱数の値に基づいて、ステップS702の処理で決定された演出パターンが第1SPSP当り又は第1SPSPハズレの場合には、マーカペア(AB)、(AG)〜(AI)のうちの何れか1つを決定する。例えば、CPU401は、取得した第2演出乱数の値が「55」の場合には、マーカペア(AG)を決定する。同様にして、CPU401は、ステップS702の処理で決定された演出パターンが第2SPSP当り又は第2SPSPハズレの場合にはマーカペア(AC)、(AG)〜(AI)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンが第3SPSP当り又は第3SPSPハズレの場合にはマーカペア(AD)、(AJ)〜(BD)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンが第4SPSP当り又は第4SPSPハズレの場合にはマーカペア(AE)、(BE)〜(BH)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンが第5SPSP当り又は第5SPSPハズレの場合にはマーカペア(AF)、(BE)〜(BH)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンが第1SP当り又は第1SPハズレの場合にはマーカペア(BI)〜(BJ)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンが第2SP当り又は第2SPハズレの場合にはマーカペア(CD)〜(CG)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンが第3SP当り又は第3SPハズレの場合にはマーカペア(CH)〜(DE)のうちの何れか1つを決定し、この演出パターンがリーチ当り又はリーチハズレの場合にはマーカペア(DF)〜(EJ)ののうち何れか1つを決定し、この演出パターンが即ハズレの場合にはマーカペア(FG)〜(IJ)のうちの何れか1つを決定する。その後、処理はステップS707に移る。
なお、図24に示す表示マーカペア決定テーブルには、参考のため、図23(2)のカットイン色決定テーブルを用いて決定されたボタン演出のカットイン画像の色がマーカペアに対応付けて記載されている。
ステップS707において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、ステップS706で決定したマーカペアの表示を伴いステップS706で決定した演出パターンの報知演出を実行させる。なお、このマーカペアの表示タイミング等については、図30〜図36を用いて後述する。その後、報知演出実行処理は終了して、処理は図16のステップS116に移る。
[マーカペアの表示態様]
ここで、マーカペアの表示態様について、図25を用いて説明する。図25に示すように、マーカペアは、3秒間ずつ交互に同位置に表示される。具体的には、図25(1)に示すようにマーカペアの一方が3秒間表示された後に図25(2)に示すようにマーカペアの他方が3秒間表示され、その後再び図25(1)に示すようにマーカペアの一方が3秒間表示されるというように、マーカペアは3秒間ずつ交互に同位置に表示される。なお、マーカペアの交互表示中には、何れのマーカも表示されていない期間が無いように必ず片方のマーカが表示されるのが望ましい。また、マーカペアの表示は、3秒間毎には限られず、より短くてもよいし、より長くてもよい。
ステップS708において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、マーカペアの表示を伴わないステップS706で決定した演出パターンの報知演出を実行させる。その後、報知演出実行処理は終了して、処理は図16のステップS116に移る。
ステップS704〜S707の処理によって、特定の演出モードである緑背景演出モードの各報知演出において、マーカペアの表示が実行されることとなり、又、特別図柄変動時間が8秒以上の報知演出において、マーカペアの表示が実行されることとなる。
[画像音響制御部によるボタン演出処理]
図26は、画像音響制御部500によって行われるボタン演出処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図26を参照して、画像音響制御部500において行われるボタン演出処理について説明する。画像音響制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図26に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、ステップS300において、画像音響制御部500のCPU501は、ボタン演出におけるボタン入力可能期間の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、ボタン演出は、図30〜図33を用いて後述するが、報知演出において演出ボタン37の画像(ボタン入力示唆画像)を表示させることで遊技者に演出ボタン37の押下操作を促し、演出ボタン37の画像表示開始から始まる所定のボタン入力可能期間の終了までに演出ボタン37の押下操作があった場合にはその押下操作時に所定の演出(本実施形態では大当り信頼度を示唆するカットイン画像を表示する演出)を実行し、所定のボタン入力可能期間の終了までに演出ボタン37の押下操作が無かった場合にはボタン入力可能期間終了時に当該所定の演出を実行する演出である。ステップS300での判定がYESの場合、処理はステップS301に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS302に移る。
ステップS301において、CPU501は、画像表示部6にボタン入力示唆画像(演出ボタン37の画像)の表示を開始させる。その後、処理はステップS302に移る。
ステップS302において、CPU501は、ボタン演出におけるボタン入力可能期間中であるか否かを判定する。ここで、ボタン入力可能期間は、ボタン入力示唆画像の表示開始から始まる所定の期間である。ステップS302での判定がYESの場合、処理はステップS303に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS304に移る。
ステップS303において、CPU501は、ボタン演出37の押下操作があったか否かを判定する。ステップS303での判定がYESの場合、処理はステップS305に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS300に戻る。
ステップS304において、CPU501は、ボタン演出におけるボタン入力可能期間の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS304での判定がYESの場合、処理はステップS305に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS300に戻る。
ステップS305において、CPU501は、ステップS301の処理で開始したボタン入力示唆画像の表示を終了する。その後、処理はステップS306に移る。
ステップS306において、CPU501は、図22のステップS801の処理で決定された色のカットイン画像を報知演出において表示させて、大当り信頼度を示唆する。その後、処理はステップS300に戻る。
以上に説明したボタン演出処理によって、ボタン演出が実行されて、報知演出においてカットイン画像が表示されて大当り信頼度が示唆(予告)されることになる。
[AR表示処理]
次に、図27を参照して、図30〜図36を用いて具体的に後述するが、外部携帯端末70(図20参照)のAR表示制御部720によるAR表示処理について説明する。図27は、AR表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、AR表示制御部720は、ROMに記憶されたARアプリケーションプログラムが起動されると、図27に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、ステップS350において、外部携帯端末70のAR表示制御部720は、撮像モードの実行中であるか否かを判定する。具体的には、外部携帯端末70にインストールされたARアプリケーションプログラムが起動されると、表示画面730には撮像部710の起動を促す初期画面が表示されるが、AR表示制御部720は当該初期画面において撮像部710を起動する指示が与えられているか否かを判定する。ステップS350での判定がYESの場合、処理はステップS351に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS352に移る。
ステップS351において、AR表示制御部720は、表示画面730において、撮像部710によって撮像された実画像(リアルタイム動画像)を表示する。その後、処理はステップS353に移る。
一方、ステップS352において、AR表示制御部720は、撮像部710による撮像が行われていないので、表示画面730において実画像(リアルタイム動画像)を表示しない。その後、処理はステップS350に戻る。
ステップS350〜S352の処理によって、撮像モード実行中には表示画面730に実画像が表示され、撮像モードの実行中ではないときには表示画面730に実画像が表示されないこととなる。
ステップS353において、AR表示制御部720(より具体的には、マーカ検出部721)は、撮像部710により撮像された撮像画像に基づいて、マーカペア(マーカ画像800;図19参照)を構成する1つ目のマーカを検出したか否かを判定する。具体的には、AR表示制御部720は、マーカを検出したときにマーカを1つも記憶していない場合にはこのマーカの検出をもって1つ目のマーカを検出したと判定し、一方、マーカを検出したときにマーカを既に1つ以上記憶している場合には1つ目のマーカを検出したと判定しない。ステップS353での判定がYESの場合、処理はステップS354に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS355に移る。
ステップS353において、AR表示制御部720は、ステップS353で検出した1つ目のマーカをメモリ(図示なし)に記憶する。その後、処理はステップS355に移る。
ステップS355において、AR表示制御部720(より具体的には、マーカ検出部721)は、撮像部710により撮像された撮像画像に基づいて、マーカペアを構成する2つ目のマーカを検出したか否かを判定する。具体的には、AR表示制御部720は、マーカを検出したときにマーカを1つ記憶している場合にはこのマーカの検出をもって2つ目のマーカを検出したと判定し、一方、マーカを検出したときにマーカを既に2つ記憶している場合およびマーカを1つも記憶していない場合には2つ目のマーカを検出したと判定しない。ステップS355での判定がYESの場合、処理はステップS356に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS357に移る。
ステップS356において、AR表示制御部720は、ステップS355で検出した2つ目のマーカをメモリ(図示なし)に記憶することによって、マーカペアを記憶する。その後、処理はステップS357に移る。
ステップS357において、AR表示制御部720(より具体的には、マーカ検出部721)は、撮像部710により撮像された撮像画像に基づいて、メモリに記憶されているマーカペアを認識中であるか否かを判定する。なお、AR表示制御部720は、メモリにマーカペアが記憶されていない場合には、マーカペアを認識中ではないと判定する。ステップS357での判定がYESの場合、処理はステップS358に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS350に戻る。
ステップS358において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、メモリに予め記憶されているカプセル画像900を読み出す。そして、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、読み出されたカプセル画像を、撮像部710によって撮像された実画像に合成して表示画面730に表示する。その後、処理はステップS359に移る。
ステップS359において、AR表示制御部720は、表示画面730の表面に張り付けられているタッチパネル(図示なし)からの検出信号に基づいて、表示画面730にカプセル画像が表示されているときにこのカプセル画像がタップ(タッチ操作)されたか否かを判定する。ステップS359での判定がYESの場合、処理はステップS360に移り、この判定がNOの場合、処理は図28のステップS364に移る。
ステップS360において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、メモリに予め記憶している以下に説明する図29の参照テーブルを参照して、メモリに記憶されているマーカペアがカーケシ画像(車形状の消しゴムの画像)に対応しているか否かを判定する。
[検出マーカペア/合成画像 参照テーブル]
図29は、検出マーカペア/合成画像参照テーブルである。以下に、図29の参照テーブルについて説明する。図29に示すように、マーカペア(AG)〜(IJ)の40ペアはカーケシ画像に対応しており、マーカペア(AB)〜(AF)の5ペアは見本画像に対応している。より具体的には、図29に示すように、マーカペア(AG)〜(IJ)は、それぞれ、第1グループ〜第40グループのカーケシ画像に対応しており、又、マーカペア(AB)〜(AF)は、それぞれ、第1〜第5SPSPリーチ演出発展示唆動画像に対応している。なお、第1グループ〜第40グループは、それぞれ10個のカーケシ画像で構成され、第1グループ〜第40グループのカーケシ画像400個は、互いに異なるカーケシ画像である。また、図29の参照テーブルでは、図24のテーブルにおけるマーカペアと報知演出の演出パターンとの間の対応関係と同一の対応関係で、マーカペアと報知演出の演出パターンとが対応している。また、図29に示すように、マーカペア(AG)〜(AI)にはカーケシ説明文字の色として金色が対応し、マーカペア(AJ)〜(BD)にはカーケシ説明文字の色として紫色が対応し、マーカペア(BE)〜(BH)にはカーケシ説明文字の色として赤色が対応し、マーカペア(BI)及び(BJ)にはカーケシ説明文字の色として緑色が対応し、マーカペア(CD)〜(CG)にはカーケシ説明文字の色として黄色が対応し、マーカペア(CH)〜(DE)にはカーケシ説明文字の色として青色が対応し、マーカペア(DF)〜(IJ)にはカーケシ説明文字の色として白色が対応する。なお、マーカペア(AB)〜(AF)にはカーケシ説明文字の色は割り振られていない。このように、図29の参照テーブルにおけるカーケシ説明文字の色は、図24のテーブルにおけるボタン演出のカットイン画像の色よりも細分化されているので、カーケシ説明文字の色によってより正確に大当り信頼度を示唆することができる。
具体的には、ステップS360において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、図29の参照テーブルを参照して、メモリに記憶されているマーカペアが(AB)〜(AF)の何れかである場合にはカーケシ画像に対応していないと判定し、メモリに記憶されているマーカペアが(AG)〜(IJ)の何れかである場合にはカーケシ画像に対応していると判定する。ステップS360での判定がYESの場合、処理はステップS361に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS362に移る。
ステップS361において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、図29の参照テーブルを参照して、記憶されているマーカペアに対応するカーケシ画像(メモリに予め記憶されているカーケシ画像)を1つ読み出す。具体的には、例えばマーカペア(AG)が記憶されている場合、AR表示制御部720は、図29の参照テーブルを参照して、第1グループのカーケシ画像のうちの1つを抽選により決定して読み出す。そして、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、撮像部710によって撮像された実画像に合成表示しているカプセル画像900を非表示にして、読み出されたカーケシ画像を、この実画像に合成して表示画面730に表示する。その後、処理はステップS363に移る。
ステップS362において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、図29の参照テーブルを参照して、記憶されているマーカペアに対応する見本画像(メモリに予め記憶されている見本画像)を1つ読み出す。具体的には、例えばマーカペア(AB)が記憶されている場合、AR表示制御部720は、図29の参照テーブルを参照して、第1SPSPリーチ演出発展示唆動画像の見本画像を読み出す。そして、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、撮像部710によって撮像された実画像に合成表示しているカプセル画像900を非表示にして、読み出された見本画像を、この実画像に合成して表示画面730に表示する。その後、処理はステップS363に移る。
ステップS363において、AR表示制御部720は、メモリに記憶しているマーカペアを消去する。その後、処理は図28のステップS364に移る。
図28のステップS364において、AR表示制御部720は、表示画面730の表面に張り付けられているタッチパネル(図示なし)からの検出信号に基づいて、表示画面730にカーケシ画像が表示されているときにこのカーケシ画像がタップ(タッチ操作)されたか否かを判定する。ステップS364での判定がYESの場合、処理はステップS365に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS367に移る。
ステップS365において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、表示画面730に表示されているカーケシ画像に対応するカーケシ説明画像(メモリに予め記憶されているカーケシ説明画像)を読み出す。そして、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、カーケシ画像が合成表示されている実画像を非表示にして、読み出されたカーケシ説明画像を表示画面730に表示する。ここで、カーケシ説明画像の説明文字の色は、報知演出の演出パターンに対応している(図29参照)。このことから、カーケシ説明画像の説明文字の色によって、大当り信頼度を示唆することができる。また、図29の参照テーブルの説明ですでに述べたが、カーケシ説明文字の色は、ボタン演出のカットイン画像の色よりも細分化されているので、カーケシ説明文字の色によってより正確に大当り信頼度を示唆することができる。なお、カーケシ説明文字の色と、ボタン演出のカットイン画像の色とを同一に対応付けて、カーケシ説明文字の色により示唆される大当り信頼度と、カットイン画像の色により示唆される大当り信頼度とを同一としてもよい。その後、処理はステップS366に移る。
なお、上記したステップS365の処理では、マーカペアに一意に対応させてカーケシ説明文字の色を決定した。しかし、例えば、マーカペア(AG)〜(AI)の場合において低確率で「紫色」又は「赤色」のカーケシ説明文字の色を選択するというように、マーカペアに一意に対応させないようにカーケシ説明文字の色を決定してもよい。
ステップS366において、AR表示制御部720は、ステップS365の処理で表示したカーケシ説明画像を、コレクションしたカーケシ説明画像として設定する。このコレクションしたカーケシ説明画像は、操作に応じて表示画面730に一覧表示されるので、遊技者は、遊技機を遊技することによってカーケシ説明画像(カーケシの画像も含まれている説明画像;図32(6)参照)をコレクションして楽しむことができる。その後、処理はステップS367に移る。
ステップS367において、AR表示制御部720は、表示画面730の表面に張り付けられているタッチパネル(図示なし)からの検出信号に基づいて、表示画面730に見本画像が表示されているときにこの見本画像がタップ(タッチ操作)されたか否かを判定する。ステップS367での判定がYESの場合、処理はステップS368に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS369に移る。
ステップS368において、AR表示制御部720(より具体的には、仮想画像照合部722)は、表示画面730に表示されている見本画像に対応するSPSPリーチ演出発展先示唆動画像(メモリに予め記憶されているSPSPリーチ演出発展先示唆動画像)を読み出す。例えば第1SPSPリーチ演出発展先示唆動画像の見本画像が表示画面730に表示されている場合、AR表示制御部720は、第1SPSPリーチ演出発展先示唆動画像をメモリから読み出す。そして、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、見本画像が合成表示されている実画像を非表示にして、読み出されたSPSPリーチ演出発展先示唆動画像を表示画面730で再生(表示)する。このことから、遊技機1の報知演出において何れのSPSPリーチ演出に発展するのかを、外部携帯端末70によって示唆することができ、又、発展先のSPSPリーチ演出に応じて大当り信頼度が異なるので(図11−1等の説明参照)、SPSPリーチ演出発展先示唆動画像によって大当り信頼度を示唆することにもなる。その後、処理はステップS369に移る。
ステップS369において、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、カーケシ画像、カーケシ説明画像、見本画像、又はSPSPリーチ演出発展先示唆動画像の表示中であるか否かを判定する。ステップS369での判定がYESの場合、処理はステップS370に移り、この判定がNOの場合、処理は図27のステップS350に戻る。
ステップS370において、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、カーケシ画像、カーケシ説明画像、見本画像、又はSPSPリーチ演出発展先示唆動画像の表示完了タイミング(つまり、タップによって表示終了するタイミングではなく、所定の表示時間が終了したタイミング)であるか否かを判定する。ステップS370での判定がYESの場合、処理はステップS371に移り、この判定がNOの場合、処理は図27のステップS350に戻る。
ステップS371において、AR表示制御部720(より具体的には、画像合成部723)は、カーケシ画像、カーケシ説明画像、見本画像、又はSPSPリーチ演出発展先示唆動画像の表示を終了する。その後、処理は図27のステップS350に戻る。
[第1の実施形態による特徴的動作]
次に、以上にフローチャート等を用いて説明した第1の実施形態による特徴的動作について、図30〜図36を用いて具体的に説明する。図30は、SPSPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出(演出パターン)を時系列で説明するための図であり、図31〜図33は、図31のSPSPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出に関して具体的に説明するための図である。なお、図30〜図33では、ボタン演出が実行される場合について説明するが、ボタン演出が実行されない場合もある。また、本実施形態では、AR表示付きの報知演出は、通常遊技状態における緑背景演出モードにおいて実行される。
図30に示すように、SPSPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出が実行されると、まず、時間t1において、装飾図柄DIの変動演出が開始される。具体的には、図31(1)に示すように、画像表示部6には、3つの装飾図柄DIL、DIC、DIRから構成される装飾図柄DIの変動表示が開始される。なお、装飾図柄DIは、原則的には、左に配された左装飾図柄DILが最初に仮停止され、次に右に配された右装飾図柄DIRが仮停止され、最後に中央に配された中装飾図柄DICが仮停止表示される。仮停止とは、装飾図柄DIの変動が仮に停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに揺れ動いた状態で表示される。これにより、特別図柄が未だ変動中であることが示される。また、図31〜図33では、変動中または仮停止中の装飾図柄DIを点線で表示している。
次に、図30に示すように、時間t2(例えばt1から3秒後;外部携帯端末730が撮像モードとなりARアプリケーションプログラムを起動等してAR表示を開始できるために必要な時間よりも長い時間が好ましい)において、図19及び図25を用いて説明したように、画像表示部6の同一位置でマーカペアの交互表示(3秒間ずつの交互表示)が開始される。具体的には、図31(2)に示すように、画像表示部6の中央下側の同一位置でマーカペア(マーカ画像800)の交互表示が開始される。このマーカペアは、図11−1、図24、図29等を用いて説明したように、報知演出の演出パターン、大当り信頼度、更にはSPSPリーチ演出まで実行される報知演出の演出パターンの場合にはカーケシ説明画像823(図32(6)参照)を外部携帯端末70に表示させるのか或いはSPSPリーチ演出発展先示唆動画像824(図32(6)参照)を外部携帯端末70に再生(表示)させるのかを示している。
また、図30に示すように、マーカペアの交互表示が開始される時間t2において、画像表示部6に演出ボタン37の入力操作を促すボタン画像(ボタン入力示唆画像)810の表示が開始される。つまり、演出ボタン37の入力操作を促してボタン入力操作可能期間に入力操作があったとき又はボタン入力操作可能期間が終了したときに大当り信頼度を示唆するボタン演出が開始される。具体的には、図31(2)に示すように、マーカペアの交互表示が開始されるタイミングで画像表示部6の左下側にボタン画像810の表示が開始される。なお、図31(2)では、外部携帯端末70が撮像モードで駆動されて、マーカペアが交互表示されているマーカ800の撮影が開始されて実画像(リアルタイム動画像)が表示されている。
次に、図30に示すように、時間t3(例えばt1から5秒後)において、装飾図柄DIとしてリーチ目が成立する演出が実行される。具体的には、図31(3)に示すように、左装飾図柄DILとして、例えば数字図柄「1」が仮停止表示され、右装飾図柄DIRとして、同じ数字図柄「1」が仮停止表示されるリーチ演出が開始される。
次に、図30に示すように、例えば時間t4(例えばt2から5秒後)において、外部携帯端末70によって画像表示部6に交互表示されているマーカペア(800)が検出される。ここで、外部携帯端末70ではマーカを1つ検出するのに1.5秒前後の処理時間を要する。このことから、画像表示部6に3秒ずつ交互表示されているマーカペアを検出するためには、最短で3秒前後、最長で6秒前後の処理時間を要することとなる。そして、図31(3)に示すように、外部携帯端末70によってマーカペア(800)が検出されたタイミング(t4)で、表示画面730の実画像に対してカプセル画像900の合成表示が開始される。
次に、図30に示すように、ボタン画像810の表示中(つまり、入力操作可能期間中)において(例えば時間t5において)演出ボタン37の入力操作があった場合、又は、演出ボタン37の入力操作がなく入力操作可能期間が終了してボタン画像810が非表示にされる時間t7になった場合、図32(4)に示すように、ボタン画像810が非表示にされると共にカットイン画像(大当り信頼度示唆画像)820が画像表示部6に表示されて大当り信頼度が示唆される。図32(4)では、金色のカットイン画像が表示されて、大当り信頼度がとても高いことが示唆されている(図29参照)。なお、カットイン画像は所定時間(例えば2秒間)表示された後に非表示にされる。
次に、図30に示すように、外部携帯端末70によるカプセル画像900の表示中において(例えば時間t6において)、カプセル画像900へのタップ(タッチ操作)が検出されると、図32(5)に示すように、外部携帯端末70の実画像にカーケシ画像821又は見本画像822が合成表示される。ここで、図24及び図29等を用いて説明したように、検出したマーカペアによって、何れのカーケシ画像を合成表示させるのか、又は、何れの見本画像を合成表示させるのかが特定される。このことから、カプセル画像900へのタップが検出されると、外部携帯端末70の実画像に、検出されたマーカペアに対応したカーケシ画像821又は見本画像822が合成表示されることとなる。図32(5)の左側の外部携帯端末70では、検出されたマーカペアによって特定されたセダンタイプのカーケシ画像821が合成表示されている。また、図32(5)の右側の外部携帯端末70では、検出されたマーカペアによって特定された第1SPSPリーチ演出発展示唆画像の見本画像822(静止画)が合成表示されている。
次に、図30に示すように、時間t8(例えばt1から15秒後)において、画像表示部6の報知演出がSPリーチ演出に発展する。また、図32(6)に示すように、SPリーチ演出に発展したタイミングで、画像表示部6でのマーカペアの交互表示が終了される。ここで、外部携帯端末70では、マーカが撮影(認識)されていることを条件にカプセル画像900を実画像に合成表示していたので、このマーカペアの交互表示が終了されることによってカプセル画像900を合成表示できる期間が終了することとなる。
次に、図30に示すように、外部携帯端末70によるカーケシ画像821の表示中において(例えば時間t9において)、カーケシ画像821へのタップが検出されると、図32(6)の左側の外部携帯端末70に示すように、外部携帯端末70に、タップされたカーケシ画像821に対応するカーケシ説明画像823が表示される。また、その際に、カーケシ説明画像823において、検出されたマーカペアに対応した色でカーケシ説明文字が表示されることによって、大当り信頼度が示唆されることとなる(図29参照)。図32(6)の左側の外部携帯端末70では、カーケシ説明画像823のカーケシ説明文字が金色で表示されることによって、大当り信頼度がとても高いことが示唆されている。
また、図30に示すように、外部携帯端末70による見本画像822の表示中において(例えば時間t9において)、見本画像822へのタップが検出されると、図32(6)の右側の外部携帯端末70に示すように、外部携帯端末70に、タップされた見本画像822に対応するSPSPリーチ演出発展先示唆動画像824が表示(再生)される。ここで、SPSPリーチ演出には大当り信頼度が割り振られているので(図11−1、図24、図29参照)、PSPリーチ演出発展先示唆動画像824によって何れのPSPリーチ演出に発展するのかを示唆することによって、大当り信頼度を示唆することとなる。図32(6)の右側の外部携帯端末70では、味方キャラクタXが敵キャラクタAと戦う第1SPSPリーチ演出に発展することを示唆する第1PSPリーチ演出発展先示唆動画像が再生されることによって、大当り信頼度がとても高いことが示唆されている。
なお、図30に示すように、カーケシ画像821又は見本画像822の合成表示中にタップがなかった場合、時間t6から所定時間(例えば5秒間)経過した時間t10において、実画像へのカーケシ画像821又は見本画像822の合成表示を終了する。
次に、図30に示すように、時間t9から所定時間(例えば15秒間)経過した時間t11において、外部携帯端末70に表示していたカーケシ説明画像823又はPSPリーチ演出発展先示唆動画像824の表示を終了(完了)して、実画像の表示に戻す。ここで、外部携帯端末70は、カーケシ説明画像823の表示を終了した場合、この終了したカーケシ説明画像823をコレクションとして設定する。このことによって、遊技者は遊技機1を遊技することによって外部携帯端末70にカーケシ説明画像823をコレクションして楽しむことができる。
次に、図30に示すように、時間t12(例えばt8から25秒後)において、画像表示部6の報知演出がSPSPリーチ演出に発展する。図33(7)では、第1PSPリーチ演出に発展している。
そして最後に、図30に示すように、時間t13(例えばt1から90.05秒後)までに、特別図柄抽選(大当り抽選)の当落結果が表示されて、今回の報知演出が終了する。図33の(8)では、3つの装飾図柄DIが同一の数字図柄「1」(当り目)で停止表示されることで、大当りが確定報知されている。
次に、図34を用いて、SPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出(タイプF、C)について説明する。図34に示すように、SPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出は、図30を用いて上記したSPSPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出に比べて、SPSPリーチ演出が実行されない点と、外部携帯端末70によってSPSPリーチ演出発展示唆動画像が表示されない点で異なる。
次に、図35を用いて、リーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出について説明する。図35に示すように、リーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出は、図30を用いて上記したSPSPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出に比べて、SPリーチ演出およびSPSPリーチ演出が実行されない点と、外部携帯端末70によってSPSPリーチ演出発展示唆動画像が表示されない点と、ボタン演出が実行されない点で異なる。なお、図35のリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出においても、ボタン演出が実行される場合がある。
次に、図36を用いて、リーチ演出も実行されないAR表示付きの報知演出について説明する。図36に示すように、リーチ演出も実行されないAR表示付きの報知演出は、図30を用いて上記したSPSPリーチ演出まで実行されるAR表示付きの報知演出に比べて、リーチ演出、SPリーチ演出およびSPSPリーチ演出が実行されない点と、外部携帯端末70によってSPSPリーチ演出発展示唆動画像が表示されない点と、ボタン演出が実行されない点と、カプセル画像900を実画像に合成表示できる期間が報知演出終了までの期間である点で異なる。なお、図36のリーチ演出も実行されないAR表示付きの報知演出においても、ボタン演出が実行される場合がある。
以上に説明したように、第1の実施形態では、遊技機1側で、外部携帯端末70に実行させる動作に対応したマーカペアを選択して画像表示部6で表示し、外部携帯端末70側で、画像表示部6に表示されたマーカペアを撮影することにより認識して、そのマーカペアに対応した動作を実行する。このように、第1の実施形態によれば、マーカペア(2つのマーカ)で外部携帯端末70に実行させる動作を特定するので、遊技機1および外部携帯端末70に記憶しておく情報量を効果的に削減することができる。また、第1の実施形態によれば、マーカペアを画像表示部6の同一位置に交互表示するので、マーカを表示する領域を最小限に抑えつつ、上記のように遊技機1および外部携帯端末70に記憶しておく情報量を効果的に削減することができる。
また、第1の実施形態によれば、マーカペアを画像表示部6で表示することによって外部携帯端末70に報知演出での大当り信頼度を示唆するという非常に斬新な演出が実行できる。また、これに加えて、遊技機側でもボタン演出によって大当り信頼度を示唆することによって、遊技者は外部携帯端末70の操作に加えて演出ボタン37の操作も行うこととなり、ともすれば退屈を感じ易い遊技中において、高い遊技参加感を維持することができる。
また、第1の実施形態によれば、特定の演出モード(通常遊技状態の緑背景演出モード)においてマーカ表示を実行して外部携帯端末70にAR表示等をさせるので、外部携帯端末70を電力消費の激しい撮像モードに常時しておく必要が無く、効果的に外部携帯端末70のバッテリを節約できる。
また、第1の実施形態では、図35および図36に示したように、次の報知演出において外部携帯端末70により今回の報知演出の大当り信頼度示唆をしてしまうことになる場合ある。そこで、第1の実施形態によれば、外部携帯端末70による大当り信頼度示唆には、大当りを報知するもの(いわゆる鉄板予告)を設けない構成としている。
また、第1の実施形態では、ボタン演出により示唆される大当り信頼度よりも、外部携帯端末70により示唆される大当り信頼度の方を、より細分化して正確なものに設定する構成としている。このことによって、第1の実施形態によれば、外部携帯端末70による大当り信頼度の示唆の価値を高めている。これにより、遊技者は、外部携帯端末70によりマーカを撮影してより詳細な大当り信頼度を知ることができるので、積極的にマーカを撮影することとなる。
[第1の実施形態の変形例]
なお、上記した第1の実施形態では、カプセル画像900のみをマーカの検出維持を条件として表示する画像とする構成例を挙げた(図27のS357、S358参照)。しかし、これには限られず、例えば、カーケシ画像821、見本画像822等についても、マーカの検出維持を条件として表示する画像としてもよい。また、例えば、カプセル画像900も、マーカの検出維持を条件として表示する画像ではない構成としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、見本画像822によっても、発展先のSPSPリーチ演出が示唆される構成例を挙げた(図32(5)(6)参照)。しかし、これには限られず、例えば、見本画像822を同一にする等によって、見本画像822によって発展先のSPSPリーチ演出が示唆されない構成としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、カーケシ説明画像823およびSPSPリーチ演出発展先示唆動画像824は実画像に合成表示されず表示画面730全体に表示される画像である構成例を挙げた。しかし、これには限られず、例えば、カーケシ説明画像823およびSPSPリーチ演出発展先示唆動画像824の少なくとも一方を、実画像に合成表示される画像(つまり、表示画面730全体には表示されない画像)としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、カプセル画像900は1種類である構成例を挙げた(図32参照)。しかし、これには限られず、例えば、カプセル画像900の色を異ならせる等して、カプセル画像900をタップするとカーケシ画像821が表示されるのか、見本画像822が表示されるのかを示唆する構成としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、カーケシ説明画像823(又はSPSPリーチ演出発展先示唆動画像824)が表示される前段階として、カプセル画像900及びカーケシ画像821(又は見本画像822)が表示される構成例を挙げた(図30〜図33参照)。しかし、これには限られず、例えば、カプセル画像900及びカーケシ画像821(又は見本画像822)の前段階の画像表示を省略した構成としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、実行された報知演出についての大当り信頼度等を外部携帯端末70で示唆する構成例を挙げた(図30〜図36参照)。しかし、これには限られず、例えば、図9のステップS205(又はS211)での事前判定に基づいて、保留されている特別図柄抽選に対する大当り信頼度やSPSPリーチ演出発展先を、前もって外部携帯端末70で示唆する構成としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、マーカペアは同位置に交互に表示される構成例を挙げた(図25参照)。しかし、これには限られず、例えば、マーカペアは、互いに異なる位置(例えば、隣り合う位置)に交互に表示されてもよいし、互いに異なる位置に同時に表示されてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、2つのマーカ(つまり、マーカペア)を画像表示部6に表示する構成例を挙げた(図25参照)。しかし、これには限られず、例えば、3つ以上のマーカを画像表示部6に表示する構成としてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、マーカは、画像表示部6に表示されるマーカ画像800である構成例を挙げた(図25参照)。しかし、これには限られず、例えば、発光する装飾物(典型的には、可動役物7)の特定の部分をマーカとして用いてもよい。また、例えば、所定期間において装飾物を特定の発光態様で発光させるものとし、この発光態様で発光した装飾物自体をマーカとして認識させる一方、この発光態様で発光しない装飾物はマーカとして認識させないことにより、所定期間において装飾物自体をマーカとして用いるものとしてもよい。
また、上記した第1の実施形態では、外部携帯端末70によってマーカ(マーカ画像800)を撮像すると、表示画面730においてAR表示が行われる構成例を挙げた。しかし、これには限られず、例えば、これに加えて、外部携帯端末70のスピーカから音声が出力され、あるいは、外部携帯端末70が振動するものとしてもよい。これは、例えば、外部携帯端末70にインストールされるARアプリケーションプログラムとして、ARマーカを検知すると、当該検知情報に基づいて音声出力装置や振動装置が作動するように設計したプログラムを組み込むことで実現される。
また、上記した第1の実施形態では、外部携帯端末70にARアプリケーションプログラムがインストールされると、図29の参照テーブルやカプセル画像900といった付随データも同時に外部携帯端末70のROMに記憶される構成例を挙げた。しかし、これには限られず、例えば、外部携帯端末70には、このような付随データは記憶されないものとし、外部携帯端末70は、このような付随データが記憶されたサーバと通信を行うことにより、AR表示を行うものとしてもよい。具体的には、外部携帯端末70は、マーカ(マーカ画像800)を検知すると、検知情報をサーバに送信し、当該検知情報を受信したサーバは、自サーバに記憶されたパターンテーブルに基づいて、検知情報と仮想画像900とを照合し、対応する仮想画像900のデータを外部携帯端末70に送信し、外部携帯端末70は、受信した仮想画像900のデータと、撮像した実画像のデータとを合成してAR画像を生成し、当該AR画像を表示するものとしてもよい。
また、上記した第1の実施形態において、遊技機1の画像表示部6にマーカが表示される際には、画像表示部6において、マーカが撮像されることにより外部携帯端末70に表示される仮想画像900と連動した演出が実行されるものとしてもよい。例えば、画像表示部6にマーカペア(マーカ画像800)が表示されると共にマーカペアに向かって卵を割るような動作を行うキャラクタの画像が画像表示部6に表示されることによって、表示されたマーカペアを検出して外部携帯端末70に表示された画像において、実画像に合成表示されたカプセル画像(合成画像900)を実画像上のキャラクタの画像が割ろうとしている連携動作を行う構成としてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、図37〜図43を用いて説明する。図37は、第2の実施形態に係る遊技機1におけるマーカ画像の表示方法を説明するための図であって、遊技機1の画像表示部6の画面遷移を示す図である。図37は、遊技機1の状態遷移も表しているので、図37を参照しながら遊技機が行う停止状態処理(図17のステップS131参照)について説明する。尚、図37の説明においては、停止状態処理中に始動口に遊技機が入賞せず、演出制御部400が新たな報知演出開始コマンドを受信しない場合の処理について説明するが、停止状態処理中に始動口に遊技機が入賞して、演出制御部400が新たな報知演出開始コマンドを受信した場合には、演出制御部400は、停止状態処理を終了して、報知演出実行処理(図16のステップS115)を行う。
図37(1)は、特別図柄抽選の保留データが記憶されておらず、かつ、画像表示部6に装飾図柄が停止表示された状態における表示画面の一例を示す。画像表示部400のCPU401は、図17のステップS130において客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信すると、停止状態処理を開始する。具体的には、CPU401は、最後に行われた報知演出において完全に停止させた装飾図柄DIを継続して停止表示させる。装飾図柄DIの停止表示が継続することによって、報知演出が実行されていないことが報知される。
次に、CPU401は、装飾図柄の停止表示開始から所定時間(例えば、20秒)が経過したか否かを判定する。CPU401は、装飾図柄の停止表示開始から所定時間が経過したと判定した場合、図37(2)に示すように、画像表示部6にボタン画像a701を表示させる。このボタン画像a701は、遊技者による演出ボタン37の押下操作を受付可能であることを報知するためのものである。ボタン画像a701の横には、「メインメニュー表示へ」という文字画像が併せて表示され、演出ボタン37の押下によってメインメニューの表示が可能であることが示されている。
次に、CPU401は、ボタン画像a701の表示中に演出ボタン37が押下されたか否かを判定する。CPU401は、ボタン画像a701の表示中に演出ボタン37が押下されたと判定した場合、図37(3)に示すように、メニュー画像a702とボタン画像a703とキー画像a704とを画像表示部6に表示させる。CPU401は、ボタン画像a701の表示中に演出ボタン37が押下されたと判定しなかった場合、ボタン画像a701の表示から所定時間(例えば、25秒)が経過したか否かを判定する。CPU401は、ボタン画像a701の表示から所定時間が経過したと判定した場合、同様に、図37(3)に示すメニュー画像a702とボタン画像a703とキー画像a704とを画像表示部6に表示させる。CPU401は、ボタン画像a701の表示中に演出ボタン37が押下されたと判定せず、かつ、ボタン画像a701の表示から所定時間が経過したと判定しなかった場合は、図37(2)の画面を画像表示部6に継続表示させる。
ここで、メニュー画像a702は、遊技者が実行可能なメニューのリストを示す画像であり、図37の例では、「実機カスタマイズ」、「ぱちんこ講座」、「スマホ連携」、「戻る」の4つのメニューが示されている。「実機カスタマイズ」は、所定の演出内容を遊技者がカスタマイズできるメニューであり、例えば、画像表示部6に表示されるキャラクタを選択するためのメニューである。「ぱちんこ講座」は、遊技機1を遊技するための基礎知識について説明する画像を画像表示部6に表示させるためのメニューである。「スマホ連携」は、スマートフォンや携帯電話機等の外部携帯端末70と連携して遊技履歴や遊技履歴に基づいた特典を遊技者に提供したり、外部携帯端末70に所定の動作を実行させるための画像を表示したりするためのメニューである。「戻る」は、メインメニュー表示を終了させるためのメニューである。また、キー画像a704は、遊技者による演出キー38の操作を受付可能であることを報知するためのものである。キー画像a704の横には「移動」という文字画像が併せて表示され、演出キー38の操作によってメインメニュー上のカーソル(図37(3)に示す太枠)の移動が可能であることが示されている。ボタン画像a703は、遊技者による演出ボタン37の押下操作を受け付け可能であることを報知するためのものである。ボタン画像a703の横には、「選択」という文字画像が併せて表示され、演出ボタン37の押下によって、カーソルで仮選択されたメニューを選択可能であることが示されている。
次に、CPU401は、メニュー画像a702の表示から所定時間(例えば、45秒)が経過したか否かを判定する。CPU401は、メニュー画像a702の表示から所定時間が経過したと判定した場合、図37(4)に示すように、客待ち演出画像とボタン画像a701とを画像表示部6に表示させる。このボタン画像a701は、遊技者による演出ボタン37の押下操作を受付可能であることを報知するためのものである。ボタン画像a701の横には、「メインメニュー表示へ」という文字画像が併せて表示され、演出ボタン37の押下によってメインメニューの表示が可能であることが示されている。
メインメニューの表示中に、表示メニューの1つが選択された場合、CPU401は、選択されたメニューの表示内容を画像表示部6に表示させる。例えば、図37(3)に表示されるメインメニューから、「スマホ連携」が選択された場合、CPU401は、図37(5)に示すように、メニュー画像a705を画像表示部6に表示させる。
ここで、メニュー画像a705は、「スマホ連携」メニューの下に階層化された、遊技者が実行可能なメニューのリストを示す画像であり、図37の例では、「ぱちログ」、「ぱちんこ占い」、「モンスター育成」、「戻る」の4つのメニューが示されている。「ぱちログ」は、遊技者の携帯電話やスマートフォン等の外部携帯端末70と連携して遊技履歴に基づいた特典を遊技者に提供するサービス等を実行するためのメニューである。「ぱちんこ占い」および「モンスター育成」は、外部携帯端末70に所定の動作を実行させために、当該所定の動作を実行する契機となる画像を表示するメニューである。本実施の形態では、「ぱちんこ占い」メニューが選択された際に、画像表示部6上に所定の画像(図37(6)のマーカ画像a800)が表示され、この画像を外部携帯端末70のカメラを用いて認識することによって、外部携帯端末70上で占いの動画が再生される例を説明する。尚、「モンスター育成」については後述する。また、「戻る」メニュー、ボタン画像a703およびキー画像a704は、図37(3)で説明したものと同じであるので、繰り返しの説明を省略する。
図37(5)のスマホ連携メニューにおいて、CPU401は、「ぱちんこ占い」が選択されたと判定した場合、CPU401は、図37(6)に示すパチンコ占い用のマーカ画像a800とボタン画像a701とを画像表示部6に表示させる。マーカ画像a800は、図20で説明したように、外部携帯端末70に認識させることによって、外部携帯端末70に当該マーカ画像a800に関連付けられた所定の動作(ここでは、占いの動画の再生)を行わせるために用いられるものである。CPU401は、「ぱちログ」または「モンスター育成」が選択されたと判定した場合、図37(6)と同様に、それぞれのメニューに対応した画像を画像表示部6に表示させる。また、CPU401は、「戻る」が選択されたと判定した場合、図37(3)に示すメインメニューを画像表示部6に表示させる。
図37(6)に示す状態において、CPU401は、演出ボタン37が押下されたと判定した場合、CPU401は、図37(5)に示すスマホ連携メニュー表示画面に遷移させる。尚、図37(6)に示す状態において、外部携帯端末70でマーカ画像a800を撮影すると、図40で後述するように当該外部携帯端末70上で占いの動画が再生される。
このように、本実施形態では、装飾図柄の停止表示から所定時間が経過して、図37(2)に示すボタン画像a701が表示された後に、遊技者による演出ボタン37および演出キー38を介した特定の入力が行われたとCPU401が判定した場合に、CPU401が、外部携帯端末70に所定の動作を実行させるためのマーカ画像a800を画像表示部6に表示させる。
この遊技者による演出ボタン37や演出キー38の特定の操作入力に基づいてマーカ画像a800を画像表示部6に表示させることとは別に、本実施形態に係る遊技機1は、遊技者による演出ボタン37や演出キー38を用いた操作入力に基づかずに、外部携帯端末70において所定の動作をさせるための画像を画像表示部6に表示させることもできる。具体的には、遊技機1は、図37(1)に示すフレーム画像a801を外部携帯端末70において所定の動作をさせるための画像として表示可能である。この点について、図38を参照しながら説明する。
図38は、図37(1)に示すフレーム画像の表示方法の詳細を説明するための図である。尚、図38において、説明の便宜上、画像表示部6上の表示領域を二点鎖線および破線で特定しているが、これらの二点鎖線および破線は実際には表示されない線である。
図38(1)は、報知演出の終了時に装飾図柄DIが完全に停止した状態を示す。画像表示部6上の所定の表示領域R1には、フレーム画像a801と、保留画像a820とが表示されている。フレーム画像a801は、装飾図柄DIの変動表示画面を装飾する装飾枠であり、一般に画像表示部6の周辺部に表示される。図38(1)の例では、画像表示部6の下部にフレーム画像a801が表示されて、画像表示部6内における保留画像a820の表示領域を示している。フレーム画像a801の表示領域は、画像表示部6の下部には限定されない。フレーム画像a801は、画像表示部6の上部に表示したり、画像表示部6の上部及び下部に表示したりするなど、装飾図柄DIの変動表示を妨げない部分であれば、任意の表示領域に表示できる。フレーム画像a801には、ステージST1〜ST8が設けられている。これらのステージST1〜ST8は、保留画像a820の表示位置を特定する画像である。ステージST1〜ST4は、第1特別図柄抽選に係る保留画像a820の表示位置および保留データの消化順序を特定し、ステージST5〜ST8は、第2特別図柄抽選に係る保留画像a820の表示位置および消化順序を特定する。保留画像a820は、特別図柄抽選が保留されていることを示す画像であり、表示領域R1内の表示領域R2およびR3に表示される。表示領域R2は、第1特別図柄抽選に係る保留画像a820を表示するために用いられる領域であり、表示領域R3は、第2特別図柄抽選に係る保留画像a820を表示するために用いられる領域である。
図38(2)は、図38(1)の状態の後に、ステージST1上に表示される保留画像a820に係る保留データが消化されて、当該保留データに係る特別図柄抽選結果を報知する報知演出が開始した状態を示す。図38(1)においてステージST1上に表示されていた保留画像a820は、装飾図柄DIの停止から次の変動開始までの間に消去されるため、図38(2)に示す状態では、領域R2には保留画像が表示されていない。
図38(3)は、図38(2)で開始した装飾図柄DIの変動表示中に、第1始動口に2つの遊技球が入賞して特別図柄抽選の保留データが2つ増加したことにより、ステージST1およびST2上に2つの保留画像a820が表示された状態を示す。
このように、画像表示制御部400のCPU401は、図16のステップS111で保留増加コマンドを受信するたびに、図16のステップS112において、画像音響制御部500に保留画像a820を1つずつ追加表示させる。また、CPU401は、装飾図柄DIの変動表示を停止または開始させるたびに、画像音響制御部500に1つずつ保留画像a820を消去させる。また、複数の保留データが保留されている場合は、画像音響制御部500のCPU501は、1つの保留画像a820の消去に伴って、残りの保留画像a820の表示位置を変更する。
したがって、表示領域R1内の表示領域R2およびR3は、保留データの増加または消化に伴って、画像音響制御部500による保留画像表示・更新処理によって逐次表示内容が更新される領域である。一方、フレーム画像a801は、表示領域R1のうち、画像音響制御部500が行う保留画像a820の表示・更新処理によっては更新されない領域に表示されている。本実施形態においては、この画像音響制御部500による保留画像a820の表示・更新処理によって更新されないフレーム画像a801を、外部携帯端末70に所定の動作(例えば、動画の再生)を実行させるための画像として用いる。
上述したマーカ画像a800およびフレーム画像a801は、輝度やコントラスト、色、表示位置等が変化しない略一定の表示態様で継続して表示させることが好ましい。マーカ画像a800およびフレーム画像a801の表示態様が変化すると、外部携帯端末70が撮像画像から特徴抽出処理を行う際に、抽出された特徴と本来抽出されるべき特徴との間に差異が生じ、外部携帯端末70が撮像画像を認識できなかったり、撮像画像を誤認識したりする可能性がある。マーカ画像a800およびフレーム画像a801の表示態様を略一定とすることによって、外部携帯端末70におけるマーカ画像a800およびフレーム画像a801の認識精度が向上する。
尚、マーカ画像a800及びフレーム画像a801は、外部携帯端末70のマーカ検出部721(図20)が行う特徴抽出処理によって抽出可能な特徴を有する画像であればよく、画像の表示内容は特に限定されない。
次に、図39を参照しながら、外部携帯端末70がマーカ画像a800またはフレーム画像a801を認識したことを契機として実行するコンテンツ再生方法を説明する。
図39は、外部携帯端末70におけるコンテンツの再生方法を説明するための図である。
遊技者によって、外部携帯端末70にインストールされたアプリケーションが起動されると、図39(1)に示すように、表示画面730にアプリケーションのメニュー画面が表示される。図39(1)の例では、メニュー画面に「カメラ」ボタンと、「マイページ」ボタンとが表示されている。「カメラ」ボタンは、遊技機1に表示される画像を取得するために、外部携帯端末70に備わる撮像部710を起動するためのものである。「マイページ」ボタンは、外部携帯端末70に記憶された再生可能なコンテンツの情報や、コンテンツ取得履歴等の情報を表示するためのものである。
外部携帯端末70は、遊技者によって「カメラ」ボタンが選択されたことを検出した場合、撮像部710を起動し、図39(2)に示す撮影画面を表示画面730に表示する。図39(2)に示す枠a830は、マーカ画像a800やフレーム画像a801を撮像する際に、撮影対象の画像と外部携帯端末70の撮像部710との位置合わせを行うために用いるものである。「戻る」ボタンは、撮影画面表示を終了して、図39(1)に示したメニュー画面に戻る指示を入力するためのものである。外部携帯端末70は、「戻る」が選択されたことを検出した場合、表示画面730の表示を図39(1)に示すメニュー表示に遷移させる。
遊技者は、撮影画面を表示した状態で遊技機1の画像表示部6に外部携帯端末70をかざして、枠a830内に撮影対象となる画像(マーカ画像a800、フレーム画像a801)が収まるように外部携帯端末70をかざす位置を調節する。図20で説明したように、マーカ検出部721は、撮像部710による撮像画像を逐次取得し、取得した撮像画像について上述した特徴抽出処理を行い、撮像画像の識別情報を取得する。仮想画像照合部722が撮像画像の識別情報に対応付けられた仮想画像900を照合できた場合、画像合成部723が照合された仮想画像900を再生し、図39(3)に示すように、表示画面730上でコンテンツ再生が行われる。仮想画像照合部722が撮像画像の識別情報に対応付けられた仮想画像を照合できない場合は、外部携帯端末70は、図39(2)に示す撮影画面を表示画面に継続して表示し、所定のサイクルで特徴抽出処理および仮想画像照合処理を繰り返す。
外部携帯端末70は、図39(3)に示すコンテンツ再生画面において、コンテンツの再生が終了したと判定した場合、または、遊技者により「戻る」が選択されたことを判定した場合は、表示画面730の表示を図39(2)に示す撮影画面表示に遷移させる。
図40は、外部携帯端末70におけるコンテンツ再生の一例を説明するための図である。
図40(1)は、遊技機1の画像表示部6にマーカ画像a800が表示された状態を示す。上述したように、このマーカ画像a800は、遊技者による演出ボタン37および演出キー38の特定の操作に基づいて表示されるものである。具体的には、図37で説明したように、画像表示部6上にメインメニュー(図37(3))が表示された状態で、遊技者が演出ボタン37および演出キー38を用いて、「スマホ連携」および「ぱちんこ占い」をこの順に選択したことが検出されると、図40(1)に示すように、遊技機1の画像表示部6にマーカ画像a800が表示される。
次に、図39で説明したように、遊技者が、外部携帯端末70においてアプリケーションを起動して、メニュー画面(図38(1))で「カメラ」を選択すると、外部携帯端末70の表示画面730には、撮影画面が表示される(図38(2))。
次に、図40(2)に示すように、外部携帯端末70を遊技機1の画像表示部6にかざして、外部携帯端末70の撮像部710で画像表示部6上に表示されたマーカ画像a800を撮影する。このとき、マーカ画像a800が、外部携帯端末70の表示画面730に表示される枠a830内に収まるように、遊技者によって外部携帯端末70と遊技機1の画像表示部6との位置関係が調整される。
撮像部710による撮像画像に関連付けられた仮想画像900が特定された場合、外部携帯端末70の表示画面730には、図40(3)に示すように、撮像画像に関連付けられたコンテンツが再生表示される。この例では、動画の再生終了時に、図40(4)に示すように、予め抽選等で決定した占いの結果が表示画面730に表示される。この占いの結果表示される表示内容は、遊技機1の遊技状態(上述した高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態など)を示唆せず、遊技状体とは無関係に抽選等で決定される。また、遊技機1が行う抽選(例えば、メイン制御部100が行う特別図柄抽選)の当選確率が設定により変更可能な場合にも、占いの結果表示される表示内容は、当選確率そのものや当選確率の設定値(設定の段数等)を示唆せず、当選確率そのものや当選確率の設定値とは無関係に抽選等で決定される。
図40で説明したように、本実施形態に係る遊技機1は、演出ボタン37や演出キー38等の入力装置の特定の操作入力に基づいて、マーカ画像a800を表示することができる。このように、遊技者による入力装置の特定操作に基づいて、専用画面でマーカ画像a800を表示する場合、画像表示部6の全体をマーカ画像a800の表示に利用可能となるので、外部携帯端末70が認識しやすい態様でマーカ画像a800を表示できる。この結果、外部携帯端末70によるマーカ画像a800の認識精度を向上させることができる。また、本実施形態に係る遊技機1は、停止状態処理中に画像表示部6に表示されるメニューからの選択操作に基づいてマーカ画像a800を表示するので、遊技者が外部携帯端末70でマーカ画像a800を撮影することを契機として所定のコンテンツを再生できることを、遊技者にわかりやすく提示することができる。更に、図40の例のように、画像表示部6の全体をマーカ画像a800の表示に利用する場合、背景画像の色やコントラストを最適化したり、背景画像の表示態様を略一定にしたりすることによって、外部携帯端末70によるマーカ画像a800の認識精度を向上させることが可能となる。
図41は、外部携帯端末70におけるコンテンツ再生の他の一例を説明するための図である。
図41(1)は、装飾図柄DIの変動表示中の状態を示す。図37および図38で説明したように、本実施形態に係る遊技機1は、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の特定の操作に基づいてマーカ画像a800を表示するのに加え、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の特定の操作に基づくことなく、装飾図柄DIの変動表示中に、画像表示部6内の所定の表示領域R1に表示されるフレーム画像a801を表示する。このフレーム画像a801は、外部携帯端末70において、マーカ画像a800と同様に処理される。つまり、フレーム画像a801の一部または全部が、外部携帯端末70に所定動作を行わせるためのマーカ画像として用いられる。
また、図39で説明したように、遊技者は、外部携帯端末70においてアプリケーションを起動して、メニューから「カメラ」を選択すると、外部携帯端末70の表示画面730には、撮影画面が表示される(図39(1)および(2))。
次に、図41(2)に示すように、外部携帯端末70を遊技機1の画像表示部6にかざして、外部携帯端末70のカメラで画像表示部6上に表示されたフレーム画像a801を撮影する。このとき、フレーム画像a801の中央部が、外部携帯端末70の表示画面730に表示される枠a730内に収まるように、遊技者によって外部携帯端末70と遊技機1の画像表示部6との位置関係が調整される。
撮像部710による撮像画像(フレーム画像a801の一部または全部)に関連付けられた仮想画像900が特定された場合、外部携帯端末70の表示画面730には、図41(3)に示すように、撮像画像に関連付けられたコンテンツが再生表示される。この例では、外部携帯端末70の表示画面730上で動画が再生される。
図41に示したように、本実施形態に係る遊技機1は、画像表示部6上の所定の表示領域R1内に、報知演出の実行中に表示内容が逐次更新される表示領域R2及びR3と、表示領域R2及びR3の表示更新処理によっては更新されない領域とを設け、表示領域R2及びR3の表示更新処理によっては更新されない領域に、マーカ画像として機能するフレーム画像a801を表示する。このように、表示内容が逐次更新されない領域に、外部携帯端末70に所定のコンテンツを再生させるための画像を表示することによって、別途マーカ画像を表示する領域が不要となるので、画像表示部6の表示領域を報知演出のために有効に利用することができる。また、フレーム画像a801は、通常の報知演出実行中(典型的には、通常遊技状態中の報知演出実行中)には、ほぼ常時表示される。したがって、遊技者が外部携帯端末70でのコンテンツの再生を希望したときに、外部携帯端末70でほぼ常時表示されるフレーム画像a801を撮像すればよいので、オンデマンドでのコンテンツ視聴が可能となる。
ここで、フレーム画像a801の表示内容は、画像音響制御部500が行う保留画像表示・更新処理によっては更新されないが、報知演出において所定の演出が行われる際には、フレーム画像a801の一部または全部を非表示にすることができる。この点について、図42および図43を参照しながら説明する。
まず、報知演出実行時に画像音響制御部500が実行する処理の概要を説明する。
図42は、図16のステップS115における報知演出実行処理の実行時に画像音響制御部500によって行われる制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップSa701において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から報知演出実行コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSa701の判定がYESの場合、処理はステップSa702に進み、この判定がNOの場合、処理を終了する。
ここで、報知演出実行コマンドは、図16のステップS115において、演出制御部400が報知演出を開始する際に、演出制御部400のCPU401がRAM403にセットするコマンドである。報知演出実行コマンドは、報知演出を構成する1以上の演出と、各演出の実行開始タイミングを特定する情報とを含む。より詳細には、1回の報知演出は、装飾図柄を変動表示および停止させる演出のみから構成される場合と、装飾図柄を変動表示および停止させる演出と、演出制御部400が報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて抽選等で選択された1以上の演出との組み合わせで構成される場合とがある。装飾図柄を変動表示および停止させる演出に組み合わされる演出としては、例えば、予告演出、リーチ演出、発展演出がある。予告演出は、装飾図柄が全て仮停止する前に、特別図柄抽選の結果を報知するための演出である。予告演出の具体例としては、画像表示部6にカットイン画像を表示する演出(カットイン予告)や、画像表示部6に小さなキャラクタ画像を表示する演出(ミニキャラ予告)、画像表示部6の表示領域の一部または全部に大当たり可能性を示唆する色を表示する演出、遊技者による演出ボタン37の操作を契機として実行する演出ボタン操作契機演出、保留データの事前判定結果に基づいて大当たり可能性を示唆する演出(先読み予告演出)等が挙げられる。また、発展演出は、例えば、リーチの成立後に、より大当たり期待度が高いことを示唆するスーパー(SP)リーチ演出等が該当する。
ステップSa702において、CPU501は、装飾図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップSa703に移る。
ステップSa703において、CPU501は、報知演出実行コマンドに含まれる設定情報に基づいて、予告演出を実行するか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップSa704に移り、この判定がNOの場合、処理はステップSa705に移る。
ステップSa704において、CPU501は、報知演出実行コマンドに含まれる設定情報で指定された予告演出を実行する。CPU501は、1回の報知演出中に、1以上の予告演出を実行しても良い。その後、処理はステップSa705に移る。
ステップSa705において、CPU501は、報知演出実行コマンドに含まれる設定情報に基づいて、リーチ演出を実行するか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップSa706に移り、この判定がNOの場合、処理はステップSa707に移る。
ステップSa706において、CPU501は、リーチ演出を実行する。その後、処理はステップSa707に移る。
ステップSa707において、CPU501は、報知演出実行コマンドに含まれる設定情報に基づいて、発展演出(例えば、SPリーチ演出)を実行するか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップSa708に移り、この判定がNOの場合、処理はステップSa709に移る。
ステップSa708において、CPU501は、報知演出実行コマンドに含まれる設定情報で指定された発展演出を実行する。その後、処理はステップSa709に移る。
ステップSa709において、CPU501は、装飾図柄を仮停止させた後に、完全に停止させることによって抽選結果を報知する。その後、処理はステップSa710に移る。
ステップSa710において、CPU501は、報知演出実行停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSa710の判定がYESの場合、処理を終了し、この判定がNoの場合、所定のインターバル後に再度ステップSa710の判定を行う。尚、報知演出実行停止コマンドは、図16のステップS117において、演出制御部400が報知演出を終了する際に、演出制御部400のCPU401がRAM403にセットするコマンドである。
図43は、図42の制御処理によって実行される報知演出の例を示す図である。尚、図43においても、説明の便宜上、画像表示部6上の表示領域を二点鎖線および破線で特定しているが、これらの二点鎖線および破線は実際には表示されない線である。
図43(1)は、装飾図柄DIの変動表示中に画像表示部6に表示される表示内容を示す。上述したように、画像表示部6の表示領域R1において、フレーム画像a801は、保留画像a820が表示される表示領域R2およびR3とは重ならない領域に表示される。したがって、保留データの増加または減少に伴って表示領域R2またはR3内の表示内容が更新される場合でも、画像音響制御部500が行う保留画像表示・更新処理によっては、フレーム画像a801の表示は更新されない。
図43(2)は、装飾図柄DIの変動表示中に、予告演出としてミニキャラ予告が実行された場合に画像表示部6に表示される表示内容を示す。図43(2)の例では、フレーム画像a801の一部と重なるようにミニキャラ画像が表示され、ミニキャラ画像のセリフにより大当たり可能性が示唆されている。このようにミニキャラ画像をフレーム画像a801に重ねて表示することによって、フレーム画像a801の一部が非表示とされている。ミニキャラ画像の表示によってフレーム画像a801の一部を非表示にするためには、画像音響制御部500が演出内容を画像表示部6に描画する際に、フレーム画像a801の描画レイヤーより上位のレイヤーにミニキャラ画像を描画すればよい。
図43(3)は、装飾図柄の変動中に、予告演出としてカットイン予告が実行された場合に画像表示部6に表示される表示内容を示す。図43(3)の例では、画像表示部6のほぼ中央に、フレーム画像a801の一部と重なるようにカットイン画像が表示され、カットイン画像の枠の色や表示内容によって大当たり可能性が示唆されている。このようにカットイン画像をフレーム画像a801に重ねて表示することによって、フレーム画像a801の一部が非表示とされている。カットイン画像の表示によってフレーム画像a801の一部を非表示にするためには、画像音響制御部500が演出内容を画像表示部6に描画する際に、フレーム画像a801の描画レイヤーより上位のレイヤーにカットイン画像を描画すればよい。
図43(4)は、リーチが成立してリーチ演出が実行された場合に画像表示部6に表示される表示内容を示す。図43(4)の例では、左・中・右の3つの装飾図柄の表示領域のうち、左および右の表示領域に同じ装飾図柄を仮停止させることによって、リーチの成立が報知されている。
図43(5)は、図43(4)に示したリーチ成立後に、発展演出としてSPリーチ演出が実行された場合に画像表示部6に表示される表示内容を示す。図43(5)の例では、装飾図柄DIの変動表示中に表示される通常背景画像や、フレーム画像a801および保留画像a820の全体が非表示となり、画像表示部6全体にアニメーションや実写映像等の動画が表示される。また、装飾図柄DIは、が画像表示部6の左上に縮小表示されている。このように、SPリーチ演出の実行中に、フレーム画像a801および保留画像a820の全部を非表示にするためには、画像音響制御部500が演出内容を画像表示部6に表示する際に、フレーム画像a801や保留画像a820の描画レイヤーより上位のレイヤーにSPリーチ演出の表示内容を描画したり、フレーム画像a801や保留画像a820の描画レイヤーそのものを描画しないようにしたりすればよい。
図42及び図43で説明したように、本実施形態に係る遊技機1は、予告演出や発展演出等の所定の演出実行時には、これらの演出内容によって、フレーム画像a801の表示領域の一部または全部を非表示とすることができる。このように構成することで、予告演出や発展演出等の所定の演出の実行中に、画像表示領域6の全体を使ってこれらの演出の表示内容を優先的に表示することができるので、予告演出や発展演出等の示唆内容を遊技者にとって見やすい態様で表示することができる。
[その他の変形例]
尚、本実施形態では、遊技者に操作される操作手段の例として、演出ボタン37および演出キー38を例示したが、操作手段として、タッチセンサやタッチパネル、レバー等の他の入力装置を備える遊技機にも同様に、本実施形態におけるマーカ画像a800の表示方法を適用できる。すなわち、演出制御部400がタッチセンサやタッチパネル、レバー等の入力装置から特定の操作入力が行われたことを検出した場合に、画像表示部6にマーカ画像a800を表示してもよい。
また、本実施形態では、遊技者による入力装置の特定操作を、停止状態処理中のメニュー選択操作とした例を説明したが、停止状態処理中のメニュー選択操作以外の入力装置の操作に基づいて、マーカ画像a800aを表示してもよい。例えば、停止状態処理中に、演出制御部400が操作すべき入力装置とその操作内容を画像表示部6上に表示し、指定された入力装置が表示された通りに操作されたことを検出した場合に、画像表示部6にマーカ画像a800を表示してもよい。より具体的には、演出制御部400が画像表示部6上に、「演出キーを、右・左・上・下の順に押下した場合にマーカ画像表示」というメッセージを表示し、演出制御部400が遊技者によって演出キー38が指定通りの順に押下されたことを検出した場合に、入力装置の特定操作が行われたと判定して、画像表示部6上にマーカ画像a800を表示してもよい。
あるいは、停止状態処理中以外に遊技者により入力装置の特定操作が行われたことに基づいて、演出制御部400が画像表示部6上にマーカ画像a800を表示してもよい。例えば、低確状態の報知演出実行中や、高確状態の報知演出実行中に、演出制御部400が操作すべき入力装置とその操作内容を画像表示部6上に表示し、指定された入力装置が表示された通りに操作されたことを検出した場合に、画像表示部6上にマーカ画像a800を表示してもよい。また、別の例として、演出制御部400が、遊技者により入力装置の操作入力が行われたことを契機とする操作入力契機演出(例えば、ボタン演出)を実行可能な場合、演出制御部400は、入力装置の操作入力受付期間中に所定条件を満たす入力装置の操作入力を検出した場合に、入力装置の特定操作が行われたと判定して、画像表示部6上にマーカ画像a800を表示してもよい。
更に、本実施形態では、報知演出実行中に表示されるフレーム画像a801をマーカ画像として使用する例を説明したが、フレーム画像a801の表示領域に変えて、画像表示部6上で更新表示されない他の領域をマーカ画像の表示領域として使用してもよい。例えば、装飾図柄DIの変動表示によって表示内容が更新されない領域にマーカ画像を常時表示してもよい。また、報知演出実行中に表示内容が更新されない領域に表示される背景画像の一部をマーカ画像として使用してもよい。
更に、本実施形態では、画像表示部6が1つの表示装置で構成される例を説明したが、画像表示部6を2以上の表示装置で構成してもよい。例えば、画像表示部6が、メイン表示装置とサブ表示装置とで構成される場合、画像表示部400は、遊技者による入力装置の特定操作に基づいて、メイン表示装置にマーカ画像a800を表示してもよいし、サブ表示装置にマーカ画像a800を表示してもよい。また、報知演出実行中にマーカ画像を略常時表示する場合、演出制御部400は、本実施形態のフレーム画像a801のようにメイン表示装置にマーカ画像として機能する画像を表示してもよいし、サブ表示装置にマーカ画像として機能する画像を表示してもよい。ここで、メイン表示装置とは、装飾図柄DIの変動表示が主として行われる表示装置をいう。
更に、本実施形態では、遊技者による入力装置の特定操作に基づいてマーカ画像a800を表示可能で、かつ、報知演出実行中に原則として表示内容が更新表示されない領域にフレーム画像a801を表示可能な遊技機1を例示したが、いずれか一方の表示方法でのみ外部携帯端末70に所定動作を実行させる画像を表示するように遊技機1を構成してもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について、図44〜図49を用いて説明する。第3の実施形態では、拡張現実(AR;Augmented Reality)に係る技術を用いて、外部携帯端末(端末装置)70に特徴的な演出が表示される。また、拡張現実に係る技術には、公知の技術として様々な方式が存在しているが、第3の実施形態では、マーカ利用型ARに係る技術を用いるものとする。
図44は、図37(5)を用いて説明したメニュー画像a705が画像表示部6に表示された状態を示す図である。各メニューの演出は、遊技機1の画像表示部6に、メニュー表示画面(メニュー画像a705)が表示されている場合に、演出ボタン37等を用いて遊技者が特定のメニューを選択することによって開始される。図44に示すメニュー表示画面の一例においては、特定のメニューとして「モンスター育成」メニューが表示されており、遊技者がこれを選択することで、図45に示すように、画像表示部6に特定画像であるマーカ画像Z1を含んだ表示画像が表示される。一例に係る演出内容は、遊技者が外部携帯端末70上でモンスターの卵を受け取って孵化させ、餌を与えて育成するという内容である。卵の受け取りおよび給餌は、図45に示すように、遊技機1の画像表示部6に表示された同一のマーカ画像Z1を撮像することによって行う。
遊技者は、一例として、CPU、メモリ、カメラ、タッチパネル付き表示装置、RTC(リアルタイムクロック)等を備えたスマートフォン等の外部携帯端末70にインストールされているARアプリケーションプログラムを起動し、マーカ画像Z1を撮像する。外部携帯端末70は、マーカ画像Z1の撮像検出を契機として、少なくとも外部携帯端末70が保持する内部状態に基づいて演出処理を決定し、一例としてモンスター育成の演出を行う。以下に、外部携帯端末70が実行する、このような演出処理を含む処理の一例を、図46〜図49を用いて、説明する。
内部状態とその間の遷移構造は、ARアプリケーションプログラムに含まれるデータあるいはこれに付随して取得されるデータであって、例えばテーブルデータとして外部携帯端末70のメモリに記憶される。また、現在の状態は、ARアプリケーションプログラムの実行にあたって必要な外部携帯端末70の内部状態として記憶される。
内部状態およびその間の遷移構造の一例を図46に示す。図46には、一例として、モンスターの生育の進行状況を表し、初期状態である第1状態(卵を受け取っていない状態)、第1状態から遷移する第2状態(卵を受け取りモンスターの幼体が孵化した状態)、第2状態から順次遷移する第3、4、5…の状態(モンスターのサイズや形状等が相異なる各種成長段階)が示される。内部状態は矢印に沿って遷移し、モンスターはこれに沿って成長する。複数の矢印が伸びる状態は、遷移先の状態が例えば抽選によって選択されることを示す。また、同一状態に戻る矢印は、同一の内部状態が維持される場合があることを示す。このような内部状態の種別および遷移構造は、あくまで一例であって多様に変形、省略可能である。
外部携帯端末70は、現在の内部状態、各状態に対応する演出に用いるキャラクタ(卵、モンスター)およびアイテム(餌)の画像や、必要に応じて所定処理の実行時にRTCから読み出した日付等をメモリに記憶する。これらは、ARアプリケーションプログラムの実行中断および終了によっても失われない。以下に図47に示すフローチャートを用いて、外部携帯端末70のCPUが行うメイン処理の流れを説明する。
ステップSb701において、CPUは、ユーザ操作に応じてカメラによる撮像を開始する。
ステップSb702において、CPUは、表示画面730に、カメラが撮像したリアルタイム撮像画像とこれに重畳した撮像フレームb710とを、表示する。
ステップSb703において、CPUは、メモリに記憶された現在の内部状態を読み出し、第1状態であるか否かを判定する。初回起動時であれば内部状態は第1状態である。第1状態であれば、ステップSb705に進む。第1状態以外であれば、ステップSb704に進む。
ステップSb704において、CPUは、内部状態に対応するキャラクタ画像b711(モンスター)を表示画面730に表示する(図49(4)、(9))。キャラクタ画像b711は、ステップSb705でのマーカ画像Z1の撮像操作の妨げとならないように、撮像フレームb710の外側に表示することが好ましい。
ステップSb705において、CPUは、カメラが撮像している画像を解析し、マーカ画像Z1の検出を行う(図49(1)、(5))。マーカ画像Z1を検出した場合ステップSb706に進み、検出しなかった場合、検出するまでステップSb705の処理を繰り返す。
ステップSb706において、CPUは、表示画面730から撮像フレームb710を消去する。
ステップSb707において、CPUは、ステップSb703で読み出した内部状態に応じて演出処理を行うとともに、内部状態を更新する。本ステップの詳細は後述する。
以上の処理を終えると、ステップS702に戻り、ステップSb702〜Sb707の処理を繰り返す。
ここで、ステップSb707の演出処理ルーチンの詳細の一例を図48に示すフローチャートを用いて説明する。以下のステップSb801〜Sb812のうち、ステップSb802〜Sb805は、初期状態である第1状態での演出(卵の受け取り、幼体の孵化)を行い、ステップSb806〜Sb812は、初期状態以外での演出(給餌)を行う。
ステップSb801において、CPUは、現在の内部状態が第1状態であるか否かを判定する。第1状態の場合、ステップSb802に進み、第1状態でない場合、ステップSb806に進む。
ステップSb802において、CPUは、第1状態に対応するキャラクタ画像b711(卵)を表示画面730に表示する(図49(2))。このようなキャラクタ画像b711は表示画面730の中央に表示してもよくマーカ画像Z1の表示位置に重畳して表示してもよい。
ステップSb803において、CPUは、表示画面730であるタッチパネル上のキャラクタ画像b711(卵)が表示された位置を遊技者がタップしたことを検出する。タップ操作を検出した場合ステップSb804に進み、検出しなかった場合、検出するまでステップSb803の処理を繰り返す。
ステップSb804において、CPUは、表示画面730からキャラクタ画像b711(卵)を消去し、現在の第1状態からの遷移先が第2状態であることをテーブルから読み出して特定し、遷移先である第2状態に対応するキャラクタ画像b711(モンスターの幼体)を表示画面730に表示する(図49(3))。これにより卵が孵化してモンスターの幼体が孵化した様子が演出される。
ステップSb805において、CPUは、現在の内部状態を第2状態に更新し、演出処理ルーチンを終了する。
ステップSb806において、CPUは、外部携帯端末70のRTCから現在の日付を読み出すとともに、メモリに記憶された日付が存在する場合、これを読み出す。また、CPUは、所定の日付条件を満たすか否か、判定を行う。所定の日付条件とは、例えば、(メモリに日付がまだ記憶されていないこと)、または、(メモリに日付がすでに記憶されており、かつ、現在の日付がメモリに記憶された日付の翌日以降であること)である。所定の条件を満たす場合ステップSb807に進み、満たさない場合、演出処理ルーチンを終了する。日付の記憶は、ステップSb812で初めて実行されるため、本ステップSb806の初回実行時には、上記条件は必ず成立する。メモリに記憶された日付は、一例として、最後に餌を与えた日付を表す。そのため、本ステップの処理により、例えばモンスターの幼体が孵化した後の初回の餌やりは孵化当日を含むいつでも可能であるが、一度餌やりを行った後の餌やりは、1日1回に限定される。なお、日付条件を満たさない場合、CPUは表示画面730に「今日の餌は終わりました」等の表示を行ってもよい。なお、日付条件は、上述したものに限定されず、1日1回の代わりに、時分も管理対象にして数時間に1回とする等、多様に設定可能である。
ステップSb807において、CPUは、表示画面730にアイテム画像(餌)を表示する(図49(6))。また、CPUは、ステップSb704において撮像フレームb710の外側に表示された現在の内部状態に対応するキャラクタ画像b711(モンスター)をアイテム画像b712に近づくように移動させる。キャラクタ画像b711は、アイテム画像b712に近づくにつれ、徐々にサイズが大きくなるように表示してもよい(図49(7))。
ステップSb808において、CPUは、現在の内部状態からの遷移先をテーブルから読み出す。遷移先が1つである場合は、ステップSb810に進み、2つ以上である場合は、ステップSb809に進む。
ステップSb809において、CPUは、2つ以上の遷移先の状態から抽選で1つを選択する。あるいは、2つ以上の遷移先のうち1つが現在の状態自体である場合、現在の状態が過去に連続して選択された回数を記憶しておき、所定回数に達するまでは現在の状態を選択し、所定回数に達したときに、他の遷移先の状態を選択するようにしてもよい。これにより、複数回の給餌によってはじめてモンスターが成長することを演出できる。
ステップSb810において、CPUは、表示画面730からアイテム画像b712とキャラクタ画像b711とを消去し、選択された内部状態に対応するキャラクタ画像b711を表示画面730に表示させる(図49(8))。
ステップSb811において、CPUは、選択された遷移先の状態を現在の内部状態に更新し、メモリに記憶させる。
ステップSb812において、CPUは、RTCから現在の日付を読み出し、メモリに記憶させ、演出処理ルーチンを終了する。
以上、処理の流れを説明したが、アイテムやキャラクタの画像は平面的に表現された画像であってもよく立体的に表現された画像でもよい。また、画像自体が変形や色変化等の動きを伴なってもよく静止的であってもよい。
また、他の演出処理を伴なってもよい。例えば、ステップSb704において、メモリに記憶された日付(および時刻)と現在の日付(および時刻)との間に所定期間以上の差がある場合、現在の内部状態を過去の内部状態に更新し、過去の内部状態に対応するキャラクタ画像を表示させてもよい。すなわちモンスターキャラクタを逆成長させてもよい。この場合、内部構造の遷移先として、図46に示した成長用の遷移構造と同様に、逆成長用の遷移構造を定義しておき、過去の内部状態として逆成長の遷移先を選択するようにすればよい。これにより、餌やりを怠るとモンスターが過去の状態に戻ることを演出できる。
また、ステップSb704において、CPUは現在の内部状態から遷移しうる1つ以上の他の状態をテーブルから読み出して特定し、遷移先の状態に対応する各キャラクタ画像、すなわち、次の給餌によるモンスターの変身候補をさらに表示してもよい。
また、ステップSb808およびSb809の代わりに上述の日付条件とは異なる他の所定条件を判断するステップSb808’を設け、外部携帯端末70のCPUが、この条件を満たす場合は遷移先として現在の内部状態からの遷移先のうち他の状態を1つ選択し、満たさない場合は現在の内部状態を選択する処理を行ってもよい。
この条件は、例えば、外部携帯端末70のメモリに記憶された所定のゲームのスコア等のデータが規定値に達していることを示すスコア条件である。データは、外部携帯端末70で実行される、例えば10秒間にタッチパネルを連打した回数を競う連打ゲームにおけるスコア(連打記録数)である。ステップSb808’を設けた場合、たとえば連打記録が規定値以上であれば、ステップSb810においてキャラクタ画像b711が変化し、規定値未満であれば、変化しないようにすることができる。これにより、スコアの規定値達成と給餌とによってはじめてモンスターが成長することを演出でき、外部携帯端末70で実行される他のゲームの進行状況を演出に加味することができる。また、現在の内部状態が過去に連続して選択された回数を記憶しておき、所定回数に達した場合は、スコア条件の成否によらずに現在の内部状態を選択し、所定回数に達し、かつ、スコア条件が成立した場合は、他の遷移先の状態を選択するようにしてもよい。これにより、スコアの規定値達成と2回以上の給餌とによってはじめてモンスターが成長することを演出できる。
スコア条件に含まれる規定値は、例えば現在の内部状態ごとに定めることができる。例えば内部状態とその間の遷移構造を示すテーブルデータが、各内部状態に対応付けて定義された規定値をさらに含み、CPUがこれを参照することで、現在の内部状態に応じてスコア条件を特定することができる。これにより、モンスターの成長に伴って規定値を大きく設定し育成の難易度を徐々に高める演出が可能である。また、スコア取得のためのゲーム処理は、本ARアプリケーションプログラムの一部に組み込まれてもよく、他のアプリケーションプログラムによって提供されてもよい。また、ゲームの実行は、本ARアプリケーションプログラムの実行とは別途行われてもよく、上述のステップ間の何れかに割り込んで行われてもよく、あるいは、上述の各ステップ内で行われる演出処理と組み合わせて行われてもよい。
以上の処理による特徴的な演出内容の一例を図49に示す表示画面730の例を用いて説明する。
[卵の受け取り]
外部携帯端末70上で、ARアプリケーションプログラムを初めて起動した場合は、まだ卵を受け取っていない。遊技者が外部携帯端末70をカメラモードにして、表示画面730に表示されるリアルタイム撮像画像を見ながら、マーカ画像Z1を撮像フレームb710内に収める(図49(1))と、表示画面730に、卵の画像が出現し(図49(2))。外部携帯端末70上に卵を受け取ることができる。
[孵化]
遊技者が表示画面730上で卵の画像をタップすると、卵の画像がモンスターの幼体の画像に変化し卵が孵化したことが表現される(図49(3))。モンスター幼体の画像は、表示画面730内の撮像フレームb710の外側に移動するとともにサイズが小さくなる。これにより、以降の撮像の妨げとならないようにしつつ、モンスターが孵化したことを常時確認可能とすることができる。(図49(4))。
(給餌)
モンスターの孵化後に、上述と同様にマーカ画像Z1を撮像する(図49(5))と、表示画面730に餌の画像が表示される(図49(6))。モンスターの画像は、餌の画像の近傍に移動し、餌を食べることが表現される(図49(7))。
モンスターは餌を食べることによって、サイズが大きくなったり各種の形態に変身したりしながら成長する(レベルアップ)(図49(8))。あるいは、餌を何回か食べても形態が変化しない場合もある。また、連打ゲームのような他のゲームのスコアに応じてモンスターが成長したりしなかったりするようにできる。このように変化性に富んだ演出が行われる。また、モンスターの孵化後は、マーカ画像Z1の撮像時には表示画面730の撮像フレームb710の外側にモンスターが表示される(現在の内部状態が示唆される)ため、撮像中であっても現在のモンスターの成長状況を確認することができる。また、次の給餌による予想変身結果が表示される場合は、変身の実現を期待して遊技者の給餌継続の動機を向上することができる。また、餌を食べ終わったモンスターの画像は次回の撮像時には再び撮像フレームb710の外側に移動する(図49(9))
状態遷移が進行すると遷移先が遷移元と同一の状態のみである状態(図46に示す第15〜19の状態)に達する。ここまでレベルアップすると、給餌してもその後の成長は停止する。また、逆成長の演出を行う場合、一定期間、給餌をしないと、モンスターはサイズが小さくなったり、以前の形態に戻ったりする(レベルダウン)。給餌可能な機会は例えば、1日1回に制限されるため、モンスターの育成のために、遊技者は根気よく長期間にわたって、給餌を継続することが要求され、育成の進行に伴い高い達成感を得ることができる。
遊技者は、同一のマーカ画像Z1を撮像するという簡単な操作を基本にして、以上のような高度な演出進行を得ることができる。また、内部状態等の各種データはARアプリケーションプログラムとともに外部携帯端末70に記憶されているので、明示的な削除操作をしない限り、中断、再起動等によらず継続的な演出進行を得ることができる。以上、本実施形態を説明したが、これはあくまで一例であって多様に変形、省略可能である。
なお、以上に説明した第1〜第3の実施形態では、遊技機1の画像表示部6にARマーカ(マーカ画像800)が表示されるものとしたが、ARマーカに代え、QRコード(登録商標)のような2次元コード(又は1次元コード)が表示されるものとしてもよい。なお、この場合には、例えば、外部携帯端末70には、QRコードを撮像して解析可能なアプリケーションプログラムがインストールされるとともに、QRコードから復元される識別情報とカプセル画像900等の表示画像とを対応付けた参照テーブルと、カプセル画像900等の表示画像とが記憶されているものとする。このとき、外部携帯端末70によってQRコードが撮像されると、当該QRコードに基づいて識別情報が復元され、参照テーブルに基づいて、復元された識別情報と対応する表示画像が読み出されて、読み出された表示画像が表示画面730に表示(又は実画像に合成表示)される。
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態において適用可能な範囲で、ARマーカは、画像表示部6等に表示される画像ではなく、例えば遊技機1に配置されたロゴマーク(印刷物)等であってもよい。更には、ARマーカの代わりに、演出ボタン37、遊技盤2に配置された装飾部材や風車などの物体を用いてもよい(つまり、非マーカ利用型(マーカレス型)ARであってもよい)。
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態において適用可能な範囲で、外部携帯端末70において、実画像上に仮想画像を合成表示する構成に変えて、実画像を表示することなく所定の画像を表示する構成としてもよいし、逆に、実画像を表示することなく所定の画像を表示する構成に変えて、実画像上に仮想画像を合成表示する構成としてもよい。
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態では、パチンコ遊技機を一例に挙げて本発明の説明を行った。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に限られず、例えば、適用可能な範囲において、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ)に適用されてもよい。この場合、スロットマシンにメダルが投入された状態でレバーがオン操作されることによって、当たりを判定するための遊技情報(乱数;判定情報)が取得されることとなる(つまり、遊技情報が取得されるための条件が成立することとなる)。また、この場合、上記した第1〜第3の実施形態での「報知演出」は、スロットマシンにおけるレバーのオン操作によってリールが変動してから停止するまでの演出に対応することとなる。
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態(及びその変形例)等に記載された様々な特徴を、意図する効果を奏するように組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態は、遊技機等である第1の装置と外部携帯端末70等である第2の装置とを含むシステムの特徴として捉えることもできるし、外部携帯端末70等にこのような演出を行わせる遊技機の特徴として捉えることができる。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。