JP2017050201A - レドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
エネルギー変換効率および信頼性を従来と同等以上に維持しつつ、システムの小型化を実現することが可能なレドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システムを提供する。
【解決手段】
本発明に係るレドックスフロー電池は、正極を有する正極室と、負極を有する負極室と、前記正極室と前記負極室とを仕切る隔膜と、前記正極室および前記負極室に充填された電解液と、前記正極室、前記負極室、前記隔膜および前記電解液を収容する筐体と、を備え、前記電解液が、光エネルギーによって可逆的に酸化還元反応を起こす活物質を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
エネルギー変換効率および信頼性を従来と同等以上に維持しつつ、システムの小型化を実現することが可能なレドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システムを提供する。
【解決手段】
本発明に係るレドックスフロー電池は、正極を有する正極室と、負極を有する負極室と、前記正極室と前記負極室とを仕切る隔膜と、前記正極室および前記負極室に充填された電解液と、前記正極室、前記負極室、前記隔膜および前記電解液を収容する筐体と、を備え、前記電解液が、光エネルギーによって可逆的に酸化還元反応を起こす活物質を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、レドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システムに係り、特に光電気化学作用を用いて充放電するレドックスフロー電池およびそれを用いた電池システムに関する。
近年、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出する化石燃料を代替するため、太陽光や風力などの自然エネルギーを用いた再生可能エネルギーの普及が急速に進んでいる。また、究極の自然エネルギー利用形態としての人工光合成システムも、2020年以降の実用化を目指して、世界的に研究が活発化している。
しかしながら、再生可能エネルギーは、変動が大きい日射量や風力を用いるため、エネルギーの生成が原理的に不安定であり、電力系統の安定性を妨げてしまうため、電力系統に直接接続することができない。このため、再生可能エネルギーを一旦蓄積してから電力系統に安定的に接続するための蓄電システムが開発されており、その中でも特にレドックスフロー電池(以下、「RFB」と称する。)システムは大規模蓄電システムとして、再生可能エネルギーと共に普及が広まると予想されている。RFBとは、酸化還元する物質対(以下、「活物質」と称する。)を含む2種類の溶液の夫々を、ポンプを用いてセルの負極および正極に供給して充放電を行うシステムであり、太陽光および風力によって生成した大容量な電力を貯蔵することができる。
図1は、従来のRFBシステムの1例を示すブロック図である。図1を用いて、RFBの基本動作を説明する。図1に示すように、RFBシステム100のRFB(セル)1´は、隔膜2で分離された正極室(正極セル)3と負極室(負極セル)4からなり、正極セルは正極5および正極液7を、負極セル4は負極6および負極液8を有する。
正極セル3および負極セル4は、それぞれ正極タンク9および負極タンク10に循環路11a,bを介して接続され、それぞれの循環路に設けられたポンプ12a,bによって正極液7は正極セル3と正極タンク9の間を循環し、負極液8は負極セル4と負極タンク10の間を循環する。本図ではバナジウム(V)イオン系の電解液を用いたRFBの例を示している。すなわち、太陽光および風力等の再生可能エネルギーを用いた発電機器14で生成された電力は、制御機構13を介してRFB1の正極5及び負極6に供給され、正極5では正極液7中の4価バナジウム(V4+)が5価バナジウム(V5+)に酸化され、負極6に電子が移動する。一方、負極6では負極液8中の3価バナジウム(V3+)が正極5から供給された電子を受け取って2価バナジウム(V2+)に還元される。このように、正極側の活物質(4価バナジウムイオン)と負極側の活物質(3価バナジウムイオン)がそれぞれ酸化・還元することで再生可能エネルギーが蓄電される。
一方、制御機構13を介してRFB1を負荷15に接続することによって、上記蓄電の逆反応が生じて、RFBが放電する。蓄電は正負両極の電解液が全て酸化還元されるまで可能であるため、正負両極のタンクを増設することによって蓄電容量を増加することができる。一般的に正負極の電極材料としては、グラファイト、カーボンブラック、グラッシーカーボンなどの不定形なカーボン系材料が用いられる。
現時点では、大規模蓄電システムとしてはダムを利用した揚水発電が既に普及しているが、立地条件に制約がある。これに対してRFBは、立地を選ばない利点がある。したがって、一般的に揚水で位置エネルギーが稼げない平野部に存在する大都市の近郊または内陸部に太陽光・風力などの再生可能エネルギーが普及することに伴い、RFB蓄電システムが大量に導入されることが期待される。
RFBについて、特許文献1には負極電解液を収容し、第1負極が配置された第1室と、ガスを収容し、第1正極及び第2負極が配置された第2室と、正極電解液を収容し、第2正極が配置された第3室と、第1室の負極電解液及び第2室のガスを離隔する、イオン伝導性の第1隔膜と、第3室の正極電解液及び第2室のガスを離隔する、イオン伝導性の第2隔膜と、第1正極及び第2負極を電気的に接続する導電部材とを備え、第1正極は、第1隔膜の第2室側の面に配置され、第2負極は、第2隔膜の第2室側の面に配置されることを特徴とするレドックスフロー電池が開示されている。特許文献1の構成によれば、レドックスフロー電池において、アノライトとカソライトとの混合を防止することができ、アノライト又はカソライトの再生プロセスが不要になるとされている。
RFBの活物質として、非特許文献1には、バナジウム系や鉄/クロム系等の金属イオンが提案されている。また、低コスト化を目的として、活物質として有機分子を用いた電池も提案されている。具体的には、非特許文献2には、正極電極と、負極電極と、両電極間に介在される隔膜とを具える電池セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池が記載されており、アントラキノンを含有する負極電解液が記載されている。
一方、光エネルギーを利用した蓄電システムとして、非特許文献3に人工光合成システムが開示されている。人工光合成システムは、太陽電池と触媒電極が一体化された構成を特徴として、太陽光エネルギーで励起された電子、正孔を利用して水を水素と酸素に分解し、更に大気中の二酸化炭素と反応させて炭水化物を合成することで、太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換、蓄積して利用するものである。光電変換する太陽電池と水を電気分解する触媒が一体形成されているため、太陽電池とRFBを組み合わせたシステムよりも設備の小型化が期待でき、変換効率および信頼性が向上すれば、水素社会の到来に伴って実用化が進むものと予想される。
柴田ほか:再生可能エネルギー安定化用レドックスフロー電池:住友電工テクニカルレビュー 182, 10(2013).
Nature Vol.505,pp.195−198(2014).
"平成24年度特許出願技術動向調査−人工光合成−"、[online]、平成25年4月、特許庁、[平成27年8月24日検索]、インターネット〈URL:https://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou−houkoku/24kogosei.pdf〉
しかしながら、現行のRFBはエネルギー密度が低く、現在車載用を中心に普及が進むリチウムイオン電池以下のエネルギー密度であるため、設置面積が大きいという課題があり、具体的には非特許文献1の写真1に示されるように1MW級のRFBでは500平方メートル程度になり、充電に用いる太陽電池パネルと同程度の設置面積を必要とする。この場合、RFB設置領域に照射する太陽光エネルギーは充電されることなく、RFBと太陽電池の合計設置面積当たりの充電効率が低減する課題があった。
また、人工光合成システムのエネルギー変換効率および信頼性は不十分であり、実用化にはまだ時間を要するという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑み、エネルギー変換効率および信頼性を従来と同等以上に維持しつつ、システムの小型化を実現することが可能なレドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、正極を有する正極室と、負極を有する負極室と、正極室と負極室とを仕切る隔膜と、正極室および負極室に充填された電解液と、正極室、負極室、隔膜および電解液を収容する筐体と、を備え、電解液が、光エネルギーによって可逆的に酸化還元反応を起こす活物質を含むことを特徴とするレドックスフロー電池を提供する。
また、本発明は、レドックスフロー電池と、電解液を正極室および負極室のそれぞれに循環して供給することが可能な電解液供給装置と、レドックスフロー電池に接続された負荷と、レドックスフロー電池、電解液供給装置および負荷を制御する制御装置、を備え、レドックスフロー電池が、上記本発明に係るレドックスフロー電池であることを特徴とするレドックスフロー電池システムを提供する。
本発明によれば、エネルギー変換効率および信頼性を従来と同等以上に維持しつつ、システムの小型化を実現することが可能なレドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システムを提供することが可能になる。
以下、本発明に係る実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は一例であって、これらに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜改良および変更を加えることができる。
[レドックスフロー電池]
まず始めに、本発明に係るレドックスフロー電池の構成について説明する。図2は、本発明に係るRFBの1例を示す模式図である。図2に示すように、本発明に係るレドックスフロー電池1は、正極室(正極セル)3と、負極室(負極セル)4と、正極室3と負極室4との間に設けられた隔膜2と、正極室3および負極室4に充填された電解液7,8と、これらを収容する筐体20を備える。正極室3に充填された電解液を正極電解液(正極液)7と称し、負極室4に充填された電解液を負極電解液(負極液)8と称する。
まず始めに、本発明に係るレドックスフロー電池の構成について説明する。図2は、本発明に係るRFBの1例を示す模式図である。図2に示すように、本発明に係るレドックスフロー電池1は、正極室(正極セル)3と、負極室(負極セル)4と、正極室3と負極室4との間に設けられた隔膜2と、正極室3および負極室4に充填された電解液7,8と、これらを収容する筐体20を備える。正極室3に充填された電解液を正極電解液(正極液)7と称し、負極室4に充填された電解液を負極電解液(負極液)8と称する。
上述したように、本発明に係るレドックスフロー電池の負極液8は、光エネルギー(太陽光など)の照射により可逆的に酸化還元する活物質を含む。従来のレドックスフロー電池は、図1において説明したように、例えば光エネルギー(太陽光エネルギー)を太陽電池等の発電機にて電気エネルギー(電流)に変換した上でレドックスフロー電池に供給して活物質の酸化還元反応を行うものである。これに対し、本発明に係るレドックスフロー電池は、活物物質が光エネルギーによって直接酸化還元反応するものである。このように電解液が光照射によって可逆的に酸化還元する物質を含む電解液を備えるレドックスフロー電池は従来にはなく、新規なものである。このような構成を備えることで、電池の酸化還元反応に光エネルギーを直接用いることができるため、図1の従来例のように発電機を設ける必要が無くなる。この結果、従来よりもシステムを小型化することができる。
光エネルギーの照射により可逆的に酸化還元する物質の一例として、アントラキノン誘導体、テトラキノン、ペンタキノン、ペンタテトロンおよびこれらの混合物が挙げられる。アントラキノン誘導体の例としては、アントラキノン‐2‐スルホン酸(以下、「AQDS」と称する。)が挙げられる。
また、負極液8は、上記活物質に電子およびプロトンを供給可能な補助剤を含むことが好ましい。このような補助剤があることで、上記活物質は酸化還元反応を円滑に行うことができる。補助剤としては特に限定は無く、上述した活物質に電子およびプロトンを供給可能なものであればよい。好ましいものとして、例えば、2‐プロパノールが挙げられる。
以下、活物質としてAQDS、補助剤として2‐プロパノールを用い、これらの水溶液を負極液8とした場合の酸化還元反応について説明する。
AQDSは、可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子(以下、単に「有機分子」とも称する。)であり、スルホン酸基を有することで水溶性を示す。AQDSは、電解液中で活物質として機能するものである。すなわち、AQDSは、電子の授受によりプロトンとの結合及び脱離が生じるため、酸化還元反応によって良好に充放電を行うことができる。具体的には、電子反応性を有するプロトン(水素Hの正イオン(H+))と結合(還元)するとともに、所定の条件下で当該プロトンが脱離(酸化)する。すなわち、プロトンの授受によって可逆的な酸化還元反応が生じる有機分子である。このような有機分子を用いることで、水系の電解液である水溶液中で電荷の移動(即ち、プロトンの移動)を効率よく行うことができ、高い充放電特性を得ることができる。
活物質であるAQDSと電子およびプロトンの授受を行う補助剤として、2‐プロパノールを用いる。本発明における負極液は、太陽光照射によるAQDSのラジカル化およびそれに伴う補助剤からの電子およびプロトンの授受によって、酸化還元反応を可逆的に行うことができるものである。
AQDSの還元は、電極電位と電極から供給される電子(e−)による一般的な方法以外に、上述のように光エネルギー照射によるラジカル化およびそれに伴う補助剤からの電子、プロトンの供給によっても可逆的に行うことができる。
次に、図2を参照しながら本発明に係るレドックスフロー電池の電池反応について詳細に説明する。
図2中に示す(1)はAQDSの反応であり、(2)は2‐プロパノールの反応である。まず、AQDSの充電は以下のように行われる。光照射により、AQDSのHOMO準位の電子がLUMO準位に励起されてラジカル状態(AQDS**)になる(図2の反応(a))。このAQDSラジカルの空いたHOMO準位に2‐プロパノール補助剤から電子(e−)が供給されて、AQDSが負に帯電する(図2の反応(b))。この負帯電したAQDS(AQDS2−)に対して、正帯電した2‐プロパノール補助剤からプロトン(H+)が供給されて、アントラセン‐2‐スルホン酸‐ヒドロキノン(AQDSH2)が生成する(図2の反応(c))。一方、電子およびプロトンを順次アントラキノンラジカルに供給した2‐プロパノールは、化学結合状態を自発的に組み換えてアセトンになり安定化する(図2の反応(e))。
以上の負極での反応をまとめると、下記式(1)のとおりである。式(1)に従って太陽光エネルギーが化学エネルギーとして貯蔵される。
アントラキノン誘導体+2‐プロパノール+光エネルギー→アントラセン‐ヒドロキノン誘導体+アセトン …式(1)
上記の反応は、電極を介した電気化学作用を必要とせず太陽光がアントラキノン誘導体分子に吸収されることで自発的に進行する。
アントラキノン誘導体+2‐プロパノール+光エネルギー→アントラセン‐ヒドロキノン誘導体+アセトン …式(1)
上記の反応は、電極を介した電気化学作用を必要とせず太陽光がアントラキノン誘導体分子に吸収されることで自発的に進行する。
一方、式(1)の逆反応には、電極表面での電気化学反応が必要となる。電池に負荷を接続すると、電解液中で以下の反応が起こる。
アントラセン‐ヒドロキノン誘導体+アセトン+電気化学エネルギー→アントラキノン誘導体+2‐プロパノール …式(2)
このように、アントラキノン誘導体活物質と2‐プロパノール補助剤から構成される電解水溶液を用いることにより、レドックスフロー電池に直接降り注ぐ光エネルギーを貯蔵(蓄電)することが可能になる。
アントラセン‐ヒドロキノン誘導体+アセトン+電気化学エネルギー→アントラキノン誘導体+2‐プロパノール …式(2)
このように、アントラキノン誘導体活物質と2‐プロパノール補助剤から構成される電解水溶液を用いることにより、レドックスフロー電池に直接降り注ぐ光エネルギーを貯蔵(蓄電)することが可能になる。
図3は本発明に係るRFBの負極液活物質(AQDS)と正極液活物質(Zn)のエネルギー準位を示す図である。以下の説明では、正極液7の活物質としてZn2+イオンを用いた例について説明する。図3に示すように、光エネルギーの照射によってAQDSの基底準位にある電子が約2.6eV上の励起準位に励起されてAQDS*になると、2‐プロパノールから電子とプロトンが順次供給され、AQDSHとなり還元状態が安定化する。これを2回繰り返すことで、AQDSH2となり、還元反応対が安定化する。一方、2‐プロパノールは、2つの電子とプロトンをAQDSに供給した後、アセトンに化学構造が変化して安定化する。
図3に示すように、還元(充電)状態のAQDSHおよびAQDSH2のエネルギー状態は、Zn2+のエネルギー状態よりも高いため、正極5と負極6の間に負荷を接続するとAQDSHおよびAQDSH2から電子が引き抜かれる(酸化される)。一方、正極5側では、この電子を受け取った(還元された)Zn2+イオンが金属として正極5上に析出する。電子を引き抜かれたAQDSH+およびAQDS2+からH+が脱離して元のAQDSに戻り、アセトンも元の2‐プロパノールに戻り、可逆的な酸化還元(充放電)が完了する(図2の反応(d)および(e))。この際、電荷中性条件を満たすため、隔膜2を介してH+が行き来する。このように、活物質AQDSと補助剤2‐プロパノールを組み合わせた負極液8を用いることで、光エネルギー照射による負極液8の可逆的な充放電が可能になる。
負極液8中のAQDSおよび2‐プロパノールの濃度は、特に限定はないが、1M(mol/L)が好ましい。1Mは、AQDSおよび2‐プロパノールが水に溶解可能な最大の濃度である。また、電解液は活物質と補助剤の容量が1:1の混合比で溶解した水溶液であることが好ましい。この混合比は、上述した反応式から決定されるものである。さらに、正極液7および負極液8には、電解質として支持塩を含ませることが好ましい。支持塩が含まれることで、電解液の電気伝導性が向上し、電池のエネルギー密度を向上させることができる。
以下に、本発明に係るレドックスフロー電池の電解液以外の構成について説明する。負極室4の筐体の材質は、電解液に光を照射することを考慮し、光の透過性を有し、かつ化学的安定性、絶縁性および高い強度を有する材料を用いることが好ましい。このような材料として、具体的には、ポリカーボネート樹脂およびアクリル樹脂などが挙げられる。また、負極液8に光が十分照射・吸収されるように、負極液タンク10および負極液タンク10に接続された循環路12が、上記のような光透過性を有する材料で構成されることがより好ましい。また、正極室3、循環路11についても、上記材料を用いてもよい。
隔膜2は、正極液7と負極液8とが混ざらないようにセル1の内部を仕切り、かつ充放電反応に寄与するイオンが透過可能な構成とする。また、隔膜2は、充電した電解液が混合しない、即ち自然放電しないような材料を用いることが好ましい。このような材料として、具体的には、NAFION(ナフィオン、デュポン社の登録商標)等のイオン交換膜が好ましい。
負極6は、特に限定は無いが、従来のように不定形なカーボン材料(グラッシーカーボンおよびグラファイトなど)に代えて、低分子系の芳香族系分子材料(ペンタセン、テトラセン、アントラセン、およびそれらのキノン系誘導体、または、カロテノイド系色素など)といった有機半導体分子からなる光電変換膜を含む構成が好ましい。負極6の好ましい構成として、透明基板、透明電極(インジウム錫酸化物など)、グラフェン膜および上記光電変換膜をこの順で積層した積層構造が挙げられる。また、グラフェン膜と透明電極の間に酸化ニッケル(NiO)膜があってもよい。
積層電極の構成の一例は、厚さ5mm、膜厚約1μmのポリカーボネート樹脂(住友ベークライト社製)上に、膜厚約500nmの透明電極および光電変換膜の構成を挙げることができる。透明電極は、例えばRFマグネトロンスパッタ装置で、光電変換膜は例えば真空蒸着装置で形成することができる。
また、光電変換膜において、有機半導体分子薄膜を構成する半導体分子の長軸方向が基板面となす角度が45度以下であり、さらに、上記有機半導体分子薄膜表面において半導体分子のπ軌道が基板面となす角度が45度以上であることが好ましい。また、上記光電変換膜を構成する半導体分子が、入射する一つのフォトンに対して二つの電子‐正孔対を生成するいわゆる励起子分裂機能を有する半導体分子であることが好ましい。励起子分裂機能を有する半導体分子として、ペンタセン、テトラセン、およびそれらのキノン系誘導体、または、カロテノイド系色素分子を用いることができる。
正極室3は、亜鉛(Zn)からなる電極5と、2価亜鉛イオン(Zn2+)の水溶液からなる正極液7で構成される。Znは、溶解析出反応によって充放電される。すなわち、例えば電子を受け取ることで還元されてZn金属を生じ、Znからなる正極5上に析出する。なお、正極液7に特に限定はなく、上記した例は一例であり、後述する図3で説明するように、AQDSラジカルよりエネルギー準位が低い活物質を含むものであればよい。
正極5は、水溶液中の金属イオンの析出を容易にするため比表面積が大きい形状にすることが好ましい。具体的には、析出の均一性と高比表面積化とのバランスを考慮し、正極5の形状は、メッシュ、エキスパンドメタルおよび不織布等の形状とすることが好ましい。
[レドックスフロー電池システム]
次に、上述したレドックスフロー電池を用いたレドックスフロー電池システムについて説明する。図4は、本発明に係るRFBシステムの第1の実施形態を示す模式図である。図4に示したように、本発明に係るレドックスフロー電池システム400は、上述した本発明に係るRFB1と、電解液をRFBの正極室3および負極室4のそれぞれに循環して供給することが可能な電解液供給装置と、RFB1に接続された負荷15と、RFB1、電解液供給装置および負荷15を制御する制御装置13を備える。電解液供給装置は、RFBの正極液7を貯蔵する正極液タンク(電解液槽、以下、単に「タンク」とも称する。)9および負極液8を貯蔵する負極液タンク10を備える。タンク9および10は、それぞれポンプ(ケミカルポンプ)12a,bおよび循環路(配管)11a,bを介してRFB1に接続されており、タンク9,10とRFB1の間を電解7,8が循環可能な構成を有している。タンク9,10、循環路11a,bおよび循環ポンプ12a,bを「電解液供給装置」と称する。
次に、上述したレドックスフロー電池を用いたレドックスフロー電池システムについて説明する。図4は、本発明に係るRFBシステムの第1の実施形態を示す模式図である。図4に示したように、本発明に係るレドックスフロー電池システム400は、上述した本発明に係るRFB1と、電解液をRFBの正極室3および負極室4のそれぞれに循環して供給することが可能な電解液供給装置と、RFB1に接続された負荷15と、RFB1、電解液供給装置および負荷15を制御する制御装置13を備える。電解液供給装置は、RFBの正極液7を貯蔵する正極液タンク(電解液槽、以下、単に「タンク」とも称する。)9および負極液8を貯蔵する負極液タンク10を備える。タンク9および10は、それぞれポンプ(ケミカルポンプ)12a,bおよび循環路(配管)11a,bを介してRFB1に接続されており、タンク9,10とRFB1の間を電解7,8が循環可能な構成を有している。タンク9,10、循環路11a,bおよび循環ポンプ12a,bを「電解液供給装置」と称する。
また、RFB1は制御機構13に接続されており、制御機構13を介して負荷15に接続されている。制御機構13は、RFB1および負荷15の動作を制御する。負極液8は、光エネルギー照射によって直接還元され、負荷15によって元の状態に可逆的に酸化される。
本発明に係るレドックスフロー電池400は、上述したように、光エネルギーによって直接酸化還元反応可能なレドックスフロー電池1で構成され、従来の太陽光発電部と蓄電部が一体化した光電気化学的に動作するRFBシステムであり、従来よりもシステムの小型化を実現することができる。すなわち、本発明に係るレドックスフロー電池は、RFBシステムの実用性と人工光合成システムの小型化、コンパクト性を両立する光電気化学RFBシステムを提供することができる。
図5は、本発明に係るRFBシステムの第2の実施形態を示す模式図である。図5に係るレドックスフロー電池システム500は、制御機構13と接続された、発電機再生可能エネルギーを用いた発電機器14および遮光機構16を備える点で、図4に示すシステムと異なる。
第2の実施形態では、制御機構13に接続された遮光機構16を備え、RFBシステムが充電する際には、負極室4および負極液タンク10に太陽光が照射され、放電する際には、放電出力が変動する太陽光照射量に依存して電力の供給量が不安定化することを回避するため、負極セル4および負極液タンク10を遮光する。このような構成とすることで、電力の供給の安定化を図ることができる。
遮光機構16は、制御機構の指示によってRFB1および光化学充電機能を有する負極液8を貯蔵する負極液タンク10への光照射を遮断する機構を有し、具体的には機械式光シャッタおよびエレクトロクロミック素子などを用いることができる。
図6は本発明に係るRFBの放電エネルギーの照射光エネルギー密度依存性を示すグラフである。計測は、ソーラーシミュレータによって行った。図6に示すように、エネルギー密度10W/m2の光を照射した場合、時間に対して一定の放電エネルギーが得られる。これは、照射光による負極液8の充電と放電がバランスした結果である。一方、遮光機構16を用いて照射光エネルギー密度を5W/m2に半減すると放電エネルギーも半減し、放電エネルギーが照射光エネルギーを充電した負極液8によって供給されていることがわかる。これは、照射光を遮光機構で完全に遮断した場合(0W/m2)、放電が零まで減少することからも明らかである。
さらに、本発明に係るレドックスフロー電池システム500は、電解液供給装置に集光装置を設け、太陽光などから得られる光エネルギーを集めて効率的にタンク中の電解液に照射されるように構成されていてもよい。図9は本発明に係るRFBシステムに適用される集光装置の一例を示す模式図である。集光装置は、例えば図9に示すように、太陽光などの光を集光するレンズ91と、該レンズによって集光された光を電解液供給装置の電解液槽(電解液)に伝送する光ファイバ92で構成することができる。図9では、負極タンク10に集光装置90を設けた態様を示している。このような構成とすることで、負極タンク10に太陽光などから得られる光エネルギーを効率的に照射することが可能となる。
図7は本発明に係るRFBシステムに適用可能な循環膜を示す模式図である。図7に示すように、本発明に係るレドックスフロー電池システムは、循環路の一部がミアンダ状に配置された循環膜29を有していてもよい。循環膜29の循環路11は、蛇行して稠密に形成され、光照射面積が大きい構成となっている。循環路11は、図示しないが、負極液タンク10と接続されて内部を光還元(充電)性の活物質分子を含む負極液8が循環する。このような循環膜29を用いることで、太陽光の照射面積が大きくなるため、循環膜29を太陽光照射量が多い空間(都市ビル建物の壁面など)に設置することで、負極液8を効率的に充電することができる。循環膜29は、ポリカーボネート樹脂(などを、貼り合せ法、射出成形およびプレス法などの方法で形成することができる。
上述したような循環路を内包するフレキシブルフィルム状の循環膜をRFBシステムの負極タンクに接続し、日射量の大きい建造物(都市ビルなど)の壁面に上記循環路を実装することで、都市空間活用型の再生可能エネルギー利活用システムを提供することができる。
図8は、本発明に係るRFBシステムを用いた太陽光蓄電システム(ビル太陽光蓄電システム)の構成の1例を示す模式図である。RFBシステムの基本構成は図5と同じであるため、説明は省略する。図5と異なる点は、負極タンク10に接続された循環膜29を有している点である。図8に示す構成では、循環膜29が2棟のビル建物31の壁面及び屋上に貼り付けられた例が示されている。このように、RFBシステムの設置容積に制約がある都市空間において、日照条件が良いビル壁面に循環膜29を貼り付けることにより、RFBシステムの容積当たりのエネルギー充電効率を向上することができ、都市空間で効率的な再生可能エネルギー利用が可能になる。
上記構成により、都市ビル空間に照射される太陽光を効率的に蓄電・利用する都市空間活用型の再生可能エネルギー利活用システムを提供することができる。
以上、説明したように、本発明によればエネルギー変換効率および信頼性を従来と同等以上に維持しつつ、システムの小型化を実現することが可能なレドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システムを提供することが可能であることが示された。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1,1´…レドックスフロー電池、2…隔膜、3…正極室、4…負極室、5…正極、6…負極、7…正極液、8…負極液、9…正極液タンク、10…負極液タンク、11a,b…循環ポンプ、12a,b…配管(循環路)、13…制御機構、14…発電機器(再生可能エネルギーを用いた発電機器)、15…負荷、16…遮光機構、20…筐体、29…循環膜、30…建造物(ビル)、90…集光装置、91…レンズ、92…光ファイバ。
Claims (19)
- 正極を有する正極室と、負極を有する負極室と、前記正極室と前記負極室とを仕切る隔膜と、前記正極室および前記負極室に充填された電解液と、前記正極室、前記負極室、前記隔膜および前記電解液を収容する筐体と、を備え、
前記電解液が、光エネルギーによって可逆的に酸化還元反応を起こす活物質を含むことを特徴とするレドックスフロー電池。 - 前記活物質がアントラキノン誘導体、テトラキノン、ペンタキノン、ペンタテトロンまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む混合物であることを特徴とする請求項1記載のレドックスフロー電池。
- さらに、前記電解液が、前記活物質に電子およびプロトンを供給可能な補助剤を含むことを特徴とする請求項1記載のレドックスフロー電池。
- 前記アントラキノン誘導体がアントラキノン‐2‐スルホン酸であることを特徴とする請求項2記載のレドックスフロー電池。
- 前記補助剤が2‐プロパノールであることを特徴とする請求項3記載のレドックスフロー電池。
- 前記電解液が、前記活物質としてアントラキノン‐2‐スルホン酸を、前記補助剤として2‐プロパノールを含み、前記活物質と前記補助剤の容量が1:1の混合比で溶解した水溶液であることを特徴とする請求項3記載のレドックスフロー電池。
- 前記活物質が、前記負極室の前記電解液に含まれることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
- 前記正極が亜鉛であり、前記正極室の電解液に2価の亜鉛イオンが含まれることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
- 前記筐体が、光を透過する材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
- 前記光を透過する材料が、ガラス、ポリカーボネートまたはポリイミドであることを特徴とする請求項9記載のレドックスフロー電池。
- 正極を有する正極室と、負極を有する負極室と、前記正極室と前記負極室とを仕切る隔膜と、前記正極室および前記負極室に充填された電解液と、前記正極室、前記負極室、前記隔膜および前記電解液を収容する筐体と、を備えたレドックスフロー電池と、
前記電解液を前記正極室および前記負極室のそれぞれに循環して供給することが可能な電解液供給装置と、
前記レドックスフロー電池に接続された負荷と、
前記レドックスフロー電池、前記電解液供給装置および前記負荷を制御する制御装置と、を備え、
前記レドックスフロー電池が、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池であることを特徴とするレドックスフロー電池システム。 - 前記電解液供給装置が、前記電解液を収容する電解液槽と、前記電解液槽と前記レドックスフロー電池とを接続する配管と、前記配管に設けられ、前記電解液を前記配管内で循環可能とする循環ポンプと、を備えることを特徴とする請求項11記載のレドックスフロー電池システム。
- 前記電解液槽および前記配管が光を透過する材料で構成されていることを特徴とする請求項12記載のレドックスフロー電池システム。
- 前記光を透過する材料が、ガラス、ポリカーボネートまたはポリイミドであることを特徴とする請求項13記載のレドックスフロー電池システム。
- さらに、前記電解液供給装置に設けられた集光装置を有し、前記集光装置が、光を集光するレンズと、集光された前記光を前記電解液槽に伝送する光ファイバと、を備えることを特徴とする請求項12ないし14の何れか1項に記載のレドックスフロー電池システム。
- さらに、遮光機構を備え、前記レドックスフロー電池が放電する際に、前記遮光機構が前記レドックスフロー電池への前記光エネルギーの供給を遮断可能に構成されていることを特徴とする請求項11記載のレドックスフロー電池システム。
- 前記遮光機構が、機械式の光シャッタまたはエレクトロクロミック素子で構成されていることを特徴とする請求項16記載のレドックスフロー電池システム。
- 前記配管の一部がミアンダ状に配置された循環膜を有することを特徴とすることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池システム。
- 前記レドックスフロー電池システムが、建造物に設けられ、前記光エネルギーの供給源を太陽光とする太陽光蓄電システムであって、
前記循環膜が前記建造物の壁面に配置されていることを特徴とする請求項18記載のレドックスフロー電池システム。
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JP2015173609A JP2017050201A (ja) | 2015-09-03 | 2015-09-03 | レドックスフロー電池およびレドックスフロー電池システム |
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JP2019023955A (ja) * | 2017-07-21 | 2019-02-14 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 正極電解液及びレドックスフロー電池 |
CN109351196A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-02-19 | 东北师范大学 | 基于液流电池技术回收利用电渗析器电能的方法与装置 |
-
2015
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