JP2017048088A - 一次粒子の粒子界面が増大した酸化チタンおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TiO2を構成する一次粒子の粒子界面を増大させ、粒子間で電子移動が起こりやすい状態で凝集した酸化チタン凝集体およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の酸化チタン凝集体は、一次粒子の粒径が20〜50nmである粒子界面が増大した酸化チタンの凝集体であって、前記凝集体の動的光散乱法(DLS)による平均粒径が500〜800nmであることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、一次粒子の粒子界面が増大した酸化チタンおよびその製造方法に関する。
従来、光触媒材料として酸化チタン(TiO)が知られており、TiOは、その半導体物性とともに化学的に長期間安定であること、毒性が無視し得るほど低いこと、低価格であることなどと相俟って、環境浄化のみならず水の分解、色素増感太陽電池などへの応用が期待されている。そのため、近年、より高性能なTiO粒子の合成に関する研究が盛んに行われている。
現在一般に入手可能なTiOの中で、P25(日本アエロジル社)は、高い光触媒活性を示す代表的な材料として知られており、光触媒の研究においてしばしば比較のための基準試料として使用されている。P25は、アナターゼ型、ルチル型およびアモルファスのTiOから構成されており、アナターゼ型とルチル型の凝集粒子中(粒子界面)での粒子間電子移動が一因となって高い光触媒活性がもたらされることが報告されている(非特許文献1)。従って、新規なTiO粒子の合成にあたっては、粒子間電子移動による電荷分離を促進することが設計指針の一つであると考えられる。
例えば、非特許文献2では、単結晶様TiOメソクリスタルを用いた色素増感太陽電池が優れた電子移動度を示すことが記載されている。また、非特許文献3では、TiOメソクリスタルが、従来のTiOと比較して優れた電荷分離効率を示すことが記載されている。
D. C. Hurum et al., J. Phys. Chem. B 107, 4545-4549 (2003). E. J. W. Crossland et al., Nature 495, 215-219 (2013). Z. Bian et al., J. Phys. Chem. Lett. 3, 1422-1427 (2012). R. I. Bickley et al., J. Solid State Chem. 92, 178-190 (1991). T. Sasaki & M. Watanabe, J. Phys. Chem. B 101, 10159-10161 (1997). Y. Ide & M. Ogawa, Chem. Commun. 1262-1263 (2003). R. E. Morris et al., Nature Chem. 7, 381-388 (2015).
しかしながら、上記のようなこれまでの様々な改良の試みにも関わらず、P25TiOよりも高い光触媒活性を示す新規材料の合成は困難であった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、TiOを構成する一次粒子の粒子界面を増大させ、粒子間で電子移動が起こりやすい状態で凝集した酸化チタン凝集体およびその製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者等は、アナターゼ型やルチル型は安定であるが、より不安定なアモルファス成分は溶解・再析出する条件で水熱処理することを想到した。すなわち、本発明者等は、P25を構成するTiO粒子のうち、アナターゼ型、ルチル型に比べて安定性の低いアモルファス成分を選択的に結晶へと転換させ、これをバインダーとして機能させて元々のアナターゼ型、ルチル型粒子をさらに連結させて粒子界面を増大させることによって、TiO粒子が粒子間での電子移動が起こりやすい状態で凝集体を形成し、この凝集体において粒子間電子移動による電荷分離をさらに促進することができることを見出した。
これらの新規な知見に基づき、本発明者等は、さらに研究を重ね、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
(1)一次粒子の粒径が20〜50nmである粒子界面が増大した酸化チタンの凝集体であって、前記凝集体の動的光散乱法(DLS)による平均粒径が500〜800nmであることを特徴とする酸化チタン凝集体。
(2)ESRスペクトルにより測定される酸化チタン中のTi3+量が、4.6×1017〜6.7×1017個/gであることを特徴とする(1)の酸化チタン凝集体。
(3)(1)または(2)の酸化チタン凝集体からなることを特徴とする光触媒。
(4)一次粒子の粒子界面が増大した酸化チタンの凝集体の製造方法であって、原料のTiOと、TPAH、HOおよびNHFとを、反応容器中で、モル比でTiO:TPAH:HO:NHF=1:0.8:5:0.2となるように混合し、得られた混合物を170℃で加熱して所定時間保持し、得られた固体を水で洗浄して乾燥することを特徴とする酸化チタン凝集体の製造方法。
本発明によれば、TiOを構成する一次粒子の粒子界面を増大させ、粒子間で電子移動が起こりやすい状態で凝集した酸化チタン凝集体およびその製造方法が提供される。
実施例1で用いた原料のP25(a)および生成物のHyd−P25(b)のSEM観察結果を示す画像である。 P25(a)およびHyd−P25(b)のTEM観察結果を示す画像である。 TEM画像から測定したP25およびHyd−P25の粒度分布を示すグラフである。 DLS分析によって測定したP25およびHyd−P25の粒度分布を示すグラフである。 P25およびHyd−P25の窒素吸脱着等温線を示すグラフである。 P25(a)およびHyd−P25(b)の高解像度TEM(HRTEM)観察結果を示す画像である。 P25およびHyd−P25のXRD分析の結果を示すXRDチャートである。 参考例で回収した溶出物について測定したUV−vis吸収スペクトルである。 Hyd−AnRuAm、および原料のアナターゼ型、ルチル型、AnRuAmについて、DLS分析によって測定した粒度分布を示すグラフである。 Hyd−AnRuAmのTEM観察結果を示す画像である。 Hyd−AnRuAmの高解像度TEM(HRTEM)観察結果を示す画像である。右上に示す画像は、四角で囲まれた部分の拡大画像である。 実施例1で得られたHyd−P25および原料のP25のESRスペクトル(a)、およびこのESRスペクトルから決定されたTi3+およびO の収量(b)である。 Hyd−P25およびP25のUV−vis吸収スペクトルである。 Hyd−P25(四角印)およびP25(丸印)の、水中の酢酸のCOへの酸化分解反応試験の結果を示すグラフである。 Hyd−P25(四角印)およびP25(丸印)の、メチレンブルーの分解(退色)試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明に係る一次粒子の粒子界面が増大した酸化チタンが凝集して形成される酸化チタン凝集体(以下、単に「本発明の酸化チタン凝集体」ともいう。)は、アモルファスTiOを実質的に含まず、また、一次粒子がより多く連結した巨大な凝集粒子であるという特徴を有する。
本発明の酸化チタン凝集体において、「アモルファスTiOを実質的に含まない」とは、アモルファスTiOを全く含まないことを指すのではなく、アモルファスTiOを含んでいても本発明の作用効果を奏するような酸化チタン凝集体であることを意味するものとする。すなわち、本発明の酸化チタン凝集体は、従来のTiO材料に比べて、アナターゼ型とルチル型の粒子が多く連結されていることにより、光触媒特性が向上された巨大な凝集粒子であり、当該凝集粒子のTEM観察において、不定形状のアモルファス粒子がほとんど確認されず、光触媒特性の向上の妨げにならない程度にしかアモルファス粒子を含まない凝集粒子である。
本発明の酸化チタン凝集体は、一次粒子の粒径が20〜50nmの範囲内であることが望ましい。また、本発明の酸化チタン凝集体は、粒子界面が増大した一次粒子が凝集して凝集体を形成しており、この凝集体の平均粒径が500〜800nmの範囲内であることが望ましい。
一次粒子の粒径が上記の範囲内であることにより、粒子の比表面積値が高くなり、反応対象物質との接触面積が増加することで、光触媒活性の向上が期待される。酸化チタン凝集体における一次粒子の粒径の測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により、一枚の視野の中に含まれる粒子の個数が少なくとも数十個以上となるように撮影倍率を調整して得た複数枚の画像を用いて観察した際の結晶粒子計100個以上の円形近似による平均値で定義することができる。
また、凝集体の平均粒径が上記の範囲内であることにより、粒子間の電子移動が起こりやすくなり、電荷分離が促進されることで、光触媒活性の向上が期待される。酸化チタン凝集体の平均粒径の測定方法としては、例えば、動的光散乱法(DLS)によって測定される累積50%粒度分布径(D50)で定義することができる。
さらに、本発明の酸化チタン凝集体は、TiO粒子中のTi3+量が4.6×1017〜6.7×1017個/gであることが望ましい。TiO粒子中のTi3+量が上記の範囲内であることにより、粒子間の電子移動がより起こりやすくなり、電荷分離が促進されることで、光触媒活性のさらなる向上が期待される。酸化チタン凝集体におけるTiO粒子中のTi3+量は、電子スピン共鳴(ESR)分析を用いて、Ti3+の収量をモニタリングすることで定義することができる。より具体的には、例えば、光源として、USHIO Optical Modulex SX−UI 501XQ(500Wキセノンランプ:UXL−500SX)を使用し、均一平行光を水フィルターと330nmよりも短波長カット用のガラスフィルターを通して、TiO試料に照射する。キセノンランプ点灯時の電流値は15Aで、ランプハウスに付属の平行光照射レンズ口からTiO試料までの距離は23cmとする。以上の測定条件においては、白色光(約330nm<λ<約1000nm)で、約600mWcm−2の光強度となる。このようにして測定したESRスペクトルを用いて試料中のTi3+の収量を定義することができる。
本発明の酸化チタン凝集体は、アナターゼ型およびルチル型粒子が、多数の密な粒子界面を介して相互に接続されており、ルチル型からアナターゼ型(あるいはアナターゼ型からルチル型)への電子移動による電荷分離が促進されるため、従来のTiO材料に比べて、優れた光触媒活性を有している。酸化チタン凝集体の光触媒活性は、例えば、水に溶けた有機物の分解反応試験(JIS R 1703-2 湿式分解性能試験、およびこれに準拠した試験)など、一般に公知の各種の試験方法によって測定することができる。
本発明の酸化チタン凝集体は、原料のTiOを水熱処理することによって得ることができる。より具体的には、まず、原料のTiOと、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、水(HO)およびフッ化アンモンニウム(NHF)とを、反応容器中で混合する。混合割合は、例えば、P25を原料とする場合には、モル比でTiO:TPAH:HO:NHF=1:0.8:5:0.2とすることが望ましい。次いで、得られた混合物を所定温度で加熱して所定時間保持する。例えば、P25を原料とする場合には、170℃に加熱して約1週間保持する。次いで、得られた固体を水で繰り返し洗浄後、室温(25℃)〜70℃で乾燥し、生成物を得る。
これにより、原料のTiOに含まれるアモルファス成分が選択的に溶解・再析出し、アナターゼ型およびルチル型へと再結晶化して、元々含まれるアナターゼ型およびルチル型粒子のバインダーとして機能して、アナターゼ型とルチル型粒子との粒子界面が増大した巨大な凝集体が形成される。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(酸化チタン凝集体の作製)
市販のTiOであるP25(日本アエロジル社製)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、HOおよびフッ化アンモンニウム(NHF)を、テフロン(登録商標)で裏打ちしたステンレス鋼製オートクレーブ中で、モル比でP25:TPAH:HO:NHF=1:0.8:5:0.2となるように混合し、この混合物を、170℃(443K)に加熱して1週間保持した。得られた固体を水で繰り返し洗浄後、70℃で乾燥し、生成物(Hyd−P25)を得た。
(酸化チタン凝集体の構造分析・測定)
得られた生成物(Hyd−P25)および原料のP25について、以下に示すとおりの各種の分析・測定を行った。
示差熱・熱重量分析(TG−DTA分析):熱分析装置(Rigaku Thermo Plus TG8120)を用いて大気中で行った。
エネルギー分散型X線分析:走査型電子顕微鏡(Hitachi S−4800)に付随のエネルギー分散型X線分析装置を用いて行った。
組成分析、形状および構造観察:走査型電子顕微鏡(JEOL JSM−7001F SEM)および透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−2100F TEM)を用いて行った。
DLS分析:動的光散乱装置(Horiba LB−550)を用いて行った。測定にあたっては、試料粉末を水中で超音波処理して懸濁させた。
窒素吸脱着等温線:比表面積・細孔分布測定装置(MicrotrakBEL BELSORP−mini II)を用いて、77Kでの窒素吸着を測定した。
XRD分析:X線回折装置(Rigaku RADIB)を用いて、内部標準法により行った。内部標準試料としては酸化アルミニウム(Al)を用いた。
UV−visスペクトル測定:分光光度計(Shimadzu UVB−3100PC)を用いて行った。
TG−DTA分析およびエネルギー分散型X線分析の結果、Hyd−P25には、有機化合物およびフッ素のいずれもほとんど含まれず、無視し得るほどの量であることが確認された。
図1は、原料のP25(a)およびHyd−P25(b)のSEM観察結果を示す画像である。図2は、P25(a)およびHyd−P25(b)のTEM観察結果を示す画像であり、図3は、TEM画像から測定したP25およびHyd−P25の粒度分布を示すグラフである。図4は、DLS分析によって測定したP25およびHyd−P25の粒度分布を示すグラフである。
図1〜3から理解されるように、SEMおよびTEM観察の結果、Hyd−P25の一次粒子の形状および粒径は、原料のP25とほぼ同じであった。一方、図4から理解されるように、DLS分析によって決定されたHyd−P25の凝集体の平均粒径は、約500〜600nmであり、原料のP25の平均粒径(200〜300nm)よりも有意に大きかった。
P25に関して観察された約200〜300nmの粒径を有する凝集粒子は、アナターゼ型粒子とルチル型粒子とが相互に連結して凝集体を形成したものであるとされている(非特許文献4)。従って、Hyd−P25は、アナターゼ型粒子とルチル型粒子とがより大規模に凝集して形成されたものであることが示唆された。
また、図2において矢印で示すように、TEM観察の結果から、Hyd−P25は、P25よりも、一次粒子間に多数の粒子界面(inter-particle contacts)を有していることが確認された。
図5は、P25およびHyd−P25の窒素吸脱着等温線を示すグラフである。図5に示す窒素吸脱着等温線から決定したHyd−P25の比表面積(SBET)は37m−1であり、P25の比表面積(SBET=50m−1)よりも小さかった。このことからも、Hyd−P25がP25よりも大きい凝集体であることが示唆された。
図6は、P25(a)およびHyd−P25(b)の高解像度TEM(HRTEM)観察結果を示す画像である。図6から理解されるように、P25では典型的にアモルファスTiO粒子が観察されたが、Hyd−P25では、アモルファスTiO粒子はほとんど観察されなかった。また、図6(b)から理解されるように、Hyd−P25では、結晶性の酸化チタン一次粒子間に、結晶性TiOの薄層が存在している。一方、図6(a)に示すP25では、このような薄層は確認されなかった。
図7は、P25およびHyd−P25のXRD分析の結果を示すXRDチャートである。なお、図7において、アスタリスク記号で示したピークは、内部標準試料として用いた酸化アルミニウム(Al)に起因するものである。図7から理解されるように、Hyd−P25は、結晶相として、アナターゼ型およびルチル型のみを含んでいることが確認された。また、Hyd−P25の回折チャートにおいて、アナターゼ型(A)およびルチル型(R)に相当する回折ピーク強度(ピークトップを実線の補助線で示す)は、P25におけるピーク強度(ピークトップを破線の補助線で示す)よりも大きかった。なお、上記の作製条件のようなアルカリ条件下では、アナターゼ型およびルチル型のいずれも分解し難いことに留意されたい。
これらの結果は、原料のP25に存在するアモルファスTiO粒子が選択的にアナターゼ型およびルチル型粒子へ転換し、これが元々ある程度接合していたアナターゼ型およびルチル型の粒子をより結合させてより大きく凝集した粒子形状を形成することを示唆している。新たに生成されたアナターゼ型およびルチル型の粒子の粒径は、図6に示すように、原料のP25での粒径より小さくなっていると考えられる。一方、P25での粒径とほぼ同じ粒径のアナターゼ型、ルチル型粒子が生成した可能性は除外できない。
なお、従来、市販のP25のパッケージにおいては、TiOの組成(アナターゼ型、ルチル型、アモルファスのTiOの割合)にばらつきがあり、同一のパッケージから取り出した粉末であっても、取り出し箇所によっては、しばしばアモルファス相が含まれていない場合があることが知られている。本実施例では、同一のパッケージの様々な場所からP25を取り出し、同一の条件で水熱処理を行うことにより、Hyd−P25が再現性よく得られ、かつ合成、物性、および後述する光触媒性能の観点において、同様の結果が得られることを確認した。このことから、本発明の水熱処理条件下では、原料のP25に含まれるアモルファスTiO成分に加えて、より結晶性の低い(欠陥が多い、もしくは安定性の低い)アナターゼ型およびルチル型成分もアモルファスTiO成分と同様に選択的に溶解されると考えられる。
<比較例1〜3>
本発明の酸化チタン凝集体(Hyd−P25)の形成メカニズムを理解するために、コントロール実験を行った。具体的には、実施例1で示した作製条件のうち、NHFを用いない条件(比較例1)、TPAHを用いない条件(比較例2)、およびTPAHとNHFの両方を用いない条件(比較例3)で、P25の水熱処理を行って、生成物を得た。
比較例1〜3で得られた生成物について、DLS分析によって測定した粒径、およびXRD回折パターンは、原料のP25と相違していなかった。
これらの結果から、原料のP25に含まれるアモルファスTiOは、TPAHのアルカリ溶液中に溶解し、NHFが鉱化剤として作用して、アナターゼ型およびルチル型へと再結晶化したと考えられる。
<参考例>
さらに、本発明の酸化チタン凝集体(Hyd−P25)の形成メカニズムをより詳細に理解するために、市販のアナターゼ型酸化チタン(JRC TIO−1、触媒学会参照触媒酸化チタン)、ルチル型酸化チタン(JRC TIO−6、触媒学会参照触媒酸化チタン)、およびアモルファス酸化チタン(和光純薬工業社製)を用いて、実施例1と同様の条件下で、水熱処理試験を行った。
まず、アモルファス酸化チタンのみを、実施例1と同様の条件下で水熱処理した。その後、得られた固体を水で繰り返し洗浄して生成物を得、溶出物を回収した。
得られた生成物のXRD分析の結果、原料のアモルファス酸化チタンから、アナターゼ型およびルチル型粒子が形成されることが確認された。
また、回収した溶出物は、UV−vis吸収スペクトル測定において、260nm付近に吸収ピークを有していた(図8)。なお、同様の吸収ピークは、剥離した層状チタン酸(チタン酸ナノシート)のコロイド状懸濁液のUV−vis吸収スペクトル測定でも観察されており、ナノシートの分子レベルの厚さによって説明されている(非特許文献5、6)。従って、溶出物には、アモルファス酸化チタンが完全に溶解することで生成されるTi4+イオンではなく、アモルファス酸化チタンが溶解したことに由来する分子サイズのチタニア種が含まれており、このチタニア種は、最終生成物であるアナターゼ型およびルチル型粒子へ再結晶化した後の残余物であることが示唆された。
次いで、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンおよびアモルファス酸化チタンの物理的混合物(質量比でアナターゼ型:ルチル型:アモルファス=73:14:13)を、実施例1と同様の条件下で水熱処理し、生成物(Hyd−AnRuAm)を得た。
Hyd−AnRuAmの粒径は、原料のアナターゼ型粒子およびルチル型粒子の粒径(各々の粒子の凝集体の粒径)よりも大きかった。一方、水熱処理前の未処理の物理的混合物(以下、「AnRuAm」ともいう。)の粒径は、図9に示すDLS分析から明らかなように、主成分であるアナターゼ型粒子の粒径とほぼ同じであった。
また、TEM観察の結果、Hyd−AnRuAmは、アナターゼ型およびルチル型粒子で構成されており、アモルファス酸化チタン粒子は含まなかった。また、これらの粒子の形状および粒径は、アナターゼ型が約20nmの粒径を有する板状であり、ルチル型が約40nmの粒径を有する細長い板状であり、それぞれ、原料のアナターゼ型一次粒子およびルチル型一次粒子と類似していた(図10)。
さらに、HRTEM観察の結果から、Hyd−AnRuAmは、実施例1のHyd−P25について確認されたのと同様に、アナターゼ型およびルチル型粒子が密に接触しており、所々でより小さい粒径の酸化チタン結晶によって結合されていることが確認された(図11)。なお、図11において右上に示す画像は、四角で囲まれた部分の拡大画像である。
これらの結果は、P25においても、水熱処理によってアモルファスTiO成分が溶解してチタニア種を生成し、これが再結晶化したTiO粒子が元々凝集していたアナターゼ型およびルチル型粒子をさらに結合してより巨大な凝集体(Hyd−P25)を形成することを示している。
また、これらの結果から、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンおよびアモルファス酸化チタンを任意の割合で混合した物理的混合物を用いて、所定の条件で水熱処理を行うことによって、アナターゼ型およびルチル型粒子がより大きく凝集した凝集体を形成することができることが確認された。
(酸化チタン凝集体の構造解析)
次に、実施例1で得られたHyd−P25および原料のP25について、Xバンド電子スピン共鳴装置(JEOL JES RE−1X)を用いて、ESR分析を行った。外部標準試料としてはMn2+/MgOマーカーを用いた。
一般に、P25に関して、相互に連結したルチル型およびアナターゼ型粒子間において、ルチル型粒子で生成した電子が電子移動を介してアナターゼ型の格子電子トラップサイトに補捉され(あるいは逆の場合も同様にして)、このような粒子間電子移動による電荷分離がP25の高い光触媒活性の一因であると考えられている(非特許文献7)。
本実施例では、電子スピン共鳴(ESR)分析を用いて、ラジカル種(例えば、捕捉電子)の収量をモニタリングすることによって、Hyd−P25およびP25の光励起電荷分離効率を測定し、比較した。
まず、TiO試料粉末(10mg)をSuprasil ESRチューブ(外径 5mm)内に置き、423Kで1時間真空排気した後、室温まで冷却した。次いで、酸素ガス(20Torr)をチューブ内に導入し、10分間維持した。この試料に、室温で500Wキセノンランプを用いてλ>330nmで5分間光照射した。次いで、サンプルを10分間真空排気して余剰な酸素ガスを除去した後、77KでESR測定に供した。
図12は、Hyd−P25および原料のP25のESRスペクトル(a)、およびこのESRスペクトルから決定されたTi3+およびO の収量(b)である。図12から理解されるように、電子アクセプターとして分子状酸素の存在下でUV光(λ>330nm)を照射すると、Hyd−P25は、P25と比較して、光励起電子を捕捉して形成されるTi3+をより多く生成した。
また、g値から判断するに、Hyd−P25に関して、アナターゼ型において2種類のTi3+が形成されていると考えられる。一方は、表面電子トラップサイト(g^=1.980)であり、他方は、格子電子トラップサイト(g^=1.990)である。Hyd−P25において、格子電子トラップサイトよりも表面電子トラップサイトに捕捉されたTi3+の量がとりわけ多いことは、粒子界面の数の顕著な増加が、Hyd−P25において電子を捕捉するための重要な役割を果たしていることを示唆している。一方で、Hyd−P25に関して、アナターゼ表面で光励起された電子によって分子状酸素が還元されて形成されるスーパーオキシドアニオン(O )の収量は、P25での結果とほぼ同等であった。
これらの結果は、光照射によって生成した電子が、ルチル型からアナターゼ型へ特異的に界面電子移動することに加えて、水熱処理後に新しく生じたアナターゼ型粒子に優先的に捕捉されることを示している。
このような理由によって、光照射によって生成した電子および正孔は、P25よりもHyd−P25において、より効率的に分離されると考えられる。
なお、図13に示すように、Hyd−P25のUV−visスペクトルが、P25のUV−visスペクトルとほぼ同一であることに留意されたい。このことは、Hyd−P25およびP25の2つのTiOにおいて、ラジカル種の収量、さらには光触媒活性にも影響するアナターゼ型とルチル型の割合がほぼ同一であることを示唆している。
従って、Hyd−P25に関して上述した電荷分離効率の向上は、多数の密な粒子界面を有して相互に接続されたアナターゼ型およびルチル型粒子間での電子移動がより効率的に行われることによってもたらされたものであると結論付けることができる。
(酸化チタン凝集体の光触媒特性)
次に、実施例1で得られたHyd−P25および原料のP25について、光触媒特性の評価を行った。
1.水中の酢酸のCOへの酸化分解反応試験
分子状酸素により飽和させた酢酸水溶液(5vol%、5mL)を、Pyrex(登録商標)ガラス窓を備えたステンレス鋼製容器(75mL)中で、TiO試料(15mg)と超音波処理して1分間混合した。この懸濁液を撹拌しながら、ソーラーシミュレータ(San−ei Electric XES−155S1、λ>300nm)を用いて、擬似太陽光全光(λ>300nm)を約1Sun(1000Wm−2)パワーで照射した。ヘッドスペースに含まれるCOを、BID検出器を備えたガスクロマトグラフ(Shimadzu GC−2010 plus)によって定量した。なお、この条件下では酢酸吸着は無視できる。
図14は、Hyd−P25(四角印)およびP25(丸印)の、酢酸の酸化分解反応試験結果を示すグラフである。図14から理解されるように、Hyd−P25(四角印)は、従来最も優れた光触媒活性を示す材料のひとつとされているP25(丸印)と比較して、約5倍以上のCOへの分解活性を示した。
2.メチレンブルーの分解(退色)試験
次に、有機色素としてメチレンブルーを用いて、光触媒反応による分解(退色)試験を行った。
メチレンブルーの水溶液(0.05ppm、40mL)およびTiO試料(30mg)を含む懸濁液を、Pyrex(登録商標)ガラス製容器(50mL)中に入れ、撹拌しながらソーラーシミュレータを用いて1Sunパワーの擬似太陽光全光(λ>300nm)を照射した。UV−vis分光光度計を用いて664nmでのメチレンブルー溶液の吸光度の変化をモニタリングすることによって、メチレンブルーの光分解を評価した。
図15は、Hyd−P25(四角印)およびP25(丸印)の、メチレンブルーの分解(退色)試験結果を示すグラフである。図15から理解されるように、Hyd−P25(四角印)では、40分後にメチレンブルーの光分解反応が終了した。一方、P25(丸印)では、同じ条件下で反応が終了するまでに2時間近くを要した。すなわち、Hyd−P25は、従来最も優れた光触媒活性を示す材料のひとつとされているP25と比較して、メチレンブルーの分解(退色)に関して約3倍高い活性を示した。このことは、メチレンブルーなどの有機色素の光分解反応において、Hyd−P25が、P25よりも顕著に優れた活性を有することを示している。
このように、本発明により、従来のTiOよりも一次粒子の粒子界面が増大した酸化チタンの凝集体であって、優れた光触媒機能を有する新規な酸化チタン光触媒材料が提供される。また、この酸化チタン凝集体は、原料のTiOを所定の条件下で水熱処理することによって得ることができる。例えば、これまで最も高い光触媒機能を有する市販の酸化チタンのひとつとして知られているP25を原料として用いることで、P25よりもはるかに高い光触媒活性を示す酸化チタン凝集体を得ることができる。

Claims (4)

  1. 一次粒子の粒径が20〜50nmである粒子界面が増大した酸化チタンの凝集体であって、前記凝集体の動的光散乱法(DLS)による平均粒径が500〜800nmであることを特徴とする酸化チタン凝集体。
  2. ESRスペクトルにより測定される酸化チタン中のTi3+量が、4.6×1017〜6.7×1017個/gであることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン凝集体。
  3. 請求項1または2の記載の酸化チタン凝集体からなることを特徴とする光触媒。
  4. 一次粒子の粒子界面が増大した酸化チタンの凝集体の製造方法であって、原料のTiOと、TPAH、HOおよびNHFとを、反応容器中で、モル比でTiO:TPAH:HO:NHF=1:0.8:5:0.2となるように混合し、得られた混合物を170℃で加熱して所定時間保持し、得られた固体を水で洗浄して乾燥することを特徴とする酸化チタン凝集体の製造方法。
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