(実施形態1)
以下では、本実施形態の発光素子点灯装置10およびそれを備えた発光モジュール20を、図1ないし図8に基づいて説明する。本実施形態に係る照明器具30は、図9に基づいて説明する。図中においては、同じ部材に対し、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態を構成する各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
本実施形態の発光素子点灯装置10は、図1に示すように、電流制御部1と、電圧検出部2と、を備えている。電流制御部1は、発光素子21へ流す電流を制御する。発光素子21は、経時劣化により抵抗が増加する性質を有している。電圧検出部2は、発光素子21の両端に印加される両端電圧を検出する。電流制御部1は、図2に示すように、電圧検出部2で検出した検出電圧値が予め定めた第1設定電圧値V1より大きい場合、第1設定電圧値V1と第2設定電圧値V2との間において、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくする。第2設定電圧値V2は、第1設定電圧値V1よりも大きい。
本実施形態の発光素子点灯装置10は、第1設定電圧値V1と第2設定電圧値V2との間において、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくすることで、発光素子21の輝度低下を抑制することが可能となる。本実施形態の発光素子点灯装置10では、発光素子21に印加する電圧が定格電圧値VXを越えた場合に寿命が短くなるだけで、直ちに壊れるのではない、という点に注目し、発光素子21に印加する電圧を所定の第2設定電圧値V2を別途に設定している。
以下では、本実施形態に係る発光モジュール20について説明する。発光モジュール20は、図1に示すように、発光素子点灯装置10と、発光素子21と、を備えている。
発光素子点灯装置10は、電流制御部1と電圧検出部2とに加え、駆動電源部3を備えている。電流制御部1は、給電回路部1aと、制御回路部1bと、電流検出部1cと、を備えている。電圧検出部2は、分圧回路部2aと、電流指令回路部2bと、を備えている。駆動電源部3は、電流制御部1や電圧検出部2を構成する内部回路に駆動電圧Vccを印加できるように構成されている。
駆動電源部3は、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、ツェナーダイオードZD1と、を備えている。駆動電源部3は、第1抵抗R1と第2抵抗R2との直列回路の両端間に、電源ユニット22が接続される。電源ユニット22は、たとえば、外部の商用交流電源25からの電力を整流平滑して得られた直流電力が出力できるように構成されている。電源ユニット22は、たとえば、交流電力を整流する整流回路と、整流回路からの出力を平滑する平滑コンデンサと、所望の電圧に変換するチョッパ回路などを含む力率改善回路などを含んだ構成とすることができる。駆動電源部3は、第1抵抗R1と第2抵抗R2との直列回路により、電源ユニット22から供給される直流電圧を分圧できるように構成されている。駆動電源部3は、ツェナーダイオードZD1に逆電圧をかけて駆動電圧Vccを安定して生成できるように、第2抵抗R2とツェナーダイオードZD1とを電気的に並列に接続させている。
電流制御部1では、給電回路部1aは、発光素子21に流れる電流を生成できるように構成されている。制御回路部1bは、PWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、生成したPWM信号に基づいて給電回路部1aを制御できるように構成されている。電流検出部1cは、発光素子21に流れる電流を検出できるように構成されている。
給電回路部1aは、PWM信号に基づいて動作する降圧チョッパ回路を構成している。給電回路部1aは、発光素子21へ定電流を供給できるように構成されている。給電回路部1aは、第1コンデンサC1と、第1スイッチング素子Q1と、駆動回路1fと、回生用ダイオードD1とリアクタンスL1との直列回路と、第2コンデンサC2と、を有している。第1コンデンサC1の両端には、電源ユニット22を介して、外部の商用交流電源25が電気的に接続される。第1コンデンサC1には、電解コンデンサを用いることができる。第1コンデンサC1は、電源ユニット22を介して、商用交流電源25が接続される構成だけに限られず、各種の蓄電池、もしくは外部の直流給電システムからの直流電力が供給されるように構成されていてもよい。
給電回路部1aでは、第1コンデンサC1の高電位側と、回生用ダイオードD1とリアクタンスL1の接続点との間には、第1スイッチング素子Q1が電気的に接続されている。第1スイッチング素子Q1は、たとえば、nチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いることができる。スイッチング素子Q1は、ドレイン電極と第1コンデンサC1の高電位側とが電気的に接続され、ソース電極と回生用ダイオードD1のアノード電極側とが電気的に接続されている。回生用ダイオードD1とリアクタンスL1との直列回路の両端間には、第2コンデンサC2が電気的に接続されている。第2コンデンサC2の両端間には、発光素子21が電気的に接続される。
駆動回路1fは、第1スイッチング素子Q1のゲート電極と電気的に接続されている。駆動回路1fは、制御回路部1bからのPWM信号に応じた高周波の駆動信号をスイッチグ素子Q1に出力する。駆動回路1fは、駆動信号により、第1スイッチング素子Q1のオンとオフとの切り替えを制御することができる。給電回路部1aは、第1スイッチング素子Q1が駆動信号に基づいてスイッチング動作することで、第1コンデンサC1に蓄積された直流電力を発光素子21に必要な電力に変換することができる。
給電回路部1aは、発光素子21の点灯を維持する電圧を発光素子21に印加できればよい。給電回路部1aは、発光素子21の構成などにもよるが、たとえば、24Vで一定の直流電圧を印加できるように構成することができる。給電回路部1aは、たとえば、発光素子21として、点灯に5Vから10V程度の電圧が必要な有機EL素子を用いる場合、直流電圧として12Vが印加できるように構成すればよい。給電回路部1aは、5Vから10V程度の電圧が必要な有機EL素子の10個を電気的に直列接続させて発光素子21を構成する場合、50Vから100V程度の電圧が印加できればよい。
制御回路部1bは、第1コンパレータOP1と、第2コンパレータOP2と、を有している。制御回路部1bは、さらに、第2スイッチング素子Q2ないし第4スイッチング素子Q4の3個のスイッチング素子と、第3コンデンサC3ないし第5コンデンサC5の3個のコンデンサと、第6抵抗R6ないし第14抵抗R14の9個の抵抗と、を有している。第2スイッチング素子Q2ないし第4スイッチング素子Q4の3個のスイッチング素子は、nチャネルMOSFETを用いることができる。
第1コンパレータOP1と第2コンパレータOP2とは、たとえば、1パッケージに2個のオペアンプを内蔵したIC(Integrated Circuit)などで構成することができる。第1コンパレータOP1および第2コンパレータOP2は、たとえば、駆動電源部3から駆動電圧Vccが供給される。第2コンパレータOP2は、PWM信号を駆動回路1fに出力できるように構成されている。第2コンパレータOP2の非反転入力端子には、第1コンパレータOP1の出力が入力される。図1では、非反転入力端子を+、反転入力端子を−で示している。第1コンパレータOP1は、PWM信号のデューティ比を定める所定の電圧を、第2コンパレータOP2に出力できるように構成されている。
第2コンパレータOP2の反転入力端子は、第4コンデンサC4と第14抵抗R14との接続点に電気的に接続されている。第4コンデンサC4と第14抵抗R14との直列回路は、第14抵抗R14側に駆動電圧Vccが印加され、第4コンデンサC4側が基準電位となるように構成されている。第4コンデンサC4と第14抵抗R14との接続点と、第2コンパレータOP2の反転入力端子との間には、第4スイッチング素子Q4のドレイン電極が接続されている。第4スイッチング素子Q4は、ゲート電極が電流指令回路部2bと電気的に接続され、ソース電極が基準電位となるように接地されている。
第1コンパレータOP1の反転入力端子と、第1コンパレータOP1の出力端子との間には、第11抵抗R11が接続されている。第1コンパレータOP1の反転入力端子と、第6抵抗R6と第3コンデンサC3との接続点との間には、第10抵抗R10が電気的に接続されている。第6抵抗R6と第3コンデンサC3との直列回路は、第6抵抗R6側が電流検出部1cの第3抵抗R3と電気的に接続され、第3コンデンサC3側が基準電位となるように接地されている。第3抵抗R3は、第2コンデンサC2の一端と発光素子21の一端との間に電気的に接続されており、発光素子21に流れる電流を検出する検出抵抗として機能する。第1コンパレータOP1の反転入力端子には、第3抵抗R3によって生成された発光素子21に流れる電流に比例する電流検出電圧が入力される。
第7抵抗R7と第8抵抗R8と第9抵抗R9との直列回路における第7抵抗R7と第8抵抗R8との接続点と、第1コンパレータOP1の非反転入力端子との間には、第12抵抗R12が電気的に接続されている。第12抵抗R12と第1コンパレータOP1の非反転入力端子との間には、第13抵抗R13の一端が電気的に接続されている。第13抵抗R13の他端は、基準電位となるように接地されている。第7抵抗R7と第8抵抗R8と第9抵抗R9との直列回路は、第7抵抗R7側に駆動電圧Vccが印加され、第9抵抗R9側が基準電位となるように接地されている。第7抵抗R7と第8抵抗R8と第9抵抗R9との直列回路は、第7抵抗R7と第8抵抗R8との間に、第5コンデンサC5の一端が電気的に接続されている。第5コンデンサC5の他端は、基準電位となるように接地されている。
第7抵抗R7と第8抵抗R8と第9抵抗R9との直列回路は、第7抵抗R7と第8抵抗R8との間に、第3スイッチング素子Q3のドレイン電極が電気的に接続されている。第3スイッチング素子Q3は、ソース電極が基準電位となるように接地され、ゲート電極が電流指令回路部2bと接続されている。
第7抵抗R7と第8抵抗R8と第9抵抗R9との直列回路は、第8抵抗R8と第9抵抗R9との接続点に、第2スイッチング素子Q2のドレイン電極が電気的に接続されている。言い換えれば、第2スイッチング素子Q2は、直列接続された第8抵抗R8と第9抵抗R9とで構成される分圧回路の中点に接続されている。第2スイッチング素子Q2は、ソース電極が基準電位となるように接地され、ゲート電極が電流指令回路部2bと接続されている。
電圧検出部2では、分圧回路部2aは、第4抵抗R4と第5抵抗R5とが直列接続された構成としている。分圧回路部2aは、第2コンデンサC2の両端に電気的に接続されている。電流指令回路部2bは、A/D変換部2cと、記憶部2dと、タイマ部2eと、演算部2fと、を有している。電流指令回路部2bは、A/D変換機能やフラッシュメモリを備えた8ビットのマイクロコンピュータを用いて構成することができる。以下では、マイクロコンピュータをマイコンと称する。マイコンは、たとえば、マイクロチップ社製PIC12F675を用いることができる。
マイコンの1番ピンは、電源端子であり、駆動電源部3と電気的に接続されている。言い換えれば、マイコンには、駆動電源部3によって生成された駆動電圧Vccが1番ピンに入力される。マイコンは、2番ピンないし4番ピンが電流指令信号の出力端子を構成している。マイコンの2番ピン、3番ピンおよび4番ピンは、2値での出力ができるように設定されている。マイコンの2番ピンは、第4スイッチング素子Q4のゲート電極と電気的に接続されている。マイコンの3番ピンは、第3スイッチング素子Q3のゲート電極と電気的に接続されている。マイコンの4番ピンは、第2スイッチング素子Q2のゲート電極と電気的に接続されている。
マイコンでは、分圧回路部2aから、発光素子21に印加されている電圧の分圧値が7番ピンに入力される。マイコンの7番ピンには、A/D変換部2cに接続されており、入力されたアナログ信号の入力値をデジタル信号に変換して演算部2fに出力する。演算部2fは、発光素子21の電圧を読み取ることができるように構成されている。
演算部2fは、記憶部2dに記憶されているプログラムを実行することで、タイマ部2eで計時した時間に応じて、各種の演算ができるように構成されている。マイコンの8番ピンは、グランド端子であり、基準電位としている。マイコンは、8番ピンを介して、基準電位に接地されている。記憶部2dは、発光素子点灯装置10の電源スイッチがオフにされた際、直前に発光素子21に流していた電流値を記憶するように構成されてもよい。発光素子点灯装置10は、電源スイッチがオンにされた場合、前回にオフの際に記憶部2dが記憶した電流値に基づいて点灯させることで、発光素子21に経時劣化が生じていても、経時劣化前の初期の輝度値で発光素子21を点灯させることが可能となる。
電流指令回路部2bでは、第4抵抗R4と第5抵抗R5との分圧点の電圧を監視することにより、発光素子21の電圧を検出している。電流指令回路部2bは、検出した電圧値に基づいて、発光素子21の電流を変えるかどうかの判別をすることができるように構成されている。電流指令回路部2bは、発光素子21のピーク電流値指令値、発光素子21の電流デューティを決定することができる。電流指令回路部2bは、発光素子21の異常を検出し、発光素子21を点灯させるか否かを判別する機能を備えた構成としてもよい。
以下では、発光素子点灯装置10における基本動作として、制御回路部1bから駆動回路1fへ出力させるPWM信号の生成過程を図1および図6に基づいて説明する。
図6Aは、マイコンの2番ピンにおける出力信号を示し、出力信号におけるHighレベルとLowレベルの出力状態を表している。図6Bは、第2コンパレータOP2における反転入力端子への入力信号を示している。図6Bでは、第2コンパレータOP2の反転入力端子を、OP2−端子として示している。図6Cは、第2コンパレータOP2の非反転入力端子への入力信号を示している。図6Cでは、第2コンパレータOP2の非反転入力端子を、OP2+端子として示している。図6Cでは、第2コンパレータOP2の非反転入力端子に印加される電圧を実線で示し、第2コンパレータOP2の非反転入力端子に印加される電圧に重ねて、第2コンパレータOP2の反転入力端子に入力される入力信号を破線で示している。第2コンパレータOP2の反転入力端子への入力信号は、第4コンデンサC4の電圧に依存している。図6Dは、第2コンパレータOP2から出力されるPWM信号を示している。図6Dでは、第2コンパレータOP2の出力を、OP2出力として示している。
制御回路部1bでは、図6Aにおいて、マイコンの2番ピンがHighレベルの場合、第4スイッチング素子Q4がオンになることで、第4コンデンサC4が短絡される。制御回路部1bでは、第4コンデンサC4の短絡により、第4コンデンサC4の蓄積電荷が放電される。制御回路部1bでは、図6Aにおいて、マイコンの2番ピンがLowレベルの場合、第4スイッチング素子Q4がオフになることで、第14抵抗R14を介して第4コンデンサC4が充電され、第4コンデンサC4の電圧が上昇する。制御回路部1bでは、第4コンデンサC4が第2コンパレータOP2の反転入力端子に接続されているので、第4コンデンサC4の電圧の上昇に伴い、図6Bに示すように、第2コンパレータOP2の反転入力端子に印加される電圧が上昇する。
制御回路部1bでは、図6Cに示すように、第2コンパレータOP2の非反転入力端子に、第1コンパレータOP1の出力電圧が所定の電圧として印加されている。制御回路部1bでは、図6Cに示すように、たとえば、第4コンデンサC4の電圧が第1コンパレータOP1の出力電圧よりも低い時刻t1から時刻t2の期間において、図6Dに示すように、第2コンパレータOP2の出力がHighレベルとなる。制御回路部1bでは、たとえば、第4コンデンサC4の電圧が第1コンパレータOP1の出力電圧以上の期間において、第2コンパレータOP2の出力がLowレベルとなる。
言い換えれば、第2コンパレータOP2は、第4スイッチング素子Q4がオンになることで、反転入力端子が基準電位となる。第4スイッチング素子Q4は、オフになることで、第14抵抗R14を介して印加される駆動電圧Vccが第4コンデンサC4に印加され蓄電される。第2コンパレータOP2は、第4コンデンサC4の蓄電により、基準電位よりも電位が高い電圧が反転入力端子に印加される。第4スイッチング素子Q4は、電流指令回路部2bから出力される電流指令信号に基づいて、オンとオフとの切り替えが制御される。第2コンパレータOP2は、第1コンパレータOP1から非反転入力端子に入力される電圧よりも反転入力端子に入力される電圧が低い間、Highレベルの信号を出力する。第2コンパレータOP2は、第1コンパレータOP1から非反転入力端子に入力される電圧よりも反転入力端子に入力される電圧が高い間、信号がLowレベルとなる。
発光素子点灯装置10では、電流検出部1cに流れる電流に応じて、第1コンパレータOP1の出力する電圧が増減される。制御回路部1bでは、第1コンパレータOP1から出力され第2コンパレータOP2の非反転入力端子に入力される所定の電圧の電圧信号と、第2コンパレータOP2の反転入力端子に入力される三角波信号と、が比較される。第2コンパレータOP2は、比較された結果に基づいて、PWM信号のデューティ比を変化させる。発光素子点灯装置10では、変化されたPWM信号に基づいて、給電回路部1aの駆動回路1fが第1スイッチング素子Q1のオンとオフとを切り替え、発光素子21に供給する電力を制御する。
給電回路部1aは、制御回路部1bの第2コンパレータOP2から出力されたPWM信号に基づいて、発光素子21に給電される電流の定電流制御が行われる。すなわち、発光素子点灯装置10は、第2コンパレータOP2の反転入力端子に入力する電圧、もしくは第2コンパレータOP2の非反転入力端子に入力する電圧を変更することで、発光素子21へ流れる電流を制御することができる。
以下では、発光素子点灯装置10において、発光素子21に流れる電流をさらに制御する方法について説明する。
制御回路部1bでは、マイコンの4番ピンから交互にHighレベルとLowレベルとの2値の信号が出力されることで、第2スイッチング素子Q2のオンとオフとが切り替えられる。制御回路部1bでは、マイコンの4番ピンの出力が制御され、第2スイッチング素子Q2のオン時間の割合が変えられる。制御回路部1bでは、第5コンデンサC5に蓄電される電荷が調整され、第5コンデンサC5の電圧が制御される。
制御回路部1bでは、たとえば、第2スイッチング素子Q2がオンとなるデューティ比が所定値以下の場合、第5コンデンサC5が充電され、第5コンデンサC5の電圧が高くなる。制御回路部1bでは、第2スイッチング素子Q2がオンとなるデューティ比が所定値以上の場合、第5コンデンサC5が放電され、第5コンデンサC5の電圧は低くなる。制御回路部1bでは、第2スイッチング素子Q2がオンとなるデューティ比を変えることで、第5コンデンサC5の電圧を変化させ、第1コンパレータOP1の非反転入力端子に入力される電圧を制御することができる。言い換えれば、第2スイッチング素子Q2は、オンとオフとの切り替えにより、オンとオフとに応じて、所定の第1電圧または所定の第2電圧の何れかを、第1コンパレータOP1の非反転入力端子に入力させることができる。
発光素子点灯装置10は、マイコンの4番ピンから出力される信号によって、第2コンパレータOP2から出力されるPWM信号を変化させる。発光素子点灯装置10は、PWM信号により駆動回路1fから第1スイッチング素子Q1へのオンまたはオフの割合が変わることによって、発光素子21に流れる電流の大きさを制御できる。
次に、本実施形態の発光素子点灯装置10では、マイコンの3番ピンの出力によって、第3スイッチング素子Q3のオンとオフとが制御されている。第3スイッチング素子Q3は、オンの場合、第1コンパレータOP1の非反転入力端子の電位を基準電位にすることができる。発光素子点灯装置10では、第3スイッチング素子Q3のオンとなるデューティ比を変えることによって、発光素子21に流れる電流を制御することもできる。
以下では、本実施形態の発光素子点灯装置10において、発光素子21の経時劣化に対する制御について、図2を用いて説明する。ここで、発光素子21の経時劣化とは、工場出荷時などの発光素子21の点灯初期から累積した累積点灯時間に対する発光素子21の輝度の低下をいう。発光素子21の経時劣化は、発光素子21の点灯から消灯までの一回ごとの点灯時間中に点灯時間の増加に伴って発光素子21の温度が上昇するなどで、発光素子21の輝度が低下する場合を含んでもよい。
発光素子点灯装置10では、発光素子21を一定の定電流で点灯させる場合、発光素子21の経時劣化に伴って発光素子21の両端に印加される電圧が徐々に高くなる傾向にある。図2では、発光素子点灯装置10が初期に発光素子21を点灯させてから発光素子21が寿命に到達するまでにおける電流特性と電圧特性との関係を例示している。
発光素子点灯装置10では、たとえば、工場出荷直後など初期の発光素子21を定格電流値IXで定電流駆動させる場合、発光素子21に印加される電圧は、定格電圧値VXとなる。発光素子点灯装置10では、発光素子21の抵抗が増加すれば、電圧検出部2で検出された検出電圧値が第1設定電圧値V1まで徐々に上昇する。発光素子点灯装置10は、電圧検出部2で検出される検出電圧値が予め設定した電圧下限値V0から第1設定電圧値V1までの間、発光素子21に流す電流を定格電流値IXで維持できるように制御している。
発光素子点灯装置10では、電圧検出部2で検出した検出電圧値が電圧下限値V0以下の場合、発光素子21が故障しているとして、発光素子21へ流す電流を停止するように構成されている。電圧下限値V0は、たとえば、数Vに設定することができる。電圧下限値V0は、発光素子点灯装置10が発光素子21に電圧を印加しても、発光素子21の故障などにより、電圧が上昇しない場合に発光素子21へ流す電流を停止する電圧の下限値としている。
次に、発光素子点灯装置10は、電圧検出部2で検出した検出電圧値がさらに上昇すれば、検出電圧値が第1設定電圧値V1から第2設定電圧値V2の間にある場合、発光素子21に流す電流が大きくなるように制御する。発光素子点灯装置10は、検出電圧値が第1設定電圧値V1から第2設定電圧値V2の間にある場合、電圧検出部2で検出した発光素子21の検出電圧値の増加に応じて、発光素子21に流す電流をより大きくする制御を行う。第1設定電圧値V1は、定格電圧値VXの数十%程度高い値とすることができる。第1設定電圧値V1は、発光素子21によって異なるが、たとえば、定格電圧値VXのおおよそ1.2倍に設定することが好ましい。第2設定電圧値V2は、たとえば、定格電圧値VXのおおよそ1.4倍に設定することができる。
次に、発光素子点灯装置10では、電圧検出部2で検出した発光素子21の検出電圧値がさらに上昇して検出電圧値が第2設定電圧値V2に達すると、発光素子21に流す電流を一定に固定する制御を行う。発光素子点灯装置10は、電流検出部1cで検出した検出電流値に基づいて、設定電流値I1を超えていないかを判別することができる。発光素子点灯装置10は、検出電圧値が第2設定電圧値V2から第3設定電圧値V3の間にある場合、電圧検出部2で検出した発光素子21の検出電圧値が増加しても、発光素子21に流す電流を、設定電流値I1で一定となるように制御する。設定電流値I1は、たとえば、定格電流値IXの数十%程度高い値に設定することができる。設定電流値I1は、発光素子21によって異なるが、たとえば、定格電流値IXのおおよそ1.1倍に設定することが好ましい。
次に、発光素子点灯装置10では、検出電圧値が第3設定電圧値V3まで上昇した場合、発光素子21の寿命に到達したとみなして、発光素子21へ流す電流を停止するように構成されている。発光素子点灯装置10は、検出電圧値が第3設定電圧値V3以上となって、発光素子21や発光素子点灯装置10に不具合が生ずることを防止することができる。第3設定電圧値V3は、たとえば、発光素子21によって異なるが、定格電圧値VXのおおよそ2倍に設定することができる。第3設定電圧値V3は、発光素子点灯装置10が発光素子21を点灯させる場合における電圧上限値ともいえる。
すなわち、本実施形態の発光素子点灯装置10は、発光素子21に流れる電流を検出する電流検出部1cを備えている。発光素子点灯装置10では、電流制御部1は、電流検出部1cの検出した検出電流値が定格電流値Ixよりも大きい設定電流値I1に増加した場合、発光素子21に流す電流値が設定電流値I1を超えないように制御する。
次に、本実施形態の発光素子点灯装置10における発光素子21に流す電流を斬時に増加させる制御について、図3を用いて説明する。
図3は、発光素子21に印加する電圧、発光素子21に流す電流および発光素子21の輝度と、時間との関係を示している。発光素子21は、図3Aおよび図3Cで示すように、発光素子21の経時劣化に伴って発光素子21の電圧が徐々に増加するのに対し、発光素子21の輝度Lは徐々に減少する。図3Cでは、本実施形態の発光素子21に流れる電流を定格電流値IXから設定電流値I1まで階段状に大きくさせる制御を行った場合における発光素子21の輝度Lを太実線で例示している。図3Cでは、発光素子21に流れる電流を大きくさせる制御を行わない場合における発光素子21の輝度を太破線で例示している。
本実施形態の発光素子点灯装置10では、図3Aおよび図3Bに示すように、検出電圧が第1設定電圧値V1に達する時刻t9までの間、設定電流値I1の定電流で発光素子21の点灯を制御する。
発光素子点灯装置10では、検出電圧値が時刻t9で第1設定電圧値V1まで上昇すると、発光素子21に流す電流値を定格電流値Ixよりも上げて定電流制御をする。発光素子点灯装置10では、発光素子21の電流値を上げることによって、一時的に、発光素子21の電圧が上がり、発光素子21の経時劣化に伴ってさらに発光素子21の電圧が上昇する。発光素子点灯装置10では、発光素子21の電圧が第1設定電圧値V1より大きい任意の電圧値まで上昇すると、発光素子21の電流をさらに上げて定電流の制御を行う。
発光素子点灯装置10では、検出電圧値が時刻t9と同様に、時刻t10から時刻t17まで、任意の電圧値に上昇するごとに、発光素子21に流す電流を大きくしている。本実施形態の発光素子点灯装置10では、発光素子21が所定の輝度L1以上を確保できるように、発光素子21に流す電流を大きくするため、任意の電圧値を適宜に設定すればよい。発光素子点灯装置10は、電流値を階段状に大きくする場合、1回当たりに大きくする増加幅を、たとえば、定格電流値IXの数%程度に設定することができる。発光素子点灯装置10は、第1設定電圧値V1より大きい第2設定電圧値V2に達した時刻t17以降、発光素子21に流す電流を大きくする制御は行わない。
本実施形態の発光素子点灯装置10では、時刻t4の点灯直後や時刻t7の制御直後の電圧変動が大きいところの誤制御を抑制することができる。
以下では、本実施形態の発光素子点灯装置10における経時劣化に伴って発光素子21に流す電流を大きくさせる制御を行った前後の電圧と電流について、図4を用いて説明する。
発光素子点灯装置10は、図4Bに示すように、たとえば、時刻t4で発光素子21を定格電流値IXの定電流で点灯させると、図4Aに示すように、電圧検出部2で検出した検出電圧値が時刻t4で急激に上がり、時間の経過につれ徐々に電圧が下がる。発光素子点灯装置10では、たとえば、時刻t4で発光素子21を点灯させてから数分後の時刻t5の経過後に安定となる。発光素子21の電圧が安定する時間は、発光素子点灯装置10の状態、発光素子21の種類や構造などによっても左右される。発光素子点灯装置10の状態としては、たとえば、発光素子点灯装置10の設置環境が高温環境か低温環境など周囲の温度環境が挙げられる。
発光素子点灯装置10では、時刻t4から時刻t5の経過後まで、発光素子21における検出電圧値の変化が大きく電圧が安定していない。発光素子点灯装置10は、検出電圧値が予め定められた第1設定電圧値V1を超えても、発光素子21の電圧が安定するまでの間、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくする制御を行わず、定格電流値IXで定電流制御を行っている。
発光素子点灯装置10では、発光素子21を点灯させた時刻t4から所定の時間T1が経過した時刻t6後においても、検出電圧値が第1設定電圧値V1を超える場合、発光素子21に流す電流値を、定格電流値IXよりも大きくさせる制御を行う。時間T1は、発光素子点灯装置10の状態、発光素子21の種類や構造などによって適宜に設定することができるが、たとえば、数分に設定することができる。発光素子点灯装置10では、時刻t7の時点で発光素子21に対する電流値を増加させる制御を行った場合、発光素子21の点灯時と同様に、検出電圧値が急激に上がり、時間の経過につれ徐々に電圧が下がる。
発光素子点灯装置10は、検出電圧値が急激に上がった後、時間の経過につれ徐々に電圧が下がることで、たとえば、時刻t7で発光素子21に流れる電流を定格電流値IXよりも大きくさせる制御を行ってから数分後の時刻t8で安定になる。
発光素子点灯装置10では、時刻t7から時刻t8までの時間T2が過ぎるまで、検出電圧値の変化が大きく安定していない。発光素子点灯装置10では、時刻t7から時刻t8までの時間T2が過ぎるまで、検出電圧値が第1設定電圧値V1を大きく超えても、発光素子21に流れる電流値をさらに大きくさせる制御を行わず、所定の定電流で点灯を制御する。発光素子点灯装置10では、時間T2の経過後に、発光素子21の電圧値が第1設定電圧値V1に達していると、発光素子21に流れる電流値をさらに大きくさせればよい。
以下では、発光素子点灯装置10の基本的動作について、図5に基づいて説明する。
発光素子点灯装置10は、ステップ1において、電源ユニット22との接続箇所との間に適宜に設けられた電源スイッチがオンにされ、電源が投入される。図5では、ステップを「S」として表示している。
発光素子点灯装置10では、電源投入後、ステップ2において、電流指令回路部2bなどの初期化処理が実行される。初期化処理としては、たとえば、発光素子点灯装置10の電源スイッチがオンにされた際、演算部2fがリセット前の前回に発光素子21に印加した電圧値を記憶部2dから読み出す。演算部2fでは、発光素子21の前回に印加した電圧値が第1設定電圧値V1より小さい場合、定格電流値IXで定電駆動させる。演算部2fでは、前回に印加した電圧値が第1設定電圧値V1よりも大きくしていた場合、電源の投入当初から前回に発光素子21に流した電流値で点灯させる。発光素子点灯装置10では、発光素子21に経時劣化が生じていても、電源投入ごとに、発光素子21の経時劣化前の初期の輝度値に近い明るさで発光素子21を点灯させることが可能となる。
発光素子点灯装置10では、初期化処理後、ステップ3において、発光素子21の始動処理を行う。発光素子点灯装置10は、ステップ3において、マイコンの2番ピンからの信号に基づいて、制御回路部1bから所定のPWM信号を駆動回路1fへ出力して発光素子21を点灯させる。駆動回路1fは、マイコンの2番ピンから出力される信号の周波数に応じて、第1スイッチング素子Q1のオンとオフとの切り替えを制御する。マイコンの2番ピンから出力される信号のパルス幅は、第1コンパレータOP1の出力電圧が上昇するにつれて大きくなる。
発光素子点灯装置10では、電流指令回路部2bが発光素子21の点灯を行うか否かの判断を行っている。発光素子点灯装置10では、発光素子21の点灯にあたって、分圧回路部2aにおける分圧点の電圧を監視することにより、検出電圧値に応じて発光素子21の点灯の判断を行う。電流指令回路部2bでは、発光素子21が短絡や開放などの異常であるか否かも検出することができる。発光素子点灯装置10では、発光素子21の異常を検出した場合、次のステップ4に進まずに、ステップ10において、発光素子点灯装置10を終了させるように構成させていることが好ましい。
発光素子点灯装置10は、ステップ4において、発光素子21の点灯からの時間tの計測を開始する。ステップ4では、発光素子21を点灯してからの時間tを計測する点灯時間計測部として機能するタイマ部2eによる計時を開始する。点灯時間計測部は、発光素子点灯装置10をオンにしてからオフにするまでの一回ごとの発光素子21が点灯する時間を計時した点灯時間と、発光素子21の初期から計時する累積点灯時間と、両方を計時することができるように構成されている。累積点灯時間は、たとえば、タイマ部2eで計時した一回ごとの発光素子21が点灯する時間を、演算部2fで演算して算出することができる。発光素子点灯装置10は、ステップ5で発光素子21の初期点灯処理を行う。発光素子点灯装置10は、ステップ5において、電圧検出部2で検出した検出電圧値に基づいて、発光素子21の制御を定電流で行う発光素子初期点灯処理を行う。
発光素子点灯装置10では、ステップ6において、タイマ部2eで計時した時間tが時間T1より大きいかどうか判別し、時間tが時間T1より短ければ、ステップ5の発光素子初期点灯処理にもどる。発光素子点灯装置10では、図4で説明したように、時間T1が経過するまでの間、電圧検出部2によって検出される検出電圧値が、第1設定電圧値V1まで上昇しても、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくする制御をしない。発光素子点灯装置10では、発光素子21を点灯してからタイマ部2eの計時した時間が時間T1まで定格電流値IXを発光素子21に流す。
発光素子点灯装置10は、ステップ3ないしステップ5の処理を行うことで、電源の投入直後における検出電圧値の変化が大きい時に発光素子21に誤った制御を行うことを抑制することが可能となる。
発光素子点灯装置10では、ステップ6において、タイマ部2eで計時した時間が時間t1以上の場合、ステップ7へと進み、発光素子定常点灯処理を行う。
発光素子点灯装置10は、ステップ7において、発光素子21の検出電圧値が第1設定電圧値V1と第2設定電圧値V2との間にある場合において、発光素子21に流す電流値を定格電流値I1よりも大きくする制御を行う。発光素子点灯装置10では、たとえば、制御回路部1bからのPWM信号のデューティ比を大きくすることによって、発光素子21に流す電流値を定格電流値I1よりも大きくすることができる。
発光素子点灯装置10では、ステップ7において、発光素子定常点灯処理を行う。発光素子点灯装置10では、発光素子21の検出電圧値が第1設定電圧値V1まで上昇すると、発光素子21に流れる電流値を定格電流値I1よりも大きくさせ、電流値を大きくする制御を行ってから検出電圧値が安定するまでの間、電流値を変える制御を行わない。
次に、発光素子点灯装置10は、マイコンの4番ピンからオン信号を出力して第2スイッチング素子Q2をオンに切り替え、発光素子21を初期の発光輝度に近づけるため、発光素子21に流す電流を大きくさせる制御を繰り返す。
言い換えれば、本実施形態の発光素子点灯装置10は、発光素子21を点灯してからの時間を計測する点灯時間計測部を備えている。電流制御部1は、点灯時間計測部で計測した時間が予め設定した設定時間より長く、かつ検出電圧値が第1設定電圧値V1と第2設定電圧値V2との間にある場合において、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくしている。
発光素子点灯装置10では、設定電流値I1で第2設定電圧V2を超える場合、マイコンの3番ピンからオン信号を出力して第3スイッチング素子Q3をオンに切り替え、発光素子21を消灯させる。
発光素子点灯装置10では、ステップ8において、たとえば、外部から消灯信号を受ければ、発光素子21を消灯させる処理を行う。発光素子点灯装置10では、消灯信号が入っていない場合、ステップ7の発光素子定常点灯処理へもどる。発光素子点灯装置10では、消灯信号が入っている場合、ステップ9の発光素子消灯処理をしてステップ10で発光素子21の点灯を終了する。
以下では、上述の発光素子点灯装置10を備えた発光モジュール20の構成について、図7および図8を用いて簡単に説明する。
本実施形態の発光素子点灯装置10を備えた発光モジュール20は、発光素子点灯装置10と発光素子21とに加え、ボディ体20aと、カバー体20bと、を備えている。発光素子点灯装置10は、ボディ体20aとカバー体20bとを嵌め合わせることで、内部に発光素子21と発光素子点灯装置10とを収容できるように構成されている。カバー体20bは、発光素子21からの光を外部に取り出すことができるように開口部20baを備えている。
ボディ体20aは、平面視において、矩形状の一方の短手方向に沿って、長手方向に突出する一対の突出部20a1を有している。カバー体20bは、ボディ体20aの突出部20a1と嵌め合すことができる嵌合孔20b1を有している。発光モジュール20は、ボディ体20aの表面に放熱部材20cを備えている。発光モジュール20は、放熱部材20cを備えていることで、発光素子21の輝度むらを抑制することができる。発光素子点灯装置10は、各種の電子部品が実装された実装基板10bに、電源ユニット22と電気的に接続させるコネクタ10aが実装されている。
発光モジュール20は、発光素子21の発光方向と直交する方向に沿って、発光素子点灯装置10と発光素子21とを並んで設置している。発光モジュール20は、発光素子21の発光方向と直交する方向に沿って、発光素子点灯装置10と発光素子21とを並んで設置した構造だけに限られない。発光モジュール20は、厚み方向において、発光素子21と発光素子点灯装置10とが重なるように設置する構造としてもよい。
次に、本実施形態の発光素子点灯装置10を備えた照明器具30について、図9を用いて簡単に説明する。
照明器具30は、図9に示すように、発光部32と、発光部32を天井に吊り下げるための吊具33と、発光部32と吊具33とを繋ぐ電源コード34と、を備えている。発光部32は、複数の発光モジュール20と、パネル材32aと、を有している。発光部32は、複数の発光モジュール20を並べて構成されている。発光部32は、透光性のパネル材32aを介して、発光モジュール20をフレーム35に保持している。照明器具30では、吊具33と電源コード34とフレーム35とで器具本体を構成している。
吊具33は、天井材30c側から導出された給電線と、電源コード34と、が電気的に接続されている。給電線には、外部の商用交流電源25からの交流電圧が印加されている。照明器具30は、電源コード34を介して、発光部32に商用交流電圧が供給されるように構成されている。
吊具33は、外部のリモートコントローラからの調光信号を受信する受信部36を備えている。調光信号は、発光部32の明るさの調光レベルを指定する階調信号であり、調光レベルが0の場合、消灯信号を意味している。照明器具30は、受信部36で受信した調光信号に基づいて、発光部32を調光制御することができるように構成されている。吊具33は、電源ユニット22が内部に収納されている。
受信部36は、受信した調光信号を発光素子点灯装置10に出力する。発光素子点灯装置10は、電源ユニット22から電力の供給を受けるとともに、受信部36からの調光信号に基づいて発光素子21を点灯させる。発光素子点灯装置10では、マイコンの6番ピンを調光信号が入力される入力端子として利用することができる。
照明器具30は、天井吊り下げ型のペンダントライトの構成だけに限られず、たとえば、壁材に設置するブラケットタイプの器具、もしくはシーリングライトの構成であってもよい。
すなわち、本実施形態に係る照明器具30は、発光モジュール20と、発光モジュール20を保持する器具本体と、を備えている。
(実施形態2)
本実施形態の発光素子点灯装置10は、図5に示す実施形態1の制御を図10のフローチャートに示す制御を行う構成にする点が主として相違する。本実施形態の発光素子点灯装置10は、図1に示す構成において、記憶部2dに記憶するプログラムを適宜に変更することにより、図10に示す制御を行う構成とすることができる。実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
本実施形態の発光素子点灯装置10は、図1に示す回路構成図と同じ構成で形成されており、発光素子21の両端に印加される両端電圧を検出する電圧検出部2を備えている。本実施形態の発光素子点灯装置10では、電流制御部1は、電圧検出部2によって検出される検出電圧値の単位時間当たりの変化量が発光素子21を点灯してから予め定めた所定値以下になった後、検出電圧値を検出する。電流制御部1は、検出電圧値が第1設定電圧値V1と第2設定電圧値V2との間にある場合において、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくする。
本実施形態の発光素子点灯装置10は、電圧検出部2によって検出される電圧の単位時間当たりの変化量が所定値以下になった後、検出電圧値を検出することで、より精度高く、発光素子21の輝度低下を抑制させることができる。
本実施形態の発光素子点灯装置10では、実施形態1と違い、電流指令回路部2bにおいて、単位時間当たりの両端電圧の変化を計測する計測部を有している。計測部は、記憶部2dに記憶されたプログラムに基づいて、駆動する演算部2fにより構成することができる。発光素子点灯装置10は、単位時間当たりにおける発光素子21の両端電圧の変化の値が予め定められた一定の値以下となった後、電圧検出部2の検出電圧値が第1設定電圧値V1まで上昇すると、発光素子21に流れる電流値を定格電流値IXよりも大きくする。
実施形態1は、発光素子21の端子間電圧が安定する時間T1が経過するのを待って制御を行うのに対し、本実施形態の発光素子点灯装置10は、発光素子21の端子間電圧が実際に安定してから発光素子21に流れる電流値を大きくさせる制御を行う。
以下では、本実施形態の発光素子点灯装置10における動作を、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
発光素子点灯装置10は、ステップ21において、電源スイッチがオンにされ、電源が投入される。図10では、ステップを「S」として表示している。発光素子点灯装置10では、電源投入後、ステップ22において、電流指令回路部2bなどの初期化処理が実行される。
発光素子点灯装置10では、初期化処理後、ステップ23において、発光素子21の始動処理を行う。発光素子点灯装置10では、電流指令回路部2bが発光素子21の点灯を行うか否かの判断を行う。発光素子点灯装置10では、発光素子21の異常を検出した場合、次のステップ24に進まずに、ステップ30において、発光素子点灯装置10を終了させるように構成させている。
発光素子点灯装置10は、ステップ24において、電圧検出部2で検出した発光素子21の電圧VYの計測を開始しステップ25で発光素子初期点灯処理を行う。発光素子点灯装置10は、ステップ25において、電圧検出部2で検出した検出電圧値で検出した検出電圧値に基づいて、定電流で発光素子21の点灯処理を行う。
発光素子点灯装置10は、ステップ26において、電圧検出部2によって検出される発光素子21の電圧の単位時間当たりの変化量|ΔV|が所定値VCより大きいかどうか判別する。発光素子点灯装置10では、変化量|ΔV|が所定値VCより大きければ、ステップ25にもどる。所定値VCは、たとえば、単位時間として1秒当たりの変化量が数十mVから数百mVに設定することができる。所定値VCは、発光素子点灯装置10の状態、発光素子21の種類や構造などによっても左右される。発光素子点灯装置10の状態としては、たとえば、発光素子点灯装置10の設置環境が高温環境か低温環境など周囲の温度環境が挙げられる。所定値VCは、発光素子点灯装置10の状態、発光素子21の種類や構造などを考慮して適宜に設定すればよい。本実施形態の発光素子点灯装置10では、発光素子21の点灯直後や電流値を変化させた直後で電圧変動が大きい場合での誤制御を抑制することができる。
発光素子点灯装置10は、ステップ27において、発光素子定常点灯処理を行う。発光素子点灯装置10は、検出電圧値が第1設定電圧値V1と第2設定電圧値V2との間にある場合において、発光素子21に流す電流値を定格電流値IXよりも大きくする制御を行う。
発光素子点灯装置10は、発光素子21における電圧の単位時間当たりの変化量|ΔV|が所定値VCより大きい場合、発光素子21に流す電流値を定格電流値IXよりも大きくする制御を行わない。
発光素子点灯装置10では、ステップ28において、発光素子21の消灯の判断を行う。発光素子点灯装置10では、消灯信号が入っていない場合、ステップ27の発光素子定常点灯処理へもどる。発光素子点灯装置10では、消灯信号が入っている場合、ステップ29の発光素子消灯処理をしてステップ30で発光素子21の点灯を終了する。
本実施形態の発光素子点灯装置10は、上記説明した内容に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。本実施形態の発光素子点灯装置10は、図10に示す構成だけに限られない。本実施形態の発光素子点灯装置10は、適宜に実施形態1の構成を備えてもよい。本実施形態の発光素子点灯装置10は、実施形態1と同様に、発光モジュール20や照明器具30に用いることができる。