本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。本実施形態では、情報処理システムの一例として、ネットワークを介して接続された複数の操作端末間で電子データを共有する電子会議システムを例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る電子会議システムの全体構成図である。電子会議システム100(情報処理システム)は、会議に出席する複数のユーザがそれぞれ使用する複数の操作端末10を含んで構成されている。本実施形態では、説明の便宜上、会議の主催者、会議の進行役、会議において発表を担当する者等、会議の主役となり得るユーザを「発表者」(第2のユーザ)といい、発表者が使用する操作端末を「発表者用端末」(第2操作端末)という。また、発表者以外の会議に出席するユーザを「参加者」(第1のユーザ)といい、参加者が使用する操作端末を「参加者用端末」(第1操作端末)という。図1では、1台の発表者用端末10aと、3台の参加者用端末10b、10c、10dとを示している。また、以下では、発表者用端末10a及び参加者用端末10b、10c、10dにおいて共通する構成を説明する際は、操作端末10と総称して説明する。
図1に示すように、発表者用端末10aと、参加者用端末10b、10c、10dとは、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワーク20を介して相互に接続されている。
図2は、操作端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。操作端末10は、CPU101、メモリ102、記憶部103、通信部104、入力部105、及び表示部106を含むコンピュータで構成されている。これらのハードウェア要素はバスにより相互にデータの授受が可能に接続されている。CPU101は、操作端末10の各部を制御したり、各種の情報処理を実行したりする。メモリ102は、各種のプログラムやデータを保持する。メモリ102には、CPU101の作業領域も確保される。記憶部103は、各種のファイルやドキュメント等のデータを記憶する。通信部104は、通信ネットワーク20を介して、他の操作端末10とデータ通信を行う。入力部105は、キーボード、マウス、ペンツール、タッチパネル等の入力デバイスである。表示部106は、Webブラウザ等のアプリケーションソフトを介して各種のファイルやドキュメント等を表示する表示画面である。記憶部103、入力部105、及び表示部106は、操作端末10の外部に設けられ、通信ネットワーク20を介して操作端末10に接続されていてもよい。また、操作端末10には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。操作端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末等である。
サーバ30は、CPU301、メモリ302、記憶部303、及び通信部304を含むコンピュータで構成されている。これらのハードウェア要素はバスにより相互にデータの授受が可能に接続されている。CPU301は、サーバ30の各部を制御したり、各種の情報処理を実行したりする。メモリ302は、各種のプログラムやデータを保持する。メモリ302には、CPU301の作業領域も確保される。記憶部303は、各種のファイルやドキュメント等のデータや各種情報等を記憶する。なお、通信部304は、通信ネットワーク20を介して、他の端末やサーバとデータ通信を行う。記憶部303は、サーバ30の外部に設けられ、通信ネットワーク20を介してサーバ30に接続されていてもよい。
以下では、主に、発表者用端末10a及び参加者用端末10bに着目して、電子会議システム100の具体的な構成について説明する。
図3は、参加者用端末10bの具体的な構成を示す機能ブロック図である。参加者用端末10bは、発表者操作受付部11、参加者操作取得部12、操作種別判定部13、同期判定部14、及び、表示制御部15を含んでいる。これらの要素はメモリ102(図2参照)に格納されたプログラムをCPU101が実行することにより実現される。記憶部103には、各種のファイルやドキュメントや音声等のデータ(メディアデータ)を保存するメディアDB31が含まれている。
上記プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体から参加者用端末10bにインストールされてもよいし、インターネット等の通信ネットワーク20を介してダウンロードされてもよいし、上記プログラムが予め記憶されたサーバからダウンロードされてもよい。
例えば、図4に示すように、各操作端末10がサーバ30を介してネットワーク接続されたネットワーク構成において、参加者用端末10b、10c、10dがサーバ30に接続された時点で、上記プログラムがサーバ30から各参加者用端末10b、10c、10dのメモリ102にダウンロードされ、会議用の資料データがメディアDB31にダウンロードされてもよい。上記プログラム及び資料データは、例えばJavaScript(登録商標)により構成されてもよい。また、発表者が操作端末10をサーバ30に接続して所定の設定を行うことにより、当該操作端末10は発表者用端末10aとして認識され、参加者が操作端末10をサーバ30に接続して所定の設定を行うことにより、当該操作端末10は参加者用端末10b等として認識される。サーバ30は、参加者用端末に認識された各操作端末10に対して、上記プログラム及び資料データを送信する。なお、サーバ30は、発表者用端末に認識された操作端末10に対しても、上記プログラム及び資料データを送信してもよい。サーバ30は、上記プログラム及び資料データを送信した後、主に、発表者用端末10a及び参加者用端末10b、10c、10d間の情報通信を行う中継器として機能する。なお、上記プログラムがダウンロード又は記録された操作端末10は、情報処理装置として機能する。また、上記プログラムがダウンロードされたコンピュータは、操作端末10であってもよいし、サーバ30であってもよい。
上記プログラムに対応する各機能について説明する。
発表者操作受付部11は、発表者用端末10aから、発表者が発表者用端末10aにおいて操作した内容を示す情報(以下、発表者操作情報という。)(第2操作内容)を受け付ける。発表者操作情報は、例えば、新規資料の表示、ペンツール(手書き用ツール)による資料への書き込み、投稿コメントのピックアップ(選択)、資料のページ切り替え、マウスポインタの入力及び移動、音声入力等の操作内容を示す情報である。
ここで、発表者用端末10aにおける処理内容の具体例を説明する。図5は、発表者用端末10aの表示画面に表示される表示内容の一例を示している。
例えば、発表者が発表者用端末10aにおいて、マウス等(入力部105)を操作して、メディアDB31に保存されている資料の読み込み(資料画面へ新規資料を表示させる操作)を行った場合、発表者用端末10aは、通信部104を介して、資料の保存先URL又は資料IDを示す情報を含む上記操作内容を示す発表者操作情報を、参加者用端末10bに通知(送信)する。
また、例えば、発表者が発表者用端末10aにおいて、マウスを操作して、表示部106に表示された資料画面(図5参照)にマウスポインタを入力した場合、発表者用端末10aは、通信部104を介して、マウスポインタの位置(座標)、入力された資料のID及びページ番号等を示す情報を含む上記操作内容を示す発表者操作情報を、参加者用端末10bに通知する。なお、発表者用端末10aは、発表者操作情報を一定間隔(例えば、50msec毎)で順次送信してもよい。
また、例えば、発表者が発表者用端末10aにおいて、ペンツールを操作して、表示部106に表示された資料画面(図5参照)に文字等を書き込んだ場合、発表者用端末10aは、通信部104を介して、書き込まれた位置(座標)、書き込まれた資料のID及びページ番号等を示す情報を含む上記操作内容を示す発表者操作情報を、参加者用端末10bに通知する。
また、例えば、発表者が発表者用端末10aにおいて、マウスを操作して、表示部106に表示された資料画面(図5参照)のページを切り替えた場合、発表者用端末10aは、通信部104を介して、表示された資料のID及び指定されたページ番号を示す情報を含む上記操作内容を示す発表者操作情報を、参加者用端末10bに通知する。
このように、発表者用端末10aは、発表者の操作に基づいて、その内容を示す情報を、各参加者用端末10b、10c、10dに通知する。
参加者操作取得部12は、参加者が参加者用端末10bにおいて操作した内容を示す情報(以下、参加者操作情報という。)(第1操作内容)を取得する。参加者操作情報は、発表者操作情報と同様、例えば、資料の表示、ペンツールによる資料への書き込み、投稿コメントの作成、資料のページ切り替え、マウスポインタの入力及び移動、音声入力等の操作内容を示す情報である。
操作種別判定部13は、発表者操作受付部11が発表者用端末10aから受け付けた発表者操作情報に基づいて操作種別(発表者操作種別)を判定する。また、操作種別判定部13は、参加者操作取得部12が自端末(参加者用端末10b)において取得した参加者操作情報に基づいて操作種別(参加者操作種別)を判定する。操作種別は、発表者及び参加者の操作内容を種類別に分類したものである。操作種別は、予め設定されており、例えば操作種別テーブルとして記憶部103に保存される。操作種別テーブルに登録される操作内容は、発表者及び参加者にとって重要な操作内容、例えば、発表者用端末10aに同期して参加者用端末10bに表示された表示内容(同期内容)を変更する操作内容をいう。具体的には、発表者用端末10aに表示された資料Aの第1ページが同期して参加者用端末10bに表示されている場合に、第2ページに切り替えることにより、参加者用端末10bの表示内容を変更する操作や、発表者用端末10aに表示された資料Aの第1ページが同期して参加者用端末10bに表示されている場合に、第1ページにマウスポインタを入力することにより、参加者用端末10bの表示内容を変更する操作等をいう。
なお、参加者用端末10bにおいて、表示画面全体に同期内容が表示されてもよいし、表示画面の一部に同期内容が表示されてもよい。また、発表者用端末10aの表示画面全体が同期されてもよいし、表示画面の一部が同期されてもよい。このため、例えば、発表者用端末10aにおいて発表者が操作したマウスポインタが、参加者用端末10bにおいて同期して動いている場合(同期状態)でも、参加者用端末10b用のマウスポインタは別途(例えば、同期している表示画面外に)表示されていてもよい。また、同期している表示画面内において、発表者が操作した同期状態のマウスポインタと、参加者が操作した参加者用端末10b用のマウスポインタとの両方が表示されていてもよい。発表者用端末10aにおけるマウスポインタの入力操作は、参加者用端末10bの表示内容を変更する操作に含まれる。
図6には、操作種別テーブルの一例を示している。図6に示す操作種別テーブルでは、操作内容に対応して、「資料表示」、「ペン」、「ピックアップ」、「ページ切り替え」、「ポインタ」の5種類の操作種別が設定されている。例えば、操作種別判定部13は、上記操作種別テーブルを参照して、発表者による操作内容に対応する操作種別を特定する。また、操作種別判定部13は、上記操作種別テーブルを参照して、参加者による操作内容に対応する操作種別を特定する。なお、操作内容に対応する操作種別が存在しない場合は、操作種別判定部13は、「操作種別なし」と判定する。また、操作種別テーブルに登録される操作内容は図6の内容に限定されない。例えば、操作種別テーブルに登録される操作内容及び操作種別が、発表者用のものと参加者用のものとで異なっていてもよい。この場合は、発表者用操作種別テーブルと参加者用操作種別テーブルとを別々に設ければよい。
同期判定部14は、操作種別判定部13の判定結果に基づいて、参加者用端末10bを発表者用端末10aに同期させるか又は非同期とさせるかを判定する。具体的には、発表者による操作内容が所定の操作種別(図6参照)に該当する場合は、同期判定部14は、「同期」と判定する。また、参加者による操作内容が所定の操作種別(図6参照)に該当する場合は、同期判定部14は「非同期」と判定する。なお、発表者による操作内容又は参加者による操作内容が「操作種別なし」の場合は、同期判定部14は「非同期」と判定する。
表示制御部15は、同期判定部14の判定結果に基づいて、参加者用端末10bの表示画面の表示内容を制御する。具体的には、同期判定部14において「同期」と判定された場合、表示制御部15は、発表者による操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに反映させて表示させる。例えば、発表者が発表者用端末10aにおいて新たな資料Aを表示させた場合、同期判定部14において「同期」と判定され、表示制御部15は、参加者用端末10bの表示部106に資料Aを表示させる。また、例えば、発表者が発表者用端末10aにおいて資料Aの表示ページを第1ページから第2ページに切り替えた場合、同期判定部14において「同期」と判定され、表示制御部15は、参加者用端末10bの表示部106に表示されている資料Aの表示ページを第1ページから第2ページに切り替える。同様に、ペンツールにより文字を書き込んだり、投稿コメントをピックアップしたり、発表者がマウスポインタを移動させたりした場合、表示制御部15は、これら操作内容を、参加者用端末10bに反映させる。
一方、同期判定部14において「非同期」と判定された場合は、表示制御部15は、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して非同期状態(非同期モード)にするとともに、参加者による操作内容を参加者用端末10bに反映させる。例えば、発表者用端末10aに同期して参加者用端末10bに資料Aが表示されている場合に、参加者が別の資料Bを選択した場合、同期判定部14において「非同期」と判定され、表示制御部15は、参加者用端末10bを発表者用端末10aとは非同期状態とし、参加者用端末10bの表示内容を変更して、表示部106に資料Bを表示させる。また、例えば、発表者用端末10aに同期して参加者用端末10bに資料Aの第3ページが表示されている場合に、参加者が先のページ(第4ページ)に切り替える操作を行った場合、同期判定部14において「非同期」と判定され、表示制御部15は、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して非同期状態とし、参加者用端末10bの表示部106に表示されている資料Aの表示ページを第3ページから第4ページに切り替える(変更する)。同様に、ペンツールにより文字を書き込んだり、投稿コメントを作成したり、参加者がマウスポインタを移動させたりした場合、表示制御部15は、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して非同期状態とし、これら操作内容を、参加者用端末10bに反映させる。
上記のように、表示制御部15は、参加者が参加者用端末10bにおいて予め設定された操作を行うことによって同期状態を解除する(非同期状態に切り替える)同期解除手段として機能し、同期状態が解除された状態(非同期状態)において、発表者が発表者用端末10aにおいて予め設定された操作を行うことによって、再度、同期状態に戻す(非同期状態を解除する)再同期手段として機能する。
次に、電子会議システム100における処理の流れについて説明する。図7及び図8は、電子会議システム100の動作フロー図である。ここでは、一例として、発表者Pが発表者用端末10aを使用して電子会議において資料Aに関する発表を行い、参加者Sが参加者用端末10bを使用して電子会議に参加し、発表者P及び参加者Sが所望の操作を行いながら電子会議が進行していくケースを想定して説明する。なお、電子会議システム100には、通信ネットワーク20を介して相互に接続された1台の発表者用端末と複数台の参加者用端末とが含まれるが、ここでは、1台の発表者用端末10aと1台の参加者用端末10bとに着目して説明する。
初めに、発表者Pは、発表者用端末10aにおいて、記憶部103(図2)に保存されている資料Aのファイルを選択する。これにより、発表者用端末10aの表示部106に、資料Aの内容が表示される(S101)。例えば、資料Aの先頭ページ(第1ページ)が表示される。また、発表者用端末10aは、資料Aの情報(例えば、資料AのID及びページ番号)を含む、発表者Pの操作内容(ここでは、新規資料Aの表示)を示す発表者操作情報を参加者用端末10bに通知する。
次に、参加者用端末10bの発表者操作受付部11が、発表者用端末10aから上記発表者操作情報を受け付ける(S201)。ここでは、発表者操作受付部11は、資料AのIDを含む操作内容(「新規資料Aの表示」)を受け付ける。
次に、参加者用端末10bの操作種別判定部13が、上記発表者操作情報に基づいて操作種別を判定する(S202)。ここでは、操作種別判定部13は、図6に示す操作種別テーブルを参照して、操作内容(「新規資料Aの表示」)に対応する操作種別(「資料表示」)を特定する。
次に、参加者用端末10bの同期判定部14が、操作種別判定部13の判定結果に基づいて、参加者用端末10bの同期・非同期を判定する(S203)。ここでは、操作種別として「資料表示」が特定されるため、同期判定部14は「同期」と判定する。
次に、参加者用端末10bの表示制御部15が、同期判定部14の判定結果に基づいて、参加者用端末10bにおける表示画面の表示内容を制御する(S204)。ここでは、同期判定部14により「同期」と判定されるため、表示制御部15は、メディアDB31に保存されている資料Aを読み出し、参加者用端末10bの表示部106に資料Aの第1ページを表示させる。
上記S201〜S204の処理では、発表者用端末10aと参加者用端末10bとが同期状態(同期モード)となり、同一の内容が表示される。
続いて、参加者Sが参加者用端末10bにおいて所望の操作を行う。ここでは、参加者Sが、表示画面に表示されている資料Aの表示ページ(第1ページ)を、第2ページに切り替えたと仮定する(S205)。
すると、参加者用端末10bの参加者操作取得部12が、参加者Sが操作した内容を示す参加者操作情報を取得する。ここでは、参加者用端末10bは、資料Aの情報(例えば、資料AのID)を含む、参加者Sの操作内容(ここでは、資料Aのページ切り替え)を示す参加者操作情報を取得する(S206)。
次に、参加者用端末10bの操作種別判定部13が、上記参加者操作情報に基づいて操作種別を判定する(S207)。ここでは、操作種別判定部13は、図6に示す操作種別テーブルを参照して、操作内容(「資料Aのページ切り替え」)に対応する操作種別(「ページ切り替え」)を特定する。
次に、参加者用端末10bの同期判定部14が、操作種別判定部13の判定結果に基づいて、参加者用端末10bの同期・非同期を判定する(S208)。ここでは、操作種別として「ページ切り替え」が特定されるため、同期判定部14は「非同期」と判定する。
次に、参加者用端末10bの表示制御部15が、同期判定部14の判定結果に基づいて、参加者用端末10bにおける表示画面を制御する(S209)。ここでは、同期判定部14により「非同期」と判定されるため、表示制御部15は、発表者用端末10aの表示部106に資料Aの第1ページが表示されていたとしても、参加者用端末10bの表示部106の表示内容を変更して、資料Aの第2ページを表示させる。
S205〜S209の処理では、参加者用端末10bが非同期状態(非同期モード)となり、発表者用端末10a及び参加者用端末10bには互いに異なる内容が表示される。
続いて、発表者Pが発表者用端末10aにおいて所望の操作を行う。ここでは、発表者Pが、ペンツールを使用して、表示部106に表示されている資料Aの第1ページに文字の書き込みを行ったと仮定する(図8のS102)。
すると、発表者用端末10aは、書き込まれた文字の位置(座標)、書き込まれた資料AのID及びページ番号を示す情報を含む、発表者Pが操作した内容(ここでは、ペンツールによる資料Aへの書き込み)を示す発表者操作情報を、参加者用端末10bに通知する。
次に、参加者用端末10bの発表者操作受付部11が、発表者用端末10aから上記発表者操作情報を受け付ける(S210)。
次に、参加者用端末10bの操作種別判定部13が、上記発表者操作情報に基づいて操作種別を判定する(S211)。ここでは、操作種別判定部13は、図6に示す操作種別テーブルを参照して、操作内容(「ペンツールによる資料Aへの書き込み」)に対応する操作種別(「ペン」)を特定する。
次に、参加者用端末10bの同期判定部14が、操作種別判定部13の判定結果に基づいて、参加者用端末10bの同期・非同期を判定する(S212)。ここでは、操作種別として「ペン」が特定されるため、同期判定部14は「同期」と判定する。
次に、参加者用端末10bの表示制御部15が、同期判定部14の判定結果に基づいて、参加者用端末10bにおける表示画面の表示内容を制御する(S213)。ここでは、同期判定部14により「同期」と判定されるため、表示制御部15は、参加者用端末10bの表示部106の表示内容を変更して、文字が書き込まれた資料Aの第1ページを表示させる。
S210〜S213の処理では、参加者用端末10bが再び同期状態(同期モード)となり、発表者用端末10a及び参加者用端末10bには互いに同一の内容が表示される。
以上のように、電子会議システム100では、発表者及び参加者の所望の操作に応じて、自動的に同期・非同期が切り替わり、参加者用端末10bの表示内容が変更される。
次に、電子会議システム100における会議の記録方法について説明する。図9は、サーバ30及び操作端末10の構成を示す機能ブロック図である。図9では、参加者用端末10bを例に挙げている。参加者用端末10bは、図3に示す構成において、さらに操作情報送受信部41、議事録情報受信部42、及び議事録再生部43を含んでいる。なお、図示はしないが、発表者用端末10aも同様に、操作情報送受信部41、議事録情報受信部42、及び議事録再生部43を含んでいる。
操作端末10は、会議中に、ユーザ(発表者及び参加者)が操作した内容を示す操作情報(発表者操作情報及び参加者操作情報)を、操作端末10に表示された資料を示す資料情報と、操作された時刻を示す時間情報と、操作された端末を識別する端末情報とを関連付けて、サーバ30に送信する。例えば、参加者用端末10bの操作情報送受信部41は、参加者操作取得部12が取得した参加者操作情報を、資料情報(例えばページ情報)と時間情報と端末情報とを関連付けて、サーバ30に送信する。操作情報送受信部41は、表示させる資料の情報を示す資料情報を受け付ける資料情報受付手段と、複数の操作端末10それぞれにおいてユーザにより操作された内容を示す操作情報を受け付ける操作情報受付手段として機能する。発表者用端末10aも同様に、操作情報送受信部は、発表者操作取得部が取得した発表者操作情報を、資料情報(例えばページ情報)と時間情報と端末情報とを関連付けて、サーバ30に送信する。
サーバ30は、操作情報送受信部32及び操作情報管理部33を含んでいる。これらの要素はメモリ302(図2参照)に格納されたプログラムをCPU301が実行することにより実現される。記憶部303には、資料データを保存するファイルDB35と、発表者用端末10a及び参加者用端末10bから受信した操作情報を保存する操作情報DB36とが含まれている。
操作情報送受信部32は、発表者用端末10a及び参加者用端末10bから送信された操作情報を受信する。例えば、操作情報送受信部32は、会議中に操作端末10から送信される操作情報を時系列に順次受信する。
操作情報管理部33(情報記録手段)は、操作情報送受信部32が受信した操作情報を操作情報DB36の操作情報管理テーブルに保存する。図10は、操作情報管理テーブルの一例を示す図である。図10の例では、会議が「2015/03/18 10:00:00」に開始された場合を示している。例えば管理番号「1」は、発表者が、発表者用端末「000001(master)」において、時刻「2015/03/18 10:00:41」(会議開始から40秒後)に、資料のページ番号を第1ページから第2ページに切り替えたときの操作情報を示している。例えば管理番号「3」は、参加者が、参加者用端末「000005(slave)」において、時刻「2015/03/18 10:01:15」に、資料の第2ページにペンで書き込みを行ったときの操作情報を示している。操作情報管理テーブルのデータ項目は、操作の対象となる資料の情報、例えば、ペンで書き込みを行った資料の名称、書き込まれた資料の場所(座標)等を示す情報が登録される。このように、操作情報管理テーブルには、会議中に発表者及び参加者が行った操作情報が、同期表示されている資料の情報に関連付けて記録される。なお、時間情報は、実時間であってもよいし、会議開始時点からの経過時間であってもよいが、より好適には、実時間と会議開始時点からの経過時間とを含むことが望ましい。上記実時間と上記経過時間とを含めることにより、例えば、会議に後から参加して発言したユーザと、会議に最初から参加していたユーザとを区別することができ、改ざん防止の効果を得ることもできる。また、この構成によれば、議事録の再生時に、会議に後から参加したユーザを含めてあたかも全てのユーザが最初から会議に参加していたかのように再生することもできるし、会議に後から参加したユーザを除外して最初から会議に参加しているユーザのみの議事録を再生することもできる。操作情報管理部33は、操作情報管理テーブルに記録された一連の情報(議事録情報)を、会議に使用された資料に関連付ける。
操作情報送受信部32は、操作情報管理部33により登録された操作情報管理テーブルの情報(議事録情報)を操作端末10に送信する。例えば、操作情報送受信部32は、会議終了後に、会議中に行われた操作(イベント)の一連の流れが登録された図10に示す議事録情報を、発表者用端末10a及び参加者用端末10bに送信する。
参加者用端末10bの議事録情報受信部42は、サーバ30から送信された議事録情報を受信して、議事録DB37に保存する。
議事録再生部43は、ユーザの操作(再生要求)に従って、過去の議事録を再生する。具体的には、議事録再生部43は、対象となる会議で使用された資料をメディアDB31から読み出し、表示部106に表示させる。次に、議事録再生部43は、議事録情報の時間情報に基づいて、操作内容に応じた表示内容を反映させる。例えば、議事録再生部43は、ユーザから議事録の再生指示を受け付けると、資料Aの第1ページを表示させ、その後、再生指示の受付から40秒後に、資料Aの第2ページを表示させる(図10の管理番号「1」)。次に、議事録再生部43は、音声データを再生する(図10の管理番号「2」)。次に、議事録再生部43は、資料Aの第2ページの所定の場所(座標)にペン入力された文字又は図形を描画する(図10の管理番号「3」)。このようにして、過去の会議が再現される。
なお、サーバ30の操作情報送受信部32は、ユーザから議事録の再生指示を受け付けた場合に、議事録情報を時間情報に基づいて順次、該ユーザの操作端末10に送信し、議事録再生部43は、受信した議事録情報に基づいて順次再生してもよい。
本実施形態に係る会議システム100では、会議で使用された資料の情報と、ユーザにより操作された操作の情報とが、一体的な動画情報ではなく、互いに異なる情報として記録(管理)している。そして、再生時には、会議に使用された資料に、会議で行われた操作の情報を時間情報に基づいて反映させている。
上記の構成によれば、資料とは別に操作情報を記録しているため、会議を動画情報として記録する場合よりも議事録のデータ量を削減することができ、会議の議事録の効率的な記録を実現できる。
また、会議システム100では、議事録の再生中において、ユーザは所望の操作を行うことができる。具体的には、図7のS205〜S209の処理に示したように、非同期モードにおいて、会議で行われた内容とは異なる操作内容を反映させることができる。例えば、図10の管理番号「3」に示す内容が再生されているときに、ユーザが第2ページから第3ページに切り替えた場合、表示制御部15は、第3ページを表示させる。その後、管理番号「4」に示す「ピックアップ」の時刻に達すると、議事録再生部43は、資料を第2ページに戻し、ピックアップしたコメントを所定の場所に表示させる。このように、ユーザは、会議中の操作と同様に、議事録再生時にも所望の操作を行うことができるため、再生時のユーザ操作の自由度を高めることができる。
ここで、議事録再生中に行われた操作情報を議事録情報(図10)に含めてもよい。具体的には、例えば、議事録再生中に行われた操作端末「local」において「ペン」による書き込みが行われた場合、この操作情報を操作端末「local」の操作情報送受信部41がサーバ30に送信する。サーバ30の操作情報送受信部32が操作端末「local」から上記操作情報を受信すると、サーバ30の操作情報管理部33は、該操作情報を操作情報DB36の操作情報管理テーブルに記録する。図11は、更新された操作情報管理テーブルを示している。図11では、新たな操作情報(管理番号「2」)が追加されている。
上記構成によれば、図11の操作情報管理テーブルが生成された後に議事録の再生を行う場合には、追加された操作情報も反映された議事録が再生される。すなわち、過去の会議の内容を動的に管理することができる。
電子会議システム100は、上記構成に限定されず、様々な構成を採用することができる。以下では、変形例に係る電子会議システム100について、上記構成との相違点を中心に説明する。以下の変形例に係る電子会議システム100において、上記電子会議システム100と機能が共通する要素については説明を省略する。
変形例1に係る電子会議システム100では、参加者操作取得部12が参加者による操作内容(参加者操作情報)を取得した場合に、該操作内容に対応する操作種別を判定することなく、表示制御部15が、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して非同期状態(非同期モード)にするとともに、操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに表示させてもよい。そして、発表者操作受付部11が発表者による操作内容(発表者操作情報)を受け付けた場合は、該操作内容に対応する操作種別を判定し、表示制御部15が、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して同期状態(同期モード)にするとともに、上記操作種別に該当する上記操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに表示させてもよい。
変形例1に係る電子会議システム100によれば、発表者により、重要な操作(操作種別に該当する操作)、例えば、発表者用端末10aに表示された表示内容を変更する操作、が行われたときだけ同期状態となって該操作に応じた表示内容が参加者用端末10bに表示され、上記操作が行われない間は、参加者の所望の操作に応じた表示内容が参加者用端末10bに表示される。
変形例2に係る電子会議システム100では、発表者操作受付部11が発表者による操作内容(発表者操作情報)を受け付けた場合に、操作内容に対応する操作種別を判定することなく、表示制御部15が、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して同期状態(同期モード)にするとともに、操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに表示させてもよい。そして、参加者操作取得部12が参加者による操作内容(参加者操作情報)を取得した場合は、該操作内容に対応する操作種別を判定し、表示制御部15が、参加者用端末10bを発表者用端末10aに対して非同期状態(非同期モード)にするとともに、上記操作種別に該当する上記操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに表示させてもよい。
変形例2に係る電子会議システム100によれば、参加者により重要な操作(操作種別に該当する操作)、例えば、発表者用端末10aに同期して参加者用端末10bに表示された表示内容を変更する操作、が行われたときだけ非同期状態となって該操作に応じた表示内容が参加者用端末10bに表示され、上記操作が行われない間は、発表者の所望の操作に応じた表示内容が参加者用端末10bに表示される。なお、変形例2に係る電子会議システム100は、参加者による操作内容に応じた表示内容が参加者用端末10bに表示された時点で、自動的に同期状態に移行する構成としてもよい。
変形例3に係る電子会議システム100では、発表者用端末10a及び参加者用端末10bの同期状態を維持しつつ、参加者による操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに表示させてもよい。例えば、発表者用端末10a及び参加者用端末10bが同期状態であり、それぞれの表示画面に資料Aの第1ページが表示されている場合に、参加者が第2ページに切り替えると、表示制御部15は、表示画面を同期モード用の第1画面と非同期モード用の第2画面とに分割し、第1画面には同期モードに対応して第1ページを表示させ、第2画面には非同期モードに対応して第2ページを表示させる。この場合、第1画面の大きさを第2画面よりも小さくしてもよい。また、第1画面と第2画面を並べて表示してもよいし、一方の画面内に他方の画面を重ねて表示してもよい。また、上記の例において、参加者が第1画面を選択(クリック)する操作を行った場合に、表示制御部15は、第2画面における非同期モードを解除し、第1画面を全画面表示に切り替えてもよい。
変形例3に係る電子会議システム100によれば、参加者は、参加者用端末10bにおいて、発表者用端末10aの表示内容と同じ内容を確認しつつ、所望の操作に応じた内容を表示させることができる。
変形例4に係る電子会議システム100では、参加者用端末10bが非同期状態のときに、参加者の指示に基づき非同期状態を維持する構成としてもよい。例えば、参加者が表示画面上の非同期ボタンをマウスポインタにより選択すると、参加者用端末10bは非同期状態を維持する。また、例えば、参加者が表示画面上を指でタッチしている間は、参加者用端末10bは非同期状態を維持する構成としてもよい。
また、変形例4に係る電子会議システム100では、非同期状態を維持しているときに、発表者の操作内容が、複数の操作種別のうち重要な操作に関する操作種別に該当する場合は、強制的に非同期状態を解除して同期状態に移行する構成としてもよい。重要な操作とは、例えば、新規資料の表示や資料への書き込み等をいう。
図12は、変形例5に係る電子会議システム100における参加者用端末10bの具体的な構成を示す機能ブロック図である。変形例5に係る電子会議システム100では、参加者用端末10bは、さらに、発表者操作情報に対応する操作種別の優先度(発表者用優先度)と、参加者操作情報に対応する操作種別の優先度(参加者用優先度)とを取得して比較する優先度比較部16を含んでいる。優先度は、発表者又は参加者における操作内容の重要度を表し、例えば、図13に示すように、「資料表示」が最も優先度が高く、以降、「ペン」、「ピックアップ」、「ページ切り替え」、「ポインタ」の順に優先度が低くなっていく。優先度は、図13に示す操作種別テーブルにおいて予め設定される。なお、発表者用優先度と参加者用優先度とは、図13に示すように同一であってもよいし、図14に示すように異なっていてもよい。
優先度比較部16は、発表者操作受付部11により発表者操作情報を受け付ける期間と、参加者操作取得部12により参加者操作情報を取得する期間とが重なる場合に、上記それぞれの優先度を比較する。
図15は、変形例5に係る電子会議システム100の動作フロー図である。まず、参加者用端末10bにおいて、発表者操作受付部11が、発表者用端末10aから発表者操作情報を受け付け(S11)、参加者操作取得部12が参加者操作情報を取得する(S12)。次に、操作種別判定部13が、上記発表者操作情報及び上記参加者操作情報に対応するそれぞれの操作種別を特定する(S13)。次に、優先度比較部16が、それぞれの操作種別に対応するそれぞれの優先度(発表者用優先度、参加者用優先度)を取得し(S14)、発表者用優先度が参加者用優先度よりも大きいか否かを判定する(S15)。発表者用優先度が参加者用優先度よりも大きい場合は(S15でYES)、表示制御部15は、発表者の操作内容に応じた表示内容を、参加者用端末10bの表示画面に表示させる(S16)。一方、参加者用優先度が発表者用優先度よりも大きい場合は(S15でNO)、表示制御部15は、参加者の操作内容に応じた表示内容を、参加者用端末10bの表示画面に表示させる(S17)。上記S16,S17の処理後、電子会議が終了するまで上記処理が繰り返される(S18)。
このように、変形例5に係る電子会議システム100では、表示制御部15は、発表者操作情報及び参加者操作情報のうち優先度の高い方の操作種別に対応する操作情報に応じた表示内容を、参加者用端末10bの表示画面に表示させる。例えば、発表者が発表者用端末10aに表示された資料画面(図5参照)上でマウスポインタを移動させているときに、参加者が参加者用端末10bに表示された資料画面(図5参照)のページを切り替えた場合、参加者用優先度(「2」)が発表者用優先度(「1」)よりも高いため、表示制御部15は、「マウスポインタの移動」を参加者用端末10bに反映しないで、「ページ切り替え」を参加者用端末10bに反映する。
変形例5に係る電子会議システム100は、上記構成に限定されない。例えば、優先度比較部16は、発表者用優先度と、予め設定された所定優先度とを比較してもよい。そして、表示制御部15は、発表者用優先度が所定優先度以下である場合は、当該発表者用優先度に対応する発表者操作情報に応じた表示内容を参加者用端末10bに反映しない構成としてもよい。
また、変形例5に係る電子会議システム100では、優先度の高い操作情報に応じた表示内容を参加者用端末10bに表示させている間は、他の操作情報に応じた表示内容を受け付けず、優先度の高い操作情報に応じた表示内容が参加者用端末10bに表示された後に、他の操作情報に応じた表示内容の受け付けを許可する構成としてもよい。例えば、参加者用端末10bにおいてペンツールによる資料への書き込みが行われている間は(非同期状態)、発表者による操作内容(例えば、新規資料の表示)を受け付けず、発表者による資料への書き込みが終了した時点で、新規資料を参加者用端末10bに表示させてもよい。
上記優先度の情報は、議事録の再生時にも利用することができる。図16は、サーバ30及び操作端末10の構成を示す機能ブロック図である。参加者用端末10bは、図9に示す構成において、さらに操作情報送受信部41、議事録情報受信部42、及び議事録再生部43を含んでいる。例えば、ユーザの操作(再生要求)に従って過去の議事録を再生中において、「ペン」による資料への書き込みが再生されようとしているとき又は再生中に(図10の管理番号「3」)、ユーザがページ切り替えの操作を行った場合、「ペン」の優先度は「ページ切り替え」よりも高いため、議事録再生部43は、「ページ切り替え」の操作は反映させず、「ペン」による資料への書き込みを再生する。また、議事録を再生中において、「ピックアップ」によるコメントのピックアップが再生されようとしているとき又は再生中に(図10の管理番号「4」)、ユーザが新規資料の表示操作を行った場合、「資料表示」の優先度は「ピックアップ」よりも高いため、議事録再生部43は、「資料表示」の操作を反映させて、議事録の内容とは異なる操作を実行する。
なお、上記優先度の情報を、会議中には利用せず、議事録の再生時のみ利用してもよい。この場合、議事録再生部43は、サーバ30の操作情報送受信部32が受信した操作情報のうち、操作時刻が重複する複数の操作情報において優先度の高い方の操作情報を再生する。この場合、優先度比較部16は、例えば図17に示す優先度判定テーブルに基づいて操作情報の優先度を判定する。図に示す優先度判定テーブルでは、操作が行われた端末の種類(発表者用端末「master」、参加者用端末「slave」、「自端末」)と操作種別に応じて優先度が設定される。なお、図18に示すように、優先度判定テーブルに、再生要求を指示したユーザが使用する現在の端末における操作種別を含めてもよい。
変形例6に係る電子会議システム100では、参加者操作取得部12は、自端末である参加者用端末10bから参加者操作情報を取得するとともに、他の参加者用端末10c、10dから参加者用操作情報を取得してもよい。すなわち、参加者操作取得部12は、自端末以外の他の端末からも操作情報を取得する構成であってもよい。そして、上記構成において、例えば参加者用端末10cから受け付けた参加者用操作情報における操作内容が、所定の操作種別に対応する場合は、当該操作内容を参加者用端末10bに反映させてもよい。上記構成によれば、例えば、参加者用端末10cにおいてコメントが投稿された場合、投稿されたコメントが参加者用端末10bに表示される。
ところで、上述した各形態に係る電子会議システム100では、同期判定部14が省略されていてもよい。同期判定部14を含まない電子会議システム100について、変形例7として以下に説明する。
変形例7に係る電子会議システム100では、表示制御部15は、操作種別判定部13の判定結果に基づいて、参加者用端末10bの表示画面の表示内容を制御してもよい。具体的には、発表者による操作内容が所定の操作種別(図6参照)に該当する場合に、表示制御部15は、当該操作内容に応じた表示内容を参加者用端末10bに反映させて表示させてもよい。
例えば、発表者の操作内容(例えば、マウスポインタの表示やペンツールによる書き込み)を参加者用端末10bに反映させるとともに、参加者の操作内容がマウスポインタの表示や(同一ページ内での)ペンツールによる書き込みであった場合は、当該参加者の操作内容も参加者用端末10bに反映させてもよい。つまり、発表者の操作内容と参加者の操作内容の両方を、参加者用端末10bに反映させてもよい。よって、発表者の操作内容を反映しつつ、参加者の操作内容も同時に反映する、同期状態及び非同期状態の中間の状態(半同期状態)とすることもできる。このように、表示制御部15は、同期モード・非同期モードによらず、半同期モードを実現することができる。すなわち、表示制御部15は、参加者用端末10bに表示された表示内容を、発表者の操作内容及び参加者の操作内容の両方に応じた表示内容に変更することもできる。
電子会議システム100が同期判定部14を含む場合は、例えば、同期判定部14の判定結果を用いて以下の変形例8に示すシステムを構成することもできる。
図19は、変形例8に係る電子会議システム100の具体的な構成を示す機能ブロック図である。変形例8に係る電子会議システム100では、参加者用端末10bは、さらに、同期情報通知部17を含み、発表者用端末10aは、さらに、同期情報取得部21及び表示制御部22を含んでいる。
参加者用端末10bの同期情報通知部17は、参加者用端末10bが発表者用端末10aに同期しているか否かを示す同期情報や、同期していない場合の表示画面の表示内容等を含む同期情報を発表者用端末10aに送信する。
発表者用端末10aの同期情報取得部21は、参加者用端末10bから、上記同期情報を取得する。なお、同期情報取得部21は、電子会議システム100に含まれる全ての参加者用端末から上記同期情報を取得する。
発表者用端末10aの表示制御部22は、同期情報取得部21が取得した上記同期情報に基づいて、発表者用端末10aの表示画面の表示内容を制御する。例えば、表示制御部22は、全ての参加者用端末のうち同期状態にある参加者用端末の合計台数(同期数)を算出し、発表者用端末10aの表示画面に同期数を表示する。また、表示制御部22は、全ての参加者用端末の台数に対する、同期状態にある参加者用端末の台数の割合(同期率)を算出し、発表者用端末10aの表示画面に同期率を表示してもよい。また、表示制御部22は、非同期状態にある参加者用端末10bの表示画面に表示されている表示内容を、発表者用端末10aの表示画面に並べて表示(例えば、サムネイル表示)してもよい。
変形例9に係る電子会議システム100では、変形例8に係る電子会議システム100において、参加者用端末10bは、参加者操作取得部12及び操作種別判定部13が省略されている。図20は、変形例9に係る電子会議システム100の具体的な構成を示す機能ブロック図である。発表者用端末10aは、図19に示す構成と同一である。参加者用端末10bは、同期表示を行う周知の操作端末を適用することができる。上記構成によれば、上記変形例8と同様、発表者用端末10aの表示画面に、同期率や、非同期状態にある参加者用端末10bの表示内容が表示される。よって、発表者は、自身の発表内容に対する参加者の関心度合いを把握することができる。
なお、上記変形例9に係る電子会議システム100を実現するためのプログラムは、複数の操作端末において、参加者用端末10b(第1操作端末)の表示画面の少なくとも一部に、発表者用端末10a(第2操作端末)の表示内容の少なくとも一部を同期状態にして表示させることが可能なプログラムであって、全ての参加者用端末10bの台数に対する、同期状態にある参加者用端末10bの台数の割合(同期率)を、発表者用端末10aの表示画面に表示させる表示制御手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムとすることができる。また、上記表示制御手段は、非同期状態にある参加者用端末10bの表示内容を、発表者用端末10aの表示画面に表示させてもよい。
図21は、変形例10に係る電子会議システム100の具体的な構成を示す機能ブロック図である。変形例10に係る電子会議システム100では、参加者用端末10bは、図9に示す構成において、さらに参加モード受付部44を含んでいる。
参加モード受付部44は、会議に参加する参加者が選択した参加モードを受け付ける。具体的には、参加者は、会議の途中から参加する場合に、参加した時点からリアルタイムで進行する会議に参加する第1参加モードと、会議開始時からリアルタイムの会議の進行に追いつくまでの議事録を高速再生した後にリアルタイムの会議に参加する第2参加モードのうち何れかを選択する。参加者が第1参加モードを選択した場合は、参加した時点からリアルタイムで同期表示等が行われる。参加者が第2参加モードを選択した場合は、議事録再生部43は、会議開始時からリアルタイムの会議の進行に追いつくまでの議事録を高速で再生する。リアルタイムの会議の進行に追いつくと、リアルタイムで同期表示等が行われる。
以上説明した電子会議システム100の実施形態及び各変形例に示した各要素は、操作端末10(発表者用端末10a、参加者用端末10b、10c、10d)にネットワーク接続された情報処理装置において、プログラムをCPUが実行することにより実現されてもよい。上記情報処理装置は、例えば図4に示すサーバ30とすることができる。この場合、情報処理装置では、参加者操作取得部12が各参加者用端末から参加者操作情報を取得し、操作種別判定部13が各参加者用端末に対応する操作種別をそれぞれ特定し、同期判定部14が各参加者用端末に対応する同期、非同期をそれぞれ判定する。また、表示制御部15は、同期判定部14の判定結果に基づいて、各参加者用端末の表示画面の表示内容を制御する。
また、上記実施形態及び各変形例は、一例であって、各形態を組み合わせることもできる。
また、電子会議システム100のネットワーク構成は、図4に示す構成に限定されない。例えば、図22に示すように、各操作端末10が、参加者用端末10bを介して相互に接続された構成(スター型)であってもよい。また、図23に示すように、発表者用端末10aを起点として参加者用端末10b、10c、10dが接続された構成(P2P(Peer to Peer)型)であってもよい。
また、図4に示すネットワーク構成において、各操作端末10からサーバ30への接続はユーザがウェブブラウザを立ち上げて共通のURL(サーバ)を指定することで接続させるようにしても良いし、各操作端末10で立ち上げるアプリケーションが予め設定されているアドレスに従って自動的にサーバ30に接続するようにしても良い。また、各操作端末10とサーバ30との接続は、Web Socketにより接続されてもよいし、各操作端末10がサーバ30に対して一定間隔で接続に行く(ポーリング)ことにより擬似的に操作端末10間で情報のやり取りをするようにしても良い。
なお、上記電子会議システム100における同期状態及び非同期状態の相互の移行(切り替え)は、操作端末10の初期設定(デフォルト)が非同期状態である場合は、非同期状態を解除して同期状態に移行し、初期状態が同期状態である場合は、同期状態を解除して非同期状態に移行する。
以上の説明では、情報処理システムの一例として電子会議システムを例に挙げたが、当該情報処理システムは、電子会議システムに限定されず、ネットワーク接続された操作端末間で電子データを共有する多種多様なシステムを含むものである。